(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】表示装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20221122BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20221122BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221122BHJP
G09G 5/391 20060101ALI20221122BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221122BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20221122BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20221122BHJP
G02F 1/133 20060101ALN20221122BHJP
【FI】
G09G3/20 650C
G09G3/36
G09G5/00 520V
G09G5/36 520E
G09G3/20 632C
G09G3/20 650J
G09G3/20 660V
G09G3/20 621E
G09G3/34 J
G09G3/20 642E
G09G3/20 611A
G09G3/20 612U
H04N5/66 102B
G02F1/133 550
(21)【出願番号】P 2022008584
(22)【出願日】2022-01-24
(62)【分割の表示】P 2021034294の分割
【原出願日】2010-02-03
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2009025966
(32)【優先日】2009-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】木村 肇
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-047476(JP,A)
【文献】特開2006-005524(JP,A)
【文献】特開2007-316161(JP,A)
【文献】特開2008-252701(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0093895(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0074350(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/34
G09G 3/36
G09G 5/00
G09G 5/36
H04N 5/66
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを用いて、フレーム補間処理を行う第1のステップと、
前記画像データを用いて、第1のローカルディミング処理を行う第2のステップと、
前記第1のステップにより生成されたm番目のフレーム(mは1以上の自然数)に対して第1の超解像処理を行う第3のステップと、
前記第1のステップにより生成されたm+1番目のフレームに対して第2の超解像処理を行う第4のステップと、
前記第2のステップにより生成されたデータと、前記第3のステップにより生成されたデータと、前記第4のステップにより生成されたデータと、を用いて第2のローカルディミング処理を行う第5のステップと、を有し、
前記第1のステップの後で、前記第2のステップと、
前記第3のステップと、
前記第4のステップとが、同時に行われる表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、液晶表示装置、半導体装置、それらを生産する方法、または、それ
らを用いた方法に関する。特に、表示装置、液晶表示装置、半導体装置などにおける駆動
方法、または、それらにおける信号の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイが広く普及してきてい
る。そして、フラットパネルの様々な性能は、ますます向上してきている。フラットパネ
ルの仕様として、解像度(または画素数)があるが、解像度も非常に向上してきている。
【0003】
そのため、低解像度の画像を高解像度の画像に変換するための技術である超解像処理技術
が検討されている(特許文献1乃至3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-160565号公報
【文献】特開2008-085411号公報
【文献】特開2008-252701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、液晶ディスプレイでは、画質を向上させるための様々な技術が検討されている。そ
のため、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイにおいて、画質を向
上させるための処理を行う場合、さまざまな問題が生じる可能性がある。例えば、画質が
低下してしまったり、正しい画像を表示できなくなってしまったり、消費電力が大きくな
ってしまったり、ノイズが多くなってしまったり、余分な部品が必要となってしまったり
、コストが高くなってしまったり、装置が大型化してしまったり、表示装置の額縁が大き
くなってしまったり、処理が遅くなってしまったり、表示が遅くなってしまったり、フレ
ーム周波数が低くなってしまったりする可能性がある。
【0006】
以上のことから、本発明の一態様は、画質が向上した装置、その駆動方法、またはその製
造方法を提供することが課題である。または、本発明の一態様は、正しい画像を表示する
装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。または、本発明
の一態様は、消費電力が低い装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが
課題である。または、本発明の一態様は、ノイズが少ない装置、その駆動方法、またはそ
の製造方法を提供することが課題である。または、本発明の一態様は、部品が少ない装置
、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。または、本発明の一
態様は、コストが低い装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが課題で
ある。または、本発明の一態様は、小型化された装置、その駆動方法、またはその製造方
法を提供することが課題である。または、本発明の一態様は、額縁の小さい装置、その駆
動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。または、本発明の一態様は、
処理が早い装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。また
は、本発明の一態様は、表示が早い装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供する
ことが課題である。または、本発明の一態様は、フレーム周波数が低くない装置、その駆
動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。または、本発明の一態様は、
残像の少ない装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供することが課題である。本
発明の一態様は、コントラストの高い装置、その駆動方法、またはその製造方法を提供す
ることが課題である。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではな
い。なお、本発明の一態様は、これらの課題のすべてを解決する必要はないものとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
フレーム周波数を高くして表示するためのフレームデータの補間を行った後、超解像処理
技術を用いて、低解像度の画像を高解像度の画像に変換する。その後、輪郭強調などの画
像処理、バックライトを用いた局所輝度制御(ローカル・ディミング:LOCAL DI
MMING)のためのデータ処理、オーバードライブ駆動のためのデータ処理などを行う
。
【0008】
または、フレーム周波数を高くして表示するためのフレームデータの補間を行いつつ、超
解像処理技術を用いて、低解像度の画像を高解像度の画像に変換する。その後、輪郭強調
などの画像処理、フレーム周波数を高くして表示するためのフレームデータの補間を行う
。その後、バックライトを用いた局所輝度制御(ローカル・ディミング:LOCAL D
IMMING)のためのデータ処理、オーバードライブ駆動のためのデータ処理などを行
う。
【0009】
従って、フレーム補間処理を行う第1のステップと、超解像処理を行う第2のステップと
を有し、前記第1のステップの後で、前記第2のステップが行われることを特徴とする液
晶表示装置の駆動方法が提供される。
【0010】
または、フレーム補間処理を行う第1のステップと、超解像処理を行う第2のステップと
を有し、前記第1のステップと、前記第2のステップとが、同時に行われる期間を有する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法が提供される。
【0011】
または、フレーム補間処理を行う第1のステップと、第1の超解像処理を行う第2のステ
ップと、第2の超解像処理を行う第3のステップとを有し、前記第1のステップの後で、
前記第2のステップ、または、前期第3のステップが行われることを特徴とする液晶表示
装置の駆動方法が提供される。
【0012】
または、フレーム補間処理を行う第1のステップと、超解像処理を行う第2のステップと
、ローカルディミング処理を行う第3のステップとを有し、前記第1のステップの後で、
前記第2のステップが行われ、前記第2のステップの後で、前記第3のステップが行われ
ることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法が提供される。
【0013】
または、フレーム補間処理を行う第1のステップと、超解像処理を行う第2のステップと
、ローカルディミング処理を行う第3のステップと、オーバードライブ処理を行う第4の
ステップとを有し、前記第1のステップの後で、前記第2のステップが行われ、前記第2
のステップの後で、前記第3のステップが行われ、前記第3のステップの後で、前記第4
のステップが行われることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法が提供される。
【0014】
なお、スイッチは、様々な形態のものを用いることができる。例としては、電気的スイ
ッチや機械的なスイッチなどがある。つまり、電流の流れを制御できるものであればよく
、特定のものに限定されない。例えば、スイッチとして、トランジスタ(例えば、バイポ
ーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、
PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator
Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semicon
ductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)などを用いることが出
来る。または、これらを組み合わせた論理回路をスイッチとして用いることが出来る。
【0015】
機械的なスイッチの例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように
、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがあ
る。そのスイッチは、機械的に動かすことが出来る電極を有し、その電極が動くことによ
って、導通と非導通とを制御して動作する。
【0016】
スイッチとしてトランジスタを用いる場合、そのトランジスタは、単なるスイッチとし
て動作するため、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流
を抑えたい場合、オフ電流が少ない方の極性のトランジスタを用いることが望ましい。オ
フ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を有するトランジスタやマルチゲート
構造を有するトランジスタ等がある。または、スイッチとして動作させるトランジスタの
ソース端子の電位が、低電位側電源(Vss、GND、0Vなど)の電位に近い値で動作
する場合はNチャネル型トランジスタを用いることが望ましい。反対に、ソース端子の電
位が、高電位側電源(Vddなど)の電位に近い値で動作する場合はPチャネル型トラン
ジスタを用いることが望ましい。なぜなら、Nチャネル型トランジスタではソース端子が
低電位側電源の電位に近い値で動作するとき、Pチャネル型トランジスタではソース端子
が高電位側電源の電位に近い値で動作するとき、ゲートとソースの間の電圧の絶対値を大
きくできるため、スイッチとして、より正確な動作を行うことができるからである。さら
に、トランジスタがソースフォロワ動作をしてしまうことが少ないため、出力電圧の大き
さが小さくなってしまうことが少ないからである。
【0017】
なお、Nチャネル型トランジスタとPチャネル型トランジスタの両方を用いて、CMO
S型のスイッチをスイッチとして用いてもよい。CMOS型のスイッチにすると、Pチャ
ネル型トランジスタまたはNチャネル型トランジスタのどちらか一方のトランジスタが導
通すれば電流が流れるため、スイッチとして機能しやすくなる。例えば、スイッチへの入
力信号の電圧が高い場合でも、低い場合でも、適切に電圧を出力させることが出来る。さ
らに、スイッチをオンまたはオフさせるための信号の電圧振幅値を小さくすることが出来
るので、消費電力を小さくすることも出来る。
【0018】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、スイッチは、入力端子(ソース端子
またはドレイン端子の一方)と、出力端子(ソース端子またはドレイン端子の他方)と、
導通を制御する端子(ゲート端子)とを有している。一方、スイッチとしてダイオードを
用いる場合、スイッチは、導通を制御する端子を有していない場合がある。そのため、ト
ランジスタよりもダイオードをスイッチとして用いた方が、端子を制御するための配線を
少なくすることが出来る。
【0019】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接
続されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続さ
れている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回
路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係
、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続
関係以外のものも含むものとする。
【0020】
例えば、AとBとが電気的に接続されている場合として、AとBとの電気的な接続を可
能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダ
イオードなど)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。あるいは、AとBと
が機能的に接続されている場合として、AとBとの機能的な接続を可能とする回路(例え
ば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換
回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路
、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源
、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ
、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、
制御回路など)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。例えば、AとBとの
間に別の回路を挟んでいても、Aから出力された信号がBへ伝達される場合は、AとBと
は機能的に接続されているものとする。
【0021】
なお、AとBとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電
気的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟んで接続さ
れている場合)と、AとBとが機能的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別
の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、AとBとが直接接続されている場合(
つまり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むも
のとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続さ
れている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0022】
なお、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、発光素子を有する
装置である発光装置は、様々な形態を用いたり、様々な素子を有することが出来る。例え
ば、表示素子、表示装置、発光素子または発光装置としては、EL(エレクトロルミネッ
センス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LE
D(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応
じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グ
レーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタ
ルマイクロミラーデバイス(DMD)、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチュ
ーブ、など、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化す
る表示媒体を有することができる。なお、EL素子を用いた表示装置としてはELディス
プレイ、電子放出素子を用いた表示装置としてはフィールドエミッションディスプレイ(
FED)やSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface-conducti
on Electron-emitter Disply)など、液晶素子を用いた表示
装置としては液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、
反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)、電子イ
ンクや電気泳動素子を用いた表示装置としては電子ペーパーがある。
【0023】
なお、EL素子とは、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に挟まれたEL層とを有する
素子である。なお、EL層としては、1重項励起子からの発光(蛍光)を利用するもの、
3重項励起子からの発光(燐光)を利用するもの、1重項励起子からの発光(蛍光)を利
用するものと3重項励起子からの発光(燐光)を利用するものとを含むもの、有機物によ
って形成されたもの、無機物によって形成されたもの、有機物によって形成されたものと
無機物によって形成されたものとを含むもの、高分子の材料、低分子の材料、高分子の材
料と低分子の材料とを含むものなどを有することができる。ただし、これに限定されず、
EL素子として様々なものを有することができる。
【0024】
なお、電子放出素子とは、陰極に高電界を集中して電子を引き出す素子である。例えば
、電子放出素子として、スピント型、カーボンナノチューブ(CNT)型、金属―絶縁体
―金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型、金属―絶
縁体―半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semicondu
ctor)型、MOS型、シリコン型、薄膜ダイオード型、ダイヤモンド型、金属―絶縁
体―半導体-金属型等の薄膜型、HEED型、EL型、ポーラスシリコン型、表面伝導(
SCE)型などを有することができる。ただし、これに限定されず、電子放出素子として
様々なものを有することができる。
【0025】
なお、液晶素子とは、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する
素子であり、一対の電極、及び液晶により構成される。なお、液晶の光学的変調作用は、
液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制
御される。なお、液晶素子としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチッ
ク液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶
、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶
、側鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶などを挙げるこ
とができる。また、液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)
モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In
-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Sw
itching)モード、MVA(Multi-domain Vertical Al
ignment)モード、PVA(Patterned Vertical Align
ment)モード、ASV(Advanced Super View)モード、ASM
(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モー
ド、OCB(Optically Compensated Birefringenc
e)モード、ECB(Electrically Controlled Birefr
ingence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Cry
stal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid C
rystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid
Crystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モ
ードなどを用いることができる。ただし、これに限定されず、液晶素子及びその駆動方式
として様々なものを用いることができる。
【0026】
なお、電子ペーパーとしては、分子により表示されるもの(光学異方性、染料分子配向な
ど)、粒子により表示されるもの(電気泳動、粒子移動、粒子回転、相変化など)、フィ
ルムの一端が移動することにより表示されるもの、分子の発色/相変化により表示される
もの、分子の光吸収により表示されるもの、電子とホールが結合して自発光により表示さ
れるものなどのことをいう。例えば、電子ペーパーの表示方式として、マイクロカプセル
型電気泳動、水平移動型電気泳動、垂直移動型電気泳動、球状ツイストボール、磁気ツイ
ストボール、円柱ツイストボール方式、帯電トナー、電子粉流体、磁気泳動型、磁気感熱
式、エレクトロウェッテイング、光散乱(透明/白濁変化)、コレステリック液晶/光導
電層、コレステリック液晶、双安定性ネマチック液晶、強誘電性液晶、2色性色素・液晶
分散型、可動フィルム、ロイコ染料による発消色、フォトクロミック、エレクトロクロミ
ック、エレクトロデポジション、フレキシブル有機ELなどを用いることができる。ただ
し、これに限定されず、電子ペーパー及びその表示方式として様々なものを用いることが
できる。ここで、マイクロカプセル型電気泳動を用いることによって、電気泳動方式の欠
点である泳動粒子の凝集、沈殿を解決することができる。電子粉流体は、高速応答性、高
反射率、広視野角、低消費電力、メモリ性などのメリットを有する。
【0027】
なお、プラズマディスプレイパネルは、電極を表面に形成した基板と、電極及び微小な
溝を表面に形成し且つ溝内に蛍光体層を形成した基板とを狭い間隔で対向させて、希ガス
を封入した構造を有する。あるいは、プラズマディスプレイパネルは、プラズマチューブ
を上下からフィルム状の電極で挟み込んだ構造とすることも可能である。プラズマチュー
ブとは、ガラスチューブ内に、放電ガス、RGBそれぞれの蛍光体などを封止したもので
ある。なお、電極間に電圧をかけることによって紫外線を発生させ、蛍光体を光らせるこ
とで、表示を行うことができる。なお、プラズマディスプレイパネルとしては、DC型P
DP、AC型PDPでもよい。ここで、プラズマディスプレイパネルの駆動方式としては
、AWS(Address While Sustain)駆動、サブフレームをリセッ
ト期間、アドレス期間、維持期間に分割するADS(Address Display
Separated)駆動、CLEAR(HI‐CONTRAST&LOW ENERG
Y ADDRESS&REDUCTION OF FALSE CONTOUR SEQ
UENCE)駆動、ALIS(Alternate Lighting of Surf
aces)方式、TERES(Technology of Reciprocal S
ustainer)駆動などを用いることができる。ただし、これに限定されず、プラズ
マディスプレイパネルの駆動方式として様々なものを用いることができる。
【0028】
なお、光源を必要とする表示装置、例えば、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレ
イ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投
射型液晶ディスプレイ)、グレーティングライトバルブ(GLV)を用いた表示装置、デ
ジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた表示装置などの光源としては、エレク
トロルミネッセンス、冷陰極管、熱陰極管、LED、レーザー光源、水銀ランプなどを用
いることができる。ただし、これに限定されず、光源として様々なものを用いることがで
きる。
【0029】
なお、トランジスタとして、様々な形態のトランジスタを用いることが出来る。よって
、用いるトランジスタの種類に限定はない。例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、
微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンな
どに代表される非単結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)などを用いること
が出来る。TFTを用いる場合、様々なメリットがある。例えば、単結晶シリコンの場合
よりも低い温度で製造できるため、製造コストの削減、又は製造装置の大型化を図ること
ができる。製造装置を大きくできるため、大型基板上に製造できる。そのため、同時に多
くの個数の表示装置を製造できるため、低コストで製造できる。さらに、製造温度が低い
ため、耐熱性の弱い基板を用いることができる。そのため、透光性を有する基板上にトラ
ンジスタを製造できる。そして、透光性を有する基板上のトランジスタを用いて表示素子
での光の透過を制御することが出来る。あるいは、トランジスタの膜厚が薄いため、トラ
ンジスタを構成する膜の一部は、光を透過させることが出来る。そのため、開口率が向上
させることができる。
【0030】
なお、多結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、
結晶性をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。そ
の結果、ゲートドライバ回路(走査線駆動回路)やソースドライバ回路(信号線駆動回路
)、信号処理回路(信号生成回路、ガンマ補正回路、DA変換回路など)を基板上に一体
形成することが出来る。
【0031】
なお、微結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、
結晶性をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。こ
のとき、レーザー照射を行うことなく、熱処理を加えるだけで、結晶性を向上させること
も可能である。その結果、ソースドライバ回路の一部(アナログスイッチなど)およびゲ
ートドライバ回路(走査線駆動回路)を基板上に一体形成することが出来る。さらに、結
晶化のためにレーザー照射を行わない場合は、シリコンの結晶性のムラを抑えることがで
きる。そのため、画質の向上した画像を表示することが出来る。
【0032】
ただし、触媒(ニッケルなど)を用いずに、多結晶シリコンや微結晶シリコンを製造す
ることは可能である。
【0033】
なお、シリコンの結晶性を、多結晶または微結晶などへと向上させることは、パネル全
体で行うことが望ましいが、それに限定されない。パネルの一部の領域のみにおいて、シ
リコンの結晶性を向上させてもよい。選択的に結晶性を向上させることは、レーザー光を
選択的に照射することなどにより可能である。例えば、画素以外の領域である周辺回路領
域にのみ、レーザー光を照射してもよい。または、ゲートドライバ回路、ソースドライバ
回路等の領域にのみ、レーザー光を照射してもよい。あるいは、ソースドライバ回路の一
部(例えば、アナログスイッチ)の領域にのみ、レーザー光を照射してもよい。その結果
、回路を高速に動作させる必要がある領域にのみ、シリコンの結晶化を向上させることが
できる。画素領域は、高速に動作させる必要性が低いため、結晶性が向上されなくても、
問題なく画素回路を動作させることが出来る。結晶性を向上させる領域が少なくて済むた
め、製造工程も短くすることが出来、スループットが向上し、製造コストを低減させるこ
とが出来る。必要とされる製造装置の数も少ない数で製造できるため、製造コストを低減
させることが出来る。
【0034】
または、半導体基板やSOI基板などを用いてトランジスタを形成することが出来る。
これらにより、特性やサイズや形状などのバラツキが少なく、電流供給能力が高く、サイ
ズの小さいトランジスタを製造することができる。これらのトランジスタを用いると、回
路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
【0035】
または、ZnO、a-InGaZnO、SiGe、GaAs、インジウム亜鉛酸化物(
IZO)、インジウム錫酸化物(ITO)、SnO、TiO、AlZnSnO(AZTO
)などの化合物半導体または酸化物半導体を有するトランジスタや、さらに、これらの化
合物半導体または酸化物半導体を薄膜化した薄膜トランジスタなどを用いることが出来る
。これらにより、製造温度を低くでき、例えば、室温でトランジスタを製造することが可
能となる。その結果、耐熱性の低い基板、例えばプラスチック基板やフィルム基板に直接
トランジスタを形成することが出来る。なお、これらの化合物半導体または酸化物半導体
を、トランジスタのチャネル部分に用いるだけでなく、それ以外の用途で用いることも出
来る。例えば、これらの化合物半導体または酸化物半導体を抵抗素子、画素電極、透光性
を有する電極として用いることができる。さらに、それらをトランジスタと同時に成膜又
は形成できるため、コストを低減できる。
【0036】
または、インクジェットや印刷法を用いて形成したトランジスタなどを用いることが出
来る。これらにより、室温で製造、低真空度で製造、又は大型基板上に製造することがで
きる。マスク(レチクル)を用いなくても製造することが可能となるため、トランジスタ
のレイアウトを容易に変更することが出来る。さらに、レジストを用いる必要がないので
、材料費が安くなり、工程数を削減できる。さらに、必要な部分にのみ膜を付けるため、
全面に成膜した後でエッチングする、という製法よりも、材料が無駄にならず、低コスト
にできる。
【0037】
または、有機半導体やカーボンナノチューブを有するトランジスタ等を用いることがで
きる。これらにより、曲げることが可能な基板上にトランジスタを形成することが出来る
。このような基板を用いた半導体装置は、衝撃に強くすることができる。
【0038】
さらに、様々な構造のトランジスタを用いることができる。例えば、MOS型トランジ
スタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタなどをトランジスタとして用いるこ
とが出来る。MOS型トランジスタを用いることにより、トランジスタのサイズを小さく
することが出来る。よって、多数のトランジスタを搭載することができる。バイポーラト
ランジスタを用いることにより、大きな電流を流すことが出来る。よって、高速に回路を
動作させることができる。
【0039】
なお、MOS型トランジスタ、バイポーラトランジスタなどを1つの基板に混在させて
形成してもよい。これにより、低消費電力、小型化、高速動作などを実現することが出来
る。
【0040】
その他、様々なトランジスタを用いることができる。
【0041】
なお、トランジスタは、様々な基板を用いて形成することが出来る。基板の種類は、特
定のものに限定されることはない。その基板としては、例えば、単結晶基板(例えばシリ
コン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステン
レス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タン
グステン・ホイルを有する基板、可撓性基板などを用いることが出来る。ガラス基板の一
例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどがある。可撓性
基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアク
リル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。他にも、貼り合わせフィルム(ポリプロピ
レン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなど)、繊維状な材料を含
む紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、紙類
等)などがある。または、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板に
トランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転
置される基板としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック
基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)
、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、
キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレ
ス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることができる。
あるいは、人などの動物の皮膚(表皮、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。
または、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その基板を研磨して薄くしてもよい。
研磨される基板としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチッ
ク基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用い
ることができる。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消
費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又
は薄型化を図ることができる。
【0042】
なお、トランジスタの構成は、様々な形態をとることができ、特定の構成に限定されな
い。例えば、ゲート電極が2個以上のマルチゲート構造を適用することができる。マルチ
ゲート構造にすると、チャネル領域が直列に接続されるため、複数のトランジスタが直列
に接続された構成となる。マルチゲート構造により、オフ電流の低減、トランジスタの耐
圧向上(信頼性の向上)を図ることができる。あるいは、マルチゲート構造により、飽和
領域で動作する時に、ドレイン・ソース間電圧が変化しても、ドレイン・ソース間電流が
あまり変化せず、電圧・電流特性の傾きをフラットにすることができる。電圧・電流特性
の傾きがフラットである特性を利用すると、理想的な電流源回路や、非常に高い抵抗値を
もつ能動負荷を実現することが出来る。その結果、特性のよい差動回路やカレントミラー
回路を実現することが出来る。
【0043】
別の例として、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造を適用することができ
る。チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造にすることにより、チャネル領域
が増えるため、電流値の増加を図ることができる。または、チャネルの上下にゲート電極
が配置されている構造にすることにより、空乏層ができやすくなるため、S値の改善を図
ることができる。なお、チャネルの上下にゲート電極が配置される構成にすることにより
、複数のトランジスタが並列に接続されたような構成となる。
【0044】
チャネル領域の上にゲート電極が配置されている構造、チャネル領域の下にゲート電極
が配置されている構造、正スタガ構造、逆スタガ構造、チャネル領域を複数の領域に分け
た構造、チャネル領域を並列に接続した構造、またはチャネル領域が直列に接続する構成
も適用できる。さらに、チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極
が重なっている構造も適用できる。チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やド
レイン電極が重なる構造にすることによって、チャネル領域の一部に電荷が溜まることに
より動作が不安定になることを防ぐことができる。あるいは、LDD領域を設けた構造を
適用できる。LDD領域を設けることにより、オフ電流の低減、又はトランジスタの耐圧
向上(信頼性の向上)を図ることができる。あるいは、LDD領域を設けることにより、
飽和領域で動作する時に、ドレイン・ソース間電圧が変化しても、ドレイン・ソース間電
流があまり変化せず、電圧・電流図の傾きをフラットにすることができる。
【0045】
なお、トランジスタは、様々なタイプを用いることができ、様々な基板を用いて形成さ
せることができる。したがって、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てが、同
一の基板に形成することも可能である。例えば、所定の機能を実現させるために必要な回
路の全てが、ガラス基板、プラスチック基板、単結晶基板、またはSOI基板などの様々
な基板を用いて形成することも可能である。所定の機能を実現させるために必要な回路の
全てが同じ基板を用いて形成されていることにより、部品点数の削減によるコストの低減
、又は回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。あるいは、
所定の機能を実現させるために必要な回路の一部が、ある基板に形成され、所定の機能を
実現させるために必要な回路の別の一部が、別の基板に形成されていることも可能である
。つまり、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てが同じ基板を用いて形成され
ていなくてもよい。例えば、所定の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ガラス
基板上にトランジスタにより形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の
一部は、単結晶基板に形成され、単結晶基板を用いて形成されたトランジスタで構成され
たICチップをCOG(Chip On Glass)でガラス基板に接続して、ガラス
基板上にそのICチップを配置することも可能である。あるいは、そのICチップをTA
B(Tape Automated Bonding)やプリント基板を用いてガラス基
板と接続することも可能である。このように、回路の一部が同じ基板に形成されているこ
とにより、部品点数の削減によるコストの低減、又は回路部品との接続点数の低減による
信頼性の向上を図ることができる。あるいは、駆動電圧が高い部分及び駆動周波数が高い
部分の回路は、消費電力が大きくなってしまうので、そのような部分の回路は同じ基板に
形成せず、そのかわりに、例えば、単結晶基板にその部分の回路を形成して、その回路で
構成されたICチップを用いるようにすれば、消費電力の増加を防ぐことができる。
【0046】
なお、一画素とは画像の最小単位を示すものとする。よって、R(赤)G(緑)B(青
)の色要素からなるフルカラー表示装置の場合には、一画素とはRの色要素のドットとG
の色要素のドットとBの色要素のドットとから構成されるものとする。なお、色要素は、
三色に限定されず、三色以上を用いても良いし、RGB以外の色を用いても良い。例えば
、白色を加えて、RGBW(Wは白)としてもよい。または、RGBに、例えば、イエロ
ー、シアン、マゼンタ、エメラルドグリーン、朱色などを一色以上追加してもよい。また
は、例えば、RGBの中の少なくとも一色に類似した色を、RGBに追加してもよい。例
えば、R、G、B1、B2としてもよい。B1とB2とは、どちらも青色であるが、少し
波長が異なっている。同様に、R1、R2、G、Bとしてもよい。このような色要素を用
いることにより、より実物に近い表示を行うことができる。あるいは、このような色要素
を用いることにより、消費電力を低減することが出来る。なお、一画素に、同じ色の色要
素のドットが複数個あってもよい。そのとき、その複数の色要素は、各々、表示に寄与す
る領域の大きさが異なっていても良い。あるいは、複数個ある、同じ色の色要素のドット
を各々制御することによって、階調を表現してもよい。これを、面積階調方式と呼ぶ。あ
るいは、複数個ある、同じ色の色要素のドットを用いて、各々のドットに供給する信号を
僅かに異ならせるようにして、視野角を広げるようにしてもよい。つまり、複数個ある、
同じ色の色要素が各々有する画素電極の電位が、各々異なっていてもよい。その結果、液
晶分子に加わる電圧が各画素電極によって各々異なる。よって、視野角を広くすることが
出来る。
【0047】
なお、回路図を示す場合などにおいて、一画素は、明るさを制御できる要素一つ分を示
すものとする場合もある。よって、その場合は、一画素とは、一つの色要素を示すものと
し、その色要素一つで明るさを表現する。従って、そのときは、R(赤)G(緑)B(青
)の色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素
とBの画素との三画素から構成されるものとする場合もある。
【0048】
なお、画素は、マトリクス状に配置(配列)されている場合がある。ここで、画素がマ
トリクスに配置(配列)されているとは、縦方向もしくは横方向において、画素が直線上
に並んで配置されている場合、又はギザギザな線上に配置されている場合を含む。よって
、例えば三色の色要素(例えばRGB)でフルカラー表示を行う場合に、ストライプ配置
されている場合、又は三つの色要素のドットがデルタ配置されている場合も含む。さらに
、ベイヤー配置されている場合も含む。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさ
が異なっていてもよい。これにより、低消費電力化、又は表示素子の長寿命化を図ること
ができる。
【0049】
なお、画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方式、または、画素に能動素子を
有しないパッシブマトリクス方式を用いることが出来る。
【0050】
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、ト
ランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いるこ
とが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)やTFD
(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子は、
製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。さ
らに、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝
度化をはかることが出来る。
【0051】
なお、アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線
形素子)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクテ
ィブ素子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少なく、製造コストの低減、又は歩
留まりの向上を図ることができる。能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いない
ため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
【0052】
なお、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端
子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ド
レイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことが出来る。ここで、ソ
ースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソ
ースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレイン
として機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例
としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを
第1電極、第2電極と表記する場合がある。あるいは、第1領域、第2領域と表記する場
合がある。
【0053】
なお、トランジスタは、ベースとエミッタとコレクタとを含む少なくとも三つの端子を
有する素子であってもよい。この場合も同様に、エミッタとコレクタとを、第1端子、第
2端子などと表記する場合がある。
【0054】
なお、半導体装置とは半導体素子(トランジスタ、ダイオード、サイリスタなど)を含
む回路を有する装置のことをいう。さらに、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を半導体装置と呼んでもよい。または、半導体材料を有する装置のことを半導体装置
と言う。
【0055】
なお、表示装置とは、表示素子を有する装置のことを言う。なお、表示装置は、表示素
子を含む複数の画素を含んでいても良い。なお、表示装置は、複数の画素を駆動させる周
辺駆動回路を含んでいても良い。なお、複数の画素を駆動させる周辺駆動回路は、複数の
画素と同一基板上に形成されてもよい。なお、表示装置は、ワイヤボンディングやバンプ
などによって基板上に配置された周辺駆動回路、いわゆる、チップオングラス(COG)
で接続されたICチップ、または、TABなどで接続されたICチップを含んでいても良
い。なお、表示装置は、ICチップ、抵抗素子、容量素子、インダクタ、トランジスタな
どが取り付けられたフレキシブルプリントサーキット(FPC)を含んでもよい。なお、
表示装置は、フレキシブルプリントサーキット(FPC)などを介して接続され、ICチ
ップ、抵抗素子、容量素子、インダクタ、トランジスタなどが取り付けられたプリント配
線基板(PWB)を含んでいても良い。なお、表示装置は、偏光板または位相差板などの
光学シートを含んでいても良い。なお、表示装置は、照明装置、筐体、音声入出力装置、
光センサなどを含んでいても良い。
【0056】
なお、照明装置は、バックライトユニット、導光板、プリズムシート、拡散シート、反
射シート、光源(LED、冷陰極管など)、冷却装置(水冷式、空冷式)などを有してい
ても良い。
【0057】
なお、発光装置とは、発光素子などを有している装置のことをいう。表示素子として発
光素子を有している場合は、発光装置は、表示装置の具体例の一つである。
【0058】
なお、反射装置とは、光反射素子、光回折素子、光反射電極などを有している装置のこ
とをいう。
【0059】
なお、液晶表示装置とは、液晶素子を有している表示装置をいう。液晶表示装置には、
直視型、投写型、透過型、反射型、半透過型などがある。
【0060】
なお、駆動装置とは、半導体素子、電気回路、電子回路を有する装置のことを言う。例
えば、ソース信号線から画素内への信号の入力を制御するトランジスタ(選択用トランジ
スタ、スイッチング用トランジスタなどと呼ぶことがある)、画素電極に電圧または電流
を供給するトランジスタ、発光素子に電圧または電流を供給するトランジスタなどは、駆
動装置の一例である。さらに、ゲート信号線に信号を供給する回路(ゲートドライバ、ゲ
ート線駆動回路などと呼ぶことがある)、ソース信号線に信号を供給する回路(ソースド
ライバ、ソース線駆動回路などと呼ぶことがある)などは、駆動装置の一例である。
【0061】
なお、表示装置、半導体装置、照明装置、冷却装置、発光装置、反射装置、駆動装置な
どは、互いに重複して有している場合がある。例えば、表示装置が、半導体装置および発
光装置を有している場合がある。あるいは、半導体装置が、表示装置および駆動装置を有
している場合がある。
【0062】
なお、Aの上にBが形成されている、あるいは、A上にBが形成されている、と明示的
に記載する場合は、Aの上にBが直接接して形成されていることに限定されない。直接接
してはいない場合、つまり、AとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。
ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層
、など)であるとする。
【0063】
従って例えば、層Aの上に(もしくは層A上に)、層Bが形成されている、と明示的に
記載されている場合は、層Aの上に直接接して層Bが形成されている場合と、層Aの上に
直接接して別の層(例えば層Cや層Dなど)が形成されていて、その上に直接接して層B
が形成されている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Cや層Dなど)は、
単層でもよいし、複層でもよい。
【0064】
さらに、Aの上方にBが形成されている、と明示的に記載されている場合についても同
様であり、Aの上にBが直接接していることに限定されず、AとBとの間に別の対象物が
介在する場合も含むものとする。従って例えば、層Aの上方に、層Bが形成されている、
という場合は、層Aの上に直接接して層Bが形成されている場合と、層Aの上に直接接し
て別の層(例えば層Cや層Dなど)が形成されていて、その上に直接接して層Bが形成さ
れている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Cや層Dなど)は、単層でも
よいし、複層でもよい。
【0065】
なお、Aの上にBが形成されている、A上にBが形成されている、又はAの上方にBが形
成されている、と明示的に記載する場合、斜め上にBが形成される場合も含むこととする
。
【0066】
なお、Aの下にBが、あるいは、Aの下方にBが、の場合についても、同様である。
【0067】
なお、明示的に単数として記載されているものについては、単数であることが望ましい
。ただし、これに限定されず、複数であることも可能である。同様に、明示的に複数とし
て記載されているものについては、複数であることが望ましい。ただし、これに限定され
ず、単数であることも可能である。
【0068】
なお、図において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合
がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0069】
なお、図は、理想的な例を模式的に示したものであり、図に示す形状又は値などに限定さ
れない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつき、ノイズに
よる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、
若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0070】
なお、専門用語は、特定の実施の形態、又は実施例などを述べる目的で用いられる場合が
多い。ただし、本発明の一態様は、専門用語によって、限定して解釈されるものではない
。
【0071】
なお、定義されていない文言(専門用語又は学術用語などの科学技術文言を含む)は、通
常の当業者が理解する一般的な意味と同等の意味として用いることが可能である。辞書等
により定義されている文言は、関連技術の背景と矛盾がないような意味に解釈されること
が好ましい。
【0072】
なお、第1、第2、第3などの語句は、様々な要素、部材、領域、層、区域を他のものと
区別して記述するために用いられる。よって、第1、第2、第3などの語句は、要素、部
材、領域、層、区域などの数を限定するものではない。さらに、例えば、「第1の」を「
第2の」又は「第3の」などと置き換えることが可能である。
【0073】
なお、「上に」、「上方に」、「下に」、「下方に」、「横に」、「右に」、「左に」、
「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外に」、又は「中に」などの空間的配
置を示す語句は、ある要素又は特徴と、他の要素又は特徴との関連を、図によって簡単に
示すために用いられる場合が多い。ただし、これに限定されず、これらの空間的配置を示
す語句は、図に描く方向に加えて、他の方向を含むことが可能である。例えば、Aの上に
B、と明示的に示される場合は、BがAの上にあることに限定されない。図中のデバイス
は反転、又は180°回転することが可能なので、BがAの下にあることを含むことが可
能である。このように、「上に」という語句は、「上に」の方向に加え、「下に」の方向
を含むことが可能である。ただし、これに限定されず、図中のデバイスは様々な方向に回
転することが可能なので、「上に」という語句は、「上に」、及び「下に」の方向に加え
、「横に」、「右に」、「左に」、「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外
に」、又は「中に」などの他の方向を含むことが可能である。つまり、状況に応じて適切
に解釈することが可能である。
【発明の効果】
【0074】
画質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】(A)~(C)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図2】(A)~(C)実施の形態の一例に係る表示画面を説明する図。
【
図3】(A)~(D)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図4】(A)~(C)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図5】(A)~(C)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図6】(A)~(C)実施の形態の一例に係る回路を説明する図。
【
図7】(A)~(E)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図8】(A)~(E)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図9】(A)、(B)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図10】(A)、(B)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図11】(A)、(B)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図12】(A)、(B)実施の形態の一例に係るフローを説明する図。
【
図13】実施の形態の一例に係る装置を説明する(A)上面図、および(B)断面図。
【
図14】実施の形態の一例に係る装置を説明する(A)、(C)上面図、および(B)、(D)断面図。
【
図15】実施の形態の一例に係る表示素子の(A)、(C)、(E)電圧を説明する図、(B)、(D)、(F)透過率を説明する図。
【
図16】(A)~(C)実施の形態の一例に係る表示画面を説明する図。
【
図17】(A)~(G)実施の形態の一例に係る回路を説明する図。
【
図18】(A)~(H)実施の形態の一例に係る回路を説明する図。
【
図19】(A)、(B)実施の形態の一例に係る表示装置の構成を説明する図。
【
図20】(A)~(E)実施の形態の一例に係る表示装置の構成を説明する図。
【
図21】(A)~(C)実施の形態の一例に係るトランジスタの構成を説明する断面図。
【
図22】(A)~(H)実施の形態の一例に係る電子機器を説明する図。
【
図23】(A)~(H)実施の形態の一例に係る電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異な
る態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一
部分又は同様な機能を有する部分は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又
は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0077】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形
態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施
の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換え
などを行うことが出来る。
【0078】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて
述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0079】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、
その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数
の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより
、さらに多くの図を構成させることが出来る。
【0080】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出
して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図また
は文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一
態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものと
する。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子
(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、
基板、モジュール、装置、固体、液体、気体、動作方法、製造方法などが単数又は複数記
載された図面(断面図、平面図、回路図、ブロック図、フローチャート、工程図、斜視図
、立面図、配置図、タイミングチャート、構造図、模式図、グラフ、表、光路図、ベクト
ル図、状態図、波形図、写真、化学式など)または文章において、その一部分を取り出し
て、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。一例としては、N個(Nは整
数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(M
は整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態
様を構成することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成
される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成
することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成される
フローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を
構成することは可能である。
【0081】
(実施の形態1)
超解像処理とは、解像度の低い画像を元にして、解像度の高い画像を生成する処理のこと
である。または、超解像処理とは、撮影時または信号転送時などにおいて、失われてしま
った情報を復元する処理のことである。したがって、解像度が低いために、細かい部分が
潰れて、平均化された画像に、超解像処理を行うことにより、細かい部分まで、正確に認
識できるような画像を生成することが出来る。そのため、そのような解像度の高い画像を
表示した場合、高画質な画像を表示させることが出来る。例えば、小さい石が多数配置さ
れているような公園、または、細かな葉が多数配置されている樹木などの画像において、
小さい石の一つ一つや、細かな葉の一つ一つが、超解像処理を行うことによって、正確に
識別して見ることが出来る。同様に、ぼやけて読めなかった字が、超解像処理を行うこと
によって、細かい部分が認識できるようになるため、正確に読めるようにすることが出来
る。つまり、まるで視力が向上したように見ることが可能となる。例えば、超解像処理は
、1440×1080の解像度(画素数)の画像から、画像情報を復元することによって
、1920×1080の解像度(画素数)の画像を作り出すものである。つまり、画像の
情報量を元の画像から増加させつつ解像度変換を行うのが超解像処理技術である、と言う
ことが可能である。または、超解像処理とは、画像に含まれる情報のうち、入力画像の標
本化周波数で決定されるナイキスト周波数よりも高い周波数成分を復元する技術である、
と言うことも可能である。
【0082】
一方、液晶表示装置などのようなホールド型のディスプレイでは、動きの速い映像を表示
する場合、動画ぼけが生じて、残像が見えてしまう場合がある。例えば、テロップで文字
を上下または左右に動かしながら表示する場合、文字がぼやけて、正確に識別できない場
合がある。
【0083】
そのため、フレーム補間処理を行うことにより、フレーム周波数を向上させて、動画の解
像度を向上させることが出来る。フレーム補間処理とは、残像などを減らすために、フレ
ーム周波数を上げて表示するときに、フレームのデータを補間して作成する処理のことで
ある。例えば、
図2(A)に示すように、1フレーム目の画像では、円が左端に表示され
ており、2フレーム目の画像では、円が左から右に動いたため、円が右端に表示されてい
るとする。このときに、円が中央に表示されているデータを作成する。このようにデータ
を作成する処理が、フレーム補間処理である。そして、フレーム補間処理によって、補間
したフレーム数分だけ、表示におけるフレーム周波数も高くすることが可能である。この
ようにフレーム補間処理を行って、フレーム周波数を高くして表示を行うことにより、円
が左から右へと移動していくなめらかな画像を正確に表示することが出来、残像を低減す
ることができるようになる。従って、動画をぼやけずに表示させることが出来るので、動
画解像度を向上させることが出来る。なお、本明細書において、動画解像度とは、動画を
表示した時の見た目での解像度のことであり、動画を表示した時に人が感じる解像度のこ
とである。例えば、楔形の図形を画面にスクロールさせ、間隔を識別できる限界の解像度
のことである。
【0084】
このように、フレーム補間処理を行い、その分だけフレーム周波数を高くして行う駆動の
ことを、倍速駆動と呼ぶ。例えば、フレーム周波数が2倍のときには、2倍速駆動とよび
、フレーム周波数が4倍のときには、4倍速駆動と呼ぶ。2倍速駆動の場合は、フレーム
補間処理によって、元のフレーム数と同じだけのフレームの画像を作成する。その結果、
データ量が合計で2倍になるため、フレーム周波数を2倍にして表示することが出来る。
同様に、4倍速駆動の場合は、フレーム補間処理によって、元のフレーム数の3倍のフレ
ームの画像を作成する。その結果、データ量が合計で4倍になるため、フレーム周波数を
4倍にして表示することが出来る。このような倍速駆動を行うことにより、動画特性を良
くすることができ、残像を低減させることが出来る。適用する表示装置としては、ホール
ド型の表示装置であることが望ましく、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレ
イなどに適用することが好適である。ホールド型の表示装置は、残像が見えやすいため、
倍速駆動を用いることにより、残像を低減することが可能となる。
【0085】
そこで、フレーム補間処理と超解像処理とを両方行うことにより、静止画での解像度と動
画解像度を向上させることが出来る。仮に、超解像処理のみ行い、フレーム補間処理を行
わず、倍速駆動を行わない場合は、せっかく、超解像処理によって解像度を上げたにもか
かわらず、残像などによって、画像がぼやけてしまうため、解像度を高くしたことが視認
しづらくなってしまう。つまり、超解像処理を行ったことの効果が半減してしまう。ある
いは、フレーム補間処理のみを行って、倍速駆動を行い、超解像処理を行わない場合には
、せっかく、動画でも正しく視認することができるようになっているにも関わらず、表示
される画像自体の解像度が低いため、高画質な映像を表示させることが出来なくなってし
まう。以上のことから、静止画であっても、動画であっても、解像度の高い画像を正確に
表示するためには、フレーム補間処理と超解像処理とを両方行うことが重要であると言う
ことが出来る。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0086】
そこで、
図1に、フレーム補間処理を行った後で、超解像処理を行う場合の処理フローの
一例を示す。
【0087】
図1(A)では、画像ソースから得た画像信号を用いて、フレーム補間処理を行った後で
、超解像処理を行い、解像度を上げた場合の処理フローを示す。超解像処理が行われた後
は、さらに様々な処理が行われ、その後、画像が表示されることが可能である。
【0088】
なお、画像ソースは、放送局から送られてくるTV放送の信号、及び/又は、その信号か
ら生成された画像を含んでいる。または、画像ソースは、DVD(ブルーレイ用などを含
む)やCDなどの光記憶媒体(磁気記憶媒体または光磁気記憶媒体を含む)、ストリーミ
ング、インターネットなどから得られる信号、及び/又は、その信号から生成された画像
を含んでいる。または、画像ソースは、携帯電話、コンピュータ、CPU、グラフィック
用マイコン、コントローラ、電子機器などから得られる信号、及び/又は、その信号から
生成された画像を含んでいる。その他にも、画像ソースは、表示を行うための元となる信
号、及び/又は、その信号から生成された画像を含んでいる。
【0089】
なお、画像は、静止画像、及び/又は、動画画像、及び/又は、映像を含んでいる。
【0090】
なお、画像ソースは、インターレース(飛び越し走査)の画像、または、プログレッシブ
(ノンインターレース、非飛び越し走査)の画像であることが可能である。または、画像
ソースは、インターレースの画像をプログレッシブの画像に変換する処理であるIP変換
(インターレース・プログレッシブ変換)が、既に行われた画像であることが可能である
。または、フレーム補間処理の前後、または超解像処理を行う前に、IP変換を行うこと
が可能である。
図3(A)に、プログレッシブの画像を用いて、超解像処理を行う場合の
処理フローの一部を示す。
図3(B)に、インターレースの画像をIP変換した後に、フ
レーム補間処理を行う場合の処理フローの一部を示す。
図3(C)に、インターレースの
画像をIP変換した後に、フレーム補間処理を行い、その後で、超解像処理を行う場合の
処理フローの一部を示す。
図3(D)に、インターレースの画像をIP変換した後に、超
解像処理を行う場合の処理フローの一部を示す。
【0091】
通常、超解像処理は、1枚の画像(または、その一部)、または、複数枚(または、その
一部)の画像を用いて、行われる。そして、超解像処理は、それらの画像を用いて、新た
な情報を作り出すことによって、解像度の高い画像を作り出している。そのため、正確に
超解像処理を行うためには、インターレースのように、画像の情報の一部が欠けているこ
とは望ましくない。したがって、超解像処理が行われる画像は、プログレッシブ(ノンイ
ンターレース、非飛び越し走査)の画像であることが望ましい。よって、インターレース
の画像の場合は、超解像処理を行う前に、IP変換が行われており、プログレッシブの画
像を用いて、超解像処理を行うことが望ましい。ただし、実施の形態の一例は、これらに
限定されない。
【0092】
なお、IP変換は、超解像処理の前または後で行うことが出来る。及び/又は、IP変換
は、フレーム補間処理の前または後で行うことが出来る。及び/又は、IP変換は、ある
別の処理の前または後で行うことが出来る。
【0093】
なお、
図4(A)などに示すように、超解像処理を行う前の画像の解像度(画素数)より
も、超解像処理を行った後の画像の解像度(画素数)のほうが、高いことが望ましいが、
実施の形態の一例は、これに限定されない。例えば、超解像処理を行う前に、拡大処理な
どにより、解像度(または画素数)が既に高くなっているとする。その場合は、すでに解
像度が高くなっているため、超解像処理の前後では、解像度自体は変化しない。しかし、
超解像処理を行う前の拡大処理では、欠落した画像情報が復元されたわけではない。つま
り、単に拡大されただけなので、表示自体が高画質になっているわけではない。例えば、
小さい石が多数配置されているような公園、または、細かな葉が多数配置されている樹木
などの画像において、小さい石の一つ一つや、細かな葉の一つ一つが、拡大処理によって
、正確に表示されるわけではなく、ぼやけた状態のまま、単に拡大して表示されるような
状態となる。よって、超解像処理を行うことにより、画像の解像度(画素数)は変わらな
いが、欠落した画像情報が復元されて、細かな部分まで識別出来る高画質な画像となる、
ということも可能である。つまり、
図4(B)に示すように、1440×1080の画像
を、1920×1080の画像に拡大処理し、1920×1080の画像を、1920×
1080の画像に超解像処理をすることも可能である。このとき、1440×1080の
画像を、1920×1080の画像に拡大処理する場合、復元された情報はない。しかし
、超解像処理を行った後は、情報が復元されているため、細かい部分も正確に識別して見
ることが出来るような画像にすることが出来る。
【0094】
なお、このようなことは、画面の全体で生じる場合が多いが、実施の形態の一例は、これ
らに限定されない。画面の一部で生じることも可能である。
【0095】
なお、拡大処理により、解像度を高くし、その後、超解像処理によって、さらに解像度を
高くすることも可能である。例えば、800×600の画像を、1440×1080の画
像に拡大処理し、その1440×1080の画像を、1920×1080の画像に超解像
処理をすることも可能である。ただし、拡大処理により、解像度を高くした場合は、情報
の復元は行われていない。そして、超解像処理によって、解像度を高くした場合は、情報
の復元が行われている。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0096】
または、超解像処理によって、解像度を高くして、その後、拡大処理により、解像度を高
くすることも可能である。例えば、800×600の画像を、1440×1080の画像
に超解像処理し、その1440×1080の画像を、1920×1080の画像に拡大処
理をすることも可能である。ただし、拡大処理により、解像度を高くした場合は、情報の
復元は行われていない。そして、超解像処理によって、解像度を高くした場合は、情報の
復元が行われている。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0097】
なお、拡大処理は、超解像処理の前または後で行うことが可能である。または、拡大処理
は、フレーム補間処理の前または後で行うことが可能である。または、拡大処理は、ある
処理の前または後で行うことが可能である。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定
されない。
【0098】
このように、拡大処理および超解像処理を両方行うことが可能である。例えば、縦方向ま
たは横方向の解像度を、2倍以上、より好ましくは5倍以上にする場合には、拡大処理お
よび超解像処理を両方行うことが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これらに限
定されない。
【0099】
なお、拡大処理としては、一例として、バイリニア法またはバイキュービック法などを用
いることが可能である。バイリニア法は、周囲4近傍の画素を採取・計算し、拡大時に不
足する画素を補間する方法である。または、バイキュービック法では、変換後の座標系基
準で4×4の16点のピクセル値を変換元より取り出す。そして、これらの取り出した1
6点の値に重み付けをして加重平均的な計算を行い変換後のピクセル値を決定する。
【0100】
なお、
図4(C)に示すように、画像が、拡大処理が行われているものか、行われていな
いものかを分析し、画面の一部または全部において、拡大処理が行われている場合には、
超解像処理を行い、拡大処理が行われていない場合、つまり、元来、解像度が高い場合に
は、超解像処理を行わないようにすることも可能である。画像ソースとして、様々な画像
があるため、画像分析を行うことにより、拡大処理が行われた画像に対しても、正しく超
解像処理を行うことが出来る。なお、画像分析の手法としては、一例としては、周波数分
析を行い、高い周波数を有しているか否かにより、判断する方法がある。周波数が低い場
合は、拡大処理が行われたものであると判断することが出来る。
【0101】
次に、横の解像度(画素数)がA、縦の解像度(画素数)がBである画像に対して、超解
像処理を行うことによって、横の解像度(画素数)がC、縦の解像度(画素数)がDの画
像になったとする。または、横の解像度(画素数)がA、縦の解像度(画素数)がBであ
る画像に対して、拡大処理および超解像処理を行うことによって、横の解像度(画素数)
がC、縦の解像度(画素数)がDの画像になったとする。そのとき、超解像処理を行うこ
とによって、解像度を高くしたときの倍率は、CをAで除算した数であるC/A、または
、DをBで除算した数であるD/Bであると言える。一方、倍速駆動を行った場合、フレ
ーム周波数をN倍にしたとする。
【0102】
このとき、N>(C/A)、または、N>(D/B)であることが望ましい。または、N
≧(C/A)、かつ、N≧(D/B)であることが望ましい。ただし、実施の形態の一例
は、これに限定されない。
【0103】
倍速駆動のために、フレーム補間処理をする場合、補間するフレームデータの数は、多く
しても、問題なく、データを作成することが出来る。例えば、
図2(A)の場合は2倍速
であったが、
図2(B)のように、円の位置を調整することにより、容易に3倍速にする
ことが可能である。つまり、倍速駆動のためのフレーム補間処理は、補間されるフレーム
データの数が多くなっても、画像には大きな問題は生じない。あるいは、補間されるフレ
ームデータの数を多くすることにより、さらに、動画特性を向上させることができ、残像
をさらに低減することが可能となる。
【0104】
一方、超解像処理は、撮影時や信号転送時などにおいて、失われてしまった解像度情報を
復元する処理のことである。したがって、あまりに多くの情報が失われてしまった場合は
、それを十分に復元することが困難となる。したがって、(C/A)、または、(D/B
)を大きくしすぎると、画像自体に問題が生じ、画像が乱れてしまう。
【0105】
以上のことから、フレーム補間処理と超解像処理とを両方行う場合には、N>(C/A)
、または、N>(D/B)であることが望ましい。または、N≧(C/A)、かつ、N≧
(D/B)であることが望ましい。よって、超解像処理とフレーム補間処理の両方の処理
を行った場合、この関係を満たすようにすることにより、細かい部分までくっきりと見え
て、かつ、残像感のない高品質な画像を表示させることが出来る。ただし、実施の形態の
一例は、これに限定されない。
【0106】
なお、フレーム補間処理を行う場合、画面の中で、動きがあった領域において、フレーム
補間処理のために、データが新たに作成される場合が多い。そして、画面の中で、動きが
ない領域においては、データは新たには作成されない場合が多い。つまり、画面内におい
て、フレーム補間処理によって、新たなデータが作成される領域と、新たなデータが作成
されない領域とが存在する。例えば、
図2(A)のような場合、
図2(C)に示すように
、領域301および領域303では、補間前の1フレーム目のデータと、補間前の2フレ
ーム目のデータとで、変化がない。そのため、補間されたフレームのデータでも、変化は
なく、データは新たには作成されておらず、補間前の1フレーム目のデータ、または、補
間前の2フレーム目のデータを利用して、データが作成されている。一方、領域302で
は、補間前の1フレーム目のデータと、補間前の2フレーム目のデータとで、変化がある
ため、円を消す領域と、円を作り出す領域とがあるため、新たにデータを作り出している
こととなる。
【0107】
このように、フレーム補間処理を行う場合、画面内において、新たなデータが作成される
領域と、新たなデータが作成されない領域とが存在する場合がある。そして、それらの領
域は、時々刻々と変化する。例えば、データが作成される領域の例としては、テロップな
どで、文字が表示され、その文字が上下または左右などに動いていく領域が挙げられる。
文字や記号などの場合、残像が出て見えにくくなると、どのような文字や記号であるのか
が判断できなくなるため、大きな問題となる。
【0108】
このように、フレーム補間処理を行うときに、画面の中の一部の領域においてのみ、新た
にデータを作成するようにすることは、処理速度の向上、低消費電力化、または、処理精
度の向上などの利点がある。
【0109】
一方、超解像処理においても、画面の中で、全ての領域で行うのではなく、一部の領域で
のみ行うことも可能である。例えば、画面の一部において、ストリーミング放送を表示す
るような場合、その領域にのみ、解像度が低い画像を拡大して表示している場合がある。
その場合、ストリーミング放送を表示している領域にのみ、超解像処理を行って、画質を
向上させることが出来る。
【0110】
このように、画面の中の一部の領域においてのみ、超解像処理を行う場合は、処理速度の
向上、低消費電力化、処理精度の向上、または、画質不良の低減などの利点がある。
【0111】
したがって、画面内において、フレーム補間処理のために新たなデータが作成される第1
の領域と、超解像処理が行われる第2の領域が存在する。さらに、フレーム補間処理のた
めに新たなデータが作成されず、かつ、超解像処理が行われない第3の領域が存在するこ
とも可能である。そして、第1の領域と、第2の領域とが、重ならない領域が、画面内に
存在することが可能となる。または、前記第1の領域と前記第2の領域とが、重なる領域
が、画面内に存在することが可能となる。
【0112】
フレーム補間処理のために新たなデータが作成されるのは、テロップなどの文字や記号の
情報が表示される場合が多く、超解像処理が行われるのは、あまり動きの少ないような領
域で行われる場合が多い。したがって、画面内において、フレーム補間処理のために新た
なデータが作成される第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領域とが、重ならない
領域を有していることが好適である。その理由は次の通りである。つまり、フレーム補間
処理のために新たなデータが作成される第1の領域では、動きがある領域なので、残像が
見えないようにするために、フレーム補間処理のために新たなデータが作成されるが、そ
のような動きのある領域では、超解像処理をして、解像度を高くしても、目でその解像度
を認識することが困難となる可能性がある。そのため、そのような動きのある領域では、
超解像処理が行われていない場合があると言える。そして、超解像処理が行われる第2の
領域では、細かい部分まできちんと見えることが望ましい領域であり、動きのない、静止
画のような画像を表示している場合に、細かい部分まで明瞭に見えるようになっていると
言える。このような状況が生じる可能性があるので、フレーム補間処理と超解像処理の両
方の処理が行われ、両方の利点を持つ画面を表示できるようになりながら、かつ、フレー
ム補間処理のために新たなデータが作成される第1の領域と、超解像処理が行われる第2
の領域とが、重ならない領域を有していることが可能である。その結果、最適な画像を表
示することが出来る。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0113】
このように、フレーム補間処理を行い、かつ、超解像処理を行うことにより、静止画での
解像度及び動画解像度の高い画像を表示することが可能となる。
【0114】
なお、フレーム補間処理を行ってから、超解像処理を行う場合、フレーム補間処理のため
に、フレーム周波数が高くなっている。したがって、超解像処理の処理速度が間に合わな
い場合がある。そこで、超解像処理を行う処理系を複数個設けることが可能である。例え
ば、超解像処理の処理系を2つ設けた場合を
図1(B)に示す。さらに、超解像処理の処
理系を3つ設けた場合を
図1(C)に示す。同様に、任意数の処理系を配置することが可
能である。
【0115】
複数の処理系を設けた場合、様々な方法で、処理を各処理系に振り分けることが可能であ
る。例えば、画面の右半分を超解像処理1で行い、画面の左半分を超解像処理2で行うこ
とが可能である。通常、画像は、1行ごとに情報が転送されてくるため、1行分の画像デ
ータを左右に2つに分けることにより、超解像処理1と超解像処理2とに処理を振り分け
ることが可能となる。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0116】
または、あるフレーム(例えば、奇数番目のフレーム、または、フレーム補間処理を行っ
ていないフレーム)は、超解像処理1で処理を行い、別のフレーム(例えば、偶数番目の
フレーム、または、フレーム補間処理を行って、作成したフレーム)は、超解像処理2で
処理を行うことが可能である。これにより、超解像処理の処理速度が、フレーム周波数よ
りも遅くても、交互に処理を行うことにより、正常に処理を終えることが出来る。または
、1つの処理系で行う処理スピードが遅くても良いため、消費電力を低減することが出来
る。
【0117】
なお、実施の形態の一例は、超解像処理を、フレーム補間処理が終わってから行うことに
限定されない。例えば、
図5(A)に示すように、フレーム補間処理を行いながら、超解
像処理を行うことも可能である。まず、画像データAが画像ソースより供給される。これ
は、元来の画像データであるため、フレーム補間処理により作成された画像データではな
い。したがって、すぐに、超解像処理を行うことが出来る。次に、画像データBが画像ソ
ースより供給される。そこで、すでに供給されている画像データAと画像データBとを用
いて、フレームデータを補間する。画像データAと画像データBとを用いて、フレーム補
間処理を行っているときに、画像データAを用いて、超解像処理を行うことが出来る。つ
まり、画像データAは、フレーム補間処理と超解像処理の両方の処理に利用されることと
なる。よって、超解像処理とフレーム補間処理とが、同時に行われているということが出
来る。その後、画像データAと画像データBとを用いたフレーム補間処理によって、画像
データCが生成される。その後、画像データAと画像データBとからフレーム補間された
画像データCは、超解像処理が行われる。このようにフレーム補間処理と超解像処理とを
同時に処理することにより、画像データAを保存するメモリの数を低減することが出来る
。1つのメモリに、画像データAを保存しておけば、超解像処理とフレーム補間処理とで
、各々でデータを読み出すことにより処理を行うことが出来る。ただし、フレームデータ
が作成された画像データは、フレーム補間処理が行われた後で、超解像処理が行われると
いうことが出来る。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0118】
なお、
図1(B)と同様に、超解像処理に関して、複数の処理系を設けて、超解像処理と
フレーム補間処理とを同時に処理することが可能である。その一例を
図5(B)に示す。
例えば、少なくとも画像データAについて、超解像処理2を用いて、超解像処理を行う。
同時に、少なくとも画像データAを用いて、フレーム補間処理を行う。つまり、少なくと
も画像データAを用いて、同時に、フレーム補間処理と超解像処理とを行う。その後、超
解像処理1を用いて、フレーム補間された画像データについて、超解像処理を行う。この
ように、超解像処理の処理系を複数設けることにより、同時に処理を行うことが出来る。
また、フレーム補間によって作成されたものではないフレームデータは、超解像処理2を
用いることにより、すばやく超解像処理を行うことが出来る。そのため、画像データが入
力されたら、すばやく、表示を行うことが出来る。したがって、ゲームのようなリアルタ
イム処理が必要とされる画像を表示する場合に、好適である。ただし、実施の形態の一例
は、これに限定されない。
【0119】
なお、複数の処理を複数同時に行う場合、各々の処理期間の一部においてのみ、同時に処
理が行われていることも可能である。つまり、複数の処理を複数同時に行う場合であって
も、同時に複数の処理を行っていない期間を有することは可能である。または、各々の処
理期間の全部の期間において、同時に複数の処理が行われることも可能である。
【0120】
または、
図5(C)に示すようにしてもよい。例えば、少なくとも画像データAについて
、超解像処理1または超解像処理2を用いて、超解像処理を行う。同時に、少なくとも画
像データAを用いて、フレーム補間処理を行う。つまり、少なくとも画像データAを用い
て、同時に、フレーム補間処理と超解像処理とを行う。その後、超解像処理2または超解
像処理1を用いて、フレーム補間された画像データについて、超解像処理を行う。このよ
うに、超解像処理の処理系を複数設けることにより、同時に処理を行うことが出来る。ま
た、フレーム補間によって作成されたものではないフレームデータは、超解像処理1また
は超解像処理2を用いることにより、すばやく超解像処理を行うことが出来る。そのため
、画像データが入力されたら、すばやく、表示を行うことが出来る。したがって、ゲーム
のようなリアルタイム処理が必要とされる画像を表示する場合に、好適である。ただし、
実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0121】
なお、一例として、
図1、
図3、
図4、
図5において、処理フローについて示したが、そ
れを実現する場合の構成(ブロック図)の一例を
図6(A)に示す。回路101の入力端
子に、例えば、画像ソースが入力される。そして、回路101の出力端子は、回路102
の入力端子に接続されている。回路101は、一例としては、フレーム補間処理を行う機
能を有している。回路102は、一例としては、超解像処理を行う機能を有している。回
路101又は回路102は、情報を記憶するための記憶回路(メモリ)を有していること
が可能である。または、回路101又は回路102は、計算するためのユニットを有して
いることが可能である。
【0122】
または、処理フローを実現する場合の構成(ブロック図)の別の例を
図6(B)に示す。
図6(B)は、
図1(B)に対応している。回路101の入力端子に、例えば、画像ソー
スが入力される。そして、回路101の出力端子は、スイッチ103aを介して、回路1
02aの入力端子に接続されている。さらに、回路101の出力端子は、スイッチ103
bを介して、回路102bの入力端子に接続されている。回路102aの出力端子は、ス
イッチ104aを介して、出力端子に接続されている。さらに、回路102bの出力端子
は、スイッチ104bを介して、出力端子に接続されている。なお、
図6(C)に示すよ
うに、スイッチ103bは、回路102bの入力端子と回路101の入力端子との間に接
続されることも可能である。なお、
図6(C)は、
図5(B)に対応している。回路10
1は、フレーム補間処理を行う機能を有している。回路102aおよび回路102bは、
超解像処理を行う機能を有している。回路101又は回路102は、情報を記憶するため
の記憶回路(メモリ)を有していることが可能である。または、回路101又は回路10
2は、計算するためのユニットを有していることが可能である。スイッチ103a、スイ
ッチ103b、スイッチ104a、及び/または、スイッチ104bを各々制御すること
により、同時に処理を行うことが出来る。
【0123】
なお、回路101、回路102、回路102a、及び/または、回路102bは、各々が
有する機能をハードウェアを用いて実現することも可能であるし、ソフトウェアを用いて
実現することも可能であるし、ハードウェアとソフトウェアを両方用いて実現することも
可能である。ハードウェアを用いて実現することにより、処理速度を速くすることが可能
となる。または、消費電力を低減することが可能である。ソフトウェアを用いて実現する
ことにより、処理内容を変更して、様々な処理を適宜行うことが可能となる。
【0124】
または、複数のCPUコアを有するマルチコアのCPUを用いて、各々のCPUコアに処
理を分散させることにより、複数の超解像処理やフレーム補間処理を行うことも可能であ
る。このように、マルチコアのCPUを用いることにより、少ない部品数で、高速に処理
を行うことが出来る。なお、このようなマルチコアのCPUは、SOIを有する半導体装
置(またはトランジスタ)を有して構成されることが出来る。SOIを用いることにより
、低消費電力で動作させることができ、動作中の発熱も低く抑えることが出来る。
【0125】
なお、処理数が増えた場合も、回路101、回路102、回路102a、または、回路1
02bのような回路を増やすことによって、
図6と同様に回路を構成することが出来る。
なお、回路101、回路102、回路102a、または、回路102bが行う処理は、超
解像処理またはフレーム補間処理に限定されない。他の様々な処理を行うことが可能であ
る。
【0126】
なお、これまで述べた内容、及び/又は、これ以下に述べる内容において、超解像処理の
代わりに、単なる拡大処理などを行うことも可能である。
【0127】
(実施の形態2)
次に、超解像処理技術の例について述べる。超解像処理を行うことにより、解像度の高い
画像を表示することが可能となる。
【0128】
まず、動きを有する領域を検出し、その領域の速度情報を抽出する。つまり、任意の時点
における画像に対して、その前後2つの画像から各画素のフローを表すベクトルであるオ
プティカルフローを求める。そして、抽出した速度情報から当該領域の1画像あたりの位
置ずれ量を1画素の大きさ未満の精度で検出する。つまり、求めたオプティカルフローか
ら画像間の位置ずれ量を求める。そして、検出した位置ずれ量に基づき画像列中の複数枚
の画像から画素間の輝度値を内挿する。このような処理を行うことにより、物理的な解像
度を超える高解像度の画像を生成することが出来る。このように、超解像処理技術とは、
高解像度の画像復元のための情報を、低解像度画像の中から動きベクトル情報などを基に
、抽出、復元するための技術であるということが出来る。
【0129】
同様な超解像処理技術の方法として、例えば、まず、映像の中から相関性の高い連続する
フレームを選びだす。そして、ピクセル単位に近い細かさで映像の動きベクトルを検出す
る。そして、ピクセル単位の動きを追跡し、各フレーム間のその追跡ピクセルの変化情報
から、欠落している高解像度ピクセルを推測していく。そのとき、カメラが微妙に揺れて
いるため、同じ部分を撮影しているにもかかわらず、撮影された低解像度の部分の潰れ方
がフレーム間で異なる。そこで、この情報を用いて、欠落しているピクセルを補い、高解
像度化することが可能となる。つまり、この処理方法は、時間方向に探索を深くかけるタ
イプの超解像処理技術であると言うことが出来る。この超解像処理の場合、動きベクトル
を精密に把握できるため、撮影時にカメラ解像度の関係で取得できなかったフレーム間の
欠損画素をも復元することも可能となる。
【0130】
または、別の超解像処理として、複数のフレームに対して相似性を調査する。そして、相
似性のあるフレーム同士で位置合わせを行い、各画素の時間的変化を把握する。そして、
失われた高解像ピクセルを予測生成する、という方法を用いることが出来る。
【0131】
または、別の超解像処理として、まず、連続する複数の画像情報を解析する。そして、被
写体の共通箇所を補正して高周波成分を復元していく。これにより、解像度の高い画像を
得ることが出来る。
【0132】
または、別の超解像処理として、再構成型超解像処理方法を用いることが可能である。再
構成型超解像処理方法では、まず、元の低解像度の画像から、高解像度画像(初期高解像
度画像)を仮定する。そして、仮定した高解像度画像から、カメラモデルによって得られ
る点広がり関数(PSF関数)に基づき、全ての低解像度画像の画素毎に、その画素値を
推定する。つまり、独自の関数(撮像モデル関数)によりダウンコンバートして元の低解
像度の画像と同じ低解像度画像を作り出す。そして、その推定値と、観測された画素値(
観測値)との差を取る。そして、ダウンコンバート前の画像に対し、その差が小さくなる
ような高解像度画像を探索する。なお、この探索処理を収束するまで繰り返して、精度を
向上させることも可能であるし、探索を1回のみにすることも可能である。これにより、
高解像度の画像を求めることが出来る。
【0133】
なお、撮像モデル関数としては、例えば、一次元線形フィルタを、縦横、二次元的にかけ
た撮像素子モデルを用いることが可能である。
【0134】
この再構成型超解像処理方法の場合は、初期高解像度画像を必要とする繰り返し計算によ
り、高解像度画像を再構成するようにしている。そして、その時の計算方法として、ML
(Maximum-likelihood)法、MAP(Maximum A Post
erior)法、または、POCS(Projection On to Convex
Sets)法などを用いることが可能である。
【0135】
ML法では、仮定されている高解像度画像からの推定画素値と実際に観測された画素値の
二乗誤差を評価関数とする。そして、その評価関数を最小化するような高解像度画像を推
定画像とする方法である。
【0136】
MAP法は、二乗誤差に高解像度画像の確率情報を付加した評価関数を最小化するような
高解像度画像を推定する方法である。つまり、MAP法は、高解像度画像に対するある先
見情報を利用して、事後確率を最大化する最適化問題として高解像度画像を推定する超解
像処理方法である。
【0137】
POCS法は、高解像度画像と低解像度画像の画素値に関して連立方程式を作成し、その
方程式を逐次的に解く方法である。
【0138】
なお、画像の複数のフレームを合成して1フレームとする。そして、それにより、画素数
を増やして画像を高解像度化する。そのとき、折り返し成分をキャンセルするようにして
、高解像処理を行うことも可能である。
【0139】
または、超解像処理の手法として、反復法、周波数領域法、統計法などを用いることが可
能である。反復法の場合、主として3つの段階からなっている。第1に初期推量を行い、
第2にイメージング・プロセスがあり、第3に再構成プロセスからなっている。
【0140】
なお、超解像処理は、画面全体に対して、処理を行うことが可能である。ただし、実施の
形態の一例は、これらに限定されない。画像の内容に応じて、超解像処理を行うことが可
能である。例えば、画像において、エッジ部や平坦部では、超解像処理を行わず、テクス
チャ部では、超解像処理を行うことが可能である。その場合、画像に対して、リアルタイ
ムスペクトラム解析を行う。そして、高周波を有する領域にのみ、超解像処理を行うこと
も可能である。このように、画像に応じて、超解像処理の有無を制御することにより、画
像が逆に悪化してしまうことを低減することが可能となる。
【0141】
なお、平坦部とは、特定の周波数領域や、まとまった輝度領域の度数が高く分布している
部分のことである。従って、比較的、色分布がなだらかな空、ぼけた背景などがこれに相
当する。よって、画像中ではおもに、グラデーション表現が主体となる領域であるという
ことが出来る。
【0142】
なお、テクスチャ部とは、画像の周波数の高い部分のことである。この領域では、周波数
が高いため、より詳細な部分が存在する可能性が高い。したがって、テクスチャ部におい
て超解像処理を行うことにより、解像度を上げることの効果が、非常に大きいと言うこと
が出来る。
【0143】
なお、超解像処理を行う場合、画像の様々な領域において、それぞれ解像度を認識して、
領域ごとに、異なった強度の超解像処理を行うことも可能である。
【0144】
なお、元の画像の解像度が十分に高い場合には、超解像処理を行わないようにすることが
可能である。元の画像の解像度が高いかどうかを判断して、その結果に応じて、超解像処
理を行うかどうかを制御することも可能である。
【0145】
このように、様々な超解像処理技術があるが、本明細書における超解像処理技術は、これ
らに限定されない。
【0146】
(実施の形態3)
超解像処理またはフレーム補間処理の後に、様々な処理を行って、表示させることが出来
る。したがって、他の実施の形態で述べた内容を、本実施の形態に適用、組み合わせ、又
は置き換えなどを行うことが出来る。
【0147】
図7(A)では、フレーム補間処理を行った画像信号を用いて、超解像処理を行い、解像
度を上げた後で、輪郭強調処理を行う場合の処理フローを示す。輪郭強調処理が行われた
後は、さらに様々な処理が行われ、その後、画像が表示されることが可能である。したが
って、
図7(A)の処理フローは、
図1(A)に対して、さらに、輪郭強調処理を行った
場合に相当する。
【0148】
このように、輪郭強調処理を行う前に、超解像処理を行うことによって、正確に解像度を
向上させることが出来る。超解像処理を行う前の画像は、輪郭強調処理が行われていない
ため、余計な処理が行われていない。仮に、超解像処理を行う前に、輪郭強調処理が行わ
れているとすると、輪郭強調処理によって、画像に処理が施されていることになる。その
ような処理が行われた画像を用いると、超解像処理が正確に行えない可能性がある。超解
像処理は、解像度の高い画像を、新たに作り出す処理であるため、正確に解像度の高い画
像を作り出すためには、輪郭強調処理が行われていない画像、つまり、元々の画像に近い
状態のものを用いて、超解像処理を行うことが望ましい。そのため、輪郭強調処理を行う
前に、超解像処理を行うことによって、正確に超解像処理を行うことが出来る。そして、
超解像処理によって作り出された、より正確で、解像度の高い画像を用いて、輪郭強調処
理を行うことが出来るため、画像の中の物の輪郭を、より正確に取得することが出来るの
で、よりくっきりとした画像を得ることが出来る。したがって、よい画質の画像を得るた
めには、輪郭強調処理を行う前に、超解像処理を行うことが重要となる。ただし、実施の
形態の一例は、これに限定されない。
【0149】
同様に、輪郭強調処理を行う前に、フレーム補間処理を行うことによって、正確にフレー
ム補間データを作成することが出来る。そして、より正確で、解像度の高い画像を用いて
、輪郭強調処理を行うことが出来るため、画像の中の物の輪郭を、より正確に取得するこ
とが出来るので、よりくっきりとした画像を得ることが出来る。
【0150】
なお、輪郭強調処理については、実施の形態の一例は、上記例に限定されず、他の画像処
理が行われることが可能である。他の画像処理として、例えば、スムージング、ゆがみ補
正、エラー処理、傷補正、色補正、ガンマ補正、逆ガンマ補正などを、輪郭強調処理の代
わりに、または、輪郭強調処理に追加して、行うことが可能である。例えば、色補正を行
うことにより、NTSC比で100%以下の画像を、100%以上の画像に変換すること
が出来る。これにより、色純度が高い画像を表示することが出来る。
【0151】
なお、輪郭強調処理などの画像処理を複数行う場合、連続して処理することが可能である
。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。複数の処理を、別々に、行うこと
が可能である。例えば、ある画像処理は、ある処理Aの前に行い、別の画像処理は、ある
処理Bの後で行う、ということも可能である。
【0152】
なお、実施の形態1の場合に述べた内容または図面は、輪郭強調処理等の他の処理を行う
場合にも、同様に適用させることが可能である。同様に、ある処理を行う場合に述べた内
容または図面は、別の処理を行う場合にも、同様に適用させることが可能である。
【0153】
一例として、超解像処理について、複数の処理系を持つ場合の処理フローを
図7(B)に
示す。
図7(B)の処理フローは、
図1(B)に対して、輪郭強調処理を行った場合に相
当する。なお、他の処理フローの場合にも、同様に適用させることが出来る。
【0154】
なお、処理フローでの各段階の前後において、他の様々な処理が行われることは可能であ
る。他の様々な処理の例としては、IP変換処理、拡大処理などがあり、さらに、他の処
理も可能である。
【0155】
次に、超解像処理の後で行う処理として、輪郭強調処理の場合と同様に、オーバードライ
ブ処理の場合について、処理フローを
図7(C)に示す。したがって、輪郭強調処理の場
合に述べた内容または図面は、オーバードライブ処理等の他の処理を行う場合にも、同様
に適用させることが可能である。同様に、ある処理を行う場合に述べた内容または図面は
、別の処理を行う場合にも、同様に適用させることが可能である。
【0156】
オーバードライブ処理とは、液晶素子の応答速度を高くするための処理である。通常、画
面内の各画素には、各画素で表示したい階調に合致した信号が供給される。しかし、液晶
素子の場合、応答速度が遅いため、階調に合致した信号を供給しても、1フレーム期間中
に、階調に合致した表示を行うことが出来ず、数フレーム期間経過して、ようやく、階調
に合致した表示を行うようになる。そこで、液晶素子に電圧を供給するときに、本来の階
調に合致した電圧を供給するのではなく、振幅値が大きくなった電圧を液晶素子に供給す
る。その結果、液晶素子の透過率が急激に変化する。その後、本来の階調に合致した電圧
を供給する。以上の動作により、液晶素子の応答速度を高めることが出来る。このように
、本来の階調に合致した電圧よりも振幅値の大きな電圧を、本来の階調に合致した電圧を
供給する前に、一時的に液晶素子に供給することを、オーバードライブ駆動と呼ぶ。そし
て、本来の階調に合致した電圧よりも振幅値の大きな電圧として、どのくらいの電圧を供
給するかを決定する処理のことを、オーバードライブ処理と呼ぶ。
【0157】
このように、超解像処理を行った後で、オーバードライブ処理を行うことによって、応答
速度を速くすることができ、オーバードライブ量を適切な大きさにすることができ、残像
の少ない表示を行うことが出来る。または、超解像処理は、新たな画像を作り出す処理で
あるため、その処理によって、画像が変化する。それにともない、各画素の階調が変化す
る。したがって、超解像処理を行った後で、オーバードライブ処理を行うことによって、
超解像処理によって生じた変化量に応じて、オーバードライブ処理も変化させることが可
能となる。そのため、超解像処理を行った後で、オーバードライブ処理を行うことによっ
て、オーバードライブ量を適切な大きさにすることができるので、各画素を最適な階調に
することができる。よって、応答速度を速くすることができ、正確にオーバードライブ駆
動を行うことができる。さらに、超解像処理により、解像度の高い表示を、残像なく、得
ることが出来る。したがって、よい画質の画像を得るためには、オーバードライブ処理を
行う前に、超解像処理を行うことが重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これに限
定されない。
【0158】
なお、ここで、オーバードライブ量とは、オーバードライブ処理によって、液晶素子など
に供給される電圧の振幅値が増加するが、その時の増加分の電圧量のことである。
【0159】
同様に、フレーム補間処理を行った後で、オーバードライブ処理を行うことによって、応
答速度を速くすることができ、オーバードライブ量を適切な大きさにすることができ、残
像の少ない表示を行うことが出来る。または、フレーム補間処理は、新たなフレームデー
タを作り出す処理であるため、その処理によって、変化した画像を作りだすこととなる。
それにともない、各画素の階調が変化する。したがって、フレーム補間処理を行った後で
、オーバードライブ処理を行うことによって、フレーム補間処理によって生じた変化量に
応じて、オーバードライブ処理も変化させることが可能となる。そのため、フレーム補間
処理を行った後で、オーバードライブ処理を行うことによって、オーバードライブ量を適
切な大きさにすることができるので、各画素を最適な階調にすることができる。よって、
応答速度を速くすることができ、正確にオーバードライブ駆動を行うことができる。さら
に、フレーム補間処理により、残像の少ない表示を得ることが出来る。したがって、よい
画質の画像を得るためには、オーバードライブ処理を行う前に、フレーム補間処理を行う
ことが重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0160】
なお、画面の中で、動きがあった領域において、オーバードライブ処理が行われることが
多い。そして、画面の中で、動きが無いような領域では、残像が生じないため、オーバー
ドライブ処理が行われることは少ない。つまり、画面内において、オーバードライブ処理
が行われる領域と、オーバードライブ処理が行われない領域とが存在する。そして、それ
らの領域は、時々刻々と変化する。このように、画面の中の一部の領域においてのみ、オ
ーバードライブ処理を行う場合は、処理速度の向上、低消費電力化、または、処理精度の
向上などの利点がある。
【0161】
一方、超解像処理においても、画面の中で、全ての領域で行うのではなく、一部の領域で
のみ行うことも可能である。このように、画面の中の一部の領域においてのみ、超解像処
理を行う場合は、処理速度の向上、低消費電力化、処理精度の向上、または、画質不良の
低減などの利点がある。
【0162】
画面の一部の領域で処理が行われる場合、画面内において、オーバードライブ処理が行わ
れる第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領域が存在する。さらに、両方の処理が
行われない第3の領域が存在することも可能である。そして、第1の領域と、第2の領域
とが、重ならない領域が、画面内に存在することが可能となる。または、前記第1の領域
と前記第2の領域とが、重なる領域が、画面内に存在することが可能となる。
【0163】
そこで、オーバードライブ処理が行われる第1の領域と、超解像処理が行われる第2の
領域とが重ならない領域について考える。そのような状況においては、オーバードライブ
処理が行われる第1の領域では、動きがある領域なので、残像が見えないようにするため
に、オーバードライブ処理が行われる。しかし、そのような動きのある領域では、仮に、
超解像処理をして、解像度を高くしても、目でその解像度を認識することが困難となる可
能性がある。そのため、そのような動きのある領域では、超解像処理が行われていない場
合があり、その結果、そのような場合には、オーバードライブ処理が行われる第1の領域
と、超解像処理が行われる第2の領域とが重ならない領域を有している場合があると言う
ことができる。そして、そのような場合、超解像処理が行われる第2の領域では、細かい
部分まできちんと見えることが望ましい領域であり、動きのない、静止画のような画像を
表示している場合に、細かい部分まで明瞭に見ることが可能になっており、その結果、オ
ーバードライブ処理が行われる第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領域とが重な
らない領域を有している場合があると言える。
【0164】
オーバードライブ処理が行われる第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領域とが重
なる領域では、応答速度が早く、残像の少ない画像で、かつ、細かい部分までくっきりと
見ることができるため、臨場感のある画像を表示させることが出来る。
【0165】
これまで、超解像処理の後で、輪郭強調処理、または、オーバードライブ処理を行う場合
について述べてきたが、超解像処理の後に行う処理は、これらに限定されない。輪郭強調
処理、または、オーバードライブ処理を行う場合と同様に、超解像処理の後に、ローカル
ディミング(バックライトの局所輝度制御)処理を行うことも可能である。その場合の処
理フローを
図7(D)に示す。したがって、輪郭強調処理、または、オーバードライブ処
理を行う場合に述べた内容または図面は、ローカルディミング(バックライトの局所輝度
制御)処理を行う場合にも、同様に適用させることが可能である。同様に、ローカルディ
ミング(バックライトの局所輝度制御)処理を行う場合に述べた内容または図面は、別の
処理を行う場合にも、同様に適用させることが可能である。
【0166】
ここで、ローカルディミング(バックライトの局所輝度制御)とは、画面内の各領域にお
いて、バックライトの輝度を変化させて、表示を行う技術のことである。したがって、画
像に応じて、一つの画面内で、領域毎に、バックライトの輝度が異なることになる。例え
ば、画面内で、低い階調を表示する領域がある場合、その領域のバックライトの輝度を小
さくする。さらに、画面内で、高い階調を表示する領域がある場合、その領域のバックラ
イトの輝度を大きくする。そして、それらのバックライト輝度を前提として、各画素の透
過率を決めて、正しい画像を表示出来るようにする。これにより、画面内で、低い階調を
表示する領域では、バックライト自体の輝度も低いため、光漏れの影響を低減することが
出来る。そのため、そのような領域において、黒を表示したい場合は、完全な黒として表
示することが可能となる。また、画面内で、高い階調を表示する領域では、バックライト
自体の輝度も高いため、十分に明るい表示を行うことが出来る。そのため、そのような領
域において、白を表示したい場合は、輝度を通常の白の場合よりも高くし、ピーク輝度を
高くして、表示することが可能となる。そのため、コントラストを向上させることが出来
、メリハリのある画像を表示することが出来る。さらに、ローカルディミングによって、
バックライト自体の輝度も低くできるため、消費電力を低減させることが可能となる。よ
って、ローカルディミングを行うためには、表示したい画像に応じて、各領域のバックラ
イトの輝度を決定するための処理と、そのバックライト輝度を前提として、表示したい画
像を正しく表示できるように、各画素の透過率を決定するための処理とがある。それらの
処理のこと、または、それらの処理の一部のことを、ローカルディミング処理と呼ぶ。し
たがって、ローカルディミング処理では、各領域のバックライトの輝度を決定する処理を
行ったのち、各画素に供給するビデオ信号を決定する処理を行うことが可能である。ただ
し、実施の形態の一例は、これに限定されない。そこで、一例として、各領域のバックラ
イトの輝度を決定する処理と、各画素に供給するビデオ信号を決定する処理とを分けて記
載した場合の処理フローとして、
図7(E)のように表すことも出来る。
【0167】
このように、超解像処理を行った後で、ローカルディミング処理を行うことは好適である
。超解像処理を行うと、情報の復元によって、新たな情報が追加されたような状態となる
。そのため、各画素の階調数は、超解像処理の前後で、異なる場合がある。または、超解
像処理の前後で、画素の階調数が変化する領域が、画面内に存在することとなる。したが
って、超解像処理によって、画像情報が復元された状態になった後で、ローカルディミン
グ処理を行うことにより、正確に、ローカルディミング処理を行うことが出来るため、コ
ントラストを向上させることが出来、正確な画像を表示することが出来る。したがって、
よい画質の画像を得るためには、ローカルディミング処理を行う前に、超解像処理を行う
ことが重要となる。または、ローカルディミング処理において、バックライトの輝度を決
定する処理を行う前に、超解像処理を行うことが重要となる。または、ローカルディミン
グ処理において、画素に供給するビデオ信号を決定する処理を行う前に、超解像処理を行
うことが重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0168】
さらに、ローカルディミング処理を行っている場合、バックライトの輝度が低くなってい
るため、画素の透過率が多少変化しても、実際の表示の階調は、あまり変化しない。逆に
言えば、バックライトの輝度が低くなっている状態では、画素の透過率を変化させること
により、より細かな階調も表現することが可能となる。つまり、表示できる階調数が大き
くなったようにすることが出来る。したがって、ローカルディミング処理と超解像処理と
を両方行うことにより、高解像度の画像を、細かい部分も見分けられる高い表現力で表示
することが可能となる。特に、画面内の暗い階調の領域で、適切に階調を表現することが
でき、階調が潰れてしまうような表示をすることを避けることが出来る。
【0169】
なお、画面の中で、階調数が小さい表示が多い領域において、ローカルディミング処理が
行われることが多い。そして、画面の中で、階調数が大きい表示が多い領域では、つまり
、輝度の高い、明るい表示が多い領域では、バックライトの輝度を下げにくいため、ロー
カルディミング処理が行われることは少ない。つまり、画面内において、ローカルディミ
ング処理が行われる領域と、ローカルディミング処理が行われない領域とが存在する。そ
して、それらの領域は、時々刻々と変化する。このように、画面の中の一部の領域におい
てのみ、ローカルディミング処理を行う場合は、処理速度の向上、低消費電力化、または
、処理精度の向上などの利点がある。
【0170】
一方、超解像処理においても、画面の中で、全ての領域で行うのではなく、一部の領域で
のみ行うことも可能である。このように、画面の中の一部の領域においてのみ、超解像処
理を行う場合は、処理速度の向上、低消費電力化、処理精度の向上、または、画質不良の
低減などの利点がある。
【0171】
画面の一部の領域で処理が行われる場合、画面内において、ローカルディミング処理が行
われて、バックライトの輝度が低減される第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領
域とが存在する。さらに、ローカルディミング処理および超解像処理の両方の処理が行わ
れない第3の領域が存在することも可能である。そして、ローカルディミング処理が行わ
れて、バックライト輝度が低減される第1の領域と、超解像処理が行われる第2の領域と
が、重ならない領域が、画面内に存在することが可能となる。または、前記第1の領域と
前記第2の領域とが、重なる領域が、画面内に存在することが可能となる。
【0172】
ローカルディミング処理が行われて、バックライトの輝度が低減される第1の領域と、超
解像処理が行われる第2の領域とが重なる領域では、コントラストが高く、なめらかな階
調表現が可能な画像で、かつ、細かい部分までくっきりと見ることができるため、臨場感
のある画像を表示させることが出来る。
【0173】
なお、ローカルディミングが行われる場合、画面内が複数の領域に分割され、各領域に各
々バックライトが配置されている。その領域の長さ(または幅)、または、その領域のピ
ッチと、画面の一部の領域で超解像処理が行われ、解像度が向上した画像の領域を表示す
る表示装置の画素の長さ(または幅)、または、ピッチとを比較すると、バックライトの
領域の長さ(または幅)、または、その領域のピッチのほうが長いことが好適である。な
ぜなら、ローカルディミングを行う場合、各領域のバックライトの輝度だけでなく、画素
の透過率も制御して、画像を表示する。そのため、超解像処理を行った画像を表示する場
合であっても、バックライトの領域の長さ(または幅)、または、その領域のピッチが長
くても、各画素のピッチが短ければ、十分に綺麗に高解像度の表示が行えるからである。
【0174】
なお、バックライトの輝度を制御する領域を、画面内で複数に分割して形成することが望
ましいが、実施の形態の一例は、これらに限定されない。画面を複数の領域に分割せず、
画面全体の輝度を制御するようにすることも可能である。
【0175】
同様に、フレーム補間処理を行った後で、ローカルディミング処理を行うことは好適であ
る。フレーム補間処理は、新たなフレームデータを作り出す処理であるため、その処理に
よって、変化した画像を作りだすこととなる。それにともない、各画素の階調が変化する
。または、フレーム補間処理の前後で、画素の階調数が変化する領域が、画面内に存在す
ることとなる。したがって、フレーム補間処理によって、新たなフレームデータが作成さ
れた後で、ローカルディミング処理を行うことにより、正確に、ローカルディミング処理
が行うことが出来るため、コントラストを向上させることが出来、正確な画像を表示する
ことが出来る。したがって、よい画質の画像を得るためには、ローカルディミング処理を
行う前に、フレーム補間処理を行うことが重要となる。または、ローカルディミング処理
において、バックライトの輝度を決定する処理を行う前に、フレーム補間処理を行うこと
が重要となる。または、ローカルディミング処理において、画素に供給するビデオ信号を
決定する処理を行う前に、フレーム補間処理を行うことが重要となる。ただし、実施の形
態の一例は、これらに限定されない。
【0176】
図7では、超解像処理とフレーム補間処理と、他の処理、例えば、輪郭強調処理、オーバ
ードライブ処理、ローカルディミング(バックライトの局所輝度制御)処理とを行う場合
について示した。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されず、それらの他に、輪
郭強調処理、オーバードライブ処理、ローカルディミング(バックライトの局所輝度制御
)処理などの処理をさらに行うことも可能である。したがって、これまでに述べた内容ま
たは図面は、さらに他の処理を行う場合にも、同様に適用させることが可能である。
【0177】
例えば、超解像処理とフレーム補間処理と輪郭強調処理とに加えて、さらに別の処理をし
た場合の処理フローを
図8(A)、
図8(B)に示す。つまり、
図7(A)、
図1(A)
で述べた内容に対して、さらに別の処理を行った場合に相当する。ただし、実施の形態の
一例は、これらに限定されない。
【0178】
図8(A)では、画像ソースから得た画像信号を用いて、フレーム補間処理を行い、フレ
ーム周波数が高くなった後で、超解像処理を行い、解像度を上げた後で、輪郭強調処理を
行い、その後、オーバードライブ処理を行う場合の処理フローを示す。したがって、
図8
(A)の処理フローは、
図7(C)に対して、輪郭強調処理を行った場合にも相当する。
図8(A)の処理フローは、
図1(A)に対して、輪郭強調処理およびオーバードライブ
処理を行った場合にも相当する。
【0179】
なお、オーバードライブ処理が行われた後、さらに様々な処理が行われ、その後、画像が
表示されることが可能である。
【0180】
なお、
図1(B)、
図1(C)、
図5(B)、
図5(C)、
図7(B)などと同様、複数
の処理系を有して、超解像処理を行うことは可能である。その場合の一例を
図9(A)お
よび
図9(B)に示す。
【0181】
図8(A)、
図9(A)、または
図9(B)などのように、輪郭強調処理を行う前に、超
解像処理を行うことによって、正確に解像度を向上させることが出来る。超解像処理を行
う前の画像は、輪郭強調処理が行われていないため、余計な処理が行われていない。その
ため、正確に超解像処理を行うことが出来る。
【0182】
同様に、輪郭強調処理を行う前に、フレーム補間処理を行うために、正確にフレーム補間
データを作成することが出来る。そして、より正確で、解像度の高い画像を用いて、輪郭
強調処理を行うことが出来るため、画像の中の物の輪郭を、より正確に取得することが出
来るので、よりくっきりとした画像を得ることが出来る。
【0183】
または、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行った後で、オーバー
ドライブ処理を行うことによって、応答速度を速くすることができ、オーバードライブ量
を適切な大きさにすることができ、残像の少ない表示を行うことが出来る。または、フレ
ーム補間処理により、フレーム周波数が高くなるため、それに応じて、オーバードライブ
処理も変化させることが可能となる。または、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレ
ーム補間処理によって、画像が変化することにともない、各画素の階調が変化するため、
その変化量に応じて、オーバードライブ処理も変化させることが可能となる。そのため、
超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行った後で、オーバードライブ
処理を行うことによって、オーバードライブ量を適切な大きさにすることができるので、
各画素を最適な階調にすることができる。よって、応答速度を速くすることができ、正確
にオーバードライブ駆動を行うことができる。さらに、超解像処理により、解像度の高い
表示を、残像なく、得ることが出来る。また、輪郭強調処理により、輪郭のくっきりした
画像を表示させることが可能となる。または、フレーム補間処理により、残像を低減し、
正確に動画を表示することが可能となる。したがって、よい画質の画像を得るためには、
オーバードライブ処理を行う前に、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処
理を行うことが重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0184】
図8(B)では、画像ソースから得た画像信号を用いて、フレーム補間処理を行い、フレ
ーム周波数が高くなった後で、超解像処理を行い、解像度を上げた後で、輪郭強調処理を
行い、その後、ローカルディミング処理を行う場合の処理フローを示す。したがって、図
8(B)の処理フローは、
図7(D)に対して、輪郭強調処理を行った場合にも相当する
。
【0185】
なお、ローカルディミング処理が行われた後、さらに様々な処理が行われ、その後、画像
が表示されることが可能である。
【0186】
このように、輪郭強調処理を行う前に、超解像処理を行うことによって、正確に解像度を
向上させることが出来る。超解像処理を行う前の画像は、輪郭強調処理が行われていない
ため、余計な処理が行われていない。そのため、正確に超解像処理を行うことが出来る。
【0187】
同様に、輪郭強調処理を行う前に、フレーム補間処理を行うために、正確にフレーム補間
データを作成することが出来る。そして、より正確で、解像度の高い画像を用いて、輪郭
強調処理を行うことが出来るため、輪郭を、より正確に取得することが出来るので、より
くっきりとした画像を得ることが出来る。
【0188】
または、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行った後で、ローカル
ディミング処理を行うことが好適である。超解像処理を行うと、情報の復元によって、新
たな情報が追加されたような状態となる。そのため、各画素の階調数は、超解像処理の前
後では、異なる場合がある。または、超解像処理の前後で、画素の階調数が変化する領域
が、画面内に存在することとなる。同様に、輪郭強調処理によって、画像内の物の輪郭が
強調されたような画像に処理される。そのため、画素の階調数が変化する領域が、画面内
に存在することとなる。同様に、フレーム補間処理によって、新たなフレームが作成され
、新たな画像が作成される。そのため、画素の階調数が変化する領域が、画面内に存在す
ることとなる。したがって、フレーム補間処理によって、新たなフレームが作成され、超
解像処理によって、画像情報が復元された状態になり、輪郭強調処理によって、画像の処
理が行われた後で、ローカルディミング処理を行うことにより、正確に、ローカルディミ
ング処理を行うことが出来るため、コントラストを向上させることが出来、正確な画像を
表示することが出来る。したがって、よい画質の画像を得るためには、ローカルディミン
グ処理を行う前に、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行うことが
重要となる。または、ローカルディミング処理において、バックライトの輝度を決定する
処理を行う前に、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行うことが重
要となる。または、ローカルディミング処理において、画素に供給するビデオ信号を決定
する処理を行う前に、超解像処理、輪郭強調処理、および、フレーム補間処理を行うこと
が重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0189】
図8(C)では、画像ソースから得た画像信号を用いて、フレーム補間を行い、超解像処
理を行い、解像度を上げた後で、ローカルディミング処理を行い、その後、オーバードラ
イブ処理を行う場合の処理フローを示す。したがって、
図8(C)の処理フローは、
図8
(A)に対して、ローカルディミング処理を行った場合にも相当する。または、
図8(C
)の処理フローは、
図8(B)に対して、オーバードライブ処理を行った場合にも相当す
る。または、
図8(C)の処理フローは、
図1(A)に対して、オーバードライブ処理お
よびローカルディミング処理を行った場合にも相当する。または、
図8(C)の処理フロ
ーは、
図7(C)に対して、ローカルディミング処理を行った場合にも相当する。または
、
図8(C)の処理フローは、
図7(D)に対して、ローカルディミング処理を行った場
合にも相当する。
【0190】
このように、超解像処理および、フレーム補間処理を行った後で、ローカルディミング処
理を行うことが好適である。超解像処理を行うと、情報の復元によって、新たな情報が追
加されたような状態となる。そのため、各画素の階調数は、超解像処理の前後では、異な
る場合がある。または、超解像処理の前後で、画素の階調数が変化する領域が、画面内に
存在することとなる。同様に、フレーム補間処理によって、新たなフレームが作成され、
新たな画像が作成される。そのため、画素の階調数が変化する領域が、画面内に存在する
こととなる。したがって、フレーム補間処理によって、新たなフレームが作成され、超解
像処理によって、画像情報が復元された状態になった後で、ローカルディミング処理を行
うことにより、正確に、ローカルディミング処理が行うことが出来るため、コントラスト
を向上させることが出来、正確な画像を表示することが出来る。したがって、よい画質の
画像を得るためには、ローカルディミング処理を行う前に、超解像処理およびフレーム補
間処理を行うことが重要となる。または、ローカルディミング処理において、バックライ
トの輝度を決定する処理を行う前に、超解像処理およびフレーム補間処理を行うことが重
要となる。または、ローカルディミング処理において、画素に供給するビデオ信号を決定
する処理を行う前に、超解像処理およびフレーム補間処理を行うことが重要となる。ただ
し、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0191】
または、フレーム補間処理、超解像処理およびローカルディミング処理を行った後で、オ
ーバードライブ処理を行うことによって、応答速度を速くすることができ、オーバードラ
イブ量を適切な大きさにすることができ、残像の少ない表示を行うことが出来る。または
、フレーム補間処理、超解像処理およびローカルディミング処理によって、画像やバック
ライトの輝度が変化することにともない、各画素の階調が変化するため、その変化量に応
じて、オーバードライブ処理も変化させることが可能となる。そのため、フレーム補間処
理、超解像処理およびローカルディミング処理を行った後で、オーバードライブ処理を行
うことによって、オーバードライブ量を適切な大きさにすることができるので、各画素を
最適な階調にすることができる。よって、応答速度を速くすることができ、正確にオーバ
ードライブ駆動を行うことができる。さらに、超解像処理により、解像度の高い表示を、
残像なく、得ることが出来る。また、ローカルディミング処理により、コントラストの高
い画像を表示させることが可能となる。または、フレーム補間処理により、残像を低減し
、正確に動画を表示することが可能となる。したがって、よい画質の画像を得るためには
、オーバードライブ処理を行う前に、フレーム補間処理、超解像処理およびローカルディ
ミング処理を行うことが重要となる。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない
。
【0192】
このように、ローカルディミング処理とオーバードライブ処理とを両方行う場合は、
図8
(D)に示すように、ローカルディミング処理を行ったあとで、オーバードライブ処理を
行うことが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。なお、処理
フローでの各段階の前後において、他の様々な処理が行われることは可能である。他の様
々な処理の例としては、超解像処理、輪郭強調処理、フレーム補間処理、オーバードライ
ブ処理、ローカルディミング処理、IP変換処理、拡大処理などがあり、さらに、他の処
理も可能である。
【0193】
したがって、
図8(B)において、オーバードライブ処理を行う場合、または、
図8(A
)において、ローカルディミング処理を行う場合は、
図8(E)に示すような処理フロー
であることが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。
【0194】
(実施の形態4)
次に、処理フローの一部を変形した場合について述べる。したがって、他の実施の形態で
述べた内容を、本実施の形態に適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る
。
【0195】
図10に、
図7(E)、
図7(D)、
図8(B)、
図8(C)、
図8(E)などの一部を
変形した場合の例について示す。まず、超解像処理を行う。そして、同時に、超解像処理
が行われていない画像データを用いて、ローカルディミング処理におけるバックライトの
輝度の制御の処理を行う。そして、超解像処理を行い、解像度が高くなったデータと、解
像度は低いが、決定された各領域のバックライトの輝度のデータとを用いて、ローカルデ
ィミング処理における各画素に供給するビデオ信号を決定する処理を行う。
【0196】
超解像処理を行った場合、それほど大きく画像は変化しない場合がある。一方、バックラ
イトの配置のピッチは、画素ピッチと比較すると、はるかに大きい。したがって、超解像
処理を行う前のデータを用いて、ローカルディミング処理における各領域のバックライト
の輝度を決定する処理を行っても、実用上、問題はない。
【0197】
このような処理を行うことにより、超解像処理と、ローカルディミング処理におけるバッ
クライトの輝度の制御の処理とを同時に行えるために、全体の処理時間を短縮することが
可能となる。したがって、ゲームなどのリアルタイム性が要求されるような表示を行う場
合においても、遅延無く表示させることが出来る。
【0198】
例えば、複数のCPUコアを有するマルチコアのCPUを用いて、各々のCPUコアに処
理を分散させることにより、超解像処理とローカルディミング処理を同時に行うことも可
能である。このように、マルチコアのCPUを用いることにより、少ない部品数で、高速
に処理を行うことが出来る。なお、このようなマルチコアのCPUは、SOIを有する半
導体装置(またはトランジスタ)を有して構成されることが出来る。SOIを用いること
により、低消費電力で動作させることができ、動作中の発熱も低く抑えることが出来る。
【0199】
なお、
図10(A)において、輪郭強調処理、オーバードライブ処理、フレーム補間処理
なども追加で行うことが可能である。一例として、輪郭強調処理を行った場合のフロー図
を
図10(B)に示す。
図10(B)には、超解像処理を行った後、輪郭強調処理を行う
フロー図を示している。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0200】
または、
図11に、
図7(D)、
図8(B)、
図8(C)、
図8(E)などの一部を変形
した場合の別の例について示す。まず、フレーム補間処理を行う。そして、同時に、フレ
ーム周波数が高くなる前のデータを用いて、ローカルディミング処理におけるバックライ
トの輝度の制御の処理を行う。そして、フレーム補間処理がされ、フレーム周波数が高く
なったデータを用いて、超解像処理を行う。そして、解像度が高くなったデータと、解像
度は低いが、決定された各領域のバックライトの輝度のデータとを用いて、ローカルディ
ミング処理における各画素に供給するビデオ信号を決定する処理を行う。
【0201】
なお、ローカルディミング処理におけるバックライトの輝度の制御の処理は、超解像処理
と同時に行うことも可能である。
【0202】
例えば、複数のCPUコアを有するマルチコアのCPUを用いて、各々のCPUコアに処
理を分散させることにより、フレーム補間処理と超解像処理とローカルディミング処理を
同時に行うことも可能である。このように、マルチコアのCPUを用いることにより、少
ない部品数で、高速に処理を行うことが出来る。なお、このようなマルチコアのCPUは
、SOIを有する半導体装置(またはトランジスタ)を有して構成されることが出来る。
SOIを用いることにより、低消費電力で動作させることができ、動作中の発熱も低く抑
えることが出来る。
【0203】
フレーム補間処理を行った場合、それほど大きく画像は変化しない場合がある。一方、バ
ックライトの配置のピッチは、画素ピッチと比較すると、遙かに大きい。したがって、フ
レーム補間処理を行う前のデータを用いて、ローカルディミング処理における各領域のバ
ックライトの輝度を決定する処理を行っても、実用上、問題はない。
【0204】
このような処理を行うことにより、フレーム補間処理と、ローカルディミング処理におけ
るバックライトの輝度の制御の処理とを同時に行えるために、全体の処理時間を短縮する
ことが可能となる。したがって、ゲームなどのリアルタイム性が要求されるような表示を
行う場合においても、遅延無く表示させることが出来る。
【0205】
なお、
図11(A)において、輪郭強調処理、オーバードライブ処理なども追加で行うこ
とが可能である。一例として、輪郭強調処理も行った場合の例を、
図11(B)に示す。
ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0206】
なお、
図11(A)において、複数の処理系を用いて超解像処理を行うことが可能である
。その場合の一例を
図12(A)および
図12(B)に示す。
図12(A)の処理フロー
は、
図1(B)の処理フローを適用させた場合に相当し、
図12(B)の処理フローは、
図5(B)の処理フローを適用させた場合に相当する。このように、実施の形態1で述べ
た内容を適用させることが可能であり、他の内容についても、同様に適用させることが出
来る。
【0207】
(実施の形態5)
本実施の形態では、照明装置の一例について示す。照明装置は、液晶表示装置のバックラ
イト、または、室内灯などとして用いることが可能である。ただし、実施の形態の一例は
、これに限定されない。
【0208】
図13に、点光源を用いた場合のバックライト、または、照明装置について示す。
図13
(A)に示すように、装置1001には、点光源1002が複数配置されている。配列状
に点光源1002を配置することにより、均一な面光源を構成することが可能となる。装
置1001は、液晶表示装置のバックライト、または、その一部として利用することが可
能である。
【0209】
そして、しきい1003が、横方向に伸びて配置されている。または、しきい1004が
、縦方向に伸びて配置されている。これらのしきい1003およびしきい1004を複数
配置することによって、面光源を複数の領域に分けることが出来る。
図13(A)では、
縦方向が、3個の領域に分けられ、横方向が、9個の領域に分けられている。そのため、
しきいによって、他の領域に光が漏れることを低減できる。そして、各領域の点光源10
02の輝度を制御することにより、ローカルディミング(バックライトの局所輝度制御、
LOCAL DIMMING)を実現することが出来る。特に、しきいを配置することに
より、他の領域に光が漏れることを低減できるため、領域毎の輝度の制御が精密に出来る
ようになる。そのため、各画素の液晶素子の透過率の導出が容易になる。または、光漏れ
が少ないため、コントラストを向上させることが出来る。ただし、実施の形態の一例は、
これに限定されない。
【0210】
または、光源の一部を非点灯状態にして、その非点灯状態を画面内で移動するようにする
ことが可能である。つまり、画面内の点光源を部分的にオフにして、オフにした領域をス
キャンしていくことが可能である。例えば、上から下に走査していくことが可能である。
このようなバックライトスキャンを行うことにより、残像を低減し、動画特性を向上させ
ることが出来る。
【0211】
なお、しきいとしては、しきい1003などのように、横方向に伸びて配置されているも
ののみを配置することも可能である。または、しきいとしては、しきい1004などのよ
うに、縦方向に伸びて配置されているもののみを配置することも可能である。または、し
きい自体を設けないことも可能である。
【0212】
なお、しきい1003またはしきい1004の表面は、鏡面、または、白色になっている
ことが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これに限定されない。鏡面の場合は、
光を反射させることができるため、光を有効に利用することが出来る。そのため、消費電
力を低減することが出来る。白色の場合は、光を拡散させることができる。そのため、領
域の境界が見えにくくなるため、視認性を向上させることが可能となる。
【0213】
なお、しきい1003またはしきい1004の透過率は、50%以下、さらには30%以
下であることが望ましい。または、しきい1003またはしきい1004の透過率は、1
%以上、さらには5%以上であることが望ましい。ただし、実施の形態の一例は、これら
に限定されない。透過率が低いことにより、光漏れを低減させ、領域毎の輝度の制御が精
密に出来るようになる。ただし、光を完全に透過しない場合は、領域の境界が見えてしま
い、視認性が低下する可能性がある。そのため、僅かに光を透過させることにより、領域
の境界が見えにくくなり、視認性を向上させることが可能である。
【0214】
なお、しきい1003またはしきい1004は、アクリル、プラスチック、ポリカーボネ
ート、PETなど、有機物を有して構成されることが可能である。ただし、実施の形態の
一例は、これに限定されない。
【0215】
なお、スペーサ1005を設けることも可能である。ただし、実施の形態の一例は、これ
に限定されず、スペーサ1005を設けないことも可能である。スペーサ1005は、点
光源1002、しきい1003、または、しきい1004などの上に配置されるシートが
たわんでしまうことを防止する機能を有している。
【0216】
なお、スペーサ1005を設ける場合、あまり多くの数で設けず、少ない数で設けること
が可能である。したがって、例えば、
図13(A)では、縦方向に3個の領域、横方向に
9個の領域に分けられ、合計27個の領域を有しているが、スペーサ1005が設けられ
ている領域と、スペーサ1005が設けられていない領域とを作ることが可能である。ま
たは、スペーサ1005の数は、領域の数よりも少なくして設けることが可能である。こ
のように、全ての領域にスペーサ1005を設けないことにより、製造を容易にすること
、及び/又は、コストを低減することが可能となる。
【0217】
なお、スペーサ1005は、透明、黒色、または、白色であることが好適である。透明、
黒色、または、白色を用いることにより、スペーサ1005の有無によって、輝度ムラが
出たり、色ズレが生じたりすることを低減することが可能となる。ただし、実施の形態の
一例は、これに限定されない。
【0218】
なお、スペーサ1005は、アクリル、プラスチック、ポリカーボネート、PETなど、
有機物を有して構成されることが可能である。ただし、実施の形態の一例は、これに限定
されない。
【0219】
なお、点光源1002は、例えば、3色分の発光ダイオード、または、3色分のレーザー
で構成されている。そして、各々の発光ダイオード、または、レーザーは、赤、青、緑の
色を持っている。そして、例えば、3色の発光ダイオードを用いることにより、白色にす
ることが可能である。したがって、白色にできるようになっていれば、色は、赤、青、緑
に限定されない。例えば、シアン、マゼンタ、イエローなどのCMYKを点光源として用
いることも可能である。
【0220】
このように、色毎に輝度を制御出来る場合は、より精密にローカルディミングを行うこと
が出来るため、消費電力の低減、または、コントラストの向上などを実現することが可能
となる。
【0221】
なお、各色の発光ダイオードの数は、同じであることが好適である。ただし、実施の形態
の一例は、これらに限定されない。ある色のみ、発光ダイオードの数を増やすことも可能
である。例えば、緑色の発光ダイオードの数を、赤、または、青の発光ダイオードの数の
倍にすることが可能である。このように、発光ダイオードの数を、色毎に異なるようにす
ることにより、色度の調整が容易に出来るようになる。また、発光ダイオードの寿命が、
色毎に異なってしまうことを低減することも可能である。
【0222】
なお、発光ダイオードは、3色であることに限定されない。例えば、ある色に近い色を持
つ発光ダイオードも用いることにより、色度を広くすることが出来る。例えば、赤、青、
緑の他に、緑色に近い色も追加して、4色で構成することも可能である。
【0223】
なお、発光ダイオードは、赤、青、緑の他に、白色の発光ダイオードも用いることが出来
る。白色の発光ダイオードを用いることにより、発光ダイオードの寿命を延ばすことが可
能となる。または、白色の発光ダイオードを用いることにより、温度による色変化を低減
することが可能となる。
【0224】
なお、白色の発光ダイオードのみを用い、赤、青、緑などの白以外の発光ダイオードを用
いないことも可能である。白色のみを用いることにより、色が混じり合わないことを防ぐ
ことが出来る。または、白色のみを用いることにより、劣化によって、色ズレが生じるこ
とを低減することが可能となる。
【0225】
なお、点光源1002の横方向のピッチ1007は、点光源1002の縦方向のピッチ1
006よりも、短いことが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定され
ない。
【0226】
なお、領域の数は、縦方向の領域の数よりも、横方向の領域の数のほうが多いことが好適
である。例えば、
図13(A)では、縦方向の領域の数は3であり、横方向の領域の数は
9である。
【0227】
なお、1つの画面の中の領域の数は、ある色の発光ダイオードの数よりも、少ないことが
好適である。つまり、1つの領域のある一つの色について、複数の点光源を有することが
望ましい。そして、1つの領域において配置されている点光源について、ある一つの色を
有する複数の点光源の輝度は、同時に、同じ輝度になるように制御されることが好適であ
る。つまり、1つの領域において、色毎に、輝度が制御されることが好適である。例えば
、1つの領域において、赤色の発光ダイオードが3つあった場合、3つの発光ダイオード
は、輝度を上げるときは、3つとも輝度をあげ、輝度を下げるときには、3つとも輝度を
下げるようにすることが好適である。ただし、発光ダイオードなどでは、特性がばらつく
ために、完全に同じ輝度になることは難しい。したがって、特性ばらつきを含む程度にお
いて、同じ輝度で発光させることが望ましい。例えば、30%程度のばらつきを有して、
同じ輝度で発光させることが望ましい。このように、1つの領域に、複数の点光源を配置
することにより、輝度ムラを低減することが可能である。または、点光源の劣化を低減す
ることが可能である。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0228】
図13(B)には、
図13(A)の断面の一部の一例を示す。装置1001の上には、拡
散板1011が配置されている。拡散板1011により、輝度ムラを低減している。拡散
板1011は、スペーサ1005によって、画面の中央部でもたわまないように、支えら
れている。
【0229】
拡散板1011の上には、表示パネル1012が配置されている。表示パネルは、例えば
、画素、駆動回路、液晶素子、ガラス基板、薄膜トランジスタ、偏光板、位相差板、カラ
ーフィルタ、及び/又は、プリズムシートを有している。表示パネル1012と、バック
ライトとを連携させて動作させることにより、適切な表示を実現することが可能となる。
【0230】
なお、拡散板1011は、光を透過させつつ、光を拡散させる機能を有している。したが
って、光を拡散させる機能を有しつつ、透過率は高いことが好適である。そのため、拡散
板1011の透過率は、しきい1003の透過率よりも、高いことが好適である。拡散板
1011の透過率が高いことにより、しきい1003で反射された光が、拡散板1011
を透過していくことが可能である。そのため、他の領域に光が漏れることを低減しつつ、
画面には光が出やすくすることが出来る。したがって、領域毎の輝度の制御が精密に出来
るようになり、ローカルディミングを適切に行うことが可能となる。ただし、実施の形態
の一例は、これらに限定されない。
【0231】
なお、点光源1002の高さ1013よりも、しきい1003の高さ1014の方が高い
ことが好適である。点光源1002から出た光が、別の領域に漏れにくくするためには、
しきい1003の高さ1014の方が高いことが望ましい。ただし、実施の形態の一例は
、これらに限定されない。
【0232】
なお、しきい1003と拡散板1011との間隔1015は、しきい1003の高さ10
14よりも短いことが好適である。間隔1015が長い場合、光が漏れすぎてしまう。そ
のため、間隔1015は、しきい1003の高さ1014よりも短いことが好適である。
ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0233】
なお、しきい1003と拡散板1011との間隔1015は、点光源1002の高さ10
13よりも長いことが好適である。間隔1015が小さすぎる場合、領域の境界がくっき
りとしすぎてしまうため、画面にも、境界が見えてしまう可能性がある。したがって、画
面に、領域の境界が視認されないようにするためには、多少の光が漏れる程度の長さが必
要となる。そこで、しきい1003を点光源1002の高さ1013よりも長くすること
によって、適量の光を漏れさせることが可能となる。ただし、実施の形態の一例は、これ
らに限定されない。
【0234】
なお、しきい1003の高さ1014と、しきい1004の高さとは、概ね等しいことが
好適である。概ね等しいとは、製造誤差やばらつきを含んだ上で、多少の差を有している
場合があることを想定した上で、等しい場合のことである。例としては、10%程度以内
のばらつきを有していることが可能である。しきいの高さを概ね等しくすることにより、
光の漏れ量が均等になるため、輝度ムラを低減することが可能となる。ただし、実施の形
態の一例は、これらに限定されない。
【0235】
なお、
図13では、各領域内に、点光源を配置したが、実施の形態の一例は、これに限定
されない。領域毎に、小さな面光源を配置することも可能である。
図14に、各領域に面
光源を配置した場合の一例を示す。面光源を用いる場合も、点光源を用いた場合と同様に
構成させることが可能となる。したがって、
図13で述べた内容(一部でもよい)、図(
一部でもよい)を、
図14に適用させることが可能である。
【0236】
図14(A)では、各領域に、面光源1102が配置されている。面光源1102は、様
々な構成を用いて、実現することが可能である。
【0237】
なお、
図14(A)では、しきい1003およびしきい1004を設けない場合について
示したが、実施の形態の一例は、これに限定されない。しきい1003などのように、横
方向に伸びて配置されているもののみを配置することも可能である。または、しきい10
04などのように、縦方向に伸びて配置されているもののみを配置することも可能である
。または、両方のしきいを設けることも可能である。
【0238】
なお、スペーサ1005を設けることも可能である。ただし、実施の形態の一例は、これ
に限定されず、スペーサ1005を設けないことも可能である。スペーサ1005は、面
光源1102などの上に配置されるシートがたわんでしまうことを防止する機能を有して
いる。ただし、面光源の場合、領域内で空洞ができる面積が小さいため、スペーサ100
5を設けないことが可能となる。
【0239】
なお、面光源1102の横方向のピッチは、面光源1102の縦方向のピッチよりも、短
いことが好適である。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0240】
なお、面光源1102の高さよりも、しきいの高さの方が高いことが好適である。面光源
1102から出た光が、別の領域に漏れにくくするためには、しきいの高さの方が高いこ
とが望ましい。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0241】
さらに、面光源1102上に拡散板を設ける場合、しきいと拡散板との間隔は、面光源1
102の高さよりも長いことが好適である。間隔が小さすぎる場合、領域の境界がくっき
りとしすぎてしまうため、画面にも、境界が見えてしまう可能性がある。したがって、画
面に、領域の境界が視認されないようにするためには、多少の光が漏れる程度の長さが必
要となる。そこで、面光源1102の高さよりもしきいを長くすることによって、適量の
光を漏れさせることが可能となる。ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない
。
【0242】
次に、面光源1102の一例として、導光板と線光源(または点光源の集まり)を有して
、小さな面光源を構成した場合の断面図を
図14(B)に示す。
図14(B)では、3つ
分の面光源の断面図を示す。線光源1103から導光板1104へ、光が入射する。導光
板1104の中では、光は全反射を繰り返し、伝搬されていく。そして、導光板1104
の底面1105には、加工がされている。そのため、導光板1104の表面から光が出て
行き、面光源が実現される。
【0243】
底面1105の加工については、一例としては、プリズム状に凹凸が形成されている場合
、または、インクが印刷されている場合などがある。これらの密度または形状などを制御
することにより、均一な面光源を実現することが出来る。
【0244】
なお、
図14(A)のような面光源を用いた場合において、面光源の上に、拡散板101
1を設けることが可能である。これにより、輝度ムラを低減することが可能である。ただ
し、面光源1102を用いる場合、点光源の場合とは異なり、すでに、ある程度、領域内
で輝度が均一化されているため、拡散板1011を設けないことも可能である。
【0245】
面光源1102の別の例としては、平面蛍光管(平面陰極管)を用いることが可能である
。
【0246】
または、
図14(C)のように、蛍光管(陰極管)1106を領域内で曲げて配置し、平
面蛍光管(平面陰極管)に近い状態にして、面光源を実現することも可能である。その場
合、
図14(D)の断面図に示すように、蛍光管(陰極管)1106の周り、特に、上側
に、拡散板1107を配置して、均一な面光源に近づけるようにすることも可能である。
ただし、実施の形態の一例は、これらに限定されない。
【0247】
(実施の形態6)
次に、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態におい
ては、信号書込みに対する輝度の応答が遅い(応答時間が長い)表示素子を用いた表示装
置の場合について述べる。本実施の形態においては、応答時間が長い表示素子として液晶
素子を例として説明するが、本実施の形態における表示素子はこれに限定されず、信号書
込みに対する輝度の応答が遅い様々な表示素子を用いることができる。
【0248】
一般的な液晶表示装置の場合、信号書込みに対する輝度の応答が遅く、液晶素子に信号電
圧を加え続けた場合でも、応答が完了するまで1フレーム期間以上の時間がかかることが
ある。このような表示素子で動画を表示しても、動画を忠実に再現することはできない。
さらに、アクティブマトリクス駆動の場合、一つの液晶素子に対する信号書込みの時間は
、通常、信号書込み周期(1フレーム期間または1サブフレーム期間)を走査線数で割っ
た時間(1走査線選択期間)に過ぎず、液晶素子はこのわずかな時間内に応答しきれない
ことが多い。したがって、液晶素子の応答の大半は、信号書込みが行われない期間で行わ
れることになる。ここで、液晶素子の誘電率は、当該液晶素子の透過率に従って変化する
が、信号書込みが行われない期間において液晶素子が応答するということは、液晶素子の
外部と電荷のやり取りが行われない状態(定電荷状態)で液晶素子の誘電率が変化するこ
とを意味する。つまり、(電荷)=(容量)・(電圧)の式において、電荷が一定の状態
で容量が変化することになるため、液晶素子に加わる電圧は、液晶素子の応答にしたがっ
て、信号書込み時の電圧から変化してしまうことになる。したがって、信号書込みに対す
る輝度の応答が遅い液晶素子をアクティブマトリクスで駆動する場合、液晶素子に加わる
電圧は、信号書込み時の電圧に原理的に到達し得ない。
【0249】
本実施の形態における表示装置は、表示素子を信号書込み周期内に所望の輝度まで応答さ
せるために、信号書込み時の信号レベルを予め補正されたもの(補正信号)とすることで
、上記の問題点を解決することができる。さらに、液晶素子の応答時間は信号レベルが大
きいほど短くなるので、補正信号を書き込むことによって、液晶素子の応答時間を短くす
ることもできる。このような補正信号を加える駆動方法は、オーバードライブとも呼ばれ
る。本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が、表示装置に入力され
る画像信号の周期(入力画像信号周期Tin)よりも短い場合であっても、信号書込み周
期に合わせて信号レベルが補正されることで、信号書込み周期内に表示素子を所望の輝度
まで応答させることができる。信号書込み周期が、入力画像信号周期Tinよりも短い場
合とは、例えば、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当該複数のサブ画像を1フレ
ーム期間内に順次表示させる場合が挙げられる。
【0250】
次に、アクティブマトリクス駆動の表示装置において信号書込み時の信号レベルを補正す
る方法の例について、
図15(A)および(B)を参照して説明する。
図15(A)は、
横軸を時間、縦軸を信号書込み時の信号レベルとし、ある1つの表示素子における信号書
込み時の信号レベルの輝度の時間変化を模式的に表したグラフである。
図15(B)は、
横軸を時間、縦軸を表示レベルとし、ある1つの表示素子における表示レベルの時間変化
を模式的に表したグラフである。なお、表示素子が液晶素子の場合は、信号書込み時の信
号レベルは電圧、表示レベルは液晶素子の透過率とすることができる。これ以降は、
図1
5(A)の縦軸は電圧、
図15(B)の縦軸は透過率であるとして説明する。なお、本実
施の形態におけるオーバードライブは、信号レベルが電圧以外(デューティー比、電流等
)である場合も含む。なお、本実施の形態におけるオーバードライブは、表示レベルが透
過率以外(輝度、電流等)である場合も含む。なお、液晶素子には、電圧が0である時に
黒表示となるノーマリーブラック型(例:VAモード、IPSモード等)と、電圧が0で
ある時に白表示となるノーマリーホワイト型(例:TNモード、OCBモード等)がある
が、
図15(B)に示すグラフはどちらにも対応しており、ノーマリーブラック型の場合
はグラフの上方へ行くほど透過率が大きいものとし、ノーマリーホワイト型の場合はグラ
フの下方へ行くほど透過率が大きいものとすればよい。すなわち、本実施の形態における
液晶モードは、ノーマリーブラック型でも良いし、ノーマリーホワイト型でも良い。なお
、時間軸には信号書込みタイミングが点線で示されており、信号書込みが行なわれてから
次の信号書込みが行なわれるまでの期間を、保持期間Fiと呼ぶこととする。本実施形態
においては、iは整数であり、それぞれの保持期間を表すインデックスであるとする。図
15(A)および(B)においては、iは0から2までとして示しているが、iはこれ以
外の整数も取り得る(0から2以外については図示しない)。なお、保持期間Fiにおい
て、画像信号に対応する輝度を実現する透過率をTiとし、定常状態において透過率Ti
を与える電圧をViとする。なお、
図15(A)中の破線5101は、オーバードライブ
を行なわない場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表し、実線5102は、本実施の
形態におけるオーバードライブを行う場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表してい
る。同様に、
図15(B)中の破線5103は、オーバードライブを行わない場合の液晶
素子の透過率の時間変化を表し、実線5104は、本実施の形態におけるオーバードライ
ブを行う場合の液晶素子の透過率の時間変化を表している。なお、保持期間Fiの末尾に
おける、所望の透過率Tiと実際の透過率との差を、誤差αiと表記することとする。
【0251】
図15(A)に示すグラフにおいて、保持期間F0においては破線5101と実線510
2ともに所望の電圧V0が加えられており、
図15(B)に示すグラフにおいても、破線
5103と実線5104ともに所望の透過率T0が得られているものとする。そして、オ
ーバードライブが行われない場合、破線5101に示すように、保持期間F1の初頭にお
いて所望の電圧V1が液晶素子に加えられるが、既に述べたように信号が書込まれる期間
は保持期間に比べて極めて短く、保持期間のうちの大半の期間は定電荷状態となるため、
保持期間において液晶素子にかかる電圧は透過率の変化とともに変化していき、保持期間
F1の末尾においては所望の電圧V1と大きく異なった電圧となってしまう。このとき、
図15(B)に示すグラフにおける破線5103も、所望の透過率T1と大きく異なった
ものとなってしまう。そのため、画像信号に忠実な表示を行うことができず、画質が低下
してしまう。一方、本実施の形態におけるオーバードライブが行われる場合、実線510
2に示すように、保持期間F1の初頭において、所望の電圧V1よりも大きな電圧V1´
が液晶素子に加えられるようにする。つまり、保持期間F1において徐々に液晶素子にか
かる電圧が変化することを見越して、保持期間F1の末尾において液晶素子にかかる電圧
が所望の電圧V1近傍の電圧となるように、保持期間F1の初頭において所望の電圧V1
から補正された電圧V1´を液晶素子に加えることで、正確に所望の電圧V1を液晶素子
にかけることが可能となる。このとき、
図15(B)に示すグラフにおける実線5104
に示すように、保持期間F1の末尾において所望の透過率T1が得られる。すなわち、保
持期間うちの大半の期間において定電荷状態となるにも関わらず、信号書込み周期内での
液晶素子の応答を実現できる。次に、保持期間F2においては、所望の電圧V2がV1よ
りも小さい場合を示しているが、この場合も保持期間F1と同様に、保持期間F2におい
て徐々に液晶素子にかかる電圧が変化することを見越して、保持期間F2の末尾において
液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V2近傍の電圧となるように、保持期間F2の初頭に
おいて所望の電圧V2から補正された電圧F2´を液晶素子に加えればよい。こうするこ
とで、
図15(B)に示すグラフにおける実線5104に示すように、保持期間F2の末
尾において所望の透過率T2が得られる。なお、保持期間F1のように、ViがVi-1
と比べて大きくなる場合は、補正された電圧Vi´は所望の電圧Viよりも大きくなるよ
うに補正されることが好ましい。さらに、保持期間F2のように、ViがVi-1と比べ
て小さくなる場合は、補正された電圧Vi´は所望の電圧Viよりも小さくなるように補
正されることが好ましい。なお、具体的な補正値については、予め液晶素子の応答特性を
測定することで導出することができる。装置に実装する方法としては、補正式を定式化し
て論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとしてメモリに保存しておき
、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる。
【0252】
なお、本実施の形態におけるオーバードライブを、実際に装置として実現する場合には、
様々な制約が存在する。例えば、電圧の補正は、ソースドライバの定格電圧の範囲内で行
われなければならない。すなわち、所望の電圧が元々大きな値であって、理想的な補正電
圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまう場合は、補正しきれないこととなる。この
ような場合の問題点について、
図15(C)および(D)を参照して説明する。
図15(
C)は、
図15(A)と同じく、横軸を時間、縦軸を電圧とし、ある1つの液晶素子にお
ける電圧の時間変化を実線5105として模式的に表したグラフである。
図15(D)は
、
図15(B)と同じく、横軸を時間、縦軸を透過率とし、ある1つの液晶素子における
透過率の時間変化を実線5106として模式的に表したグラフである。なお、その他の表
記方法については
図15(A)および(B)と同様であるため、説明を省略する。
図15
(C)および(D)は、保持期間F1における所望の透過率T1を実現するための補正電
圧V1´がソースドライバの定格電圧を超えてしまうため、V1´=V1とせざるを得な
くなり、十分な補正ができない状態を表している。このとき、保持期間F1の末尾におけ
る透過率は、所望の透過率T1と誤差α1だけ、ずれた値となってしまう。ただし、誤差
α1が大きくなるのは、所望の電圧が元々大きな値であるときに限られるため、誤差α1
の発生による画質低下自体は許容範囲内である場合も多い。しかしながら、誤差α1が大
きくなることによって、電圧補正のアルゴリズム内の誤差も大きくなってしまう。つまり
、電圧補正のアルゴリズムにおいて、保持期間の末尾に所望の透過率が得られていると仮
定している場合、実際は誤差α1が大きくなっているのにも関わらず、誤差α1が小さい
として電圧の補正を行うため、次の保持期間F2における補正に誤差が含まれることとな
り、その結果、誤差α2までも大きくなってしまう。さらに、誤差α2が大きくなれば、
その次の誤差α3がさらに大きくなってしまうというように、誤差が連鎖的に大きくなっ
ていき、結果的に画質低下が著しいものとなってしまう。本実施の形態におけるオーバー
ドライブにおいては、このように誤差が連鎖的に大きくなってしまうことを抑制するため
、保持期間Fiにおいて補正電圧Vi´がソースドライバの定格電圧を超えるとき、保持
期間Fiの末尾における誤差αiを推定し、当該誤差αiの大きさを考慮して、保持期間
Fi+1における補正電圧を調整できる。こうすることで、誤差αiが大きくなってしま
っても、それが誤差αi+1に与える影響を最小限にすることができるため、誤差が連鎖
的に大きくなってしまうことを抑制できる。本実施の形態におけるオーバードライブにお
いて、誤差α2を最小限にする例について、
図15(E)および(F)を参照して説明す
る。
図15(E)に示すグラフは、
図15(C)に示すグラフの補正電圧V2´をさらに
調整し、補正電圧V2´´とした場合の電圧の時間変化を、実線5107として表してい
る。
図15(F)に示すグラフは、
図15(E)に示すグラフによって電圧の補正がなさ
れた場合の透過率の時間変化を表している。
図15(D)に示すグラフにおける実線51
06では、補正電圧V2´によって過剰補正が発生しているが、
図15(F)に示すグラ
フにおける実線5108では、誤差α1を考慮して調整された補正電圧V2´´によって
過剰補正を抑制し、誤差α2を最小限にしている。なお、具体的な補正値については、予
め液晶素子の応答特性を測定することで導出することができる。装置に実装する方法とし
ては、補正式を定式化して論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとし
てメモリに保存しておき、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる
。そして、これらの方法を、補正電圧Vi´を計算する部分とは別に追加する、または補
正電圧Vi´を計算する部分に組み込むことができる。なお、誤差αi―1を考慮して調
整された補正電圧Vi´´の補正量(所望の電圧Viとの差)は、Vi´の補正量よりも
小さいものとすることが好ましい。つまり、|Vi´´-Vi|<|Vi´-Vi|とす
ることが好ましい。
【0253】
なお、理想的な補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまうことによる誤差αi
は、信号書込み周期が短いほど大きくなる。なぜならば、信号書込み周期が短いほど液晶
素子の応答時間も短くする必要があり、その結果、より大きな補正電圧が必要となるため
である。さらに、必要とされる補正電圧が大きくなった結果、補正電圧がソースドライバ
の定格電圧を超えてしまう頻度も大きくなるため、大きな誤差αiが発生する頻度も大き
くなる。したがって、本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が短い
場合ほど有効であるといえる。具体的には、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当
該複数のサブ画像を1フレーム期間内に順次表示させる場合、複数の画像から画像に含ま
れる動きを検出して、当該複数の画像の中間状態の画像を生成し、当該複数の画像の間に
挿入して駆動する(いわゆる動き補償倍速駆動)場合、またはこれらを組み合わせる場合
、等の駆動方法が行われる場合に、本実施の形態におけるオーバードライブが用いられる
ことは、格段の効果を奏することになる。
【0254】
なお、ソースドライバの定格電圧は、上述した上限の他に、下限も存在する。例えば、電
圧0よりも小さい電圧が加えられない場合が挙げられる。このとき、上述した上限の場合
と同様に、理想的な補正電圧が加えられないこととなるため、誤差αiが大きくなってし
まう。しかしながら、この場合でも、上述した方法と同様に、保持期間Fiの末尾におけ
る誤差αiを推定し、当該誤差αiの大きさを考慮して、保持期間Fi+1における補正
電圧を調整することができる。なお、ソースドライバの定格電圧として電圧0よりも小さ
い電圧(負の電圧)を加えることができる場合は、補正電圧として液晶素子に負の電圧を
加えても良い。こうすることで、定電荷状態による電位の変動を見越して、保持期間Fi
の末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧Vi近傍の電圧となるように調整でき
る。
【0255】
なお、液晶素子の劣化を抑制するため、液晶素子に加える電圧の極性を定期的に反転させ
る、いわゆる反転駆動を、オーバードライブと組み合わせて実施することができる。すな
わち、本実施の形態におけるオーバードライブは、反転駆動と同時に行われる場合も含む
。例えば、信号書込み周期が入力画像信号周期Tinの1/2である場合に、極性を反転
させる周期と入力画像信号周期Tinとが同程度であると、正極性の信号の書込みと負極
性の信号の書込みが、2回毎に交互に行われることになる。このように、極性を反転させ
る周期を信号書込み周期よりも長くすることで、画素の充放電の頻度を低減できるので、
消費電力を低減できる。ただし、極性を反転させる周期をあまり長くすると、極性の違い
による輝度差がフリッカとして認識される不具合が生じることがあるため、極性を反転さ
せる周期は入力画像信号周期Tinと同程度か短いことが好ましい。
【0256】
(実施の形態7)
次に、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態におい
ては、表示装置の外部から入力される画像(入力画像)の動きを補間する画像を、複数の
入力画像を基にして表示装置の内部で生成し、当該生成された画像(生成画像)と、入力
画像とを順次表示させる方法について説明する。なお、生成画像を、入力画像の動きを補
間するような画像とすることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホール
ド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。ここで、動画の補
間について、以下に説明する。動画の表示は、理想的には、個々の画素の輝度をリアルタ
イムに制御することで実現されるものであるが、画素のリアルタイム個別制御は、制御回
路の数が膨大なものとなる問題、配線スペースの問題、および入力画像のデータ量が膨大
なものとなる問題等が存在し、実現が困難である。したがって、表示装置による動画の表
示は、複数の静止画を一定の周期で順次表示することで、表示が動画に見えるようにして
行われている。この周期(本実施の形態においては入力画像信号周期と呼び、Tinと表
す)は規格化されており、例として、NTSC規格では1/60秒、PAL規格では1/
50秒である。この程度の周期でも、インパルス型表示装置であるCRTにおいては動画
表示に問題は起こらなかった。しかし、ホールド型表示装置においては、これらの規格に
準じた動画をそのまま表示すると、ホールド型であることに起因する残像等により表示が
不鮮明となる不具合(ホールドぼけ:hold blur)が発生してしまう。ホールド
ぼけは、人間の目の追従による無意識的な動きの補間と、ホールド型の表示との不一致(
discrepancy)で認識されるものであるので、従来の規格よりも入力画像信号
周期を短くする(画素のリアルタイム個別制御に近づける)ことで低減させることができ
るが、入力画像信号周期を短くすることは規格の変更を伴い、さらに、データ量も増大す
ることになるので、困難である。しかしながら、規格化された入力画像信号を基にして、
入力画像の動きを補間するような画像を表示装置内部で生成し、当該生成画像によって入
力画像を補間して表示することで、規格の変更またはデータ量の増大なしに、ホールドぼ
けを低減できる。このように、入力画像信号を基にして表示装置内部で画像信号を生成し
、入力画像の動きを補間することを、動画の補間と呼ぶこととする。
【0257】
本実施の形態における動画の補間方法によって、動画ぼけを低減させることができる。本
実施の形態における動画の補間方法は、画像生成方法と画像表示方法に分けることができ
る。そして、特定のパターンの動きについては別の画像生成方法および/または画像表示
方法を用いることで、効果的に動画ぼけを低減させることができる。
図16(A)および
(B)は、本実施の形態における動画の補間方法の一例を説明するための模式図である。
図16(A)および(B)において、横軸は時間であり、横方向の位置によって、それぞ
れの画像が扱われるタイミングを表している。「入力」と記された部分は、入力画像信号
が入力されるタイミングを表している。ここでは、時間的に隣接する2つの画像として、
画像5121および画像5122に着目している。入力画像は、周期Tinの間隔で入力
される。なお、周期Tin1つ分の長さを、1フレームもしくは1フレーム期間と記すこ
とがある。「生成」と記された部分は、入力画像信号から新しく画像が生成されるタイミ
ングを表している。ここでは、画像5121および画像5122を基にして生成される生
成画像である、画像5123に着目している。「表示」と記された部分は、表示装置に画
像が表示されるタイミングを表している。なお、着目している画像以外の画像については
破線で記しているのみであるが、着目している画像と同様に扱うことによって、本実施の
形態における動画の補間方法の一例を実現できる。
【0258】
本実施の形態における動画の補間方法の一例は、
図16(A)に示されるように、時間的
に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示
されるタイミングの間隙に表示させることで、動画の補間を行うことができる。このとき
、表示画像の表示周期は、入力画像の入力周期の1/2とされることが好ましい。ただし
、これに限定されず、様々な表示周期とすることができる。例えば、表示周期を入力周期
の1/2より短くすることで、動画をより滑らかに表示できる。または、表示周期を入力
周期の1/2より長くすることで、消費電力を低減できる。なお、ここでは、時間的に隣
接した2つの入力画像を基にして画像を生成しているが、基にする入力画像は2つに限定
されず、様々な数を用いることができる。例えば、時間的に隣接した3つ(3つ以上でも
良い)の入力画像を基にして画像を生成すれば、2つの入力画像を基にする場合よりも、
精度の良い生成画像を得ることができる。なお、画像5121の表示タイミングを、画像
5122の入力タイミングと同時刻、すなわち入力タイミングに対する表示タイミングを
1フレーム遅れとしているが、本実施の形態における動画の補間方法における表示タイミ
ングはこれに限定されず、様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、入力タ
イミングに対する表示タイミングを1フレーム以上遅らせることができる。こうすること
で、生成画像である画像5123の表示タイミングを遅くすることができるので、画像5
123の生成にかかる時間に余裕を持たせることができ、消費電力および製造コストの低
減につながる。なお、入力タイミングに対する表示タイミングをあまりに遅くすると、入
力画像を保持しておく期間が長くなり、保持にかかるメモリ容量が増大してしまうので、
入力タイミングに対する表示タイミングは、1フレーム遅れから2フレーム遅れ程度が好
ましい。
【0259】
ここで、画像5121および画像5122を基にして生成される画像5123の、具体的
な生成方法の一例について説明する。動画を補間するためには入力画像の動きを検出する
必要があるが、本実施の形態においては、入力画像の動きの検出のために、ブロックマッ
チング法と呼ばれる方法を用いることができる。ただし、これに限定されず、様々な方法
(画像データの差分をとる方法、フーリエ変換を利用する方法等)を用いることができる
。ブロックマッチング法においては、まず、入力画像1枚分の画像データ(ここでは画像
5121の画像データ)を、データ記憶手段(半導体メモリ、RAM等の記憶回路等)に
記憶させる。そして、次のフレームにおける画像(ここでは画像5122)を、複数の領
域に分割する。なお、分割された領域は、
図16(A)のように、同じ形状の矩形とする
ことができるが、これに限定されず、様々なもの(画像によって形状または大きさを変え
る等)とすることができる。その後、分割された領域毎に、データ記憶手段に記憶させた
前のフレームの画像データ(ここでは画像5121の画像データ)とデータの比較を行い
、画像データが似ている領域を探索する。
図16(A)の例においては、画像5122に
おける領域5124とデータが似ている領域を画像5121の中から探索し、領域512
6が探索されたものとしている。なお、画像5121の中を探索するとき、探索範囲は限
定されることが好ましい。
図16(A)の例においては、探索範囲として、領域5124
の面積の4倍程度の大きさである、領域5125を設定している。なお、探索範囲をこれ
より大きくすることで、動きの速い動画においても検出精度を高くすることができる。た
だし、あまりに広く探索を行うと探索時間が膨大なものとなってしまい、動きの検出の実
現が困難となるため、領域5125は、領域5124の面積の2倍から6倍程度の大きさ
であることが好ましい。その後、探索された領域5126と、画像5122における領域
5124との位置の違いを、動きベクトル5127として求める。動きベクトル5127
は領域5124における画像データの1フレーム期間の動きを表すものである。そして、
動きの中間状態を表す画像を生成するため、動きベクトルの向きはそのままで大きさを変
えた画像生成用ベクトル5128を作り、画像5121における領域5126に含まれる
画像データを、画像生成用ベクトル5128に従って移動させることで、画像5123に
おける領域5129内の画像データを形成させる。これらの一連の処理を、画像5122
における全ての領域について行うことで、画像5123が生成される。そして、画像51
21、画像5123、画像5122を順次表示することで、動画を補間することができる
。なお、画像中の物体5130は、画像5121および画像5122において位置が異な
っている(つまり動いている)が、生成された画像5123は、画像5121および画像
5122における物体の中間点となっている。このような画像を表示することで、動画の
動きを滑らかにすることができ、残像等による動画の不鮮明さを改善できる。
【0260】
なお、画像生成用ベクトル5128の大きさは、画像5123の表示タイミングに従って
決められることができる。
図16(A)の例においては、画像5123の表示タイミング
は画像5121および画像5122の表示タイミングの中間点(1/2)としているため
、画像生成用ベクトル5128の大きさは動きベクトル5127の1/2としているが、
他にも、例えば、表示タイミングが1/3の時点であれば、大きさを1/3とし、表示タ
イミングが2/3の時点であれば、大きさを2/3とすることができる。
【0261】
なお、このように、様々な動きベクトルを持った複数の領域をそれぞれ動かして新しい画
像を作る場合は、移動先の領域内に他の領域が既に移動している部分(重複)や、どこの
領域からも移動されてこない部分(空白)が生じることもある。これらの部分については
、データを補正することができる。重複部分の補正方法としては、例えば、重複データの
平均をとる方法、動きベクトルの方向等で優先度をつけておき、優先度の高いデータを画
像内のデータとする方法、色(または明るさ)はどちらかを優先させるが明るさ(または
色)は平均をとる方法、等を用いることができる。空白部分の補正方法としては、画像5
121または画像5122の当該位置における画像データをそのまま生成画像内のデータ
とする方法、画像5121または画像5122の当該位置における画像データの平均をと
る方法、等を用いることができる。そして、生成された画像5123を、画像生成用ベク
トル5128の大きさに従ったタイミングで表示させることで、動画の動きを滑らかにす
ることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を
改善できる。
【0262】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、
図16(B)に示されるように、時間
的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表
示されるタイミングの間隙に表示させる際に、それぞれの表示画像をさらに複数のサブ画
像に分割して表示することで、動画の補間を行うことができる。この場合、画像表示周期
が短くなることによる利点だけでなく、暗い画像が定期的に表示される(表示方法がイン
パルス型に近づく)ことによる利点も得ることができる。つまり、画像表示周期が画像入
力周期に比べて1/2の長さにするだけの場合よりも、残像等による動画の不鮮明さをさ
らに改善できる。
図16(B)の例においては、「入力」および「生成」については
図1
6(A)の例と同様な処理を行うことができるので、説明を省略する。
図16(B)の例
における「表示」は、1つの入力画像または/および生成画像を複数のサブ画像に分割し
て表示を行うことができる。具体的には、
図16(B)に示すように、画像5121をサ
ブ画像5121aおよび5121bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5
121が表示されたように知覚させ、画像5123をサブ画像5123aおよび5123
bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5123が表示されたように知覚さ
せ、画像5122をサブ画像5122aおよび5122bに分割して順次表示することで
、人間の目には画像5122が表示されたように知覚させる。すなわち、人間の目に知覚
される画像としては
図16(A)の例と同様なものとしつつ、表示方法をインパルス型に
近づけることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。なお、サ
ブ画像の分割数は、
図16(B)においては2つとしているが、これに限定されず様々な
分割数を用いることができる。なお、サブ画像が表示されるタイミングは、
図16(B)
においては等間隔(1/2)としているが、これに限定されず様々な表示タイミングを用
いることができる。例えば、暗いサブ画像(5121b、5122b、5123b)の表
示タイミングを早くする(具体的には、1/4から1/2のタイミング)ことで、表示方
法をよりインパルス型に近づけることができるため、残像等による動画の不鮮明さをさら
に改善できる。または、暗いサブ画像の表示タイミングを遅くする(具体的には、1/2
から3/4のタイミング)ことで、明るい画像の表示期間を長くすることができるので、
表示効率を高めることができ、消費電力を低減できる。
【0263】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、画像内で動いている物体の形状を検出
し、動いている物体の形状によって異なる処理を行う例である。
図16(C)に示す例は
、
図16(B)の例と同様に表示のタイミングを表しているが、表示されている内容が、
動く文字(スクロールテキスト、字幕、テロップ等とも呼ばれる)である場合を示してい
る。なお、「入力」および「生成」については、
図16(B)と同様としても良いため、
図示していない。ホールド駆動における動画の不鮮明さは、動いているものの性質によっ
て程度が異なることがある。特に、文字が動いている場合に顕著に認識されることが多い
。なぜならば、動く文字を読む際にはどうしても視線を文字に追従させてしまうので、ホ
ールドぼけが発生しやすくなるためである。さらに、文字は輪郭がはっきりしていること
が多いため、ホールドぼけによる不鮮明さがさらに強調されてしまうこともある。すなわ
ち、画像内を動く物体が文字かどうかを判別し、文字である場合はさらに特別な処理を行
うことは、ホールドぼけの低減のためには有効である。具体的には、画像内を動いている
物体に対し、輪郭検出または/およびパターン検出等を行って、当該物体が文字であると
判断された場合は、同じ画像から分割されたサブ画像同士であっても動き補間を行い、動
きの中間状態を表示するようにして、動きを滑らかにすることができる。当該物体が文字
ではないと判断された場合は、
図16(B)に示すように、同じ画像から分割されたサブ
画像であれば動いている物体の位置は変えずに表示することができる。
図16(C)の例
では、文字であると判断された領域5131が、上方向に動いている場合を示しているが
、画像5121aと画像5121bとで、領域5131の位置を異ならせている。画像5
123aと画像5123b、画像5122aと画像5122bについても同様である。こ
うすることで、ホールドぼけが特に認識されやすい動く文字については、通常の動き補償
倍速駆動よりもさらに動きを滑らかにすることができるので、残像等による動画の不鮮明
さをさらに改善できる。
【0264】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について
説明する。なお、本実施の形態における液晶素子の動作モードとして、TN(Twist
ed Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モー
ド、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Mul
ti-domain Vertical Alignment)モード、PVA(Pat
terned Vertical Alignment)モード、ASM(Axiall
y Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(O
ptically Compensated Birefringence)モード、F
LC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC
(AntiFerroelectric Liquid Crystal)などを用いる
ことができる。
【0265】
図17(A)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。画素508
0は、トランジスタ5081、液晶素子5082及び容量素子5083を有している。ト
ランジスタ5081のゲートは配線5085と電気的に接続される。トランジスタ508
1の第1端子は配線5084と電気的に接続される。トランジスタ5081の第2端子は
液晶素子5082の第1端子と電気的に接続される。液晶素子5082の第2端子は配線
5087と電気的に接続される。容量素子5083の第1端子は液晶素子5082の第1
端子と電気的に接続される。容量素子5083の第2端子は配線5086と電気的に接続
される。なお、トランジスタの第1端子とは、ソースまたはドレインのいずれか一方であ
り、トランジスタの第2端子とは、ソースまたはドレインの他方のことである。つまり、
トランジスタの第1端子がソースである場合は、トランジスタの第2端子はドレインとな
る。同様に、トランジスタの第1端子がドレインである場合は、トランジスタの第2端子
はソースとなる。
【0266】
配線5084は信号線として機能させることができる。信号線は、画素の外部から入力さ
れた信号電圧を画素5080に伝達するための配線である。配線5085は走査線として
機能させることができる。走査線は、トランジスタ5081のオンオフを制御するための
配線である。配線5086は容量線として機能させることができる。容量線は、容量素子
5083の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。トランジスタ5081は、
スイッチとして機能させることができる。容量素子5083は、保持容量として機能させ
ることができる。保持容量は、スイッチがオフの状態においても、信号電圧が液晶素子5
082に加わり続けるようにするための容量素子である。配線5087は、対向電極とし
て機能させることができる。対向電極は、液晶素子5082の第2端子に所定の電圧を加
えるための配線である。なお、それぞれの配線が持つことのできる機能はこれに限定され
ず、様々な機能を有することが出来る。例えば、容量線に加える電圧を変化させることで
、液晶素子に加えられる電圧を調整することもできる。なお、トランジスタ5081はス
イッチとして機能すればよいため、トランジスタ5081の極性はPチャネル型でもよい
し、Nチャネル型でもよい。
【0267】
図17(B)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。
図17(B
)に示す画素構成例は、
図17(A)に示す画素構成例と比較して、配線5087が省略
され、かつ、液晶素子5082の第2端子と容量素子5083の第2端子とが電気的に接
続されている点が異なっている以外は、
図17(A)に示す画素構成例と同様な構成であ
るとしている。
図17(B)に示す画素構成例は、特に、液晶素子が横電界モード(IP
Sモード、FFSモードを含む)である場合に適用できる。なぜならば、液晶素子が横電
界モードである場合、液晶素子5082の第2端子および容量素子5083の第2端子を
同一な基板上に形成させることができるため、液晶素子5082の第2端子と容量素子5
083の第2端子とを電気的に接続させることが容易であるからである。
図17(B)に
示すような画素構成とすることで、配線5087を省略できるので、製造工程を簡略なも
のとすることができ、製造コストを低減できる。
【0268】
図17(A)または
図17(B)に示す画素構成は、マトリクス状に複数配置されること
ができる。こうすることで、液晶表示装置の表示部が形成され、様々な画像を表示するこ
とができる。
図17(C)は、
図17(A)に示す画素構成がマトリクス状に複数配置さ
れている場合の回路構成を示す図である。
図17(C)に示す回路構成は、表示部が有す
る複数の画素のうち、4つの画素を抜き出して示した図である。そして、i列j行(i,
jは自然数)に位置する画素を、画素5080_i,jと表記し、画素5080_i,j
には、配線5084_i、配線5085_j、配線5086_jが、それぞれ電気的に接
続される。同様に、画素5080_i+1,jについては、配線5084_i+1、配線
5085_j、配線5086_jと電気的に接続される。同様に、画素5080_i,j
+1については、配線5084_i、配線5085_j+1、配線5086_j+1と電
気的に接続される。同様に、画素5080_i+1,j+1については、配線5084_
i+1、配線5085_j+1、配線5086_j+1と電気的に接続される。なお、各
配線は、同じ列または行に属する複数の画素によって共有されることができる。なお、図
17(C)に示す画素構成において配線5087は対向電極であり、対向電極は全ての画
素において共通であることから、配線5087については自然数iまたはjによる表記は
行わないこととする。なお、実施の形態の一例においては
図17(B)に示す画素構成を
用いることも可能であるため、配線5087が記載されている構成であっても配線508
7は必須ではなく、他の配線と共有されること等によって省略されることができる。
【0269】
図17(C)に示す画素構成は、様々な方法によって駆動されることができる。特に、交
流駆動と呼ばれる方法によって駆動されることによって、液晶素子の劣化(焼き付き)を
抑制することができる。
図17(D)は、交流駆動の1つである、ドット反転駆動が行わ
れる場合の、
図17(C)に示す画素構成における各配線に加えられる電圧のタイミング
チャートを表す図である。ドット反転駆動が行われることによって、交流駆動が行われる
場合に視認されるフリッカ(ちらつき)を抑制することができる。
【0270】
図17(C)に示す画素構成において、配線5085_jと電気的に接続されている画素
におけるスイッチは、1フレーム期間中の第jゲート選択期間において選択状態(オン状
態)となり、それ以外の期間では非選択状態(オフ状態)となる。そして、第jゲート選
択期間の後に、第j+1ゲート選択期間が設けられる。このように順次走査が行われるこ
とで、1フレーム期間内に全ての画素が順番に選択状態となる。
図17(D)に示すタイ
ミングチャートでは、電圧が高い状態(ハイレベル)となることで、当該画素におけるス
イッチが選択状態となり、電圧が低い状態(ローレベル)となることで非選択状態となる
。なお、これは各画素におけるトランジスタがNチャネル型の場合であり、Pチャネル型
のトランジスタが用いられる場合、電圧と選択状態の関係は、Nチャネル型の場合とは逆
となる。
【0271】
図17(D)に示すタイミングチャートでは、第kフレーム(kは自然数)における第j
ゲート選択期間において、信号線として用いる配線5084_iに正の信号電圧が加えら
れ、配線5084_i+1に負の信号電圧が加えられる。そして、第kフレームにおける
第j+1ゲート選択期間において、配線5084_iに負の信号電圧が加えられ、配線5
084_i+1に正の信号電圧が加えられる。その後も、それぞれの信号線は、ゲート選
択期間ごとに極性が反転した信号が交互に加えられる。その結果、第kフレームにおいて
は、画素5080_i,jには正の信号電圧、画素5080_i+1,jには負の信号電
圧、画素5080_i,j+1には負の信号電圧、画素5080_i+1,j+1には正
の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。そして、第k+1フレームにおいては、
それぞれの画素において、第kフレームにおいて書き込まれた信号電圧とは逆の極性の信
号電圧が書き込まれる。その結果、第k+1フレームにおいては、画素5080_i,j
には負の信号電圧、画素5080_i+1,jには正の信号電圧、画素5080_i,j
+1には正の信号電圧、画素5080_i+1,j+1には負の信号電圧が、それぞれ加
えられることとなる。このように、同じフレームにおいては隣接する画素同士で異なる極
性の信号電圧が加えられ、さらに、それぞれの画素においては1フレームごとに信号電圧
の極性が反転される駆動方法が、ドット反転駆動である。ドット反転駆動によって、液晶
素子の劣化を抑制しつつ、表示される画像全体または一部が均一である場合に視認される
フリッカを低減することができる。なお、配線5086_j、配線5086_j+1を含
む全ての配線5086に加えられる電圧は、一定の電圧とされることができる。なお、配
線5084のタイミングチャートにおける信号電圧の表記は極性のみとなっているが、実
際は、表示された極性において様々な信号電圧の値をとり得る。なお、ここでは1ドット
(1画素)毎に極性を反転させる場合について述べたが、これに限定されず、複数の画素
毎に極性を反転させることもできる。例えば、2ゲート選択期間毎に書き込む信号電圧の
極性を反転させることで、信号電圧の書き込みにかかる消費電力を低減させることができ
る。他にも、1列毎に極性を反転させること(ソースライン反転)もできるし、1行ごと
に極性を反転させること(ゲートライン反転)もできる。
【0272】
なお、画素5080における容量素子5083の第2端子には、1フレーム期間において
一定の電圧が加えられていれば良い。ここで、走査線として用いる配線5085に加えら
れる電圧は1フレーム期間の大半においてローレベルであり、ほぼ一定の電圧が加えられ
ていることから、画素5080における容量素子5083の第2端子の接続先は、配線5
085でも良い。
図17(E)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図で
ある。
図17(E)に示す画素構成は、
図17(C)に示す画素構成と比較すると、配線
5086が省略され、かつ、画素5080内の容量素子5083の第2端子と、一つ前の
行における配線5085とが電気的に接続されていることを特徴としている。具体的には
、
図17(E)に表記されている範囲においては、画素5080_i,j+1および画素
5080_i+1,j+1における容量素子5083の第2端子は、配線5085_jと
電気的に接続される。このように、画素5080内の容量素子5083の第2端子と、一
つ前の行における配線5085とを電気的に接続させることで、配線5086を省略する
ことができるので、画素の開口率を向上できる。なお、容量素子5083の第2端子の接
続先は、一つ前の行における配線5085ではなく、他の行における配線5085でも良
い。なお、
図17(E)に示す画素構成の駆動方法は、
図17(C)に示す画素構成の駆
動方法と同様のものを用いることができる。
【0273】
なお、容量素子5083および容量素子5083の第2端子に電気的に接続される配線を
用いて、信号線として用いる配線5084に加える電圧を小さくすることができる。この
ときの画素構成および駆動方法について、
図17(F)および
図17(G)を用いて説明
する。
図17(F)に示す画素構成は、
図17(A)に示す画素構成と比較して、配線5
086を1画素列あたり2本とし、かつ、画素5080における容量素子5083の第2
端子との電気的な接続を、隣接する画素で交互に行うことを特徴としている。なお、2本
とした配線5086は、それぞれ配線5086-1および配線5086-2と呼ぶことと
する。具体的には、
図17(F)に表記されている範囲においては、画素5080_i,
jにおける容量素子5083の第2端子は、配線5086-1_jと電気的に接続され、
画素5080_i+1,jにおける容量素子5083の第2端子は、配線5086-2_
jと電気的に接続され、画素5080_i,j+1における容量素子5083の第2端子
は、配線5086-2_j+1と電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1にお
ける容量素子5083の第2端子は、配線5086-1_j+1と電気的に接続される。
【0274】
そして、例えば、
図17(G)に示すように、第kフレームにおいて画素5080_i,
jに正の極性の信号電圧が書き込まれる場合、配線5086-1_jは、第jゲート選択
期間においてはローレベルとさせ、第jゲート選択期間の終了後、ハイレベルに変化させ
る。そして、1フレーム期間中はそのままハイレベルを維持し、第k+1フレームにおけ
る第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれた後、ローレベルに変化させる
。このように、正の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子5083の第2
端子に電気的に接続される配線の電圧を正の方向に変化させることで、液晶素子に加えら
れる電圧を正の方向に所定の量だけ変化させることができる。すなわち、その分画素に書
き込む信号電圧を小さくすることができるため、信号書き込みにかかる消費電力を低減さ
せることができる。なお、第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれる場合
は、負の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子5083の第2端子に電気
的に接続される配線の電圧を負の方向に変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を
負の方向に所定の量だけ変化させることができるので、正の極性の場合と同様に、画素に
書き込む信号電圧を小さくすることができる。つまり、容量素子5083の第2端子に電
気的に接続される配線は、同じフレームの同じ行において、正の極性の信号電圧が加えら
れる画素と、負の極性の信号電圧が加えられる画素とで、それぞれ異なる配線であること
が好ましい。
図17(F)は、第kフレームにおいて正の極性の信号電圧が書き込まれる
画素には配線5086-1が電気的に接続され、第kフレームにおいて負の極性の信号電
圧が書き込まれる画素には配線5086-2が電気的に接続される例である。ただし、こ
れは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の極性の信号電圧
が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線5086-1およ
び配線5086-2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行われることが好
ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込まれる場合(ゲー
トライン反転)も考えられるが、その場合は、配線5086は1行あたり1本でよい。つ
まり、
図17(C)に示す画素構成においても、
図17(F)および
図17(G)を用い
て説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用いることができる
。
【0275】
次に、液晶素子が、MVAモードまたはPVAモード等に代表される、垂直配向(VA)
モードである場合に特に好ましい画素構成およびその駆動方法について述べる。VAモー
ドは、製造時にラビング工程が不要、黒表示時の光漏れが少ない、駆動電圧が低い等の優
れた特徴を有するが、画面を斜めから見たときに画質が劣化してしまう(視野角が狭い)
という問題点も有する。VAモードの視野角を広くするには、
図18(A)および
図18
(B)に示すように、1画素に複数の副画素(サブピクセル)を有する画素構成とするこ
とが有効である。
図18(A)および
図18(B)に示す画素構成は、画素5080が2
つの副画素(副画素5080-1,副画素5080-2)を含む場合の一例を表すもので
ある。なお、1つの画素における副画素の数は2つに限定されず、様々な数の副画素を用
いることができる。副画素の数が大きいほど、より視野角を広くすることができる。複数
の副画素は互いに同一の回路構成とすることができ、ここでは、全ての副画素が
図17(
A)に示す回路構成と同様であるとして説明する。なお、第1の副画素5080-1は、
トランジスタ5081-1、液晶素子5082-1、容量素子5083-1を有するもの
とし、それぞれの接続関係は
図17(A)に示す回路構成に準じることとする。同様に、
第2の副画素5080-2は、トランジスタ5081-2、液晶素子5082-2、容量
素子5083-2を有するものとし、それぞれの接続関係は
図17(A)に示す回路構成
に準じることとする。
【0276】
図18(A)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用
いる配線5085を2本(配線5085-1,配線5085-2)有し、信号線として用
いる配線5084を1本有し、容量線として用いる配線5086を1本有する構成を表す
ものである。このように、信号線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開
口率を向上させることができる。さらに、信号線駆動回路を簡単なものとすることができ
るので製造コストが低減でき、かつ、液晶パネルと駆動回路ICの接続点数を低減できる
ので、歩留まりを向上できる。
図18(B)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの
副画素に対し、走査線として用いる配線5085を1本有し、信号線として用いる配線5
084を2本(配線5084-1,配線5084-2)有し、容量線として用いる配線5
086を1本有する構成を表すものである。このように、走査線および容量線を2つの副
画素で共用することにより、開口率を向上させることができる。さらに、全体の走査線本
数を低減できるので、高精細な液晶パネルにおいても1つあたりのゲート線選択期間を十
分に長くすることができ、それぞれの画素に適切な信号電圧を書き込むことができる。
【0277】
図18(C)および
図18(D)は、
図18(B)に示す画素構成において、液晶素子を
画素電極の形状に置き換えた上で、各素子の電気的接続状態を模式的に表した例である。
図18(C)および
図18(D)において、電極5088-1は第1の画素電極を表し、
電極5088-2は第2の画素電極を表すものとする。
図18(C)において、第1画素
電極5088-1は、
図18(B)における液晶素子5082-1の第1端子に相当し、
第2画素電極5088-2は、
図18(B)における液晶素子5082-2の第1端子に
相当する。すなわち、第1画素電極5088-1は、トランジスタ5081-1のソース
またはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極5088-2は、トランジスタ
5081-2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。一方、
図18(D)
においては、画素電極とトランジスタの接続関係を逆にする。すなわち、第1画素電極5
088-1は、トランジスタ5081-2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続
され、第2画素電極5088-2は、トランジスタ5081-1のソースまたはドレイン
の一方と電気的に接続されるものとする。
【0278】
図18(C)および
図18(D)で示したような画素構成を、マトリクス状に交互に配置
することで、特別な効果を得ることができる。このような画素構成およびその駆動方法の
一例を、
図18(E)および
図18(F)に示す。
図18(E)に示す画素構成は、画素
5080_i,jおよび画素5080_i+1,j+1に相当する部分を
図18(C)に
示す構成とし、画素5080_i+1,jおよび画素5080_i,j+1に相当する部
分を
図18(D)に示す構成としたものである。この構成において、
図18(F)に示す
タイミングチャートのように駆動すると、第kフレームの第jゲート選択期間において、
画素5080_i,jの第1画素電極および画素5080_i+1,jの第2画素電極に
正の極性の信号電圧が書き込まれ、画素5080_i,jの第2画素電極および画素50
80_i+1,jの第1画素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。さらに、第kフ
レームの第j+1ゲート選択期間において、画素5080_i,j+1の第2画素電極お
よび画素5080_i+1,j+1の第1画素電極に正の極性の信号電圧が書き込まれ、
画素5080_i,j+1の第1画素電極および画素5080_i+1,j+1の第2画
素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。第k+1フレームにおいては、各画素にお
いて信号電圧の極性が反転される。こうすることによって、副画素を含む画素構成におい
てドット反転駆動に相当する駆動を実現しつつ、信号線に加えられる電圧の極性を1フレ
ーム期間内で同一なものとすることができる。そのため、画素の信号電圧書込みにかかる
消費電力を大幅に低減することができる。なお、配線5086_j、配線5086_j+
1を含む全ての配線5086に加えられる電圧は、一定の電圧とされることができる。
【0279】
さらに、
図18(G)および
図18(H)に示す画素構成およびその駆動方法によって、
画素に書き込まれる信号電圧の大きさを小さくすることができる。これは、それぞれの画
素が有する複数の副画素に電気的に接続される容量線を、副画素毎に異ならせるものであ
る。すなわち、
図18(G)および
図18(H)に示す画素構成およびその駆動方法によ
って、同一のフレーム内で同一の極性が書き込まれる副画素については、同一行内で容量
線を共通とし、同一のフレーム内で異なる極性が書き込まれる副画素については、同一行
内で容量線を異ならせる。そして、各行の書き込みが終了した時点で、それぞれの容量線
の電圧を、正の極性の信号電圧が書き込まれた副画素では正の方向、負の極性の信号電圧
が書き込まれた副画素では負の方向に変化させることで、画素に書き込まれる信号電圧の
大きさを小さくすることができる。具体的には、容量線として用いる配線5086を各行
で2本(配線5086-1,配線5086-2)とし、画素5080_i,jの第1画素
電極と、配線5086-1_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080
_i,jの第2画素電極と、配線5086-2_jとが、容量素子を介して電気的に接続
され、画素5080_i+1,jの第1画素電極と、配線5086-2_jとが、容量素
子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,jの第2画素電極と、配線508
6-1_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i,j+1の第1
画素電極と、配線5086-2_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素
5080_i,j+1の第2画素電極と、配線5086-1_j+1とが、容量素子を介
して電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1の第1画素電極と、配線5086
-1_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素5080_i+1,j+1
の第2画素電極と、配線5086-2_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され
る。ただし、これは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の
極性の信号電圧が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線5
086-1および配線5086-2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行
われることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込ま
れる場合(ゲートライン反転)も考えられるが、その場合は、配線5086は1行あたり
1本でよい。つまり、
図18(E)に示す画素構成においても、
図18(G)および
図1
8(H)を用いて説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用い
ることができる。
【0280】
(実施の形態9)
本実施の形態では、表示装置の一例について説明する。
【0281】
まず、
図19(A)を参照して、液晶表示装置のシステムブロックの一例について説明す
る。液晶表示装置は、回路5361、回路5362、回路5363_1、回路5363_
2、画素部5364、回路5365、及び照明装置5366を有する。画素部5364に
は、複数の配線5371が回路5362から延伸して配置され、複数の配線5372が回
路5363_1、及び回路5363_2から延伸して配置されている。そして、複数の配
線5371と複数の配線5372との交差領域には、各々、液晶素子などの表示素子を有
する画素5367がマトリクス状に配置されている。
【0282】
回路5361は、映像信号5360に応じて、回路5362、回路5363_1、回路5
363_2、及び回路5365に、信号、電圧、又は電流などを供給する機能を有し、コ
ントローラ、制御回路、タイミングジェネレータ、電源回路、又はレギュレータなどとし
て機能することが可能である。本実施の形態では、一例として、回路5361は、回路5
362に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(
SCK)、信号線駆動回路用反転クロック信号(SCKB)、ビデオ信号用データ(DA
TA)、ラッチ信号(LAT)を供給するものとする。または、回路5361は、一例と
して、回路5363_1、及び回路5363_2に、走査線駆動回路用スタート信号(G
SP)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、及び走査線駆動回路用反転クロック
信号(GCKB)を供給するものとする。または、回路5361は、回路5365に、バ
ックライト制御信号(BLC)を供給するものとする。ただし、これに限定されず、回路
5361は、他にも様々な信号、様々な電圧、又は様々な電流などを、回路5362、回
路5363_1、回路5363_2、及び回路5365に供給することが可能である。
【0283】
なお、回路5361において、超解像処理、輪郭強調処理、フレーム補間処理、オーバー
ドライブ処理、ローカルディミング処理、IP変換処理、及び/又は、拡大処理などを行
うことが可能である。
【0284】
なお、回路5365において、ローカルディミング処理などを行うことが可能である。ま
たは、回路5365において、ローカルディミング処理における各領域のバックライトの
輝度を決定する処理を行うことが可能である。
【0285】
なお、回路5361または回路5365において、様々な処理を行うことが出来る。した
がって、回路5361または回路5365の中には、さらに数多くの回路で構成されるこ
とが可能である。つまり、回路5361または回路5365は、複数の回路で構成される
ことが可能である。その場合、回路5361または回路5365が有する複数の回路は、
1つのICチップ上に形成されることが可能である。ただし、実施の形態の一例は、これ
に限定されない。複数のICチップに分かれて、配置されることが可能である。その場合
は、回路5361または回路5365は、複数のICチップを用いて構成される。
【0286】
その場合、回路5362は、回路5361から供給される信号(例えば、SSP、SCK
、SCKB、DATA、LAT)に応じて、ビデオ信号を複数の配線5371に出力する
機能を有し、信号線駆動回路として機能することが可能である。回路5363_1、及び
回路5363_2は、回路5361から供給される信号(GSP、GCK、GCKB)に
応じて、走査信号を複数の配線5372に出力する機能を有し、走査線駆動回路として機
能することが可能である。回路5365は、回路5361から供給される信号(BLC)
に応じて、照明装置5366に供給する電力の量、又は時間などを制御することによって
、照明装置5366の輝度(又は平均輝度)を制御する機能を有し、電源回路として機能
することが可能である。
【0287】
なお、複数の配線5371にビデオ信号が入力される場合、複数の配線5371は、信号
線、ビデオ信号線、又はソース線などとして機能することが可能である。複数の配線53
72に走査信号が入力される場合、複数の配線5372は、信号線、走査線、又はゲート
線などとして機能することが可能である。ただし、実施の形態の一例はこれに限定されな
い。
【0288】
なお、回路5363_1、及び回路5363_2に、同じ信号が回路5361から入力さ
れる場合、回路5363_1が複数の配線5372に出力する走査信号と、回路5363
_2が複数の配線5372に出力する走査信号とは、おおむね等しいタイミングとなる場
合が多い。したがって、回路5363_1、及び回路5363_2が駆動する負荷を小さ
くすることができる。よって、表示装置を大きくすることができる。または、表示装置を
高精細にすることができる。または、回路5363_1、及び回路5363_2が有する
トランジスタのチャネル幅を小さくすることができるので、狭額縁な表示装置を得ること
ができる。ただし、これに限定されず、回路5361は、回路5363_1と回路536
3_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0289】
なお、回路5363_1と回路5363_2との一方を省略することが可能である。
【0290】
なお、画素部5364には、容量線、電源線、走査線などの配線を新たに配置することが
可能である。そして、回路5361は、これらの配線に信号又は電圧などを出力すること
が可能である。または、回路5363_1又は回路5363_2と同様の回路を新たに追
加し、この新たに追加した回路は、新たに追加した配線に走査信号などの信号を出力する
ことが可能である。
【0291】
なお、画素5367が表示素子としてEL素子などの発光素子を有することが可能である
。この場合、
図19(B)に示すように、表示素子が発光することが可能なので、回路5
365、及び照明装置5366は省略されることが可能である。そして、表示素子に電力
を供給するために、電源線として機能することが可能な複数の配線5373を画素部53
64に配置することが可能である。回路5361は、電圧(ANO)という電源電圧を配
線5373に供給することが可能である。この配線5373は、画素の色要素別に接続さ
れることが可能であるし、全ての画素に共通して接続されることが可能である。
【0292】
なお、
図19(B)では、一例として、回路5361は、回路5363_1と回路536
3_2とに別々の信号を供給する場合の一例を示す。回路5361は、走査線駆動回路用
スタート信号(GSP1)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)、及び走査線駆
動回路用反転クロック信号(GCKB1)などの信号を回路5363_1に供給する。そ
して、回路5361は、走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)、走査線駆動回路用
クロック信号(GCK2)、及び走査線駆動回路用反転クロック信号(GCKB2)など
の信号を回路5363_2に供給する。この場合、回路5363_1は、複数の配線53
72のうち奇数行目の配線のみを走査し、回路5363_2は、複数の配線5372のう
ち偶数行目の配線のみを走査することが可能になる。よって、回路5363_1、及び回
路5363_2の駆動周波数を小さくできるので、消費電力の低減を図ることができる。
または、1段分のフリップフロップをレイアウトすることが可能な面積を大きくすること
ができる。よって、表示装置を高精細にすることができる。または、表示装置を大型にす
ることができる。ただし、これに限定されず、
図19(A)と同様に、回路5361は、
回路5363_1と回路5363_2とに同じ信号を出力することが可能である。
【0293】
なお、
図19(B)と同様に、
図19(A)においても、回路5361は、回路5363
_1と回路5363_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0294】
以上、表示装置のシステムブロックの一例について説明した。
【0295】
次に、表示装置の構成の一例について、
図20(A)、(B)、(C)、(D)、及び(
E)を参照して説明する。
【0296】
図20(A)では、画素部5364に信号を出力する機能を有する回路(例えば、回路5
362、回路5363_1、及び回路5363_2など)は、画素部5364と同じ基板
5380に形成される。そして、回路5361は、画素部5364とは別の基板に形成さ
れる。こうして、外部部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。または、
基板5380に入力される信号又は電圧の数が減るので、基板5380と、外部部品との
接続数を減らすことができる。よって、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることが
できる。
【0297】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板は、TAB(Ta
pe Automated Bonding)方式によってFPC(Flexible
Printed Circuit)に実装されることが可能である。または、当該基板は
、COG(Chip on Glass)方式によって画素部5364と同じ基板538
0に実装することが可能である。
【0298】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板には、単結晶半導
体を用いたトランジスタを形成することが可能である。したがって、当該基板に形成され
る回路は、駆動周波数の向上、駆動電圧の向上、出力信号のばらつきの低減などのメリッ
トを得ることができる。
【0299】
なお、外部回路からは、入力端子5381を介して信号、電圧、又は電流などが入力され
る場合が多い。
【0300】
図20(B)では、駆動周波数が低い回路(例えば、回路5363_1、回路5363_
2)は、画素部5364と同じ基板5380に形成される。そして、回路5361、及び
回路5362は、画素部5364とは別の基板に形成される。こうして、移動度が小さい
トランジスタによって、基板5380に形成される回路を構成することが可能になる。よ
って、トランジスタの半導体層として、非単結晶半導体、微結晶半導体、有機半導体、又
は酸化物半導体などを用いることが可能になる。したがって、表示装置の大型化、工程数
の削減、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0301】
なお、
図20(C)に示すように、回路5362の一部(回路5362a)が画素部53
64と同じ基板5380に形成され、残りの回路5362(回路5362b)が画素部5
364とは別の基板に形成されることが可能である。回路5362aは、移動度が低いト
ランジスタによって構成することが可能な回路(例えば、シフトレジスタ、セレクタ、ス
イッチなど)を有する場合が多い。そして、回路5362bは、移動度が高く、特性ばら
つきが小さいトランジスタによって構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジス
タ、ラッチ回路、バッファ回路、DA変換回路、AD変換回路など)を有する場合が多い
。こうすることによって、
図20(B)と同様に、トランジスタの半導体層として、非単
結晶半導体、微結晶半導体、有機半導体、又は酸化物半導体などを用いることが可能とな
り、さらに外部部品の削減を図ることができる。
【0302】
図20(D)では、画素部5364に信号を出力する機能を有する回路(例えば、回路5
362、回路5363_1、及び回路5363_2など)、及びこれらの回路を制御する
機能を有する回路(例えば、回路5361)は、画素部5364とは別の基板に形成され
る。こうして、画素部と、その周辺回路とを別々の基板に形成することが可能になるので
、歩留まりの向上を図ることができる。
【0303】
なお、
図20(D)と同様に、
図20(A)~(C)においても、回路5363_1、及
び回路5363_2を画素部5364とは別の基板に形成することが可能である。
【0304】
図20(E)では、回路5361の一部(回路5361a)が画素部5364と同じ基板
5380に形成され、残りの回路5361(回路5361b)が画素部5364とは別の
基板に形成される。回路5361aは、移動度が小さいトランジスタによって構成するこ
とが可能な回路(例えば、スイッチ、セレクタ、レベルシフト回路など)を有する場合が
多い。そして、回路5361bは、移動度が高く、ばらつきが小さいトランジスタを用い
て構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジスタ、タイミングジェネレータ、オ
シレータ、レギュレータ、又はアナログバッファなど)を有する場合が多い。
【0305】
なお、
図20(A)~(D)においても、回路5361aを画素部5364と同じ基板に
形成し、回路5361bを画素部5364とは別の基板に形成することが可能である。
【0306】
(実施の形態10)
本実施の形態では、トランジスタの構造の一例について
図21(A)、(B)、及び(C
)を参照して説明する。
【0307】
図21(A)は、トップゲート型のトランジスタの構成の一例である。
図21(B)は、
ボトムゲート型のトランジスタの構成の一例である。
図21(C)は、半導体基板を用い
て作製されるトランジスタの構造の一例である。
【0308】
図21(A)には、基板5260と、基板5260の上に形成される絶縁層5261と、
絶縁層5261の上に形成され、領域5262a、領域5262b、領域5262c、領
域5262d、及び5262eを有する半導体層5262と、半導体層5262を覆うよ
うに形成される絶縁層5263と、半導体層5262及び絶縁層5263の上に形成され
る導電層5264と、絶縁層5263及び導電層5264の上に形成され、開口部を有す
る絶縁層5265と、絶縁層5265の上及び絶縁層5265の開口部に形成される導電
層5266と、導電層5266の上及び絶縁層5265の上に形成され、開口部を有する
絶縁層5267と、絶縁層5267の上及び絶縁層5267の開口部に形成される導電層
5268と、絶縁層5267の上及び導電層5268の上に形成され、開口部を有する絶
縁層5269と、絶縁層5269の上及び絶縁層5269の開口部に形成される発光層5
270と、絶縁層5269の上及び発光層5270の上に形成される導電層5271とを
示す。
【0309】
図21(B)には、基板5300と、基板5300の上に形成される導電層5301と、
導電層5301を覆うように形成される絶縁層5302と、導電層5301及び絶縁層5
302の上に形成される半導体層5303aと、半導体層5303aの上に形成される半
導体層5303bと、半導体層5303bの上及び絶縁層5302の上に形成される導電
層5304と、絶縁層5302の上及び導電層5304の上に形成され、開口部を有する
絶縁層5305と、絶縁層5305の上及び絶縁層5305の開口部に形成される導電層
5306と、絶縁層5305の上及び導電層5306の上に配置される液晶層5307と
、液晶層5307の上に形成される導電層5308とを示す。
【0310】
図21(C)には、領域5353及び領域5355を有する半導体基板5352と、半導
体基板5352の上に形成される絶縁層5356と、半導体基板5352の上に形成され
る絶縁層5354と、絶縁層5356の上に形成される導電層5357と、絶縁層535
4、絶縁層5356、及び導電層5357の上に形成され、開口部を有する絶縁層535
8と、絶縁層5358の上及び絶縁層5358の開口部に形成される導電層5359とを
示す。こうして、領域5350と領域5351とに、各々、トランジスタが作製される。
【0311】
絶縁層5261は、下地膜として機能することが可能である。絶縁層5354は、素子間
分離層(例えばフィールド酸化膜)として機能する。絶縁層5263、絶縁層5302、
絶縁層5356は、ゲート絶縁膜として機能することが可能である。導電層5264、導
電層5301、導電層5357は、ゲート電極として機能することが可能である。絶縁層
5265、絶縁層5267、絶縁層5305、及び絶縁層5358は、層間膜、又は平坦
化膜として機能することが可能である。導電層5266、導電層5304、及び導電層5
359は、配線、トランジスタの電極、又は容量素子の電極などとして機能することが可
能である。導電層5268、及び導電層5306は、画素電極、又は反射電極などとして
機能することが可能である。絶縁層5269は、隔壁として機能することが可能である。
導電層5271、及び導電層5308は、対向電極、又は共通電極などとして機能するこ
とが可能である。
【0312】
基板5260、及び基板5300の一例としては、ガラス基板、石英基板、シリコン基板
、金属基板、ステンレス基板、又は可撓性基板などがある。ガラス基板の一例としては、
バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどがある。可撓性基板の一例と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)
、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓
性を有する合成樹脂などがある。他にも、貼り合わせフィルム(ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなど)、繊維状な材料を含む紙、基材フ
ィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)などがある。
【0313】
半導体基板5352としては、一例として、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基
板を用いることが可能である。ただし、これに限定されず、基板5260と同様なものを
用いることが可能である。領域5353は、一例として、半導体基板5352に不純物が
添加された領域であり、ウェルとして機能する。例えば、半導体基板5352がp型の導
電型を有する場合、領域5353は、n型の導電型を有し、nウェルとして機能する。一
方、半導体基板5352がn型の導電型を有する場合、領域5353は、p型の導電型を
有し、pウェルとして機能する。領域5355は、一例として、不純物が半導体基板53
52に添加された領域であり、ソース領域又はドレイン領域として機能する。なお、半導
体基板5352に、LDD領域を形成することが可能である。
【0314】
絶縁層5261の一例としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒
化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)などの酸
素若しくは窒素を有する膜、又はこれらの積層構造などがある。絶縁層5261が2層構
造で設けられる場合の一例としては、1層目の絶縁膜として窒化珪素膜を設け、2層目の
絶縁膜として酸化珪素膜を設けることが可能である。絶縁層5261が3層構造で設けら
れる場合の一例としては、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜とし
て窒化珪素膜を設け、3層目の絶縁膜として酸化珪素膜を設けることが可能である。
【0315】
半導体層5262、半導体層5303a、及び半導体層5303bの一例としては、非単
結晶半導体(非晶質(アモルファス)シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコンなど)
、単結晶半導体、化合物半導体若しくは酸化物半導体(ZnO、InGaZnO、SiG
e、GaAs、IZO、ITO、SnO)、有機半導体、又はカーボンナノチューブなど
がある。
【0316】
なお、例えば、領域5262aは、不純物が半導体層5262に添加されていない真性の
状態であり、チャネル領域として機能する。ただし、領域5262aに微少な不純物を添
加することが可能であり、領域5262aに添加される不純物は、領域5262b、領域
5262c、領域5262d、又は領域5262eに添加される不純物の濃度よりも低い
ことが好ましい。領域5262b、及び領域5262dは、低濃度に不純物が添加された
領域であり、LDD(Lightly Doped Drain:LDD)領域として機
能する。ただし、領域5262b、及び領域5262dを省略することが可能である。領
域5262c、及び領域5262eは、高濃度に不純物が半導体層5262に添加された
領域であり、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
【0317】
なお、半導体層5303bは、不純物元素としてリンなどが添加された半導体層であり、
n型の導電型を有する。
【0318】
なお、半導体層5303aとして、酸化物半導体、又は化合物半導体が用いられる場合、
半導体層5303bを省略することが可能である。
【0319】
絶縁層5263、絶縁層5302、及び絶縁層5356の一例としては、酸化珪素(Si
Ox)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪
素(SiNxOy)(x>y)などの酸素若しくは窒素を有する膜、又はこれらの積層構
造などがある。
【0320】
導電層5264、導電層5266、導電層5268、導電層5271、導電層5301、
導電層5304、導電層5306、及導電層5308、導電層5357、及び導電層53
59の一例としては、単層構造の導電膜、又はこれらの積層構造などがある。当該導電膜
の一例としては、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデ
ン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni
)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、コバルト
(Co)、ニオブ(Nb)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、炭素
(C)、スカンジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、リン(P)、ボロン(B)、ヒ素(As
)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)、酸素(O)によって構成され
る群から選ばれた一つの元素の単体膜、又は、前記群から選ばれた一つ又は複数の元素を
含む化合物などがある。当該化合物の一例としては、前記群から選ばれた一つ若しくは複
数の元素を含む合金(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)
、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(Sn
O)、酸化錫カドミウム(CTO)、アルミネオジム(Al-Nd)、マグネシウム銀(
Mg-Ag)、モリブデンニオブ(Mo-Nb)、モリブデンタングステン(Mo-W)
、モリブデンタンタル(Mo-Ta)などの合金材料)、前記群から選ばれた一つ若しく
は複数の元素と窒素との化合物(窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデンなどの窒化
膜)、又は、前記群から選ばれた一つ若しくは複数の元素とシリコンとの化合物(タング
ステンシリサイド、チタンシリサイド、ニッケルシリサイド、アルミシリコン、モリブデ
ンシリコンなどのシリサイド膜)などがある。他にも、カーボンナノチューブ、有機ナノ
チューブ、無機ナノチューブ、又は金属ナノチューブなどのナノチューブ材料がある。
【0321】
なお、シリコン(Si)は、n型不純物(リンなど)、又はp型不純物(ボロンなど)を
含むことが可能である。
【0322】
なお、銅が導電層として用いられる場合、密着性を向上させるために積層構造にすること
が好ましい。
【0323】
なお、酸化物半導体、又はシリコンと接触する導電層としては、モリブデン又はチタンを
用いることが好ましい。
【0324】
なお、導電層としてネオジムとアルミニウムとの合金材料を用いることによって、アルミ
ニウムがヒロックを起こしにくくなる。
【0325】
なお、導電層として、シリコンなどの半導体材料を用いる場合、シリコンなどの半導体材
料をトランジスタが有する半導体層と同時に形成することが可能である。
【0326】
なお、ITO、IZO、ITSO、ZnO、Si、SnO、CTO、又はカーボンナノチ
ューブなどは、透光性を有しているので、これらの材料を画素電極、対向電極、又は共通
電極などの光を透過させる部分に用いることが可能である。
【0327】
なお、低抵抗材料(例えばアルミニウムなど)を用いて積層構造とすることによって、配
線の抵抗を小さくすることができる。
【0328】
なお、低耐熱性の材料(例えばアルミニウムなど)を、高耐熱性の材料(例えばモリブデ
ン、チタン、ネオジムなど)によって挟む積層構造にすることによって、低耐熱性の材料
の持つメリットを生かしつつ、配線、電極などの耐熱性を高くすることができる。
【0329】
なお、他の材料に反応して性質が変わってしまう材料を、当該他の材料に反応しにくい材
料によって挟んだり、覆ったりすることが可能である。例えば、ITOとアルミニウムと
を接続させる場合は、ITOとアルミニウムとの間に、ネオジム合金、チタン、モリブデ
ンなどを挟むことが可能である。例えば、シリコンとアルミニウムとを接続させる場合は
、シリコンとアルミニウムとの間に、ネオジム合金、チタン、モリブデンを挟むことが可
能である。なお、これらの材料は、配線、電極、導電層、導電膜、端子、ビア、プラグな
どにも用いることが可能である。
【0330】
絶縁層5265、絶縁層5267、絶縁層5269、絶縁層5305、及び絶縁層535
8の一例としては、単層構造の絶縁膜、又はこれらの積層構造などがある。当該絶縁膜の
一例としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、若しくは酸化窒化珪素(
SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素若しくは
窒素を含む膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、又は、シロキ
サン樹脂、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブ
テン、若しくはアクリル等の有機材料などがある。
【0331】
発光層5270の一例としては、有機EL素子、又は無機EL素子などがある。有機EL
素子の一例としては、正孔注入材料からなる正孔注入層、正孔輸送材料からなる正孔輸送
層、発光材料からなる発光層、電子輸送材料からなる電子輸送層、電子注入材料からなる
電子注入層など、若しくはこれらの材料のうち複数の材料を混合した層の単層構造、若し
くはこれらの積層構造などがある。
【0332】
液晶層5307の一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、高
分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、側
鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶などを挙げることが
できる。また、液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)モー
ド、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-P
lane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Swit
ching)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alig
nment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignme
nt)モード、ASV(Advanced Super View)モード、ASM(A
xially Symmetric aligned Micro-cell)モード、
OCB(Optically Compensated Birefringence)
モード、ECB(Electrically Controlled Birefrin
gence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Cryst
al)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Cry
stal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid C
rystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モード
などがある。
【0333】
なお、絶縁層5305の上及び導電層5306の上には、配向膜として機能する絶縁層、
突起部として機能する絶縁層などを形成することが可能である。
【0334】
なお、導電層5308の上には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、又は突起部とし
て機能する絶縁層などを形成することが可能である。導電層5308の下には、配向膜と
して機能する絶縁層を形成することが可能である。
【0335】
なお、
図21(A)の断面構造において、絶縁層5269、発光層5270、及び導電層
5271を省略し、
図21(B)に示す液晶層5307、導電層5308を絶縁層526
7の上及び導電層5268の上に形成することが可能である。
【0336】
なお、
図21(B)の断面構造において、液晶層5307、導電層5308を省略し、図
21(A)に示す絶縁層5269、発光層5270、及び導電層5271を絶縁層530
5の上及び導電層5306の上に形成することが可能である。
【0337】
なお、
図21(C)の断面構造において、絶縁層5358及び導電層5359の上に、図
21(A)に示す絶縁層5269、発光層5270、及び導電層5271を形成すること
が可能である。あるいは、
図21(B)に示す液晶層5307、導電層5308を絶縁層
5267の上及び導電層5268に形成することが可能である。
【0338】
(実施の形態11)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
【0339】
図22(A)乃至
図22(H)、
図23(A)乃至
図23(D)は、電子機器を示す図で
ある。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LED
ランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端
子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、
光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、
流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォ
ン5008、等を有することができる。
【0340】
図22(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、
赤外線ポート5010、等を有することができる。
図22(B)は記録媒体を備えた携帯
型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示
部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図22(C)はゴーグ
ル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、
イヤホン5013、等を有することができる。
図22(D)は携帯型遊技機であり、上述
したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図22(E)はプ
ロジェクタであり、上述したものの他に、光源5033、投射レンズ5034、等を有す
ることができる。
図22(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部
5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図22(G)はテレビ受
像器であり、上述したものの他に、チューナ、画像処理部、等を有することができる。図
22(H)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能
な充電器5017、等を有することができる。
図23(A)はディスプレイであり、上述
したものの他に、支持台5018、等を有することができる。
図23(B)はカメラであ
り、上述したものの他に、外部接続ポート5019、シャッターボタン5015、受像部
5016、等を有することができる。
図23(C)はコンピュータであり、上述したもの
の他に、ポインティングデバイス5020、外部接続ポート5019、リーダ/ライタ5
021、等を有することができる。
図23(D)は携帯電話機であり、上述したものの他
に、アンテナ5014、携帯電話・移動端末向けの1セグメント部分受信サービス用チュ
ーナ、等を有することができる。
【0341】
図22(A)乃至
図22(H)、
図23(A)乃至
図23(D)に示す電子機器は、様々
な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)
を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する
機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、
無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を
用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又
はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の
表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一
つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した
画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、
受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影
した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに
内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる
。なお、
図22(A)乃至
図22(H)、
図23(A)乃至
図23(D)に示す電子機器
が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0342】
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有する
ことを特徴とする。
【0343】
次に、半導体装置の応用例を説明する。
【0344】
図23(E)に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。
図23(E
)は、筐体5022、表示部5023、操作部であるリモコン装置5024、スピーカ5
025等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペ
ースを広く必要とすることなく設置可能である。
【0345】
図23(F)に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示
す。表示パネル5026は、ユニットバス5027と一体に取り付けられており、入浴者
は表示パネル5026の視聴が可能になる。
【0346】
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形
態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
【0347】
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
【0348】
図23(G)は、半導体装置を、自動車に設けた例について示した図である。表示パネル
5028は、自動車の車体5029に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から
入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有
していてもよい。
【0349】
図23(H)は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図で
ある。
図23(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井5030に表示パネル5031を
設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル5031は、天井50
30とヒンジ部5032を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部5032の伸縮に
より乗客は表示パネル5031の視聴が可能になる。表示パネル5031は乗客が操作す
ることで情報を表示する機能を有する。
【0350】
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機車体について例示した
がこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレ
ール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。
【符号の説明】
【0351】
101 回路
102 回路
102a 回路
102b 回路
103a スイッチ
103b スイッチ
104a スイッチ
104b スイッチ
301 領域
302 領域
303 領域
1001 装置
1002 点光源
1003 しきい
1004 しきい
1005 スペーサ
1006 縦方向のピッチ
1007 横方向のピッチ
1011 拡散板
1012 表示パネル
1013 高さ
1014 高さ
1015 間隔
1102 面光源
1103 線光源
1104 導光板
1105 底面
1106 蛍光管(陰極管)
1107 拡散板
5000 筐体
5001 表示部
5002 第2表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5018 支持台
5019 外部接続ポート
5020 ポインティングデバイス
5021 リーダ/ライタ
5022 筐体
5023 表示部
5024 リモコン装置
5025 スピーカ
5026 表示パネル
5027 ユニットバス
5028 表示パネル
5029 車体
5030 天井
5031 表示パネル
5032 ヒンジ部
5033 光源
5034 投射レンズ
5080 画素
5081 トランジスタ
5082 液晶素子
5083 容量素子
5084 配線
5085 配線
5086 配線
5087 配線
5101 破線
5102 実線
5103 破線
5104 実線
5105 実線
5106 実線
5107 実線
5108 実線
5121 画像
5121a 画像
5121b 画像
5122 画像
5122a 画像
5122b 画像
5123 画像
5123a 画像
5123b 画像
5124 領域
5125 領域
5126 領域
5127 動きベクトル
5128 画像生成用ベクトル
5129 領域
5130 物体
5131 領域
5260 基板
5261 絶縁層
5262 半導体層
5262a 領域
5262b 領域
5262c 領域
5262d 領域
5262e 領域
5263 絶縁層
5264 導電層
5265 絶縁層
5266 導電層
5267 絶縁層
5268 導電層
5269 絶縁層
5270 発光層
5271 導電層
5273 絶縁層
5300 基板
5301 導電層
5302 絶縁層
5303a 半導体層
5303b 半導体層
5304 導電層
5305 絶縁層
5306 導電層
5307 液晶層
5308 導電層
5350 領域
5351 領域
5352 半導体基板
5353 領域
5354 絶縁層
5355 領域
5356 絶縁層
5357 導電層
5358 絶縁層
5359 導電層
5360 映像信号
5361 回路
5361a 回路
5361b 回路
5362 回路
5362a 回路
5362b 回路
5363 回路
5364 画素部
5365 回路
5366 照明装置
5367 画素
5371 配線
5372 配線
5373 配線
5380 基板
5381 入力端子