(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20221104BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G15/20 535
G03G21/16 185
G03G21/16 195
(21)【出願番号】P 2018235156
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2018140954
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】梶山 博史
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 直毅
(72)【発明者】
【氏名】藤原 仁
(72)【発明者】
【氏名】瀬下 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】今田 高広
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良春
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 夏樹
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041093(JP,A)
【文献】特開2016-194674(JP,A)
【文献】特開2001-188437(JP,A)
【文献】特開2017-156520(JP,A)
【文献】特開2014-048597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加圧体に対して加圧体を加圧する加圧機構と、
前記加圧機構を収容する装置本体に対して開閉可能な開閉部材とを有し、
前記開閉部材の開動作により該開閉部材の第一押圧部が前記装置本体の被押圧部材を押圧することで前記加圧機構の加圧状態が解除され、前記開閉部材の閉動作により該開閉部材の第二押圧部が前記装置本体の前記被押圧部材を押圧することで前記加圧機構が加圧状態になる画像形成装置において、
前記加圧機構の加圧状態が解除される時に前記被押圧部材が移動して前記第二押圧部と衝突す
る該第二押圧
部の衝突
面に、防振部材を設け
、
前記防振部材は、前記開閉部材の閉動作時に該開閉部材の前記第二押圧部と前記装置本体の前記被押圧部材とが相対移動するのに追従して、該被押圧部材と一体となって該第二押圧部の前記衝突面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第一押圧部と前記第二押圧部とは、前記開閉部材の開閉動作に連動して移動するレバー部材上の互いに異なる部分によって構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記加圧機構は、基端が前記装置本体内の固定支持部に支持され、前記加圧体の支持部を押圧して該加圧体を加圧する加圧位置と該加圧を解除する加圧解除位置とに揺動可能な加圧レバーと、
前記加圧レバーの揺動端側に基端が支持されていて該加圧レバーを揺動させる揺動レバーと、
前記揺動レバーを付勢する付勢部材と、
前記開閉部材に付設され、前記揺動レバーの被押圧部を押圧する押圧レバーとから構成され、
前記開閉部材の閉動作に連動して前記押圧レバーが前記揺動レバーの前記被押圧部を押圧することにより、前記付勢部材が該揺動レバーを介して前記加圧レバーを前記加圧位置側に付勢する位置へ該揺動レバーを揺動させ、前記開閉部材の開動作に連動して前記押圧レバーが前記揺動レバーの前記被押圧部を押圧することにより、前記付勢部材の付勢力によって該揺動レバーが前記加圧レバーの揺動端回りで揺動可能となる位置へ該揺動レバーを揺動させるものであり、
前記レバー部材は、前記押圧レバーであり、
前記被押圧部材は、前記揺動レバーの前記被押圧部であることを特徴とする画像形成装置
。
【請求項4】
請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記防振部材を、前記開閉部材の閉動作時に
該防振部材が移動する移動方向に対して逆向きに付勢する付勢手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記加圧機構を加圧状態にして前記被加圧体と前記加圧体との間にシート材を挟持して搬送するシート材搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求
項5に記載の画像形成装置において、
前記シート材搬送装置は、前記被加圧体と前記加圧体との間に挟持したシート材上の画像を該シート材に定着させる定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被加圧体に対して加圧体を加圧する加圧機構と、加圧機構を収容する装置本体に対して開閉可能な開閉部材とを有する画像形成装置が知られている。この画像形成装置では、開閉部材の開動作により開閉部材の第一押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構の加圧状態が解除され、開閉部材の閉動作により開閉部材の第二押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構が加圧状態になる。
【0003】
例えば、特許文献1には、定着装置の加圧機構として、基端が装置本体内の固定支持部に支持され、加圧ローラ(加圧体)の支持部を押圧して加圧ローラを加圧する加圧位置と該加圧を解除する加圧解除位置とに揺動可能な加圧レバーを備えたものが開示されている。この加圧機構は、加圧レバーの揺動端側に基端が支持されていて加圧レバーを揺動させる揺動レバーと、揺動レバーを付勢する付勢部材と、装置カバー(開閉部材)に付設されていて揺動レバーの被押圧部を押圧する押圧レバーとを更に備える。
【0004】
この加圧機構では、装置カバーの閉動作に連動して押圧レバーの一部分が揺動レバーの被押圧部を押圧すると、付勢部材が揺動レバーを介して加圧レバーを加圧位置側に付勢する位置(付勢部材の付勢力によって揺動レバーが加圧レバーの揺動端回りで回転することのない位置)へ、揺動レバーが揺動する。これにより、加圧ローラが付勢部材の付勢力により定着ローラ(被加圧体)へ加圧された加圧状態となる。一方、開閉部材の開動作に連動して押圧レバーの他部分が揺動レバーの被押圧部を押圧すると、付勢部材の付勢力によって揺動レバーが加圧レバーの揺動端回りで揺動可能となる位置へ、揺動レバーが揺動する。これにより、付勢部材の付勢力による加圧ローラの加圧状態が解除される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の加圧機構では、開閉部材の開動作の途中で、付勢部材の付勢力によって揺動レバーが加圧レバーの揺動端回りで揺動可能となった時に、当該付勢力によって揺動レバーが勢いよく揺動し、揺動レバーの被押圧部が押圧レバーの前記一部分(装置カバーの閉動作時に揺動レバーの被押圧部を押圧する部分)に衝突する。
【0006】
なお、この課題は、上述した従来の加圧機構の構成に限らず、開閉部材の開動作により開閉部材の第一押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構の加圧状態が解除され、開閉部材の閉動作により開閉部材の第二押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構が加圧状態になる構成であれば、生じ得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、被加圧体に対して加圧体を加圧する加圧機構と、前記加圧機構を収容する装置本体に対して開閉可能な開閉部材とを有し、前記開閉部材の開動作により該開閉部材の第一押圧部が前記装置本体の被押圧部材を押圧することで前記加圧機構の加圧状態が解除され、前記開閉部材の閉動作により該開閉部材の第二押圧部が前記装置本体の前記被押圧部材を押圧することで前記加圧機構が加圧状態になる画像形成装置において、前記加圧機構の加圧状態が解除される時に前記被押圧部材が移動して前記第二押圧部と衝突する該第二押圧部の衝突面に、防振部材を設け、前記防振部材は、前記開閉部材の閉動作時に該開閉部材の前記第二押圧部と前記装置本体の前記被押圧部材とが相対移動するのに追従して、該被押圧部材と一体となって該第二押圧部の前記衝突面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開閉部材の開動作によって加圧機構の加圧状態が解除される時に、装置本体の被押圧部材が開閉部材に衝突するときに発生する衝突音を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るプリンタの構成を示す概略構成図である。
【
図2】同プリンタのY用のプロセスカートリッジと、その周囲の構成を示す拡大構成図である。
【
図3】装置カバーが開いた状態のプリンタの構成を示す部分拡大構成図である。
【
図4】装置カバーを閉じる際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図であり、(a)は装置カバーを閉じている途中の状態を説明する模式図であり、(b)は装置カバーを閉じ終えた状態を説明する模式図である。
【
図5】装置カバーを開く際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図であり、(a)は装置カバーを開き始めて押圧レバーが揺動レバーの突起部に当接した時の状態を説明する模式図であり、(b)は加圧状態が解除される時の状態を説明する模式図である。
【
図6】装置カバーを閉じる際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図であり、(a)は、装置カバーを閉じている途中で揺動レバーの突起部に当接した防振部材が図中矢印E1の方向へ移動し終えた時点(揺動レバーの突起部が防振部材から離間する時点)を示し、(b)は、装置カバーを閉じ終えた時点(防振部材が元の位置まで戻った時点)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという。)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、本プリンタの構成を示す概略構成図である。
同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す。)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例にすると、
図2に示すように、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスカートリッジ6Yは、装置本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0011】
前記プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの図中下方には、潜像形成手段たる露光装置7が配設されている。この露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,1M,1C,1K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0012】
前記プロセスカートリッジ6Yにおいて、駆動手段によって図中時計回りに回転する感光体1Yの表面は、帯電装置4Yによって一様帯電される。一様帯電された感光体1Yの表面は、露光装置7からのレーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。この静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5YによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト8上に中間転写される。中間転写工程を経た後の感光体1Y表面は、ドラムクリーニング装置2Yによって残留トナーが除去され、除電装置によって残留電荷が除電される。これにより、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスカートリッジ6M,6C,6Kにおいても、同様にして感光体1M,1C,1K上にM、C、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0013】
露光装置7の図中下側には、紙収容カセット30、これらに組み込まれた給紙ローラ31など有する紙収容手段が配設されている。紙収容カセット30は、シート材である記録材としての転写紙Pを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ31を当接させている。給紙ローラ31が駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pが給紙路32に向けて送り出される。
【0014】
この給紙路32の末端付近には、レジストローラ対33が配設されている。レジストローラ対33は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
【0015】
プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの図中上方には、中間転写体たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる中間転写ユニット10が配設されている。この中間転写ユニット10は、中間転写ベルト8の他、二次転写バイアスローラ19、クリーニング装置15などを備えている。また、4つの一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9K、二次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,1M,1C,1Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,1M,1C,1K上のY、M、C、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
【0016】
前記二次転写バックアップローラ12は、二次転写バイアスローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、この二次転写ニップで転写紙Pに転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置15によってクリーニングされる。二次転写ニップで4色トナー像が一括二次転写された転写紙Pは、転写後搬送路34を経由し、シート材搬送装置として被加圧体としての回転体である定着ローラと、加圧体としての回転体である加圧ローラとを備えた定着装置20に送られる。
【0017】
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着部材たる定着ローラ21と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧部材たる加圧ローラ22とによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた転写紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ21に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0018】
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた転写紙Pは、定着装置20を出た後、排紙路35と反転前搬送路36との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第一切替爪37が揺動可能に配設されており、その揺動によって転写紙Pの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前搬送路36に近づける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を排紙路35に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路36から遠ざける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を反転前搬送路36に向かう方向にする。
【0019】
第一切替爪37によって排紙路35に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは、排紙路35から排紙ローラ対38を経由した後、機外へと排出されて、装置本体50の上面に設けられたスタック部50a上にスタックされる。これに対し、第一切替爪37によって反転前搬送路36に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは反転前搬送路36を経て、反転ローラ対39のニップに進入する。反転ローラ対39は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pをスタック部50aに向けて搬送するが、転写紙Pの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、転写紙Pがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、転写紙Pの後端側が反転ユニット40内の反転前搬送路36内に進入する。
【0020】
反転前搬送路36は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第一反転搬送ローラ対41、第二反転搬送ローラ対42、第三反転搬送ローラ対43を有している。転写紙Pは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の転写紙Pは、上述の給紙路32に戻された後、再び二次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら二次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第二の4色トナー像が一括二次転写される。この後、転写後搬送路34、定着装置20、排紙路35、排紙ローラ対38を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、転写紙Pの両面にフルカラー画像が形成される。
【0021】
前記中間転写ユニット10と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部51が配設されている。このボトル支持部51は、Y、M、C、Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル52Y,52M,52C,52Kを搭載している。トナーボトル52Y,52M,52C,52Kは、互いに水平よりも少し傾斜した角度で並ぶように配設され、Y、M、C、Kという順で配設位置が高くなっている。トナーボトル52Y,52M,52C,52K内のY、M、C、Kトナーは、それぞれトナー搬送装置により、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの現像器5Y,5M,5C,5Kに適宜補給される。これらのトナーボトル52Y,52M,52C,52Kは、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kとは独立して装置本体に脱着可能である。
【0022】
図3は、装置カバーを解放した様子を説明する概略構成図である。
本実施形態に係るプリンタの装置本体50の
図1中右側面には、反転ユニット40を収容する開閉部材しての装置カバー61が配設されている。
図3に示すように、装置カバー61はその下部に設けられた回動軸62を支点として反転ユニット40とともに揺動可能に設けられ、装置本体50に対して開閉可能に設けられている。
【0023】
図1に示すように、装置カバー61が装置本体50に対して閉じられた状態のときは、装置本体50との間に、転写後搬送路34や、定着装置20から機外に至るまでの通紙路を形成している。このとき、装置本体50側に固定された係合部たるカバーフックピン54と、装置カバー61に付設された被係合部たるカバーフック64とが係合して、装置カバー61が定位置にセットされる。
【0024】
一方、
図3に示すように、装置カバー61が開かれた状態のときは、後述する加圧機構60により、定着装置20において加圧ローラ22の定着ローラ21への加圧力が解除される。これにより、
図3に示したように、転写後搬送路34や、定着装置20から機外に至るまでの通紙路を外部に露出させ、これら路内におけるジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0025】
以下、前記加圧機構60について、詳細に説明する。
図4(a)及び(b)は、装置カバーを閉じる際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図であり、(a)は装置カバーを閉じている途中の状態を説明する模式図であり、(b)は装置カバーを閉じ終えた状態を説明する模式図である。
カバーフック64は、
図4に示すように、装置本体50に対向する先端部64aが鉤状に形成され、支点64bを中心に回動可能なように基端が装置カバー61に軸支されている。カバーフック64は、スプリング65により一方の回動方向(図中時計回り方向)へ付勢されている。これにより、スプリング65の付勢力とカバーフック64の自重とのつり合いの位置において、
図4(a)に示すように、装置カバー61を閉じる際に、装置カバー61側のカバーフック64の先端部64aの傾斜面が装置本体50側のカバーフックピン54に当接する。
【0026】
その後、装置カバー61が更に閉じられると、カバーフックピン54と先端部64aの傾斜面とが摺動して、スプリング65の付勢力に抗してカバーフック64が支点64bを中心に図中反時計回り方向へ回動し、先端部64aの傾斜面がカバーフックピン54の下方に押し込まれる。そして、カバーフックピン54がカバーフック64の先端部64aの傾斜面を乗り越えると、カバーフック64はスプリング65の付勢力により支点64bを中心に図中時計回り方向へ回動し、鉤状の先端部64aの内側にカバーフックピン54が引っ掛かる。これにより、
図4(b)に示すように装置カバー61が定位置にセットされる。
【0027】
本実施形態の加圧機構60は、装置本体50内又は定着装置20内に設けられる加圧レバー24、揺動レバー25、加圧スプリング26、加圧フック27と、装置カバー61に付設される押圧レバー63とから主に構成される。加圧レバー24は、装置本体50の側面又は定着装置20の側面から延びる固定支持部たる支持軸23に対し、加圧位置と加圧解除位置との間を揺動自在に取り付けられている。そして、加圧レバー24は、加圧ローラ22の支持部たる軸受22aに当接し、軸受22aを定着ローラ21側へ加圧することで、加圧ローラ22が定着ローラ21に加圧される。具体的には、軸受22aを定着ローラ21側へ加圧すると、軸受22aは軸受22aを保持する側板の係合溝に案内されて、係合溝の側面に突き当たる。これにより、軸受22aに固定されている加圧ローラ22が定着ローラ21を所定の圧力で加圧することができる。
【0028】
また、加圧レバー24の揺動端側には、支持ピン28が設けられており、この支持ピン28には、加圧レバー24を加圧位置と加圧解除位置の間で揺動させるための揺動レバー25が揺動自在に取り付けられている。この揺動レバー25は、支持ピン28が取り付けられる基端部と、図中上方に延び、装置カバー61側の押圧レバー63に押圧されて揺動する揺動端部とから構成される。また、揺動レバー25の基端部の支持ピン28の近傍には、支持ピン29が取り付けられており、この支持ピン29には加圧フック27が揺動自在に取り付けられている。揺動レバー25の揺動端部には、後述する押圧レバー63の凹部63aの内壁面に押圧される被押圧部材としての被押圧部である突起部25aが軸方向に延設されている。
【0029】
加圧フック27の先端部には、付勢部材としての加圧スプリング26の一端26aが取り付けられており、加圧スプリング26の他端26bは、装置本体50の側面又は定着装置20の側面に取り付けられている。加圧スプリング26は、引っ張りスプリングで、加圧フック27を介して揺動レバー25の支持ピン29を引っ張っている。
【0030】
押圧レバー63は、装置カバー61の側板に取り付けられ、回動軸62を支点とした装置カバー61の揺動動作(開閉動作)に連動して、回動軸62を支点として揺動することになる。押圧レバー63には、下方に向けて開口する凹部63aが形成されており、所定の揺動角度範囲内では、揺動レバー25の突起部25aが凹部63a内に揺動可能な状態で入り込むように構成されている。
【0031】
開いた状態の装置カバー61を装置本体50へ閉じる場合、装置カバー61の閉動作に連動して押圧レバー63が図中反時計回り方向(図中矢印C方向)へ移動する。押圧レバー63が図中反時計回り方向へ移動していくと、
図4(a)に示すように、押圧レバー63の凹部63aの第二押圧部としての第二内壁面部(
図4中右側の内壁面)が、図中点P2で、揺動レバー25の突起部25aに当接する。そして更に押圧レバー63が図中反時計回り方向へ移動すると、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部が揺動レバー25の突起部25aを図中反時計回り方向へ押圧する。
【0032】
揺動レバー25の突起部25aが図中反時計回り方向へ押圧されて移動すると、揺動レバー25が加圧レバー24の揺動端の支持ピン28の回りで図中反時計回り方向へ回動する。これにより、揺動レバー25上の支持ピン29も、加圧レバー24の揺動端の支持ピン28の回りで図中反時計回り方向へ回動する。その結果、支持ピン29に作用する加圧スプリング26の付勢力は、加圧レバー24の揺動端上の支持ピン28に真っすぐ向かい、あるいは、支持ピン28から僅かに外れる方向へ向かう。これにより、加圧スプリング26の付勢力の全部または大部分は、加圧レバー24の揺動端上の支持ピン28を付勢し、加圧レバー24を支持軸23の回りで図中反時計回り方向(加圧ローラ22を加圧位置側へ付勢する方向)へ付勢する。
【0033】
ここで、揺動レバー25は、装置カバー61が装置本体50の定位置にセットされたときに位置する揺動位置(
図4(b)に示す揺動位置)よりも、加圧レバー24の揺動端上の支持ピン28の回りで図中反時計回り方向へ揺動することが制限されている。すなわち、揺動レバー25の揺動端部の突起部25aは、
図4(b)に示す位置よりも図中左側へ移動することが禁止されている。したがって、装置カバー61が装置本体50の定位置にセットされた場合、支持ピン29に作用する付勢力が、支持ピン28から僅かに外れる方向へ向かって、支持ピン28の回りで揺動レバー25を図中反時計回り方向へ揺動させる回転モーメントが生じていても、加圧ローラ22が定着ローラ21に加圧される加圧状態が保持される。
【0034】
図5(a)及び(b)は、装置カバーを開く際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図であり、(a)は装置カバーを開き始めて押圧レバー63が揺動レバー25の突起部25aに当接した時の状態を説明する模式図であり、(b)は加圧状態が解除される時の状態を説明する模式図である。
【0035】
装置カバー61を装置本体50の定位置から開く場合、装置カバー61の開動作に連動して押圧レバー63が図中時計回り方向(図中矢印D方向)へ移動する。押圧レバー63が図中時計回り方向へ移動していくと、
図5(a)に示すように、押圧レバー63の凹部63aの第一押圧部としての第一内壁面部(
図5中左側の内壁面)が、図中点P1で、揺動レバー25の突起部25aに当接する。そして更に押圧レバー63が図中時計回り方向へ移動すると、押圧レバー63の凹部63aの第一内壁面部が揺動レバー25の突起部25aを図中時計回り方向へ押圧する。
【0036】
揺動レバー25の突起部25aが図中時計回り方向へ押圧されて移動すると、揺動レバー25が加圧レバー24の揺動端の支持ピン28の回りで図中時計回り方向へ回動する。これにより、揺動レバー25上の支持ピン29も、加圧レバー24の揺動端の支持ピン28の回りで図中時計回り方向へ回動する。その結果、支持ピン29に作用する加圧スプリング26の付勢力は、支持ピン28から外れる方向へ向かうようになり、支持ピン28の回りで揺動レバー25を図中時計回り方向へ回動させる回転モーメントを生じさせる。
【0037】
この回転モーメントが発生すると、揺動レバー25が支持ピン28の回りで図中時計回り方向へ回動する。これにより、押圧レバー63の凹部63aの第一内壁面部の図中点P1で当接していた揺動レバー25の突起部25aが、押圧レバー63の凹部63aの内部を図中時計回り方向へ移動し、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部(
図5中右側の内壁面)に衝突する。このとき、加圧スプリング26の付勢力により勢いよく衝突するため、大きな衝突音を発生させる。このような衝突音を聞いたユーザーは、異常音であると思い、装置が故障したと誤認識してしまうおそれがある。
【0038】
そこで、本実施形態においては、加圧機構60の加圧状態が解除される時(脱圧時)に揺動レバー25の突起部25aが移動して押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部(
図5中右側の内壁面)と衝突する押圧レバー63の衝突位置(第二内壁面部上の位置)に、防振部材66を設けている。このような防振部材66を設けたことで、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部に直接衝突する場合よりも、衝突音が軽減できる。
【0039】
ここで、揺動レバー25の突起部25aが衝突する押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部は、上述したとおり、装置カバー61を装置本体50へ閉じる際に、
図4(a)に示すように、揺動レバー25を図中反時計回り方向へ回動させるときに、揺動レバー25の突起部25aに当接し、これを押圧する。このとき、
図4(a)に示す当接開始時から、
図4(b)に示すように装置カバー61が定位置にセットされるように揺動レバー25が図中反時計回り方向へ回動し終えるまでの間に、揺動レバー25の突起部25aは、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部に押圧されながら、第二内壁面部の面を摺擦しながら図中上側へ相対的に移動することになる。
【0040】
そのため、この第二内壁面部に防振部材66を固定配置すると、装置カバー61を装置本体50へ閉じる際に、揺動レバー25の突起部25aは第二内壁面部上の防振部材66の面に対して摺動することになる。防振部材66は、通常、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部よりも柔らかく、そのため突起部25aが食い込みやすく、摺動抵抗を増大させる。また、防振部材66は、通常、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部よりも、突起部25aに対する摩擦抵抗が大きく、そのため摺動抵抗を増大させる。このように摺動抵抗が増大すると、装置カバー61を閉じる際に必要となる力が大きくなって、装置カバー61が閉めにくくなり、ユーザーの利便性を低下させるおそれがある。
【0041】
そこで、本実施形態における防振部材66は、装置カバー61の閉動作時における押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部と揺動レバー25の突起部25aとの相対移動に追従して移動可能に構成されている。具体的には、防振部材66は、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部の面に沿って揺動レバー25の突起部25aが相対移動する方向(
図4(b)中矢印Eの方向)に移動自在に、押圧レバー63に取り付けられたスライド部材67上に配置されている。
【0042】
これにより、装置カバー61の閉動作時に押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部と揺動レバー25の突起部25aとが相対移動するとき、揺動レバー25の突起部25aが当接する防振部材66は、スライド部材67が押圧レバー63に対して移動することで、突起部25aと一体となって移動することができる。押圧レバー63に対するスライド部材67の移動抵抗は、第二内壁面部に防振部材66を固定配置した場合の摺動抵抗よりも小さいので、装置カバー61を閉じる際に必要となる力を軽減でき、装置カバー61が閉めやすくなって、ユーザーの利便性低下を抑制できる。
【0043】
また、押圧レバー63の凹部63aの第二内壁面部が、防振部材66及びスライド部材67を介して揺動レバー25の突起部25aを押圧し終え、
図4(b)に示すように揺動レバー25の突起部25aが防振部材66から離れると、スライド部材67は、その自重と防振部材66の重さとによって、図中下側へ移動(落下)する。これにより、防振部材66の位置が、装置カバー61の開動作時に揺動レバー25の突起部25aが衝突する衝突位置まで戻る。よって、次に、装置カバー61を開く際には、揺動レバー25の突起部25aの衝突時に防振部材で突起部25aを適切に受けることができ、衝突音が軽減される。
【0044】
ここで、繰り返し使用による経時劣化等によって、押圧レバー63に対するスライド部材67の移動抵抗が高まり、スライド部材67が移動しにくくなることがある。このような場合、揺動レバー25の突起部25aが防振部材66から離れても、スライド部材67がその自重と防振部材66の重さだけでは移動できず、防振部材66の位置が、装置カバー61の開動作時に揺動レバー25の突起部25aが衝突する衝突位置まで戻ることができないおそれがある。特に、設置スペース等の関係から寸法の小さな防振部材66を用いる場合には、防振部材66の位置が衝突位置まで戻り切れないと、揺動レバー25の突起部25aの衝突時に防振部材で突起部25aを適切に受けることができず、衝突音が発生してしまいやすい。そのような場合には、防振部材66を備えたスライド部材67を、装置カバー61の閉動作時に移動する移動方向に対して逆向きに付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0045】
図6(a)及び(b)は、装置カバーを閉じる際の加圧機構の構成及び動作を示す模式図である。なお、
図6(a)は、装置カバーを閉じている途中で揺動レバー25の突起部25aに当接した防振部材66が図中矢印E1の方向へ移動し終えた時点(揺動レバー25の突起部25aが防振部材66から離間する時点)を示す。
図6(b)は、装置カバーを閉じ終えた時点(防振部材66が元の位置まで戻った時点)を示す。
【0046】
装置カバー61の閉動作時に揺動レバー25の突起部25aが当接する防振部材66がスライド部材67によって押圧レバー63に対して図中矢印E1の方向へ移動することで、防振部材66の位置は、
図6(a)に示すように、加圧機構60の脱圧時に揺動レバー25の突起部25aが衝突する位置P2から外れた位置となる。そのため、揺動レバー25の突起部25aが防振部材66から離れたときに、スライド部材67が移動前の位置へ戻ることができないと、装置カバー61を開く際の加圧機構60の脱圧時に揺動レバー25の突起部25aを防振部材66で適切に受けることができず、衝突音が発生してしまう。
【0047】
本例では、スライド部材67が、付勢手段としてのスプリング68によって、装置カバー61の閉動作時に移動する移動方向E1に対して逆向きE2に付勢されている。したがって、装置カバー61の閉動作時に移動方向E1へ移動した防振部材66から揺動レバー25の突起部25aが離れると、スライド部材67は、その自重と防振部材66の重さだけでなく、スプリング68の付勢力も加わって、移動前の位置へ戻ることができる。その結果、移動した防振部材66が移動前の位置へ戻ることができずに、装置カバー61を開く際の加圧機構60の脱圧時に揺動レバー25の突起部25aを防振部材66で適切に受けることができない事態を安定して回避することができる。
【0048】
なお、スプリング68の付勢力の大きさは、ユーザーが装置カバー61を閉じる際に必要となる力が過大にならない範囲で適宜設定される。本実施形態では、スライド部材67が、その自重と防振部材66の重さでも移動前の位置へ戻ることができる構成であるため、スプリング68の付勢力は、補助的なものでよく、小さい力でよい。
【0049】
なお、本実施形態においては、防振部材66を、押圧レバー63側に設けた例であるが、揺動レバー25側に設けることも可能である。
また、本実施形態では、定着装置20における加圧機構60の例で説明したが、加圧機構を加圧状態にして被加圧体と加圧体との間にシート材を挟持して搬送するシート材搬送装置であれば、同様である。また、シート材搬送装置にも限られるものではなく、開閉部材の開動作により開閉部材の第一押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構の加圧状態が解除され、開閉部材の閉動作により開閉部材の第二押圧部が装置本体の被押圧部材を押圧することで加圧機構が加圧状態になる構成を備えたものであれば適用可能である。
【0050】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、被加圧体(例えば定着ローラ21)に対して加圧体(例えば加圧ローラ22)を加圧する加圧機構60と、前記加圧機構を収容する装置本体50に対して開閉可能な開閉部材(例えば装置カバー61)とを有し、前記開閉部材の開動作により該開閉部材の第一押圧部(例えば凹部63aの第一内壁面部)が前記装置本体の被押圧部材(例えば揺動レバー25の突起部25a)を押圧することで前記加圧機構の加圧状態が解除され、前記開閉部材の閉動作により該開閉部材の第二押圧部(例えば凹部63aの第二内壁面部)が前記装置本体の前記被押圧部材を押圧することで前記加圧機構が加圧状態になる画像形成装置において、前記加圧機構の加圧状態が解除される時に前記被押圧部材が移動して前記第二押圧部と衝突する該被押圧部材及び該第二押圧部の少なくとも一方の衝突位置に、防振部材66を設けたことを特徴とする。
本態様によれば、開閉部材の開動作によって加圧機構の加圧状態が解除される時に、装置本体の被押圧部材が移動して開閉部材の第二押圧部(開閉部材の閉動作時に装置本体の被押圧部材を押圧する箇所)に衝突しても、その衝突位置に設けられる防振部材によって衝突音が軽減される。なお、防振部材は、被押圧部材に設けてもよいし、第二押圧部に設けてもよいし、その両方に設けてもよい。
【0051】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記第一押圧部と前記第二押圧部とは、前記開閉部材の開閉動作に連動して移動するレバー部材(例えば押圧レバー63)上の互いに異なる部分によって構成されていることを特徴とする。
これによれば、構成の簡略化を図ることができる。
【0052】
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記加圧機構60は、基端が前記装置本体内の固定支持部(例えば支持軸23)に支持され、前記加圧体の支持部(例えば軸受22a)を押圧して該加圧体を加圧する加圧位置と該加圧を解除する加圧解除位置とに揺動可能な加圧レバー24と、前記加圧レバーの揺動端側に基端が支持されていて該加圧レバーを揺動させる揺動レバー25と、前記揺動レバーを付勢する付勢部材(例えば加圧スプリング26)と、前記開閉部材に付設され、前記揺動レバーの被押圧部(例えば突起部25a)を押圧する押圧レバー63とから構成され、前記開閉部材の閉動作に連動して前記押圧レバーが前記揺動レバーの前記被押圧部を押圧することにより、前記付勢部材が該揺動レバーを介して前記加圧レバーを前記加圧位置側に付勢する位置へ該揺動レバーを揺動させ、前記開閉部材の開動作に連動して前記押圧レバーが前記揺動レバーの前記被押圧部を押圧することにより、前記付勢部材の付勢力によって該揺動レバーが前記加圧レバーの揺動端回りで揺動可能となる位置へ該揺動レバーを揺動させるものであり、前記レバー部材は、前記押圧レバーであり、前記被押圧部材は、前記揺動レバーの前記被押圧部であることを特徴とする。
本態様においては、開閉部材が閉じられている場合、付勢部材が揺動レバーを介して加圧レバーを加圧位置側に付勢して加圧状態になる。一方、開閉部材を開く際、開閉部材の開動作に連動して押圧レバーが揺動レバーの被押圧部を押圧することにより、揺動レバーは、付勢部材の付勢力が揺動レバーを加圧レバーの揺動端回りで揺動可能となる位置(脱圧される位置)へ揺動する。この時、揺動レバーの被押圧部には、付勢部材の付勢力によって、加圧レバーの揺動端回りの回転モーメントが生じ、押圧レバーの第一押圧部に当接していた揺動レバーの被押圧部が、押圧レバーの第二押圧部に向かって勢いよく衝突し、衝突音を発生させる。本態様によれば、このような衝突音を発生させる構成においても、その衝突音を軽減することができる。
【0053】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記防振部材66は、前記開閉部材の閉動作時に該開閉部材の前記第二押圧部と前記装置本体の前記被押圧部材とが相対移動するのに追従して移動可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、防振部材に当接している開閉部材の第二押圧部又は装置本体の被押圧部材と防振部材との摺動抵抗が高い場合であっても、開閉部材の閉動作時に開閉部材の第二押圧部と装置本体の被押圧部材とが相対移動するときに、当該相対移動に伴って防振部材が追従移動できる。その結果、開閉部材を閉じる際に必要となる力が大きくなって開閉部材が閉めにくくなるという事態を軽減して、ユーザーの利便性低下が抑制される。
【0054】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記防振部材を、前記開閉部材の閉動作時に移動する移動方向に対して逆向きに付勢する付勢手段(例えばスプリング)を有することを特徴とする。
防振部材の移動しやすさが低下すると、開閉部材の閉動作時に移動した防振部材が移動前の位置に戻らず、開閉部材の開動作によって加圧機構の加圧状態が解除される時に開閉部材の第二押圧部が衝突する位置から防振部材が外れてしまい、衝突音を軽減できないおそれがある。本態様によれば、付勢手段による付勢力によって、開閉部材の閉動作時に移動した防振部材を移動前の位置に戻すことができる。これにより、開閉部材の開動作によって加圧機構の加圧状態が解除される時に、開閉部材の第二押圧部が衝突する位置から防振部材が外れてしまう事態を回避でき、安定して衝突音を軽減することができる。
【0055】
[第6態様]
第6態様は、第1乃至第5態様のいずれかにおいて、前記加圧機構を加圧状態にして前記被加圧体と前記加圧体との間にシート材を挟持して搬送するシート材搬送装置を有することを特徴とする。
これによれば、シート材搬送装置内のシート材のジャム時に開閉部材の開動作に連動して加圧機構を加圧解除状態にするときの衝突音が軽減される。
【0056】
[第7態様]
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記シート材搬送装置は、前記被加圧体と前記加圧体との間に挟持したシート材上の画像を該シート材に定着させる定着装置20であることを特徴とする画像形成装置。
これによれば、定着装置内のシート材のジャム時に開閉部材の開動作に連動して加圧機構を加圧解除状態にするときの衝突音が軽減される。
【符号の説明】
【0057】
20 :定着装置
21 :定着ローラ
22 :加圧ローラ
22a :軸受
23 :支持軸
24 :加圧レバー
25 :揺動レバー
25a :突起部
26 :加圧スプリング
27 :加圧フック
28,29:支持ピン
50 :装置本体
54 :カバーフックピン
60 :加圧機構
61 :装置カバー
62 :回動軸
63 :押圧レバー
63a :凹部
64 :カバーフック
64a :先端部
64b :支点
65 :スプリング
66 :防振部材
67 :スライド部材
68 :スプリング
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】