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特許7171421表示装置、インターフェースユニット及び表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】表示装置、インターフェースユニット及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20221108BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221108BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221108BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20221108BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F3/14 Z
G09G5/00 555D
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09F9/00 366G
G06F3/00 V
H04N5/64 551H
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018240506
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102063
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴之
(72)【発明者】
【氏名】平木 克良
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-310088(JP,A)
【文献】特開2009-059486(JP,A)
【文献】特開平06-242864(JP,A)
【文献】特開平09-035818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0024350(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
G09G 5/00
G09F 9/00
G06F 3/00
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信電極を有する平板状のインターフェースユニットの前記複数の送信電極から入力信号を受信するように構成された複数の受信電極を有するコネクタユニットと、
前記入力信号に含まれる入力データの配列を決定する信号処理部と、
前記信号処理部によって決定された配列の前記入力データに応じて映像出力処理を行う表示出力部と、を有し、
前記複数の受信電極は、前記インターフェースユニットが対向配置される所定の領域において、前記インターフェースユニットの面内回転角によって定義される複数の接続方向のそれぞれにおいて前記複数の送信電極と対向するように配置されており、
前記信号処理部は、前記インターフェースユニットの接続方向に応じて前記入力データの配列を決定する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の受信電極は、回転対称に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記コネクタユニットが検知端子を備え、
前記信号処理部は、前記インターフェースユニットから前記検知端子に入力される検知信号に基づいて前記接続方向を識別する方向識別部、及び前記方向識別部によって識別された接続方向に応じて前記入力データの配列を決定する配列決定部を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
前記検知端子は、前記複数の受信電極以外の電極であり、
前記検知信号は、前記入力信号とは異なる
ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記検知端子は、前記複数の受信電極の一部であり、
前記検知信号は、前記入力信号に含まれる既知の特定の信号であり、
前記方向識別部は、前記既知の特定の信号を受信する受信電極の位置に基づいて前記接続方向を識別するように構成されている
ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項6】
前記検知端子は、前記複数の受信電極の一部であり、
前記方向識別部は、信号が入力されない電極の位置に基づいて前記接続方向を識別するように構成されている
ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項7】
前記入力信号は、前記複数の送信電極から前記複数の受信電極に電磁界結合によって非接触伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記入力信号は、前記複数の送信電極と前記複数の受信電極との間の物理的な接触を介して伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示出力部は、ソースドライバ及びゲートドライバを制御するタイミングコントローラを含み、
前記タイミングコントローラは、前記信号処理部の全部又は一部を含む
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記コネクタユニットは、前記インターフェースユニットを位置決めするように構成された磁石若しくは磁性体、前記インターフェースユニットが嵌合される凹部、又は前記インターフェースユニットの一部分に対して嵌合される突起部若しくは受容部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記コネクタユニットは、表示面の背面に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1記載の表示装置の前記コネクタユニットに接続可能なインターフェースユニットであって、
基板と、
前記基板に固定された入力信号ケーブルと、
前記基板に配置された前記複数の送信電極と、
前記入力信号ケーブルから受信される前記入力信号を前記複数の送信電極のうちの対応する送信電極に供給する制御回路と
を有することを特徴とするインターフェースユニット。
【請求項13】
前記複数の送信電極は、回転対称に配置され、又は該配置から不使用電極が除かれて配置されている
ことを特徴とする請求項12記載のインターフェースユニット。
【請求項14】
送信側検知端子を更に有し、
前記コネクタユニットは、受信側検知端子を備え、
前記制御回路は、検知信号を前記送信側検知端子に送信するように構成され、
前記信号処理部は、前記送信側検知端子から前記受信側検知端子に入力される前記検知信号に基づいて前記接続方向を識別する方向識別部、及び前記方向識別部によって識別された接続方向に応じて前記入力データの配列を決定する配列決定部を含む
ことを特徴とする請求項12又は13記載のインターフェースユニット。
【請求項15】
前記入力信号は、前記複数の送信電極から前記複数の受信電極に電磁界結合によって非接触伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載のインターフェースユニット。
【請求項16】
前記入力信号は、前記複数の送信電極と前記複数の受信電極との間の物理的な接触を介して伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載のインターフェースユニット。
【請求項17】
前記コネクタユニットに対して位置決めされるように構成された磁石若しくは磁性体、前記コネクタユニットに嵌合される全体形状、又は前記コネクタユニットの一部分に対して嵌合される受容部若しくは突起部を有する
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載のインターフェースユニット。
【請求項18】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載された表示装置と、
前記インターフェースユニットと
を有することを特徴とする表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、インターフェースユニット及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、表示装置のHDMI(登録商標)端子、DisplayPort端子などの映像端子は表示装置の一端部において特定の向きに設置され、入力信号ケーブルがその向きに従って映像端子に接続される。すなわち、表示装置の外部から入力信号ケーブルを映像端子に接続する方向は、一方向に限定される。また、フレキシブルプリント基板(FPC)を用いた入力信号ケーブルが採用される表示装置においても、入力信号ケーブルの接続方向は一方向に限られる。そのため、表示装置の設置状況によっては、入力信号ケーブルの引回しが煩雑となるなどの問題があった。
【0003】
上記問題に関して、表示装置の接続端子であるコネクタに対してケーブルを2方向から接続することを可能とした構成が、特許文献1に開示されている。特許文献1のタブレットディスプレイは、画面表示の通常使用又は回転使用のいずれかを指定する回転使用スイッチを有する。そして、回転使用スイッチの状態に応じて、通常の入力及び表示に対応する通常使用モードと、タブレットからの入力座標が180度回転されて表示される回転使用モードとが切り換えられる。更に、タブレットディスプレイに接続されるケーブルは、タブレットディスプレイのコネクタに対して180度回転可能に接続される。この180度回転可能な接続を実現するために、コネクタとケーブルとはヒンジを介して接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-208449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成は、コネクタとケーブルの接続にヒンジを要し、表示装置の厚さを増加させてしまい、ますます薄型化される傾向にある表示装置の技術動向に対応できない。したがって、表示装置の薄型化を実現しつつも、入力信号ケーブルの取り回しを適正化する構成が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、薄型性を保持しつつ入力信号ケーブルの取り回しの適正化を可能とする表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、その表示装置に適したインターフェースユニット、及びその表示装置を用いた表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の送信電極を有する平板状のインターフェースユニットの複数の送信電極から入力信号を受信するように配置された複数の受信電極を有するコネクタユニットと、入力信号に含まれる入力データの配列を決定する信号処理部と、信号処理部によって決定された配列の入力データに応じて映像出力処理を行う表示出力部と、を有し、複数の受信電極は、インターフェースユニットが対向配置される所定の領域において、インターフェースユニットの面内回転角によって定義される複数の接続方向のそれぞれにおいて複数の送信電極と対向するように配置されており、信号処理部は、インターフェースユニットの接続方向に応じて入力データの配列を決定する表示装置が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、上記表示装置のコネクタユニットに接続可能なインターフェースユニットであって、基板と、基板に固定された入力信号ケーブルと、基板に配置された複数の送信電極と、入力信号ケーブルから受信される入力信号を複数の送信電極のうちの対応する送信電極に供給する制御回路とを有するインターフェースユニットが提供される。
【0009】
本発明の更に他の態様によれば、上記表示装置と、上記インターフェースユニットとを有する表示システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、薄型性を保持しつつ入力信号ケーブルの取り回しの適正化を可能とする表示装置、その表示装置に適したインターフェースユニット、及びその表示装置を用いた表示システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態による表示システムを示すブロック図である。
図2】第1実施形態による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す側面図である。
図3】第1実施形態による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図4A】第1実施形態による入力データの再配列を説明する図である。
図4B】第1実施形態による入力データの再配列を説明する図である。
図4C】第1実施形態による入力データの再配列を説明する図である。
図5】第1実施形態の第1の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図6】第1実施形態の第2の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図7】第1実施形態の第3の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図8】第1実施形態の第4の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図9】第1実施形態の第5及び第6の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図10】第1実施形態の第7の変形例による表示装置のコネクタユニット及びインターフェースユニットを示す平面図である。
図11】第2実施形態による表示装置及びインターフェースユニットの第1の実施例を示す側方断面図である。
図12】第2実施形態による表示装置及びインターフェースユニットの第2の実施例を示す側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態による表示システム1のブロック図を示す。表示システム1は、表示装置2及びインターフェースユニット3(I/Fユニット3)を含む。表示装置2は、壁掛け型、据え置き型などのディスプレイである。映像発生装置4は、入力映像信号などを含む入力信号の送信元となるサーバ、コンピュータ、送信設備などである。インターフェースユニット3は、映像発生装置4から入力信号ケーブルC(以下、「ケーブルC」という)を介して伝送される入力信号及び後述の検知信号を表示装置2に入力するためのインターフェースである。
【0013】
表示装置2は、コネクタユニット20、信号処理部25、タイミングコントローラ26、ソースドライバ27、ゲートドライバ28及び表示パネル29を備える。なお、タイミングコントローラ26、ソースドライバ27、ゲートドライバ28及び表示パネル29をまとめて表示出力部ともいう。表示パネル29は、行列配置された有機発光ダイオード(OLED)の画素を有する画像表示部であってもよいし、行列配置された薄膜トランジスタ(TFT)の画素を有する液晶ディスプレイ(LCD)であってもよい。
【0014】
コネクタユニット20は、インターフェースユニット3から受信される入力信号及び検知信号を信号処理部25に中継する。入力信号は、入力映像信号、垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号、入力イネーブル信号などを含む。詳細を後述するように、検知信号は、4値を表す信号(2ビット信号、4レベルのDC固定信号など)である。
【0015】
信号処理部25はCPU250及びメモリ253を含み、CPU250は方向識別部251及び配列決定部252を含む。信号処理部25は、インターフェースユニット3から入力された入力信号及び検知信号に基づいて、入力信号に含まれる入力データの配列(マップ)を決定する。CPU250は、メモリ253、方向識別部251及び配列決定部252に関する動作を統括制御する。また、CPU250は、以下に明記する信号処理部25の処理以外の適宜の処理(例えば、受信した入力信号の増幅、パルス成形、入力信号の信号形式の変換など)を必要に応じて実行する。メモリ253は、プログラム、マップなどを記憶するROM、入力データなどを記憶するRAMなどの記憶部である。なお、信号処理部25の全部又は一部は、タイミングコントローラ26に含まれてもよい。言い換えると、タイミングコントローラ26は、信号処理部25の全部又は一部を含んでいてもよい。この場合、CPU、メモリなどが、信号処理部25及びタイミングコントローラ26によって共有され得る。また、信号処理部25は、コネクタユニット20の基板20aにICなどの形態で実装されてもよい。これにより、既存の表示装置2に対して1枚の基板20aを追加するだけで本発明が適用可能となる。
【0016】
方向識別部251は、検知信号に基づいてコネクタユニット20に対するインターフェースユニット3の接続方向を識別する。なお、接続方向は、後述の説明から分かるように、コネクタユニット20に対するインターフェースユニット3の面内回転角によって定義される。配列決定部252は、入力データをメモリ253に格納し、方向識別部251によって識別された接続方向に基づいて、メモリ253に格納された入力データの配列を決定する配列決定処理を行う。そして、配列決定部252は、配列決定処理が行われた入力データをタイミングコントローラ26に出力する。なお、配列決定処理は、入力データの配列を維持する処理(以下、「配列維持処理」という)及び入力データの配列を変更する処理(以下、「再配列処理」という)の双方を含む。コネクタユニット20の構造、検知信号の形式、信号処理部25での配列決定処理などについては、詳細を後述する。
【0017】
ソースドライバ27は、データラインDLにデータ電圧を印加し、データラインDLに接続された画素を駆動する。ゲートドライバ28は、ゲートラインGLに走査信号(ハイレベル又はローレベル)を順次供給し、表示パネル29を構成する画素のうちのゲートラインGLに接続された画素を順次駆動する。タイミングコントローラ26は、信号処理部25から入力される入力信号に基づいてソースドライバ27及びゲートドライバ28を統括制御する。具体的には、タイミングコントローラ26は、シリアル信号である映像入力信号をパラレル化し、ゲートラインGLを走査するタイミングに合わせてそれぞれのデータラインDLに印加すべきデータ電圧を制御する。このように、入力信号に基づいてタイミングコントローラ26、ソースドライバ27及びゲートドライバ28において映像出力処理が行われ、入力信号に基づく映像が表示パネル29に表示される。
【0018】
図2及び図3を参照して、本実施形態による表示装置2のコネクタユニット20及びインターフェースユニット3の構成を説明する。図2に、コネクタユニット20及びインターフェースユニット3の側面図を示す。図3(a)にコネクタユニット20の平面図を示し、図3(b)にインターフェースユニット3の平面図を示す。なお、本開示の各図は模式図であり、寸法通りとは限らない。
【0019】
図2に示すように、コネクタユニット20は、表示装置2の背面2b(表示装置2の表示面の裏面)の外壁に設けられた基板20aを有する。インターフェースユニット3は、基板3a及びそれを覆う筐体3cを有し、全体として平板状である。インターフェースユニット3をコネクタユニット20に接続する際に基板3aのコネクタユニット20に対向する面を主面3aaといい、主面3aaの裏面を背面3abというものとする。背面3abの一端部において入力信号ケーブル30(以下、「ケーブル30」という)の一端が基板3aに実装及び固定され、ケーブル30の他端(不図示)までがインターフェースユニット3の構成要素となる。したがって、ケーブル30は、図1に示したケーブルCの一部又は全部を構成する。ケーブル30がケーブルCの一部である場合には、ケーブル30の他端は適宜のコネクタを介して別途のケーブルの一端に接続され、その別途のケーブルの他端が映像発生装置4に接続される。ケーブル30がケーブルCの全部である場合には、ケーブル30の他端が映像発生装置4に接続される。
【0020】
インターフェースユニット3をコネクタユニット20に接続する際に、基板3aは基板20aに対して所定の箇所で位置決めされ、主面3aaが基板20aの外側の面に対向配置される。インターフェースユニット3とコネクタユニット20との位置決めは、例えば、インターフェースユニット3に配置された不図示の磁石とコネクタユニット20に配置された不図示の磁性体(磁石に対して引力を示す部材)又は不図示の磁石(上記磁石と逆極性の磁石)との引力を用いて実施され得る。あるいは、インターフェースユニット3とコネクタユニット20との位置決めは、コネクタユニット20に配置された磁石とインターフェースユニット3に配置された磁性体(磁石に対して引力を示す部材)又は磁石(上記磁石と逆極性の磁石)との引力を用いて実施され得る。
【0021】
本実施形態では、インターフェースユニット3とコネクタユニット20との間(対向する電極間又は対向する端子間)の信号伝送に関して、基板3aと基板20aとは、電磁界結合によって非接触な態様で、すなわち、無線伝送によって結合され得る。あるいは、基板3aと基板20aとはコンタクトピン等を用いた物理的な接触によって電気的に結合されてもよい。なお、非接触結合の場合、基板20aは、背面2bの内壁側に設けられてもよい。
【0022】
図3(a)は、インターフェースユニット3側から見たコネクタユニット20(基板20a)の平面図である。コネクタユニット20は、受信電極21A~21P及び受信側接続方向検知用端子(以下、「受信側検知端子」という)22を備える。なお、本開示の各図において、図の明瞭化のため、受信電極21A~21Pをそれぞれ電極内に表記されるアルファベットA~Pで示す。また、以降の説明において、受信電極21A~21Pを総称して又はいずれか1つを代表して受信電極21というものとする。受信電極21及び受信側検知端子22の各々は、不図示の配線を介して信号処理部25に接続される。
【0023】
本実施形態では、受信電極21A~21Pは、4×4の正方行列状に配置される。ただし、受信電極21の個数は16個に限定されず、表示装置2の仕様又は入力信号の仕様に応じて適切な個数の受信電極21が配置され得る。例えば、受信電極21がHDMI(登録商標)端子(例えば19ピン)の代替である場合には、受信電極21は5×5の正方行列状に配置され、そのうちの6個の電極が不使用電極となる。あるいは、受信電極21がDisplayPort端子(例えば20ピン)の代替である場合には、受信電極21は5×5の正方行列状に配置され、そのうちの5個の電極が不使用電極となる。
【0024】
また、受信電極21の配置は、後述の説明から分かるように、回転対称である限り、正方形に限らず、正八角形状、十字形状、卍形状、円形状、正方形枠形状、正八角形枠形状、円環状など、又はこれらの組合せであってもよい。なお、本開示において90度回転対称とは、全受信電極21が構成する平面内で全受信電極21の重心位置を中心として、全受信電極21を90度、180度又は270度回転したとしても、全受信電極21の配置が外観上同じ形状となる態様をいうものとする。また、受信電極21の各々の形状は、図示するような正方形でなくてもよく、正方形以外の多角形や円形などであってもよい。
【0025】
また、ここでは受信電極21を正方格子状に配置し、90度回転対称となるように構成したが、受信電極21の配置は正方格子状に限定されるものではない。例えば、受信電極21を六方格子状に配置し、60度回転対称となるように構成してもよい。
【0026】
受信側検知端子22は、受信電極21A~21Pの正方行列の外部の所定位置(例えば、コネクタユニット20の角部)に配置される。詳細を後述するように、受信側検知端子22は、受信電極21A~21Pの重心位置以外であれば、他の位置に配置されてもよい。
【0027】
図3(b)は、インターフェースユニット3(基板3a)を背面3ab側から見た場合の透過平面図である。インターフェースユニット3は、ケーブル30、送信電極31A~31P、送信側接続方向検知用端子(以下、「送信側検知端子」という)32W~32Z及び制御回路35を備える。なお、本開示の各図において、図の明瞭化のため、送信電極31A~31Pをそれぞれ電極内に表記されるアルファベットA~Pで示し、送信側検知端子32W~32Zをそれぞれ端子内に表記されるアルファベットW~Zで示す。また、以降の説明において、送信電極31A~31Pを総称して又はいずれか1つを代表して送信電極31というものとし、送信側検知端子32W~32Zを総称して又はいずれか1つを代表して送信側検知端子32というものとする。ケーブル30は制御回路35に接続され、制御回路35は不図示の配線を介して送信電極31及び送信側検知端子32の各々に接続される。
【0028】
送信電極31A~31Pは、受信電極21A~21Pと同様に、4×4の正方行列状に配置される。したがって、送信電極31の個数は16個に限定されず、インターフェースユニット3の仕様又は入力信号の仕様に応じて適切な個数の送信電極31が配置され得る。例えば、送信電極31がHDMI(登録商標)端子(例えば19ピン)の代替である場合には、送信電極31は5×5の正方行列状に配置され、そのうちの6個の電極が不使用電極となる。また、送信電極31がDisplayPort端子(例えば20ピン)の代替である場合には、送信電極31は5×5の正方行列状に配置され、そのうちの5個の電極が不使用電極となる。なお、送信電極31に不使用電極がある場合には、その電極(例えば、電極パッド)は設けられなくてもよい。
【0029】
また、送信電極31の配置は、受信電極21と同様に、回転対称である限り、正方形に限らず、正八角形状、十字形状、卍形状、円形状、正方形枠形状、正八角形枠形状、円環状など、又はこれらの組合せであってもよい。送信電極31の配置が正方格子状に限定されない点も、受信電極21と同様である。送信電極31A~31Pの配置は、受信電極21A~21Pの配置に対応する。言い換えると、全送信電極31の各々が全受信電極21の各々に一致して対向するように、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して位置決めされるものとする。また、送信電極31の各々の形状は、正方形でなくてもよく、円形などであってもよい。
【0030】
本開示において、説明の便宜上、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して面内回転されず、送信電極31Aが受信電極21Aに対応する接続状態(面内回転角=0度)を0度回転接続という。また、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して反時計回りに90度面内回転され、送信電極31Aが受信電極21Mに対応する状態(面内回転角=90度)を90度回転接続という。また、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して180度面内回転され、送信電極31Aが受信電極21Pに対応する状態(面内回転角=180度)を180度回転接続という。また、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して時計回りに90度又は反時計回りに270度面内回転され、送信電極31Aが受信電極21Dに対応する状態(面内回転角=-90度又は270度)を-90度回転接続又は270度回転接続という。信号処理部25において、0度回転接続の場合には配列維持処理が行われ、90度回転接続、180度回転接続及び-90度回転接続の場合には再配列処理が行われる。
【0031】
送信側検知端子32W~32Zは、本実施形態では、コネクタユニット20の基板20a上で全送信電極31の重心位置に関して90度回転対称に配置される。例えば、送信側検知端子32Wは送信電極31A付近の基板角部、送信側検知端子32Xは送信電極31D付近の基板角部、送信側検知端子32Yは送信電極31M付近の基板角部、送信側検知端子32Zは送信電極31P付近の基板角部に配置される。その上で、接続方向に応じて、送信側検知端子32のいずれか1つが受信側検知端子22に一致する。
【0032】
上述したように、送信側検知端子32には、例えば2ビット信号が供給される。例えば、送信側検知端子32Wには「00」を表すパルス変調信号、送信側検知端子32Xには「01」を表すパルス変調信号、送信側検知端子32Yには「10」を表すパルス変調信号、送信側検知端子32Zには「11」を表すパルス変調信号が供給される。あるいは、4値のDC固定電圧が送信側検知端子32に供給されてもよい。例えば、送信側検知端子32Wには0V、送信側検知端子32Xには1.7V、送信側検知端子32Yには3.3V、送信側検知端子32Zには5Vが供給される。
【0033】
制御回路35は、例えば制御ICであり、ケーブル30から入力された入力信号を対応する送信電極31の各々に(必要に応じて所定の信号形式に変換して)供給するように構成される。また、制御回路35は、入力信号を電源として所定の検知信号を生成し、その検知信号を送信側検知端子32の各々に供給する。すなわち、映像発生装置4からの入力信号が制御回路35に入力されると、入力データが所定の配列で送信電極31A~31Pに供給されるとともに、4種の検知信号が送信側検知端子32W~32Zに供給される。更に、入力データが送信電極31の各々から受信電極21の各々に非接触又は接触伝送されるとともに検知信号が送信側検知端子32W~32Zのいずれかから受信側検知端子22に非接触又は接触伝送され、この入力信号及び検知信号がコネクタユニット20から信号処理部25に中継される。
【0034】
次に、図4A図4Cを用いて、信号処理部25における配列決定処理、特に再配列処理を説明する。図4A図4B及び図4Cは、それぞれ90度回転接続の場合、180度回転接続の場合及び-90度回転接続の場合について、受信電極21及び受信側検知端子22に対する送信電極31及び送信側検知端子32の対応関係を示す。なお、図4A図4Cの各々において、左図(a)はコネクタユニット20の平面図を示し、右図(b)はインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図を示す。
【0035】
図4Aにおいて、受信側検知端子22は送信側検知端子32Xに対応する。これにより、方向識別部251は、送信側検知端子32Xから供給される検知信号(例えば、「01」を表すパルス変調信号又は(接触伝送の場合には)1.7VのDC固定信号)に基づいて90度回転接続を識別する。また、受信電極21と送信電極31の対応関係を符号のみで表すと、21A=31D、21B=31H、21C=31L、21D=31P、21E=31C、21F=31G、21G=31K、21H=31O、21I=31B、21J=31F、21K=31J、21L=31N、21M=31A、21N=31E、21O=31I、及び21P=31Mとなる。したがって、配列決定部252は、送信電極31からの入力データを、31D→31A、31H→31B、31L→31C、31P→31D、31C→31E、31G→31F、31K→31G、31O→31H、31B→31I、31F→31J、31J→31K、31N→31L、31A→31M、31E→31N、31I→31O、及び31M→31Pと変換して入力データを再配列する。信号処理部25は、再配列された入力データを入力信号としてタイミングコントローラ26に出力する。これにより、表示出力部(タイミングコントローラ26、ソースドライバ27、ゲートドライバ28及び表示パネル29)は、0度回転接続の場合と同様の映像出力処理によって表示パネル29上での表示出力を行うことができる。
【0036】
図4Bにおいて、受信側検知端子22は送信側検知端子32Zに対応する。これにより、方向識別部251は、送信側検知端子32Zから供給される検知信号(例えば、「11」を表すパルス変調信号又は(接触伝送の場合には)5VのDC固定信号)に基づいて180度回転接続を識別する。また、受信電極21と送信電極31の対応関係を符号のみで表すと、21A=31P、21B=31O、21C=31N、21D=31M、21E=31L、21F=31K、21G=31J、21H=31I、21I=31H、21J=31G、21K=31F、21L=31E、21M=31D、21N=31C、21O=31B、及び21P=31Aとなる。したがって、配列決定部252は、送信電極31からの入力データを、31P→31A、31O→31B、31N→31C、31M→31D、31L→31E、31K→31F、31J→31G、31I→31H、31H→31I、31G→31J、31F→31K、31E→31L、31D→31M、31C→31N、31B→31O、及び31A→31Pと変換して入力データを再配列する。信号処理部25は、再配列された入力データを入力信号としてタイミングコントローラ26に出力する。これにより、表示出力部は、0度回転接続の場合と同様の映像出力処理によって表示パネル29上での表示出力を行うことができる。
【0037】
図4Cにおいて、受信側検知端子22は送信側検知端子32Yに対応する。これにより、方向識別部251は、送信側検知端子32Yから供給される検知信号(例えば、「10」を表すパルス変調信号又は(接触伝送の場合には)3.3VのDC固定信号)に基づいて-90度回転接続を識別する。また、受信電極21と送信電極31の対応関係を符号のみで表すと、21A=31M、21B=31I、21C=31E、21D=31A、21E=31N、21F=31J、21G=31F、21H=31B、21I=31O、21J=31K、21K=31G、21L=31C、21M=31P、21N=31L、21O=31H、及び21P=31Dとなる。したがって、配列決定部252は、送信電極31からの入力データを、31M→31A、31I→31B、31E→31C、31A→31D、31N→31E、31J→31F、31F→31G、31B→31H、31O→31I、31K→31J、31G→31K、31C→31L、31P→31M、31L→31N、31H→31O、及び31D→31Pと変換して入力データを再配列する。信号処理部25は、再配列された入力データを入力信号としてタイミングコントローラ26に出力する。これにより、表示出力部は、0度回転接続の場合と同様の映像出力処理によって表示パネル29上での表示出力を行うことができる。
【0038】
このように、タイミングコントローラ26は、コネクタユニット20に対するインターフェースユニット3の接続方向にかかわらず、同じ処理によって、ソースドライバ27及びゲートドライバ28を制御することができる。言い換えると、既存の表示出力部を備える表示装置2において、その前段にコネクタユニット20及び信号処理部25を付加するだけで本実施形態の作用が得られる。
【0039】
[接続方向識別の変形例]
なお、接続方向の識別手法は受信側検知端子22及び送信側検知端子32W~32Zを用いるものに限られず、種々の識別手法が採用され得る。以下、接続方向の識別手法の変形例を示す。なお、各変形例においては、上記実施形態との相違点を主に説明し、同一又は類似の構成の説明を省略又は簡略化する。
【0040】
(1)第1の変形例
上記実施形態では、1個の受信側検知端子22及び4個の送信側検知端子32を用いる構成を示したが、本変形例では、1個の受信側検知端子22及び3個の送信側検知端子32を用いる構成を示す。図5に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。
【0041】
インターフェースユニット3は、送信側検知端子32X、32Y及び32Zを有する。送信側検知端子32には2ビット信号が供給される。例えば、送信側検知端子32Xには「01」を表すパルス変調信号、送信側検知端子32Yには「10」を表すパルス変調信号、送信側検知端子32Zには「11」を表すパルス変調信号が供給される。あるいは、接触伝送の場合には3値のDC固定電圧が送信側検知端子32に供給されてもよい。例えば、送信側検知端子32Xには1.7V、送信側検知端子32Yには3.3V、送信側検知端子32Zには5Vが供給される。
【0042】
0度回転接続の場合、受信側検知端子22には送信側検知端子32X~32Zのいずれも対応しない。方向識別部251はこの無入力状態に基づいて0度回転接続を識別し、配列決定部252はデフォルト設定の処理として配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。90度回転接続の場合、受信側検知端子22には送信側検知端子32Xが対応する。したがって、方向識別部251は送信側検知端子32Xからの検知信号(例えば、「01」を表すパルス変調信号又は1.7VのDC固定信号)に基づいて90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。180度回転接続の場合、受信側検知端子22には送信側検知端子32Yが対応する。したがって、方向識別部251は送信側検知端子32Yからの検知信号(例えば、「10」を表すパルス変調信号又は3.3VのDC固定信号)に基づいて180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。-90度回転接続の場合、受信側検知端子22には送信側検知端子32Zが対応する。したがって、方向識別部251は送信側検知端子32Zからの検知信号(例えば、「11」を表すパルス変調信号又は5VのDC固定信号)に基づいて-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。本変形例によって、送信側検知端子32の個数を減少させることができ、インターフェースユニット3が低コスト化され得る。
【0043】
(2)第2の変形例
上記実施形態では、1個の受信側検知端子22及び4個の送信側検知端子32を用いる構成を示したが、本変形例では、4個の受信側検知端子22及び1個の送信側検知端子32を用いる構成を示す。図6に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。
【0044】
コネクタユニット20は、受信側検知端子22W、22Y及び22Zを有する。受信側検知端子22W~22Zを総称して又はいずれか1つを代表して受信側検知端子22というものとする。また、本開示の各図において、図の明瞭化のため、受信側検知端子22W~22Zをそれぞれ端子内に表記されるアルファベットW~Zで示す。インターフェースユニット3は、送信側検知端子32を有する。例えば、送信側検知端子32には所定のパルス変調信号が供給される。あるいは、接触伝送の場合には、例えば、送信側検知端子32にはDC固定値(例えば5V)などの適宜の検知信号が供給される。方向識別部251は、受信側検知端子22W~22Zのいずれで検知信号が受信されるかに基づいて接続方向を識別することができる。
【0045】
検知信号が受信側検知端子22Wで受信される場合、方向識別部251は0度回転接続を識別し、配列決定部252は配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。検知信号が受信側検知端子22Yで受信される場合、方向識別部251は90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。検知信号が受信側検知端子22Zで受信される場合、方向識別部251は180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。検知信号が受信側検知端子22Xで受信される場合、方向識別部251は-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0046】
本変形例によって、検知信号の構成が簡素化され、制御回路35(すなわち、インターフェースユニット3)が低コスト化され得る。なお、受信側検知端子22Wを省略してもよく、この場合、第1の変形例における0度回転接続の場合と同様に、信号処理部25は検知信号の無入力状態に応じてデフォルト設定の処理として配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)ように構成されてもよい。これにより、受信側検知端子22の個数を減少させることができ、コネクタユニット20(すなわち、表示装置2)が低コスト化され得る。
【0047】
(3)第3の変形例
上記実施形態では、1個の受信側検知端子22及び4個の送信側検知端子32を用いる構成を示したが、本変形例では、2個の受信側検知端子22及び2個の送信側検知端子32を用いる構成を示す。図7に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。
【0048】
コネクタユニット20は、受信側検知端子22W及び22Xを有する。インターフェースユニット3は、送信側検知端子32Y及び32Zを有する。例えば、送信側検知端子32Y及び32Zには所定のパルス変調信号が供給される(このパルス変調信号は同じ信号であってもよい)。あるいは、接触伝送の場合には、例えば、送信側検知端子32Y及び32Zの各々にはDC固定値(例えば5V)などの適宜の検知信号が供給される。方向識別部251は、受信側検知端子22W及び22Xにおける検知信号入力の有無をそれぞれ下位1ビット及び上位1ビットとして認識することができる(例えば、検知信号ありで1、検知信号なしで0)。例えば、受信側検知端子22Wに検知信号入力がなく、受信側検知端子22Xに検知信号入力がある場合、この状態が「01」として識別される。
【0049】
0度回転接続の場合、受信側検知端子22W及び22Xには送信側検知端子32Y及び32Zのいずれも対応しない。方向識別部251はこの「00」状態に基づいて0度回転接続を識別し、配列決定部252はデフォルト設定の処理として配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。90度回転接続の場合、受信側検知端子22Wには送信側検知端子32Y及び32Zのいずれも対応せず、受信側検知端子22Xに送信側検知端子32Zが対応する。方向識別部251はこの「01」状態に基づいて90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。180度回転接続の場合、受信側検知端子22W及び22Xに送信側検知端子32Y及び32Zの双方が対応する。方向識別部251はこの「11」状態に基づいて180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。-90度回転接続の場合、受信側検知端子22Wに送信側検知端子32Yが対応し、受信側検知端子22Xには送信側検知端子32Y及び32Zのいずれも対応しない。方向識別部251はこの「10」状態に基づいて-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0050】
本変形例によって、受信側検知端子22及び送信側検知端子32の総数を減少させることができ、コネクタユニット20(すなわち、表示装置2)及びインターフェースユニット3が低コスト化され得る。また、検知信号の構成が簡素化され、制御回路35(すなわち、インターフェースユニット3)が更に低コスト化され得る。
【0051】
(4)第4の変形例
上記実施形態では、制御回路35が検知信号を生成する構成を示したが、本変形例では、制御回路35が検知信号に関与しない構成を示す。図8に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。本変形例は、上記接触伝送の場合に有効である。
【0052】
コネクタユニット20は受信側検知端子22W~22Zを有し、信号処理部25は受信側検知端子22のうちの隣接する端子間に電位差を与えるように各端子に電圧を印加する。インターフェースユニット3は、送信側検知端子32W、送信側検知端子32X、及び送信側検知端子32Wと送信側検知端子32Xを接続する抵抗33を有する。方向識別部251は、抵抗33によって形成される閉回路の形成箇所に基づいて接続方向を識別する。受信側検知端子22W及び22Xについて閉回路が形成される場合、方向識別部251は0度回転接続を識別し、配列決定部252は配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。受信側検知端子22W及び22Yについて閉回路が形成される場合、方向識別部251は90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信側検知端子22Y及び22Zについて閉回路が形成される場合、方向識別部251は180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信側検知端子22X及び22Zについて閉回路が形成される場合、方向識別部251は-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0053】
なお、検知信号の定義として、上記のように信号処理部25からインターフェースユニット3に送信されて信号処理部25に戻る信号も、インターフェースユニット3(送信側検知端子32)から受信側検知端子22に入力される検知信号ということができる。なお、信号処理部25(方向識別部251)と各受信側検知端子22との間に適宜の内部抵抗が接続される場合には、抵抗33は配線接続されるだけでよい(すなわち、短絡されてもよい)。本変形例によると、検知信号の生成が不要となり、制御回路35(すなわち、インターフェースユニット3)が低コスト化又は小型化され得る。
【0054】
(5)第5の変形例
上記実施形態では、受信側検知端子22及び送信側検知端子32が受信電極21及び送信電極31からそれぞれ独立して設けられる構成を示したが、本変形例では、送信側検知端子32が送信電極31の一部の電極である構成を示す。図9に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。
【0055】
例えば、送信電極31A~31Pのうち、送信電極31Cが制御回路35からクロック信号(クロックパルス)の供給を受けるものとする。0度回転接続の場合には、送信電極31Cに対応する受信電極21Cにクロック信号が供給される。90度回転接続の場合には、送信電極31Cに対応する受信電極21Eにクロック信号が供給される。180度回転接続の場合には、送信電極31Cに対応する受信電極21Nにクロック信号が供給される。-90度回転接続の場合には、送信電極31Cに対応する受信電極21Lにクロック信号が供給される。
【0056】
方向識別部251は、受信電極21C、21F、21N及び21Lのいずれでクロック信号を受信するかに応じて接続方向を識別する。すなわち、受信電極21Cでクロック信号が受信される場合、方向識別部251は0度回転接続を識別し、配列決定部252は配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。受信電極21Eでクロック信号が受信される場合、方向識別部251は90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21Nでクロック信号が受信される場合、方向識別部251は180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21Lでクロック信号が受信される場合、方向識別部251は-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0057】
なお、本変形例ではクロック信号が検知信号を兼ねる構成を示すが、映像コンテンツによっては変化せずかつ信号処理部25において既知の信号であればクロック信号以外の信号(例えば、水平同期信号、垂直同期信号など)が検知信号を兼ねてもよい。また、識別精度の向上の観点から、2つ以上の既知信号が受信される受信電極位置に基づいて接続方向が識別されるようにしてもよい。
【0058】
本変形例によると、受信側検知端子22及び送信側検知端子32が不要となるので、コネクタユニット20(すなわち、表示装置2)及びインターフェースユニット3が低コスト化又は小型化され得る。また、検知信号の生成が不要となるので、制御回路35(すなわち、インターフェースユニット3)が低コスト化又は小型化され得る。
【0059】
(6)第6の変形例
上記第5の変形例では、映像発生装置4からの既知の信号を検知信号として利用する構成を示したが、本変形例では、制御回路35が既知の信号を検知信号として生成する構成を示す。本変形例のコネクタユニット20及びインターフェースユニット3の平面図は、図9に示すものと同様である。
【0060】
例えば、送信電極31A~31Pのうち、送信電極31Fが不使用電極であるものとする。制御回路35は、入力信号には含まれない形式の波形である検知信号用の特殊な信号(以下、「特殊検知信号」という)を生成し、その特殊検知信号を送信電極31Fに供給する。この特殊検知信号は、信号処理部25において既知であるものとする。0度回転接続の場合には、送信電極31Fに対応する受信電極21Fに特殊検知信号が供給される。90度回転接続の場合には、送信電極31Fに対応する受信電極21Jに特殊検知信号が供給される。180度回転接続の場合には、送信電極31Fに対応する受信電極21Kに特殊検知信号が供給される。-90度回転接続の場合には、送信電極31Fに対応する受信電極21Gに特殊検知信号が供給される。
【0061】
方向識別部251は、受信電極21F、21J、21K及び21Gのいずれで特殊検知信号を受信するかに応じて接続方向を識別する。すなわち、受信電極21Fで特殊検知信号が受信される場合、方向識別部251は0度回転接続を識別し、配列決定部252は配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。受信電極21Jで特殊検知信号が受信される場合、方向識別部251は90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21Kで特殊検知信号が受信される場合、方向識別部251は180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21Gで特殊検知信号が受信される場合、方向識別部251は-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0062】
本変形例によると、受信側検知端子22及び送信側検知端子32が不要となるので、コネクタユニット20(すなわち、表示装置2)及びインターフェースユニット3が低コスト化又は小型化され得る。
【0063】
(7)第7の変形例
上記実施形態では、送信側検知端子32が送信電極31から独立して設けられる構成を示したが、本変形例では、送信電極31に不使用電極がある場合に、実質的にその不使用電極が送信側検知端子32の役割を果たす構成を示す。図10に、本変形例によるコネクタユニット20の平面図(左図(a))及びインターフェースユニット3を背面3ab側から見た場合の透過平面図(右図(b))を示す(0度回転接続の場合)。
【0064】
例えば、送信電極31A~31Pのうち、送信電極31D及び31Nが不使用電極であるものとする。本例では送信電極31D及び31Nの実装が省略されているが、送信電極31D及び31Nの実装は残されていてもよい。0度回転接続の場合には、送信電極31D及び31Nの実装省略位置に対応する受信電極21D及び21Nが無入力状態となる。90度回転接続の場合には、送信電極31D及び31Nの実装省略位置に対応する受信電極21A及び21Lが無入力状態となる。180度回転接続の場合には、送信電極31D及び31Nの実装省略位置に対応する受信電極21M及び21Cが無入力状態となる。-90度回転接続の場合には、送信電極31D及び31Nの実装省略位置に対応する受信電極21P及び21Eが無入力状態となる。
【0065】
方向識別部251は、受信電極21のうちの上記いずれの組合せが無入力状態となるかに応じて接続方向を識別する。すなわち、受信電極21D及び21Nが無入力状態となる場合、方向識別部251は0度回転接続を識別し、配列決定部252は配列維持処理を行う(再配列処理を行わない)。受信電極21A及び21Lが無入力状態となる場合、方向識別部251は90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Aに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21M及び21Cが無入力状態となる場合、方向識別部251は180度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Bに関して説明した入力データの再配列処理を行う。受信電極21P及び21Eが無入力状態となる場合、方向識別部251は-90度回転接続を識別し、配列決定部252は図4Cに関して説明した入力データの再配列処理を行う。
【0066】
なお、本変形例では、2個の不使用電極を利用して接続方向を識別する構成を示すが、1個又は3個以上の不使用電極を利用して接続方向を識別してもよい。ただし、比較的長期間にわたってローレベルとなる電極と無入力状態の電極とを区別するために、又は回転対称位置に複数の不使用電極が存在し得ることを考慮して、回転対称位置にない2個以上の不使用電極を接続方向の識別に利用することが望ましい。すなわち、複数の不使用電極が接続方向の識別に利用される場合には、当該複数の不使用電極が90度回転対称位置の組合せ(例えば、A及びPなど)にないことが条件となる。
【0067】
本変形例によると、受信側検知端子22及び送信側検知端子32が不要となるので、コネクタユニット20(すなわち、表示装置2)及びインターフェースユニット3が低コスト化又は小型化され得る。また、検知信号の生成が不要となるので、制御回路35(すなわち、インターフェースユニット3)が低コスト化又は小型化され得る。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の表示装置2は、複数の送信電極31を有する平板状のインターフェースユニット3が対向配置される所定領域においてインターフェースユニット3の面内回転角によって定義される複数の接続方向で対向配置される複数の送信電極31から入力信号を受信するように配置された複数の受信電極21を有するコネクタユニット20と、入力信号に含まれる入力データの配列を接続方向に応じて決定する信号処理部25と、信号処理部25によって決定された配列の入力データに応じて映像出力処理を行う表示出力部(26~29)とを備える。また、インターフェースユニット3は、基板3aと、基板3aに固定されたケーブル30と、基板3aに配置された複数の送信電極31と、ケーブル30から受信される入力信号を複数の送信電極31のうちの対応する送信電極31に供給する制御回路35とを備える。
【0069】
このように、インターフェースユニット3がその平面内の回転に関して複数の接続方向でコネクタユニット20に接続可能となり、インターフェースユニット3からの入力信号に含まれる入力データが信号処理部25によって接続方向に応じて配列される。これにより、薄型性を保持しつつケーブル30乃至ケーブルCの取り回しの適正化を可能とする表示装置2が実現される。また、このような表示装置2に適したインターフェースユニット3、及び表示装置2を用いた表示システム1が実現される。
【0070】
ここで、複数の受信電極21は90度回転対称に配置されることが好ましい。同様に、複数の送信電極31も90度回転対称に配置され、又はその配置から不使用電極が除かれて配置されることが好ましい。これにより、表示装置2に関して上下左右の方向にケーブル30(ケーブルC)を取り回すことが可能となり、表示装置2へのケーブル接続の設置容易性が高まる。
【0071】
また、コネクタユニット20は受信側検知端子22を備え、インターフェースユニット3は送信側検知端子32を備える。制御回路35は検知信号を送信側検知端子32に送信するように構成され、信号処理部25は、送信側検知端子32から受信側検知端子22に入力される検知信号に基づいて接続方向を識別する方向識別部251及びその接続方向に応じて入力データの配列を決定する配列決定部252を含む。これにより、簡素な態様で確実に接続方向を識別する構成が実現される。
【0072】
また、入力信号などが複数の送信電極31から複数の受信電極21に電磁界結合によって非接触伝送されるようにインターフェースユニット3及びコネクタユニット20が構成され得る。これにより、インターフェースユニット3及びコネクタユニット20の対向面が露出せずに、防湿性、防汚性の向上はもちろんのこと、表示装置付近に滞留しがちな埃、塵などに対して防埃性、防塵性が高まり、接続における信頼性が向上する。
【0073】
一方、入力信号などが複数の送信電極31と複数の受信電極21との間の物理的な接触を介して伝送されるようにインターフェースユニット3及びコネクタユニット20が構成されてもよい。これにより、入力信号などの確実な伝送が可能となる。また、制御回路35及び信号処理部25において非接触伝送のための処理(必要に応じて、入力信号の信号形式の変換、受信側における入力信号の増幅、パルス成形など)が実質的に不要となり、インターフェースユニット3及び表示装置2が低コスト化される。
【0074】
なお、コネクタユニット20は、表示面2aの背面2bに設けられる。表示装置2の背面2bはコネクタユニット20に対して十分に面積が広く、したがってコネクタユニット20の配置における高い自由度が得られる。
【0075】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、コネクタユニット20に対してインターフェースユニット3が90度回転ごとに4方向から接続可能な構成を示した。本実施形態では、この90度回転可能な構成を前提として、インターフェースユニット3が表示装置2の背面2bに対して嵌合部材又は係合部材によって取り付けられる構成を示す。本実施形態において、第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0076】
(1)第1の実施例
図11に、本実施形態の第1の実施例による表示装置2及びインターフェースユニット3を示す側方断面図である。図11(a)は表示装置2に対してインターフェースユニット3が接続されていない状態を示し、図11(b)は表示装置2に対してインターフェースユニット3が接続された状態を示す。
【0077】
表示装置2の背面2bは、背面2bに平行な平面内で90度回転対称な形状の凹部400を有する。凹部400は、底面401、側面402及びテーパ面403によって画定される。底面401は背面2bに実質的に並行であり、底面401にはコネクタユニット20を構成する受信電極21及び受信側検知端子22が実装された入力領域405(例えば、基板20a)が配置される。側面402は、底面401を囲みかつ底面401から略垂直な面である。テーパ面403は、側面402に連続して表示装置2の外側に向かって拡がる開口を画定する傾斜面である。側面402及びテーパ面403も、背面2bに平行な平面内で90度回転対称な形状を有する。
【0078】
インターフェースユニット3(基板3a)は主面501(主面3aa)、テーパ面503及び背面504(背面3ab)を有し、主面501及びテーパ面503は面内で90度回転対称な形状を有する。本例では、インターフェースユニット3の筐体3cは設けられない。あるいは、主面501、テーパ面503及び背面504が筐体(3c)を構成し、主面501に基板3aが配置されてもよい。主面501には、送信電極31及び送信側検知端子32が実装された出力領域505が配置される。テーパ面503は、凹部400のテーパ面403に対応する傾斜面である。背面504には、ケーブル30が実装及び固定される。
【0079】
図11(b)に示すように、インターフェースユニット3の接続時にテーパ面503がテーパ面403に当接された場合に、表示装置2の背面2bとインターフェースユニット3の背面504が面一になるように構成され得る。送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に非接触結合される場合には、出力領域505と入力領域405との間に適切な空間S1(又はクリアランス)が設けられるように側面402の高さが決定される。送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に接触結合される場合には、出力領域505が入力領域405に当接配置されるように側面402の高さが決定される。あるいは、側面402が設けられずに、テーパ面403が底面401に連続するように凹部400が形成されてもよい。
【0080】
なお、送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に非接触結合される場合には、入力領域405は底面401に対応する位置において表示装置2の背面2bの内部に配置されてもよい。この場合、出力領域505は底面401に当接配置されてもよく、側面402が設けられずにテーパ面403が底面401に連続するように凹部400が形成されてもよい。
【0081】
上記のように、インターフェースユニット3は、その全体で凹部400に嵌合されることによってコネクタユニット20に対して位置決めされる。凹部400に対するインターフェースユニット3の固定には、第1実施形態と同様に磁石を用いた構成が利用され得る。
【0082】
(2)第2の実施例
図12に、本実施形態の第2の実施例による表示装置2及びインターフェースユニット3を示す所定箇所の側方断面図である。図12(a)は表示装置2に対してインターフェースユニット3が接続されていない状態を示し、図12(b)は表示装置2に対してインターフェースユニット3が接続された状態を示す。
【0083】
表示装置2の背面2bは、凹部450を有する。凹部450は、底面451及び側面452によって画定される。底面451は背面2bに実質的に並行であり、底面451にはコネクタユニット20を構成する受信電極21及び受信側検知端子22が実装された入力領域405が配置される。側面452は、底面451を囲みかつ底面401から略垂直な面である。底面451には、突起部455が、底面451に対して平行な平面内で90度回転対称な位置(例えば、矩形の底面451の四隅)において底面451に対して垂直に立設される。なお、突起部455は、棒状部材(すなわち、ピン)であってもよいし、図12の奥行方向に延在する壁状部材であってもよい。また、突起部455は、背面2b(底面451)に一体形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。
【0084】
インターフェースユニット3は、主面551及び背面554を有する。主面551の中央には、出力領域505(送信電極31及び送信側検知端子32)が配置される。主面551の縁部には、突起部455に対応する位置に受容部555が設けられる。したがって、受容部555は、主面551に対して平行な平面内で90度回転対称な位置(例えば、矩形の主面551の四隅)に設けられる。突起部455がピンである場合には受容部555は孔であり、突起部455が壁状部材である場合には受容部555は溝である。背面554には、ケーブル30が実装及び固定される。
【0085】
図12(b)に示すように、インターフェースユニット3の接続時には、突起部455が受容部555に嵌合される。送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に非接触結合される場合には、入力領域405と出力領域505との間に適切な空間S2(又はクリアランス)が設けられるように突起部455及び受容部555が形成される。送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に接触結合される場合には、出力領域505が入力領域405に当接配置されるように突起部455及び受容部555が形成される。
【0086】
なお、送信電極31(及び送信側検知端子32)が受信電極21(及び受信側検知端子22)に非接触結合される場合には、入力領域405は底面451に対応する位置において表示装置2の背面2b内部に配置されてもよい。この場合、出力領域505と底面451とは当接配置されてもよい。また、図12に示す態様とは逆に、インターフェースユニット3の主面501に突起部(ピン又は壁状部材)を設け、表示装置2の背面2b(底面451)にその突起部に対応する受容部(孔又は溝)が設けられてもよい。また、本例では、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に接続された状態でインターフェースユニット3の主面551と表示装置2の背面2bが面一となる構成を示したが、主面551と背面2bの深さ方向の位置関係はこれに限られない。すなわち、主面551は、背面2bよりも表示装置2の外側(図12において上方)に位置してもよいし、表示装置2の内側(図12において下方)に位置してもよい。
【0087】
上記のように、突起部455及び受容部555に嵌合することによって、インターフェースユニット3がコネクタユニット20に対して位置決めされる。凹部450に対するインターフェースユニット3の固定は、第1実施形態と同様に磁石を用いた構成が利用されてもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態の表示装置2は、コネクタユニット20は、インターフェースユニット3が嵌合される凹部400、又はインターフェースユニット3の一部分に対して嵌合される突起部455若しくは受容部(不図示)を有する。また、第1実施形態の表示装置2と同様に、コネクタユニット20は、インターフェースユニット3を位置決めするように構成された磁石若しくは磁性体(不図示)を有していてもよい。また、インターフェースユニット3は、コネクタユニット20に嵌合される全体形状又はコネクタユニット20の一部分に対して嵌合される受容部555若しくは突起部(不図示)を有する。また、第1実施形態の表示装置2と同様に、インターフェースユニット3は、コネクタユニット20に位置決めされるように構成された磁石若しくは磁性体(不図示)を有していてもよい。
【0089】
これにより、上記第1実施形態における有利な効果が得られるとともに、コネクタユニット20に対するインターフェースユニット3の位置決め及び固定が促進される。したがって、ケーブル30乃至ケーブルCを表示装置2に接続する際の作業性が高まる。
【0090】
[変形実施形態]
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0091】
(1)インターフェースユニット3の接続方向に関する変形
上記各実施形態では、コネクタユニット20に対するインターフェースユニット3の接続方向について、90度ごとに4方向に回転接続可能な構成を示した。一方、接続方向が90度ごとに3方向に回転接続可能な構成又は接続方向が180度ごとに2方向に回転接続可能な構成にも本発明は適用可能である。接続方向が180度ごとに2方向に回転接続可能な構成では、コネクタユニット20の受信電極21及びインターフェースユニット3の送信電極31は、180度回転対称な配置であればよい。この場合、コネクタユニット20の受信側検知端子22及びインターフェースユニット3の送信側検知端子32の配置も、180度回転接続が検出可能な態様で配置される。
【0092】
(2)インターフェースユニット3の接続面に関する変形
上記第1実施形態では、インターフェースユニット3の主面3aaがコネクタユニット20に対向配置される構成を示したが、インターフェースユニット3の主面3aa及び背面3abのいずれでもコネクタユニット20に結合可能な構成も可能である。この場合、受信側検知端子22及び送信側検知端子32並びに信号処理部25(方向識別部251)は、接続方向だけでなく接続面(主面3aa又は背面3ab)を識別可能な態様で構成される。すなわち、受信電極21及び受信側検知端子22と送信電極31及び送信側検知端子32とは表裏を問わずに非接触結合される。方向識別部251は接続面及び接続方向を受信側検知端子22に対する送信側検知端子32の配置に基づいて判定し、配列決定部252はこの判定に基づいて入力データの配列決定処理を行う。これにより、ユーザはインターフェースユニット3の表裏を確認することなくインターフェースユニット3を表示装置2に接続することができ、その作業性が向上する。
【符号の説明】
【0093】
1 表示システム
2 表示装置
2b 背面
3 インターフェースユニット
20 コネクタユニット
21、21A~21P 受信電極
22、22W~22Z 受信側検知端子
25 信号処理部
30 入力信号ケーブル
31、31A~31P 送信電極
32、32W~32Z 送信側検知端子
35 制御回路
251 方向識別部
252 配列決定部
400、450 凹部
455 突起部
555 受容部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12