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特許7196983データ伝送のための制御プレーンおよびユーザプレーンの選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】データ伝送のための制御プレーンおよびユーザプレーンの選択
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20221220BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20221220BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W88/14
H04W4/70
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021171577
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2020068294の分割
【原出願日】2017-02-06
(65)【公開番号】P2022009292
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】16275027.7
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】ベレブ ゲナッディ
(72)【発明者】
【氏名】イアネフ イスクレン
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/004301(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/047200(WO,A1)
【文献】China Unicom,Discussion on RAN-side optimization of differentiation of CP/UP solution,3GPP TSG-RAN WG3#91 R3-160400,フランス,3GPP,2016年02月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MME (Mobility Management Entity)であって、
UE (User Equipment)に制御プレーンCIoT (Cellular Internet of things) EPS(Evolved Packet System)最適化を用いて第1のデータを送信する第1の送信手段と、
前記第1のデータの送信後に受信した第2のデータのデータサイズに基づいて、以降のデータがユーザプレーンで移動体端末に送信されるかどうかを決定する決定手段と、
前記決定に基づいて、S1-AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージを無線アクセスネットワークノードへ送信する第の送信手段と、
S1-APメッセージ初期コンテキストセットアップ完了メッセージを前記無線アクセスネットワークノードから受信する受信手段と、
受諾されたEPSベアラのトンネル情報を含むベアラ変更要求メッセージをS-GW(Serving Gateway)に送信する第の送信手段と、
を備えるMME。
【請求項2】
MME (Mobility Management Entity)の通信方法であって、
UE (User Equipment)に制御プレーンCIoT (Cellular Internet of things) EPS(Evolved Packet System)最適化を用いて第1のデータを送信し、
前記第1のデータの送信後に受信した第2のデータのデータサイズに基づいて、以降のデータがユーザプレーンで移動体端末に送信されるかどうかを決定し、
前記決定に基づいて、S1-AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージを無線アクセスネットワークノードへ送信し、
S1-APメッセージ初期コンテキストセットアップ完了メッセージを前記無線アクセスネットワークノードから受信し、
受諾されたEPSベアラのトンネル情報を含むベアラ変更要求メッセージをS-GW(Serving Gateway)に送信する、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プレーンデータ伝送およびユーザプレーンデータ伝送の(再)選択の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の略語および用語(違ったように述べられるとき)は、本発明において使用される。
【0003】
【表1】
【0004】
以下の用語は、本発明において使用される。
【0005】
用語「サービングノード」、「MME/SGSN」、「MSC/SGSN/MME」、またはC-SGN(CIoTサービングゲートウェイノード)は、一般に、本発明の様々な実施形態を通じて使用され、コアネットワークと端末との間の制御プレーンシグナリング(NASシグナリングとして知られる)の終端であるモバイルネットワークにおいて、MSCなどの機能エンティティ、SGSNまたはMME、あるいはC-SGNその他の可能な制御プレーン機能エンティティを表す。サービングノード(MME/SGSN)は、モビリティおよびセッション管理を担う次世代ネットワークでの機能エンティティでもあり得る。
【0006】
用語「HSS/HLR」は、UEの加入者データが格納されるリポジトリを意味し、HSS、HLR、またはコンバインド(combined)エンティティのいずれかであり得る。
【0007】
用語「端末」、「デバイス」、あるいは「ユーザ端末」または「UE」(ユーザ機器)または「MT」(移動体端末)は、これらの用語のすべてがネットワーク、モバイルネットワーク、または無線アクセスネットワークとデータおよびシグナリングを送受信するために使用される機器を同様に表すような相互交換可能な方法で使用される。
【0008】
近年、モノのインターネット(IoT)技術およびマシンツーマシン(M2M)技術の普及により、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のような標準化団体は、リリース10から、マシンタイプ通信(MTC)として知られる改善に取り組み始めた。エンドデバイスの価格や、そのようなデバイスを提供するための事業者のネットワークにおける価格をより一層下げるために、3GPPはセルラIoT(CIoT)と呼ばれる研究を行った。この研究では、超低複雑度で、電力が制約され、低データ転送速度であるIoTデバイスをサポートするための、アーキテクチャ拡張が検討され評価された。この研究を文書化したものは、3GPP TR23.720という文書に取り込まれている。結論は、1)必須の制御プレーン(CP)解決策(TRのセクション2に記載)を指定し、2)ユーザプレーン(UP)解決策(TRのセクション18に記載)を任意で指定することである。したがって、CP解決策は「ソリューション2」とも呼ばれ、UP解決策は「ソリューション18」とも呼ばれる。
【0009】
CIoT向けに最適化されたEPSは、通常のUEとは異なるトラフィックパターンをサポートし、既存のEPSと比べると一部のかつ必要な機能だけをサポートするだろう。単一の論理エンティティC-SGN(CIoT Serving Gateway Node)に機能の一部を実装することにより、CIoT向けに最適化されたEPSを有効にすることができる。モビリティ手順およびアタッチ手順は、対応するエンティティMME、S-GW、およびP-GW用の他の節に記載されるように実行される。単一ノード非ローミングCIoTアーキテクチャの例を図1に示す。レファレンスポイント(インタフェース)の詳細な説明は、仕様3GPP TS23.401および3GPP TS23.682にある。
【0010】
CP解決策かUP解決策かの選択は、アタッチ手順中またはTAU手順中に行われる。UEは、下記を含む「優先ネットワーク動作」を指示する。
制御プレーンCIoT EPS最適化がサポートされているか
ユーザプレーンCIoT EPS最適化がサポートされているか
制御プレーンCIoT EPS最適化が望ましいか、それともユーザプレーンCIoT EPS最適化が望ましいか
S1-Uデータ転送がサポートされているか
コンバインドアタッチ(Combined Attach)無しのSMS転送が要求されているか
PDN接続無しのアタッチがサポートされているか
サービングノードは、アタッチまたはTAU受諾メッセージにて「サポートされたネットワーク動作」情報を送信する。
【0011】
CIoT EPS最適化において、UEは「PDN接続無しの受諾」をサポートすることができる。このことは、PDN接続が無いためにEPSベアラがアタッチ手順中に確立されないことを意味する。UEは、NAS (E)SMシグナリングを使用して、後の時点でPDN接続(IPまたは非IP)を要求することができる。
【0012】
サービングノードが、CP CIoT EPS最適化を使えるよう構成している場合、データは、UEとサービングノードとの間において、それらが関係するPDN接続のEPSベアラアイデンティティを含むNAS PDUで転送される。IPデータタイプと非IPデータタイプの両方がサポートされる。これは、RRCプロトコルおよびS1-APプロトコルのNASトランスポート機能、ならびに、MMEとS-GW間およびS-GWとP-GW間のGTP-uトンネルのデータ転送を使用することによって達成される。非IP接続がSCEFとともにMMEを介して提供される場合、データ転送はTS23.682に示されるように行われる。
【0013】
図2は、制御プレーンCIoT EPS最適化(すなわち、CP解決策)のためのモバイル発信(MO)データ伝送のシグナリングフローを示す。この図は、TS23.401に従う。ユーザデータ転送にCP解決策を使用する場合、MME(上り(UL)用)およびUE(下り(DL)用)は、NAS PDU内に含まれるEPSベアラアイデンティティ(EBI)を使用して、関連するEPSベアラを識別する。
【0014】
MMEがモバイル着信(MT)サービスにCP解決策を使用することを望む場合、TS23.401からの図3に手順例が示される。
【0015】
UEとS/PGWとの間の通信に関わる異なるプロトコルを表現するために、様々なインタフェースを介したプロトコルスタックを図4に示す。この図がCP CIoT最適化のためのプロトコルスタックを示すことに留意されたい。CIoT EPS最適化によって導入される1つの主な変更は、S11インタフェースを介した、すなわちMMEとSGWとの間のGTP-Uインタフェースのサポートである。
【0016】
必須として同意されたCPデータ伝送に加えて、UPデータ伝送を使用することも任意選択で可能である。ここで、主な特徴は、UEのASコンテキストをeNBに格納するためのRRC中止手順にある。この手順を図5に示す。これはTS23.401セクション5.3.4Aのとおりである。さらに、TS23.401セクション5.3.5Aでは、接続再開手順が説明されている。
【0017】
CIoT EPS最適化は、LTE(EUTRAN)システムにも適用できる。特に、1つの目的は、低コスト特性を有する広帯域(WB)EUTRAN UE(例えば、cat-M)をカバーすることである。しかし、NB-IoTの可能なWB EUTRAN UEがNB-IoT解決策(CPまたはUP解決策)を使用する場合、RATを変更する際にいくつかの制約がある。例えば、UEが非IP接続をアクティベートした場合、UEは2G/3Gアクセスを再選択せず、非IP接続の使用を続ける。
【0018】
SCEFによる非IPデータ配信(NIDD)は、現在3GPP Tdoc S2-160832(TS23.682にて実現される必要がある)が手順を示しているが、3GPP TS23.682に保存されるだろう。NIDDは、UEとのモバイル発信(MO)およびモバイル着信(MT)の通信を処理するために使用され、通信に使用されるパケットはインターネットプロトコル(IP)に基づかない。非IPデータの配信のためのSCEFの構成は、図6の説明に示されており、詳細な説明は、3GPPTdoc S2-160832にある。
【0019】
例として、図7は、SCS/ASが外部識別子またはMSISDNを用いて識別されるような所与のユーザに非IPデータを送信するための手順を示す。この手順では、非IPデータ用のEPSベアラの確立手順とSCEF構成手順(図6参照)が完了していることを前提とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【文献】3GPP TS23.401 v144.0、進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)アクセスのための汎用パケット無線サービス(GPRS)の強化;ステージ2、v13.5.0、2015-12
【文献】3GPP TR23.720、CIoTのためのアーキテクチャ強化、v1.2.9、2015-11
【文献】3GPP TS23.203、ポリシーおよび課金制御アーキテクチャ、v13.5.1、2015-09.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
問題の説明
上述の背景によれば、CP解決策およびUP解決策の選択は、アタッチ手順またはTAU手順中に起こり得る。ここでは、伝送方式の選択について説明するが、どのようにして再選択が達成されるかについては説明しない。伝送メカニズムの再選択は、例えば、CP伝送による大量のデータが非効率的であるためにデータサイズを変更する場合に起こり得る。
【0022】
データのCP伝送とUP伝送とを動的に切り替えることは、現在は不可能である。 CIoT EPS最適化をサポートするスマートフォンの場合に、さらにCP NB-IoTデータ伝送とWB-EUTRAN伝送との間の動的選択が提供される必要がある。
【0023】
CPデータ伝送かUPデータ伝送かの再選択がアタッチ手順を用いて行われると想定すると、問題となるのは、アタッチ手順が明示的なシグナリングと認証とを必要とするということである。これにより、(1)RANとCNにおけるシグナリング負荷と(2)CPとUPを切り替えるための遅延とが増大し得る。このことはユーザーエクスペリエンスに影響を与える可能性がある。
【0024】
本発明の目的は、(1)RANおよびCNにおけるシグナリング負荷および(2)スイッチング遅延を最小限に抑えることによりCP伝送とUP伝送との動的切り替えのための解決策を提供することである。加えて、本発明では、動的切り替えが失敗する場合についても説明する。
【0025】
スマートフォン(WB-EUTRANおよびCIoT最適化が可能)が、現在WB-EUTRAN解決策で設定されている場合、ケースによっては、CPを用いるデータ伝送を使用することが望ましいことがある(例えば、MT-SMSまたはMT-NIDD配信の場合)。どのようにして効率的にそれを達成するかは、現在明確ではない。いくつかの(無線の)制限のために、MMEやUEは、NB-IoT解決策のみを適用することを決定できる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
1つの態様において、本発明は、制御プレーンCIoT(Cellular Internet of Things) EPS(Evolved Packet System)最適化を用いてデータを送信する手段と、データのデータサイズに基づいて、データがユーザプレーンで送信されるかどうかを決定する手段と、ユーザ装置コンテキストセットアップリクエストメッセージ(UE context setup request message)を無線アクセスネットワークノードへ送信する手段と、前記無線アクセスネットワークノードが無線ベアラを移動体端末に設定する際に、ユーザ装置コンテキストセットアップ完了メッセージ(UE context setup complete message)を前記無線アクセスネットワークノードから受信する手段と、前記移動体端末とパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)との間のPDNコネクション用の、サービングゲートウェイ(S-GW)への認容されたベアラのためのトンネルエンドポイント識別子(Tunnel Endpoint Identifier(TEID))を含むリソース変更要求メッセージ(modify resources request message)を送信する手段と、を備えるコアネットワークノードを提供する。
【0027】
1つの態様において、本発明は、制御プレーンCIoT(Cellular Internet of Things) EPS(Evolved Packet System)最適化を用いてデータを送信し、データのデータサイズに基づいて、データがユーザプレーンで送信されるかどうかを決定し、ユーザ装置コンテキストセットアップリクエストメッセージ(UE context setup request message)を無線アクセスネットワークノードへ送信し、前記無線アクセスネットワークノードが無線ベアラを移動体端末に設定する際に、ユーザ装置コンテキストセットアップ完了メッセージ(UE context setup complete message)を前記無線アクセスネットワークノードから受信し、前記移動体端末とパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)との間のPDNコネクション用の、サービングゲートウェイ(S-GW)への認容されたベアラのためのトンネルエンドポイント識別子(Tunnel Endpoint Identifier(TEID))を含むリソース変更要求メッセージ(modify resources request message)を送信する、通信制御方法を提供する。
【0028】
1つの態様において、本発明は、ユーザプレーンCIoT(Cellular Internet of Things) EPS(Evolved Packet System)最適化がサポートされているか否かを示すユーザプレーンCIoT指示子(indication)を含むユーザ装置コンテキストセットアップリクエストメッセージ(UE context setup request message)をコアネットワークノードから受信する手段と、移動体端末に無線ベアラを設定する手段と、前記コアネットワークノードにユーザ端末コンテキストセットアップ完了メッセージ(UE context setup complete message)を送信する手段と、を備える無線アクセスネットワークノードを提供する。
【0029】
1つの態様において、本発明は、ユーザプレーンCIoT(Cellular Internet of Things) EPS(Evolved Packet System)最適化がサポートされているか否かを示すユーザプレーンCIoT指示子(indication)を含むユーザ装置コンテキストセットアップリクエストメッセージ(UE context setup request message)をコアネットワークノードから受信し、移動体端末に無線ベアラを設定し、前記コアネットワークノードにユーザ端末コンテキストセットアップ完了メッセージ(UE context setup complete message)を送信する、通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0030】
(1)過大なPDUサイズがEPCに届くことによる誤った処理を回避または低減することができる(例えば、解決策1および解決策2)。
(2)制限されたNB-IoT制御プレーン帯域幅(例えば、RANノード内)における過負荷を、CP伝送からUP伝送への切り替えによって克服または緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、シングルノード非ローミングCIoTアーキテクチャの例を示す。
図2図2は、制御プレーンCIoT EPS最適化(すなわち、CP解決策)用のモバイル発信(MO)データ伝送のシグナリングフローを示す。
図3図3は、NAS PDUでのMTデータ転送用のシグナリングフローを示す。
図4図4は、UEとPGWとの間のプロトコルスタックを示す。
図5図5は、eNodeBが開始した接続停止手順を示す。
図6図6は、NIDD手順用のSCEFの場合の構成を示す。
図7図7は、SCS/ASが非IPデータを外部識別子またはMSISDNを用いて識別されるような所定のユーザに送信する際の手順を示す。
図8図8は、静的に設定されたデータサイズのシグナリングフローの例を示す。
図9図9は、大量のDLデータが届く、UEがアイドルモードにあり制御プレーンCIoTデータ転送のためにアタッチされる場合の、CP CIoTからUP(CIoTまたはフルLTE)への切り替えを示す。
図10図10は、大量のDL非IPデータが届き、UEがSCEFを介して制御プレーンCIoTデータ転送のためにアタッチされる場合の、制御プレーンCIoTからユーザプレーン(CIoTまたはフルLTE)への切り替えを示す。
図11図11は、MT通信のシグナリングフローを示す。
図12図12は、UEのブロック図を示す。
図13図13は、RANノードのブロック図を示す。
図14図14は、サービングノードのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上述の問題を解決するために、様々な解決策が本明細書の様々な実施形態で説明される。
【0033】
本発明における1つの解決策の考え方は、効率的な伝送方式に関する決定、すなわちCPを用いるかUPを用いるかの決定を、MMEが実行できるようにすることである。MMEにおける決定は、(1)伝送データのサイズ(または以下に列挙される他のデータ制限基準)に基づいて、あるいは(2)UEが経験した無線条件に基づくことができる。
【0034】
本発明における1つの解決策(解決策1)では、MMEがPGW/SCEFおよびASに、EPCまたはRANが処理できる最大パケットサイズを通知する。これは、静的に設定された最大データサイズに基づく。Cプレーン解決策が選択されると、MMEはそれをPGW/SCEFおよびASに通知する。
【0035】
図8は解決策1の場合のシグナリングフローを示す。
【0036】
新しいパラメータ:
HSSは、サブスクリプションデータ「処理指示子」を有する。このパラメータは、Cプレーン解決策が対応できるPDUの最大サイズを超える大きなサイズのDLパケットがEPCに届いた時のNW動作を指示する。パラメータは、下記の値を持たなければならない。
破棄、または
できるだけ多くのデータを転送
‐MMEは、GTP-Cメッセージによって「PDUの最大サイズ」という新しいパラメータを送信する。このパラメータは、NASが処理可能なPDUがどれだけ大量のデータであるかというNAS機能に基づいて設定される。例えば、複数のRRC処理がサポートされていない場合、この値は約1500バイトでなければならない。「PDUの最大サイズ」という情報は、PDU自体の最大サイズまたは「PDUの最大サイズ」を示すいくつかのビットとして表されうる。いくつかのビットが「PDUの最大サイズ」を示すために、MME/SGW/SCEFは、0:1000バイト、1:1500バイトなどを示す共通テーブルを有する。
‐PGWは、新しいパラメータ「処理指示子確認応答」を送信する。このパラメータは、「PDUの最大サイズ」と「処理指示子」の両方がPGWによって理解され、示された実施が可能か否かを示す。
【0037】
PGWは、MMEからの命令に基づいてDL PDUパケットを処理する。
条件が合致する場合、すなわち、DLパケットサイズがCプレーン解決策の対応可能なPDUの最大サイズを超える場合、処理指示子に基づいて実施する。例えば、単にDLパケットを破棄してO&Mシステムに報告する。
解決策1の利点は、このアプローチでは、不要なユーザートラフィックがEPCに届くことである。
【0038】
同様に、非IP接続が確立されている場合、MMEはSCEFおよび/またはASに通知することができる。SCEFは新しいパラメータ「PDUの最大サイズ」をASに送信する。ASは、新しいパラメータ「処理指示子」を送信する。このパラメータは、大きなサイズのDLパケットまたはULパケットがEPCに届いた時のNWの動作を指示する。
ASの動作:ASは、「PDUの最大サイズ」に基づいて、示されたサイズよりも大きいPDUを送信しない。
【0039】
解決策1は下記の利点をもたらす。すなわち、過大なPDUサイズがEPCに届くことによる誤った処理を回避することができる。
【0040】
要するに、Cプレーン解決策が選択されると、MMEはPGW/SCEFおよびASにその旨を通知する。
【0041】
代替案:
「PDUの最大サイズ」を下記の情報の少なくとも1つと交換することができる。
a)UEが受信する総データ量
b)最大スループットまたはデータレート(特定の期間(例えば、秒/時間/日/週)あたり)
c)最大伝送回数(特定の期間(例えば、秒/時間/日/週)あたり)
d)UEが受信する総データ量が閾値を上回る/下回るかを示すフラグ
また、代替情報として、a)~d)の中から2つ以上のパラメータとともに交換することができる。
【0042】
装置が黙示的な「処理指示子」を有する場合、または「処理指示子」が他のメッセージにおいて交換される場合、セッション開始要求/応答は必ずしも「処理指示子」を含まなくてもよい。
【0043】
上述の問題に対する他の解決策(解決策2と呼ぶ)は、(1)NB-IoT CPまたはUP解決策、あるいは(2)NB-IoT解決策およびWB-EUTRAN解決策を、ネットワーク内、好ましくはサービングノード内で異なる基準に基づいて動的に再選択することである。例えば、1つの基準は、大きなパケットサイズまたは大量のデータ(例えば、複数のデータセグメント/パケットに分散されている)に起因しうる。
【0044】
UEがCプレーンを用いてCIoTのためにアタッチされている際、あるいはUEがCプレーン解決策をアクティベートさせた際に、大きなサイズのパケット(IPおよび非IP)を処理する必要がある場合、UE/MMEは、ネットワーク設定をユーザプレーン(UP)解決策に変換する。
【0045】
CPまたはUPの選択の決定は、ULにおいて送信される大量のデータに関するUEからの指示にも基づく。UEからネットワークへの指示は、例えば、以下のとおりである。
MOの場合、UEは、サービス要求手順や他のNASまたはRRCシグナリングメッセージなどにてMMEに示すことができる。
UEが既に接続済み状態またはアクティブ状態にある場合、UEはそれを決定する。
MTの場合、MMEは、アイドル->接続済み遷移中にDRB確立のためにASコンテキストをeNBに送信する。
例えば、UEは、上記のケースにおいてUプレーン解決策(またはWB-EUTRAN)の要求を示すことができる。
【0046】
MO通信において、大量データの送信が予想されることをUEが分かっている場合、UEは以下の解決策のうちの1つを実行することができる。
‐UEはデタッチ手順を開始し、再度アタッチする。アタッチ要求メッセージにおいて、UEは、予想される大量データに基づいて異なるCP優先およびUP優先を指示する。例えば、UEは、大量データを伝送するために、UP解決策優先を示すことができる。
‐デタッチ手順およびアタッチ手順中のシグナリングの増加を回避するために、代替解決策では、UEはPDN接続の解放と再確立を開始することができる。PDN接続再確立の間、UEは、サービングノードに対して、a)大量データが予想される、またはb)UP解決策優先を示すことができる。
‐複数のPDN接続を有する場合、UEは、UEが要求したCIoT接続のためのPDN切断手順を開始し、次にUEは、UEが要求したUプレーン解決策を用いたPDN接続手順を開始する。
【0047】
解決策2の別の態様は、通常少量のデータしか送信しないアプリケーションもあれば、通常大量のデータを送信するアプリケーションもあるので、MMEがアプリケーション識別子(App ID)に基づいてUP解決策を起動するかどうかを決定できるというものである。アプリケーションは、例えば、TDFやPGW/SCEFといったネットワーク入口点(Network ingress point)でのディープパケットインスペクション(DPI)によって検出可能である。その後、PGWは、SGWおよびMMEへのシグナリングにApp IDを含めるので、MMEは、その後のデータに対してCP伝送またはUP伝送を適用するかを決定できる。
【0048】
一般に、解決策2は、UEがネットワークにアタッチされ、CIoT最適化のための制御プレーン解決策(すなわち、制御プレーンを介したデータ転送)が設定されているときに、大きなサイズのデータを処理する必要がある(例えば下りにて)というユースケースに対処する。制御プレーンを介したデータ転送が効率的でない、もしくは全く不可能であるため、制御プレーンCIoT最適化(すなわち、制御プレーンCPを介した伝送)からユーザプレーンCIoT最適化(すなわち、ユーザプレーンUPを介した伝送)に、あるいは、UEがLTE(WB-UTRAN)機能を有する場合はフルLTEユーザプレーンに動的に切り替えることが提案される。
【0049】
解決策2.1
UEがアタッチされ制御プレーン伝送によるCIoTが設定されている間における、大量の非IPまたはIPデータ配信のための、制御プレーンCIoTからユーザプレーン(CIoTまたはフルLTE)への切り替え。大量の非IPまたはIPデータが、P-GWで終端されたPDN接続を介して伝送されると仮定する。
【0050】
図9は、大量のDLデータが届き、UEがアイドルモードであって制御プレーンCIoTデータ転送のためにアタッチされた時の、CP CIoTからUP(CIoTまたはフルLTE)への切り替えを示す。
【0051】
図9に示すステップを以下のように詳細に説明する。
1.CIoT可能なUE(CIoT機能を有するLTE UE、またはCIoT専用UE)はアタッチされ、制御プレーンCIoT最適化がデータ伝送のために設定されている。
2.下りデータが、P-GW機能エンティティに届く。あるいは、TDFが配備されている場合、DLデータはTDF、つまりこの機能エンティティで処理することができる。
3.P-GW(またはTDF)は、DPI(Deep Packet Inspection)を実行し、データの発信元(例えば、「App ID」によって識別される発信元アプリケーション)を識別することができる。P-GWは、DLパケットをS-GWに転送する。「App ID」は、DLパケットのGTP-Uヘッダに含めることができるし、あるいは、PGWとSGWとの間のGTP-Cプロトコル交換に含めることができる。
4.S-GWはDLパケットをバッファに格納し、可能な場合は、受信データサイズおよび送信者App IDを含めて、MMEに下りデータ通知を送信する。
5.MMEは、CP伝送またはUP伝送が適用可能であるかを判断するために受信したDDN要求を精査する。この目的のために、MMEはデータサイズをチェックして、制御プレーンを介したDLデータ配信を継続するか、あるいは、受信した下りデータが大量でありユーザプレーンを介して送信するほうが効率的である場合に利用可能なユーザプレーン(最適化されたCIoTユーザプレーンまたはLTEユーザプレーン)のうちの1つに切り替えるか、を評価する。また、MMEは、どの配信オプションを使用すべきか、すなわちCPとUPのどちらを使用すべきかを決定する際に、利用可能であれば、DLデータの起点(例えば、App ID)を考慮してもよい。
6.MMEは、S-GWに対してDDN確認応答でUEの呼び出しを確認応答する。
7.UEがアイドルモードである場合、MMEはUEを呼び出して、UEにサービス要求手順を実行させる。
8.MMEが(ステップ5におけるDLデータ評価に基づいて)UPデータ伝送を適用すると決定した場合、MMEは、S1-AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージをRANノードに送信する。このステップは、データ無線ベアラ(DRB)をアクティベートする。MMEは、(NB-IoT RATの場合)UP CIoT使用のセットアップを明示的に指示するために、RANノードへの初期コンテキストセットアップ要求メッセージに「ユーザプレーンCIoT」指示を含めることができる。
9.RANノード(例えば、eNB)は、RRC接続再構成手順によって無線ベアラ確立を実行する。RANノードはまた、RRC接続再構成要求メッセージにおいて最適化されたCIoTユーザプレーンに対する優先をUEに示してもよい。
10.データ無線ベアラがセットアップされると、RANノードは、S1-APメッセージ初期コンテキストセットアップ完了をMMEに送信する。
注:初期コンテキストセットアップ手順が失敗した場合、あるいは、UEがステップ7で呼び出し手順の呼び出しに応答しない場合、MMEは下りデータ通知失敗指示メッセージをSGWに送信する。下りデータ通知失敗指示メッセージは、失敗の理由を示す新しい原因値を含むものとする。例えば、データサイズが制限値を超えている、制御プレーンからユーザプレーンへの切り替えが失敗する、など。
11.MMEは、受諾されたEPSベアラのTEIDを含むベアラ変更要求メッセージをS-GWに送信し、P-GWは、ベアラ変更応答で確認する。
12.こうして、ユーザプレーン(最適化されたCIoTまたはフルLTE)が確立され、DLデータを確立されたユーザプレーンを介してUEに配信することが可能になる。
【0052】
解決策2.2
UEがアイドルモードであって制御プレーンを用いたCIoT最適化が設定されている間の大量の非IPデータ配信のための制御プレーンCIoTからユーザプレーンCIoTへの切り替え
【0053】
図10は、大量のDL非IPデータが届いてUEがSCEFを介して制御プレーンCIoTデータ転送のためにアタッチされた時の、制御プレーンCIoTからユーザプレーン(CIoTまたはフルLTE)への切り替えを示す。
【0054】
図10に示すステップを以下のように詳細に説明する。
1.CIoT可能なUE(CIoT機能を有するLTE UE、またはCIoT専用UE)は、制御プレーンCIoT最適化のためにアタッチされ、アイドルモードである。
2.非IPデータ配信要求がSCEFで受信される。
3.非IPデータ要求がSCEFによって承認される。SCEFは、非IPデータのサイズをチェックして、UEへの配信のために非IPデータサイズと非IPデータ自体とをMMEに提示する。
注:非IPデータサイズをSCS/ASからのNIDD配信要求に含めることが可能である。
4.MMEは、非IPデータサイズが制御プレーンを用いた少量データ伝送の制限内であるか否かを評価する。受信した下りデータが大量であり、ユーザプレーンを介してそのデータを送信する方が効率的である場合、UEによってサポートされるならば、MMEはCIoT最適化されたユーザプレーンまたはLTEユーザプレーンを確立すると決定してもよい。
5.UEがアイドルモードである場合、MMEはUEを呼び出し、UEはサービス要求を返す。
6.MMEは、S1-AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージをRANノード(例えば、eNB)に送信する。MMEは、eNBとMMEとの間でS1ユーザプレーンが確立されるように、MMEによって割り当てられるS1ユーザプレーンTEIDを含める。このステップにより、無線ベアラおよびS1ベアラはアクティベートされる。MMEが(ステップ5のDLデータ評価に基づいて)最適化されたCIoTユーザプレーンを介してDLデータを配信すると決定した場合、MMEは、CIoT最適化ユーザプレーンタイプ配信の優先(または要求)を示すために、「ユーザプレーンCIoT」指示子を含める。
7.RANノードは、RRC接続再構成手順を用いて無線ベアラ確立を実行する。RANノード(例えば、eNB)は、RRC接続再構成要求メッセージにおいて、最適化されたCIoTユーザプレーンを優先することをUEに示してもよい。
8.ユーザプレーン無線ベアラがセットアップされると、RANノードは、MMEにS1-APメッセージ初期コンテキストセットアップ完了を送信する。MMEは、S1ユーザプレーンがMMEとeNBとの間に確立されると、ベアラ変更要求メッセージをS-GWに送信しない。初期コンテキストセットアップ手順が失敗した場合、またはUEがステップ5で呼び出し手順に対する呼び出しに応答しない場合、MMEはNIDD配信失敗指示メッセージをSCEFに送信する。NIDD配信失敗指示メッセージは、失敗の理由を示す新しい原因値を含むものとする。例えば、データサイズが限界を超えた、制御プレーンからユーザプレーンへの動的切り替えが失敗した、UEを呼び出すことができない、コンテキストが見つからない、中断(Suspension)によりUEを呼び出すことができない、UEが既に再アタッチされている、ハンドオーバ/TAU/RAU手順が進行中のため一時的に拒否されている、UEが応答していない、サービスが拒否されている、UEが既に再度アタッチされている、などである。SCEFがMMEからNIDD配信失敗指示メッセージを受信した場合、SCEFは、SCS/ASが配信失敗に対する適切な処置を取るために、NIDD配信失敗指示メッセージを新しい原因値をもってSCS/ASに送信する。新しい原因値とは、例えば、データサイズを超えた場合、制御プレーンからユーザプレーンへの動的切り替えが失敗する、UEを呼び出すことができない、コンテキストが見つからない、中断(Suspension)によりUEを呼び出すことができない、UEが既に再接続されている、ハンドオーバ/TAU/RAU手順が進行中のため一時的に拒否されている、UEが応答していない、サービスが拒否されている、UEが既に再接続しているなど。
9.こうして、ユーザプレーン(最適化されたCIoTまたはフルLTE)が確立され、DLデータをUEに配信することができる。
【0055】
解決策2.1および2.2では、下記の代替情報のうちの少なくとも1つを、データサイズ(または非IPデータサイズ)と交換できる。
a)最大スループットまたはデータレート(特定の期間(例えば、秒/時間/日/週)あたり)
b)最大伝送回数(特定の期間(例えば、秒/時間/日/週)あたり)
c)UEが受信する総データ量が閾値を上回る/下回るかどうかを示すフラグ。
また、代替情報として、a)~c)のうちの2つ以上のパラメータと交換することができる。
【0056】
上記の解決策2.1および2.2は、DLデータがMMEに届いた時にUEがアイドル状態にあると仮定する。さらに、他の解決策2.3を以下に説明する。この解決策では、DLデータがSGWまたはMMEに届いた時にUEが接続モードにあると仮定する。具体的には、CP伝送が設定され適用されているものとする。この解決策は、UEが接続モードにある間に無線インタフェース構成(すなわち、無線ベアラ)およびS1-Uベアラを変更することを提案する。
【0057】
図11に示すステップを以下のように詳細に説明する。
1.UEが接続状態である間、ユーザプレーンノードの1つ(RANノード、PGW、SGWのうちのいずれか)が、データサイズまたはデータ量が閾値を超えて増加していること、あるいは新しいアプリケーションがデータ伝送を開始したことを検出することができる。そのような検出にしたがって、SGW/PGWまたはRANノードは、ユーザプレーン上の変化した状況(増加したデータや、新しいアプリケーションなど)についてMMEに通知する。MME自体が、ユーザプレーン機能エンティティからの明示的な指示子を受けとることなく、増加したデータや開始された新しいアプリケーションを検出することも可能である。
例えば、ステップ1.1において、(図示しないが、PGWによって既に通知された)SGWが、GTP-Uヘッダ中にパケット長パラメータを示している、GTP-Uヘッダ中の新しいデータ/PDUサイズについてMMEに通知する。あるいは、SGWが、GTP-Cメッセージを使用して、新しいデータ量や新しいアプリケーション(例えば、App ID)について通知する。あるいは、ステップ1.2において、RANノードは、(例えば、特定の閾値を超えるバッファサイズに基づいて)SRB1/SRB2または制御プレーン上の増加したデータ伝送時間を検出することもできる。これは、限定されないが、制限された制御プレーン伝送帯域幅に好適に適用可能である。例えば、多くのIoT UEが同時にデータを受信し、RANノードの伝送バッファが増大しうることがあり、伝送遅延につながる。データPDUサイズが1.5キロバイト未満であり、SGW/PGWでは大量データとして検出されなかったとしても、eNBは、このような状況をMMEに示すことが可能である。そのような指示子の1つの例は、CP伝送チャネル/ベアラが、所与のセル内でサービスされる1つの特定のUEまたはすべてのUEのために、あるいは、所与のRANノードによって、過大な負荷をかけられることを意味する「CP負荷」である。このような検出にしたがって、RANノードは、変更されたデータ条件についてMMEに通知する。
2.MMEは、ユーザプレーン(RANノードまたはSGW/PGWのいずれか)から更新された情報を受信するか、あるいは、変更された状況を自ら検出した後で、使用されているCP伝送をUP伝送に切り替えるべきかどうかを判断することができる。MMEは、このようなCP伝送からUP伝送への切り替えが必要であると判断した場合、RANノード内のUEのコンテキストを変更する手順を、より具体的には、例えば、ASセキュリティのセットアップと可能なDRBの確立を変更する手順を開始する。例えば、S1-APベアラ変更手順を使用することができるが、RANノードにDRBおよびASセキュリティのアクティベーションを示す新しいパラメータを含めることができる。
3.MMEからの要求を受信すると、RANノード(例えば、eNB)は、まだ存在しない場合には、ASセットアップセキュリティセットアップを開始し、DRB(s)の確立を開始する。この目的のために、eNBはRRC接続再構成手順を使用することができる。
4.USはRRC接続再構成を確認する。
5.RANノード(eNB)は、正常な無線接続の変更についてMMEに応答する。
6.MMEは、SGWの再構成を実行する。この目的のために:
ステップ6.1において、MMEは、例えば、ベアラ変更要求手順を使用して、eNBのGTP-U TEIDでSGWを更新することによって、SGW GTP-U転送を再構成する。
ステップ6.2において、MMEは、S11インタフェースを介して既存のGTP-Uトンネル状態の解放を開始する。
オプションとして、コンバインドベアラ変更手順およびGTP-U解放手順を実行する新しいS11手順を指定してもよい。
【0058】
図11のように実行される手順の結果、ULデータおよびDLデータは、ユーザプレーン(NB-IoT UP最適化またはWB-EUTRAN UP伝送のいずれかを含む)を用いて伝送される。
【0059】
この解決策2.3で、UEが通常のように接続状態にい続けることが可能である一方、大量PDU処理が可能である。これにより、例えば、デタッチおよび再アタッチ手順を実行することに比べてシグナリングが低減する。
【0060】
さらなる実施形態では、接続モードのUEが、UEによって経験される悪い無線状態についてMMEに示すことが提案される。例えば、これは、UEがセルエッジに存在する場合(すなわち悪い無線状態、例えばUEが地下にある場合)に起こり得る。そのような場合、バッテリ電力を節約して到達可能性を確保するために、UEおよびネットワーク(MMS/SGSN)が以前に使用したUP伝送からCP伝送の使用を再選択することが提案される。
この目的のために、UEは、NASを介してMME/SGSNに悪い無線状態のシグナリングを示すことができる。別の代替案では、RANノードが悪い無線状態をMME/SGSNに示すことができる。MME/SGSNは、UP伝送からCP伝送に切り替えることによって無線接続の再構成を開始する。
【0061】
解決策1の代替案は解決策2に適用可能である。
【0062】
以下の説明は、本発明に記載された全ての解決策に当てはまる。
本発明の実施形態によれば、移動体端末(例えば、UE)30は、ネットワークへの/からの(特に、RANノードからの)シグナリングに対応できるように変更される。移動体端末30は、図12に示すようなブロック図を用いて概略的に説明することができる。
【0063】
図12に示すように、移動体端末(UE)30は、トランシーバ回路31と、ネットワーク(RANノード)と信号を送受信するための無線インタフェース32とを備える。移動体端末30は、自身の動作を制御するためのコントローラ33を備える。コントローラ33は、メモリ34に関連付けられている。
【0064】
ソフトウェアは、例えば、メモリ34に予めインストールされていてもよく、通信ネットワークを介して、または着脱可能なデータ記憶装置(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ33は、この例では、メモリ34に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって移動体端末30の全体的な動作を制御するように構成される。図示のように、ソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム35および通信制御モジュール36を含む。
【0065】
通信制御モジュール36は、移動体端末30とネットワークとの間の通信を制御する。通信制御モジュール36は、トランシーバ制御モジュール37を含む。
【0066】
本発明の実施形態によれば、RANノード(例えば、eNB)40は、ネットワーク(MME/SGSN)への/からのシグナリングおよびUE30への/からのシグナリングに対応できるように変更される。RANノード40は、図13に示すようなブロック図を用いて概略的に説明することができる。
【0067】
図13に示すように、RANノード40は、トランシーバ回路41と、サービングノードと信号を送受信するためのネットワークインタフェース42と、移動体端末30と信号を送受信するための無線インタフェース43とを備える。RANノード40は、自身の動作を制御するためのコントローラ44を備える。コントローラ44は、メモリ45に関連付けられている。
【0068】
ソフトウェアは、例えば、メモリ45に予めインストールされていてもよく、通信ネットワークを介して、または着脱可能なデータ記憶装置(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ44は、この例では、メモリ45に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によってRANノード40の全体的な動作を制御するように構成される。図示のように、ソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム46および通信制御モジュール47を含む。
【0069】
通信制御モジュール47は、RANノード40と移動体端末30との間の通信、およびRANノード40とサービングノードとの間の通信を制御する。通信制御モジュール47は、トランシーバ制御モジュール48を含む。
【0070】
本発明の実施形態によれば、サービングノード(MME/SGSN/MSC/C-SGN)50は、提案された解決策に従って動作することができるよう変更/拡張されるべきである。また、SGW、PGWおよびHSSへの変更が必要である。このために、サービングノード(MME/SGSN)50、SGW、PGW、SCEFまたはHSSは、図14のブロック図を用いて概略的に説明することができる。
【0071】
図14に示すように、サービングノード50は、トランシーバ回路51と、他のネットワークエンティティ(RANノード40)と信号を送受信するためのネットワークインタフェース52とを備える。サービングノード50は、自身の動作を制御するコントローラ53を備える。コントローラ53は、メモリ54に関連付けられている。
【0072】
ソフトウェアは、例えば、メモリ54に予めインストールされていてもよく、通信ネットワークを介して、または着脱可能なデータ記憶装置(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ53は、この例では、メモリ54に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によってサービングノード50の全体的な動作を制御するように構成される。図示のように、ソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム55および通信制御モジュール56を含む。
【0073】
通信制御モジュール56は、サービングノード50と他のネットワークエンティティ(RANノード40)との間の通信を制御する。通信制御モジュール56は、トランシーバ制御モジュール57を含む。
【0074】
本発明をその実施形態を参照して具体的に示し説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細の様々な変更を行うことが可能なことは、当業者には理解されよう。
【0075】
本願は、2016年2月17日に特許出願された欧州特許出願EP16275027.7の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14