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▶ ストーブリ エレクトリカル コネクターズ アーゲーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】コンタクト要素
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
H01R13/24
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2018562057
(86)(22)【出願日】2017-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2017062066
(87)【国際公開番号】W WO2017202708
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-02-18
(31)【優先権主張番号】16171340.9
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16171346.6
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16171341.7
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517369346
【氏名又は名称】ストーブリ エレクトリカル コネクターズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トム カフナー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アレキサンダー ストレーレル
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ヒルティ
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ウィルツ
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04456325(US,A)
【文献】特開昭63-037576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/00-13/08
H01R13/15-13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのコンタクト片(K1,K2)の間に電気コンタクトを形成するためのコンタクト要素(1)であって、
長手方向(L)に延びるキャリアストリップ(2)であって、力(F)が前記キャリアストリップ(2)に加えられたときに該キャリアストリップ(2)の長さが前記長手方向(L)で変化するように設計されている、キャリアストリップ(2)と、
複数のコンタクト部材(5,5a,5b)であって、それぞれの部材が、2つの前記コンタクト片(K1,K2)のうちの一方とコンタクトを形成するための少なくとも1つの第1のコンタクトセクション(6)と、2つの前記コンタクト片(K2,K1)のうちの他方とコンタクトを形成するための少なくとも1つの第2のコンタクトセクション(7)と、さらに、前記コンタクト部材(5,5a,5b)を前記キャリアストリップ(2)における固定スポット(3)に固定するための少なくとも1つの固定セクション(8)とを有する、複数のコンタクト部材(5,5a,5b)と、
を有する、前記コンタクト要素(1)。
【請求項2】
線(M)、特に中心線が、前記キャリアストリップの中央を通って長手方向に延びており、前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、該コンタクト部材(5,5a,5b)を回動軸線(S)を中心に回動させることができるように前記キャリアストリップ(2)に対して配置されており、前記回動軸線(S)は、前記線(M)に対して、30°未満の角度で角度方向に傾斜させられた形式で、特に実質的に平行に配置されていることを特徴とする、請求項1記載のコンタクト要素(1)。
【請求項3】
前記キャリアストリップの前記固定スポット(3)は、前記長手方向(L)で互いに対して所定の距離(A)を置いて配置された複数の固定突起(3)によって提供されており、前記力(F)が前記キャリアストリップ(2)に前記長手方向(L)で加えられたとき、互いに対する前記固定突起(3)の相対移動が可能であり、前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記固定セクション(8)によって前記キャリアストリップ(2)の前記固定突起(3)に固定されていることを特徴とする、請求項1又は2記載のコンタクト要素(1)。
【請求項4】
前記長手方向(L)で互いに続いている2つの各固定突起(3)は、ウェブ(4)によって互いに接続されていることを特徴とする、請求項3記載のコンタクト要素(1)。
【請求項5】
前記ウェブ(4)は、前記長手方向(L)に対して所定の角度(α)で角度方向に傾斜させられていることを特徴とする、請求項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項6】
中心線(M)が、前記キャリアストリップの中央を通って長手方向に延びており、前記中心線(M)に対して横方向に第1の側においてそれぞれ1つの第1の固定突起(3,3a)が配置されており、前記中心線(M)に対して横方向に第2の側においてそれぞれ1つの第2の固定突起(3,3b)が配置されており、前記ウェブ(4,4a)はそれぞれ、第1の固定突起(3,3a)と第2の固定突起(3,3b)とを接続しており、別のウェブ(4,4b)も、前記第2の固定突起(3,3b)を別の第1の固定突起(3,3c)に接続していることを特徴とする、請求項4又は5記載のコンタクト要素(1)。
【請求項7】
前記第1の固定突起(3,3a)に接続された第1のコンタクト部材(5,5a)は、当該第1のコンタクト部材(5,5a)の第1のコンタクトセクション(6)によって、前記第2の固定突起(3,3b)に接続された第2のコンタクト部材(5,5b)に向けられている、及び/又は、前記第2の固定突起(3,3b)に接続された前記第2のコンタクト部材(5,5b)は、当該第2のコンタクト部材(5,5b)の第1のコンタクトセクション(6)によって、前記第1の固定突起(3,3a)に接続された前記第1のコンタクト部材(5,5a)に向けられていることを特徴とする、請求項6記載のコンタクト要素(1)。
【請求項8】
第2のコンタクト部材(5,5b)の側からの接点移動の際に、前記第1のコンタクト部材(5,5a)がまず前記コンタクト片によって接触されるように、前記第1のコンタクトセクション(6)が、前記長手方向(L)に関して横方向で見て、第2のコンタクト部材(5,5b)を超えて延びるように、前記第1のコンタクト部材(5,5a)は、その固定突起(3,3a)から見て、延びていることを特徴とする、請求項又は記載のコンタクト要素(1)。
【請求項9】
第2のコンタクト部材(5,5b)が、2つの隣接する第1のコンタクト部材(5,5a)の間に配置された中間スペース(Z1)内へ延びており、第1のコンタクト部材(5,5a)が、2つの隣接する第2のコンタクト部材(5,5b)の間に配置された中間スペース(Z2)内へ延びていることを特徴とする、請求項のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項10】
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、対応する前記コンタクト部材(5,5a,5b)を前記キャリアストリップ(2)に接続させているそれぞれの前記固定スポット(3)から、前記長手方向(L)に延びる中心線(M)を超えて延びている、及び/又は、
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記キャリアストリップ(2)に対してそれぞれの側に配置されており、同じ側において互いに隣接して配置された2つのコンタクト部材(5,5a,5b)の間に中間スペースが設けられており、該中間スペース内に、他方の側に配置されたコンタクト部材(5,5a,5b)が突出することができることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項11】
中心線の一方の側に配置された前記固定スポット又は固定突起(3)の表面が、前記中心線の他方の側に配置された前記固定スポット又は固定突起(3)の表面に対して所定の角度で傾斜させられた形式で配置されるように、前記ウェブ(4)は、前記固定スポット又は固定突起(3)の間に配置された中心線を中心に曲げられた形式、特に、湾曲した形式で曲げられた形式及び/又は一回曲げられた形式及び/又は複数回曲げられた形式で設計されていることを特徴とする、請求項4~のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項12】
前記第1のコンタクトセクション(6)は、前記キャリアストリップ(2)に対して自由端部(9)を形成しておりかつ少なくとも撓まされていない状態において前記キャリアストリップ(2)から突出している又は突き出ており、前記自由端部(9)は、コンタクト位置において前記キャリアストリップ(2)における凹所(35)を通って、前記キャリアストリップ(2)を貫通して突出しており、
及び/又は、
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記第1のコンタクトセクション(6)に丸み付き部分(11)を備えて設計されており、該丸み付き部分(11)は、前記長手方向(L)に対して平行に延びる丸み付き部分軸線(R11)を中心に延びている、及び/又は、前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記第2のコンタクトセクション(7)に丸み付き部分(12)を備えて設計されており、該丸み付き部分(12)は、前記長手方向(L)に対して平行に延びる丸み付き部分軸線(R12)を中心に延びていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項13】
前記固定セクション(8)の領域における前記コンタクト部材(5,5a,5b)の横断面は、前記第1のコンタクトセクション(6)の領域における前記コンタクト部材(5,5a,5b)の横断面より大きい、
及び/又は、
前記固定セクション(8)の領域における前記コンタクト部材(5,5a,5b)の横断面は、前記第2のコンタクトセクション(7)の領域における前記コンタクト部材(5,5a,5b)の横断面より大きいか、又は、前記長手方向(L)で見て、前記固定セクション(8)の領域における前記コンタクト部材(5,5a,5b)の横断面は、前記第2のコンタクトセクション(7)の領域における横断面と実質的に等しい、
及び/又は、
前記コンタクト部材(5,5a,5b)の前記第2のコンタクトセクション(7)は、コンタクト位置において前記キャリアストリップ(2)が前記コンタクト片(K2)に接続されないように、前記キャリアストリップ(2)に対して配置されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項14】
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記固定セクション(8)によって、少なくとも1つの塑性変形可能な接続要素(15)、特に少なくとも1つのリベット(15)によって、前記固定スポット(3)に接続されており、前記接続要素(15)は、前記コンタクト部材()と1つの部品として形成されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項15】
前記接続要素(15)、特に前記リベット(15)は、導電性材料から構成されかつ前記コンタクト部材(5,5a,5b)に導電可能に接続されており、前記第2のコンタクトセクション(7)を前記接続要素又は前記リベット(15)によって提供することができることを特徴とする、請求項14記載のコンタクト要素(1)。
【請求項16】
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、少なくとも1つのリベット(15)によって前記固定セクション(8)における前記固定スポット(3)に接続されており、
前記リベット(15)は、前記固定セクション(8)及び前記固定スポット(3)を貫通して突出していることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項17】
前記リベット(15)は、導電性材料から構成されかつ前記コンタクト部材(5,5a,5b)に導電可能に接続されており、前記第2のコンタクトセクション(7)を前記リベット(15)によって提供することができることを特徴とする、請求項16記載のコンタクト要素(1)。
【請求項18】
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、前記固定スポット(3)に固定するための固定セクション(8)によって、前記固定スポット(3)を少なくとも部分的に包囲していることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項19】
前記長手方向(L)に対して平行に延びる、前記固定スポット(3)の外縁(13)と、該外縁に隣接する前記固定スポット(3)の表面とは、前記コンタクト部材(5,5a,5b)によって少なくとも部分的に又は完全に包囲されていることを特徴とする、請求項18記載のコンタクト要素(1)。
【請求項20】
前記コンタクト部材(5,5a,5b)は、クリップ要素(16)によって、前記固定スポット(3)に固定されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項21】
前記クリップ要素(16)は、前記第2のコンタクトセクション(7)内へ延びるスロット(17)の領域に位置決めされていることを特徴とする、請求項20記載のコンタクト要素(1)。
【請求項22】
前記キャリアストリップ(2)の端部は互いに接続されており、その結果、中心軸線(X)を中心に延びるコンタクト要素を生じていることを特徴とする、請求項1~21のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)。
【請求項23】
2つの前記端部は、前記コンタクト部材(5,5a,5b)のうちの1つに接続されているか、又は、前記端部は別個の要素によって互いに接続されていることを特徴とする、請求項22記載のコンタクト要素(1)。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項記載のコンタクト要素(1)と、第1のコンタクト片及び第2のコンタクト片との集成装置であって、前記コンタクト要素は、その第1のコンタクトセクションによって、前記第1のコンタクト片に対して当接しており、かつ、第2のコンタクトセクションによって前記第2のコンタクト片に対して当接している、集成装置。
【請求項25】
前記第1のコンタクト片は、中心軸線を中心に延びるソケット部分であり、前記第2のコンタクト片は、前記中心軸線を中心に延びるピン部分であり、前記キャリアストリップは前記中心軸線を中心に延びており、長手方向(L)は、前記中心軸線に対して横方向に配置され、かつ、前記中心軸線を中心に延びており、
及び/又は、
前記コンタクト部材を、それぞれの前記第1のコンタクトセクションによって前記第1のコンタクト片と接触させることができ、前記コンタクト部材は、それぞれの前記第2のコンタクトセクションによって前記第2のコンタクト片と接触しており、対向する各第2の前記コンタクトセクションの間の距離は、接点移動の際に増大させられることを特徴とする、請求項24記載の集成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の、2つのコンタクト片の間に電気コンタクトを形成するためのコンタクト要素に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、コンタクトラメラと呼ぶこともできるコンタクト要素を開示している。例えば、欧州特許第0716474号明細書(特許文献1)には、長手方向に沿って延びる一体的なコンタクトストリップを有するコンタクト要素が記載されており、このコンタクト要素によって、2つの対向するコンタクト面を電気的に接続することができる。前記コンタクトストリップを単純な形式で据え付けることができるように、コンタクトストリップの長さを僅かに変形させることができる。
【0003】
据付け中のコンタクトストリップの変形は極めて有利であるが、欧州特許第0716474号明細書に記載のコンタクトラメラは、幾つかの欠点を示している。
【0004】
第1に、伝導される電流に関するスケーラビリティは、極めて制限されている。電流の増大は、一般的に、コンタクト要素の横断面の増大によっても伴われる。この種のスケーリングは容易に可能ではない。なぜならば、さもなければ有利な特性が失われるからである。例えば、コンタクト要素は、増大の際により剛性になる。
【0005】
第2に、機械的な差込み力は、ソケット又はプラグ接続におけるラメラの使用の場合に僅かな程度にしか影響を受けることができない。
【0006】
さらに、挿入領域もしくは撓み領域も、2つのコンタクト領域の間の幾何学的寸法に関して、制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許第0716474号明細書
【発明の概要】
【0008】
この先行技術から進んで、発明の目的は、先行技術の欠点を克服するコンタクト要素を提供することである。具体的な目的は、コンタクト要素を、様々な用途のためにより容易に構成することができることである。
【0009】
この目的は、請求項1記載のコンタクト要素によって達成される。前記請求項によれば、2つのコンタクト片の間に電気コンタクトを形成するためのコンタクト要素は、長手方向に延びるキャリアストリップと、キャリアストリップに接続された複数のコンタクト部材とを有する。長手方向に延びるキャリアストリップは、力がキャリアストリップに加えられたときに、キャリアストリップの長さが長手方向で変化するように設計されている。各コンタクト部材は、2つのコンタクト片のうちの一方とコンタクトを形成するための少なくとも1つの第1のコンタクトセクションと、2つのコンタクト片のうちの他方とコンタクトを形成するための少なくとも1つの第2のコンタクトセクションと、さらに、コンタクト部材をキャリアストリップに固定するための少なくとも1つの固定セクションとを有する。
【0010】
電気コンタクトを実際に形成するために必要なコンタクト部材の配置により、規定された電気コンタクトを2つのコンタクト片の間で達成することができる。特にコンタクト要素の据付け中に長さを変化させることができるキャリアストリップにより、コンタクト要素の伸長又は圧縮を達成することができ、コンタクト部材はそれによって影響されない。その結果、コンタクト部材は、電気コンタクト機能に関して寸法決めすることができ、キャリアストリップの長手方向伸長可能性は、コンタクト部材の寸法決めと無関係であることができる。すなわち、“電気コンタクト”及び“長手方向伸長可能性”という2つの機能は、互いに独立して寸法決めすることができる。
【0011】
“力がキャリアストリップに加えられたとき、キャリアストリップの長さが長手方向で変化するようにキャリアストリップは設計されている”という表現は、キャリアストリップ自体が、力が加えられたときにその長さが変化するように設計されていることを意味すると理解されることが意図されている。変化は、好ましくは、キャリアストリップの材料の弾性領域において生じる。
【0012】
キャリアストリップは、好ましくは、長手方向でのその弾性が増大されるもしくは長手方向で見たときのその弾性変形可能性が増大されるように、その形状もしくは構成に関して設計されている。その結果、長さの変化は、前記力をキャリアストリップに加えることによって補助することができる。
【0013】
キャリアストリップは、特に好ましくは、それによって長手方向におけるキャリアストリップの弾性もしくは弾性変形可能性が増大させられる、領域又は手段を有する。前記領域もしくは手段により、キャリアストリップは、前記キャリアストリップの長さが特に有効にかつ特に所望の程度に変化することができるように設計されている。したがって、キャリアストリップは、その長手方向変形可能性に関して改良されている。
【0014】
この種の領域もしくはこの種の手段は、例えば、キャリアストリップにおける切込み及び/又はキャリアストリップにおける切欠及び/又はキャリアストリップを貫通した開口及び/又はキャリアストリップの部分的な弱化によって提供することができる。前記領域もしくは手段は、長手方向におけるキャリアストリップの弾性もしくは弾性変形可能性を高めるために特に適している。
【0015】
特に好ましくは、前記領域もしくは手段はそれぞれ、長手方向でずれた形式で、キャリアストリップの両側から交互にキャリアストリップ内へ延びている。すなわち、第1の領域もしくは第1の手段は右側からキャリアストリップ内へ延びているのに対し、第2の領域もしくは第2の手段は左側からキャリアストリップ内へ延びており、2つの領域もしくは手段は、長手方向で見て互いに対してずれている。
【0016】
さらに、キャリアストリップの変形の場合、電気コンタクトのために提供されたコンタクト部材は変形させられず、その結果、不都合な影響を受けず、むしろキャリアストリップが機械的に変形させられる。
【0017】
線は、好ましくは、長手方向にキャリアストリップを通って延びている。線は、好ましくは、キャリアストリップにおいて中央に配置された線である。コンタクト部材は、コンタクト部材が回動させられるもしくは回動軸線を中心に回動させることができるように、キャリアストリップに対して配置されている。回動軸線は、前記線に対して、30°未満の角度で角度方向に傾斜させられた形式、特に実質的に平行に配置されている。
【0018】
したがって、角度は、0°~30°の範囲である。実質的に平行に配置された回動軸線は、回動軸線が、中心線に対してちょうど平行又は3°まで又は5°までの小さな角度で配置されていることを意味すると理解されることが意図されている。
【0019】
この設計により、コンタクト部材は、挿入方向に対して実質的に平行に撓まされる。前記回動軸線は、好ましくは、挿入方向に対して直交方向に配置されている。
【0020】
言い換えれば、コンタクト部材の実質的な向きは、好ましくは、特に好適な変形態様において長手方向に対して横方向である。コンタクトプロセスの場合、その結果、コンタクト部材は、接点移動の際に、据付け位置において挿入方向に対して直角に向けられた回動軸線を中心に回動する。
【0021】
コンタクトプロセスの場合、キャリアストリップに対して横方向にコンタクト部材が向けられている結果、コンタクト部材は、接点移動の際に、据付け位置において挿入方向に対して直角に向けられた回動軸線を中心に回動する。
【0022】
前記形式の回動が可能となるようにコンタクト部材を配置することにより、コンタクト部材は、据付け中に実質的に挿入方向に回動させられ、その結果、キャリアストリップの応力は低くなる。さらに、差込み式コネクタのためのコンタクト要素は、単純な形式で寸法決めすることができる。特に、コンタクト部材は、キャリアストリップから独立して自由に寸法決めすることができる。特に好ましくは、コンタクト部材の横断面は、極めて単純な形式で変化させることができる。
【0023】
しかしながら、他の向きも考えられる。前述のように、回動軸線は、中心線に対して所定の角度で傾斜した形式で配置することもできる。角度は30°以下であることができる。この場合、個々のコンタクト部材の回動軸線は、互いに対して平行に延びているが、同軸形式ではない。
【0024】
据付け位置に応じて、キャリアストリップは、中心軸線を中心に円筒状に延びており、したがって、線及び回動軸線は、同様に、中心軸線を中心に円筒状に延びている。この文脈において、線及び回動軸線が平行であるという表現は、円筒状に循環する線及び円筒状に循環する回動軸線が、中心軸線に対して横方向の平行な平面に配置されていることを意味すると理解されることが意図されている。据付け位置のこの構成は、例えば、ソケット及びプラグ接続の場合に生じる。
【0025】
電気コンタクトを実際に形成するために必要なコンタクト部材の配置により、規定された電気コンタクトを2つのコンタクト片の間で達成することができる。さらに、コンタクトプロセス中のキャリアストリップの変形の場合、電気コンタクトのために提供されたコンタクト部材は変形させられず、その結果、不都合な影響を受けず、むしろキャリアストリップが機械的に変形させられる。
【0026】
コンタクト部材は、好ましくは、回動軸線を中心とする回動中、対応するコンタクト片のコンタクト面に対して移動し、移動は、回動軸線に対して横方向に生じる。前記移動は、コンタクト部材の組み合わされた移動であり、この移動は、回動移動と、コンタクト面における移動とから構成される。
【0027】
第2のコンタクトセクションは、好ましくは、固定セクションの領域に配置されている。さらに、コンタクト部材は、第2のコンタクトセクションにおいて丸み付き部分を備えて設計されており、この丸み付き部分は、長手方向に対して平行に延びる丸み付き部分軸線を中心に延びている。丸み付き部分軸線と、回動軸線とは、少なくともコンタクト部材の幅にわたって互いに対して実質的に同一線形式で延びている。
【0028】
第2のコンタクトセクションは、好ましくは、その丸み付き部分によって、コンタクト面上を転がり、選択的に、丸み付き部分をコンタクト面に対して移動させることができるように設計されている。
【0029】
第2のコンタクトセクションは、好ましくは少なくとも部分的に又は完全にキャリアストリップをその外縁の領域において包囲しており、前記固定セクションは、コンタクト部材の内側に配置されており、この内側はキャリアストリップに面している。
【0030】
1つの実施の形態において、コンタクト部材は、キャリアストリップに対してそれぞれの側に配置されている。別の実施の形態において、コンタクト部材は、キャリアストリップの一方の側に配置されている。
【0031】
1つの発展形において、長手方向に延びるキャリアストリップは、長手方向で互いに対して所定の距離だけ離隔させられた、固定突起の形式の、複数の固定スポットを有し、キャリアストリップは、力がキャリアストリップに長手方向で加えられたときに互いに対する固定突起の相対移動が可能であるように設計されている。各コンタクト部材は、2つのコンタクト片のうちの一方とコンタクトを形成するための第1のコンタクトセクションと、2つのコンタクト片のうちの他方とコンタクトを形成するための第2のコンタクトセクションと、さらに、コンタクト部材を固定突起に固定するための固定セクションとを有する。
【0032】
好ましくは、ちょうど1つの唯一のコンタクト部材が、各固定突起に対して設けられている。固定突起の数はコンタクト部材の数に相当する。
【0033】
相対移動は、キャリアストリップの長さが伸長又は圧縮させられることを意味すると理解されることが意図されている。長手方向で見たときの2つのコンタクト部材の間の距離は、伸長の際により大きくなり、圧縮の際により小さくなる。
【0034】
長手方向での伸長又は圧縮の程度は、好ましくは、実質的に、変形させられていない状態の初期長さの±10%~40%に相当する。
【0035】
相対移動は、好ましくは、コンタクト部材の向きに対して横方向に生じる。
【0036】
コンタクト部材は、キャリアストリップとは別個に設計されており、固定セクションによってキャリアストリップに固定して接続されている。コンタクト部材は、好ましくは、機械的接続によってキャリアストリップに接続されている。コンタクト部材は、インターロッキング形式及び/又は凝集形式及び/又は圧力ばめ形式でキャリアストリップに接続することができる。コンタクト部材及びキャリアストリップの固定セクションもしくはキャリアストリップの固定突起は、固定を可能にする対応する要素を有する。
【0037】
キャリアストリップの材料は、好ましくは、コンタクト部材の材料と異なる。キャリアストリップの材料は、好ましくは、良好な弾性変形特性を有し、コンタクト部材の材料は、好ましくは、良好な導電性を示す。
【0038】
キャリアストリップの材料は、好ましくは、金属、特に鋼、特に好ましくはばね鋼又はステンレスばね鋼から成る。コンタクト部材の材料は、好ましくは、銅又はその合金から成る。コンタクト部材には、好ましくは、電気コンタクトを改良するコーティングが設けられている。例えば、銀コーティングによる。
【0039】
キャリアストリップは、好ましくは、薄板金ストリップ、特に、打抜きプロセス又はレーザ切断によって成形された薄板金ストリップによって形成されている。しかしながら、薄板金ストリップは、他の方法で製造することもできる。
【0040】
好ましくは、長手方向で互いに続く2つの各固定突起は、ウェブによって互いに接続されている。ウェブは、好ましくは、前記伸長又は圧縮が少なくとも部分的に又は完全にウェブによって提供されるように設計されている。このために、ウェブは、好ましくは、固定突起に対して変形させられる。しかしながら、固定突起は、力がキャリアストリップに加えられたときにキャリアストリップの長さが長手方向で変化するように、その他の形式で互いに接続することもできる。
【0041】
特に好ましくは、ウェブは、長手方向に対して所定の角度で角度方向に傾斜させられている。したがって、ウェブは、長手方向に対して所定の角度で傾斜させられた形式で延びている。
【0042】
前記角度は、好ましくは、45°~90°の範囲である。角度は、実質的に、2つの反対側の固定突起の間の距離と、キャリアストリップの幅とによって決定される。
【0043】
ウェブは、好ましくは、長手方向に関して互いにすぐ前後して配置された2つの固定突起を互いに接続している。特に好ましくは、2つの固定突起の間にはちょうど1つの単一のウェブが設けられている。しかしながら、2つの固定突起の間に複数のウェブを配置することも考えられる。
【0044】
ウェブは、連続的なウェブとして設計することができる。代替例として、ウェブにスロットを配置することも考えられ、このスロットは、ウェブの方向に延びており、前記力が加えられたときにウェブの変形可能性を補助する。
【0045】
言い換えれば、固定突起は、好ましくは、ウェブによって互いに接続されており、ウェブは、力がキャリアストリップに長手方向で加えられたときに互いに対する固定突起の相対移動が可能であるように配置されている。
【0046】
特に好ましくは、中心線の形式の線は、キャリアストリップの中央を通って長手方向に延びており、それぞれ第1の固定突起が中心線に対して横方向に第1の側に配置されており、それぞれ第2の固定突起が中心線に対して横方向に第2の側に配置されている。ウェブはそれぞれ、第1の固定突起と第2の固定突起とを接続している。別のウェブは、前記第2の固定突起を別の第1の固定突起に接続している。
【0047】
したがって、ウェブの配置が繰り返されており、ウェブは、好ましくは、交互に、第1の固定要素を第2の固定要素に接続し、次いで、第2の固定要素を別の第1の固定要素に接続している。
【0048】
言い換えれば、ウェブは、したがって、交互に、第1の固定突起を第2の固定突起に接続し、第2の固定突起を後続の第1の固定突起に接続している。
【0049】
ウェブは、好ましくは、それぞれ、キャリアストリップの蛇行する又はジグザグの設計が形成されるように第1の固定突起と第2の固定突起とを接続している。
【0050】
好ましくは、第1の固定突起に接続された第1のコンタクト部材は、第1のコンタクトセクションによって、第2の固定突起に接続された第2のコンタクト部材に向けられている、及び/又は、第2の固定突起に接続された第2のコンタクト部材は、第1のコンタクトセクションによって、第1の固定突起に接続された第1のコンタクト部材に向けられている。
【0051】
第2のコンタクト部材の側からの接点移動の際に、第1のコンタクト部材がまずコンタクト片によって接触されるように、第1のコンタクトセクションが、長手方向に関して横方向で見て、第2のコンタクト部材を超えて延びるように、第1のコンタクト部材は、好ましくは、その固定突起から見て、延びている。
【0052】
コンタクト部材の特に良好な接触は、このように達成することができる。さらに、コンタクト要素のコンパクト性の程度を高めることができる。
【0053】
好ましくは、第2のコンタクト部材は同様に配置されており、第2のコンタクト部材の第2のコンタクトセクションは、第1のコンタクト要素の側からの接点移動の際に、第2のコンタクト要素がまずコンタクト片によって接触されるように、長手方向に対して横方向で見て、第1のコンタクト部材を超えて延びている。
【0054】
好ましくは、第2のコンタクト部材は、2つの隣接する第1のコンタクト部材の間に配置された中間スペース内へ延びており、第1のコンタクト部材は、2つの隣接する第2のコンタクト部材の間に配置された中間スペース内へ延びている。
【0055】
言い換えれば、コンタクト部材は、互いに対して交互形式で配置されている。
【0056】
コンタクト部材は、好ましくは、対応するコンタクト部材をキャリアストリップに接続させているそれぞれの固定突起から、長手方向の方向に延びておりかつ好ましくは2つの固定突起の間の中央に配置されている線を越えて、延びている。すなわち、コンタクト部材は、線に対して横方向に線を越えて突出している。この文脈において、線は、好ましくは、中心線である。
【0057】
好ましくは、コンタクト部材は、キャリアストリップに対してそれぞれの側に配置されており、同じ側に互いに隣接して配置された2つのコンタクト部材の間に中間スペースが設けられており、他方の側に配置されたコンタクト部材が前記中間スペース内へ突出することが可能である。
【0058】
コンタクト部材は、好ましくは、線、特に中心線に対して左側及び右側に配置されている。この文脈では、キャリアストリップに対して左側及び右側を意味することが可能であり、一方のコンタクト部材は右側に接続されており、別のコンタクト部材は左側に接続されている。コンタクト部材は、線、特に中心線に沿って見て、互いに対してずれた形式で配置されている。
【0059】
好ましくは、キャリアストリップの右側に接続された第1のコンタクト部材は、その第1のコンタクトセクションによって、キャリアストリップの左側に接続された第2のコンタクト部材に向けられている、及び/又は、キャリアストリップの左側に接続された第2のコンタクト部材は、その第1のコンタクトセクションによって、キャリアストリップの右側に接続された第1のコンタクト部材に向けられている。
【0060】
好ましくは、線の一方の側に配置された固定スポットもしくは固定突起の表面が、線の他方の側に配置された固定スポットもしくは固定突起の表面に対して所定の角度で傾斜させられた形式で配置されるように、ウェブは、固定スポットもしくは固定突起の間に配置された線を中心に曲げられた形式、特に、湾曲させられた形式で曲げられた形式及び/又は一回曲げられた形式及び/又は複数回曲げられた形式で設計されている。
【0061】
言い換えれば、線に対して直角の断面で見て、固定スポットは、キャリアストリップの中心領域に対して所定の角度で傾斜させられた形式で延びている。
【0062】
曲げられた設計により、ウェブは、長手方向で見て、それぞれのコンタクト部材をその第2のコンタクトセクションを中心に初期位置からコンタクト位置へ回動させることができるように、ばね要素として機能する。
【0063】
言い換えれば、ウェブは、好ましくは、長手方向に対して平行に延びる少なくとも1つの曲げ線を有する。ウェブ及び固定突起の領域は、曲げ線から始まって、長手方向と、長手方向に対して横方向に配置された横方向軸線とによって規定された平面に対して所定の角度で角度方向に傾斜させられた形式で、延びている。所定の角度での傾斜は、コンタクト部材が、コンタクト片の前記コンタクト面に対して又は前記平面に対して所定の角度で傾斜させられた形式で配置されるようになっている。
【0064】
1つの変形態様において、2つの曲げ線が各ウェブに対して設けられている。2つの曲げ線は、互いに対して所定の距離を置いて配置されておりかつ好ましくは対称的であり、すなわち、2つの固定突起の間の中央に配置された中心線から同じ距離に位置決めされている。
【0065】
曲げ線は、丸み付き設計であることができる又は鋭い角として設計することができる。
【0066】
ウェブの曲げられた又は複数回曲げられた設計により、キャリアストリップは、長手方向に対して横方向の断面においてV字形、U字形、台形又は半円形の設計であると言うこともできる。
【0067】
別の変形態様において、ウェブは、突起を接続する湾曲した部分として設計されている。その結果、ウェブは、突起から突起へと湾曲した部分の形式で延びている。ウェブは、好ましくは、長手方向軸線の方向に延びる中心線を中心に湾曲した形式で設計されている。湾曲した部分の半径は、有利には、据付け状態に応じてできるだけ大きくなるように選択されている。
【0068】
第1のコンタクトセクションは、好ましくは、キャリアストリップに対して自由端部を形成しており、キャリアストリップから突出している又は突き出ている。したがって、第1のコンタクトセクションは、少なくとも初期位置において、すなわち撓まされていない状態において、キャリアストリップの上部に位置しない。しかしながら、第1のコンタクトセクションは、設計に応じて、コンタクト位置においてキャリアストリップと接触することができる。自由端部は、撓まされた状態、すなわちコンタクト位置において、キャリアストリップにおける凹所を通って、キャリアストリップを貫通して突出することができる。凹所は、2つのウェブの間の中間領域によって提供されている。
【0069】
第2のコンタクトセクションは、好ましくは、固定セクションの領域に配置されており、この固定セクションは、固定突起に固定して接続されている。代替例として、固定セクションは、第1のコンタクトセクションと第2のコンタクトセクションとの間に配置されており、2つのコンタクトセクションは、自由端部として、少なくとも撓まされていない状態においてキャリアストリップから突出している又は前記キャリアストリップから突き出ている。
【0070】
コンタクト部材は、好ましくは、第1のコンタクトセクションに丸み付き部分を備えて設計されており、この丸み付き部分は、長手方向に対して平行に延びる丸み付き部分軸線を中心に延びている、及び/又は、コンタクト部材は、第2のコンタクトセクションに丸み付き部分を備えて設計されており、この丸み付き部分は、長手方向に対して平行に延びる丸み付き部分軸線を中心に延びている。所要の挿入力を、丸み付き部分により最適化することができる。
【0071】
丸み付き部分半径を、コンタクト状態に合致させることができる。
【0072】
丸み付き部分は、一定の半径又は一定でない半径を備える丸み付き部分又はn角形又は多角形チェーンを意味すると理解することができる。
【0073】
コンタクト部材の第2のコンタクトセクションは、好ましくは、キャリアストリップ、場合によってはリベットが、コンタクト位置においてコンタクト片と接続されないようにキャリアストリップに対して配置されている。例えば、第2のコンタクトセクションは、キャリアストリップに配置された接続セクションの下側からずれている又は曲げられていることができる。したがって、第2のコンタクトセクションは、固定セクションに対して突出した部分の一部であることができる。
【0074】
固定セクションの領域におけるコンタクト部材の横断面は、好ましくは、第1のコンタクトセクションの領域におけるコンタクト部材の横断面より大きい。したがって、第1のコンタクトセクションの横断面は、固定セクションに対してテーパした形式で設計されている。代替例として又は加えて、固定セクションの領域におけるコンタクト部材の横断面は、第2のコンタクトセクションの領域におけるコンタクト部材の横断面より大きい。代替例として、固定セクションの領域におけるコンタクト部材の横断面は、第2のコンタクトセクションの領域における横断面と実質的に等しいことができる。
【0075】
したがって、コンタクト部材は、複数のセクションにおいてサイズが減じられた形式で形成することができる。
【0076】
その結果、固定突起における固定セクションの有効な取付けは、材料の最適な利用によって達成することができる。
【0077】
コンタクト部材は、特に好ましくは、固定セクションから第1のコンタクトセクションに向かってテーパしている。
【0078】
上で説明したように、コンタクト部材は、固定セクションによってキャリアストリップの固定スポット又は固定突起に固定されている。この場合、固定セクションを様々な形式で形成することができる。
【0079】
第1の実施の形態において、コンタクト部材は、固定セクションによって、少なくとも1つの塑性変形可能な接続要素、特にリベットによって固定スポットに接続されており、少なくとも1つの接続要素は、コンタクト部材と1つの部品として形成されている。したがって、接続要素、特にリベットは、コンタクト部材の一体的な構成部分である。
【0080】
好ましくは、複数の接続要素又はリベット、特に少なくとも2つのそれらが設けられている。
【0081】
この場合、接続要素又はリベットは、キャリアストリップに面したコンタクト部材の下側から延びており、固定スポットにおける開口を通って突出しており、コンタクト部材の支持部と反対側のキャリアストリップの側において塑性変形させられている。
【0082】
塑性変形を補助するために、接続要素又はリベットをさらに溶接又ははんだ付けすることもできる。
【0083】
少なくとも1つの接続要素又はリベットは、好ましくは、円形、楕円形、多角形又はn角形の横断面を有する。少なくとも1つの接続要素は、特に好ましくは、細長い孔を補完する横断面を有する。すなわち、横断面は、実質的に矩形であり、2つの反対側の縁部は、丸み付けられた形式で形成されている。
【0084】
塑性変形可能な接続要素の配置は、コンタクト部材をキャリアストリップに単純な形式で接続することができるという利点を提供する。その結果、コンタクト要素を単純な形式で製造することができる。さらに、キャリアストリップとコンタクト部材との別個の構成は、コンタクト部材をキャリアストリップから独立して寸法決めすることができるという利点を提供する。特に、コンタクト部材は、高い材料含有率で形成することができ、これは、より高い電流を伝導することができるという利点を有する。
【0085】
第1の実施の形態において、少なくとも1つの接続要素は、コンタクト部材又は固定セクションの一体的な構成部分である。さらに、少なくとも1つの接続要素は、固定セクションから突出した軸を有し、この軸は、軸がキャリアストリップとの機械的に固定された接続を形成するように、成形プロセスにおいて塑性変形させられる。
【0086】
“一体的な構成部分”という表現は、コンタクト部材及び接続要素もしくは軸が1つの部品として形成されていることを意味すると理解されることが意図されている。すなわち、接続要素及びコンタクト部材は、一部品構造を形成している。言い換えれば、接続要素は、コンタクト部材と一体に形成されている。
【0087】
コンタクト部材の一部品設計は、単一の要素、すなわちコンタクト部材が組立て中にキャリアストリップに接続されなければならないという利点を提供する。すなわち、付加的な固定要素の提供及び取扱いが省略される。
【0088】
加えて、コンタクト部材自体は、成形法によって単純な形式でかつ大量に効率的に製造することができる。
【0089】
少なくとも1つの接続要素は、好ましくは、固定セクションによって1つの部品としてコンタクト部材と1つの部品として形成されている。
【0090】
特に、少なくとも1つの接続要素は、固定セクションから形成されている。
【0091】
少なくとも1つの接続要素は、特に好ましくは、スタンピングプロセス又はプレス接合プロセスによって固定セクションから押し出される。すなわち、接続要素は、固定セクションに既に存在する材料によって形成することができる。
【0092】
接続要素が押し出された後、固定セクションは、好ましくは、接続要素と反対側に凹所を有し、凹所の容積は、実質的に、押し出された接続要素の体積に相当する。したがって、固定セクションは、接続要素を形成するために接続要素の領域において塑性変形させられる。固定セクションは、好ましくは、接続要素の領域において増大した材料含有率を備えて形成されておらず、その結果、前記凹所は、塑性変形によって形成される。
【0093】
第2の実施の形態において、少なくとも1つの塑性変形可能な接続要素は、塑性変形の前及びキャリアストリップへの接続の前に、コンタクト部材に固定して配置されている。さらに、少なくとも1つの接続要素は、固定セクションから突出した軸を有し、この軸は、軸がキャリアストリップとの機械的に固定された接続を形成するように、成形プロセスにおいて塑性変形させられる。
【0094】
第2の実施の形態によれば、少なくとも1つのプラスチック接続要素が、成形プロセスの前、すなわち軸の塑性変形の前に、固定セクションに固定して配置されている。すなわち、接続要素は、キャリアストリップへの接続の前及びリベット留めの前に固定セクションによってコンタクト部材に固定して接続された別個の要素であることができる。すなわち、接続要素及びコンタクト部材は、キャリアストリップにおける組立てのために一部品構造を形成しており、これは、第1の実施の形態に関して上述した利点を有する。
【0095】
第2の実施の形態によれば、少なくとも1つの接続要素は、好ましくは、固定セクションにおける開口を通って軸によって突出しており、固定セクションに定置に固定されており、固定は、インターロッキング形式及び/又は圧力ばめ形式及び/又は凝集形式で形成される。
【0096】
“機械的に固定”という表現は、コンタクト部材が固定して接続されている、すなわち、塑性変形された軸によってキャリアストリップに実質的に分離不能な形式で接続されていることを意味すると全ての実施の形態に関して理解されることが意図されている。機械的に固定された接続は、好ましくは、圧力ばめ接続及び/又はインターロッキング接続及び/又は凝集接続である。
【0097】
好ましくは、軸は、全ての実施の形態において、機械的接続のために成形プロセスによって固定開口の壁部に対して押し付けられる。したがって、軸は、成形プロセスの間に塑性変形させられ、その結果、その直径はより大きくなる。すなわち、軸は、軸の軸線に対して横方向のケーシング表面によって、固定開口の壁部に対して押し付けられる。前記圧力ばめ接続は、このように提供することができる。
【0098】
これに対する代替例として、機械的接続のために、接続要素は、その軸によって、塑性変形の前に、キャリアストリップを超えて突出しており、頭部セクションは、成形プロセスによって軸の突出した端部に形成され、軸の軸線に対して横方向の前記頭部セクションの寸法は、固定開口の横断面よりも大きい。前記インターロッキング接続は、このように提供することができる。
【0099】
別の代替例において、機械的接続のために、軸は、成形プロセスによって固定開口の壁部に対して押し付けられ、頭部セクションは、成形プロセスによって軸の突出した端部に形成され、軸の軸線に対して横方向の前記頭部セクションの寸法は、固定開口の横断面よりも大きい。前記圧力ばめ接続及びインターロッキング接続は、このように提供することができる。
【0100】
本明細書に記載された全ての実施の形態において、軸は、好ましくは、突出した部分に関して横断面全体にわたって変形させられる。すなわち、軸は、工具によってその横断面にわたって完全に塑性的に圧縮させられる。これに対する代替例として、軸は、その横断面の複数の異なる部分領域において選択的に変形させることもできる。すなわち、特に比較的大きな横断面の場合、軸の部分領域のみを塑性変形させることもできる。例えば、工具は、軸の横断面全体が変形加工させられないように、軸端部における複数の異なるスポットに係合することができる。
【0101】
塑性変形を補助するために、接続要素をさらに溶接することもできる。
【0102】
好ましくは、本明細書に記載された全ての実施の形態において、固定セクションから突出した軸は、変形させられていない状態において、少なくともキャリアストリップの厚さに相当する、及び/又は、最大でも固定セクションの厚さ、特に厚さの半分に相当する長さを有する。
【0103】
キャリアストリップの厚さは、軸の延びの方向におけるキャリアストリップの寸法である。
【0104】
好ましくは、本明細書に記載された全ての実施の形態において、各コンタクト部材に対してちょうど2つの接続要素又は3つ以上の接続要素が設けられている。代替例として、1つの接続要素を設けることもできる。
【0105】
ちょうど2つの接続要素又は3つ以上の接続要素は、好ましくは、互いに対して所定の距離だけ離隔させられており、この距離は、特に、接続要素が変形された状態において接触しないように形成されている。すなわち、接続要素を、互いから独立して、主に互いに不都合な影響を与えることなく変形させることができる。
【0106】
好ましくは、接続要素は、固定セクションから見て、本明細書に記載された全ての実施の形態において軸の軸線に沿って延びており、軸の軸線に対して横方向の第1の横方向軸線における寸法は、軸の軸線及び第1の横方向軸線に対して横方向である第2の横方向軸線における範囲よりも大きい。代替例として、寸法は同じであることができる。接続要素は、非円形もしくは非円形形式で成形されている。この設計の利点は、接続要素の横断面を最適化することができる、特に、できるだけ大きくなるように選択することができるということである。
【0107】
第1の横方向軸線は、好ましくは、キャリアストリップの長手方向に対して所定の角度で傾斜させられた形式で延びている。しかしながら、第1の横方向軸線は、長手方向軸線に対して直角であることもできる。
【0108】
好ましくは、本明細書に記載された全ての実施の形態における少なくとも1つの接続要素は、円形、楕円形、多角形又はn角形の横断面を有する。少なくとも1つの接続要素は、特に好ましくは、細長い孔を補完する横断面を有する。すなわち、横断面は、実質的に矩形であり、2つの反対側の縁部は、丸み付けられた形式で形成されている。
【0109】
固定開口の形状は、好ましくは、接続要素の形状に相当する。接続要素と固定開口との間に最大で0.1mmの範囲の小さな程度のバックラッシが存在することができる。
【0110】
好ましくは、接続要素は、本明細書に記載された全ての実施の形態において完全な横断面を有する。すなわち、軸は、完全な横断面を有する。しかしながら、軸は、中空の設計であってもよい。
【0111】
接続要素は、リベットと呼ぶこともできる。
【0112】
第2及び第3の実施の形態において、コンタクト部材は、固定セクションにおいて少なくとも1つのリベットによって固定突起に接続されている。リベットは、キャリアストリップの固定セクション及び固定突起を通って突出している。
【0113】
第2及び第3の実施の形態において、リベットを収容するために、コンタクト部材及びキャリアストリップの製造中に、開口が、既に、対応するスポットに、すなわち固定セクション及び固定突起に予め形成されると有利である。したがって、リベットは、固定突起における開口と、固定セクションにおける開口とを通って延びている。開口の数は、リベットの数に相当する。
【0114】
第2の実施の形態によるリベットは、好ましくは、第1のコンタクトセクションと第2のコンタクトセクションとの間に配置されている。
【0115】
第3の実施の形態によれば、リベットは、好ましくは、導電性材料から設計されており、コンタクト部材に導電可能に接続されている。さらに、コンタクト部材の前記第2のコンタクトセクションは、リベットによって提供することができる。
【0116】
第1の実施の形態のリベットは、前記第2のコンタクトセクションを提供するように設計することもできる。
【0117】
加えて、リベットと、固定セクションと、固定突起との、第1、第2及び第3の実施の形態による接続は、さらに、溶接接続又ははんだ付け接続によって補助することができる。
【0118】
第4の実施の形態によれば、固定突起に固定するための固定セクションを備えたコンタクト部材は、少なくとも部分的に又は完全に固定突起を包囲している。したがって、固定突起は少なくとも部分的に固定セクションによって包囲されており、すなわち、固定セクションは少なくとも部分的に固定突起の周囲に延びている。
【0119】
この第4の実施の形態において、長手方向に対して平行に延びる、固定突起の外縁と、前記外縁に隣接する固定突起の表面とが、コンタクト部材によって少なくとも部分的に包囲されている又は完全に包囲されていることが好ましい。
【0120】
この場合、第2のコンタクトセクションは、実質的に前記縁部の周囲に延びている。
【0121】
言い換えれば、コンタクト部材は、一種の圧着された接続によって固定突起に接続されている。前記接続は、この場合、圧力ばめ及び/又はインターロッキング接続である。圧着された接続は、加えて、さらに、はんだ付け又は溶接された接続によって補強することができる。
【0122】
第5の変形態様において、コンタクト部材は、少なくとも1つのクリップ要素によって固定突起に固定されている。
【0123】
クリップ要素は、好ましくは、第2のコンタクトセクション内へ延びるスロットの領域に位置決めされている。
【0124】
クリップ要素は、さらに、コンタクト部材及び固定突起に捕捉される突起を有することができる。
【0125】
上記説明によるコンタクト要素の1つの発展形において、キャリアストリップの端部は互いに接続されており、これにより、中心軸線を中心に延びるコンタクト要素が生じており、2つの端部は、好ましくは、前記コンタクト部材のうちの1つに接続されている又は端部は別個の要素によって互いに接続されている。したがって、リングが製造される。
【0126】
向きに応じて、コンタクト部材は、キャリアストリップ内又はキャリアストリップ外に配置されている。
【0127】
上述のコンタクト要素と、第1のコンタクト片及び第2のコンタクト片との集成装置は、コンタクト要素が、その第1のコンタクトセクションによって、第1のコンタクト片に対して当接しておりかつ第2のコンタクトセクションによって第2のコンタクト片に対して当接しているという点において区別される。
【0128】
集成装置の1つの発展形によれば、第1のコンタクト片は、中心軸線を中心に延びるソケット部分であり、第2のコンタクト片は、中心軸線を中心に延びるピン部分であり、キャリアストリップは中心軸線を中心に延びており、長手方向は、中心軸線に対して横方向に配置されておりかつ前記中心軸線を中心に延びている。
【0129】
コンタクト部材は、好ましくは、それぞれの第1のコンタクトセクションによって第1のコンタクト片と接触させることができ、コンタクト部材は、それぞれの第2のコンタクトセクションによって第2のコンタクト片と接触しており、コンタクト部材の、反対側の第2のコンタクトセクションの間の距離は、接点移動の際に増大させられる。
【0130】
別の実施の形態は従属請求項に記載されている。
【0131】
以下に、単に説明のために機能しかつ制限的に解釈されるべきではない図面に基づき発明の好適な実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0132】
図1】コンタクト形成操作の前の、コンタクト要素及び2つのコンタクト片の概略図を示している。
図2】コンタクト形成操作中の、図1の図を示している。
図3図1及び図2に示されたコンタクト要素のキャリアストリップの概略図を示している。
図4a】本発明の第1の実施の形態によるコンタクト部材の正面図を示している。
図4b図4aに示されたコンタクト部材を下から見た図を示している。
図4c図4aに示されたコンタクト部材を側方から見た図を示している。
図4d図4aに示されたコンタクト部材を上から見た図を示している。
図4e図4aに示されたコンタクト部材を上から見た斜視図を示している。
図4f図4aに示されたコンタクト部材を下から見た斜視図を示している。
図5a】本発明の第2の実施の形態によるコンタクト部材の正面図を示している。
図5b図5aに示されたコンタクト部材を下から見た図を示している。
図5c図5aに示されたコンタクト部材を側方から見た図を示している。
図5d図5aに示されたコンタクト部材を上から見た図を示している。
図5e図5aに示されたコンタクト部材を上から見た斜視図を示している。
図5f図5aに示されたコンタクト部材を下から見た斜視図を示している。
図6a】本発明の第3の実施の形態によるコンタクト部材の正面図を示している。
図6b図6aに示されたコンタクト部材を下から見た図を示している。
図6c図6aに示されたコンタクト部材を側方から見た図を示している。
図6d図6aに示されたコンタクト部材を上から見た図を示している。
図6e図6aに示されたコンタクト部材を上から見た斜視図を示している。
図6f図6aに示されたコンタクト部材を下から見た斜視図を示している。
図7a】本発明の第4の実施の形態によるコンタクト部材の正面図を示している。
図7b図7aに示されたコンタクト部材を下から見た図を示している。
図7c図7aに示されたコンタクト部材を側方から見た図を示している。
図7d図7aに示されたコンタクト部材を上から見た図を示している。
図7e図7aに示されたコンタクト部材を上から見た斜視図を示している。
図7f図7aに示されたコンタクト部材を下から見た斜視図を示している。
図8a】本発明の第5の実施の形態によるコンタクト部材の正面図を示している。
図8b図8aに示されたコンタクト部材を下から見た図を示している。
図8c図8aに示されたコンタクト部材を側方から見た図を示している。
図8d図8aに示されたコンタクト部材を上から見た図を示している。
図8e図8aに示されたコンタクト部材を上から見た斜視図を示している。
図8f図8aに示されたコンタクト部材を下から見た斜視図を示している。
図9a】ソケットにおける周方向溝に配置するための、本発明によるコンタクト部材の概略図を示している。
図9b図9aの詳細図を示している。
図9c図9aの細部の斜視図を示している。
図10a】ピンにおける周方向溝に配置するための、本発明によるコンタクト部材の概略図を示している。
図10b図10aの詳細図を示している。
図10c図10aの細部の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0133】
図1及び図2は、2つのコンタクト片K1,K2及びコンタクト要素1の概略図を示している。この場合、コンタクト要素1は、第1のコンタクト片K1と第2のコンタクト片K2との間に電気コンタクトを形成する。このために、コンタクト要素1は、コンタクト片K1のコンタクト面18及びコンタクト片K2のコンタクト面19とコンタクトを形成する。後続の記載においてより詳細に説明される弾性特性により、コンタクト要素は、図2に示されたように、コンタクト位置においてコンタクト片K1,K2の2つのコンタクト面18,19に対して常に押し付けられている。
【0134】
コンタクト形成操作中、第1のコンタクト片K1は、第2のコンタクト片K2に対して移動させられる。次いで、第1のコンタクト片K1は、ここでは前側領域における丸み付き部分20を備えて設計されているコンタクト面18によって、コンタクト要素1とコンタクトを形成する。次いで、コンタクト面18がコンタクト要素1に完全に接続されるまで、第1のコンタクト片K1は第2のコンタクト片K2に対してさらに移動させられる。そうすることにより、図2に示されたコンタクト位置が達成される。
【0135】
2つのコンタクト片K1,K2の間に電気コンタクトを形成するためのコンタクト要素1は、長手方向Lに延びるキャリアストリップ2と、キャリアストリップ2に接続された複数のコンタクト部材5とを有する。キャリアストリップ2は、電気コンタクトを形成するためではなく、コンタクト部材5を支持するために働き、電気コンタクトを形成するためにコンタクト部材5が設けられている。図1及び図2において、長手方向Lは、図面の紙面に対して直角に延びている。コンタクト要素の据付け位置に応じて、長手方向Lは、湾曲させられていることができる又は直線に沿って延びていることができる。例えば、コンタクト要素1がソケット/プラグ組合せ内へ据え付けられたとき、長手方向Lは、中心軸線を中心とする円周形式で形成される。実質的に平坦な2つのコンタクト片K1,K2の接触中には、長手方向Lは直線に沿って延びていることができる。
【0136】
図3において、コンタクト部材5が固定されているキャリアストリップ2が詳細に示されている。キャリアストリップ2は、力Fが長手方向Lでキャリアストリップ2に加えられたときに、前記キャリアストリップが圧縮又は伸長させられるように設計されている。したがって、キャリアストリップ2は、その長さを変化させることができるように設計されている。キャリアストリップ2の長さの変化は、好ましくは、弾性領域において行われる。力Fは、図3における二重矢印によって示されている。
【0137】
図示された実施の形態では、キャリアストリップ2は、複数の固定突起3を有する。この場合、固定突起3は、長手方向Lで見ると、互いに対して距離Aを置いて配置されている。図示された実施の形態では、2列の固定突起3が設けられている。一方の列は、長手方向Lに相前後して配置された第1の固定突起3aを含み、他方の列は、同様に長手方向Lに相前後して配置された第2の固定突起3bを含む。したがって、2つの列は長手方向Lに延びており、これらの列は、長手方向に対して横方向に延びる横方向Qで互いに所定の距離を置いて位置している。固定突起3の間の距離は、両方の列において同じである。しかしながら、第1の固定突起3aは、第2の固定突起3bに対して長手方向LでオフセットBだけずれて配置されている。オフセットBは、例えば、距離Aの半分に相当することができる。
【0138】
図面は、長手方向Lに関する固定突起3の対称的配置を示している。非対称の配置も同様に考えられる。
【0139】
線Mが、第1の固定突起3aの列と、第2の固定突起3bの列との間に配置されており、この線Mも同様に長手方向Lに延びている。この場合、線Mは、中心線Mであることができる。第1の固定突起3a及び第2の固定突起3bは、横方向Qに関して見ると、線Mに対して横方向距離Cだけ離れている。
【0140】
コンタクト部材5は、固定突起3においてキャリアストリップ2に固定されている。力Fがここでキャリアストリップに加えられると、固定突起3の間の距離Aが変化し、したがって、コンタクト部材5の間の距離の変化も生じる。
【0141】
図示された実施の形態において、長手方向Lで互いにすぐ続くそれぞれ2つの固定突起3は、ウェブ4によって互いに接続されている。ここでは、ウェブ4は、長手方向Lに対して所定の角度αで傾斜させられた形式で延びている。図示された実施の形態において、第1のウェブ4aは、第1の固定突起3aから第2の固定突起3bまで延びている。ウェブ4は、それぞれ、それぞれの固定突起3a,3bの内縁21に形成されている。この場合、内縁21は、それぞれ他方の固定突起3b,3aに面した、固定突起3a,3bの縁部である。第2のウェブ4bは、別の第1の固定突起3aまで延びている。この場合、ウェブ4bは、第1のウェブ4aが形成されている第2の固定突起3bの同じ内縁21から延びている。第2のウェブ4bは、同様に、長手方向Lに対して所定の角度αで傾斜させられている。
【0142】
言い換えれば、ウェブ4a,4bは、第1の列における固定突起3aから第2の列における固定突起3bへ、またその逆に、交互に延びている。固定突起3a,3b及びウェブ4a,4bのこのような配置により、キャリアストリップ2の蛇行した構造が達成され、これは、その長さに関して容易に変形させることができる。
【0143】
次いで、ウェブ4及び固定突起3のこの配置は、長手方向Lに沿って何回も繰り返され、これにより、複数の固定突起3及びウェブ4を有する実際のキャリアストリップ2を提供することができる。
【0144】
力Fがここで長手方向に加えられると、角度αは、キャリアストリップの伸長の際に減少するか、もしくは、角度αは、キャリアストリップの圧縮の際に増大する。
【0145】
図4a~図4fは本発明によるコンタクト要素1の第1の実施の形態を示しており、図5a~図5fは第2の実施の形態を示しており、図6a~図6fは第3の実施の形態を示しており、図7a~図7fは第4の実施の形態を示しており、図8a~図8fは第5の実施の形態を示している。
【0146】
ここで、個々の実施の形態を、後続の記載においてより詳細に説明する。ここでは、まず、全ての実施の形態において同じ特徴を説明し、次いで、異なる特徴を説明する。
【0147】
図4a~図8fは、コンタクト部材5がキャリアストリップ2の固定突起3に固定して接続されていることを明らかに示している。
【0148】
全ての実施の形態によれば、各コンタクト部材5は、2つのコンタクト片K2,K1のうちの一方とコンタクトを形成するための第1のコンタクトセクション6と、2つのコンタクト片K2,K1のうちの他方とコンタクトを形成するための第2のコンタクトセクション7と、さらに、コンタクト部材5をキャリアストリップ2の固定突起3に固定するための固定セクション8を有する。
【0149】
全ての実施の形態において、それぞれ1つの第1のコンタクト部材5aは、固定セクション8によって第1の固定突起3aに接続されている。第2のコンタクト部材5bは、それぞれ固定セクション8によって第2の固定突起3bに接続されている。第1の固定突起3aに接続された第1のコンタクト部材5aは、第1のコンタクトセクション6によって、第2の固定突起3bに接続された第2のコンタクト部材5bへと向けられている。したがって、第1のコンタクトセクション6は第2のコンタクト部材5bに向かって突出している。同様に、第2の固定突起3bに接続された第2のコンタクト部材5bは、第1のコンタクトセクション6によって、第1の固定突起3aに接続された第1のコンタクト部材5aへと向けられている。この場合、コンタクト部材5a,5bは、それぞれの第1のコンタクトセクション6が固定突起3a,3bから、長手方向Lに2つの固定セクション3a,3bの間の中央に延びる線Mを超えて延びるように、配置されている。すなわち、それぞれのコンタクト部材の第1のコンタクトセクション6は、線Mに関して少なくとも部分的に他方の側に配置されている。
【0150】
コンタクト部材5,5a,5bは、コンタクト部材5,5a,5bを、線Mに対して平行に配置された回動軸線Sを中心に回動させることができるように、キャリアストリップ2に対して配置されている。これは、特に、図4a,図5a,図6a,図7a及び図8aに明らかに示されている。回動軸線Sは、ここでは図面の紙面に対して直角に向けられている。コンタクトが第1のコンタクト片K1によって形成されるとき、図1及び図2に示されているように、コンタクト部材5が回動させられ、回動運動は矢印S’によって示されている。
【0151】
回動運動S’に加えて、コンタクト部材5は、回動軸線Sを中心とする回動運動の間、対応するコンタクト片K1,K2のコンタクト面18,19に対して移動することもできる。このために、コンタクト部材5は、第2のコンタクトセクション7と共に、第2のコンタクト片K2に対して移動する。この移動は、回動軸線Sに対して横方向に生じ、参照符号Vで示されている。
【0152】
図4a,図5a,図6a,図7a及び図8aは、さらに、第1のコンタクト部材5aが、固定突起3aから見たときに、第1のコンタクトセクション6が、長手方向に対して横方向で見たときに、第2のコンタクト部材5bを超えて延びるように、延びていることを明らかに示している。過剰な長さは、矢印Dによって示されている。そうすることによって、第1のコンタクト部材5aは、第2のコンタクト部材5bの側からの接点移動の際に、コンタクトが、まず、対応するコンタクト片によって第1のコンタクト部材5aと形成されるように、第2のコンタクト部材5bを超えて延びている。つまり、図4a,図5a,図6a,図7a及び図8aを見ると、コンタクト片が矢印Pの方向へコンタクト要素1に向かって押し付けられたとき、コンタクト片が第2のコンタクト部材5bと接触する前に、コンタクト片は、まず、第1のコンタクト部材5aと接触する。
【0153】
コンタクト要素の機能は、過剰分により最適化することができる。例えば、最大挿入力は、必要とされる据付けスペースに関して最適化することができる。
【0154】
言い換えれば、第1のコンタクト部材5aの第1のコンタクトセクション6は、第2のコンタクト部材5bの上側22を超えて突出している。第2のコンタクト部材5bもこの形式で配置されていることは言うまでもない。すなわち、第2のコンタクト部材5bの第1のコンタクトセクション6は、第1のコンタクト部材5aの上側22を超えて突出するように、特に、第1のコンタクト部材5aの側からの接点移動の際に、コンタクトが、まず、コンタクト片によって第2のコンタクト部材5bと形成されるように、配置されている。この移動は、図4aに矢印Pによって示されている。
【0155】
図4a,図5a,図6a,図7a及び図8aは、加えて、線Mの一方の側に配置された固定突起3aの面24が、線Mの他方の側に配置された固定突起3bの面24に対して所定の角度で傾斜させられた形式で配置されるように、ウェブ4が、固定突起3a,3bの間に配置された線Mを中心に一回又は複数回曲げられているように設計されている。曲げスポットは、それぞれ、参照符号23で示されており、第1の固定突起3aと第2の固定突起3bとの間の角度は、βによって示されている。
【0156】
図4c,図5c,図6c,図7c及び図8cは、加えて、それぞれ1つの第2のコンタクト部材5bが、2つの隣接する第1のコンタクト部材5aの間に配置された中間スペースZ1,Z2内へ延びていることを示している。第1のコンタクト部材5aは、互いに隣接して配置された2つの第2のコンタクト部材5bの間において、中間スペースZ2内へ延びている。したがって、交互構造が形成されている。
【0157】
図4a~図8fに示された全ての実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bの第1のコンタクトセクション6は、キャリアストリップ2から突出した自由端部9を形成している。したがって、自由端部9は、キャリアストリップ2に配置されているのではなく、固定セクション8から、キャリアストリップ2から離れるように延びている。
【0158】
撓まされた状態において、自由端部9は、キャリアストリップ2における凹所35を通って、キャリアストリップ2を貫通して突出していることができる。凹所35は、好ましくは、2つのウェブ4の間の中間領域によって提供されている。
【0159】
固定セクション8は、キャリアストリップ2に対して平坦に当接している。
【0160】
コンタクト部材5,5a,5bの固定形式に応じて、第2のコンタクトセクション7は、同様に、自由端部であるか又はキャリアストリップ2の下側25に当接している。これは、コンタクト部材5,5a,5bの固定に関連して以下でさらに説明する。
【0161】
図4a~図4fに示された実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bの第2のコンタクトセクション7は、コンタクト位置においてキャリアストリップ2がコンタクト片K2に接続されないように、キャリアストリップ2に関して配置されている。第2のコンタクトセクション7は、一種の突出部分29として設計されており、キャリアストリップ2の下側から所定の距離に配置されている。
【0162】
図4a~図8fに示された全ての実施の形態において、コンタクト部材5は、第1のコンタクトセクション6に丸み付き部分11を備えて設計されている。丸み付き部分11は、特に、第1のコンタクトセクション6におけるコンタクト部材の上側22に関する。なぜならば、それぞれのコンタクト面K1,K2との接触は、上側22によっても形成されるからである。設計に応じて、コンタクト部材5,5a,5bの下側26を丸み付けることもできる。丸み付き部分11は、一定の又は変化する丸み付き部分半径で、丸み付き部分軸線R11を中心に延びている。丸み付き部分軸線R11は、好ましくは、長手方向Lに対して平行に延びている。
【0163】
図4a~図4f、図5a~図5f、図7a~図7f及び図8a~図8fの実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bの第2のコンタクトセクション7も、丸み付き部分12を備える丸み付き形式で設計されている。丸み付き部分12は、一定の又は変化する丸み付き部分半径で、丸み付き部分軸線R12を中心に延びている。丸み付き部分軸線R12は、好ましくは、長手方向Lに対して平行に延びている。
【0164】
図6a~図6fに示された第3の実施の形態において、第2のコンタクトセクション7は、コンタクト部材5,5a,5bによって直接提供されているのではなく、リベット14によって提供されており、これは、後続の記載においてさらに説明される。この場合、リベット14の面は、丸み付き部分12を備えて設計されている。
【0165】
図4a~図8fの実施の形態において、第2のコンタクトセクション7は、固定セクション8の領域に配置されている。すなわち、第2のコンタクトセクション7及び固定セクション8は、物理的に互いの近くに配置されている。コンタクト部材5,5a,5bは、第2のコンタクトセクション7に丸み付き部分12を備えて設計されており、この丸み付き部分12は、長手方向Lに対して平行に延びる丸み付き部分軸線R12を中心に延びており、丸み付き部分軸線R12及び回動軸線Sは、実質的に互いに同一線形式で延びている。
【0166】
図7a及び図8aの実施の形態において、第2のコンタクトセクション7は、外縁13の領域においてキャリアストリップを包囲している。
【0167】
全ての実施の形態において、第1のコンタクトセクション6の丸み付き部分11の丸み付き部分半径R11は、第2のコンタクトセクション7の丸み付き部分12の丸み付き部分半径R12と異なることができる。丸み付き部分半径R11,R12は同じであることもできる。
【0168】
全ての実施の形態において、固定セクション8の領域におけるコンタクト部材5,5a,5bの横断面は、第1のコンタクトセクション6の領域におけるよりも大きい。したがって、第1のコンタクトセクション6は、固定セクション8に対してテーパした形式で設計されている。横断面の変化は、異なるジオメトリを有することができる。
【0169】
図4a~図4f及び図8a~図8fの実施の形態において、固定セクション8の領域に見られるコンタクト部材5,5a,5bの横断面は、第2のコンタクトセクション7の領域におけるコンタクト部材5,5a,5bの横断面より大きい。したがって、第2のコンタクトセクション7は、固定セクション8に対してテーパした形式で設計されている。横断面の変化は、異なるジオメトリを有することができる。しかしながら、第2のコンタクトセクション7におけるテーパの程度は、好ましくは、第1のコンタクトセクション6におけるより小さい。
【0170】
図5a~図5f、図6a~図6f及び図7a~図7fの実施の形態において、固定セクション8の領域におけるコンタクト部材5,5a,5bの横断面は、第2のコンタクトセクション7の領域における横断面と実質的に等しい。
【0171】
図4a~図4fに示された第1の実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bは、少なくとも1つのリベット15によってキャリアストリップ2に接続されている。少なくとも1つのリベット15は、コンタクト部材5,5a,5bと1つの部品として形成されている。したがって、コンタクト部材3及びリベット15は、一部品を形成している。次いで、リベット15は、リベット頭部27が形成されるようにキャリアストリップの下側25の領域において塑性変形させられる。このリベット頭部によってキャリアストリップ2はコンタクト部材5,5a,5bに締め付けられる。リベット15は、リベット開口33を通って、キャリアストリップ2を貫通して突出している。リベット15及びリベット開口33は、実質的に同じ横断面を有し、ここでは楕円形設計である。
【0172】
図4a~図4fに示された実施の形態において、各コンタクト部材5,5a,5bに対して4つのリベット15が設けられている。第1の実施の形態のその他の変化態様において、リベット15の数は、4よりも多い又は少ないこともできる。
【0173】
第1の実施の形態によるリベット15は、好ましくは、スタンピング加工によって製造され、この場合、スタンピング工具が、上側22から固定セクションを塑性変形させ、これにより、コンタクト要素の下側26からリベットを押し出す。
【0174】
固定突起3は、リベット15を収容するための開口を有する。開口の数及び位置は、リベット15の数及び位置に合致させられている。キャリアストリップにおける開口は、例えば、打抜き加工によって形成される。
【0175】
第1の実施の形態において、第2のコンタクトセクション7は、選択的な凹所28を有する。選択的な凹所28は、第2のコンタクトセクション7の中央を断面でかつ長手方向Lに対して横方向に見ると、第2のコンタクトセクション7内へ延びている。コンタクト面の規定された分割は、凹所28によって達成することができ、その結果、コンタクト抵抗は、より正確な形式で規定可能である。
【0176】
コンタクト部材5は、さらに、固定突起3の外縁13の領域において突出部分29を有する。そして、第2のコンタクトセクション7は、突出部分29に隣接している。突出部分29により、固定セクション8は、コンタクトセクション7から後方へずれた形式で配置されており、これにより、固定突起3及びリベット頭部27は、同様に、接触プロセスに不都合な影響を与えないように、コンタクトセクション7からずれている。
【0177】
図5a~図5fに示された第2の実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bは、少なくとも1つのリベット14によってキャリアストリップ2に接続されている。
【0178】
この実施の形態のリベット14は、コンタクト部材5,5a,5bとは別個に設計されている。リベット14は、第2のコンタクトセクション8における開口と、固定突起3における開口とを通過させられている。コンタクト部材5,5a,5bは、リベット14によって固定突起3に締め付けられている。
【0179】
図示された実施の形態において、1つのリベット14のみが示されている。例えば、図4に示したように、複数のリベット14を設けることも考えられる。
【0180】
第2の実施の形態において、第2のコンタクトセクション7は、第1のコンタクトセクション6とは反対側において固定セクション8に隣接している。この場合、第2のコンタクトセクション7は、曲げスポット30によって固定セクション8から曲げられた形式で設計されており、固定セクションに対して所定の角度で傾斜させられた形式で延びている。
【0181】
この実施の形態において、第1のコンタクトセクション6は、上述の丸み付き部分を備えた丸み付き先端部として設計されており、先端部は自由端部9に向かってテーパしている。
【0182】
少なくとも1つのリベット14による固定は、機械的な固定に加えて、溶接又ははんだ付けされた接続によって補助することもできる。これにより、リベット14は、溶接又ははんだ付けすることができる。
【0183】
図6a~図6fに示された第3の実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bは、少なくとも1つのリベット14によってキャリアストリップ2に接続されている。
【0184】
この実施の形態のリベット14は、コンタクト部材5,5a,5bとは別個に設計されている。リベット14は、第2のコンタクトセクション8における開口と、固定突起3における開口とを通過させられている。コンタクト部材5,5a,5bは、リベット14によって固定突起3に締め付けられている。
【0185】
図示された実施の形態において、1つのリベット14のみが示されている。例えば、図4に示したように、複数のリベット14を設けることも考えられる。
【0186】
第3の実施の形態によれば、リベット14は、導電性材料から形成されており、キャリアストリップ2の下側26におけるリベット頭部27は、第2のコンタクトセクションを提供する。リベット14は、コンタクト部材5,5a,5bと電気接触している。
【0187】
図示された実施の形態において、第2のコンタクト片のコンタクト面との良好な接触が達成されるように、リベット頭部27は、固定突起3の外縁13を超えて突出している。
【0188】
リベット頭部27は、上述の丸み付き部分12を有する。
【0189】
実質的に第1及び第3の実施の形態の組合せに相当する別の実施の形態において、第1の実施の形態の場合のように、リベットはコンタクト部材と1つの部品として形成されており、リベット頭部が前記第2のコンタクトセクションを提供することができるように、第3の実施の形態に従って、リベット頭部が次いで変形加工される。この別の実施の形態は、図面に示されていない。
【0190】
この実施の形態において、第1のコンタクトセクション6は、上述の丸み付き部分を備えた丸み付き先端部として設計されており、先端部は自由端部9に向かってテーパしている。
【0191】
少なくとも1つのリベット14による固定は、機械的な固定に加えて、溶接又ははんだ付けされた接続によって補助することもできる。したがって、リベット14は、溶接又ははんだ付けすることができる。
【0192】
図7a~図7fに示された第4の実施の形態において、固定セクション8は、少なくとも部分的に固定突起3を包囲している。図示された実施の形態において、固定セクション8は、上側及び下側における固定突起と、外縁13とを包囲している。コンタクト部材3が取り付けられると、固定セクション8は塑性的に変形加工され、これにより、固定突起に締め付けられる。機械的な締付けは、付加的なはんだ付け又は溶接された接続によって補助することができる。
【0193】
固定セクションは、好ましくは、固定プラグの上側もしくは下側を実質的に完全に包囲している。固定セクションが上側及び/又は下側を部分的にのみ包囲していることも考えられる。
【0194】
締付けは、圧着又は圧着された接続と呼ぶこともできる。図面において、圧着は参照符号31で示されている。
【0195】
外縁13の周囲に延びている固定セクション8の部分は、同時に、第2のコンタクトセクション7として機能し、したがって、外側において丸み付き部分12を備えて設計されている。
【0196】
図8a~図8fに示された第5の実施の形態において、コンタクト部材5,5a,5bは、クリップ要素16によって固定突起3に固定されている。図示された実施の形態において、クリップ要素16は、固定突起3に形成されており、固定突起3の外縁13から、長手方向Lに対して横方向に延びている。クリップ要素16は、変形加工され、固定セクション8の領域においてコンタクト部材5,5a,5bの上側22へ延びており、これにより、コンタクト部材5,5a,5bを固定突起3に締め付けている。
【0197】
代替例として、クリップ要素16は、コンタクト部材又は固定突起3とは別個の要素であることもできる。
【0198】
クリップ要素16は、好ましくは、第2のコンタクトセクション7内へ延びるスロット17を通って延びている。これは、クリップ要素が、第2のコンタクトセクション7と第2のコンタクト片K2との接触に不都合な影響を与えないことを保証する。言い換えれば、コンタクトセクション7は、第2の自由端部として固定セクション8から延びている。
【0199】
クリップ要素16による機械的な締付けは、付加的なはんだ付け又は溶接された接続によって補助することができる。
【0200】
図9a~図9dは、コンタクト要素1の第1の据付け状態の概略図を示している。この場合、コンタクト要素1は、本発明に従って、特に前記実施の形態に従って設計することができる。
【0201】
ここでは、キャリアストリップ2の長手方向もしくは線Mは、中心軸線Xを中心に延びている。図9a~図9dは、実質的にソケットにおける据付け状態を示しており、次いで、第2のコンタクトセクション7はソケットにおける溝に配置される。
【0202】
特に、図9cは、コンタクト部材5の向きが、中心軸線Xの方向である、すなわち、キャリアストリップの長手方向に関して横方向であることを明らかに示している。
【0203】
図10a~図10dは、コンタクト要素1の第2の据付け状態の概略図を示している。この場合、コンタクト要素1は、本発明に従って、特に前記実施の形態に従って設計することができる。
【0204】
ここでは、キャリアストリップ2の長手方向もしくは中心線Mは、中心軸線Xを中心に延びている。図10a~図10dは、実質的にプラグの外側における据付け状態を示しており、次いで、第2のコンタクトセクション7はソケットにおける溝に配置される。
【0205】
図10cは、特に、コンタクト部材5の向きが、中心軸線Xの方向である、すなわち、キャリアストリップの長手方向に関して横方向であることを明らかに示している。
【0206】
図9a~図9c及び図10a~図10cに示された両構成の場合、キャリアストリップ2の端部34は互いに接続されており、その結果、コンタクト要素は中心軸線Xを中心に延びており、2つの端部34は、好ましくは、前記コンタクト部材5,5a,5bのうちの1つに接続されている。
【符号の説明】
【0207】
1 コンタクト要素
2 キャリアストリップ
3,3a,3b 固定突起
4 ウェブ
5,5a,5b コンタクト部材
6 第1のコンタクトセクション
7 第2のコンタクトセクション
8 固定セクション
9 自由端部
10 自由端部
11 丸み付き部分
12 丸み付き部分
13 外縁
14 リベット
15 一体に形成されたリベット
16 クリップ要素
17 スロット
18 コンタクト面
19 コンタクト面
20 コンタクト面18の丸み付き部分
21 内縁
22 上側
23 曲げスポット
24 面
25 下側
26 下側
27 リベット頭部
28 凹所
29 突出部分
30 曲げスポット
31 圧着
33 リベット開口
34 端部
35 凹所
A 距離
B オフセット
C 横方向距離
D 過剰長さ
L 長手方向
Q 横方向軸線
M 中心線
P,P’ 矢印
S 回動軸線
X 中心軸線
Z1 中間スペース
Z2 中間スペース
F 力
E 平面
R11 丸み付き部分軸線
R12 丸み付き部分軸線
K1 コンタクト片
K2 コンタクト片
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c