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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20221216BHJP
   D06F 33/43 20200101ALI20221216BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
D06F39/10 E
D06F33/43
D06F39/08 321
D06F39/08 331
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019557311
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(86)【国際出願番号】 JP2018043914
(87)【国際公開番号】W WO2019107478
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2017231344
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 敏之
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158817(JP,A)
【文献】特開平09-182896(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104153162(CN,A)
【文献】特開2012-085774(JP,A)
【文献】実公昭46-012543(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00-39/10
D06F 58/02-58/08
D06F 58/20-58/26
D06F 33/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に弾性的に支持された外槽と、
前記外槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、
前記洗濯槽を回転駆動する第1のモータと、
前記外槽内の洗濯水を循環させるための水路と、
前記水路に設けられ、前記水路に流れる前記洗濯水に含まれる異物を分離する遠心分離部と、
前記水路に設けられ、前記洗濯水を前記外槽と前記遠心分離部との間で循環させるポンプ部と、
前記外槽内の前記洗濯水を排水する排水路と、
前記排水路に設けられた排水弁と、
洗濯運転を制御する制御部と、を備え、
前記遠心分離部は、前記水路に接続されたケースと、前記ケース内に回転可能に設けられ、前記洗濯水がその内部を通過する回転筒と、前記回転筒を回転駆動する第2のモータと、を有し、
前記水路は、前記洗濯水の循環時における下流側の端部に出口を有し、
前記出口は、前記水路から前記外槽内に向けて開口するとともに、前記洗濯運転において設定される水位より低い位置に配置され、
前記制御部は、前記外槽内の前記洗濯水の排水時において、前記排水弁を開状態として、前記洗濯水が、前記水路および前記遠心分離部を遠心分離時の循環方向と逆方向へ流れて排水されるように構成された、
洗濯機。
【請求項2】
前記出口近傍に、フィルタが設けられた、
請求項に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御部は、前記排水時に、前記第2のモータによって前記回転筒を回転駆動させるように構成された、
請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記制御部は、前記排水時に、前記第2のモータによって、前記回転筒を、遠心分離時の回転数よりも低い回転数で回転駆動させるように構成された、
請求項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記制御部は、前記排水時に、前記第2のモータを制御して、
前記回転筒を間欠的に回転駆動させる、
前記回転筒を正回転及び逆回転のいずれか一方向に回転駆動させる、及び、
前記回転筒を正回転及び逆回転の両方向へ回転駆動させる、
のうちの少なくともいずれか一つを行うように構成された、
請求項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類等の繊維製品の洗濯を行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機においては、洗濯中に洗濯物から遊離した汚れ等の異物を、洗濯水から分離して洗濯水を浄化し、分離した異物が洗濯物へ再付着することを防止することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、従来の洗濯機の概略構成を示す図である。図9に示すように、第1の給水管51、第2の給水管52及び第3の給水管53で構成された風呂水供給路に、サイクロン式分離器54が設けられている。洗濯時に風呂水供給ポンプ55が駆動されると、ドラム56内の水が接続管57からサイクロン式分離器54に導入され、サイクロン式分離器54で、洗濯物から遊離した汚れ及び糸屑等の不純物が取り除かれる。不純物が取り除かれた水は、第2の給水管52及び第1の給水管51を通してドラム56内に戻される。サイクロン式分離器54で取り除かれた不純物は、サイクロン式分離器54の下方に設けられた収集容器58に留められる。
【0004】
洗濯が終了すると、接続管57に設けられた弁59、及び排水弁60が、開放される。ドラム56内の洗濯水は、接続管57、サイクロン式分離器54及び収集容器58を経由して排水される。このとき、収集容器58に収集された不純物も、洗濯水とともに排水ホース61を通して洗濯機の外部へ排出される。
【0005】
また、洗濯槽の回転軸が鉛直方向に設定された、いわゆる縦型洗濯機において、サイクロン糸屑分離器によって、洗濯水に混在する糸屑及び固形物質を分離することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。洗濯水とともに分離された糸屑及び固形物質は、洗濯後に洗濯機の外部へ排出される。
【0006】
また、水溶液中に混入した異物を遠心分離するとともに、分離された異物を分離槽の内壁に堆積させることが考えられている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3においては、分離槽の中央部から、堆積した異物に対して液体を噴射させ、異物を除去することが提案されている。
【0007】
一般的に、洗濯物に付着している汚れは、人体の垢及び皮脂、泥、並びに、飲食物の食べこぼし等である。そして、洗濯運転中に、これらの異種の汚れが洗濯物から遊離して、洗濯水に混じる。洗濯水に含まれる異物には、洗濯物から遊離した皮脂等のように、水より比重の軽いもの及び微細なものが含まれる。
【0008】
しかしながら、これらを液体サイクロンで分離することは難しい。また、分離できた場合であっても、異物が循環する洗濯水へ再混入することを防止するために、分離された異物を液体サイクロンの内部に留め置くことは困難である。
【0009】
また、異物を遠心分離させた場合であっても、次のような問題がある。すなわち、洗濯水から分離された、汚れ物質等の微細な異物は、遠心分離部内に付着して集積され、膜状に堆積する。膜状に堆積した異物は、除去することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2005-152212号公報
【文献】特開2001-70694号公報
【文献】特開平8-243556号公報
【発明の概要】
【0011】
本開示は、洗濯運転により汚れた洗濯水から、汚れ物質等の異物を分離して洗濯水を浄化するとともに、洗濯水から分離された異物を適切に排出できる洗濯機を提供する。
【0012】
具体的には、本開示に係る洗濯機は、筐体と、筐体内に弾性的に支持された外槽と、外槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽を回転駆動する第1のモータと、外槽内の洗濯水を循環させるための水路と、水路に設けられ、水路に流れる洗濯水に含まれる異物を分離する遠心分離部と、水路に設けられ、洗濯水を外槽と遠心分離部との間で循環させるポンプ部と、外槽内の洗濯水を排水する排水路と、排水路に設けられた排水弁と、洗濯運転を制御する制御部と、を備える。遠心分離部は、水路に接続されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、洗濯水がその内部を通過する回転筒と、回転筒を回転駆動する第2のモータと、を有し、制御部は、外槽内の洗濯水の排水時において、排水弁を開状態として、洗濯水が、遠心分離部を遠心分離時と逆方向へ流れて排水されるように構成されている。
【0013】
このような構成により、遠心分離部で生成される高速の旋回流により、洗濯物から遊離した汚れ物質等の異物を洗濯水から分離して、洗濯水を浄化することができる。また、洗濯水から分離された異物は、排水時に遠心分離部内を遠心分離時と逆方向へ流れる洗濯水により洗濯機の外部へ排出されるため、遠心分離部が清浄な状態に保たれ、雑菌の増殖等による不快臭の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の実施の形態における洗濯機の概略構成を示す図である。
図2図2は、図1に示す洗濯機の一部をF-F方向から見た図である。
図3図3は、本開示の実施の形態における洗濯機のフィルタの外観の一部を示す図である。
図4図4は、同実施の形態における洗濯機の遠心分離部を拡大した断面図である。
図5図5は、図4に示す遠心分離部をD-D線で切断した断面図である。
図6図6は、図4に示す遠心分離部をE-E線で切断した断面図である。
図7図7は、本開示の実施の形態における洗濯機のブロック構成図である。
図8図8は、同実施の形態における洗濯機の排水時の動作を示すタイムチャートである。
図9図9は、従来の洗濯機の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の一態様に係る洗濯機は、筐体と、筐体内に弾性的に支持された外槽と、外槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、洗濯槽を回転駆動する第1のモータと、外槽内の洗濯水を循環させるための水路と、水路に設けられ、水路に流れる洗濯水に含まれる異物を分離する遠心分離部と、水路に設けられ、洗濯水を外槽と遠心分離部との間で循環させるポンプ部と、外槽内の洗濯水を排水する排水路と、排水路に設けられた排水弁と、洗濯運転を制御する制御部と、を備える。遠心分離部は、水路に接続されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、洗濯水がその内部を通過する回転筒と、回転筒を回転駆動する第2のモータと、を有し、制御部は、外槽内の洗濯水の排水時において、排水弁を開状態として、洗濯水が、遠心分離部を遠心分離時と逆方向へ流れて排水されるように構成されている。
【0016】
このような構成によって、遠心分離部で生成される高速の旋回流により、洗濯物から遊離した汚れ物質等の異物を洗濯水から分離して、洗濯水を浄化することができる。また、洗濯水から分離された異物は、排水時に遠心分離部内を遠心分離時と逆方向へ流れる洗濯水により洗濯機の外部へ排出されるため、遠心分離部が清浄な状態に保たれ、雑菌の増殖等による不快臭の発生を抑制することができる。
【0017】
本開示の他の一態様に係る洗濯機は、さらに、水路が、洗濯水の循環時における下流側の端部に出口を有し、出口は、水路から外槽内に向けて開口するとともに、洗濯運転において設定される水位より低い位置に配置されてもよい。
【0018】
このような構成によって、排水時は、外槽内の洗濯水が水路の出口を介して遠心分離部に流入し、排水される。これにより、洗濯水が遠心分離部内を遠心分離時と逆方向へ流れ、遠心分離部に付着した異物が洗濯機の外部へ排出される。
【0019】
本開示の他の一態様に係る洗濯機は、さらに、出口近傍に、フィルタが設けられていてもよい。
【0020】
このような構成によって、洗濯時に洗濯物から外れた釦等が、水路へ侵入するのを防止することができる。
【0021】
本開示の他の一態様に係る洗濯機は、制御部が、排水時に、第2のモータによって回転筒を回転駆動させるように構成されていてもよい。
【0022】
このような構成によって、回転筒の内周面に付着した異物に対して、旋回流から生じるせん断力が作用し、異物が内周面から剥がれ易くなる。従って、異物が洗濯機の外部へ排出され、遠心分離が清浄な状態に保たれる。
【0023】
本開示の他の一態様に係る洗濯機は、制御部が、排水時に、第2のモータによって、回転筒を、遠心分離時の回転数よりも低い回転数で回転駆動させるように構成されていてもよい。
【0024】
このような構成によって、異物が回転筒の内周面に強い遠心力で押し付けられることを回避することができる。また、遠心分離部内に流入した洗濯水は、回転筒の回転駆動にともなって旋回流となる。これにより、回転筒の内周面に付着した異物に対して、旋回流から生じるせん断力が作用し、異物が内周面から剥がれ易くなる。
【0025】
本開示の他の一態様に係る洗濯機は、制御部が、排水時に、第2のモータを制御して、回転筒を間欠的に回転駆動させる、回転筒を正回転及び逆回転のいずれか一方向に回転駆動させる、及び、回転筒を正回転及び逆回転の両方向へ回転駆動させる、のうちの少なくともいずれか一つを行うように構成されていてもよい。
【0026】
このような構成によって、回転筒内に乱れた水流が発生し、回転筒の内周面に付着した異物は、より剥がれ易くなる。
【0027】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態)
[1.構成]
[1-1.洗濯機の全体構成]
図1は、本開示の実施の形態における洗濯機の概略構成を示す図である。図1における左側が、洗濯機100の前面側を示す。
【0029】
図1に示すように、洗濯機100は、洗濯機100の外枠を構成する筐体2と、筐体2の内部に設けられた外槽1と、外槽1の内部に設けられた洗濯槽4と、を有する。
【0030】
洗濯機100には、制御部22が設けられている。また、洗濯機100の前面側(図1における左側)の上部に、操作表示部26が設けられている。
【0031】
外槽1及び洗濯槽4は、有底筒状に構成されている。外槽1は、筐体2の内部において、複数のサスペンション機構3によって弾性的に支持されている。洗濯槽4の前面側には、使用者が衣類等の繊維製品(以下、洗濯物5という)を出し入れするための投入口6が設けられている。
【0032】
洗濯槽4は、槽回転軸7を中心として回転可能に設けられている。洗濯槽4は、洗濯物5を収容する。洗濯槽4の内周の壁面には、内方へ突出させた複数(例えば、3個)のバッフル8が設けられている。内周の側面には、さらに、多数の小孔9が設けられている。外槽1内において、洗濯槽4の、内側及び外側は、小孔9を介して連通されている。
【0033】
外槽1と、洗濯槽4及び槽回転軸7は、水平に対して角度θ(例えば、20°)だけ前面側が上方に傾けられて設けられている。洗濯槽4は、外槽1の背面側に設けられたモータ(第1のモータ)10によって、正逆方向の回転が可能となるように構成されている。モータ10は、例えば、ブラシレス直流モータで構成されており、制御部22のインバータ制御によって、その回転速度が自在に変化させられるように構成されている。
【0034】
筐体2の前面側には、洗濯物5が出し入れされる投入口6を開閉する扉11が設けられている。扉11は、前面側から見て略円形状に構成されている。外槽1の開口部1a、及び、筐体2の開口部2aは、洗濯槽4の投入口6と対向して形成されている。外槽1の開口部1aと筐体2の開口部2aとは、伸縮自在な蛇腹状の可撓性を有するパッキン12によって、気密構成が確保された状態で連結されている。
【0035】
筐体2の後部の上方には、給水口13が配置されており、給水口13は水道の蛇口13aと接続されている。給水口13の下流側に給水弁14が設けられており、給水弁14の開閉動作によって、給水とその停止が行われる。給水口13から供給された洗濯水(水道水)は、矢印Aのように流れて洗剤ケース15に流入し、洗剤ケース15内に投入された洗剤を溶かしながら、外槽1へ流入する。
【0036】
矢印Bのように、洗剤ケース15の洗剤投入部15aは、洗剤ケース15から前面側へ引き出されるように構成されている。これにより、使用者は、洗剤を洗剤ケース15内へ容易に投入することができる。
【0037】
図2は、図1に示す洗濯機の一部をF-F方向から見た図である。
【0038】
図2に示すように、外槽1の下部には、下方へ凸状に膨らんだ膨出部1bが設けられている。膨出部1bは、前面側が上方に向けて傾けられた外槽1の傾斜に沿って、前後方向に延設されており、膨出部1bの内部は溝状に形成されている。
【0039】
図1に示すように、膨出部1bの後端に、外槽1内の洗濯水を排出する排水口16が設けられている。排水口16には、排水路18が連結されている。排水路18には、排水弁17が設けられている。排水弁17が制御部22によって開閉駆動されることで、外槽1内の洗濯水の排水と、その停止が行われる。排水弁17は、洗濯水を排水させる機能を有する排水部を構成している。
【0040】
排水路18には、水路19が接続されている。排水路18は、パイプ状に構成されている。
【0041】
水路19は、外槽1内の洗濯水を循環させるために設けられている。水路19の一端は、排水口16と排水弁17との間で排水路18に接続されている。水路19の他端は、外槽1の前面側の下部に接続されている。本実施の形態では、水路19の他端は、外槽1の底部に設けられた膨出部1bの前寄りの下部に接続されている。水路19は、水路19の当該他端の近傍部分が、外槽1の下方において、洗濯機100の前後方向に延設されている。
【0042】
水路19には、外槽1の下方に設けられた、後述の遠心分離部20が設けられている。水路19は、外槽1内の洗濯水を遠心分離部20へ流入させる第1の水路19a、及び、遠心分離部20を通過した洗濯水を外槽1内へ流入させる第2の水路19bを有している。
【0043】
外槽1、遠心分離部20、排水路18の一部、及び水路19によって、洗濯水の循環経路が構成されている。洗濯水は外槽1と遠心分離部20との間で循環する。
【0044】
また、水路19の一端には入口19cが設けられており、他端には出口19dが設けられている。入口19cは、第1の水路19aと排水路18との接続部において開口している。出口19dは、第2の水路19bと膨出部1bとの接続部において、第2の水路19bから外槽1内に向けて開口している。
【0045】
図3は、本実施の形態における洗濯機のフィルタの外観の一部を示す図である。図1に示すように、出口19dの近傍には、フィルタ19e(図3参照)が設けられている。フィルタ19eは、洗濯物5から外れた釦等が第2の水路19bへ侵入するのを防止する。
【0046】
また、排水路18の、第1の水路19aの入口19cと排水弁17の上流側には、排水フィルタ18aが設けられている。排水フィルタ18aは、洗濯運転の際等において洗濯物5から外れた釦等が、第1の水路19a又は排水路18へ侵入するのを防止する。排水フィルタ18aは、使用者が排水路18から着脱できるように設けられており、使用者は、捕集された釦等を取り出すことが可能である。
【0047】
外槽1内の洗濯水は、排水口16から排水路18を経由して水路19を流れる。
【0048】
洗濯水が遠心分離部20を通過する際に、後述するように、洗濯水に含まれる異物が洗濯水から分離される。異物には、洗濯物から遊離した汚れ及び糸屑、並びに、洗濯水に溶解された洗剤に含まれる水軟化剤等が含まれる。
【0049】
[1-2.遠心分離部]
図4は、本開示の実施の形態における洗濯機の遠心分離部を拡大した断面図である。図5は、図4に示す遠心分離部をD-D線で切断した断面図である。図6は、図4に示す遠心分離部をE-E線で切断した断面図である。
【0050】
図4に示すように、遠心分離部20は、ケース20aと、ケース20a内に回転可能に設けられた回転筒20bと、回転筒20bを回転駆動させる回転筒モータ(第2のモータ)20cと、を有している。
【0051】
回転筒20bは、円筒形であり、中空に構成されている。回転筒20bの内周面20dは円筒形である。回転筒20bは、第1の水路19aから回転筒20b内に洗濯水が流入する洗濯水入口20eと、回転筒20bから第2の水路19bへ洗濯水が流出する洗濯水出口20fと、を有している。回転筒20bの回転軸20gは鉛直方向に沿って配置されている。
【0052】
外槽1内の洗濯水は、第1の水路19aを通って回転筒20b底面の中央部に設けられた洗濯水入口20eから回転筒20b内に流入する。回転筒20b内に流入した洗濯水は、回転筒20bの上部に設けられた洗濯水出口20fから流出する。このとき、回転筒モータ20cが駆動されることにより、回転筒20bが回転し、回転筒20b内の洗濯水は遠心力を受ける。この遠心力によって、異物が洗濯水から遠心分離され、回転筒20bの内周面20dに向かう。
【0053】
回転筒20bは、回転筒モータ20cによって回転駆動される。回転筒20bの定格回転数aは、洗い工程又はすすぎ工程において、洗濯水が循環されて異物が遠心分離される回転数である。本実施の形態では、例えば、3500rpmに設定されている。なお、定格回転数aは、1つに限られるものではなく、複数段階に設定されてもよい。
【0054】
図1及び図4に示すように、遠心分離部20の洗濯水入口20eは、洗濯水出口20fの下方にある。すなわち、遠心分離部20に流入する洗濯水は、回転筒20b内において、回転軸20g方向に沿って下方から上方に向かって流れるように構成されている。遠心分離部20は、回転筒20b内に導入された洗濯水が、回転筒20b内で旋回し、回転筒20b内に高速の旋回流が発生するように構成されている。回転筒20bの回転軸20gを中心とした内周面20dの直径は、洗濯水入口20eの直径の最大径及び洗濯水出口20fの直径の最大径より大きく構成されている。
【0055】
洗濯水に作用する遠心力は、回転筒20bの中心である回転軸20gから内周面20dに向かうほど強い。従って、遠心力によって回転筒20bを通過する洗濯水から分離された異物は、内周面20dに近づくほど、大きな遠心力を受ける。
【0056】
このため、分離された異物は、強い遠心力で内周面20dに保持される。従って、遠心力によって洗濯水から分離された異物が、回転筒20bを通過する洗濯水の循環流に引き込まれ、洗濯物5に再付着することを防ぐことができるため、洗濯機の洗浄性能を向上させることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、図4に示すように、旋回流生成部20hが、遠心分離部20における洗濯水の流入側に設けられている。旋回流生成部20hは、ケース20aと一体的に形成されている。
【0058】
旋回流生成部20hには、第1の水路19aが接続されている。第1の水路19aは、回転筒20bを下方から見た場合に、旋回流生成部20hの外周の接線方向に沿って設けられており、旋回流生成部20hと接続されている(図6参照)。このような構成によって、洗濯水は、第1の水路19aから旋回流生成部20hへ旋回しながらスムーズに流入する。このため、洗濯水は、回転筒20bへも旋回成分を含んで流入し、旋回流がより効率的に発生する。
【0059】
第2の水路19bは、回転筒20bを上方から見た場合に、回転筒20bの外周の接線方向に沿って設けられている(図5参照)。このような構成によって、洗濯水は旋回流に沿うようにスムーズに第2の水路19bへ流出するため、回転筒20bが円滑に回転される。
【0060】
図1及び図4に示すように、ポンプ部21は、水路19の途中に設けられている。本実施の形態では、ポンプ部21は、遠心分離部20の上流側、すなわち第1の水路19aに設けられている。ポンプ部21は、遠心分離部20と別体に設けられている。
【0061】
ポンプ部21が駆動されると、外槽1内の洗濯水は、図1に示す矢印Cのように、水路19を流れて遠心分離部20を通過する。ポンプ部21は、このように、外槽1と遠心分離部20との間で洗濯水を循環させる。
【0062】
本実施の形態では、洗濯水が水路19を流れて循環流となって、遠心分離部20を通過するときの循環流の流速をV1、回転筒20b内で洗濯水が旋回するときの旋回流の流速をV2としたとき、旋回流の流速V2が循環流の流速V1より大きくなる、すなわち、V2>V1となるようにポンプ部21のポンプ能力が設定されている。
【0063】
これにより、遠心分離部20において異物の遠心分離が効率的に行われるとともに、分離された異物は回転筒20bの内周面20dに確実に保持される。
【0064】
[1-3.制御部]
洗濯機100は、制御部22を有する。図1に示すように、制御部22は、例えば筐体2内の下部に設けられている。
【0065】
図7は、本実施の形態における洗濯機のブロック構成図である。
【0066】
制御部22は、使用者が操作表示部26により設定した洗濯コースに基づいて、モータ10、給水弁14、排水弁17、回転筒モータ20c、及びポンプ部21等の駆動を制御し、洗濯運転を実行する。洗濯運転には、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程等が含まれる。
【0067】
また、制御部22は、回転筒モータ20cを制御して、所定の回転数で回転筒20bを回転駆動する。
【0068】
制御部22には、洗濯槽4に投入された洗濯物5の量を検知する布量検知部23の出力、外槽1内に給水された洗濯水の量を検知する水量検知部24の出力、及び洗濯槽4の回転を検知する回転検知部25等の出力が入力される。
【0069】
洗濯運転における洗い工程は、洗剤が溶解された洗濯水が外槽1内に給水され、洗濯槽4の回転によって洗濯物5の叩き洗いが行われ、洗濯物5の汚れが落とされる工程である。
【0070】
洗い工程に続いて、すすぎ工程が行われる。すすぎ工程では、例えば、第1の中間脱水、第1のすすぎ、第2の中間脱水、及び第2のすすぎ、の各工程が順に行われる。そして、すすぎ工程が終了すると、最後に脱水工程が行われる。
【0071】
[2.動作]
以上のように構成された洗濯機100について、以下その動作、作用を説明する。
【0072】
[2-1.洗濯運転]
まず、使用者が、筐体2の前面側に設けられた扉11を開いて投入口6から洗濯槽4に洗濯物5を投入する。次に、使用者が、筐体2の前面側の上部に設けられた操作表示部26の電源スイッチを入れ、スタートスイッチを操作して洗濯運転を開始させる。
【0073】
洗濯運転が開始されると、洗い工程が開始される。洗い工程において制御部22は、まず、洗濯槽4内に投入された洗濯物5の量を布量検知部23によって検知する。洗濯物5の量は、洗濯槽4を回転させたときに、モータ10にかかるトルク量又はモータ10の電流値等によって検知される。
【0074】
制御部22は、検知した洗濯物5の量に応じて、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程等の各工程の時間、及び洗濯水の量を設定する。また、制御部22は、洗濯物5の量に応じて予め設定されている洗剤量を操作表示部26に表示させる(図7参照)。
【0075】
使用者は、洗剤ケース15から洗剤投入部15aを引き出し、操作表示部26に表示された洗剤量を目安にして洗剤を投入した後、洗剤投入部15aを洗剤ケース15内へ移動させる(図1参照)。
【0076】
制御部22は、洗剤の投入が完了する時間が経過した後、給水弁14を開く。給水弁14が開かれると、洗濯水が給水口13から洗剤ケース15に流入する。洗濯水は、矢印Aに示されるように、投入されている洗剤を溶かしながら外槽1へと給水される。外槽1内の底部に溜まった洗濯水は、小孔9から洗濯槽4内に流入する(図1参照)。
【0077】
外槽1内に溜まった洗濯水の量は、水量検知部24で検知される。制御部22は、洗濯物5の量に応じて予め設定された設定水位(L1)となるまで洗濯水が給水されると、給水弁14を閉じる。
【0078】
制御部22は、給水が完了すると、モータ10を駆動して洗濯槽4を回転させる。洗濯槽4が回転すると、洗濯槽4内の洗濯物5はバッフル8によって回転方向へ持ち上げられて上方から落下し、洗濯槽4の底面又は洗濯槽4の底に溜まっている洗濯物5に叩きつけられる。
【0079】
このようにして、洗剤による化学力と併せて、機械力によって洗濯物5の叩き洗いが行われる。洗濯物5が叩き洗いされるときの洗濯槽4の回転数は、例えば、45rpmである。そして、所定時間毎にモータ10の回転方向が反転されることで、洗濯槽4は正回転及び逆回転の両方向に回転駆動される。
【0080】
[2-2.異物の遠心分離]
次に、図4を用いて、遠心分離部20による洗濯水の浄化、すなわち異物の遠心分離動作について説明する。
【0081】
洗い工程において、制御部22は、ポンプ部21を駆動させる。これにより、外槽1内の洗濯水は、排水口16から排水路18を経て、水路19の入口19cから第1の水路19aに流入する(図1参照)。そして、洗濯水は、遠心分離部20に到達し、旋回流生成部20hに流入する。
【0082】
洗濯水は、旋回流生成部20hに接線方向から流入することで、旋回成分が付与され、洗濯水入口20eから回転筒20b内に流入する。回転筒20b内に流入した洗濯水は、第2の水路19bに向かって流れる。このとき、回転筒20bは回転筒モータ20cによって回転駆動されている。このため、回転筒20b内には、洗濯水の高速の旋回流が発生する。
【0083】
洗濯水は、洗濯水入口20eから流入して回転筒20bを通過し、洗濯水出口20fから流出する。このとき、洗濯水に含まれる、洗濯水よりも比重が重い異物及びこれに付着した異物は、高速の旋回流による強い遠心力によって回転筒20bの内周面20dに向かう。これによって、洗濯水に含まれる汚れのうち、水より比重が重いもの(砂、髪の毛及び角質汚れなど)、及び、皮脂に代表される脂分等の水より比重が軽くても、水より比重が重いもの(糸屑など)に付着した汚れ等の異物は、洗濯水から分離される。従って、洗濯水に含まれた異物を分離することができる。
【0084】
また、洗濯水から分離された異物は、強い遠心力を受けて、回転筒20bの内周面20dに膜状に付着して堆積される。
【0085】
ここで、回転筒20b内において洗濯水は、回転筒20bの回転軸20g近傍では循環流として流れており、回転筒20bの洗濯水入口20e及び洗濯水出口20fの近傍は循環流で占められている。また、当該循環流より外側であって回転筒20bの内周面20dの内側を満たす洗濯水には、高速の旋回流により、回転筒20bの回転中心から内周面20dに向かう方向に、強い遠心力が作用している。
【0086】
従って、遠心力により洗濯水から分離された汚れ物質等の異物が、回転筒20bを通過する循環流に引き込まれて再び循環流に戻ることがない。このため、一度分離された汚れ物質等の異物が洗濯物5へ再付着することが防止され、洗濯機100の洗浄性能を向上させることができる。
【0087】
回転筒20b内で汚れ物質等の異物が分離された洗濯水は、洗濯水出口20fから第2の水路19bを通って外槽1に流入する。このように、外槽1内の洗濯水は、水路19を通して外槽1と遠心分離部20との間で循環する。これによって、洗濯水が浄化される。
【0088】
なお、洗濯水に含まれる異物の分離動作が行われるタイミングは、上述した洗い工程に限定されず、すすぎ工程において行われてもよい。すすぎ工程において異物を分離する場合には、すすぎ効果を向上させることができる。すすぎ工程においては、例えば、洗剤に含まれる洗浄助剤のうち、比重が水より重いゼオライトを除去することが可能である。
【0089】
[2-3.異物の排出]
次に、回転筒20bの内周面20dに保持されて蓄積された異物が、回転筒20bから脱離され、排出される動作について説明する。
【0090】
制御部22は、洗い工程が設定された所定時間行われた後、排水弁17を開くとともに、ポンプ部21を逆転駆動させる。これにより、外槽1内及び、遠心分離部20を含む水路19内の洗濯水が排水される。
【0091】
これにより、洗濯水から分離された異物は、排水時に遠心分離部20内を遠心分離時の逆方向へ流れる洗濯水により洗濯機100の外部へ排出される。このため、遠心分離部20が清浄な状態に保たれ、雑菌の増殖等による不快臭の発生を抑制することができる。
【0092】
本実施の形態では、水路19の出口19dは、洗濯運転において設定された設定水位(L1)より低い位置に設けられている。このため、洗い工程が終了するとき、出口19dは、外槽1内の洗濯水に水没した状態である。従って、外槽1内の洗濯水は、排水時において、水路19の出口19dからも流出し、第2の水路19bに流入する。すなわち、外槽1内の洗濯水は、排水口16及び出口19dを介して排水される。
【0093】
第2の水路19bに流入した洗濯水は、遠心分離部20を通って排水部である排水弁17に至る。このように、洗濯水の排水時は、外槽1内の洗濯水は、遠心分離部20を遠心分離時の流れの方向である矢印Cに示す方向とは逆方向へ流れて排水される。そして、この排水時の洗濯水の流れの作用により、遠心分離部20内が洗浄される。
【0094】
本実施の形態では、具体的には、遠心分離時において、洗濯水は、外槽1から、排水口16、排水路18、入口19c、第1の水路19a、ポンプ部21、遠心分離部20、第2の水路19b、及び出口19dの順に流れて、外槽1と遠心分離部20との間で循環する。
【0095】
これに対して、排水時において、洗濯水は、外槽1から、出口19d、第2の水路19b、遠心分離部20、ポンプ部21、第1の水路19a、入口19c、及び排水路18の順に、遠心分離時と逆方向へ流れて排水される。
【0096】
図8は、本実施の形態における洗濯機の排水時の動作を示すタイムチャートである。
【0097】
図8は、T1において排水が開始され、T2において排水が終了する場合を示している。図8に示すように、洗濯水の排水時は、T1からT2までの間、制御部22は、排水弁を開状態するとともに、ポンプ部21を逆転駆動させる。
【0098】
また、制御部22は、回転筒モータ20cを制御して、回転筒20bを、異物の遠心分離時の定格回転数aよりも低い回転数bで回転駆動させる。これにより、異物が回転筒20bの内周面20dに強い遠心力で押し付けられることを回避することができる。また、遠心分離部20内に流入した洗濯水は、回転筒20bの回転駆動にともなって旋回流となる。これにより、回転筒20bの内周面20dに付着した異物に対して、旋回流から生じるせん断力が作用し、異物が内周面20dから剥がれ易くなる。従って、異物が洗濯機100の外部へ排出され、遠心分離部20が清浄な状態に保たれる。
【0099】
また、回転数bは、回転筒20bの内周面20dに付着し、堆積された異物が、回転筒20bの内周面20dから脱離可能な回転数(例えば、50~100rpm)であってもよい。
【0100】
回転筒20bが、このような回転数bで回転駆動されることで、遠心分離部20内に流入した洗濯水によって旋回流が発生する。一方、回転筒20bの内周面20dに付着し、堆積された異物に作用する遠心力は小さい。このため、回転筒20bの内周面20dに付着し、堆積された異物に対しては、旋回流によって生じるせん断力の方が大きくなる。従って、回転筒20bの内周面20dに堆積された異物は、剥がれ易くなり、回転筒20bから脱離可能となる。
【0101】
また、制御部22は、回転筒モータ20cを制御して、回転筒20bを、正回転及び逆回転の両方向へ回転駆動させてもよい。例えば、正回転で1秒間の駆動と、逆回転で1秒間の駆動とが交互に繰り返されてもよい。
【0102】
さらに、回転筒20bは、間欠的に回転駆動されてもよい。例えば、正回転で1秒間の駆動と、1秒間の停止とが交互に繰り返されてもよい。この場合、回転筒20bの回転方向は、一方向であってもよいし、正回転及び逆回転に反転されもよい。これにより、回転筒20b内に乱れた水流が発生し、回転筒20bの内周面20dに付着した異物は、より剥がれ易くなる。
【0103】
すなわち、回転筒20bの回転数及び回転方向は、回転筒20bの内周面20dに付着した異物に対して、排水時に作用する遠心力よりも、旋回流によって異物に対して作用するせん断力の方が大きくなるように設定されてもよい。このようにして回転筒20bが回転駆動されることで、回転筒20bから異物を脱離させることができる。
【0104】
排水が進むにしたがって、外槽1内の洗濯水の水位は低下し、やがて、第2の水路19bの出口19dが水面から露出する。外槽1から第2の水路19bへの洗濯水の流出が止まると、遠心分離部20を含む水路19内の洗濯水が排水されるとともに、外槽1内の洗濯水は排水口16からのみ排水される。
【0105】
外槽1内及び、遠心分離部20を含む水路19内の洗濯水が、排水されて、洗濯機100の外部へ排出されると、制御部22は、ポンプ部21及び回転筒モータ20cの駆動を停止させる。その後、すすぎ工程に移行し、第1の中間脱水、及び第1のすすぎが行われる。
【0106】
なお、洗濯水の排水は、例えば、以下のタイミングで行われる。そして、これらの排水のタイミングにおいても、上述の場合と同様に、回転筒20bに堆積された異物を、洗濯水の排水とともに洗濯機100の外部に排出させてもよい。
【0107】
洗い工程が所定時間行われた後、すすぎ工程が開始される。すすぎ工程においては、まず、洗い工程で給水された洗濯水が排水される。このとき、洗い工程で集められた異物が排出される。そして、第1の中間脱水が行われる。これにより、洗濯物5に含まれる洗濯水が排水される。
【0108】
また、すすぎ工程において第1の中間脱水が行われた後、洗い工程と同様に、外槽1内に所定量の洗濯水が給水され、第1のすすぎが行われる。そして、洗濯槽4が正方向及び逆方向に回転制御されて、洗濯物5のすすぎが行われる。その後、排水され、第1のすすぎで集められた異物が排出される。そして、第2の中間脱水が行われ、これにより、洗濯物5に含まれる洗濯水が排水される。
【0109】
すすぎ工程の排水時においては、すすぎに使用された水を外槽1から遠心分離部20に流して、遠心分離部20内を洗浄することができる。すすぎ工程で外槽1から排水される洗濯水は、洗い工程で排水される洗濯水よりも汚れが少ないため、遠心分離部20内がより効果的に洗浄される。
【0110】
また、洗濯運転の最後に行われる脱水工程では、第2のすすぎで給水された洗濯水が排水され、異物が排出される。その後、モータ10により洗濯物5の入った洗濯槽4が高速で回転されて、洗濯物5の脱水が行われる。そして、脱水工程の終了により、洗濯運転が終了する。
【0111】
なお、洗濯水を循環させるポンプ部は、遠心分離部20と一体として構成されることも可能であるが、本実施の形態の洗濯機100においては、ポンプ部21は、遠心分離部20と別体に設けられている。従って、洗濯水から異物が分離される際の回転筒モータ20cの駆動と、排水時において外槽1と遠心分離部20との間で洗濯水を循環させる際のポンプ部21の駆動とを、個別に制御することができる。このため、異物の遠心分離による洗濯水の浄化と、分離された異物の排出及び遠心分離部20内の洗浄とが、最適に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示に係る洗濯機は、洗濯運転によって汚れた洗濯水から汚れ物質等の異物を分離して洗濯水を浄化するとともに、洗濯水から分離された異物を適切に排出できるので、洗濯機等として有用である。
【符号の説明】
【0113】
1 外槽
1a 開口部
1b 膨出部
2 筐体
2a 開口部
4 洗濯槽
5 洗濯物
6 投入口
7 槽回転軸
10 モータ(第1のモータ)
11 扉
12 パッキン
13 給水口
13a 蛇口
14 給水弁
15 洗剤ケース
15a 洗剤投入部
16 排水口
17 排水弁(排水部)
18 排水路
18a 排水フィルタ
19 水路
19a 第1の水路
19b 第2の水路
19c 入口
19d 出口
19e フィルタ
20 遠心分離部
20a ケース
20b 回転筒
20c 回転筒モータ(第2のモータ)
20d 内周面
20e 洗濯水入口
20f 洗濯水出口
20g 回転軸
20h 旋回流生成部
21 ポンプ部
22 制御部
23 布量検知部
24 水量検知部
25 回転検知部
26 操作表示部
100 洗濯機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9