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特許7182823廃棄物取扱食品残渣資源化装置、廃棄物取扱食品残渣資源化方法、廃棄物取扱食品残渣加水分解原料、及びペレットの製造又はペレットの製造による価値情報の取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】廃棄物取扱食品残渣資源化装置、廃棄物取扱食品残渣資源化方法、廃棄物取扱食品残渣加水分解原料、及びペレットの製造又はペレットの製造による価値情報の取得方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/45 20220101AFI20221128BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20221128BHJP
   C02F 11/08 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B09B3/45
C02F11/00 C ZAB
C02F11/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022117671
(22)【出願日】2022-07-25
【審査請求日】2022-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517045093
【氏名又は名称】タオ・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅波 耕三
(72)【発明者】
【氏名】ナカムラ カイル ジョージス
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-074600(JP,A)
【文献】特開平11-221541(JP,A)
【文献】特開2005-247665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00-5/00
C02F 11/00
C10L 5/40
B01J 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化装置において、
廃棄物取扱食品残渣を供給する廃棄物取扱食品残渣供給手段、
汚泥を脱水処理した脱水汚泥を供給する脱水汚泥供給手段、
第一の撹拌手段を内部に設けた筒状体を備え、当該筒状体内で、廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥を撹拌混合して、混合体を形成しながら、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を粒体化して、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体を形成する粒体状混合体形成手段、
第二の撹拌手段を内部に設けた反応器を備え、当該反応器に前記粒体状混合体及びスチームを導入して、撹拌混合し、前記粒体状混合体中に分散した食品残渣を低分子材に加水分解し、粒体状脱水汚泥中に加水分解した食品残渣が分散した資源化原料を形成する資源化原料形成手段、
源化原料から固体状の資源化体を形成する資源化体形成手段、
を有して形成された収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化装置。
【請求項2】
請求項1に記載された収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化装置において、
前記脱水汚泥供給手段が、脱水汚泥として、食品関連汚泥を供給し、
前記資源化原料形成手段が、廃棄物取扱食品残渣及び食品関連汚泥から形成されて、飼料あるいは燃料に適した粒体状混合体のペレット化原料を形成すること
を特徴とする収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する食品残渣資源化装置。
【請求項3】
請求項1に記載された収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化装置において、
前記脱水汚泥供給手段が、脱水汚泥として、下水活性汚泥を供給し、
前記資源化原料形成手段が、廃棄物取扱食品残渣及び下水活性汚泥から形成されて、肥料に適した粒体状混合体のペレット化原料を形成すること
を特徴とする収集された食品残渣を処理し、資源化する食品残渣資源化装置。
【請求項4】
収集された廃棄物取扱食品残渣が処理され、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
顧客から返品され、消費期限が切れた、あるいは賞味期限が切れて廃棄物として取り扱われる大量の廃棄物取扱食品残渣が供給される廃棄物取扱食品残渣供給ステップ、
食品関連汚泥が脱水処理された脱水汚泥が供給される脱水汚泥供給ステップ、
第一の撹拌手段が内部に設けられた筒状体が用いられて、当該筒状体内で、廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥から粒体状混合体が形成され、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状の混合体が形成される粒体状混合体形成ステップ、
第二の撹拌手段が内部に設けられた反応器が備えられ、当該反応器に前記粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、状混合体の食品残渣が低分子材に加水分解され、体状の脱水汚泥中に加水分解した食品残渣が分散した粒体状混合体のペレット化原料が形成される資源化原料形成ステップ、
ペレット化原料から固体状のペレットが形成される資源化体形成ステップ、
を有して形成された、収集された廃棄物取扱食品残渣が処理される資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法。
【請求項5】
収集された廃棄物取扱食品残渣が処理され、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
酒造、醸造、又は飲料品製造の過程で発生した絞り粕残渣である大量の廃棄物取扱食品残渣が供給される廃棄物取扱食品残渣供給ステップ、
食品関連汚泥が脱水処理された脱水汚泥が供給される脱水汚泥供給ステップ、
第一の撹拌手段が内部に設けられた筒状体が用いられて、当該筒状体内で、廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥から粒体状混合体が形成化され、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体が形成される粒体状混合体形成ステップ、
第二の撹拌手段が内部に設けられた反応器が備えられ、当該反応器に前記粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、前記粒体状混合体の食品残渣が低分子材に加水分解され、体状の脱水汚泥中に加水分解した食品残渣が分散した粒体状混合体のペレット化原料が形成される資源化原料形成ステップ、
ペレット化原料から固体状のペレットが形成される資源化体形成ステップ、
を有して形成された、収集された廃棄物取扱食品残渣が処理される資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法。
【請求項6】
収集された廃棄物取扱食品残渣及び収集された脱水汚泥処理され、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が処理対象の廃棄物として収集されるステップ、
収集された廃棄物を汚れ廃プラスチック、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥に大きく分別される廃棄物分別ステップ、
収集された廃棄物から汚れ廃プラスチックが分別されて、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が取得される廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥取得ステップ、
取得された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥のそれぞれに個別の処理対象物として選り分けられる処理対象物選り分けステップ、
第一の撹拌手段が内部に設けられた筒状体が用いられて、当該筒状体内で、選り分けられた廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥から粒体状混合体が形成され、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体が形成される粒体状混合体形成ステップ、
第二の撹拌手段が内部に設けられた反応器が備えられ、当該反応器に前記粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、前記粒体状混合体の粒状の食品残渣が低分子材に加水分解され、体状の脱水汚泥中に加水分解した食品残渣が分散した粒体状混合体になるペレット化原料が形成される資源化原料形成ステップ、
ペレット化原料から固体状のペレットが形成される資源化体形成ステップ、
を有して形成された、収集された廃棄物取扱食品残渣が処理されて、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法。
【請求項7】
廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を拡散混合して形成された粒体状混合体であって、脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した、 加水分解に供給される廃棄物取扱食品残渣加水分解原料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品関連業界に収集される廃棄物取扱食品残渣の資源化装置、廃棄物取扱食品残渣資源化方法、廃棄物取扱食品残渣加水分解原料、及び収集された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造による製造価値情報の取得方法に係る。
【背景技術】
【0002】
有機系廃棄物(原料)を加水分解処理することが知られる。食品残渣に分散剤として余剰汚泥加えて混合及び加熱乾燥する食品残渣の処理方法が知られる。スクリューコンベヤー及びスクリュー脱水機において、螺旋形式の羽根とスクリューと、を有して、食品汚泥、食品残渣物を搬送する脱水搬送装置が知られる。
【0003】
特許文献1には、加水分解処理器を備え、有機系廃棄物(原料)の加水分解処理装置が記載される。有機系廃棄物(原料)には、酒造、醸造、飲料品残渣が含まれる旨が記載される。
【0004】
特許文献2には、圧力缶内に、排水処理により生じた脱水汚泥と野菜残渣物と食品残渣物を混合投入した後、圧力缶を真空状態にし、しかる後、混合物に対して加熱撹拌を行うことにより、混合粒状物を形成する食品残渣物の処理方法が記載される。
【0005】
特許文献3には、界面活性剤、消泡剤、凝集剤及び油脂からなる群から選ばれたものを分散剤として食品残渣に加えて混合及び加熱乾燥する食品残渣の処理方法が記載され、分散剤として余剰汚泥が使用可能で、食品残渣と余剰汚泥を同時に混合及び加熱処理できることが記載される。
【0006】
特許文献4には、耐圧容器内において有機系廃棄物である使用済敷き藁を高温・高圧の環境下で撹拌しながら加水分解すると共に、熱分解し、炭化して処理する処理装置が記載される。
【0007】
特許文献5には、圧力容器に被分解物、例えば有機系廃棄物を投入し、圧力容器に加水分解用の水蒸気を注入して撹拌しながら加水分解し、減圧した後に強制排気し、圧力容器に乾燥空気を供給して圧力容器内を乾燥する加水分解方法が記載される。
【0008】
特許文献6には、スクリューコンベヤー及びスクリュー脱水機において、螺旋形式の羽根とスクリューと、を有して、食品汚泥、食品残渣物を搬送する脱水搬送装置が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2011-11129号公報
【文献】特開平4-74600号公報
【文献】特開2002-205026号公報
【文献】特許第4751977号公報
【文献】特開2018-51512号公報
【文献】特開2007-169057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
食品関連業者からは、顧客から返品され、消費期限が切れ、あるいは賞味期限が切れたなどの理由で廃棄物として取り扱われる大量の食品残渣(以下、廃棄物取扱食品残渣という)が収集される。また、別の食品関連業者からは、酒造、醸造又は飲料品製造残渣である大量の絞り粕が廃棄物として取り扱われる絞り粕残渣が収集される。いずれにあっても大量の廃棄物取扱食品残渣が収集され、そのリサイクル化が求められる。
【0011】
これらの収集された食品残渣は、一般的に焼却、埋め立て又は乾燥の方法で処理される。他方、これらの収集された食品残渣は、食品残渣の加水分解点を有することを利用して、加水分解処理がなされる。
【0012】
収集された食品残渣の焼却の場合は、大型の焼却設備が必要であり、COを発生させ、処理費用が嵩む、埋め立ての場合は、埋め立て場所の確保が困難である、乾燥の場合は、廃棄物取扱食品残渣としての原型を留め、高分子材がそのまま残存してしまうという問題がある。
【0013】
加水分解処理は、焼却しない処理であって、加水分解反応及び化学熱反応を利用して二酸化炭素、ダイオキシンの発生しない処理をするもので、通常加熱処理方法に比べて低温による処理が可能であり、焼却、埋め立て又は乾燥の方法で処理上の問題が解決されるが、大量に収集された廃棄物取扱食品残渣物の場合、通常柔らかであるが粘性があり、加水分解処理するときに、熱源としてのスチームとの接触効率を確保するという問題がある。例えば、返品された食品残渣には、米飯が残渣となっている場合が多い。米飯残渣は、ノリ作用で固まり塊を作りやすく、加水分解処理の障害となる。絞り粕残渣の場合も同様である。このため、廃棄物取扱食品残渣について加水分解処理が実用化に至る有効方法として確立されてこなかった。
【0014】
絞り粕残渣を含めて、廃棄物取扱食品残渣は、柔らかで、粘性のある食品残渣であるという性状を有しており、その性状に適した食品残渣物処理方法の採用が求められる。
【0015】
上述した特許文献の内、特許文献1、2、3に記載された発明は、加熱処理するものであって加水分解処理するものではない。食品残渣と余剰汚泥を同時に混合及び加熱処理する記載があるが、食品残渣と余剰汚泥とを同時に加水分解処理を可能とする旨の記載はない。
【0016】
特許文献4に記載された発明は、加水分解処理に関するものであるが、高温・高圧の環境下で使用済み敷き藁を処理するもので、廃棄物取扱食品残渣でなく、処理対象の廃棄物取扱食品残渣が持つ柔らかくあるが粘性があって塊を作り易い性状にあるもの対して適切に加水分解できるものではないし、高い処理効率で加水分解処理を行ない得るようになっていない。特許文献5に記載された発明は、加水分解処理に関するものであるが、処理対象の残渣物が有機系廃棄物(原料)を対処するものであって、有機系廃棄物(原料)には、酒造、醸造、及び飲料品残渣にも適用可能であることが示唆されているが、加熱ジャケットと撹拌手段を備えた処理容器を持つ加水分解処理装置を提示するに留まっており、廃棄物取扱食品残渣が柔らかくあるが粘性があって塊を作り易い性状にある場合に、高い処理効率で適切に加水分解処理できるようにすることが記載されていない。
【0017】
特許文献6には、食品汚泥、食品残渣物を搬送する脱水搬送装置が記載されるのみである。
【0018】
本発明は、係る点に鑑み、大量に排出される廃棄物取扱食品残渣の処理に加水分解処理を採用するに当たって、高温・高圧の処理環境にすることを要せず、処理対象の廃棄物取扱食品残渣の持つ柔らかくあるが粘性がある性状に適し、高い処理効率で適切に安価に加水分解処理を行ない得るようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
図1は、本発明の概念を示す図である。
【0020】
本発明の概念を説明する前に、本発明が関連する事項について説明する。
【0021】
食品関連業者に収集される処理対象材としての廃棄物取扱食品残渣
・食品関連業者に返品された食品残渣、消費期限の切れた食品残渣、賞味期限の切れた食品残渣又は問題のあった加工食品残渣であって、柔らかくあるが粘性がある性状を有し、食品関連業者に回収され、廃棄処分される食品残渣。以下、廃棄物取扱食品残渣という。
【0022】
・酒造、醸造、又は飲料品製造の過程で発生した残渣、具体的には絞り粕残渣。廃棄処分される上述した食品残渣と共に廃棄物取扱食品残渣となる。上述した食品残渣と廃棄物取扱食品残渣は混合されて廃棄物取扱食品残渣とされてもよい。
【0023】
・絞り粕には、焼酎絞り粕、清酒絞り粕、果実酒絞り粕、醤油絞り粕、茶葉・果実ジュース絞り粕等がある。これらの食品残渣は食品残渣として廃棄される。
【0024】
汚泥処理関連業者に収集される処理対象材としての脱水汚泥
・下水活性汚泥で脱水処理した脱水下水活性汚泥
酪農業からの糞尿が含まれる。
・食品関連汚泥で脱水処理した食品関連活性汚泥
これには、食品工場廃棄脱水汚泥、グリーストラップ脱水汚泥、農作物加工品残渣脱水汚泥、水産物加工品残渣等がある。農作物加工品残渣脱水汚泥には、おが屑、もみがら、木材チップ、麦わら、稲わら、あるいは木材チップを廃油で揚げた木材チップフライヤーが含まれる。
【0025】
食品関連業者と汚泥処理関連業者は、同一の業者である場合と異なった業者である場合がある。同一の業者である場合は、食品関連業者に、廃棄物取扱食品残渣と食品関連活性汚泥が収集されるような場合である。
【0026】
本発明では、脱水汚泥が採用されるので、水分調整材あるいは吸着材を添加することを要しない。
【0027】
処理対象の廃棄物取扱食品残渣の持つ柔らかくあるが粘性
比較対象として、特許文献5に記載される有機系廃棄物である使用済敷き藁が選択される。食品関連業者に発生する処理対象材としての食品残渣は、柔らかくあるが粘性があり、個性体を形成する性状がある。
【0028】
資源化処理
粒体化した廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を加水分解処理器に導入して、効率よく加水分解処理してリサイクリング物質に再生処理することである。
【0029】
資源化体
再生されたリサイクリング物質。例えば、ペレットが該当する。
【0030】
加水分解
水分子が付加するかたちで起こる分解反応。1分子の化合物に1分子の水が反応して2分子の化合物を生成する反応。高分子化合物の場合は、相当する1か所の結合に関して、高分子材を低分子材に分解することをいう。有機化合物では、脂肪、酸塩化物、酸アミド、エステル、蛋白質、ペプチド、デンプン、セルロースなどが、水の作用により、あるいは酵素や強酸又はアルカリの働きが加わって、加水分解することが知られている。例えば、グリコール結合の加水分解は、
122211+HO→2C12
で表される。
【0031】
粒体
粉体とは微細な固体粒子の集合体であり,粒体とは比較的粗い固体粒子の集合体である。 粉体と粒体の明確な区別は存在しないが,1mm近辺を境としてそれより細かいものを粉体,粗いものを粒体と呼ぶ場合が多い。 本出願では、両者を合わせて広い意味で使用する。
【0032】
資源化体の活用
用いられる食品残渣及び汚泥に対応して、
・飼料
・肥料
・燃料
の単独利用、又はこれらの組み合わせ利用がある。
【0033】
製造価値情報
本発明の実施によって得られる技術上の、あるいは技術上及び経済上のメリットをいう。
【0034】
図1において、本発明は、食品関連業界に収集される廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する食品残渣資源化装置100に係る。食品残渣資源化装置100は、前処理101、加水分解処理器による加水分解処理102及び後処理103からなり、前処理101で、粒体状の混合体が形成され、加水分解処理器による加水分解処理102のため接触面積の拡大された粒体の状態で導入され、加水分解が行われ、後処理103では、資源体形成がなされる。
【0035】
食品残渣資源化装置100は、前処理101として、
廃棄物取扱食品残渣を供給する廃棄物取扱食品残渣供給手段111、
汚泥を脱水処理した脱水汚泥を供給する脱水汚泥供給手段112、
第一の撹拌手段を内部に設けた筒状体を備え、当該筒状体内で、脱水汚泥と廃棄物取扱食品残渣を撹拌しながら混合して、混合体を形成し、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を粒体化して、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体を形成する粒体状混合体形成手段113を備える。粒体状混合体形成手段113で、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体が、投入材として準備される。
【0036】
粒体状混合体形成手段113には、脱水汚泥の粒体化を食品残渣の粒体化に時間的な工程的に遅れを設けて、脱水汚泥の粒体化を食品残渣の粒体化に先行して行う筒状体内部に備えた撹拌器で当該脱水汚泥を撹拌して粒体状脱水汚泥を形成する粒体状脱水汚泥形成手段が含まれる。
【0037】
加水分解処理器による加水分解処理102は、資源化処理のことである。
【0038】
加水分解処理器によって、粒体混合体とスチームとの撹拌混合下、加水分解し、低分子化された粒体状資源化原料の形成を行う資源化原料形成手段114が形成される。
【0039】
資源化原料形成手段114は、
第二の撹拌手段を内部に設けた反応器を備え、当該反応器に前記粒体状の混合体及びスチームを導入して、撹拌混合し、前記粒体状混合体中に分散した高分子材の粒子状食品残渣を低分子材に加水分解し、粒体状脱水汚泥中に低分子材の粒子状食品残渣が分散した粒体状の資源化原料を形成する手段である。
【0040】
第一の撹拌手段で撹拌し、第二の撹拌手段でさらに撹拌する処理がなされる。
【0041】
後処理103として、
粒体状の資源化原料から固体状の資源化体の形成する資源化体形成手段115を備える。
【0042】
固体状の資源化体の形成する資源化体形成手段115は、粒体状の資源化原料から固体状の資源化体を形成する資源化体形成手段115である。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、第一の撹拌手段及び第二の撹拌手段が設けられて、資源化原料形成手段114への処理対象材としての廃棄物取扱食品残渣及び汚泥がそれぞれ粒体化されて、粒体状の脱水汚泥中に、粒体化した廃棄物取扱食品残渣を分散した粒体状混合体を形成し、当該粒体状混合体を資源化原料形成手段の加水分解処理器に投入して加水分解することができる。
【0044】
これによって、大量に収集された廃棄物取扱食品残渣物の処理に加水分解処理を採用するに当たって、高温・高圧の処理環境にすることを要せず、処理対象の食品残渣物の持つ柔らかくあるが粘性がある性状に適し、高い処理効率で食品残渣物処理を行ない得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施例である食品関連業者に収集された食品残渣を処理し、資源化する食品残渣資源化装置の構成を示す図。
図2】本発明の実施例である食品残渣資源化装置の構成を示す図。
図3】加水分解に供給される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料を形成した状況を示す図。
図4】加水分解処理状況を示す図。
図5】製造されたペレットを示す写真。
図6】収集された廃棄物取扱食品残渣及び収集された脱水汚泥からペレットの製造するときの製造価値情報の取得方法を示す図。
図7】収集された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造に伴う価値情報の取得方法を示す図。
図8】廃棄物取扱食品残渣資源化方法について示す図。
図9】本発明に付加可能な汚れ廃プラスチック処理システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図2は、本発明の実施例である食品関連業界に収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化装置の構成を示す図である。
【0047】
図2に示した本実施例の廃棄物取扱食品残渣資源化装置100の構成物と数値番号との関係は、次にとおりである。
1:食品残渣供給コンベヤー、2:有機物圧縮分別機、3:モノーポンプ、4:廃プラ排出コンベヤー、5:汚泥供給コンベヤー、6:汚泥移送コンベヤー、7:細長円筒の内部に第一の撹拌器が設けられ、外面にロードセル(ロードセル重量計)を備えた粒体混合物形成装置、8:内部に第二の撹拌器を設けた加水分解器、9:プラオイルタンク、10:スチームボイラー、11:加水分解物移送コンベヤー、12:乾燥ドライヤー、13:集塵サイクロン、14:排気ブロアー、15:乾燥物移送コンベヤー、16:乾燥物貯留槽、17:ロードセルを備えた乾燥物定量供給コンベヤー、18:ペレット生成器(ペレタイザー)、19:ペレット移送コンベヤー、20:フレコン充填機、21:ロードセル重量計、22:リフト。
【0048】
図1に示される各手段と図2に示される構成物との関係は次のとおりである。
【0049】
廃棄物取扱食品残渣供給手段111・・食品残渣供給コンベヤー1、有機物圧縮分別機2、モノーポンプ3、廃プラ排出コンベヤー4
脱水汚泥供給手段112・・汚泥供給コンベヤー5、汚泥移送コンベヤー6
粒体状混合体形成手段113・・細長円筒の内部に第一の撹拌機が設けられ、外面にロードセル(ロードセル重量計)を備えた粒体混合物形成装置7
資源化原料形成手段114・・内部に第二の撹拌器を設けた加水分解装置8、プラオイルタンク9、スチームボイラー10
資源化体形成手段115・・加水分解物移送コンベヤー11、乾燥ドライヤー12、集塵サイクロン13、排気ブロアー14、乾燥物移送コンベヤー15、乾燥物貯留槽16、ロードセルを備えた乾燥物定量供給コンベヤー17、ペレット生成器(ペレタイザー)18
図1において、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が準備される。廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥は、前述したとおりのものである。
【0050】
食品残渣が食品残渣供給コンベヤー1に投入されて、供給される。廃棄物取扱食品残渣が食品残渣供給コンベヤー1から有機物圧縮分別機2に移送される。有機物圧縮分別機2によって、投入された廃棄物取扱食品残渣は、有機物としての廃棄物取扱食品残渣と汚れ廃プラスチックとに分別され、分別された廃棄物取扱食品残渣は、モノ―ポンプ3によって、粒体混合物形成装置7の投入部に移送される。
【0051】
食品残渣供給コンベヤー1は、ロードセルを備えており、計測された廃棄物取扱食品残渣の重量は、後述するパソコン(PC)に送信される。
【0052】
有機物圧縮分別機2の構造は、特許第6842788号公報に詳しく記載されている。
【0053】
分別された汚れ廃プラスチックは、廃プラスチック排出コンベヤー4に移送され、油化プラ原料として図示していない処理システムに導出される。
【0054】
廃プラスチック排出コンベヤー4は、ロードセルを備えており、計測された廃棄物取扱食品残渣の重量は、後述するパソコン(PC)に送信される。
【0055】
脱水汚泥が汚泥供給コンベヤー5に投入されて、供給される。脱水汚泥が汚泥供給コンベヤー5から粒体混合物形成装置7の投入部に移送される。
【0056】
粒体混合物形成装置7は、入口部に投入部を有し、投入部に連結された細長状の円筒を備え、円筒内に撹拌器を有する。撹拌器はペアとなった各ファン翼を有して、投入された食品残渣及び脱水汚泥を撹拌混合し、更に微細化して粒体状の混合体を形成する。
【0057】
混合体を形成しながら、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を粒体化して、粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状の混合体を形成する。
【0058】
粒体状の混合体は、前処理されたもので、粒体状の脱水汚泥中に、粒子状の廃棄物取扱食品残渣が分散した状況を呈し、加水分解に供される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料として準備される。
【0059】
粒体状の混合体は、斜めに配置された円筒内を上方に移送され、上端部から加水分解器8の上部に設けられた投入口から加水分解器8に投入される。
【0060】
加水分解器8は、竪型、横型のいずれでもよいが、操作性、製造の容易性から図に示されるように、好んで横型が採用される。
【0061】
加水分解に供される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料は、第一の撹拌器で十分に粒体状になっているが、第二の撹拌器で微細化、均一化がなされる。撹拌器としては、スクリュー型撹拌器を採用できる。
【0062】
加水分解器8には、粒体状の混合体を投入する粒体状の混合体投入口及びスチームを投入するスチーム投入口が設けられ、粒体状の混合体は、混合体投入口から、スチームはスチーム投入口から加水分解器8にそれぞれ投入される。プラオイルタンク9に貯蔵された油を熱源としたスチームボイラー10が設けられ、スチームボイラー10で発生したスチームが加水分解装置8に投入される。加水分解器8の圧力は、1.5~3.0MPa、好ましくは1.5~2.5MPa、温度は、150~300℃が採用される。加水分解時間は、30~120分が採用される。
【0063】
スチームボイラー10の熱源には、慣用のものが使用可能であるが、廃プラスチック排出コンベヤー4から排出された油化プラスチック原料を処理することでリサイクル生成された再生油が好んで使用される。
【0064】
加水分解器8は、加水分解反応機能を有して、内部に第二の撹拌器を備え、撹拌器(撹拌手段)を内部に設けた反応器(加水分解反応器)を備え、当該反応器に粒体状の混合体及びスチームを導入して、撹拌混合し、粒体状混合体中に分散した粒子状食品残渣を低分子材に加水分解し、粒体状脱水汚泥中に加水分解した粒子状食品残渣が分散した湿状態の粒体状の資源化原料を形成する。資源化原料の典型的な例は、ペレット化原料である。
【0065】
資源化原料である、低分子材とされた加水分解物は、加水分解物移送コンベヤー11に導出される。
資源化原料は、加水分解装置8から排出された段階では、湿った状態にある。湿った状態の資源化原料は、加水分解物移送コンベヤー11によって、排気ブロアー14で発生した熱風を熱源とした集塵サイクロン13に移送される。凝集液体は蒸気化して下部からは固形化した加水分解物(資源化原料)が回収される。
【0066】
集塵サイクロン13で選別された資源化原料は、乾燥ドライヤー12で乾燥され、乾燥物移送コンベヤー15に導出され、乾燥物貯留槽16に貯留される。
【0067】
このように、粒体状脱水汚泥中に、加水分解で低分子化した粒子状返品された食品残渣又は絞り粕残渣が分散した湿状態の粒体状のペレット原料又は乾燥状態の粒体状のペレット原料が形成される。
【0068】
乾燥物貯留槽16に貯留された乾燥資源化原料は、乾燥物定量供給コンベヤー17に導出される。乾燥物定量供給コンベヤー17は、ロードセルを備えており、一定量ごと計測して計測された乾燥資源化原料をペレット生成器18に送出する。
【0069】
ペレット生成器18は、ペレタイザーとして機能し、乾燥資源化原料から典型的にはペレットが形成される。
【0070】
前記ロードセルで計測された乾燥資源化原料の重量は、後述するパソコンP(PC)に送信される
乾燥資源化原料から固体状の資源化体、例えば典型的にはペレットが成果物として形成される。
【0071】
形成されたペレットは、ペレット移送コンベヤー19に移送され、ペレット移送コンベヤー19によって、フレコン充填機20に充填される。フレコン充填機20は、ロードセル重量計21を備え、充填量を計測して、所定の量が充填されたフレコン充填機20とする。
【0072】
ロードセル重量計21で計測された重量情報は、後述するパソコン(PC)に送信される。
【0073】
所定の量が充填されたフレコン充填機20は、リフト22によって、所定の箇所あるいは所定の車両に搬送される。
【0074】
図3は、加水分解に供給される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料を形成した状況を示す図である。
1:食品残渣供給コンベヤー、2:有機物圧縮分別機、3:モノーポンプ、4:廃プラ排出コンベヤー、5:汚泥供給コンベヤー、6:汚泥移送コンベヤー、7:細長円筒の内部に第一の撹拌器が設けられ、外面にロードセル(ロードセル重量計)を備えた粒体混合物形成装置が用いられて、粒体状の脱水汚泥中に、粒子状の廃棄物取扱食品残渣が分散した状況を呈し、加水分解に供給される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料が形成された。
【0075】
図3において、2種類の廃棄物取扱食品残渣(1)(2)がトータルで15.0kg準備され、脱水汚泥としておが屑が15.0kg準備された。
【0076】
これらの原料が粒体混合物形成装置7に投入された。これらの原料は、撹拌混合され、(3)で示される粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料(4)が形成された。
【0077】
図4は、加水分解処理状況を示す図である。
形成された粒体状の廃棄物取扱食品残渣加水分解原料が加水分解器8を構成するタンク(処理容器)に供給されて加水分解処理状況が図4に示される。加水分解器8の圧力は、2.0MPa、温度は、230℃が採用された。
【0078】
図5は、成果物の製造されたペレットを示す写真である。
【0079】
以上のように、食品関連業界から排出される廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する食品残渣資源化方法において、
食品残渣が供給される食品残渣供給ステップ、
汚泥を脱水処理した脱水汚泥が供給される脱水汚泥供給ステップ、
第一の撹拌手段を内部に設けた筒状体が用いられ、当該筒状体内で、廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、混合体が形成されながら、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が粒体化されて、粒体状の脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体が形成される粒体状混合体形成ステップ、
第二の撹拌手段を内部に設けた反応器が用いられ、当該反応器に粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、粒体状の混合体中に分散した粒子状の廃棄物取扱食品残渣が低分子材に加水分解し、粒体状の脱水汚泥中に加水分解した粒子状廃棄物取扱食品残渣が分散した湿状態粒体状の資源化原料が形成される資源化原料形成ステップ、
乾燥資源化原料から固体状の資源化体が形成される資源化体形成ステップ、
を有して形成された食品関連業界に収集された食品残渣が処理され、資源化される食品残渣資源化方法が形成される。
【0080】
また、上述した資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
食品残渣供給ステップで、廃棄物取扱食品残渣として、例えば返品された残渣が供給され、
資源化原料形成ステップで、湿状態の粒体状のペレット化原料、又は湿状態の粒体状のペレット原料が乾燥された乾燥ペレット原料が形成される。
【0081】
また、上述した資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
食品残渣供給ステップで、廃棄物取扱食品残渣として、絞り粕残渣が供給され、
資源化原料形成ステップで、湿状態の粒体状のペレット化原料、又は湿状態の粒体状のペレット原料が乾燥された乾燥ペレット原料が形成される。
【0082】
また、上述した資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
脱水汚泥供給手段が、脱水汚泥として、食品関連汚泥を供給し、
資源化原料形成手段が、廃棄物取扱食品残渣及び食品関連汚泥から形成されて、飼料あるいは燃料に適した粒体状のペレット化原料を形成する。
【0083】
また、上述した資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法において、
脱水汚泥供給手段が、脱水汚泥として、下水活性汚泥を供給し、
資源化原料形成手段が、廃棄物取扱食品残渣及び下水活性汚泥から形成されて、肥料に適した粒体状のペレット化原料を形成する。
【0084】
本実施例によれば、大量に収集された廃棄物取扱食品残渣物の処理に加水分解処理を採用するに当たって、高温・高圧の処理環境にすることを要せず、処理対象の食品残渣物の持つ柔らかくあるが粘性がある性状に適し、高い処理効率で食品残渣物処理を行ない得る。
【0085】
以上、説明した食品関連業界に収集された廃棄物取扱食品残渣を処理し、資源化する廃棄物取扱食品残渣資源化方法を実施することで、収集された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造に伴う価値情報の取得方法が形成される。図6及び図7を用いて収集された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造に伴う価値情報の取得方法を説明する。
【0086】
図6は、収集された廃棄物取扱食品残渣及び収集された脱水汚泥からペレットの製造するときの製造価値情報の取得方法を示す図である。
【0087】
粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法は先に説明した通りであり、粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法が用いられることで、当該ペレットの製造価値情報の取得方法200が形成される。
【0088】
食品残渣資源化管理者の端末201、食品関連業者の端末202及び汚泥処理関連業者の端末203を通信手段204で接続したときに、食品残渣資源化管理者の端末201に形成される。
【0089】
食品関連業者の端末202で取り扱われる情報は、
・廃棄物取扱食品残渣に関するもの
・廃棄物取扱食品残渣の処理に要する現状廃棄物処理費用に関するもの
がある。
汚泥処理関連業者の端末203で取り扱われる情報は、
・脱水汚泥に関するもの
・脱水汚泥の処理に要する現状廃棄物処理費用に関するもの
がある。
【0090】
現状費用とは、現状の処理装置・方法による廃棄物取扱食品残渣の処理に要する現状の費用のことである。
【0091】
食品残渣資源化管理者の端末201で取り扱われる情報は、
・加水分解原料形成確認に関するもの
・製造されたペレット量に関連するペレットに関するもの
・対比消費燃料量に関連する対比消費燃料に関するもの
・二酸化炭素削減量に関連する二酸化炭素削減に関するもの
がある。
【0092】
図7は、収集された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造に伴う価値情報の取得方法を示す図である。
【0093】
食品残渣資源化管理者の端末に形成される食品残渣資源化情報取得装置205を用いることで、ペレット製造に伴う価値情報の取得方法200が形成される。
【0094】
食品残渣資源化情報取得装置205は、内部に入力手段206、演算処理手段207、出力手段208、データベース(記憶手段のこと)209及び画面表示手段210を備え、外部の食品関連業者の端末202、汚泥処理業者の端末203及び資源化体利用業者の端末214に接続回線211を介して接続される。
【0095】
データベース209は、現状装置・方法による廃棄物取扱食品残渣処理に要する燃料量に関連する燃料情報及び現状装置・方法による汚泥残渣処理に要する燃料量に関連する燃料情報を格納する。これらの情報には、各処理に要する費用に関連する費用情報が含まれる。
【0096】
入力手段206は、食品関連業者の端末202、汚泥処理業者の端末203及び資源化体利用業者の端末214からの各種の情報及びデータベース209に格納した情報を読み出すことができる。
【0097】
入力手段206には、食品残渣供給コンベヤー1、廃プラ排出コンベヤー4、粒体混合物形成装置7、乾燥物定量供給コンベヤー17 に設けたロードセル及びロードセル重量計21が計測した重量情報が入力される。これによって、それぞれの工程を流れる形成体の重量が取得され、演算処理手段207による演算処理に使用される。
【0098】
演算処理手段207は、
・粒体状の加水分解原料の混合量に関連した混合情報の取得
・製造されたペレット量に関連したペレット情報の取得
・対比消費燃料量に関連した燃料情報の取得
・二酸化炭素削減量に関連した二酸化炭素情報
・脱水汚泥廃棄削減量に関連した脱水汚泥廃棄削減
と取得を行う。
【0099】
対比情報には、消費燃料削減量あるいは/及び二酸化炭素削減量に、廃棄物取扱食品残渣処理に要する現状の廃棄物処理費用状況と本発明で得られる廃棄物取扱食品残渣処理に要する費用状況との比較に基づく費用削減に関連した費用削減情報が含まれる。
【0100】
脱水汚泥の処理に要する費用についても同様である。
その1が構成される。
その1
廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を原料としたペレットを製造するに際して、粒体状の脱水汚泥中に、粒子状の廃棄物取扱食品残渣が分散した混合状況を呈し、加水分解に供給される粒体状の加水分解原料の混合量に関連した粒体状の混合情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレット量に関連したペレット製造情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレットの所定単位のペレット量を製造するに消費した燃料量が計測されて燃料量に関連した消費燃料情報(A)が取得され、
予め定めた従来の燃焼装置、燃焼方法として定めた燃焼装置、燃焼方法で廃棄物取扱食品残渣を処理することが実施されて、所定の単位量の廃棄物取扱食品残渣量を処理するのに要した燃料量が取得されて、予め記録され、当該燃料量に関連した消費燃料情報(B)が取得され、
消費燃料情報(A)及び消費燃料情報(B)から、消費燃料情報(A)及び消費燃料情報(B)を対比した対比消費燃料関連情報が取得され、
製造されたペレットの所定単位のペレット量を製造するに投入した脱水汚泥量から、当該脱水汚泥量に関連した投入脱水汚泥情報(C)が取得され、
ペレット製造関連情報から、ペレットのリサイクル化による廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量に関連する関連情報、及び対比消費燃料関連情報から、削減される排出二酸化炭素量に関連した排出二酸化炭素削減情報が取得され、及び投入脱水汚泥情報から、粒体状のペレット原料のペレット原料を製造するペレット原料製造方法に脱水汚泥を投入することによる脱水汚泥の削減に関連した脱水汚泥削減情報が取得され、
粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法に伴って廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量情報、排出二酸化炭素削減量情報及び脱水汚泥廃棄削減量情報から3つの廃棄削減量情報が取得されて、各廃棄削減量単価に基づく製造価値情報が取得される。
【0101】
出力手段208は、演算処理手段207で取得された各情報を外部及び画面表示手段210に出力することができる。
【0102】
画面表示手段210は、画面210Aを備え、画面に出力された各情報を表示する。
【0103】
先に、粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法による3つの廃棄削減情報からなる製造価値情報が取得されることを示したが、2つの廃棄削減情報からなる製造価値情報の取得、あるいは1つの廃棄削減情報からなる製造価値情報の取得を行なってもよい。
【0104】
その場合、その2,その1の構成は次のようになる。
【0105】
その2
廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を原料としたペレットを製造するに際して、粒体状の脱水汚泥中に、粒子状の廃棄物取扱食品残渣が分散した混合状況を呈し、加水分解に供給される粒体状の加水分解原料の混合量に関連した粒体状の混合情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレット量に関連したペレット製造情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレットの所定単位のペレット量を製造するに消費した燃料量が計測されて燃料量に関連した消費燃料情報(A)が取得され、
予め定めた従来の燃焼装置、燃焼方法として定めた燃焼装置、燃焼方法で廃棄物取扱食品残渣を処理することが実施されて、所定の単位量の廃棄物取扱食品残渣量を処理するのに要した燃料量が取得されて、予め記録され、当該燃料量に関連した消費燃料情報(B)が取得され、
消費燃料情報(A)及び消費燃料情報(B)から、消費燃料情報(A)及び消費燃料情報(B)を対比した対比消費燃料関連情報が取得され、
ペレット製造関連情報から、ペレットのリサイクル化による廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量に関連する関連情報、及び対比消費燃料関連情報から、削減される排出二酸化炭素量に関連した排出二酸化炭素削減量情報が取得され、
粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法の採用に伴う廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量情報及び排出二酸化炭素削減量情報の2つの廃棄削減量情報が取得されて、各廃棄削減量単価に基づく製造価値情報が取得されること
を特徴とするペレット製造に伴う価値情報の取得方法が提案される。
その3
廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥を原料としたペレットを製造するに際して、粒体状の脱水汚泥中に、粒子状の廃棄物取扱食品残渣が分散した混合状況を呈し、加水分解に供給される粒体状の加水分解原料の混合量に関連した粒体状の混合情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレット量に関連したペレット製造情報が取得され、
当該混合量から製造されたペレットの所定単位のペレット量を製造するに消費した燃料量が計測されて燃料量に関連した消費燃料情報(A)が取得され、
ペレット製造関連情報から、ペレットのリサイクル化による廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量に関連する関連情報が取得され、
粒体状のペレット原料からペレットを製造する方法の採用に伴って、廃棄物取扱食品残渣廃棄削減量情報の1つの廃棄削減量情報が取得されて、当該廃棄削減量単価に基づいた製造価値情報が取得されること
を特徴とするペレット製造に伴う価値情報の取得方法が提案される。
【0106】
本実施例によれば、上述したように、3~1つの廃棄削減情報からなる製造価値情報を取得することができる。
【0107】
図8は、廃棄物取扱食品残渣資源化方法について示す図である。
【0108】
図8に、収集された廃棄物取扱食品残渣及び収集された脱水汚泥が処理され、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法が示される
当該廃棄物取扱食品残渣資源化方法300は、処理対象の廃棄物の収集301,廃棄物分別作業302,分別された処理対象物の取得303、処理対象物の選り分け304及び処理法305から構成される。
【0109】
処理対象の廃棄物の収集301で、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からなる処理対象の廃棄物が収集される。
食品関連業者に、数値番号311で示すように、
汚れプラスチック(汚れプラスチック中に、廃プラスチックがある場合を含む)
廃棄物取扱食品残渣
・返品された食品残渣に代表される廃棄物取扱食品残渣
・絞り粕残渣
汚泥
・食品関連汚泥
・下水活性汚泥
が各種の収集手段で収集される。
汚泥関連業者に、数値番号312で示すように、
汚泥
・食品関連汚泥
・下水活性汚泥
が各種の収集手段で収集される。汚泥は、脱水され脱水汚泥とされる。
【0110】
廃棄物分別作業302で、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からなる収集された廃棄物は、汚れ廃プラスチック313、廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥314の廃棄物に大きく分別される。
【0111】
分別された処理対象物の取得303で、収集された廃棄物から汚れ廃プラスチック313が分別された、点線で示される廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥になる廃棄物が取得される。
【0112】
処理対象物の選り分け304で、取得された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥の廃棄物は、廃棄物取扱食品残渣315及び脱水汚泥316の2つの廃棄物に、それぞれに処理対象物として選り分けられる。この選り分けで、次のステップにおける投入量が調整され、操業上適切な混合比になる廃棄物取扱食品残渣315及び脱水汚泥316の2つの廃棄物とされる。
【0113】
処理法305で、ルート1として汚れ廃プラスチックからの資源回収方法317及びルート2として廃棄物取扱食品残渣資源化方法318が採用される。汚れ廃プラスチックからの資源回収方法の適用で、分別された汚れプラスチックから典型的には油成分が資源として回収される。
【0114】
汚れ廃プラスチックからの資源回収方法317については、図9を用いて後述する。
【0115】
なお、汚れ廃プラスチックからの資源回収方法317は、本件特許出願人に出願になる特願2022-115184号に詳細が説明される。
【0116】
処理法305のルート2で、本願発明の実施例である廃棄物取扱食品残渣資源化方法318が適用される。
【0117】
第一の撹拌手段が内部に設けられた筒状体が用いられて、当該筒状体内で、選り分けられた廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、混合体が形成されながら、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が粒体化されて、前記粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状混合体が形成され、
第二の撹拌手段が内部に設けられた反応器が備えられ、当該反応器に前記粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、前記粒体状混合体の粒子状の食品残渣が低分子材に加水分解され、加水分解した粒体状の脱水汚泥中に加水分解した粒子状の食品関連汚泥食品残渣が分散した粒体状のペレット化原料が形成され、
ペレット化原料から固体状のペレットが形成される。
【0118】
このようにして、収集された廃棄物取扱食品残渣が処理されて、資源化される廃棄物取扱食品残渣資源化方法300が形成される。
【0119】
汚れ廃プラスチックからの資源回収方法317及び廃棄物取扱食品残渣資源化方法318で回収、再生された成果物は、食品関連業者311、あるいは汚泥関連業者312に帰属する。
【0120】
図9は、本発明に付加可能な汚れ廃プラスチック処理システムを示す図である。
【0121】
本例で、水分が混在し、有機質物で汚染された廃プラを汚れ廃プラと称する。
【0122】
図9において示される汚れ廃プラスチック処理システム100Aを構成する装置、部材と関連番号との関係は次のとおりである。
【0123】
1A:廃プラ供給コンベヤー、2A:廃プラ圧搾機、3A:サイクロン、4A:ペレット供給コンベヤー、5A:破砕機、6A:破砕廃プラ移送コンベヤー、7A:定量供給コンベヤーを備えた汚れ廃プラ重量計測器、8A:押し出し機、9A:リアクター、10A:ガス冷却器、11A:オイル移送ポンプNo.1、12A:一次貯油槽、13A:オイル移送ポンプNo.2、14A:精油貯槽、15A:ローリー車、16A:発電機、17A:有機質炭化物回収装置、18A:有機質炭化物ペレット化装置、19A:高濃度廃液希釈槽、20A:原水移送ポンプNo.1、21A:凝縮剤タンク、22A:加圧浮上装置、23A:一次処理水移送ポンプ、24A:調整槽(膜気式)、25A:原水移送ポンプNo.2、26A:浄水装置
図9において、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラは、缶、瓶、金属などの異物が分別された後に集合され、廃プラトラックによって廃プラ供給コンベヤー1Aに搬送される。
【0124】
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラは、典型的には食品関連事業者から排出され、有機質物は、主要な構成要素(穀類、植物性残渣、動物性残渣)からなり、廃プラスチックに付着あるいは内蔵される。廃プラスチックは、典型的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンのいわゆる「油化適正3樹脂」になるプラスチック製容器、包装である。
【0125】
廃プラ供給コンベヤー1に搬送された汚れ廃プラは、廃プラ圧搾機2Aで圧搾され、高濃度で取り出された廃液が高濃度廃液希釈槽19Aに導出され、廃液が取り除かれた汚れ廃プラはサイクロン3Aに導出され、ペレット状の汚れ廃プラとなる。
【0126】
ペレット状の汚れ廃プラは、ペレット供給コンベヤー4Aにより破砕機5Aに導出される。
【0127】
ペレット状の汚れ廃プラは、破砕機5Aで細かく破砕され、破砕プラ移送コンベヤー6Aによって汚れ廃プラ重量計測器7Aに備えた定量供給コンベヤーに送られ、定量供給ごとに汚れ廃プラ量が計測され、押し出し機8Aへ導出される。すなわち定量供給コンベヤーには、重量計測ロードセルが設けられている。汚れ廃プラ重量計測器7Aは、それ付随して設けられた通信機(図示せず)を介して、設定された汚れ廃プラ処理単位ごとに計測された汚れ廃プラ重量データを別途設置した管理用のパソコン(PC)へ送信することができる。パソコン(PC)は、そのデータベース(図示せず)に汚れ廃プラ重量情報を格納する。
【0128】
定量ごとに押し出し機8Aによってリアクター9Aへと、破砕された廃プラ絞り体状で導出される。
【0129】
重量計測器によって、汚れ廃プラの投入量ごと、あるいは汚れ廃プラの所定の投入量ごとの汚れ廃プラの重量を計測してパソコン(PC)に送信し、データベースに汚れ廃プラの投入量として記憶しておくことができる。
【0130】
リアクター9Aは、加熱手段(図示せず)を備えた資源化処理装置であり、典型的には廃プラガス成分分離装置としての機能を有する。加熱手段が廃プラを加熱して、有機質汚染物が炭化するに十分な温度で加熱される加熱処理がなされる。この加熱処理で、廃プラをガス化し、有機質汚染物を炭化して固定化することで、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する。典型的には、廃プラガス成分が固定化された炭化有機質汚染物から分離される。
【0131】
廃プラは、例えば数気圧下、250~500℃の加熱時間で熱分解することが知られており、食品に関連した有機質汚染物は、例えば数気圧下、500℃近辺で炭化することが知られており、500℃近辺の加熱時間にして適宜加熱時間を維持することで、廃プラをガス化し、有機質汚染物を炭化して固定化することができ、リアクター内を2層化して、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離することができる。
【0132】
本実施例では、0.105~0.55MPa×300~500℃が採用される。好ましくは、0.105MPa×350~450℃が採用される。
【0133】
生成された廃プラガス成分は、リアクター9Aの上部から、そして有機質炭化物は、リアクター9Aの下部から取り出され得る。
【0134】
リアクター9Aは、破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離する廃プラガス成分分離手段として形成される。
【0135】
リアクター9Aでは、例えば0.105MPa×350~450℃で処理される。
【0136】
廃プラガス成分は、熱交換器を内部に備えたガス冷却器10Aに導出され、冷却され、油化成分となる。
【0137】
クリーン化された油化成分は、廃プラが食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたもので、当該廃プラから水分が除去され、加熱処理で生成された汚れ有機質の炭化物が除去された油化成分である。
【0138】
油化成分は、オイル移送ポンプNo.1によって精油貯槽14Aに導出され、精油貯槽14Aに貯蔵される。
【0139】
精油貯槽14Aに貯蔵された生成油は、その一部が精油貯槽14Aから引き抜かれてローリー車15Aによって石油元売業者へと搬送される。
【0140】
精油貯槽14Aに貯蔵された生成油は、他の一部が精油貯槽14Aから引き抜かれて発電機16Aに送られて発電に供され、発電電力は送電システムに送電される。
【0141】
リアクター9Aから取り出された有機質の炭化物は、有機質炭化物回収手段としての有機質炭化物回収装置17Aに導出され、回収有機質炭化物の固化手段としての有機質炭化物ペレット化装置18Aでペレット化され、有機質炭化物ペレットとなり、乾燥されて燃料として使用される。
【0142】
ペレット形成に際しては、ペレット全体が有機質炭化物で形成されもよいし、ペレットの主要構成として有機質炭化物が用いられ、一部に可燃性物質あるいは不燃性物質が用いられて混合されてもよい。形成されたペレットは、燃料として用いられてもよいし、家庭菜園における肥料としてあるいはその他の用途に用いられる。
【0143】
有機質炭化物ペレットは、廃プラが、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、主としてポリプロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンのいずれかからになり、水分が混合され、有機質物で汚染された汚れ廃プラから生成されたものであって、水分が除去され、加熱処理で油化成分が除去された汚れ有機質の炭化物からなる。
【0144】
以上のように、本実施例によれば、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理システムが構成される。
【0145】
廃プラが、主としてポリプロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンのいずれかからになり、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する。
【0146】
汚れ廃プラ処理システムは、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給すること、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収すること、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成すること、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機質汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離すること、
分離された廃プラガス成分を冷却して油化成分を形成すること、
油化成分を貯油すること、
貯油された油化成分を回収することの構成を有する。
【0147】
また、本実施例によれば、汚れ廃プラ処理システム及び方法は、汚れ廃プラからの資源物質回収システム及び方法として把握することが可能である。
【0148】
この場合、食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分と固形化された有機質炭化物を資源として生成する汚れ廃プラからの資源物質生成システムが構成され、汚れ廃プラからの資源物質生成システムは、
水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラが集合された汚れ廃プラを供給すること、
供給された汚れ廃プラを固液分離処理して固体状汚れ廃プラを回収すること、
回収された固体状汚れ廃プラを破砕して、破砕汚れ廃プラを形成するおこと、
形成された破砕汚れ廃プラを、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物を炭化するに十分な温度で加熱処理して、有機質汚染物を有機質炭化物に固定し、廃プラガス成分と有機質炭化物とに分離すること、
分離された廃プラガス成分を冷却して、クリーンな油化成分を生成すること、
分離された有機質炭化物を固化して、固形有機質炭化物を生成することになる構成を有する。
【0149】
廃プラ圧搾機2Aで取り出された高濃縮液は、高濃縮廃液希釈槽19Aに導出される。高濃縮廃液希釈槽19Aに給水がなされ、高濃縮液は希釈され、希釈水とされる。
【0150】
希釈水は、原水移送ポンプNO.1 20Aによって加圧浮上装置22Aに送られる。希釈水には、加圧浮上装置22Aへの導入直前に凝縮剤タンク21Aから凝縮剤が添加される。
【0151】
凝縮剤によって凝縮され、加圧浮上装置22Aの上部に浮上した浮上物であるスラッジは排出され、処理水は、一次処理水移送ポンプ23Aによって調整槽(膜気式)24Aに送られ、pHなどが調整され、原水移送ポンプNo.2 25Aによって浄水装置26Aに導出され、浄水される。
【0152】
浄水された水は、一般河川に放流される。
【0153】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法において、
集合された汚れ廃プラが供給される汚れ廃プラ供給ステップ、
供給された汚れ廃プラが固液分離処理されて固体状汚れ廃プラが回収される固体状汚れ廃プラ回収ステップ、
回収された固体状汚れ廃プラが破砕されて、破砕汚れ廃プラが形成される破砕汚れ廃プラ形成ステップ、
形成された破砕汚れ廃プラが、廃プラガス成分を形成する温度以上で、破砕汚れ廃プラに付着する有機汚染物が炭化するに十分な温度で加熱処理されて、有機質汚染物が有機質炭化物に固定され、廃プラガス成分と有機質炭化物とが形成、分離される廃プラガス成分分離ステップ、
分離された廃プラガス成分が冷却されて油化成分が形成される油化成分形成ステップ、
油化成分が貯油される貯油ステップ、
貯油された油化成分が回収される油化成分回収ステップ、
を有して構成されるクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法が形成される。
【0154】
食品関連容器あるいは包装に用いられた廃プラであって、水分が混在し、有機質物で汚染された汚れ廃プラを処理してクリーンな油化成分を回収する汚れ廃プラ処理方法で回収した油化成分の重量データが取得され、重量データから油化成分の単価に基づいて算出され、また油化成分の回収に伴う廃プラ削減量情報が取得されて、廃プラ削減量単価に基づく廃プラ廃棄削減価値情報が取得される。
【0155】
当該油化成分製造価値情報は、上述したその1、その2又はその3に記載された廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥からペレットの製造に伴う価値情報に付加される。
【符号の説明】
【0156】
100:食品残渣資源化装置、100A:汚れ廃プラスチック処理システム、200:価値情報の取得方法、300:廃棄物取扱食品残渣資源化方法、1:食品残渣供給コンベヤー、2:有機物圧縮分別機、3:モノーポンプ、4:廃プラ排出コンベヤー、5:汚泥供給コンベヤー、6:汚泥移送コンベヤー、7:細長円筒の内部に撹拌機が設けられ、外面にロードセル(ロードセル重量計)を備えた粒体混合物形成装置、8:撹拌機を設けた加水分解装置、9:プラオイルタンク、10:スチームボイラー、11:加水分解物移送コンベヤー、12:乾燥ドライヤー、13:集塵サイクロン、14:排気ブロアー、15:乾燥物移送コンベヤー、16:乾燥物貯留槽、17:ロードセルを備えた乾燥物定量供給コンベヤー、18:ペレット生成器(ペレタイザー)、19:ペレット移送コンベヤー、20:フレコン充填機、21:ロードセル重量計、22:リフト。
【要約】
【課題】大量に排出される廃棄物取扱食品残渣の処理に加水分解処理を採用するに当たって、高温・高圧の処理環境にすることを要せず、処理対象の廃棄物取扱食品残渣の持つ柔らかくあるが粘性がある性状に適し、高い処理効率で適切に安価に加水分解処理を行ない得るようにする。
【解決手段】筒状体内で、廃棄物取扱食品残渣と脱水汚泥が撹拌混合されて、混合体が形成されながら、前記廃棄物取扱食品残渣及び脱水汚泥が粒体化されて、前記粒体状脱水汚泥中に粒状化した廃棄物取扱食品残渣が分散した粒体状の混合体が形成される粒体状混合体形成ステップ、及び反応器に粒体状の混合体及びスチームが導入されて、撹拌混合され、前記粒体状の混合体の粒子状食品残渣が低分子材に加水分解され、加水分解した粒体状の脱水汚泥中に加水分解した粒子状の食品関連汚泥食品残渣が分散した粒体状のペレット化原料が形成される資源化原料形成ステップが形成される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9