IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケイ・メックの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-31
(45)【発行日】2022-11-09
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20221101BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022114103
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2018183130の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2022137254
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】P 2018109527
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518181888
【氏名又は名称】株式会社ケイ・メック
(74)【代理人】
【識別番号】110000464
【氏名又は名称】弁理士法人いしい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國澤 秀徳
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0104089(KR,A)
【文献】特開2010-065391(JP,A)
【文献】特開2012-087465(JP,A)
【文献】特開2017-043948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を空けて設置された左右の支持体と、左右の前記支持体に着脱可能に取り付けられて立設される止水板とを備えた止水装置であって、
前記止水板は、屋内側の起立面部と下側の水平面部とが交わる角部が丸みを帯びているとともに、前記支持体の止水板取付け面部の屋外向き側面に対向配置される前記起立面部の幅方向端部位において前記起立面部から前記角部を経て前記水平面部に至るパッキン部材を備えており、
前記止水板取付け面部の屋外向き側面の下端と床面とが交わるコーナー部にコーナー部材が配設されており、
前記コーナー部材は、前記屋外向き側面から前記床面に向けて斜め下向き姿勢で凹状に湾曲した傾斜面を有し、
前記止水板が前記止水板取付け面部及び前記床面へ向けて付勢された状態で前記支持体に接続されて、前記止水板の角部と前記コーナー部材の傾斜面とが前記パッキン部材を挟んで対峙するとともに、前記パッキン部材が前記止水板取付け面部、前記コーナー部材の傾斜面及び前記床面に密着する、止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、止水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、集中豪雨や洪水などの自然災害の際に、地下鉄駅や地下駐車場、建物などの構造物にその出入口から水が侵入するのを防止するために、当該出入口に止水板を設置することが行われる。
【0003】
構造物の出入口に止水板を設置する技術として、間隔を空けて設置された左右の支持体に、止水板の左右端部位を着脱可能に設置して水を堰き止める止水装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された止水装置では、構造物の出入口の左右両側に支持体をそれぞれ設け、各支持体に設けられた対向溝に止水板を上方から落し込むことで、止水板が立設配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-169561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、止水板の起立面部に設けた上下方向に延びるパッキン部材を支持体の止水板取付け面部に前後方向に押圧して密着させる構成では、パッキン部材の下端部が、支持体の止水板取付け面部下端と床面とが交わるコーナー部に十分に密着しない可能性がある。このような密着力不足は当該コーナー部での漏水を引き起こす虞があるので、当該コーナー部においても十分な水密性を確保することが好ましい。
【0006】
本願発明は、このような現状を改善すべく、コーナー部において十分な水密性を確保できる止水装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の止水装置は、間隔を空けて設置された左右の支持体と、左右の前記支持体に着脱可能に取り付けられて立設される止水板とを備えた止水装置であって、前記止水板は、屋内側の起立面部と下側の水平面部とが交わる角部が丸みを帯びているとともに、前記支持体の止水板取付け面部の屋外向き側面に対向配置される前記起立面部の幅方向端部位において前記起立面部から前記角部を経て前記水平面部に至るパッキン部材を備えており、前記止水板取付け面部の屋外向き側面の下端と床面とが交わるコーナー部にコーナー部材が配設されており、前記コーナー部材は、前記屋外向き側面から前記床面に向けて斜め下向き姿勢で凹状に湾曲した傾斜面を有し、前記止水板が前記止水板取付け面部及び前記床面へ向けて付勢された状態で前記支持体に接続されて、前記止水板の角部と前記コーナー部材の傾斜面とが前記パッキン部材を挟んで対峙するとともに、前記パッキン部材が前記止水板取付け面部、前記コーナー部材の傾斜面及び前記床面に密着するものである。
【発明の効果】
【0021】
本願発明は、コーナー部において十分な水密性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】止水装置の一実施形態の全体を示す概略正面図である。
図2】同止水装置を示す概略平面図である。
図3】同止水装置の一方の止水板103Aを示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図4】同止水板103Aを示す図であり、(A)は側面図、(B)は図3(B)のA-A位置での縦断面図、(C)は(B)の上側のストッパ突起部周辺を示す拡大図である。
図5】同止水装置の他方の止水板103Bを示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図6】止水板103A,103Bの配置状態の一例を示す正面図である。
図7】止水板103A,103Bの配置状態の他の例を示す正面図である。
図8】支持体を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
図9】同支持体を示す斜視図である。
図10】止水板の取付け動作の最初の工程を説明するための側面図である。
図11】同取付け動作の続きの工程を説明するための側面図である。
図12】同取付け動作のさらに続きの工程を説明するための側面図である。
図13】同取付け動作のさらに続きの工程を説明するための側面図である。
図14】同取付け動作時の係止突起部の動きを説明するための斜視図である。
図15】(A)~(C)は止水板の水平面部パッキン部材が床に密接する際の動作を説明するための概念図であり、(D)~(F)は上下の止水板の水平面部パッキン部材同士が床に密接する際の動作を説明するための概念図である。
図16】止水装置の一実施形態の全体を示す概略正面図である。
図17】同止水装置を示す概略平面図である。
図18】同止水装置の一方の止水板3Aを示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図19】同止水板3Aを示す図であり、(A)は側面図、(B)は図18(B)のX-X位置での縦断面図、(C)は(B)の上側のストッパ突起部周辺を示す拡大図である。
図20】同止水装置の他方の止水板を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図21】止水板3A,3Bの配置状態の一例を示す正面図である。
図22】止水板3A,3Bの配置状態の他の例を示す正面図である。
図23】支持体を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)のU-U位置に沿った横断面図、(D)は(A)のY-Y位置に沿った縦断面図である。
図24】同支持体を示す図であり、(A)は背面図、(B)は図23(A)のZ-Z位置に沿った縦断面図、(C)は(B)の係止穴周辺を示す拡大図である。
図25】同支持体を示す図であり、(A)は図23(A)のP-P位置に沿った縦断面図、(B)は図23(C)のQ-Q位置に沿った縦断面図、(C)は(B)の係止穴周辺を示す拡大図である。
図26】係止突起部と係止穴との係合操作を説明するための概略斜視図であり、(A)は係合前の状態、(B)は係止突起部が係止穴に挿入された状態、(C)は係止突起部が係止穴に係合された状態を示す。
図27】支持体への止水板3Aの取付け動作を説明するための断面図である。
図28】支持体に止水板3Aが取り付けられた状態を示す断面図であり、(A)は支持体及び止水板の全体図、(B)は係止突起部周辺を示す拡大図、(C)は下側のストッパ突起部周辺を示す拡大図である。
図29】支持体への止水板3Bの取付け動作を説明するための断面図である。
図30】支持体に止水板3A,3Bが取り付けられた状態を示す断面図であり、(A)は支持体及び止水板の全体図、(B)は止水板3A,3Bの連結部周辺を示す拡大図である。
図31】支持体からの止水板3A,3Bの取外し操作を説明するための断面図であり、(A)は止水板3Bを取り外すときの操作を、(B)は止水板3Aを取り外すときの操作を示す。
図32】止水装置の他の実施形態における止水板3Aを示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図33】同止水装置の支持体を背面側から見た左右方向の縦断面図である。
図34】同支持体からの止水板3A,3Bの取外し操作を説明するための断面図であり、(A)は止水板3Bを取り外すときの操作を示し、(B)は止水板3Aを取り外すときの操作を示す。
図35】止水装置のさらに他の実施形態の全体を示す概略正面図である。
図36】同止水装置を示す概略平面図である。
図37】同止水装置の止水板を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図38】同止水板を示す図であり、(A)は側面図、(B)は図37(B)のB-B位置での縦断面図、(C)は止水板下端部の構成を示す拡大断面図である。
図39】支持体を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
図40】同支持体を示す斜視図である。
図41】止水板及び支持体の下端部周辺を拡大して示す前後方向に沿った縦断面図である。
図42】支持体の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。また、各方向を特定するため、前後・左右の文言を使用するが、一対の支持体が間隔を空けて配置される方向を左右方向とし、これと直交した方向を前後方向と定義している。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施形態の止水装置101は、例えば地下鉄駅や地下駐車場、建物などの構造物への水の侵入を防止するために、構造物の出入口Eに設置される。止水装置101は、間隔を空けて設置された左右の支持体102L,102Rと、左右の支持体102L,102Rに着脱可能に取り付けられて立設される止水板103A,103Bとを備えている。
【0025】
止水板103A又は103Bにおける上下の水平面部134のうち少なくとも下側の水平面部134に、水平面部134の前後中央領域に基端が固定される水平面部パッキン部材136が左右方向に延設されている。水平面部パッキン部材136は、止水板103A又は103Bに固定された基端から先端に向けて水平面部134の前後外側領域に向かって広がる形状を有する。
【0026】
水平面部パッキン部材136の機能について説明すると、止水板103A又は103Bが床面F上に設置されるときに、まず、止水材136aの先端部が床面Fに接触する。そして、止水板103A又は103Bが下方へ移動するに従って、止水材136aは、その先端部が床面Fに沿って前後外側へ変位するように弾性変形し、床面F上のゴミや小石などの異物を止水板103A又は103Bの下方から排除する。これにより、止水材136aと床面Fとの間に異物が挟み込まれるのを防止でき、止水材136aと床面Fとの間に高い水密性を確保できる。
【0027】
止水板103A,103Bは、左右の幅方向端面部139より左右外側に突設した係止突起部132を有する。一方、支持体102L,102Rは、前記止水板103A,103Bの幅方向端面部139と対向する内向き側面122aに形成された係止溝123,124を有する。止水板103A,103Bが支持体102L,102Rに対して前後方向に移動されるとともに、係止突起部132が支持体102L,102Rに設けた係止溝123,124に嵌合されて係止されることで、止水板103A,103Bが支持体102L,102Rに接続される。
【0028】
これにより、止水板103A,103Bを前後へスライドさせることで、止水板103A,103Bを支持体102L,102Rの高さ以上に持ち上げなくても支持体102L,102Rに接続できるので、止水板103A,103Bを迅速且つ容易に設置できる。
【0029】
本実施形態では、左右の支持体102L,102Rは、出入口Eの左右端位置で床面Fに立設されるとともに、出入口Eの左右の側壁W及び床面Fとの間の水密性を接着剤又は弾性体などで確保しながら、側壁Wにボルトにて固着されている。また、止水板は、上下に分割された上下2枚の止水板103A,103Bで構成されている。
【0030】
図1図9を参照しながら、止水装置101の概略構成について説明する。図3及び図4に示された止水板103Aに関し、底面図は平面図と同一であり、背面図は正面図と同一であり、左側面図は右側面図と同一である。また、図5に示された止水板103Bに関し、底面図は平面図と同一であり、背面図は正面図と同一であり、左側面図は右側面図と同一である。
【0031】
図3図5に示すように、止水板103A,103Bは、矩形板状の形態を有し、前後一対の起立面部131,131と、上下一対の水平面部134,134と、左右一対の幅方向端面部139,139とを有している。左右の幅方向端面部139,139のそれぞれに、上下一対の係止突起部132,132が左右外向きに突設されている。
【0032】
止水板103A,103Bには、上下の水平面部134,134のそれぞれに設けられた左右方向に延びる弾性体で形成される水平面部パッキン部材136が設けられている。また、止水板103A,103Bには、前後の起立面部131,131における左右の幅方向端部位131a,131aのそれぞれに、上下方向に延びる弾性体で形成される起立面部パッキン部材133が設けられている。止水板103A,103Bの左右方向幅は、左右の支持体102L,102Rの突起保持部の左右内向き側面122a同士の間隔よりも少し小さく形成されている。
【0033】
図1図2図8及び図9に示すように、左右の支持体102L,102Rは、出入口Eの側壁Wに沿って配置される突起保持部122と、突起保持部122の左右内向き側面122aに突設された止水板取付け面部121とを備えている。突起保持部122には、下係止溝123及び上係止溝124の組が上下に2組設けられている。下係止溝123及び上係止溝124は、突起保持部122の屋外向き端面122bから止水板取付け面部121に向けて斜め下向きに形成されている。下係止溝123の止水板取付け面部121側の端部に下向きの突起保持部位123cが設けられ、上係止溝124の止水板取付け面部121側の端部に上向きの突起保持部位124cが設けられている。
【0034】
止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに取り付ける際には、止水板103A,103Bの上下の係止突起部132,132を下係止溝123及び上係止溝124に手前側(屋外側)から挿入する。下側の係止突起部132を下係止溝123の下向きの突起保持部位123cに嵌め込み、止水板103A,103Bを斜め下向きに押し込むと、下側の水平面部パッキン部材136が押圧変形する一方で、上側の係止突起部132が上係止溝124の上向きの突起保持部位124cの下方に配置される。この状態で、止水板103A,103Bを押し込む力を緩めると、下側の水平面部パッキン部材136の復元力によって、上側の係止突起部132が上向きの突起保持部位124cに嵌り込む。
【0035】
これにより、下側の水平面部パッキン部材136が床面Fに密接するとともに、起立面部131の幅方向端部位131aに設けられた起立面部パッキン部材133が止水板取付け面部121に密接し、止水板103A,103Bと支持体102L,102R及び床面Fとの間の水密性が確保される。
【0036】
このように、止水装置101によれば、止水板103A,103Bを支持体102R,102Lの高さ以上に持ち上げなくても支持体102R,102Lに接続できるので、止水板103A,103Bを迅速且つ容易に設置できる。また、止水板103A,103Bを支持体102R,102Lの高さ以上に持ち上る必要がないので、年配者や女性などの非力な作業者であっても、止水板103A,103Bを支持体102R,102Lに迅速且つ容易に設置できる。
【0037】
図3図7を参照しながら、止水板103A,103Bの詳細な構成について説明する。止水板103A,103Bは、例えば炭素繊維強化プラスチック製又は金属製であり、矩形板状の形態を有する。止水板103Aと止水板103Bは、後述するストッパ突起部137及びストッパ受け凹部138の位置及び個数が互いに異なることを除いて、同じ形態を有している。そこで、止水板103Aの構成について説明した後、止水板103Bについて止水板103Aとは異なる構成部分を説明する。なお、止水板103A,103Bの内部は、中空部分を有する構造であってもよい。
【0038】
図3及び図4に示すように、止水板103Aの左右の幅方向端面部139,139のそれぞれに、上下一対の係止突起部132,132が設けられている。すなわち、止水板103Aには、4本の係止突起部132が設けられている。係止突起部132は、左右方向に延びる金属製の円柱ピン部材で形成されている。
【0039】
止水板103Aにおいて、4本の係止突起部132は、矩形状の起立面部131の中心位置(重心)に対して点対称になる位置に配置されている。すなわち、4本の係止突起部132は、起立面部131の中心位置から同一距離だけ離れた位置に配置されている。具体的には、各幅方向端面部139において、上下の係止突起部132,132は、矩形状の幅方向端面部139の前後幅中心線に沿って、幅方向端面部139の中心位置から同一距離だけ離れた位置に配置されている。これにより、止水板103Aを上下反転、左右反転及び前後反転させたとしても、係止突起部132は止水板103Aにおいて同一位置に配置される。したがって、緊急時において止水板103Aの上下、左右及び前後の向きを確認せずとも容易に且つ迅速に支持体102L,102Rに接続できる。
【0040】
図3及び図4に示すように、止水板103Aの上下の水平面部134,134のそれぞれに、左右方向に延びる弾性体からなる2本の水平面部パッキン部材136,136と、後述する左右の前後方向パッキン部材135,135が設けられている。前後方向パッキン部材135は、水平面部134の左右の幅方向端部位にそれぞれ設けられている。2本の水平面部パッキン部材136は、水平面部134の前後方向中央部を前後で挟んで互いに平行に配置されている。水平面部パッキン部材136の左右両端部は、左右の前後方向パッキン部材135に隙間なく接続されている。
【0041】
各水平面部パッキン部材136は、2本の止水材136a,136aと1本の押圧部材136bとで構成されている。すなわち、水平面部パッキン部材136は、水平面部134の前後中央領域に基端が固定されて先端に向けて水平面部134の前後外側領域に向かって広がる形状を有する止水材136aと、止水材136aより前後外側で止水材136aと平行に延設されて止水材136aを押圧する押圧部材136bとから成る。
【0042】
2本の止水材136a,136aは、互いに平行に左右方向に延びて配置されている。止水材136aは、弾性体で形成されており、例えばゴム製である。各止水材136aの基端部は、水平面部134に固定されている。各止水材136aの先端部側は、平面視で水平面部134の前後方向中央部から離れる方向に、斜め外向きに傾斜している。すなわち、止水材136aは、その先端部がその基端部よりも前後外側に位置する形態を有している。
【0043】
2本の押圧部材136bは、止水材136aに平行に左右方向に延びており、4本の止水材136aを前後で挟んで配置されている。押圧部材136bは、弾性体で形成されており、例えば止水性を有する高反発スポンジ製である。押圧部材136bの基端部は、止水材136aの基端部に対して前後外側の位置で、水平面部134に固定されている。また、押圧部材136bは、止水材136aの先端部に対して上下方向で重なる位置に配置されている。止水材136aの先端部と押圧部材136bとの間には空間が設けられている。
【0044】
水平面部パッキン部材136の機能について説明すると、止水板103A又は103Bが床面F上に設置されるときに、まず、止水材136aの先端部が床面Fに接触する。そして、止水板103A又は103Bが下方へ移動するに従って、止水材136aは、その先端部が床面Fに沿って前後外側へ変位するように弾性変形し、床面F上のゴミや小石などの異物を止水板103A又は103Bの下方から排除する。これにより、止水材136aと床面Fとの間に異物が挟み込まれるのを防止でき、止水材136aと床面Fとの間に高い水密性を確保できる。
【0045】
図3及び図4に示すように、止水板103Aの前後の起立面部131,131のそれぞれに、左右一対の起立面部パッキン部材133が設けられている。上述のように、起立面部パッキン部材133は、起立面部131の左右の幅方向端部位131a,131aのそれぞれに設けられている。すなわち、止水板103Aには、4本の起立面部パッキン部材133が設けられている。
【0046】
図3及び図4に示すように、幅方向端部位131aにおいて、起立面部パッキン部材133は、起立面部131の上下方向の一端から他端にわたって連続している。また、起立面部パッキン部材133は、上下に延びる水膨張性止水材133aと、水膨張性止水材133aを左右で挟んで上下に延びる左右の耐水性止水材133b,133bとで構成されている。水膨張性止水材133aは、例えば水膨張ゴム製である。耐水性止水材133bは、例えば断面D字形の中空のゴム製である。起立面部パッキン部材133が水膨張性止水材133aを含む左右3重構造に形成されているので、起立面部131と止水板取付け面部121との間の水密性を高めることができる。
【0047】
なお、平面視で前後に並ぶ2本の起立面部パッキン部材133,133の端部は、止水板103Aの上下の水平面部134,134のそれぞれに設けられる前後方向パッキン部材135に連続している。すなわち、前後2本の起立面部パッキン部材133と上下2本の前後方向パッキン部材135は、連続して環状に設けられている。なお、前後方向パッキン部材135は、水膨張性止水材135aと左右の耐水性止水材135b,135bとで構成されており、起立面部パッキン部材133と同様に、左右3重構造に形成されている。
【0048】
また、前後の起立面部131,131のそれぞれには、幅方向中央部に、4つの左右横長の取っ手凹部131bが設けられている。これらの取っ手凹部131bは、中心位置が起立面部131と同一位置の仮想長方形の4つの角部に配置されている。すなわち、止水板103Aを左右反転しても又は上下反転しても、4つの取っ手凹部131bが止水板103Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。これにより、作業者が止水板103Aを持ち運ぶ際に、止水板103Aの向きにかかわらず、持ち上げたときの感覚を同じにできる。
【0049】
図3及び図4に示すように、上下の水平面部134,134のそれぞれに、ストッパ突起部137とストッパ受け凹部138とが配置されるストッパ配置領域134aが設けられている。本実施形態では、ストッパ配置領域134aは、前後2本の水平面部パッキン部材136,136の間となる前後方向中央部における、水平面部134の左右方向中央部に設けられている。
【0050】
上下2つのストッパ配置領域134aのそれぞれに、水平面部134から上下方向に向けて突出するストッパ突起部137が設けられている。すなわち、止水板103Aには、2つのストッパ突起部137が設けられている。各ストッパ突起部137は、矩形状の水平面部134の中央位置(左右方向中央位置かつ前後方向中央位置)に配置されている。これにより、止水板103Aを左右反転しても又は上下反転しても、上下2つのストッパ突起部137が止水板103Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0051】
また、各ストッパ配置領域134aには、ストッパ突起部137を左右で挟んで、左右のストッパ受け凹部138,138が形成されている。すなわち、止水板103Aには、4つのストッパ受け凹部138が設けられている。ストッパ受け凹部138は、後述する止水板103Bのストッパ突起部137を収容可能なものであり、ストッパ受け凹部138の内径は、ストッパ突起部137の外径よりも少し大きく形成されている。
【0052】
各ストッパ配置領域134aにおいて、左右のストッパ受け凹部138,138は、水平面部134の中央位置に対して左右対称位置に配置されている。また、止水板103Aにおいて、4つのストッパ受け凹部138は、水平面部134の中央位置から同一距離だけ離れた位置に設けられている。これにより、止水板103Aを左右反転しても又は上下反転しても、4つのストッパ受け凹部138が止水板103Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0053】
次に、図5を参照しながら止水板103Bについて説明する。上述のように、止水板103Aと止水板103Bは、ストッパ突起部137及びストッパ受け凹部138の位置及び個数が互いに異なることを除いて、同じ形態を有している。すなわち、止水板103Bは、左右の幅方向端面部139のそれぞれに、上下2本の係止突起部132を備えている。また、止水板103Bは、前後の起立面部131,131のそれぞれに、左右2本の起立面部パッキン部材133を備えている。また、止水板103Bは、上下の水平面部134,134のそれぞれに、左右2本の前後方向パッキン部材135と、左右方向に延びる前後2本の水平面部パッキン部材136と、水平面部134の左右方向中央部に設けられたストッパ配置領域134aとを備えている。
【0054】
止水板103Bにおいて、上下のストッパ配置領域134aのそれぞれに、ストッパ受け凹部138が形成されている。すなわち、止水板103Bには、上下2つのストッパ受け凹部138が設けられている。ストッパ受け凹部138は、止水板103Aのストッパ突起部137を収容可能なものである。各ストッパ受け凹部138は、水平面部134の中央位置に配置されている。これにより、止水板103Bを左右反転しても又は上下反転しても、2つのストッパ受け凹部138が止水板103Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0055】
また、止水板103Bの上下のストッパ配置領域134aのそれぞれに、ストッパ受け凹部138を左右で挟んで、水平面部134から上下方向に向けて突出する左右のストッパ突起部137,137が設けられている。すなわち、止水板103Bには、4つのストッパ突起部137が設けられている。
【0056】
各ストッパ配置領域134aにおいて、左右のストッパ突起部137,137は、水平面部134の中央位置に対して左右対称位置に配置されている。また、止水板103Bにおいて、4つのストッパ突起部137は、水平面部134の中央位置から同一距離だけ離れた位置に設けられている。これにより、止水板103Bを左右反転しても又は上下反転しても、4つのストッパ突起部137が止水板103Bにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0057】
図1に示すように、止水板103A又は103Bが配置される床面Fに、複数の床面ストッパ受け凹部140が設けられている。本実施形態では、3つの床面ストッパ受け凹部140が床面Fに設けられている。床面ストッパ受け凹部140は、止水板103Aのストッパ突起部137に対応する位置と、止水板103Bのストッパ突起部137に対応する位置とに設けられている。すなわち、床面ストッパ受け凹部140は、いずれの止水板103A又は103Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部137を収容できる位置に設けられている。
【0058】
本実施形態の止水装置101では、止水板103A,103Bは、左右の幅方向端面部139,139のそれぞれに左右方向に突出する上下2本の係止突起部132を備え、前後の起立面部131,131のそれぞれに上下方向に延びる左右2本の起立面部パッキン部材133を備えるとともに、上下の水平面部134,134のそれぞれに左右方向に延びる前後2本の水平面部パッキン部材136,136を備えている。4つの係止突起部132は、矩形板状の止水板103A,103Bにおける左右の幅方向端面部139,139に、正面視で起立面部131の中心位置に対して点対称になる位置に配置されている。
【0059】
本実施形態の止水装置101によれば、止水板103A,103Bを上下反転させても、左右反転させても、所定の位置に4つの係止突起部132が位置する。したがって、止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに取り付ける際に、止水板103A,103Bの向きを確認する作業が不要になるとともに、止水板103A,103Bの取付け向きの間違いが無くなり、止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに迅速且つ正確に取り付けることができる。
【0060】
また、本実施形態の止水装置101は、複数の止水板103A,103Bが上下に並べられて支持体102L,102Rに取り付けられる構成である。そして、止水板103A又は103Bは、上下の水平面部134,134のそれぞれに、上下方向に向けて突出するストッパ突起部137と、他の止水板103B又は103Aのストッパ突起部137を収容可能なストッパ受け凹部138とを備えている。それぞれの止水板103A,103Bで、ストッパ突起部137の左右方向位置が異なっているとともに、ストッパ受け凹部138が、他の止水板103B又は103Aのストッパ突起部137の左右方向位置に対応して左右方向中央位置又は左右対称位置に設けられている。さらに、止水板103A又は103Bが配置される床面Fに、複数の床面ストッパ受け凹部140が、いずれの止水板103A又は103Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部137を収容できる位置に設けられている。
【0061】
したがって、本実施形態の止水装置101によれば、複数の止水板103A,103Bを上下に並べて配置することで、止水板103A,103Bの合計高さを高くできる構成でありながら、1枚あたりの止水板103A,103Bの重量を小さくでき、止水板103A,103Bの移動作業が容易になる。
【0062】
また、上下の止水板103A,103B同士の間、及び止水板103A又は103Bと床面Fとの間を、ストッパ突起部137とストッパ受け凹部138又は床面ストッパ受け凹部140とで連結するので、水圧に起因する止水板103A,103Bの湾曲を低減でき、止水板103A,103Bの湾曲に起因する水密性の低下や止水板103A,103Bの破損を防止できる。
【0063】
また、本実施形態の止水装置101では、各止水板103A,103Bでストッパ突起部137の左右方向位置が互いに異なっているとともに、各止水板103A,103Bは、他の止水板103B又は103Aのストッパ突起部137の左右方向位置に対応して左右方向中央位置又は左右対称位置にストッパ受け凹部138を備えていることから、各止水板103A,103Bを上下反転させても、左右反転させても、止水板103A,103B同士を上下に連結可能である。
【0064】
また、止水板103A又は103Bが配置される床面Fには、いずれの止水板103A又は103Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部137を収容できる位置に複数の床面ストッパ受け凹部140が設けられているので、いずれの止水板103A又は103Bを床面Fの上に配置しても、ストッパ突起部137が床面ストッパ受け凹部140に収容される。これにより、各止水板103A,103Bの向きや、止水板103A,103Bを上下に並べる順番を気にすることなく、複数の止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに取り付けることができる。
【0065】
すなわち、図1及び図6に示すように、止水板103Aを床面Fの上に配置し、止水板103Bを止水板103Aの上に配置することもできるし、図7に示すように、止水板103Bを床面Fの上に配置し、止水板103Aを止水板103Bの上に配置することもできる。
【0066】
したがって、本実施形態の止水装置101は、支持体102L,102Rに複数の止水板103A,103Bを取り付ける構成でありながら、複数の止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに取り付ける際に、各止水板103A,103Bの向き及び上下に並べる順番を確認する作業が不要になるとともに、各止水板103A,103Bの取付け向きの間違いが無くなり、止水板103A,103Bを支持体102L,102Rに素早く且つ正確に取り付けることができる。
【0067】
次に、支持体102L,102Rの構成について説明する。図1及び図2に示すように、支持体102L,102Rは、平面視略T字形の柱状の形態を有し、左右対称の構成を有する。そこで、出入口Eの手前側(前側)から見て右側の支持体102Rについて説明し、左側の支持体102Lの詳細な説明は省略する。
【0068】
図8及び図9に示すように、支持体102Rは、止水板103A,103Bの起立面部131に当接する止水板取付け面部121を、出入口Eの側壁Wに沿って配置される縦長板状の突起保持部122から突設させた形状を有する。
【0069】
図8及び図9に示すように、支持体102Rは、平面視略T字形の形態を有し、出入口Eの側壁Wに沿って配置される縦長板状の突起保持部122と、突起保持部122の左右内向き側面122aに左右内向き(出入口Eの中央側向き)に突設された縦長板状の止水板取付け面部121とを備えている。止水板取付け面部121は、止水板103A,103Bの幅方向端部位131aが前後方向で対向配置される部分であり、止水板取付け面部121の屋外向き側面121aに、止水板103A,103Bの起立面部パッキン部材133が密着当接する。
【0070】
突起保持部122には、上下一対の下係止溝123及び上係止溝124が上下に2組設けられている。下係止溝123及び上係止溝124は、突起保持部122の左右内向き側面122aに露出するようにして、突起保持部122の屋外向き端面122bから止水板取付け面部121に向けて斜め下向きに形成されている。本実施形態では、下係止溝123及び上係止溝124は、突起保持部122を左右方向に貫通している。
【0071】
下係止溝123及び上係止溝124は、突起保持部122の屋外向き端面122bに開口した開口部位123a,124aと、開口部位123a,124aから斜め下向きに延びる傾斜部位123b,124bを備えている。下係止溝123は、傾斜部位123bの止水板取付け面部121側の端部に繋がる下向きの湾曲部位123dと、湾曲部位123dに繋がる下向きの突起保持部位123cを備えている。上係止溝124は、傾斜部位124bの止水板取付け面部121側の端部に繋がる上向きの突起保持部位124cを備えている。
【0072】
上下一対の下係止溝123及び上係止溝124における開口部位123a,124aの上下間隔は、止水板103A,103Bの上下の係止突起部132,132の間隔とほぼ同じである。上係止溝124において、傾斜部位124bの開口部位124a側端部の下面に切欠き部位124dが形成されており、開口部位124aの上下開口寸法は、傾斜部位124bの溝幅寸法よりも大きく形成されている。
【0073】
下係止溝123の傾斜部位123bは、上係止溝124の傾斜部位124bよりも緩やかに傾斜している。また、傾斜部位123bに繋がる湾曲部位123dは、下方に向けて湾曲している。
【0074】
また、突起保持部122の屋外向き端面122bには、下係止溝123の開口部位123aの下方に、屋外向きに突出した案内部125が設けられている。案内部125の案内部上面125aは、基端部側から斜め上向きに設けられており、下係止溝123の開口部位123a下辺に連続している。
【0075】
次に、図10図15を参照しながら、支持体102L,102Rへの止水板103A,103Bの取付け操作について説明する。なお、図10図15では、支持体102L,102Rのうち支持体102Rのみを図示しているが、上述のように支持体102L,102Rは左右対称に設けられるので、支持体102Lについても同様の取付け操作が行われる。また、以下に説明する取付け操作では、止水板103Aを床面F上に設置した後、止水板103A上に止水板103Bを設置しているが、止水板103Bを床面F上に設置した後に止水板103Aを設置するときの取付け操作も同様である。
【0076】
図11(A)及び図14(A)に示すように、止水板103Aの幅方向端部位131aを支持体102L,102Rの止水板取付け面部121に対峙させながら、止水板103Aの下側の係止突起部132を支持体102L,102Rの案内部125上に載置する。止水板103Aの上側の取っ手凹部131bを把持して止水板103Aを持ち上げた状態では、止水板103Aは概ね鉛直方向に沿って起立するので、下側の係止突起部132を案内部125上に載置すると、上側の係止突起部132の高さ位置が支持体102L,102Rの上係止溝124の開口部位124aに合わせられる。
【0077】
上述のように、止水板103Aの係止突起部132は、止水板103Aの上下向き、左右向き、前後向きに関わらず、止水板103Aにおける同一位置に配置される。したがって、止水板103Aを取り付ける作業者は、止水板103Aの向きを確認することなく、上下の係止突起部132,132を下係止溝123及び上係止溝124に迅速に挿入できる。
【0078】
図11(B)及び図14(B)に示すように、止水板103Aの自重で、又は止水板103Aを屋内側へ(止水板取付け面部121側へ)押し込むことで、下側の係止突起部132は案内部上面125aに沿ってスライドして下係止溝123の開口部位123aに挿入されるとともに、上側の係止突起部132は上係止溝124の開口部位124aに挿入される。開口部位123a,124aに挿入された上下の係止突起部132,132は、傾斜部位123b,124bに沿って斜め下向きにスライドする。
【0079】
上述のように、下係止溝123の傾斜部位123bは、上係止溝124の傾斜部位124bよりもゆるやかに傾斜しているので、傾斜部位123bと124bとの上下間隔は、止水板取付け面部121側へ向かうほど狭くなる。一方、止水板103Aの上下の係止突起部132,132の間隔は一定である。したがって、上下の係止突起部132,132が傾斜部位123b,124b内を移動するときに、止水板103Aは、下部側のほうが上部側よりも止水板取付け面部121に近くなるように傾く。
【0080】
図10(C)に示すように、下側の係止突起部132は、下係止溝123の傾斜部位123bに沿って湾曲部位123dに導かれる。湾曲部位123dは、下側の係止突起部132が傾斜部位123bから突起保持部位123cへ移動する際に、止水板103Aの起立面部131と水平面部134が交わる角部が支持体102L,102Rの止水板取付け面部121に接触しない程度に、下向きに湾曲している。これにより、止水板103Aの起立面部131と水平面部134が交わる角部が止水板取付け面部121に接触するのを防止でき、当該角部や係止突起部132の損傷を防止できるとともに、止水板103Aの移動がスムーズになる。
【0081】
下側の係止突起部132が下係止溝123の湾曲部位123dに位置する状態で、止水板103Aは、下部側のほうが上部側よりも止水板取付け面部121に近くなるように傾いている。止水板103Aの起立面部パッキン部材133のうち、支持体102L,102Rの止水板取付け面部121に対向する起立面部パッキン部材133の下方寄り部位が弾性変形して止水板取付け面部121に密着当接する。また、止水板103Aの下側のストッパ突起部137の先端部が床面Fの床面ストッパ受け凹部140に挿入される。
【0082】
図11(A)及び図14(C)に示すように、止水板103Aを斜め下向きに押し込むと、止水板103Aが下降し、下側の係止突起部132が下係止溝123の下向きの突起保持部位123cに嵌り込む一方、上側の係止突起部132が上係止溝124の上向きの突起保持部位124cの下方に配置される。このとき、止水板103Aは、止水板取付け面部121に沿って略鉛直方向に起立した状態になり、止水板取付け面部121に対向する起立面部パッキン部材133が弾性変形して止水板取付け面部121に密着当接する。また、下側の水平面部134の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136が弾性変形して床面Fに密着当接する。また、止水板103Aの下側のストッパ突起部137が床面Fの床面ストッパ受け凹部140に挿入される。
【0083】
止水板3Aの下降に伴って下側の水平面部パッキン部材136が床面Fに密着する際、まず、図15(A)に示すように、先端部側が前後外向きに傾斜する止水材136aの先端部が床面Fに当接する。止水板3Aがさらに下降すると、図15(B)に示すように、止水材136aは、その先端部が前後外側へ変位するように弾性変形する。このとき、止水材136aの先端部は、止水材136a及び押圧部材136bの下方で床面F上に存在するゴミや小石などの異物Sを、止水板3Aの下方から排除するように前後外側へ押し出す。これにより、止水材136aと床面Fとの間に異物が挟み込まれるのを防止でき、止水材136aと床面Fとの間に高い水密性を確保できる。また、押圧部材136bは、止水板3Aの下降に伴って止水材136aの中途部を床面Fに向けて押圧するとともに、弾性変形する。
【0084】
図11(B)、図14(D)及び図15(C)に示すように、止水板103Aを押し込む力を開放すると、下側の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136の復元力によって、止水板103A全体が上向き移動し、上側の係止突起部132が上向きの突起保持部位124cに嵌り込む。上側の係止突起部132は、上係止溝124の突起保持部位124cによって前後方向及び上向きの移動が規制される。下側の係止突起部132は、下係止溝123の下向きの突起保持部位123c内に位置し、前後方向の移動が規制される。
【0085】
このように、止水板103Aの係止突起部132を支持体102L,102Rの下係止溝123及び上係止溝124に挿入した後に止水板103Aを斜め下方へ押し込むという簡単な操作で、止水板103Aを支持体102L,102Rに確実に接続できる。
【0086】
また、止水板103Aを支持体102L,102Rに取り付けた状態で、止水板103Aの下側の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136が床面Fに密接するとともに、止水板取付け面部121側の起立面部パッキン部材133が止水板取付け面部121に密接し、止水板103Aと支持体102L,102R及び床面Fとの間の水密性が確保される。なお、上側の係止突起部132の上向き移動が上係止溝124の突起保持部位124cによって規制されるので、止水板103Aの浮き上がりが防止される。
【0087】
また、止水板103Aの下側のストッパ突起部137の先端側が床面Fの床面ストッパ受け凹部140に挿入されるので、水圧に起因する止水板103Aの湾曲を低減でき、止水板103Aの湾曲に起因する水密性の低下や止水板103Aの破損を防止できる。
【0088】
続いて、図12(A)に示すように、止水板103Bを、止水板103Aが取り付けられた支持体102L,102Rに対峙するように配置し、支持体102L,102Rの上側の下係止溝123及び上係止溝124に、止水板103Bの上下の係止突起部132,132を挿入する。
【0089】
止水板103Bは、止水板103Aと同様に、止水板103Bの向きに関わらず、止水板103Bにおける同一位置に係止突起部132が配置される。したがって、止水板103Bを取り付ける作業者は、止水板103Bの向きを確認することなく、上下の係止突起部132,132を下係止溝123及び上係止溝124に迅速に挿入できる。
【0090】
図12(B)に示すように、止水板103Bの自重で、又は止水板103Bを屋内側へ(止水板取付け面部121側へ)押し込むと、上下の係止突起部132,132は係止溝123,124の開口部位123a,124aに挿入される。開口部位123a,124aに挿入された上下の係止突起部132,132は、止水板103Aの取付け時と同様に、傾斜部位123b,124bに沿って斜め下向きにスライドする。
【0091】
図12(C)に示すように、下側の係止突起部132は、下係止溝123の傾斜部位123bに沿って湾曲部位123dに導かれる。この状態で、止水板103Bの起立面部パッキン部材133のうち、支持体102L,102Rの止水板取付け面部121に対向する起立面部パッキン部材133の下方寄り部位が弾性変形して止水板取付け面部121に密着当接する。
【0092】
また、止水板103Bの下側のストッパ突起部137の先端部が止水板103Aのストッパ受け凹部138の上方に配置され、止水板103Bの下側のストッパ受け凹部138が止水板103Aのストッパ突起部137の上方に配置される。また、図15(D)に示すように、止水板103Aと103Bの間で上下に対向する水平面部パッキン部材136の止水材136aの先端部同士が接触する。
【0093】
図13(A)に示すように、止水板103Bを斜め下向きに押し込むと、止水板103Aの取付け時と同様に、下側の係止突起部132が下係止溝123の突起保持部位123cに嵌り込む一方、上側の係止突起部132が上係止溝124の突起保持部位124cの下方に配置される。また、図15(E)に示すように、止水板取付け面部121に対向する止水板103Bの起立面部パッキン部材133が弾性変形して止水板取付け面部121に密着当接する。
【0094】
また、止水板103Aと103Bの間で上下に対向する前後方向パッキン部材135同士及び水平面部パッキン部材136同士がそれぞれ弾性変形して互いに密着当接する。また、止水板103Bの下側のストッパ突起部137が止水板103Aの上側のストッパ受け凹部138に挿入され、止水板103Bの下側のストッパ受け凹部138に止水板103Aの上側のストッパ突起部137に挿入される。
【0095】
図13(B)に示すように、止水板103Aを押し込む力を開放すると、止水板103Aと103Bの間の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136の復元力によって、止水板103B全体が上向き移動し、上側の係止突起部132が上向きの突起保持部位124cに嵌り込んで、上側の係止突起部132の前後方向及び上向きの移動が規制される。下側の係止突起部132は、下係止溝123の下向きの突起保持部位123c内に位置し、前後方向の移動が規制される。
【0096】
図15(F)に示すように、止水板103A、103B間の上下の水平面部パッキン部材136の止水材136a同士は、先端部同士が当接して前後外側に広がるように弾性変形するとともに、それぞれ弾性変形した上下の押圧部材136b,136bに挟み込まれて、互いに密着当接している。なお、止水板103Aと103Bの間の上下の前後方向パッキン部材135同士は、それぞれ弾性変形しながら互いに密着当接している。
【0097】
このように、止水板103Bの係止突起部132を支持体102L,102Rの下係止溝123及び上係止溝124に挿入した後に止水板103Bを斜め下方へ押し込むという簡単な操作で、止水板103Bを支持体102L,102Rに確実に接続できるとともに、止水板3Bの上向き移動が規制されて、止水板3Bの浮き上がりを防止できる。
【0098】
また、止水板103A及び103Bを支持体102L,102Rに取り付けた状態で、止水板103Bの下側の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136と、止水板103Aの上側の前後方向パッキン部材135及び水平面部パッキン部材136とが、互いに密着当接するとともに押圧変形する。これにより、止水板103Aと止水板103Bとの間に高い水密性を確保できる。
【0099】
また、止水板103Bの下側のストッパ突起部137の先端側が止水板103Aの上側のストッパ受け凹部138に挿入されるとともに、止水板103Aの上側のストッパ突起部137の先端側が止水板103Bの下側のストッパ受け凹部138に挿入される。これにより、水圧に起因する止水板103A、103Bの湾曲を低減でき、止水板103A,103Bの湾曲に起因する水密性の低下や止水板103Aの破損を防止できる。
【0100】
次に、本願発明を具体化した他の実施形態を図面に基づいて説明する。また、各方向を特定するため、前後・左右の文言を使用するが、図16及び図17に示すように、一対の支持体が間隔を空けて配置される方向を左右方向とし、これと直交した方向を前後方向と定義している。
【0101】
図16及び図17に示すように、本実施形態の止水装置1は、例えば地下鉄駅や地下駐車場、建物などの構造物への水の侵入を防止するために、構造物の出入口Eに設置される。止水装置1は、間隔を空けて設置された左右の支持体2L,2Rと、左右の支持体2L,2Rに着脱可能に取り付けられて立設される止水板3A,3Bとを備えている。
【0102】
止水板3A,3Bは、支持体2L,2Rと当接する面31より支持体2L,2Rに向けて突起させた係止突起部32を有しており、止水板3A,3Bが支持体2L,2Rに対して前後方向に移動されるとともに、係止突起部32が支持体2L,2Rに設けた係止穴22に挿入されて係止されることで、止水板3A,3Bが支持体2L,2Rに接続される。これにより、止水板3A,3Bを前後へスライドさせることで、止水板3A,3Bを支持体の高さ以上に持ち上げなくても止水板を支持体2L,2Rに接続できるので、止水板3A,3Bを迅速且つ容易に設置できる。
【0103】
本実施形態では、左右の支持体2L,2Rは、出入口Eの左右端位置で床面Fに立設されるとともに、出入口Eの左右の側壁W及び床面Fとの間の水密性を接着剤又は弾性体などで確保しながら、床面F及び側壁Wに固着されている。また、止水板は、上下に分割された上下2枚の止水板3A,3Bで構成されている。
【0104】
図16図25を参照しながら、止水装置1の概略構成について説明する。図18及び図19に示された止水板3Aに関し、底面図は平面図と同一であり、背面図は正面図と同一であり、左側面図は右側面図と同一である。また、図20に示された止水板3Bに関し、底面図は平面図と同一であり、背面図は正面図と同一であり、左側面図は右側面図と同一である。
【0105】
図18図20に示すように、止水板3A,3Bは、矩形板状の形態を有し、前後の起立面部31,31における左右の幅方向端部位31a,31aのそれぞれに、係止突起部32と起立面部パッキン部材33とを備えている。係止突起部32は、前後に延びる軸部32bの先端に幅広の頭部32aを有している。起立面部パッキン部材33は、上下方向に延びる弾性体で形成されている。なお、止水板3A,3Bの内部は、中空部分を有する構造であってもよい。
【0106】
図16図17及び図23図25に示すように、左右の支持体2L,2Rは、止水板3A,3Bの起立面部31の幅方向端部位31aが対向配置される止水板取付け面部21の上下2箇所に、係止突起部32を係止するための係止穴22を備えている。係止穴22は、上下縦長で下方側が幅狭の鍵穴状であり、係止突起部32の頭部32aを挿通可能な頭部挿通穴22aと、頭部挿通穴22aから下方に向けて延びる軸部挿通溝22bを有している。
【0107】
止水板3A,3Bが支持体2L,2Rに取り付けられる際には、係止突起部32の頭部32aを係止穴22の頭部挿通穴22aに挿入した後、止水板3A,3Bを下方へスライドさせて、係止突起部32の軸部32bを係止穴22の軸部挿通溝22bに位置させる。これにより、止水板3A,3Bは、支持体2L,2Rに、前後に引き抜き不能に接続される。また、起立面部31の幅方向端部位31aに設けられた起立面部パッキン部材33が止水板取付け面部21に密接することで、止水板3A,3Bと支持体2L,2Rとの間の水密性が確保される。
【0108】
このように、止水装置1によれば、止水板3A,3Bを支持体2R,2Lの高さ以上に持ち上げなくても支持体2R,2Lに接続できるので、止水板3A,3Bを迅速且つ容易に設置できる。また、止水板3A,3Bを支持体2R,2Lの高さ以上に持ち上る必要がないので、年配者や女性などの非力な作業者であっても、止水板3A,3Bを支持体2R,2Lに迅速且つ容易に設置できる。
【0109】
図18図22を参照しながら、止水板3A,3Bの詳細な構成について説明する。止水板3A,3Bは、例えば炭素繊維強化プラスチック製又は金属製であり、矩形板状の形態を有する。止水板3Aと止水板3Bは、後述するストッパ突起部37及びストッパ受け凹部38の位置及び個数が互いに異なることを除いて、同じ形態を有している。そこで、止水板3Aの構成について説明した後、止水板3Bについて止水板3Aとは異なる構成部分を説明する。
【0110】
図18及び図19に示すように、止水板3Aの前後の起立面部31,31のそれぞれに、左右一対の係止突起部32と、左右一対の起立面部パッキン部材33とが設けられている。上述のように、係止突起部32及び起立面部パッキン部材33は、起立面部31の左右の幅方向端部位31a,31aのそれぞれに設けられている。すなわち、止水板3Aには、4つの係止突起部32と、4本の起立面部パッキン部材33が設けられている。
【0111】
係止突起部32が、止水板3Aにおける前後の起立面部31のうち少なくとも一方の起立面部31に複数設けられており、同一の起立面部31に設けられた係止突起部32は、起立面部31の中心に対して点対称となる位置に配置される。これにより、止水板3Aを上下反転させたとしても、係止突起部32を係止穴22に係止できるため、緊急時において止水板3Aの上下を確認せずとも容易に且つ迅速に支持体に接続できる。
【0112】
すなわち、同一高さ位置に配置された係止突起部32は、同一の起立面部31上において左右対称となる位置に配置されている。また、本実施形態においては、左右の幅方向端部位31a,31aのそれぞれにおいて、高さ方向で中心となる位置に一つの係止突起部32が突設されるものとしているが、複数の係止突起部32が上下対称となる位置に突設しても構わない。
【0113】
係止突起部32は、起立面部31に取り付けられる取付板部32cと、取付板部32cに突設された軸部32bと、軸部32bの先端に設けられた頭部32aと、軸部32bに沿って設けられた上下一対の補強リブ32d,32dを備えている。取付板部32cは略矩形板状である。軸部32bは、取付板部32cの中央部から前後一方向に向けて突設されている。
【0114】
頭部32aは、左右端面が略楕円形の略楕円柱形状を有し、頭部32aの左右方向幅は、軸部32bの左右方向幅よりも大きい。すなわち、頭部32aは、軸部32bよりも左右方向に幅広に形成されている。補強リブ32dは、側面視で取付板部32c側が広い略直角三角形板状の形態を有し、取付板部32cから軸部32bに沿って延びて、補強リブ32dの先端部は頭部32aに到達している。
【0115】
4つの係止突起部32は、止水板3Aにおける4つの幅方向端部位31aに、起立面部31の左右方向中心線Cからの距離が同じで、且つ起立面部31の上下方向中央位置に位置するように、それぞれ配置されている。これにより、止水板3Aを左右反転しても又は上下反転しても、4つの係止突起部32の頭部32aが止水板3Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0116】
なお、前後の起立面部31,31のそれぞれには、幅方向中央部に、4つの左右横長の取っ手凹部31bが設けられている。これらの取っ手凹部31bは、中心位置が起立面部31と同一位置の仮想長方形の4つの角部に配置されている。すなわち、止水板3Aを左右反転しても又は上下反転しても、4つの取っ手凹部31bが止水板3Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。これにより、作業者が止水板3Aを持ち運ぶ際に、止水板3Aの向きにかかわらず、持ち上げたときの感覚を同じにできる。
【0117】
図18及び図19に示すように、幅方向端部位31aにおいて、起立面部パッキン部材33は、起立面部31の上下方向の一端から他端にわたって連続して、係止突起部32よりも左右外側位置に配置されている。これにより、止水板3Aが支持体2R,2Lに取り付けられたときに、起立面部パッキン部材33は、支持体2R,2Lの係止穴22よりも左右外側位置で止水板取付け面部21に密接するので、係止穴22を介して支持体2R,2L内部に水が侵入するのを防止できる。
【0118】
また、起立面部パッキン部材33は、上下に延びる水膨張性止水材33aと、水膨張性止水材33aを左右で挟んで上下に延びる左右の耐水性止水材33b,33bとで構成されている。水膨張性止水材33aは、例えば水膨張ゴム製である。耐水性止水材33bは、例えば断面D字形の中空のゴム製である。起立面部パッキン部材33が水膨張性止水材33aを含む左右3重構造に形成されているので、起立面部31と止水板取付け面部21との間の水密性を高めることができる。
【0119】
なお、平面視で前後に並ぶ2本の起立面部パッキン部材33,33の端部は、止水板3Aの上下の水平面部34,34のそれぞれに設けられる前後方向パッキン部材35に連続している。すなわち、前後2本の起立面部パッキン部材33と上下2本の前後方向パッキン部材35は、連続して環状に設けられている。なお、前後方向パッキン部材35は、水膨張性止水材35aと左右の耐水性止水材35b,35bとで構成されており、起立面部パッキン部材33と同様に、左右3重構造に形成されている。
【0120】
図18及び図19に示すように、上下の水平面部34,34のそれぞれに、ストッパ突起部37とストッパ受け凹部38とが配置されるストッパ配置領域39が設けられている。本実施形態では、ストッパ配置領域39は、水平面部34の左右方向中央部に設けられている。
【0121】
上下2つのストッパ配置領域39のそれぞれに、水平面部34から上下方向に向けて突出するストッパ突起部37が設けられている。すなわち、止水板3Aには、2つのストッパ突起部37が設けられている。各ストッパ突起部37は、水平面部34の中央位置(左右方向中央位置かつ前後方向中央位置)に配置されている。これにより、止水板3Aを左右反転しても又は上下反転しても、上下2つのストッパ突起部37が止水板3Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0122】
また、各ストッパ配置領域39には、ストッパ突起部37を左右で挟んで、左右のストッパ受け凹部38,38が形成されている。すなわち、止水板3Aには、4つのストッパ受け凹部38が設けられている。ストッパ受け凹部38は、後述する止水板3Bのストッパ突起部37を収容可能なものであり、ストッパ受け凹部38の内径は、ストッパ突起部37の外径よりも少し大きく形成されている。
【0123】
各ストッパ配置領域39において、左右のストッパ受け凹部38,38は、水平面部34の中央位置に対して左右対称位置に配置されている。また、止水板3Aにおいて、4つのストッパ受け凹部38は、水平面部34の中央位置から同一距離だけ離れた位置に設けられている。これにより、止水板3Aを左右反転しても又は上下反転しても、4つのストッパ受け凹部38が止水板3Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0124】
図18及び図19に示すように、止水板3Aの上下の水平面部34,34のそれぞれに、左右方向に延びる弾性体からなる2本の水平面部パッキン部材136と、上述の前後方向パッキン部材35が設けられている。前後方向パッキン部材35は、水平面部34の左右の幅方向端部位にそれぞれ設けられている。2本の水平面部134の前後方向中央部を前後で挟んで互いに平行に配置されている。水平面部パッキン部材136の左右両端部は、左右の前後方向パッキン部材35に隙間なく接続されている。
【0125】
水平面部パッキン部材136は、図1図15を参照して説明した止水装置101の止水板103A,103Bの水平面部パッキン部材136と同じ構成を有する。すなわち、各水平面部パッキン部材136は、互いに平行に左右方向に延びる2本の止水材136a,136aと1本の押圧部材136bとで構成されている。
【0126】
水平面部パッキン部材136は、止水板3A又は3Bが床面F上に設置されるときに、まず、止水材136aの先端部が床面Fに接触し、止水板3A又は3Bが下方へ移動するに従って、止水材136aは、その先端部が床面Fに沿って前後外側へ変位するように弾性変形し、床面F上のゴミや小石などの異物を止水板3A又は3Bの下方から排除する。これにより、止水材136aと床面Fとの間に異物が挟み込まれるのを防止でき、止水材136aと床面Fとの間に高い水密性を確保できる。
【0127】
次に、図20を参照しながら止水板3Bについて説明する。上述のように、止水板3Aと止水板3Bは、ストッパ突起部37及びストッパ受け凹部38の位置及び個数が互いに異なることを除いて、同じ形態を有している。すなわち、止水板3Bは、前後の起立面部31,31のそれぞれに、4つの係止突起部32と、左右2本の起立面部パッキン部材33とを備えている。また、止水板3Bは、上下の水平面部34,34のそれぞれに、左右2本の前後方向パッキン部材35と、左右方向に延びる前後2本の水平面部パッキン部材136と、水平面部34の左右方向中央部に設けられたストッパ配置領域39とを備えている。
【0128】
止水板3Bにおいて、上下のストッパ配置領域39のそれぞれに、ストッパ受け凹部38が形成されている。すなわち、止水板3Bには、上下2つのストッパ受け凹部38が設けられている。ストッパ受け凹部38は、止水板3Aのストッパ突起部37を収容可能なものである。各ストッパ受け凹部38は、水平面部34の中央位置に配置されている。これにより、止水板3Bを左右反転しても又は上下反転しても、2つのストッパ受け凹部38が止水板3Aにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0129】
また、止水板3Bの上下のストッパ配置領域39のそれぞれに、ストッパ受け凹部38を左右で挟んで、水平面部34から上下方向に向けて突出する左右のストッパ突起部37,37が設けられている。すなわち、止水板3Bには、4つのストッパ突起部37が設けられている。
【0130】
各ストッパ配置領域39において、左右のストッパ突起部37,37は、水平面部34の中央位置に対して左右対称位置に配置されている。また、止水板3Bにおいて、4つのストッパ突起部37は、水平面部34の中央位置から同一距離だけ離れた位置に設けられている。これにより、止水板3Bを左右反転しても又は上下反転しても、4つのストッパ突起部37が止水板3Bにおいて同一位置に位置するように構成されている。
【0131】
図16に示すように、止水板3A又は3Bが配置される床面Fに、複数の床面ストッパ受け凹部40が設けられている。本実施形態では、3つの床面ストッパ受け凹部40が床面Fに設けられている。床面ストッパ受け凹部40は、止水板3Aのストッパ突起部37に対応する位置と、止水板3Bのストッパ突起部37に対応する位置とに設けられている。すなわち、床面ストッパ受け凹部40は、いずれの止水板3A又は3Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部37を収容できる位置に設けられている。
【0132】
本実施形態の止水装置1では、止水板3A,3Bは、前後の起立面部31,31のそれぞれに、4つの係止突起部32及び起立面部パッキン部材33を備えるとともに、上下の水平面部34,34のそれぞれに、左右方向に延びる弾性体からなる前後2本の水平面部パッキン部材136を備えている。4つの係止突起部32は、止水板3A,3Bにおける4つの幅方向端部位31aに、起立面部31の左右方向中心線Cからの距離が同じで、且つ起立面部31の上下方向中央位置に位置するように、それぞれ配置されている。
【0133】
本実施形態の止水装置1によれば、止水板3A,3Bを上下反転させても、左右反転させても、所定の位置に4つの係止突起部32が位置する。したがって、止水板3A,3Bを支持体2L,2Rに取り付ける際に、止水板3A,3Bの向きを確認する作業が不要になるとともに、止水板3A,3Bの取付け向きの間違いが無くなり、止水板3A,3Bを支持体2L,2Rに迅速且つ正確に取り付けることができる。
【0134】
また、本実施形態の止水装置1は、複数の止水板3A,3Bが上下に並べられて支持体2L,2Rに取り付けられる構成である。そして、止水板3A又は3Bは、上下の水平面部34,34のそれぞれに、上下方向に向けて突出するストッパ突起部37と、他の止水板3B又は3Aのストッパ突起部37を収容可能なストッパ受け凹部38とを備えている。それぞれの止水板3A,3Bで、ストッパ突起部37の左右方向位置が異なっているとともに、ストッパ受け凹部38が、他の止水板3B又は3Aのストッパ突起部37の左右方向位置に対応して左右方向中央位置又は左右対称位置に設けられている。さらに、止水板3A又は3Bが配置される床面Fに、複数の床面ストッパ受け凹部40が、いずれの止水板3A又は3Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部37を収容できる位置に設けられている。
【0135】
したがって、本実施形態の止水装置1によれば、複数の止水板3A,3Bを上下に並べて配置することで、止水板3A,3Bの合計高さを高くできる構成でありながら、1枚あたりの止水板3A,3Bの重量を小さくでき、止水板3A,3Bの移動作業が容易になる。
【0136】
また、上下の止水板3A,3B同士の間、及び止水板3A又は3Bと床面Fとの間を、ストッパ突起部37及びストッパ受け凹部38で連結するので、水圧に起因する止水板3A,3Bの湾曲を低減でき、止水板3A,3Bの湾曲に起因する水密性の低下や止水板3A,3Bの破損を防止できる。
【0137】
また、本実施形態の止水装置1では、各止水板3A,3Bでストッパ突起部37の左右方向位置が互いに異なっているとともに、各止水板3A,3Bは、他の止水板3B又は3Aのストッパ突起部37の左右方向位置に対応して左右方向中央位置又は左右対称位置にストッパ受け凹部38を備えていることから、各止水板3A,3Bを上下反転させても、左右反転させても、止水板3A,3B同士を上下に連結可能である。
【0138】
また、止水板3A又は3Bが配置される床面Fには、いずれの止水板3A又は3Bが床面Fの上に配置されてもストッパ突起部37を収容できる位置に複数の床面ストッパ受け凹部40が設けられているので、いずれの止水板3A又は3Bを床面Fの上に配置しても、ストッパ突起部37が床面ストッパ受け凹部40に収容される。これにより、各止水板3A,3Bの向きや、止水板3A,3Bを上下に並べる順番を気にすることなく、複数の止水板3A,3Bを支持体2L,2Rに取り付けることができる。
【0139】
すなわち、図16及び図21に示すように、止水板3Aを床面Fの上に配置し、止水板3Bを止水板3Aの上に配置することもできるし、図22に示すように、止水板3Bを床面Fの上に配置し、止水板3Aを止水板3Bの上に配置することもできる。
【0140】
したがって、本実施形態の止水装置1は、支持体2L,2Rに複数の止水板3A,3Bを取り付ける構成でありながら、複数の止水板3A,3Bを支持体2L,2Rに取り付ける際に、各止水板3A,3Bの向きを確認する作業が不要になるとともに、各止水板3A,3Bの取付け向きの間違いが無くなり、止水板3A,3Bを支持体2L,2Rに素早く且つ正確に取り付けることができる。
【0141】
次に、支持体2L,2Rの構成について説明する。図16及び図17に示すように、支持体2L,2Rは、中空構造の四角柱状の形態を有し、左右対称の構成を有する。そこで、出入口Eの手前側(前側)から見て左側の支持体2Lについて説明し、右側の支持体2Rの詳細な説明は省略する。
【0142】
図23図25に示すように、支持体2Lは、平面視略長方形であり、出入口Eの手前側から見て正面に位置する止水板取付け面部21と、止水板取付け面部21の左右端部に連結された左右外側面部23及び左右内側面部24と、止水板取付け面部21に対向配置されるカバー部25とを備えている。支持体2Lの下端側は板状の底面部26により塞がれている。支持体2Lの上端側は板状の天面部27により塞がれている。
【0143】
支持体2Lの左右外側面部23は、複数の側面固定ネジ28にて、出入口Eの左側の側壁Wに固定される。また、底面部26は、複数の底面固定ネジ29にて、出入口Eの左端部に位置する床面Fに固定される。左右外側面部23と側壁Wの間、及び底面部26の間は、接着剤又は弾性体などの止水材によって、水密性が確保されている。
【0144】
止水板取付け面部21の上下2箇所に、止水板3A,3Bの係止突起部32が嵌め込まれる係止穴22が設けられている。一方の係止穴22には止水板3A又は3Bの係止突起部32が嵌め込まれ、他方の係止穴22には止水板3B又は3Aの係止突起部32が嵌め込まれる。
【0145】
係止穴22は、止水板3A,3Bの係止突起部32の頭部32aを挿通可能な頭部挿通穴22aと、頭部挿通穴22aから下方に向けて延びる軸部挿通溝22bとを有し、上下縦長の略鍵穴状の形状を有している。上下に延びる軸部挿通溝22bの幅寸法は、係止突起部32の頭部32aの左右幅寸法よりも小さく、かつ、係止突起部32の軸部32b及び補強リブ32dの幅寸法よりも大きい。頭部挿通穴22aの下辺22cは、軸部挿通溝22bを挟んで左右に分割されており、各下辺22cは、軸部挿通溝22b側ほど下方に位置するように傾斜している。
【0146】
支持体2Lの内部に、係止穴22の頭部挿通穴22aの下方に配置されて係止突起部32の頭部32aを保持する頭部保持部30が設けられている。本実施形態では、1つの係止穴22に対して左右一対の頭部保持部30が設けられている。頭部保持部30は、止水板取付け面部21の内部側面に、係止穴22の軸部挿通溝22bを挟んで取り付けられている。
【0147】
頭部保持部30は、略楔形の形態を有し、下方側ほど止水板取付け面部21から離れるように傾斜する頭部スライド面30aと、頭部スライド面の下方に設けられて係止突起部32の頭部32aが嵌り込む左右横長溝状の頭部保持凹部30bとを備えている。
【0148】
また、支持体2Lの内部に、頭部保持凹部30bに保持された係止突起部32の頭部32aを、操作ハンドル42を回動させることで跳ね上げ可能な解除装置41が設けられている。本実施形態では、左右内側面部24の内部壁面に、上下2つの解除装置41が上下に並んで取り付けられている。
【0149】
解除装置41は、作業者が把持する把持部42aを一端に有し、他端に作用部42bを有する操作ハンドル42を備える。操作ハンドル42の中途部は、左右内側面部24に取り付けられるベース部材43に、回動自在に軸支される。すなわち、作業者が把持部42aを手前側に引いて下向き回動させると、作用部42bが上向き回動するように構成されている。また、ベース部材43の下方に、操作ハンドル42の作用部42bと係合して操作ハンドル42を位置固定可能なハンドル固定部材44が設けられている。
【0150】
支持体2Lにおいて、カバー部25は、ヒンジ部材45によって開閉可能に設けられている。カバー部25は、閉じた状態で、図示しないシリンダー錠又はマグネット等の固定具によって回動不能に固定されている。
【0151】
次に、図26図30を参照しながら、支持体2L,2Rへの止水板3A,3Bの取付け操作について説明する。なお、図26図30では、支持体2L,2Rのうち支持体2Lのみを図示しているが、上述のように支持体2L,2Rは左右対称に設けられるので、支持体2Rについても同様の取付け操作が行われる。
【0152】
図27に示すように、支持体2L,2Rに対峙するように止水板3Aを配置し、止水板3Aを少し持ち上げて、支持体2L,2Rの下側の係止穴22の頭部挿通穴22aに、止水板3Aの係止突起部32の頭部32aを挿入する(図26(A),(B)も参照)。
【0153】
上述のように、止水板3Aの係止突起部32は、止水板3Aの上下向き、左右向き、前後向きに関わらず、起立面部31における同一位置に配置される。したがって、止水板3Aを取り付ける作業者は、止水板3Aの向きを確認することなく、迅速に係止突起部32の頭部32aを係止穴22の頭部挿通穴22aに挿入できる。
【0154】
作業者が止水板3Aを持ち上げる力を抜くと、止水板3Aの重さで、止水板3Aが下方へ変位し、係止突起部32の軸部32b及び補強リブ32dが係止穴22の軸部挿通溝22bに嵌り込むとともに、頭部32aが頭部保持部30の頭部スライド面30aに当接する。ここで、頭部32aを頭部挿通穴22aに挿通したときに軸部32b及び補強リブ32dが軸部挿通溝22bに対して左右方向に位置ズレしていても、軸部32b及び補強リブ32dは、軸部挿通溝22b側へ下向きに傾斜する下辺22cに沿って軸部挿通溝22bに案内される。これにより、軸部32b及び補強リブ32dを軸部挿通溝22bに容易かつ確実に嵌め込むことができる。また、止水板3Aの下側のストッパ突起部37の先端部が床面Fの床面ストッパ受け凹部40に挿入される。
【0155】
止水板3Aを下方へスライドさせるように押し込むと、係止突起部32の頭部32aは、頭部保持部30の頭部スライド面30aに沿って、支持体2L,2Rの止水板取付け面部21から離れるように斜め下向きに移動する。このとき、止水板3Aの起立面部31は、止水板取付け面部21に近づくように変位し、起立面部パッキン部材33が止水板取付け面部21に密着当接するとともに押圧変形する。
【0156】
図28に示すように、止水板3Aをさらに下方へスライドさせると、係止突起部32の頭部32aが頭部保持部30の頭部保持凹部30bに到達して、頭部32aの軸部32b寄り部位が頭部保持凹部30bに嵌り込む(図26(C)も参照)。頭部32aは、弾性体からなる起立面部パッキン部材33の復元力によって頭部保持凹部30bに付勢されて、頭部保持凹部30b内に保持される。
【0157】
このように、止水板3Aの係止突起部32の頭部32aを支持体2L,2Rの係止穴22の頭部挿通穴22aに挿入した後に止水板3Aを下方へスライドさせるという簡単な操作で、止水板3Aを支持体2L,2Rに確実に接続できるとともに、止水板3Aの上向き移動が規制されて、止水板3Aの浮き上がりを防止できる。
【0158】
また、係止突起部32の頭部32aが頭部保持凹部30bに嵌り込んだ状態で、止水板3Aの下側の前後方向パッキン部材35(図18等参照)及び水平面部パッキン部材136が床面Fに密着当接するとともに押圧変形する。水平面部パッキン部材136は、図15(A)~(C)を参照して説明した動作と同様に、止水材136aの先端部が床面Fに沿って前後外側へ変位することで、ゴミや小石などの異物Sを、止水板3Aの下方から排除する。これにより、止水材136aと床面Fとの間に異物が挟み込まれるのを防止でき、止水板3Aと床面Fとの間に高い水密性を確保できる。また、止水板3Aの下側のストッパ突起部37の先端側が床面Fの床面ストッパ受け凹部40に挿入されるので、水圧に起因する止水板3Aの湾曲を低減でき、止水板3Aの湾曲に起因する水密性の低下や止水板3Aの破損を防止できる。
【0159】
続いて、図29に示すように、止水板3Bを、止水板3Aが取り付けられた支持体2L,2Rに対峙するように配置し、止水板3Bを止水板3Aの上方まで持ち上げて、支持体2L,2Rの上側の係止穴22の頭部挿通穴22aに、止水板3Bの係止突起部32の頭部32aを挿入する。
【0160】
止水板3Bは、止水板3Aと同様に、止水板3Bの向きに関わらず、起立面部31における同一位置に係止突起部32が配置される。したがって、止水板3Bを取り付ける作業者は、止水板3Bの向きを確認することなく、係止突起部32の頭部32aを係止穴22の頭部挿通穴22aに迅速に挿入できる。
【0161】
作業者が止水板3Bを持ち上げる力を抜くと、止水板3Aの取付け時と同様に、止水板3Bが下方へ変位して、係止突起部32の頭部32aが頭部保持部30の頭部スライド面30aに当接する。また、止水板3Bの下側のストッパ突起部37の先端部が止水板3Aの上側のストッパ受け凹部38に挿入される一方、止水板3Aの上側のストッパ突起部37の先端部が止水板3Bの下側のストッパ受け凹部38に挿入される。
【0162】
そして、止水板3Bを下方へスライドさせるように押し込むと、止水板3Aの取付け時と同様に、係止突起部32の頭部32aが頭部保持部30の頭部スライド面30aに沿って斜め下向きに移動とともに、止水板3Bの起立面部31が止水板取付け面部21に近づくように変位し、止水板3Bの起立面部パッキン部材33が止水板取付け面部21に密着当接するとともに押圧変形する。
【0163】
図30に示すように、止水板3Bをさらに下方へスライドさせると、止水板3Aの取付け時と同様に、係止突起部32の頭部32aが頭部保持凹部30bに到達し、起立面部パッキン部材33の復元力によって頭部32aが頭部保持凹部30bに嵌り込む。このように、止水板3Bの係止突起部32の頭部32aを支持体2L,2Rの上側の係止穴22の頭部挿通穴22aに挿入した後に止水板3Bを下方へスライドさせるという簡単な操作で、止水板3Bを支持体2L,2Rに確実に接続できるとともに、止水板3Bの上向き移動が規制されて、止水板3Bの浮き上がりを防止できる。
【0164】
また、止水板3Bの係止突起部32の頭部32aが頭部保持凹部30bに嵌り込んだ状態で、止水板3Bの下側の前後方向パッキン部材35及び水平面部パッキン部材136と、止水板3Aの上側の前後方向パッキン部材35及び水平面部パッキン部材136とが、図15(D)に示した状態と同様にして、互いに密着当接するとともに押圧変形する。これにより、止水板3Aと止水板3Bとの間に高い水密性を確保できる。
【0165】
また、止水板3Bの下側のストッパ突起部37の先端側が止水板3Aの上側のストッパ受け凹部38に挿入されるとともに、止水板3Aの上側のストッパ突起部37の先端側が止水板3Bの下側のストッパ受け凹部38に挿入される。これにより、水圧に起因する止水板3A、3Bの湾曲を低減でき、止水板3A,3Bの湾曲に起因する水密性の低下や止水板3Aの破損を防止できる。
【0166】
次に、図31を参照しながら、支持体2L,2Rに取り付けられた止水板3A,3Bの取外し操作について説明する。なお、図31では支持体2L,2Rのうち支持体2Lを図示しているが、上述のように支持体2L,2Rは左右対称に設けられるので、支持体2Rについても同様の取り外し操作が行われる。
【0167】
まず、支持体2Lのカバー部25を開いて、解除装置41を操作可能な状態にする。上下2つの解除装置41のうち上側の解除装置41の操作ハンドル42の把持部42aを握り、把持部42aを手前側(止水板取付け面部21とは反対側)に引いて下向き回動させる。把持部42aの下向き回動にともなって、操作ハンドル42の作用部42bが上向き回動してハンドル固定部材44から外れる。
【0168】
把持部42aをさらに下向き回動させると、作用部42bは、さらに上向き回動して、止水板3Bの係止突起部32の頭部32aに下方から当接し、頭部32aを押し上げる。頭部32aは頭部保持部30の頭部保持凹部30bから外れて、頭部スライド面30aの下端部位へ移動し、係止突起部32の頭部32aと頭部保持部30の頭部保持凹部30bとの係合が解除される(図31(A)参照)。
【0169】
頭部32aと頭部保持凹部30bとの係合が解除された状態で、係止突起部32の頭部32aは、起立面部31と止水板取付け面部21との間の起立面部パッキン部材33の復元力によって、頭部スライド面30aに押し付けられる。これにより、操作ハンドル42の作用部42bが係止突起部32の頭部32aから離れても、頭部32aが頭部保持部30の頭部保持凹部30bに再び嵌り込まないように構成されている。
【0170】
また、頭部32aと頭部保持凹部30bとの係合が解除されたときに、係止突起部32の頭部32aが頭部保持部30の頭部スライド面30aに接触するようにされていることで、頭部32aが係止穴22から抜けないように構成されている。これにより、作業者が操作ハンドル42を操作したときに、止水板3Bが支持体2L,2Rから不意に外れるのを防止でき、止水板3Bの落下や転倒に起因する事故を防止して止水板取外し作業の安全性を向上できるとともに、止水板3Bの損傷を防止できる。
【0171】
作業者は、左右の支持体2L,2Rについて、上側の解除装置41の操作ハンドル42を操作して、止水板3Bの係止突起部32頭部32aと頭部保持部30の頭部保持凹部30bとの係合を解除する。この状態で、作業者が係止突起部32を係止穴22から引き抜くように止水板3Bを斜め上方へ向けて持ち上げることで、止水板3Bが支持体2L,2Rから取り外される。
【0172】
止水板3Bを取り外した後、左右の支持体2L,2Rについて、下側の解除装置41の操作ハンドル42を上側の解除装置41の解除操作と同様に操作して、止水板3Aの係止突起部32頭部32aと頭部保持部30の頭部保持凹部30bとの係合を解除する(図31(B)参照)。そして、作業者が係止突起部32を係止穴22から引き抜くように止水板3Bを斜め上方へ向けて持ち上げることで、止水板3Bが支持体2L,2Rから取り外される。
【0173】
このときも、止水板3Bの係合解除操作時と同様に、止水板3Aの係止突起部32の頭部32aが頭部スライド面30aに接触するように構成されているので、頭部32aが頭部保持凹部30bに再び嵌り込むのを防止できるとともに、止水板3Aの不意な転倒に起因する事故等を防止できる。
【0174】
このように、作業者は、一人で止水板3A,3Bを支持体2L,2Rから安全かつ容易に取り外すことができる。なお、係止突起部32の頭部32aと頭部保持部30の頭部保持凹部30bとの係合が解除された後、解除装置41の操作ハンドル42が垂直位置に戻されて、作用部42bがハンドル固定部材44に係止される。そして、上下の解除装置41の操作ハンドル42が垂直位置に戻された後、カバー部25が閉じられる。
【0175】
次に、図32図34を参照しながら、止水装置1の他の実施形態について説明する。この実施形態では、止水板3A,3Bの係止突起部32の頭部32aの形状と、支持体2L,2Rの頭部保持部30の頭部保持凹部30bの形状とが、図16図31を参照して説明した上記実施形態とは異なっている。この実施形態のその他の構成は、上記実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0176】
図32に示すように、止水板3Aにおいて、各係止突起部32の頭部32aは球状の形態を有する。球状の頭部32aの直径は、軸部32bの左右幅寸法よりも大きい。なお、図32は、止水板3A,3Bのうち止水板3Aのみを図示しているが、止水板3Bにおいても、各係止突起部32の頭部32aは球状の形態を有する。
【0177】
図33は、支持体2Lを背面側(カバー部25側)から見た左右方向の縦断面図を示している。上下2つの係止穴22ごとに設けられる、左右一対の頭部保持部30は、それぞれ頭部スライド面30a及び頭部保持凹部30bを備えている。左右一対の頭部保持部30において、各頭部保持凹部30bは、頭部保持部30のうち頭部スライド面30aの下方で互いに対向する角部に設けられている。頭部保持凹部30bは、当該角部を切り欠いて形成されており、凹球面を略半割した形状を有する。左右の頭部保持凹部30bは左右対称に形成されている。
【0178】
図34に示すように、この実施形態の止水板3A,3Bは、上記実施形態と同様にして、支持体2L,2Rに着脱される。止水板3A,3Bが支持体2L,2Rに取り付けられた状態では、係止突起部32の球状の頭部32aの軸部32b寄り部位が、左右の頭部保持部30の頭部保持凹部30bに嵌り込んで固定される。
【0179】
また、支持体2L,2Rから止水板3A,3Bを取り外す際には、図34に示すように、解除装置41の操作ハンドル42を上記実施形態と同様にして操作して、球状の頭部32aと略凹球面状の頭部保持凹部30bとの係合を解除する。
【0180】
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、止水板3Bにおける左右一対のストッパ突起部37は、一方のストッパ突起部37のみが設けられている構成であってもよい。
【0181】
また、本願発明において、左右の支持体に取り付けられる止水板は、2枚に限定されず、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。
【0182】
なお、止水板の下側の水平面部(下面)に設けられて床面に密着当接するパッキン部材が前後外側に向けて湾曲している構成は、上記実施形態の止水装置のみならず、止水板を上方から下向きに移動させて設置する止水装置に適用可能である。このようなパッキン部材は、例えば、支持体に設けられた対向溝に止水板を上方から落し込むことで止水板を設置する止水装置(例えば特許文献1を参照)にも適用可能である。また、このようなパッキン部材は、止水板の上下向き又は前後向きが決められている止水装置にも適用可能である。
【0183】
ところで、止水板の起立面部に設けた上下方向に延びるパッキン部材を支持体の止水板取付け面部に前後方向に押圧して密着させる構成では、パッキン部材の下端部が、支持体の止水板取付け面部下端と床面とが交わるコーナー部に十分に密着しない可能性がある。このような密着力不足は当該コーナー部での漏水を引き起こす虞があるので、当該コーナー部においても十分な水密性を確保することが好ましい。
【0184】
このような懸念を解消できる実施形態を、図35図41を参照しながら説明する。図35図41では、図1図15を参照して説明した上記実施形態と同様の機能を有する部分には同じ符号を付している。
【0185】
図35及び図36に示すように、本実施形態の止水装置101Cは、間隔を空けて設置された左右の支持体102CL,102CRと、左右の支持体102CL,102CRに着脱可能に取り付けられて立設される止水板103Cとを備えている。支持体102CL,102CRは、その下端部に連続して床面F上に配置されるコーナー部材126,126を備えている。
【0186】
図37及び図38にも示すように、止水板103Cの前後の起立面部は、屋内向きに配置される屋内側起立面部131Iと、屋外向きに配置される屋外側起立面部131Oとに区別されている。止水板103Cでは、屋内側起立面部131Iと上下の水平面部134とが交わる上下の角部151が丸みを帯びている。屋外側起立面部131Oと上下の水平面部134とが交わる上下の角部は略直角に形成されている。
【0187】
上下の水平面部134,134のそれぞれには、左右方向に延びる弾性体で形成される水平面部パッキン部材136が設けられている。水平面部パッキン部材136は、左右方向に延びる1本の弾性体で形成されており、水平面部134における屋外側起立面部131O寄りの領域に配置されている。
【0188】
屋内側起立面部131Iにおける左右の幅方向端部位131a,131aのそれぞれに、上下方向に延びる弾性体で形成される起立面部パッキン部材133が設けられている。各起立面部パッキン部材133は、左右方向に延びる1本の弾性体で形成されている。他方、屋外側起立面部131Oには起立面部パッキン部材133が設けられていない。すなわち、止水板103Cには、2本の起立面部パッキン部材133が設けられている。
【0189】
上下の水平面部134には、左右の幅方向端部位のそれぞれに、前後方向パッキン部材135が設けられている。各前後方向パッキン部材135は、前後方向に延びる1本の弾性体で形成されている。
【0190】
起立面部パッキン部材133の上下の長さ方向端部133eは、屋内側起立面部131Iから角部151を経て、前後方向パッキン部材135の屋内側起立面部131I側の端部に連続している。すなわち、止水板103Cには、屋内側起立面部131Iから角部151を経て水平面部134に至るパッキン部材(起立面部パッキン部材133及び前後方向パッキン部材135)が設けられている。なお、水平面部パッキン部材136の左右両端部は、左右の前後方向パッキン部材135に隙間なく接続されている。
【0191】
本実施形態の止水装置101Cにおける止水板103Cのその他の構成は、図1図15を参照して説明した止水装置101における止水板103Aの構成と同様である。
【0192】
次に、図35図36図39及び図40を参照しながら、支持体102CL,102CR及びコーナー部材126の構成について説明する。支持体102CL,102CRは、止水装置101の支持体102L,102R(図8及び図9等参照)と同様に、止水板取付け面部121を突起保持部122の中途部から左右内向きに突設させた平面視略T字形の柱状の形態を有する。支持体102CL,102CRは、互いに左右対称の構成を有する。
【0193】
支持体102CL,102CRの各突起保持部122には、上下一対の下係止溝123及び上係止溝124が1組設けられている。支持体102CL,102CRには、案内部125(図8及び図9等参照)が設けられていない。下係止溝123の開口部位123aの上下開口寸法は、突起保持部位123cの溝幅寸法よりも大きく形成されている。これにより、止水板103Cの係止突起部132を手前側(屋外側)から奥側(屋内側)へ向けて挿入しやすくなる。
【0194】
支持体102CL,102CRにおいて、止水板取付け面部121の屋外向き側面121aの下端部には、屋外向きに突出するコーナー部材126が連結されている。コーナー部材126は、例えば金属製又は樹脂製であり、縦断面が略直角三角形の左右方向に延びる略直角三角柱の形態を有し、直角を挟む2面(2辺)の一方が屋外向き側面121a下端部に連結され、他方が床面F上に配置される。また、コーナー部材126の傾斜面126a(斜辺)は、凹状に湾曲した湾曲傾斜状に形成され、屋外向き側面121aから床面Fに向けて斜め下向き姿勢で配置される。このように、コーナー部材126は、止水板取付け面部121の屋外向き側面121aと床面Fとが交わる角部に配設されている。なお、コーナー部材126と屋外向き側面121a及び床面Fとの間には、図示しない止水材(例えば接着剤や弾性体)が設けられており、コーナー部材126と屋外向き側面121a及び床面Fとの間の水密性が確保されている。
【0195】
止水装置101Cにおいて、止水板103Cを支持体102CL,102CRに取り付ける際には、止水板103Cの屋内側起立面部131Iを屋内側へ向けて止水板103Cを配置し、図10及び図11を参照しながら説明した止水板103Aを支持体102L,102Rに取り付ける操作と同様の操作が行われる。止水板103Cの角部151が丸みを帯びているとともに、角部151表面に配置される起立面部パッキン部材133の長さ方向端部133eも丸みを帯びているので、図10(C)に示す過程と同様の過程において起立面部パッキン部材133と屋外向き側面121aとの接触面積を小さくでき、取付過程での起立面部パッキン部材133の不要な変形並びにそれに伴う破損及び劣化を低減できるとともに、支持体102CL,102CRへの止水板103Cの取付操作をスムーズに行える。
【0196】
図41に示すように、支持体102CL,102CRへの止水板103Cの取付けが完了した状態では、下側の水平面部134が床面Fに対向配置され、屋内側起立面部131Iの幅方向端部位131aが支持体121CL,102CRの止水板取付け面部121に対向配置され、角部151がコーナー部材126に対向配置される。そして、下側の水平面部パッキン部材136が床面Fに密接し、起立面部パッキン部材133が止水板取付け面部121の屋外向き側面121aに密接するとともに、起立面部パッキン部材133の下側の長さ方向端部133eがコーナー部材126の傾斜面126aに密接する。これにより、止水板103Cと支持体102CL,102CR及び床面Fとの間の水密性が確保される。そして、起立面部パッキン部材133の下端部が、支持体102CL,102CRの止水板取付け面部121下端と床面Fとが交わるコーナー部に配設されたコーナー部材126に密接するので、当該コーナー部において十分な水密性を確保できる。
【0197】
また、本実施形態では、止水板103Cは上下対称の形態を有しているので、止水板103Cを支持体102CR,102CLに取り付ける際に、止水板103Cの上下向きを確認する作業が不要になるとともに、止水板103Cの上下取付け向きの間違いが無くなり、止水板103Cを支持体102CR,102CLに迅速且つ正確に取り付けることができる。
【0198】
なお、止水板103Cは、屋内側起立面部131Iと上下の水平面部134とが交わる上下の角部151のうち、少なくとも下側の角部151が丸みを帯びているとともに、屋内側起立面部131Iから下側の角部151を経て下側の水平面部134に至るパッキン部材(起立面部パッキン部材133及び前後方向パッキン部材135)を備えている構成であれば、起立面部パッキン部材133の下側の長さ方向端部133eが、支持体102CL,102CRの止水板取付け面部121下端と床面Fとが交わるコーナー部に配設されたコーナー部材126に密接するので、当該コーナー部において十分な水密性を確保できる。
【0199】
例えば、図37及び図38に示した止水板103Cにおいて、上側の角部151は丸みを帯びていなくてもよい。この場合、上側の前後方向パッキン部材135及び上側の水平面部パッキン部材136を設けないようにしてもよい。
【0200】
また、起立面部131I,131Oと上下の水平面部134とが交わる4つの角部の前部が丸みを帯びており、起立面部131I,131Oから上記角部を経て水平面部134に至るパッキン部材(起立面部パッキン部材133及び前後方向パッキン部材135)を備えているようにしてもよい。この場合、起立面部131I,131Oの区別はなくなり、図10及び図11を参照しながら説明した止水板103Aと同様に、止水板の向きを確認する作業が不要になる。なお、水平面部パッキン部材136は、前後の上記角部の間で、水平面部134に左右方向に延びて設けられる。
【0201】
なお、止水板103Cのパッキン部材133,135,136として、止水板103Aのパッキン部材133,135,136(図4等参照)を適用することも可能である。
【0202】
また、支持体102CL,102CRにおいて、コーナー部材126は、止水板取付け面部121と一体形成されたものであってもよい。また、コーナー部材126の傾斜面126aは平坦面で形成されてもよい。また、コーナー部材126の材料は、金属や樹脂、弾性材料(ゴム)など、特に限定されない。例えば、コーナー部材126は、支持体102CL,102CRを床面F上に設置した後に支持体102CL,102CRの止水板取付け面部121の屋外向き側面121aと床面Fとが交わるコーナー部に塗布される弾性を有する止水剤(例えばコーキング剤など)で形成されてもよい。
【0203】
なお、弾性を有するコーナー部材126を、図1図15を参照して説明した止水装置101の支持体102L,102Rに配設するとともに、止水板103A又は103Bが支持体102L,102Rに取り付けられたときに、コーナー部材126を弾性変形させることで、支持体102L,102Rの止水板取付け面部121の屋外向き側面121aと床面Fとが交わるコーナー部における水密性を向上させることができる。
【0204】
また、支持体102CR,102CLにおいて、図42に示すように、係止溝123,124は、開口部位123a,124aが止水板103Cの係止突起部132の外径よりも大きな寸法で開口されており、傾斜部位123b,124bが突起保持部位123c,124c側ほど狭くなる先細り状に形成されていてもよい。これにより、支持体102CR,102CLに止水板103cを取り付ける際に、係止溝123,124への係止突起部132の挿入操作が容易になる。また、この変形例では、上係止溝124の開口部位124aは、支持体102CR,102CLの突起保持部122の上端面及び屋外向き端面122bに開口しているので、係止溝123,124への係止突起部132の挿入操作がさらに容易になる。
【0205】
なお、図42に示した係止溝123,124の形状は、図1図15を参照して説明した止水装置101の支持体102L,102Rの係止溝123,124に適用可能であることは言うまでもない。
【0206】
本実施形態は、間隔を空けて設置された左右の支持体102CR,102CLと、左右の前記支持体102CR,102CLに着脱可能に取り付けられて立設される止水板103Cとを備えた止水装置101Cであって、前記止水板103Cは、屋内側の起立面部131Iと下側の水平面部134とが交わる角部151が丸みを帯びているとともに、前記支持体102CR,102CLの止水板取付け面部121に対向配置される前記起立面部131Iの幅方向端部位131aにおいて前記起立面部131Iから前記角部151を経て前記水平面部134に至るパッキン部材133,135を備え、前記支持体102CR,102CLの止水板取付け面部121の下端と床面Fとが交わるコーナー部にコーナー部材126が配設されるとともに、前記止水板103Cが前記止水板取付け面部121及び前記床面Fへ向けて付勢された状態で前記支持体102CR,102CLに取り付けられて、前記パッキン部材133,135が前記止水板取付け面部121、前記コーナー部材126及び前記床面Fに密着する、という構成を有する。
【0207】
そして、このような構成は、間隔を空けて設置された左右の支持体と、左右の前記支持体に着脱可能に取り付けられて立設される止水板とを備えた止水装置であって、止水板は、屋内側の起立面部と下側の水平面部とが交わる角部を備え、前記支持体の止水板取付け面部に対向配置される前記起立面部の幅方向端部位において前記起立面部から前記角部を経て前記水平面部に至るパッキン部材を備え、前記止水板が前記止水板取付け面部及び前記床面へ向けて付勢された状態で前記支持体に取り付けられる、という止水装置に適用可能である。そして、前記止水板の前記角部が丸みを帯びているとともに、前記支持体の止水板取付け面部の下端と床面とが交わるコーナー部にコーナー部材が配設され、前記止水板が前記止水板取付け面部及び前記床面へ向けて付勢された状態で前記支持体に取り付けられて、前記パッキン部材が前記止水板取付け面部、前記コーナー部材及び前記床面に密着することで、前記止水板と前記支持体及び床面との間の良好な水密性が確保される。
【0208】
例えば、このような構成は、図16図34を参照して説明した止水装置1にも適用可能である。
【符号の説明】
【0209】
1 止水装置
2L 支持体
2R 支持体
3A 止水板
3B 止水板
21 止水板取付け面部
22 係止穴
22a 頭部挿通穴
22b 軸部挿通溝
22c 下辺
23 左右外側面部
24 左右内側面部
25 カバー部
26 底面部
27 天面部
28 側面固定ネジ
29 底面固定ネジ
30 頭部保持部
30a 頭部スライド面
30b 頭部保持凹部
31 起立面部
31a 幅方向端部位
31b 取っ手凹部
32 係止突起部
32a 頭部
32b 軸部
32c 取付板部
32d 補強リブ
33 起立面部パッキン部材
33a 水膨張性止水材
33b 耐水性止水材
34 水平面部
35 前後方向パッキン部材
35a 水膨張性止水材
35b 耐水性止水材
37 ストッパ突起部
38 ストッパ受け凹部
39 ストッパ配置領域
40 床面ストッパ受け凹部
41 解除装置
42 操作ハンドル
42a 把持部
42b 作用部
43 ベース部材
44 ハンドル固定部材
45 ヒンジ部材
101 止水装置
102L 支持体
102R 支持体
103A 止水板
103B 止水板
121 止水板取付け面部
121a 屋外向き側面
122 突起保持部
122a 左右内向き側面
122b 屋外向き端面
123 下係止溝
123a 開口部位
123b 傾斜部位
123c 突起保持部位
123d 湾曲部位
124 上係止溝
124a 開口部位
124b 傾斜部位
124c 突起保持部位
124d 切欠き部位
125 案内部
125a 案内部上面
131 起立面部
131a 幅方向端部位
131b 取っ手凹部
132 係止突起部
133 起立面部パッキン部材
133a 水膨張性止水材
133b 耐水性止水材
134 水平面部
134a ストッパ配置領域
135 前後方向パッキン部材
135a 水膨張性止水材
135b 耐水性止水材
136 水平面部パッキン部材
136a 止水材
136b 押圧部材
137 ストッパ突起部
138 ストッパ受け凹部
139 幅方向端面部
140 床面ストッパ受け凹部
C 左右方向中心線
E 出入口
F 床面
S 異物
W 側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42