(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-25
(45)【発行日】2022-12-05
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20221128BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20221128BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221128BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221128BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221128BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
G02F1/1368
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H01L29/78 616T
H01L29/78 616V
H01L29/78 617M
H01L29/78 619A
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
(21)【出願番号】P 2021179946
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2021147280の分割
【原出願日】2010-02-10
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2009030969
(32)【優先日】2009-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】郷戸 宏充
(72)【発明者】
【氏名】島津 貴志
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-96055(JP,A)
【文献】特開2008-205469(JP,A)
【文献】特開2007-73559(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0299702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336、29/786、51/50、
G02F 1/1368
G09F 9/30
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板上の画素部に配置されたトランジスタを有し、
前記トランジスタのゲート電極として機能する領域を有する第1の導電層を有し、
前記第1の導電層上の第1の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層上に位置し、インジウム(In)、ガリウム(Ga)および亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体層を有し、
前記酸化物半導体層上に位置し、前記酸化物半導体層の第1の領域と接するシリコン酸化物層を有し、
前記シリコン酸化物層上にシリコンを含む層を有し、
前記酸化物半導体層は、前記第1の領域を挟むように第2の領域及び第3の領域を有し、
前記第2の領域及び前記第3の領域は、前記シリコン酸化物層と接さず、
前記第2の領域と電気的に接続され、前記トランジスタのソース電極又はドレイン電極の一方として機能する領域を有する第2の導電層を有し、
前記第3の領域と電気的に接続され、前記トランジスタのソース電極又はドレイン電極の他方として機能する領域を有する第3の導電層を有し、
前記シリコンを含む層上に平坦化絶縁膜を有し、
前記平坦化絶縁膜上に、前記第2の導電層又は前記第3の導電層と電気的に接続する画素電極を有し、
前記画素電極上にEL層を有し、
前記EL層上に対向電極を有し、
前記対向電極上に充填材を有し、
前記充填材上に第2の基板を有し、
前記第1の導電層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素を有する膜と、アルミニウム又は銅とを積層されたものであり、
前記第2の導電層および前記第3の導電層は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素を含む金属を有し、
前記シリコン酸化物層は、前記酸化物半導体層の側面と接する領域を有し、
前記トランジスタのチャネル幅方向において、前記シリコンを含む層は、前記酸化物半導体層の両端部を越えて設けられ、
前記シリコンを含む層は、前記第1の絶縁層と接する領域を有する、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体層を用いたトランジスタ、当該トランジスタを具備する半導体装
置及びそれらの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物は多様に存在しさまざまな用途に用いられている。酸化インジウムはよく知ら
れた材料であり、液晶ディスプレイなどで必要とされる透明電極材料として用いられてい
る。
【0003】
金属酸化物の中には半導体特性を示すものがある。一般的に、金属酸化物は絶縁体となる
。しかし、金属酸化物を構成する元素の組み合わせによっては、半導体となることが知ら
れている。
【0004】
例えば、半導体特性を示す金属酸化物としては、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛などがあり、このような半導体特性を示す金属酸化物をチャネル形成領域
とする薄膜トランジスタが既に知られている(特許文献1乃至4、非特許文献1)。
【0005】
ところで、金属酸化物は一元系酸化物のみでなく多元系酸化物も知られている。例えば、
ホモロガス相を有するInGaO3(ZnO)m(m:自然数)はIn、Ga、Znを有
する多元系酸化物半導体として知られている(非特許文献2乃至4)。
【0006】
そして、上記のようなIn-Ga-Zn系酸化物で構成される酸化物半導体を薄膜トラン
ジスタ(TFTとも呼ぶ)のチャネル層として適用可能であることが確認されている(特
許文献5、非特許文献5及び6)。
【0007】
しかし、酸化物半導体は、素子の作製工程におけるエッチング剤やプラズマによるダメー
ジや、水素等の元素が混入することにより半導体特性が変動しやすく、これにより素子の
電気特性のばらつきや劣化が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭60-198861号公報
【文献】特開平8-264794号公報
【文献】特表平11-505377号公報
【文献】特開2000-150900号公報
【文献】特開2004-103957号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】M. W. Prins, K. O. Grosse-Holz, G. Muller, J. F. M. Cillessen, J. B. Giesbers, R. P. Weening, and R. M. Wolf、「A ferroelectric transparent thin-film transistor」、 Appl. Phys. Lett.、17 June 1996、 Vol.68 p.3650-3652
【文献】M. Nakamura, N. Kimizuka, and T. Mohri、「The Phase Relations in the In2O3-Ga2ZnO4-ZnO System at 1350℃」、J. Solid State Chem.、1991、Vol.93, p.298-315
【文献】N. Kimizuka, M. Isobe, and M. Nakamura、「Syntheses and Single-Crystal Data of Homologous Compounds, In2O3(ZnO)m(m=3,4, and 5), InGaO3(ZnO)3, and Ga2O3(ZnO)m(m=7,8,9, and 16) in the In2O3-ZnGa2O4-ZnO System」、 J. Solid State Chem.、1995、Vol.116, p.170-178
【文献】中村真佐樹、君塚昇、毛利尚彦、磯部光正、「ホモロガス相、InFeO3(ZnO)m(m:自然数)とその同型化合物の合成および結晶構造」、固体物理、1993年、Vol.28、No.5、p.317-327
【文献】K. Nomura, H. Ohta, K. Ueda, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono、「Thin-film transistor fabricated in single-crystalline transparent oxide semiconductor」、SCIENCE、2003、Vol.300、p.1269-1272
【文献】K. Nomura, H. Ohta, A. Takagi, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono、「Room-temperature fabrication of transparent flexible thin-film transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、2004、Vol.432 p.488-492
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、酸化物半導体層を有するトランジスタ又は当該トラ
ンジスタを具備する半導体装置において、電気的特性のばらつきや劣化を抑制することを
課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、酸化物半導体をチャネル層として用いる
トランジスタにおいて、酸化物半導体層の表面上に接してシリコン層を設けた構成とする
。この場合、シリコン層が酸化物半導体層に水素等が混入することを低減する保護膜とし
て機能すると共に、作製工程において酸化物半導体層の保護膜として機能し、トランジス
タの電気的特性のばらつきや劣化を抑制することができる。
【0012】
また、本発明の一態様は、シリコン層を、少なくとも酸化物半導体層においてチャネルが
形成される領域に接して設けると共に、酸化物半導体層において、シリコン層が接してい
ない部分の少なくとも一部にソース電極層及びドレイン電極層を接して設けた構成とする
ことができる。
【0013】
また、本発明の一態様は、酸化物半導体層において、シリコン層が設けられていない領域
の少なくとも一部にソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域を設け、当該
低抵抗領域にソース電極層とドレイン電極層を接して設けた構成とすることができる。
【0014】
また、本発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁層と、ゲ
ート絶縁層上に設けられ且つゲート電極と重なる酸化物半導体層と、酸化物半導体層の表
面上に接して設けられたシリコン層と、酸化物半導体層と電気的に接続されたソース電極
層及びドレイン電極層とを有するトランジスタを提供する。また、シリコン層が設けられ
ていない酸化物半導層の表面上の少なくとも一部にソース電極層及びドレイン電極層を接
して設けることができる。また、ソース電極層と接する酸化物半導体層の領域にソース領
域として機能する第1の低抵抗領域を設け、ドレイン電極層と接する酸化物半導体層の領
域にドレイン領域として機能する第2の低抵抗領域を設けることができる。
【0015】
また、本発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁層と、ゲ
ート絶縁層上に設けられ、且つゲート電極と重なる酸化物半導体層と、酸化物半導体層の
表面上の一部に接して設けられたシリコン層と、シリコン層が設けられていない酸化物半
導体層の表面上の少なくとも一部に接して設けられた第1の金属酸化物層及び第2の金属
酸化物層と、第1の金属酸化物層と電気的に接続されたソース電極層と、第2の金属酸化
物層と電気的に接続されたドレイン電極層とを有するトランジスタを提供する。
【0016】
また、本発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁層と、ゲ
ート絶縁層上に設けられたソース電極層及びドレイン電極層と、ソース電極層及びドレイ
ン電極層上に設けられ且つゲート絶縁層を介してゲート電極上に設けられた酸化物半導体
層と、酸化物半導体層の表面上に接して設けられたシリコン層とを有するトランジスタを
提供する。
【0017】
また、本発明の一態様は、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上にゲート絶縁層を
形成し、ゲート電極と重なるように、ゲート絶縁層上に酸化物半導体層を形成し、酸化物
半導体層を覆うようにシリコン層を形成し、シリコン層をエッチングして、酸化物半導体
層の一部を露出させ、シリコン層及び酸化物半導体層上に導電膜を形成し、導電膜をエッ
チングして、ソース電極層及びドレイン電極層を形成するトランジスタの作製方法を提供
する。
【0018】
また、本発明の一態様は、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上にゲート絶縁層を
形成し、ゲート電極と重なるように、ゲート絶縁層上に酸化物半導体層を形成し、酸化物
半導体層を覆うようにシリコン層を形成し、シリコン層をエッチングして、酸化物半導体
層の一部を露出させ、酸化物半導体層の露出した部分にプラズマ処理を行うことにより低
抵抗領域を形成し、シリコン層及び酸化物半導体層上に導電膜を形成し、導電膜をエッチ
ングして、ソース電極層及びドレイン電極層を形成するトランジスタの作製方法を提供す
る。
【0019】
本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量
が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherfo
rd Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法
(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定し
た場合に、濃度範囲として酸素が50~70原子%、窒素が0.5~15原子%、シリコ
ンが25~35原子%、水素が0.1~10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、
窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、
好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5~30
原子%、窒素が20~55原子%、シリコンが25~35原子%、水素が10~30原子
%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成
する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が
上記の範囲内に含まれるものとする。
【0020】
本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を
指し、表示装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置に含まれる。また、本明細
書中において表示装置とは、発光装置や液晶表示装置を含む。発光装置は発光素子を含み
、液晶表示装置は液晶素子を含む。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御され
る素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Lumines
cence)素子、有機EL素子、LED素子等が含まれる。
【0021】
本明細書において、Aの上にBが形成されている、あるいは、A上にBが形成されている
、と明示的に記載する場合は、Aの上にBが直接接して形成されていることに限定されな
い。直接接してはいない場合、つまり、AとBと間に別の対象物が介在する場合も含むも
のとする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、チャネル層を酸化物半導体で設けるトランジスタにおいて、酸
化物半導体層の表面上に接してシリコン層を設けることにより、トランジスタの電気的特
性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態1に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図2】実施の形態1に係るトランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【
図3】実施の形態1に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図4】実施の形態1に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図5】実施の形態2に係るトランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【
図6】実施の形態2に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図7】実施の形態3に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図8】実施の形態3に係るトランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【
図9】実施の形態3に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図10】実施の形態4に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図11】実施の形態4に係るトランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【
図12】実施の形態4に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図13】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図14】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図15】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図16】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図17】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図18】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図19】実施の形態5に係る半導体装置の作製方法の一例を説明する図。
【
図20】実施の形態6に係る半導体装置の一例を説明する図。
【
図21】実施の形態7に係る半導体装置の一例を説明する図。
【
図22】実施の形態8に係る半導体装置の一例を説明する図。
【
図23】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【
図25】実施の形態1に係るトランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【
図26】実施の形態1に係るトランジスタの構成を説明する図。
【
図27】シミュレーションに用いたモデルを説明する図。
【
図28】シミュレーションにより求めた水素の拡散係数を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、発明の趣旨から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。したがって、本発明は
以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、異なる実施
の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することができる。また、以下に説明する発
明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰
り返しの説明は省略する。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置を構成するトランジスタの構造の一例について、図面を参
照して説明する。
【0026】
図1に示すトランジスタ120は、基板100上に設けられたゲート(ゲート配線及びゲ
ート電極を含む(以下、「ゲート電極102」と記す))と、ゲート電極102上に設け
られたゲート絶縁層104と、ゲート絶縁層104上に設けられた酸化物半導体層108
と、酸化物半導体層108の表面上に接するように設けられたシリコン層112と、酸化
物半導体層108と電気的に接続されたソース(ソース配線及びソース電極を含む(以下
、「ソース電極層116a」と記す))及びドレイン(ドレイン配線及びドレイン電極を
含む(以下、「ドレイン電極層116b」と記す))とを有している(
図1参照)。
【0027】
図1において、
図1(A)は上面図を示しており、
図1(B)は
図1(A)におけるA1
-B1間の断面図を示しており、
図1(C)は
図1(A)におけるA2-B2間の断面図
を示している。
【0028】
酸化物半導体層108は、少なくとも一部がゲート絶縁層104を介してゲート電極10
2と重なるように設けられており、トランジスタ120のチャネル領域を形成する層(チ
ャネル層)として機能する。
【0029】
酸化物半導体層108としては、半導体特性を有する酸化物材料を用いればよい。例えば
、InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される構造の酸化物半導体を用いることがで
き、特に、In-Ga-Zn-O系酸化物半導体を用いるのが好ましい。なお、Mは、ガ
リウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co
)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合が
あることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合
がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元
素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているもの
がある。本明細書においては、InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される構造の酸
化物半導体のうち、Mとして少なくともGaを含む構造の酸化物半導体をIn-Ga-Z
n-O系酸化物半導体と呼び、該薄膜をIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜とも呼ぶ。
【0030】
また、酸化物半導体層108に適用する酸化物半導体として上記の他にも、In-Sn-
Zn-O系、In-Al-Zn-O系、Sn-Ga-Zn-O系、Al-Ga-Zn-O
系、Sn-Al-Zn-O系、In-Zn-O系、Sn-Zn-O系、Al-Zn-O系
、In-O系、Sn-O系、Zn-O系の酸化物半導体を適用することができる。
【0031】
シリコン層112は、少なくともゲート電極102と重なる領域において、酸化物半導体
層108の表面上と接するように設けられている。また、シリコン層112は、酸化物半
導体層108の一部の表面上に接するように設けられ、酸化物半導体層108においてシ
リコン層112が設けられていない領域にソース電極層116a及びドレイン電極層11
6bが接して設けられた構造とすることができる。ここでは、酸化物半導体層108にシ
リコン層112が設けられていない領域を互いに離間して設け、当該領域にそれぞれソー
ス電極層116a及びドレイン電極層116bを接して設ける場合を示している。
【0032】
また、シリコン層112は、i型(真性)シリコンで設けることが好ましい。なお、ここ
でいう「i型シリコン」とは、シリコンに含まれるp型もしくはn型を付与する不純物が
それぞれ1×1017atoms/cm3未満の濃度であり、酸素及び窒素がそれぞれ1
×1020atoms/cm3以下の濃度であるシリコンを指す。したがって、このシリ
コンには、リン(P)あるいはホウ素(B)等の不純物元素が上述した範囲内で添加され
ていてもよい。なお、シリコン層112中に含まれるこれらの不純物の濃度は、二次イオ
ン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrosc
opy)を用いて測定を行うことができる。
【0033】
また、シリコン層112の結晶状態としては、非晶質(アモルファス)シリコン、微結晶
シリコン又は多結晶(ポリ)シリコンとすることができる。なお、シリコン層112は、
これらの結晶構造のうち、2つ以上の結晶構造(例えば、非晶質構造と微結晶構造(又は
多結晶構造))を含んでいてもよい。
【0034】
また、シリコン層112の形成方法としては、CVD法、スパッタ法、蒸着法、塗布法等
を用いることができる。また、シリコン層112の膜厚は、1nm以上500nm以下、
好ましくは10nm以上100nm以下とすることができる。
【0035】
例えば、アルゴン雰囲気等の水素が含まれない雰囲気又は水素の含有量が少ない雰囲気下
において、スパッタ法でシリコン層112を成膜することにより、シリコン層112の膜
中に含まれる水素濃度を低減し、当該シリコン層112に含まれる水素に起因して酸化物
半導体層108の半導体特性が変動することを低減することができる。
【0036】
また、スパッタ法を用いてシリコン層112を成膜する場合、直流(DC)スパッタ装置
(パルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタ装置も含む)を用いることが好ましい
。DCスパッタ装置を用いることにより、RFスパッタ装置を用いる場合と比較して大型
基板にも対応することが可能となる。これは、保護層として酸化シリコン層や窒化シリコ
ン層等の絶縁層を用いる場合と比較すると大きな利点となる。なぜなら、酸化シリコン層
や窒化シリコン層等の絶縁層をスパッタ法により形成する場合(ターゲットとして絶縁体
を用いる場合)には、大型化が困難であるRFスパッタを用いる必要があるためである。
【0037】
DCスパッタ装置を用いてシリコン層112を成膜する場合には、シリコンターゲット、
又はホウ素等の不純物が添加されたシリコンターゲットを用いることができる。
【0038】
図1に示すように、酸化物半導体層108のバックチャネル側(ゲート電極102と反対
側の表面)に接するようにシリコン層112を設けることにより、シリコン層112が保
護膜として機能し、水素等が酸化物半導体層108に混入することを抑制することができ
る。その結果、水素等の元素の混入に起因する酸化物半導体層108の半導体特性の変動
を抑制し、結果的には酸化物半導体層108をチャネル層とするトランジスタの電気的特
性のばらつきや劣化を抑制することが可能となる。
【0039】
また、酸化物半導体層108上にソース電極層116a及びドレイン電極層116bを設
ける場合、シリコン層112はチャネル保護層(チャネルストップ層)として機能させる
ことができる。そのため、酸化物半導体層108に接してシリコン層112を設けない場
合(チャネルエッチ型)と比較して、酸化物半導体層108が露出することによる特性変
化を抑制することができる。シリコン層112をチャネル保護層として積極的に機能させ
たい場合には、シリコン層112を緻密な膜とすることが好ましい。例えば、CVD法を
用いてシリコン層112を形成することにより、緻密な膜とすることができる。
【0040】
シリコン層112は、少なくとも酸化物半導体層108においてチャネルが形成される領
域の表面と接するように設ければよい。また、シリコン層112上に、酸化シリコン膜、
酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜を形成してもよい。シリコン
層112上に設ける絶縁膜は、スパッタ法やCVD法を用いて成膜することにより形成し
てもよいし、シリコン層112の表面を酸化(自然酸化も含む)又は窒化させることによ
り設けてもよい。シリコン層112の表面を酸化又は窒化するには、酸素雰囲気下又は窒
素雰囲気下でプラズマ処理を行えばよい。
【0041】
また、
図1において、ソース電極層116aはトランジスタ120のソースとして機能し
、ドレイン電極層116bはトランジスタ120のドレインとして機能する。なお、トラ
ンジスタ120の駆動方法によっては、ソース電極層116aがドレインとして機能し、
ドレイン電極層116bがソースとして機能する場合もあり得る。
【0042】
また、
図1に示す構成において、酸化物半導体層108の表面上に接して設ける材料とし
て、シリコンの他にも、ゲルマニウム、シリコンに対しゲルマニウムが添加されたシリコ
ンゲルマニウム、又は炭化シリコン(SiC)を用いてもよい。
【0043】
次に、シリコン層を酸化物半導体層に接して設けた場合の効果について、計算機シミュレ
ーションに基づいて説明する。なお、ここでは、アモルファスシリコン(a-Si)とア
モルファス酸化シリコン(a-SiO2)の水素ブロッキングの効果について検証を行っ
た。
【0044】
<計算方法>
まず、古典分子動力学シミュレーションにより、温度T=27℃、圧力P=1atmにお
いて、各原子の運動方程式を数値的に解くことにより、原子の運動を追跡した。そして、
計算結果から得られるHの平均自乗変位から、アインシュタインの公式(数式(1))よ
り、Hの拡散係数Dを求める。この拡散係数Dが大きいほど、拡散しやすいことを意味す
る。
【0045】
【0046】
<計算モデルと計算条件>
540原子のa-Si中にHを60原子(10atom%)入れたa-Si:Hモデル(
図27(A)参照)と、540原子のa-SiO
2中にHを60原子(10atom%)
入れたa-SiO
2:Hモデル(
図27(B)参照)を用意した。ここで、3次元周期境
界条件を課すことで、バルクを計算するモデルとなっている。
【0047】
本計算で用いた古典分子動力学法では、原子間相互作用を特徴づける経験的ポテンシャル
を定義することで、各原子に働く力を評価する。a-Si:HモデルではTersoff
ポテンシャルを用いた。a-SiO2:Hモデルのa-SiO2ではBorn-Maye
r-HugginsポテンシャルとMorseポテンシャルを用い、a-SiO2と水素
原子間(シリコン原子と水素原子間、酸素原子と水素原子間)の相互作用では、Lenn
ard-Jonesポテンシャルを用いた。計算プログラムとしては、富士通株式会社製
のシミュレーションソフト「Materials Explorer 5.0」を用いた
。
【0048】
各計算モデルにおいて、温度T=27℃、圧力P=1atmで、1nsec間(時間刻み
幅0.2fsec×500万ステップ)の古典分子動力学シミュレーションを行った。
【0049】
<計算結果と考察>
計算から求まったa-Si中のH原子の平均自乗変位と、a-SiO
2中のH原子の平均
自乗変位をそれぞれ
図28(A)に示す。
図28(A)において、グラフの傾きがほぼ一
定となっている領域(70psec~100psec)から求めた各計算モデルのH原子
の拡散係数Dを
図28(B)に示す。
図28(B)より、a-Si中のH原子のほうが、
a-SiO
2中のH原子よりも拡散係数が小さくなっており、a-Si中のH原子のほう
が、a-SiO
2中のH原子よりも拡散しにくいことがわかった。すなわち、a-Si膜
はa-SiO
2膜と比較して水素の混入を防ぐ効果が高いと考えられる。
【0050】
次に、
図1に示す構成において、酸化物半導体層108とシリコン層112の形状につい
て説明する。なお、以下の説明において、シリコン層112の幅(Wb)、酸化物半導体
層108の幅(Wc)とは、それぞれチャネル幅方向におけるシリコン層112の長さ、
酸化物半導体層108の長さを指す。また、シリコン層112の長さ(Lb)、酸化物半
導体層108の長さ(Lc)とは、それぞれチャネル長方向におけるシリコン層112の
長さ、酸化物半導体層108の長さを指す。また、チャネル長方向とは、トランジスタ1
20においてキャリアが移動する方向と概略平行な方向(ソース電極層116aとドレイ
ン電極層116bを結ぶ方向)を指し、チャネル幅方向とは、チャネル長方向と概略垂直
な方向を指す。
【0051】
図1に示すトランジスタは、シリコン層112の幅(Wb)を酸化物半導体層108の幅
(Wc)より大きくすると共に、チャネル幅方向においてシリコン層112が酸化物半導
体層108の両端部を乗り越える(横断する)ように設ける場合を示している。また、シ
リコン層112の長さ(Lb)を酸化物半導体層108の長さ(Lc)より小さくし、チ
ャネル長方向においてシリコン層112に覆われていない領域を2つ設け、当該離間して
設けられた領域にソース電極層116a及びドレイン電極層116bが電気的に接続され
るように設ける場合を示している。このように設けることにより、酸化物半導体層108
表面の半導体特性の変化に起因して生じるリーク電流を低減することができる。
【0052】
なお、本実施の形態で示すトランジスタの構成は
図1に示したものに限られない。
【0053】
図1では、酸化物半導体層108の長さ(Lc)を大きくして、チャネル長方向において
ゲート電極102の端部を乗り越えるように設ける構成のトランジスタ120を示したが
、
図3に示すトランジスタ121のように、酸化物半導体層108の長さ(Lc)を小さ
くして、酸化物半導体層108の全てがゲート電極102上に配置される構成としてもよ
い。なお、
図3において、
図3(A)は上面図を示しており、
図3(B)は
図3(A)に
おけるA1-B1の断面図を示している。
【0054】
また、
図1及び
図3の構成において、酸化物半導体層108と重なる領域において、ソー
ス電極層116a及びドレイン電極層116bの幅(Wd)を酸化物半導体層108の幅
(Wc)より大きくなるように形成してもよい(
図4(A)、(B)参照)。
図4(A)
、(B)にそれぞれ示したトランジスタ122及びトランジスタ123は、シリコン層1
12が接していない酸化物半導体層108の領域をソース電極層116a及びドレイン電
極層116bにより覆うことができるため、酸化物半導体層108を保護して信頼性を向
上することができるという利点がある。また、酸化物半導体層108と、ソース電極層1
16a及びドレイン電極層116bとの接触面積を増加し、酸化物半導体層108とソー
ス電極層116a及びドレイン電極層116bとのコンタクト抵抗を低減することができ
る。
【0055】
なお、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bの幅(Wd)とは、チャネル幅
方向におけるソース電極層116a及びドレイン電極層116bの長さを指す。
【0056】
また、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bの幅(Wd)をシリコン層11
2の幅(Wb)より大きくなるように形成してもよいし、ソース電極層116aとドレイ
ン電極層116bのうち一方の幅(Wd)のみを酸化物半導体層108の幅(Wc)(及
びシリコン層112の幅(Wb))より大きくなるように形成してもよい。
【0057】
また、本実施の形態で示す構成において、シリコン層112の上方及び/又は下方にブラ
ックマトリクス等の遮光部を設け、シリコン層112を遮光する構成とすることができる
。シリコン層112を遮光する構成とすることにより、シリコン層112に光が照射され
ることに起因するトランジスタの電気特性のばらつきを抑制することができる。なお、ゲ
ート電極102に遮光性の材料を用いる場合には、シリコン層112の上方(ゲート電極
102と反対側)にブラックマトリクス等の遮光部を設ければよい。
【0058】
次に、
図1に示すトランジスタの作製方法の一例に関して
図2を参照して説明する。
【0059】
まず、基板100上にゲート電極102を形成し、続いて当該ゲート電極102上にゲー
ト絶縁層104を形成し、その後、ゲート絶縁層104上に酸化物半導体層106を形成
する(
図2(A)参照)。
【0060】
基板100は、絶縁表面を有する基板であればよく、例えば、ガラス基板を用いることが
できる。他にも、基板100として、セラミック基板、石英基板やサファイア基板等の絶
縁体でなる絶縁性基板、シリコン等の半導体材料でなる半導体基板の表面を絶縁材料で被
覆したもの、金属やステンレス等の導電体でなる導電性基板の表面を絶縁材料で被覆した
ものを用いることができる。また、作製工程の熱処理に耐えられるのであれば、プラスチ
ック基板を用いることもできる。
【0061】
ゲート電極102は、導電膜を基板100全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用
いて、導電膜をエッチングすることにより形成することができる。
【0062】
ゲート電極102は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タング
ステン(W)、チタン(Ti)等の導電性材料で形成することができる。なお、配線及び
電極としてアルミニウムを用いる場合、アルミニウム単体では耐熱性が低く、腐蝕しやす
い等の問題点があるため、耐熱性導電性材料と組み合わせて形成することが好ましい。
【0063】
耐熱性導電性材料は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた
元素、上述した元素を成分とする合金、上述した元素を組み合わせた合金、又は上述した
元素を成分とする窒化物で形成することができる。これらの耐熱性導電性材料からなる膜
とアルミニウム(又は銅)を積層させて、配線や電極を形成すればよい。
【0064】
また、ゲート電極102として、可視光に対する透光性を有し且つ導電性が高い材料を用
いて形成してもよい。このような材料として、例えば、インジウム錫酸化物(Indiu
m Tin Oxide:ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、
有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。
【0065】
ゲート絶縁層104は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸
化シリコン膜、酸化アルミニウム膜又は酸化タンタル膜等で形成することができる。また
、これらの膜を積層させて設けてもよい。これらの膜は、例えば、スパッタ法等を用いて
膜厚を10nm以上500nm以下で形成することができる。
【0066】
酸化物半導体層106は、In-Ga-Zn-O系酸化物半導体を用いて形成することが
できる。この場合、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(例えば、In
2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1)を用いたスパッタ法で非晶質構造を有する酸
化物半導体層106を形成することができる。
【0067】
スパッタ法の条件としては、例えば、基板100とターゲットとの距離を30mm以上5
00mm以下、圧力を0.01Pa以上2.0Pa以下、直流(DC)電源を0.25k
W以上5.0kW以下、温度を20℃以上200℃以下、雰囲気をアルゴン雰囲気、酸素
雰囲気、又はアルゴンと酸素との混合雰囲気とすることができる。
【0068】
なお、スパッタ法において、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみが軽減でき、膜厚
分布も均一となるため好ましい。また、酸化物半導体層106の膜厚は、5nm以上20
0nm以下程度とすることができる。
【0069】
酸化物半導体層106として、In-Ga-Zn-O系非単結晶膜を形成する場合におい
て、In、Ga及びZnを含む酸化物半導体ターゲットに、絶縁性の不純物を含ませてお
いても良い。当該不純物として、酸化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウムな
どに代表される絶縁性酸化物、窒化シリコン、窒化アルミニウムなどに代表される絶縁性
窒化物、若しくは酸窒化シリコン、酸窒化アルミニウムなどの絶縁性酸窒化物が適用され
る。これらの絶縁性酸化物若しくは絶縁性窒化物は、酸化物半導体の電気伝導性を損なわ
ない濃度で添加される。
【0070】
酸化物半導体層106に絶縁性の不純物を含ませることにより、該酸化物半導体層106
の結晶化を抑制することができる。酸化物半導体層106の結晶化を抑制することにより
、薄膜トランジスタの特性を安定化することが可能となる。また、In-Ga-Zn-O
系酸化物半導体に酸化シリコンなどの不純物を含ませておくことで、200℃以上600
℃以下の熱処理を行っても、該酸化物半導体の結晶化又は微結晶粒の生成を防ぐことがで
きる。
【0071】
酸化物半導体層106に適用する酸化物半導体として上記の他にも、In-Sn-Zn-
O系、In-Al-Zn-O系、Sn-Ga-Zn-O系、Al-Ga-Zn-O系、S
n-Al-Zn-O系、In-Zn-O系、Sn-Zn-O系、Al-Zn-O系、In
-O系、Sn-O系、Zn-O系の酸化物半導体を適用することができる。また、これら
の酸化物半導体に結晶化を抑制し非晶質状態を保持させる不純物を加えることによって、
薄膜トランジスタの特性を安定化させることができる。当該不純物は、酸化シリコン、酸
化ゲルマニウム、酸化アルミニウムなどに代表される絶縁性酸化物、窒化シリコン、窒化
アルミニウムなどに代表される絶縁性窒化物、若しくは酸窒化シリコン、酸窒化アルミニ
ウムなどの絶縁性酸窒化物等である。
【0072】
次に、酸化物半導体層106をエッチングして島状の酸化物半導体層108を形成する(
図2(B)参照)。この際、島状の酸化物半導体層108を、少なくともゲート電極10
2の上方に残存させるように酸化物半導体層106をエッチングする。
【0073】
次に、酸化物半導体層108を覆うようにシリコン層110を形成する(
図2(C)参照
)。
【0074】
シリコン層110は、スパッタ法により形成することができる。この場合、アルゴン雰囲
気下で、シリコンターゲット、又はホウ素が添加されたシリコンターゲットを用いたDC
スパッタ法でシリコン層110を形成することができる。但し、これに限られず、シリコ
ン層110をCVD法等を用いて形成してもよい。なお、成膜条件によっては、酸化物半
導体層108とシリコン層110との界面に、酸化物半導体層108とシリコン層110
の混合層(例えば、シリコンの酸化物等)が薄く形成される場合がある。
【0075】
次に、シリコン層110をエッチングして島状のシリコン層112を形成する(
図2(D
)参照)。この際、島状のシリコン層112を、少なくともゲート電極102と重なる領
域に残存させるようにシリコン層110をエッチングする。また、酸化物半導体層108
の少なくとも一部を露出させるようにシリコン層110をエッチングする。
【0076】
エッチングとしては、例えば、TMAH(Tetra Methyl Ammonium
Hydroxide、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を用いたウエットエッ
チングを適用することができる。この場合、酸化物半導体層108とシリコン層110の
エッチング選択比を大きくとることができ、酸化物半導体層108をほとんどエッチング
することなく、シリコン層110のエッチングを良好に行うことができる。また、酸化物
半導体層108へのダメージを低減することができる。
【0077】
なお、エッチング選択比とは、例えば、A層とB層をエッチングする場合における、A層
のエッチングレートとB層のエッチングレートの差を意味する。すなわち、エッチング選
択比が大きいということは、エッチングレートに十分な差を有することを意味する。
【0078】
次に、ゲート絶縁層104、酸化物半導体層108及びシリコン層112上に導電膜11
4を形成する(
図2(E)参照)。
【0079】
導電膜114は、スパッタ法や真空蒸着法等を用いて、アルミニウム(Al)、銅(Cu
)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ク
ロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素を含む金属、
上述の元素を成分とする合金、または、上述の元素を成分とする窒化物等からなる材料で
形成することができる。
【0080】
例えば、導電膜114を、モリブデン膜やチタン膜の単層構造で形成することができる。
また、導電膜114を積層構造で形成してもよく、例えば、アルミニウム膜とチタン膜と
の積層構造とすることができる。また、チタン膜と、アルミニウム膜と、チタン膜とを順
に積層した3層構造としてもよい。また、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜
とを順に積層した3層構造としてもよい。また、これらの積層構造に用いるアルミニウム
膜として、ネオジムを含むアルミニウム(Al-Nd)膜を用いてもよい。さらに、導電
膜114を、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造としてもよい。
【0081】
また、導電膜114として、可視光に対する透光性を有し且つ導電性が高い材料を用いて
形成してもよい。このような材料として、例えば、インジウム錫酸化物(Indium
Tin Oxide:ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機
インジウム、有機スズ、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。
【0082】
次に、導電膜114をエッチングして、ソース電極層116a、ドレイン電極層116b
を形成する(
図2(F)参照)。この際、エッチング条件により導電膜114のエッチン
グと同時に、シリコン層112もエッチングされ膜減りする場合がある。ここでは、導電
膜114のエッチング時に、シリコン層112もエッチングされ膜減りする場合を示して
いる。
【0083】
上記工程において、シリコン層112は、導電膜114のエッチングの際に酸化物半導体
層108のエッチングを抑制するチャネル保護層(チャネルストップ層)として機能する
。なお、酸化物半導体層108において、シリコン層112が設けられていない領域では
、導電膜114のエッチングと同時に酸化物半導体層108が膜減りする場合がある。
【0084】
このように、酸化物半導体層108と接するようにシリコン層112を設けることにより
、外部から酸化物半導体層108に水素等の意図しない元素が混入することを抑制するこ
とができる。
【0085】
以上の工程により、トランジスタ120を作製することができる。
【0086】
また、トランジスタ120を覆うように、保護絶縁層を形成してもよい。保護絶縁層とし
ては、例えば、CVD法やスパッタ法等を用いて、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸
化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸
化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい
。また、ソース電極層116a、ドレイン電極層116bを形成した後、シリコン層11
2の露出部分を酸化(自然酸化も含む)又は窒化することにより、ソース電極層116a
とドレイン電極層116bの間の領域に位置するシリコン層112上に酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜を形成してもよい。
【0087】
また、
図2の工程において、酸化物半導体層108を形成した後、窒素雰囲気下又は大気
雰囲気下において、100℃以上600℃以下、代表的には200℃以上400℃以下の
熱処理を行うことが好ましい。例えば、窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う
ことができる。この熱処理により島状の酸化物半導体層108の原子レベルの再配列が行
われ、酸化物半導体層108中におけるキャリアの移動を阻害する歪みを解放できる点で
重要である。
【0088】
また、熱処理を行うタイミングは、酸化物半導体層106の形成後であれば特に限定され
ず、シリコン層110を形成した後、島状のシリコン層112を形成した後、導電膜11
4を形成した後、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bを形成した後又は保
護絶縁層を形成した後に行ってもよい。なお、熱処理の条件等によっては、酸化物半導体
層108とシリコン層112との界面に酸化物半導体層108とシリコン層112の混合
層(例えば、シリコンの酸化物等)が薄く形成される場合がある。
【0089】
その後、各種電極や配線を形成することでトランジスタ120を具備する半導体装置が完
成する。
【0090】
なお、上記
図2では、酸化物半導体層108を形成した後にシリコン層110を形成する
場合を示したが、酸化物半導体層106とシリコン層110を連続して積層させて形成し
た後、複数のマスクを用いてそれぞれシリコン層112と酸化物半導体層108にパター
ニングしてもよい。この場合の作製方法に関して
図25を参照して説明する。
【0091】
まず、基板100上にゲート電極102を形成し、続いて当該ゲート電極102上にゲー
ト絶縁層104を形成する。続いて、ゲート絶縁層104上に酸化物半導体層106とシ
リコン層110を順に積層して形成した後、レジストマスク175を選択的に形成する(
図25(A)参照)。ゲート絶縁層104からシリコン層110まで、又は酸化物半導体
層106からシリコン層110までは連続して成膜することが好ましい。
【0092】
次に、レジストマスク175を用いて、シリコン層110及び酸化物半導体層106の不
要な部分をエッチングし、島状の酸化物半導体層108及びシリコン層111を形成する
(
図25(B)参照)。その後、レジストマスク175を除去する。
【0093】
次に、シリコン層111上にレジストマスク176を形成し、当該レジストマスク176
を用いて、露出したシリコン層111をエッチングすることにより、島状のシリコン層1
12を形成する(
図25(C)参照)。
【0094】
次に、ゲート絶縁層104、酸化物半導体層108及びシリコン層112上に導電膜11
4を形成した後(
図25(D)参照)、当該導電膜114をエッチングして、ソース電極
層116a、ドレイン電極層116bを形成する(
図25(E)参照)。
【0095】
以上の工程により、
図26に示すようなトランジスタ124を作製することができる。図
26で示すトランジスタ124は、シリコン層112の幅(Wb)と酸化物半導体層10
8の幅(Wc)が等しくなるように設ける場合を示している。なお、
図26において、図
26(A)は上面図を示しており、
図26(B)は
図26(A)におけるA1-B1間の
断面図を示しており、
図26(C)は
図26(A)におけるA2-B2間の断面図を示し
ている。
【0096】
このように、酸化物半導体層106とシリコン層110を連続して形成することにより、
酸化物半導体層106の表面にエッチング剤やプラズマ等に起因するダメージが加わるこ
とを低減することができる。
【0097】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0098】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1と異なるトランジスタの作製方法及び構成について
、図面を参照して説明する。
【0099】
はじめに、トランジスタの作製方法について
図5を参照して説明する。なお、本実施の形
態で示す作製工程(適用できる材料等)は多くの部分で上記実施の形態1と共通している
。したがって、以下においては、重複する部分の説明は省略し、異なる点について詳細に
説明する。
【0100】
まず、基板100上にゲート電極102を形成し、続いて当該ゲート電極102上にゲー
ト絶縁層104を形成する。続いて、ゲート絶縁層104上に酸化物半導体層106とシ
リコン層110を順に積層して形成した後、レジストマスク171を選択的に形成する(
図5(A)参照)。ゲート絶縁層104からシリコン層110まで、又は酸化物半導体層
106からシリコン層110までは連続して成膜することが好ましい。
【0101】
次に、レジストマスク171を用いて、シリコン層110をエッチングし、島状のシリコ
ン層111を形成する(
図5(B)参照)。ここでは、アルカリ系のエッチング液を用い
たウエットエッチングを行う。アルカリ系のエッチング液を用いることにより、酸化物半
導体層106とシリコン層110のエッチング選択比を大きくとることができ、シリコン
層110を選択的にエッチングすることができる。なお、アルカリ系のエッチング液とし
ては、例えば、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydrox
ide、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を用いることができる。
【0102】
次に、レジストマスク171を用いて、酸化物半導体層106をエッチングし、島状の酸
化物半導体層108を形成する(
図5(C)参照)。ここでは、酸系のエッチング液を用
いたウエットエッチングを行う。酸系のエッチング液を用いることにより、酸化物半導体
層106とシリコン層111のエッチング選択比を大きくとることができ、酸化物半導体
層106を選択的にエッチングすることができる。なお、酸系のエッチング液としては、
例えば、リン酸、酢酸、硝酸及び水の混合液(混酸アルミともいう)を用いることができ
る。
【0103】
次に、レジストマスク171を用いて、シリコン層111をエッチングし、島状のシリコ
ン層112を形成する(
図5(D)参照)。ここでは、再度アルカリ系のエッチング液を
用いたウエットエッチングを行う。アルカリ系のエッチング液を用いることにより、酸化
物半導体層108とシリコン層111のエッチング選択比を大きくとることができ、シリ
コン層111を選択的にエッチングすることができる。ここでは、エッチングが等方的に
進行し、シリコン層111の側面がエッチング(サイドエッチング)される。なお、アル
カリ系のエッチング液としては、例えば、TMAH(Tetra Methyl Amm
onium Hydroxide、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を用いるこ
とができる。
【0104】
このように、酸化物半導体層のエッチング後に続けてシリコン層をエッチングすることで
、マスクを追加することなく酸化物半導体層とシリコン層のエッチングを行うことができ
るため、工程を簡略化することができる。
【0105】
次に、ゲート絶縁層104、酸化物半導体層108及びシリコン層112上に導電膜を形
成した後、当該導電膜をエッチングして、ソース電極層116a、ドレイン電極層116
bを形成する(
図5(E)参照)。
【0106】
以上の工程により、
図6に示すようなトランジスタ130を作製することができる。なお
、
図6において、
図6(A)は上面図を示しており、
図6(B)は
図6(A)におけるA
1-B1間の断面図を示しており、
図6(C)は
図6(A)におけるA2-B2間の断面
図を示している。
【0107】
図5に示す作製方法を用いた場合には、
図6に示すように、シリコン層112の幅(Wb
)が酸化物半導体層108の幅(Wc)より小さくなると共に、シリコン層112の長さ
(Lb)が酸化物半導体層108の長さ(Lc)より小さくなる。
【0108】
図5の作製工程において、酸化物半導体層106とシリコン層110を連続して形成する
ことにより、酸化物半導体層106の表面にエッチング剤やプラズマ等に起因するダメー
ジが加わることを低減することができる。酸化物半導体層上に当該酸化物半導体層とエッ
チング選択比がとれるシリコン層を設けることにより、酸化物半導体層とシリコン層のエ
ッチングを行う場合であっても、マスクを追加することなく、工程を簡略化することがで
きる。
【0109】
なお、トランジスタ130を形成後、当該トランジスタ130を覆うように保護絶縁層を
形成してもよい。また、
図5の工程において、酸化物半導体層108を形成した後、窒素
雰囲気下又は大気雰囲気下において、熱処理を行ってもよい。
【0110】
なお、
図6に示すトランジスタ130の作製方法は、
図5に示した方法に限られない。例
えば、
図5(C)まで行った後、レジストマスク171に対して、酸素プラズマによるア
ッシングを行うことにより、レジストマスク171を等方的に縮小させてシリコン層11
1の一部を露出させた後、シリコン層111の露出した部分をエッチングすることによっ
て、シリコン層112を形成してもよい。
【0111】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0112】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1、2と異なるトランジスタ及びその作製方法につい
て、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態で示す作製工程(適用できる材料等)
は多くの部分で上記実施の形態1と共通している。したがって、以下においては、重複す
る部分の説明は省略し、異なる点について詳細に説明する。
【0113】
図7に示すトランジスタ140は、基板100上に設けられたゲート電極102と、ゲー
ト電極102上に設けられたゲート絶縁層104と、ゲート絶縁層104上に設けられた
酸化物半導体層108と、酸化物半導体層108の表面上に接するように設けられたシリ
コン層112と、酸化物半導体層108の表面上に接するように設けられたソース電極層
116a及びドレイン電極層116bとを有し、酸化物半導体層108においてソース電
極層116a及びドレイン電極層116bと接する領域に低抵抗領域109a、109b
が設けられている。
【0114】
つまり、本実施の形態で示すトランジスタ140は、上記実施の形態で示した構成におい
て、酸化物半導体層108のうちシリコン層112が設けられていない領域に低抵抗領域
109a、109bを追加した構成となっている。なお、
図7において、
図7(A)は上
面図を示しており、
図7(B)は
図7(A)におけるA1-B1の断面図を示している。
【0115】
低抵抗領域109a、109bは、酸化物半導体層108において、酸素欠損させる(シ
リコン層112が接する領域と比較して酸素欠損状態とする)ことにより設けることがで
きる。酸素欠損は、酸化物半導体層108におけるシリコン層112が設けられていない
領域に選択的に水素、アルゴン等の還元性のガスでプラズマ処理することにより設ければ
よい。
【0116】
他にも、酸化物半導体層108に選択的に水素を添加することにより、低抵抗領域109
a、109bを設けてもよい。
【0117】
低抵抗領域109a、109bは、トランジスタ140においてソース領域又はドレイン
領域として機能し、低抵抗領域109aにソース電極層116aを接して設け、低抵抗領
域109bにドレイン電極層116bを接して設けることによって、酸化物半導体層10
8とソース電極層116a及びドレイン電極層116bとのコンタクト抵抗を低減するこ
とができる。
【0118】
次に、
図7に示すトランジスタの作製方法の一例に関して
図8を参照して説明する。
【0119】
まず、上記
図2(A)~
図2(D)で示した工程を行い、シリコン層112のエッチング
に使用したレジストマスク172を残存させる(
図8(A)参照)。
【0120】
次に、レジストマスク172を用いて、酸化物半導体層108に水素、アルゴン等の還元
性のガスでプラズマ処理し、当該酸化物半導体層108に低抵抗領域109a、109b
を形成する(
図8(B)参照)。
【0121】
次に、ゲート絶縁層104、酸化物半導体層108及びシリコン層112上に導電膜11
4を形成する(
図8(C)参照)。なお、導電膜114が酸化物半導体層108の低抵抗
領域109a、109bに接するように形成する。
【0122】
次に、導電膜114をエッチングして、ソース電極層116a、ドレイン電極層116b
を形成する(
図8(D)参照)。
【0123】
以上の工程により、トランジスタ140を作製することができる。
【0124】
なお、トランジスタ140を形成後、当該トランジスタ140を覆うように保護絶縁層を
形成してもよい。また、
図8の工程において、酸化物半導体層108を形成した後、窒素
雰囲気下又は大気雰囲気下において、熱処理を行ってもよい。
【0125】
なお、
図7、
図8では、酸化物半導体層108に低抵抗領域109a、109bを設ける
ことにより、酸化物半導体層108とソース電極層116a及びドレイン電極層116b
とのコンタクト抵抗を低減する場合を示したが、これに限られない。
【0126】
図9(A)、(B)に示すトランジスタ141のように、酸化物半導体層108とソース
電極層116a及びドレイン電極層116bとの間に、それぞれ第1の金属酸化物層11
5a、第2の金属酸化物層115bを設けた構成としてもよい。なお、
図9において、図
9(A)は上面図を示しており、
図9(B)は
図9(A)におけるA1-B1の断面図を
示している。
【0127】
第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bは、少なくとも酸化物半導体
層108より抵抗が小さい金属酸化物で設ければよい。
【0128】
また、第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bは、酸化物半導体層1
08と同じ材料を用い、且つ、異なる成膜条件で設けることができる。例えば、酸化物半
導体層108、第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bとしてIn-
Ga-Zn-O系非単結晶膜を用いる場合、第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸
化物層115bのIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜の成膜条件における酸素ガス流量と
アルゴンガス流量の比よりも酸化物半導体層108のIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜
の成膜条件における酸素ガス流量の占める比率が多い条件とする。具体的には、第1の金
属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bのIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜
の成膜条件を、希ガス(アルゴン、又はヘリウムなど)雰囲気下(または酸素ガス10%
以下、アルゴンガス90%以上)とし、酸化物半導体層108のIn-Ga-Zn-O系
非単結晶膜の成膜条件を、酸素混合雰囲気下(酸素ガス流量は希ガス流量より多い)とす
ることができる。
【0129】
このように、酸化物半導体層108とソース電極層116a及びドレイン電極層116b
との間に第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bをそれぞれ設けるこ
とによって、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bからのキャリアの注入障
壁が低減できるため、酸化物半導体層108とソース電極層116a及びドレイン電極層
116bとのコンタクト抵抗を低減することができる。
【0130】
なお、第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物層115bは、上記
図2(A)~
(D)までの工程を行った後、シリコン層112及び酸化物半導体層108上に金属酸化
物層と導電膜114を順に積層して形成し、導電膜114と同様にエッチングすることに
より形成することができる。この際、エッチング条件と選択する材料により、導電膜11
4と金属酸化物層、又は導電膜114と金属酸化物層と酸化物半導体層108が同時にエ
ッチングされる場合がある。
【0131】
また、
図9(C)に示すトランジスタ142のように、酸化物半導体層108に低抵抗領
域109a、109bを設けると共に、第1の金属酸化物層115a、第2の金属酸化物
層115bを設けた構成としてもよい。
【0132】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0133】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態1~3と異なるトランジスタ及びその作製方法につい
て、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態で示す作製工程(適用できる材料等)
は多くの部分で上記実施の形態1と共通している。したがって、以下においては、重複す
る部分の説明は省略し、異なる点について詳細に説明する。
【0134】
図10(A)、(B)に示すトランジスタ150は、基板100上に設けられたゲート電
極102と、ゲート電極102上に設けられたゲート絶縁層104と、ゲート絶縁層10
4上に設けられたソース電極層116a及びドレイン電極層116bと、ソース電極層1
16a及びドレイン電極層116b上に設けられると共にゲート電極102の上方であっ
てソース電極層116aとドレイン電極層116bの間の領域に位置するゲート絶縁層1
04上に設けられた酸化物半導体層108と、酸化物半導体層108を覆って設けられた
シリコン層112を有している。
【0135】
つまり、本実施の形態で示すトランジスタ150、トランジスタ151は、上記実施の形
態で示した構成において、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bと酸化物半
導体層108の上下(積層順)を入れ替えた構成となっている。
図10に示した構造をボ
トムゲート・ボトムコンタクト型とも呼ぶ。なお、
図10において、
図10(A)は上面
図を示しており、
図10(B)は
図10(A)におけるA1-B1の断面図を示している
。
【0136】
図10(A)、(B)に示すように、酸化物半導体層108のバックチャネル側(ゲート
電極102と反対側の表面)に接するようにシリコン層112を設けることにより、水素
が酸化物半導体層108に混入することを抑制することができる。その結果、水素の混入
に起因する酸化物半導体層108の半導体特性の変動を抑制し、ひいては酸化物半導体層
108をチャネル層とするトランジスタの特性の変動を抑制することが可能となる。
【0137】
また、
図10(C)に示すトランジスタ151のように、ソース電極層116a及びドレ
イン電極層116bと酸化物半導体層108との間に、金属酸化物層115a、115b
を設けた構成としてもよい。金属酸化物層115a、115bを設けることにより、酸化
物半導体層108とソース電極層116a及びドレイン電極層116bとのコンタクト抵
抗を低減することができる。
【0138】
次に、
図10(A)、(B)に示すトランジスタの作製方法の一例に関して
図11を参照
して説明する。
【0139】
まず、基板100上にゲート電極102を形成し、続いて当該ゲート電極102上にゲー
ト絶縁層104を形成し、その後、ゲート絶縁層104上にソース電極層116a及びド
レイン電極層116bを形成する(
図11(A)参照)。
【0140】
次に、ソース電極層116a及びドレイン電極層116bを覆うように酸化物半導体層1
06を形成する(
図11(B)参照)。
【0141】
次に、酸化物半導体層106をエッチングして島状の酸化物半導体層108を形成する(
図11(C)参照)。この際、島状の酸化物半導体層108を、少なくともゲート電極1
02の上方に残存させるように酸化物半導体層106をエッチングする。
【0142】
次に、酸化物半導体層108を覆うようにシリコン層110を形成する(
図11(D)参
照)。
【0143】
次に、シリコン層110をエッチングして島状のシリコン層112を形成する(
図11(
E)参照)。
【0144】
以上の工程により、トランジスタ150を作製することができる。
【0145】
なお、トランジスタ150を形成後、当該トランジスタ150を覆うように保護絶縁層を
形成してもよい。また、
図11の工程において、酸化物半導体層108を形成した後、窒
素雰囲気下又は大気雰囲気下において、熱処理を行ってもよい。
【0146】
また、
図10(C)に示すトランジスタを作製する場合には、
図11(A)において、ゲ
ート絶縁層104上にソース電極層116a及びドレイン電極層116bを構成する導電
膜と、金属酸化物層115a、115bを構成する金属酸化物層を順に積層して形成した
後、エッチングすればよい。また、
図10(C)に示す構造は、酸化物半導体層106を
エッチングして島状の酸化物半導体層108を形成する際に、金属酸化物層115a、1
15bも同時にエッチングされる場合を示している。
【0147】
なお、
図11では、酸化物半導体層108を完全に覆うように島状のシリコン層112を
形成する場合を示しているが、これに限られない。シリコン層112は、少なくとも酸化
物半導体層108においてチャネルが形成される領域に接するように設ければよく、例え
ば、
図12に示すトランジスタ152のように、酸化物半導体層108の一部に接するよ
うにシリコン層112を設けることができる。
図12では、シリコン層112を酸化物半
導体層108の一部に接するように形成し(ソース電極層116a及びドレイン電極層1
16bとは接しないように形成し)、シリコン層112、酸化物半導体層108、ソース
電極層116a及びドレイン電極層116b上に保護絶縁層119を設ける場合を示して
いる。
【0148】
保護絶縁層119としては、例えば、CVD法やスパッタ法等を用いて、酸化シリコン膜
、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒
化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は
積層で形成すればよい。
【0149】
なお、
図12において、
図12(A)は上面図を示しており、
図12(B)は
図12(A
)におけるA1-B1の断面図を示している。
【0150】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0151】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態1~4で示したトランジスタを具備する半導体装置の
使用形態の一例である表示装置の作製工程について、図面を用いて説明する。なお、本実
施の形態で示す作製工程(適用できる材料等)の一部は多くの部分で上記実施の形態1と
共通している。したがって、以下においては、重複する部分の説明は省略し、異なる点に
ついて詳細に説明する。なお、以下の説明において、
図15~
図19は上面図を示してお
り、
図13、
図14は
図15~
図19におけるA3-B3、A4-B4間の断面図を示し
ている。
【0152】
まず、絶縁表面を有する基板100上に配線及び電極(ゲート電極102を含むゲート配
線、容量配線308、第1の端子321)を形成し、その後、ゲート絶縁層104と酸化
物半導体層106を続けて形成する(
図13(A)、
図15参照)。
【0153】
容量配線308、第1の端子321はゲート電極102と同一の材料を用いて同時に形成
することができる。
【0154】
次に、酸化物半導体層106をエッチングして島状の酸化物半導体層108を形成した後
(
図16参照)、酸化物半導体層108を覆うようにシリコン層110を形成する(
図1
3(B)参照)。この際、島状の酸化物半導体層108を、少なくともゲート電極102
の上方に残存させるように酸化物半導体層106をエッチングする。
【0155】
次に、シリコン層110をエッチングして島状のシリコン層112を形成する(
図13(
C)、
図17参照)。この際、島状のシリコン層112を、少なくともゲート電極102
と重なる領域に残存させるようにシリコン層110をエッチングする。また、酸化物半導
体層108の少なくとも一部を露出させるようにシリコン層110をエッチングする。
【0156】
次に、第1の端子321を露出させるようにゲート絶縁層104にコンタクトホール31
3を形成した後、ゲート絶縁層104、酸化物半導体層108及びシリコン層112を覆
うように導電膜114を形成する(
図13(D)参照)。これにより、導電膜114と第
1の端子321がコンタクトホール313を介して電気的に接続される。
【0157】
次に、導電膜114をエッチングして、ソース電極層116a、ドレイン電極層116b
、接続電極320、第2の端子322を形成する(
図14(A)、
図18参照)。この際
、シリコン層112は酸化物半導体層108のチャネル保護層として機能する。
【0158】
第2の端子322は、ソース配線(ソース電極層116aを含むソース配線)と電気的に
接続する構成とすることができる。また、接続電極320は、第1の端子321と直接接
続する構成とすることができる。
【0159】
以上の工程により、トランジスタ160を作製することができる。
【0160】
次に、200℃以上600℃以下、代表的には300℃以上500℃以下の熱処理を行う
ことが好ましい。例えば、窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理
により酸化物半導体層108を構成するIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜の原子レベル
の再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する歪が解放されるため、
ここでの熱処理(光アニールも含む)は効果的である。なお、熱処理を行うタイミングは
、酸化物半導体層106の成膜後であれば特に限定されず、例えば、後に形成する画素電
極の形成後に行ってもよい。
【0161】
次に、トランジスタ160を覆うように保護絶縁層340を形成し、当該保護絶縁層34
0を選択的にエッチングしてドレイン電極層116bに達するコンタクトホール325、
接続電極320に達するコンタクトホール326及び第2の端子322に達するコンタク
トホール327を形成する(
図14(B)参照)。
【0162】
次に、ドレイン電極層116bと電気的に接続する透明導電層310、接続電極320に
電気的に接続する透明導電層328及び第2の端子322に電気的に接続する透明導電層
329を形成する(
図14(C)、
図19参照)。
【0163】
透明導電層310は画素電極として機能し、透明導電層328、329はFPCとの接続
に用いられる電極または配線となる。より具体的には、接続電極320上に形成された透
明導電層328をゲート配線の入力端子として機能する接続用の端子電極として用い、第
2の端子322上に形成された透明導電層329をソース配線の入力端子として機能する
接続用の端子電極として用いることができる。
【0164】
また、容量配線308、ゲート絶縁層104、保護絶縁層340及び透明導電層310に
より保持容量を形成することができる。この場合、容量配線308と透明導電層310が
電極となり、ゲート絶縁層104と保護絶縁層340が誘電体となる。
【0165】
透明導電層310、328、329は、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウム
酸化スズ合金(In2O3-SnO2、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合
金(In2O3-ZnO)等をスパッタ法や真空蒸着法等を用いて形成することができる
。例えば、透明導電膜を成膜した後、当該透明導電膜上にレジストマスクを形成し、エッ
チングにより不要な部分を除去することにより透明導電層310、328、329を形成
することができる。
【0166】
以上の工程により、ボトムゲート型のnチャネル型薄膜トランジスタや保持容量等の素子
を完成させることができる。そして、これらの素子を個々の画素に対応してマトリクス状
に配置することにより、アクティブマトリクス型の表示装置を作製することができる。
【0167】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0168】
(実施の形態6)
本実施の形態では、薄膜トランジスタを具備する半導体装置として液晶表示装置の例を示
す。まず、半導体装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、
図2
0を用いて説明する。
図20(A1)(A2)は、第1の基板4001上に形成された酸
化物半導体層を有する薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、
第2の基板4006との間にシール材4005によって封止したパネルの上面図であり、
図20(B)は、
図20(A1)(A2)のM-Nにおける断面図に相当する。
【0169】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール
材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶
半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0170】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。
図20(A1)
は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、
図20(A2)は、
TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0171】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は
、薄膜トランジスタを複数有しており、
図20(B)では、画素部4002に含まれる薄
膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ401
1とを例示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、40
21が設けられている。
【0172】
薄膜トランジスタ4010、4011は、上記実施の形態で示した構造を適用することが
できる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010、4011はnチャネル型薄
膜トランジスタである。
【0173】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電
気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板40
06上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008と
が重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向
電極層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、
絶縁層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0174】
第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的にはステンレ
ス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FR
P(Fiberglass-Reinforced Plastics)板、PVF(ポ
リビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを
用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィル
ムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0175】
また、4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり
、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御するた
めに設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。また、対向電極層403
1は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続さ
れる。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極層4
031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4
005に含有させる。
【0176】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つで
あり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直
前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善
するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008に
用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が10μs~
100μsと短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さ
い。
【0177】
なお、本実施の形態で示す液晶表示装置は透過型液晶表示装置の例であるが、液晶表示装
置は反射型液晶表示装置でも半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0178】
また、本実施の形態で示す液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内
側に着色層、表示素子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内側
に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板
及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリク
スとして機能する遮光膜を設けてもよい。
【0179】
また、本実施の形態では、薄膜トランジスタの表面凹凸を低減するため、及び薄膜トラン
ジスタの信頼性を向上させるため、薄膜トランジスタを保護膜や平坦化絶縁膜として機能
する絶縁層(絶縁層4020、絶縁層4021)で覆う構成となっている。なお、保護膜
は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのもの
であり、緻密な膜が好ましい。保護膜は、スパッタ法を用いて、酸化シリコン膜、窒化シ
リコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミ
ニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形
成すればよい。本実施の形態では保護膜をスパッタ法で形成する例を示すが、特に限定さ
れず種々の方法で形成すればよい。
【0180】
ここでは、保護膜として積層構造の絶縁層4020を形成する。ここでは、絶縁層402
0の一層目として、スパッタ法を用いて酸化シリコン膜を形成する。保護膜として酸化シ
リコン膜を用いると、ソース電極層及びドレイン電極層として用いるアルミニウム膜のヒ
ロック防止に効果がある。
【0181】
また、保護膜の二層目として絶縁層を形成する。ここでは、絶縁層4020の二層目とし
て、スパッタ法を用いて窒化シリコン膜を形成する。保護膜として窒化シリコン膜を用い
ると、ナトリウム等の可動イオンが半導体領域中に侵入して、TFTの電気特性を変化さ
せることを抑制することができる。
【0182】
また、保護膜を形成した後に、半導体層のアニール(200℃以上400℃以下)を行っ
てもよい。
【0183】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4021を形成する。絶縁層4021としては、ポリイ
ミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機
材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)
、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いる
ことができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層
4021を形成してもよい。
【0184】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi-O-S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有してい
ても良い。
【0185】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイ
フコーター等を用いることができる。絶縁層4021を材料液を用いて形成する場合、ベ
ークする工程で同時に、半導体層のアニール(200℃以上400℃以下)を行ってもよ
い。絶縁層4021の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく半導体装置
を作製することが可能となる。
【0186】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物
、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、
酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、イ
ンジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導
電性材料を用いることができる。
【0187】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマー
ともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形
成した画素電極は、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。
また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが
好ましい。
【0188】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例え
ば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンま
たはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0189】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0190】
本実施の形態では、接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極層40
30と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、40
11のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0191】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0192】
また
図20においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実
装している例を示しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。走査線駆動回路
を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部の
みを別途形成して実装しても良い。
【0193】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0194】
(実施の形態7)
本実施の形態では、トランジスタを具備する半導体装置の一例として電子ペーパーを示す
。
【0195】
図21は、半導体装置の一例としてアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。半導
体装置に用いられる薄膜トランジスタ581としては、上記実施の形態1~5で示す薄膜
トランジスタと同様に作製できる。
【0196】
図21の電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。ツイス
トボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極層であ
る第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差
を生じさせることによって、球形粒子の向きを制御し、表示を行う方法である。
【0197】
基板580上に設けられた薄膜トランジスタ581はボトムゲート構造の薄膜トランジス
タであり、ソース電極層又はドレイン電極層が第1の電極層587と、絶縁層583、5
84、585に形成されたコンタクトホールを介して電気的に接続している。第1の電極
層587と第2の電極層588との間には、黒色領域590a及び白色領域590bを有
し、周りが液体で満たされているキャビティ594を含む球形粒子589が設けられてお
り、球形粒子589の周囲は樹脂等の充填材595が設けられている(
図21参照)。図
21においては、第1の電極層587が画素電極に相当し、第2の電極層588が共通電
極に相当する。第2の電極層588は、薄膜トランジスタ581と同一基板上に設けられ
る共通電位線と電気的に接続される。上記実施の形態に示す共通接続部を用いて、一対の
基板間に配置される導電性粒子を介して、基板596に設けられた第2の電極層588と
共通電位線とを電気的に接続することができる。
【0198】
また、ツイストボールの代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である。その場合、
透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10
μm~200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層との間
に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極層と第2の電極層によって、電場が与えら
れると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することがで
きる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子であり、一般的に電子ペーパーと
よばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ライ
トは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能で
ある。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持するこ
とが可能であるため、電波発信源から表示機能付き半導体装置(単に表示装置、又は表示
装置を具備する半導体装置ともいう)を遠ざけた場合であっても、表示された像を保存し
ておくことが可能となる。
【0199】
以上のように、半導体装置として信頼性の高い電子ペーパーを作製することができる。
【0200】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0201】
(実施の形態8)
本実施の形態では、トランジスタを具備する半導体装置として発光表示装置の例を示す。
表示装置が有する表示素子としては、ここではエレクトロルミネッセンスを利用する発光
素子を用いて示す。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化
合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、
後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0202】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔
がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャ
リア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成
し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよう
な発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0203】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分
類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有
するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-ア
クセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、
さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利
用する局在型発光である。
【0204】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び
断面について、
図22を用いて説明する。
図22(A)は、第1の基板4501上に形成
された薄膜トランジスタ4509、4510及び発光素子4511を、第2の基板450
6との間にシール材4505によって封止した、パネルの上面図であり、
図22(B)は
、
図22(A)のH-Iにおける断面図に相当する。なお、ここでは、発光素子として有
機EL素子を用いて説明する。
【0205】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、450
3b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505
が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び
走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よ
って画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路45
04a、4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506と
によって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気
密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィル
ム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0206】
また第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4
503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、薄膜トランジスタを複数有し
ており、
図22(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信
号線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509とを例示している。
【0207】
薄膜トランジスタ4509、4510は、上記実施の形態で示した構造を適用することが
できる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4509、4510はnチャネル型薄
膜トランジスタである。
【0208】
また4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極
層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極層またはドレイン電極層と電気的
に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、電界発光層
4512、第2の電極層4513の積層構造であるが、本実施の形態に示した構成に限定
されない。発光素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の
構成は適宜変えることができる。
【0209】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。
特に感光性の材料を用い、第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁
が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0210】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成
されていてもどちらでも良い。
【0211】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層
4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリコン
膜、窒化酸化シリコン膜、DLC膜等を形成することができる。
【0212】
また、信号線駆動回路4503a、4503b、走査線駆動回路4504a、4504b
、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は、FPC4518a、4518
bから供給されている。
【0213】
本実施の形態では、接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極層4
517と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509、4
510が有するソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜から形成されている。
【0214】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介
して電気的に接続されている。
【0215】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する第2の基板4506は透光性でなけ
ればならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたは
アクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0216】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹
脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、
ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEV
A(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。
【0217】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、
位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよ
い。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により
反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0218】
信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは
、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回
路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回
路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、本実施の形態は
図22の構成に
限定されない。
【0219】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製す
ることができる。
【0220】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0221】
(実施の形態9)
上記実施の形態で示したトランジスタを具備する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊
技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(
テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタル
カメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携
帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチ
ンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0222】
図23(A)は、テレビジョン装置9600の一例を示している。テレビジョン装置96
00は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映
像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601
を支持した構成を示している。
【0223】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー
9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示され
る映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機
9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0224】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0225】
図23(B)は、デジタルフォトフレーム9700の一例を示している。例えば、デジタ
ルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示
部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影
した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0226】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、US
Bケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構
成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に
備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒
体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像デー
タを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0227】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい
。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0228】
図24(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成さ
れており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部
9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図
24(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部988
6、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9
888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、
化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振
動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備え
ている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも半導体装
置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる
。
図24(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータ
を読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有
する機能を有する。なお、
図24(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定さ
れず、様々な機能を有することができる。
【0229】
図24(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロット
マシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロット
マシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン
投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述の
ものに限定されず、少なくとも半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が
適宜設けられた構成とすることができる。
【0230】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0231】
100 基板
102 ゲート電極
104 ゲート絶縁層
106 酸化物半導体層
108 酸化物半導体層
109a 低抵抗領域
109b 低抵抗領域
110 シリコン層
111 シリコン層
112 シリコン層
114 導電膜
115a 金属酸化物層
115b 金属酸化物層
116a ソース電極層
116b ドレイン電極層
119 保護絶縁層
120 トランジスタ
121 トランジスタ
122 トランジスタ
123 トランジスタ
124 トランジスタ
130 トランジスタ
140 トランジスタ
141 トランジスタ
142 トランジスタ
150 トランジスタ
151 トランジスタ
152 トランジスタ
160 トランジスタ
171 レジストマスク
172 レジストマスク
175 レジストマスク
176 レジストマスク
308 容量配線
310 透明導電層
313 コンタクトホール
320 接続電極
321 第1の端子
322 第2の端子
325 コンタクトホール
326 コンタクトホール
327 コンタクトホール
328 透明導電層
329 透明導電層
340 保護絶縁層
580 基板
581 薄膜トランジスタ
583 絶縁層
587 第1の電極層
588 第2の電極層
589 球形粒子
594 キャビティ
595 充填材
596 基板
4001 第1の基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 第2の基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4501 第1の基板
4502 画素部
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4505 シール材
4506 第2の基板
4507 充填材
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 第2の電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 第1の電極層
4518a FPC
4518b FPC
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
590a 黒色領域
590b 白色領域
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 操作キー
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部