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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】加熱装置、定着装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20221014BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221014BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G03G15/20 510
G03G15/00 680
G03G21/16 185
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018184388
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020052344
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】染矢 幸通
(72)【発明者】
【氏名】足立 知哉
(72)【発明者】
【氏名】古市 祐介
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-299016(JP,A)
【文献】特開2015-191734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/20
G03G 15/00
G03G 15/20
G03G 21/16-21/18
H05B 1/00- 3/18
H05B 3/40- 3/82
H01R 13/40-13/533
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を有し、前記電極を介した通電により加熱を行う加熱部材と、
前記加熱部材を保持する保持部材と、
前記電極に接続される通電端子を複数有するコネクタ部材とを備えた加熱装置であって、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に係合する係合部を有し、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に対して装着可能に設けられ、当該装着により、前記係合部を前記保持部材に係合させ、かつ、前記通電端子を前記電極に接触させることができ、
前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方に設けられた凸部と、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方に設けられた凹部とによって構成された、前記コネクタ部材を前記保持部材に対する装着方向へガイドする一対のガイド機構を備え
前記係合部は、複数の前記電極の並設方向において、前記電極と前記通電端子との複数の接触位置の平均位置に設けられることを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
電極を有し、前記電極を介した通電により加熱を行う加熱部材と、
前記加熱部材を保持する保持部材と、
前記電極に接続される通電端子を有するコネクタ部材とを備えた加熱装置であって、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に係合する係合部を有し、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に対して装着可能に設けられ、当該装着により、前記係合部を前記保持部材に係合させ、かつ、前記通電端子を前記電極に接触させることができ、
前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方に設けられた凸部と、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方に設けられた凹部とによって構成された、前記コネクタ部材を前記保持部材に対する装着方向へガイドする一対のガイド機構を備え
前記ガイド機構は、前記電極と前記通電端子との接触位置に対向して配置されることを特徴とする加熱装置。
【請求項3】
電極を有し、前記電極を介した通電により加熱を行う加熱部材と、
前記加熱部材を保持する保持部材と、
前記電極に接続される通電端子を有するコネクタ部材とを備えた加熱装置であって、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に係合する係合部を有し、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に対して装着可能に設けられ、当該装着により、前記係合部を前記保持部材に係合させ、かつ、前記通電端子を前記電極に接触させることができ、
前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方に設けられた凸部と、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方に設けられた凹部とによって構成された、前記コネクタ部材を前記保持部材に対する装着方向へガイドする一対のガイド機構を備え
前記コネクタ部材は、略U字状をなし、前記保持部材および前記加熱部材を前記保持部材の厚み方向に挟み込むようにして、前記保持部材に装着され、
前記コネクタ部材は、前記厚み方向の一方側と他方側にそれぞれ、前記保持部材に係合する係合部を有することを特徴とする加熱装置。
【請求項4】
電極を有し、前記電極を介した通電により加熱を行う加熱部材と、
前記加熱部材を保持する保持部材と、
前記電極に接続される通電端子を有するコネクタ部材とを備えた加熱装置であって、
前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方は、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方の側へ突出した突出部を有し、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方は、前記突出部に対応する凹状の受容部を有し、
前記コネクタ部材は、前記加熱部材の厚み方向に延在する第1部分と、前記第1部分から、前記第1部分の延在方向と交差する方向に延在する第2部分とを有し、
前記突出部もしくは前記受容部は、前記第1部分に設けられることを特徴とする加熱装置。
【請求項5】
前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方に設けられた凸部と、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方に設けられた凹部とによって構成された、前記コネクタ部材を前記保持部材に対する装着方向へガイドする一対のガイド機構を備えた請求項記載の加熱装置。
【請求項6】
前記コネクタ部材は、前記保持部材に係合する係合部を有し、
前記コネクタ部材は、前記保持部材に対して装着可能に設けられ、当該装着により、前記係合部を前記保持部材に係合させ、かつ、前記通電端子は前記電極に接触する請求項または記載の加熱装置。
【請求項7】
前記係合部は、前記コネクタ部材の凸部あるいは凹部の前記装着方向下流側端部に設けられる請求項1、3、6のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記係合部は、前記電極と前記通電端子との接触位置に対向して配置される請求項1、3、6、7のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記加熱部材は前記電極を複数有し、
前記コネクタ部材は、前記通電端子を複数有し、
前記係合部は、前記複数の電極の並設方向において、当該方向における前記の電極と前記通電端子との複数の接触位置の平均位置に設けられる請求項3または6いずれか記載の加熱装置。
【請求項10】
前記ガイド機構は、前記電極と前記通電端子との接触位置に対向して配置される請求項3または請求項5に係る請求項6いずれか記載の加熱装置。
【請求項11】
前記コネクタ部材は、略U字状をなし、前記保持部材および前記加熱部材を前記保持部材の厚み方向に挟み込むようにして、前記保持部材に装着され、
前記コネクタ部材は、前記厚み方向の一方側と他方側にそれぞれ、前記保持部材に係合する係合部を有する請求項4から6いずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項12】
請求項1から11いずれか1項に記載の加熱装置と、定着部材とを備えた定着装置。
【請求項13】
請求項12記載の定着装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、定着部材を定着温度まで加熱するための加熱装置が設けられる。この加熱装置には、通電のための電極を備えた加熱部材と通電端子を備えたコネクタ部材とが設けられており、通電端子を電極に接触させることで、加熱部材に通電して加熱動作をさせることができる。
【0003】
例えば特許文献1(特許第6061608号公報)では、図28に示すように、ヒータホルダ103に形成された嵌め込み溝103aにセラミックヒータ102が嵌め込まれている。そして、コの字状のコネクタ101が、ヒータホルダ103に対して図の右方向へ装着されることで、コネクタ101に設けられたばね材101bがヒータホルダ103を図の下方に押圧し、コネクタ101の通電端子101aとヒータ102の電極102aが当接し、ヒータ102に通電される。また、コネクタ101は、ロック部110dを、定着フランジ104に設けられた嵌合部104aに係止させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタ部材の保持部材に対する装着方向がずれると、その装着作業性が悪くなったり、電極と通電端子とが正しく接続されずに、加熱部材の通電不良が生じたりするという問題が生じてしまう。また、特許文献1のように、コネクタを装着するヒータホルダとは別部材(定着フランジ)に、コネクタを係止させる構成の場合、コネクタ部材のヒータホルダに対するガタつきが生じやすく、装置の動作中の振動等により、通電端子と電極とのずれが生じやすく、通電不良の原因となるという問題がある。
【0005】
このような事情から、本発明では、保持部材へ容易に装着可能にすると共に、装着後の保持部材に対するガタつきを抑制できるコネクタ部材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、 複数の電極を有し、前記電極を介した通電により加熱を行う加熱部材と、前記加熱部材を保持する保持部材と、前記電極に接続される通電端子を複数有するコネクタ部材とを備えた加熱装置であって、前記コネクタ部材は、前記保持部材に係合する係合部を有し、前記コネクタ部材は、前記保持部材に対して装着可能に設けられ、当該装着により、前記係合部を前記保持部材に係合させ、かつ、前記通電端子を前記電極に接触させることができ、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか一方に設けられた凸部と、前記保持部材あるいは前記コネクタ部材のいずれか他方に設けられた凹部とによって構成された、前記コネクタ部材を前記保持部材に対する装着方向へガイドする一対のガイド機構を備え、前記係合部は、複数の前記電極の並設方向において、前記電極と前記通電端子との複数の接触位置の平均位置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保持部材とコネクタ部材とによって構成されるガイド機構により、コネクタ部材を保持部材に対する装着方向へガイドすることができる。従って、コネクタ部材を容易、かつ、確実に保持部材に装着することができる。また、コネクタ部材を装着する保持部材に対して、コネクタ部材の係合部を係合させる構成により、装着後の保持部材に対するガタつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の概略構成図である。
図2】定着装置の概略構成図である。
図3】本発明の第一実施形態に係るヒータホルダおよびヒータの幅方向一端部を示す斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態のコネクタ部材の斜視図である。
図5】コネクタ部材のヒータホルダに対する装着状態を示す斜視図である。
図6】コネクタ部材のヒータホルダに対する装着動作を示す断面図である。
図7】通電端子と電極の接触状態を示す模式図である。
図8】第二実施形態のコネクタ部材を示す斜視図である。
図9】第三実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図10】第三実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図11】第四実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図12】第五実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図13】第六実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図14】第六実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図15】第七実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図16】第七実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図17】第八実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図18】第九実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図19】第九実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図20】第九実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図21】第十実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図22】第十一実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図23】第十一実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図24】第十二実施形態のヒータホルダおよびコネクタ部材を示す斜視図である。
図25】他の定着装置の概略構成図である。
図26】別の定着装置の概略構成図である。
図27】さらに別の定着装置の概略構成図である。
図28】従来の加熱装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0011】
図1に示す画像形成装置100は、画像形成装置本体に対して着脱可能な4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5とを備える。
【0012】
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10とを備える。
【0013】
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13とを有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
【0014】
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
【0015】
次に、図1を参照して上記画像形成装置の印刷動作について説明する。
【0016】
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
【0017】
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
【0018】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
【0019】
続いて、定着装置9の構成について説明する。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着部材としての無端状の定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に接触してニップ部Nを形成する対向部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱装置19とを備えている。また、加熱装置19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を支持する支持部材としてのステー24、温度検知手段としてのサーミスタ25等で構成されている。
【0021】
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
【0022】
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
【0023】
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向に渡って長手状に設けられており、板状の基材30と、基材30上に設けられた第1絶縁層32と、第1絶縁層32上に配置された抵抗発熱体31と、抵抗発熱体31を被覆する第2絶縁層33等で構成されている。ヒータ22は、定着ベルト20側(ニップ部N側)に向かって、基材30、第1絶縁層32、抵抗発熱体31、第2絶縁層33の順で構成されており、抵抗発熱体31から発された熱は、第2絶縁層33を介して定着ベルト20へと伝達される。本実施形態では、基材30の定着ベルト20とは反対側(ヒータホルダ23側)の面には、絶縁層が設けられていないが、この面にも絶縁層を設けてもよい。基材30の定着ベルト20側とその反対側の両方の面に同様の厚さの絶縁層を設けることで、基材30と絶縁層との間で生じる熱膨張差による反りを防止できる。
【0024】
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側板に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23及びこれに保持されるヒータ22が支持されていることで、加圧ローラ21が定着ベルト20に加圧された状態で、ヒータ22が加圧ローラ21の押圧力を確実に受けとめてニップ部Nを安定的に形成する。
【0025】
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。また、ヒータ22に対するヒータホルダ23の接触面積を少なくし、ヒータ22からヒータホルダ23へ伝わる熱量を低減するため、ヒータホルダ23はヒータ22に対して突起部231を介して接触している。
【0026】
サーミスタ25はヒータ22の温度を検知する。サーミスタ25が検知した温度に基づいて、制御手段がヒータ22に供給する電力を制御して定着ベルト20の加熱量を調整し、定着ベルト20を所望の温度に制御する。加熱制御手段は、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータを意味する。ただし、通紙時等には上記検知温度とは別に、通紙による抜熱分を考慮して、追加電力を適切に投入することで定着ベルト20の温度を所望の温度に制御する。
【0027】
加圧ローラ21は、バネ等の付勢手段によって定着ベルト20側へ付勢されている。これにより、加圧ローラ21は定着ベルト20を介してヒータ22に圧接され、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は駆動手段によって回転駆動されるように構成されており、加圧ローラ21が図2の矢印方向に回転すると、これに伴って定着ベルト20が従動回転する。
【0028】
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
【0029】
次に、ヒータ22に電力を供給するための給電部分の構成について説明する。
【0030】
図3はヒータ22の幅方向(長手方向)の一端側を示す斜視図である。
図3に示すように、ヒータホルダ23は、ヒータ22の幅方向に渡って長手状に設けられ、ヒータ22をその幅方向端部にまで渡って保持している。図3に示すヒータホルダ23およびヒータ22の一端部は、図2に示す定着ベルト20の幅方向端部よりも外側に設けられた部分である。以下の説明では、ヒータ22やヒータホルダ23の幅方向(長手方向)を単に幅方向とも呼ぶ。
【0031】
ヒータ22の一端側で、ヒータホルダ23に保持される側と反対側の面に電極40が設けられる。本実施形態では、電極40は、幅方向に二つ設けられている。ヒータホルダ23は、ヒータ22とは反対側の面に、凸部23aを有する。凸部23aは、ヒータホルダ23の短手方向(図2の上下方向)に延在する。
【0032】
図3で示したヒータ22の一端側には、通電のためのコネクタ部材が装着される。図4に示すように、コネクタ部材50は、略U字状(U字の曲げ部分を直角にした形状)をなし、垂直部50aと、垂直部50aの一端部から水平方向に延在する水平部50bと、垂直部50aの他端部から水平方向に平行して延在する三つの水平部50c1,50c2,50c3とを有する。
【0033】
垂直部50aの図の背面側からは給電用のハーネス41が2本延在している。水平部50bの水平部50c1,50c2,50c3側の面には、二つの通電端子42が設けられる。通電端子42は、背面側のハーネス41と電気的に接続されている。
【0034】
三つの水平部50c1,50c2,50c3のうち、中央の水平部50c2の先端部には、係合部としての係合爪50dが設けられる。水平部50c2の係合爪50dの側は自由端になっている。
【0035】
水平部50c1、50c3は、電極40の並設方向において、電極40に対向して配置される。また、水平部50c2および係合爪50dは、二つの通電端子42の中央(通電端子42の並設方向の中央)に配置される。言い換えると、後述するコネクタ部材50のヒータホルダ23に対する装着状態において、水平部50c1、50c3は、電極40の並設方向において、電極40と通電端子42との接触位置(図7参照)に対向して配置され、水平部50c2および係合爪50dは、電極40と通電端子42との二つの接触位置の中央に配置される。
【0036】
図5に示すように、重ね合わせされたヒータ22およびヒータホルダ23に対して、コネクタ部材50を図の矢印方向に移動させ、ヒータ22およびヒータホルダ23を挟み込むようにして、これらにコネクタ部材50を装着させる。
【0037】
具体的には、図6(a)に示すように、コネクタ部材50の係合爪50dに凸部23a上を移動させるようにして、コネクタ部材50を装着方向(図の矢印方向)へ移動させる。この際、係合爪50dは凸部23aに当接して図の上側へ弾性変形した状態になる。つまり、係合爪50dの下端から水平部50bの上面までの高さH1(図6b参照)は、凸部23aを含むヒータホルダ23とヒータ22との厚みH2よりも小さく設定されており、この差の分だけ、係合爪50dが図の上方へ弾性変形する。
【0038】
そして、図6(b)に示すように、コネクタ部材50が装着位置まで移動すると、係合爪50dが凸部23aの端部まで移動し、係合爪50dの凸部23aの上面に対する当接状態が解除されて、係合爪50dが元の形状に復帰する。これにより、凸部23aの係合面23a1に係合し、コネクタ部材50がヒータ22およびヒータホルダ23に装着される。
【0039】
図7は、図6の上方向から通電端子42と電極40を見た図である。
図7に示すように、コネクタ部材50がヒータ22およびヒータホルダ23に装着された状態で、コネクタ部材50に設けられた各通電端子42が各電極40に接触し、ヒータ22への通電が可能な状態になる。各通電端子42は、幅方向において、各電極40に対応する位置に配置されている。
【0040】
また、図6(b)に示すように、係合爪50dの係合面23a1に対する係合により、コネクタ部材50のヒータホルダ23からの抜け落ちを防止できる。特に、コネクタ部材50を装着させるヒータホルダ23に対して、係合爪50dが直に係合する構成とすることにより、コネクタ部材50のヒータホルダ23に対するガタつきを効果的に抑制することができる。従って、コネクタ部材50に、装置の動作中の振動等によって外力が加わった場合でも、通電端子42と電極40との良好な接触状態を維持することができる。
【0041】
特に本実施形態では、係合爪50dを二つの通電端子42の幅方向中央に配置することで、コネクタ部材50のヒータホルダ23に対する係合位置を、通電端子42と電極40の二つの接触位置の近傍に設けることができる。従って、コネクタ部材50やヒータホルダ23に外力が加わった場合でも、通電端子42と電極40とにガタが生じにくく、通電端子42と電極40との間に生じる摩擦力が小さくなる。従って、通電端子42と電極40との位置ずれや削れによる破損が生じにくく、通電端子42と電極40との接触状態、つまり、良好な通電状態を維持することができる。
【0042】
また、コネクタ部材50のヒータ22およびヒータホルダ23に対する装着方向の移動時には、水平部50c1と水平部50c3との間に凸部23aが挟み込まれる。これにより、コネクタ部材50のヒータ22およびヒータホルダ23に対する移動を、水平部50c1および水平部50c3の延在方向、つまり、コネクタ部材50の装着方向へガイドすることができ、コネクタ部材50をヒータ22およびヒータホルダ23に対して容易に装着することができる。このように、本実施形態では、水平部50c1と水平部50c3との間に形成される空間(凹部)と凸部23aが、コネクタ部材50を装着方向へガイドする一対のガイド機構として機能している(以下、コネクタ部材50の装着方向を、単に装着方向とも呼ぶ)。
【0043】
さらに、本実施形態では、上記ガイド機構の装着方向下流側端部、つまり、装着方向において、水平部50c1、50c3の下流側端部に相当する位置に係合爪50dが設けられる。このような構成により、コネクタ部材50がガイド機構によって装着方向へガイドされる動作と、コネクタ部材の係合爪50dがヒータホルダ23に係合する動作を一連の動作として行うことができ、コネクタ部材50の装着および係合動作を容易、かつ、確実に行うことができる。
【0044】
次に、異なる形態のヒータホルダ23およびコネクタ部材50について説明する。なお、以下の実施形態では、コネクタ部材50に配置された電極40や水平部50c1,50c2,50c3の位置関係は、図4に示した実施形態と同様である。
【0045】
図8に示すように、第二実施形態のコネクタ部材50は、水平部50c1および水平部50c3の先端に係合爪50dがそれぞれ設けられている。また、水平部50c2には係合爪が設けられていない。
【0046】
本実施形態のコネクタ部材50も、前述の実施形態と同様、図3に示すヒータホルダ23およびヒータ22に装着させることができる。水平部50c1と水平部50c3との間に形成される空間に、凸部23aが挟み込まれる点は、前述の実施形態と同様である。
【0047】
コネクタ部材50の装着時には、二つの水平部50c1、50c3に設けられた係合爪50d、50dがヒータホルダ23の側面に係合する。本実施形態では、コネクタ部材50の両側に設けられた係合爪50d、50dがヒータホルダ23に係合することで、コネクタ部材50のガタがより生じにくくなり、通電端子42と電極40との接触状態をさらに良好に維持することができる。
【0048】
また、図9に示すように、本発明の第三実施形態では、コネクタ部材50の他端部に一つの水平部50eを設け、この水平部50eの中央に、凹部としての貫通孔50e1を設ける。図10に示すように、水平部50eの端部側に、係合爪50dが設けられる。係合爪50dは、コネクタ部材50をヒータホルダ23に装着した状態で、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。本実施形態では、凸部23aと貫通孔50e1が一対のガイド機構として機能する。つまり、コネクタ部材50の装着動作時に、凸部23aが貫通孔50e1内を相対移動することで、コネクタ部材50が装着方向へガイドされる。また、係合爪50dが係合面23a1に係合し、コネクタ部材50のガタが規制される。
【0049】
また、以上の実施形態とは逆に、ヒータホルダ23の側に凹部(溝部)を設けてコネクタ部材50に凸部を設けた一対のガイド機構として、本発明の第四および第五実施形態の加熱装置を説明する。
【0050】
図11に示すように、第四実施形態では、ヒータホルダ23に、装着方向に延在する溝部23bが設けられる。そして、コネクタ部材50の水平部50c2の先端部に、係合爪50dが設けられる。溝部23bおよび係合爪50dは、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。
【0051】
本実施形態では、水平部50c2が、その他の水平部50c1、50c3よりも図の上下方向の厚みが大きく、この下側の厚肉部分と溝部23bとが一対のガイド機構として機能する。つまり、水平部50c2の下側部分が、溝部23b内を移動することで、コネクタ部材50が装着方向へガイドされる。そして、コネクタ部材50がヒータホルダ23に装着されると、係合爪50dがヒータホルダ23の側面23b1に係合する。このように、本実施形態でも、コネクタ部材50のガイド機能を実現することができる。また、コネクタ部材50の装着動作により、係合爪50dをヒータホルダ23に係合させることができる。
【0052】
また、図12に示す第五実施形態の加熱装置のように、コネクタ部材50の水平部50c2に代えて、水平部50c1,50c3に、係合爪50dをそれぞれ設ける構成とすることもできる。
【0053】
また、以上の実施形態と異なり、ヒータホルダ23に、ヒータ22の側に延出するガイド機構を設けることもできる。
【0054】
例えば、図13に示す第六実施形態の加熱装置のように、ヒータホルダ23に、ヒータ22の側へ延出するガイド用凸部23cを設ける。ガイド用凸部23cは、装着方向の上流側と下流側の端部にそれぞれ一つずつ設けられる。また、下流側の端部で、ガイド用凸部23cに対応する図の上側の位置には係合凹部23dが設けられる。
【0055】
また、コネクタ部材50は、水平部50bの上面側に、装着方向に延在するガイド溝50b1が形成される。図の上側には、三つの水平部50c1,50c2,50c3が設けられる。水平部50c2の先端部には、係合爪50dが設けられる。
【0056】
ガイド用凸部23c、係合凹部23d、ガイド溝50b1および係合爪50dは、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。
【0057】
本実施形態では、二つのガイド用凸部23cとガイド溝50b1がガイド機構として機能する。そして、図14に示すように、コネクタ部材50がヒータホルダ23に装着されると、係合爪50dが係合凹部23dに係合する。
【0058】
また、図15および図16に示す第七実施形態の加熱装置のように、ヒータホルダ23の上面に、係合凹部23dに代えて、溝部23bを設けてもよい。この場合、コネクタ部材50の水平部50c2の図の下側部分が、溝部23b内をガイドされることになる。本実施形態では、図の上側と下側に、それぞれ一対のガイド機構を設けることができ、コネクタ部材50の装着動作をより円滑に行うことができる。
【0059】
さらに、図17に示す第八実施形態の加熱装置のように、コネクタ部材50の水平部50bに二つのガイド溝50b1,50b2を設け、それぞれのガイド溝の装着方向途中に通電端子42を配置する構成とすることもできる。通電端子42は、板バネによって構成され、その一部が、ガイド溝50b1、50b2から突出している。ヒータホルダ23は、ヒータ22の側に延在する二つのガイド用凸部23c1,23c2を有する。なお、ヒータホルダ23は、装着方向上流側にも、下流側と幅方向の同一位置にガイド用凸部23c1,23c2を有する。
【0060】
本実施形態では、ガイド溝50b1,50b2の途中に通電端子42を設けることにより、コネクタ部材50をガイド機構によってガイドさせながら装着する動作により、電極を通電端子に確実に接触させることができる。
【0061】
本実施形態では、水平部50c1,50c3にそれぞれ設けられた係合爪50d、50dを、係合凹部23d1,23d2に係合させる構成とし、各係合爪50dが、各電極と通電端子との接触位置に対応して設けられている。また、図18に示す第九実施形態の加熱装置のように、中央側の水平部50c2に係合爪50dを設け、対応するヒータホルダ23の係合凹部、あるいは側面に係合させる構成としてもよい。なお、係合爪50dは、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。
【0062】
さらに、図19に示すように、ヒータホルダ23の装着方向の上流側には、嵌合凸部23eが設けられる。嵌合凸部23eは、図20に示すように、コネクタ部材50をヒータホルダ23に装着すると、コネクタ部材50の垂直部50aに設けられた嵌合凹部50a1に嵌合する。この嵌合により、コネクタ部材50のヒータホルダ23に対する位置精度をより向上させることができる。
【0063】
また、図21に示す第十実施形態の加熱装置のように、コネクタ部材50の水平部50bの側に、係合爪50dを設けることもできる。係合爪50dは、コネクタ部材50のヒータホルダ23に対する装着により、凸部23gに当接して係合状態になる。本実施形態では、コネクタ部材50の図の上下方向(ヒータホルダ23等の厚み方向)の2箇所で、ヒータホルダ23を挟み込むようにして、コネクタ部材50をヒータホルダ23に対して係合させることができる。これにより、コネクタ部材50のヒータホルダ23に対する図の上下方向のガタを抑制することができる。
【0064】
以上の実施形態では、コネクタ部材50の装着方向が、ヒータホルダ23の短手方向である場合を示したが、ヒータホルダ23の長手方向(幅方向)にコネクタ部材50を装着してもよい。
【0065】
例えば、図22に示す第十一実施形態の加熱装置のように、ヒータホルダ23の幅方向一端側には、幅方向に延在する凸部23aが設けられる。コネクタ部材50は、ヒータホルダ23の幅方向一端の外側から、幅方向他方側(図の矢印方向)へ装着される。この際、凸部23aが、コネクタ部材50の水平部50c1と水平部50c3の間に挟み込まれることで、コネクタ部材50の移動方向が規制され、コネクタ部材50が装着方向へガイドされる。また、図23に示すように、水平部50c2の先端部に設けられた係合爪50dは、凸部23a上を移動した後、凸部23aの係合面23a1に係合する。なお、本実施形態では、電極はヒータ22の短手方向に二つ設けられており、凸部23aおよび係合爪50dは、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。
【0066】
また、図24に示す第十二実施形態の加熱装置のでは、ヒータホルダ23の幅方向一端側に、幅方向に延在する二つの凸部23aが設けられる。また、二つの凸部23aの間で、凸部23aの幅方向他端よりもさらに幅方向他方側には、係合凹部23dが設けられる。コネクタ部材50は、水平部50c2の先端部に係合爪50dが設けられる。また、水平部50c1、50c3は、断面略U字状に設けられ、幅方向に延在するガイド用凹部50fをそれぞれ有する。係合凹部23dおよび係合爪50dは、2箇所の電極と通電端子の接触位置の幅方向の中央位置(平均位置)に設けられる。また、各凸部23aと
【0067】
本実施形態では、コネクタ部材50をヒータホルダ23に対する装着時には、水平部50c1、50c3の各係合凹部23f1にヒータホルダ23の各凸部23aが嵌合することで、コネクタ部材50が装着方向(本実施形態では、ヒータホルダの幅方向一方側から他方側の方向)へガイドされる。また、コネクタ部材50をヒータホルダ23に装着すると、コネクタ部材50の係合爪50dが係合凹部23dに係合する。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0069】
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
【0070】
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0071】
また、本発明は、図2に示す定着装置のほか、例えば、図24図26に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図24図26に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
【0072】
まず、図24に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ80が配置されており、この押圧ローラ80とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材81が配置されている。ニップ形成部材81は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材81と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
【0073】
次に、図25に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ80が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図24に示す定着装置9と同じ構成である。
【0074】
最後に、図26に示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト82が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材81とステー83とを配置し、これらニップ形成部材81とステー83を内包するように加圧ベルト82を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト82と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
【0075】
以上の定着装置においても、前述した加熱装置を設けることができ、前述したコネクタ部材のヒータホルダに対する装着により、ヒータを通電可能にすることができる。この際、本発明の加熱装置を適用することにより、コネクタ部材をヒータホルダに容易に装着させると共に、コネクタ部材をヒータホルダに確実に係合させることができる。また、その係合位置を電極と通電端子の接触位置近傍に配置し、電極と通電端子とのガタを抑えることができる。
【0076】
以上の実施形態では、ヒータに二つの電極が設けられる場合を示したが、三つ以上であってもよい。この場合、電極の並設方向において、複数の電極(あるいは、複数の電極と複数の通電端子との接触位置)の平均位置に係合部を設けることにより、係合部を各電極の接触位置近傍に配置することができ、各電極と通電端子とのガタを効果的に抑制できる。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置
9 定着装置
19 加熱装置
20 定着ベルト(定着部材)
21 加圧ローラ
22 ヒータ(加熱部材)
23 ヒータホルダ(保持部材)
23a 凸部
23a1 係合面
23b 溝部(凹部)
23c ガイド用凸部
23d 係合凹部
40 電極
41 ハーネス
42 通電端子
50 コネクタ部材
50a 垂直部
50b 水平部
50c1,50c2,50c3 水平部
50d 係合爪(係合部)
50e 水平部
50e1 凹部
P 用紙(記録媒体)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【文献】特許第6061608号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
図23
図24
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