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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B41J2/01 129
B41J2/01 305
B41J2/01 303
B41J2/01 401
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020105172
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021194898
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】石原 正教
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 雄太
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-199457(JP,A)
【文献】特開2016-047652(JP,A)
【文献】国際公開第2009/148074(WO,A1)
【文献】特開2012-224020(JP,A)
【文献】特開2015-186918(JP,A)
【文献】特開2009-202418(JP,A)
【文献】特開2019-069593(JP,A)
【文献】特開2014-117799(JP,A)
【文献】特開2014-065287(JP,A)
【文献】特開2013-181163(JP,A)
【文献】特開2012-106473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が載置される支持台と、
前記支持台に対向するように設けられたキャリッジと、
前記支持台に載置された前記記録媒体を前記キャリッジに対して所定の移動方向に移動させる媒体移動装置と、
前記キャリッジを前記記録媒体の移動方向と直交する第1走査方向および第2走査方向に移動させるキャリッジ移動装置と、
それぞれ前記支持台に向かって光硬化性のプロセスカラーインクを吐出する複数の第1ノズルを備え、前記キャリッジに設けられた記録ヘッドと、
それぞれ前記プロセスカラーインクを硬化させる光を生成する複数の第1光源を備え、前記キャリッジに設けられた第1光照射装置と、
前記媒体移動装置、前記キャリッジ移動装置、前記記録ヘッド、および前記第1光照射装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第1光照射装置は、前記記録ヘッドよりも前記第2走査方向に配置され、
前記複数の第1光源は、
前記記録媒体の移動方向に関して前記記録ヘッドと揃った位置に設けられ、1つまたは複数の第1光源からなる第1上流側光源群と、
前記記録ヘッドよりも前記移動方向の下流に設けられ、前記第1上流側光源群と前記移動方向に連続するとともに、1つまたは複数の第1光源からなる第1下流側光源群と、を含み、
少なくとも前記第1上流側光源群と前記第1下流側光源群とを独立に制御できるように構成されており、
前記制御装置は、
印刷データを記憶する記憶部と、
印刷データに基づいて前記キャリッジ移動装置を制御し、前記キャリッジを前記第1走査方向および前記第2走査方向に移動させる走査制御部と、
印刷データに基づき前記キャリッジが前記第1走査方向に移動しているときに前記記録ヘッドに前記プロセスカラーインクを吐出させる一方、前記キャリッジが前記第2走査方向に移動しているときに前記記録ヘッドに前記プロセスカラーインクを吐出させない吐出制御部と、
印刷データに基づいて前記キャリッジが前記第1走査方向に移動しかつ前記記録ヘッドが前記プロセスカラーインクを吐出しているときには前記第1上流側光源群を消灯させるとともに前記第1下流側光源群を点灯させ、前記プロセスカラーインクが吐出された後に前記キャリッジが前記第2走査方向に移動しかつ前記記録ヘッドが前記プロセスカラーインクを吐出していないときには前記第1上流側光源群および前記第1下流側光源群を点灯させる光源制御部と、
印刷データに基づき、前記キャリッジが前記第1走査方向および前記第2走査方向に少なくとも1回ずつ移動する度に前記媒体移動装置を制御して前記記録媒体を前記移動方
向の下流に移動させる移動制御部と、を備えている、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
記録媒体が載置される支持台と、
前記支持台に対向するように設けられたキャリッジと、
前記支持台に載置された前記記録媒体を前記キャリッジに対して所定の移動方向に移動させる媒体移動装置と、
前記キャリッジを前記記録媒体の移動方向と直交する第1走査方向および第2走査方向に移動させるキャリッジ移動装置と、
それぞれ前記支持台に向かって光硬化性のプロセスカラーインクを吐出する複数の第1ノズルを備え、前記キャリッジに設けられた記録ヘッドと、
それぞれ前記プロセスカラーインクを硬化させる光を生成する複数の第1光源を備え、前記キャリッジに設けられた第1光照射装置と、
それぞれ前記プロセスカラーインクを硬化させる光を生成する複数の第2光源を備え、前記キャリッジに設けられた第2光照射装置と、
前記媒体移動装置、前記キャリッジ移動装置、前記記録ヘッド、前記第1光照射装置、および前記第2光照射装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第1光照射装置は、前記記録ヘッドよりも前記第2走査方向に配置され、
前記第2光照射装置は、前記記録ヘッドよりも前記第1走査方向に配置され、
前記複数の第1光源は、
前記記録媒体の移動方向に関して前記記録ヘッドと揃った位置に設けられ、1つまたは複数の第1光源からなる第1上流側光源群と、
前記記録ヘッドよりも前記移動方向の下流に設けられ、前記第1上流側光源群と前記移動方向に連続するとともに、1つまたは複数の第1光源からなる第1下流側光源群と、を含み、
少なくとも前記第1上流側光源群と前記第1下流側光源群とを独立に制御できるように構成されており、
前記複数の第2光源は、
前記記録媒体の移動方向に関して前記記録ヘッドと揃った位置に設けられ、1つまたは複数の第2光源からなる第2上流側光源群と、
前記記録ヘッドよりも前記移動方向の下流に設けられ、前記第2上流側光源群と前記移動方向に連続するとともに、1つまたは複数の第2光源からなる第2下流側光源群と、を含み、
少なくとも前記第2上流側光源群と前記第2下流側光源群とを独立に制御できるように構成されており、
前記制御装置は、
印刷データを記憶する記憶部と、
印刷データに基づいて前記キャリッジ移動装置を制御し、前記キャリッジを前記第1走査方向および前記第2走査方向に移動させる走査制御部と、
印刷データに基づき、前記キャリッジが前記第1走査方向および前記第2走査方向に移動しているときに前記記録ヘッドに前記プロセスカラーインクを吐出させる吐出制御部と、
印刷データに基づいて前記キャリッジが前記第1走査方向に移動しかつ前記記録ヘッドが前記プロセスカラーインクを吐出しているときには前記第1上流側光源群を消灯させるとともに前記第1下流側光源群、前記第2上流側光源群、および前記第2下流側光源群を点灯させ、前記キャリッジが前記第2走査方向に移動しかつ前記記録ヘッドが前記プロセスカラーインクを吐出しているときには前記第2上流側光源群を消灯させるとともに前記第2下流側光源群、前記第1上流側光源群、および前記第1下流側光源群を点灯させる光源制御部と、
印刷データに基づき、前記キャリッジが前記第1走査方向および前記第2走査方向に少なくとも1回ずつ移動する度に前記媒体移動装置を制御して前記記録媒体を前記移動方
向の下流に移動させる移動制御部と、を備えている、インクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録媒体に光硬化性のインクを吐出し、吐出された光硬化性のインクに光を照射することによって、記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと光照射装置との位置関係、および、インクの吐出タイミングと光の照射タイミングとの時間的関係について種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、印刷媒体を支持する支持部と、支持部の上方において左右方向および前後方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載された印刷ヘッドおよびUVLEDユニット(紫外線光源)と、を備えたインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、印刷ヘッドは、キャリッジとともに左右方向に往復移動されているときに紫外線硬化性のインクを吐出する。その際、UVLEDユニットは、印刷ヘッドよりもキャリッジの移動方向後方に半硬化用(仮硬化)の紫外線を照射する。それにより、吐出されたインクに対して半硬化用の紫外線が照射される。その後、キャリッジは前方に移動される。これにより、印刷媒体の前後方向に関するインクの着弾位置が移動する。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、UVLEDユニットは、キャリッジが前方に移動される前に、記録ヘッドよりも後方に本硬化用の紫外線を照射する。これにより、以前に吐出され半硬化されたインクに本硬化用の紫外線が照射される。
【0004】
半硬化用の光は、本硬化用の光よりも弱い微弱な光とすることが一般に知られている。
【0005】
特許文献1によれば、半硬化用の紫外線がインクに照射されることにより、異なる色のインクが混ざり合って滲むことが抑制される、とされる。さらに、特許文献1によれば、半硬化されたインクは、印刷媒体上で徐々に広がり平滑化する。そして、半硬化状態で平滑化したインクに本硬化用の紫外線を照射して硬化させることにより、光沢のある印刷が可能となる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-202418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、記録媒体に着弾した光硬化性インクを直後に半硬化させ、その後に本硬化させると、条件により、印刷画像の光沢が得られない場合がある。これは、記録媒体に着弾した光硬化性インクを直後に半硬化させると、インクドットの表面が硬化し、内部が硬化していない状態となるためである。この状態でインクドットが濡れ広がる(以下、平坦化という)と、半硬化したインクドットの表面に皺が発生することがあり、インクドットは必ずしも平滑化(ここでは、インク表面の凹凸が少ない状態となることを言う)しない。さらに、半硬化状態のインクが積み重なると、下部のインクの内部はさらに硬化しにくくなるため、かかる現象が助長される。このように、インクの平坦化と平滑化とは、必ずしも両立しない。しかしながら、インクが適度に広がって平坦化しないと、いわゆるマット調印刷となり、印刷画像にインクドットの粒状感が残る。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクを適度に平坦化させ、かつ、好適に平滑化もさせることができるインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに開示するインクジェットプリンタは、記録媒体が載置される支持台と、前記支持台に対向するように設けられたキャリッジと、前記支持台に載置された前記記録媒体を前記キャリッジに対して所定の移動方向に移動させる媒体移動装置と、前記キャリッジを前記記録媒体の移動方向と直交する第1走査方向および第2走査方向に移動させるキャリッジ移動装置と、前記キャリッジに設けられた記録ヘッドと、前記キャリッジに設けられた第1光照射装置と、前記媒体移動装置、前記キャリッジ移動装置、前記記録ヘッド、および前記第1光照射装置を制御する制御装置と、を備えている。前記記録ヘッドは、それぞれ前記支持台に向かって光硬化性の第1インクを吐出する複数の第1ノズルを備えている。前記第1光照射装置は、それぞれ前記第1インクを硬化させる光を生成する複数の第1光源を備えている。前記第1光照射装置は、前記記録ヘッドよりも前記第2走査方向に配置されている。
前記複数の第1光源は、第1上流側光源群と、第1下流側光源群と、を含んでいる。前記第1上流側光源群は、前記記録媒体の移動方向に関して前記記録ヘッドと揃った位置に設けられ、1つまたは複数の第1光源からなっている。前記第1下流側光源群は、前記記録ヘッドよりも前記移動方向の下流に設けられ、1つまたは複数の第1光源からなっている。
前記制御装置は、記憶部と、走査制御部と、吐出制御部と、光源制御部と、移動制御部と、を備えている。前記記憶部は、印刷データを記憶する。前記走査制御部は、印刷データに基づいて前記キャリッジ移動装置を制御し、前記キャリッジを前記第1走査方向および前記第2走査方向に移動させる。前記吐出制御部は、印刷データに基づき、少なくとも前記キャリッジが前記第1走査方向に移動しているときに前記記録ヘッドに前記第1インクを吐出させる。前記光源制御部は、印刷データに基づいて前記キャリッジが前記第1走査方向に移動しかつ前記記録ヘッドが前記第1インクを吐出しているときには前記第1上流側光源群を消灯させるとともに前記第1下流側光源群を点灯させ、前記第1インクが吐出された後に前記キャリッジが前記第2走査方向に移動しているときには前記第1上流側光源群および前記第1下流側光源群を点灯させる。前記移動制御部は、印刷データに基づき、前記キャリッジが前記第1走査方向および前記第2走査方向に少なくとも1回ずつ移動する度に前記媒体移動装置を制御して前記記録媒体を前記移動方向の下流に移動させる。
【0010】
上記インクジェットプリンタによれば、印刷データに基づいてキャリッジが第1走査方向に移動し、かつ、記録ヘッドが第1インクを吐出しているときには、記録ヘッドよりもキャリッジの移動方向後方(第2走査方向)に配置された第1上流側光源群は消灯している。これにより、記録ヘッドから吐出された第1インクは、吐出の直後には硬化されない。
【0011】
また、上記インクジェットプリンタによれば、第1インクの吐出の後、キャリッジが第2走査方向に移動しているときには、記録ヘッドよりもキャリッジの移動方向前方(第2走査方向)に配置された第1上流側光源群は点灯している。これにより、キャリッジが第1走査方向に移動されているときに記録媒体に着弾した第1インクに光が照射される。その結果、当該以前に吐出された第1インクが硬化する。言い換えると、上記インクジェットプリンタによれば、第1インクに光が照射されるのは、第1インクが吐出されてからある程度の時間が経過した後である。
【0012】
さらに、上記インクジェットプリンタによれば、キャリッジが第1走査方向または第2走査方向に移動しているときには、記録ヘッドよりも記録媒体の移動方向下流に配置された第1下流側光源群は点灯している。これにより、この時点のキャリッジの往復運動よりも前に既に着弾しており、記録媒体の移動により記録ヘッドよりも下流側に移動されていた第1インクに光が照射される。その結果、当該先に着弾していた第1インクが確実に硬化する。
【0013】
第1インクが吐出されてから第1インクに光が照射されるまでにある程度の時間が経過することにより、第1インクは適度に広がり平坦化する。平坦化された後、第1インクには、記録ヘッドよりもキャリッジの移動方向前方(第2走査方向)に配置された第1上流側光源群から光が照射され、この光の照射により第1インクは広がりにくくなる。そのため、第1インクのインクドットの表面の皺も発生しにくい。その結果、第1インクは適度に平坦化し、かつ、好適に平滑化する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係るプリンタの正面図である。
図2】キャリッジ下面の構成を模式的に示す一部破断平面図である。
図3】プリンタのブロック図である。
図4】キャリッジが第1走査方向に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図5】キャリッジが第2走査方向に移動しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図6】キャリッジが第1走査方向に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図7】トップコート層の形成において、キャリッジが第2走査方向に移動しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図8】第2実施形態に係るキャリッジ下面の構成を模式的に示す一部破断平面図である。
図9】第2実施形態においてキャリッジが第1走査方向に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図10】第2実施形態においてキャリッジが第2走査方向に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図11】第2実施形態においてキャリッジが第1走査方向に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
図12】第2実施形態においてキャリッジが第2走査方向に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置の動作を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。以下の説明では、インクジェットプリンタを正面から見たときに、インクジェットプリンタから遠ざかる方を前方、インクジェットプリンタに近づく方を後方とする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタの設置態様等を限定するものではない。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、一実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」とする。)10の正面図である。プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を前後方向に移動させるとともに、左右方向に移動するキャリッジ40に搭載された記録ヘッド60からインクを吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。以下、キャリッジ40が移動する左右方向を走査方向Y、記録媒体5が移動する前後方向を搬送方向X(図2参照)とも呼ぶ。
【0017】
記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。記録媒体5は特に限定されない。記録媒体5は、例えば、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、樹脂製やガラス製などの透明なシートであってもよい。金属製やゴム製等のシートであってもよい。また、布帛であってもよい。
【0018】
図1に示すように、プリンタ10は、プラテン20と、搬送装置30と、キャリッジ40と、キャリッジ移動装置50と、記録ヘッド60と、光照射装置70と、制御装置100とを備えている。
【0019】
プラテン20は、記録媒体5が載置される支持台の一例である。図1に示すように、プラテン20は、走査方向Yに延びている。
【0020】
搬送装置30は、プラテン20に載置された記録媒体5をキャリッジ40に対して所定の移動方向に移動させる媒体移動装置の一例である。ここでは、所定の移動方向は前後方向である。プラテン20上の記録媒体5は、搬送装置30によって前後方向に移動される。搬送装置30は、ピンチローラ31と、グリットローラ32と、フィードモータ33とを備えている。ピンチローラ31はプラテン20の上方に設けられ、記録媒体5を上から押下する。プラテン20には、グリットローラ32が設けられている。グリットローラ32は、ピンチローラ31の下方に配置されている。グリットローラ32は、ピンチローラ31と対向する位置に設けられている。グリットローラ32は、フィードモータ33に連結されている。グリットローラ32は、フィードモータ33の駆動力を受けて回転可能に形成されている。フィードモータ33は、制御装置100と電気的に接続されている。フィードモータ33は、制御装置100によって制御される。ピンチローラ31とグリットローラ32との間に記録媒体5が挟まれた状態でグリットローラ32が回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。以下では適宜、前後方向のうち後方のことを搬送方向Xの上流X1方向、前方のことを搬送方向Xの下流X2方向とも呼ぶ(図2参照)。本実施形態では、記録媒体5への印刷は、搬送方向Xの上流X1から下流X2に記録媒体5を間欠的に移動させながら行われる。
【0021】
なお、ここでは、記録媒体をキャリッジに対して所定の移動方向に移動させる媒体移動装置は、記録媒体5を搬送方向Xに搬送する搬送装置30により実現されているが、これに限定されるわけではない。媒体移動装置は、記録媒体およびキャリッジの少なくとも一方を移動させて記録媒体とキャリッジとの1方向に係る位置関係を変化させるように構成されていればよい。例えば、記録媒体5は固定され、キャリッジが走査方向と直交する方向にも移動してもよい。あるいは、例えば、いわゆるフラットベッドタイプのように、記録媒体5は支持台に固定され、支持台がキャリッジの走査方向と直交する方向に移動してもよい。いずれの場合であっても、記録媒体の移動方向の下流とは、印刷中にキャリッジに対して記録媒体が相対的に移動する方向を指し、記録媒体の移動方向の上流はその逆方向を指す。
【0022】
プラテン20の上方には、キャリッジ40が配置されている。キャリッジ40は、プラテン20に対向するように設けられている。キャリッジ40は、キャリッジ移動装置50により、走査方向Yに移動可能に支持されている。図1に示すように、キャリッジ移動装置50は、ガイドレール51と、ベルト52と、左右のプーリ53aおよび53bと、キャリッジモータ54とを備えている。ガイドレール51には、キャリッジ40が摺動自在に係合している。ガイドレール51は、左右方向に延びている。ガイドレール51は、キャリッジ40の左右方向への移動をガイドする。ベルト52は、キャリッジ40に固定されている。ベルト52は、無端状のベルトである。ベルト52は、ガイドレール51の右側に設けられたプーリ53aおよび左側に設けられたプーリ53bに巻き掛けられている。右側のプーリ53aにはキャリッジモータ54が取り付けられている。キャリッジモータ54は、制御装置100と電気的に接続されている。キャリッジモータ54は、制御装置100によって制御される。キャリッジモータ54が駆動するとプーリ53aが回転し、ベルト52が走行する。それにより、キャリッジ40がガイドレール51に沿って左右方向に移動する。以下では適宜、左右方向のうち右方のことを第1走査方向Y1、左方のことを第2走査方向Y2とも呼ぶ。本実施形態では、キャリッジ移動装置50は、記録媒体5の搬送方向Xと直交する第1走査方向Y1および第2走査方向Y2にキャリッジ40を移動させる。
【0023】
キャリッジ40には、記録ヘッド60および光照射装置70が搭載されている。図2は、キャリッジ40の下面の構成を模式的に示す一部破断平面図である。図2に示すように、キャリッジ40の下面には、記録ヘッド60が設けられている。記録ヘッド60は、ここでは、第1インクヘッド61、第2インクヘッド62、および第3インクヘッド63を備えている。第1インクヘッド61、第2インクヘッド62、および第3インクヘッド63は、走査方向Yに並んで配置されている。第1インクヘッド61、第2インクヘッド62、および第3インクヘッド63は、それぞれ、搬送方向Xに延びている。
【0024】
図2に示すように、第1インクヘッド61は、複数のノズルNcが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Acと、複数のノズルNmが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Amとを備えている。第1インクヘッド61の下面は、複数のノズルNcおよび複数のノズルNmが形成されたノズル面を構成している。複数のノズルNcからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のシアンインクが吐出される。ノズル列Acは、シアンインクを吐出するノズルNcからなるノズル列である。複数のノズルNmからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のマゼンタインクが吐出される。ノズル列Amは、マゼンタインクを吐出するノズルNcからなるノズル列である。
【0025】
第2インクヘッド62は、複数のノズルNyが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Ayと、複数のノズルNkが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Akとを備えている。複数のノズルNyからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のイエローインクが吐出される。複数のノズルNkからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のブラックインクが吐出される。シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、およびブラックインクは、プロセスカラーインクの一例である。ただし、記録ヘッド60から吐出されるプロセスカラーインクは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、およびブラックインクには限定されない。
【0026】
第3インクヘッド63は、複数のノズルNwが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Awと、複数のノズルNgが搬送方向Xに並んで配置されたノズル列Agとを備えている。複数のノズルNwからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のホワイトインクが吐出される。複数のノズルNgからは、それぞれ、プラテン20に向かって光硬化性のグロスインク(透明インク)が吐出される。グロスインクは、ここでは、画像の表面を覆うトップコート用のインクである。ただし、グロスインクは、トップコート用にだけ使用されるわけではない。グロスインクの用途は特に限定されない。ホワイトインクは、例えば、白色でない記録媒体に対して画像を印刷するときに、画像の下塗り用のインクとして使用する。ただし、ホワイトインクの用途も特に限定されない。ここでは、複数のノズル列Ac~Agの搬送方向Xに関する位置は揃っている。
【0027】
本実施形態では、記録ヘッド60から吐出されるインクは、光硬化性のインクである。光硬化性インクは、ここでは、紫外線を照射されると硬化する紫外線硬化型のインクである。光硬化性インクの成分、特性等は特に限定されない。
【0028】
記録ヘッド60がインクを吐出する方式もまた限定されない。本実施形態では、プリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。
【0029】
光照射装置70は、キャリッジ40に設けられている。本実施形態では、光照射装置70は、記録ヘッド60よりも第2走査方向Y2(左方)に配置されている。図2に示すように、光照射装置70は、ケース71と、複数の光源72と、照射口73とを備えている。ケース71は、箱状に構成されている。複数の光源72は、ケース71の内部に収容されている。複数の光源72は、それぞれ、記録ヘッド60から吐出されるインクを硬化させる光を生成する。光源72は、ここでは、紫外線照射LEDである。ただし、光源72の種類は限定されない。複数の光源72は、搬送方向Xに等間隔に並んで配置されている。
【0030】
複数の光源72は、上流側光源群72uと下流側光源群72dとを含んでいる。上流側光源群72uは、搬送方向Xに関して記録ヘッド60と揃った位置に設けられ、複数の光源72からなっている。ただし、上流側光源群72uに属する光源72は、1つであってもよい。下流側光源群72dは、記録ヘッド60よりも搬送方向Xの下流X2に設けられ、複数の光源72からなっている。ただし、下流側光源群72dに属する光源72は、1つであってもよい。複数の光源72は搬送方向Xに等間隔に並んでおり、ここでは、上流側光源群72uと下流側光源群72dとは搬送方向Xに隣接している。そこで、上流側光源群72uと下流側光源群72dとは実質的に連続している。複数の光源72は、それぞれ制御装置100に電気的に接続されている。複数の光源72は、制御装置100により、それぞれ独立に制御される。ただし、制御装置100は、少なくとも上流側光源群72uと下流側光源群72dとを独立に制御できるように構成されていればよい。
【0031】
照射口73は、ケース71の底面に設けられている。照射口73は、複数の光源72によって生成された光を通過させるように構成されている。照射口73は、ここでは、光を通過させるカバーが設けられた開口部である。ただし、照射口73は、カバー等に覆われない単なる開口部でもよい。照射口73は、搬送方向Xに延びている。本実施形態では、照射口73の搬送方向上流X1側の端部は、上流側光源群72uのX1側の端部よりもX1側に位置している。照射口73の搬送方向下流X2側の端部は、下流側光源群72dのX2側の端部よりもX2側に位置している。照射口73の搬送方向Xに関する長さは、上流側光源群72uの搬送方向Xに関する長さと下流側光源群72dの搬送方向Xに関する長さを足した長さよりも長い。上流側光源群72uおよび下流側光源群72dが生成する光は、搬送方向Xに関して、少なくとも照射口73が設けられた範囲に照射される。
【0032】
図2に示すように、上流側光源群72uが光を照射する範囲の搬送方向Xに関する長さLuは、記録ヘッド60の搬送方向Xに関する長さLhよりも長い。また、ここでは、下流側光源群72dが光を照射する範囲の搬送方向Xに関する長さLdも、記録ヘッド60の搬送方向Xに関する長さLhよりも長く構成されている。ただし、上流側光源群72uが光を照射する範囲の搬送方向Xに関する長さLu、および、下流側光源群72dが光を照射する範囲の搬送方向Xに関する長さLdは、ノズル列Ac~Agの搬送方向Xに関する長さLaよりも長く、記録ヘッド60の搬送方向Xに関する長さLhより短くてもよい。なお、上流側光源群72uが光を照射する範囲と下流側光源群72dが光を照射する範囲との境界は便宜的なものであり、ここでは、上流側光源群72uに属するうち最も搬送方向下流X2側に配置された光源72と、下流側光源群72dに属するうち最も搬送方向上流X1側に配置された光源72との間の位置を想定している。
【0033】
図1に示すように、プリンタ10の右端部には、操作パネル120が設けられている。操作パネル120には、機器状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。
【0034】
操作パネル120は、制御装置100と接続されている。図3は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図3に示すように、制御装置100は、フィードモータ33と、キャリッジモータ54と、記録ヘッド60と、光照射装置70の上流側光源群72uおよび下流側光源群72dと、操作パネル120とにそれぞれ電気的に接続されており、それらを制御可能に構成されている。
【0035】
制御装置100の構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置100は必ずしもプリンタ10の内部に設けられている必要はなく、例えば、プリンタ10の外部に設置され、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。
【0036】
図3に示すように、制御装置100は、記憶部101と、走査制御部102と、吐出制御部103と、光源制御部104と、移動制御部105と、を備えている。制御装置100は、上記した以外の処理部を備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。
【0037】
記憶部101は、印刷データを記憶している。制御装置100の各制御部は、記憶部101に記憶された印刷データに基づいてフィードモータ33、キャリッジモータ54、記録ヘッド60、光照射装置70の光源72等の動作を制御する。
【0038】
走査制御部102は、印刷データに基づいてキャリッジ移動装置50を制御し、キャリッジ40を第1走査方向Y1および第2走査方向Y2に移動させる。
【0039】
吐出制御部103は、印刷データに基づき、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しているときに記録ヘッド60にインク(ここでは、プロセスカラーインク、ホワイトインク、およびグロスインク)を吐出させる。本実施形態に係るプリンタ10は、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しているときにだけインクを吐出する、いわゆる単方向印刷を行う。なお、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2に移動しているときにインクを吐出する双方向印刷は、後述する第2実施形態で扱うこととする。
【0040】
光源制御部104は、印刷中における複数の光源72の動作を制御する。詳しくは、光源制御部104は、印刷データに基づいてキャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しかつ記録ヘッド60がプロセスカラーインクを吐出しているときには、上流側光源群72uを消灯させるとともに下流側光源群72dを点灯させる。光源制御部104は、プロセスカラーインクが吐出された後にキャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているときには、上流側光源群72uおよび下流側光源群72dを点灯させる。言い換えると、光源制御部104は、記録ヘッド60から見て光照射装置70の方向にキャリッジ40が走行しているときには、上流側光源群72uを点灯させる。光源制御部104は、上記の逆方向にキャリッジ40が走行しているときには、上流側光源群72uを消灯させる。光源制御部104は、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2のいずれに向かって走行しているときにも、下流側光源群72dを点灯させる。
【0041】
また、光源制御部104は、印刷データに基づいてキャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しかつ記録ヘッド60がグロスインクを吐出しているとき、および、グロスインクが吐出された後にキャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているときには上流側光源群72uを消灯させ、かつ、下流側光源群72dを点灯させるように設定されている。光源制御部104は、吐出するインクがプロセスカラーインクの場合とグロスインクの場合とで光照射装置70を異なる態様で制御する。光照射装置70の制御の詳細については後述する。なお、光源制御部104は、ホワイトインクを吐出する場合には、グロスインクの場合と同様の制御を行う。ただし、光源制御部104は、ホワイトインクを吐出する場合、プロセスカラーインクの場合と同様の制御を行ってもよい。
【0042】
移動制御部105は、印刷中の搬送装置30の動作を制御する。詳しくは、移動制御部105は、印刷データに基づき、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2に少なくとも1回ずつ移動する度に、搬送装置30を制御して記録媒体5を搬送方向Xの下流X2に移動させる。キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2に何回ずつ移動する度に記録媒体5が移動されるかは、印刷データに依存している。
【0043】
以下では、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、およびブラックインクからなるプロセスカラーインクによって1層の印刷層を形成し、その上に1層のグロスインクによるトップコート層を形成するように指示された印刷データを例に、本実施形態に係るプリンタ10による印刷方法を説明する。ホワイトインク層の形成方法は、グロスインクによるトップコート層の形成方法と同様なので、説明を省略する。
【0044】
図4は、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図5は、キャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図5に示す時点では、プリンタ10は画像の形成を行わず、第2走査方向Y2に向かって戻っている。図4および図5に示すように、光照射装置70の上流側光源群72uまたは下流側光源群72dが点灯しているとき、上流側光源群72uまたは下流側光源群72dにはそれぞれ「ON」の文字が重ねられている。光照射装置70の上流側光源群72uまたは下流側光源群72dが消灯しているとき、上流側光源群72uまたは下流側光源群72dにはそれぞれ「OFF」の文字が重ねられている。
【0045】
また、図4および図5に示すように、プロセスカラーインクが吐出されているときノズルNc~Nkはハッチングされており、プロセスカラーインクが吐出されていないとき、ノズルNc~Nkはハッチングされていない。なお、図6および図7に示すように、グロスインクが吐出されているときノズルNgはハッチングされており、グロスインクが吐出されていないとき、ノズルNgはハッチングされていない。かかる図の見方は、図4図12図8を除く)で共通である。
【0046】
図4に示すように、本実施形態では、画像の形成時、キャリッジ40は第1走査方向Y1に移動している。このとき、記録ヘッド60からはプロセスカラーインクが吐出されている。光照射装置70は、記録ヘッド60から見て、キャリッジ40の進行方向後方に位置している。図4に示すように、このとき上流側光源群72uは消灯している。そのため、吐出直後のプロセスカラーインクには、プロセスカラーインクを硬化させる光が照射されていない。
【0047】
図5に示すように、本実施形態では、キャリッジ40は、キャリッジ40の可動範囲(画像の印刷範囲でもよい)の右端(第1走査方向Y1の側の端部)まで移動した後、第2走査方向Y2に移動する。このとき、プロセスカラーインクは記録ヘッド60から吐出されない。本実施形態に係る印刷は、単方向印刷である。光照射装置70は、記録ヘッド60から見て、キャリッジ40の進行方向前方に位置している。図5に示すように、このとき上流側光源群72uは点灯している。そのため、図4の時点で吐出されたプロセスカラーインクに対して上流側光源群72uが生成する光が照射される。
【0048】
例えば先行文献1に記載されているような方法によって記録媒体に着弾した光硬化性インクを直後に半硬化させ、その後に本硬化させると、条件により、印刷画像の光沢が得られない場合がある。これは、記録媒体に着弾した光硬化性インクを直後に半硬化させると、インクドットの表面が硬化し、内部が硬化していない状態となるためである。この状態でインクドットが平坦化すると、半硬化したインクドットの表面に皺が発生することがあり、皺が発生すると印刷画像に所望の光沢が得られない。さらに、半硬化状態のインクが積み重なると、下部のインクの内部はさらに硬化しにくくなるため、かかる現象が助長される。
【0049】
このように、インクの平坦化(ここでは、インクが濡れ広がることをいう)と平滑化(ここでは、インク表面の凹凸が少なくなることを言う)とは、必ずしも両立しない。しかしながら、一般に知られているように、インクが適度に広がって平坦化しないと、いわゆるマット調印刷となり、印刷画像にインクドットの粒状感が残る。
【0050】
本実施形態に係る画像の印刷方法では、吐出直後のプロセスカラーインクに光を照射しない(図4参照)ことにより、印刷画像がマット調に仕上がることを抑制している。吐出直後のプロセスカラーインクに光を照射すると、インクドットが平坦化しないうちに硬化し、しばしば印刷画像がマット調に仕上がる。
【0051】
さらに、本実施形態に係る画像の印刷方法では、吐出からある程度の時間が経過したプロセスカラーインクに光を照射する(図5参照)ことにより、上記した半硬化状態でインクドットを平坦化させることによる皺の問題を抑制している。詳しくは、本実施形態に係る画像の印刷方法では、プロセスカラーインクを吐出しながら第1走査方向Y1に移動したキャリッジ40が第2走査方向Y2に向かって戻るタイミングでプロセスカラーインクに光を照射する。この光の照射により、プロセスカラーインクは、ほぼ流動しない程度に硬化する。そのため、半硬化状態でインクドットを平坦化させることによる皺の問題が抑制される。かつ、吐出からある程度の時間が経過した後に光を照射するため、プロセスカラーインクは硬化までにある程度平坦化している。その結果、印刷画像がマット調になることも回避される。
【0052】
本実施形態では、上記した光の照射タイミングを実現するため、記録ヘッド60から見て、インク吐出時のキャリッジ40の進行方向側とは逆側に光照射装置70を配置している。さらに、キャリッジ40がインク吐出時の進行方向に走行しているときには搬送方向Xに関して記録ヘッド60と揃った位置に配置された上流側光源群72uを消灯し、キャリッジ40がインク吐出時の進行方向と逆方向に走行しているときには上流側光源群72uを点灯する。よって、前パスで吐出されたインクへの光の照射が次のパスの吐出直前に行われ、インクのレベリング時間を最大限確保できる。また、この光の照射により、前パスのインクドットとの合一によるにじみを防止できる。ここで、「パス」とは、キャリッジ40を移動させながらインクを吐出することを言い、単方向印刷では、1パスは、キャリッジ40の走査方向Yへの1往復に相当する。なお、双方向印刷では、1パスは、キャリッジ40の走査方向Yへの0.5往復(片道)に相当する。
【0053】
図4および図5に示されたプロセスカラーインクの吐出および硬化が終了すると、プリンタ10は、記録媒体5を搬送方向下流X2に搬送する。これにより、記録媒体5の搬送方向Xに関する画像の形成位置が更新される。このとき記録媒体5が移動される距離は、ノズル列Ac~Agの搬送方向Xに関する長さと同じ、または、それよりもわずかに小さい距離である。
【0054】
図4および図5に示すように、下流側光源群72dは、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2のいずれに向かって走行しているときにも点灯している。そのため、記録媒体5の移動前に形成され、記録媒体5の移動によって下流側光源群72dの下方に移動された画像には、下流側光源群72dが生成する光が照射される。これにより、上記記録媒体5の移動前に形成されたプロセスカラーインクのインクドットがより確実に硬化する。
【0055】
プリンタ10は、上記したプロセスを必要な回数繰り返すことにより、プロセスカラーインクによる画像を記録媒体5に形成する。
【0056】
本実施形態では、プロセスカラーインクによる画像の形成に続いて、グロスインクによるトップコート層の形成を行う。プリンタ10は、上記したプロセスカラーインクによる画像の形成の後、搬送装置30を制御して、記録媒体5を搬送方向上流X1側に引き戻す。その後、プリンタ10は、トップコート層の形成を開始する。
【0057】
図6は、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図7は、トップコート層の形成において、キャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図6に示すように、本実施形態では、トップコート層の形成時、プリンタ10は、キャリッジ40を第1走査方向Y1に移動させながら、記録ヘッド60にグロスインクを吐出させる。図6に示すように、このとき上流側光源群72uは消灯している。そのため、吐出直後のグロスインクには光が照射されていない。
【0058】
図7に示すように、本実施形態では、キャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているとき、記録ヘッド60はグロスインクを吐出しない。図7に示すように、このとき上流側光源群72uは消灯している。グロスインクによるトップコート層の形成では、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動されているときだけでなく、第2走査方向Y2に移動されているときにも上流側光源群72uは消灯している。
【0059】
図6および図7に示すように、下流側光源群72dは、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2のいずれに向かって走行しているときにも点灯している。そのため、記録媒体5の移動前に吐出され、記録媒体5の移動によって下流側光源群72dの下方に移動されたグロスインクには、下流側光源群72dが生成する光が照射される。これにより、上記記録媒体5の移動前に形成されたグロスインクのインクドットが硬化する。
【0060】
本実施形態では、グロスインクによるトップコート層の形成時には、上流側光源群72uを点灯させないことにより、グロスインクが平坦化する時間をより長く確保している。これにより、グロスインクはより平坦化し、トップコート層の光沢がより得られる。トップコート層では、異なる色のインクが混ざって滲むことを考慮する必要がない。よって、グロスインクが平坦化する時間をプロセスカラーインクよりも長く確保しても問題が少ない。
【0061】
なお、本実施形態では、上流側光源群72uと下流側光源群72dとは、光照射装置70の隣接した一部であり、搬送方向Xに関して実質的に連続している。そのため、上流側光源群72uが照射する光と下流側光源群72dが照射する光との間に、境界、言い換えれば光の弱い部分が発生しにくい。そこで、上記境界部分とそれ以外の領域においてインクの硬化の仕方が異なるおそれを低減できる。また、本実施形態では、上流側光源群72uと下流側光源群72dとの間には仕切り等の壁が存在しないので、下流側光源群72dのみを点灯する場合は、上流側に比較的弱い光が漏洩する(上流側光源群72uと下流側光源群72dとの間には仕切り等の壁が存在する場合には、下流側光源群72dのみを点灯すると上流側にはほとんど光が漏洩しない)。このような上流側に漏洩した弱い光が上流側のグロスインクのインクドットに照射されることにより、上流側のグロスインクのインクドットは平坦化しながら徐々に硬化する。これにより、表面の平滑なグロスインクの膜(光沢層)を安定して形成することができる。
【0062】
(第2実施形態)
第2実施形態では、インクジェットプリンタは双方向印刷を行う。それに伴って、インクジェットプリンタには部材が追加され、一部の制御が変更される。それ以外の事項については、第2実施形態と第1実施形態とは共通である。そこで、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通の機能を奏する部材には共通の符号を付すこととする。また、第1実施形態と重複する説明は省略または簡略化する。
【0063】
図8は、第2実施形態に係るキャリッジ40の下面の構成を模式的に示す一部破断平面図である。図8に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、記録ヘッド60よりも第2走査方向Y2に配置された第1光照射装置70Lと、記録ヘッド60よりも第1走査方向Y1に配置された第2光照射装置70Rとを備えている。第1光照射装置70Lおよび第2光照射装置70Rは、キャリッジ40に設けられている。
【0064】
第1光照射装置70Lは、第1実施形態に係る光照射装置70と同じである。第1実施形態に係る光照射装置70のケース71、複数の光源72、照射口73は、それぞれ、本実施形態に係る第1光照射装置70Lのケース71L、複数の第1光源72L、第1照射口73Lに相当する。第1実施形態に係る光照射装置70の上流側光源群72uおよび下流側光源群72dは、それぞれ、本実施形態に係る第1光照射装置70Lの第1上流側光源群72Luおよび第1下流側光源群72Ldに相当する。
【0065】
第2光照射装置70Rは、記録ヘッド60に対する設置場所を除いて第1光照射装置70Lと同じである。第2光照射装置70Rは、ケース71Rと、複数の第2光源72Rと、第2照射口73Rとを備えている。複数の第2光源72Rは、それぞれ、記録ヘッド60から吐出されるインクを硬化させる光を生成する。複数の第2光源72Rは、第2上流側光源群72Ruと第2下流側光源群72Rdとを含んでいる。第2上流側光源群72Ruは、搬送方向Xに関して記録ヘッド60と揃った位置に設けられ、複数の第2光源72Rからなっている。第2下流側光源群72Rdは、記録ヘッド60よりも搬送方向Xの下流X2に設けられ、複数の第2光源72Rからなっている。なお、以下の第2実施形態の説明では、第1光照射装置70Lと第2光照射装置70Rとを合わせて光照射装置70と呼ぶこともある。
【0066】
本実施形態に係る吐出制御部103は、印刷データに基づき、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2に移動しているときに、記録ヘッド60にインクを吐出させるように設定されている。
【0067】
また、本実施形態に係る光源制御部104は、印刷データに基づいてキャリッジ40が第2走査方向Y2に移動し、かつ、記録ヘッド60がプロセスカラーインクを吐出しているときには第2上流側光源群72Ruを消灯させるように設定されている。光源制御部104は、さらに、プロセスカラーインクが吐出された後にキャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しているときには第2上流側光源群72Ruを点灯させるように設定されている。プロセスカラーインクによる画像形成時の光源制御部104による第1上流側光源群72Luの制御は、第1実施形態と同じである。
【0068】
本実施形態では、光源制御部104は、プロセスカラーインクによる画像形成時、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdを点灯させる。ただし、プロセスカラーインクによる画像形成時、光源制御部104は、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdのうちの少なくとも一方を点灯させるように構成されていればよい。
【0069】
光源制御部104は、グロスインクによるトップコート層の形成時には、第1上流側光源群72Luおよび第2上流側光源群72Ruをいずれも消灯させる。また、グロスインクによるトップコート層の形成時には、光源制御部104は、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdを点灯させる。ただし、このときも、光源制御部104は、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdのうちの少なくとも一方を点灯させればよい。
【0070】
第2実施形態では、印刷に関する限り、第1走査方向Y1と第2走査方向Y2とは区別不要である。よって、ここで説明する第1走査方向Y1を「第2走査方向」と、ここで説明する第2走査方向Y2を「第1走査方向」と読み替えても同じことが成立する。
【0071】
以下では、複数のプロセスカラーインク層からなる画像層を形成し、その上に複数のグロスインク層からなるトップコート層を形成する場合を説明する。
【0072】
図9は、本実施形態においてキャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図10は、本実施形態においてキャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しながら画像を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図9に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、画像の形成時、キャリッジ40を第1走査方向Y1に移動させながら、記録ヘッド60にプロセスカラーインクを吐出させる。図9に示すように、このとき第1上流側光源群72Luは消灯している。そのため、吐出直後のプロセスカラーインクには、プロセスカラーインクを硬化させる光は照射されていない。
【0073】
図9に示すように、このとき、第2上流側光源群72Ruは点灯している。これにより、図9の時点よりも1つ前のパスにおいてキャリッジ40を第2走査方向Y2に移動させながら吐出したプロセスカラーインクに光が照射される。本実施形態では、第2上流側光源群72Ruの点灯により、図9の時点よりも1つ前のパスにおいてキャリッジ40を第2走査方向Y2に移動させながら吐出したプロセスカラーインクが、第1実施形態と同じく適度に平坦化され、かつ、好適に平滑化される。
【0074】
キャリッジ40が第2走査方向Yに移動するときは、上記と第1走査方向Y1、第2走査方向Y2が逆になる。図10に示すように、プリンタ10は、キャリッジ40を第2走査方向Y2に移動させるときにも、記録ヘッド60にプロセスカラーインクを吐出させる。図10に示すように、このとき第2上流側光源群72Ruは消灯し、第1上流側光源群72Luは点灯している。
【0075】
図9および図10に示すように、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdは、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2のいずれに向かって走行しているときにも点灯している。そのため、記録媒体5の移動前に形成され、記録媒体5の移動によって第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdの下方に移動されたプロセスカラーインクのインクドットに、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdが生成する光が照射される。これにより、第1上流側光源群72Luまたは第2上流側光源群72Ruを消灯することにより減少した積算光量の減少分を補い、硬化に必要な積算光量の光をインクに照射することができるので、上記記録媒体5の移動前に形成されたプロセスカラーインクのインクドットがより確実に硬化する。
【0076】
図11は、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図12は、キャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しながらトップコート層を形成しているときの光照射装置70の動作を示す模式的な平面図である。図11に示すように、本実施形態では、トップコート層の形成時、プリンタ10は、キャリッジ40を第1走査方向Y1に移動させながら、記録ヘッド60にグロスインクを吐出させる。図11に示すように、このとき、第1上流側光源群72Luおよび第2上流側光源群72Ruは消灯している。そのため、吐出直後のグロスインクには光が照射されていない。
【0077】
図12に示すように、本実施形態では、キャリッジ40が第2走査方向Y2に移動しているときも、記録ヘッド60はグロスインクを吐出している。図12に示すように、本実施形態では、このときも、第1上流側光源群72Luおよび第2上流側光源群72Ruは消灯している。グロスインクによるトップコート層の形成では、キャリッジ40が第1走査方向Y1に移動されているときにも、第2走査方向Y2に移動されているときにも第1上流側光源群72Luおよび第2上流側光源群72Ruは消灯している。一方、図11および図12に示すように、トップコート層の形成時には、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdは、キャリッジ40が第1走査方向Y1および第2走査方向Y2のいずれに向かって走行しているときにも点灯している。そのため、記録媒体5の移動前に吐出され、記録媒体5の移動によって第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdの下方に移動されたグロスインクに、第1下流側光源群72Ldおよび第2下流側光源群72Rdが生成する光が照射される。これにより、上記記録媒体5の移動前に形成されたグロスインクのインクドットが硬化する。その効果は、第1実施形態と同様である。
【0078】
このように第2実施形態に係るプリンタ10によれば、双方向印刷の場合にも、第1実施形態と同様の印刷を行うことができる。
【0079】
以上、好適ないくつかの実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、ここに開示する技術は他の種々の形態で実施することができる。
【0080】
例えば、上記実施形態では、プロセスカラーインク以外のインク(具体的にはグロスインクおよびホワイトインク)の層を形成する場合の光照射装置70の制御は、プロセスカラーインクの場合とは異なっていた。しかし、プロセスカラーインク以外のインクの層を形成する場合の光照射装置の制御は、プロセスカラーインクの場合と同じでもよい。
【0081】
上記実施形態の説明では、印刷画像に光沢を与える場合についてのみ説明したが、プリンタは、マット調印刷を行う他の印刷モードを選択可能に構成されていてもよい。
【0082】
上記した実施形態では、複数のノズル列Ac~Agの搬送方向Xに関する位置は揃っていたが、そうでなくてもよい。複数のノズルはいわゆるスタガ配置され、複数のノズル列の一部または全部は、搬送方向に関する位置が異なっていてもよい。
【0083】
その他、インクジェットプリンタの構成については、特に言及がない限りにおいて限定されない。例えば、ここに開示する技術は、フラットベッドタイプのインクジェットプリンタなどに対しても利用できる。また、例えば、カッティングヘッド付きインクジェットプリンタなどのように、その一部にインクジェットプリンタが組み込まれた装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0084】
5 記録媒体
10 プリンタ
20 プラテン
30 搬送装置
40 キャリッジ
50 キャリッジ移動装置
60 記録ヘッド
70 光照射装置(第1実施形態)
72 光源(第1実施形態)
72d 下流側光源群(第1実施形態)
72u 上流側光源群(第1実施形態)
70L 第1光照射装置(第2実施形態)
70R 第2光照射装置(第2実施形態)
72L 第1光源(第2実施形態)
72Lu 第1上流側光源群(第2実施形態)
72Ld 第1下流側光源群(第2実施形態)
72R 第2光源(第2実施形態)
72Ru 第2上流側光源群(第2実施形態)
72Rd 第2下流側光源群(第2実施形態)
100 制御装置
101 記憶部
102 走査制御部
103 吐出制御部
104 光源制御部
105 移動制御部
X 搬送方向
X1 搬送方向上流
X2 搬送方向下流
Y 走査方向
Y1 第1走査方向
Y2 第2走査方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12