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特許7170790搭乗体に付着したホコリを除去する機能を有するエレベータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】搭乗体に付着したホコリを除去する機能を有するエレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20221107BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20221107BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20221107BHJP
   F24F 8/95 20210101ALI20221107BHJP
【FI】
B66B11/02 F
B66B1/06 B
F24F8/80 260
F24F8/80 310
F24F8/95
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021087233
(22)【出願日】2021-05-24
(65)【公開番号】P2022001532
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0075119
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521224572
【氏名又は名称】株式会社 金栄ゼネラル
(73)【特許権者】
【識別番号】521224594
【氏名又は名称】李 金 奇
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 金 奇
(72)【発明者】
【氏名】金 周 大
(72)【発明者】
【氏名】金 亨 錫
(72)【発明者】
【氏名】韓 鶴 基
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-273783(JP,A)
【文献】特開平08-166151(JP,A)
【文献】実開平07-032439(JP,U)
【文献】特開平09-020479(JP,A)
【文献】特開2001-322779(JP,A)
【文献】特開2005-015099(JP,A)
【文献】国際公開第2010/055543(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02
B66B 1/06
F24F 8/80;8/95
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭乗体に付着したホコリを除去する機能を有するエレベータにおいて、
搭乗空間を提供し、内部空間同じ高さの互いに対角方向に配置された一対のエアホールが形成されているカー1と、
前記一対のエアホールのうち、いずれか1つのエアホールから前記カー1の内部空間の中心をずらし方向に進める空気を噴出すると共に、前記一対のエアホールのうち、他の1つのエアホールから前記カー1の内部空間の中心をずらし方向に進める空気を噴出することで、前記カー1の内部空間で回転する回旋風を発生させる一対のファンモジュール7と、を含み、
ー1内部に発生した回旋風によって前記カー1内部の前記搭乗体に付着したホコリは、前記搭乗体から離脱し、
前記カー1の上側に設けられ、前記カー1の内部空間に空気を噴出するか、前記カー1の内部空間の空気を吸い込む上部ファンモジュール6をさらに含み、
前記上部ファンモジュール6は、周期的に空気の噴出/吸入を互いに行うことで、前記一対のファンモジュール7によって発生した回旋風の上側への流れと下側への流れを周期的に交互に誘導することを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記一対のファンモジュール7のうち、いずれか1つのファンモジュール7は、前記いずれか1つのエアホールから出発して前記カー1の全体内側面のうち、いずれか1つの内側面と、前記カー1の内部空間の中心の間で前記いずれか1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、
前記一対のファンモジュール7のうち、他の1つのファンモジュール7は、前記他の1つのエアホールから出発して前記カー1の全体内側面のうち、前記いずれか1つの内側面と対向する他の1つの内側面と前記カー1の内部空間の中心の間で前記他の1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記カー1の下側に設けられ、前記上部ファンモジュール6が空気を噴出するときに前記カー1の内部空間の空気を吸い込み、前記カー1の内部空間の空気を吸い込むときに前記カー1の内部空間に空気を噴出する少なくとも1つの下部ファンモジュール9をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のエレベータ。
【請求項4】
各前記エアホールは、前記カー1の上下方向に長く一字状に形成され、
各前記ファンモジュール7は、
弓状横断面を有するフラットブレードが複数個円形に互いに隣接して配列され、円筒状を形成する構造のインペラー701と、
前記インペラー701の一部を覆い包むカバー状からなり、前記各エアホールと連通されるように、前記各エアホールの形態に対応する一字状の排気口が形成されているファンハウジング703と、
前記インペラー701を回転させることで、前記ファンハウジング703の排気口を介して前記各エアホールから前記カー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出させるモータ702と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記各ファンモジュール7は、
四角フレーム7041内に複数個の円筒状流路部7042が配置され、各前記円筒状流路部7042の内周面には、長手方向に複数個の螺旋形突起7043が形成された構造のノズル704をさらに含み、
前記ノズル704は、前記ファンハウジング703の排気口に挿入され、
前記インペラー701の回転によって噴出された空気は、前記ノズル704の前記各円筒状流路部7042の内周面に形成された複数個の螺旋形突起7043によって前記各エアホールから前記カー1の各内側面と前記カー1の内部空間の中心の間で前記各内側面から徐々に遠くなる曲線経路に進めることを特徴とする請求項に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記各ファンモジュール7は、
前記インペラー701の他部側に配置され、前記各ファンモジュール7の外部空気を浄化して前記インペラー701に供給する長方形棒状のフィルタ705と、
前記インペラー701の他部側に配置された前記フィルタ705の露出部位を覆い包むカバー状からなり、前記各ファンモジュール7の外部空気を吸い込むための少なくとも1つの吸気口が形成されているフィルタハウジング706をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のエレベータ。
【請求項7】
それぞれが各前記エアホールに設けられ、互いに隣接して配置された複数個のスラット802を回転させることで、前記各エアホールを開閉する複数個のルーバー8をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記カー1内部の前記搭乗体が感知されたことを示す信号を入力される時点で前記各エアホールが開放されるように各前記ルーバー8の前記複数個のスラット802を回転させ、前記信号の入力消滅時点で前記各エアホールが閉鎖されるように前記各ルーバー8の複数個のスラット802を回転させる制御盤5をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のエレベータ。
【請求項9】
それぞれが各前記エアホールに設けられ、互いに隣接して配置された複数個のスラット802を回転させることで、前記各エアホールを開閉する複数個のルーバー8をさらに含み、
前記複数個のルーバー8のうち、前記いずれか1つのエアホールに設けられた前記ルーバー8の複数個のスラット802は、前記いずれか1つのエアホールから噴出された空気が前記いずれか1つの内側面と前記カー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度に回転され、
前記複数個のルーバー8のうち、前記他の1つのエアホールに設けられたルーバー8の複数個のスラット802は、前記他の1つのエアホールから噴出された空気が前記他の1つの内側面と前記カー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転されることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搭乗体に付着したホコリを除去する機能を有するエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、人体に付いているホコリや異物による疾病が増加しつつ、建物の出入口に風を用いて出入者からホコリ、異物などを除去する装置を設置する例が増加している。建物の出入口に、そのような装置が設けられるためには、建物の出入口の構造を変更せねばならないので、多くの費用がかかるだけでなく、建物の出入り時間が増加する問題があった。そのような理由で、エレベータカー(car)内で風を用いて乗客からホコリ、異物などを除去しようとする試みが増加している。特許文献1は、エレベータケージの天井上部に1つ以上の送風機が設けられ、ケージ内部に空気を吹き込み、エレベータケージ内部からホコリを除去する装置を開示している。
【0003】
特許文献2は、ホコリを除去するために、フィルタを通過する空気に風速偏差が発生せず、通過されるようにし、エレベータカーによって汚染度の高い層の空気が汚染度の低い層に移さないように改善したクリーンエレベータカー及びその制御方法を開示している。実用新案1は、エレベータ昇降路、カー上部、及び左右側壁面にファンモータとフィルタとを装着し、カー床を二重でホコリが融着されていない帯電防止タイルを施工して清浄度を以前の方式よりもさらに向上させ、快適な状態を維持するようにした清浄度に優れたクリーンルームエレベータを開示している。
【0004】
前記従来技術において、乗客に付いているホコリを除去するために使用された風は、乗客の体の隅々まで届きにくいので、前記従来技術によっては、エレベータカーの搭乗客の身体あちこちに付いているホコリ、異物などが完璧に除去され得ないという問題点があった。例えば、特許文献1は、乗客の上方からカーの床側に吹き降ろす風によって乗客の身体に付いているホコリを除去するので、乗客のズボンなどに付いているホコリは、除去しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録特許第10-1973897号公報
【文献】大韓民国登録特許第10-1144967号公報
【文献】大韓民国登録実用新案第20-0437981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、エレベータカー内部に位置した搭乗体のあちこちに付いているホコリ、異物などを除去する機能を有するエレベータを提供することである。前述したような技術的課題に限定されず、以下の説明からさらに他の技術的課題が導出されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による搭乗体に付着したホコリを除去する機能を有するエレベータは、搭乗空間を提供し、相互間に内部空間の同じ高さの互いに対角方向に配置された一対のエアホールが形成されているカーと、前記一対のエアホールのうち、いずれか1つのエアホールから前記カーの内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出すると共に、前記一対のエアホールのうち、他の1つのエアホールから前記カーの内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで、前記カーの内部空間で回転する回旋風を発生させる一対のファンモジュールと、を含み、前記カー内部に発生した回旋風によって前記カー内部の搭乗体に付いているホコリが前記搭乗体から離脱する。
【0008】
前記一対のファンモジュールのうち、いずれか1つのファンモジュールは、前記いずれか1つのエアホールから出発して前記カーの全体内側面のうち、いずれか1つの内側面と前記カーの内部空間の中心との間で前記いずれか1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、前記一対のファンモジュールのうち、他の1つのファンモジュールは、前記他の1つのエアホールから出発して前記カーの全体内側面のうち、前記いずれか1つの内側面と対向する他の1つの内側面と前記カーの内部空間の中心との間で前記他の1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出することができる。
【0009】
前記エレベータは、前記カーの上側に設けられ、前記カーの内部空間に空気を噴出するか、前記カーの内部空間の空気を吸い込む上部ファンモジュールをさらに含み、前記上部ファンモジュールは、周期的に空気の噴出/吸入を互いに行うことで、前記一対のファンモジュールによって発生した回旋風の上側への流れと、下側への流れを、周期的に交互に誘導することができる。
【0010】
前記エレベータは、前記カーの下側に設けられ、前記上部ファンモジュールが空気を噴出するとき、前記カーの内部空間の空気を吸い込み、前記上部ファンモジュールが前記カーの内部空間の空気を吸い込むとき、前記カーの内部空間に空気を噴出する少なくとも1つの下部ファンモジュールをさらに含んでもよい。
【0011】
前記各エアホールは、前記カーの上下方向に長く一字状に形成され、前記各ファンモジュールは、弓状横断面を有するフラットブレードが複数個円形に互いに隣接して配列されて円筒状を形成する構造のインペラーと、前記インペラーの一部を覆い包むカバー状からなり、前記各エアホールと連通されるように前記各エアホールの形態に対応する一字状の排気口が形成されているファンハウジングと、前記インペラーを回転させることで、前記ファンハウジングの排気口を介して前記各エアホールから前記カーの内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出させるモータと、を含む。
【0012】
前記各ファンモジュールは、四角フレーム内に複数個の円筒状流路部が配置され、各前記円筒状流路部の内周面には、長手方向に複数個の螺旋形突起が形成された構造のノズルをさらに含み、前記ノズルは、前記ファンハウジングの排気口に挿入され、前記インペラーの回転によって噴出された空気は、前記ノズルの前記各円筒状流路部の内周面に形成された複数個の螺旋形突起によって前記各エアホールから前記カーの各内側面と前記カーの内部空間の中心との間で前記各内側面から徐々に遠くなる曲線経路に進めることができる。
【0013】
前記各ファンモジュールは、前記インペラーの他部側に配置され、前記各ファンモジュールの外部空気を浄化して前記インペラーに供給する長方形棒状のフィルタと、前記インペラーの他部側に配置された前記フィルタの露出部位を覆い包むカバー状からなり、前記各ファンモジュールの外部空気を吸い込むための少なくとも1つの吸気口が形成されているフィルタハウジングをさらに含んでもよい。
【0014】
前記エレベータは、それぞれが前記各エアホールに設けられ、互いに隣接して配置された複数個のスラットを回転させることで、前記各エアホールを開閉する複数個のルーバーをさらに含んでもよい。前記エレベータは、前記カー内部の搭乗体が感知されたことを示す信号を入力される時点で、前記各エアホールが開放されるように各前記ルーバーの前記複数個のスラットを回転させ、前記信号の入力消滅時点で前記各エアホールが閉鎖されるように、前記各ルーバーの複数個のスラットを回転させる制御盤をさらに含んでもよい。
【0015】
前記エレベータは、それぞれが前記各エアホールに設けられ、互いに隣接して配置された複数個のスラットを回転させることで、前記各エアホールを開閉する複数個のルーバーをさらに含み、前記複数個のルーバーのうち、前記いずれか1つのエアホールに設けられた前記ルーバーの複数個のスラットは、前記いずれか1つのエアホールから噴出された空気が前記いずれか1つの内側面と前記カーの内部空間の中心間を進めるようにする角度に回転され、前記複数個のルーバーの中で前記他の1つのエアホールに設けられたルーバーの複数個のスラットは、前記他の1つのエアホールから噴出された空気が前記他の1つの内側面と前記カーの内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転しうる。
【発明の効果】
【0016】
1一対のファンモータが相互間に内部空間の同じ高さの互いに対角方向に配置された一対のエアホールのうち、いずれか1つのエアホールからカーの内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出すると共に、他の1つのエアホールからカーの内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで、カーの内部空間で回転する回旋風を発生させることにより、カー内部に位置した搭乗体のあちこちに付いているホコリ、異物などが完璧に除去されうる。
【0017】
特許文献1、特許文献2、実用新案1などの従来技術は、カー内部で直進する風を主に用いて乗客の身体に付いているホコリを除去したので、乗客身体のあちこちに付いているホコリの完璧な除去が困難であった。カーの内部空間で回転する回旋風は、空気渦によって搭乗体のあちこちに、例えば、乗客の全身に届くことができるので、搭乗体のあちこちに付いているホコリの完璧な除去が可能である。
【0018】
上部ファンモジュールは、周期的に空気の噴出/吸入を互いに行うことで、一対のファンモジュールによって発生した回旋風の上側への流れと、下側への流れとを周期的に交互に誘導することにより、搭乗体の上側方向に陥没された部位、下側方向に陥没された形態の部位など搭乗体の陥没部位にも風が届くことにより、搭乗体の陥没部位に堆積しているホコリ、異物などが完璧に除去されうる。前述したような効果に限定されず、以下の説明から、さらに他の効果が導出されうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例によるエレベータの構成図である。
図2図1に図示したカー1の前方斜視図である。
図3図1に図示したカー1の後方斜視図である。
図4図1に図示したカー1の下方斜視図である。
図5】本発明の実施例によるカー1の横断面図である。
図6図2図5に図示したカー1内部での下方螺旋形回旋風の形成例を示す図面である。
図7図2図5に図示したカー1内部での上方螺旋形回旋風の形成例を示す図面である。
図8図2図4に図示した各ルーバー8の詳細図である。
図9図2図4に図示した各側部ファンモジュール7の詳細図である。
図10図9に図示された各側部ファンモジュール7の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。以下で説明する本発明の実施例は、エレベータカー内部に位置した搭乗体のあちこちに付いているホコリ、異物などを除去することができる機能を有するエレベータに関するものであって、簡単に「エレベータ」とも称する。以下では、乗客、車椅子、動物などを包括して「搭乗体」とも称する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例によるエレベータの構成図である。図1を参照すれば、本実施例によるエレベータは、カー1、駆動部2、ロープ3、おもり4、制御盤5で構成される。カー1は、搭乗体の搭乗空間を提供する。搭乗体の代表的な例としては、乗客が挙げられ、それ以外にも、車椅子、動物などが挙げられる。ロープ3は、その一端がカー1に連結されており、他端は、おもり4に連結されている。駆動部2は、モータ、滑車などからなり、ロープ3を移動させることで、カー1を上昇または、下降させる。制御盤5は、乗客の操作によって駆動部2の駆動を制御する。本実施例の特徴は、カー1に乗った乗客に付いているホコリを除去する機能にあるので、カー1を上昇または、下降させるための手段については、それ以上の詳細な説明を省略する。
【0022】
図2は、図1に図示したカー1の前方斜視図であり、図3は、図1に図示したカー1の後方斜視図であり、図4は、図1に図示したカー1の下方斜視図である。図2を参照すれば、本実施例によるエレベータは、1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、4つのルーバー8、及び2つの下部ファンモジュール9をさらに含む。本実施例のカー1は、4つの側壁板、天井板、及び床板からなる四角箱状を有する。4つの側壁板は、互いに隣接する側壁板同士で直角に連結され、前側壁板、後側壁板、左側壁板、右側壁板で構成される。カー1の前側壁板には、乗客が出入りするための開口が形成されており、カー1の前側壁板開口には、乗客の操作によって電動開閉される扉(図示せず)が設けられる。本実施例のカー1は、このような四角箱状以外に円筒状、六角筒状など搭乗空間を提供することができる多様な形態にても具現される。
【0023】
本実施例の制御盤5は、カー1の昇降移動のための駆動部2以外にも1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、4つのルーバー8、及び2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御する。制御盤5の制御モードは、エアクリーンモードと一般空調モードの2モードによって1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、4つのルーバー8、及び2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御する。エアクリーンモードは、搭乗体に付いているホコリを除去するために、1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、4つのルーバー8、及び2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御するモードであり、一般空調モードは、カー1内部の一般的な空調のために1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、4つのルーバー8、及び2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御するモードである。
【0024】
図5は、本発明の実施例によるカー1の横断面図であり、カー1の下側からカー1を見た方向の横断面図を図示している。図5の(a)には、図2図4に図示したカー1の横断面を図示しており、図5の(b)には、本発明の他の実施例によるカー1の横断面を図示している。図2図5を参照すれば、カー1には、その上下方向に長く一字状に形成された4つのエアホールが形成されている。各対のエアホールは、相互間にカー1内部空間の同じ高さの互いに対角方向に配置される。後述するように、各対のエアホールを介してカー1内部に流入された空気によって回旋風が形成される。図5に図示した回旋風の形状は、理想的な形状であり、実際には、楕円形など多様な形状の回旋風が形成されうる。図6図7に図示した例も同一である。
【0025】
一般的に、カー1の入口が開放された状態では、扉がカー1の前側壁板の内部に隠されるようになる。これにより、カー1の前側壁板に対するエアホールの形成は、容易ではない。図2図4及び図5の(a)に図示した実施例の場合、そのような理由によってカー1の左側壁板、右側壁板、及び後側壁板にエアホールが形成されている。側部ファンモジュール7の設置によるカー1の重心移動を最小化するため、カー1の左側壁板、右側壁板それぞれに1つのエアホールが形成され、後側壁板に2つのエアホールが形成されている。カー1の前側壁板に対するエアホールの形成は、後述するようなルーバー8の設置を省略し、カー1の前側壁板と扉の両方にエアホールが形成されるならば可能である。
【0026】
4つの側部ファンモジュール7は、2つずつ一対をなしてカー1の内部に回旋風を発生させる。図5の(a)を参照すれば、4つの側部ファンモジュール7のうち、カー1の左側壁板前端に設けられた第1側部ファンモジュール71とカー1の後側壁板右端に設けられた第2側部ファンモジュール72は、一対をなしてカー1の内部に回旋風を発生させる。4つの側部ファンモジュール7のうち、カー1の右側壁板前端に設けられた第3側部ファンモジュール73とカー1の後側壁板左端に設けられた第4側部ファンモジュール74は、一対をなしてカー1の内部に回旋風を発生させる。一対の側部ファンモジュール7だけでも、回旋風が発生されうるが、2対の側部ファンモジュール7によってさらに強く、完全な回旋風が発生する。
【0027】
図5の(b)を参照すれば、4つの側部ファンモジュール7のうち、カー1の左側壁板前端に設けられた第1側部ファンモジュール71とカー1の右側壁板後端に設けられた第2側部ファンモジュール72は、一対をなしてカー1の内部に回旋風を発生させる。4つの側部ファンモジュール7のうち、カー1の前側壁板右端に設けられた第3側部ファンモジュール73とカー1の後側壁板左端に設けられた第4側部ファンモジュール74は、一対をなしてカー1の内部に回旋風を発生させる。図5の(a)の例よりも図5の(b)の例が一対の側部ファンモジュール7相互間にカー1の内部空間の対角方向にさらに正確に位置していることにより、本発明の最も望ましい実施例とも言える。上述したように、カー1の前側壁板には、エアホールを形成し難いので、図5の(a)に図示したように具現される可能性が高い。カー1が通行する通路のサイズと構造によって、図5の(a)の例と図5の(b)の例とを混用し、複数の側部ファンモジュール7が相互間にカー1の内部空間の対角方向に配置される多様な例が存在しうる。
【0028】
1一対の側部ファンモジュール7は、相互間にカー1の内部空間の対角方向に配置された一対のエアホールのうち、いずれか1つのエアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出すると共に、一対のエアホールのうち、他の1つのエアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで、カー1の内部空間で回転する回旋風を発生させる。相互間にカー1の内部空間の対角方向に配置された一対のエアホールから噴出されてカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める2つの経路の空気は、図5に図示した点線形態の回旋風を形成する。
【0029】
図5の(a)に図示した例によれば、第1側部ファンモジュール71は、カー1の左側壁板前端に形成された第1エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出し、第2側部ファンモジュール72は、カー1の後側壁板右端に形成された第2エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで、回旋風を発生させる。第3側部ファンモジュール73は、カー1の右側壁板前端に形成された第3エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出し、第4側部ファンモジュール74は、カー1の後側壁板左端に形成された第2エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで回旋風を発生させる。
【0030】
カー1内部に発生した回旋風によってカー1内部の搭乗体に付着したホコリは、搭乗体から離脱する。特許文献1、特許文献2、大韓民国登録特許第10-1144967号、実用新案1などの従来技術は、カー内部で直進する風を主に用いて乗客の身体に付いているホコリを除去したので、乗客の全身に付いているホコリの完璧な除去は困難であった。カー1の内部空間で回転する回旋風は、空気渦によってカー1の内部に位置した搭乗体のあちこち、例えば、乗客の身体あちこちに届くので、搭乗体のあちこちに付いているホコリ、異物などの完璧な除去が可能である。
【0031】
図5の(b)に図示した例によれば、第1側部ファンモジュール71は、カー1の左側壁板前端に形成された第1エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出し、第2側部ファンモジュール72は、カー1の右側壁板後端に形成された第2エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで回旋風を発生させる。第3側部ファンモジュール73は、カー1の前側壁板右端に形成された第3エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出し、第4側部ファンモジュール74は、カー1の後側壁板左端に形成された第2エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出することで回旋風を発生させる。
【0032】
さらに詳細に説明すれば、一対の側部ファンモジュール7のうち、いずれか1つの側部ファンモジュール7は、いずれか1つのエアホールから出発してカー1の全体内側面のうち、いずれか1つの内側面とカー1の内部空間の中心との間でいずれか1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、他の1つの側部ファンモジュール7は、他の1つのエアホールから出発してカー1の全体内側面のうち、いずれか1つの内側面と対向する他の1つの内側面とカー1の内部空間の中心との間で他の1つの内側面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出する。
【0033】
図5の(a)に図示した例によれば、第1側部ファンモジュール71は、カー1の左側壁板前端に形成された第1エアホールから出発してカー1の前側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の前側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、第2側部ファンモジュール72は、カー1の後側壁板右端に形成された第2エアホールからカー1の後側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の後側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出する。第3側部ファンモジュール73は、カー1の右側壁板前端に形成された第3エアホールから出発してカー1の右側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の右側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、第4側部ファンモジュール74は、カー1の後側壁板左端に形成された第4エアホールからカー1の左側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の左側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴射する。
【0034】
図5の(b)に図示した例によれば、第1側部ファンモジュール71は、カー1の左側壁板前端に形成された第1エアホールから出発してカー1の前側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の前側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、第2側部ファンモジュール72は、カー1の右側壁板後端に形成された第2エアホールからカー1の後側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の後側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出する。第3側部ファンモジュール73は、カー1の前側壁板左端に形成された第3エアホールから出発してカー1の右側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の右側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出し、第4側部ファンモジュール74は、カー1の後側壁板左端に形成された第4エアホールからカー1の左側壁板の内面とカー1の内部空間の中心との間でカー1の左側壁板の内面から徐々に遠くなる経路に進める空気を噴出する。
【0035】
図6は、図2図5に図示したカー1内部での下方螺旋形回旋風の形成例を示す図面であり、図7は、図2図5に図示したカー1内部での上方螺旋形回旋風の形成例を示す図面である。上部ファンモジュール6は、カー1の上側、すなわち、カー1の天井板に設けられ、制御盤5の制御によってカー1の内部空間に空気を噴出するか、カー1の内部空間の空気を吸い込む。2つの下部ファンモジュール9は、カー1の下側、すなわち左側壁板と右側壁板の下端に設けられ、各下部ファンモジュール9は、制御盤5の制御によって上部ファンモジュール6が空気を噴出するとき、カー1の内部空間の空気を吸い込み、上部ファンモジュール6が空気を吸い込むとき、カー1の内部空間に空気を噴出する。前者の場合には、カー1の内部に上部ファンモジュール6から下部ファンモジュール9に向かう空気フローが発生し、後者の場合には、カー1の内部に下部ファンモジュール9から上部ファンモジュール6に向かう空気フローが発生する。
【0036】
上部ファンモジュール6と2つの下部ファンモジュール9は、それぞれプロペラ、モータ、それらを覆うための蓋などで構成される。上部ファンモジュール6及び2つの下部ファンモジュール9それぞれのそのような構成は、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に公知されたものなので、詳細な説明は省略する。上部ファンモジュール6と2つの下部ファンモジュール9それぞれは、これにより吸入される空気を浄化するためにフィルタをさらに含んでもよい。
【0037】
図6に図示したように、4つの側部ファンモジュール7によって回旋風が発生した状態で上部ファンモジュール6が空気を噴出し、下部ファンモジュール9が空気を吸入すれば、4つの側部ファンモジュール7によって、回旋風は、螺旋形に回転しながら、下方に流れる回旋風に変化される。4つの側部ファンモジュール7によって発生した回旋風は、搭乗体の下側方向に陥没された形態の部位、例えば、乗客のズボンのポケット内側には、ほとんど届かないので、これによっては、乗客のズボンのポケット内側に付着しているホコリの完全な除去は困難である。図6に図示したような下方螺旋形回旋風は、乗客のズボンのポケット内側に入り込むために、乗客のズボンのポケット内側に付いているホコリも容易に除去されうる。
【0038】
図7に図示したように、4つの側部ファンモジュール7によって回旋風が発生した状態で下部ファンモジュール9が空気を噴出し、上部ファンモジュール6が空気を吸入すれば、4つの側部ファンモジュール7によって、回旋風は、螺旋形に回転しながら上方に流れる回旋風に変化する。4つの側部ファンモジュール7によって発生した回旋風は、円形に回転する旋風形態を有するが、これは、搭乗体の上側方向に陥没された部位、例えば、乗客の脇にほとんど届かないので、これによっては、乗客の脇に付いているホコリが容易には除去されない。
図7に図示したような上方螺旋形回旋風は、乗客の脇に入り込むので、乗客の脇に付いているホコリも容易に除去することができる。
【0039】
上部ファンモジュール6は、制御盤5の制御によって周期的に空気の噴出/吸入を交互に行い、下部ファンモジュール9は、制御盤5の制御によって上部ファンモジュール6の空気噴出時の空気吸入と、上部ファンモジュール6の空気吸入時の空気噴出とを交互に行うことで、2対の側部ファンモジュール7によって発生した回旋風の上側への流れと、下側への流れとを周期的に交互に誘導する。これにより、搭乗体の上側方向への陥没部位、下側方向への陥没部位など搭乗体の陥没部位にも風が届くことにより、搭乗体の陥没部位に堆積しているホコリ、異物などが完璧に除去されうる。
【0040】
図8は、図2図4に図示した各ルーバー8の詳細図である。4つのルーバー8それぞれは、カー1に形成された4つのエアホールそれぞれに設けられ、互いに隣接して配置された複数個のスラット(slat)802を回転させることで、前記一対のエアホールそれぞれを開閉する。図8の(a)には、複数個のスラット802が互いに離れるように複数個のスラット802が回転されることにより、各エアホールが開放された状態を図示しており、図8の(b)には、複数個のスラット802が互いに重なるように複数個のスラット802が回転されることにより、各エアホールが閉塞された状態を図示している。図8を参照すれば、各ルーバー8は、ガイドフレーム801、複数個のスラット802、モータ803、及びギアボックス804で構成される。複数個のスラット802は、ギアボックス804以外に滑車、モータなどを用いて回転され得る。
【0041】
ガイドフレーム801は、2つの短辺と2つの長辺からなる四角フレーム状であり、2つの短辺それぞれには厚さ方向に複数本の貫通孔が形成されている。複数個のスラット802は、各エアホールの長さほど長い、一字状平板であって、その長手方向の両端には、円形ピンが突出している。各スラット802の2本の円形ピンがガイドフレーム801の2本の短辺貫通孔に挿入される構造であり、複数個のスラット802は、ガイドフレーム801の内部に互いに隣接して配置される。このように、ガイドフレーム801は、各スラット802の回転を案内する役割を行う。モータ803は、ギアボックス804を通じて複数個のスラット802を回転させる。ギアボックス804は、ギア組合わせを用いてモータ803の回転力を各スラット802に伝達する。各スラット802の2本の円形ピンのうち、いずれか1つは、ギアと結合されており、モータ803の回転力が伝達される。
【0042】
図8の(a)に図示したように、各ルーバー8の複数個のスラットの回転角度によって各エアホールからの空気噴出角度が調整されうる。図5の(a)を例として挙げれば、カー1の左側壁板前端に形成された第1エアホールに設けられた第1ルーバー8の複数個のスラット802は、第1エアホールから噴出された空気がカー1の前側壁板の内面とカー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転される。カー1の後側壁板右端に形成された第2エアホールに設けられた第2ルーバー8の複数個のスラット802は、第2エアホールから噴出された空気がカー1の後側壁板の内面とカー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転される。カー1の右側壁板前端に形成された第3エアホールに設けられた第3ルーバー8の複数個のスラット802は、第3エアホールから噴出された空気がカー1の後側壁板の内面とカー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転される。カー1の後側壁板左端に形成された第4エアホールに設けられた第1ルーバー8の複数個のスラット802は、第4エアホールから噴出された空気がカー1の左側壁板の内面とカー1の内部空間の中心間を進めるようにする角度で回転される。
【0043】
制御盤5は、各ルーバー8の複数個のスラット802の回転を制御する。さらに詳細に説明すれば、制御盤5は、カー1内部に設けられたセンサー(図示せず)から、カー1内部の搭乗体が感知されたことを示す信号を入力される時点で、エアクリーンモードによってカー1の各エアホールが開放されるように各ルーバー8の複数個のスラットを回転させ、1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、及び2つの下部ファンモジュール9から空気が強く噴出されるように、1つの上部ファンモジュール6、4つの側部ファンモジュール7、及び2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御する。制御盤5は、センサーからカー1内部の搭乗体が感知されたことを示す信号の入力消滅時点で、一般空調モードによってカー1の各エアホールが閉鎖されるように、各ルーバー8の複数個のスラットを回転させ、1つの上部ファンモジュール6と2つの下部ファンモジュール9から空気が弱く噴出されるように、1つの上部ファンモジュール6と2つの下部ファンモジュール9の駆動を制御し、4つの側部ファンモジュール7の駆動を停止させる。
【0044】
カー1内部の搭乗体を感知するセンサーは、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に公知された電子部品なので、さらに詳細な説明を省略する。前記センサー基盤のモード転換方式以外にも、制御盤5は、カー1の扉が開いて閉まった時点から、カー1の扉がまた開いて閉まった時点までエアクリーンモードで制御し、その他の時間帯には、一般空調モードで制御してもよい。カー1の扉は、実際に搭乗がなされていない状態であっても、開閉動作が頻繁になされるので、扉開閉によるモード転換方式の場合、エネルギーの無駄遣いが発生してしまう恐れがある。
【0045】
図9は、図2図4に図示した各側部ファンモジュール7の詳細図であり、図10は、図9に図示した各側部ファンモジュール7の分解図である。図9図10を参照すれば、各側部ファンモジュール7は、インペラー701、モータ702、ファンハウジング703、ノズル704、フィルタ705、及びフィルタハウジング706で構成される。各側部ファンモジュール7は、カー1の各エアホールの周囲にブラケットを用いて付着してもよく、溶接方式で付着してもよい。
【0046】
インペラー701は、弓状横断面を有するフラットブレードが複数個円形に互いに隣接して配列されて円筒状を形成する構造を有する。インペラー701は、図10に図示したように、円形に配列された複数個のブレードの集合体を複数個連結した構造によって具現され、図10に図示したインペラー701の全長ほど長いフラットブレードが複数個円形に配列された単一集合体としても具現される。ファンハウジング703は、インペラー701の一部を覆い包むカバー状からなり、カー1の各エアホールと連通されるように各エアホールの形態に対応する一字状の排気口が形成されている。モータ702は、インペラー701を回転させることで、ファンハウジング703の排気口を介して各エアホールからカー1の内部空間の中心をずらしていく方向に進める空気を噴出させる。ファンハウジング703は、インペラー701のほぼ半分を覆う。
【0047】
上述したように、各エアホールは、カー1の上下方向に長く一字状に形成されるので、一般的なプロペラを使用するファンによっては、各エアホールからエアホールの全面積に対して全体として均一な風速を有する空気を噴出させることは不可能である。本実施例は、弓状横断面を有するフラットブレードが複数個円形に互いに隣接して配列される円筒状のインペラー701を用いるので、エアホールの全面積に対して全体として均一な風速を有する空気を噴出させうる。特に、各ブレードは、インペラー701の回転方向に沿って折り曲げられた弓状横断面を有するために、インペラー701の回転によって噴出される空気の速度を増加させうる。
【0048】
ノズル704は、四角フレーム7041内に複数個の円筒状流路部7042が配置され、円筒状流路部7042の内周面には、長手方向に複数個の螺旋形突起7043が形成された構造を有する。このような構造のノズル704は、ファンハウジング703の排気口に挿入される。インペラー701の回転によって噴出された空気は、ノズル704の各円筒状流路部7042の内周面に形成された複数個の螺旋形突起7043によって螺旋形に回転する風となる。螺旋形に回転する風は、ある面に沿って進めるとき、その回転方向に曲がりつつ進めることになる。これにより、各側部ファンモジュール7のインペラー701の回転によって噴出された空気は、ノズル704の各円筒状流路部7042の内周面に形成された複数個の螺旋形突起7043によって各エアホールからカー1の各内側面とカー1の内部空間の中心との間で各内側面から徐々に遠くなる曲線経路に進めることになる。
【0049】
ここで、いずれか1つの内側面は、前側壁板、後側壁板、左側壁板、または右側壁板にもなる。4つの側部ファンモジュール7から噴出された空気の進行経路は、このように曲線経路になり、さらに詳細には、図5の説明と同様なので、その詳細な説明は省略する。図5の(a)と図5の(b)とを対比すれば、第2側部ファンモジュール72と第3側部ファンモジュール73から噴出される空気が進める曲線経路の形態が互いに異なることが分かる。図5の(a)に図示した第2側部ファンモジュール72と第3側部ファンモジュール73のノズル704の螺旋形突起の回転方向により4つの側部ファンモジュール7から噴出された空気は、図5の(a)に図示したような曲線経路になり、図5の(a)に図示した第2側部ファンモジュール72と第3側部ファンモジュール73のノズル704の螺旋形突起の回転方向を逆にすれば、4つの側部ファンモジュール7から噴出された空気は、図5の(b)に図示したような曲線経路で進むことになる。
【0050】
上述したように、カー1が通過する通路のサイズと構造によって、4つの側部ファンモジュール7は、図5の(b)に図示したような最適の位置に設置することができない場合がある。その場合、4つの側部ファンモジュール7は、図5の(a)に図示したような位置など、カー1が通過する通路のサイズと構造によって、図5の(b)に図示したような最適の位置に最も近接する位置に設置することができ、各ルーバー8のスラット802の回転角度調整と、各側部ファンモジュール7のノズル704の螺旋形突起の回転方向調整を通じて、図5に図示したような理想的な形態に近接する回旋風が発生しうる。
【0051】
フィルタ705は、インペラー701の他部、すなわち、ファンハウジング703によって覆われたインペラー701の露出部位側に配置され、各側部ファンモジュール7の外部空気を浄化してインペラー701に供給する。フィルタ705は、長方形棒状のフィルタとして不織布などを積層することで具現されうる。フィルタハウジング706は、インペラー701の他部側に配置されたフィルタ705の露出部位を覆い包むカバー状からなり、各側部ファンモジュール7の外部空気を吸い込むための複数個の吸気口が形成されている。フィルタハウジング706の複数個の吸気口は、1つの大きな吸気口によっても具現される。図9に図示したように、フィルタハウジング706は、ボルトなどを用いてファンハウジング703に覆い被せられる方式でファンハウジング703と結合する。これにより、フィルタハウジング706は、ファンハウジング703から引き出す方式で分離することができ、フィルタ705の交換が容易である。
【0052】
上述したように、インペラー701は、弓状横断面を有するフラットブレードが複数個円形に互いに隣接して配列されて円筒状を形成する構造を有するので、多様な角度でインペラー701に空気が流入されうる。これにより、インペラー701に流入される空気を浄化するために、カー1の各エアホールの長さほど長い長方形棒状のフィルタ705が使用され、結果として、各エアホールを通じてカー1の内部に回旋風を起こすことができる十分な容量の浄化空気が供給されうる。
【0053】
以上、本発明について望ましい実施例を中心に説明した。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示した実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に開示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0054】
1 カー
2 駆動部
3 ロープ
4 おもり
5 制御盤
6 上部ファンモジュール
7 ファンモジュール
8 ルーバー
9 下部ファンモジュール
71 第1側部ファンモジュール
72 第2側部ファンモジュール
73 第3側部ファンモジュール
74 第4側部ファンモジュール
701 インペラー
702、803 モータ
703 ファンハウジング
704 ノズル
705 フィルタ
706 フィルタハウジング
801 ガイドフレーム
802 スラット
804 ギアボックス
7041 四角フレーム
7042 円筒状流路部
7043 螺旋形突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10