(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】高周波ケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 11/18 20060101AFI20221101BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
H01B11/18 D
H01B7/00
(21)【出願番号】P 2018122821
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 得天
(72)【発明者】
【氏名】森山 真至
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-045512(JP,A)
【文献】特開平06-251633(JP,A)
【文献】特開2007-188782(JP,A)
【文献】特開2008-293729(JP,A)
【文献】特開2010-198873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 11/18
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に位置する1本の第1の素線と前記第1の素線の周囲に位置する複数本の第2の素線とを撚り合わせ
た撚り線が圧縮されてなる中心導体と、
前記中心導体の外周に設けられた絶縁層と、を備え、
前記中心導体は、前記第1の素線が6角形状の断面形状を有し、前記複数本の第2の素線の外周面
が円周状の曲面を有して前記中心導体の外周面
を構成し、前記中心導体の周方向において隣接する前記第2の素線
の横側面同士が面接触している撚り線からなり、
20GHz~40GHzの周波数における減衰量が
14.02dB/m以上27.62dB/m以下であ
り、
長さ20mm、重さ50gとし、長手方向を中心軸として時計回り及び半時計回りに180度ずつ1分間に30回のサイクルで交互に捻回を繰り返し、所定の捻回数で電気抵抗を測定する導通試験を行ったときに、前記捻回数が10000回で導通する、
高周波ケーブル。
【請求項2】
前記第1の素線は
、6角形状の断面形状を有し、
前記複数本の第2の素線は、6つの素線からなるとともに、該6つの第2の素線は、それぞれ円弧と底辺と前記円弧及び前記底辺を両端で結ぶ2つの辺とで囲まれ
た扇子形の断面形状を有し、
横断面視において、前記6つの第2の素線の前記底辺が前記第1の素線の各辺と接するとともに、前記複数本の第2の素線の前記辺がそれぞれ隣接する第2の素線の前記辺と接して、前記円弧が前記中心導体の前記外周面を構成する、
請求項1に記載の高周波ケーブル。
【請求項3】
前記中心導体は、10%以上の伸び率を有する、
請求項1又は2に記載の高周波ケーブル。
【請求項4】
前記複数本の第2の素線のうち、前記中心導体の周方向において互いに隣接する第2の素線は、分離可能に接触している、請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
高周波信号を伝送するケーブルとして、例えば、複数の導線を撚り合わせて形成した撚り合わせ部材を圧縮して、中心の導線と周辺の導線との間の空隙が導線の材料により略充満された中心導体を備える可撓性同軸ケーブルがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のケーブルでは、隣接する撚り線の間において中心導体の外周面側に隙間(以下、「落込み」ともいう。)が生じていることによって、ケーブルの電気特性が低下する虞があった。そして、高周波信号の送信に用いられる高周波ケーブルでは、この落込みによる電気特性の低下が特に顕著であった。
【0005】
そこで、本発明は、高周波信号の送信における電気特性の低下が改善された高周波ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、下記の[1]~[3]の高周波ケーブルを提供する。
【0007】
[1]中心に位置する1本の第1の素線と前記第1の素線の周囲に位置する複数本の第2の素線とを撚り合わせてなる中心導体を備え、前記複数本の第2の素線の外周面は、前記中心導体の外周面として略連続した円周面を構成する、高周波ケーブル。
[2]前記第1の素線は、略6角形状の断面形状を有し、前記複数本の第2の素線は、6つの素線からなるとともに、該6つの第2の素線は、それぞれ円弧と底辺と前記円弧及び前記底辺を両端で結ぶ2つの辺とで囲まれた略扇子形の断面形状を有し、横断面視において、前記6つの第2の素線の前記底辺が前記第1の素線の各辺と接するとともに、前記複数本の第2の素線の前記辺がそれぞれ隣接する第2の素線の前記辺と接して、前記円弧が前記中心導体の外周面として前記略連続した円周面を構成する、前記[1]に記載の高周波ケーブル。
[3]前記中心導体は、10%以上の伸び率を有する、前記[1]又は[2]に記載の高周波ケーブル。
[4]前記複数本の第2の素線のうち、前記中心導体の周方向において互いに隣接する第2の素線は、分離可能に接触している、前記[1]から[3]のいずれか1つに記載の高周波ケーブル。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、高周波信号の送信における電気特性の低下が改善された高周波ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る高周波ケーブルの構造の一例を示す横断面図である。
【
図2】本発明の実施例及び従来例の電気特性の試験の結果の一例を示す表である。
【
図4】本発明の実施例及び従来例における外力に対する耐久性の試験の結果の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る高周波ケーブルの構造の一例を示す横断面図である。以下、高周波ケーブルの一例として、ケーブルを構成する各層が同軸上に配置された同軸ケーブルを例に挙げて説明する。
図1に示すように、高周波ケーブル1は、中心導体11と、中心導体11の外周に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の外周に設けられた外部導体13と、外部導体13の外側に設けられた最外層としてのシース層14とを備えている。
【0011】
(中心導体11)
中心導体11は、複数本の素線110を撚り合わせた撚り線を含んで構成されている。撚り合わせる素線110の本数は、特に限定されるものではないが、例えば、7本、19本、37本であることが好ましい。また、これら複数本の素線110は、高周波ケーブル1の周方向において互いに均等な位置に配置される同心撚りの配置であることがより好ましい。なお、
図1では、7本の素線110を撚り合せて構成した例を示している。
【0012】
素線110には、例えば、軟銅線を用いることができる。軟銅線には、銀めっき等のめっきが施されていても良い。具体的には、素線110には、HiFC(登録商標)導体等を用いることができる。
【0013】
素線110は、細径であることが好ましく、具体的には、0.065~0.070mmの直径を有するものであることが好ましい。また、撚り線のピッチの間隔は、例えば、約8.7±0.5mmとすることができる。また、素線110は、素線110の長手方向において10%以上の伸び率を有している。
【0014】
中心導体11は、中心に位置する1本の素線110(以下、「コア110A」ともいう。)と、このコア110Aの周囲に位置する複数本の素線110(以下、「周辺素線110B」ともいう。)とを含んで構成されている。また、複数本の周辺素線110Bの絶縁層12側の外周面110Baは、中心導体11の外周面11aを構成している。なお、
図1では、一例として、周辺素線110Bの本数を6本とする構成例を示している。ここで、コア110Aは、第1の素線の一例である。また、周辺素線110Bは、第2の素線の一例である。
【0015】
コア110Aは、略6角形状の横断面形状を有している。すなわち、コア110Aは、略6角柱の形状を有している。
【0016】
また、周辺素線110Bは、1つの円弧とこの円弧よりも中心導体11側に位置して該円弧と対向する底辺とこれら円弧及び底辺を両端で結ぶ2つの辺とで囲まれた略扇子形の断面形状を有している。すなわち、周辺素線110Bは、絶縁層12側に位置して円周状の曲面からなる外周面110Baと、コア110A側に位置して平面からなる1つの底面110Bbと、外周面110Ba及び底面110Bbと中心導体11の周方向における両端とで接続する平面からなる2つの横側面110Bcとで囲まれた柱状の形状を有している。
【0017】
6つの周辺素線110Bは、それぞれコア110Aに面接触するように設けられている。具体的には、6つの周辺素線110Bの底面110Bbは、コア110Aの各側面110Aaとそれぞれ面接触するように設けられている。換言すれば、
図1に示す横断面視において、周辺素線110Bを構成する底辺は、コア110Aの断面を構成する各辺と接するように設けられている。
【0018】
中心導体11の周方向において隣接する周辺素線110Bは、互いに分離可能に面接触するように設けられている。ここで、「分離可能に」とは、中心導体11の周方向において隣接する周辺素線110B同士が互いに接合していないことをいう。
【0019】
具体的には、中心導体11の周方向において隣接する周辺素線110Bの横側面110Bc同士が面接触するように設けられている。換言すれば、
図1に示す横断面視において、周辺素線110Bを構成する辺は、隣接する周辺素線110Bを構成する辺と接するように設けられている。かかる構成により、中心導体11の周方向において隣接する周辺素線110B間における絶縁層12側の角部に所定の大きさを有する隙間(以下、「落込み」ともいう。)が生じないようになっている。
【0020】
以上のように構成することにより、
図1に示すように、周辺素線110Bは、中心導体11の外周面11aとして略連続した円周面を構成している。すなわち、中心導体11は、1つの単線導体のような略円柱形の形状を有する。換言すれば、
図1に示す横断面視において、中心導体11の外周縁は、凹凸のない略円形の形状を有している。なお、「凹凸のない」とは、「凹凸が全く無い」こと意味するものではなく、凹凸の大きさが所定の微小な大きさ未満に抑制されていることを意味する。かかる形状により、高周波ケーブル1の径方向における中心導体11の外周面11aと外部導体13との距離を、高周波ケーブル1の周方向によらずに略一定化することができる。
【0021】
また、中心導体11は、長手方向において10%以上の伸び率を有する。
【0022】
(絶縁層12)
絶縁層12は、絶縁体により構成されている層である。絶縁層12は、例えば、フッ素樹脂からなる。フッ素樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適である。絶縁層12の厚みは、0.20~0.22mmであることが好ましい。
【0023】
(外部導体13)
外部導体13は、例えば、錫めっき軟銅線、錫めっき銅線、錫めっき銅合金線、銀めっき銅線、銀めっき銅合金線である。これが多数本(例えば、30本~60本)、所定ピッチ(例えば、9.7±1.0mm)でらせん状に絶縁層12の外周に巻き付けられている。外部導体13は、横巻きに巻き付けられていてもよく、編み目状(「編組」ともいう。)に巻き付けられていてもよい。外部導体13は、0.70~0.73mmの外径を有するものであることが好ましい。
【0024】
(シース層14)
シース層14は、特に限定はされないが、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、FEP(テフロン)等の材料を用いて形成される。シース層14は、単層で構成してもよく、また、多層で構成してもよい。また、必要に応じて、シース層14に、セパレータ、編組等を施してもよい。シース層14の厚みは、0.055~0.065mmであることが好ましい。
【0025】
[中心導体11の製造方法]
次に、中心導体11の製造方法について説明する。中心導体11の製造方法は、複数本の素線110を撚り線にする撚り線形成工程と、撚り線となった素線110をその横断面が円形状になるように中心方向に圧縮する圧縮工程と、圧縮された撚り線を加熱する加熱工程とを含む。
【0026】
圧縮工程により、コア110Aの横断面が略6角形状に変形するとともに、残りの6つの周辺素線110Bは、前述した略扇形の形状に変形する。また、この圧縮工程により、6つの周辺素線110Bは、互いに面接触して、中心導体11の周方向において隣接する周辺素線110B間における絶縁層12側の角部に落込みが生じないようになっている。換言すれば、圧縮工程により、6つの周辺素線110Bが略円柱形状の中心導体11を形成する。なお、素線110は、圧縮されて加工度が上がると、強度が向上する一方で、加工歪みが生じる。
【0027】
加熱工程は、前述の圧縮工程によって撚り線に生じた加工歪を解放するために行う工程である。撚り線に蓄積される加工歪みが大きくなると、撚り線の電気特性が低下する。加熱工程は、この加工歪みを解放して、撚り線の電気特性を回復させる工程である。
【0028】
加熱工程は、例えば、加熱炉(不図示)等を用いて行う。焼鈍炉(不図示)を用いて、所定の温度で、圧縮された撚り線(素線110)に熱焼鈍を施してもよい。加熱工程により、撚り線(素線110)の電気特性は、軟銅線の電気特性の約98%程度まで回復する。
【0029】
(実験結果1)
発明者らは、上述の本発明の実施の形態に係る高周波ケーブル1(以下、「実施例の高周波ケーブル1」ともいう。)と、比較例に係る高周波ケーブルとにおいて、電気特性を比較する実験を行った。以下、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0030】
図2は、本発明の実施例及び従来例の電気特性の試験の結果の一例を示す表である。発明者らは、電気特性を示す指標の一例として、特性インピーダンス、導体抵抗、静電容量、及び減衰量の測定を行った。これらの測定では、実施例には、上述した圧縮工程により圧縮され、略連続した円周面を有する円柱形の形状を有する中心導体を備えた高周波ケーブル1を用いた。これに対して、比較例では、圧縮されていない、外周面に落込みが生じている中心導体を備えた高周波ケーブルを用いた。なお、測定に使用した高周波ケーブル1の詳細な条件は
図2に示す通りである。
【0031】
図3は、実施例及び比較例において
図2に示す減衰量の結果を示した図である。横軸は、周波数(GHz)を示している。縦軸は、減衰量(dB/m)を示している。ここで、減衰量とは、単位長さの高周波ケーブル1において、一方の端部に入力した信号が他方の端部から出力されるときに減衰した量をいう。また、グラフA(実線)は、実施例に係る高周波ケーブル1の減衰量を示し、グラフB(破線)は、比較例に係る高周波ケーブルの減衰量を示している。
【0032】
図3に示すように、高周波の領域(例えば、3GHz以上)において、実施例に係る高周波ケーブル1の減衰量が比較例に係る高周波ケーブルの減衰量より減少することが確認できた。
【0033】
(実験結果2)
また、発明者らは、実施例の高周波ケーブル1と、比較例に係る高周波ケーブルとにおいて、外力に対する耐久性を比較する実験を行った。以下、
図4を参照して説明する。
【0034】
図4は、本発明の実施例及び従来例における外力に対する耐久性の試験の結果の一例を示す表である。以下では、高周波ケーブル1の外力に対する耐久性を示す指標の一例として、高周波ケーブル1を所定の回数捻回し、導通の有無を確認する試験(以下、「導通試験」ともいう。)の結果を例に挙げて説明する。なお、導通の有無は、高周波ケーブル1の電気抵抗を測定することにより確認した。
【0035】
本導通試験では、長さ20mm、重さ50gの高周波ケーブル1に対して、長手方向を中心軸として時計回り及び半時計回りに180度ずつ交互に捻回を繰り返した。また、捻回は、1分間に30回のサイクルで実施した。なお、所定の回数として捻回数が、1,000回目、2,000回目、3,000回目、4,000回目、5,000回目及び10,000回目の直後に、高周波ケーブル1の電気抵抗を測定して導通の有無の確認を行った。
【0036】
図4に示すように、前述の電気特性試験と同様に、実施例には、前述した略連続した円周面を有する円柱形の形状を有する中心導体11を備えた高周波ケーブル1を用い、比較例では、外周面に落込みが生じている中心導体を備えた高周波ケーブルを用いた。なお、
図4に示すように、圧縮工程の有無以外の主な条件、具体的には、中心導体11を構成する素線110の本数、中心導体11の材質、絶縁層12の材質、外部導体13の材質、及びシース層14の材質等は、実施例及び比較例間で統一した。
【0037】
導通試験の結果、
図4に示すように、比較例に係る高周波ケーブルは、5,000回よりも多い回数の捻回を受けることにより導通しなくなった(
図4の「なし」参照。)のに対して、実施例に係る高周波ケーブル1は、少なくとも10,000回の捻回を受けても導通していること(
図4の「あり」参照。)が確認された。
【0038】
(用途)
上記の本発明の実施の形態に係る高周波ケーブル1は、例えば、無線機等の通信機に搭載されるケーブルとして好適である。また、上記の実施の形態では、同軸ケーブルを例に挙げて説明したが、高周波ケーブル1は、LAN(Local Area Network)等の多心ケーブルに適用してもよい。
【0039】
[実施の形態の作用及び効果]
以上説明した本発明の実施の形態によれば、複数本の素線の外周面110Baが中心導体11の外周面11aとし略連続した円周面を形成することにより、高周波信号の送信における電気特性の低下が改善された高周波ケーブルを提供することができる。また、複数本の素線110を撚り合わせてなる中心導体11を含むことにより、外力に対する耐久性にも優れた高周波ケーブルを提供することができる。
【0040】
電気特性が向上するのは、複数本の周辺素線110Bの外周面110Baが中心導体11の外周面11aとしての略連続した円周面を形成する、すなわち、中心導体11が円柱形状を有することによって、単線導体のように、中心導体11の外周面11aと外部導体13との高周波ケーブル1の径方向における距離が中心導体11の周方向によらずに略一定となり、中心導体11と外部導体13との間に生じる電界及び磁界の対称性が良くなるためと考えられる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0042】
1:高周波ケーブル、11:中心導体、11a:外周面、12:絶縁層、13:外部導体、14:シース層、110:素線、110A:コア、110Aa:コアの側面、110B:周辺素線、110Ba:周辺素線の外周面、110Bb:周辺素線の底面、110Bc:周辺素線の横側面