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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】除湿機能付き熱交換形換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/08 20060101AFI20221216BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20221216BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
F24F7/08 101P
F24F7/08 101A
F24F7/08 A
F24F13/22 222
B01D53/26 100
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019231058
(22)【出願日】2019-12-23
(62)【分割の表示】P 2019119497の分割
【原出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2021006758
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】石田 陽子
(72)【発明者】
【氏名】福本 将秀
(72)【発明者】
【氏名】清本 訓央
(72)【発明者】
【氏名】平木 雅人
(72)【発明者】
【氏名】池田 智大
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-064171(JP,A)
【文献】特開2000-314546(JP,A)
【文献】特開2011-147836(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031139(WO,A1)
【文献】特開2019-086262(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103968475(CN,A)
【文献】特表2005-510685(JP,A)
【文献】特開2004-197991(JP,A)
【文献】特開2007-315712(JP,A)
【文献】中国実用新案第206257751(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/08
F24F 13/22
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の空気を室外に排出するための排気風路を流通する排気流と、室外の空気を室内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、
前記給気流に対して除湿する除湿装置と、
を備える除湿機能付き熱交換形換気装置であって、
前記除湿装置は、圧縮機、放熱器、膨張器、吸熱器の順に連結して構成される冷凍サイクルと、一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、少なくとも前記吸熱器において結露した水を前記放熱器に導入する水導入部と、を含み、
前記放熱器は、前記排気風路内に配置されて前記排気流が流通する第一放熱器と、前記給気風路内に配置されて前記給気流が流通する第二放熱器とを連結して構成され、
前記除湿装置は、前記給気風路から前記熱交換形換気装置による熱交換後の前記給気流が導入されるとともに、前記排気風路から熱交換後の前記排気流が導入されるように構成され、
前記除湿装置に導入された前記給気流の一部分は、前記吸熱器、記第一流路、前記第二放熱器の順に流通して前記給気風路に導出され、
前記除湿装置に導入された前記給気流の他の部分は、記第二流路、前記第二放熱器の順に流通して前記給気風路に導出され、
前記除湿装置に導入された前記排気流は、第一放熱器を流通して前記排気風路に導出され、
前記第二放熱器は、前記水導入部から導入される水によって冷却されることを特徴とする除湿機能付き熱交換形換気装置。
【請求項2】
前記水導入部は、前記吸熱器において結露した水と、前記熱交換器において結露した水とを集水して前記第二放熱器に導入するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の除湿機能付き熱交換形換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住空間などに用いられる除湿機能付き熱交換形換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷房あるいは暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に給気流と排気流との間で熱交換を行う熱交換形換気装置が知られている。
【0003】
近年、地球温暖化の影響および住宅の気密性が向上したことにより、特に夏季において、室内の排熱および排湿が不足し、室内が高温多湿になるため、居住者にとって室内の快適性が損なわれることが懸念されている。夏季において室内の快適性を向上させるには、特に室内の湿度低下が重要であることから、室内の湿度を調整しながら熱交換換気を行う除湿機能付き熱交換形換気装置が求められている。このため、我々は、除湿機能付き熱交換形換気装置として、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を適用した熱交換形換気装置の開発を進めている。冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置としては、例えば、特許文献1に記載の除湿装置が知られている。
【0004】
従来の除湿装置について図5を参照して説明する。
【0005】
図5に示すように、従来の除湿装置100は、空気吸込口101から本体ケース102内に吸い込んだ空気(空気X、空気Y)を、除湿部103を通過させた後に、空気吹出口104から本体ケース102外に吹き出す構成となっている。除湿部103は、圧縮機105、放熱器106、膨張器107、吸熱器108の順に連結した冷凍サイクルと、吸熱器108と放熱器106との間に配置され、第一流路109を流れる空気Xと第二流路110を流れる空気Yとの間で熱交換する熱交換器111と、を備えている。
【0006】
そして、第一流路109を流れる空気Xは、吸熱器108で冷却されて結露が発生する。この結露の発生により生じた結露水は回収される。一方、第二流路110を流れる空気Yは、吸熱器108によって冷却された空気Xと熱交換して冷却されて結露が発生する。この結露の発生により生じた結露水もまた回収される。これにより、従来の除湿装置100では、高い除湿性能を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2016/031139号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の除湿装置100は、冷凍サイクルの放熱器106を冷却するために、除湿した空気を放熱器106に通過させる構成となっている。放熱器106では、吸熱器108によって吸熱されるエネルギーに加えて、圧縮機105によって冷凍サイクル内の冷媒を循環させるためのエネルギーが排熱されるため、放熱器106を通過した除湿後の空気の温度は、除湿前の空気の温度以上に上昇することになる。この結果、従来の除湿装置100の除湿機構を熱交換形換気装置の給気風路に配置して除湿した場合には、除湿後の空気(温度上昇した空気)がそのまま給気流として室内に吹き出され、室内の快適性が損なわれるという課題が生じる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、室内の空気を室外に排出するための排気風路を流通する排気流と、室外の空気を室内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、給気流に対して除湿する除湿装置とを備える。除湿装置は、圧縮機、放熱器、膨張器、吸熱器の順に連結して構成される冷凍サイクルと、一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、少なくとも吸熱器において結露した水を放熱器に導入する水導入部とを含む。放熱器は、排気風路内に配置されて排気流が流通する第一放熱器と、給気風路内に配置されて給気流が流通する第二放熱器とを連結して構成される。除湿装置は、給気風路から熱交換形換気装置による熱交換後の給気流が導入されるとともに、排気風路から熱交換後の排気流が導入されるように構成される。除湿装置に導入された給気流の一部分は、吸熱器、一流路、第二放熱器の順に流通して給気風路に導出され、除湿装置に導入された給気流の他の部分は、二流路、第二放熱器の順に流通して給気風路に導出される。除湿装置に導入された排気流は、第一放熱器を流通して排気風路に導出される。第二放熱器は、水導入部から導入される水によって冷却される
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の住宅における設置状態を示す模式図である。
図2図2は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図4図4は、本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図5図5は、従来の除湿装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、室内の空気を室外に排出するための排気風路を流通する排気流と、室外の空気を室内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、給気流に対して除湿する除湿装置とを備える。除湿装置は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルと、吸熱器と放熱器との間に配置され、第一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、少なくとも吸熱器において結露した水を放熱器に導入する水導入部とを含む。除湿装置は、給気風路から熱交換後の給気流が導入されるとともに、排気風路から排気流が導入されるように構成される。除湿装置に導入された給気流の一部分は、吸熱器、熱交換器の第一流路の順に流通して給気風路に導出され、除湿装置に導入された給気流の他の部分は、熱交換器の第二流路を流通して給気風路に導出される。放熱器は、水導入部から導入される水によって冷却される。除湿装置に導入された排気流は、水導入部から導入された水によって冷却された放熱器を流通して排気風路に導出される。
【0014】
こうした構成によれば、除湿装置における放熱器の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、水導入部から放熱器に導入される水の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置からの排気流(除湿を必要する夏季において、給気流よりも温度が低い排気流)の空気熱とによって得ることができるため、放熱器を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流)の温度上昇を抑制することができる。この結果、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風することができる。つまり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置とすることができる。
【0015】
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、放熱器は、排気風路内に配置されて排気流が流通する第一領域と、第一領域と連結され、給気風路内に配置されて給気流が流通する第二領域とを有する。そして、除湿装置において除湿された給気流は、水導入部から導入された水によって冷却された放熱器の第二領域を流通して給気風路に導出され、除湿装置に導入された排気流は、水導入部から導入された水によって第二領域を介して冷却された第一領域を流通して排気風路に導出される。
【0016】
こうした構成によれば、水導入部から導入された水が、除湿後の空気(給気流)が流通する放熱器の第二領域を直接冷却するので、給気流の温度上昇を確実に抑制することができる。
【0017】
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、放熱器は、排気風路内に配置されて排気流が流通する。そして、除湿装置から給気風路に導出される給気流は、放熱器を流通することなく給気風路に導出され、除湿装置に導入された排気流は、水導入部から導入された水によって冷却された放熱器を流通して排気風路に導出される。
【0018】
こうした構成によれば、除湿後の空気(給気流)が放熱器を流通することなく室内に吹き出されるので、除湿に伴って生じる温度上昇を確実に抑制することができる。
【0019】
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、水導入部は、吸熱器において結露した水と、熱交換部において結露した水とを集水して放熱器に導入するように構成されている。
【0020】
こうした構成によれば、放熱器に導入する水の量をさらに増加させることができるので、放熱器を安定して冷却することが可能となる。
【0021】
また、本発明の除湿機能付き熱交換形換気装置では、除湿装置から室内に供給される給気流の温度は、給気流の一部分の風量と給気流の他の部分の風量の比率を制御することによって調節される。
【0022】
こうした構成によれば、吸熱器によって冷却された気流(第一流路を流通した給気流の一部分)によって、第二流路を流通した給気流の他の部分の温度をさらに低下させることができるので、室内に供給される給気流の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して説明を省略している。さらに、本発明に直接には関係しない各部の詳細については重複を避けるために、図面ごとの説明は省略している。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
(前提例)
まず、図1図2を参照して、本発明の実施の形態の前提例となる熱交換形換気装置について説明する。図1は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の住宅における設置状態を示す模式図である。図2は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
【0026】
図1において、家1の屋内に熱交換形換気装置10が設置されている。熱交換形換気装置10は、屋内の空気と屋外の空気とを熱交換しながら換気する装置である。
【0027】
図1に示す通り、排気流2は、黒色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して屋外に放出される。排気流2は、屋内から屋外に排出される空気の流れである。また、給気流3は、白色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して室内に取り入れられる。給気流3は、屋外から屋内に取り込まれる空気の流れである。例えば、日本の冬季を挙げると、排気流2は20~25℃であるのに対して、給気流3は氷点下に達することもある。熱交換形換気装置10は、換気を行うとともに、この換気時に、排気流2の熱を給気流3へと伝達し、不用な熱の放出を抑制している。
【0028】
熱交換形換気装置10は、図2に示す通り、本体ケース11、熱交換素子12、排気ファン13、内気口14、排気口15、給気ファン16、外気口17、給気口18、排気風路4、給気風路5を備えている。本体ケース11は、熱交換形換気装置10の外枠である。本体ケース11の外周には、内気口14、排気口15、外気口17、給気口18が形成されている。内気口14は、排気流2を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。排気口15は、排気流2を熱交換形換気装置10から屋外に吐き出す吐出口である。外気口17は、給気流3を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。給気口18は、給気流3を熱交換形換気装置10から屋内に吐き出す吐出口である。
【0029】
本体ケース11の内部には、熱交換素子12、排気ファン13、給気ファン16が取り付けられている。また、本体ケース11の内部には、排気風路4、給気風路5が構成されている。熱交換素子12は、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換(顕熱と潜熱)を行うための部材である。排気ファン13は、排気口15の近傍に設置され、排気流2を内気口14から吸い込み、排気口15から吐出するための送風機である。給気ファン16は、給気口18の近傍に設置され、給気流3を外気口17から吸い込み、給気口18から吐出するための送風機である。排気風路4は、内気口14と排気口15とを連通する風路である。給気風路5は、外気口17と給気口18とを連通する風路である。排気ファン13により吸い込まれた排気流2は、排気風路4内の熱交換素子12、排気ファン13を経由し、排気口15から屋外へと排出される。また、給気ファン16により吸い込まれた給気流3は、給気風路5内の熱交換素子12、給気ファン16を経由し、給気口18から屋内へと供給される。
【0030】
熱交換形換気装置10は、熱交換換気を行う場合には、熱交換素子12の排気ファン13および給気ファン16を動作させ、熱交換素子12において排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換を行う。これにより、熱交換形換気装置10は、換気を行う際に、室外に放出する排気流2の熱を室内に取り入れる給気流3へと伝達し、不要な熱の放出を抑制し、室内に熱を回収する。この結果、冬季においては、換気を行う際に、屋外の温度が低い空気によって屋内の温度低下を抑制することができる。一方、夏季においては、換気を行う際に、屋外の温度が高い空気によって屋内の温度上昇を抑制することができる。
【0031】
(実施の形態1)
次に、図3を参照して、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。なお、図3以降の各模式図では、排気風路4および給気風路5を、熱交換形換気装置10内の排気流2および給気流3の流れ(黒矢印)と兼用して表記している。
【0032】
本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50は、図3に示すように、前提例に係る熱交換形換気装置10に対して、除湿機能を付与する手段としての除湿装置30を連結した構成を有している。
【0033】
除湿装置30は、熱交換形換気装置10での熱交換後の給気流3の除湿を行うためのユニットである。除湿装置30は、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とを含んで構成される冷凍サイクルと、熱交換器35と、水導入部38と、を備えている。そして、本実施の形態の冷凍サイクルは、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とをこの順序で環状に連結して構成されている。冷凍サイクルには、例えば、冷媒として代替フロン(HFC134a)が利用される。また、冷凍サイクルを構成する各機器の連結には、銅管がよく用いられ、溶接方式で連結される。
【0034】
圧縮機31は、冷凍サイクルにおける低温・低圧の冷媒ガス(作動媒体ガス)を圧縮し、圧力を高めて高温化する機器である。本実施の形態では、圧縮機31は、冷媒ガスの温度を45℃程度にまで高温化している。
【0035】
放熱器32は、圧縮機31によって高温・高圧となった冷媒ガスと空気(排気流2)との間で熱交換することによって、熱を外部(冷凍サイクル外)に放出させる機器である。このとき、冷媒ガスは、高圧下で凝縮されて液化する。放熱器32では、導入される冷媒ガスの温度(45℃程度)が空気の温度より高いため、熱交換すると、空気は昇温され、冷媒ガスは冷却される。なお、放熱器32は、凝縮器ともいう。
【0036】
また、放熱器32は、後述する水導入部38の下方にまで延伸して配置されている。そして、放熱器32は、排気風路4内に配置されて排気流2が流通する第一領域32aと、給気風路5内に配置されて給気流3が流通する第二領域32bとに区分される。第一領域32aと第二領域32bとは、それぞれの領域に流れる空気(排気流2、給気流3)が混合しないように区画されているが、熱的には連結して構成されている。つまり、第一領域32aが冷却されれば第二領域32bも連動して冷却される一方、第二領域32bが冷却されれば第一領域32aも連動して冷却される。
【0037】
膨張器33は、放熱器32によって液化した高圧の冷媒を減圧して元の低温・低圧の液体とする機器である。なお、膨張器33は、膨張弁ともいう。
【0038】
吸熱器34は、膨張器33を流通した冷媒が空気から熱を奪って蒸発し、液状の冷媒を低温・低圧の冷媒ガスとする機器である。吸熱器34では、導入される冷媒の温度が空気の温度より低いため、熱交換すると、空気が冷却され、冷媒が昇温される。なお、吸熱器34は、蒸発器ともいう。
【0039】
熱交換器35は、顕熱型の熱交換素子を備えた熱交換器である。熱交換器35は、従来の除湿装置100における熱交換器111(図5参照)と同様、吸熱器34と放熱器32との間の空間に配置されている。熱交換器35の内部には、所定の方向に空気が流れる第一流路36と、この第一流路36と略直交する方向に空気が流れる第二流路37と、を備える。第一流路36は、吸熱器34から導入される空気を、放熱器32に導出する流路である。第二流路37は、熱交換形換気装置10から導入された空気を、放熱器32に導出する流路である。そして、熱交換器35は、第一流路36を流れる空気と第二流路37を流れる空気との間で顕熱のみ交換する。
【0040】
水導入部38は、除湿処理において結露の発生により生じた水(結露水)を漏斗状の集水部で集め、放熱器32に導入するための機器である。具体的には、水導入部38は、吸熱器34および熱交換器35の下方に設けられ、吸熱器34において結露した水(結露水34a)と熱交換器35において結露した水(結露水35a)とを集水し、放熱器32に導入する。放熱器32への水の導入は、例えば、水導入部38からの自然落下により行われる。放熱器32に導入された水(結露水34a、結露水35a)は、放熱器32を構成する放熱パイプ等の表面に付着し、放熱器32の熱によって温度上昇または気化する。ここで、温度上昇した水は、放熱器32の下方に流れ落ち、住宅施設の排水設備に接続された排水管39から排水される。一方、気化した水は、放熱器32を流通する給気流3によって給気風路5に導出されて室内に放出される。なお、気化する水はごく一部であるが、気化した水によって給気風路5に導出する給気流3の湿度が上昇する。このため、本実施の形態では、給気風路5に導出する給気流3の湿度を、気化する水によって上昇する湿度量を反映させて制御している。
【0041】
次に、熱交換形換気装置10と除湿装置30との間での気流(排気流2、給気流3)の流れについて図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、熱交換後の気流(排気流2、給気流3)または風路(排気風路4、給気風路5)は、熱交換形換気装置10における熱交換素子12を通過した後の気流または風路を示し、熱交換前の気流または風路は、熱交換素子12を通過する前の気流をまたは風路を示すものとする。
【0042】
図3に示すように、熱交換形換気装置10には、熱交換後の排気風路4に切替ダンパ40が設置され、熱交換後の給気風路5に切替ダンパ41が設置されている。切替ダンパ40は、排気風路4を流通する排気流2を屋外に流す状態と、排気風路4を流通する排気流2を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。また、切替ダンパ41は、給気風路5を流通する給気流3を屋内に流す状態と、給気風路5を流通する給気流3を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。
【0043】
除湿機能付き熱交換形換気装置50では、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れる状態とすることで、熱交換後の給気流3に対して除湿が実行される。除湿の詳細については後述する。なお、除湿の必要がない冬季などの場合には、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れない状態とすることで、除湿装置30に起因した圧力損失の上昇が抑制され、除湿機能付き熱交換形換気装置50として、年間を通じての省エネルギーでの運転を実現することができる。
【0044】
また、図3に示すように、除湿装置30には、内部に導入される熱交換後の給気流3を、2つの気流(第一給気流3a、第二給気流3b)に分割する分岐ダンパ42が設置されている。第一給気流3aは、吸熱器34に導入され、第一流路36を流通する気流であり、第二給気流3bは、熱交換器35に導入され、第二流路37を流通する気流である。分岐ダンパ42は、第一給気流3aの風量と第二給気流3bの風量の比率を可変に構成されている。つまり、分岐ダンパ42は、ダンパの角度(熱交換後の給気流3の分岐割合)を調整することによって、第二給気流3bに対する第一給気流3aの割合を容易に増減させることが可能となっている。ここで、第一給気流3aは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の一部分」に相当し、第二給気流3bは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の他の部分」に相当する。
【0045】
除湿装置30では、分割された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34、熱交換器35の第一流路36、放熱器32の順に流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気風路5に導出される。一方、第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路37、放熱器32の順に流通した後に、熱交換後の給気風路5に導出される。本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換器35を流通した第一給気流3aと熱交換器35を流通した第二給気流3bとを合流させた後に、熱交換後の給気風路5に導出するように構成されている。これにより、室内に送風される給気流3としての温度調整がなされる。室内に送風される給気流3の温度調整方法については後述する。
【0046】
一方、除湿装置30に導入された排気流2は、放熱器32を流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の排気風路4に導出される。つまり、本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換形換気装置10から導入される排気流2によって放熱器32が冷却されるように構成されている。
【0047】
次に、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50の除湿の動作について説明する。
【0048】
まず、除湿機能付き熱交換形換気装置50を運転することによって、排気ファン13と給気ファン16が駆動し、熱交換形換気装置10の内部には、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3とが生じる。
【0049】
例えば、夏季において、排気流2は、エアコンなどによって快適な温度湿度に空調された屋内の空気であり、給気流3は、高温多湿の屋外の空気である。
【0050】
排気流2と給気流3とは、熱交換形換気装置10の内部で顕熱と潜熱が交換される。この際、高温多湿の給気流3から排気流2に水分が移動するため、給気流3の水分が除去される。つまり、熱交換形換気装置10の内部での全熱交換によって、給気流3に対する除湿(第一除湿)がなされる。
【0051】
次に、熱交換後の給気流3は、除湿装置30に導入されて除湿される。具体的には、除湿装置30に導入された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34によって冷却される。これにより、第一給気流3aの温度が露点温度以下となり、第一給気流3aが結露するので、第一給気流3aの水分が除去される。つまり、吸熱器34を流通することによって、第一給気流3aに対する除湿(第二除湿)がなされる。
【0052】
加えて、除湿装置30に導入された給気流3のうち残りの第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路37に流入し、第一流路36内の吸熱器34で冷却された第一給気流3aと熱交換される。これにより、第二流路37内の第二給気流3bが冷却されて結露するので、第二給気流3bの水分が除去される。つまり、熱交換器35で顕熱交換することによって、第二給気流3bに対する除湿(第三除湿)がなされる。
【0053】
つまり、除湿機能付き熱交換形換気装置50は、熱交換形換気装置10と吸熱器34と熱交換器35との各機器による除湿(第一除湿~第三除湿)によって、屋外の高温多湿の給気流3から水分を除去し、その際、必要な除湿量を確保している。
【0054】
次に、除湿機能付き熱交換形換気装置50の除湿動作時における除湿装置30の放熱器32の冷却について説明する。
【0055】
除湿装置30は、水導入部38が第二除湿において結露した水(結露水34a)と、第三除湿において結露した水(結露水35a)とを集水して放熱器32(放熱器32の第二領域32b)に導入する構成となっている。また、除湿装置30は、熱交換形換気装置10の排気風路4から排気流2を導入し、導入された排気流2が放熱器32(放熱器32の第一領域32a)を流通する構成となっている。つまり、本実施の形態では、除湿装置30は、水導入部38から放熱器32に導入される水の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置10からの排気流2(除湿を必要する夏季において、給気流3よりも温度が低い排気流)の空気熱とによって放熱器32が冷却されるように構成されている。なお、放熱器32から熱を奪った排気流2は、排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。
【0056】
一方、除湿装置30は、除湿された給気流3が放熱器32(放熱器32の第二領域32b)を流通する構成となっている。つまり、除湿された給気流3もまた放熱器32を冷却している。しかしながら、本実施の形態では、放熱器32が、水導入部38から導入される水と、熱交換形換気装置10からの排気流2とによって冷却されているので、従来のように給気流3のみを流通させて冷却する場合に比べて、除湿装置30から給気風路5に導出される給気流3の温度上昇を抑制することができる。
【0057】
次に、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50における給気流3の温度調整方法について説明する。
【0058】
除湿機能付き熱交換形換気装置50には、図3に示すように、分岐ダンパ42の分岐割合の制御に関連して、熱交換前の排気流2の空気温度を検出する第一温度センサ45と、除湿装置30の熱交換器35を流通して合流した後の給気流3(第一給気流3aと第二給気流3bの混合気流)の空気温度を検出する第二温度センサ46と、分岐ダンパ42を制御する制御部(図示せず)と、を有する。
【0059】
制御部は、第一温度センサ45によって検出した温度に基づいて、分岐ダンパ42の分岐割合を調整させ、第二温度センサ46によって検出される温度が所定の温度範囲となるように分岐ダンパ42を制御する。具体的には、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が高い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を増加させ、除湿後の給気流3の温度を下降させる。一方、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が低い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を減少させ、給気流3の温度を上昇させる。これにより、除湿機能付き熱交換形換気装置50では、第一温度センサ45(屋内から吸い込んだ熱交換前の排気流2)と同等の温度となる給気流3を給気することが可能となる。
【0060】
以上、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50によれば、以下の効果を享受することができる。
【0061】
(1)除湿装置30は、除湿処理において結露した水(結露水34a、結露水35a)を放熱器32に導入する水導入部38を備え、水導入部38から導入される水と、除湿装置30に導入される排気流2とによって放熱器32を冷却する構成とした。これにより、除湿装置30における放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、水導入部38から放熱器32に導入される水(結露水34a、結露水35a)の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置10からの排気流2(除湿を必要する夏季において、給気流3よりも温度が低い排気流)の空気熱とによって得ることができるため、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後に放熱器32を流通する給気流3の温度上昇を抑制することができる。この結果、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風することができる。つまり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置50とすることができる。
【0062】
(2)除湿装置30では、除湿装置30において除湿された給気流3は、水導入部38から導入された水(結露水34a、結露水35a)によって冷却された放熱器32の第二領域32bを流通して給気風路5に導出される一方、除湿装置30に導入された排気流2は、水導入部38から導入された水によって第二領域32bを介して冷却された第一領域32aを流通して排気風路4に導出される構成とした。これにより、水導入部38から導入された水が、除湿後の給気流3が流通する放熱器32の第二領域32bを直接冷却するので、給気流3の温度上昇を確実に抑制することができる。
【0063】
(3)除湿装置30では、水導入部38は、吸熱器34において結露した水(結露水34a)と、熱交換器35において結露した水(結露水35a)とを集水して放熱器32に導入するように構成した。これにより、放熱器32に導入する水の量をさらに増加させることができるので、放熱器32を安定して冷却することが可能となる。
【0064】
(4)除湿装置30では、除湿装置30から室内に供給される給気流3の温度は、第一給気流3aの風量と第二給気流3bの風量の比率を制御することによって調節する構成とした。これにより、吸熱器34によって冷却された気流(第一流路36を流通した第一給気流3a)によって、第二流路37を流通した第二給気流3bの温度をさらに低下させることができるので、室内に供給される給気流3の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
【0065】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aは、除湿装置30aにおける放熱器32全体が排気風路4内に配置されて排気流2が流通するように構成されている一方、除湿された給気流3が放熱器32を流通しないように構成されている点で実施の形態1と異なる。これ以外の除湿機能付き熱交換形換気装置50aの構成は、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0066】
本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aについて、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
【0067】
除湿機能付き熱交換形換気装置50aにおける除湿装置30aでは、冷凍サイクルを構成する放熱器32は、全体が排気風路4内に配置され、それ以外の各機器(圧縮機31、膨張器33、吸熱器34、熱交換器35)は排気風路4外に配置されている。つまり、水導入部38は、排気風路4内に配置された放熱器32に対して、除湿処理によって結露した水(結露水34a、結露水35a)を導入するように構成されている。
【0068】
また、図4に示すように、除湿装置30aでは、分割された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34、熱交換器35の第一流路36の順に流通した後に、放熱器32を流通することなく、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気風路5に導出される。一方、第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路37を流通した後に、放熱器32を流通することなく、熱交換後の給気風路5に導出される。そして、除湿装置30aは、熱交換器35を流通した第一給気流3aと熱交換器35を流通した第二給気流3bとを合流させた後に、熱交換後の給気風路5に導出するように構成されている。
【0069】
次に、除湿機能付き熱交換形換気装置50aの除湿動作時における除湿装置30aの放熱器32の冷却について説明する。
【0070】
除湿装置30aは、水導入部38が第二除湿において結露した水(結露水34a)と、第三除湿において結露した水(結露水35a)とを集水して、排気風路4内の放熱器32に導入する構成となっている。また、除湿装置30aは、熱交換形換気装置10の排気風路4から排気流2を導入し、導入された排気流2が放熱器32を流通する構成となっている。つまり、本実施の形態では、除湿装置30aは、水導入部38から放熱器32に導入される水の顕熱または気化熱と、熱交換形換気装置10からの排気流2の空気熱とによって放熱器32が冷却されるように構成されている。なお、放熱器32から熱を奪った排気流2は、排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。
【0071】
一方、除湿装置30aでは、除湿された給気流3が放熱器32を流通しないように構成されている。つまり、除湿された給気流3(第一給気流3a、第二給気流3b)は、放熱器32を流通することなく給気風路5に導出されるので、除湿処理に起因した給気流3(第一給気流3aと第二給気流3bの混合気流)の温度上昇が生じることはない。
【0072】
以上、本実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aによれば、以下の効果を享受することができる。
【0073】
(5)除湿装置30aでは、給気風路5に導出される給気流3(除湿された給気流3)は、放熱器32を流通することなく給気風路5に導出される一方、除湿装置30aに導入された排気流2は、水導入部38から導入された水(結露水34a、結露水35a)によって冷却された放熱器32を流通して排気風路4に導出される構成とした。これにより、除湿後の空気(給気流3)が放熱器32を流通することなく室内に吹き出されるので、除湿に伴って生じる温度上昇を確実に抑制することができる。つまり、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置50aとすることができる。
【0074】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0075】
本実施の形態1、2では、熱交換器35として、顕熱型の熱交換素子を用いたが、顕熱型の熱交換素子としては、熱交換素子の第一流路36と第二流路37を構成する部材が撥水性(疎水性)を有することが好ましい。撥水性(疎水性)を有する部材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂部材が用いられる。このようにすることで、熱交換素子の内部で発生した結露水35aが、熱交換素子の外部に流れ出やすくなるので、結露水35aに起因した熱交換器35の熱交換効率の低下を招くことなく、除湿することが可能となる。
【0076】
また、本実施の形態1では、放熱器32として、一つの放熱器を第一領域32aと第二領域32bとに区画して用いたが、これに限られない。例えば、放熱器32を、第一領域32aに対応する第一放熱器(排気風路側放熱器)と第二領域32bに対応する第二放熱器(給気風路側放熱器)との二つの放熱器で構成し、第一放熱器と第二放熱器とを銅管などで熱的に連結するように構成してもよい。このようにすることで、除湿機能付き熱交換形換気装置50の内部での放熱器32の配置自由度を高めることができる。
【0077】
また、本実施の形態1、2では、水導入部38は、放熱器32に対して結露した水(結露水34a、結露水35a)を導入するように構成したが、これに限られない。例えば、冷凍サイクルを構成する放熱器32と膨張器33とを連結する銅管に対して結露した水を導入するように構成してもよい。このようにすることで、除湿機能付き熱交換形換気装置50の内部での放熱器32の冷却構造を簡素化することができる。
【0078】
また、本実施の形態1、2では、水導入部38は、吸熱器34において結露した水(結露水34a)と熱交換器35において結露した水(結露水35a)とを集水し、放熱器32に導入するように構成したが、これに限られない。例えば、水導入部38は、吸熱器34において結露した水(結露水34a)のみを集水し、放熱器32に導入するように構成してもよい。
【0079】
また、本実施の形態1、2では、水導入部38は、放熱器32への水の導入を自然落下により行うようにしたが、これに限られない。例えば、漏斗状の水導入部38の先端管部分に水ノズルを設け、水ノズルから放熱器32に対して水を霧状に噴霧するように構成してもよい。このようにすることで、水導入部38は、放熱器32を構成する放熱パイプ等の表面の広範囲に水を導入できるので、より効果的に放熱器32を冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を用いた場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能とするものであるので、屋内と屋外の熱交換を可能とする熱交換形換気装置として有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 家
2 排気流
3 給気流
3a 第一給気流
3b 第二給気流
4 排気風路
5 給気風路
10 熱交換形換気装置
11 本体ケース
12 熱交換素子
13 排気ファン
14 内気口
15 排気口
16 給気ファン
17 外気口
18 給気口
30 除湿装置
30a 除湿装置
31 圧縮機
32 放熱器
32a 第一領域
32b 第二領域
33 膨張器
34 吸熱器
34a 結露水
35 熱交換器
35a 結露水
36 第一流路
37 第二流路
38 水導入部
39 排水管
40 切替ダンパ
41 切替ダンパ
42 分岐ダンパ
45 第一温度センサ
46 第二温度センサ
50 除湿機能付き熱交換形換気装置
50a 除湿機能付き熱交換形換気装置
100 除湿装置
101 空気吸込口
102 本体ケース
103 除湿部
104 空気吹出口
105 圧縮機
106 放熱器
107 膨張器
108 吸熱器
109 第一流路
110 第二流路
111 熱交換器
図1
図2
図3
図4
図5