(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】画像形成システム、撮像装置、画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20221025BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221025BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20221025BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221025BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221025BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B41J29/00 Z
B41J29/38
H04N5/232 060
H04N1/00 127B
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 336
H04N5/232 300
H04N5/232 990
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2019084871
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】澁田 義明
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-166911(JP,A)
【文献】特開2015-148976(JP,A)
【文献】特開2008-293356(JP,A)
【文献】特開2012-235440(JP,A)
【文献】特開2015-215732(JP,A)
【文献】特開2012-090077(JP,A)
【文献】特開2008-158571(JP,A)
【文献】特開2013-120581(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0356379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
H04N 1/00
H04N 5/222 - 5/257
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置と、前記画像形成装置を撮影可能な位置に設けられる撮像装置とを備え、前記画像形成装置と前記撮像装置とがネットワークを介して相互に通信可能な画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得手段と、
印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得手段によって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信する通知手段と、
を備え、
前記撮像装置は、
前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影手段と、
前記画像形成装置から前記装置情報を受信することに伴い、前記撮影手段によって撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記撮影手段は、前記画像形成装置と前記画像形成装置の周囲の風景とを含む画像を撮影することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記撮像装置は、
前記画像形成装置の位置を示す情報であって、前記撮影手段によって撮影される画像とは異なる位置情報を取得する位置情報取得手段、
を更に備え、
前記画像送信手段は、前記位置情報と前記画像とを、前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記画像形成装置の位置を示すマップ情報を前記位置情報として取得することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記装置情報取得手段は、印刷ジョブを送信した情報処理装置のアドレス情報を前記装置情報として取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
複数の前記画像形成装置を備え、
前記撮像装置は、
前記画像形成装置から前記装置情報の受信に伴い、当該画像形成装置を特定可能な特定情報を取得する特定情報取得手段と、
前記特定情報取得手段によって取得される前記特定情報に基づいて、前記複数の画像形成装置のうちから一の画像形成装置を特定する画像形成装置特定手段、
を更に備え、
前記撮影手段は、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を撮影範囲内に収めた画像を撮影することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記撮像装置は、
前記複数の画像形成装置と、自機との位置関係を示す位置関係情報を取得する位置関係情報取得手段と、
前記撮影手段の撮影方向を変更することが可能な撮影方向変更手段と、
を更に備え、
前記撮影方向変更手段は、前記位置関係情報取得手段によって取得される位置関係情報に基づいて、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を撮影範囲内に収める方向に変更することを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記複数の画像形成装置のうちの少なくとも1つの画像形成装置を撮影することが可能な複数の前記撮像装置を備え、
前記撮像装置は、
前記複数の画像形成装置のそれぞれを撮影可能な前記撮像装置が定義された関連情報を取得する関連情報取得手段、
を更に備え、
前記画像送信手段は、前記関連情報取得手段によって取得される関連情報において、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を自機が撮影可能である場合に、前記一の画像形成装置を撮影した画像を前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記通知手段は、前記装置情報をブロードキャスト送信することを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
複数の前記撮像装置を備え、
前記画像形成装置は、
前記複数の撮像装置のうち、自機を撮影可能な撮像装置が定義された関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段によって取得される関連情報に基づいて、自機を撮影可能な撮像装置を特定する撮像装置特定手段と、
を更に備え、
前記通知手段は、前記撮像装置特定手段によって特定される前記撮像装置に対して前記装置情報を送信することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記撮像装置は、
前記撮影手段によって撮影される画像において、前記画像形成装置の装置像を検知する装置像検知手段と、
前記装置像検知手段によって検知される装置像を強調表示する装置像強調表示手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項2から10のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記撮像装置は、
前記装置像検知手段によって複数の装置像が検知された場合に、前記撮影手段によって撮影される画像内に含まれる前記複数の装置像のうちから、前記装置情報を送信した前記画像形成装置の装置像を特定可能な装置像情報を取得する装置像情報取得手段と、
前記装置像情報取得手段によって取得される装置像情報に基づいて、前記複数の装置像のうちから前記装置情報を送信した前記画像形成装置の装置像を特定する装置像特定手段と、
を更に備え、
前記装置像強調表示手段は、前記装置像特定手段によって特定される装置像を強調表示することを特徴とする請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記撮像装置は、
前記撮影手段によって撮影される画像において、前記画像形成装置の周囲に存在する人物像を検知する人物像検知手段と、
前記人物像検知手段によって検知される人物像を強調表示する人物像強調表示手段、
を更に備えることを特徴とする請求項2から12のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項14】
ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置を撮影可能な位置に設けられ、ネットワークを介して通信を行うことが可能な撮像装置であって、
印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を、印刷ジョブが投入された前記画像形成装置から取得する取得手段と、
前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影手段と、
前記取得手段によって前記装置情報が取得されることに伴い、前記撮影手段によって撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項15】
自機を撮影可能な撮像装置と、ネットワークを介して通信を行うことが可能な画像形成装置であって、
印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得部と、
印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得部によって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信することにより、自機の位置を特定することができる画像を前記撮像装置に撮影させると共に、前記撮像装置に当該画像を前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に対して送信させる通知手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置を撮影可能な位置に設けられ、ネットワークを介して通信を行うことが可能な撮像装置に、
印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を、印刷ジョブが投入された前記画像形成装置から取得する取得ステップと、
前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影ステップと、
前記取得ステップにおいて前記装置情報が取得されることに伴い、前記撮影ステップにおいて撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
自機を撮影可能な撮像装置と、ネットワークを介して通信を行うことが可能な画像形成装置に、
印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得ステップと、
印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得ステップによって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信することにより、自機の位置を特定することができる画像を前記撮像装置に撮影させると共に、前記撮像装置に当該画像を前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に対して送信させる通知ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、撮像装置、画像形成装置及びプログラムに関し、特に印刷出力を行った画像形成装置をユーザーに案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどの環境では、MFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置が複数台設置されることがある。このような場合、複数の画像形成装置は、オフィス内のLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続されていることが一般的である。ユーザーは、PCなどの情報処理装置を操作することにより、ネットワークに接続されている複数の画像形成装置の中から任意の画像形成装置を一台選択し、選択した画像形成装置に対して印刷ジョブを投入し、印刷出力を行わせることが可能である。
【0003】
しかし、ネットワークに複数の画像形成装置が接続されている環境では、ユーザーが本来印刷ジョブを投入したい画像形成装置とは別の画像形成装置を誤って選択してジョブを投入してしまうことがある。このような場合、ユーザーは誤って選択した画像形成装置の位置が分からないといった事態が生じ得る。ユーザーは、情報処理装置を操作して、ネットワークに接続されている機器のネットワーク構成を視認することができる。しかし、ネットワーク構成は、ネットワークに接続されている機器の物理的な位置を示す情報ではない。したがって、ユーザーはネットワーク構成を視認しても、自身が印刷ジョブを投入した画像形成装置の位置を容易に把握することはできない。
【0004】
従来、ユーザーが複数の画像形成装置の中から一の画像形成装置を選択する際に、誤った画像形成装置が選択されることを防ぐための方法が提案されている(例えば特許文献1)。この従来技術では、例えばFAX送信を行う際、ユーザーが送信側端末を操作して、FAX受信を行う受信側端末を選択する。このとき、送信側端末は、受信側端末を識別可能な画像を受信側端末から取得し、送信側端末の表示部に当該画像を表示させる。ユーザーは送信側端末の表示部に表示される画像を視認することにより、自身がFAX送信先として選択している受信側端末が所望の受信側端末であるか否かを、FAX送信が行われる前に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来技術において、受信側端末を識別する為の画像は、受信側端末に予め記憶されている必要がある。そして、自機を識別可能な画像が受信側端末に記憶されていない場合、送信側端末は、受信側端末を識別可能な画像を取得することができない。このような場合、ユーザーは、当該受信側端末をFAXの送信先として選択したとしても、選択した受信側端末に対応する画像を確認できない。そのため、ユーザーはFAX送信先である受信側端末を誤って選択してしまう可能性がある。また、受信側端末に予め記憶される画像は、受信側端末を識別可能にするためのものなので、必ずしも受信側端末の物理的な位置をユーザーに示す画像ではない。
【0007】
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザーが印刷ジョブを投入した画像形成装置を、ユーザーに案内することができるようにした画像形成システム、撮像装置、画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置と、前記画像形成装置を撮影可能な位置に設けられる撮像装置とを備え、前記画像形成装置と前記撮像装置とがネットワークを介して相互に通信可能な画像形成システムであって、前記画像形成装置は、印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得手段と、印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得手段によって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信する通知手段と、を備え、前記撮像装置は、前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影手段と、前記画像形成装置から前記装置情報を受信することに伴い、前記撮影手段によって撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記撮影手段は、前記画像形成装置と前記画像形成装置の周囲の風景とを含む画像を撮影することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記撮像装置は、前記画像形成装置の位置を示す情報であって、前記撮影手段によって撮影される画像とは異なる位置情報を取得する位置情報取得手段、を更に備え、前記画像送信手段は、前記位置情報と前記画像とを、前記情報処理装置に送信することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記位置情報取得手段は、前記画像形成装置の位置を示すマップ情報を前記位置情報として取得することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記装置情報取得手段は、印刷ジョブを送信した情報処理装置のアドレス情報を前記装置情報として取得することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、複数の前記画像形成装置を備え、前記撮像装置は、前記画像形成装置から前記装置情報の受信に伴い、当該画像形成装置を特定可能な特定情報を取得する特定情報取得手段と、前記特定情報取得手段によって取得される前記特定情報に基づいて、前記複数の画像形成装置のうちから一の画像形成装置を特定する画像形成装置特定手段、を更に備え、前記撮影手段は、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を撮影範囲内に収めた画像を撮影することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の画像形成システムにおいて、前記撮像装置は、前記複数の画像形成装置と、自機との位置関係を示す位置関係情報を取得する位置関係情報取得手段と、前記撮影手段の撮影方向を変更することが可能な撮影方向変更手段と、を更に備え、前記撮影方向変更手段は、前記位置関係情報取得手段によって取得される位置関係情報に基づいて、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を撮影範囲内に収める方向に変更することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載の画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成装置のうちの少なくとも1つの画像形成装置を撮影することが可能な複数の前記撮像装置を備え、前記撮像装置は、前記複数の画像形成装置のそれぞれを撮影可能な前記撮像装置が定義された関連情報を取得する関連情報取得手段、を更に備え、前記画像送信手段は、前記関連情報取得手段によって取得される関連情報において、前記画像形成装置特定手段によって特定される前記一の画像形成装置を自機が撮影可能である場合に、前記一の画像形成装置を撮影した画像を前記情報処理装置に送信することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の画像形成システムにおいて、前記通知手段は、前記装置情報をブロードキャスト送信することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項6又は7に記載の画像形成システムにおいて、複数の前記撮像装置を備え、前記画像形成装置は、前記複数の撮像装置のうち、自機を撮影可能な撮像装置が定義された関連情報を取得する関連情報取得手段と、前記関連情報取得手段によって取得される関連情報に基づいて、自機を撮影可能な撮像装置を特定する撮像装置特定手段と、を更に備え、前記通知手段は、前記撮像装置特定手段によって特定される前記撮像装置に対して前記装置情報を送信することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項2から10のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記撮像装置は、前記撮影手段によって撮影される画像において、前記画像形成装置の装置像を検知する装置像検知手段と、前記装置像検知手段によって検知される装置像を強調表示する装置像強調表示手段と、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記撮像装置は、前記装置像検知手段によって複数の装置像が検知された場合に、前記撮影手段によって撮影される画像内に含まれる前記複数の装置像のうちから、前記装置情報を送信した前記画像形成装置の装置像を特定可能な装置像情報を取得する装置像情報取得手段と、前記装置像情報取得手段によって取得される装置像情報に基づいて、前記複数の装置像のうちから前記装置情報を送信した前記画像形成装置の装置像を特定する装置像特定手段と、を更に備え、前記装置像強調表示手段は、前記装置像特定手段によって特定される装置像を強調表示することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項13に係る発明は、請求項2から12のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記撮像装置は、前記撮影手段によって撮影される画像において、前記画像形成装置の周囲に存在する人物像を検知する人物像検知手段と、前記人物像検知手段によって検知される人物像を強調表示する人物像強調表示手段、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項14に係る発明は、ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置を撮影可能な位置に設けられ、ネットワークを介して通信を行うことが可能な撮像装置であって、印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を、印刷ジョブが投入された前記画像形成装置から取得する取得手段と、前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影手段と、前記取得手段によって前記装置情報が取得されることに伴い、前記撮影手段によって撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項15に係る発明は、自機を撮影可能な撮像装置と、ネットワークを介して通信を行うことが可能な画像形成装置であって、印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得部と、印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得部によって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信することにより、自機の位置を特定することができる画像を前記撮像装置に撮影させると共に、前記撮像装置に当該画像を前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に対して送信させる通知手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0023】
請求項16に係る発明は、プログラムであって、ユーザーによって投入される印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う画像形成装置を撮影可能な位置に設けられ、ネットワークを介して通信を行うことが可能な撮像装置に、印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を、印刷ジョブが投入された前記画像形成装置から取得する取得ステップと、前記画像形成装置の位置を特定することができる画像を撮影する撮影ステップと、前記取得ステップにおいて前記装置情報が取得されることに伴い、前記撮影ステップにおいて撮影される画像を、前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に送信する画像送信ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【0024】
請求項17に係る発明は、プログラムであって、自機を撮影可能な撮像装置と、ネットワークを介して通信を行うことが可能な画像形成装置に、印刷ジョブを投入したユーザーが使用する情報処理装置を特定可能な装置情報を取得する装置情報取得ステップと、印刷ジョブを受信した後に、前記装置情報取得ステップによって取得される装置情報を、前記撮像装置に対して送信することにより、自機の位置を特定することができる画像を前記撮像装置に撮影させると共に、前記撮像装置に当該画像を前記装置情報に基づいて前記情報処理装置に対して送信させる通知ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザーによって印刷ジョブが投入された画像形成装置の位置を特定可能な画像が撮像装置によって撮影され、撮影された画像をユーザーの使用する情報処理装置に送信することにより、印刷ジョブが投入された画像形成装置の位置をユーザーに案内することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】画像形成システムの外観構成の一例を示す図である。
【
図2】画像形成システムの設置例の一例を示す図である。
【
図3】画像形成システムがユーザーに画像形成装置の位置を案内する際の動作プロセスの一例を示す図である。
【
図4】画像形成装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
【
図6】撮像装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
【
図10】画像送信部によって情報処理装置に対して送信される撮影画像の一例を示す図である。
【
図11】編集前のマップ情報の一例を示す図である。
【
図12】マップ情報編集部によって生成されるマップ情報の一例を示す図である。
【
図13】情報処理装置の表示部に表示される撮影画像の一例を示す図である。
【
図14】画像形成装置において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】撮像装置において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】撮像装置において行われる強調表示処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】第2実施形態における画像形成システムがユーザーに画像形成装置の位置を案内する際の動作プロセスの一例を示す図である。
【
図18】第2実施形態における画像形成装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
【
図19】第2実施形態における画像形成装置において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成システム1の外観構成の一例を示す図である。画像形成システム1は、例えばオフィスなどに設置されるシステムであり、複数の情報処理装置2と、複数の画像形成装置3と、複数の撮像装置4と、無線通信装置5とを備えている。画像形成システム1は、情報処理装置2と画像形成装置3と撮像装置4とがLANなどのネットワーク6を介して相互に通信可能に接続された構成である。
【0029】
無線通信装置5は、例えばWiFiなどの無線LAN規格に準拠した通信を行う装置である。この無線通信装置5は、無線通信機能を有する各種の機器と通信を行い、それらの機器をネットワーク6に接続する機能を有している。
【0030】
情報処理装置2は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンやタブレット端末などで構成される情報処理機能を備えた装置であり、ユーザーによって使用される。本実施形態においては、ネットワーク6に2台の情報処理装置2が接続される場合を例示し、複数の情報処理装置2には、情報処理装置2aと2bとが含まれる。情報処理装置2aはパーソナルコンピュータなどで構成され、情報処理装置2bはスマートフォンやタブレット端末などの携帯可能な装置で構成される場合を例示する。尚、本実施形態の情報処理装置2aと情報処理装置2bは、同一のユーザーによって使用される。本実施形態では、情報処理装置2aと情報処理装置2bとを特に区別する必要がない場合は、単に情報処理装置2と称する。また、本実施形態では、ネットワーク6に2台の情報処理装置2a,2bが接続される場合を例示しているが、情報処理装置2の台数は任意である。また、情報処理装置2bは、WiFiなどの無線LAN通信を行うことが可能であり、無線通信装置5を介して、ネットワーク6に接続することができる。したがって、情報処理装置2bは、ネットワーク6に接続可能な範囲内であれば、オフィス内のいずれの場所からでも画像形成装置3及び撮像装置4と通信を行うことができる。
【0031】
情報処理装置2は、画像形成装置3に対して印刷ジョブなどのジョブを送信する機能を有している。例えば、情報処理装置2には画像形成装置3に対応するドライバプログラムがインストールされており、情報処理装置2においてドライバプログラムが実行されることにより、情報処理装置2は画像形成装置3に対して印刷ジョブなどのジョブを送信する。また、情報処理装置2は、各種情報を表示するための表示部を備えており、表示部には例えば、ネットワーク6を介して取得した画像などが表示される。また、情報処理装置2は、Webページを表示するためのブラウザを搭載しており、Webページとして作成された画像を取得して表示部に表示することも可能である。
【0032】
画像形成装置3は、例えばMFPなどで構成される装置であり、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、及びFAX機能などの複数の機能を有している。画像形成装置3は、ユーザーによって指定されたジョブに対応する機能を動作させ、スキャンジョブやプリントジョブ、コピージョブ、FAXジョブなどの各種のジョブを実行する。例えば、画像形成装置3は、ネットワーク6を介して情報処理装置2から印刷ジョブを受信した場合、その印刷ジョブを実行することによって印刷ジョブに基づく印刷出力を行うことができる。尚、本実施形態では、5台の画像形成装置3a,3b,3c,3d,3eがネットワーク6に接続される場合を例示している。ただし、画像形成装置3の台数は複数台であればよい。また、画像形成装置3a~3eを特に区別する必要がない場合は、単に画像形成装置3と称する。
【0033】
撮像装置4は、例えば電子カメラなどで構成され、静止画像又は動画像を撮影可能な装置である。撮像装置4は、ネットワーク6と接続するための通信インタフェースを備えている。そのため、撮像装置4は、ネットワーク6を介して、撮影した画像を情報処理装置2などの他の装置に送信することが可能である。尚、本実施形態では、5台の撮像装置4a,4b,4c,4d,4eがネットワーク6に接続される場合を例示している。ただし、これに限られるものではなく、撮像装置4の台数は複数台であればよい。また、撮像装置4a~4eを特に区別する必要がない場合は、単に撮像装置4と称する。
【0034】
このような画像形成システム1を構成する各装置は、例えばオフィスなどの環境の中の様々な位置に設けられる。
図2は、画像形成システム1の設置例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の画像形成システム1は、1-1室、1-2室、2-1室及び2-2室の計4部屋を有する環境に設置される。
図2の例では、1-1室に画像形成装置3aと撮像装置4aとが設置され、1-2室には情報処理装置2a及び2bと、画像形成装置3bと撮像装置4bとが設置される。また、2-1室には画像形成装置3c及び3dと、撮像装置4c及び4dとが設置され、2-2室には画像形成装置3eと撮像装置4eとが設置される。尚、上述したように、ユーザーは情報処理装置2bを携帯可能であり、情報処理装置2bを自由に持ち運びして各部屋間を移動することができる。このような環境において、ユーザーは情報処理装置2a又は2bを操作して、画像形成装置3a~3eのいずれに対しても印刷ジョブを投入することができる。そのため、画像形成装置3bに対して印刷ジョブを投入しようとしたユーザーが、誤って画像形成装置3aに対して印刷ジョブを投入してしまうといった事態が生じうる。このような場合に、ユーザーは、自身が印刷ジョブを投入した画像形成装置3がどの装置であるか、或いは、印刷ジョブを投入した画像形成装置3の設置場所を把握できないことがある。本実施形態の画像形成システム1は、ユーザーによって印刷ジョブが投入された画像形成装置3を撮像装置4が撮影し、その撮影画像をユーザーが使用する情報処理装置2に送信することにより、その画像形成装置3の外観や設置位置をユーザーに案内することができる。次に、このような画像形成システム1の動作の概要について説明する。
【0035】
図3は、画像形成システム1がユーザーに画像形成装置3の位置を案内する際の動作プロセスの一例を示す図である。まず、ユーザーが情報処理装置2aを操作し、画像形成装置3aに印刷ジョブを投入する(プロセスP1)。画像形成装置3aは、印刷ジョブを受信すると(プロセスP2)、受信した印刷ジョブを実行して印刷出力を行う(プロセスP3)。次に、画像形成装置3aは、印刷ジョブを投入したユーザーによって使用される情報処理装置2aを特定可能な装置情報を取得する(プロセスP4)。ここで、情報処理装置2aを特定可能な装置情報とは、例えば印刷ジョブのヘッダー部などから取得される情報処理装置2のIPアドレスなどのアドレス情報である。画像形成装置3aは、情報処理装置2aの装置情報を取得すると、取得した装置情報を、ネットワーク6に接続される全ての機器に対してブロードキャスト送信する(プロセスP5)。尚、
図3の例では、撮像装置4a~4eに対する装置情報の送信を例示しているが、実際には情報処理装置2や、
図3に図示しない画像形成装置3b~3eに対しても装置情報が送信される。尚、撮像装置4以外の装置が情報処理装置2aの装置情報を受信した場合、当該装置は、受信した装置情報を破棄するようにしても構わない。撮像装置4以外の装置は、情報処理装置2aの装置情報を取得しても、取得した装置情報に基づいて行う処理がないためである。
【0036】
撮像装置4aは、情報処理装置2aの装置情報を受信すると、当該装置情報の送信元である画像形成装置3a(印刷ジョブを実行した画像形成装置3a)を特定する(プロセスP6)。すなわち、撮像装置4aは、印刷ジョブを実行した画像形成装置3aを特定可能な特定情報を取得し、当該特定情報に基づいて印刷ジョブを実行した画像形成装置3aを特定する。本実施形態では、撮像装置4aは、画像形成装置3aが情報処理装置2aの装置情報を送信する際に付加されるIPヘッダーを参照することにより、当該装置情報の送信元である画像形成装置3aのIPアドレスなどのアドレス情報を特定情報として取得する。
図3の例では、撮像装置4aは、特定情報に基づいて、複数の画像形成装置3a~3eのうちの画像形成装置3aを特定する。撮像装置4aは、画像形成装置3aを特定すると、特定した画像形成装置3aを自機が撮影可能かどうかを判断する。
図2の例では、画像形成装置3aは1-1室に設置されており、撮像装置4aも同じ1-1室に設置されている。そこで、撮像装置4aは、同室に設置されている画像形成装置3aを撮影可能であると判断し、他の部屋に設置されている撮像装置4b~4eは画像形成装置3aを撮影不可能であると判断する。撮像装置4aは画像形成装置3aを撮影可能であると判断すると、画像形成装置3aの撮影を開始する(プロセスP7)。このとき、撮像装置4aは、画像形成装置3aの位置を特定可能とする画像を撮影する。例えば、撮像装置4は、画像形成装置3aだけでなく画像形成装置3aの周囲をも含む画像を撮影する。また、本実施形態では、撮像装置4が動画像を撮影する場合を例示する。
【0037】
次に、撮像装置4aは、情報処理装置2aのIPアドレスなどの装置情報及び後述する送信先情報に基づいて、撮影した画像の送信先として、ジョブを投入したユーザーの情報処理装置2を決定する(プロセスP8)。撮像装置4aは、情報処理装置2aの装置情報及び送信先情報を参照することにより、撮影した画像の送信先となる情報処理装置2を特定することができる。
図3の例では、撮像装置4aは、装置情報及び送信先情報に基づいて、印刷ジョブを投入したユーザーによって使用される情報処理装置2a及び2bのうち、情報処理装置2bを撮影画像7の送信先として決定する。上述した通り、情報処理装置2bはユーザーによって携帯可能である。携帯可能な情報処理装置2bが撮影画像7の送信先として決定されることにより、情報処理装置2bに撮影画像7が送信される。そのため、ユーザーは情報処理装置2bの表示部に表示される撮影画像7を視認しながら画像形成装置3aの設置位置へと移動することができる。尚、撮像装置4が撮影画像7の送信先を決定する方法の詳細については後述する。撮像装置4aは、送信先の情報処理装置2bを決定すると、当該情報処理装置2bに対して撮影画像7の送信を開始する(プロセスP9)。
【0038】
情報処理装置2bは、撮像装置4aから撮影画像7を受信すると、表示部に受信した撮影画像7を表示する(プロセスP10)。ユーザーは、表示部に表示される撮影画像7を視認することができる。ユーザーは、情報処理装置2bの表示部に表示される撮影画像7を視認することにより、印刷ジョブを実行した画像形成装置3aの位置を把握することができる。そして、画像形成装置3aによって出力された印刷物をユーザーが回収すると、排紙トレイ上に印刷物が存在しない状態になる。画像形成装置3aは、印刷物が回収されたことを検知し(プロセスP11)、撮影の終了指示をネットワーク6に接続される全ての機器に対してブロードキャスト送信する(プロセスP12)。尚、
図3の例では、撮像装置4a~4e以外の装置に対する終了指示の送信が図示されていないが、実際には情報処理装置2や、
図3に図示しない画像形成装置3b~3eに対しても終了指示が送信される。撮像装置4以外の装置が終了指示を受信した場合、当該装置は、受信した終了指示を破棄するようにしても構わない。なぜなら、撮像装置4以外の装置は、撮影の終了指示を受信することに伴って行う処理がないからである。そして、終了指示を受信した撮像装置4aは、撮影画像7の送信を終了し(プロセスP13)、画像形成装置3aの撮影を終了する(プロセスP14)。
【0039】
次に、このような画像形成システム1を構成する画像形成装置3及び撮像装置4の具体的な構成及び動作について詳しく説明する。まず、画像形成装置3について説明する。
図4は、画像形成装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。画像形成装置3は、そのハードウェア構成として、通信インタフェース31、操作パネル32、プリンタ部33、スキャナ部34、FAX部35、印刷物検知センサ36、記憶部37及び制御部38を備えており、これらがデータバス39を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0040】
通信インタフェース31は、画像形成装置3をネットワーク6に接続するためのインタフェースである。画像形成装置3は、この通信インタフェース31を介して、情報処理装置2や撮像装置4と通信を行う。
【0041】
操作パネル32は、表示部32aと操作部32bとを備えている。表示部32aは、例えばカラー液晶ディスプレイなどによって構成され、ユーザーに対して操作を促すための各種の操作画面を表示する。操作部32bは、表示部32aの画面上に配置されるタッチパネルキーや表示部32aの画面周囲に配置される押しボタンキーなどによって構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。
【0042】
プリンタ部33は、入力する画像データに基づいてシート状の記録媒体に画像形成を行うことにより、印刷出力を行うものである。プリンタ部33は、例えば印刷ジョブ、コピージョブ、FAX受信ジョブなどが実行されるときに機能し、シート状の記録媒体に画像形成を行い、印刷して出力する。
【0043】
スキャナ部34は、ユーザーによってセットされた原稿を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部34は、例えばスキャンジョブ、コピージョブ、FAX送信ジョブなどが実行されるときに機能し、原稿の読み取り動作を行う。
【0044】
FAX部35は、図示を省略する公衆電話網を介してFAXデータの送受信を行うものである。
【0045】
印刷物検知センサ36は、例えば図示しない排紙トレイ上に設けられ、排紙トレイに排出される印刷物を検知するセンサである。印刷物検知センサ36が排紙トレイ上にある印刷物を検知している状態であれば、画像形成装置3によって出力された印刷物が未回収であることが判る。そのため、印刷物検知センサ36は、画像形成装置3によって出力された印刷物が未回収状態であることを検知するためのセンサとして利用される。このような印刷物検知センサ36は、例えば、排紙トレイに排出される印刷物の重さによってオンオフする接触式のセンサや、光や超音波などで印刷物の有無を検知する非接触式のセンサなどで構成される。
【0046】
記憶部37は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。この記憶部37には、例えばプログラム100が記憶される。
【0047】
制御部38は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成される。CPUは、プログラム100を実行するためのものであり、メモリは、CPUがプログラム100などを実行する際に発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。CPUは、画像形成装置3に電源が投入されることにより、記憶部37からプログラム100を読み出して実行する。これにより制御部38は、ジョブ受信部381、ジョブ実行部382、装置情報取得部383、通知部384及び終了指示送信部385として機能する。以下、これら各部の詳細について説明する。
【0048】
ジョブ受信部381は、ネットワーク6を介して情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信する処理部である。ジョブ受信部381は、印刷ジョブを受信すると、ジョブ実行部382に受信した印刷ジョブを出力する。
【0049】
ジョブ実行部382は、ユーザーによってジョブが投入された場合に機能し、投入されたジョブに基づいてプリンタ部33、スキャナ部34及びFAX部35を駆動することにより、ジョブを実行する。例えば、ジョブ受信部381から印刷ジョブを入力した場合、ジョブ実行部382は、当該印刷ジョブに基づいてプリンタ部33を駆動することにより、印刷出力を行う。
【0050】
装置情報取得部383は、ジョブ受信部381によって印刷ジョブが受け付けられた場合に、その印刷ジョブを投入したユーザーによって使用される情報処理装置2を特定可能な装置情報を取得する処理部である。装置情報取得部383は、ジョブ受信部381が受信する印刷ジョブに基づいて、装置情報を取得する。装置情報とは、例えば印刷ジョブのヘッダー部などから取得される情報処理装置2のIPアドレスなどのアドレス情報である。尚、装置情報はMAC(Media Access Control)アドレスなどのアドレス情報であっても構わない。装置情報取得部383は、装置情報を取得すると、取得した装置情報を通知部384に出力する。
【0051】
通知部384は、装置情報取得部383によって取得される装置情報を、撮像装置4に送信する処理部である。通知部384は、装置情報取得部383から情報処理装置2の装置情報を入力すると、入力した装置情報を撮像装置4に送信する。本実施形態の通知部384は、入力した装置情報を、ネットワーク6に接続される全ての装置にブロードキャスト送信することで、撮像装置4に対して当該装置情報を送信する。通知部384は、情報処理装置2の装置情報をブロードキャスト送信することによって、IPアドレスを把握出来ていない撮像装置4に対しても当該装置情報を送信することができる。すなわち、画像形成装置3に、撮像装置4のIPアドレスなどの装置情報を予め記憶させておく必要がないという利点がある。尚、情報処理装置2の装置情報を受信した撮像装置4は、当該装置情報の送信元である画像形成装置3を撮影可能であれば、当該画像形成装置3の位置を特定可能な画像を撮影し、撮影画像7をユーザーが使用する情報処理装置2に対して送信する。
【0052】
終了指示送信部385は、撮影画像7の撮影を終了させる指示を、撮像装置4に対して送信する処理部である。通知部384が情報処理装置2の装置情報を撮像装置4に送信すると、次に終了指示送信部385が機能する。終了指示送信部385は、印刷物検知センサ36によって排紙トレイ上の印刷物が検知されているか否かを定期的に確認する。そして、印刷物検知センサ36によって印刷物が検知されない状態となれば、画像形成装置3の撮影を終了させるための終了指示を全ての撮像装置4に対してブロードキャスト送信する。終了指示送信部385から終了指示を受信すると、撮影動作を行っている撮像装置4は画像形成装置3の撮影を終了し、情報処理装置2に対する撮影画像7の送信を終了する。これにより、撮像装置4は、ユーザーによって印刷物が回収された後も継続して撮影画像7を情報処理装置2に対して送信し続けることがなくなる。尚、このような終了指示は、情報処理装置2に対してユーザーが所定の操作を行うことにより、情報処理装置2から撮像装置4に送信されるものであっても構わない。また、画像形成装置3が装置情報を送信した後に、当該画像形成装置3を撮影可能な撮像装置4が当該画像形成装置3に応答を返すようにしておき、終了指示送信部385は、応答を返した撮像装置4にのみ終了指示を送信するものであっても構わない。
【0053】
上述のように、本実施形態の画像形成装置3は、情報処理装置2から受信した印刷ジョブを実行することに伴い、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2を特定可能な装置情報を取得して、取得した装置情報を撮像装置4に送信することが可能な構成である。そして、撮像装置4は、情報処理装置2の装置情報を受信することにより、画像形成装置3を撮影し、撮影した画像を情報処理装置2に送信するのである。
【0054】
次に、撮像装置4について説明する。
図5は、撮像装置4の外観構成の一例を示す図である。撮像装置4は、画像形成装置3を撮影可能な位置に設けられる。本実施形態の撮像装置4は、例えば、画像形成装置3が設けられる部屋の天井に設置される。撮像装置4は、その内部に、撮影部42と撮影方向変更部43とを備えている。撮影部42は、例えば、被写体光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子、および当該撮像素子に被写体光を導く撮影レンズなどを含む光学系などで構成される。尚、撮影部42は、撮影レンズの焦点距離及び倍率などを変更可能である。撮影方向変更部43は、撮影部42による撮影方向を変更させることができる。本実施形態の撮影方向変更部43は、撮影部42をパン方向(
図5に示す矢印F1方向)及びチルト方向(
図5に示す矢印F2方向)に回転させることで、撮影部42が任意の方向を撮影できるようにする。
【0055】
図6は、撮像装置4のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。撮像装置4は、そのハードウェア構成として、上述した撮影部42及び撮影方向変更部43の他に、通信インタフェース41、記憶部44及び制御部45を備えており、これらがデータバス46を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0056】
通信インタフェース41は、撮像装置4をネットワーク6に接続するためのインタフェースである。撮像装置4は、この通信インタフェース41を介して、情報処理装置2や画像形成装置3と通信を行う。
【0057】
記憶部44は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。この記憶部44には、例えばプログラム101、関連情報102、位置関係情報103、送信先情報104及びマップ情報105(105a,105b)が記憶される。
【0058】
制御部45は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成される。CPUは、プログラム101を実行するためのものであり、メモリは、CPUがプログラム101などを実行する際に発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。CPUは、撮像装置4に電源が投入されることにより、記憶部44からプログラム101を読み出して実行する。これにより制御部45は、情報取得部451、画像形成装置特定部452、撮影制御部453、画像送信部454、画像検知部455、装置像特定部456、強調表示部457及びマップ情報編集部458として機能する。以下、これら各部の詳細について説明する。
【0059】
情報取得部451は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を、ユーザーに案内するための撮影画像7を提供する際に必要となる種々の情報を取得する処理部である。例えば、情報取得部451は、印刷ジョブを投入したユーザーによって使用される情報処理装置2を特定可能なIPアドレスなどの装置情報(アドレス情報)を、画像形成装置3から取得する。本実施形態では、印刷ジョブを実行した画像形成装置3から情報処理装置2の装置情報が送信される。情報取得部451は、画像形成装置3から送信される情報処理装置2の装置情報を受信することで装置情報を取得する。また、情報取得部451は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定可能な特定情報を取得する。具体的には、情報取得部451は、受信した装置情報のIPヘッダーを参照することで、当該装置情報を送信した画像形成装置3を特定可能なIPアドレスなどのアドレス情報を特定情報として取得する。尚、特定情報はMAC(Media Access Control)アドレスなどのアドレス情報であっても構わない。情報取得部451は、取得した情報処理装置2の装置情報及び画像形成装置3の特定情報を、図示を省略するメモリに保存する。また、記憶部44に記憶される関連情報102、位置関係情報103、送信先情報104及びマップ情報105(105a,105b)はいずれも、ネットワーク6に接続される図示を省略するサーバーなどから情報取得部451によって予め取得され、記憶部44に保存される。尚、関連情報102、位置関係情報103、送信先情報104及びマップ情報105(105a,105b)は、画像形成システム1の管理者やユーザーなどによって予め作成され、図示を省略するサーバーなどに保存される情報である。
【0060】
画像形成装置特定部452は、情報取得部451によって取得される特定情報および記憶部44に記憶される関連情報102に基づいて、複数の画像形成装置3の中から印刷ジョブを実行した一の画像形成装置3を特定する処理部である。本実施形態では、画像形成装置特定部452は、画像形成装置3のIPアドレスなどの特定情報に基づいて、複数の画像形成装置3の中から、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定する。画像形成装置特定部452は、情報取得部451によって画像形成装置3の特定情報が取得されると機能し、情報取得部451から当該特定情報を入力する。画像形成装置特定部452は、入力した特定情報と、記憶部44に記憶される関連情報102とに基づいて、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定する。関連情報102は、複数の画像形成装置3のそれぞれを撮影することができる撮像装置4を定義した情報である。
【0061】
図7は、関連情報102の一例を示す情報である。
図7に示すように、関連情報102は、画像形成装置3のIPアドレス102aと、画像形成装置3の名称102bと、画像形成装置3が設置されている部屋番号102cと、当該画像形成装置3を撮影可能な撮像装置の名称102dとを関連づけて定義している。例えば、情報取得部451によって取得された特定情報が「192.168.0.1」というIPアドレスを示す情報である場合、画像形成装置特定部452は、「192.168.0.1」に対応する画像形成装置3のIPアドレス102aを参照する。そして、「192.168.0.1」に対応する画像形成装置3のIPアドレス102aに関連付けられる画像形成装置3の名称102bを参照し、「192.168.0.1」に対応する画像形成装置3の名称が「1-1_MFP」であることを確認する。このように、画像形成装置特定部452は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が「1-1_MFP」であると特定できる。以上のように、画像形成装置特定部452は、
図7に示すような関連情報102を参照し、画像形成装置3の特定情報に基づいて、複数の画像形成装置3の中から印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定するのである。
【0062】
画像形成装置特定部452は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定すると、次に関連情報102に含まれる画像形成装置3を撮影可能な撮像装置の名称102dを参照することにより、自機が当該画像形成装置3を撮影可能であるか否かを判断する。例えば、特定した画像形成装置3が「1-1_MFP」である場合、画像形成装置特定部452は、画像形成装置3を撮影可能な撮像装置の名称102dを参照し、「1-1_MFP」に対応する撮像装置の名称102dを確認する。
図7の場合、「1-1_Camera」が「1-1_MFP」を撮影可能な撮像装置4として登録されている。したがって、画像形成装置特定部452は自機が「1-1_Camera」である場合、特定した画像形成装置3を撮影可能であると判断する。そして画像形成装置特定部452は、特定した画像形成装置3を自機が撮影可能であると判断すると、特定した画像形成装置3の名称を示す情報を撮影制御部453に出力する。その一方で、特定した画像形成装置3を自機が撮影不可能であると判断すると、画像形成装置特定部452は、特定した画像形成装置3の名称を示す情報を撮影制御部453に出力しない。
【0063】
尚、関連情報102の部屋番号102cには、各画像形成装置3が設置される部屋の情報が登録されている。部屋番号102cは、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置をユーザーに示す位置情報として、後述する画像送信部454によって使用される情報である。
【0064】
また、本実施形態において、複数の撮像装置4が一部屋に設置されている場合、複数の撮像装置4のうち各撮像装置4は、同室に設置される画像形成装置3を撮影可能に構成される。各撮像装置4は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を撮影し、撮影画像7を情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、受信した複数の撮影画像7を表示部に表示することにより、異なる撮像装置4によって撮影された複数の撮影画像7を、ユーザーに視認させることができる。それにより、ユーザーは、自身が印刷ジョブを投入した画像形成装置3の位置をより把握し易いという利点がある。これとは異なり、関連情報102において、画像形成装置3と当該画像形成装置3を撮影対象とする一の撮像装置4を関連付けて登録するようにしてもよい。このようにすることで、画像形成装置3を撮影可能な撮像装置4が複数台ある場合でも、一の撮像装置4に当該画像形成装置3を撮影させ、撮影画像7を情報処理装置2に送信させることができる。この場合、ユーザーが使用する情報処理装置2対して複数の撮影画像7が送信されなくなるため、ネットワーク6及び情報処理装置2の通信量が低減されるという利点がある。
【0065】
撮影制御部453は、撮影部42及び撮影方向変更部43を制御するものである。撮影方向変更部43は、画像形成装置特定部452によって特定された画像形成装置3を撮影部42の撮影範囲内に収めるよう撮影部42の撮影方向を変更する。撮影制御部453は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の名称を示す情報を画像形成装置特定部452から入力すると、自機と印刷ジョブを実行した画像形成装置3との位置関係を示す位置関係情報103を参照し、両装置の位置関係を算出する。撮影制御部453は、算出した位置関係に基づいて印刷ジョブを実行した画像形成装置3を撮影部42の撮影範囲内に収める撮影方向を決定する。
【0066】
図8は、位置関係情報103の一例を示す図である。
図8に示すように、位置関係情報103は、画像形成装置3の名称103aと、画像形成装置3が設置されている位置の座標103bと、画像形成装置3を撮影可能な撮像装置の名称103cと、撮像装置4が設置されている位置の座標103dとが相互に対応付けられた情報である。ここで、画像形成装置3の座標103bには、各部屋における画像形成装置3の設置位置の座標が登録され、撮像装置4の座標103dには、対応する画像形成装置3と同室に設置され、当該画像形成装置3を撮影可能な撮像装置4の設置位置の座標が登録されている。この画像形成装置3の座標103b及び撮像装置4の103dはXYZ座標系で示されており、XY方向の座標は各部屋における水平方向の座標を示しており、Z方向の座標は各部屋における高さ方向の座標を示している。尚、位置関係情報103は、座標系を用いて画像形成装置3と撮像装置4との位置関係を示すものに限られるものではなく、画像形成装置3と撮像装置4との位置関係が特定できる情報であればよい。例えば、画像形成装置3と撮像装置4との位置関係を角度と距離で示す情報であっても構わない。また、位置関係情報103は、関連情報102と統合された情報であっても構わない。
【0067】
撮影制御部453は、位置関係情報103に含まれる画像形成装置3の座標103bおよび撮像装置4の座標103dを参照することにより、撮影部42の撮影方向を決定する。具体的には、撮影制御部453は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の座標103bと自機の座標103dの差分を算出する。撮影制御部453は、算出した差分に基づいて撮影部42の撮影方向を決定する。そして、決定した撮影方向と、現在の自機の撮影方向とが異なる場合に、撮影制御部453は、撮影方向変更部43を制御し、撮影部42の撮影方向を決定した撮影方向に変更する。このように、撮影制御部453は、撮影方向変更部43を制御して撮影部42の撮影方向を変更することで、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を撮影部42の撮影範囲内に収めることが可能となる。また、撮影制御部453は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3と、当該画像形成装置3の周囲の風景とを含む画像を撮影できるように、撮影部42の撮影レンズの焦点距離及び倍率などを調整することも可能である。印刷ジョブを実行した画像形成装置3とその周囲風景とを含む撮影画像が撮影されることにより、ユーザーは自身がジョブを投入した画像形成装置3の位置を特定しやすくなる。そして、撮影制御部453は、撮影方向変更部43を制御して撮影方向を変更した後、撮影部42による撮影を開始させる。撮影部42による撮影を開始させると、撮影制御部453は、後述する画像送信部454及び画像検知部455に対して、撮影画像7を出力する。また、撮影制御部453は、撮影部42の撮影方向を変更する度に、撮影方向などを示す情報を、記憶部44又は図示を省略するメモリに保存する。
【0068】
画像送信部454は、撮影部42によって撮影される画像を、ユーザーによって使用される情報処理装置2に送信する処理部である。画像送信部454は、撮影画像7を入力すると、記憶部44に記憶される送信先情報104を参照して撮影画像7の送信先となる情報処理装置2を決定する。そして、画像送信部454は、決定した情報処理装置2に対して撮影画像7の送信を開始する。
【0069】
図9は、送信先情報104の一例を示す図である。
図9に示すように、送信先情報104は、ジョブの送信元である情報処理装置2のIPアドレス104aと、ジョブの送信元である情報処理装置2の名称104bと、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2の名称104cと、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2のIPアドレス104dとを関連づけて定義している。このような送信先情報104は、例えばユーザーによって予め設定され、記憶部44に記憶される。まず、画像送信部454は、送信先情報104を参照し、情報取得部451によって取得される情報処理装置2のIPアドレスなどの装置情報に基づいて、印刷ジョブを送信した情報処理装置2を特定する。例えば、情報取得部451によって取得された情報処理装置2の装置情報が「192.168.0.10」というIPアドレスを示す情報である場合、画像送信部454は、「192.168.0.10」に対応する送信元IPアドレス104aを確認する。そして、「192.168.0.10」に対応する送信元IPアドレス104aに対応づけられる送信元情報処理装置2の名称104bを参照し、「192.168.0.10」に対応する送信元情報処理装置2の名称が「UserA_PC」であることを確認する。このように、画像送信部454は、印刷ジョブを送信した情報処理装置2は「UserA_PC」であることを特定する。
【0070】
また、画像送信部454は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2を特定すると、次に送信先情報104に含まれる撮影画像7の送信先情報処理装置の名称104c及び当該情報処理装置2のIPアドレス(送信先IPアドレス)104dを参照することにより、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2の名称及びIPアドレスを確認する。例えば、印刷ジョブを送信した情報処理装置2の名称が「UserA_PC」である場合、画像送信部454は、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2の名称が「UserA_Tablet」であること、及び当該情報処理装置2のIPアドレスが「192.168.0.11」であることを確認する。
【0071】
画像送信部454は、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2(
図9の例では「UserA_Tablet」)を特定すると、特定した情報処理装置2に対して撮影画像7の送信を開始する。また、画像送信部454は、関連情報102に定義される画像形成装置3の部屋番号などを、画像形成装置3の位置を示す位置情報として取得し、当該位置情報を示す画像を撮影画像7に付加するようにしてもよい。この場合、撮影画像7に付加される位置情報は、情報処理装置2が撮影画像7を受信して表示部に表示させる際に、画像形成装置3の位置を示す情報として撮影画像7とともに表示される。ユーザーは、撮影画像7に含まれる画像形成装置3や風景だけでなく、部屋番号などの位置情報を確認することにより、容易に画像形成装置3の位置を把握することができる。そして、画像送信部454は、情報処理装置2又は画像形成装置3から上述した終了指示を受信すると、撮影画像7の送信を終了する。
【0072】
尚、画像送信部454が撮影画像7を情報処理装置2に送信する際には、撮影画像7をそのまま送信してもよいし、情報処理装置2に撮影画像7を表示させることが可能なWebページを作成し、当該WebページのURL(Uniform Resource Locator)を情報処理装置2に送信するようにしてもよい。
【0073】
また、画像送信部454は、送信先情報104に基づいて撮影画像7の送信先となる情報処理装置2を決定するものに限られない。例えば、画像送信部454は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2を、撮影画像7の送信先として決定するものであっても構わない。この場合、画像送信部454は、送信先情報104を参照することなく、装置情報に含まれる印刷ジョブの送信元である情報処理装置2のIPアドレスに対して、撮影画像7を送信する。
【0074】
画像検知部455は、撮影画像7に含まれる、画像形成装置3の装置像、及び装置像の周囲の人物像を検知する処理部である。撮影部42が画像形成装置3に対する撮影を開始すると、画像検知部455が機能する。画像検知部455は、撮影画像7を解析することにより、撮影画像7に含まれる装置像及び装置像の周囲の人物像を検知する。画像検知部455は、例えばパターンマッチングなどの画像解析を行うことで、撮影画像7に含まれる装置像及び人物像を検知する。このとき検知される撮影画像7に含まれる装置像や装置像の周囲の人物像は1つに限られず、撮影画像7に複数の装置像や人物像が含まれる場合には、その複数の装置像や人物像を全て検知する。画像検知部455は、撮影画像7に含まれる装置像や装置像の周囲の人物像を検知すると、撮影画像7におけるこれらの像の位置を示す情報を装置像特定部456及び強調表示部457に出力する。
【0075】
装置像特定部456は、撮影画像7内に含まれる印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定する処理部である。撮影画像7内に複数の装置像が含まれる場合、ユーザーは、複数の装置像のうち、どの装置像が印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像に対応するのかを判断することが出来ない。そこで、装置像特定部456は、画像検知部455によって複数の装置像が検知された場合に、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定する処理部である。装置像特定部456は、画像検知部455によって一の装置像が検知された場合には、当該一の装置像が印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像であると特定する。
【0076】
一方、画像検知部455によって複数の装置像が検知された場合、装置像特定部456は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3に対応する装置像を複数の装置像の中から特定する。このとき、複数の装置像の中から印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定可能な装置像情報として、記憶部44に記憶される位置関係情報103が使用される。例えば、まず装置像特定部456は、位置関係情報103によって定義される自機の座標103dを参照することにより、自機の座標を確認する。次に、装置像特定部456は、撮影制御部453によってメモリなどに保存される自機の撮影方向に関する情報に基づいて、撮影部42による撮影範囲を確認する。次に、装置像特定部456は、位置関係情報103によって定義される印刷ジョブを実行した画像形成装置の座標103bを参照する。そして、装置像特定部456は、撮影部42による撮影範囲と、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の座標103bとを比較することにより、撮影画像7内における、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像の位置を算出する。装置像特定部456は、算出した位置に最も近い装置像を、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像であると特定する。装置像特定部456は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定すると、撮影画像7における当該装置像の位置を示す情報を強調表示部457に出力する。
【0077】
強調表示部457は、撮影画像7内の装置像及び装置像の周囲の人物像を強調表示する処理部である。まず、強調表示部457は、画像検知部455から撮影画像7内の装置像及び装置像の周囲の人物像の位置に関する情報を入力すると、当該情報に基づいて、撮影画像7に含まれる装置像及び装置像の周囲の人物像の位置を確認する。次に、強調表示部457は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像の位置を示す情報を装置像特定部456から入力すると、当該情報に基づいて、撮影画像7に含まれる当該装置像の位置を確認する。そして、強調表示部457は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像及び当該装置像の周囲の人物像を強調表示(マーキング)する。強調表示部457は、例えば像の周囲を枠で囲ったり、いわゆる集中線(効果線)を像の周囲に使用したり、像を指し示す矢印を付加したりすることにより、像を強調表示する。ユーザーは、撮影画像7に含まれるジョブを実行した画像形成装置3の装置像及び当該装置像の周囲の人物像が強調表示されるため、それらの装置像及び装置像の周囲の人物像を視認しやすいようになる。また、撮影画像7内に複数の装置像が含まれている場合であっても、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像が強調表示されているため、ユーザーは、複数の装置像の中から印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を容易に識別できる。尚、撮影画像7に含まれる装置像だけでなく、装置像の周囲の人物像までを強調表示する理由は、画像形成装置3の周囲に人物が存在する場合、その人物に印刷物が取得される恐れがあることをユーザーに通知するためである。
【0078】
図10は、画像送信部454によって情報処理装置2に対して送信される撮影画像7の一例を示す図である。
図10に示すように、撮影画像7には、装置像51(3c)、装置像52(3d)及び人物像53が含まれている。尚、装置像51(3c)は画像形成装置3cの装置像であり、装置像52(3d)は画像形成装置3dの装置像である。画像形成装置特定部452によって画像形成装置3cが印刷ジョブを実行した装置として特定された場合に、撮像装置4は
図10に示すような撮影画像7を撮影する。
図10に示すように、画像G1は印刷ジョブを実行した画像形成装置3cが設置される部屋の部屋番号を示す位置情報である。このような画像G1は、画像送信部454によって撮影画像7に付加され、ユーザーは付加された画像G1を視認することで、印刷ジョブを実行した画像形成装置3cが設置される部屋の部屋番号を把握することができる。また、装置像51(3c)及び人物像53が強調画像G2及びG3によって強調表示されるため、ユーザーは装置像51(3c)及び人物像53を視認し易くなる。また、装置像51(3c)が強調画像G2によって強調表示されることにより、ユーザーは、視認しやすいだけでなく、装置像51(3c)及び52(3d)の中から、印刷ジョブを実行した画像形成装置3cの装置像である装置像51(3c)を見つけ出しやすいという利点がある。
【0079】
マップ情報編集部458は、記憶部44に記憶されるマップ情報105(105a,105b)を編集して、画像形成装置特定部452によって特定される画像形成装置3の位置を示すマップ情報105を生成する処理部である。マップ情報105は、画像形成装置3が設置される部屋を示す位置情報、又は、各部屋における画像形成装置3の設置位置を示す位置情報として使用される。
【0080】
図11は、記憶部44に記憶される編集前のマップ情報105(105a,105b)の一例を示す図である。
図11(a)は、オフィス内における画像形成装置3の設置位置を示すマップ情報105aの一例を示す図である。
図11(a)に示すように、マップ情報105aは、オフィス内における画像形成装置3および撮像装置4の設置位置を示す情報である。マップ情報105aには、画像形成装置3a~3eの設置位置を示す画像MG1~MG5、および撮像装置4a~4eの設置位置を示す画像MS1~MS5が含まれる。また、
図11(b)は、画像形成装置3が設置される各部屋における画像形成装置3の設置位置を示すマップ情報105bの一例を示す図である。マップ情報105bは、例えば
図11(b)に示すようにXY座標によって示される部屋の平面内に、画像形成装置3や撮像装置4の設置位置を示す画像を含む。このようなマップ情報105bは、画像形成装置3が設置される部屋毎に予め作成され、記憶部44に記憶される。
図11(b)は、2-1室に対応するマップ情報105bを例示する図である。このマップ情報105bには、2-1室の平面内に、画像形成装置3の設置位置を示す画像MG3及びMG4と、撮像装置4の設置位置を示すMS3及びMS4とが登録されている。尚、このようなマップ情報105は、ネットワーク6に接続される機器の構成を示すネットワークマップなどの情報であっても構わない。
【0081】
マップ情報編集部458は、このようなマップ情報105を編集することにより、画像形成装置特定部452によって特定される画像形成装置3(印刷ジョブを実行した画像形成装置)の位置を示す情報を生成する。
図12は、マップ情報編集部458によって生成されるマップ情報105の一例を示す図である。
図12(a)は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3のオフィス内における位置を示すマップ情報105aの一例を示す図である。
図12(a)は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の設置位置を示す画像MG3が、画像G4によって強調表示される場合を例示している。強調表示部457は、画像G4を画像MG3の付近に表示することにより、画像MG3を強調表示する。ユーザーは、画像G4によって強調表示された画像MG3を視認することにより、画像MG3が印刷ジョブを実行した画像形成装置3の設置位置を示す画像であることを容易に判断することができる。このように、ユーザーは、マップ情報105aを視認することで、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が2-1室に設置されていることを把握することができる。
【0082】
図12(b)は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が設置される部屋における画像形成装置3の設置位置を示すマップ情報105bの一例を示す図である。マップ情報105bは、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が設置される部屋での画像形成装置3の設置位置を示す。
図12(a)と同様に、画像G4が画像MG3の付近に表示されることにより、画像MG3は強調表示されている。これにより、ユーザーは、画像MG3が印刷ジョブを実行した画像形成装置3の設置位置を示す画像であることを容易に把握することができる。また、
図12(b)では、画像形成装置3を撮影している撮像装置4の撮影方向を示す画像G5が付加されている。ユーザーは、画像G5が付加されることにより、画像MS4が画像形成装置3を撮影している撮像装置4の設置位置を示していることを把握することができる。また、撮影方向を示す画像G5が付加されることで、ユーザーは撮影画像7がどの方向から撮影されたものであるかを把握し易くなる。このように、マップ情報編集部458は、マップ情報105に画像G4,G5を付加する編集を行い、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を強調表示するための画像を含むマップ情報105を生成する。そして、マップ情報編集部458は、生成したマップ情報105を画像送信部454に出力する。画像送信部454は、マップ情報編集部458によって生成されたマップ情報105を入力すると、入力したマップ情報105を撮影画像7とともに情報処理装置2に送信する。
【0083】
図13は、情報処理装置2の表示部に表示される撮影画像7の一例を示す図である。
図13の例では、情報処理装置2の表示部に、撮影画像7と、マップ情報編集部458によって生成されたマップ情報105a及び105bとが表示されている。印刷ジョブを投入したユーザーは、情報処理装置2の表示部に表示される撮影画像7やマップ情報105a及び105bを視認することで、自身が投入した印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を特定することができる。
【0084】
上述のように、本実施形態の撮像装置4は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報を画像形成装置3から取得する。撮像装置4は、画像形成装置3から装置情報とともに受信するIPヘッダーを参照することにより、当該画像形成装置3を特定する特定情報を取得する。撮像装置4は、ジョブを実行した画像形成装置3を特定すると、当該画像形成装置3が設置される位置を特定することのできる画像を撮影する。そして、撮像装置4は、印刷ジョブを投入したユーザーによって使用される情報処理装置2に撮影画像7を送信することが可能な構成である。情報処理装置2は、撮像装置4から受信した撮影画像7を所定の表示部に表示する。ユーザーは、情報処理装置2の表示部に表示される撮影画像7などを視認することで、自身が印刷ジョブを投入した画像形成装置3の位置を把握することができるのである。
【0085】
次に、画像形成装置3における具体的な動作の一例について説明する。
図14は、画像形成装置3において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置3が印刷ジョブを受信することに伴って実行される処理である。画像形成装置3は、この処理を開始すると、受信した印刷ジョブを実行する(ステップS11)。そして画像形成装置3は、受信した印刷ジョブに基づく印刷出力を行う。次に、画像形成装置3は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報を取得する(ステップS12)。具体的には、画像形成装置3は、印刷ジョブのヘッダー部などから、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2のIPアドレスなどのアドレス情報を装置情報として取得する。画像形成装置3は、情報処理装置2の装置情報を取得すると、取得した装置情報をネットワーク6に接続される全ての機器に対してブロードキャスト送信する(ステップS13)。情報処理装置2の装置情報がブロードキャスト送信されることにより、撮像装置4は、情報処理装置2の装置情報を取得することができる。そして、ジョブを実行した画像形成装置3を撮影可能な撮像装置4は、装置情報を受信すると、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を特定可能な画像の撮影を開始し、撮影画像7をユーザーによって使用される情報処理装置2に送信する。次に、画像形成装置3は、ユーザーによって印刷物が回収されたか否かを確認する(ステップS14)。具体的には、印刷物検知センサ36が印刷物を検知している状態か否かを確認することにより、印刷物が回収されたか否かを確認する。確認の結果、印刷物が回収されていない場合(ステップS14でNO)、画像形成装置3は印刷物が回収されるまで待機する。一方、印刷物が回収されている場合(ステップS14でYES)、画像形成装置3は、終了指示をブロードキャスト送信し(ステップS15)、処理を終了する。撮像装置4は、画像形成装置3からブロードキャスト送信される終了指示を受け付けると、情報処理装置2に表示させるための撮影画像7の撮影を終了し、情報処理装置2に対する撮影画像7の送信も終了する。
【0086】
次に、撮像装置4における具体的な動作の一例について説明する。
図15は、撮像装置4において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、撮像装置4が情報処理装置2の装置情報を受信することに伴って実行される処理である。撮像装置4は、この処理を開始すると、情報処理装置2の装置情報を送信した画像形成装置3を特定可能な特定情報を取得する(ステップS21)。具体的には、装置情報と共に画像形成装置3から受信するIPヘッダーを参照して、当該装置情報の送信元である画像形成装置3のIPアドレスなどのアドレス情報を特定情報として取得する。撮像装置4は、画像形成装置3の特定情報を取得すると、記憶部44に記憶される関連情報102を参照する(ステップS22)。撮像装置4は、特定情報と関連情報102とに基づいて、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定する(ステップS23)。そして、撮像装置4は、特定した画像形成装置3を自機が撮影可能か否かを判断する(ステップS24)。特定した画像形成装置3を自機が撮影不可能である場合(ステップS24でNO)、撮像装置4は処理を終了する。一方、特定した画像形成装置3を自機が撮影可能である場合(ステップS24でYES)、撮像装置4は、記憶部44に記憶される位置関係情報103を参照する(ステップS25)。
【0087】
撮像装置4は、位置関係情報103を参照し(ステップS25)、特定した画像形成装置3と自機との位置関係に基づいて撮影方向を決定する。撮像装置4は、決定した撮影方向と現在の自機の撮影方向とが異なるか否かを確認することで、撮影方向の変更が必要か否かを確認する(ステップS26)。撮影方向の変更が不要な場合(ステップS26でNO)、処理はステップS28へ進む。一方、撮影方向の変更が必要な場合(ステップS26でYES)、撮像装置4は、撮影方向を変更する(ステップS27)。そして、撮像装置4は、特定した画像形成装置3の撮影を開始する(ステップS28)。撮像装置4は、特定した画像形成装置3の撮影を開始すると、次に記憶部44に記憶される送信先情報104を参照する(ステップS29)。撮像装置4は、情報処理装置2のIPアドレスなどの装置情報と、送信先情報104とに基づいて、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2を決定する(ステップS30)。撮像装置4は、送信先となる情報処理装置2を決定すると、当該情報処理装置2に対する撮影画像7の送信を開始する(ステップS31)。また、撮像装置4は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を示すマップ情報105を生成する(ステップS32)。具体的には、撮像装置4は、記憶部44に記憶されるマップ情報105を編集することにより、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を示す画像を付加し、印刷ジョブを実行した画像形成装置の位置を案内するためのマップ情報105を生成する。撮像装置4は、特定した画像形成装置3の位置を示すマップ情報105を生成すると、情報処理装置2に送信する(ステップS33)。
【0088】
次に、撮像装置4は撮影画像7内に含まれる装置像及び人物像を強調するための強調表示処理を行う(ステップS34)。
図16は、強調表示処理(ステップS34)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。強調表示処理を開始すると、撮像装置4は、撮影画像7を解析して撮影画像7に含まれる装置像及び装置像の周囲の人物像を検知する(ステップS41)。具体的には、撮像装置4は、パターンマッチングなどの画像解析を行うことで、撮影画像7に含まれる全ての装置像及び装置像の周囲の人物像を検知する。次に、撮像装置4は、複数の装置像を検知したか否かを確認する(ステップS42)。複数の装置像を検知していない場合(ステップS42でNO)、処理はステップS44に進む。一方で、複数の装置像を検知した場合(ステップS42でYES)、撮像装置4は、位置関係情報103などの装置像情報を読み出して参照する(ステップS43)。尚、上述したとおり、装置像情報とは印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定するための情報である。撮像装置4は記憶部44に記憶される位置関係情報103と、現在の自機の撮影方向の情報とに基づいて、複数の装置像の中から印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を特定する(ステップS44)。尚、複数の装置像を検知していない場合(ステップS42でNO)、撮像装置4は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像として撮影画像7に含まれる一の装置像を特定する(ステップS44)。そして、撮像装置4は、特定した画像形成装置3の装置像を強調表示する(ステップS45)。装置像が強調表示されることで、ユーザーは印刷ジョブを実行した画像形成装置3の装置像を把握し易くなる。次に、撮像装置4は、特定した装置像の周囲で人物像を検知したか否かを確認する(ステップS46)。人物像を検知していない場合(ステップS46でNO)、撮像装置4は、強調表示処理を終了する。一方、人物像を検知している場合(ステップS46でYES)、撮像装置4は人物像を強調表示して(ステップS47)、強調表示処理を終了する。尚、本実施形態では、撮像装置4が情報処理装置2に送信する撮影画像7は動画像である。動画像である撮影画像7における人物像は移動することがあるため、撮像装置4は、終了指示を受信するまで強調表示処理を繰り返し実行する。
【0089】
図15に戻り、撮像装置4は、強調表示処理を終了すると、情報処理装置2又は画像形成装置3から終了指示を受信したか否かを確認する(ステップS35)。終了指示を受信していない場合(ステップS35でNO)、処理はステップS34に戻る。一方、終了指示を受信している場合(ステップS35でYES)、撮像装置4は、撮影画像7の送信を終了する(ステップS36)。そして、撮像装置4は、画像形成装置3の撮影を終了し(ステップS37)、この処理を終了する。
【0090】
上述のように、本実施形態の画像形成システム1は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報を取得し、当該装置情報をブロードキャスト送信する。そして、情報処理装置2の装置情報を取得した複数の撮像装置4のうち、印刷ジョブを受信した画像形成装置3を撮影可能な撮像装置4が、当該画像形成装置3の位置を特定可能な画像を撮影し、ユーザーが使用する情報処理装置2に撮影画像7を送信することが可能な構成である。この構成により、ユーザーは情報処理装置2に表示される撮影画像7を視認することにより、自身が投入した印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を把握することができる。また、この構成によれば、画像形成装置3が、自機の位置を特定することのできる画像を予め記憶しておく必要がないという利点がある。
【0091】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、画像形成装置3が情報処理装置2の装置情報をブロードキャスト送信することにより、撮像装置4に情報処理装置2の装置情報を取得させる形態について説明した。本実施形態では、画像形成装置3が、複数の撮像装置4の中から自機を撮影可能な撮像装置4を特定し、情報処理装置2の装置情報を特定した撮像装置4にユニキャスト送信する実施形態について説明する。
【0092】
図17は、本実施形態の画像形成システム1がユーザーに画像形成装置3の位置を案内する際の動作プロセスの一例を示す図である。尚、
図17におけるプロセスP1~P4、プロセスP6~P11、プロセスP13及びプロセスP14は、
図3のプロセスP1~P4、プロセスP6~P11、プロセスP13及びプロセスP14と同様であるため、説明を適宜省略する。印刷ジョブを実行した画像形成装置3aが当該印刷ジョブのヘッダー部などから情報処理装置2aの装置情報を取得すると(プロセスP4)、画像形成装置3aは、自機を撮影可能な撮像装置4を特定する(プロセスP21)。このとき、画像形成装置3aは、関連情報102を参照することにより、自機を撮影可能な撮像装置4を特定する。尚、
図17の例では、自機を撮影可能な撮像装置4として撮像装置4aが特定される。次に、画像形成装置3は、特定した撮像装置4aに対して情報処理装置2aの装置情報を送信する(プロセスP22)。情報処理装置2aの装置情報を取得すると、撮像装置4aは、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を特定し(プロセスP6)、当該画像形成装置3aの位置を特定可能な画像を撮影する(プロセスP7)。次に、撮像装置4aは、撮影画像7の送信先となる情報処理装置2を決定する(プロセスP8)。
図17の例では、撮影画像7の送信先として、情報処理装置2bが決定される。そして、撮像装置4aは、情報処理装置2bに対する撮影画像7の送信を開始する(プロセスP9)。撮影画像7を受信した情報処理装置2bは、受信した撮影画像7を表示部に表示する(プロセスP10)。ユーザーが情報処理装置2bに表示された撮影画像7を視認することで、自身が投入した印刷ジョブを実行した画像形成装置3aの位置を把握することが可能である点は、第1実施形態において説明した画像形成システム1と同様である。そして、画像形成装置3aは、印刷物が回収されたことを検知すると(プロセスP11)、終了指示を撮像装置4aに対して送信する(プロセスP23)。このときも、画像形成装置3aは終了指示をブロードキャスト送信せず、撮像装置4aにユニキャスト送信する。画像形成装置3aから終了指示を受信すると、撮像装置4aは、撮影画像7の送信を終了すると共に、画像形成装置3aの撮影を終了する(プロセスP13,P14)。
【0093】
次に、本実施形態の画像形成装置3の具体的な構成及び動作について詳しく説明する。
図18は、本実施形態の画像形成装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。本実施形態の画像形成装置3のハードウェア構成は、第1実施形態において説明した画像形成装置3のハードウェア構成と同様であるため説明を省略する。
【0094】
本実施形態の記憶部37には、例えばプログラム100aと関連情報102が記憶される。関連情報102は、画像形成装置3が自機を撮影可能な撮像装置4を特定する際に参照される情報である。関連情報102は、第1実施形態において説明した関連情報102に対して、撮影可能な撮像装置の名称102dに対応する撮像装置4のIPアドレスなどのアドレス情報が更に対応付けられた情報である。
【0095】
本実施形態の制御部38は、図示を省略するCPUがプログラム100aを読み出して実行することにより、関連情報取得部386、ジョブ受信部381、ジョブ実行部382、装置情報取得部383、撮像装置特定部387、通知部384及び終了指示送信部385として機能する。以下、これら各部の詳細について説明する。
【0096】
関連情報取得部386は、自機を撮影可能な撮像装置4が定義された関連情報102を取得する処理部である。関連情報取得部386は、例えばネットワーク6に接続される図示を省略するサーバーなどから、関連情報102を取得して記憶部37に記憶する。
【0097】
ジョブ受信部381、ジョブ実行部382及び装置情報取得部383は、第1実施形態において説明したものと同様のため説明を省略する。
【0098】
撮像装置特定部387は、自機を撮影可能な撮像装置4を特定する処理部である。撮像装置特定部387は、記憶部37に記憶される関連情報102を読み出し、撮影可能な撮像装置の名称102dを参照することにより、自機を撮影可能な撮像装置4を特定する。ここで、自機を撮影可能な撮像装置4が複数ある場合、撮像装置特定部387は、複数の撮像装置4を特定する。また、撮像装置特定部387は、関連情報102に基づいて、特定した撮像装置4に対応するIPアドレスなどのアドレス情報を取得する。撮像装置特定部387は、取得した撮像装置4のアドレス情報を、通知部384に出力する。尚、本実施形態では、自機を撮影可能な撮像装置4が複数ある場合、撮像装置特定部387が複数の撮像装置4を特定する場合を例示する。しかし、これに限られるものではなく、撮像装置特定部387は、自機を撮影可能な複数の撮像装置4の中から一の撮像装置4を特定するものであっても構わない。
【0099】
本実施形態の通知部384は、情報処理装置2の装置情報を、撮像装置特定部387によって特定される撮像装置4に送信する処理部である。通知部384は、撮像装置特定部387によって特定される撮像装置4のアドレス情報を入力すると、当該撮像装置4に対して情報処理装置2の装置情報を送信する。自機を撮影可能な撮像装置4を特定し、特定した撮像装置4に装置情報をユニキャスト送信するため、装置情報をブロードキャスト送信する第1実施形態と比較して、ネットワーク6の通信量を低減させることができるという利点がある。また、情報処理装置2の装置情報を受信した撮像装置4が、印刷ジョブを実行した画像形成装置3を撮影可能か否かという判断を行う必要がなくなるという利点もある。
【0100】
終了指示送信部385は、第1実施形態において説明したものと同様のため説明を省略する。
【0101】
次に、本実施形態の画像形成装置3における具体的な動作の一例について説明する。
図19は、本実施形態の画像形成装置3において行われる主たる処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置3が印刷ジョブを受信することに伴って実行される処理である。画像形成装置3は、この処理を開始すると、受信した印刷ジョブを実行する(ステップS51)。また画像形成装置3は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2のIPアドレスなどの装置情報を、印刷ジョブのヘッダー部などから取得する(ステップS52)。次に、画像形成装置3は、記憶部37に記憶される関連情報102を参照する(ステップS53)。画像形成装置3は、関連情報102を参照することにより、自機を撮影可能な撮像装置4を特定する(ステップS54)。そして、画像形成装置3は、特定した撮像装置4に対して、情報処理装置2の装置情報をユニキャスト送信する(ステップS55)。装置情報を受信すると、撮像装置4は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を特定可能な画像を撮影し、撮影画像7をユーザーが使用する情報処理装置2に送信する。次に、画像形成装置3は、印刷物が回収されたか否かを確認する(ステップS56)。確認の結果、印刷物が回収されていない場合(ステップS56でNO)、画像形成装置3は印刷物が回収されるまで待機する。一方、印刷物が回収されている場合(ステップS56でYES)、画像形成装置3は、特定した撮像装置4に終了指示をユニキャスト送信して(ステップS57)、この処理を終了する。
【0102】
上述のように、本実施形態の画像形成システム1は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3が、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報を取得し、自機を撮影可能な撮像装置4を特定したうえで、特定した撮像装置4に対して印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報をユニキャスト送信する。そして、情報処理装置2の装置情報を取得した撮像装置4は、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の位置を特定可能な画像を撮影し、ユーザーによって使用される情報処理装置2に撮影画像7を送信することが可能な構成である。この構成によれば、画像形成装置3は、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2の装置情報をブロードキャスト送信しないため、ネットワーク6の通信量を低減できる。また、画像形成装置3は、情報処理装置2の装置情報を、印刷ジョブを実行した画像形成装置3の撮影が可能な撮像装置4に対してのみユニキャスト送信する。そのため、撮像装置4によって印刷ジョブを実行した画像形成装置3の撮影が可能か否かという判断を行う必要がなくなるという利点もある。
【0103】
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0104】
例えば上記実施形態では、ユーザーによって投入された印刷ジョブを実行する画像形成装置3が、複数の画像形成装置3のうちのいずれの画像形成装置3であっても、ユーザーに対する画像形成装置3の位置案内を行う場合を例示した。しかし、これに限れられるものではない。例えば、画像形成システム1は、各画像形成装置3に対する印刷ジョブの投入回数をユーザー毎に記録した履歴情報を、画像形成装置3又は撮像装置4に記憶しておく。そして、画像形成システム1は、ユーザーによって画像形成装置3に対する印刷ジョブが投入されると、画像形成装置3又は撮像装置4に記憶される履歴情報に基づいて、当該画像形成装置3に対する印刷ジョブ投入の回数を確認する。確認の結果、ユーザーによる画像形成装置3への印刷ジョブの投入回数が所定回数以上であれば、画像形成システム1は、当該画像形成装置3の位置を案内しないようにしてもよい。ユーザーは、画像形成装置3に対して複数回以上印刷ジョブを投入していることから、その画像形成装置3の位置を把握しているものと考えられるためである。これにより、画像形成システム1は、ユーザーによって設置位置が把握されている画像形成装置3の位置を示す撮影画像7を、情報処理装置2に送信することを回避することができる。また、ユーザー毎に普段使用する画像形成装置3を予め登録しておき、登録していない画像形成装置3に対して印刷ジョブが投入された場合に、画像形成システム1は、ユーザーに対する画像形成装置3の位置案内を行うようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、画像形成装置3が設けられる部屋の天井に撮像装置4が設置される場合を例示した。しかし、これに限られるものではない。例えば撮像装置4は、画像形成装置3と一体であっても構わない。撮像装置4と画像形成装置3とが一体である場合、印刷ジョブを受信した画像形成装置3は、一体である撮像装置4に対してのみ、印刷ジョブを送信した情報処理装置2の装置情報を送信するようにすればよい。このように撮像装置4と画像形成装置3とが一体であれば、画像形成装置3は、印刷ジョブを送信した情報処理装置2の装置情報を、ネットワーク6に接続される全ての機器にブロードキャスト送信したり、自機を撮影可能な撮像装置4を特定したうえで当該撮像装置4にユニキャスト送信したりする必要がなくなるのである。
【0106】
また、上記実施形態では、画像形成装置3は、例えばMFPなどで構成される装置であり、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、及びFAX機能などの複数の機能を有している場合について例示した。しかし、画像形成装置3は、MFPなどのようにコピー機能、スキャン機能及びFAX機能などを備えたものに限られない。すなわち、画像形成装置3は、少なくともプリンタ機能を備えたものであれば良い。
【0107】
また、上記実施形態では、プログラム100などのプログラムが画像形成装置3などに予めインストールされている場合を例示した。しかし、プログラム100などのプログラムは、画像形成装置3などに予めインストールされているものに限られず、それ単独で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム100などのプログラムは、インターネットなどを介してユーザー自身がダウンロードする形態で画像形成装置3などに提供されるものであっても良いし、CD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で画像形成装置3などに提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成システム(画像形成システム)
2 情報処理装置(情報処理装置)
3 画像形成装置(画像形成装置)
4 撮像装置(撮像装置)
6 ネットワーク(ネットワーク)
42 撮影部(撮影手段)
43 撮影方向変更部(撮影方向変更手段)
100 プログラム
100a プログラム
101 プログラム(プログラム)
102 関連情報(関連情報)
102a 関連情報(関連情報)
103 位置関係情報(位置関係情報)
105 マップ情報(マップ情報)
383 装置情報取得部(装置情報取得手段)
384 通知部(通知手段)
386 関連情報取得部(関連情報取得手段)
387 撮像装置特定部(撮像装置特定手段)
451 情報取得部(位置情報取得手段、特定情報取得手段、位置関係情報取得手段、関連情報取得手段、装置像情報取得手段、取得手段)
452 画像形成装置特定部(画像形成装置特定手段)
453 撮影制御部(撮影方向変更手段)
454 画像送信部(画像送信手段)
455 画像検知部(装置像検知手段、人物像検知手段)
456 装置像特定部(装置像特定手段)
457 強調表示部(装置像強調表示手段、人物像強調表示手段)