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特許7179217発達確認装置、発達確認方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】発達確認装置、発達確認方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221118BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022125900
(22)【出願日】2022-08-05
【審査請求日】2022-08-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522315253
【氏名又は名称】social investment株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】貞松 成
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-004302(JP,A)
【文献】国際公開第2021/230295(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/194997(WO,A1)
【文献】特開2002-222262(JP,A)
【文献】特開2019-10417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する発達数値取得部と、
前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出する各園児平均点算出部と、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出する各園児標準偏差算出部と、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出する全園児平均点算出部と、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出する全園児標準偏差算出部と、
前記領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する発達乖離度算出部と、
前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するグラフ作成部と、
利用者に伝達する情報を表示する表示部と、を備える、
発達確認装置。
【請求項2】
全ての園児の前記領域ごとの平均点と、全ての園児の前記領域ごとの標準偏差と、特定の園児の前記領域ごとの発達乖離度と、を前記領域ごとに横並びにした表を示す特定園児発達乖離度表を作成する表作成部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記表作成部が作成した前記特定園児発達乖離度表を表示する、
請求項1に記載の発達確認装置。
【請求項3】
前記グラフ作成部は、前記領域の中から2つの領域を選択して、選択した2つの領域のうち一方を縦軸、その他のもう一方を横軸として、各園児の発達乖離度を散布図のグラフとして示す全園児発達乖離度散布図を作成し、
前記表示部は、前記グラフ作成部が作成した前記全園児発達乖離度散布図を表示する、
請求項1に記載の発達確認装置。
【請求項4】
前記グラフ作成部は、前記全園児標準偏差算出部が算出した標準偏差が最も大きい領域を縦軸、次に標準偏差が大きい領域を横軸として、前記全園児発達乖離度散布図を作成する、
請求項3に記載の発達確認装置。
【請求項5】
保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、
前記領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、
前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、
利用者に伝達する情報を表示するステップと、を備える、
発達確認方法。
【請求項6】
保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、
前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、
前記領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、
前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、
利用者に伝達する情報を表示するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発達確認装置、発達確認方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場、つまり未就学児(小学校に入学する前の年齢の子供)を保育、教育する施設においては、子どもの発達を確認し、記録することを目的として、子どもに関する基本情報の一部と、保育所児童保育要録に反映される在籍期間中の最終年度までの子どもの育ちや保育の経過を年度ごとに記載する児童票の作成が行われている。このような帳票の作成には手間を必要とすることから、手間を削減する方法が求められていた。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、情報提供者から提供される情報を一元的に管理し、ばらつきのある子どもの成長度合いに応じた最適な情報を提供する育児支援管理サーバが開示されている。しかしながら、下記の特許文献1に記載の育児支援管理サーバは、保育園ないし幼稚園における園児の発達確認を支援するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-157757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は上記課題を鑑み、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している園児の発達確認を支援することが可能な発達確認装置、発達確認方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る発達確認装置は、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する発達数値取得部と、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出する各園児平均点算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出する各園児標準偏差算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出する全園児平均点算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出する全園児標準偏差算出部と、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する発達乖離度算出部と、前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するグラフ作成部と、利用者に伝達する情報を表示する表示部と、を備える。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る発達確認方法は、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、利用者に伝達する情報を表示するステップと、を含む。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の標準偏差を算出するステップと、前記領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の前記発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、利用者に伝達する情報を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している園児の発達確認を支援することが可能な発達確認装置、発達確認方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示に係る発達確認システムの構成例を示す図である。
図2図2は、本開示に係る発達確認装置の構成例を示す図である。
図3図3は、本開示に係る取得部の構成例を示す図である。
図4図4は、本開示に係る園児情報取得部が取得する園児情報の一例を示す図である。
図5図5は、本開示に係る発達記録に記録される情報の一例を示す図である。
図6図6は、本開示に係る算出部の構成例を示す図である。
図7図7は、本開示に係る作成部の構成例を示す図である。
図8図8は、本開示に係る表作成部が作成する表の一例を示す図である。
図9図9は、本開示に係るグラフ作成部が作成するグラフの一例を示す図である。
図10図10は、本開示に係る発達確認方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(発達確認システムの構成)
図1は、本開示に係る発達確認システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本開示に係る発達確認システム1は、発達確認装置100と、印刷装置200と、表示装置300と、ネットワークNと、を備える。なお、図1に示した発達確認システム1は、複数台の発達確認装置100や、複数台の印刷装置200や、複数台の表示装置300が含まれて構成されていてもよい。まず、これらの構成を順番に簡単に説明した後に、発達確認システム1の処理の概要を説明する。
【0013】
発達確認装置100は、園児の発達を確認した結果を記録、及び分析し、園児の発達確認を支援する装置である。すなわち、発達確認装置100は、園児の発達を記録、及び分析する役割を担う情報処理装置である。発達確認装置100は、例えば、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。ここで、園児は、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場(未就学児を保育、教育する施設)に入園している、未就学児(小学校に入学する前の年齢の子供)である。
【0014】
印刷装置200は、各種の情報を紙などの印刷媒体に印刷する装置である。例えば、印刷装置200は、ネットワークNを介して発達確認装置100に接続されており、発達確認装置100から送信された情報に基づいて印刷を行う。印刷装置200は、例えば、インクジェットプリンター、レーザプリンター、ドットインパクトプリンター等によって実現されてよい。
【0015】
表示装置300は、各種の情報を表示する装置である。例えば、表示装置300は、ネットワークNを介して発達確認装置100に接続されており、発達確認装置100から送信された情報に基づいて各種の情報を表示する。表示装置300は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0016】
ネットワークNは、発達確認装置100と、印刷装置200と、表示装置300とを相互に有線又は無線により接続し、これらの間において相互に情報の送受信を担う通信網である。ネットワークNが有線の場合であれば、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))により実現されてよい。ネットワークNが無線の場合であれば、IEEE802.11に規定される無線LAN、Bluetooth(登録商標)を用いて実現されてよい。
【0017】
発達確認システム1は、上述した構成が相互に連携して、処理を実行するシステムを形成する。すなわち、発達確認システム1は、発達確認装置100において、記録、及び分析された園児の発達確認結果について、発達確認装置100から送信された情報に基づいて印刷装置200により紙に出力して印刷する。又は、発達確認システム1は、発達確認装置100において、記録、及び分析された園児の発達確認結果について、発達確認装置100から送信された情報に基づいて表示装置300に表示させる。
【0018】
これにより、園児の発達確認の結果を記録、及び分析した結果を、行政の担当者に示して説得材料として使用するなどの用途に用いることが可能となる。そのため、園児の発達確認を支援することが可能な発達確認装置100を提供することができる。
【0019】
(発達確認装置の構成)
次に、発達確認装置100の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本開示に係る発達確認装置の構成例を示す図である。図2に示すように、発達確認装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150と、を備える。以下、これらの構成の詳細について順に説明する。
【0020】
通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、印刷装置200や、表示装置300との間において、相互に情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード、アンテナ等によって実現されてよい。
【0021】
入力部120は、園児の保育を担当する担任保育者から入力された各種の情報を受け付ける。例えば、入力部120は、キーボードやマウスにより実現されて、担任保育者から入力された各種の情報を受け付けてもよい。また、入力部120は、タッチパネルにより表示面(例えば表示部130)を介して担任保育者から入力された各種の情報を受け付けてもよい。
【0022】
表示部130は、利用者に伝達する各種の情報を表示する。ここで、利用者は、園児が入園している施設の管理者、保育者である。なお、利用者に、施設を監督する監督者や、発達状態を監視する統括者、園児の保護者等を含めてもよい。表示部130は、後述して説明する表示制御部154の制御指令にしたがって各種の情報を表示する。表示部130が表示制御部154の制御指令にしたがって表示する情報の具体例については表示制御部154の説明の箇所において説明する。表示部130は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。表示部130は、紙に情報を表示するプリンタ、つまり上述した印刷装置200と同様の出力装置としてもよい。
【0023】
記憶部140は、主記憶装置と、補助記憶装置と、を備え、各種の情報を記憶する記憶装置である。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0024】
図2に示すように、記憶部140は、発達数値記憶部141を備える。発達数値記憶部141は、発達数値取得部1512が取得した園児の発達数値を、園児情報取得部1511が取得した園児情報に紐付けて記憶する。すなわち、発達数値記憶部141は、園児の発達数値と、園児自体の情報とを一体として記憶する。発達数値記憶部141に記憶される園児の発達数値と、園児の園児情報は、それぞれ発達数値取得部1512が取得する園児の発達数値、園児情報取得部1511が取得する園児情報と同じであるから、発達数値記憶部141に記憶される情報については、園児情報取得部1511と発達数値取得部1512の説明の箇所において説明する。
【0025】
制御部150は、発達確認装置100を司り、制御するコントローラ(controller)である。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等を備えて、記憶部140に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることによりその機能を実現する。また、制御部150は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0026】
図2に示すように、制御部150は、取得部151と、算出部152と、作成部153と、表示制御部154と、を備える。制御部150は、記憶部140からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、取得部151と、算出部152と、作成部153と、表示制御部154と、を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部150は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0027】
(取得部について)
取得部151は、発達確認装置100の外部、又は内部から各種の情報を取得する。ここで、取得部151の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本開示に係る取得部の構成例を示す図である。図3に示すように、取得部151は、園児情報取得部1511と、発達数値取得部1512と、を備える。以下、これらの構成について順に説明する。
【0028】
(園児情報取得部について)
園児情報取得部1511は、保育園ないし幼稚園に入園している園児に関する情報を示す園児情報を取得する。すなわち、園児情報取得部1511は、入力部120を介して園児の保育を担当している担任保育者が入力した園児情報を取得する。ここで、園児情報取得部1511が取得する園児情報について図4を用いて説明する。
【0029】
図4は、本開示に係る園児情報取得部が取得する園児情報の一例を示す図である。図4に示すように、園児情報取得部1511は、「園名」、「園児名」、「入力日」、「入力者」という項目に係る情報を取得する。
【0030】
「園名」は、園児が入園している保育園ないし幼稚園の名称を示す情報である。「園児名」は、園児の氏名を示す情報である。「入力日」は、担任保育者が園児情報を入力した日付を示す情報である。「入力者」は、園児情報を入力した担任保育者の氏名を示す情報である。
【0031】
図4に示す例においては、「園名」に示されるA保育園という名称の保育園に入園している「園児名」に示される氏名がタナカ タロウの園児情報を、「入力日」に示される2021年10月1日に、「入力者」に示される保育者のスズキ ハナコによって入力されたことが示されている。
【0032】
なお、園児情報取得部1511が取得する園児情報は、図4に示す情報に限定されるものではなく、その他の任意の園児に関係する情報を取得してもよい。また、園児情報取得部1511は、園児情報を取得したら、取得した園児情報を記憶部140に記憶する。
【0033】
(発達数値取得部について)
発達数値取得部1512は、保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する。すなわち、発達数値取得部1512は、入力部120を介して園児の保育を担当している担任保育者が入力した園児の発達記録に基づいて発達数値を算出し、算出した発達数値を取得する。
【0034】
ここで、発達数値について説明する前に、発達数値の基礎となる発達記録について説明する。発達記録は、主に担任保育者によって記録される日々の子どもの発達状況に関する記録である。発達記録は、あらかじめ規定された発達確認項目に沿って、一人ずつ月別に記録される。例えば、複数の領域ごとに発達確認項目が定められており、担任保育者はこれに沿って各園児の発達記録を記録する。なお、領域とは個々の発達確認項目の分類を示すものである。
【0035】
発達記録の具体例について図5を用いて説明する。図5は、本開示に係る発達記録に記録される情報の一例を示す図である。図5に示す発達記録においては、5歳の園児の発達記録を一例として示している。図5に示す例においては、例えば、個々の発達確認項目の分類を示す領域として、「健康・運動」、「健康・生活習慣」、「言語・言葉」、「表現」、「人間関係」、「環境」が示されている。なお、領域の分類は、本実施形態に限定されず、園児の発達を評価するための領域に分類することができる。例えば、領域として「食育」を含めてもよい。また、本実施液体では、「健康」を「健康・運動」、「健康・生活習慣」の2つの領域としたが、1つの「健康」の領域としてもよい。また、領域の数も限定されない。発達記録においては、これらの領域ごとに個々の園児に関する複数の発達確認項目が規定される。図5に示す例においては、領域「健康・運動」に分類される個々の発達確認項目の例として、「片足で10秒立つことができる」、「できなかった動きを繰り返してできるようになる」、「走りながらボールを蹴ることができる」などが示されている。なお、その他にもそれぞれの領域ごとに任意の複数の発達確認項目を設定してよい。図5に示す発達確認項目は一例であり、発達確認項目は幼稚園教育要領や保育所保育指針に複数の具体例が示されており、それぞれの保育所ないし幼稚園の方針に沿って発達確認項目を工夫して設定してよい。また、発達記録は、年度ごとに作成されて、年度ごとに異なる発達確認項目が設定されてよい。
【0036】
次に、発達記録の記録方法について説明する。担任保育者は、担任している園児について、その月に発達が確認された項目があれば発達記録に印を付ける入力を行い、発達が確認されなかった場合は発達記録に印を付ける入力を行わない。担任保育者は、担任しているクラスの全ての園児について発達記録の入力を行う。発達記録は、保育園ないし幼稚園に入園している0歳から5歳の園児について年度ごとに作成される。前年度に到達が確認された発達確認項目については、発達記録の前年度の箇所に印を付ける入力を行い、前年度の結果を引き継ぐ。
【0037】
発達数値取得部1512は、保育者が入力した印を取得し、その印に基づいて、園児の発達数値に数値化する。例えば、発達数値取得部1512は、4月に到達の印が入力された発達確認項目については「12」、5月に到達の印が入力された発達確認項目については「11」とするように、到達した月順に数値を1つずつ減らしながら、翌年3月に到達した発達確認項目を「1」として1年分の発達確認項目を数値化する。また、すでに前年度に到達している発達確認項目については4月同様に「12」、年度内に到達しなかった発達確認項目については「0」として数値化し、発達数値として取得する。発達数値取得部1512は、取得した園児の発達数値を園児情報取得部1511が取得した園児情報に紐付けて発達数値記憶部141に記憶する。本実施形態では、すでに前年度に到達している発達確認項目については4月同様に12としたが、13以上の数値としてもよい。また、数値化の基準は本実施形態に限定されず、達成した時期に基づいて、数値が単調増加、単調減少すればよい。
【0038】
(算出部について)
算出部152は、各種の情報に基づいて各種の数値を算出する。ここで、算出部152の構成について、図6を用いて説明する。図6は、本開示に係る算出部の構成例を示す図である。図6に示すように、算出部152は、各園児平均点算出部1521と、各園児標準偏差算出部1522と、全園児平均点算出部1523と、全園児標準偏差算出部1524と、発達乖離度算出部1525と、を備える。以下、これらの構成について順に説明する。
【0039】
(各園児平均点算出部について)
各園児平均点算出部1521は、発達数値取得部1512が取得した発達数値に基づいて、発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の発達数値の平均値を算出する。すなわち、各園児平均点算出部1521は、発達数値取得部1512が取得した各園児の発達数値に基づいて、次の式(1)を用いて、領域ごとに各園児の発達数値の平均点を算出する。各園児平均点算出部1521は、領域ごとに各園児の発達数値の平均点を算出したら、算出した結果を記憶部140に記憶する。なお、ここで、Paveを領域ごとの各園児の発達数値の平均点、Piを各園児の発達確認項目ごとの発達数値、nを領域ごとの発達確認項目の総数とする。
【0040】
【数1】
【0041】
(各園児標準偏差算出部について)
各園児標準偏差算出部1522は、発達数値取得部1512が取得した発達数値に基づいて、領域ごとの各園児の発達数値の標準偏差を算出する。すなわち、各園児標準偏差算出部1522は、発達数値取得部1512が取得した各園児の発達数値に基づいて、次の式(2)を用いて、領域ごとに各園児の発達数値の標準偏差を算出する。各園児標準偏差算出部1522は、領域ごとに各園児の発達数値の標準偏差を算出したら、算出した結果を記憶部140に記憶する。なお、ここで、Psを領域ごとの各園児の発達数値の標準偏差、Piを各園児の発達確認項目ごとの発達数値、nを領域ごとの発達確認項目の総数とする。
【0042】
【数2】
【0043】
(全園児平均点算出部について)
全園児平均点算出部1523は、発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点を算出する。なお、ここで、全ての園児とは、保育園ないし幼稚園のクラスに所属する園児の全てを意味する。すなわち、全ての園児とは、担任保育者が担当する保育園ないし幼稚園のクラスに属する全ての園児ということができる。全園児平均点算出部1523は、発達数値取得部1512が取得した各園児の発達数値に基づいて、次の式(3)を用いて、領域ごとに全ての園児の発達数値の平均点を算出する。全園児平均点算出部1523は、領域ごとに全ての園児の発達数値の平均点を算出したら、算出した結果を記憶部140に記憶する。なお、ここで、Pave_allを領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点、Pave_iを領域ごとの各園児の発達数値の平均点、Nを園児の総数とする。
【0044】
【数3】
【0045】
(全園児標準偏差算出部について)
全園児標準偏差算出部1524は、発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の発達数値の標準偏差を算出する。すなわち、全園児標準偏差算出部1524は、発達数値取得部1512が取得した各園児の発達数値に基づいて、次の式(4)を用いて、領域ごとに全ての園児の発達数値の標準偏差を算出する。全園児標準偏差算出部1524は、領域ごとに全ての園児の発達数値の標準偏差を算出したら、算出した結果を記憶部140に記憶する。なお、ここで、Ps_allを領域ごとの全ての園児の発達数値の標準偏差、Pave_allを領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点、n_allを全園児の発達確認項目の総数とする。
【0046】
【数4】
【0047】
(発達乖離度算出部について)
発達乖離度算出部1525は、領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する。すなわち、発達乖離度算出部1525は、各園児平均点算出部1521が算出した領域ごとの各園児の発達数値の平均点と、全園児平均点算出部1523が算出した領域ごとの全園児の発達数値の平均点に基づいて、次の式(5)を用いて領域ごとに各園児の発達乖離度を算出する。発達乖離度算出部1525は、領域ごとに各園児の発達乖離度を算出したら、算出した結果を記憶部140に記憶する。なお、ここで、Pdevを領域ごとの各園児の発達乖離度、Paveを領域ごとの各園児の発達数値の平均点、Pave_allを領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点とする。
【0048】
【数5】
【0049】
(作成部について)
作成部153は、算出部152が算出した数値に基づいて、各種の図表を作成する。ここで、作成部153の構成について、図7を用いて説明する。図7は、本開示に係る作成部の構成例を示す図である。図7に示すように、作成部153は、グラフ作成部1531と、表作成部1532と、を備える。以下、これらの構成について順に説明する。
【0050】
(グラフ作成部について)
グラフ作成部1531は、各園児の発達数値の平均点、各園児の発達数値の標準偏差、全園児の発達数値の平均点、全ての園児の発達数値の標準偏差、及び各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成する。例えば、グラフ作成部1531は、各園児の発達数値の平均点に基づいて、領域「健康・運動」を縦軸、領域「人間関係」を横軸として、各領域の各園児の発達数値の平均点を散布図として示すグラフを作成してよい。また、例えば、各園児の発達数値の標準偏差に基づいて、領域「健康・生活習慣」を縦軸、領域「環境」を横軸として、各領域の各園児の発達数値の標準偏差を散布図として示すグラフを作成してもよい。
【0051】
グラフ作成部1531は、領域の中から2つの領域を選択して、選択した2つの領域のうち一方を縦軸、その他のもう一方を縦軸として、それぞれの領域についての各園児の発達乖離度を散布図のグラフとして示す全園児発達乖離度散布図を作成する。例えば、グラフ作成部1531は、領域としての「健康・運動」、「健康・生活習慣」、「言語・言葉」、「表現」、「人間関係」、「環境」の中から、「人間関係」と、「環境」を選択する。そして、グラフ作成部1531は、例えば、「人間関係」を縦軸、「環境」を横軸として、それぞれの領域についての各園児の発達乖離度を散布図のグラフとして示す全園児発達乖離度散布図を作成する。
【0052】
これにより、数値として各園児の発達乖離度を確認する場合と比較して、散布図のグラフとして視覚化されたものを確認することにより、各園児の発達乖離度が他の園児と比較してどの程度であるのかを容易に理解することが可能となる。
【0053】
グラフ作成部1531は、全園児標準偏差算出部1524が算出した標準偏差が最も大きい領域を縦軸、次に標準偏差が大きい領域を横軸として、全園児発達乖離度散布図を作成する。例えば、図8に示した例であれば、全園児標準偏差が最も大きい領域は、「言葉」であり、次に全園児標準偏差が大きい領域は、「表現」である。この場合、グラフ作成部1531は、全園児標準偏差が最も大きい領域である「言葉」を縦軸、全園児標準偏差が次に大きい領域である「表現」を横軸として、それぞれについて各園児の発達乖離度を散布図として示す全園児発達乖離度散布図を作成する。
【0054】
図8は、本開示に係るグラフ作成部が作成するグラフの一例を示す図である。図8に示すように、全園児発達乖離度散布図には、A1からJ1までの園児の領域「言葉」と、領域「表現」に係る発達乖離度が散布図としてプロットされて表示されている。そして、図8に示す全園児発達乖離度散布図においては、J1として示される園児の領域「言葉」の発達乖離度と、領域「表現」の発達乖離度が共に他の園児と比較して、発達が大きく遅れていることが示されている。
【0055】
これにより、全園児の発達数値の標準偏差が大きい領域における各園児の発達乖離度を一覧にしてグラフ化することができるため、発達乖離度が大きい園児を即座に把握することが可能となる。また、全園児の発達乖離度を一覧にしてグラフ化していることから、保育所ないし幼稚園のクラス単位での発達状況を正確に把握することが可能となる。また、本実施形態では、「言葉」と「表現」の領域に係る発達乖離度の2つをグラフ化した例としたが、これに限定されず、評価する対象はいずれの領域としてもよい。また、グラフ化する際の選択する領域の数も2つに限定されず、3つの領域を選択して3次元のグラフとしてもよいし、4つ以上の領域を選択してグラフを作成してもよい。また、複数の領域を組み合わせて1つの軸に表示させてもよい。組み合わせの方法としては、加算、減算、乗算、領域の標準偏差に重み付けをした演算等を用いることができる。また、1つの領域のみを選択し、グラフ化してもよい。
【0056】
(表作成部について)
表作成部1532は、全ての園児の領域ごとの平均点と、全ての園児の領域ごとの標準偏差と、特定の園児の領域ごとの発達乖離度と、を領域ごとに横並びにした表を示す特定園児発達乖離度表を作成する。ここで、表作成部1532が作成する園児発達乖離度表の例について、図9を用いて説明する。
【0057】
図9は、本開示に係る表作成部が作成する園児発達乖離度表の一例を示す図である。図9に示すように、園児発達乖離度表には、「健康・運動」、「健康・生活習慣」、「言葉」、「表現」、「人間関係」、「環境」の領域ごとに、全園児の発達数値の平均得点、全園児の発達数値の標準偏差、及び特定の園児の発達乖離度が数値として示されている。
【0058】
そのため、保育者は園児発達乖離度表を確認することにより、特定の園児の発達乖離度を全園児の発達数値の平均得点、及び全園児の発達数値の標準偏差と、比較して把握することができる。
【0059】
(表示制御部について)
表示制御部154は、表示部130に表示させる情報に関する指令を与え、表示部130が表示する情報を制御する。
【0060】
表示制御部154は、例えば、グラフ作成部1531が作成した全園児発達乖離度散布図を表示部130に表示させるように制御する。表示制御部154が、表示部130に全園児発達乖離度散布図を表示させる態様は、任意の態様であってよく、例えば、表示部130の全画面に全園児発達乖離度散布図を表示する態様や、表示部130の画面にその他の図と一覧にして表示する態様などであってよい。
【0061】
また、表示制御部154は、例えば、表作成部1532が作成した特定園児発達乖離度表を表示部130に表示させるように制御する。表示制御部154が、表示部130に特定園児発達乖離度表を表示させる態様は、任意の態様であってよく、例えば、表示部130の全画面に特定園児発達乖離度表を表示する態様や、表示部130の画面にその他の表と一覧にして表示する態様などであってよい。
【0062】
(発達確認方法、及びプログラム)
次に、本開示に係る発達確認方法、及びプログラムについて、図10を用いて説明する。図10は、本開示に係る発達確認方法のフローを示すフローチャートである。図10に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係る発達確認方法、及びプログラムについて説明する。
【0063】
まず、発達確認装置100は、各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する(ステップS1)。次に、発達確認装置100は、取得した発達数値に基づいて、発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の平均点を算出する(ステップS2)。次に、発達確認装置100は、取得した発達数値に基づいて、領域ごとの各園児の発達数値の標準偏差を算出する(ステップS3)。次に、発達確認装置100は、取得した発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点を算出する(ステップS4)。次に、発達確認装置100は、発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の発達数値の標準偏差を算出する(ステップS5)。次に、発達確認装置100は、領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する(ステップS6)。次に、発達確認装置100は、各園児の平均点、各園児の標準偏差、全ての園児の平均点、全ての園児の標準偏差、及び各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成する(ステップS7)。次に、発達確認装置100は、利用者に伝達する情報を表示する(ステップS8)。
【0064】
なお、上述した発達確認方法は、発達確認装置10を用いて実行されてもよいし、その他の任意の手段によって実行されてもよい。また、上述した発達確認方法を、発達確認装置100の制御部150が備えるコンピュータに実行させるプログラムによって実行させることもできる。
【0065】
これにより、園児の発達記録を点数化した発達数値に基づいて、複数の種類の数値を算出する分析を行い、分析した結果を表示することができる。そのため、園児の発達確認を支援することが可能な発達確認方法、及びプログラムを提供することができる。
【0066】
(構成と効果)
本開示に係る発達確認装置100は、保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する発達数値取得部1512と、発達数値に基づいて、発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の平均点を算出する各園児平均点算出部1521と、発達数値に基づいて、領域ごとの各園児の標準偏差を算出する各園児標準偏差算出部1522と、発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の平均点を算出する全園児平均点算出部1523と、発達数値に基づいて、領域ごとの全ての園児の標準偏差を算出する全園児標準偏差算出部1524と、領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する発達乖離度算出部1525と、各園児の平均点、各園児の標準偏差、全ての園児の平均点、全ての園児の標準偏差、及び各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するグラフ作成部1531と、利用者に伝達する情報を表示する表示部130と、を備える。
【0067】
この構成によれば、園児の発達記録を点数化した発達数値に基づいて、複数の種類の数値を算出する分析を行い、分析した結果を表示することができる。そのため、園児の発達確認を支援することが可能な発達確認装置100を提供することができる。
【0068】
本開示に係る発達確認装置100は、全ての園児の領域ごとの平均点と、全ての園児の領域ごとの標準偏差と、特定の園児の領域ごとの発達乖離度と、を領域ごとに横並びにした表を示す特定園児発達乖離度表を作成する表作成部と、をさらに備え、表示部は、表作成部が作成した特定園児発達乖離度表を表示する。
【0069】
この構成によれば、園児の発達記録の作成を支援し、園児の発達数値の平均点と、全ての園児の発達数値の標準偏差と、特定の園児の領域毎の発達乖離度を算出し、これらを領域毎に横並びにした表を作成することができる。そのため、園児の発達記録の作成を支援することが可能な園児の発達記録の作成の発達確認装置100を提供することができる。
【0070】
本開示に係る発達確認装置100のグラフ作成部1531は、領域の中から2つの領域を選択して、選択した2つの領域のうち一方を縦軸、その他のもう一方を横軸として、各園児の発達乖離度を散布図のグラフとして示す全園児発達乖離度散布図を作成し、表示部130は、グラフ作成部1531が作成した全園児発達乖離度散布図を表示する。
【0071】
この構成によれば、領域の中から2つの領域を選択して、選択した2つの領域のうちの一方を縦軸、その他のもう一方を横軸として、各園児の発達乖離度を散布図のグラフとして示す全園児発達乖離度散布図を作成することができる。そのため、各園児の発達乖離度を他の園児とグラフ上で容易に比較することが可能となる。
【0072】
本開示に係る発達確認装置100のグラフ作成部1531は、全園児標準偏差算出部が算出した全園児の発達数値の標準偏差が最も大きい領域を縦軸、次に全園児の発達数値の標準偏差が大きい領域を横軸として、全園児発達乖離度散布図を作成する。
【0073】
この構成によれば、全園児の発達数値の標準偏差が最も大きい領域を縦軸、次に全園児の発達数値の標準偏差が大きい領域を横軸として、全園児発達乖離度散布図を作成することができることから、発達乖離度が大きい園児を容易に把握することが可能となる。
【0074】
本開示に係る発達確認方法は、保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の標準偏差を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の標準偏差を算出するステップと、前記領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、利用者に伝達する情報を表示するステップと、を備える。
【0075】
この構成によれば、園児の発達記録を点数化した発達数値に基づいて、複数の種類の数値を算出する分析を行い、分析した結果を表示することができる。そのため、園児の発達確認を支援することが可能な発達確認方法を提供することができる。
【0076】
本開示に係るプログラムは、保育園ないし幼稚園に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得するステップと、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の標準偏差を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の平均点を算出するステップと、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の標準偏差を算出するステップと、前記領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出するステップと、前記各園児の平均点、前記各園児の標準偏差、前記全ての園児の平均点、前記全ての園児の標準偏差、及び前記各園児の発達乖離度のうち少なくとも1つに基づいてグラフを作成するステップと、利用者に伝達する情報を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0077】
この構成によれば、園児の発達記録を点数化した発達数値に基づいて、複数の種類の数値を算出する分析を行い、分析した結果を表示することができる。そのため、園児の発達確認を支援することが可能なプログラムを提供することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 発達確認システム
100 発達確認装置
110 通信部
120 入力部
130 表示部
140 記憶部
141 発達数値記憶部
150 制御部
151 取得部
152 算出部
153 作成部
154 表示制御部
200 印刷装置
300 表示装置
N ネットワーク
【要約】
【課題】保育園等に入園している園児の発達確認を支援することが可能な発達確認装置、発達確認方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る発達確認装置は、保育園、幼稚園またはこども園を含む未就学児が過ごす場に入園している各園児の発達確認項目に関する点数を示す発達数値を取得する発達数値取得部と、前記発達数値に基づいて、前記発達確認項目の分類を示す複数の領域ごとの各園児の平均点を算出する各園児平均点算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの各園児の標準偏差を算出する各園児標準偏差算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の平均点を算出する全園児平均点算出部と、前記発達数値に基づいて、前記領域ごとの全ての園児の標準偏差を算出する全園児標準偏差算出部と、前記領域ごとの各園児の発達数値の平均点から、前記領域ごとの全ての園児の発達数値の平均点をそれぞれ差し引いた値を各園児の発達乖離度として算出する発達乖離度算出部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10