(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】第二の管理システム、プログラム、通信方法、システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20221018BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20221018BHJP
H04L 51/046 20220101ALI20221018BHJP
H04L 65/403 20220101ALI20221018BHJP
【FI】
H04M3/56 C
H04N7/15
H04L51/046
H04L65/403
(21)【出願番号】P 2021043639
(22)【出願日】2021-03-17
(62)【分割の表示】P 2019146007の分割
【原出願日】2015-07-24
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼安 伯武
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-520117(JP,A)
【文献】国際公開第2008/152725(WO,A1)
【文献】特開2009-135740(JP,A)
【文献】特開2007-013726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/22
12/50-13/18
45/00-101/695
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ会議サービスの通信接続を行う第一の管理システムと通信可能なチャットサービスの通信接続を行う第二の管理システムであって、
ユーザが前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可した場合に、前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを対応付けて登録する登録手段と、
前記第二の管理システムにログインした
第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれ、前記登録手段によって前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可している場合に、前記
第一のユーザから受け付けた要求であって、前記チャットサービスにログインしている
前記第二のユーザとのテレビ会議の要求に応じて、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求するサービス呼び出し手段と、
を有する第二の管理システム。
【請求項2】
前記サービス呼び出し手段は、前記登録手段によって連携することを許可していない場合に、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求しないことを特徴とする請求項1に記載の第二の管理システム。
【請求項3】
前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報は、前記ユーザが前記第二の管理システムにログインする際の認証に用いられる識別情報であって、
前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報は、前記ユーザが前記第一の管理システムにログインする際の認証に用いられる識別情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の第二の管理システム。
【請求項4】
前記
第一のユーザ及び前記
第二のユーザについて、前記登録手段によって登録されているユーザの識別情報から、前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報に対応付けられた前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得手段、をさらに備え、
前記サービス呼び出し手段は、前記識別情報取得手段によって取得した前記第一の管理システムにおいて管理される前記
第二のユーザの識別情報に基づいて前記テレビ会議の開始を要求することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の第二の管理システム。
【請求項5】
前記登録手段によって登録した、前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の第二の管理システム。
【請求項6】
前記
第一のユーザから受け付けた要求は、前記第二の管理システムにおいて管理される前記
第一のユーザの宛先リストから指定された前記
第二のユーザに対するテレビ会議の要求であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の第二の管理システム。
【請求項7】
前記第一の管理システムは、1又は複数のサーバによって構成されているシステムであって、前記第二の管理システムは、1又は複数のサーバによって構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の第二の管理システム。
【請求項8】
テレビ会議サービスの通信接続を行う第一の管理システムと通信可能なチャットサービスの通信接続を行う第二の管理システムを、
ユーザが前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可した場合に、前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを対応付けて登録する登録手段と、
前記第二の管理システムにログインした
第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれ、前記登録手段によって前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可している場合に、前記
第一のユーザから受け付けた要求であって、前記チャットサービスにログインしている
前記第二のユーザとのテレビ会議の要求に応じて、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求するサービス呼び出し手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
前記サービス呼び出し手段は、前記登録手段によって連携することを許可していない場合に、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求しないことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報は、前記ユーザが前記第二の管理システムにログインする際の認証に用いられる識別情報であって、
前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報は、前記ユーザが前記第一の管理システムにログインする際の認証に用いられる識別情報であることを特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第二の管理システムを、
前記
第一のユーザ及び前記
第二のユーザについて、前記登録手段によって登録されているユーザの識別情報から、前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報に対応付けられた前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得手段、としてさらに機能させ、
前記サービス呼び出し手段は、前記識別情報取得手段によって取得した前記第一の管理システムにおいて管理される
前記第二のユーザの識別情報に基づいて前記テレビ会議の開始を要求することを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記登録手段によって登録した、前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを関連付けて記憶手段に
記憶させることを特徴とする請求項8~11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記
第一のユーザから受け付けた要求は、前記第二の管理システムにおいて管理される前記
第一のユーザの宛先リストから指定された前記
第二のユーザに対するテレビ会議の要求であることを特徴とする請求項8~12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記第一の管理システムは、1又は複数のサーバによって構成されているシステムであって、前記第二の管理システムは、1又は複数のサーバによって構成されていることを特徴とする請求項8~13のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
テレビ会議サービスの通信接続を行う第一の管理システムと通信可能なチャットサービスの通信接続を行う第二の管理システムが行う通信方法であって、
ユーザが前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可した場合に、登録手段が、前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを対応付けて登録するステップと、
前記第二の管理システムにログインした
第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれ、前記登録手段によって前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可している場合に、サービス呼び出し手段が、前記
第一のユーザから受け付けた要求であって、前記チャットサービスにログインしている
前記第二のユーザとのテレビ会議の要求に応じて、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求するステップと、
を有する通信方法。
【請求項16】
伝送端末と、テレビ会議サービスの通信接続を行う第一の管理システムと通信可能なチャットサービスの通信接続を行う第二の管理システムと、を備えるシステムであって、
前記伝送端末は、
前記第二の管理システムへログインを要求するログイン要求手段と、
前記第二の管理システムへ
第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれログインした後に、
前記第一のユーザから要求を受け付けることに応じて前記チャットサービスにログインしている
前記第二のユーザとのテレビ会議の要求を前記第二の管理システムへ送信する送信手段と、を有し、
前記第二の管理システムは、
ユーザが前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可した場合に、前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを対応付けて登録する登録手段と、
前記ログイン要求手段によってログインした
第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれ、前記登録手段によって前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可している場合に、前記送信手段によって送信された前記テレビ会議の要求に応じて、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求するサービス呼び出し手段と、
を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第二の管理システム、プログラム、通信方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して複数の伝送端末間でテレビ会議等を行う伝送システムの一例としてテレビ会議システムが知られている。このようなテレビ会議システムでは、一方の伝送端末がテレビ会議中に収集した画像データ及び音声データを他方の伝送端末に送信する。他方の伝送端末はこの画像データ及び音声データを受信し、ディスプレイ等に画像を表示したり、スピーカから音声を出力したりすることで、これらの伝送端末間でテレビ会議を行うことができる。
【0003】
また、インターネット等の通信ネットワークを介して、複数の伝送装置間でテキストデータを送受信し、チャットを行うテキストチャットシステムも知られている。
【0004】
伝送端末としてスマートデバイス等の汎用的な情報処理装置を利用するユーザはテキストチャットを行うこともテレビ会議を行うことも可能であり、テキストチャットから少ない操作でテレビ会議を開始することも望まれるようになった。しかし、一般に、テレビ会議システムとテキストチャットシステムは互いに独立している。そこで、独立したシステムの連携を向上させる技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、電子メールシステムと電話システムという2つの独立したシステムにおいて、電話番号と電子メールアドレスを対応づける連携システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、テレビ会議システムやテキストチャットシステムでは、ユーザが相手と通信するためにはユーザが相手に予め承認されていることが要請される場合がある。これは、知らない人間からテレビ会議又はテキストチャットを要求されることを防止するための措置である。具体的には、AさんがBさんと通信したい場合、AさんはBさんに承認を要求し、Bさんが承認することでAさんのアドレス帳にBさんが登録される。アドレス帳に登録されることでAさんはBさんにテレビ会議又はテキストチャットを要求することができる。
【0006】
テレビ会議システムとテキストチャットシステムは独立したシステムであるため、AさんはそれぞれのシステムでBさんから承認を受けないとアドレス帳にBさんを登録できない。例えば、テキストチャットシステムのAさんのアドレス帳にはBさんが登録されていても、テレビ会議システムのAさんのアドレス帳にはBさんが登録されていないとする。この場合、AさんがBさんとテキストチャットを行っていても、AさんがBさんとテレビ会議を開始するにはAさんがBさんの承認を受けてテレビ会議システムのAさんのアドレス帳にBさんを登録する必要がある。
【0007】
このように、2つのシステムを利用するユーザにとって、それぞれのアドレス帳へ相手のユーザを登録することが負担となるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、2つのシステムを利用するユーザの負担を低減することが可能な第二の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、テレビ会議サービスの通信接続を行う第一の管理システムと通信可能なチャットサービスの通信接続を行う第二の管理システムであって、ユーザが前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可した場合に、前記ユーザの前記第二の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報と、前記ユーザの前記第一の管理システムにおいて管理されるユーザの識別情報とを対応付けて登録する登録手段と、前記第二の管理システムにログインした第一のユーザ及び第二のユーザがそれぞれ、前記登録手段によって前記チャットサービスと前記テレビ会議サービスが連携することを許可している場合に、前記第一のユーザから受け付けた要求であって、前記チャットサービスにログインしている前記第二のユーザとのテレビ会議の要求に応じて、前記第一の管理システムへテレビ会議の開始を要求するサービス呼び出し手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
2つのシステムを利用するユーザの負担を低減することが可能な第二の管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】テレビ会議専用端末のハードウェア構成図の一例である。
【
図3】携帯端末のハードウェア構成図の一例である。
【
図4】中継装置、伝送管理システム及びプログラム提供システムのハードウェア構成図の一例である。
【
図5】伝送管理システム及び伝送端末の機能ブロック図の一例である。
【
図6】伝送端末間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図の一例である。
【
図8】宛先候補の追加処理を示したシーケンス図の一例である。
【
図9】追加要求受付画面を模式的に示す図の一例である。
【
図10】承認又は却下の処理を示すフローチャート図の一例である。
【
図11】追加要求承認受付画面を模式的に示す図の一例である。
【
図12】追加完了画面を模式的に示す図の一例である。
【
図13】テキストチャット管理システムの宛先リスト管理テーブルを利用してユーザがテレビ会議を開始する手順を示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態では2つの伝送システムが連携する。2つの伝送システムのうち一方でアドレス帳に登録されている相手に対し、他方の伝送システムが一方の伝送システムから承認を得る。これにより、一方の伝送システムで相手をアドレス帳に登録しているユーザは他方の伝送システムで相手をアドレス帳に登録することなく通信を開始することができる。従って、2つの伝送システムを利用するユーザの負担を低減できる。
【0014】
<IDについて>
本実施形態のIDを以下のように定義する。
・伝送システムのうちテレビ会議管理システムのID…通信ID(テレビ会議管理システムにユーザがログインする際の認証で利用される)。通信IDによりテレビ会議サービスのユーザが識別される。通信IDは第一の識別情報、第二の識別情報の一例である。
・伝送システムのうちテキストチャット管理システムのID…ユーザID(テキストチャット管理システムにユーザがログインする際の認証で利用される)。ユーザIDによりテキストチャットサービスのユーザが識別される。ユーザIDは第三識別情報、第四識別情報の一例である。テキストチャットサービスは、個人が利用する際のハードルを下げることなどを理由として、電子メールアドレスやskype(登録商標)IDが利用される場合がある。
【0015】
このように、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスは、それぞれ異なる体系で付与されたIDを用いて別々にサービスを提供している。本実施形態の伝送システム1は、2つのサービスでそれぞれ管理される通信IDとユーザIDを連携させる。これによって、一方のサービスですでに通信を開始している(接続している)ユーザ同士であれば、もう一方のサービスがアドレス帳へ登録されている相手のみへの通信を許可するものでも、アドレス帳への相手の登録の有無を問わずに通信を開始することができる。
【0016】
なお、本実施形態のIDは、伝送端末若しくはこの伝送端末を利用するユーザを一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、通信IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
【0017】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る伝送システムの一例の概略図である。伝送システム1には、伝送管理システム50を介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システム50を介して複数の伝送端末10の間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム、テキストチャットシステム等が例として挙げられる。
【0018】
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議及びテキストチャットを行うことができるシステムを想定した上で、伝送システムについて説明する。すなわち、本実施形態のコミュニケーションシステムは、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスを提供することができる伝送システムである。また、本実施形態では、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム及びテキストチャット管理システムを想定した上で、伝送管理システムについて説明する。同様に、コミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議若しくはテキストチャットのいずれか又はその両方を行うことができる端末を想定した上で、伝送端末について説明する。
【0019】
すなわち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、上記の伝送システムに適用されるだけでなく、その他のコミュニケーションシステムやデータ提供システム等にも適用される。
【0020】
図1に示されている伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,・・・,20aa,20ab,・・・)、各伝送端末(10aa,10ab,・・・)用のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)、複数の中継装置(30a,30b,・・・)、複数の伝送管理システム(50
1,50
2、・・・)、及びプログラム提供システム90によって構築されている。
【0021】
複数の伝送端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末10は、テレビ会議サービスを利用することができるテレビ会議端末である。本実施形態では、伝送端末10は、テレビ会議サービス専用の端末(テレビ会議専用端末)であるとする。以降、伝送端末10をテレビ会議専用端末10と表す。これらのテレビ会議専用端末10は、テレビ会議サービスの呼制御を管理する伝送管理システム501により管理される。なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも端末のハードウェア自体がテレビ会議サービスに特化した端末でなくてもよく、ハードウェアは汎用的であっても端末が利用可能なアプリケーションがテレビ会議サービスに特化した端末も含まれる。
【0022】
また、コミュニケーション管理システムが音声会議システム又は音声電話システムの場合にはコンテンツデータの一例として音声データの送受信を行い、音声通話サービスを利用することができる。
【0023】
他方、複数の伝送端末20は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データ、又は、テキストデータの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末20は、テレビ会議又はテキストチャットを利用することができる端末である。本実施形態では、伝送端末20は、特に断らない限り、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスの両方を利用することができるタブレット型端末、携帯電話、スマートフォンなどの汎用の携帯端末であるとする。伝送端末20は、少なくともテキストチャットサービスを利用することができればよく、テレビ会議サービスは必ずしも利用することができなくてもよい。なお、伝送端末20は、例えば携帯電話通信網やWiFi(Wireless Fidelity)などを介して通信ネットワーク2に無線で接続されている。以降、伝送端末20を携帯端末20と表す。これらの携帯端末20は、テキストチャットサービスの呼制御を管理する伝送管理システム502により管理される。
【0024】
なお、上記のテレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、上記した通りコミュニケーション端末の一例であり、コミュニケーション端末としては、会議専用端末、タブレット型端末、携帯電話、スマートフォンの他に、ゲーム機器、汎用PC端末、自動車に搭載されるカーナビゲーション端末、プロジェクタなどの投影装置、電子黒板、ウェアラブル端末などの各種電子機器であってもよい。
【0025】
なお、以下では、複数のテレビ会議専用端末(10aa,10ab,・・・)のうちの任意の端末は「テレビ会議専用端末10」と表され、複数の携帯端末(20aa,20ab,・・・)のうちの任意の端末は「携帯端末20」と表されている。
【0026】
また、複数のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表され、複数の中継装置(30a,30b,・・・)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表されている。また、複数の伝送管理システム(501,502、・・・)のうち任意の伝送管理システムは「伝送管理システム50」と表されている。さらに、一方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20から他方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20へのテレビ会議若しくはテキストチャットの開始を要求する端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先としての端末は「宛先端末」と表されている。
【0027】
また、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションが確立される(通信接続が確立される)。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、コンテンツデータを送受信するためのセッションが確立される。なお、要求元端末と宛先端末との間で送受信されるコンテンツデータがテキストデータのみである場合、伝送管理システム50を介したセッション又は要求元端末と宛先端末とが直接セッションを確立してもよい。
【0028】
ここで、本実施形態では、要求元端末がテレビ会議専用端末10である場合は伝送管理システム501を介してセッションが確立され、他方、要求元端末が携帯端末20である場合は伝送管理システム502を介してセッションが確立される。換言すれば、テレビ会議サービスのみを利用するテレビ会議専用端末10は伝送管理システム501により呼制御が管理され、他方、テキストチャットサービスを利用する携帯端末20は伝送管理システム502により呼制御が管理される。このように、本実施形態では、サービス毎に呼制御を行う伝送管理システム50が異なり、各伝送端末は、いずれのサービスを主に利用するかに応じて、いずれかの伝送管理システム50により呼制御が管理される。以降では、伝送管理システム501は「テレビ会議管理システム501」、伝送管理システム502は「テキストチャット管理システム502」と表される。
【0029】
図1に示されている中継装置30は、複数のテレビ会議専用端末10、携帯端末20の間で、コンテンツデータの中継を行う。
【0030】
伝送管理システム50は、伝送端末のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通話状況等を行う。伝送管理システム50は情報処理装置の一例である。また、伝送管理システム50は、これらの管理を、各サービスの呼制御を管理する伝送管理システム50毎に管理する。換言すれば、テレビ会議専用端末10のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテレビ会議管理システム501で管理される。他方、携帯端末20のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテキストチャット管理システム502で管理される。なお、後述するように、通話状況の管理などのいわゆる各伝送端末の状態情報は、関係する各伝送管理システム50間において互いに通知される。
【0031】
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、コンテンツデータの最適な経路選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
【0032】
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、テレビ会議専用端末10や携帯端末20に各種機能を実現させる(又は、テレビ会議専用端末10、携帯端末20を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、テレビ会議専用端末10、携帯端末20に端末用プログラムを送信することができる。ここで、テレビ会議専用端末10、携帯端末20にそれぞれ異なる端末用プログラムを送信する。すなわち、プログラム提供システム90は、テレビ会議サービスを利用するための端末用プログラムをテレビ会議専用端末10に送信し、他方、テレビ会議サービス及びテキストチャットサービスを利用するための端末用プログラムを携帯端末20に送信する。なお、プログラム提供システム90は、テキストチャットサービスのみを利用するための端末用プログラムを携帯端末20に送信してもよい。
【0033】
また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、伝送管理システム50に各種機能を実現させる(又は、伝送管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
【0034】
ところで、テレビ会議専用端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20aa,20ab,・・・)は、地域Aで利用されている。
【0035】
一方、テレビ会議専用端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10da,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20ba,20bb,・・・)は、地域Bで利用されている。
【0036】
地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
【0037】
なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも専用線を介する必要はなく、インターネット2iに直接接続されていてもよい。
【0038】
また、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、及び、中継装置30、と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、又はプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
【0039】
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFiや、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
【0040】
また、
図1において、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20、各中継装置30、各伝送管理システム50、各ルータ70、及び、プログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、テレビ会議専用端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
【0041】
なお、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20は、複数の事業所間での通信や、同じ事業者内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われてもよい。各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
【0042】
<ハードウェア構成>
次に、
図2を用いて、テレビ会議専用端末10のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るテレビ会議専用端末のハードウェア構成図である。本実施形態のテレビ会議専用端末10は、テレビ会議専用端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、を有する。また、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、を有する。また、CPU101の制御に従ってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、を有する。また、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、テレビ会議専用端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、を有する。また、テレビ会議専用端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を有する。
【0043】
また、テレビ会議専用端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、を有する。また、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、を有する。また、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、を有する。また、上記各構成要素を
図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を有する。
【0044】
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
【0045】
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0046】
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。なお、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のカメラ112を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けカメラのみが接続されていてもよい。同様に、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けマイクや外付けスピーカのみが接続されていてもよい。また、テレビ会議専用端末10のディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続されているが、これに限られず、ディスプレイ120は、テレビ会議専用端末10に内蔵されていてもよい。
【0047】
また、テレビ会議専用端末10は、外部機器接続I/F118以外にもSDカードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどの外部記録媒体を読み込み可能な外部記録媒体I/Fを備えていてもよい。
【0048】
なお、記録メディア106は、テレビ会議専用端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御に従ってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
【0049】
さらに、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
【0050】
≪携帯端末≫
図3は、本実施形態に係る携帯端末の一例のハードウェア構成図である。本実施形態の携帯端末20は、携帯端末20全体の動作を制御するCPU201、携帯端末20に各種操作信号を入力するための入力装置202、携帯端末20による処理結果を表示するための表示装置203、を有する。また、外付けマイク、外付けカメラや外部記録媒体(記録メディア)などの各種外部装置とのインタフェースである外部I/F204、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM205、を有する。また、携帯端末20のOSの設定やネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されるROM206、携帯電話通信網などを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F207、端末用プログラム等の各種データを記憶するフラッシュメモリ208、を有する。また、CPU201の制御に従ってフラッシュメモリ208に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD209を有する。
【0051】
また、携帯端末20は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ210、このカメラ210の駆動を制御する撮像素子I/F211、音声を入力する内蔵型のマイク212、音声を出力する内蔵型のスピーカ213、を有する。また、CPU201の制御に従ってマイク212及びスピーカ213との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F214、及び上記各構成要素を
図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン215を有する。なお、携帯端末20がテキストチャットサービスのみを利用する端末である場合、カメラ210やマイク212、スピーカ213などは備えていなくてもよい。
【0052】
また、CPU201の制御に従ってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ208に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
【0053】
上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ208ではなくROM206に記憶させるようにしてもよい。
【0054】
≪中継装置、伝送管理システム、プログラム提供システム≫
次に、中継装置30、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のハードウェア構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る中継装置、伝送管理システム、及び、プログラム提供システム、のハードウェア構成図である。
【0055】
伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU301、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、を有する。また、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD304、CPU301の制御に従ってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)305、を有する。また、フラッシュメモリ等の記録メディア306に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ307、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ308、を有する。また、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F309、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード311、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス312、を有する。また、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD-ROMドライブ314、及び、上記各構成要素を
図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン310を有する。
【0056】
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア306やCD-ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
【0057】
また、中継装置30は、上記の伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、中継装置30のHD304には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラム、情報管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア306やCD-ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラム、情報管理用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
【0058】
また、プログラム提供システム90は、上記の伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD304には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア306やCD-ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
【0059】
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0060】
<機能構成>
次に、
図5を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る伝送システムに含まれる伝送管理システム50、テレビ会議専用端末10及び携帯端末20の機能ブロック図である。
図5では、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、及び、伝送管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。なお、
図1に示されている中継装置30及びプログラム提供システム90は、本実施形態では直接関係ないため、
図5では省略されている。
【0061】
《端末の各機能構成》
テレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、宛先リスト作成部17、アドレス確認要求部18、及び記憶・読出処理部19を有している。以降では、
図5の伝送端末がテレビ会議専用端末10である場合について主に説明する。
【0062】
上記の各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された端末用プログラムに従ったCPU101からの命令等によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
【0063】
また、テレビ会議専用端末10は、
図2に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部2000、及び
図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000を有している。
【0064】
次に、
図2及び
図5を用いて、テレビ会議専用端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を説明するにあたって、
図2に示されている各構成要素のうち、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0065】
図5に示されているテレビ会議専用端末10の送受信部11は、
図2に示されているCPU101からの命令、及び
図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介してほかの端末、装置又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、テレビ会議管理システム50
1より、宛先候補としての各伝送端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各テレビ会議専用端末10又は/及び各携帯端末20の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)だけでなく、ONラインであってもさらに通話中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。
【0066】
操作入力受付部12は、
図2に示されているCPU101からの命令、並びに
図2に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、ユーザによる各種入力を受け付ける。例えば、ユーザが、
図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、
図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。なお。
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、CPU201からの命令、及び操作入力受付部12は、入力装置202によって実現される。
【0067】
ログイン要求部13は、
図2に示されているCPU101からの命令等によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテレビ会議管理システム50
1に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、端末種別を示す情報、この端末が利用することができるサービス名、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、ユーザが電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、送受信部11がテレビ会議管理システム50
1へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、テレビ会議管理システム50
1側では、テレビ会議専用端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
【0068】
なお、上記において、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、ログイン要求部13はCPU201からの命令等によって実現され、携帯端末20のユーザが行ったログイン操作の受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテキストチャット管理システム50
2に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の端末種別を示す情報、この伝送端末が利用することができるサービス名、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを送信する。このように、携帯端末20においては、この携帯端末20にインストールされたプログラム(端末用プログラム)においてユーザがログイン操作を行うことでログイン要求等がテキストチャット管理システム50
2に送信される。
【0069】
撮像部14は、
図2に示されているCPU101からの命令、並びに
図2に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。なお、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、撮像部14は
図4に示されているCPU201からの命令、並びに
図3に示されているカメラ210及び撮像素子I/F211によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、撮像部14を有しなくてもよい。
【0070】
音声入力部15aは、
図2に示されているCPU101からの命令、及び
図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によってユーザの音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、
図2に示されているCPU101からの命令、及び
図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。なお、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、音声入力部15a及び音声出力部15bは
図3に示されているCPU201からの命令、並びに
図4に示されている音声入出力I/F214によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、音声入力部15a及び音声出力部15bを有しなくてもよい。
【0071】
表示制御部16は、
図2に示されているCPU101からの命令、及び
図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。なお、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、表示制御部16は
図3に示されているCPU201からの命令、及びに
図3に示されている表示装置203によって実現され、表示装置203に画像データ等を送信するための制御を行う。
【0072】
宛先リスト作成部17は、
図2に示されているCPU101からの命令等によって実現され、伝送管理システム50から受信した宛先リスト情報及び各宛先候補としてのテレビ会議専用端末10及び/又は携帯端末20の状態情報に基づいて、宛先リストの作成及び更新を行う。なお、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、宛先リスト作成部17は
図3に示されているCPU201からの命令等によって実現される。
【0073】
アドレス確認要求部18は、
図2に示されているCPU101からの命令等によって実現され、テレビ会議を要求した相手のユーザIDが自分のユーザIDに対応づけて宛先リスト管理テーブルに登録されているか否かの確認を要求する。同様に、テキストチャットを要求した相手の通信IDが自分の通信IDに対応づけて宛先リスト管理テーブルに登録されているか否かの確認を要求する。なお、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、アドレス確認要求部18は
図3に示されているCPU201からの命令等によって実現される。
【0074】
記憶・読出処理部19は、
図2に示されているCPU101からの命令、及び
図2に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、通信先としてのテレビ会議専用端末10の端末又はユーザを識別するための通信ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。なお、通信ID及びパスワードは不揮発性記憶部1000に記憶されておらず、例えば伝送管理システム50に対してログイン要求を行う際に都度、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0075】
また、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部2000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出したりする処理も行う。この揮発性記憶部2000には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データや音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示される、上書きされる前の音声データによってスピーカ150から音声が出力される。なお、上記において、
図5の伝送端末が携帯端末20である場合、記憶・読出処理部19は
図3に示されているCPU201からの命令、及び
図3に示されているSSD209によって実現される。また、揮発性記憶部2000には、宛先端末とのテキストチャットを行う際に受信されるテキストデータも記憶される。
【0076】
≪伝送管理システムの機能構成≫
伝送管理システム50は、送受信部51、認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態通知・取得部55、セッション管理部56、承認判断部57、サービス呼び出し部58、追加要求管理部59、ID取得部60、検証部61、及び記憶・読出処理部63を有している。これら各部は、
図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令等によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、伝送管理システム50は、伝送管理システム50の電源をOFFにしても各種データ(又は情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有しており、この不揮発性記憶部3000は
図4に示されているHD304により構築されている。
【0077】
【表1】
この不揮発性記憶部3000には、表1に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB3001が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられるセッションID毎に、データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の通信ID及び宛先端末の通信IDが関連付けられて管理される。例えば、表1に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、通信IDが「01aa」の要求元端末(テレビ会議専用端末10aa)と、通信IDが「01ab」の宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)との間で、データを中継することが示されている。
【0078】
【表2】
さらに、不揮発性記憶部3000には、表2に示されているような宛先情報を管理する宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB3002が構築されている。宛先リスト管理テーブルは上記のアドレス帳の一例である。表2(a)は、テレビ会議管理システム50
1が管理する宛先情報が登録されている宛先リスト管理テーブルの一例である。他方、表2(b)は、テキストチャット管理システム50
2が管理する宛先情報が登録されている宛先リスト管理テーブルの一例である。これらの宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議サービスやテキストチャットサービスにおける接続の開始(発呼)を要求する要求元端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信ID又はユーザIDが宛先情報として全て関連付けられて管理される。
【0079】
例えば、表2(a)に示されているテレビ会議管理システム501が管理する宛先リスト管理テーブルにおいて通信IDが「01aa」である要求元端末(テレビ会議専用端末10aa)からテレビ会議サービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、通信IDが「01cc、01c、01d、01e」の伝送端末又は携帯端末であることが示されている。
【0080】
他方、例えば表2(b)に示されているテキストチャット管理システム502が管理する宛先リスト管理テーブルにおいてユーザIDが「02AA」である要求元端末(携帯端末20aa)からテレビ会議サービス又はテキストチャットサービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、ユーザIDが「02AB、02C、02D、02E」の伝送端末10又は携帯端末20であることが示されている。
【0081】
【表3】
また、不揮発性記憶部3000には、表3に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB3003が構築されている。表3(a)は、テレビ会議管理システム50
1が認証に用いる認証管理テーブルであり、表3(b)は、テキストチャット管理システム50
2が認証に用いる認証管理テーブルである。
【0082】
表3(a)の認証管理テーブルでは、テレビ会議管理システム501によって管理されるすべての伝送端末(テレビ会議専用端末10及び携帯端末20)の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、表3(a)に示されている認証管理テーブルにおいて、テレビ会議専用端末10aaの通信IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
【0083】
表3(b)の認証管理テーブルでは、テキストチャット管理システム502によって管理されるすべての伝送端末(テレビ会議専用端末10及び携帯端末20)のユーザIDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、表3(b)に示されている認証管理テーブルにおいて、テレビ会議専用端末10aaのユーザIDは「01AA」で、パスワードは「AAAA」であることが示されている。また、各ユーザIDにはユーザ名が対応づけて登録されているが、ユーザ名がなくてもユーザはテキストチャットのサービスを受けることができる。
【0084】
【表4】
不揮発性記憶部3000には、表4に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DBが構築されている。この端末管理テーブルでは、伝送システム1を構成する各端末の通信ID毎に、各通信IDを宛先とした場合の名称、各端末の稼動状態、稼動状態の通知先、ログイン要求情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、及び端末のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、表4に示されている端末管理テーブルにおいて、通信IDが「01aa」のテレビ会議専用端末10aaは、名称が「AA会議端末」で、稼動状態が「ONライン(通信可能)」で、伝送管理システム50(テレビ会議管理システム50
1)でログイン要求情報が受信された日時が「2013年11月10日の13時40分」で、このテレビ会議専用端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
【0085】
他方、ユーザIDが「02AA」の携帯端末20aaは、名称が「AA携帯端末」で、稼動状態が「ONライン(通信可能)」で、伝送管理システム50(テキストチャット管理システム502)でログイン要求情報が受信された日時が「2013年11月25日の14時30分」で、この携帯端末20aaのIPアドレスが「1.4.1.1」であることが示されている。
【0086】
【表5】
不揮発性記憶部3000には、表5に示されているようなID情報登録テーブルによって構成されているID情報登録DB3005が構築されている。このID情報登録テーブルでは、管理番号に通信IDとユーザIDが対応づけられている。例えば、表4に示されているID情報登録テーブルにおいて、管理番号1には通信IDの「01aa」とユーザIDの「01AA」が対応づけられている。
【0087】
なお、ユーザIDと通信IDはそれぞれユニークである。つまり、ユーザIDは他のユーザIDと重複しないし、通信IDは他の通信IDと重複しない。
【0088】
ID情報登録テーブルは、テレビ会議管理システム501とテキストチャット管理システム502の両方が同じものを有していてもよいし、通信ネットワーク上に共通のID情報登録テーブルを有していてもよい。また、一方のみが有しておき、他方は一方からID情報登録テーブルの内容を取得してもよい。
【0089】
ID情報登録テーブルは、ユーザがテレビ会議サービスとテキストチャットサービスを連携することを許可すると、テレビ会議管理システム501とテキストチャット管理システム502の少なくとも一方がユーザIDと通信IDを対応づけて登録する。許可しないユーザの通信IDとユーザIDはID情報登録テーブルに登録されていないので、そもそもテキストチャットサービスとテレビ会議サービスを連携させテレビ会議を始めることができない。したがって、ID情報登録テーブルにユーザIDと通信IDが対応づけられているユーザは2つのサービスが連携することを許可したユーザである。
【0090】
【表6】
不揮発性記憶部3000には、表6に示されているような追加要求管理テーブルによって構成されている追加要求管理DB3006が構築されている。この追加要求管理テーブルでは、宛先候補に追加要求した端末(以下、「追加要求した端末」を上記の通話の開始要求元の端末と同じ「要求元端末」と表す)の通信ID、及び宛先候補に追加要求された要求先の端末(以下、「要求先の端末」を「要求先端末)と表す)の通信IDを関連付けて管理する。これにより、どの伝送端末10からどの伝送端末10を宛先候補として要求しているかを管理することができる。なお、宛先リスト管理テーブルと追加要求管理テーブルは、要求元端末の通信IDが共通しているため、これらのテーブルを一つにまとめてもよい。
【0091】
<<伝送管理システム50の各機能>>
次に、伝送管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、伝送管理システム50の各機能構成部を説明するにあたって、
図4に示されている各構成要素のうち、伝送管理システム50の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0092】
送受信部51は、
図4に示されているCPU301からの命令、及び
図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。
【0093】
認証部52は、
図4に示されているCPU301からの命令、及び
図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとし、認証管理DB3003を検索し、認証管理DB3003に同一の通信ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって認証を行う。
【0094】
状態管理部53は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく端末管理DBに、この要求元端末の稼動状態を、通信IDなどと関連して記憶させる。
【0095】
端末抽出部54は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、ログイン要求した要求元端末の通信IDをキーとして、宛先リスト管理DB3002を検索し、要求元端末と接続することができる宛先端末の候補の通信IDと、この通信IDの端末の呼制御を管理している伝送管理システム50の情報とを読み出す。
【0096】
端末状態通知・取得部55は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の通信IDのうち、自身で管理している伝送端末の稼動状態を取得する。また、端末状態通知・取得部55は、受け取った要求元端末の稼動状態を、該当の宛先候補の端末に通知する。
【0097】
セッション管理部56は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、不揮発性記憶部3000のセッション管理DB3001に、コンテンツデータを中継する中継装置30の中継装置IDと、セッションID、要求元端末の通信ID、及び宛先端末の通信IDを関連付けて記憶して管理する。
【0098】
承認判断部57は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、テレビ会議専用端末10又は携帯端末20からのアドレス帳確認済みフラグ(後述する)がTrueかFalseかを判断する。Trueの場合、宛先リスト管理テーブルに載っていない宛先端末とのテレビ会議が許可される。
【0099】
サービス呼び出し部58は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、ログイン中のテキストチャット管理システム50
2からテレビ会議管理システム50
1を呼び出しテレビ会議の開始を要求する。また、ログイン中のテレビ会議管理システム50
1からテキストチャット管理システム50
2を呼び出しテキストチャットの開始を要求する。
【0100】
追加要求管理部59は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、追加要求管理DB3006へ新たに、要求元端末の通信ID及び要求先端末の通信IDを記憶して管理する。また、要求元端末の通信ID及び要求先端末の通信IDを削除する。
【0101】
ID取得部60は、
図4に示されているCPU301からの命令等によって実現され、要求元端末と宛先端末のユーザIDに対応づけられている通信IDを、連携先の伝送管理システム50のID情報登録テーブルから取得する。また、通信IDに対応づけられているユーザIDを、連携先の伝送管理システム50のID情報登録テーブルから取得する。
【0102】
検証部61は、
図4に示されているCPU301からの命令等により実行され、携帯端末20から送信された要求元端末のユーザIDに対し宛先端末のユーザIDが宛先リスト管理テーブルで対応づけられているか否かを検証する。通信IDについても同様の検証を行うことができる。
【0103】
記憶・読出処理部63は、
図4に示されているCPU301からの命令、及び
図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0104】
<伝送システムの動作>
次に、
図6及び
図7を用いて、伝送端末10aaと伝送端末10ccとの間で、通話を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。
図6は、伝送端末間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。
図7は、宛先リストを模式的に示す図である。なお、
図6では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
【0105】
まず、ユーザが、
図5に示されている電源スイッチ109をONにすると、伝送端末10aaの操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。
【0106】
そして、ログイン要求部13は、電源ONの受け付けを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自端末である伝送端末10aaを識別するための通信ID、及びパスワードが含まれている。これら通信ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して不揮発性記憶部1000から読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、伝送端末10aaから伝送管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である伝送管理システム50は、送信側である伝送端末10aaのIPアドレスを把握することができる。
【0107】
次に、伝送管理システム50の認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部3000の認証管理DB3003を検索し、認証管理DB3003に同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB3004に、伝送端末10aaの通信ID及び宛先名で示されるレコード毎に、稼動状態、ログイン要求情報が受信された受信日時、及び伝送端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。
【0108】
そして、伝送管理システム50の送受信部51は、認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を通信ネットワーク2を介して、ログイン要求してきた要求元端末(伝送端末10aa)に送信する(ステップS25)。本実施形態では、認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
【0109】
要求元端末(伝送端末10aa)では、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0110】
次に、端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB3002を検索し、要求元端末(伝送端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補の通信IDを抽出すると共に、この通信IDに対応する宛先名を端末管理DB3004から読み出すことによって抽出する(ステップS27)。ここでは、要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」に対応する宛先端末(10cc,10c,10d,10e)のそれぞれの通信ID(01cc,01c,01d,01e)と、これらに対応する端末名が抽出される。
【0111】
次に、伝送管理システム50の送受信部51は、端末抽出部54によって抽出された通信ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、通信ID、宛先名)」を、要求元端末(伝送端末10aa)に送信する(ステップS29)。
【0112】
これにより、要求元端末(伝送端末10aa)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が揮発性記憶部2000へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS30)。
【0113】
このように、本実施形態では、各伝送端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、伝送管理システム50が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、伝送システム1に新たな伝送端末10が含まれるようになったり、既に含まれている伝送端末10に替えて新機種の伝送端末10を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、伝送管理システム50側で一括して対応するため、各伝送端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0114】
また、伝送管理システム50の端末抽出部54は、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の通信ID(01cc,01c,01d,01e)を検索キーとして、端末管理DB3004を検索し、端末抽出部54によって抽出された通信ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての伝送端末(10cc,10c,10d,10e)の各稼動状態を取得する(ステップS31)。
【0115】
次に、送受信部51は、上記ステップS27で使用された検索キーとしての通信ID「01aa」と、対応する宛先端末(伝送端末10cc)の稼動状態「ONライン(通話可能)」とが含まれた「端末の稼動状態情報」を、通信ネットワーク2を介して要求元端末(伝送端末10aa)に送信する(ステップS32)。また、伝送端末10c,10d,10e)の各稼動状態を個別に要求元端末(伝送端末10aa)へ送信する。
【0116】
次に、要求元端末(伝送端末10aa)の記憶・読出処理部19は、順次、伝送管理システム50から受信した伝送端末10の稼動状態情報を揮発性記憶部2000に記憶する(ステップS33)。よって、要求元端末(伝送端末10aa)は、上記各端末の状態情報を受信することで、要求元端末(伝送端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補である伝送端末10cc等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
【0117】
次に、要求元端末(伝送端末10aa)の宛先リスト作成部17は、揮発性記憶部2000に記憶されている宛先リスト情報、及び伝送端末10の稼動状態情報に基づいて、宛先候補としての伝送端末10の状態を反映させた宛先リストを作成する。また、表示制御部16は
図2に示されているディスプレイ120に対して、宛先リストを表示する(ステップS34)。
【0118】
なお、
図7に示されている宛先リストでは、各伝送端末10の稼動状態を示したアイコン601が、上から「ONライン(伝送可能)」、「OFFライン」、「ONライン(伝送可能)」、及び「ONライン(通話中)」であることを示している。また、本実施形態のようにテレビ会議システムにおいては、「伝送可能」は「通話可能」を意味することになる。
【0119】
一方、伝送管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」に基づいて宛先リスト管理DB3002を検索することにより、要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の通信ID(01cc,01c,01d,01e)を抽出する(ステップS35)。
【0120】
次に、伝送管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求して来た要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」に基づいて端末管理DB3004を検索し、ログイン要求してきた要求元端末(伝送端末10aa)の稼動状態を取得する(ステップS36)。
【0121】
そして、送受信部51は、上記ステップS35で抽出された通信ID(01cc,01c,01d,01e)に係る伝送端末(10cc,10c,10d,10e)のうち、端末管理DB3004で稼動状態が「ONライン」となっている伝送端末10に、ステップS36で取得された要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」と稼動状態「ONライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する(ステップS37-1,S37-2)。これにより、ログイン要求した要求元端末(伝送端末10aa)を宛先として通話することができる他の宛先端末のそれぞれに、ログイン要求した要求元端末(伝送端末10aa)の通信ID「01aa」、及び稼動状態「ONライン」を伝えることができる。
【0122】
伝送端末10d、10ccは宛先リストに伝送端末10aaの稼動状態を表示する(ステップS38-1、S38-2)。
【0123】
一方、他の伝送端末10も、上記ステップ21と同様に、電源スイッチ109をONにすると、上記ステップS22~S38-1,2の処理と同様の処理を行う。
【0124】
この後、伝送端末10aaのユーザは、ディスプレイ120に表示された宛先リストから通信を行いたい所望の伝送端末を選択する(S39a)。
【0125】
次に、伝送端末10aaの送受信部11は、伝送端末10aaの通信ID「01aa」及び宛先端末である伝送端末10ccの通信ID「01cc」が含まれる、通信を開始したい旨を示す開始要求情報を、伝送管理システム50へ送信する(ステップS39b)。
【0126】
これにより、伝送管理システム50は、端末管理テーブルから通信IDに対応づけられているIPアドレスを読み出し、伝送端末10aaと伝送端末10ccの間でテレビ会議のセッションを確立する(S39c)。
【0127】
<<宛先候補の追加処理>>
続いて、
図8~
図12を用いて、宛先候補の追加処理を説明する。本実施形態では、要求元端末(伝送端末10aa)が、自己の宛先リストに要求先端末(伝送端末10dc)を追加する要求を行う場合を示している。なお、
図8は、宛先候補の追加処理を示したシーケンス図である。
図9は、追加要求受付画面610を模式的に示す図である。
図10は、承認又は却下の処理を示すフローチャート図である。
図11は、追加要求承認受付画面620を模式的に示す図である。
図12は、追加完了画面630を模式的に示す図である。
【0128】
まず、要求元端末(伝送端末10aa)のユーザaが操作ボタン108を操作することで、
図7に示されている宛先リストの右下に示されている「宛先の追加」ボタン602を押下すると、操作入力受付部12が押下を受け付ける。表示制御部16が揮発性記憶部2000に記憶されていた追加要求受付画面データをディスプレイ120aaに表示させることで、宛先候補の追加要求を受け付ける処理を行う(ステップS41)。この追加要求受付画面610は、
図9に示されているように宛先リスト上に表示される。
【0129】
次に、ユーザaが操作ボタン108により、
図9に示されている追加要求受付画面610に、宛先候補としたい伝送端末の通信ID又は端末名を入力して(ここでは、通信ID「01dc」を入力)、「追加要求の送信」ボタン611を押下すると、操作入力受付部12がユーザaの入力を受け付ける。「キャンセル」ボタン612が押下されると、追加要求受付画面610は消去される。
【0130】
要求元端末(伝送端末10aa)の送受信部11は、通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、宛先候補の追加要求を示す追加要求情報を送信する(ステップS42)。この追加要求情報には、要求元端末(伝送端末10aa)を識別するための要求元端末の通信ID「01aa」、及び要求先端末(伝送端末10dc)を識別するための要求先端末の通信ID「01dc」が含まれている。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、追加要求情報を受信することになる。
【0131】
次に、伝送管理システム50では、追加要求管理部59が、追加要求管理DBの新たなレコードの要求元端末の通信IDフィールドに、受信された要求元端末の通信ID「01aa」を記憶して管理すると共に、上記新たなレコードの要求先端末の通信IDフィールドに、要求先端末の通信ID「01dc」を追加的に記憶して管理する(ステップS43)。
【0132】
次に、端末状態通知・取得部55は、要求先端末の通信ID「01dc」に基づいて端末管理DB3004を検索することにより、対応する稼動状態を確認する(ステップS44)。
【0133】
そして、端末状態通知・取得部55によって、稼動状態がONラインであるが通話(伝送)を開始していないと確認された場合には、引き続き、送受信部51は、要求先端末(伝送端末10dc)に対して、上記追加要求を承認するか否かの要求を示す追加承認要求情報を送信する(ステップS45)。この追加承認要求情報には、要求元端末の通信ID「01aa」が含まれている。これにより、要求先端末(伝送端末10dc)の送受信部11は、追加承認要求情報を受信することになる。
【0134】
次に、要求先端末(伝送端末10dc)では、追加要求に対する承認、却下、又は保留の処理を行う(ステップS46)。ここで、このステップS46について、
図10及び
図11を用いて詳細に説明する。
【0135】
まず、追加承認要求情報は、要求先端末(伝送端末10dc)で受信されると、記憶・読出処理部19によって、揮発性記憶部2000に記憶される(ステップS46-1)。なお、追加承認要求情報が次々と送られて来る場合には、それらは次々に揮発性記憶部2000へ記憶されることになる。
【0136】
次に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部2000から追加承認要求情報に含まれている要求元端末の通信IDの抽出を試みる(ステップS46-2)。なお、追加承認要求情報が複数記憶されている場合には、追加承認要求情報に含まれている要求元端末の通信IDは一つずつ抽出される。
【0137】
そして、上記ステップS46-2によって、要求元端末の通信IDが抽出された場合には(ステップS46-3,YES)、表示制御部16は、ディスプレイ120dcに対して、
図11に示されているように、追加要求承認受付画面620を表示させる(ステップS46-4)。
【0138】
この追加要求承認受付画面620には、要求元端末の通信ID又は要求元端末の名称が表示され、要求先端末(伝送端末10dc)側のユーザdが、この要求先端末(伝送端末10dc)を要求元端末(伝送端末10aa)の宛先リストに登録されることを承認する場合に、ユーザdによって押下される「はい」ボタン621、このユーザdが宛先リストに登録されることを却下する場合に、ユーザdによって押下される「いいえ」ボタン622、及びこのユーザdが承認又は却下を保留する場合に、ユーザdによって押下される「キャンセル」ボタン623が表示される。なお、要求元端末の端末名が表示される場合には、上記ステップS45によって送信される追加承認要求情報には、要求元端末の通信IDに加え、要求元端末の端末名も含まれる。この場合、要求元端末の端末名は、上記ステップS44によって稼動状態が確認される際に、対応する端末名も抽出される。
【0139】
次に、ユーザdが
図11に示されている追加要求受付画面にて、「はい」、「いいえ」、又は「キャンセル」のいずれかのボタンを押下すると、操作入力受付部12は、それぞれ「承認」、「却下」、又は「保留」の指示を受け付ける(ステップS46-5)。そして、さらに、ステップS46-2に戻り、揮発性記憶部2000に記憶されている残りの要求元端末の通信IDの抽出を試みることで処理を繰り返す。そして、全ての要求元端末の通信IDを「01aa」抽出した場合には(ステップS46-3,NO)、ステップS46の処理が終了する。
【0140】
続いて、
図8に戻り、要求先端末(伝送端末10dc)の送受信部11は、伝送管理システム50に対して、承認、却下又は保留の追加要求応答を示す追加要求応答情報を送信する(ステップS47)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、追加要求応答情報を受信することになる。ここでは、追加要求応答が「承認」する旨を示す場合につき、続けて説明する。
【0141】
次に、追加要求管理部59は、追加要求管理DB3006で要求元端末の通信ID「01aa」に関連付けられている要求先端末の通信ID「01dc」を、追加要求管理DB3006における要求元端末の通信ID「01aa」と同じ宛先リスト管理DB3002における要求元端末の通信ID「01aa」に関連付けて追加的に管理する(ステップS48)。
【0142】
なお、追加要求応答が「却下」する旨を示す場合には、上記ステップS48では、追加要求管理部59が、追加要求管理DB3006における却下された要求先端末の通信ID「01dc」のレコードを削除する。また、追加要求応答が「保留」する旨を示す場合には、上記ステップS48では、追加要求管理部59は追加的な管理を行わず、また、追加要求管理部59はレコードの削除を行わないで放置する。
【0143】
次に、端末抽出部54は、要求元端末の通信ID「01aa」及び要求先端末の通信ID「01dc」に基づいて端末管理DB3004を検索することにより、対応するそれぞれの各情報(宛先名、稼動状態)を抽出する(ステップS49)。
【0144】
そして、送受信部51は、要求元端末(伝送端末10aa)及び要求先端末(伝送端末10dc)に対して、それぞれ追加完了情報を送信する(ステップS50-1,2)。このうち要求元端末(伝送端末10aa)に送信される追加完了情報には、追加が完了した旨を示すメッセージ、及び要求先端末(伝送端末10dc)の各情報(通信ID、宛先名、及び稼動状態)が含まれている。即ち、要求元端末(伝送端末10aa)には、宛先リストにおける要求先端末(伝送端末10dc)部分の各情報(通信ID、宛先名、及び稼動状態)のみが送信され、宛先リストの全体が改めて送信される訳ではない。一方、要求先端末(伝送端末10dc)に送信される追加完了情報には、追加が完了した旨を示すメッセージ、及び要求元端末(伝送端末10aa)の各情報(通信ID、宛先名、及び稼動状態)が含まれている。
【0145】
そして、要求元端末(伝送端末10aa)及び要求先端末(伝送端末10dc)では、各表示制御部16が各ディスプレイ(120aa,120dc)に対して、完了を示す画面を表示する(ステップS51-1,2)。
図12には、要求元端末(伝送端末10aa)側のディスプレイ120aaに表示されている追加完了画面630が示されている。ユーザaが「確認」ボタン631を押下すれば追加完了画面630の表示が終了する。このように、
図12に示される追加完了画面630が表示されることで、ユーザaは、追加要求が承認されたことに早く気付くことができるため、追加された宛先端末と直ぐに会議を開始できるという効果を奏する。
【0146】
なお、伝送管理システム50側では、上記ステップS50-1,2の処理が終了すると、追加要求管理部59が、追加要求管理DBにおける承認された要求先端末の通信ID「01dc」のレコードを削除することで、宛先候補の追加要求の全ての処理が終了する(ステップS52)。
【0147】
また、
図8~
図12では、伝送端末10aaが自分の宛先リスト管理テーブルに伝送端末10dcを登録した。しかし、伝送端末10dcも自分の宛先リスト管理テーブルに伝送端末10aaが登録されていないと、伝送端末10dcが伝送端末10aaとテレビ会議することができない。このため、
図8~
図12の処理は伝送端末10dcも行う。
【0148】
<一方のサービスの宛先リスト管理テーブルを利用した他方のサービスの利用>
図13は、テキストチャット管理システム50
2の宛先リスト管理テーブルを利用してユーザがテレビ会議を開始する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0149】
S1:携帯端末20はユーザの操作を受け付けて、テキストチャット管理システム502のトップページへアクセスする。これにより、携帯端末20の表示装置203にはログインページが表示される。
【0150】
S2:携帯端末20はユーザID(02AA)とパスワードでテキストチャット管理システム502へログインする。ここではログインが成功したものとする。この後、ユーザは必要に応じてテキストチャットすることができる。
【0151】
S3:ユーザがログイン後のページでアドレス帳(宛先リスト管理テーブル)を表示する操作を行うと、携帯端末20の送受信部11は宛先リスト管理テーブルの表示をテキストチャット管理システム502に要求する。
【0152】
S3-1:テキストチャット管理システム502の記憶・読出処理部63は、表2(b)の宛先管理テーブルでユーザID(02AA)に対応付けられている宛先のユーザID(02AB、02C、02D、02E)を取得して携帯端末20に送信する。携帯端末20はテキストチャット管理システム502から取得したユーザの宛先リスト管理テーブルを表示装置203に表示する。
【0153】
S4:ユーザは、例えば、宛先リスト管理テーブルの一覧からユーザID(02AB)のユーザとビデオ会議することを要求する。携帯端末20のアドレス確認要求部18はテキストチャット管理システム502に、テレビ会議の要求とユーザID(02AB)を送信する。
【0154】
S4.1:テキストチャット管理システム502の記憶・読出処理部63は、携帯端末20のユーザID(02AA)に登録されているユーザID(02AB、02C、02D、02E)の一覧を宛先リスト管理テーブルから読み出す。
【0155】
S4.2:テキストチャット管理システム502の検証部61はステップS4.1で取得したユーザIDの中に、ステップS4でユーザが要求したユーザID(02AB)が含まれているか否かを判断する。含まれている場合、次述するアドレス帳確認済みフラグ(判断結果の一例)にはtrueが設定される。
【0156】
S4.3:テキストチャット管理システム502のID取得部60はテレビ会議管理システム501にアクセスして、ユーザID(02AA、02AB)の通信IDを検索する。テレビ会議管理システム501の記憶・読出処理部63はID情報登録テーブルからユーザID(02AA)に紐付いている通信ID(02aa)及びユーザID(02AB)に紐付いているユーザID(02ab)を読み出す。テキストチャット管理システム502とテレビ会議管理システム501は独立しているが互いに通信可能である。なお、テキストチャット管理システム502のID取得部60がアクセスするID情報登録テーブルはテキストチャット管理システム502のものでもよい。
【0157】
上記のように、ID情報登録テーブルにユーザIDと通信IDが紐づけられているユーザは、テキストチャットサービスとテレビ会議サービスの連携を望むユーザである。したがって、ユーザIDに紐づけられている通信IDを取得できた場合、テキストチャット管理システム502はテレビ会議を要求してよいと判断できる。
【0158】
なお、テレビ会議管理システム501は携帯端末20aaのユーザがテレビ会議管理システム501にログインしているか否かを判定する。ログインしていない場合、携帯端末20aaのユーザはテレビ会議管理システム501にログインする。テレビ会議を開始するためには、宛先端末のユーザもテレビ会議管理システム501にログインする必要がある。
【0159】
S5:テキストチャット管理システム502のサービス呼び出し部58は、通信ID(02AA、02AB)及びアドレス帳確認済みフラグ(true)を添付して、テレビ会議システムにテレビ会議の開始を要求する。アドレス帳確認済みフラグは、TrueとFalseを取り、Trueの場合、要求元端末のユーザIDに宛先端末のユーザIDが対応づけられていることを意味する。Falseの場合、要求元端末のユーザIDに宛先端末のユーザIDが対応づけられていないことを意味する。
【0160】
S5.1:テレビ会議システムの承認判断部57はアドレス帳確認済みフラグがTrueであるか否かを判断する。テレビ会議管理システム501は、アドレス帳確認済みフラグがTrueなので、テレビ会議システム側で宛先リスト管理テーブルを確認することなく、テレビ会議を開始する。
【0161】
すなわち、アドレス帳確認済みフラグがTrueの場合、
図6のステップS39bと同様の状態が得られる。伝送管理システム50は要求元端末の通信ID、宛先端末の通信IDを取得した状態であるため、ステップS28の宛先リストの抽出などを行うことなく、テレビ会議を始めることができる。また、上記の宛先リスト管理テーブルへの通信ID(01ab)の登録も不要である。
【0162】
以上のように、本実施形態の伝送システム1が行う伝送方法によれば、テレビ会議管理システム501の宛先リスト管理テーブルに、通信ID(02aa)と通信ID(02ab)が登録されていなくても(相手の承認がなされなくても)、ユーザはテレビ会議を開始できる。すなわち、携帯端末20のユーザはテキストチャットを行っているのでテキストチャット管理システム502にログインしておりアドレス帳の検証を受けている。また、テキストチャットを行っているユーザはどちらもID情報登録テーブルにユーザIDと通信IDが紐づけられているユーザであるため、テキストチャットサービスとテレビ会議サービスの連携を望んでいる。したがって、ユーザがテキストチャット管理システム502によりアドレス帳の検証を受けていることを利用して、テレビ会議管理システム501によるアドレス帳の検証を省略し、テレビ会議管理システム501がユーザに対しテレビ会議を開始させることができる。
【0163】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0164】
例えば、本実施形態では、ユーザIDが宛先リスト管理テーブルに登録されている場合に、通信IDが宛先リスト管理テーブルに登録されていなくてもテレビ会議を開始した。しかし、通信IDが宛先リスト管理テーブルに登録されている場合に、ユーザIDが宛先リスト管理テーブルに登録されていなくてもテキストチャットを開始することができる。従って、テレビ会議からテキストチャットにスムーズに移行できる。
【0165】
また、本実施形態では、ユーザID(02AA)の宛先リスト管理テーブルにユーザID(02AB)が登録されているか否かが検証されているが、ユーザID(02AA)の宛先リスト管理テーブルに複数のユーザID(例えば、02AB、02C)が登録されているかが検証されてよい。この場合、複数のユーザとテレビ会議を開始できる。
【0166】
また、ユーザIDが宛先リスト管理テーブルに登録されているか否かの検証をテキストチャット管理システム502が行ったが、この検証はどの装置又はシステムで行われもよい。
【0167】
また、本実施形態では、ユーザIDと通信IDを連携させたが、ユーザIDとskype(登録商標)IDを連携させてもよい。つまり、ユーザIDでテキストチャットを行うことが可能なユーザは、skypeIDを有していればテキストチャットからskypeでテレビ会議を開始することができる。
【0168】
あるいは、skypeIDでテキストチャットしているユーザは、通信IDを有していれば、テキストチャットからテレビ会議を開始することができる。
【0169】
skypeIDの他、Google(登録商標)、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)などのIDが利用されてもよい。
【0170】
また、
図5などの構成例は、伝送管理システム50及び伝送端末10による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。伝送管理システム50及び伝送端末10の処理は、処理内容に応じてさらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。
【0171】
また、本実施形態では説明の都合上、伝送管理システム50と中継装置30を別々の装置として説明したが、両者の機能が統合された装置が伝送管理システム50と中継装置30の機能を提供してもよい。
【0172】
また、伝送システム1が複数の伝送管理システム50を有していてもよく、伝送管理システム50の機能が複数のサーバに分散して配置されていてもよい。
【0173】
また、伝送管理システム50が不揮発性記憶部3000に有する各データベースの1つ以上は通信ネットワーク上に存在していてもよい。
【0174】
表示装置としてディスプレイ120を例にしたが、プロジェクタ、HUD(Head Up Display)、テレビ受像器、カーナビゲーション端末、など画像を表示できるものであればよい。
【0175】
なお、テレビ会議管理システム501の宛先リスト管理テーブルは第一の宛先端末情報の一例である。テキストチャット管理システム502の宛先リスト管理テーブルは第二の宛先端末情報の一例である。伝送端末10aaは第一の伝送端末の一例であり、伝送端末10abは第二の伝送端末の一例である。コンテンツデータは第一のデータの一例であり、テキストデータは第二のデータの一例である。テレビ会議管理システム501は第一の情報処理装置の一例であり、テキストチャット管理システム502は第二の情報処理装置の一例である。ID情報登録DB3005は識別情報対応情報の一例である。検証部61は第一の判断手段の一例である。承認判断部57は第二の判断手段の一例である。送受信部51は接続要求受付手段の一例である。ID取得部60は識別情報取得手段の一例である。サービス呼び出し部58は送信手段の一例である。状態管理部53、端末抽出部54、端末状態通知・取得部55及びセッション管理部56の1つ以上は通信接続手段の一例である。
【符号の説明】
【0176】
1 伝送システム
10 伝送端末
18 アドレス確認要求部
20 携帯端末
50 伝送管理システム
57 承認判断部
58 サービス呼び出し部
59 追加要求管理部
60 ID取得部
61 検証部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0177】