(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】喫煙車両
(51)【国際特許分類】
B60H 1/24 20060101AFI20221021BHJP
A24F 19/00 20060101ALI20221021BHJP
F24F 9/00 20060101ALI20221021BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
B60H1/24 621
A24F19/00 J
F24F9/00 B
B60P3/00 Z
(21)【出願番号】P 2018079576
(22)【出願日】2018-04-18
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】318016331
【氏名又は名称】仲谷 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 正樹
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0370457(KR,Y1)
【文献】韓国登録特許第10-1536176(KR,B1)
【文献】特開2001-239820(JP,A)
【文献】特開2006-003058(JP,A)
【文献】特開2018-023770(JP,A)
【文献】特開平11-105795(JP,A)
【文献】特開平08-011518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/24
A24F 19/00
F24F 9/00
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の喫煙者が車内で喫煙可能とされた喫煙車両であって、
喫煙者の出入り口が
車両の前方側の位置に形成され、
車両の前後方向に亘って灰皿が複数配設されて喫煙可能な空間から成る喫煙空間と、
車両の後方位置に形成され、
喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段、及び前記集塵手段に電力を供給するための2次電池が設置された空間から成る集塵空間と、
前記喫煙空間における前記灰皿の上方位置で延設され、前記集塵空間の集塵手段に連結されるとともに、車両の前後方向に延設されつつ前記灰皿に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口が形成されたダクトと、
前記喫煙空間内の室温を調整するために当該喫煙空間に配設されるとともに、前記喫煙空間の出入り口から前記集塵空間に向かう方向に送風可能とされた空調手段と、
前記喫煙空間の出入り口に配設され、空気を噴出してエアカーテンを形成するとともに、前記喫煙空間の出入り口から前記集塵空間に向かう方向に空気を噴出可能とされたエアカーテン形成手段と、
を有し、前記喫煙空間内の煙草の煙を前記集塵空間に流入させて前記集塵手段で当該煙中の粒子を捕捉及び除去し
、清浄化された空気を車外に放出し得ることを特徴とする喫煙車両。
【請求項2】
前記喫煙空間は、車両の前方位置の運転席空間及び車両の後方位置の前記集塵空間とそれぞれ仕切壁にて仕切られて成ることを特徴とする請求項1記載の喫煙車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の喫煙者が車内で喫煙可能とされた喫煙車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時の社会的な喫煙環境により、喫煙者は所定の決められた場所で喫煙することが求められており、通常、建物内における喫煙室や屋外の喫煙場所など非喫煙者から隔絶された場所や離れた場所での喫煙が必要とされている。また、建物内の喫煙室や屋外の喫煙場所には、通常、灰皿が設置されており、多数の喫煙者が同時に喫煙することが可能とされている。なお、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、不定期に開催されるイベントや定期的な催し物がある場合、その開催される建物や屋外に喫煙室がないことが多々あり、喫煙者は屋外の喫煙場所で喫煙する必要がある。このような場合、多数の喫煙者が一斉に喫煙することが想定されるので、喫煙により発生した多量の煙が周囲に放散してしまう虞があった。また、イベントや催し物がある場所に臨時で喫煙室を設置することも考えられるが、その場合、喫煙室を設置するための資材や機材等の搬入作業及び組立作業が別途必要となってしまう。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、必要な場所に容易且つ迅速に喫煙場所を提供することができるとともに、多数の喫煙者が喫煙しても周囲に煙草の煙が放散してしまうのを防止することができる喫煙車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、複数の喫煙者が車内で喫煙可能とされた喫煙車両であって、喫煙者の出入り口が車両の前方側の位置に形成され、車両の前後方向に亘って灰皿が複数配設されて喫煙可能な空間から成る喫煙空間と、車両の後方位置に形成され、喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段、及び前記集塵手段に電力を供給するための2次電池が設置された空間から成る集塵空間と、前記喫煙空間における前記灰皿の上方位置で延設され、前記集塵空間の集塵手段に連結されるとともに、車両の前後方向に延設されつつ前記灰皿に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口が形成されたダクトと、前記喫煙空間内の室温を調整するために当該喫煙空間に配設されるとともに、前記喫煙空間の出入り口から前記集塵空間に向かう方向に送風可能とされた空調手段と、前記喫煙空間の出入り口に配設され、空気を噴出してエアカーテンを形成するとともに、前記喫煙空間の出入り口から前記集塵空間に向かう方向に空気を噴出可能とされたエアカーテン形成手段とを有し、前記喫煙空間内の煙草の煙を前記集塵空間に流入させて前記集塵手段で当該煙中の粒子を捕捉及び除去し、清浄化された空気を車外に放出し得ることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の喫煙車両において、前記喫煙空間は、車両の前方位置の運転席空間及び車両の後方位置の前記集塵空間とそれぞれ仕切壁にて仕切られて成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、喫煙者の出入り口が車両の前方側の位置に形成され、車両の前後方向に亘って灰皿が複数配設されて喫煙可能な空間から成る喫煙空間と、車両の後方位置に形成され、喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段、及び前記集塵手段に電力を供給するための2次電池が設置された空間から成る集塵空間とを有し、喫煙空間内の煙草の煙を集塵空間に流入させて集塵手段で当該煙中の粒子を捕捉及び除去し、清浄化された空気を車外に放出し得るので、必要な場所に容易且つ迅速に喫煙場所を提供することができるとともに、多数の喫煙者が喫煙しても周囲に煙草の煙が放散してしまうのを防止することができる。
【0010】
また、請求項1の発明によれば、喫煙空間には、灰皿の上方位置で延設され、集塵空間の集塵手段に連結されたダクトが取り付けられるとともに、ダクトは、車両の前後方向に延設されつつ灰皿に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口が形成されたので、喫煙空間内の煙草の煙を確実に吸引して集塵空間に送り込むことができる。
【0011】
さらに、請求項1の発明によれば、喫煙空間内の室温を調整するための空調手段が当該喫煙空間に配設されるとともに、空調手段は、喫煙空間の出入り口から集塵空間に向かう方向に送風可能とされたので、空調手段の送風を利用して煙草の煙を集塵空間側に案内させることができるとともに、喫煙空間の出入り口から煙草の煙が外部に逃げてしまうのを抑制することができる。
【0012】
またさらに、請求項1の発明によれば、喫煙空間の出入り口には、空気を噴出してエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段が配設されるとともに、当該エアカーテン形成手段は、喫煙空間の出入り口から集塵空間に向かう方向に空気を噴出可能とされたので、エアカーテンを利用して煙草の煙を集塵空間側に案内させることができるとともに、喫煙空間の出入り口から煙草の煙が外部に逃げてしまうのをエアカーテンによってより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る喫煙車両の車内を側方から見た模式図
【
図3】同喫煙車両の車内の前方から後方を見た模式図
【
図4】同喫煙車両の車内の後方から前方を見た模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る喫煙車両は、複数の喫煙者が車内で喫煙可能とされたもので、
図1~4に示すように、車内空間が車内前方の仕切壁W1及び後方の仕切壁W2にて仕切られることにより形成された喫煙空間2と、集塵空間3と、運転席空間4とを有する。なお、本実施形態に係る喫煙車両1は、左右の前輪T1及び左右の後輪T2を有した自動車(マイクロバス、大型バス若しくはトレーラ等含む)から成るものとされているが他の形態の車両から成るものであってもよい。
【0015】
運転席空間4は、運転席4a及び助手席4bが配設された車両の前方に位置する空間から成り、仕切壁W1によって喫煙空間2と仕切られている。そして、運転席4aに着座した運転手により喫煙車両1が運転可能とされており、喫煙空間を提供すべき任意場所まで走行可能とされている。なお、運転席空間4は、仕切壁W1にて車両後方の喫煙空間2とは仕切られており、当該喫煙空間2内の煙が運転席空間4に流れ込まないよう構成されているとともに、当該仕切壁W1に形成された監視窓E(
図4参照)によって喫煙空間2内の様子を目視し得るようになっている。
【0016】
喫煙空間2は、車内前方の仕切壁W1と後方の仕切壁W2との間に形成されるとともに、喫煙者の出入り口5が所定位置に形成され、灰皿7が複数配設されて喫煙可能な空間から成る。本実施形態の出入り口5は、喫煙空間2における車両前方側の位置に形成されるとともに、喫煙しようとする者が開閉扉6を開閉して車内と外部との間を出入り自在とされている。
【0017】
喫煙空間2内の灰皿7は、車両の前後方向に延設しつつ車室の両側(左右の床面)にそれぞれ固定された灰皿台8に複数取り付けられており、喫煙空間2内の喫煙者が煙草の灰や吸い殻をそれぞれの灰皿7に投入可能とされている。本実施形態に係る灰皿7は、
図5に示すように、投入部7aと、導入部7bと、吸い殻案内部7cと、収容部7dと、蓋部7eと、煙案内部7fとを有して構成されている。
【0018】
投入部7aは、灰皿台8において上方に開口して取り付けられて喫煙により生じた灰や吸い殻を投入可能とされたもので、その下部が導入部7bに接続されている。導入部7bは、上下がそれぞれ開口した筒状部材から成り、投入部7aに投入された灰や吸い殻を通過させて収容部7d内に落下させ得るものである。収容部7dは、上方が開口した有底の円筒状部材から成り、投入部7aに投入された灰や吸い殻を収容し得るよう構成されている。
【0019】
かかる収容部7dは、その上部開口と導入部7bとの間を封止し得る蓋部7eが取り付けられており、収容部7d内に収容された吸い殻から生じた煙が収容部7dの上部開口と導入部7bとの間から外部に漏れ出ないようになっている。また、導入部7bの下部には、当該導入部7bの軸方向に対して傾斜して延設された吸い殻案内部7cが取り付けられており、投入部7aに投入されて導入部7bを通過した灰や吸い殻を吸い殻案内部7cの傾斜方向に案内して落下させ得るよう構成されている。なお、蓋部7eは、収容部7dの上部に対して脱着可能とされており、収容部7dから取り外すことにより、内部に溜まった煙草の灰や吸い殻を取り出して廃棄可能とされている。
【0020】
一方、収容部7dの内部には、煙案内部7fが取り付けられている。かかる煙案内部7fは、収容部7dの軸方向に延びた立設部n1と、立設部n1の上部に一体形成された勾配部n2と、勾配部n2の上部に形成された半球部n3とを有して構成されている。勾配部n2は、その側面が上方に向かって緩やかに傾斜(上方に向かって上り勾配)して形成されており、収容部7dの底部から立ち上る煙を側面の傾斜面にて案内し、導入部7bに至るのを抑制し得るようになっている。
【0021】
したがって、消火されない煙草の吸い殻が投入部7aに投入されて収容部7dの底部まで落下して収容されると、そこから立ち上る煙は、煙案内部7fの立設部n1の延設方向に沿って上方に流れ、勾配部n2の側面の傾斜面にて案内された後、蓋部7eに至った後、下方に流れる(
図5中の矢印で示す方向に流れる)こととなる。これにより、煙中に含まれる二酸化炭素等の不活性成分が収容部7dの底面にある煙草の吸い殻に至ることとなり、消火が促されることとなる。
【0022】
また、喫煙空間2には、灰皿7の上方位置で延設されたダクトD1が取り付けられている。かかるダクトD1は、
図1、2に示すように、車両の前後方向に延設しつつ車室の両側(左右天井面)にそれぞれ固定された配管から成り、灰皿7に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口Daが形成されている。そして、ダクトD1は、それぞれ集塵空間3まで延設されており、吸引口Daで吸引された煙が集塵空間3まで流れるようになっている。また、喫煙空間2と集塵空間3とを仕切る仕切壁W2には、
図3に示すように、煙草の煙を吸引可能な吸引孔Hが形成されており、喫煙空間2内の煙が吸引孔Hを介して集塵空間3まで流れるようになっている。
【0023】
これらダクトD1及び吸引孔Hは、それぞれ集塵空間3内に配設されたダクトD2に接続されるとともに、当該ダクトD2が集塵空間3内の集塵手段11に接続されている。すなわち、ダクトD1及び吸引孔Hは、ダクトD2を介して集塵手段11と連結されており、喫煙空間2内の煙草の煙が集塵手段11に導入されるようになっている。また、ダクトD2には、ブロワ等の負圧発生手段Pが接続されており、当該負圧発生手段Pを駆動することにより、ダクトD1の吸引口Da及び吸引孔Hに吸引力を発生させるよう構成されている。
【0024】
集塵空間3は、仕切壁W2にて仕切られ喫煙空間2に対して車両後方に位置する空間から成り、喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段11、集塵手段11を通過した空気を清浄化する清浄機12、及び集塵手段11に電力を供給するための2次電池13等が設置されている。2次電池13は、集塵手段11及び清浄機12に電力を供給し得る電源から成り、放電及び充電が可能なバッテリ(鉛蓄電池等)にて構成されている。
【0025】
集塵手段11は、既述のように、ダクトD2と接続されて喫煙空間2内の煙が導入されるとともに、例えば導入された煙に対して電圧を印加して帯電させ、煙中の粒子(特に、有害成分を含む粒子)を電気的に吸着して取り除くことが可能とされている。また、清浄機12は、例えば活性炭等を有し、集塵手段11から排出された空気が当該活性炭中を通過することにより清浄化されるよう構成されている。
【0026】
そして、集塵手段11及び清浄機12にて清浄化された空気は、ダクトD3にて車外に放出されるようになっている。このように、本実施形態に係る喫煙車両によれば、喫煙空間2内の煙草の煙を集塵空間3に流入させて集塵手段11及び清浄機12にて当該煙中の粒子(有害成分を含む粒子)を捕捉及び除去することができ、清浄化された空気を車外に放出することができる。
【0027】
ここで、本実施形態に係る喫煙車両1は、喫煙空間2内の室温を調整するための空調手段9が当該喫煙空間2に配設されるとともに、空調手段9は、喫煙空間2の出入り口5から集塵空間3に向かう方向に送風可能とされている。具体的には、空調手段9は、仕切壁W1に取り付けられたエアコン(エアーコンディショナー)から成り、冷気や暖気を伴った空気を車両後方(集塵空間3側)に向かって送風することにより喫煙空間2内の室温を調整し得るようになっている。
【0028】
また、喫煙空間2の出入り口5には、空気を噴出してエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段10が配設されるとともに、当該エアカーテン形成手段10は、喫煙空間2の出入り口5から集塵空間3に向かう方向に空気を噴出してエアカーテンを形成可能とされている。すなわち、出入り口5をエアカーテンで覆うことにより、開閉扉6が開いた状態において喫煙空間2の煙が車外に流出するのを防止することができるとともに、エアカーテンが集塵空間3(車両後方)に向かう方向に噴出した空気にて形成されるので、喫煙空間2内の煙を集塵空間3に向かって流動させることができる。
【0029】
本実施形態に係る喫煙車両1によれば、喫煙者の出入り口5が所定位置に形成され、灰皿7が複数配設されて喫煙可能な空間から成る喫煙空間2と、喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段11、清浄機12及び集塵手段11に電力を供給するための2次電池13が設置された空間から成る集塵空間3とを有し、喫煙空間2内の煙草の煙を集塵空間3に流入させて集塵手段11及び清浄機12で当該煙中の粒子を捕捉及び除去し得るので、必要な場所に容易且つ迅速に喫煙場所を提供することができるとともに、多数の喫煙者が喫煙しても周囲に煙草の煙が放散してしまうのを防止することができる。
【0030】
また、喫煙空間2には、灰皿7の上方位置で延設され、集塵空間3の集塵手段11に連結されたダクトD1が取り付けられるとともに、ダクトD1は、灰皿7に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口Daが形成されたので、喫煙空間2内の煙草の煙を確実に吸引して集塵空間3に送り込むことができる。さらに、喫煙空間2内の室温を調整するための空調手段9が当該喫煙空間2に配設されるとともに、空調手段9は、喫煙空間2の出入り口5から集塵空間3に向かう方向に送風可能とされたので、空調手段9の送風を利用して煙草の煙を集塵空間3側に案内させることができるとともに、喫煙空間2の出入り口5から煙草の煙が外部に逃げてしまうのを抑制することができる。
【0031】
またさらに、喫煙空間2の出入り口5には、空気を噴出してエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段10が配設されるとともに、当該エアカーテン形成手段10は、喫煙空間2の出入り口5から集塵空間に向かう方向に空気を噴出可能とされたので、エアカーテンを利用して煙草の煙を集塵空間3側に案内させることができるとともに、喫煙空間2の出入り口5から煙草の煙が外部に逃げてしまうのをエアカーテンによってより確実に抑制することができる。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば集塵空間3内において清浄機12を配設せず集塵手段11のみ配設するようにしてもよい。また、喫煙空間2には、空調手段9に代えて或いは共に、扇風機やサーキュレータ等を配設するようにしてもよい。なお、喫煙空間2内に芳香剤や消臭剤等の成分を放出する機器等を設置するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
喫煙者の出入り口が車両の前方側の位置に形成され、車両の前後方向に亘って灰皿が複数配設されて喫煙可能な空間から成る喫煙空間と、車両の後方位置に形成され、喫煙により発生する煙草の煙中の粒子を捕捉して除去可能な集塵手段、及び集塵手段に電力を供給するための2次電池が設置された空間から成る集塵空間と、喫煙空間における灰皿の上方位置で延設され、集塵空間の集塵手段に連結されるとともに、車両の前後方向に延設されつつ灰皿に対応する位置に煙草の煙を吸引可能な吸引口が形成されたダクトと、喫煙空間内の室温を調整するために当該喫煙空間に配設されるとともに、喫煙空間の出入り口から集塵空間に向かう方向に送風可能とされた空調手段と、喫煙空間の出入り口に配設され、空気を噴出してエアカーテンを形成するとともに、喫煙空間の出入り口から集塵空間に向かう方向に空気を噴出可能とされたエアカーテン形成手段とを有し、喫煙空間内の煙草の煙を集塵空間に流入させて集塵手段で当該煙中の粒子を捕捉及び除去し、清浄化された空気を車外に放出し得る喫煙車両であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 喫煙車両
2 喫煙空間
3 集塵空間
4 運転席空間
5 出入り口
6 開閉扉
7 灰皿
8 灰皿台
9 空調手段
10 エアカーテン形成手段
11 集塵手段
12 清浄機
13 2次電池
P 負圧発生手段
T1 前輪
T2 後輪
W1、W2 仕切壁
H 吸引孔