(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】マルチデバイスのパワーオーバーイーサネットのフィールド検証のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20221219BHJP
H02J 1/10 20060101ALI20221219BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H02J1/00 304Z
H02J1/10
H02J13/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019085155
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-04-13
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ポール ヒットル
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0072982(US,A1)
【文献】米国特許第07627398(US,B1)
【文献】特開2015-180046(JP,A)
【文献】特開2015-005286(JP,A)
【文献】特表2008-529463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J1/00-1/16
H02J13/00
G06F1/26-1/3296
H04L12/28
H04L12/44-12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスの電力提供能力を試験する電力試験デバイスであって、
複数のピンを含む通信ポートであって、動作中に、前記通信ポートの前記ピンに電気的に結合された複数のワイヤを含むケーブルを介して、前記被試験デバイスから信号を受信する、通信ポートと、
前記通信ポートの前記ピンのうちの第1の組の対に電気的に結合された第1の試験回路と、
前記通信ポートの前記ピンのうちの第2の組の対に電気的に結合された第2の試験回路と、
前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路のうちの少なくとも1つに電気的に結合されたスイッチであって、
前記スイッチが第1の状態にある間に、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路が、互いに電気的に隔離され、
前記スイッチが第2の状態にある間に、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路が、互いに電気的に隔離されていない、スイッチと、
前記第1の試験回路、前記第2の試験回路、及び前記スイッチに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
前記第1の試験回路の動作を制御させ、
前記第2の試験回路の動作を制御させ、かつ
前記スイッチを、前記第1の状態又は前記第2の状態のうちの1つになるように制御させる、プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、を備える、電力試験デバイス。
【請求項2】
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路を独立して制御させる、請求項1に記載の電力試験デバイス。
【請求項3】
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、更に、
前記スイッチを、前記第1の状態になるように制御しながら、前記被試験デバイスからのプロービングが、第1の試験回路及び前記第2の試験回路の両方によって検出されるか否かを判定させる、請求項2に記載の電力試験デバイス。
【請求項4】
ディスプレイデバイスを更に備え、
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、更に、
前記被試験デバイスからのプロービングが、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路の両方によって検出されたとの判定に応答して、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施するように、前記第1の試験回路を制御させ、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施するように、前記第2の試験回路を制御させ、
前記第1の試験回路が、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を使用して、前記試験を実施し、かつ前記第2の試験回路が、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対を使用して、前記試験を実施した後に、
前記被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイを制御させ、
前記スイッチを、前記第2の状態になるように制御させる、請求項3に記載の電力試験デバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を使用して、前記試験を実施するように、前記第1の試験回路を制御し、前記プロセッサが、前記スイッチを前記第1の状態になるように制御しながら、前記ピンのうちの前記第2の組の対を使用して、前記試験を実施するように、前記第2の試験回路を制御する、請求項4に記載の電力試験デバイス。
【請求項6】
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、更に、
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出され、かつ前記第2の試験回路によって検出されていないとの判定に応答して、
前記スイッチを前記第2の状態になるように制御しながら、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施するように、前記第1の試験回路を制御させ、
前記被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させる、請求項4に記載の電力試験デバイス。
【請求項7】
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、更に、
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出されておらず、かつ前記第2の試験回路によって検出されたとの判定に応答して、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施するように、前記第2の試験回路を制御させ、
前記被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させ、
プロービングが、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路によって検出されていないとの判定に応答して、
前記被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスでもなくシングルシグネチャ対応デバイスでもないことを示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させる、請求項4に記載の電力試験デバイス。
【請求項8】
前記プロセッサ及び前記第2の試験回路に電気的に結合されたデータ隔離回路であって、動作中に、前記第1の試験回路から電気的に隔離されたデータ信号を前記第2の試験回路に提供する、データ隔離回路と、
前記第1の試験回路から電気的に隔離されていない電力信号を提供する端子に電気的に結合された入力端子と、前記第2の試験回路の
電力入力端子に電気的に結合された出力端子とを含む電力隔離回路であって、動作中に、前記第1の試験回路から電気的に隔離されている電力信号を、前記第2の試験回路の前記電力入力端子に提供する、電力隔離回路と、を更に備え、
前記スイッチが、前記第1の試験回路から電気的に隔離されていない前記電力信号を提供する前記端子に電気的に結合された第1の端子と、前記第2の試験回路の前記電力入力端子に電気的に結合された第2の端子と、を含み、
前記スイッチが前記第1の状態にある間に、前記スイッチが、前記電力隔離回路の前記入力端子及び前記電力隔離回路の前記出力端子を電気的に結合せず、かつ前記第1の試験回路から電気的に隔離されていない前記電力信号を、前記第2の試験回路の前記電力入力端子に提供せず、
前記スイッチが前記第2の状態にある間に、前記スイッチが、前記電力隔離回路の前記入力端子及び前記電力隔離回路の前記出力端子を電気的に結合し、かつ前記第1の試験回路から電気的に隔離されていない前記電力信号を、前記第2の試験回路の前記電力入力端子に提供する、請求項1に記載の電力試験デバイス。
【請求項9】
前記プロセッサ可読命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、更に、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を介して、前記被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させ、又は
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対を介して、前記被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させ、又は
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対及び前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対の両方を介して、前記被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示するように、前記ディスプレイデバイスを制御させる、請求項4に記載の電力試験デバイス。
【請求項10】
被試験デバイスの電力提供能力を試験する電力試験デバイスを動作させる方法であって、
第2の試験回路から第1の試験回路を電気的に隔離することと、
前記被試験デバイスによるプロービングが、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路の両方によって検出されるか否かを判定することと、
前記プロービングが、前記第1の試験回路及び前記第2の試験回路の両方によって検出されたとの判定に応答して、
通信ポートの複数のピンのうちの第1の組の対及び前記第1の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施することと、
前記通信ポートの前記ピンのうちの第2の組の対及び前記第2の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施することと、
前記被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対及び前記第1の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの前記試験を実施し、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対及び前記第2の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの前記試験を実施した後に、前記第2の試験回路から前記第1の試験回路を隔離解除することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対及び前記第1の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの前記試験を実施することと、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対及び前記第2の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの前記試験を実施することとが、同時に実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対及び前記第1の試験回路を使用する前記試験の前記実施と、前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対及び前記第2の試験回路を使用する前記試験の前記実施とが、同時に実施され、前記第2の試験回路からの前記第1の試験回路の前記隔離が、同時に実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の試験回路から前記第1の試験回路を隔離解除することが、前記被試験デバイスが、前記デュアルシグネチャ対応デバイスであると判定した後に実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出されたと判定することと、
プロービングが、前記第2の試験回路によって検出されていないと判定することと、
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出され、かつプロービングが、前記第2の試験回路によって検出されていないとの判定に応答して、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対及び前記第1の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施することと、
前記被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記被試験デバイスが、前記通信ポートのピン1、2、3、及び6によって電力を提供することを示すメッセージを表示することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第1の組の対を介して、前記被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出されていないと判定することと、
プロービングが、前記第2の試験回路によって検出されたと判定することと、
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出されておらず、かつプロービングが、前記第2の試験回路によって検出されたとの判定に応答して、
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対及び前記第2の試験回路を使用して、前記被試験デバイスの試験を実施することと、
前記被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記被試験デバイスが、前記通信ポートのピン4、5、7、及び8によって電力を提供することを示すメッセージを表示することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記通信ポートの前記ピンのうちの前記第2の組の対を介して、前記被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
プロービングが、前記第2の試験回路からの前記第1の試験回路の前記隔離解除中に、前記第1の試験回路によって検出されていないと判定することと、
プロービングが、前記第2の試験回路からの前記第1の試験回路の前記隔離解除中に、前記第2の試験回路によって検出されていないと判定することと、
プロービングが、前記第1の試験回路によって検出されておらず、かつプロービングが、前記第2の試験回路によって検出されていないとの前記判定に応答して、
前記被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスでもなくシングルシグネチャ対応デバイスでもないことを示すメッセージを表示することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子試験デバイスに関し、より具体的には、シングルケーブルによって複数のデバイスのための電力を提供することができる機器によって供給される電力の特性を判定する電子試験デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーオーバーイーサネット(登録商標)(PoE)技術は、デバイスが、PoE対応スイッチからシングルイーサネット(登録商標)ケーブルによってネットワーク通信及び電力の両方を受け取ることを可能にする。あるいは、PoE対応スイッチを使用する代わりに、PoE非対応スイッチのネットワークスイッチの後のパワーインジェクタを使用して、エンドデバイスに電力を提供することができ、エンドデバイスのパワースプリッタを使用して、内蔵型PoE能力を有していないデバイスに、個別のネットワーク接続と電力接続とを提供し得る。
【0003】
PoE用語によると、電力を供給するデバイスは給電機器(PSE)と呼ばれ、電力を使用するデバイスは受電デバイス(PD)と呼ばれる。PoE技術の基本的な考え方は、操作者が、イーサネット(登録商標)ケーブルの一端をPSE(例えば、ネットワークスイッチ)に差し込み、イーサネット(登録商標)ケーブルの他端をPD(例えば、セキュリティカメラ又は無線アクセスポイント)に差し込むことができ、PSEは、PDを動作させるための電力を提供し、又、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して、PDにデータを提供することである。様々な独自のPoE方法が使用されてきた。加えて、PoE方法は、米国電気電子技術者協会(IEEE)によって標準化されてきており、今後も標準化される。開発されてきた、かつ今も開発されているIEEE規格の例は、IEEE 802.3af、IEEE 802.3at、及びIEEE 802.3btを含む。
【0004】
PDは、動作するために特定の電力量を必要とするが、PSEは、その量の電力を供給することができない場合がある。PSEが供給できる電力量に影響を与える要因には、PSEの基本設計、PSEが他のPDに供給している電力量、及びケーブル配線で消費される電力量を含む。PSEにおける異なる給電能力及び各PDにおける異なる電力要件のために、エンドユーザが、PD(例えば、カメラ)をPSE(例えば、ネットワークスイッチ)に接続し、そのPDを、十分な電力がないために動作しないようにすることを可能にする。従来のPoE試験デバイスは、PSEがどれだけの電力を供給することができるかを操作者に示すことができ、その操作者は、PDの仕様を見て、PDが動作するのに十分な電力を引き出すことができるか否かを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
開発中の新しいPoEシステムは、シングルシグネチャ及びデュアルシグネチャの適合性を提供し得る。このようなシステムの新しいPoE規格は、電力が、イーサネット(登録商標)ケーブルの一端で2つのデバイスに提供され得ることを認識する。一般的な例は、屋外のセキュリティカメラで起こる。1つのベンダーは、屋外のセキュリティカメラを提供することができ、別のベンダーは、カメラが設置されている加熱された屋外用エンクロージャを提供することができる。最も簡単な解決策は、カメラ及びエンクロージャが、それらの電力要件に対して独立して交渉することである。新たに提案されたPoE規格は、シングルシグネチャのPD及びデュアルシグネチャのPDの概念を用いてこれを確認している。シングルシグネチャのPDは、イーサネット(登録商標)ケーブルに接続されたシングルデバイスに提供される特定の特性を備えた電力を必要とする。デュアルシグネチャのPDは、両方がイーサネット(登録商標)ケーブルの端部に接続されている第1のデバイス及び第2のデバイスに提供される電力を必要とし、第1のデバイスによって要求される電力の特性は、第2のデバイスによって要求される電力の特性とは異なってもよい。そのような新たに提案されたPoE規格の1つは、PSE及びPDが、イーサネット(登録商標)ケーブルによってPSEからPDに提供される電力の特性又はシグネチャを交渉する能力を提供するIEEE 802.3btである。シングルシグネチャのPDは、イーサネット(登録商標)ケーブルのその端部で必要とされる全ての電力に対して、シングルデバイスとして交渉する。デュアルシグネチャのPDは、異なる撚り合わされた対の組上で独立して交渉する2つの「デバイス」を有すると考えられ得る。例えば、デュアルシグネチャのPDは、第1のデバイスの撚り合わされた対の組12~36及び第2のデバイスの撚り合わされた対の組45~78上で、独立して交渉することができる。
【0007】
したがって、本開示は、PSE(例えば、
図1に示す給電デバイス102)が、デュアルシグネチャ電力提供をサポートできるか否かを判定するPoE試験デバイス(例えば、
図1に示す電力試験デバイス104)の実施形態を説明する。加えて、本明細書に記載される実施形態は、デュアルシグネチャ電力提供をサポートするPSEによって提供され得る電力の特性を判定する、PoE試験デバイスを提供する。
【0008】
したがって、少なくとも1つの実施形態では、本開示は、PSE(例えば、
図1に示す給電デバイス102)に接続し、かつPSEが、シングルシグネチャ電力交渉、デュアルシグネチャ電力交渉、又はその両方を提供することができるか否かを判定する、PoE試験デバイス(例えば、
図1に示す電力試験デバイス104)を教示する。加えて、本開示は、PSEに接続し、かつそれがシングルシグネチャ電力モードで動作するとき、及びそれがデュアルシグネチャ電力モードで動作するときに、PSEから入手可能な電力量を決定する、PoE試験デバイスを教示する。
【0009】
被試験デバイスの電力提供能力を試験する電力試験デバイスは、複数のピンを含む通信ポートであって、動作中に、通信ポートのピンに電気的に結合された複数のワイヤを含むケーブルを介して、被試験デバイスから信号を受信する、通信ポートと、当該通信ポートのピンのうちの第1の組の対に電気的に結合された第1の試験回路と、当該通信ポートのピンのうちの第2の組の対に電気的に結合された第2の試験回路と、第1の試験回路及び第2の試験回路のうちの少なくとも1つに電気的に結合されたスイッチであって、このスイッチが第1の状態にある間に、第1の試験回路及び第2の試験回路が互いに電気的に隔離されており、かつこのスイッチが第2の状態にある間に、第1の試験回路及び第2の試験回路が互いに電気的に隔離されていない、スイッチと、第1の試験回路、第2の試験回路、及びスイッチに結合されたプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリであって、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の試験回路の動作を制御させ、第2の試験回路の動作を制御させ、かつスイッチを第1の状態又は第2の状態のうちの1つに制御させる、プロセッサ可読命令を記憶する、メモリとを含むものとして要約されてもよい。
【0010】
プロセッサ可読命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、第1の試験回路及び第2の試験回路を独立して制御させることができる。プロセッサ可読命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、スイッチが第1の状態になるように制御しながら、被試験デバイスからのプロービングが、第1の試験回路及び第2の試験回路の両方によって検出されるか否かを更に判定させることができる。電力試験デバイスは、ディスプレイデバイスを更に含むことができ、プロセッサ可読命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、被試験デバイスからのプロービングが、第1の試験回路及び第2の試験回路の両方によって検出されたとの判定に応答して、通信ポートのピンのうちの第1の組の対を使用して、被試験デバイスの試験を実施するように第1の試験回路を制御させ、通信ポートのピンのうちの第2の組の対を使用して、被試験デバイスの試験を実施するように第2の試験回路を制御させ、第1の試験回路が、通信ポートのピンのうちの第1の組の対を使用して試験を実施し、第2の試験回路が、通信ポートのピンのうちの第2の組の対を使用して試験を実施した後に、被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するようにディスプレイを制御させ、スイッチを第2の状態になるように制御させる。プロセッサは、通信ポートのピンのうちの第1の組の対を使用して、試験を実施するように第1の試験回路を制御してもよく、プロセッサが、スイッチを第2の状態になるように制御しながら、ピンのうちの第2の組の対を使用して、試験を実施するように第2の試験回路を制御してもよい。
【0011】
プロセッサ可読命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロービングが第1の試験回路によって検出され、第2の試験回路によって検出されないと判定したことに応答して、プロセッサに、更に、スイッチを第2の状態になるように制御しながら、通信ポートのピンのうちの第1の組の対を使用して、被試験デバイスの試験を実施するように第1の試験回路を制御させ、被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するようにディスプレイデバイスを制御させることができる。
【0012】
プロセッサ可読命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、更に、プロービングが、第1の試験回路によって検出されず、かつ第2の試験回路によって検出されたとの判定に応答して、通信ポートのピンのうちの第2の組の対を使用して、被試験デバイスの試験を実施するように第2の試験回路を制御させ、被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示するようにディスプレイデバイスを制御させることができ、プロービングが、第1の試験回路及び第2の試験回路によって検出されないとの判定に応答して、被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスでもなく、シングルシグネチャ対応デバイスでもないことを示すメッセージを表示するようにディスプレイデバイスを制御させることができる。電力試験デバイスは、プロセッサ及び第2の試験回路に電気的に結合されたデータ隔離回路を更に含むことができ、このデータ隔離回路は、動作中に、第1の試験回路から電気的に隔離されているデータ信号を第2の試験回路に提供し、電力隔離回路は、第1の試験回路から電気的に隔離されていない電力信号を提供する端子に電気的に結合された入力端子と、第2の試験回路の電力端子に電気的に結合された出力端子とを含み、この電力隔離回路は、動作中に、第1の試験回路から電気的に隔離されている電力信号を第2の試験回路の電力入力端子に提供し、スイッチは、第1の試験回路から電気的に隔離されていない電力信号を提供する端子に電気的に結合された第1の端子と、第2の試験回路の電力入力端子に電気的に結合された第2の端子とを含むことができ、スイッチが第1の状態にある間に、スイッチは、電力隔離回路の入力端子と電力隔離回路の出力端子とを電気的に結合せず、第1の試験回路から電気的に隔離されていない電力信号を第2の試験回路の電力入力端子に提供せず、スイッチが第2の状態にある間に、スイッチは、電力隔離回路の入力端子と電力隔離回路の出力端子とを電気的に結合し、第1の試験回路から電気的に隔離されていない電力信号を第2の試験回路の電力入力端子に提供する。
【0013】
被試験デバイスの電力提供能力を試験する電力試験デバイスを動作させる方法は、第2の試験回路から第1の試験回路を電気的に隔離することと、被試験デバイスによるプロービングが、第1の試験回路及び第2の試験回路の両方によって検出されるか否かを判定することと、このプロービングが、第1の試験回路及び第2の試験回路の両方によって検出されたとの判定に応答して、通信ポートの複数のピンのうちの第1の組の対及び第1の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することと、通信ポートのピンのうちの第2の組の対及び第2の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することと、被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、通信ポートのピンのうちの第1の組の対及び第1の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施し、かつ通信ポートのピンのうちの第2の組の対及び第2の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施した後に、第2の試験回路から第1の試験回路を隔離解除することと、を含むものとして要約することができる。通信ポートのピンのうちの第1の組の対及び第1の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することと、通信ポートのピンのうちの第2の組の対及び第2の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することとは、同時に実施することができる。通信ポートのピンのうちの第1の組の対及び第1の試験回路を使用する、被試験デバイスの試験の実施と、通信ポートのピンのうちの第2の組の対及び第2の試験回路を使用する試験の実施とは、同時に実施され、第2の試験回路から第1の試験回路の隔離は同時に実施することができる。第2の試験回路から第1の試験回路を隔離解除することは、被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスであるとの判定の後に実施されてもよい。
【0014】
本方法は、プロービングが、第1の試験回路によって検出されたと判定することと、プロービングが、第2の試験回路によって検出されていないと判定することと、プロービングが、第1の試験回路によって検出され、プロービングが、第2の試験回路によって検出されていないとの判定に応答して、通信ポートのピンのうちの第1の組の対及び第1の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することと、被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、を更に含むことができる。
【0015】
本方法は、被試験デバイスが、通信ポートのピン1、2、3、及び6によって電力を提供することを示すメッセージを表示することを更に含んでもよい。
【0016】
本方法は、通信ポートのピンのうちの第1の組の対を介して、被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージを表示することを更に含んでもよい。
【0017】
本方法は、プロービングが、第1の試験回路によって検出されていないと判定することと、プロービングが、第2の試験回路によって検出されたと判定することと、プロービングが、第1の試験回路によって検出されておらず、プロービングが、第2の試験回路によって検出されたとの判定に応答して、通信ポートのピンのうちの第2の組の対及び第2の試験回路を使用して、被試験デバイスの試験を実施することと、被試験デバイスが、シングルシグネチャ対応デバイスであることを示すメッセージを表示することと、を更に含んでもよい。
【0018】
本方法は、被試験デバイスが、通信ポートのピン4、5、7、及び8によって電力を提供することを示すメッセージを表示することを更に含んでもよい。
【0019】
本方法は、通信ポートのピンのうちの第2の組の対を介して、被試験デバイスによって提供された電力の特性を示すメッセージの表示を更に含んでもよい。
【0020】
本方法は、第2の試験回路から第1の試験回路の隔離解除中に、プロービングが、第1の試験回路によって検出されていないと判定することと、第2の試験回路から第1の試験回路の隔離解除中に、プロービングが、第2の試験回路によって検出されていないと判定することと、プロービングが、第1の試験回路によって検出されておらず、かつプロービングが、第2の試験回路によって検出されていないとの判定に応答して、被試験デバイスが、デュアルシグネチャ対応デバイスでもなく、シングルシグネチャ対応デバイスでもないことを示すメッセージを表示することと、を更に含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、パワーオーバーイーサネット(登録商標)(PoE)試験システムの図である。
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、給電デバイスと電力試験デバイスとの間の接続を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイスの構成要素を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイスによって実施される方法のフローチャートを示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイスによって実施される方法のフローチャートを示す図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイスによって実施される方法のフローチャートを示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、給電デバイスと電力試験デバイスとの間の電力交渉プロセスの態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、パワーオーバーイーサネット(登録商標)(PoE)試験システム100の図である。PoE試験システム100は、被試験デバイス又は給電デバイス102及び電力試験デバイス104を含む。給電デバイス102は、通信ポート106(例えば、イーサネット(登録商標)ジャック又はソケット)を含み、電力試験デバイス104は、通信ポート108(例えば、イーサネット(登録商標)ジャック又はソケット)を含む。給電デバイス102及び電力試験デバイス104は、イーサネット(登録商標)ケーブル110を介して、互いに通信可能に結合されている。より具体的には、イーサネット(登録商標)ケーブル110の第1の端部は、給電デバイス102の通信ポート106に差し込まれている第1のRJ45コネクタ(図示せず)を含み、イーサネット(登録商標)ケーブル110の第2の端部は、電力試験デバイス104の通信ポート108に差し込まれている第2のRJ45コネクタ(図示せず)を含む。イーサネット(登録商標)ケーブル110は、例えば、Cat3、Cat5、Cat5e、又はCat6であってもよい。
【0023】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の電気的接続を示す図である。給電デバイス102の通信ポート106及び電力試験デバイス104の通信ポート108は、8つのピン(すなわち、端子、導体)を各々有する。イーサネット(登録商標)ケーブル110は、イーサネット(登録商標)ケーブル110の一端にある第1のRJ45コネクタ(図示せず)が、通信ポート106に差し込まれているときに、かつイーサネット(登録商標)ケーブル110の他端にある第2のRJ45コネクタ(図示せず)が、イーサネット(登録商標)ポート108に差し込まれているときに、給電デバイス102の通信ポート106のピンを電力試験デバイス104の通信ポート108のピンに電気的に結合する8本のワイヤ112a-112hを含む。
【0024】
イーサネット(登録商標)ケーブル110のワイヤ112a-112hは、撚り合わされた対のワイヤの組に配置されている。より具体的には、ワイヤ112a及び112bは、1対の撚り合わされた組を形成し、ワイヤ112c及び112dは、1対の撚り合わされた組を形成し、ワイヤ112e及び112fは、1対の撚り合わされた組を形成し、ワイヤ112g及び112hは、1対の撚り合わされた組を形成する。
図2に示すように、ワイヤ112aは、通信ポート106のピン4を通信ポート106のピン4と電気的に結合し、ワイヤ112bは、通信ポート106のピン5を通信ポート108のピン5と電気的に結合する。ワイヤ112cは、通信ポート106のピン1を通信ポート108のピン1と電気的に結合し、ワイヤ112dは、通信ポート106のピン2を通信ポート108のピン2と電気的に結合する。ワイヤ112eは、通信ポート106のピン3を通信ポート108のピン3と電気的に結合し、ワイヤ112fは、通信ポート106のピン6を通信ポート108のピン6と電気的に結合する。ワイヤ112gは、通信ポート106のピン7を通信ポート108のピン7と電気的に結合し、ワイヤ112hは、通信ポート106のピン8を通信ポート108のピン8と電気的に結合する。
【0025】
給電デバイス102は、電力及びデータを電力試験デバイス104に独立して提供する。給電デバイス102は、1対の組又は対の組の「内側」のデータを提供する。例えば、給電デバイス102は、12~36対の組、又は4対の組全てにデータを提供することができる。給電デバイス102は、対の組を並列に使用して電力を提供する。例えば、給電デバイス102は、回路の半分と平行なピン4及び5を使用し、回路の他の半分と平行なピン7及び8を使用して、電力を提供することができる。したがって、給電デバイス102が、通信ポート106のピン4及び5に、及びピン7及び8に電力を提供するときに、電力は、電力試験デバイス104の通信ポート108のピン4及び5に、及びピン7及びピン8に受容される。給電デバイス102が、通信ポート106のピン1及び2に、及びピン3及びピン6に提供するときに、電力は、電力試験デバイス104の通信ポート108のピン1及び2に、及びピン3及びピン6に受け取られる。
【0026】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイス104の構成要素を示す図である。電力試験デバイス104は、通信ポート108と、メモリ116及び中央処理装置(CPU)118を有するマイクロプロセッサ114と、メモリ120と、ディスプレイデバイス122と、入力/出力(I/O)回路124と、第1のダイオードブリッジ126と、第1のPoE試験回路128と、第2のダイオードブリッジ130と、第2のPoE試験回路132と、データ隔離回路134と、電力隔離回路136と、スイッチ138とを含む。
【0027】
第1の変圧器(ラベルなし)は、通信ポート108のピン1及び2を介して受信されたデータ信号を、第1のPoE試験回路128に提供されている、対応する電力信号から電気的に隔離する通信ポート108のピン1及び2に結合されている。第2の変換器(ラベルなし)は、通信ポート108のピン3及び6を介して受信されたデータ信号を、第1のPoE試験回路128に提供されている、対応する電力信号から電気的に隔離する通信ポート108のピン3及び6に結合されている。第3の変換器(ラベルなし)は、通信ポート108のピン4及び5を介して受信されたデータ信号を、第2のPoE試験回路132に提供されている、対応する電力信号から電気的に隔離する通信ポート108のピン4及び5に結合されている。第4の変換器(ラベルなし)は、通信ポート108のピン7及び8を介して受信されたデータ信号を、第2のPoE試験回路132に提供されている、対応する電力信号から電気的に隔離する通信ポート108のピン7及び8に結合されている。
【0028】
第1のダイオードブリッジ126は、第1のダイオード140a、第2のダイオード140b、第3のダイオード140c、及び第4のダイオード140dを含む。より具体的には、第1のダイオード140aのアノードは、第2のダイオード140bのカソードと、通信ポート108のピン1及び2とに電気的に結合されており、第2のダイオード140bのアノードは、第3のダイオード140cのアノードと、第1のPoE試験回路128の第1の端子128aとに電気的に結合されており、第3のダイオード140cのカソードは、第4のダイオード140dのアノードと、通信ポート108のピン3及び6とに電気的に結合されており、第4のダイオード140dのカソードは、第1のダイオード140aのカソードと、第1のPoE試験回路128の第2の端子128bとに電気的に結合されている。
【0029】
上記のとおり、第1のPoE試験回路128は、第1のダイオードブリッジ126を介して、通信ポート108のピン1、2、3、及び6に電気的に結合されている。第1のPoE試験回路128は又、マイクロプロセッサ114に電気的に結合され、第1のPoE試験回路128に電力交渉プロセスの様々な態様を実行させる制御信号を第1のPoE試験回路128に提供する。第1のPoE試験回路128は、対応する試験結果データをマイクロプロセッサ114に提供する。1つ以上の実施形態では、第1のPoE試験回路128は、Microsemi Corporationから入手可能なモデルPD70200 PDフロントエンド集積回路である。
【0030】
第2のダイオードブリッジ130は、第1のダイオード142a、第2のダイオード142b、第3のダイオード142c、及び第4のダイオード142dを含む。より具体的には、第1のダイオード142aのアノードは、第2のダイオード142bのカソードと、通信ポート108のピン4及び5とに電気的に結合されており、第2のダイオード142bのアノードは、第3のダイオード142cのアノードと、第2のPoE試験回路132の第1の端子132aとに電気的に結合されており、第3のダイオード142cのカソードは、第4のダイオード142dのアノードと、通信ポート108のピン7及び8とに電気的に結合されており、第4のダイオード142dのカソードは、第1のダイオード142aのカソードと、第2のPoE試験回路132の第2の端子132bとに電気的に結合されている。
【0031】
上記のとおり、第2のPoE試験回路132は、第2のダイオードブリッジ130.を介して、通信ポート108のピン4、5、7、及び8に電気的に結合されている。第2のPoE試験回路132は又、マイクロプロセッサ114の端子に電気的に結合され、第2のPoE試験回路132に、様々な所定の電力交渉及び試験手順を実施させる制御信号を第2のPoE試験回路132に提供する。第2のPoE試験回路132は、対応する試験結果データをマイクロプロセッサ114.に提供する。1つ以上の実施形態では、第2のPoE試験回路132は、Microsemi Corporationから入手可能なモデルPD70200 PDフロントエンド集積回路である。
【0032】
データ隔離回路134は、第2のPoE試験回路132とマイクロプロセッサ114.との間で電気的に結合されている。データ隔離回路134は、第2のPoE試験回路132を電力試験デバイス104.の他の構成要素から電気的に隔離する。とりわけ、データ隔離回路134は、第2のPoE試験回路132を第1のPoE試験回路128から電気的に隔離する。1つ以上の実施形態では、データ隔離回路134は、光を使用してデータ隔離回路134と第2のPoE試験回路132との間で電気信号を転送する光隔離器を採用する。1つ以上の実施形態では、データ隔離回路134は、Analog Devices,Inc.から入手可能なモデルADUM1265デジタル隔離器の集積回路である。
【0033】
電力隔離回路136の電力入力端子136aは、例えば、電池であり得る電力試験デバイス104の電源(図示せず)に電気的に結合された端子146から電力信号を受信する。電力隔離回路136は、電気サージを抑制し、雑音フィルタリングを実施し、第1のPoE試験回路128を含む電力試験デバイス104の他の構成要素によって影響されない隔離された電力信号を生成する。電力隔離回路136の電力出力端子136bは、第2のPoE試験回路132.の電力入力端子132cに隔離された電力信号を提供する。1つ以上の実施形態では、電力隔離回路136は、Maxim Integrated Products,Inc.から入手可能なモデルMAX17682 DC-DCコンバータの集積回路である。
【0034】
スイッチ138の第1の端子138aは、電力隔離回路136の電力入力端子136aと、電力試験デバイス104の電源(図示せず)に電気的に結合された端子146とに電気的に結合されている。スイッチ138の第2の端子138bは、電力隔離回路136の電力出力端子136bと、第2のPoE試験回路132の電力入力端子132cとに電気的に結合されている。スイッチ138は、マイクロプロセッサ114に電気的に結合され、スイッチ138の状態を制御するために、スイッチ138に制御信号を提供する。マイクロプロセッサ114が第1の特性(例えば、第1の電圧レベル)を有する制御信号を提供している間に、スイッチ138は開放状態にある。マイクロプロセッサ114が第2の特性(例えば、第2の電圧レベル)を有する制御信号を提供している間に、スイッチ138は閉鎖状態にある。
【0035】
スイッチ138が開放状態にある間に、電力隔離回路136は、第2のPoE試験回路132に供給される電力を、第1のPoE試験回路128を含む電力試験デバイス104の他の構成要素から電気的に隔離する。加えて、スイッチ138は、電力信号を端子146から第2のPoE試験回路132に提供しない。加えて、スイッチ138が開放状態にある間に、データ隔離回路134の接地端子は、他の構成要素から隔離された接地電位(例えば、電力隔離回路136によって提供される)に電気的に結合され、データ隔離回路134に、第1のPoE試験回路128を含む他の構成要素から隔離されたデータ信号を第2のPoE試験回路132に提供させる。
図3の破線は、隔離境界144を示す。
【0036】
スイッチ138が閉鎖状態にある間に、電力隔離回路136の電力入力端子136a及び電力出力端子136bは、共に電気的に結合され(すなわち、電気的に短絡される)、スイッチ138の第2の端子138bは、端子146から第2のPoE試験回路132の電力入力端子132cに電力信号を提供する。したがって、スイッチ138が閉鎖状態にある間に、電力隔離回路136は、効果的にバイパスされ、したがって、それは、第2のPoE試験回路132に提供される電力を、第1のPoE試験回路128を含む電力試験デバイス104の他の構成要素から電気的に隔離しない。加えて、スイッチ138が閉鎖状態にある間に、データ隔離回路134の接地端子は、他の構成要素から隔離されていない接地電位に電気的に結合され、データ隔離回路134に、第1のPoE試験回路128を含む他の構成要素から隔離されていないデータ信号を第2のPoE試験回路132に提供させる。
【0037】
1つ以上の実施形態では、スイッチ138は機械式リレーである。1つ以上の実施形態では、スイッチ138はオプトカプラである。
【0038】
メモリ120は、CPU 118によって実行されるときに、電力試験デバイス104に、
図4A、
図4B、及び
図4Cに関連して説明される機能を実施させる、プロセッサ実行可能命令を記憶する。CPU 118は、命令を実行している間に、メモリ116を作動メモリとして使用する。1つ以上の実施形態では、メモリ116は、1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)モジュールから構成されている。1つ以上の実施形態では、メモリ120は、例えば、電子的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)又はフラッシュメモリモジュールなどの1つ以上の不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)モジュールから構成されている。
【0039】
ディスプレイデバイス122は、操作者に情報をグラフ表示する。マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122を制御して、電力試験デバイス104によって実施される試験に関する情報を表示する。1つ以上の実施形態では、ディスプレイデバイス122は、液晶ディスプレイ(LCD)デバイスである。1つ以上の実施形態では、ディスプレイデバイス122は、タッチスクリーンを含む。
【0040】
1つ以上の実施形態では、I/O回路124は、電力試験デバイス104にコマンドを入力するためのボタン、スイッチ、ダイヤル、ノブ、又は他のユーザインターフェース要素を含んでもよい。I/O回路124は又、電力試験デバイス104.から情報又は指示を出力するためのスピーカ、1つ以上の発光デバイス、又は他のユーザインターフェース要素を含んでもよい。
【0041】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、電力試験デバイス104によって実施された方法200のフローチャートを示す図である。
【0042】
202において、電力試験デバイス104は、操作者が、給電デバイス102の試験を開始するようになるという指示を受信する。例えば、操作者が、イーサネット(登録商標)ケーブル110を給電デバイス102と、電力試験デバイス104とに接続した後に、操作者は、I/O回路124のボタンを押し、マイクロプロセッサ114の所定の端子に、試験が開始されることを示す信号を受信させる。次いで、方法200は、204に進む。
【0043】
204において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132を互いから隔離する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、スイッチ138を開放状態又は非導電状態にあるようにする制御信号をスイッチ138に出力する。スイッチ138が開放状態にある間に、データ隔離回路134及び電力隔離回路136は、第1のPoE試験回路128を含む電力試験デバイス104の他の電気構成要素によって影響されることから、第2のPoE試験回路132によって受信されたデータ及び電力信号を隔離する。次いで、方法200は、206に進む。
【0044】
206において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132を初期化し、その結果、それらは、給電デバイス102によって提供された任意の電力信号(単数又は複数)の試験特性を開始する準備ができている。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128が、本明細書では、通信ポート108の「12~36対の組」とも呼ばれ得る、通信ポート108のピン1、ピン2、ピン3、及びピン6に電気的に結合されている入力端子上の高インピーダンス(例えば、200Kオーム)を有するようにする制御信号を第1のPoE試験回路128に出力する。加えて、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132が、本明細書では、通信ポート108の「45~78対組」とも呼ばれ得る、通信ポート108のピン4、ピン5、ピン7、及びピン8に電気的に結合されている入力端子上の高インピーダンス(例えば、200Kオーム)を有するようにする制御信号を第2のPoE試験回路132に出力する。次いで、方法200は、208に進む。
【0045】
208において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132の両方が、PoE交渉プロセスの一部として、給電デバイス102によって伝送されたプロービング信号を検出するか否かを判定する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128が、12~36対の組上でそのようなプロービング信号を検出したことを示す信号を、第1のPoE試験回路128から受信したか否かを判定し、かつ第2のPoE試験回路132が、45~78対の組上でそのようなプロービング信号を検出したことを示す信号を、第2のPoE試験回路132から受信したか否かを判定する。マイクロプロセッサ114が第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132の両方から、そのようなプロービング信号が検出されたことを示す信号を受信する場合、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132の両方が、プロービング信号を検出し、方法200が210に進むと判定する。そうでない場合(すなわち、プロービング信号が、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132のうちのいずれか一方のみによって検出された場合、又はどちらによっても検出されなかった場合)、方法200は、218に進む。
【0046】
210において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128を使用して、試験を実施する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128に、通信ポート108の12~36対の組を使用してPoE試験を実施させる信号を第1のPoE試験回路128に提供し、かつ第1のPoE試験回路128によって実施された試験の結果を示すデータを第1のPoE試験回路128から受信する。1つ以上の実施形態では、210において、マイクロプロセッサ114は、
図5に関連して以下に説明されるように、通信ポート108の12~36対の組を使用して試験を実施するように、第1のPoE試験回路128を制御する。
【0047】
1つ以上の実施形態では、210において、第1のPoE試験回路128は、12~36対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、12~36対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102が電力を供給していることを維持するために、最小限の必要な使用電力を決定する。
【0048】
1つ以上の実施形態では、210において、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128を制御して、第1のPoE試験回路128が、第1の所定の電力量を所定の期間にわたって最初に使用し、次いで、第2の所定の電力量を所定の期間にわたって使用し、その後、第3の所定の電力量を所定の期間にわたって使用するなど、電力交渉プロセスを実施する。第1の所定の電力量は、第2の所定の電力量よりも大きく、かつ第2の所定の電力量は、第3の所定の電力量よりも大きい。したがって、第1のPoE試験回路128によって使用された電力は、電力交渉プロセス中に徐々に低減される。いずれかの段階において、給電デバイス102は、第1のPoE試験回路128が、それに何も接続されていない電力をほとんど使用しないことを判定し、かつ電力を完全に遮断し、12~36対の組上のプロービングに戻る。第1のPoE試験回路128及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102が、12~36対の組上の電力を完全に遮断することをもたらす、第1のPoE試験回路128によって使用された所定の電力レベルを記録し、次に最も大きい所定の電力量が、給電デバイス102が電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力であると判定する。例えば、第1のPoE試験回路128が第3の所定の電力量を使用している間に、給電デバイス102が完全に12~36対の組上の電力を遮断する場合、第1のPoE試験回路128及び/又はマイクロプロセッサ114は、第2の所定の電力量が、給電デバイス102が電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力であると判定する。
【0049】
1つ以上の実施形態では、210において、第1のPoE試験回路128は、12~36対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、12~36対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102によってサポートされた電力試験デバイス104への最大突入電力を決定する。次いで、方法200は、212に進む。
【0050】
1つ以上の実施形態では、210において、第1のPoE試験回路128は、給電デバイス102との電力交渉プロセスを実施し、交渉プロセスが完了した後、給電デバイス102は、12~36対の組を介して、高電圧(例えば、40~60V)を提供する。12~36対の組を介して高電圧を提供する給電デバイス102に応答して、第1のPoE試験回路128及び/又はマイクロプロセッサ114は、第1の負荷を12~36対の組に所定の期間接続させ、第1の負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力を測定し、次に、第2の負荷を12~36対の組に所定の期間接続させ、第2の負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力を測定し、次に、第3の負荷を12~36対の組に所定の期間接続させ、負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力などを測定する。第1、第2、及び第3の負荷のそれぞれのインピーダンスは、第1の負荷を通って流れる突入電力が、第2の負荷を通って流れる突入電力よりも小さく、かつ第2の負荷を通って流れる突入電力が、第3の負荷を通る突入電力よりも小さくなるように、選択される。したがって、12~36対の組に接続された負荷は、電力交渉プロセス中に、電力試験デバイス104への突入電力が徐々に増加するように、徐々に変更される。いずれかの段階において、給電デバイス102は、電力試験デバイス104への突入電力が高すぎると判定し、給電デバイス102は、12~36対の組上の電圧を遮蔽し、かつ低電圧プロービングに戻る。第1のPoE試験回路128及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102が、12~36対の組上の電力を完全に遮断することをもたらす所定の負荷を記録し、給電デバイス102によってサポートされている電力試験デバイス104への最大突入電力が、給電デバイス102が12~36対の組上の電圧を遮断し、低電圧プロービングに戻ることをもたらさなかった最も最近測定された突入電力であると判定する。例えば、第3の負荷が12~36対の組に接続されている間に、給電デバイス102が12~36対の組上の電力を完全に遮断する場合、第1のPoE試験回路128及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102によってサポートされている電力試験デバイス104への最大突入電力は、第2の負荷が12~36対の組に接続されている間に測定された突入電力であると判定する。
【0051】
212において、電力試験デバイス104は、第2のPoE試験回路132を使用して、試験を実施する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132に、通信ポート108の45~78対の組を使用してPoE試験を実施させる信号を第2のPoE試験回路132に提供し、かつ第2のPoE試験回路132によって実施された試験の結果を示すデータを第2のPoE試験回路132から受信する。1つ以上の実施形態では、212において、マイクロプロセッサ114は、
図5に関連して以下に説明されるように、通信ポート108の45~78対の組を使用して試験を実施するように、第2のPoE試験回路132を制御する。1つ以上の実施形態では、212において、第2のPoE試験回路132は、45~78対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、45~78対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102が電力を供給していることを維持するために、最小限の必要な使用電力を決定する。
【0052】
1つ以上の実施形態では、212において、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132を制御して、第2のPoE試験回路132が、第1の所定の電力量を所定の期間にわたって最初に使用し、次いで、第2の所定の電力量を所定の期間にわたって使用し、その後、第3の所定の電力量を所定の期間にわたって使用するなど、電力交渉プロセスを実施する。第1の所定の電力量は、第2の所定の電力量よりも大きく、かつ第2の所定の電力量は、第3の所定の電力量よりも大きい。したがって、第2のPoE試験回路132によって使用された電力は、電力交渉プロセス中に徐々に低減される。いずれかの段階において、給電デバイス102は、第2のPoE試験回路132が、それに何も接続されていない電力をほとんど使用しないことを判定し、かつ電力を完全に遮断し、45~78対の組上のプロービングに戻る。第2のPoE試験回路132及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102が、45~78対の組上の電力を完全に遮断することをもたらす、第2のPoE試験回路132によって使用された所定の電力レベルを記録し、次に最も大きい所定の電力量が、給電デバイス102が電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力であると判定する。例えば、第2のPoE試験回路132が第3の所定の電力量を使用している間に、給電デバイス102が完全に45~78対の組上の電力を遮断する場合、第2のPoE試験回路132及び/又はマイクロプロセッサ114は、第2の所定の電力量が、給電デバイス102が電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力であると判定する。
【0053】
1つ以上の実施形態では、212において、第2のPoE試験回路132は、45~78対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、45~78対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102によってサポートされた電力試験デバイス104への最大突入電力を決定する。
【0054】
1つ以上の実施形態では、212において、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132を制御して、給電デバイス102との電力交渉プロセスを実施し、交渉プロセスが完了した後、給電デバイス102は、45~78対の組を介して、高電圧(例えば、40~60V)を提供する。45~78対の組を介して高電圧を提供する給電デバイス102に応答して、第2のPoE試験回路132及び/又はマイクロプロセッサ114は、第1の負荷を45~78対の組に所定の期間接続させ、第1の負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力を測定し、次に、第2の負荷を45~78対の組に所定の期間接続させ、第2の負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力を測定し、次に、第3の負荷を45~78対の組に所定の期間接続させ、負荷を通って流れる給電デバイス102からの突入電力などを測定する。第1、第2、及び第3の負荷のそれぞれのインピーダンスは、第1の負荷を通って流れる突入電力が、第2の負荷を通って流れる突入電力よりも小さく、かつ第2の負荷を通って流れる突入電力が、第3の負荷を通る突入電力よりも小さくなるように、選択される。したがって、45~78対の組に接続された負荷は、電力交渉プロセス中に、電力試験デバイス104への突入電力が徐々に増加するように、徐々に変更される。いずれかの段階において、給電デバイス102は、電力試験デバイス104への突入電力が高すぎると判定し、給電デバイス102は、45~78対の組上の電圧を遮蔽し、かつ低電圧プロービングに戻る。第2のPoE試験回路132及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102が、45~78対の組上の電力を完全に遮断することをもたらす所定の負荷を記録し、給電デバイス102によってサポートされている電力試験デバイス104への最大突入電力が、給電デバイス102が45~78対の組上の電圧を遮断し、低電圧プロービングに戻ることをもたらさなかった最も最近測定された突入電力であると判定する。例えば、第3の負荷が45~78対の組に接続されている間に、給電デバイス102が45~78対の組上の電力を完全に遮断する場合、第2のPoE試験回路132及び/又はマイクロプロセッサ114は、給電デバイス102によってサポートされている電力試験デバイス104への最大突入電力は、第2の負荷が45~78対の組に接続されている間に測定された突入電力であると判定する。
【0055】
1つ以上の実施形態では、210で実施された試験及び212で実施された試験は、同時に実施される。1つ以上の実施形態では、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128を制御して、210において12~36対の組を介してPoE交渉プロセスを実施し、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132に、212において45~78対の組を介してPoE交渉プロセスを実施させ、12~36対の組を介したPoE交渉プロセスは、45~78対の組を介したPoE交渉プロセスとは無関係である。次いで、方法200は、214に進む。
【0056】
214において、電力試験デバイス104は、給電デバイス102が、デュアルシグネチャ対応であることを操作者に伝える。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、試験されているデバイス(すなわち、給電デバイス102)が、デュアルシグネチャ対応であることを示すメッセージを表示させる。1つ以上の実施形態では、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、給電デバイス102が、12~36対の組を使用して提供することができる電力の特性(例えば、最大突入電力、必要最小限の使用電力)を示す情報、及び給電デバイス102が、45~78対の組を使用して提供することができる電力の特性(例えば、最大振幅)を示す情報を表示させる。次いで、方法200は、216に進む。
【0057】
216において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128及び第2のPoE試験回路132を互いから隔離解除する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、スイッチ138を閉鎖状態又は導電状態にあるようにする制御信号をスイッチ138に出力する。スイッチ138が閉鎖状態にある間、第2のPoE試験回路132によって受信された電力は、第1のPoE試験回路128を含む、電力試験デバイス104の他の電気構成要素によって影響されることから、もはや隔離されない。次に、方法200は、
図4Bに示されるように218,進み、給電デバイス102が又、給電デバイス102の12~36対の組又は45~78対の組のいずれかを介したシングルシグネチャ対応であるか否かを判定する。
【0058】
218において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128が、PoE交渉プロセスの一部として、給電デバイス102によって伝送されたプロービング信号を検出するか否かを判定する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128が、12~36対の組上でそのようなプロービング信号を検出したことを示す信号を第1のPoE試験回路128から受信したか否かを判定する。マイクロプロセッサ114が、そのようなプロービング信号が検出されたことを示す信号を、第1のPoE試験回路128から受信する場合、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128がプロービング信号を検出したと判定し、方法200は、給電デバイス102が、12~36対の組を介したシングルシグネチャ対応であるか否かを判定する220に進む。そうでない場合、方法200は、
図4Cに示すように224に進む。
【0059】
220において、電力試験デバイス104は、第1のPoE試験回路128を使用して、試験を実施する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第1のPoE試験回路128に、通信ポート108の12~36対の組を使用してPoE試験を実施させる信号を第1のPoE試験回路128に提供し、かつ第1のPoE試験回路128によって実施された試験の結果を示すデータを第1のPoE試験回路128から受信する。1つ以上の実施形態では、220において、第1のPoE試験回路128は、12~36対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、12~36対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102が、シングルシグネチャ動作モードで電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力を決定する。1つ以上の実施形態では、220において、第1のPoE試験回路128は又、12~36対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、12~36対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、シングルシグネチャ動作モードで給電デバイス102によってサポートされた電力試験デバイス104への最大突入電力を決定する。必要な使用電力及び最大突入電力のこれらの決定は、210で上述したような様式で実施されてもよい。次いで、方法200は、222に進む。
【0060】
222において、電力試験デバイス104は、給電デバイス102が、シングルシグネチャ対応であることを操作者に伝える。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、試験されているデバイス(すなわち、給電デバイス102)が、シングルシグネチャ対応であることを示すメッセージを表示させる。1つ以上の実施形態では、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、給電デバイス102が、12~36対の組を使用して提供することができる電力の特性(例えば、必要最小限の使用電力及び/又は最大突入規模)を示す情報を表示させる。次に、方法200は、
図4Cに示すように終了する。
【0061】
224において、電力試験デバイス104は、第2のPoE試験回路132が、PoE交渉プロセスの一部として、給電デバイス102によって伝送されたプロービング信号を検出するか否かを判定する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132が、45~78対の組上でそのようなプロービング信号を検出したことを示す信号を第2のPoE試験回路132から受信したか否かを判定する。マイクロプロセッサ114が、そのようなプロービング信号が検出されたことを示す信号を、第2のPoE試験回路132から受信する場合、電力試験デバイス104は、第2のPoE試験回路132がプロービング信号を検出したと判定し、方法200は、給電デバイス102が、45~78対の組を介したシングルシグネチャ対応であるか否かを判定する226に進む。そうでない場合、方法200は、電力試験デバイス104が、給電デバイス102がデュアルシグネチャ対応、又はシングルシグネチャ対応のどちらでもないことを操作者に伝える230に進む。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、試験されているデバイス(すなわち、給電デバイス102)が、デュアルシグネチャ対応でもなくシングルシグネチャ対応でもないことを示すメッセージを表示させる。その後、方法200は終了する。電力試験デバイス104が、第2のPoE試験回路132がプロービング信号を検出したと判定した場合、226において、電力試験デバイス104は、第2のPoE試験回路132を使用して試験を実施する。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、第2のPoE試験回路132に、通信ポート108の45~78対の組を使用してPoE試験を実施させる信号を第2のPoE試験回路132に提供し、かつ第2のPoE試験回路132によって実施された試験の結果を示すデータを第2のPoE試験回路132から受信する。1つ以上の実施形態では、226において、第2のPoE試験回路132は、45~78対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、45~78対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、給電デバイス102が、シングルシグネチャ動作モードで電力を供給し続けるのに必要最小限の使用電力を決定する。1つ以上の実施形態では、226において、第2のPoE試験回路132は又、45~78対の組を使用して給電デバイス102に信号を送信し、45~78対の組を使用して給電デバイス102から信号を受信し、受信した信号から、シングルシグネチャ動作モードで給電デバイス102によってサポートされた電力試験デバイス104への最大突入電力を決定する。必要な使用電力及び最大突入電力のこれらの決定は、212で上述したような様式で実施されてもよい。次いで、方法200は、228に進む。
【0062】
228において、電力試験デバイス104は、給電デバイス102が、シングルシグネチャ対応であることを操作者に伝える。より具体的には、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、試験されているデバイス(すなわち、給電デバイス102)が、シングルシグネチャ対応であることを示すメッセージを表示させる。1つ以上の実施形態では、マイクロプロセッサ114は、ディスプレイデバイス122に、給電デバイス102が、45~78対の組を使用して提供することができる電力の特性(例えば、必要最小限の使用電力及び/又は最大突入規模)を示す情報を表示させる。その後、方法200は終了する。
【0063】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の電力交渉プロセスの態様を示す図である。
図5に示す電力交渉プロセス中の電圧レベルと事象の相対的なタイミングは、単なる例に過ぎず、本開示の範囲から逸脱することなく、他の電圧レベル及び相対的な事象のタイミングを使用することができる。この例では、給電デバイス102は、IEEE802.3at仕様によって定義されているように、タイプ2のPSEをエミュレートする。
図5は、ボルト単位の電圧レベル対ミリ秒単位の時間のグラフを示す。電圧レベルは、給電デバイス102によって1つ以上の対の組で出力され、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の電力交渉プロセス中に、電力試験デバイス104によって検出される。電力試験デバイス104は、交渉プロセス中に、様々な時間において検出された特定の電圧レベルに基づいて、給電デバイス102の能力を推定する。交渉プロセスに含まれる分類事象中に、給電デバイス102によって出力された特定の電圧レベルを検出することに応答して、電力試験デバイス104は、給電デバイス102が検出する、電力試験デバイス104の信号能力に対応する電流レベルを引き出す。
【0064】
図5に示す例では、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の交渉プロセスは、期間AからIを含む。1つ以上の実施形態では、
図5に示す電力交渉プロセスは、イーサネット(登録商標)プロトコル規格の一部であるLink Layer Discovery Protocol(LLDP)を少なくとも部分的に使用して実現される。
【0065】
期間Aは、500ミリ秒の最大持続時間を有するシグネチャ検出期間である。シグネチャ検出期間Aの間、給電デバイス102は、2.8ボルトの電圧レベルを出力し、その後、出力電圧レベルを最低1ボルト増加させる。電力試験デバイス104は、給電デバイス102によって出力された電圧レベルを測定し、給電デバイス102によって出力された電圧の増加に関連するタイミングを記録する。1つ以上の実施形態では、電力試験デバイス104は、従来のPoEシグネチャ検出技術を使用して、給電デバイス102によって提供されたシグネチャを検出する。
【0066】
1つ以上の実施形態では、シグネチャ検出期間Aの間に、給電デバイス102は、複数の低レベル電圧レベル、例えば、低レベル電圧レベルの各々は、2.8ボルト~10ボルトの範囲である、を供給するプロービング信号を出力する。1つ以上の実施形態では、出力電圧レベルは、低レベル電圧レベルのうちの1つ以上の間で0ボルトまで一時的に降下させる。電力試験デバイス104は、シグネチャ検出期間Aの間に、プロービング信号を検出する。1つ以上の実施形態では、
図4Aに関連して上述した208において、第1のPoE試験回路128は、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の第1の電力交渉プロセスの第1のシグネチャ検出期間Aの間に、そのようなプロービング信号が、通信ポート108の12~36対の組を使用して検出されたか否かを判定し、第2のPoE試験回路132は、給電デバイス102と電力試験デバイス104との間の第2の電力交渉プロセスの第2のシグネチャ検出期間Aの間に、そのようなプロービング信号が、通信ポート108の45~78対の組を使用して検出されたか否かを判定する。
【0067】
期間Bは期間Aに続く。期間Bの間に、給電デバイス102は、その出力電圧を一時的に低減する。
【0068】
期間Cは、期間Bに続く。期間Cは、6ミリ秒~30ミリ秒の持続時間を有する第1の分類事象期間である。給電デバイス102は、第1の分類事象期間Cの間に、電力試験デバイス104によって検出された15.5~20.5ボルトの分類電圧レベルを出力する。それに応答して、電力試験デバイス104は、給電デバイス102によって検出された、検出された分類電圧レベルに対応する規模を有する分類電流を引き出す。
【0069】
期間Dは、期間Cに続く。期間Dは、6ミリ秒~12ミリ秒の持続時間を有する第1のマーク事象期間である。第1のマーク事象期間Dの間に、給電デバイス102は、その出力電圧を低減する。加えて、電力試験デバイス104は、給電デバイス102によって検出された特定のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を引き出し、かつ示されたクラス番号に対応する特定のケーブルループ抵抗を提供する。1つ以上の実施形態では、電力試験デバイス104は、0.25ミリアンペア~4ミリアンペアのマーク電流を引き出し、有効なシグネチャ抵抗器のように、電流が変更することを可能にしない。加えて、電力試験デバイス104は、分類電圧が、電力試験デバイス104において14.5V未満に降下するとすぐにマーク電流を引き出す。1つ以上の実施形態では、電力試験デバイス104は、典型的なタイプ1のPDをエミュレートし、右側のシグネチャ抵抗を提供し、両方の事象に対して右側の分類電流を引き出してもよいが、正しいマーク電流を引き出すことはできない。
【0070】
以下に提供される表1は、本開示の1つ以上の実施形態による、様々なクラス番号と、ワット単位の対応する最大使用電力値との間のマッピングを示す。この例では、第1のマーク事象期間Dの間に、電力試験デバイス104は、4のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を引き出し、12.5オーム未満のケーブルループ抵抗を提供する。1つ以上の実施形態では、電力試験デバイス104からの分類電流シンクは、約14ボルトで遮断し、給電デバイス102によって出力された電圧レベルは、
図5の第1のマーク事象期間Dに示す電圧レベルよりも高く「浮動」することができる。
【0071】
期間Eは、期間Dに続く。期間Eは、6ミリ秒~30ミリ秒の持続時間を有する第2の分類事象期間である。給電デバイス102は、第2の分類事象期間Eの間に、電力試験デバイス104によって検出された15.5~20.5ボルトの分類電圧レベルを出力する。それに応答して、電力試験デバイス104は、検出された分類電圧レベルに対応する規模を有する分類電流を引き出す。
【0072】
【0073】
給電デバイス102は、電力試験デバイス104が、第1の分類事象中に4のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を引き出すことに応答して、第2の分類事象を提供することに留意されたい。換言すれば、給電デバイス102は、電力試験デバイス104が、第1のマーク事象期間Dの間に4のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を引き出すことに応答して、第2の分類事象期間Eの間に電圧を出力する。電力試験デバイス104が、第1のマーク事象期間Dの間に4未満(すなわち、0、1、2、3)のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を提供した場合、電力試験デバイス104は、第2の分類事象期間Eの15.5~20.5ボルトの間の電圧レベルを出力しなくてもよい。換言すれば、電力試験デバイス104は、第2の分類事象を提供しなくてもよい。加えて、電力試験デバイス104が、第1のマーク事象期間Dの間にLLDPを使用して4のクラス番号を示す場合、電力試験デバイス104は、第2の分類事象期間Dの15.5~20.5ボルトの間の電圧レベルを出力することによって、第2の分類事象を提供しなくてもよい。
【0074】
期間Fは、期間Eに続く。期間Fは、6ミリ秒~12ミリ秒の持続時間を有する第2のマーク事象期間である。第2のマーク事象期間Fの間に、電力試験デバイス104は、特定のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を引き出す。この例では、第2のマーク事象期間Fの間に、電力試験デバイス104は、給電デバイス102によって検出され、かつ12.5オーム未満のケーブルループ抵抗を提供する4のクラス番号を示す規模を有するマーク電流を再び引き出す。1つ以上の実施形態では、電力試験デバイス104からの分類電流シンクは、約14ボルトで遮断し、給電デバイス102によって出力された電圧レベルは、
図5の第2のマーク事象期間Fに示す電圧レベルよりも高く「浮動」することができる。
【0075】
期間Gは、第2のマーク事象期間Fに続く。期間Gは、給電デバイス102が、その出力電圧レベルを一時的に低下させる期間である。シグネチャ検出期間Aの終了と、期間Gの終了との間の最大時間量は、400ミリ秒である。
【0076】
期間Hは、第2のマーク事象期間Gに続く。期間Hは、給電デバイス102が、その出力電圧レベルを定常状態出力電圧レベルまで増加させ始める期間であり、定常状態出力電圧レベルは、電力試験デバイス104によって示されるクラス番号に対応している。
【0077】
期間Iは、期間Hに続く。期間Iは、給電デバイス102が、その定常状態出力電圧レベルの10%を出力することから、その定常状態出力電圧レベルの90%を出力することに移行する期間である。期間Iの最小持続時間は、15マイクロ秒である。
【0078】
例えば、電力試験デバイス104が、第1のマーク事象期間D及び第2のマーク事象期間Fの両方の間に、適切なマーク電流を引き出す(すなわち、クラス4の電流引き出し)場合、給電デバイス102は、電力試験デバイス104が25.5ワットまでの電力を引き出すことができる期間Gの後に、30ワットの電力を出力する。換言すれば、電力試験デバイス104が、第1のマーク事象期間D及び第2のマーク事象期間Fの両方の間に、適切なマーク電流(すなわち、クラス4の電流引き出し)を引き出す場合、給電デバイス102は、4のクラス番号のデバイスを動作させるのに十分な電力を出力する。それに応答して、電力試験デバイス104は、給電デバイス102が、クラス4のデバイスをサポートすることができることを示すメッセージを表示してもよい。
【0079】
図5は、2つの分類事象を使用して、給電デバイス102を示しているが、給電デバイス102は、異なる数の分類事象(例えば、5つの分類事象)を使用してもよい。換言すれば、給電デバイス102は、電力試験デバイス104が適切な電流量を引き出す、追加の分類事象期間及び対応するマーク事象期間を提供してもよい。
【0080】
上記の説明は、パワーオーバーイーサネット(登録商標)の実装を参照しているが、電力試験デバイス104は、他のデータ通信ケーブル配線(すなわち、イーサネット(登録商標)ではない)を介して電力を提供することができる、他の給電デバイスの電力提供能力を試験するための同様の特徴及び機能性を備えて構成することができる。例えば、電力試験デバイス104は、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))ケーブル配線を介して電力を提供することができる、他の給電デバイスの電力提供能力を試験するための同様の特徴及び機能性を備えて構成することができる。
【0081】
上に記載した種々の実施形態を組み合わせ、更なる実施形態を得てもよい。上記の発明を実施するための形態を考慮すれば、これら及び他の変更が実施形態に加えられてもよい。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、請求項を、明細書及び請求項に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈すべきではないが、このような請求項によって権利が与えられる全均等物の範囲に沿った全ての可能な実施形態を含むと解釈すべきである。したがって、請求項は、開示によって制限されるものではない。