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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】トランジスタの作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20221122BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 21/8242 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 27/108 20060101ALI20221122BHJP
   H01L 27/1156 20170101ALI20221122BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 619A
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L27/088 H
H01L29/78 371
H01L27/108 321
H01L27/1156
H01L27/108 621Z
H01L27/108 671C
H01L27/108 671Z
H01L27/146 C
H01L27/146 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021120431
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2020085023の分割
【原出願日】2016-02-25
(65)【公開番号】P2021185598
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2015041204
(32)【優先日】2015-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 悟
(72)【発明者】
【氏名】笹川 慎也
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-251534(JP,A)
【文献】特開2015-026768(JP,A)
【文献】特開2014-225656(JP,A)
【文献】特開2013-243349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 21/8242
H01L 27/1156
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁体を形成し、
前記第1の絶縁体の表面に接するように酸化物半導体を形成し、
前記酸化物半導体の表面に接するように第1の導電体を形成し、
前記第1の導電体及び前記酸化物半導体をエッチング加工して多層膜を形成し、
前記多層膜及び前記第1の絶縁体に接するように第2の絶縁体を形成し、
前記第2の絶縁体に開口部を形成し、
前記開口部の底部において、前記多層膜の表面の前記第1の導電体をエッチング加工し、
前記開口部内に、前記多層膜の前記酸化物半導体に接するように第3の絶縁体を形成し、
前記開口部内に、前記第3の絶縁体に接するように第2の導電体を形成し、
前記第2の絶縁体に含まれる酸素を、前記第1の絶縁体に移動させ、
前記第1の絶縁体に含まれる酸素を、前記酸化物半導体に移動させるトランジスタの作製方法。
【請求項2】
第1の絶縁体を形成し、
前記第1の絶縁体の表面に接するように酸化物半導体を形成し、
前記酸化物半導体の表面に接するように第1の導電体を形成し、
前記第1の導電体及び前記酸化物半導体をエッチング加工して多層膜を形成し、
前記多層膜及び前記第1の絶縁体に接するように第2の絶縁体を形成し、
前記第2の絶縁体に開口部を形成し、
前記開口部の底部において、前記多層膜の表面の前記第1の導電体をエッチング加工し、
前記開口部内に、前記多層膜の前記酸化物半導体に接するように第3の絶縁体を形成し、
前記開口部内に、前記第3の絶縁体に接するように第2の導電体を形成し、
熱処理を行うことによって、前記第2の絶縁体に含まれる酸素を、前記第1の絶縁体に移動させ、且つ前記第1の絶縁体に含まれる酸素を、前記酸化物半導体に移動させるトランジスタの作製方法。
【請求項3】
第1の絶縁体を形成し、
前記第1の絶縁体の表面に接するように酸化物半導体を形成し、
前記酸化物半導体の表面に接するように第1の導電体を形成し、
前記第1の導電体及び前記酸化物半導体をエッチング加工して多層膜を形成し、
前記多層膜及び前記第1の絶縁体に接するように第2の絶縁体を形成し、
前記第2の絶縁体に開口部を形成し、
前記開口部の底部において、前記多層膜の表面の前記第1の導電体をエッチング加工し、
前記開口部内に、前記多層膜の前記酸化物半導体に接するように第3の絶縁体を形成し、
前記開口部内に、前記第3の絶縁体に接するように第2の導電体を形成し、
前記第2の導電体を形成後に平坦化処理を行い、
前記第2の導電体、前記第3の絶縁体及び前記第2の絶縁体に接するように第4の絶縁体を形成し、
熱処理を行うことによって、前記第2の絶縁体に含まれる酸素を、前記第1の絶縁体に移動させ、且つ前記第1の絶縁体に含まれる酸素を、前記酸化物半導体に移動させるトランジスタの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トランジスタおよび半導体装置、ならびにそれらの製造方法に関する
。または、本発明は、例えば、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、プ
ロセッサ、電子機器に関する。または、表示装置、液晶表示装置、発光装置、記憶装置、
電子機器の製造方法に関する。または、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置
、記憶装置、電子機器の駆動方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明
の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・
オブ・マター)に関するものである。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指す。表示装置、発光装置、照明装置、電気光学装置、半導体回路および電子機器
は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
近年は、酸化物半導体を用いたトランジスタが注目されている。酸化物半導体は、スパッ
タリング法などを用いて成膜できるため、大型の表示装置を構成するトランジスタの半導
体に用いることができる。また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非晶質シリコン
を用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用することが可能であるため、設備
投資を抑えられるメリットもある。
【0005】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小
さいことが知られている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が低
いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(特許文献1参照。)
【0006】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタで、ゲート電極を開口部に埋め込んで作製する
方法などが開示されている(特許文献2および特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-257187号公報
【文献】特開2014-241407号公報
【文献】特開2014-240833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
微細なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、寄生容量の小さいトラン
ジスタを提供することを課題の一とする。または、周波数特性の高いトランジスタを提供
することを課題の一とする。または、電気特性の良好なトランジスタを提供することを課
題の一とする。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することを課題の一とす
る。または、オフ時の電流の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。また
は、新規なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、該トランジスタを有
する半導体装置を提供することを課題の一とする。または、動作速度の速い半導体装置を
提供することを課題の一とする。または、新規な半導体装置を提供することを課題の一と
する。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することを課題の一とする。また
は、該半導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することを課題の一とす
る。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)
本発明の一態様は、酸化物半導体と、第1の導電体と、第2の導電体と、第3の導電体と
、第1の絶縁体と、第2の絶縁体と、を有し、第1の導電体は、第1の絶縁体を介して、
第1の導電体と酸化物半導体とが互いに重なる領域を有し、第2の絶縁体は、開口部を有
し、開口部内において第1の絶縁体を介して、第2の絶縁体の側面と第1の導電体の側面
は互いに重なる領域を有し、第2の導電体の表面の一部および第3の導電体の表面の一部
は、開口部内で第1の絶縁体と接し、酸化物半導体は、酸化物半導体と第2の導電体と互
いに重なる領域と、酸化物半導体と第3の導電体と互いに重なる領域と、を有することを
特徴とする半導体装置である。
【0011】
(2)
本発明の一態様は、第1の導電体は、酸素を透過しにくい導電体を含む多層膜であること
を特徴とする(1)に記載の半導体装置である。
である。
【0012】
(3)
または、本発明の一態様は、第2の導電体および第3の導電体は、酸素を透過しにくい導
電体を含む多層膜であることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体装置である
【0013】
(4)
または、本発明の一態様は、第3の絶縁体は、酸化物半導体と互いに重なる領域を有し、
第3の絶縁体は、酸化物半導体の有する酸素以外の主成分元素の少なくとも一を有するこ
とを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0014】
(5)
または、本発明の一態様は、第1の導電体は、トランジスタのゲート電極として機能する
領域を有し、トランジスタは、ゲート線幅が、5nm以上60nm以下であることを特徴
とする(1)乃至(4)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0015】
(6)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上に
酸化物半導体を成膜し、酸化物半導体上に第1の導電体を成膜し、第1の導電体、酸化物
半導体および第2の絶縁体の一部をエッチングすることで第1の導電体、酸化物半導体お
よび第2の絶縁体を有する多層膜を形成し、第1の絶縁体上および多層膜上に第3の絶縁
体を成膜し、第3の絶縁体および第1の導電体に、酸化物半導体を露出する開口部を形成
することで第1の導電体を第1の導電体層と第2の導電体層と、に分離し、開口部を広げ
るように第3の絶縁体の一部をエッチングすることで、第1の導電体層の上面、および第
2の導電体層の上面を露出させ、第3の絶縁体上、第1の導電体層上、第2の導電体層上
および酸化物半導体上に第4の絶縁体を成膜し、第4の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し
、第5の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、第3の導電体、第5の絶縁体および第4の絶
縁体を化学的機械研磨することで第3の絶縁体を露出し、第2絶縁体および第4の絶縁体
は、酸化物半導体の有する酸素以外の主成分元素の少なくとも一を有することを特徴とす
る半導体装置の作製方法である。
【0016】
(7)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上に
酸化物半導体を成膜し、酸化物半導体上に第1の導電体を成膜し、第1の導電体、酸化物
半導体および第2の絶縁体の一部をエッチングすることで第1の導電体、酸化物半導体お
よび第2の絶縁体を有する多層膜を形成し、第1の絶縁体上および多層膜上に第3の絶縁
体を成膜し、第3の絶縁体および第1の導電体に、酸化物半導体を露出する開口部を形成
することで第1の導電体を第1の導電体層と第2の導電体層と、に分離し、開口部を広げ
るように第3の絶縁体の一部をエッチングすることで、第1の導電体層の上面、および第
2の導電体層の上面を露出させ、第3の絶縁体上、第1の導電体層上、第2の導電体層上
および酸化物半導体上に第4の絶縁体を成膜し、第4の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し
、第5の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、第3の導電体、第5の絶縁体および第4の絶
縁体を化学的機械研磨することで第3の絶縁体を露出し、第3の絶縁体上および第3の導
電体上に、酸素を有するプラズマを用いて第6の絶縁体を成膜することで、プラズマ中の
酸素を過剰酸素として第3の絶縁体中に添加し、熱処理を行うことで、過剰酸素を酸化物
半導体に移動させ、第2絶縁体および第4の絶縁体は、酸化物半導体の有する酸素以外の
主成分元素の少なくとも一を有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0017】
(8)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上に
酸化物半導体を成膜し、酸化物半導体上に第1の導電体を成膜し、第1の導電体、酸化物
半導体および第2の絶縁体の一部をエッチングすることで第1の導電体、酸化物半導体お
よび第2の絶縁体を有する多層膜を形成し、第1の絶縁体上および多層膜上に第3の絶縁
体を成膜し、第3の絶縁体に、多層膜を露出する開口部と、第1の絶縁体を露出する開口
部と、を形成し、第1の絶縁体上、第3の絶縁体上、第3の絶縁体の側面、多層膜上およ
び多層膜の側面に有機膜を成膜し、有機膜を第3の絶縁体の側面および多層膜の側面の有
機膜を残してエッチングし、第1の導電体を少なくとも第3の絶縁体の側面に残った有機
膜をマスクとしてエッチングすることで第1の導電体を第1の導電体層と第2の導電体層
と、に分離し、第3の絶縁体の側面および多層膜の側面の有機膜を除去することで第1の
導電体層の表面および第2の導電体層表面に達する開口部を形成し、第3の絶縁体上、第
1の導電体層上、第2の導電体層上および酸化物半導体上に第4の絶縁体を成膜し、第4
の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し、第5の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、第3の導
電体、第5の絶縁体および第4の絶縁体を化学的機械研磨することで第3の絶縁体を露出
し、第3の絶縁体上および第3の導電体上に第6の絶縁体を成膜し、第2絶縁体および第
4の絶縁体は、酸化物半導体の有する酸素以外の主成分元素の少なくとも一を有すること
を特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0018】
(9)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上に
酸化物半導体を成膜し、酸化物半導体上に第1の導電体を成膜し、第1の導電体、酸化物
半導体および第2の絶縁体の一部をエッチングすることで第1の導電体、酸化物半導体お
よび第2の絶縁体を有する多層膜を形成し、第1の絶縁体上および多層膜上に第3の絶縁
体を成膜し、第3の絶縁体に、多層膜を露出する開口部と、第1の絶縁体を露出する開口
部と、を形成し、第1の絶縁体上、第3の絶縁体上、第3の絶縁体の側面、多層膜上およ
び多層膜の側面に有機膜を成膜し、有機膜を第3の絶縁体の側面および多層膜の側面の有
機膜を残してエッチングし、第1の導電体を少なくとも第3の絶縁体の側面に残った有機
膜をマスクとしてエッチングすることで第1の導電体を第1の導電体層と第2の導電体層
と、に分離し、第3の絶縁体の側面および多層膜の側面の有機膜を除去することで第1の
導電体層の表面および第2の導電体層表面に達する開口部を形成し、第3の絶縁体上、第
1の導電体層上、第2の導電体層上および酸化物半導体上に第4の絶縁体を成膜し、第4
の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し、第5の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、第3の導
電体、第5の絶縁体および第4の絶縁体を化学的機械研磨することで第3の絶縁体を露出
し、第3の絶縁体上および第3の導電体上に、酸素を有するプラズマを用いて第6の絶縁
体を成膜することで、プラズマ中の酸素を過剰酸素として第3の絶縁体中に添加し、熱処
理を行うことで、過剰酸素を酸化物半導体に移動させ、第2絶縁体および第4の絶縁体は
、酸化物半導体の有する酸素以外の主成分元素の少なくとも一を有することを特徴とする
半導体装置の作製方法である。
【0019】
(10)
または、本発明の一態様は、第1の導電体上に第1の導電体よりも酸素を透過しにくい第
4の導電体を成膜することを特徴とする(6)乃至(9)のいずれか一に記載の半導体装
置の作製方法である。
【0020】
(11)
または、本発明の一態様は、第3の導電体下には、第3の導電体よりも酸素を透過しにく
い第5の導電体を成膜することを特徴とする(6)乃至(10)のいずれか一に記載の半
導体装置の作製方法である。
【0021】
(12)
または、本発明の一態様は、有機膜は、炭素およびハロゲンを有するガスを含むガスによ
るプラズマによって成膜することを特徴とする(8)乃至(11)のいずれか一に記載の
半導体装置の作製方法である。
【0022】
(13)
または、本発明の一態様は、第6の絶縁体は、第1の絶縁体、第3の絶縁体および第5の
絶縁体よりも酸素を透過し難い絶縁体を成膜することを特徴とする(6)乃至(12)の
いずれか一に記載の半導体装置の作製方法である。
【0023】
なお、本発明の一態様に係る半導体装置において、酸化物半導体を他の半導体に置き換え
ても構わない。
【発明の効果】
【0024】
微細なトランジスタを提供することができる。または、寄生容量の小さいトランジスタを
提供することができる。または、周波数特性の高いトランジスタを提供することができる
。または、電気特性の良好なトランジスタを提供することができる。または、電気特性の
安定したトランジスタを提供することができる。または、オフ時の電流の小さいトランジ
スタを提供することができる。または、新規なトランジスタを提供することができる。ま
たは、該トランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、動作速度の
速い半導体装置を提供することができる。または、新規な半導体装置を提供することがで
きる。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することができる。または、該半
導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することができる。
【0025】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、
図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項な
どの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図2】本発明の一態様に係るトランジスタの一部を示す断面図。
図3】本発明の一態様に係るトランジスタの一部を示す断面図。
図4】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図5】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図6】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図7】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図8】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図9】本発明の一態様に係るトランジスタを示す断面図。
図10】CAAC-OSの断面におけるCs補正高分解能TEM像、およびCAAC-OSの断面模式図。
図11】CAAC-OSの平面におけるCs補正高分解能TEM像。
図12】CAAC-OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図。
図13】CAAC-OSの電子回折パターンを示す図。
図14】In-Ga-Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。
図15】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図16】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図17】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図18】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図19】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図20】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図21】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図22】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図23】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図24】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図25】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図26】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図27】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図28】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図29】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図30】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図31】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図32】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図33】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図34】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図35】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図36】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図37】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図38】本発明の一態様に係る記憶装置の回路図。
図39】本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。
図40】本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。
図41】本発明の一態様に係る半導体装置を示す回路図および断面図。
図42】本発明の一態様に係るCPUを示すブロック図。
図43】本発明の一態様に係る記憶素子の回路図。
図44】撮像装置を示す平面図。
図45】撮像装置の画素を示す平面図。
図46】撮像装置を示す断面図。
図47】撮像装置を示す断面図。
図48】RFタグの構成例を説明する図。
図49】本発明に係る、半導体装置を示す回路図、上面図および断面図。
図50】本発明に係る、半導体装置を示す回路図および断面図。
図51】表示モジュールを説明する図。
図52】リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図。
図53】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図54】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図55】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図56】本発明に係る、RFタグの使用例。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説
明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に
理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるもの
ではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異
なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じく
し、特に符号を付さない場合がある。
【0028】
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されて
いる場合がある。
【0029】
なお、本明細書において、例えば、物体の形状を「径」、「粒径」、「大きさ」、「サイ
ズ」、「幅」などで規定する場合、物体が収まる最小の立方体における一辺の長さ、また
は物体の一断面における円相当径と読み替えてもよい。物体の一断面における円相当径と
は、物体の一断面と等しい面積となる正円の直径をいう。
【0030】
なお、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)
との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である
【0031】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積層
順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」など
と適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、
本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
【0032】
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度
が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導
体のDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度
が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導
体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族
元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、
水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素
などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形
成する場合がある。また、半導体がシリコン膜である場合、半導体の特性を変化させる不
純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第1
5族元素などがある。
【0033】
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトラン
ジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重な
る領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電
極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つの
トランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一
つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細
書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、
最小値または平均値とする。
【0034】
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で
電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領
域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのト
ランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一
つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細
書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、
最小値または平均値とする。
【0035】
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネ
ル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示される
チャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、
立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図
において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる
場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の側面に
形成されるチャネル形成領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図におい
て示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル
幅の方が大きくなる。
【0036】
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測
による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積
もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状
が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
【0037】
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが互いに
重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上
のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channe
l Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した
場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、
本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合があ
る。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い
込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによ
って、値を決定することができる。
【0038】
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求め
る場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャ
ネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
【0039】
なお、本明細書において、AがBより迫り出した形状を有すると記載する場合、上面図ま
たは断面図において、Aの少なくとも一端が、Bの少なくとも一端よりも外側にある形状
を有することを示す場合がある。したがって、AがBより迫り出した形状を有すると記載
されている場合、例えば上面図において、Aの一端が、Bの一端よりも外側にある形状を
有すると読み替えることができる。
【0040】
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、
「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう
。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0041】
なお、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
【0042】
(実施の形態1)
<トランジスタ構造1>
以下では、本発明の一態様に係る半導体装置が有するトランジスタの構造について説明す
る。
【0043】
図1(A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断
面図である。図1(A)は上面図である。図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A1
-A2に対応する断面図である。図1(C)は、図1(A)に示す一点鎖線A3-A4に
対応する断面図である。なお、図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素
を省いて図示している。また、図1(B)および(C)中には過剰酸素の経路を矢印で記
した。
【0044】
図1(B)および(C)において、本トランジスタは、基板400上の絶縁体402と、
絶縁体402上の絶縁体406aと、絶縁体406a上の半導体406bと、半導体40
6bの上面と接する領域を有する導電体416a1および導電体416a2と、導電体4
16a1の上面および導電体416a2の上面と接する絶縁体410と、半導体406b
の上面と接する絶縁体406cと、絶縁体406c上の絶縁体412と、絶縁体412お
よび絶縁体406cを介して半導体406b上に配置する導電体404と、絶縁体410
上、導電体404上、絶縁体412上および導電体404c上の絶縁体408と、絶縁体
408を通り導電体404に達する開口部と、絶縁体408および絶縁体410を通り導
電体416a1に達する開口部と、絶縁体408および絶縁体410を通り導電体416
a2に達する開口部と、それぞれの開口部に埋め込まれた導電体437、導電体431お
よび導電体429と、絶縁体408上の導電体437と接する領域を有する導電体438
と、絶縁体408上の導電体431と接する領域を有する導電体432と、絶縁体408
上の導電体429と接する領域を有する導電体430と、を有する。
【0045】
なお、半導体406bは、半導体406bの上面と導電体416a1および導電体416
a2と接する領域407を有する。
【0046】
本トランジスタにおいて、導電体404はゲート電極としての機能を有する。また、導電
体404は、酸素を透過しにくい機能を有する導電体と積層構造とすることができる。例
えば酸素を透過しにくい導電体を下層に成膜することで導電体404の酸化による電気抵
抗値の増加を防ぐことができる。絶縁体412はゲート絶縁体としての機能を有する。
【0047】
また、導電体416a1および導電体416a2は、ソース電極またはドレイン電極とし
ての機能を有する。また、導電体416a1および導電体416a2は、酸素を透過しに
くい機能を有する導電体と積層構造とすることができる。例えば酸素を透過しにくい導電
体を上層に成膜することで導電体416a1および導電体416a2の酸化による電気抵
抗値の増加を防ぐことができる。なお、導電体の電気抵抗値の測定は、2端子法などを用
いて測定することができる。
【0048】
導電体404に印加する電位によって、半導体406bの抵抗を制御することができる。
即ち、導電体404に印加する電位によって、導電体416a1と導電体416a2との
間の導通・非導通を制御することができる。
【0049】
図1(B)および(C)に示すように、半導体406bの上面は、導電体416a1およ
び導電体416a2と接する。また、ゲート電極としての機能を有する導電体404の電
界によって、絶縁体406aおよび半導体406bを電気的に取り囲むことができる。ゲ
ート電極の電界によって、半導体を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surro
unded channel(s-channel)構造とよぶ。そのため、半導体40
6bの全体にチャネルが形成される場合がある。s-channel構造では、トランジ
スタのソース-ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を大き
くすることができる。また、絶縁体406aおよび半導体406bが、導電体404の電
界によって取り囲まれていることから、非導通時の電流(オフ電流)を小さくすることが
できる。
【0050】
本トランジスタは、ゲート電極として機能する領域が、絶縁体410などによって形成さ
れる開口部を埋めるように自己整合(self align)的に形成されるので、TG
SA s-channel FET(Trench Gate Self Aligne
d s-channel FET)と呼ぶこともできる。
【0051】
図2(A)および(B)は、本トランジスタの中央部を拡大したものである。図2(A)
において、ゲート電極としての機能を有する導電体404の底面が、絶縁体412および
絶縁体406cを介して、半導体406bの上面と平行に面する領域の長さをゲート線幅
404wとして示す。また、絶縁体410の開口部において絶縁体406cと導電体41
6a1の上面と接する領域の導電体416a1の底面と平行な長さを第1の開口部幅41
6w1として示す。また、絶縁体410の開口部において絶縁体406cと導電体416
a2の上面と接する領域の導電体416a2の底面と平行な長さを第2の開口部幅416
w2として示す。本発明の一態様に係るトランジスタは、第1の開口部幅416w1およ
び第2の開口部幅416w2の長さによらず、半導体406bに達する開口部の長さは変
わらない。また、半導体406bに達する開口部よりもゲート線幅404wを小さくする
ことができる。即ち、ゲート線幅404wを最小加工寸法よりも小さくすることができる
。具体的には、ゲート線幅404wを、5nm以上60nm以下、好ましくは5nm以上
30nm以下とすることができる。
【0052】
なお、ゲート電極からの電界が他の導電体によって遮られると、トランジスタのスイッチ
ング特性が悪化する場合がある。本トランジスタは、絶縁体406cおよび絶縁体412
の膜厚によって導電体404と、導電体416a1および導電体416a2と、の位置関
係が変化する。即ち、ソース電極およびドレイン電極としての機能を有する導電体416
a1および導電体416a2の膜厚とゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体412の
膜厚の関係は、本トランジスタの電気特性に影響をおよぼすことがわかる。
【0053】
図2(B)において導電体416a1と、導電体416a2の間の領域における絶縁体4
12の厚さを412hと表す。また、導電体416a1の厚さまたは導電体416a2の
厚さを416hと表す。412hの厚さが416hの厚さ以下とすることで、ゲート電極
からの電界がチャネル形成領域全体に掛かるのでトランジスタの動作が良好となり好まし
い。412hの厚さは、30nm以下、好ましくは10nm以下とする。
【0054】
また、本トランジスタの構成は、416hの厚さを小さい値とすることが可能である。導
電体416a1の端部は絶縁体406cおよび絶縁体412を介して、導電体404と向
かい合う領域を有する。または、導電体416a2の端部は絶縁体406cおよび絶縁体
412を介して、導電体404と向かい合う領域を有する。これらの領域付近を図2(B
)中の点線の丸で囲った部分で示すが、これらの領域の面積はより小さく抑えられる。し
たがって本トランジスタは、これらの領域の寄生容量は小さく抑えられている構成となっ
ている。
【0055】
なお、トランジスタを、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体
で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。例えば絶縁体
408として、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体を用いれ
ばよい。
【0056】
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ
素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、
アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム
、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
【0057】
また、例えば、絶縁体408としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化酸化
シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いれ
ばよい。なお、絶縁体408は、酸化アルミニウムを有することが好ましい。例えば、絶
縁体408は酸素を有するプラズマを用いて成膜すると絶縁体408の下地層となる絶縁
体410へ酸素を添加することができる。または、絶縁体412の側面に酸素を添加する
こともできる。添加された酸素は、絶縁体410中または絶縁体412中で過剰酸素とな
る。絶縁体408が酸化アルミニウムを有することで、半導体406bに水素などの不純
物が混入することを抑制することができる。また、例えば、絶縁体408が酸化アルミニ
ウムを有することで、上述の絶縁体410および絶縁体412へ添加した過剰酸素の外方
拡散を低減することができる。
【0058】
絶縁体402としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、ア
ルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム
、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層
で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体402としては、酸化シリコンまたは酸
化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0059】
なお、絶縁体410は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体
410は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素
を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化
シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。または、
絶縁体410は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、
フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加し
た酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが
好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み
合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂とし
ては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)
、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
【0060】
絶縁体412としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、ア
ルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム
、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層
で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体412としては、酸化シリコンまたは酸
化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0061】
なお、絶縁体412は、比誘電率の高い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体
412は、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化
物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有
する酸化物、またはシリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物などを有することが好
ましい。または、絶縁体412は、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンと、比誘電率の
高い絶縁体と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコ
ンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定
かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化ガリ
ウムまたは酸化ハフニウムを絶縁体406c側に有することで、酸化シリコンまたは酸化
窒化シリコンに含まれるシリコンが、半導体406bに混入することを抑制することがで
きる。また、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを絶縁体406c側に有する
ことで、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムと、酸化シリコンまたは
酸化窒化シリコンと、の界面にトラップセンターが形成される場合がある。該トラップセ
ンターは、電子を捕獲することでトランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させる
ことができる場合がある。
【0062】
導電体416a1および導電体416a2としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ
素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、プラチナ
、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で
、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウム
を含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウ
ム、スズおよび酸素を含む導電体、またはチタンおよび窒素を含む導電体などを用いても
よい。または、酸素を透過しにくい機能を有する窒素を含むタンタルおよび窒素を含む導
電体との積層膜とすることが好ましい。
【0063】
導電体404としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミ
ニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イット
リウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよ
びタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、
合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導
電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、また
はチタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。または、酸素を透過しにくい機能
を有する窒素を含むタンタルおよび窒素を含む導電体との積層膜とすることが好ましい。
【0064】
導電体429、導電体430、導電体431、導電体432、導電体437および導電体
438としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム
、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム
、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタン
グステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜
や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、
銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、またはチタ
ンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。または、酸素を透過しにくい機能を有す
る窒素を含むタンタルおよび窒素を含む導電体との積層膜とすることが好ましい。
【0065】
半導体406bとしては、酸化物半導体を用いることが好ましい。ただし、シリコン(歪
シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、
アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体などを用い
ても構わない場合がある。
【0066】
絶縁体406aおよび絶縁体406cとしては、半導体406bを構成する酸素以外の元
素一種以上、または二種以上から構成される酸化物を用いることが望ましい。ただし、シ
リコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリ
ウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体
などを用いても構わない場合がある。
【0067】
<トランジスタ構造2>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図4を用いて説明する。図4(A
)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図であ
る。図4(A)は上面図である。図4(B)は、図4(A)に示す一点鎖線A1-A2に
対応する断面図である。図4(C)は、図4(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応する
断面図である。なお、図4(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて
図示している。
【0068】
図4(B)および(C)において、本トランジスタは、基板400上の絶縁体401と、
絶縁体401上の導電体310と、絶縁体401の上面、導電体310の上面および導電
体310の側面と接する絶縁体301と、絶縁体301上の絶縁体303と、絶縁体30
3上の絶縁体402と、絶縁体402上の絶縁体406aと、絶縁体406a上の半導体
406bと、半導体406bの上面と接する領域を有する導電体416a1および導電体
416a2と、導電体416a1の上面および導電体416a2の上面と接する絶縁体4
10と、半導体406bの上面と接する絶縁体406cと、絶縁体406c上の絶縁体4
12と、絶縁体412および絶縁体406cを介して半導体406b上に配置する導電体
404と、絶縁体410上、導電体404上、絶縁体412上および絶縁体406c上の
絶縁体408と、絶縁体408を通り導電体404に達する開口部と、絶縁体408およ
び絶縁体410を通り導電体416a1に達する開口部と、絶縁体408および絶縁体4
10を通り導電体416a2に達する開口部と、それぞれの開口部に埋め込まれた導電体
437、導電体431および導電体429と、絶縁体408上の導電体437と接する領
域を有する導電体438と、絶縁体408上の導電体431と接する領域を有する導電体
432と、絶縁体408上の導電体429と接する領域を有する導電体430と、を有す
る。
【0069】
なお、半導体406bは、半導体406bの上面と導電体416a1および導電体416
a2と接する領域407を有する。
【0070】
本トランジスタにおいて、導電体404は第1のゲート電極としての機能を有する。また
、導電体404は、酸素を透過しにくい機能を有する導電体と積層構造とすることができ
る。例えば酸素を透過しにくい導電体を下層に成膜することで導電体404の酸化による
電気抵抗値の増加を防ぐことができる。絶縁体412はゲート絶縁体としての機能を有す
る。
【0071】
また、導電体416a1および導電体416a2は、ソース電極またはドレイン電極とし
ての機能を有する。また、導電体416a1および導電体416a2は、酸素を透過しに
くい機能を有する導電体と積層構造とすることができる。例えば酸素を透過しにくい導電
体を上層に成膜することで導電体416a1および導電体416a2の酸化による電気抵
抗値の増加を防ぐことができる。
【0072】
導電体404に印加する電位によって、半導体406bの抵抗を制御することができる。
即ち、導電体404に印加する電位によって、導電体416a1と導電体416a2との
間の導通・非導通を制御することができる。
【0073】
また、導電体310は、第2のゲート電極としての機能を有する。また、導電体310は
酸素を透過しにくい機能を有する導電膜を含む多層膜とすることもできる。酸素を透過し
にくい機能を有する導電膜を含む多層膜とすることで導電体310の酸化による導電率の
低下を防ぐことができる。絶縁体301、絶縁体303および絶縁体402は第2のゲー
ト絶縁体としての機能を有する。導電体310へ印加する電位によって、本トランジスタ
のしきい値電圧を制御することができる。また、導電体310に印加する電位により、絶
縁体303へ電子を注入させ本トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。さ
らに第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続することで、導通時の電流(オ
ン電流)を大きくすることができる。なお、第1のゲート電極の機能と、第2のゲート電
極の機能と、が入れ替わっても構わない。
【0074】
図9に第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続した一例を示す。絶縁体40
8を通って導電体404に達する開口部には、導電体440が埋め込まれており、導電体
440の上面と絶縁体408上に形成した導電体444とは、電気的接続されている。一
方、絶縁体408、絶縁体410、絶縁体402、絶縁体303および絶縁体301を通
って導電体310に達する開口部には、導電体442が埋め込まれており、導電体442
の上面と導電体444とは、電気的に接続されている。つまり、第1のゲート電極として
の機能を有する導電体404は、導電体440、導電体444および導電体442を通し
て、第2のゲート電極としての機能を有する導電体310とは、電気的に接続される。
【0075】
例えば、絶縁体401としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化酸化シリコ
ン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい
。なお、絶縁体401は、酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することが好ましい
。例えば、絶縁体401が酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することで、半導体
406bに水素などの不純物が混入することを抑制することができる。また、例えば、絶
縁体401が酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することで、酸素の外方拡散を低
減することができる。
【0076】
絶縁体301としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、ア
ルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム
、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層
で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体301としては、酸化シリコンまたは酸
化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0077】
絶縁体303としては、例えば、電子注入層としての機能を有してもよい。絶縁体303
としては例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シ
リコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム
、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層
で用いればよい。例えば、絶縁体303としては、窒化シリコン、酸化ハフニウムまたは
酸化アルミニウムを有することが好ましい。
【0078】
導電体310、導電体440、導電体442および導電体444としては、例えば、ホウ
素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、
コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、
ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体
を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、ア
ルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体
、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、またはチタンおよび窒素を含む導電体など
を用いてもよい。
【0079】
本トランジスタは、第2のゲート電極としての機能を有する導電体310を有するところ
が、図1のトランジスタと構成が異なる。その他の構成は上述を参酌する。
【0080】
<トランジスタ構造3>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図5を用いて説明する。図5(A
)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図であ
る。図5(A)は上面図である。図5(B)は、図5(A)に示す一点鎖線A1-A2に
対応する断面図である。図5(C)は、図5(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応する
断面図である。なお、図5(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて
図示している。
【0081】
本トランジスタは、導電体416a1および導電体416a2の形状が異なるところが、
図1のトランジスタと構成が異なる。以下に図3を用いて詳細を説明する。
【0082】
図3は、図5に示すトランジスタの中央部を拡大したものである。基板と平行な面と導電
体416a1と絶縁体406cとが接する導電体416a1の側面により形成される角度
をテーパー角446とした場合、テーパー角446が90度以下である。または、基板と
平行な面と導電体416a2と絶縁体406cと接する導電体の側面により形成される角
度をテーパー角447とした場合、テーパー角447が90度以下である。テーパー角4
46およびテーパー角447が90度以下であることにより、該導電体416a1の側面
上および該導電体416a2の側面上に形成される絶縁体406cおよびゲート絶縁体と
しての機能を有する絶縁体412の被覆性が向上する。絶縁体406cおよび絶縁体41
2の被覆性が向上すると、ゲート電極としての機能を有する導電体404とソース電極ま
たはドレイン電極としての機能を有する導電体416a1または導電体416a2との間
を流れるリーク電流を低く抑えることができる。または、ゲート電極としての機能を有す
る導電体404とチャネル形成領域を有する半導体406bとの間を流れるリーク電流を
低く抑えることができる。テーパー角446およびテーパー角447は、10度以上90
度以下、好ましくは30度以上80度以下とする。
【0083】
また、第1の開口部幅416w1および第2の開口部幅416w2の長さによらず、半導
体406bに達する開口部の長さは変わらない。また、半導体406bに達する開口部よ
りもゲート線幅404wを小さくすることができる。即ち、ゲート線幅404wを最小加
工寸法よりも小さくすることができる。具体的には、ゲート線幅404wを、5nm以上
60nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすることができる。その他の構成は
図1に示すトランジスタを参酌する。
【0084】
<トランジスタ構造4>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図6を用いて説明する。図6(A
)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図であ
る。図6(A)は上面図である。図6(B)は、図6(A)に示す一点鎖線A1-A2に
対応する断面図である。図6(C)は、図6(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応する
断面図である。なお、図6(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて
図示している。
【0085】
本トランジスタは、図5(A)、(B)および(C)に示したトランジスタの構成に第2
のゲート電極としての機能を有する導電体310を加えた構成である。その他の構成は上
述を参酌する。
【0086】
<トランジスタ構造5>
ここでは、図4と異なる構成のトランジスタについて、図7を用いて説明する。図7(A
)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図であ
る。図7(A)は上面図である。図7(B)は、図7(A)に示す一点鎖線A1-A2に
対応する断面図である。図7(C)は、図7(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応する
断面図である。なお、図7(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて
図示している。
【0087】
本トランジスタは、複数のチャネル形成領域を有するところが、図4(A)、(B)およ
び(C)に示すトランジスタの構成と異なる。図7(A)、(B)および(C)は、3つ
のチャネル領域を有する一例を示すが、チャネル領域の数はこれに限定されない。その他
の構成は、上述の図4(A)、(B)および(C)に示したトランジスタの構成を参酌す
る。
【0088】
<トランジスタ構造6>
ここでは、図4と異なる構成のトランジスタについて、図8を用いて説明する。図8(A
)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図であ
る。図8(A)は上面図である。図8(B)は、図8(A)に示す一点鎖線A1-A2に
対応する断面図である。図8(C)は、図8(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応する
断面図である。なお、図8(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて
図示している。
【0089】
本トランジスタは、チャネルの幅の大きさが図2(A)に示すゲート線幅404wよりも
大きい構成の一例を示した。その他の構成は、上述の図4(A)、(B)および(C)に
示したトランジスタの構成を参酌する。
【0090】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0091】
(実施の形態2)
<酸化物半導体の構造>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
【0092】
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられ
る。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(C Axis Aligned
Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半
導体、nc-OS(nanocrystalline Oxide Semicondu
ctor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous li
ke Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
【0093】
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半
導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC-O
S、多結晶酸化物半導体、nc-OSなどがある。
【0094】
非晶質構造の定義としては、一般に、準安定状態で固定化していないこと、等方的であっ
て不均質構造を持たないことなどが知られている。また、結合角度が柔軟であり、短距離
秩序性は有するが、長距離秩序性を有さない構造と言い換えることもできる。
【0095】
逆の見方をすると、本質的に安定な酸化物半導体の場合、完全な非晶質(complet
ely amorphous)酸化物半導体と呼ぶことはできない。また、等方的でない
(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物
半導体と呼ぶことはできない。ただし、a-like OSは、微小な領域において周期
構造を有するものの、鬆(ボイドともいう。)を有し、不安定な構造である。そのため、
物性的には非晶質酸化物半導体に近いといえる。
【0096】
<CAAC-OS>
まずは、CAAC-OSについて説明する。
【0097】
CAAC-OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半
導体の一つである。
【0098】
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micro
scope)によって、CAAC-OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分
解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方
、高分解能TEM像ではペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーとも
いう。)を明確に確認することができない。そのため、CAAC-OSは、結晶粒界に起
因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0099】
以下では、TEMによって観察したCAAC-OSについて説明する。図10(A)に、
試料面と略平行な方向から観察したCAAC-OSの断面の高分解能TEM像を示す。高
分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration
Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、
特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像の取得は、例えば、日
本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM-ARM200Fなどによって行うこ
とができる。
【0100】
図10(A)の領域(1)を拡大したCs補正高分解能TEM像を図10(B)に示す。
図10(B)より、ペレットにおいて、金属原子が層状に配列していることを確認できる
。金属原子の各層の配列は、CAAC-OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)ま
たは上面の凹凸を反映しており、CAAC-OSの被形成面または上面と平行となる。
【0101】
図10(B)に示すように、CAAC-OSは特徴的な原子配列を有する。図10(C)
は、特徴的な原子配列を、補助線で示したものである。図10(B)および図10(C)
より、ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあり、ペレット
とペレットとの傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることがわかる。し
たがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる
。また、CAAC-OSを、CANC(C-Axis Aligned nanocry
stals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
【0102】
ここで、Cs補正高分解能TEM像をもとに、基板5120上のCAAC-OSのペレッ
ト5100の配置を模式的に示すと、レンガまたはブロックが積み重なったような構造と
なる(図10(D)参照。)。図10(C)で観察されたペレットとペレットとの間で傾
きが生じている箇所は、図10(D)に示す領域5161に相当する。
【0103】
また、図11(A)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC-OSの平面のCs
補正高分解能TEM像を示す。図11(A)の領域(1)、領域(2)および領域(3)
を拡大したCs補正高分解能TEM像を、それぞれ図11(B)、図11(C)および図
11(D)に示す。図11(B)、図11(C)および図11(D)より、ペレットは、
金属原子が三角形状、四角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかし
ながら、異なるペレット間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
【0104】
次に、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)によって解析したCA
AC-OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC-OS
に対し、out-of-plane法による構造解析を行うと、図12(A)に示すよう
に回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZ
nOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC-OSの結晶がc軸配向性
を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0105】
なお、CAAC-OSのout-of-plane法による構造解析では、2θが31°
近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近
傍のピークは、CAAC-OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを
示している。より好ましいCAAC-OSは、out-of-plane法による構造解
析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
【0106】
一方、CAAC-OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin-plan
e法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、In
GaZnOの結晶の(110)面に帰属される。CAAC-OSの場合は、2θを56
°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(
φスキャン)を行っても、図12(B)に示すように明瞭なピークは現れない。これに対
し、InGaZnOの単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφス
キャンした場合、図12(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピ
ークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC-OSは、
a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
【0107】
次に、電子回折によって解析したCAAC-OSについて説明する。例えば、InGaZ
nOの結晶を有するCAAC-OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの
電子線を入射させると、図13(A)に示すような回折パターン(制限視野透過電子回折
パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO
結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、
CAAC-OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略
垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ
径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図13(B)に示す。図13
(B)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、
CAAC-OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
なお、図13(B)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面およ
び(100)面などに起因すると考えられる。また、図13(B)における第2リングは
(110)面などに起因すると考えられる。
【0108】
上述したように、CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結
晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をする
とCAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
【0109】
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属
元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素
との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を
乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二
酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を
乱し、結晶性を低下させる要因となる。
【0110】
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合があ
る。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリ
ア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとな
る場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
【0111】
不純物および酸素欠損の少ないCAAC-OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体であ
る。具体的には、8×1011個/cm未満、好ましくは1×1011個/cm未満
、さらに好ましくは1×1010個/cm未満であり、1×10-9個/cm以上の
キャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真
性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC-OSは、不純物濃度が低
く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0112】
<nc-OS>
次に、nc-OSについて説明する。
【0113】
nc-OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確
な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc-OSに含まれる結晶部は、
1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお
、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化
物半導体と呼ぶことがある。nc-OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を
明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC-OSにおけるペレットと
起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc-OSの結晶部をペレットと呼
ぶ場合がある。
【0114】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3
nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるペレ
ット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。した
がって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体
と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OSに対し、ペレットよりも大きい径のX
線を用いた場合、out-of-plane法による解析では、結晶面を示すピークは検
出されない。また、nc-OSに対し、ペレットよりも大きいプローブ径(例えば50n
m以上)の電子線を用いる電子回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観
測される。一方、nc-OSに対し、ペレットの大きさと近いかペレットより小さいプロ
ーブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、n
c-OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い
領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される
場合がある。
【0115】
このように、ペレット(ナノ結晶)間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc-
OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有す
る酸化物半導体、またはNANC(Non-Aligned nanocrystals
)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
【0116】
nc-OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、
nc-OSは、a-like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる
。ただし、nc-OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため
、nc-OSは、CAAC-OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
【0117】
<a-like OS>
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半
導体である。
【0118】
a-like OSは、高分解能TEM像において鬆が観察される場合がある。また、高
分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認す
ることのできない領域と、を有する。
【0119】
鬆を有するため、a-like OSは、不安定な構造である。以下では、a-like
OSが、CAAC-OSおよびnc-OSと比べて不安定な構造であることを示すため
、電子照射による構造の変化を示す。
【0120】
電子照射を行う試料として、a-like OS(試料Aと表記する。)、nc-OS(
試料Bと表記する。)およびCAAC-OS(試料Cと表記する。)を準備する。いずれ
の試料もIn-Ga-Zn酸化物である。
【0121】
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料
は、いずれも結晶部を有することがわかる。
【0122】
なお、どの部分を一つの結晶部と見なすかの判定は、以下のように行えばよい。例えば、
InGaZnOの結晶の単位格子は、In-O層を3層有し、またGa-Zn-O層を
6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これ
らの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度で
あり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、格子縞の
間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見
なすことができる。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa-b面に対応する。
【0123】
図14は、各試料の結晶部(22箇所から45箇所)の平均の大きさを調査した例である
。ただし、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図14より、a-lik
e OSは、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的
には、図14中に(1)で示すように、TEMによる観察初期においては1.2nm程度
の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、累積照射量が4.2×10/nm
においては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc-OS
およびCAAC-OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10
nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。具体的には、図
14中の(2)および(3)で示すように、電子の累積照射量によらず、nc-OSおよ
びCAAC-OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.4nm程度および2.1nm程度で
あることがわかる。
【0124】
このように、a-like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合があ
る。一方、nc-OSおよびCAAC-OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど
見られないことがわかる。即ち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-O
Sと比べて、不安定な構造であることがわかる。
【0125】
また、鬆を有するため、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べ
て密度の低い構造である。具体的には、a-like OSの密度は、同じ組成の単結晶
の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc-OSの密度およびCAAC
-OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶
の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
【0126】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱
面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmとなる。よっ
て、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において
、a-like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満となる。また
、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、
nc-OSの密度およびCAAC-OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm
未満となる。
【0127】
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる
単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もる
ことができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせ
る割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない
種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
【0128】
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。な
お、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、
CAAC-OSのうち、二種以上を有する多層膜であってもよい。
【0129】
絶縁体406a、半導体406b、絶縁体406cなどに適用可能な酸化物について説明
する。
【0130】
半導体406bは、例えば、インジウムを含む酸化物半導体である。半導体406bは、
例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体
406bは、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム
、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホ
ウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ラ
ンタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンなどがある。ただし
、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例え
ば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがイン
ジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギ
ャップを大きくする機能を有する元素である。また、半導体406bは、亜鉛を含むと好
ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
【0131】
ただし、半導体406bは、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。半導体40
6bは、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、酸化ガリウムなどの、インジウ
ムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物
半導体などであっても構わない。
【0132】
半導体406bは、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。半導体406
bのエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8
eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
【0133】
例えば、絶縁体406aおよび絶縁体406cは、半導体406bを構成する酸素以外の
元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物である。半導体406bを構成する
酸素以外の元素一種以上、または二種以上から絶縁体406aおよび絶縁体406cが構
成されるため、絶縁体406aと半導体406bとの界面、および半導体406bと絶縁
体406cとの界面において、界面準位が形成されにくい。
【0134】
絶縁体406a、半導体406bおよび絶縁体406cが、インジウムを含む場合につい
て説明する。なお、絶縁体406aがIn-M-Zn酸化物のとき、InおよびMの和を
100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50
atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75a
tomic%より高くする。また、半導体406bがIn-M-Zn酸化物のとき、In
およびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%
より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%よ
り高く、Mが66atomic%未満とする。また、絶縁体406cがIn-M-Zn酸
化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが5
0atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25
atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、絶縁体406cは、
絶縁体406aと同種の酸化物を用いても構わない。
【0135】
半導体406bは、絶縁体406aおよび絶縁体406cよりも電子親和力の大きい酸化
物を用いる。例えば、半導体406bとして、絶縁体406aおよび絶縁体406cより
も電子親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV
以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、
電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
【0136】
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する
。そのため、絶縁体406cがインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原
子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さら
に好ましくは90%以上とする。
【0137】
ただし、絶縁体406aまたは/および絶縁体406cが、酸化ガリウムであっても構わ
ない。例えば、絶縁体406cとして、酸化ガリウムを用いると導電体416a1または
導電体416a2と導電体404との間に生じるリーク電流を低減することができる。即
ち、トランジスタのオフ電流を小さくすることができる。
【0138】
このとき、ゲート電圧を印加すると、絶縁体406a、半導体406b、絶縁体406c
のうち、電子親和力の大きい半導体406bにチャネルが形成される。
【0139】
ここで、絶縁体406aと半導体406bとの間には、絶縁体406aと半導体406b
との混合領域を有する場合がある。また、半導体406bと絶縁体406cとの間には、
半導体406bと絶縁体406cとの混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準
位密度が低くなる。そのため、絶縁体406a、半導体406bおよび絶縁体406cの
積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合とも
いう。)バンド図となる。
【0140】
このとき、電子は、絶縁体406a中および絶縁体406c中ではなく、半導体406b
中を主として移動する。したがって、絶縁体406aおよび半導体406bの界面におけ
る界面準位密度、半導体406bと絶縁体406cとの界面における界面準位密度を低く
することによって、半導体406b中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジ
スタのオン電流を高くすることができる。
【0141】
なお、トランジスタがs-channel構造を有する場合、半導体406bの全体にチ
ャネルが形成される。したがって、半導体406bが厚いほどチャネル領域は大きくなる
。即ち、半導体406bが厚いほど、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
例えば、20nm以上、好ましくは40nm以上、さらに好ましくは60nm以上、より
好ましくは100nm以上の厚さの領域を有する半導体406bとすればよい。ただし、
トランジスタを有する半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、300n
m以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下の厚さの領域を有
する半導体406bとすればよい。
【0142】
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、絶縁体406cの厚さは小さいほど
好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下
の領域を有する絶縁体406cとすればよい。一方、絶縁体406cは、チャネルの形成
される半導体406bへ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンな
ど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、絶縁体406cは、ある
程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、
さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する絶縁体406cとすればよい。また、
絶縁体406cは、絶縁体402などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、
酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
【0143】
また、信頼性を高くするためには、絶縁体406aは厚く、絶縁体406cは薄いことが
好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm
以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する絶縁体406aとすればよい。
絶縁体406aの厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と絶縁体406aとの界面か
らチャネルの形成される半導体406bまでの距離を離すことができる。ただし、トラン
ジスタを有する半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下
、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する絶縁
体406aとすればよい。
【0144】
例えば、酸化物半導体中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合が
ある。したがって、半導体406bのシリコン濃度は低いほど好ましい。例えば、半導体
406bと絶縁体406aとの間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Sec
ondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1019
atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ま
しくは2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、
半導体406bと絶縁体406cとの間に、SIMSにおいて、1×1019atoms
/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×
1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。
【0145】
また、半導体406bの水素濃度を低減するために、絶縁体406aおよび絶縁体406
cの水素濃度を低減すると好ましい。絶縁体406aおよび絶縁体406cは、SIMS
において、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/
cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5
×1018atoms/cm以下の水素濃度となる領域を有する。また、半導体406
bの窒素濃度を低減するために、絶縁体406aおよび絶縁体406cの窒素濃度を低減
すると好ましい。絶縁体406aおよび絶縁体406cは、SIMSにおいて、5×10
19atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好
ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atom
s/cm以下の窒素濃度となる領域を有する。
【0146】
なお、酸化物半導体に銅が混入すると、電子トラップを生成する場合がある。電子トラッ
プは、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向へ変動させる場合がある。したがって、
半導体406bの表面または内部における銅濃度は低いほど好ましい。例えば、半導体4
06bは、銅濃度が1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/c
以下、または1×1018atoms/cm以下となる領域を有すると好ましい。
【0147】
上述の3層構造は一例である。例えば、絶縁体406aまたは絶縁体406cのない2層
構造としても構わない。または、絶縁体406aの上もしくは下、または絶縁体406c
上もしくは下に、絶縁体406a、半導体406bおよび絶縁体406cとして例示した
絶縁体または半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、絶縁体4
06aの上、絶縁体406aの下、絶縁体406cの上、絶縁体406cの下のいずれか
二箇所以上に、絶縁体406a、半導体406bおよび絶縁体406cとして例示した絶
縁体または半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない
【0148】
基板400としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい
。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコ
ニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体
基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリ
コン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウ
ムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域
を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板
などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板など
がある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さ
らには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または
絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある
。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子
としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
【0149】
また、基板400として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトラン
ジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トラン
ジスタを剥離し、可とう性基板である基板400に転置する方法もある。その場合には、
非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板400として
、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板400が
伸縮性を有してもよい。また、基板400は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形
状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板4
00は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、
さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板400を
薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板4
00を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや
引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などに
よって基板400上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫
な半導体装置を提供することができる。
【0150】
可とう性基板である基板400としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、ま
たはそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板400は、線膨張
率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板400とし
ては、例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、5×10-5/K以下、または1×1
-5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、
アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板
400として好適である。
【0151】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0152】
(実施の形態3)
<トランジスタの作製方法1>
以下では、本発明に係る図1のトランジスタの作製方法を図15から図22を用いて説明
する。
【0153】
まず、基板400を準備する。
【0154】
次に、絶縁体402を成膜する。絶縁体402の成膜は、スパッタリング法、化学気相成
長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタ
キシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法またはパルスレー
ザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(
ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うことが
できる。
【0155】
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma E
nhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CV
D)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用い
る原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(
MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
【0156】
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズ
マを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法で
ある。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)
などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、
蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合が
ある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じ
ないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜
中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
【0157】
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法で
ある。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が
得られる。
【0158】
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは
異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって
、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に
、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の
高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速
度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが
好ましい場合もある。
【0159】
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御するこ
とができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の
組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜し
ながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜す
ることができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用い
て成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くす
ることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
【0160】
次に、絶縁体402に酸素を添加する処理を行っても構わない。酸素を添加する処理とし
ては、例えば、イオン注入法、プラズマ処理法などがある。なお、絶縁体402に添加さ
れた酸素は、過剰酸素となる。
【0161】
次に、絶縁体402上に絶縁体406aとなる絶縁体を成膜する。絶縁体406aとなる
絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法など
を用いて行うことができる。
【0162】
次に、絶縁体406aとなる絶縁体に酸素を添加する処理を行っても構わない。酸素を添
加する処理としては、例えば、イオン注入法、プラズマ処理法などがある。なお、絶縁体
406aとなる絶縁体に添加された酸素は、過剰酸素となる。絶縁体406aとなる絶縁
体に対応する層に酸素を添加する処理を行うと好ましい。次に絶縁体406aとなる絶縁
体上に半導体406bとなる半導体を成膜する。
【0163】
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下
、好ましくは450℃以上600℃以下、さらに好ましくは520℃以上570℃以下で
行えばよい。第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上
、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行っても
よい。または、第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素
を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱
処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、半導体の結晶性を高めることや、水素や
水などの不純物を除去することなどができる。または、第1の加熱処理において、減圧状
態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例えばマイク
ロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。ま
たは、基板側にRF(Radio Frequency)を印加する電源を有してもよい
。高密度プラズマを用いることより高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側
にRFを印加することで高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを効率よく半導
体406b内に導くことができる。または、この装置を用いて不活性ガスを含むプラズマ
処理を行った後に脱離した酸素を補うために酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。
【0164】
次に、半導体406bとなる半導体上に導電体415となる導電体を成膜する。導電体の
成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて
行うことができる。次に、絶縁体406aとなる絶縁体、半導体406bとなる半導体お
よび導電体415となる導電体をリソグラフィー法などによって加工し、絶縁体406a
、半導体406bおよび導電体415を有する多層膜を形成する。ここで、導電体の成膜
時に、半導体406bとなる半導体の上面にダメージを与えることで領域407が形成さ
れる。領域407は、半導体406bが低抵抗化された領域を有するので、導電体415
と半導体406b間のコンタクト抵抗が低抵抗化される。なお、多層膜を形成する際、絶
縁体402もエッチングされ、一部の領域が薄くなる場合がある。即ち、絶縁体402は
、多層膜と接する領域に凸部を有する形状となる場合がある(図15(A)、(B)およ
び(C)参照。)。
【0165】
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光さ
れた領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当
該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体または絶縁体などを
所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマ
レーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジス
トを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に
液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代
えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用
いる場合には、マスクは不要となる。なお、レジストマスクの除去には、アッシングなど
のドライエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理を行う、またはドライエ
ッチング処理後にウエットエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理後にド
ライエッチング処理を行うことができる。
【0166】
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:
Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いるこ
とができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型
電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の
電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞ
れに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに
周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するド
ライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング
装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Couple
d Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
【0167】
次に、絶縁体410aを成膜する。絶縁体410aの成膜は、スパッタリング法、CVD
法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。または、スピン
コート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷
、オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコーター
法などを用いて行うことができる。
【0168】
絶縁体410aは、上面が平坦性を有するように形成してもよい。例えば、絶縁体410
aは、成膜直後に上面が平坦性を有していてもよい。または、例えば、絶縁体410aは
、成膜後に基板裏面などの基準面と平行になるよう絶縁体などを上面から除去していくこ
とで平坦性を有してもよい。このような処理を、平坦化処理と呼ぶ。平坦化処理としては
、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishi
ng)処理、ドライエッチング処理などがある。ただし、絶縁体410aの上面が平坦性
を有さなくても構わない。
【0169】
次に、絶縁体410a上にリソグラフィー法などによってレジストマスク411を形成す
る。ここで絶縁体410aの上面とレジストマスクとの間の密着性を向上するために、例
えば、有機塗布膜を絶縁体410a上とレジストマスク411の間に設けても良い(図1
6(A)、(B)および(C)参照。)。
【0170】
次に、絶縁体410aをドライエッチング法などを用いて開口部が導電体415の上面に
達するまで第1の加工を行い絶縁体410を形成する。第1の加工のドライエッチングに
使用するガスは、例えば、Cガス、CFガス、SFガスまたはCHFガスな
どを用いることができる。または、上記ガスに酸素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスま
たは水素ガスなどを適宜添加することができる。ここではCガスに酸素ガスを添加
したものを用いることが好ましい。ドライエッチング装置は上述のドライエッチング装置
を使用することができるが、平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を接続
する構成のドライエッチング装置の使用が好ましい(図17(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0171】
次に、導電体415をドライエッチング法などを用いて第2の加工をすることで、導電体
416a1と導電体416a2に分離する。第2の加工のドライエッチングに使用するガ
スは、例えば、Cガス、CFガス、SFガス、Clガス、BClガス、S
iClガスなどを単独または2以上を混合して用いることができる。また、上記ガスに
酸素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスまたは水素ガスを適宜添加してもよい。ここでは
、CFガス、Clガスおよび酸素ガスを混合して使用するとよい。ドライエッチング
装置は、上述の第1の加工のドライエッチング装置を用いてもよい(図18(A)、(B
)および(C)参照。)。
【0172】
このとき、半導体406bは、露出した領域を有する。半導体406bの露出した領域の
領域407は、上述の第2の加工により除去されることがある。また、第2の加工中、半
導体406bの側面は絶縁体410に覆われているため、第2の加工に用いられるガスに
曝されることが無い。すなわち、第2の加工中における半導体406bの側面がエッチン
グされることがなく、第2の加工後、第2の加工に用いられたガスの残留成分が半導体4
06bの側面に付着することが無い。よって、半導体406bの側面が保護されるため好
ましい。
【0173】
次に、絶縁体410となる絶縁体をドライエッチング法などを用いて開口部が絶縁体40
2に達するまで第3の加工を行うことで絶縁体410を形成する。第3の加工に使用する
ドライエッチングガスは、第1の加工と同様のガスであるCガスに酸素ガスを添加
したものを使用すればよいが、第3の加工では、例えば、添加する酸素ガス流量を増加さ
せるとよい。酸素ガスの流量を第1の加工よりも増加させることで、レジストマスク41
1の基板の裏面と平行な面に沿って横方向へのエッチング速度が第1の加工よりも速くな
り、絶縁体410となる絶縁体の基板の裏面と平行な面に沿って横方向のエッチング速度
が第1の加工よりも速くなる。従って、図19(B)および(C)中に点線で表記するよ
うに、絶縁体410の開口部は基板の裏面と平行な面に沿って横方向に広がるように形成
することができる(図19(A)、(B)および(C)参照。)。
【0174】
第3の加工に使用するドライエッチング装置は、例えば、第1の加工および第2の加工と
同様のドライエッチング装置を使用することができる。平行平板型電極それぞれに周波数
の異なる高周波電源を印加する構成のドライエッチング装置を用いる場合は、平行平板型
電極のどちらか一方または両方に印加する高周波電源の電力を第1の加工よりも増加させ
るとよい。このことで、レジストマスク411の基板の裏面と平行な面に沿って横方向へ
のエッチング速度が第1の加工よりも速くなり、上述の添加する酸素ガス流量を増加させ
ることによる効果と同様の効果が得られる。従って、絶縁体410の開口部は基板の裏面
と平行な面に沿って横方向に広がるように形成することができる。
【0175】
第3の加工を第1の加工および第2の加工と同じドライエッチング装置を用いることで大
気に晒されることなく、第1の加工、第2の加工および第3の加工を連続的に行うことが
できるので基板への大気成分の付着による汚染や基板に残留するエッチングガスと大気成
分の反応による絶縁体、半導体および導電体の腐食などを防ぐことができる。または第1
の加工、第2の加工および第3の加工を連続的に行うことで生産性の向上が見込まれる。
【0176】
第1の加工および第2の加工をドライエッチング法で行う場合、半導体406bの露出領
域にエッチングガスの残留成分などの不純物が付着する場合がある。例えば、エッチング
ガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある。また、エッチングガ
スとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場合がある。第2の加工
後に基板を大気に晒すと半導体406bの露出領域などが腐蝕することがある。そのため
第2の加工後に連続して酸素ガスによるプラズマ処理を行うと上記不純物を除去すること
ができて半導体406bの露出領域などの腐蝕を防ぐことができて好ましい。
【0177】
または、不純物の低減は、例えば、希釈フッ化水素酸などを用いた洗浄処理またはオゾン
などを用いた洗浄処理を行ってもよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。こ
れにより、半導体406bの露出した領域、言い換えるとチャネル形成領域は高抵抗とな
る。
【0178】
一方、導電体416a1および導電体416a2と、半導体406bの上面とが、互いに
重なる領域407は、上述のように導電体416a1および導電体416a2と半導体4
06b間のコンタクト抵抗値が低くなり良好なトランジスタ特性を得ることができて好ま
しい。
【0179】
次に、絶縁体406c_1を成膜し、絶縁体406c_1上に絶縁体412_1を成膜す
る。絶縁体406c_1および絶縁体412_1の成膜は、スパッタリング法、CVD法
、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。絶縁体406c_
1および絶縁体412_1は、絶縁体410、導電体416a1および導電体416a2
によって形成される開口部の側面および底面に均一な厚さで成膜する。したがって、AL
D法を用いることが好ましい。
【0180】
次に、導電体404_1を成膜する。導電体404_1の成膜は、スパッタリング法、C
VD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。導電体40
4_1は、絶縁体410などによって形成される開口部を埋めるように成膜する。したが
って、CVD法(特にMCVD法)を用いることが好ましい。また、MCVD法で成膜す
る導電体の密着性を高めるために、ALD法などによって成膜した導電体と、CVD法で
成膜した導電体との多層膜にすると好ましい場合がある。例えば、窒化チタンと、タング
ステンとがこの順に成膜された多層膜などを用いればよい(図20(A)、(B)および
(C)参照。)。
【0181】
次に導電体404_1の上面から、導電体404_1、絶縁体412_1および絶縁体4
06c_1をCMPなどを用いて絶縁体410の上面に達するまで研磨および平坦化する
ことで、導電体404、絶縁体412および絶縁体406cを形成する。これにより、ゲ
ート電極として機能を有する導電体404は、リソグラフィー法を用いることなく自己整
合的に形成できる。また、ゲート電極として機能を有する導電体404とソース電極また
はドレイン電極としての機能を有する導電体416a1および導電体416a2との位置
合わせ精度を考慮することなくゲート電極として機能を有する導電体404を形成できる
ので半導体装置の面積を小さくすることができる。また、リソグラフィー工程が不要とな
るので工程簡略化による生産性の向上が見込まれる(図21(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0182】
次に、絶縁体410上およびゲート電極上に絶縁体408となる絶縁体を成膜する。絶縁
体408となる絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法
、ALD法などを用いて行うことができる。好ましくは、絶縁体408となる絶縁体とし
て、酸素を有するプラズマを用いて酸化アルミニウムを成膜することで、該プラズマ中の
酸素を過剰酸素として、絶縁体410の上面、絶縁体412の絶縁体408と接する領域
および絶縁体406cの絶縁体408と接する領域へ添加することができる。このとき絶
縁体408と絶縁体410の膜界面近傍に過剰酸素を多く含んだ混合領域414が形成さ
れることがある。図22(B)および(C)中に過剰酸素が混合領域414付近に添加さ
れた様子を矢印で表記する。
【0183】
絶縁体408となる絶縁体の成膜より後のいずれかのタイミングにおいて、第2の加熱処
理を行っても構わない。第2の加熱処理を行うことで、絶縁体410および混合領域41
4に含まれる過剰酸素が絶縁体402および絶縁体406aを通過して半導体406bま
で移動する。また、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素が絶縁体41
2および/または絶縁体406cを通過して半導体406bまで移動する。このように2
つの経路を通って過剰酸素が半導体406bまで移動するため、半導体406bの欠陥(
酸素欠損)を低減することができる(図22(B)および(C)参照。)。
【0184】
なお、第2の加熱処理は、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素(酸素
)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての
記載を参照しても構わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度
が好ましい。第1の加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上150℃以下、好
ましくは40℃以上100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素
(酸素)が放出することを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処
理を各層の成膜時の加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある
【0185】
次に絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416a1および導電体41
6a2に達する開口部を形成し、それぞれの開口部に導電体431、導電体429を埋め
込む。次に、絶縁体408となる絶縁体に導電体404に達する開口部を形成し、導電体
437を埋め込み、絶縁体408を形成する。絶縁体408上、導電体431上、導電体
429上および導電体437上に導電体432、導電体430および導電体438となる
導電体を成膜し、リソグラフィー法などを用いて導電体432、導電体430および導電
体438を形成する。尚、絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416
a1および導電体416a2に達する開口部の形成と絶縁体408に導電体404に達す
る開口部の形成を同時に行ってもよい。同時に行うことにより、工程の簡略化による生産
性の向上が見込まれる。
【0186】
以上のようにして、図1に示したトランジスタを作製することができる。
【0187】
<トランジスタの作製方法2>
以下では図1に示したトランジスタの構成と異なる構成である図5のトランジスタの作製
方法について図3および図23から図26を用いて説明する。第2の加工までは、上述の
トランジスタの作製方法1と同様である(図18(A)および(B)参照。)。
【0188】
次に、絶縁体410となる絶縁体をドライエッチング法などを用いて絶縁体402に達す
るまで第3の加工を行うことで絶縁体410を形成する。第3の加工に使用するドライエ
ッチングガスは、第1の加工と同様のガスであるCガスに酸素ガスを添加したもの
を使用すればよいが、第3の加工では、例えば、添加する酸素ガス流量を増加させるとよ
い。酸素ガスの流量を第1の加工よりも増加させることで、レジストマスク411の基板
の裏面と平行な面に沿って横方向へのエッチング速度が第1の加工よりも速くなり、絶縁
体410となる絶縁体の基板の裏面と平行な面に沿って横方向のエッチング速度が第1の
加工よりも速くなる。また、Cガスおよび酸素ガスに導電体416a1および導電
体416a2をエッチングするガス、例えば、SFガス、CFガスまたはClガス
などを一種以上含むガス添加すると、図23(B)および(C)中に点線で表記するよう
に、絶縁体410の開口部は基板の裏面と平行な面に沿って横方向に広がるように形成す
ると同時に導電体416a1の側面および導電体416a2の側面がテーパー角446お
よびテーパー角447を有する領域を形成することができる。また、図示しないが、導電
体416a1および導電体416a2の上端部のみがテーパー形状を有する断面でもよい
し、導電体416a1および導電体416a2の上端部が丸みをおびた断面でもよい。
【0189】
これにより、導電体416a1の側面上および導電体416a2の側面上に形成される絶
縁体406cおよびゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体412の被覆性が向上する
。絶縁体406cおよび絶縁体412の被覆性が向上すると、ゲート電極としての機能を
有する導電体404とソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電体416
a1または導電体416a2との間を流れるリーク電流を低く抑えることができる。また
は、ゲート電極としての機能を有する導電体404とチャネル形成領域を有する半導体4
06bとの間を流れるリーク電流を低く抑えることができる。
【0190】
テーパー角446およびテーパー角447は、10度以上90度以下、好ましくは30度
以上80度以下とする。テーパー角446は、導電体416a1のエッチング速度と絶縁
体410の基板の裏面に平行な面に沿って横方向へのエッチング速度とのエッチング速度
比に応じて制御することができる。テーパー角447は、導電体416a2のエッチング
速度と絶縁体410の基板の裏面に平行な面に沿って横方向へのエッチング速度とのエッ
チング速度比に応じて制御することができる。
。例えば、該エッチング速度比が1であればテーパー角446およびテーパー角447は
45度となる。(図3参照。)。
【0191】
第3の加工に使用するドライエッチング装置は、例えば、第1の加工と同様のドライエッ
チング装置を使用することができる。
【0192】
第3の加工を第1の加工および第2の加工と同じドライエッチング装置を用いることで大
気に晒されることなく、第1の加工、第2の加工および第3の加工を連続的に行うことが
できるので基板への大気成分の付着による汚染や基板に残留するエッチングガスと大気成
分の反応による絶縁体、半導体および導電体の腐食などを防ぐことができる。または第1
の加工、第2の加工および第3の加工を連続的に行うことで生産性の向上が見込まれる。
【0193】
第1の加工および第2の加工をドライエッチング法で行う場合、半導体406bの露出領
域にエッチングガスの残留成分などの不純物が付着する場合がある。例えば、エッチング
ガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある。また、エッチングガ
スとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場合がある。第2の加工
後に基板を大気に晒すと半導体406bの露出領域などが腐蝕することがある。そのため
第2の加工後に連続して酸素ガスによるプラズマ処理を行うと上記不純物を除去すること
ができて半導体406bの露出領域などの腐蝕を防ぐことができて好ましい。
【0194】
または、不純物の低減は、例えば、希釈フッ化水素酸などを用いた洗浄処理またはオゾン
などを用いた洗浄処理を行ってもよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。こ
れにより、半導体406bの露出した領域、言い換えるとチャネル形成領域は高抵抗とな
る。
【0195】
一方、導電体416a1および導電体416a2と、半導体406bの上面とが、互いに
重なる領域407は、上述のように導電体416a1および導電体416a2と半導体4
06b間のコンタクト抵抗値が低くなり良好なトランジスタ特性を得ることができて好ま
しい。
【0196】
次に、絶縁体406c_1を成膜し、絶縁体406c_1上に絶縁体412_1を成膜す
る。絶縁体406c_1および絶縁体412_1の成膜は、スパッタリング法、CVD法
、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。絶縁体406c_
1および絶縁体412_1は、絶縁体410、導電体416a1および導電体416a2
によって形成される開口部の側面および底面に均一な厚さで成膜する。したがって、AL
D法を用いることが好ましい。
【0197】
次に、導電体404_1を成膜する。導電体404_1の成膜は、スパッタリング法、C
VD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。導電体40
4_1は、絶縁体410などによって形成される開口部を埋めるように成膜する。したが
って、CVD法(特にMCVD法)を用いることが好ましい。また、MCVD法で成膜す
る導電体の密着性を高めるために、ALD法などによって成膜した導電体と、CVD法で
成膜した導電体との多層膜にすると好ましい場合がある。例えば、窒化チタンと、タング
ステンとがこの順に成膜された多層膜などを用いればよい(図24(A)、(B)および
(C)参照。)。
【0198】
次に導電体404_1の上面から、導電体404_1、絶縁体412_1および絶縁体4
06c_1をCMPなどを用いて絶縁体410の上面に達するまで研磨および平坦化する
ことで、導電体404、絶縁体412および絶縁体406cを形成する。これにより、ゲ
ート電極として機能を有する導電体404は、リソグラフィー法を用いることなく自己整
合的に形成できる。また、ゲート電極として機能を有する導電体404とソース電極また
はドレイン電極としての機能を有する導電体416a1および導電体416a2との位置
合わせ精度を考慮することなくゲート電極として機能を有する導電体404を形成できる
ので半導体装置の面積を小さくすることができる。また、リソグラフィー工程が不要とな
るので工程簡略化による生産性の向上が見込まれる(図25(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0199】
次に、絶縁体410上およびゲート電極上に絶縁体408となる絶縁体を成膜する。絶縁
体408となる絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法
、ALD法などを用いて行うことができる。好ましくは、絶縁体408となる絶縁体とし
て、酸素を有するプラズマを用いて酸化アルミニウムを成膜することで、該プラズマ中の
酸素を過剰酸素として、絶縁体410の上面、絶縁体412の絶縁体408と接する領域
および絶縁体406cの絶縁体408と接する領域へ添加することができる。このとき絶
縁体408と絶縁体410の膜界面近傍に過剰酸素を多く含んだ混合領域414が形成さ
れることがある。図26(B)および(C)中に過剰酸素が混合領域414付近に添加さ
れた様子を矢印で表記する。
【0200】
絶縁体408となる絶縁体の成膜より後のいずれかのタイミングにおいて、第2の加熱処
理を行っても構わない。第2の加熱処理を行うことで、絶縁体410および混合領域41
4に含まれる過剰酸素が絶縁体402および絶縁体406aを通過して半導体406bま
で移動する。また、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素が絶縁体41
2および/または絶縁体406cを通過して半導体406bまで移動する。このように2
つの経路を通って過剰酸素が半導体406bまで移動するため、半導体406bの欠陥(
酸素欠損)を低減することができる(図26(A)および(B)参照。)。
【0201】
なお、第2の加熱処理は、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素(酸素
)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての
記載を参照しても構わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度
が好ましい。第1の加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上150℃以下、好
ましくは40℃以上100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素
(酸素)が放出することを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処
理を各層の成膜時の加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある
【0202】
次に絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416a1および導電体41
6a2に達する開口部を形成し、それぞれの開口部に導電体431、導電体429を埋め
込む。次に、絶縁体408となる絶縁体に導電体404に達する開口部を形成し、導電体
437を埋め込み、絶縁体408を形成する。絶縁体408上、導電体431上、導電体
429上および導電体437上に導電体432、導電体430および導電体438となる
導電体を成膜し、リソグラフィー法などを用いて導電体432、導電体430および導電
体438を形成する。尚、絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416
a1および導電体416a2に達する開口部の形成と絶縁体408に導電体404に達す
る開口部の形成を同時に行ってもよい。同時に行うことにより、工程の簡略化による生産
性の向上が見込まれる。
【0203】
以上のようにして、図5に示したトランジスタを作製することができる。
【0204】
<トランジスタの作製方法3>
以下では図1に示したトランジスタをトランジスタの作製方法1と異なる作製方法につい
図27から図33を用いて説明する。絶縁体406a、半導体406bおよび導電体4
15を有する多層膜を形成するところまでは、上述のトランジスタの作製方法1およびト
ランジスタの作製方法2と同様である(図15(A)および(B)参照。)。
【0205】
次に、絶縁体410aを成膜する。絶縁体410aの成膜は、スパッタリング法、CVD
法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。または、スピン
コート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷
、オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコーター
法などを用いて行うことができる。
【0206】
絶縁体410aは、上面が平坦性を有するように形成してもよい。例えば、絶縁体410
aは、成膜直後に上面が平坦性を有していてもよい。または、例えば、絶縁体410aは
、成膜後に基板裏面などの基準面と平行になるよう絶縁体などを上面から除去していくこ
とで平坦性を有してもよい。このような処理を、平坦化処理と呼ぶ。平坦化処理としては
、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishi
ng)処理、ドライエッチング処理などがある。ただし、絶縁体410aの上面が平坦性
を有さなくても構わない。
【0207】
次に、絶縁体410a上にリソグラフィー法などによってレジストマスク411を形成す
る。ここで絶縁体410aの上面とレジストマスクとの間の密着性を向上するために、例
えば、有機塗布膜を絶縁体410a上とレジストマスク411の間に設けても良い。また
、レジストマスク411は、トランジスタの作製方法1およびトランジスタの作製方法2
の方法よりも開口部を大きく形成する(図27(A)、(B)および(C)参照。)。
【0208】
次に、絶縁体410aをドライエッチング法などを用いて開口部が導電体415の上面に
達するまでおよび絶縁体402に達するまで第1の加工を行い絶縁体410を形成する。
第1の加工のドライエッチングに使用するガスは、例えば、Cガス、CFガス、
SFガスまたはCHFガスなどを用いることができる。または、上記ガスに酸素ガス
、ヘリウムガス、アルゴンガスまたは水素ガスなどを適宜添加することができる。ここで
はCガスに酸素ガスを添加したものを用いることが好ましい。ドライエッチング装
置は上述のドライエッチング装置を使用することができるが、平行平板型電極それぞれに
周波数の異なる高周波電源を接続する構成のドライエッチング装置の使用が好ましい(図
28(A)、(B)および(C)参照。)。
【0209】
次に、ドライエッチング装置を用いて、炭素およびハロゲンを有するガスによってプラズ
マを生成し、プラズマによって、有機物413をレジストマスク411上、半導体406
b上および絶縁体410の側面に堆積する。使用するガスは例えば、CHFまたはC
などを使用する。ドライエッチング装置は、第1の加工と同じドライエッチング装置
を用いてもよい。または、高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いてもよ
く、例えば、誘導結合型プラズマエッチング装置を用いることができる(図29(A)、
(B)および(C)参照。)。上記は、ドライエッチング装置を用いた有機膜の成膜方法
であるが、これに限らずドライエッチング装置と異なる装置を用いてもよい。または無機
膜を成膜してもよい。
【0210】
次に、導電体415をドライエッチング法などを用いて第2の加工をすることで、導電体
416a1と導電体416a2に分離する。また、絶縁体410の側面は有機物413を
有しているため、絶縁体410の側面の有機物413の側面にそって導電体415がエッ
チングされ、図30(B)に示すように絶縁体410の側面より内側に導電体416a1
の側面および導電体416a2の側面が配される。第2の加工のドライエッチングに使用
するガスは、例えば、Cガス、CFガス、SFガス、Clガス、BCl
ス、SiClガスなどを単独または2以上を混合して用いることができる。また、上記
ガスに酸素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスまたは水素ガスを適宜添加してもよい。こ
こでは、CFガス、Clガスおよび酸素ガスを混合して使用するとよい(図30(A
)、(B)および(C)参照。)。
【0211】
第2の加工に使用するドライエッチング装置は、例えば、第1の加工と同様のドライエッ
チング装置を使用することができる。
【0212】
有機物413の堆積と第2の加工を第1の加工と同じドライエッチング装置を用いること
で大気に晒されることなく、第1の加工、有機物413の堆積および第2の加工を連続的
に行うことができるので基板への大気成分の付着による汚染や基板に残留するエッチング
ガスと大気成分の反応による絶縁体、半導体および導電体の腐食などを防ぐことができる
。または第1の加工、有機物413の堆積および第2の加工を連続的に行うことで生産性
の向上が見込まれる。
【0213】
第1の加工、有機物413の堆積および第2の加工をドライエッチング法で行う場合、半
導体406bの露出領域にエッチングガスの残留成分などの不純物が付着する場合がある
。例えば、エッチングガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある
。また、エッチングガスとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場
合がある。第2の加工後に基板を大気に晒すと半導体406bの露出領域などが腐蝕する
ことがある。そのため第2の加工後に連続して酸素ガスによるプラズマ処理を行うと上記
不純物を除去することができて半導体406bの露出領域などの腐蝕を防ぐことができて
好ましい。また、酸素ガスによるプラズマ処理によって絶縁体410の側面の有機物41
3を除去することができる。
【0214】
または、不純物の低減は、例えば、希釈フッ化水素酸などを用いた洗浄処理またはオゾン
などを用いた洗浄処理を行ってもよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。こ
れにより、半導体406bの露出した領域、言い換えるとチャネル形成領域は高抵抗とな
る。
【0215】
一方、導電体416a1および導電体416a2と、半導体406bの上面とが、互いに
重なる領域407は、上述のように導電体416a1および導電体416a2と半導体4
06b間のコンタクト抵抗値が低くなり良好なトランジスタ特性を得ることができて好ま
しい。
【0216】
次に、絶縁体406c_1を成膜し、絶縁体406c_1上に絶縁体412_1を成膜す
る。絶縁体406c_1および絶縁体412_1の成膜は、スパッタリング法、CVD法
、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。絶縁体406c_
1および絶縁体412_1は、絶縁体410、導電体416a1および導電体416a2
によって形成される開口部の側面および底面に均一な厚さで成膜する。したがって、AL
D法を用いることが好ましい。
【0217】
次に、導電体404_1を成膜する。導電体404_1の成膜は、スパッタリング法、C
VD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。導電体40
4_1は、絶縁体410などによって形成される開口部を埋めるように成膜する。したが
って、CVD法(特にMCVD法)を用いることが好ましい。また、MCVD法で成膜す
る導電体の密着性を高めるために、ALD法などによって成膜した導電体と、CVD法で
成膜した導電体との多層膜にすると好ましい場合がある。例えば、窒化チタンと、タング
ステンとがこの順に成膜された多層膜などを用いればよい(図31(A)、(B)および
(C)参照。)。
【0218】
次に導電体404_1の上面から、導電体404_1、絶縁体412_1および絶縁体4
06c_1をCMPなどを用いて絶縁体410の上面に達するまで研磨および平坦化する
ことで、導電体404、絶縁体412および絶縁体406cを形成する。これにより、ゲ
ート電極として機能を有する導電体404は、リソグラフィー法を用いることなく自己整
合的に形成できる。また、ゲート電極として機能を有する導電体404とソース電極また
はドレイン電極としての機能を有する導電体416a1および導電体416a2との位置
合わせ精度を考慮することなくゲート電極として機能を有する導電体404を形成できる
ので半導体装置の面積を小さくすることができる。また、リソグラフィー工程が不要とな
るので工程簡略化による生産性の向上が見込まれる(図32(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0219】
次に、絶縁体410上およびゲート電極上に絶縁体408となる絶縁体を成膜する。絶縁
体408となる絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法
、ALD法などを用いて行うことができる。好ましくは、絶縁体408となる絶縁体とし
て、酸素を有するプラズマを用いて酸化アルミニウムを成膜することで、該プラズマ中の
酸素を過剰酸素として、絶縁体410の上面、絶縁体412の絶縁体408と接する領域
および絶縁体406cの絶縁体408と接する領域へ添加することができる。このとき絶
縁体408と絶縁体410の膜界面近傍に過剰酸素を多く含んだ混合領域414が形成さ
れることがある。図33(B)および(C)中に過剰酸素が混合領域414付近に添加さ
れた様子を矢印で表記する。
【0220】
絶縁体408となる絶縁体の成膜より後のいずれかのタイミングにおいて、第2の加熱処
理を行っても構わない。第2の加熱処理を行うことで、絶縁体410および混合領域41
4に含まれる過剰酸素が絶縁体402および絶縁体406aを通過して半導体406bま
で移動する。また、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素が絶縁体41
2および/または絶縁体406cを通過して半導体406bまで移動する。このように2
つの経路を通って過剰酸素が半導体406bまで移動するため、半導体406bの欠陥(
酸素欠損)を低減することができる(図33(A)および(B)参照。)。
【0221】
なお、第2の加熱処理は、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素(酸素
)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての
記載を参照しても構わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度
が好ましい。第1の加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上150℃以下、好
ましくは40℃以上100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素
(酸素)が放出することを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処
理を各層の成膜時の加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある
【0222】
次に絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416a1および導電体41
6a2に達する開口部を形成し、それぞれの開口部に導電体431、導電体429を埋め
込む。次に、絶縁体408となる絶縁体に導電体404に達する開口部を形成し、導電体
437を埋め込み、絶縁体408を形成する。絶縁体408上、導電体431上、導電体
429上および導電体437上に導電体432、導電体430および導電体438となる
導電体を成膜し、リソグラフィー法などを用いて導電体432、導電体430および導電
体438を形成する。尚、絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416
a1および導電体416a2に達する開口部の形成と絶縁体408に導電体404に達す
る開口部の形成を同時に行ってもよい。同時に行うことにより、工程の簡略化による生産
性の向上が見込まれる。
【0223】
以上のようにして、トランジスタの作製方法1と異なる作製方法で図1に示したトランジ
スタを作製することができる。
【0224】
<トランジスタの作製方法4>
以下では図5に示したトランジスタの作製方法をトランジスタの作製方法2と異なる作製
方法について図3および図34から図37を用いて説明する。有機物413をレジストマ
スク411上、半導体406b上および絶縁体410の側面に堆積するまでは、上述のト
ランジスタの作製方法3と同様である(図29(A)および(B)参照。)。
【0225】
次に、導電体415をドライエッチング法などを用いて第2の加工をすることで、導電体
416a1と導電体416a2に分離する。第2の加工のドライエッチングに使用するガ
スは、例えば、Cガス、CFガス、SFガス、Clガス、BClガス、S
iClガスなどを単独または2以上を混合して用いることができる。また、上記ガスに
酸素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスまたは水素ガスを適宜添加してもよい。ここでは
、トランジスタの作製方法3で第2の加工で使用したエッチングガスより、酸素ガス流量
を増加させると良い。酸素ガス流量を増加させることで、絶縁体410の側面に堆積した
有機膜の基板の裏面に平行な面に沿って横方向へのエッチング速度が、トランジスタの作
製方法3での第2の加工よりも速くなり、図34(B)および(C)中に点線で表記する
ように、絶縁体410の側面に有する有機物413は基板の裏面に平行な面に沿って横方
向にエッチングされると同時に導電体416a1の側面および導電体416a1の側面が
テーパー角446およびテーパー角447を有する領域を形成することができる。また、
図示しないが、導電体416a1および導電体416a2の上端部のみがテーパー形状を
有する断面でもよいし、導電体416a1および導電体416a2の上端部が丸みをおび
た断面でもよい。
【0226】
これにより、導電体416a1の側面上および導電体416a2の側面上に形成される絶
縁体406cおよびゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体412の被覆性が向上する
。絶縁体406cおよび絶縁体412の被覆性が向上すると、ゲート電極としての機能を
有する導電体404とソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電体416
a1または導電体416a2との間を流れるリーク電流を低く抑えることができる。また
は、ゲート電極としての機能を有する導電体404とチャネル形成領域を有する半導体4
06bとの間を流れるリーク電流を低く抑えることができる。
【0227】
テーパー角446およびテーパー角447は、10度以上90度以下、好ましくは30度
以上80度以下とする。テーパー角446は、導電体416a1のエッチング速度と絶縁
体410の側面に堆積した有機物413の基板の裏面に平行な面に沿って横方向へのエッ
チング速度とのエッチング速度比に応じて制御することができる。テーパー角447は、
導電体416a2のエッチング速度と絶縁体410の側面に堆積した有機物413の基板
の裏面に平行な面に沿って横方向へのエッチング速度とのエッチング速度比に応じて制御
することができる。例えば、該エッチング速度比が1であればテーパー角446およびテ
ーパー角447は45度となる。(図3参照。)。
【0228】
第2の加工に使用するドライエッチング装置は、例えば、第1の加工と同様のドライエッ
チング装置を使用することができる。
【0229】
有機物413の堆積と第2の加工を第1の加工と同じドライエッチング装置を用いること
で大気に晒されることなく、第1の加工、有機物413の堆積および第2の加工を連続的
に行うことができるので基板への大気成分の付着による汚染や基板に残留するエッチング
ガスと大気成分の反応による絶縁体、半導体および導電体の腐食などを防ぐことができる
。または第1の加工、第2の加工および第3の加工を連続的に行うことで生産性の向上が
見込まれる。
【0230】
第1の加工、有機物413の堆積および第2の加工をドライエッチング法で行う場合、半
導体406bの露出領域にエッチングガスの残留成分などの不純物が付着する場合がある
。例えば、エッチングガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある
。また、エッチングガスとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場
合がある。第2の加工後に基板を大気に晒すと半導体406bの露出領域などが腐蝕する
ことがある。そのため第2の加工後に連続して酸素ガスによるプラズマ処理を行うと上記
不純物を除去することができて半導体406bの露出領域などの腐蝕を防ぐことができて
好ましい。また、酸素ガスによるプラズマ処理によって絶縁体410の側面の有機物41
3を除去することができる。
【0231】
または、不純物の低減は、例えば、希釈フッ化水素酸などを用いた洗浄処理またはオゾン
などを用いた洗浄処理を行ってもよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。こ
れにより、半導体406bの露出した領域、言い換えるとチャネル形成領域は高抵抗とな
る。
【0232】
一方、導電体416a1および導電体416a2と、半導体406bの上面とが、互いに
重なる領域407は、上述のように導電体416a1および導電体416a2と半導体4
06b間のコンタクト抵抗値が低くなり良好なトランジスタ特性を得ることができて好ま
しい。
【0233】
次に、絶縁体406c_1を成膜し、絶縁体406c_1上に絶縁体412_1を成膜す
る。絶縁体406c_1および絶縁体412_1の成膜は、スパッタリング法、CVD法
、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。絶縁体406c_
1および絶縁体412_1は、絶縁体410、導電体416a1および導電体416a2
によって形成される開口部の側面および底面に均一な厚さで成膜する。したがって、AL
D法を用いることが好ましい。
【0234】
次に、導電体404_1を成膜する。導電体404_1の成膜は、スパッタリング法、C
VD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。導電体40
4_1は、絶縁体410などによって形成される開口部を埋めるように成膜する。したが
って、CVD法(特にMCVD法)を用いることが好ましい。また、MCVD法で成膜す
る導電体の密着性を高めるために、ALD法などによって成膜した導電体と、CVD法で
成膜した導電体との多層膜にすると好ましい場合がある。例えば、窒化チタンと、タング
ステンとがこの順に成膜された多層膜などを用いればよい(図35(A)、(B)および
(C)参照。)。
【0235】
次に導電体404_1の上面から、導電体404_1、絶縁体412_1および絶縁体4
06c_1をCMPなどを用いて絶縁体410の上面に達するまで研磨および平坦化する
ことで、導電体404、絶縁体412および絶縁体406cを形成する。これにより、ゲ
ート電極として機能を有する導電体404は、リソグラフィー法を用いることなく自己整
合的に形成できる。また、ゲート電極として機能を有する導電体404とソース電極また
はドレイン電極としての機能を有する導電体416a1および導電体416a2との位置
合わせ精度を考慮することなくゲート電極として機能を有する導電体404を形成できる
ので半導体装置の面積を小さくすることができる。また、リソグラフィー工程が不要とな
るので工程簡略化による生産性の向上が見込まれる(図36(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0236】
次に、絶縁体410上およびゲート電極上に絶縁体408となる絶縁体を成膜する。絶縁
体408となる絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法
、ALD法などを用いて行うことができる。好ましくは、絶縁体408となる絶縁体とし
て、酸素を有するプラズマを用いて酸化アルミニウムを成膜することで、該プラズマ中の
酸素を過剰酸素として、絶縁体410の上面、絶縁体412の絶縁体408と接する領域
および絶縁体406cの絶縁体408と接する領域へ添加することができる。このとき絶
縁体408と絶縁体410の膜界面近傍に過剰酸素を多く含んだ混合領域414が形成さ
れることがある。図37(B)および(C)中に過剰酸素が混合領域414付近に添加さ
れた様子を矢印で表記する。
【0237】
絶縁体408となる絶縁体の成膜より後のいずれかのタイミングにおいて、第2の加熱処
理を行っても構わない。第2の加熱処理を行うことで、絶縁体410および混合領域41
4に含まれる過剰酸素が絶縁体402および絶縁体406aを通過して半導体406bま
で移動する。また、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素が絶縁体41
2および/または絶縁体406cを通過して半導体406bまで移動する。このように2
つの経路を通って過剰酸素が半導体406bまで移動するため、半導体406bの欠陥(
酸素欠損)を低減することができる(図37(A)および(B)参照。)。
【0238】
なお、第2の加熱処理は、絶縁体410および混合領域414に含まれる過剰酸素(酸素
)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての
記載を参照しても構わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度
が好ましい。第1の加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上150℃以下、好
ましくは40℃以上100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素
(酸素)が放出することを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処
理を各層の成膜時の加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある
【0239】
次に絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416a1および導電体41
6a2に達する開口部を形成し、それぞれの開口部に導電体431、導電体429を埋め
込む。次に、絶縁体408となる絶縁体に導電体404に達する開口部を形成し、導電体
437を埋め込み、絶縁体408を形成する。絶縁体408上、導電体431上、導電体
429上および導電体437上に導電体432、導電体430および導電体438となる
導電体を成膜し、リソグラフィー法などを用いて導電体432、導電体430および導電
体438を形成する。尚、絶縁体408となる絶縁体および絶縁体410に導電体416
a1および導電体416a2に達する開口部の形成と絶縁体408に導電体404に達す
る開口部の形成を同時に行ってもよい。同時に行うことにより、工程の簡略化による生産
性の向上が見込まれる。
【0240】
以上のようにして、トランジスタの作製方法2と異なる作製方法で図5に示したトランジ
スタを作製することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0241】
(実施の形態4)
<記憶装置1>
本発明の一態様に係るトランジスタを用いた、電力が供給されない状況でも記憶内容の保
持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図38
に示す。
【0242】
図38(A)に示す半導体装置は、第1の半導体を用いたトランジスタ3200と第2の
半導体を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、ト
ランジスタ3300としては、上述したトランジスタを用いることができる。
【0243】
トランジスタ3300は、オフ電流の小さいトランジスタが好ましい。トランジスタ33
00は、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。トランジス
タ3300のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり記
憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、または
リフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半導
体装置となる。
【0244】
図38(A)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソースと電気的に
接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレインと電気的に接続される
。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース、ドレインの一方と電気的
に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲートと電気的に接続されて
いる。そして、トランジスタ3200のゲート、およびトランジスタ3300のソース、
ドレインの他方は、容量素子3400の一方の電極と電気的に接続され、第5の配線30
05は容量素子3400の他方の電極と電気的に接続されている。
【0245】
図38(A)に示す半導体装置は、トランジスタ3200のゲートの電位が保持可能とい
う特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能であ
る。
【0246】
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トラ
ンジスタ3300が導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を導通状態とする
。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート、および容
量素子3400の一方の電極と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トラン
ジスタ3200のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる
二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)
のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジス
タ3300が非導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を非導通状態とするこ
とにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
【0247】
トランジスタ3300のオフ電流が小さいため、ノードFGの電荷は長期間にわたって保
持される。
【0248】
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与
えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線
3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ
3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲートにHighレベル電荷
が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ3200の
ゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_L
り低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ3200を
「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがっ
て、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることによ
り、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFG
にHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(>
th_H)となれば、トランジスタ3200は「導通状態」となる。一方、ノードFG
にLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(<V
th_L)となっても、トランジスタ3200は「非導通状態」のままである。このため
、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み
出すことができる。
【0249】
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報
を読み出さなくてはならない。情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノードFGに
与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「非導通状態」となるような電位、つま
り、Vth_Hより低い電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモリセルの情
報のみを読み出せる構成とすればよい。または、情報を読み出さないメモリセルにおいて
は、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「導通状態」となるよ
うな電位、つまり、Vth_Lより高い電位を第5の配線3005に与えることで所望の
メモリセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。
【0250】
<半導体装置の構造1>
図39は、図38(A)に対応する半導体装置の断面図である。図39に示す半導体装置
は、トランジスタ3200と、トランジスタ3300と、容量素子3400と、を有する
。また、トランジスタ3300および容量素子3400は、トランジスタ3200の上方
に配置する。なお、トランジスタ3300としては、図1に示したトランジスタを用いた
例を示しているが、本発明の一態様に係る半導体装置は、これに限定されるものではない
。よって適宜上述したトランジスタについての記載を参酌する。
【0251】
また、図39に示すトランジスタ3200は、半導体基板450を用いたトランジスタで
ある。トランジスタ3200は、半導体基板450中の領域474aと、半導体基板45
0中の領域474bと、絶縁体462と、導電体454と、を有する。
【0252】
トランジスタ3200において、領域474aおよび領域474bは、ソース領域および
ドレイン領域としての機能を有する。また、絶縁体462は、ゲート絶縁体としての機能
を有する。また、導電体454は、ゲート電極としての機能を有する。したがって、導電
体454に印加する電位によって、チャネル形成領域の抵抗を制御することができる。即
ち、導電体454に印加する電位によって、領域474aと領域474bとの間の導通・
非導通を制御することができる。
【0253】
半導体基板450としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、ま
たは炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛
、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などを用いればよい。好ましくは、半導体基板
450として単結晶シリコン基板を用いる。
【0254】
半導体基板450は、n型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いる。ただ
し、半導体基板450として、p型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用い
ても構わない。その場合、トランジスタ3200となる領域には、n型の導電型を付与す
る不純物を有するウェルを配置すればよい。または、半導体基板450がi型であっても
構わない。
【0255】
半導体基板450の上面は、(110)面を有することが好ましい。こうすることで、ト
ランジスタ3200のオン特性を向上させることができる。
【0256】
領域474aおよび領域474bは、p型の導電型を付与する不純物を有する領域である
。このようにして、トランジスタ3200はpチャネル型トランジスタを構成する。
【0257】
トランジスタ3200がpチャネル型トランジスタである場合について説明したが、トラ
ンジスタ3200がnチャネル型トランジスタであっても構わない。
【0258】
なお、トランジスタ3200は、領域460などによって隣接するトランジスタと分離さ
れる。領域460は、絶縁性を有する領域である。
【0259】
図39に示す半導体装置は、絶縁体464と、絶縁体466と、絶縁体468と、絶縁体
470と、絶縁体472と、絶縁体475と、絶縁体402と、絶縁体410と、絶縁体
408と、絶縁体428と、絶縁体465と、絶縁体467と、絶縁体469と、絶縁体
498と、導電体480aと、導電体480bと、導電体480cと、導電体478aと
、導電体478bと、導電体478cと、導電体476aと、導電体476bと、導電体
476cと、導電体479aと、導電体479bと、導電体479cと、導電体477a
と、導電体477bと、導電体477cと、導電体484aと、導電体484bと、導電
体484cと、導電体484dと、導電体483aと、導電体483bと、導電体483
cと、導電体483dと、導電体483eと、導電体483fと、導電体485aと、導
電体485bと、導電体485cと、導電体485dと、導電体487aと、導電体48
7bと、導電体487cと、導電体488aと、導電体488bと、導電体488cと、
導電体490aと、導電体490bと、導電体489aと、導電体489bと、導電体4
91aと、導電体491bと、導電体491cと、導電体492aと、導電体492bと
、導電体492cと、導電体494と、導電体496と、絶縁体406a、半導体406
b、絶縁体406cと、を有する。
【0260】
絶縁体464は、トランジスタ3200上に配置する。また、絶縁体466は、絶縁体4
64上に配置する。また、絶縁体468は、絶縁体466上に配置する。また、絶縁体4
70は、絶縁体468上に配置する。また、絶縁体472は、絶縁体470上に配置する
。また、絶縁体475は、絶縁体472上に配置する。また、トランジスタ3300は、
絶縁体475上に配置する。また、絶縁体408は、トランジスタ3300上に配置する
。また、絶縁体428は、絶縁体408上に配置する。また、絶縁体465は、絶縁体4
28上に配置される。また、容量素子3400は、絶縁体465上に配置される。また、
絶縁体469は、容量素子3400上に配置される。
【0261】
絶縁体464は、領域474aに達する開口部と、領域474bに達する開口部と、導電
体454に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体480a、導
電体480bまたは導電体480cが埋め込まれている。
【0262】
また、絶縁体466は、導電体480aに達する開口部と、導電体480bに達する開口
部と、導電体480cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体
478a、導電体478bまたは導電体478cが埋め込まれている。
【0263】
また、絶縁体468は、導電体478aに達する開口部と、導電体478bに達する開口
部と、導電体478cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体
476a、導電体476bまたは導電体476cが埋め込まれている。
【0264】
また、絶縁体468上に、導電体476aと接する導電体479aと、導電体476bと
接する導電体479bと、導電体476cと接する導電体479cと、を有する。また、
絶縁体472は、絶縁体470を通って導電体479aに達する開口部と、絶縁体470
を通って導電体479bに達する開口部と、絶縁体470を通って導電体479cに達す
る開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体477a、導電体477bま
たは導電体477cが埋め込まれている。
【0265】
また、絶縁体475は、トランジスタ3300のチャネル形成領域と重なる開口部と、導
電体477aに達する開口部と、導電体477bに達する開口部と、導電体477cに達
する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体484a、導電体484b
、導電体484cまたは導電体484dが埋め込まれている。
【0266】
また、導電体484dは、トランジスタ3300のボトムゲート電極としての機能を有し
ても構わない。または、例えば、導電体484dに一定の電位を印加することで、トラン
ジスタ3300のしきい値電圧などの電気特性を制御しても構わない。または、例えば、
導電体484dとトランジスタ3300のトップゲート電極とを電気的に接続しても構わ
ない。こうすることで、トランジスタ3300のオン電流を大きくすることができる。ま
た、パンチスルー現象を抑制することができるため、トランジスタ3300の飽和領域に
おける電気特性を安定にすることができる。
【0267】
また、絶縁体402は、導電体484aに達する開口部と、導電体484cに達する開口
部と、導電体484bに達する開口部と、を有する。
【0268】
また、絶縁体428は、絶縁体408、絶縁体410および絶縁体402を通って導電体
484aおよび導電体484bに達する2つの開口部と、絶縁体408および絶縁体41
0を通ってトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方の導電体に達す
る2つの開口部と、絶縁体408を通ってトランジスタ3300のゲート電極の導電体に
達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体483a、導電体483
c、導電体483e、導電体483fまたは導電体483dが埋め込まれている。
【0269】
また、絶縁体428上に、導電体483aおよび483eと接する導電体485aと、導
電体483bと接する導電体485bと、導電体483cおよび導電体483fと接する
導電体485cと、導電体483dと接する導電体485dと、を有する。また、絶縁体
465は、導電体485aに達する開口部と、導電体485bに達する開口部と、導電体
485cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体487a、導
電体487bまたは導電体487cが埋め込まれている。
【0270】
また絶縁体465上に、導電体487aと接する導電体488aと、導電体487bと接
する導電体488bと、導電体487cと接する導電体488cと、を有する。また、絶
縁体467は、導電体488aに達する開口部と、導電体488bに達する開口部と、を
有する。また、開口部には、それぞれ導電体490aまたは導電体490bが埋め込まれ
ている。また、導電体488cは容量素子3400の一方の電極の導電体494と接して
いる。
【0271】
また、絶縁体467上に、導電体490aと接する導電体489aと、導電体490bと
接する導電体489bと、を有する。また、絶縁体469は、導電体489aに達する開
口部と、導電体489bに達する開口部と、容量素子3400の他方の電極である導電体
496に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体491a、導電
体491bまたは導電体491cが埋め込まれている。
【0272】
また、絶縁体469上には、導電体491aと接する導電体492aと、導電体491b
と接する導電体492bと、導電体491cと接する導電体492cと、を有する。
【0273】
絶縁体464、絶縁体466、絶縁体468、絶縁体470、絶縁体472、絶縁体47
5、絶縁体402、絶縁体410、絶縁体408、絶縁体428、絶縁体465、絶縁体
467、絶縁体469および絶縁体498としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素
、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、
ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタ
ンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体401とし
ては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸
化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化
ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用い
ればよい。
【0274】
絶縁体464、絶縁体466、絶縁体468、絶縁体470、絶縁体472、絶縁体47
5、絶縁体402、絶縁体410、絶縁体408、絶縁体428、絶縁体465、絶縁体
467、絶縁体469または絶縁体498の一以上は、水素などの不純物および酸素をブ
ロックする機能を有する絶縁体を有することが好ましい。トランジスタ3300の近傍に
、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体を配置することによっ
て、トランジスタ3300の電気特性を安定にすることができる。
【0275】
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ
素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、
アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム
、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
【0276】
導電体480a、導電体480bと、導電体480c、導電体478a、導電体478b
、導電体478c、導電体476a、導電体476b、導電体476c、導電体479a
、導電体479b、導電体479c、導電体477a、導電体477b、導電体477c
、導電体484a、導電体484b、導電体484c、導電体484d、導電体483a
、導電体483bと、導電体483c、導電体483d、導電体483e、導電体483
f、導電体485a、導電体485b、導電体485c、導電体485d、導電体487
a、導電体487b、導電体487c、導電体488a、導電体488b、導電体488
c、導電体490a、導電体490bと、導電体489a、導電体489bと、導電体4
91a、導電体491b、導電体491c、導電体492a、導電体492b、導電体4
92c、導電体494および導電体496としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ
素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、イン
ジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積
層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、
銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび
酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
【0277】
半導体406bとしては、酸化物半導体を用いることが好ましい。ただし、シリコン(歪
シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、
アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体などを用い
ても構わない場合がある。
【0278】
絶縁体406aおよび絶縁体406cとしては、半導体406bを構成する酸素以外の元
素一種以上、または二種以上から構成される酸化物を用いることが望ましい。ただし、シ
リコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリ
ウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体
などを用いても構わない場合がある。
【0279】
トランジスタ3200のソースまたはドレインは、導電体480aと、導電体478aと
、導電体476aと、導電体479aと、導電体477aと、導電体484aと、導電体
483aと、導電体485aと、導電体483eと、を介してトランジスタ3300のソ
ース電極またはドレイン電極の一方である導電体と電気的に接続する。また、トランジス
タ3200のゲート電極である導電体454は、導電体480cと、導電体478cと、
導電体476cと、導電体479cと、導電体477cと、導電体484cと、導電体4
83cと、導電体485cと、導電体483fと、を介してトランジスタ3300のソー
ス電極またはドレイン電極の他方である導電体と電気的に接続する。
【0280】
容量素子3400は、トランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方の電
極と、導電体483fと、導電体485cと、導電体487cと、導電体488cと、を
介して電気的に接続する、容量素子3400の一方の電極である導電体494と、絶縁体
498と、容量素子3400の他方の電極である導電体496と、を有する。なお、容量
素子3400は、トランジスタ3300の上方または下方に形成することで、半導体装置
の大きさを縮小することができて好適である。
【0281】
そのほかの構造については、適宜図1などについての記載を参酌することができる。
【0282】
なお、図40に示す半導体装置は、図39に示した半導体装置のトランジスタ3200の
構造が異なるのみである。よって、図40に示す半導体装置については、図39に示した
半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図40に示す半導体装置は、トランジスタ3
200がFin型である場合を示している。トランジスタ3200をFin型とすること
により、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ3200のオン特性を向
上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、ト
ランジスタ3200のオフ特性を向上させることができる。なお、トランジスタ3200
はpチャネル型トランジスタであってもnチャネル型トランジスタであっても構わない。
【0283】
本実施の形態では、トランジスタ3200上にトランジスタ3300を有し、トランジス
タ3300上に容量素子3400を有する半導体装置の一例を示したが、トランジスタ3
200上にトランジスタ3330と同様の半導体を有するトランジスタを一以上有する構
成としても構わない。このような構成とすることで半導体装置の集積度をより高めること
ができる。
【0284】
<記憶装置2>
図38(B)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を有さない点で図38(A)に
示した半導体装置と異なる。この場合も図38(A)に示した半導体装置と同様の動作に
より情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
【0285】
図38(B)に示す半導体装置における、情報の読み出しについて説明する。トランジス
タ3300が導通状態になると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子3400
とが導通し、第3の配線3003と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その結
果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容量
素子3400の一方の電極の電位(または容量素子3400に蓄積された電荷)によって
、異なる値をとる。
【0286】
例えば、容量素子3400の一方の電極の電位をV、容量素子3400の容量をC、第3
の配線3003が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003の
電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB×
VB0+C×V)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、容量素
子3400の一方の電極の電位がV1とV0(V1>V0)の2つの状態をとるとすると
、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×V
1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(=
(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
【0287】
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すこと
ができる。
【0288】
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体が適用されたトラ
ンジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体が適用されたトランジスタを
駆動回路上に積層して配置する構成とすればよい。
【0289】
以上に示した半導体装置は、酸化物半導体を用いたオフ電流の小さいトランジスタを適用
することで、長期にわたって記憶内容を保持することが可能となる。つまり、リフレッシ
ュ動作が不要となるか、またはリフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能とな
るため、消費電力の低い半導体装置を実現することができる。また、電力の供給がない場
合(ただし、電位は固定されていることが好ましい)であっても、長期にわたって記憶内
容を保持することが可能である。
【0290】
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起こ
りにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注
入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化といっ
た問題が生じない。即ち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリで
問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装置
である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行わ
れるため、高速な動作が可能となる。本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中
に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0291】
(実施の形態5)
<半導体装置の構造2>
本実施の形態では、本発明の一態様のトランジスタを利用した回路の一例について図面を
参照して説明する。
<断面構造>
図41(A)および(B)に本発明の一態様の半導体装置の断面図を示す。図41(A)
において、X1-X2方向はチャネル長方向、図41(B)において、Y1-Y2方向は
チャネル幅方向を示す。図41(A)および(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半
導体材料を用いたトランジスタ2200を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトラン
ジスタ2100を有している。図41(A)および(B)では、第2の半導体材料を用い
たトランジスタ2100として、図1に例示したトランジスタを適用した例を示している
【0292】
第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好ましい
。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン含
む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミ
ニウムガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半導
体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリコ
ンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いた
トランジスタは、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブ
スレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイ
ッチ速度が速いため高速動作が可能であり、オフ電流が低いためリーク電流が小さい。
【0293】
トランジスタ2200は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトランジス
タのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。また、酸
化物半導体を用いた本発明の一態様のトランジスタを用いるほかは、用いる材料や構造な
ど、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
【0294】
図41(A)および(B)に示す構成では、トランジスタ2200の上部に、絶縁体22
01、絶縁体2207および絶縁体2208を介してトランジスタ2100が設けられて
いる。また、トランジスタ2200とトランジスタ2100の間には、複数の配線220
2が設けられている。また、各種絶縁体に埋め込まれた複数のプラグ2203により、上
層と下層にそれぞれ設けられた配線や電極が電気的に接続されている。また、トランジス
タ2100を覆う絶縁体2204と、絶縁体2204上に配線2205と、が設けられて
いる。
【0295】
このように、2種類のトランジスタを積層することにより、回路の占有面積が低減され、
より高密度に複数の回路を配置することができる。
【0296】
ここで、下層に設けられるトランジスタ2200にシリコン系半導体材料を用いた場合、
トランジスタ2200の半導体膜の近傍に設けられる絶縁体中の水素はシリコンのダング
リングボンドを終端し、トランジスタ2200の信頼性を向上させる効果がある。一方、
上層に設けられるトランジスタ2100に酸化物半導体を用いた場合、トランジスタ21
00の半導体膜の近傍に設けられる絶縁体中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成
する要因の一つとなるため、トランジスタ2100の信頼性を低下させる要因となる場合
がある。したがって、シリコン系半導体材料を用いたトランジスタ2200の上層に酸化
物半導体を用いたトランジスタ2100を積層して設ける場合、これらの間に水素の拡散
を防止する機能を有する絶縁体2207を設けることは特に効果的である。絶縁体220
7により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ2200の信頼性が向上すること
に加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ2100の
信頼性も同時に向上させることができる。
【0297】
絶縁体2207としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウ
ム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸
化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。
【0298】
また、酸化物半導体膜を含んで構成されるトランジスタ2100を覆うように、トランジ
スタ2100上に水素の拡散を防止する機能を有するブロック膜を形成することが好まし
い。当該ブロック膜としては、絶縁体2207と同様の材料を用いることができ、特に酸
化アルミニウムを適用することが好ましい。酸化アルミ膜は、その成膜中に下層の絶縁体
に過剰酸素を添加することができ、熱工程によって、過剰酸素がトランジスタ2100の
酸化物半導体層に移動し、酸化物半導体層中の欠陥を修復する効果がある。さらに酸化ア
ルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対して膜を透過させない遮
断(ブロッキング)効果が高い。したがって、トランジスタ2100を覆う当該ブロック
膜として酸化アルミニウム膜を用いることで、トランジスタ2100に含まれる酸化物半
導体膜からの酸素の脱離を防止するとともに、酸化物半導体膜への水および水素の混入を
防止することができる。なお、当該ブロック膜は、絶縁体2204を積層にすることで用
いてもよいし、絶縁体2204の下側に設けてもよい。
【0299】
なお、トランジスタ2200は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタイプの
トランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI-GATE(ト
ライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。その場合の断面図の例を、
図41(E)および(F)に示す。半導体基板2211の上に、絶縁体2212が設けら
れている。半導体基板2211は、先端の細い凸部(フィンともいう)を有する。なお、
凸部の上には、絶縁体が設けられていてもよい。その絶縁体は、凸部を形成するときに、
半導体基板2211がエッチングされないようにするためのマスクとして機能するもので
ある。なお、凸部は、先端が細くなくてもよく、例えば、略直方体の凸部であってもよい
し、先端が太い凸部であってもよい。半導体基板2211の凸部の上には、ゲート絶縁体
2214が設けられ、その上には、ゲート電極2213が設けられている。半導体基板2
211には、ソース領域およびドレイン領域2215が形成されている。なお、ここでは
、半導体基板2211が、凸部を有する例を示したが、本発明の一態様に係る半導体装置
は、これに限定されない。例えば、SOI基板を加工して、凸部を有する半導体領域を形
成しても構わない。
【0300】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0301】
(実施の形態6)
〔CMOS回路〕
図41(C)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ2200とnチャネル型のト
ランジスタ2100を直列に接続し、かつそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCMO
S回路の構成を示している。
【0302】
〔アナログスイッチ〕
また図41(D)に示す回路図は、トランジスタ2100とトランジスタ2200のそれ
ぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、い
わゆるアナログスイッチとして機能させることができる。本実施の形態は、少なくともそ
の一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる
【0303】
(実施の形態7)
<CPU>
以下では、上述したトランジスタや上述した記憶装置などの半導体装置を含むCPUにつ
いて説明する。
【0304】
図42は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図で
ある。
【0305】
図42に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmet
ic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラク
ションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ
1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1
198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189を有し
ている。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1
199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、
図42に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその
用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図42に示すCPUまたは演算回路
を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するよ
うな構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、
例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
【0306】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクション
デコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタ
ラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ
1195に入力される。
【0307】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロー
ラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制
御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御する
ための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラ
ム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク
状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアド
レスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
【0308】
図42に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ
1196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることができ
る。
【0309】
図42に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの
指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ1196
が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子
によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択
されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容
量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行
われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
【0310】
図43は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。
記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記憶
データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理素
子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回路
1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と、
を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダク
タなどのその他の素子をさらに有していてもよい。
【0311】
ここで、回路1202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子1200
への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209のゲートにはG
ND(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とする
。例えば、トランジスタ1209のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする
【0312】
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用い
て構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)の
トランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の端
子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2
の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203は
トランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の
端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213の導通状態または非導通状
態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとド
レインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソース
とドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力さ
れる制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、
トランジスタ1214の導通状態または非導通状態)が選択される。
【0313】
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極のう
ちの一方、およびトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部
分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電位
を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ
1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に接
続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの
他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一
方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214のソ
ースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続さ
れる。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方
)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方
)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と、
は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一対
の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電
源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる
。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配
線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの他
方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等
)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子120
8の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND
線)と電気的に接続される。
【0314】
なお、容量素子1207および容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等を
積極的に利用することによって省略することも可能である。
【0315】
トランジスタ1209の第1ゲート(第1のゲート電極)には、制御信号WEが入力され
る。スイッチ1203およびスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号RD
によって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のス
イッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第
2の端子の間は非導通状態となる。
【0316】
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデータ
に対応する信号が入力される。図43では、回路1201から出力された信号が、トラン
ジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203の
第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、
論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介し
て回路1201に入力される。
【0317】
なお、図43では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとド
レインの他方)から出力される信号は、論理素子1206および回路1220を介して回
路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端子
(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反
転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に、
入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合
に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)
から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
【0318】
また、図43において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジス
タ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板119
0にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン膜または
シリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子
1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体で形成されるトラン
ジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外に
も、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトラ
ンジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成され
るトランジスタとすることもできる。
【0319】
図43における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。
また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いる
ことができる。
【0320】
本発明の一態様に係る半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間は
、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子1208
によって保持することができる。
【0321】
また、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例
えば、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有する
シリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため
、当該トランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子120
0に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり保
たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ
)を保持することが可能である。
【0322】
また、スイッチ1203およびスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ動
作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201が
元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
【0323】
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジスタ
1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再開
された後、容量素子1208によって保持された信号を、トランジスタ1210の状態(
導通状態、または非導通状態)に変換して、回路1202から読み出すことができる。そ
れ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信
号を正確に読み出すことが可能である。
【0324】
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの
記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐこ
とができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰
することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、また
は複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を
抑えることができる。
【0325】
記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP(
Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Pr
ogrammable Logic Device)等のLSI、RF-Tag(Rad
io Frequency Tag)にも応用可能である。
【0326】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0327】
(実施の形態8)
<撮像装置>
図44(A)は、本発明の一態様に係る撮像装置200の例を示す上面図である。撮像装
置200は、画素部210と、画素部210を駆動するための周辺回路260と、周辺回
路270、周辺回路280と、周辺回路290と、を有する。画素部210は、p行q列
(pおよびqは2以上の整数)のマトリクス状に配置された複数の画素211を有する。
周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280および周辺回路290は、それぞれ複
数の画素211に接続し、複数の画素211を駆動するための信号を供給する機能を有す
る。なお、本明細書等において、周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280およ
び周辺回路290などの全てを指して「周辺回路」または「駆動回路」と呼ぶ場合がある
。例えば、周辺回路260は周辺回路の一部といえる。
【0328】
また、撮像装置200は、光源291を有することが好ましい。光源291は、検出光P
1を放射することができる。
【0329】
また、周辺回路は、少なくとも、論理回路、スイッチ、バッファ、増幅回路、または変換
回路の1つを有する。また、周辺回路は、画素部210を形成する基板上に形成してもよ
い。また、周辺回路は、その一部または全部にICチップ等の半導体装置を用いてもよい
。なお、周辺回路は、周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280および周辺回路
290のいずれか一以上を省略してもよい。
【0330】
また、図44(B)に示すように、撮像装置200が有する画素部210において、画素
211を傾けて配置してもよい。画素211を傾けて配置することにより、行方向および
列方向の画素間隔(ピッチ)を短くすることができる。これにより、撮像装置200にお
ける撮像の品質をより高めることができる。
【0331】
<画素の構成例1>
撮像装置200が有する1つの画素211を複数の副画素212で構成し、それぞれの副
画素212に特定の波長帯域の光を透過するフィルタ(カラーフィルタ)を組み合わせる
ことで、カラー画像表示を実現するための情報を取得することができる。
【0332】
図45(A)は、カラー画像を取得するための画素211の一例を示す上面図である。図
45(A)に示す画素211は、赤(R)の波長帯域の光を透過するカラーフィルタが設
けられた副画素212(以下、「副画素212R」ともいう)、緑(G)の波長帯域の光
を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212(以下、「副画素212G」ともい
う)および青(B)の波長帯域の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212
(以下、「副画素212B」ともいう)を有する。副画素212は、フォトセンサとして
機能させることができる。
【0333】
副画素212(副画素212R、副画素212G、および副画素212B)は、配線23
1、配線247、配線248、配線249、配線250と電気的に接続される。また、副
画素212R、副画素212G、および副画素212Bは、それぞれが独立した配線25
3に接続している。また、本明細書等において、例えばn行目の画素211に接続された
配線248および配線249、および配線250を、それぞれ配線248[n]、配線2
49[n]、および配線250[n]と記載する。また、例えばm列目の画素211に接
続された配線253を、配線253[m]と記載する。なお、図45(A)において、m
列目の画素211が有する副画素212Rに接続する配線253を配線253[m]R、
副画素212Gに接続する配線253を配線253[m]G、および副画素212Bに接
続する配線253を配線253[m]Bと記載している。副画素212は、上記配線を介
して周辺回路と電気的に接続される。
【0334】
また、撮像装置200は、隣接する画素211の、同じ波長帯域の光を透過するカラーフ
ィルタが設けられた副画素212同士がスイッチを介して電気的に接続する構成を有する
図45(B)に、n行(nは1以上p以下の整数)m列(mは1以上q以下の整数)に
配置された画素211が有する副画素212と、該画素211に隣接するn+1行m列に
配置された画素211が有する副画素212の接続例を示す。図45(B)において、n
行m列に配置された副画素212Rと、n+1行m列に配置された副画素212Rがスイ
ッチ201を介して接続されている。また、n行m列に配置された副画素212Gと、n
+1行m列に配置された副画素212Gがスイッチ202を介して接続されている。また
、n行m列に配置された副画素212Bと、n+1行m列に配置された副画素212Bが
スイッチ203を介して接続されている。
【0335】
なお、副画素212に用いるカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)に限定さ
れず、それぞれシアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィ
ルタを用いてもよい。1つの画素211に3種類の異なる波長帯域の光を検出する副画素
212を設けることで、フルカラー画像を取得することができる。
【0336】
または、それぞれ赤(R)、緑(G)および青(B)の光を透過するカラーフィルタが設
けられた副画素212に加えて、黄(Y)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副
画素212を有する画素211を用いてもよい。または、それぞれシアン(C)、黄(Y
)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212に加え
て、青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212を有する画素21
1を用いてもよい。1つの画素211に4種類の異なる波長帯域の光を検出する副画素2
12を設けることで、取得した画像の色の再現性をさらに高めることができる。
【0337】
また、例えば、図45(A)において、赤の波長帯域を検出する副画素212、緑の波長
帯域を検出する副画素212、および青の波長帯域を検出する副画素212の画素数比(
または受光面積比)は、1:1:1でなくても構わない。例えば、画素数比(受光面積比
)を赤:緑:青=1:2:1とするBayer配列としてもよい。または、画素数比(受
光面積比)を赤:緑:青=1:6:1としてもよい。
【0338】
なお、画素211に設ける副画素212は1つでもよいが、2つ以上が好ましい。例えば
、同じ波長帯域を検出する副画素212を2つ以上設けることで、冗長性を高め、撮像装
置200の信頼性を高めることができる。
【0339】
また、可視光を吸収または反射して、赤外光を透過するIR(IR:Infrared)
フィルタを用いることで、赤外光を検出する撮像装置200を実現することができる。
【0340】
また、ND(ND:Neutral Density)フィルタ(減光フィルタ)を用い
ることで、光電変換素子(受光素子)に大光量光が入射した時に生じる出力飽和すること
を防ぐことができる。減光量の異なるNDフィルタを組み合わせて用いることで、撮像装
置のダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0341】
また、前述したフィルタ以外に、画素211にレンズを設けてもよい。ここで、図46
断面図を用いて、画素211、フィルタ254、レンズ255の配置例を説明する。レン
ズ255を設けることで、副画素212中に設けられた光電変換素子が入射光を効率よく
受光することができる。具体的には、図46(A)に示すように、画素211に形成した
レンズ255、フィルタ254(フィルタ254R、フィルタ254Gおよびフィルタ2
54B)、および画素回路230等を通して光256を光電変換素子220に入射させる
構造とすることができる。
【0342】
ただし、一点鎖線で囲んだ領域に示すように、矢印で示す光256の一部が配線257の
一部によって遮光されてしまうことがある。したがって、図46(B)に示すように光電
変換素子220側にレンズ255およびフィルタ254を配置して、光電変換素子220
が光256を効率良く受光させる構造が好ましい。光電変換素子220側から光256を
光電変換素子220に入射させることで、検出感度の高い撮像装置200を提供すること
ができる。
【0343】
図46に示す光電変換素子220として、pn型接合またはpin型の接合が形成された
光電変換素子を用いてもよい。
【0344】
また、光電変換素子220を、放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質を用
いて形成してもよい。放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質としては、セ
レン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ヒ化ガリウム、テルル化カドミウム、カドミウム亜鉛合金
等がある。
【0345】
例えば、光電変換素子220にセレンを用いると、可視光や、紫外光、赤外光に加えて、
X線や、ガンマ線といった幅広い波長帯域にわたって光吸収係数を有する光電変換素子2
20を実現できる。
【0346】
ここで、撮像装置200が有する1つの画素211は、図46に示す副画素212に加え
て、第1のフィルタを有する副画素212を有してもよい。
【0347】
<画素の構成例2>
以下では、シリコンを用いたトランジスタと、本発明に係る酸化物半導体を用いたトラン
ジスタと、を用いて画素を構成する一例について説明する。
【0348】
図47(A)および(B)は、撮像装置を構成する素子の断面図である。
【0349】
図47(A)に示す撮像装置は、シリコン基板300に設けられたシリコンを用いたトラ
ンジスタ351上に積層して配置された酸化物半導体を用いたトランジスタ353および
トランジスタ354、ならびにシリコン基板300に設けられた、アノード361と、カ
ソード362を有するフォトダイオード360を含む。各トランジスタおよびフォトダイ
オード360は、種々のプラグ370および配線371と電気的な接続を有する。また、
フォトダイオード360のアノード361は、低抵抗領域363を介してプラグ370と
電気的に接続を有する。
【0350】
また撮像装置は、シリコン基板300に設けられたトランジスタ351およびフォトダイ
オード360を有する層305と、層305と接して設けられ、配線371を有する層3
20と、層320と接して設けられ、トランジスタ353およびトランジスタ354を有
する層331と、層331と接して設けられ、配線372および配線373を有する層3
40を備えている。
【0351】
なお、図47(A)の断面図の一例では、シリコン基板300において、トランジスタ3
51が形成された面とは逆側の面にフォトダイオード360の受光面を有する構成とする
。該構成とすることで、各種トランジスタや配線などの影響を受けずに光路を確保するこ
とができる。そのため、高開口率の画素を形成することができる。なお、フォトダイオー
ド360の受光面をトランジスタ351が形成された面と同じとすることもできる。
【0352】
なお、酸化物半導体を用いたトランジスタのみを用いて画素を構成する場合には、層30
5を、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する層とすればよい。または層305を省
略し、酸化物半導体を用いたトランジスタのみで画素を構成してもよい。
【0353】
また、図47(A)の断面図において、層305に設けるフォトダイオード360と、層
331に設けるトランジスタとを重なるように形成することができる。そうすると、画素
の集積度を高めることができる。すなわち、撮像装置の解像度を高めることができる。
【0354】
また、図47(B)は、撮像装置は層340側にフォトダイオード365をトランジスタ
の上に配置した構造とすることができる。図47(B)において、例えば層305には、
シリコンを用いたトランジスタ351およびトランジスタ352を有し、層320には配
線371を有し、層331には酸化物半導体層を用いたトランジスタ353、トランジス
タ354を有し、層340にはフォトダイオード365有しており、フォトダイオード3
65は半導体層366、半導体層367、半導体層368で構成されており、配線373
と、プラグ370を介した配線374と電気的に接続している。
【0355】
図47(B)に示す素子構成とすることで、開口率を広くすることができる。
【0356】
また、フォトダイオード365には、非晶質シリコン膜や微結晶シリコン膜などを用いた
pin型ダイオード素子などを用いてもよい。フォトダイオード365は、n型の半導体
層368、i型の半導体層367、およびp型の半導体層366が順に積層された構成を
有している。i型の半導体層367には非晶質シリコンを用いることが好ましい。また、
p型の半導体層366およびn型の半導体層368には、それぞれの導電型を付与するド
ーパントを含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンなどを用いることができる。非晶質
シリコンを光電変換層とするフォトダイオード365は可視光の波長領域における感度が
高く、微弱な可視光を検知しやすい。
【0357】
ここで、トランジスタ351およびフォトダイオード360を有する層305と、トラン
ジスタ353およびトランジスタ354を有する層331と、の間には絶縁体380が設
けられる。ただし、絶縁体380の位置は限定されない。
【0358】
トランジスタ351のチャネル形成領域近傍に設けられる絶縁体中の水素はシリコンのダ
ングリングボンドを終端し、トランジスタ351の信頼性を向上させる効果がある。一方
、トランジスタ353およびトランジスタ354などの近傍に設けられる絶縁体中の水素
は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなる。そのため、トランジスタ3
53およびトランジスタ354などの信頼性を低下させる要因となる場合がある。したが
って、シリコン系半導体を用いたトランジスタの上層に酸化物半導体を用いたトランジス
タを積層して設ける場合、これらの間に水素をブロックする機能を有する絶縁体380を
設けることが好ましい。絶縁体380より下層に水素を閉じ込めることで、トランジスタ
351の信頼性が向上させることができる。さらに、絶縁体380より下層から、絶縁体
380より上層に水素が拡散することを抑制できるため、トランジスタ353およびトラ
ンジスタ354などの信頼性を向上させることができる。また、トランジスタ353およ
びトランジスタ354上に絶縁体381を設けることにより、酸化物半導体中の酸素の拡
散を防ぐことができて好ましい。
【0359】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0360】
(実施の形態9)
<RFタグ>
本実施の形態では、先の実施の形態で説明したトランジスタ、または記憶装置を含むRF
タグについて、図48を参照して説明する。
【0361】
本実施の形態におけるRFタグは、内部に記憶回路を有し、記憶回路に必要な情報を記憶
し、非接触手段、例えば無線通信を用いて外部と情報の授受を行うものである。このよう
な特徴から、RFタグは、物品などの個体情報を読み取ることにより物品の識別を行う個
体認証システムなどに用いることが可能である。なお、これらの用途に用いるためには極
めて高い信頼性が要求される。
【0362】
RFタグの構成について図48を用いて説明する。図48は、RFタグの構成例を示すブ
ロック図である。
【0363】
図48に示すようにRFタグ800は、通信器801(質問器、リーダ/ライタなどとも
いう)に接続されたアンテナ802から送信される無線信号803を受信するアンテナ8
04を有する。またRFタグ800は、整流回路805、定電圧回路806、復調回路8
07、変調回路808、論理回路809、記憶回路810、ROM811を有している。
なお、復調回路807に含まれる整流作用を示すトランジスタに逆方向電流を十分に抑制
することが可能な材料、例えば、酸化物半導体、が用いられた構成としてもよい。これに
より、逆方向電流に起因する整流作用の低下を抑制し、復調回路の出力が飽和することを
防止できる。つまり、復調回路の入力に対する復調回路の出力を線形に近づけることがで
きる。なお、データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信を
行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する
電波方式の3つに大別される。本実施の形態に示すRFタグ800は、そのいずれの方式
に用いることも可能である。
【0364】
次に各回路の構成について説明する。アンテナ804は、通信器801に接続されたアン
テナ802との間で無線信号803の送受信を行うためのものである。また、整流回路8
05は、アンテナ804で無線信号を受信することにより生成される入力交流信号を整流
、例えば、半波2倍圧整流し、後段に設けられた容量素子により、整流された信号を平滑
化することで入力電位を生成するための回路である。なお、整流回路805の入力側また
は出力側には、リミッタ回路を設けてもよい。リミッタ回路とは、入力交流信号の振幅が
大きく、内部生成電圧が大きい場合に、ある電力以上の電力を後段の回路に入力しないよ
うに制御するための回路である。
【0365】
定電圧回路806は、入力電位から安定した電源電圧を生成し、各回路に供給するための
回路である。なお、定電圧回路806は、内部にリセット信号生成回路を有していてもよ
い。リセット信号生成回路は、安定した電源電圧の立ち上がりを利用して、論理回路80
9のリセット信号を生成するための回路である。
【0366】
復調回路807は、入力交流信号を包絡線検出することにより復調し、復調信号を生成す
るための回路である。また、変調回路808は、アンテナ804より出力するデータに応
じて変調を行うための回路である。
【0367】
論理回路809は復調信号を解析し、処理を行うための回路である。記憶回路810は、
入力された情報を保持する回路であり、ロウデコーダ、カラムデコーダ、記憶領域などを
有する。また、ROM811は、固有番号(ID)などを格納し、処理に応じて出力を行
うための回路である。
【0368】
なお、上述の各回路は、必要に応じて、適宜、取捨することができる。
【0369】
ここで、先の実施の形態で説明した記憶回路を、記憶回路810に用いることができる。
本発明の一態様の記憶回路は、電源が遮断された状態であっても情報を保持できるため、
RFタグに好適に用いることができる。さらに本発明の一態様の記憶回路は、データの書
き込みに必要な電力(電圧)が従来の不揮発性メモリに比べて著しく小さいため、データ
の読み出し時と書込み時の最大通信距離の差を生じさせないことも可能である。さらに、
データの書き込み時に電力が不足し、誤動作または誤書込みが生じることを抑制すること
ができる。
【0370】
また、本発明の一態様の記憶回路は、不揮発性のメモリとして用いることが可能であるた
め、ROM811に適用することもできる。その場合には、生産者がROM811にデー
タを書き込むためのコマンドを別途用意し、ユーザーが自由に書き換えできないようにし
ておくことが好ましい。生産者が出荷前に固有番号を書込んだのちに製品を出荷すること
で、作製したRFタグすべてについて固有番号を付与するのではなく、出荷する良品にの
み固有番号を割り当てることが可能となり、出荷後の製品の固有番号が不連続になること
がなく出荷後の製品に対応した顧客管理が容易となる。
【0371】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【0372】
(実施の形態10)
<表示装置>
以下では、本発明の一態様に係る表示装置について、図49および図50を用いて説明す
る。
【0373】
表示装置に用いられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう。)、発光素子
(発光表示素子ともいう。)などを用いることができる。発光素子は、電流または電圧に
よって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Elect
roluminescence)、有機ELなどを含む。以下では、表示装置の一例とし
てEL素子を用いた表示装置(EL表示装置)および液晶素子を用いた表示装置(液晶表
示装置)について説明する。
【0374】
なお、以下に示す表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコ
ントローラを含むICなどを実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0375】
また、以下に示す表示装置は画像表示デバイス、または光源(照明装置含む)を指す。ま
た、コネクター、例えばFPC、TCPが取り付けられたモジュール、TCPの先にプリ
ント配線板を有するモジュールまたは表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直
接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0376】
図49は、本発明の一態様に係るEL表示装置の一例である。図49(A)に、EL表示
装置の画素の回路図を示す。図49(B)は、EL表示装置全体を示す上面図である。ま
た、図49(C)は、図49(B)の一点鎖線M-Nの一部に対応するM-N断面である
【0377】
図49(A)は、EL表示装置に用いられる画素の回路図の一例である。
【0378】
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(
容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなく
ても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続
先を特定しなくても、発明の一態様が明確であるといえる。そして、接続先が特定された
内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細
書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先として複
数の箇所が想定される場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。
したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素
子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発
明の一態様を構成することが可能な場合がある。
【0379】
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業
者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少な
くとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つ
まり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であるといえる。そして、機能が特定され
た発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。し
たがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態
様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または
、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として
開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【0380】
図49(A)に示すEL表示装置は、スイッチ素子743と、トランジスタ741と、容
量素子742と、発光素子719と、を有する。
【0381】
なお、図49(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加す
ることが可能である。逆に、図49(A)の各ノードにおいて、トランジスタ、スイッチ
、受動素子などを追加しないようにすることも可能である。
【0382】
トランジスタ741のゲートはスイッチ素子743の一端および容量素子742の一方の
電極と電気的に接続される。トランジスタ741のソースは容量素子742の他方の電極
と電気的に接続され、発光素子719の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ
741のドレインは電源電位VDDが与えられる。スイッチ素子743の他端は信号線7
44と電気的に接続される。発光素子719の他方の電極は定電位が与えられる。なお、
定電位は接地電位GNDまたはそれより小さい電位とする。
【0383】
スイッチ素子743としては、トランジスタを用いると好ましい。トランジスタを用いる
ことで、画素の面積を小さくでき、解像度の高いEL表示装置とすることができる。また
、スイッチ素子743として、トランジスタ741と同一工程を経て作製されたトランジ
スタを用いると、EL表示装置の生産性を高めることができる。なお、トランジスタ74
1または/およびスイッチ素子743としては、例えば、図1に示すトランジスタを適用
することができる。
【0384】
図49(B)は、EL表示装置の上面図である。EL表示装置は、基板700と、基板7
50と、シール材734と、駆動回路735と、駆動回路736と、画素737と、FP
C732と、を有する。シール材734は、画素737、駆動回路735および駆動回路
736を囲むように基板700と基板750との間に配置される。なお、駆動回路735
または/および駆動回路736をシール材734の外側に配置しても構わない。
【0385】
図49(C)は、図49(B)の一点鎖線M-Nの一部に対応するEL表示装置の断面図
である。
【0386】
図49(C)には、トランジスタ741として、基板700上の絶縁体712aと、導電
体704aと、を有し、絶縁体712aおよび導電体704a上にあり導電体704aと
一部が重なる領域を有する絶縁体706aと、絶縁体706a上の半導体706bと、半
導体706bの上面と接する導電体716a1および導電体716a2と、導電体716
a1上および導電体716a2上の絶縁体710と、半導体706b上の絶縁体706c
と、絶縁体706c上の絶縁体718bと、絶縁体718b上にあり半導体706bと重
なる導電体714aと、を有する構造を示す。なお、トランジスタ741の構造は一例で
あり、図49(C)に示す構造と異なる構造であっても構わない。
【0387】
図49(C)に示すトランジスタ741において、導電体704aはゲート電極としての
機能を有し、絶縁体712aはゲート絶縁体としての機能を有し、導電体716a1はソ
ース電極としての機能を有し、導電体716a2はドレイン電極としての機能を有し、絶
縁体718bはゲート絶縁体としての機能を有し、導電体714aはゲート電極としての
機能を有する。なお、絶縁体706a、半導体706bおよび絶縁体706cは、光が当
たることで電気特性が変動する場合がある。したがって、導電体704a、導電体716
a1、導電体716a2または導電体714aのいずれか一以上が遮光性を有すると好ま
しい。
【0388】
図49(C)には、容量素子742として、基板700上の導電体704b上にあり導電
体704bと一部が重なる領域を有する絶縁体706dと、絶縁体706d上の半導体7
06eと、半導体706eの上面と接する導電体716a3および導電体716a4と、
導電体716a3上および導電体716a4上の絶縁体710と、半導体706e上の絶
縁体706fと、絶縁体706f上の絶縁体718bと、絶縁体718b上にあり半導体
706eと重なる導電体714bと、を有する構造を示す。
【0389】
容量素子742において、導電体704bは一方の電極として機能し、導電体714bは
他方の電極として機能する。
【0390】
容量素子742は、トランジスタ741と共通する膜を用いて作製することができる。ま
た、導電体704aおよび導電体704bを同種の導電体とすると好ましい。その場合、
導電体704aおよび導電体704bは、同一工程を経て形成することができる。また、
導電体714aおよび導電体714bを同種の導電体とすると好ましい。その場合、導電
体714aおよび導電体714bは、同一工程を経て形成することができる。
【0391】
図49(C)に示す容量素子742は、占有面積当たりの容量が大きい容量素子である。
したがって、図49(C)は表示品位の高いEL表示装置である。なお、容量素子742
の構造は一例であり、図49(C)に示す構造と異なる構造であっても構わない。
【0392】
トランジスタ741および容量素子742上には、絶縁体728が配置され、絶縁体72
8上には絶縁体720が配置される。ここで、絶縁体728および絶縁体720は、トラ
ンジスタ741のソース電極として機能する導電体716a1に達する開口部を有しても
よい。絶縁体720上には、導電体781が配置される。導電体781は、絶縁体728
および絶縁体720の開口部を介してトランジスタ741と電気的に接続してもよい。
【0393】
導電体781上には、導電体781に達する開口部を有する隔壁784が配置される。隔
壁784上には、隔壁784の開口部で導電体781と接する発光層782が配置される
。発光層782上には、導電体783が配置される。導電体781、発光層782および
導電体783の重なる領域が、発光素子719となる。図49(C)において、FPC7
32は、端子731を介して配線733aと接続される。なお、配線733aは、トラン
ジスタ741を構成する導電体または半導体のいずれかと同種の導電体または半導体を用
いてもよい。
【0394】
ここまでは、EL表示装置の例について説明した。次に、液晶表示装置の例について説明
する。
【0395】
図50(A)は、液晶表示装置の画素の構成例を示す回路図である。図50(A)に示す
画素は、トランジスタ751と、容量素子752と、一対の電極間に液晶の充填された素
子(液晶素子)753とを有する。
【0396】
トランジスタ751では、ソース、ドレインの一方が信号線755に電気的に接続され、
ゲートが走査線754に電気的に接続されている。
【0397】
容量素子752では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電気
的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。
【0398】
液晶素子753では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電気
的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、
上述した容量素子752の他方の電極が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と、
液晶素子753の他方の電極に与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
【0399】
なお、液晶表示装置も、上面図はEL表示装置と同様として説明する。図49(B)の一
点鎖線M-Nに対応する液晶表示装置の断面図を図50(B)に示す。図50(B)にお
いて、FPC732は、端子731を介して配線733aと接続される。なお、配線73
3aは、トランジスタ751を構成する導電体または半導体のいずれかと同種の導電体ま
たは半導体を用いてもよい。
【0400】
トランジスタ751は、トランジスタ741についての記載を参照する。また、容量素子
752は、容量素子742についての記載を参照する。なお、図50(B)には、図49
(C)の容量素子742に対応した容量素子752の構造を示したが、これに限定されな
い。
【0401】
なお、トランジスタ751の半導体に酸化物半導体を用いた場合、極めてオフ電流の小さ
いトランジスタとすることができる。したがって、容量素子752に保持された電荷がリ
ークしにくく、長期間に渡って液晶素子753に印加される電圧を維持することができる
。そのため、動きの少ない動画や静止画の表示の際に、トランジスタ751をオフ状態と
することで、トランジスタ751の動作のための電力が不要となり、消費電力の小さい液
晶表示装置とすることができる。また、容量素子752の占有面積を小さくできるため、
開口率の高い液晶表示装置、または高精細化した液晶表示装置を提供することができる。
【0402】
トランジスタ751および容量素子752上には、絶縁体721が配置される。ここで、
絶縁体721は、トランジスタ751に達する開口部を有する。絶縁体721上には、導
電体791が配置される。導電体791は、絶縁体721の開口部を介してトランジスタ
751と電気的に接続する。
【0403】
導電体791上には、配向膜として機能する絶縁体792が配置される。絶縁体792上
には、液晶層793が配置される。液晶層793上には、配向膜として機能する絶縁体7
94が配置される。絶縁体794上には、スペーサ795が配置される。スペーサ795
および絶縁体794上には、導電体796が配置される。導電体796上には、基板79
7が配置される。
【0404】
上述した構造を有することで、占有面積の小さい容量素子を有する表示装置を提供するこ
とができる、または、表示品位の高い表示装置を提供することができる。または、高精細
の表示装置を提供することができる。
【0405】
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素
子、および発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、または様
々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、発光素子、又は発光装置は、例え
ば、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LE
D(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応
じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グ
レーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マ
イクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラ
ーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、IMOD(インタ
ーフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉
方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ
、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これらの
他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変
化する表示媒体を有していても良い。
【0406】
EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子
を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)また
はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface-conduction E
lectron-emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示
装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディス
プレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)
などがある。電子インクまたは電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペー
パーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する
場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすれ
ばよい。例えば、画素電極の一部または全部が、アルミニウム、銀、などを有するように
すればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けること
も可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
【0407】
なお、LEDを用いる場合、LEDの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファ
イトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜として
もよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物
半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体などを容易に成膜することができる。さ
らに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体などを設けて、LEDを構成することが
できる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体との間に、
AlN層を設けてもよい。なお、LEDが有するGaN半導体は、MOCVDで成膜して
もよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDが有するGaN半導体は、スパ
ッタリング法で成膜することも可能である。
【0408】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【0409】
(実施の形態11)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を適用した表示モジュールについて、図
51を用いて説明を行う。
【0410】
<表示モジュール>
図51に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との
間に、FPC6003に接続されたタッチパネル6004、FPC6005に接続された
表示パネル6006、バックライトユニット6007、フレーム6009、プリント基板
6010、バッテリー6011を有する。なお、バックライトユニット6007、バッテ
リー6011、タッチパネル6004などは、設けられない場合もある。
【0411】
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル6006であったり、プリント基板
に実装された集積回路に用いることができる。
【0412】
上部カバー6001および下部カバー6002は、タッチパネル6004および表示パネ
ル6006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0413】
タッチパネル6004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル6
006に重畳して用いることができる。また、表示パネル6006の対向基板(封止基板
)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。または、表示パネル6
006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネル機能を付加することも可能で
ある。または、表示パネル6006の各画素内にタッチセンサ用電極を設け、静電容量方
式のタッチパネル機能を付加することも可能である。
【0414】
バックライトユニット6007は、光源6008を有する。光源6008をバックライト
ユニット6007の端部に設け、光拡散板を用いる構成としてもよい。
【0415】
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010から発
生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム600
9は、放熱板としての機能を有していてもよい。
【0416】
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号およびクロック信号を出力するための信
号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であって
も良いし、別途設けたバッテリー6011であってもよい。なお、商用電源を用いる場合
には、バッテリー6011を省略することができる。
【0417】
また、表示モジュール6000には、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追
加して設けてもよい。
【0418】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【0419】
(実施の形態12)
<リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージ>
図52(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表
す斜視図を示す。図52(A)に示すパッケージは、本発明の一態様に係る半導体装置に
相当するチップ551が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ550上の端子
552と接続されている。端子552は、インターポーザ550のチップ551がマウン
トされている面上に配置されている。そしてチップ551はモールド樹脂553によって
封止されていてもよいが、各端子552の一部が露出した状態で封止されるようにする。
【0420】
パッケージが回路基板に実装されている電子機器(携帯電話)のモジュールの構成を、図
52(B)に示す。図52(B)に示す携帯電話のモジュールは、プリント配線基板60
1に、パッケージ602と、バッテリー604とが実装されている。また、表示素子が設
けられたパネル600に、プリント配線基板601がFPC603によって実装されてい
る。
【0421】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【0422】
(実施の形態13)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び照明装置について、図面を用いて説明
する。
【0423】
<電子機器>
本発明の一態様の半導体装置を用いて、電子機器や照明装置を作製できる。また、本発明
の一態様の半導体装置を用いて、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また本
発明の一態様の半導体装置を用いて、タッチセンサの検出感度が向上した電子機器や照明
装置を作製できる。
【0424】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともい
う)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル
フォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携
帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0425】
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有する場合、家屋やビルの内壁
もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能であ
る。
【0426】
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用
いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0427】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオ
ンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池
、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛
電池などが挙げられる。
【0428】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信する
ことで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を
有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0429】
図53(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7101、筐体7102、表示部7103、
表示部7104、マイク7105、スピーカー7106、操作キー7107、スタイラス
7108等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、筐体7101に内蔵されてい
る集積回路、CPUなどに用いることができる。表示部7103または表示部7104に
本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、ユーザーの使用感に優れ、品質の低下が
起こりにくい携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図53(A)に示した携帯
型ゲーム機は、2つの表示部7103と表示部7104とを有しているが、携帯型ゲーム
機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0430】
図53(B)は、スマートウオッチであり、筐体7302、表示部7304、操作ボタン
7311、7312、接続端子7313、バンド7321、留め金7322、等を有する
。本発明の一態様に係る半導体装置は筐体7302に内蔵されているメモリ、CPUなど
に用いることができる。
【0431】
図53(C)は、携帯情報端末であり、筐体7501に組み込まれた表示部7502の他
、操作ボタン7503、外部接続ポート7504、スピーカー7505、マイク7506
などを備えている。本発明の一態様に係る半導体装置は、筐体7501に内蔵されている
モバイル用メモリ、CPUなどに用いることができる。なお、表示部7502は、非常に
高精細とすることができるため、中小型でありながらフルハイビジョン、4k、または8
kなど、様々な表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0432】
図53(D)はビデオカメラであり、第1筐体7701、第2筐体7702、表示部77
03、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー770
4およびレンズ7705は第1筐体7701に設けられており、表示部7703は第2筐
体7702に設けられている。そして、第1筐体7701と第2筐体7702とは、接続
部7706により接続されており、第1筐体7701と第2筐体7702の間の角度は、
接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部770
6における第1筐体7701と第2筐体7702との間の角度にしたがって切り替える構
成としても良い。レンズ7705の焦点となる位置には本発明の一態様の撮像装置を備え
ることができる。本発明の一態様に係る半導体装置は、第1筐体7701に内蔵されてい
る集積回路、CPUなどに用いることができる。
【0433】
図53(E)は、デジタルサイネージであり、電柱7921に設置された表示部7922
を備えている。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7922の制御回路に用いるこ
とができる。
【0434】
図54(A)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体8121、表示部8122
、キーボード8123、ポインティングデバイス8124等を有する。本発明の一態様に
係る半導体装置は、筐体8121内に内蔵されているCPUや、メモリに適用することが
できる。なお、表示部8122は、非常に高精細とすることができるため、中小型であり
ながら8kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0435】
図54(B)に自動車9700の外観を示す。図54(C)に自動車9700の運転席を
示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライ
ト9704等を有する。本発明の一態様の半導体装置は、自動車9700の表示部、およ
び制御用の集積回路に用いることができる。例えば、図54(C)に示す表示部9710
乃至表示部9715に本発明の一態様の半導体装置を設けることができる。
【0436】
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置、ま
たは入出力装置である。本発明の一態様の表示装置、または入出力装置は、表示装置、ま
たは入出力装置が有する電極を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反
対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置、または入出力装置とすること
ができる。シースルー状態の表示装置、または入出力装置であれば、自動車9700の運
転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置、または入出
力装置を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置、ま
たは入出力装置に、表示装置、または入出力装置を駆動するためのトランジスタなどを設
ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトラ
ンジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
【0437】
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮
像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補
完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である
。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによっ
て、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に
設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めるこ
とができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感
なく安全確認を行うことができる。
【0438】
また、図54(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示して
いる。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置、または入出力装置である。例え
ば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ド
アで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けら
れた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示
装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当
該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
【0439】
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピー
ドメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他
様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトな
どは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9
710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる
。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明
装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部
9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
【0440】
また、図55(A)に、カメラ8000の外観を示す。カメラ8000は、筐体8001
、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004、結合部8005等
を有する。またカメラ8000には、レンズ8006を取り付けることができる。
【0441】
結合部8005は、電極を有し、後述するファインダー8100のほか、ストロボ装置等
を接続することができる。
【0442】
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換する
ことが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
【0443】
シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部80
02はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像す
ることも可能である。
【0444】
表示部8002に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することができ
る。
【0445】
図55(B)には、カメラ8000にファインダー8100を取り付けた場合の例を示し
ている。
【0446】
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する。
【0447】
筐体8101には、カメラ8000の結合部8005と係合する結合部を有しており、フ
ァインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該結合部には電
極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表示
させることができる。
【0448】
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部8
102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
【0449】
筐体8101の中にある、集積回路、イメージセンサに本発明の一態様の半導体装置を適
用することができる。
【0450】
なお、図55(A)(B)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子機
器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、本発明の
一態様の表示装置、または入出力装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
【0451】
また、図55(C)には、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示している。
【0452】
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体820
3、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バッ
テリー8206が内蔵されている。
【0453】
ケーブル8205は、バッテリー8206から本体8203に電力を供給する。本体82
03は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示さ
せることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動
きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を
入力手段として用いることができる。
【0454】
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。
本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使
用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知する
ことにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部8201
には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用
者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部
の動きなどを検出し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させても
よい。
【0455】
本体8203の内部の集積回路に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる
【0456】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み
合わせて実施することができる。
【0457】
(実施の形態14)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置を用いたRFタグの使用例について
図56を用いながら説明する。
【0458】
<RFタグの使用例>
RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証
書類(運転免許証や住民票等、図56(A)参照)、乗り物類(自転車等、図56(B)
参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図56(C)参照)、記録媒体(DVDやビ
デオテープ等、図56(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物
類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液晶表示装置
、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り
付ける荷札(図56(E)、図56(F)参照)等に設けて使用することができる。
【0459】
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物
品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれ
ば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ
4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザ
イン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書
類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設けるこ
とができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器
類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一
態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図る
ことができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付ける
ことにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
【0460】
以上のように、本発明の一態様に係わる半導体装置を用いたRFタグを、本実施の形態に
挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できる
ため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であって
も情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも
好適に用いることができる。
【0461】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【符号の説明】
【0462】
200 撮像装置
201 スイッチ
202 スイッチ
203 スイッチ
210 画素部
211 画素
212 副画素
212B 副画素
212G 副画素
212R 副画素
220 光電変換素子
230 画素回路
231 配線
247 配線
248 配線
249 配線
250 配線
253 配線
254 フィルタ
254B フィルタ
254G フィルタ
254R フィルタ
255 レンズ
256 光
257 配線
260 周辺回路
270 周辺回路
280 周辺回路
290 周辺回路
291 光源
300 シリコン基板
301 絶縁体
303 絶縁体
305 層
310 導電体
320 層
330 トランジスタ
331 層
340 層
351 トランジスタ
352 トランジスタ
353 トランジスタ
354 トランジスタ
360 フォトダイオード
361 アノード
362 カソード
363 低抵抗領域
365 フォトダイオード
366 半導体層
367 半導体層
368 半導体層
370 プラグ
371 配線
372 配線
373 配線
374 配線
380 絶縁体
381 絶縁体
400 基板
401 絶縁体
402 絶縁体
404 導電体
404_1 導電体
404w ゲート線幅
406a 絶縁体
406b 半導体
406c 絶縁体
406c_1 絶縁体
407 領域
408 絶縁体
410 絶縁体
410_1 絶縁体
410a 絶縁体
411 レジストマスク
412 絶縁体
412_1 絶縁体
413 有機物
414 混合領域
415 導電体
416a1 導電体
416a2 導電体
416w1 開口部幅
416w2 開口部幅
428 絶縁体
429 導電体
430 導電体
431 導電体
432 導電体
437 導電体
438 導電体
440 導電体
442 導電体
444 導電体
446 テーパー角
447 テーパー角
450 半導体基板
454 導電体
460 領域
462 絶縁体
464 絶縁体
465 絶縁体
466 絶縁体
467 絶縁体
468 絶縁体
469 絶縁体
470 絶縁体
472 絶縁体
474a 領域
474b 領域
475 絶縁体
476a 導電体
476b 導電体
476c 導電体
477a 導電体
477b 導電体
477c 導電体
478a 導電体
478b 導電体
478c 導電体
479a 導電体
479b 導電体
479c 導電体
480a 導電体
480b 導電体
480c 導電体
483a 導電体
483b 導電体
483c 導電体
483d 導電体
483e 導電体
483f 導電体
484a 導電体
484b 導電体
484c 導電体
484d 導電体
485a 導電体
485b 導電体
485c 導電体
485d 導電体
487a 導電体
487b 導電体
487c 導電体
488a 導電体
488b 導電体
488c 導電体
489a 導電体
489b 導電体
490a 導電体
490b 導電体
491a 導電体
491b 導電体
491c 導電体
492a 導電体
492b 導電体
492c 導電体
494 導電体
496 導電体
498 絶縁体
550 インターポーザ
551 チップ
552 端子
553 モールド樹脂
600 パネル
601 プリント配線基板
602 パッケージ
603 FPC
604 バッテリー
700 基板
704a 導電体
704b 導電体
706a 絶縁体
706b 半導体
706c 絶縁体
706d 絶縁体
706e 半導体
706f 絶縁体
710 絶縁体
712a 絶縁体
714a 導電体
714b 導電体
716a1 導電体
716a2 導電体
716a3 導電体
716a4 導電体
718b 絶縁体
719 発光素子
720 絶縁体
721 絶縁体
728 絶縁体
731 端子
732 FPC
733a 配線
734 シール材
735 駆動回路
736 駆動回路
737 画素
741 トランジスタ
742 容量素子
743 スイッチ素子
744 信号線
750 基板
751 トランジスタ
752 容量素子
753 液晶素子
754 走査線
755 信号線
781 導電体
782 発光層
783 導電体
784 隔壁
791 導電体
792 絶縁体
793 液晶層
794 絶縁体
795 スペーサ
796 導電体
797 基板
800 RFタグ
801 通信器
802 アンテナ
803 無線信号
804 アンテナ
805 整流回路
806 定電圧回路
807 復調回路
808 変調回路
809 論理回路
810 記憶回路
811 ROM
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
1200 記憶素子
1201 回路
1202 回路
1203 スイッチ
1204 スイッチ
1206 論理素子
1207 容量素子
1208 容量素子
1209 トランジスタ
1210 トランジスタ
1213 トランジスタ
1214 トランジスタ
1220 回路
2100 トランジスタ
2200 トランジスタ
2201 絶縁体
2202 配線
2203 プラグ
2204 絶縁体
2205 配線
2207 絶縁体
2208 絶縁体
2211 半導体基板
2212 絶縁体
2213 ゲート電極
2214 ゲート絶縁体
2215 ソース領域およびドレイン領域
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3200 トランジスタ
3300 トランジスタ
3400 容量素子
4000 RFタグ
5100 ペレット
5120 基板
5161 領域
6000 表示モジュール
6001 上部カバー
6002 下部カバー
6003 FPC
6004 タッチパネル
6005 FPC
6006 表示パネル
6007 バックライトユニット
6008 光源
6009 フレーム
6010 プリント基板
6011 バッテリー
7101 筐体
7102 筐体
7103 表示部
7104 表示部
7105 マイク
7106 スピーカー
7107 操作キー
7108 スタイラス
7302 筐体
7304 表示部
7311 操作ボタン
7312 操作ボタン
7313 接続端子
7321 バンド
7322 留め金
7501 筐体
7502 表示部
7503 操作ボタン
7504 外部接続ポート
7505 スピーカー
7506 マイク
7701 筐体
7702 筐体
7703 表示部
7704 操作キー
7705 レンズ
7706 接続部
7901 電柱
7902 表示部
8000 カメラ
8001 筐体
8002 表示部
8003 操作ボタン
8004 シャッターボタン
8005 結合部
8006 レンズ
8100 ファインダー
8101 筐体
8102 表示部
8103 ボタン
8121 筐体
8122 表示部
8123 キーボード
8124 ポインティングデバイス
8200 ヘッドマウントディスプレイ
8201 装着部
8202 レンズ
8203 本体
8204 表示部
8205 ケーブル
8206 バッテリー
9700 自動車
9701 車体
9702 車輪
9703 ダッシュボード
9704 ライト
9710 表示部
9711 表示部
9712 表示部
9713 表示部
9714 表示部
9715 表示部
9721 表示部
9722 表示部
9723 表示部
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