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  • 特許-間仕切り体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】間仕切り体
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
E04B2/74 561A
E04B2/74 561K
E04B2/74 561L
E04B2/74 501B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020130807
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022027039
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2020-12-01
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和2年5月26日、株式会社LIXIL大島本社にて、発明した「間仕切り体」の内容を公開した。 (2)令和2年5月29日、株式会社LIXILショールーム大阪にて、発明した「間仕切り体」の内容を公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】河野 英
(72)【発明者】
【氏名】大野 紗也佳
(72)【発明者】
【氏名】松井 一裕
【合議体】
【審判長】居島 一仁
【審判官】藤脇 昌也
【審判官】前川 慎喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-201013(JP,A)
【文献】特開平8-105131(JP,A)
【文献】特開2015-45155(JP,A)
【文献】特開2007-146505(JP,A)
【文献】特開2007-2487(JP,A)
【文献】特開平7-139063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72 - 2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るパネル部を有する間仕切り体であって、
前記パネル部は、
前記パネル部の領域を区切るように配置される中桟と、
前記中桟を取り付け可能に構成され、上下方向に延びる一対の縦框と、
前記中桟で区切られた一方又は他方の領域に配置される開閉可能な窓部と、
前記中桟で区切られた前記窓部が配置されない側の領域に配置されるパネルと、を備え、
前記一対の縦框は、前記一対の縦框同士が向き合う内側に向かって開口するとともに上下方向に延びる開口が形成された保持部を有し、
前記パネルは、前記保持部に前記中桟とともに挿入されて保持され、
前記窓部の幅方向と交差する上下方向における前記窓部の寸法は、前記上下方向における前記パネルの寸法よりも小さい、間仕切り体。
【請求項2】
前記パネル部は複数配置され、
隣接する前記パネル部同士を互いに連結する軸部を有する請求項1に記載の間仕切り体。
【請求項3】
前記パネル部の下方に着脱可能に取り付けられ、前記パネル部を支持する固定補助脚を有する請求項1又は2に記載の間仕切り体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、間仕切り体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広い空間を、それよりも小さい空間に仕切るための間仕切り体が知られている。受付カウンターにおいて、窓口となる部分のみ仕切りを欠落させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-248866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、間仕切り体によって空間を仕切り、人の会話等から発生する飛沫の飛散を防止することが求められている。仕切られた空間の一方と他方で物品を受け渡す際には、窓口となる部分を仕切ることは難しい。しかし、受け渡しが発生しないときには閉じることのできる間仕切り体が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、空間を仕切るパネル部と、前記パネル部の領域を区切るように配置される中桟と、前記中桟で区切られた一方又は他方の領域に配置される開閉可能な窓部と、を備える間仕切り体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の間仕切り体を示す斜視図である。
図2A】第1実施形態の間仕切り体の袖パネル部の縦断面図である。
図2B】第1実施形態の間仕切り体の下部の横断面図である。
図2C】第1実施形態の間仕切り体の中央パネル部の縦断面図である。
図3】第1実施形態の間仕切り体の軸部の周囲の部分拡大斜視図である。
図4】第1実施形態の中桟と中央パネル部用縦框を示す部分斜視図である。
図5A】第1実施形態の固定部材を上から視た斜視図である。
図5B】第1実施形態の固定部材を下から視た斜視図である。
図6】第1実施形態の固定補助脚の斜視図である。
図7A】第2実施形態の間仕切り体を開いた状態の正面図である。
図7B】第2実施形態の間仕切り体を折った状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。間仕切り体1は、例えば執務を行う人間と、執務を依頼する人間との間を隔てるカウンター等に配置される衝立である。間仕切り体1は、図1に示すように、複数のパネル部2と、軸部3と、固定部材4と、固定補助脚5と、窓部6と、を有する。
【0008】
パネル部2は、空間を仕切る板状の部材であり、四周に配置される枠部20の内周側に板状の部材が嵌め込まれて形成されたものである。複数のパネル部2は、互いに連結される。複数のパネル部2のうち、間仕切り体1の正面視における幅方向両側に配置されるパネル部2を袖パネル部210、220と呼び、幅方向中央側のパネル部2を中央パネル部230と呼ぶ。本明細書において、間仕切り体で仕切る空間の一方側を内側、他方側を外側と呼ぶ。例えば、間仕切り体をカウンターに配置した場合には、内側に執務を行う人間が居り、外側に執務を依頼する人間が来る。軸部3に沿う方向を上下方向と呼び、上下方向に交差する方向をパネル部2の幅方向と呼ぶ。
【0009】
まず、袖パネル部210、220の構成について説明する。袖パネル部210、220は、後述する軸部3によって中央パネル部230と連結されている。袖パネル部210、220は、図1に示されるように、間仕切り体1が設置された空間で内側と外側とを結ぶ方向に沿うように配置される。
【0010】
袖パネル部210、220は、枠部20と、枠部20の内側に嵌め込まれるパネル25及び弾性部材26と、を有する。枠部20は、アルミ製の上桟21、下桟22、軸部側縦框23及び自由端側縦框24を有し、これらを四角い枠に組んで形成される。
【0011】
上桟21は、袖パネル部210、220の上部で幅方向に延びる桟である。上桟21は、図2Aに示すように、断面視略コの字状を有し、上面部211と、内側面212と、外側面213と、保持部214と、を有する。上面部211は、袖パネル部210、220の厚さ方向に延びる平坦な面であり、袖パネル部210、220の天面である。内側面212及び外側面213は、パネル部2の内側及び外側で、上下方向に沿って延びる面である。内側面212及び外側面213の上端は、上面部211を超えて上方に突出しており、上面部211は、内側面212及び外側面213の上端よりもくぼんだ位置にある。保持部214は、内側面212及び外側面213の下端からパネル部2の厚さ方向の内側に向かって屈曲し、パネル25及び弾性部材26を保持可能な開口214aを有する。
【0012】
下桟22は、上桟21に対向し、袖パネル部210、220の下部で幅方向に延びる桟である。下桟22は、図2Aに示すように、断面視略コの字状を有し、下面部221と、内側面222と、外側面223と、保持部224と、を有する。下面部221は、袖パネル部210、220の幅方向の一方及び他方に延びる平坦な面である。内側面222及び外側面223は、パネル部2の内側及び外側で、上下方向に沿って延びる面である。内側面222及び外側面223の下端は、下面部221を超えて下方に突出しており、下面部221は、内側面222及び外側面223の下端よりも上方に位置している。内側面222及び外側面223の下端は、間仕切り体1を設置する際に、設置面に接する最下端部となる。保持部224は、内側面222及び外側面223の上端から袖パネル部210、220の厚さ方向の内側に向かって屈曲し、パネル25及び弾性部材26を保持可能な開口224aを有する。
【0013】
軸部側縦框23は、パネル部2同士(袖パネル部210、220及び中央パネル部230)を連結する軸部3に近接した側の縦框である。軸部側縦框23は、パネル部2の上下方向に延びる長さと、軸部3側から枠部20の内周側へ延びる幅と、パネル部2の厚さ方向を規定する所定の厚さとを有する。図2Bに示すように、軸部側縦框23は、軸係合部231と、中空部232と、保持部233と、端部キャップ234(図3参照)と、を有する。
【0014】
軸係合部231は、外側湾曲部2311と、係合片2313とを有する。外側湾曲部2311は、軸係合部231の外側に形成され、袖パネル部210、220側から軸部3側へ連続するなだらかな曲面である。係合片2313は、外側湾曲部2311に対して対向する側に位置し、袖パネル部210、220の内側の面から軸部3側へ延びる平坦な面2313aと、平坦な面2313aの軸部3側の端部が鉤状に屈曲して形成される鉤部2313bとを有する。係合片2313は、軸部3の内部へ挿入され、鉤部2313bが軸部3の内部と係合することで、袖パネル部210、220と軸部3が連結される。
【0015】
中空部232は、軸係合部231から枠部20の内周側に隣接して形成される。中空部232は、軸部側縦框23の上端側から下端側まで内部が中空に形成されている。中空部232には、後述する固定部材4が挿入される。
【0016】
保持部233は、中空部232から枠部20の内周側で隣接して形成される断面視略コの字状の部分である。保持部233は、軸部側縦框23における枠部20の内周側で、保持部233は、枠部20の内周側に向かって開口した開口233aを有する。開口233aに、パネル25及び弾性部材26が保持される。
【0017】
端部キャップ234は、図3に示すように、軸部側縦框23における軸係合部231の外側湾曲部2311、及び中空部232の上端を覆うように取り付けられる樹脂製のカバーである。端部キャップ234は、軸部側縦框23の外側湾曲部2311及び中空部232の形状に沿う形状を有する。さらに、端部キャップ234は、軸係合部231の外側湾曲部2311の軸部側の端部から、中空部232の軸部側の側面に向かって湾曲する内側湾曲部2342を有する。内側湾曲部2342は、後述する軸部3の湾曲した外面がスライド移動可能となるように、軸部3の外面の曲面に合った形状を有する。
【0018】
自由端側縦框24は、軸部側縦框23に対向し、袖パネル部210、220の自由端側で上下方向に延びる縦框である。自由端側縦框24は、湾曲部241と、筒状凹部242と、保持部243とを有する。湾曲部241は、自由端側縦框24の端部で断面視略U字状に形成される部分であり、内部が中空になっている。湾曲部241は、自由端側縦框24の上端から下端まで形成されている。筒状凹部242は、湾曲部241の下面から上方に向かって、所定高さ筒状に形成された窪みである。筒状凹部242の内部に、後述する固定補助脚5が挿入される。保持部243は、湾曲部241から枠部20の幅方向内側に隣接して形成される断面視略コの字状の部分である。保持部243は、枠部20の内周側に向かって開口した開口243aを有する。開口243aに、パネル25及び弾性部材26が保持される。
【0019】
パネル25は、枠部20の内部に保持される板材である。パネル25は、樹脂製で四角形の形状を有する。パネル25は、例えば透明である。弾性部材26は、パネル25の四周に取り付けられる枠状のゴムである。弾性部材26は、上桟21の保持部214に形成される開口214a、下桟22の保持部224に形成される開口224a、軸部側縦框23の保持部233に形成される開口233a、自由端側縦框24の保持部243に形成される開口243a、に差し込まれて保持される。弾性部材26は、上記の開口214a、224a、233a、243aの内壁に対してパネル25を押圧し、開口214a、224a、233a、243aの隙間を埋めてパネル25を固定する。
【0020】
次に、中央パネル部230の構成について説明する。中央パネル部230は、枠部20内の上部の領域にパネル25及び弾性部材26が配置された点では、袖パネル部210、220と共通する。共通する構成については、同じ符号を用いて、詳細な説明を省略する。中央パネル部230は、上下方向の中央から下側で、幅方向に延びる中桟27と、中桟27と下桟22との間に配置される窓部6を有する点で袖パネル部210、220と異なる。中央パネル部230は、幅方向の両側が軸部3により袖パネル部210、220に接続されている。このため、中央パネル部230は、自由端側縦框24を有さずに、幅方向の一方及び他方の両方に、中央パネル部用縦框28が配置されている点において、袖パネル部210、220と異なる。さらに、中央パネル部用縦框28は、中桟27を取り付け可能に構成されている点で、袖パネル部210、220と異なる。
【0021】
中央パネル部用縦框28は、中央パネル部230の上下方向に延びる長さと、軸部3側から枠部20の内周側へ延びる幅と、中央パネル部230の厚さ方向を規定する所定の厚さとを有する。図2Bに示すように、中央パネル部用縦框28は、軸係合部281と、中空部282と、保持部283と、端部キャップ285と(図1参照)、を有する。軸係合部281と、中空部282と、保持部283と、端部キャップ285の構成は、袖パネル部210、220の軸部側縦框23における軸係合部231と、中空部232と、保持部233と、端部キャップ234と同様である。図2Bは、中桟27よりも下方で切断した横断面図であり、上部に配置されているパネル25及び弾性部材26は、図示されていない。
【0022】
中央パネル部用縦框28は、図2C及び図4に示すように、保持部283の上下方向の中央よりも下側に、中桟27を挿入可能に形成された切り欠き孔284を有する。
【0023】
切り欠き孔284は、外側縁284aと、内側縁284bと、上縁284cと、下縁284dとを有する。外側縁284aは、中央パネル部230の外側寄りに位置し、保持部283の幅方向の一方側で、上下方向に直線で延びる。内側縁284bは、中央パネル部230の内側寄りで、保持部283の幅方向の他方側に位置する。内側縁284bは、切り欠き孔284の上部及び下部の幅が、切り欠き孔284の上下方向の中央部側よりも広くなるように段差を有して上下方向に延びている。上縁284c及び下縁284dは、切り欠き孔284における外側縁284aと、内側縁284bとを中央パネル部用縦框28の厚さ方向に繋いでいる。上縁284c及び下縁284dは、保持部283の開口283aと繋がっている。切り欠き孔284は、保持部283の開口283aが部分的に拡げられて形成されている。
【0024】
中桟27は、図1に示すように、中央パネル部230の幅方向の一方から他方まで下桟22に平行に延びる長尺の板材である。中桟27は、中央パネル部230の領域を上下に区切るように配置される。中桟27は、中桟固定部材274を用いて中央パネル部用縦框28の保持部283に固定される。
【0025】
中桟27は、上桟21及び下桟22と同じ長さを有する。中桟27は、本体部271と、パネル保持部272と、障子保持部273と、を有する。
【0026】
本体部271は、中桟27の長手方向に延びる板状の部分である。本体部271は、中央パネル部用縦框28の厚さ方向において、中央パネル部230の外側寄りに配置されている。
【0027】
パネル保持部272は、図2Cに示すように、本体部271の上端から中桟27の厚さ方向に屈曲して形成される。詳細には、パネル保持部272は、本体部271よりもパネル部2の厚さ方向外側へ屈曲し、外側から上方に向かって延び、中桟27の上端で厚さ方向内側に屈曲し、そこから下垂する。パネル保持部272における上端には、上方に向かって開口した開口272aが形成される。開口272aには、パネル25及び弾性部材26が挿入されて保持される。
【0028】
障子保持部273は、下方に向かって開口した断面視略C字状に形成され、本体部271の下端から中桟27の厚さ方向に屈曲することで形成されている。障子保持部273は、後述する障子としての内障子61及び外障子62を内部に保持可能な開口273aを有する。
【0029】
中桟固定部材274は、パネル保持部272と障子保持部273との間で本体部271の内側の面に沿うように配置される。中桟固定部材274は、樹脂製で中桟27と別体の部品である。本体部271が薄い板状であるため、切り欠き孔284に中桟27の端部を挿入し、切り欠き孔284と本体部271との間の隙間を塞ぐように配置される。中桟固定部材274は、端部が切り欠き孔284内に挿入され、内部で中央パネル部用縦框28に係合する。これにより中桟固定部材274は、中桟27を切り欠き孔284に固定する。
【0030】
窓部6は、中桟27で区切られた中央パネル部230の下方の領域に配置される。窓部6は、開口部60と、開口部60を開閉可能な内障子61及び外障子62と、を有し、開閉可能に構成される。内障子61及び外障子62は同じ形状及び素材で形成される薄い板である。内障子61は、中央パネル部230の内側に、外障子62は、中央パネル部230の外側に配置される。図2Bに示すように、内障子61、外障子62は、下桟22の保持部224内に形成された溝部224bをスライド移動する。内障子61、外障子62に手で力を加えて移動させることで、窓部6が開く。
【0031】
軸部3は、隣接するパネル部同士、すなわち袖パネル部210、220、中央パネル部230を互いに連結する部材であり、これらのパネル部2の上下方向の長さと同じ長さを有する。軸部3により、互いに隣接するパネル部2が、自立可能に接続される。図2Bに示すように、軸部3は、軸部湾曲部31と、パネル係止部32と、端部キャップ33(図3参照)と、を有する。
【0032】
軸部湾曲部31は、軸部3の外側に位置する湾曲した面であり、潰れた半円形状を有する。軸部湾曲部31の幅方向一方側と他方側の曲面は、連結する袖パネル部210、220の軸部側縦框23に設けられた端部キャップ234における内側湾曲部2342、及び中央パネル部230の中央パネル部用縦框28に設けられた端部キャップ285における内側湾曲部2852とスライド移動可能に合わさって配置される。
【0033】
パネル係止部32は、内側保持部321と、係合部品322と、を有する。内側保持部321は、軸部湾曲部31における幅方向の両側の端部から、幅方向の中央側へ向かって延びる面である。軸部湾曲部31と内側保持部321で囲まれた略半円状の空間の内部に、パネル部2の軸係合部231における係合片2313、2813と係合する樹脂製の係合部品322が組付けられる。係合部品322は、係合片2313、2813の鉤部2313b、2813bを回動可能に受けるとともに、鉤部2313b、2813bを軸部3内に移動可能に固定する。
【0034】
端部キャップ33は、アルミ型材で構成される軸部湾曲部31及びパネル係止部32の上端に取り付けられる樹脂製のカバーである。端部キャップ33は、略D字状に形成され、軸部湾曲部31の幅方向の中央に、外側へ向かって突出する凸部331を有する。凸部331は、隣接するパネル部2が軸部3に連結され最大に開かれた状態で、内側湾曲部2342の端部に当接し、パネル部2がそれ以上回転すること防止する。
【0035】
隣接する2枚パネル部2は、互いの内側面を重ねて閉じた状態から、略直線状に並ぶように180度開いた状態まで角度が変更可能である。このうち、軸部3が2枚のパネル部2を接続する接続角度が、0度より大きく180度よりも小さいことで、間仕切り体1は自立可能となる。接続角度を90度に近く開くことで、間仕切り体1が平面視略コの字状となる。
【0036】
固定部材4は、軸部3の少なくとも上端側に位置するように、袖パネル部210、220の軸部側縦框23及び中央パネル部230の中央パネル部用縦框28に取り付けられる。固定部材4は、袖パネル部210、220及び中央パネル部230を接続する接続角度を固定する部品である。固定部材4は、上面部41と、挿入部42と、係止溝43と、内側係止部44と、を有する。
【0037】
上面部41は、間仕切り体1の設置面と略平行な方向に延びる平坦な面である。上面部41は、固定部材4を軸部3の上端側に配置した場合は、軸部3の上面を構成する。上面部41は、図5Aに示すように、略L字状に屈曲し、屈曲して外側に形成される角が面取りされた形をしている。詳細には、上面部41は、内側縁411と、外側縁412と、接続縁413とを有する。内側縁411は、略90度の角度で屈曲する。外側縁412は、三つの辺が2か所で屈曲して接続されることで構成されている。外側縁412の一方及び他方の端部側の辺412a、412bは、内側縁411に対向して延び、外側縁412の中央側の辺412cは、二つの辺412a、412bを接続する直線で構成される。接続縁413は、内側縁411と外側縁412とを接続する直線である。接続縁413は、上面部41が軸部3の上部に配置された状態では、パネル部2の厚さ方向に延びる。
【0038】
挿入部42は、上面部41の延びる方向に対して略直交する方向に突出する。挿入部42は、上面部41が軸部3の上部に配置された状態で下方へ延び、袖パネル部210、220の軸部側縦框23、中央パネル部230の中央パネル部用縦框28の中空部232、282に挿入される。図5Bに示すように、挿入部42は、上面部41に近い側では略直方体の形状を有し、上面部41から遠い側では、周囲の面が下方に向かって小さくなるように傾斜する傾斜面42aが形成される。傾斜面42aにより、中空部232、282への挿入が容易になる。
【0039】
内側係止部44は、上面部41の延びる方向に対して略直交する方向に、挿入部42と間を空けて延びる。内側係止部44は、上面部41が軸部3の上部に配置された状態で、下方へ延びる。内側係止部44は、図5Bに示すように、挿入部42の長辺に対して直交する方向に位置し、上面部41の内側縁411から突出する。内側係止部44は、軸部3に取り付けられた状態では、中空部232、282の内側の面よりも内側に配置される。
【0040】
係止溝43は、挿入部42と内側係止部44との間に形成される隙間である。係止溝43は、挿入部42の内側の端面と、内側係止部44の外側の端面との間に形成される。係止溝43には、上面部41が軸部3の上部に配置された状態では、中空部232の内側の面の上部側が係止される。すなわち、挿入部42と内側係止部44とで、中空部232、282の内側の面を挟むように係止される。
【0041】
挿入部42、内側係止部44及び係止溝43は、上面部41における略90度に屈曲する内側縁411の一方と他方に対称に配置される。挿入部42が中空部232、282に挿入されることで、袖パネル部210又は220及び中央パネル部230の接続角度が90度に固定される。袖パネル部210又は220及び中央パネル部230が90度で接続されると、間仕切り体1を並べやすくなるとともに、倒れにくくなるので、利便性が向上する。
【0042】
固定補助脚5は、パネル部2の下方に着脱可能に取り付けられ、パネル部2を支持する。具体的には、固定補助脚5は、袖パネル部210、220の自由端側縦框24に挿入可能な部品である、固定補助脚5は、図6に示すように、支持面51及び補助脚挿入部52を有する。
【0043】
支持面51は、略長方形の薄い板状の形状を有する。支持面51の幅は、パネル部2の厚さ方向の寸法よりも小さいことが好ましい。支持面51の長さは、特に限定されないが、袖パネル部210、220の幅の1/4よりも短いことが好ましい。
【0044】
補助脚挿入部52は支持面51の上面から上方に突出する円柱状の部分である。補助脚挿入部52は、自由端側縦框24の筒状凹部242に挿入される。補助脚挿入部52と筒状凹部242の内面とは単に合わさっているだけなので、補助脚挿入部52は自由に回転することができる。補助脚挿入部52を回転させて支持面51をパネル部2に交差する方向へ向ける。支持面51がパネル部2の下面と交差する方向に延びることで、パネル部2がより大きな力で押されても倒れないように支持される。
【0045】
固定補助脚5は、間仕切り体1をより強固に設置面に固定したいときに、固定部品を固定するためのクランプ面として利用してもよい。補助脚挿入部52を回転させて支持面51を下桟22の下から外側へ出し、設置面へ固定する別途の固定部品を支持面51にねじ留めする。これにより、固定補助脚5を介して設置面とパネル部2をクランプ固定することができる。
【0046】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。間仕切り体1を、空間を仕切るパネル部2と、パネル部2の領域を区切るように配置される中桟27と、中桟27で区切られた一方又は他方の領域に配置され、開閉可能な窓部6と、を含んで構成した。間仕切り体1が開閉可能な窓部6を有しているので、間仕切り体1の内側と外側との間を、必要がないときは閉じておき、物品の受け渡し等で必要が生じる場合にのみ開けることができる。このため、間仕切り体1により仕切られた空間の内側と外側でやりとりが必要な場合にも、空気中に飛散し得る飛沫の流入を防ぎやすくなり、防疫効果に優れる。
【0047】
第1実施形態によれば、パネル部2を複数配置し、隣接するパネル部2同士を互いに連結する軸部3を含んで構成した。パネル部2を複数配置し、例えば中央パネル部230と袖パネル部210、220を連結することで、パネル部2の内側の空間を、三方囲むことができる。このため、囲まれた空間の防疫効果が向上する。さらに、パネル部2が軸部3により連結されることで、起立させやすくなり、利便性が向上する。
【0048】
第1実施形態によれば、パネル部2の下方に着脱可能に取り付けられ、パネル部2を支持する固定補助脚5を含んで構成した。固定補助脚5を有することで、パネル部2の枚数や、大きさ等にかかわらず、起立させやすくなる。
【0049】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。
図7A及び図7Bは、第2実施形態に係る間仕切り体1Aを示す。第2実施形態では、中央パネル部230は、複数設けられ、それぞれ窓部6を有する。隣り合う2枚の中央パネル部230は、2本の中央パネル部用縦框28同士が軸部3により接合されることにより、連結される。従って、図7Bに示すように、中央パネル部230同士は、内側に折ることができる。
【0050】
第2実施形態によれば、図7Aに示すように、2枚の中央パネル部230を軸部3でおらずに幅方向に並べてもよい。この場合、袖パネル部210、220を内側へ折ることで、幅の広い空間で外側と内側に仕切ることができる。さらに図7Bに示すように、中央パネル部230同士を接続する軸部3を内側に配置することで、間仕切り体1Aは略M字型に折ることができる。必要な場合には、それぞれの袖パネル部210、220、中央パネル部230を折り畳んで持ち運ぶことができる。第2実施形態によれば、大型化しても折り畳むことで、大型化を防止することができる。第2実施形態の変形例として、パネル部2を接続する枚数は任意に増やすことができ、パネル部2を屏風のように折り畳み可能とすることができる。
【0051】
第2実施形態では2枚の中央パネル部230の両方が窓部6を有している。しかし、窓部を2枚の中央パネル部230の一方のみに設け、他方の中央パネル部に窓を設けないように構成してもよい。
【0052】
第1実施形態及び第2実施形態では、パネル部2は複数配置されているが、パネル部2は一枚のみ配置されてもよい。パネル部2の厚さを変更することで、一枚のパネル部2でも起立可能に構成することが可能である。また、一枚のパネル部2の下方に固定補助脚5を取り付けて、起立させることもできる。パネル部2が一枚であっても、窓部6が設けられていれば、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0053】
窓部は、パネル部2の上部に配置されてもよい。窓部は、中央パネル部230だけでなく、袖パネル部210、220に配置されてもよい。パネル部2には、窓部の他に通気口等が設けられてもよい。
【0054】
上記実施形態では、窓部6を引き戸により構成した。窓部6の構成は引き戸に限られない。開口部60を塞ぐ板状の部材を中桟27側に回転可能に接続し、下桟側を固定しないように蓋状に構成してもよく、下桟側に回転可能に接続し、中桟側を固定しないように構成してもよい。あるいは、開口を塞ぐ板状の部材を片側の中央パネル部用縦框28に回転可能に接続した扉式にしてもよい。あるいは、中央パネル部用縦框28における下桟から中桟の間の中間地点に板状の部材を接続し、滑り出し窓のように構成してもよい。
【0055】
中桟27の形状は、上記説明した形状に限られない。中桟27は、厚さが一定のホロー構造の枠材であってもよい。この場合、パネル保持部272は本体部271の上端から屈曲して形成され、上方に向かって開口するように形成されていなくてもよい。障子保持部273は、略C字状に形成され、厚さ方向に屈曲していなくてもよい。また、厚さが一定のホロー構造の枠材の場合、中桟固定部材274は必要ない。ホロー構造の中桟の形状に合わせて切り欠き孔が形成され、切り欠き孔に中桟が挿入されていてよい。ホロー構造の中桟では、パネル保持部及び障子保持部は、中桟の上面及び下面に、それぞれパネル及び障子を保持可能な凹部が形成されてよい。
【0056】
上記実施形態では、パネル25は透明な樹脂板である。パネル25の素材及び色は限定されない。パネルは、ガラスであってもよいし、アルミ板、アルミ樹脂複合板(アルポリック(登録商標))であってもよい。パネルは、半透明又は不透明であってもよい。
【0057】
上記実施形態では、弾性部材26はゴム製パッキンである。弾性部材26は、グレーチングチャンネルやビードであってもよい。
【0058】
固定部材は、なくてもよい。上記実施形態では、固定部材4は、隣接するパネル部2同士を90度の角度で接続するように固定しており、内側縁411は略90度の角度で屈曲している。しかし、固定部材4がパネル部2を固定する角度及び内側縁411の屈曲する角度は、任意の角度に設定できる。例えば、45度、60度、120度、135度等を例示できる。
【0059】
上記実施形態では、固定部材4は、内側係止部44を有している。固定部材は、内側係止部44を有さなくてもよい。挿入部42が隣接するパネル部2のそれぞれに挿入されることで、パネル部2の接続角度を固定することは可能である。あるいは、他の構成として、挿入部42の内側に内側係止部44を形成せずに、挿入部42の外側に上面部41から下方に突出する係止部を設けてもよい。挿入部42を軸部側縦框23の中空部232に挿入し、中空部232の外側の面の外側に係止部を配置するように構成してもよい。
【0060】
上記実施形態では、固定部材4の上面部41は平坦な面に形成されている。上面部41は、平坦な面でなく、曲面でもよく、凹凸が形成されていてもよい。
【0061】
固定補助脚5の形状は、上記実施形態に限定されない。支持面51は、略長方形でなくてもよい。支持面51の幅は、パネル部2の厚さ方向の寸法よりも大きくてもよく、長さはパネル部2に沿ってどの程度長くてもよい。補助脚挿入部52の形状は、円錐形状であってもよく、他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 間仕切り体、 2 パネル部、 3 軸部、 5 固定補助脚、 6 窓部、 27 中桟

図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B