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特許7198519シクロペンチルカルボン酸類及びエステル類の除草活性3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】シクロペンチルカルボン酸類及びエステル類の除草活性3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類
(51)【国際特許分類】
   C07D 261/04 20060101AFI20221222BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20221222BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20221222BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20221222BHJP
   A01M 1/20 20060101ALN20221222BHJP
   A01M 21/04 20060101ALN20221222BHJP
【FI】
C07D261/04 CSP
A01G7/06 A
A01N43/80 101
A01P13/00
A01M1/20 A
A01M21/04 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020508375
(86)(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018071910
(87)【国際公開番号】W WO2019034602
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】17186709.6
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】リンデル,ステファン・ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ハーフ,クラウス・ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ファン・アルムシック,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ディートリヒ,ハンスユルグ
(72)【発明者】
【氏名】マチェッティラ,アヌ・ビームアイア
(72)【発明者】
【氏名】ロージンガー,クリストファー・ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】ガツヴァイラー,エルマー
(72)【発明者】
【氏名】アスムス,エリザベス
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515015(JP,A)
【文献】特表2015-530398(JP,A)
【文献】特表2015-535834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01G
A01N
A01P
A01M
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

〔式中、
は、水素を表すか、
又は(C-C)-アルキル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
及びXは、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノを表し;
は、水素を表し;
mは、連続番号0又は1を表す〕
で表される3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド又はその農薬的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(I)の1種以上の化合物又はその農薬的に許容される塩を含有することを特徴とする、除草性組成物又は植物成長調節性組成物。
【請求項3】
さらに製剤補助剤を含むことを特徴とする、請求項2記載の除草性組成物。
【請求項4】
殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤及び/又は成長調節剤の群からの少なくとも1つのさらなる活性化合物を含む、請求項2又は3に記載の除草性組成物。
【請求項5】
薬害軽減剤を含む、請求項2~4のいずれかに記載の除草性組成物。
【請求項6】
前記薬害軽減剤が、メフェンピル-ジエチル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル、ベノキサコール及びジクロルミドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項5記載の除草性組成物。
【請求項7】
望ましくない植物を防除する方法であって、有効量の請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも一種類の化合物又は請求項2~6のいずれかに記載の除草性組成物を、当該植物に施用すること又は当該望ましくない植生の生育環境に施用することを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
望ましくない植物を防除するための、請求項1に記載の式(I)で表される化合物又は請求項2~6のいずれかに記載の除草性組成物の使用。
【請求項9】
式(I)で表される化合物が有用な植物の作物の中の望ましくない植物を防除するために使用されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記有用な植物が有用なトランスジェニック植物であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤の技術分野、特に有用植物の作物における雑草及びイネ科雑草の選択的防除のための除草剤の技術分野に関する。
【0002】
具体的には、シクロペンチルカルボン酸類及びエステル類の置換3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類、その製造方法及び除草剤としての使用に関する。
【技術背景】
【0003】
WO1995/014681A1、WO1995/014680A1、WO2008/035315A1、WO2005/051931A1及びWO2005/021515A1の各々は、とりわけ、フェニル環の3及び4位においてアルコキシラジカルによって置換されている3-フェニルイソキサゾリン-5-カルボキサミド類を記載している。WO1998/057937A1には、とりわけ、フェニル環の4位がアルコキシラジカルによって置換されている化合物が記載されている。WO2006/016237A1には、特に、それぞれの場合において、フェニル環においてアミドラジカルによって置換される化合物が記載されている。上記各文献に記載された化合物は、それらの文献に薬理活性を有するものとして開示されている。
【0004】
WO2005/021516A1は、薬理学的に活性な化合物として、3-(([3-(3-tert-ブチルフェニル)-5-エチル-4、5-ジヒドロ-1、2-オキサゾール-5-イル]カルボニル)アミノ)-5-フルオロ-4-オキソペンタン酸及び3-(([3-(3-tert-ブチルフェニル)-5-イソプロピル-4、5-ジヒドロ-1、2-オキサゾール-5-イル]カルボニル)アミノ)-5-フルオロ-4-オキソペンタン酸を開示している。
【0005】
DE4026018A1、EP0520371A2及びDE4017665は、イソオキサゾリン環の5位に水素原子を有する3-フェニルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類を開示している。これらの化合物は、農薬的に活性な薬害軽減剤(safeners)として、すなわち作物に対する除草剤の望ましくない除草作用を排除する化合物として記載されている。これらの化合物の除草作用は開示されていない。より早期の優先日を有するが、本出願の優先日においてまだ公開されていなかった欧州特許出願第10170238号は、イソキサゾリン環の5位に水素原子を有する除草活性及び殺菌活性の3-フェニルイソキサゾリン-5-カルボキサミド類及び3-フェニルイソキサゾリン-5-チオアミド類を開示している。Monatshefte Chemie(2010)141,461及びLetters in Organic Chemistry(2010),7,502もまた、イソオキサゾリン環の5位に水素原子を有する3-フェニルイソオキサゾリン-5-カルボキサミドを開示している。記載の化合物の一部について、殺菌作用は開示されているが、除草作用は開示されていない。
【0006】
WO2014/048827には、3-フェニルイソオキサゾリン-5-カルボン酸類、-5-カルボン酸エステル類、-5-カルボアルデヒド類及び-5-ニトリル類の除草作用が記載されている。
【0007】
WO2014/048853には、除草作用及び殺真菌作用を有する3位に複素環を有するイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類及び-5-チオアミド類が開示されている。
【0008】
WO2014/048940には、特定の複素環としてキノリンを3位に有する殺菌活性イソオキサゾリンカルボキサミド類が開示されている。
【0009】
WO2014/048882には、特定のラジカルとしてアルコキシを5位に有するイソオキサゾリンカルボキサミド類が開示されている。
【0010】
WO2012/130798には、置換されたシクロアルキル類の除草活性及び殺菌活性の3-フェニルイソキサゾリン-5-カルボキサミド類及び-5-チオアミド類が記載されている。とりわけ、3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミドが開示されている。しかし、対応するシクロペンチルカルボン酸及びエステルは、概括的な方法で記載されているにすぎない。
【0011】
これらの既知化合物の除草活性、特に低施用量での除草活性、及び/又はそれらの作物植物との適合性は、依然として改良が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】WO1995/014681A1
【文献】WO1995/014680A1
【文献】WO2008/035315A1
【文献】WO2005/051931A1
【文献】WO2005/021515A1
【文献】WO1998/057937A1
【文献】WO2006/016237A1
【文献】WO2005/021516A1
【文献】DE4026018A1
【文献】EP0520371A2
【文献】DE4017665
【文献】欧州特許出願第10170238号
【文献】WO2014/048827
【文献】WO2014/048853
【文献】WO2014/048940
【文献】WO2014/048882
【文献】WO2012/130798
【非特許文献】
【0013】
【文献】Monatshefte Chemie(2010)141,461
【文献】Letters in Organic Chemistry(2010),7,502
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の理由により、作物植物における選択的使用又は非農耕地における使用のための強力な除草剤及び/又は植物成長調節剤が依然として求められており、これらの活性成分は、好ましくは、施用において更なる有利な特性、例えば作物植物との改良された適合性などを有するべきである。
【0015】
したがって、本発明の目的は、比較的低い施用量でも経済的に重要な有害植物に対して高い効果があり、作物植物に選択的に使用することができ、好ましくは有害植物に対して良好な活性を有し、同時に好ましくは作物植物との良好な適合性を有する除草活性を有する化合物(除草剤)を提供することにある。好ましくは、これらの除草性化合物は、広いスペクトルのイネ科雑草に対して特に効果的かつ効率的であるべきであり、また好ましくは、多種類の雑草に対して良好な活性を有する。
【0016】
式(I)の多くの化合物は、除草作用に加えて、殺真菌作用も有するが、これはあまり顕著ではない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、下記式(I)のシクロペンチルカルボン酸類及びエステル類の3-フェニル-5-トリフルオロメチルイソオキサゾリン-5-カルボキサミド類及びそれらの塩が、経済的に重要な広いスペクトルの単子葉及び双子葉の一年生有害植物に対して優れた除草活性を有することが見いだされた。
【0018】
従って、本発明は、一般式(I)
【化1】
【0019】
〔式中、
は、水素を表すか、
又は、
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、臭素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
及びXは、互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、S(O)又はCOを表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、ハロゲン及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは、同時には水素を表さず;
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、S(O)又はCOを表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、ハロゲン及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
は、(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキル[ここで、これらは、それぞれ、ハロゲン及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、臭素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
mは、連続番号0、1、2、3、4又は5を表し;及び
nは、連続番号0、1又は2を表す〕
で表される化合物又はその農薬的(agrochemically)に許容される塩を提供する。
【0020】
アルキルとは、それぞれの場合に特定される炭素原子数を有する飽和直鎖又は分岐炭化水素基を意味し、例えば、C-C-メチルプロピル、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル及び1-エチル-2-メチルプロピルなどを意味する。
【0021】
ハロゲン置換アルキルとは、直鎖又は分岐アルキル基[ここで、これらの基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子によって置換され得る]を意味し、例えば、C-C-ハロアルキル、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ、2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルなどを意味する。
【0022】
アルケニルは、それぞれの場合に記載された炭素原子数を有し、任意の位置に1つの二重結合を有する不飽和直鎖又は分岐炭化水素ラジカルを表し、例えば、C-C-アルケニル、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルなどを表す。
【0023】
アルキニルとは、各場合に特定される炭素原子数を有し、任意の位置に一つの三重結合を有する直鎖又は分岐炭化水素基を意味し、例えば、C-C-アルキニル、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル(又はプロパルギル)、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、3-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、1-メチル-2-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3、3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニルなどを意味する。
【0024】
シクロアルキルは、好ましくは3~6個の環炭素原子を有する炭素環式飽和環系を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを意味する。置換されていてもよいシクロアルキルの場合には、置換基を有する環系が含まれ、さらに、当該シクロアルキルラジカル上に二重結合を有する置換基(例えば、アルキリデン基、例えば、メチリデン)を有する環式系も含まれる。
【0025】
アルコキシは、それぞれの場合に特定される炭素原子数を有する飽和直鎖又は分岐アルコキシ基を意味し、例えば、C-C-アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ、1,1-ジメチルエトキシ、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルポロポキシ、ヘキソキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルポロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ及び1-エチル-2-メチルプロポキシを意味する。ハロゲン置換アルコキシとは、それぞれの場合に特定される炭素原子の数を有する直鎖又は分枝アルコキシ基[ここで、これらの基の水素原子の一部又は全部は、上記に特定されるハロゲン原子で置換され得る]を意味し、例えば、C-C-ハロアルコキシ、例えば、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-1,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-オキシなどを意味する。
【0026】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。当該用語がラジカルについて使用される場合、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0027】
式(I)の化合物は立体異性体として存在する。これらの立体異性体は、例えば、エナンチオマー又はジアステレオマーである。立体異性体は、通例の分離方法、例えばクロマトグラフィーによる分離プロセスによって調製で得られた混合物から得ることができる。同様に、光学活性な出発物質及び/又は助剤を用いる立体選択的反応を用いることによって、立体異性体を選択的に調製することが可能である。
【0028】
本発明はまた、式(I)に包含されるが具体的には定義されていない全ての立体異性体及びその混合物に関する。しかし、以下の本文では、単純化を目的として、たとえ式(I)で表される化合物が純粋な化合物のみを意味するではなく、適切な場合には種々の量の異性体化合物の混合物も意味すると理解される場合でも、常に、式(I)で表される化合物について言及する。
【0029】
式(I)の化合物は、上記で定義された置換基の性質によって、酸性の性質を有し、塩を形成することができ、また必適切な場合には、内部塩又は無機若しくは有機塩基又は金属イオンとの付加物を形成することもできる。式(I)の化合物がヒドロキシル基、カルボキシル基又は酸性を誘導する他の基を有する場合、これらの化合物を塩基と反応させて塩を得ることができる。適切な塩基は、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、特にナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、さらにアンモニア、(C-C)-アルキル基を有する第一級、第二級及び第三級アミン、(C-C)-アルカノールのモノ-、ジ-及びトリアルカノールアミン、コリン及びクロロコリン、並びにトリアルキルアミン、モルホリン、ピペリジン又はピリジンのような有機アミンである。これらの塩は、酸性水素が農業的に好適なカチオン、例えば金属塩、特にアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特にナトリウム及びカリウム塩、又は他のアンモニウム塩、有機アミン又は第四アンモニウム塩との塩、例えば、式[NRR’R’’R’’’]〔式中、R~R’’’は、それぞれ、互いに独立して、有機ラジカル、特に、アルキル、アリール、アラルキル又はアルキルアリールを表す〕で表されるカチオンとの塩である。同様に適しているものは、アルキルスルホニウム塩及びアルキルスルホキソニウム塩、例えば、(C-C)-トリアルキルスルホニウム塩及び(C-C)-トリアルキルスルホキソニウム塩である。
【0030】
基がラジカルによって多置換されている場合、これは、その基が上記のものと同一又は異なる1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味する。
【0031】
以下に特定される全ての式において、置換基及び記号は、別に定義されない限り、式(I)に記載されるものと同じ意味を有する。化学式中の矢印は当該分子が残部と結合する点を示す。
【0032】
以下において、個々の置換基のそれぞれに関する好ましい定義、特に好ましい定義及び極めて特に好ましい定義について説明する。一般式(I)の下記において特定されていないその他の置換基は、上記で与えられている定義を有する。
【0033】
本発明の第1の実施形態によれば、
は、好ましくは水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
特に好ましくは、
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル[ここで、これらは、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
および、極めて特に好ましくは、
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル[ここで、これらは、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルにより置換されている]を表す。
【0034】
本発明の第2の実施形態によれば、
及びXは、好ましくは水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、S(O)又はCOを表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは、両方とも同時には水素を表さず;
特に好ましくは、
及びXは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素又はシアノを表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは、両方とも同時には水素を表さず;
極めて特に好ましくは、
及びXは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素又はシアノを表すか、
又は
(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルコキシ[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは、両方とも同時には水素を表さず;
最も好ましくは、
及びXは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素又はシアノを表すか、
又は
メチル又はメトキシ[ここで、これらは、それぞれ、フッ素及び塩素からなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは、両方とも同時には水素を表さない。
【0035】
本発明の第3の実施形態によれば、
は、好ましくは水素又はハロゲンを表し、特に好ましくは水素又はフッ素を表し、最も好ましくは水素を表す。
【0036】
本発明の第4の実施形態によれば、
は、好ましくは、(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表す。
【0037】
本発明の第5の実施形態によれば、
は、好ましくは水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表す。
【0038】
本発明の第6の実施形態によれば、
mは、連続番号0、1、2、3又は4を表し、特に好ましくは0、1、2又は3を表す。
【0039】
本発明の第7の実施形態によれば、
nは、連続番号0又は2を表す。
【0040】
本発明の文脈において、置換基R~R、X~X、及び連続番号m及びnの個々の好ましい及び特に好ましい意味は、所望により互いに組み合わせることができる。
【0041】
このことは、本件発明が、例えば、置換基Rが好ましい意味を有し、置換基X~Rが一般的な定義を有するか又は他の置換基Xが好ましい意味を有し、置換基Rが特に好ましい意味を有し、残りの置換基が一般的な意味を有する、一般式(I)の化合物を包含することを意味する。
【0042】
以下に、置換基R~R、X~X、及び連続番号m、nについて上述した定義のうちの3つの組み合わせを例示し、さらに別の実施形態としてそれぞれを開示する。
【0043】
本発明の第8の実施形態によれば、
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
及びXは、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、S(O)又はCOを表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは両方とも同時には水素を表さず;
は、水素又はハロゲンを表し;
は、(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
mは、連続番号0、1、2又は3を表し;及び
nは、連続番号0又は2を表す。
【0044】
本発明の第9の実施形態によれば、
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
及びXは、それぞれ独立して、水素、フッ素又は塩素を表すか、
又は、
(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルコキシ[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素及びシアノからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し、ここで、X及びXは両方とも同時には水素を表さず;
は、水素を表し;及び
mは、連続番号0、1、2又は3を表す。
【0045】
本発明の第10の実施形態によれば、
は、水素を表すか、
又は
(C-C)-アルキル[ここで、これらは、それぞれ、フッ素、塩素、シアノ及び(C-C)-アルコキシからなる群からのm個のラジカルによって置換されている]を表し;
及びXは互いに独立して水素、フッ素又は塩素を表し、ここで、X及びXは同時には水素を表さず;
は、水素を表し;及び
mは、連続番号0、1、2又は3を表す。
【0046】
一般式(I)の化合物の例が、表形式で以下に示されている。下記の表1は、式(I)において概括的な用語で定義される置換基を特定する。
【表1】
【0047】
表1において、下記の略語が使用されている:
【表2】
【0048】
本発明の化合物は、以下に列挙される種々のプロセスによって調製することができる:
スキーム1:
【化2】
【0049】
ニトリルオキシドと適当な親双極子(dipolarophile)との1,3-双極子環化付加のスキーム1に示すそのような反応は、例えば、「Reviews:1,3dipolar Cycloaddition Chemistry,Padwa,ed.Wiley,New York,1984」、「Kanemasa and Tsuge, Heterocycles 1990,30,719」に記載されている。クロロオキシムの調製については、「Kim,Jae N.,Ryu,Eung K.J.Org.Chem.1992,57,6649)」を参照されたい。
【0050】
形成されたジアステレオ異性体混合物は、カラムクロマトグラフィーによって分離することができる。光学活性なイソオキサゾリン類は、適切な前駆物質若しくは最終生成物をキラルHPLCに付すことによって得ることが可能であり、及び、さらに、エナンチオ選択的反応(例えば、酵素的なエステル開裂又はアミド開裂)によって、又は、Olssen(J.Org.Chem.1988,53,2468)によって記載されているように親双極子にキラル補助剤を使用することによって、得ることも可能である。
【0051】
本発明の化合物の製造には、適切に置換されている2-アルコキシアクリルアミド(スキーム3)を用いることもできる。これらは、加水分解及びアミド形成後にスキーム2に記載したアクリル酸エステルから得ることができる。
【0052】
スキーム2:
【化3】
【0053】
2-(トリフルオロメチル)アクリル酸を活性化するための一つの選択肢は、カルボジイミド、例えば、EDAC(Chen,F.M.F.;Benoiton,N.L.Synthesis 1979,709)である。アクリルアミドの調製については、米国特許第2,521,902号、JP60112746号、「J.of Polymer Science 1979,17(6),1655」を参照されたい。適切に置換された2-(トリフルオロメチル)アクリルアミドを、ニトリルオキシドとの1,3-環化付加反応において反応させて、本発明に係る化合物(スキーム3)を得ることができる。
【0054】
スキーム3:
【化4】
【0055】
官能基Rの変換はアルケンの段階、又はイソオキサゾリンで実施することが可能である(スキーム4)。
【0056】
スキーム4:
【化5】
【0057】
ここで、エチルエステルは適当な塩基、例えば水酸化ナトリウム水溶液によって公知の方法で切断され、次いでカルボン酸は適当な酸、例えば塩酸によって放出される。次いで、エステル化は公知の方法、例えば、対応する酸塩化物を介して、又は活性化を介して、例えば、EDACのようなカルボジイミドを用いて行われる。
【0058】
上記反応によって合成することが可能な式(I)で表される化合物及び/又はそれらの塩のコレクションは、並行的に調製することも可能であり、その場合、これは、手動で、部分的に自動化で、又は、完全に自動化で、実施することが可能である。例えば、生成物及び/若しくは中間体の反応、後処理又は精製の実施を自動化することが可能である。概して、これは、例えば、「Combinatorial Chemistry -Synthesis,Analysis,Screening(editor:Guenther Jung),Wiley,1999」の第1~34頁においてD.Tiebesによって記載された方法を意味するものと理解される。
【0059】
本発明の式(I)の化合物(及び/又はその塩)〔以下では、まとめて「本発明の化合物」と称される〕は、広範囲のスペクトルの、経済的に重要な単子葉植物及び双子葉植物の一年生有害植物に対して優れた除草効力を有する。
【0060】
本発明は、従って、望ましくない植物を防除する方法又は植物の成長を調節する方法、好ましくは作物植物内において、望ましくない植物を防除する方法又は植物の成長を調節する方法も提供し、ここで、該方法においては、本発明による1種類以上の化合物を、該植物(例えば、有害植物、例えば、単子葉雑草若しくは双子葉雑草、又は、望ましくない作物植物)に施用するか、又は、種子(例えば、穀粒、種子、又は、栄養繁殖器官、例えば、塊茎、若しくは、芽を有する苗条部分)に施用するか、又は、当該植物がそこで成長している区域(例えば、耕作地)に施用する。本発明の化合物は、例えば、植え付け前(適切な場合には、さらに、土壌に混和することによって)、発生前又は発生後に使用することができる。本発明の化合物によって防除することが可能な何種類かの代表的な単子葉雑草植物相及び双子葉雑草植物相の具体的な例は以下のとおりであるが、そのような列挙されたものは特定の種に限定することを意図するものではない。
【0061】
以下の属の単子葉有害植物: アエギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0062】
以下の属の双子葉雑草: イチビ属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、カミツレ属(Anthemis)、アファネス属(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カワラケツメイ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、エメキス属(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼトウガラシ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ザクロソウ属(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、セスバニア属(Sesbania)、キンゴジカ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、シャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0063】
本発明の化合物が発芽前に土壌表面に施用される場合、雑草の実生の出芽が完全に防止されるか、又は、雑草は、子葉期に達するまで成長するが、その後成長を停止する。
【0064】
該活性化合物が植物の緑色の部分に発生後施用される場合は、その処理の後で成長は停止し、そして、当該有害植物は、施用時点における成長段階にとどまるか、又は、一定期間の後、完全に枯死し、その結果、このようにして、作物植物にとって有害である雑草との競合が、極めて早期に持続的に排除される。
【0065】
本発明の化合物は、有用な植物の作物の中で選択的であることができ、そして、非選択的除草剤として使用することも可能である。
【0066】
該活性化合物は、それらの除草特性及び植物成長調節特性によって、既知遺伝子組換え植物又は今後開発される遺伝子組換え植物の作物の中の有害な植物を防除するために用いることもできる。一般に、トランスジェニック植物は、特定の有利な特性によって、例えば、農産業において使用される特定の活性化合物(特に、特定の除草剤)に対する抵抗性、植物病害又は植物病害の病原体(例えば、特定の昆虫類又は微生物、例えば、菌類、細菌類若しくはウイルス類)に対する抵抗性などよって、特徴付けられる。別の特定の特性は、例えば、収穫物の、量、質、貯蔵性、組成及び特定の成分などに関する。例えば、デンプン含有量が増大されているか若しくはデンプンの質が変性されている既知トランスジェニック植物、又は、収穫物内の脂肪酸組成が異なっている既知トランスジェニック植物が存在している。特定のさらなる特性は、非生物的ストレス因子、例えば、熱、低温、渇水、塩分及び紫外線などに対する耐性又は抵抗性である。
【0067】
好ましくは、有用な植物及び観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物において、本発明の式(I)で表される化合物又はその塩を使用する。
【0068】
式(I)で表される化合物は、除草剤として、当該除草剤の植物毒性効果に対して抵抗性であるか又は遺伝子工学によって抵抗性にされた有用な植物の作物において、使用することができる。
【0069】
既存の植物と比較して改質された特性を有する新規植物を生成させる慣習的な方法は、例えば、従来の栽培法及び突然変異体の生成である。
【0070】
別法として、変更された特性を有する新規植物は、組換え法を用いて生成させることができる(例えば、EP 0221044、EP 0131624を参照されたい)。例えば、記載されているのは、以下のことに関するいくつかの場合である:植物体内で合成されるデンプンを改質することを目的とする作物植物の遺伝子組換え(例えば、WO92/011376A、WO92/014827A、WO91/019806A);グルホシネートタイプ(例えば、EP0242236A、EP0242246Aを参照)若しくはグリホセートタイプ(WO92/000377A)若しくはスルホニルウレアタイプ(EP0257993A、US5,013,659)の特定の除草剤に対して抵抗性を示す、又は、「遺伝子スタッキング(gene stacking)」によってそれら除草剤の組合せ若しくは混合物に対して抵抗性を示す、トランスジェニック作物植物、例えば、OptimumTM GATTM(グリホセートALS耐性)の商品名又は名称を有するトランスジェニック作物植物、例えば、トウモロコシ又はダイズ;
・ 植物を特定の害虫に対して抵抗性を示すようにするバシルス・ツリンギエンシス毒素(Bt毒素)を産生することができるトランスジェニック作物植物(例えば、ワタ)(EP0142924A、EP0193259A);
・ 改変された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物植物(WO91/013972A);
・ 新規成分又は二次代謝産物(例えば、耐病性を向上させる新規フィトアレキシンなど)を有する遺伝子組換えされた作物植物(EP0309862A、EP0464461A);
・ より多い収穫量及びより高いストレス耐性を有する、光呼吸が低下した遺伝子組換え植物(EP0305398A);
・ 薬学的に又は診断的に重要なタンパク質を産生するトランスジェニック作物植物(「分子ファーミング(molecular pharming)」);
・ より多い収穫量又はより優れた品質を特徴とするトランスジェニック作物植物;
・ 例えば上記で記載した新規特性の組み合わせによって区別される、トランスジェニック作物植物(「遺伝子スタッキング」)。
【0071】
改質された特性を有する新規トランスジェニック植物を産生させために使用することが可能な多くの分子生物学的技術が、原則として知られている;例えば,以下のものを参照されたい:「I.Potrykus and G.Spangenberg (eds), Gene Transfer to Plants, Springer Lab Manual (1995),Springer Verlag Berlin,Heidelberg」、又は、「Christou,“Trends in Plant Science”1(1996)423-431」。
【0072】
そのような遺伝子操作に関して、突然変異誘発又はDNA配列の組換えによる配列変更を可能にする核酸分子をプラスミドの中に導入することができる。標準的な方法を用いて、例えば、塩基交換を実施することが可能であり、配列の一部分を除去することが可能であり、又は、天然配列若しくは合成配列を加えることが可能である。DNA断片を互いに連結させるために、その断片上にアダプター又はリンカーを配置することができる;例えば、以下のものを参照されたい:「Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY」、又は、「Winnacker“Gene und Klone”[Genes and Clones],VCH Weinheim 2nd edition 1996」。
【0073】
例えば、遺伝子産物の活性が低下した植物細胞の生成は、少なくとも1の対応するアンチセンスRNAを発現させることによって、又は、コサプレッション効果を達成するためのセンスRNAを発現させることによって、又は、前記遺伝子産物の転写産物を特異的に切断する少なくとも1の適切に構築されたリボザイムを発現させることによって、達成することができる。この目的のために、最初に、存在し得る全てのフランキング配列を含む遺伝子産物の全コード配列を含んでいるDNA分子を使用することが可能であり、さらにまた、コード配列の一部分だけを含んでいるDNA分子(この場合、これらの部分は、細胞内においてアンチセンス効果を有するのに充分なほど長いことが必要である)を使用することも可能である。さらにまた、遺伝子産物のコード配列と高度に相同性を有するが、それらと完全に同一であるわけではないDNA配列を用いることもできる。
【0074】
植物体内で核酸分子を発現させる場合、合成されたタンパク質は、植物細胞の任意の望ましい区画内に局在化させ得る。しかしながら、特定の区画内に局在化させるためには、例えば、特定の区画内に局在化することを保証するDNA配列にコード領域を連結させることが可能である。そのような配列は、当業者には知られている(例えば、以下のものを参照されたい:「Braun et al.,EMBO J.11(1992),3219-3227」、「Wolter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85(1988),846-850」、「Sonnewald et al.,Plant J.1(1991),95-106」)。さらにまた、そのような核酸分子は、植物細胞の細胞小器官内で発現させることも可能である。
【0075】
トランスジェニック植物細胞は、完全な植物を生じさせるための既知技術によって再生させることができる。原則として、トランスジェニック植物は、任意の望ましい植物種の植物であり得る、即ち、単子葉植物であり得るのみではなく、双子葉植物でもあり得る。かくして、相同性の(=天然の)遺伝子若しくは遺伝子配列の過剰発現、抑制若しくは阻害又は非相同性の(=外来の)遺伝子若しくは遺伝子配列の発現によってその特性が変更されているトランスジェニック植物を得ることができる。
【0076】
本発明の化合物(I)は、好ましくは、成長調節剤(例えば、2,4-D、ジカンバ)に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、必須植物酵素(例えば、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ、グルタミンシンターゼ(GS)又はヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD))を阻害する除草剤に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、スルホニルウレア類、グリホセート類、グルホシネート類若しくはベンゾイルイソオキサゾール類及び類似した活性化合物の群から選択される除草剤に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、これらの活性化合物の任意の望ましい組合せに対して抵抗性を示すトランスジェニック植物の中で、使用することができる。
【0077】
本発明の化合物は、特に好ましくは、グリホセート類とグルホシネート類の組合せ、グリホセート類とスルホニルウレア類又はイミダゾリノン類の組合せに対して抵抗性を示すトランスジェニック作物植物において使用することができる。最も好ましくは、本発明の化合物は、例えば、OptimumTM GATTM(グリホセートALS耐性)の商品名又は名称を有するトランスジェニック作物植物(例えば、トウモロコシ又はダイズ)において使用することができる。
【0078】
トランスジェニック作物の中で本発明の活性化合物を使用する場合、別の作物の中で観察される有害な植物に対する効果が生じるのみではなく、多くの場合、特定のトランスジェニック作物の中における施用に特異的な効果、例えば、防除可能な雑草の改変されたスペクトル又は特に拡大されたスペクトル、当該施用に使用し得る改変された施用量、好ましくは、そのトランスジェニック作物が抵抗性を示す除草剤との良好な組合せ可能性、並びに、そのトランスジェニック作物植物の成長及び収穫量に対する影響なども生じる。
【0079】
従って、本発明は、さらにまた、トランスジェニック作物植物の中で有害な植物を防除するための除草剤としての、式(I)で表される本発明化合物の使用にも関する。
【0080】
本発明の化合物は、慣習的な製剤における水和剤、乳剤、散布可能溶液剤、散粉性製品(dusting product)又は粒剤の形態で施用することができる。従って、本発明は、さらにまた、本発明の化合物を含んでいる除草性組成物及び植物成長調節性組成物も提供する。
【0081】
本発明の化合物は、必要とされる生物学的及び/又は物理化学的パラメータに応じて、さまざまな方法で製剤することができる。可能な製剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる:水和剤(WP)、水溶剤(water-soluble powders)(SP)、水溶性濃厚剤(water-soluble concentrates)、乳剤(EC)、エマルション剤(EW)、例えば、水中油型エマルション剤及び油中水型エマルション剤、散布可能溶液剤(sprayable solutions)、懸濁製剤(SC)、油又は水に基づく分散液剤、油混和性溶液剤、カプセル懸濁製剤(capsule suspensions)(CS)、散粉性製品(dusting products)(DP)、粉衣剤(dressings)、ばらまき用粒剤及び土壌施用用粒剤、微粒剤の形態にある粒剤(GR)、噴霧粒剤(spray granules)、吸収粒剤(absorption granules)及び含浸粒剤(adsorption granules)、顆粒水和剤(WG)、水溶性粒剤(SG)、微量散布製剤、マイクロカプセル剤、並びに、蝋剤(waxes)。これらの個々の製剤の型は原則として知られており、そして、例えば、以下のものに記載されている:「Winnacker-Kuchler,“Chemische Technologie”[Chemical Technology],Volume 7,C.Hanser Verlag Munich,4th Ed.1986」、「Wade van Valkenburg,“Pesticide Formulations”,Marcel Dekker,N.Y.,1973」、「K.Martens,“Spray Drying”Handbook,3rd Ed.1979,G. Goodwin Ltd.London」。
【0082】
必要とされる製剤助剤、例えば、不活性物質、界面活性剤、溶媒及びさらなる添加剤なども同様に知られており、そして、例えば、以下のものに記載されている:「Watkins, “Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”,2nd Ed.,Darland Books,Caldwell N.J.」、「H.v.Olphen,“Introduction to Clay Colloid Chemistry”,2nd Ed.,J.Wiley & Sons,N.Y.」、「C.Marsden,“Solvents Guide”,2nd Ed.,Interscience,N.Y. 1963」、「McCutcheon’s “Detergents and Emulsifiers Annual”,MC Publ.Corp.,Ridgewood N.J.」、「Sisley and Wood,“Encyclopedia of Surface Active Agents”,Chem.Publ.Co.Inc.,N.Y.1964」、「Schoenfeldt,“Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte”[Interface-active Ethylene Oxide Adducts],Wiss.Verlagsgesell.,Stuttgart 1976」、「Winnacker-Kuchler, “Chemische Technologie”,volume 7,C.Hanser Verlag Munich,4th Ed.1986」。
【0083】
これらの製剤に基づいて、別の活性化合物(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤)との組合せ物や、さらにまた、薬害軽減剤、肥料及び/若しくは成長調節剤との組合せ物を、例えば、完成した製剤の形態で又はタンクミックスとして、製造することも可能である。
【0084】
混合製剤中で又はタンクミックスの中で本発明による化合物と組合せて使用することが可能な活性化合物は、例えば、「Weed Research 26(1986)441-445」又は「“The Pesticide Manual”,16th edition,The British Crop Protection Council and the Royal Soc.of Chemistry,2006」及びそれらの中で引用されている文献に記載されている、例えば、アセト乳酸シンターゼ、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系II又はプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼなどを阻害することに基づく、既知活性化合物である。本発明による化合物と組み合わせることが可能な既知除草剤又は既知植物成長調節剤は、例えば、以下の活性化合物であり、ここで、該化合物は、国際標準化機構(ISO)に従う「一般名」で示されているか、又は、化学名で示されているか、又は、コード番号で示されている。それらは、たとえ明示的に言及されていなくても、常に、全ての施用形態、例えば、酸、塩、エステル、及び、全ての異性体、例えば、立体異性体及び光学異性体などを包含する。
【0085】
そのような除草性混合相手剤の例は、以下のとおりである:
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メチルフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエート及び-オクタノエート、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロランベン、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルタール-ジメチル、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシホス、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D、2,4-D-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオールアミン、-エチル、2-エチルヘキシル、-イソブチル、-イソオクチル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム、-トリイソプロパノールアンモニウム及び-トロールアミン(trolamine)、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-イソオクチル、-カリウム及び-ナトリウム、ダイムロン(daimuron)(dymron)、ダラポン、ダゾメット、n-デカノール、デスメジファム、デトシル-ピラゾレート(DTP)、ジカンバ、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジクワット、ジクワットジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エタメトスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-9600、F-5231、即ち、N-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1イル]フェニル]エタンスルホンアミド、F-7967、即ち、3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウム及び-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホセート、グリホセート-アンモニウム、-イソプロピルアンモニウム、-ジアンモニウム、-ジメチルアンモニウム、-カリウム、-ナトリウム及び-トリメシウム、H-9201、即ち、O-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)O-エチル イソプロピルホスホルアミドチオエート、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサジノン、HW-02、即ち、1-(ジメトキシホスホリル)エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-イモニウム(immonium)、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、アイオキシニル、アイオキシニル-オクタノエート、-カリウム及び-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチレート、KUH-043、即ち、3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPA-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム及び-ナトリウム、MCPB、MCPB-メチル、-エチル及び-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ナトリウム及び-ブトチル、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル及び-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メチオピルスルフロン(methiopyrsulfuron)、メチオゾリン、イソチオシアン酸メチル、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、モノスルフロン、モノスルフロン-エステル、MT-5950、即ち、N-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、即ち、4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコートジクロリド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油、フェンメジファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ(pyribambenz)、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、即ち、1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブタ-3-エン-2-イル 5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、即ち、1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロパ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリフルオロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン(trifludimoxazin)、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、尿素硫酸塩(urea sulfate)、ベルノレート、XDE-848、ZJ-0862、即ち、3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン、及び、さらに、以下の化合物:
【化6】
【0086】
可能な混合相手剤としての植物成長調節剤の例は、以下のものである:
アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、カテコール、クロルメコート-クロリド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロパ-1-エニル)プロピオン酸、ダミノジド、ダゾメット、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-二カリウム、-二ナトリウム及びモノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、ジャスモン酸メチルエステル、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロリド、1-メチルシクロプロペン、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノキシド混合物、4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]酪酸、パクロブトラゾール、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、サリチル酸、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、チトデフ(tsitodef)、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P。
【0087】
本発明による式(I)で表される化合物と組み合わせて使用することが可能な、及び、場合により、さらなる活性化合物(例えば、上記で挙げられている殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、殺虫剤)と組み合わせて使用することが可能な、薬害軽減剤は、好ましくは、以下のものからなる群から選択される:
S1) 式(S1)
【化7】
【0088】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、0~5の自然数、好ましくは、0~3の自然数を表し;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、ニトロ又は(C-C)-ハロアルキルを表し;
は、N及びOの群から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する部分的不飽和又は芳香族の5員ヘテロ環の群から選択される置換されていないか又は置換されている二価ヘテロ環式ラジカル(ここで、該環中には、少なくとも1個の窒素原子及び最大で1個の酸素原子が存在している)を表し、好ましくは、(W )~(W
【化8】
【0089】
の群から選択されるラジカルを表し;
は、0又は1を表し;
は、OR 、SR 若しくはNR を表すか、又は、少なくとも1個の窒素原子と最大で3個までのヘテロ原子(好ましくは、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子)を有する飽和若しくは不飽和の3~7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、窒素原子を介して(S1)内のカルボニル基に結合しており、そして、該ヘテロ環は、置換されていないか、又は、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ若しくは置換されていてもよいフェニルからなる群から選択されるラジカルで置換されている)を表し、好ましくは、式OR 、式NHR 又は式N(CHで表されるラジカルを表し、特に、式OR で表されるラジカルを表し;
は、水素を表すか、又は、置換されていないか若しくは置換されている(好ましくは、合計で1~18個の炭素原子を有する)脂肪族炭化水素ラジカルを表し;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシを表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルを表し;
は、H、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、シアノ又はCOOR (ここで、R は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、(C-C)-ヒドロキシアルキル、(C-C12)-シクロアルキル又はトリ-(C-C)-アルキルシリルを表す)を表し;
、R 、R は、同一であるか又は異なっており、そして、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C12)-シクロアルキルを表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルを表す〕
で表される化合物;
好ましくは:
(a) ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-1)(「メフェンピル-ジエチル」)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/07874に記載されている);
(b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-2)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-3)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-4)及び関連化合物(これらは、EP-A-333131及びEP-A-269806に記載されている);
(c) 1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-5)、1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸メチル(S1-6)及び関連化合物(これらは、例えば、EP-A-268554に記載されている);
(d) トリアゾールカルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:フェンクロラゾール(-エチルエステル)、即ち、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(S1-7)及び関連化合物(これらは、EP-A-174562及びEP-A-346620に記載されている);
(e) 5-ベンジル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプ又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-8)若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-9)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/08202に記載されている)、又は、5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸(S1-10)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸n-プロピル(S1-12)若しくは5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-13)(これらは、特許出願WO-A-95/07897に記載されている)。
【0090】
S2)式(S2)
【化9】
【0091】
〔式中、記号及び添え字は、下記意味を有する:
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、ニトロ又は(C-C)-ハロアルキルを表し;
は、0~5の自然数、好ましくは、0~3の自然数を表し;
は、OR 、SR 若しくはNR を表すか、又は、少なくとも1個の窒素原子と最大で3個までのヘテロ原子(好ましくは、O及びSの群から選択されるヘテロ原子)を有する飽和又は不飽和の3~7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、窒素原子を介して(S2)内のカルボニル基に結合しており、そして、該ヘテロ環は、置換されていないか、又は、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ若しくは置換されていてもよいフェニルの群から選択されるラジカルで置換されている)を表し、好ましくは、式OR 、式NHR 又は式N(CHで表されるラジカルを表し、特に、式OR で表されるラジカルを表し;
は、水素を表すか、又は、置換されていないか若しくは置換されている(好ましくは、合計で1~18個の炭素原子を有する)脂肪族炭化水素ラジカルを表し;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシを表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルを表し;
は、(C又はC)-アルカンジイル鎖(ここで、該アルカンジイル鎖は、置換されていないか、又は、1若しくは2の(C-C)-アルキルラジカルで置換されているか、又は、[(C-C)-アルコキシ]カルボニルで置換されている)を表す〕
で表されるキノリン誘導体;
好ましくは:
(a) 8-キノリンオキシ酢酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-メチルヘキシル(「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(1,3-ジメチル-ブタ-1-イル)(S2-2)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸4-アリルオキシブチル(S2-3)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-アリルオキシプロパ-2-イル(S2-4)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸エチル(S2-5)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸メチル(S2-6)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸アリル(S2-7)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-(2-プロピリデンイミノオキシ)-1-エチル(S2-8)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-オキソプロパ-1-イル(S2-9)及び関連化合物(これらは、EP-A-86750、EP-A-94349及びEP-A-191736又はEP-A-0492366に記載されている)、並びに、さらに、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(S2-10)、その水和物及び塩、例えば、そのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩又はホスホニウム塩(これらは、WO-A-2002/34048記載されている);
(b) (5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、以下のような化合物:(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸メチルエチル及び関連化合物(これらは、EP-A-0582198に記載されている)。
【0092】
S3)式(S3)
【化10】
【0093】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-ハロアルケニル、(C-C)-シクロアルキルを表し、好ましくは、ジクロロメチルを表し;
、R は、同一であるか若しくは異なっており、そして、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルケニル、(C-C)-アルキルカルバモイル-(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニルカルバモイル-(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、ジオキソラニル-(C-C)-アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジルを表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルを表すか、又は、R とR は一緒に、置換されているか若しくは置換されていないヘテロ環式環(好ましくは、オキサゾリジン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ヘキサヒドロピリミジン環又はベンゾオキサジン環)を形成している〕
で表される化合物;
好ましくは:
発生前薬害軽減剤(土壌作用性薬害軽減剤)としてしばしば使用されるジクロロアセトアミドのタイプの活性化合物、例えば、
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、
「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-2)、
「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-3)、
「ベノキサコル」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン)(S3-4)、
「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:PPG Industries〕(S3-5)、
「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:Sagro-Chem〕(S3-6)、
「AD-67」又は「MON 4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4.5]デカン)〔供給元:Nitrokemia、又は、Monsanto〕(S3-7)、
「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)〔供給元:TRI-Chemical RT〕(S3-8)、
「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン)又は「BAS 145138」又は「LAB 145138」(S3-9)、
((RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルペルヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン)〔供給元:BASF〕、「フリラゾール」又は「MON 13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10)及びその(R)-異性体(S3-11)。
【0094】
S4)式(S4)
【化11】
【0095】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、SO-NR -CO又はCO-NR -SOを表し;
は、CH又はNを表し;
は、CO-NR 又はNHCO-R を表し;
は、ハロゲン、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル又は(C-C)-アルキルカルボニルを表し;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルを表し;
は、ハロゲン、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、フェニル、(C-C)-アルコキシ、シアノ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルスルフィニル、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル又は(C-C)-アルキルカルボニルを表し;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-シクロアルケニル、フェニル又は3~6員のヘテロシクリル(ここで、該ヘテロシクリルは、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択されるv個のヘテロ原子を含んでいる)を表し(ここで、最後に挙げられている7つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルスルフィニル、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルコキシカルボニル、(C-C)-アルキルカルボニル及びフェニルからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルを表し(ここで、最後に挙げられている3つのラジカルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択されるvのラジカルで置換されている);又は、
とR は、それらを有している窒素原子と一緒に、ピロリジニルラジカル又はピペリジニルラジカルを形成しており;
は、水素、(C-C)-アルキルアミノ、ジ-(C-C)-アルキルアミノ、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキルを表し(ここで、最後に挙げられている2つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、0、1又は2を表し;
は、1又は2を表し;
は、0、1、2又は3を表す〕
で表されるN-アシルスルホンアミド及びそれらの塩;
これらの中で、例えば、WO-A-97/45016から知られている、例えば、下記式(S4
【化12】
【0096】
〔式中、
は、(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキルを表し(ここで、最後に挙げられている2つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ又はCFを表し;
は、1又は2を表し;
は、0、1、2又は3を表す〕
で表されるN-アシルスルホンアミドのタイプの化合物が好ましく、及び、例えば、WO-A-99/16744から知られている、例えば、下記式(S4
【化13】
【0097】
で表されるアシルスルファモイルベンズアミド、例えば、上記式において、
=シクロプロピル、且つ、(R )=2-OMe(「シプロスルファミド」、S4-1);
=シクロプロピル、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-2);
=エチル、且つ、(R )=2-OMe(S4-3);
=イソプロピル、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-4);及び、
=イソプロピル、且つ、(R )=2-OMe(S4-5);
であるものなども好ましく、及び、例えば、EP-A-365484から知られている、下記式(S4
【化14】
【0098】
〔式中、
及びR は、互いに独立して、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルを表し;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、CFを表し;,
は、1又は2を表す〕
で表されるN-アシルスルファモイルフェニル尿素のタイプの化合物、例えば、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素;
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチル尿素;
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素;
なども好ましく、及び、例えば、CN 101838227から知られている、式(S4
【化15】
【0099】
で表されるN-フェニルスルホニルテレフタルアミド、例えば、上記式中、
が、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、CFを表し;
が、1又は2を表し;
が、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-シクロアルケニルを表す;
N-フェニルスルホニルテレフタルアミドなども好ましい。
【0100】
S5) ヒドロキシ芳香族化合物及び芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体の類から選択される活性化合物(S5)、例えば、3,4,5-トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシケイ皮酸、2,4-ジクロロケイ皮酸(これらは、WO-A-2004/084631、WO-A-2005/015994、WO-A-2005/016001に記載されている)。
【0101】
S6) 1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン類の類から選択される活性化合物(S6)、例えば、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン(これらは、WO-A-2005/112630に記載されている)。
【0102】
S7) 式(S7)(これは、WO-A-1998/38856に記載されている)
【化16】
【0103】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
、R は、互いに独立して、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルキルアミノ、ジ-(C-C)-アルキルアミノ、ニトロを表し;
は、COOR 又はCOSR を表し;
、R は、互いに独立して、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、シアノアルキル、(C-C)-ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキル及びアルキルアンモニウムを表し;
は、0又は1を表し;
、n は、互いに独立して、0、1又は2を表す〕
で表される化合物;
好ましくは:
ジフェニルメトキシ酢酸、ジフェニルメトキシ酢酸エチル、ジフェニルメトキシ酢酸メチル(CAS Reg.No.41858-19-9)(S7-1)。
【0104】
S8)式(S8)(これは、WO-A-98/27049に記載されている)
【化17】
【0105】
〔式中、
は、CH又はNを表し;
は、X=Nである場合、0~4の整数であり;及び、
は、X=CHである場合、0~5の整数であり;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシを表し;
は、水素又は(C-C)-アルキルを表し;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又はアリール(ここで、上記炭素含有ラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン及びアルコキシからなる群から選択される1以上の(好ましくは、最大で3までの)同一であるか若しくは異なっているラジカルで置換されている)を表す〕
で表される化合物又はその塩;
好ましくは、上記式中、
が、CHを表し;
が、0~2の整数を表し;
が、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシを表し;
が、水素又は(C-C)-アルキルを表し;
が、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又はアリール(ここで、上記炭素含有ラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン及びアルコキシからなる群から選択される1以上の(好ましくは、最大で3までの)同一であるか若しくは異なっているラジカルで置換されている)を表す;
化合物又はその塩。
【0106】
S9) 3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン類の類から選択される活性化合物(S9)、例えば、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg.No.219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg.No.95855-00-8)(これらは、WO-A-1999/000020に記載されている)。
【0107】
S10) 式(S10)又は式(S10)(これらは、WO-A-2007/0237190及びWO-A-2007/023764に記載されている)
【化18】
【0108】
〔式中、
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF、OCFを表し;
、Zは、互いに独立して、O又はSを表し;
は、0~4の整数を表し;
は、(C-C16)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルを表し;
は、水素又は(C-C)-アルキルを表す〕
で表される化合物。
【0109】
S11) オキシイミノ化合物のタイプの活性化合物(S11)(これらは、種子粉衣剤として知られている)、例えば、
「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノン O-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);及び、
「シオメトリニル」又は「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている)。
【0110】
(S12) イソチオクロマノン類の類から選択される活性化合物(S12)、例えば、[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]酢酸メチル(CAS Reg.No.205121-04-6)(S12-1)及び関連化合物(WO-A-1998/13361)。
【0111】
S13) 以下の群から選択される1種類以上の化合物(S13):
「ナフタル酸無水物」(1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物)(S13-1)(これは、チオカーバメート系除草剤による損傷に対するトウモロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)(これは、播種されたイネにおいてプレチラクロールに対する薬害軽減剤として知られている);
「フルラゾール」(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボン酸ベンジル)(S13-3)(これは、アラクロール及びメトラクロールによる損傷に対するアワ、ソルガム用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「CL 304415」(CAS Reg.No.31541-57-8)(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)〔供給元:American Cyanamid〕(これは、イミダゾリノン類による損傷に対するトウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 191」(CAS Reg.No.96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)〔供給元:Nitrokemia〕(これは、トウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 838」(CAS Reg. No.133993-74-5)(2-プロペニル 1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)〔供給元:Nitrokemia〕;
「ジスルホトン」(O,O-ジエチル S-2-エチルチオエチル ホスホロジチオエート)(S13-7);
「ジエトレート(dietholate)」(O,O-ジエチル O-フェニルホスホロチオエート)(S13-8);
「メフェネート(mephenate)」(メチルカルバミン酸4-クロロフェニル)(S13-9)。
【0112】
S14) 有害な植物に対する除草効果に加えてイネなどの作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性化合物、例えば、
「ジメピレート」又は「MY 93」(S-1-メチル 1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)(これは、除草剤モリネートによる損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「ダイムロン」又は「SK 23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)(これは、イマゾスルフロン除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「クミルロン」=「JC 940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素;JP-A-60087254を参照されたい)(これは、一部の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「メトキシフェノン」又は「NK 049」(3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)(これは、一部の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)〔供給元:Kumiai〕(CAS Reg. No. 54091-06-4)(これは、イネにおける一部の除草剤による損傷に対する薬害軽減剤として知られている)。
【0113】
S15) 式(S15)(これは、WO-A-2008/131861及びWO-A-2008/131860に記載されている)
【化19】
【0114】
〔式中、
は、(C-C)-ハロアルキルラジカルを表し;及び、
は、水素又はハロゲンを表し;及び
、R は、互いに独立して、水素、(C-C16)-アルキル、(C-C16)-アルケニル若しくは(C-C16)-アルキニルを表す(ここで、最後に挙げられている3つのラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルアミノ、ジ[(C-C)-アルキル]アミノ、[(C-C)-アルコキシ]カルボニル、[(C-C)-ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)-シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)か、又は、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-シクロアルケニル、(C-C)-シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)若しくは(C-C)-シクロアルケニル(ここで、該シクロアルケニルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)を表し(ここで、最後に挙げられている4つのラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルアミノ、ジ[(C-C)-アルキル]アミノ、[(C-C)-アルコキシ]カルボニル、[(C-C)-ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)-シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルからなる群から選択される1以上のラジカルで置換されている);
又は、
は、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルケニルオキシ、(C-C)-アルキニルオキシ又は(C-C)-ハロアルコキシを表し;及び、
は、水素又は(C-C)-アルキルを表し;又は、
とR は、直接結合している窒素原子と一緒に、4~8員のヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、当該窒素原子に加えて、さらなる環ヘテロ原子(好ましくは、N、O及びSの群から選択される最大で2個までのさらなる環ヘテロ原子)も含むことができ、また、該ヘテロ環式環は、置換されていないか、又は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)を表す〕
で表される化合物又はその互変異性体。
【0115】
S16) 主に除草剤として使用されるが作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性化合物、例えば、
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D);
(4-クロロフェノキシ)酢酸;
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ);
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB);
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA);
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸;
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸;
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ);
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸1-(エトキシカルボニル)エチル(ラクチジクロール-エチル(lactidichlor-ethyl))。
【0116】
特に好ましい薬害軽減剤は、メフェンピル-ジエチル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル及びジクロルミドである。
【0117】
水和剤は、水中で均質に分散させることが可能な調製物であり、そして、活性化合物に加えて、希釈剤又は不活性物質とは別に、さらに、イオン性及び/又は非イオン性のタイプの界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリエトキシ化アルキルフェノール、ポリエトキシ化脂肪族アルコール、ポリエトキシ化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム又はナトリウムオレオイルメチルタウレートなども含んでいる。水和剤を製造するためには、例えば、ハンマーミル、ブロワミル及びエアージェットミルなどの慣習的な装置の中で、該除草活性化合物を微粉砕し、そして、同時に又はその後で、製剤補助剤と混合させる。
【0118】
乳剤は、該活性化合物を有機溶媒(例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン又は比較的沸点が高い芳香族物質若しくは炭化水素)又はそのような有機溶媒の混合物の中に溶解させ、イオン性及び/又は非イオン性の1種類以上の界面活性剤(乳化剤)を添加することによって製造する。使用し得る乳化剤の例は、以下のとおりである:アルキルアリールスルホン酸カルシウム、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、又は、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド-エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、又は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
【0119】
散粉性製品(dusting products)は、該活性化合物を微粉砕された(finely distributed)固形物(例えば、タルク、自然粘土、例えば、カオリン、ベントナイト及び葉ろう石、又は、珪藻土)と一緒に粉砕することによって得られる。
【0120】
懸濁製剤は、水性又は油性であることができる。それらは、例えば、商業用ビーズミルを用いて、そして、場合により界面活性剤(例えば、別の製剤型に関して既に上記で挙げられている界面活性剤)を添加して、湿式粉砕することによって調製することができる。
【0121】
エマルション剤、例えば、水中油型エマルション剤(EW)は、例えば、水性有機溶媒を使用し、そして、場合により界面活性剤(例えば、別の製剤型に関して既に上記で挙げられている界面活性剤)を使用して、撹拌機、コロイドミル及び/又はスタティックミキサーを用いて製造することができる。
【0122】
粒剤は、吸着性の粒状不活性物質の表面上に該活性化合物を噴霧することによって、又は、担体(例えば、砂、カオリナイト又は粒状の不活性物質)の表面上に接着剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム又は鉱油)を用いて活性化合物濃厚物を塗布することによって、製造することができる。さらにまた、肥料粒剤を製造するための慣習的な方法で(必用に応じて、肥料との混合物として)、適切な活性化合物を造粒することも可能である。
【0123】
顆粒水和剤は、一般に、噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速ミキサーを用いた混合、及び、固形不活性物質を用いない押出などの、慣習的な方法によって製造する。
【0124】
パン粒剤、流動床粒剤、押出粒剤及び噴霧粒剤の製造に関しては、例えば、「“Spray-Drying Handbook”3rd Ed.1979,G.Goodwin Ltd.,London」、「J.E.Browning,“Agglomeration”,Chemical and Engineering 1967,pages 147 ff」、「“Perry’s Chemical Engineer’s Handbook”,5th Ed.,McGraw-Hill,New York 1973,pp.8-57」に記載されている方法を参照されたい。
【0125】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、「G.C. Klingman,“Weed Control as a Science”,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pages 81-96」及び「J.D. Freyer,S.A.Evans,“Weed Control Handbook”,5th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1968,pages 101-103」を参照されたい。
【0126】
該農薬調製物は、一般に、0.1~99重量%、特に、0.1~95重量%の、本発明の化合物を含んでいる。水和剤では、該活性化合物の濃度は、例えば、約10重量%~90重量%であり、100重量%までの残余は、慣習的な製剤成分からなる。乳剤の場合は、該活性化合物の濃度は、約1重量%~90重量%、好ましくは、5重量%~80重量%であり得る。粉末の形態にある製剤は、1重量%~30重量%の活性化合物、好ましくは、通常、5重量%~20重量%の活性化合物を含み;散布可能溶液剤は、約0.05重量%~80重量%、好ましくは、2重量%~50重量%の活性化合物を含む。顆粒水和剤の場合は、該活性化合物の含有量は、その活性化合物が液体形態で存在しているか又は固体形態で存在しているかに部分的に依存し、及び、どのような造粒助剤、増量剤などが使用されるかに部分的に左右される。顆粒水和剤では、活性化合物の含有量は、例えば、1重量%~95重量%、好ましくは、10重量%~80重量%である。
【0127】
さらに、活性化合物の上記製剤は、場合により、それぞれの慣習的な粘着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、不凍剤、並びに、溶媒、増量剤、担体、並びに、色素、消泡剤、蒸発抑制剤、並びに、pH及び粘度に影響を及ぼす作用剤を含有する。
【0128】
これらの製剤に基づいて、別の殺有害生物活性物質(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤)との組合せ物や、さらにまた、薬害軽減剤、肥料及び/又は成長調節剤との組合せ物を、例えば、完成された製剤の形態で又はタンクミックスとして、製造することも可能である。
【0129】
施用するために、商業用の形態にある製剤は、適切な場合には、慣習的な方法で希釈し、例えば、水和剤、乳剤、分散液剤及び顆粒水和剤の場合には、水で希釈する。粉剤のタイプの調製物、土壌施用用粒剤又はばらまき用粒剤及び散布可能溶液剤は、通常、施用前に別の不活性物質でさらに希釈することはない。
【0130】
式(I)で表される化合物の必要とされる施用量は、外部条件(例えば、とりわけ、温度、湿度及び使用する除草剤の種類など)に応じて変わる。それは、広い範囲内で、例えば、0.001~1.0kg/ha又はそれ以上の活性物質の範囲内で、変わり得る。しかしながら、それは、好ましくは、0.005~750g/haである。
【0131】
担体は、特に植物又は植物の部分又は種子への施用に関して、適用性を良好にするために、当該活性化合物と混合させるか又は合する天然又は合成の有機物質又は無機物質である。このような担体は、固体又は液体であり得るが、一般に、不活性であり、そして、農業において使用するのに適しているべきである。
【0132】
有用な固体又は液体の担体としては、以下のものなどがある:例えば、アンモニウム塩、並びに、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及び天然又は合成のシリケート、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール、特に、ブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体。そのような担体の混合物も使用し得る。粒剤に有用な固体担体としては、以下のものなどがある:例えば、粉砕して分別した天然岩石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成粒、並びに、さらに、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒。
【0133】
適切な液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び大気圧下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロゲン化炭化水素類、又は、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。
【0134】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
【0135】
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適切な液体溶媒は、本質的に、以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又はジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び、さらに、水。
【0136】
本発明の組成物には、付加的に、さらなる成分(例えば、界面活性剤など)も含有させることができる。有用な界面活性剤は、イオン特性若しくは非イオン特性を有する乳化剤及び/若しくは泡形成剤、分散剤又は湿潤剤であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物である。これらの例は、以下のものである:ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(好ましくは、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくは、アルキルタウレート)、ポリエトキシ化アルコールのリン酸エステル若しくはポリエトキシ化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン及びリン酸アニオンを含んでいる該化合物の誘導体、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、タンパク質加水分解物、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなど。該活性化合物のうちの1種類及び/又は該不活性担体のうちの1種類が水不溶性であり且つ施用が水で行われる場合は、界面活性剤を存在させることが必要である。界面活性剤の割合は、本発明組成物の5重量%~40重量%である。着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0137】
適切な場合には、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、結合剤、粘着剤、増粘剤、揺変性物質、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤なども存在させることができる。一般に、該活性化合物は、製剤目的で一般的に使用される固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。一般に、本発明による組成物及び製剤は、0.05~99重量%、0.01~98%重量%、好ましくは、0.1~95重量%、及び、さらに好ましくは、0.5~90重量%の活性化合物を含有し、最も好ましくは、10~70重量%の活性化合物を含有する。本発明による活性化合物又は組成物は、そのままで使用することが可能であるか、又は、それらの個々の物理的及び/若しくは化学的特性に応じて、以下のようなそれらの製剤の形態若しくはその製剤から調製される使用形態で使用することが可能である:エーロゾル剤、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold-fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(warm-fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な溶液剤(ready-to-use solution)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、泡剤(foam)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(suspension concentrate)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、水和剤、可溶性粉剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤、水溶性顆粒剤又は錠剤、種子処理用水溶性粉剤、水和剤、活性化合物が含浸されている天然生成物及び合成物質、並びに、さらに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化されているもの及び種子用のコーティング物質中にマイクロカプセル化されているもの、並びに、さらに、ULV冷煙霧製剤(ULV cold-fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(ULV warm-fogging formulation)。
【0138】
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性化合物を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、場合により、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、場合により、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着性付与剤、ジベレリン類、並びに、さらに、別の加工助剤と混合させることによって、製造することができる。
【0139】
本発明による組成物には、既に使用し得る状態にあって適切な装置を用いて植物又は種子に対して使用可能な製剤のみではなく、使用前に水で希釈することが必要な商業的な濃厚物も包含される。
【0140】
本発明による活性化合物は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用の標準的な)製剤中に、若しくは、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤若しくは情報化学物質などの別の(既知)活性化合物との混合物として、存在し得る。
【0141】
上記活性化合物又は組成物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法を用いて、例えば、浸漬、散布、噴霧、潅漑、気化、散粉、煙霧、ばらまき、泡状化、塗布、拡散(spreading-on)、潅水(潅注(drenching))、点滴潅漑などによって、直接的に行うか、又は、該活性化合物又は組成物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合には、さらに、乾式種子処理用の粉末として、種子処理用の溶液として、スラリー処理用の水溶性粉末として、外被化(incrusting)によって、1層以上の被膜をコーティングすることによっても行う。さらに、該活性化合物を微量散布法(ultra-low volume method)によって施用することも可能であり、又は、該活性化合物調製物若しくは該活性化合物自体を土壌中に注入することも可能である。
【0142】
以下でも記載されているように、本発明の化合物又は組成物によるトランスジェニック種子の処理は、特に重要である。このことは、殺虫特性を有するポリペプチド又はタンパク質の発現を可能にする少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいる植物の種子に関連する。トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、例えば、バシルス(Bacillus)種、リゾビウム(Rhizobium)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、セラチア(Serratia)種、トリコデルマ(Trichoderma)種、クラビバクテル(Clavibacter)種、グロムス(Glomus)種又はグリオクラジウム(Gliocladium)種の微生物に由来し得る。この異種遺伝子は、好ましくは、バシルス属種(Bacillus sp.)に由来し、その場合、その遺伝子産物は、アワノメイガ(European corn borer)及び/又はウェスタンコーンルートワーム(Western corn rootworm)に対して有効である。該異種遺伝子は、さらに好ましくは、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する。
【0143】
本発明に関連して、本発明による組成物は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理の過程で損傷が起こらないように、充分に安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。慣習的には、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない種子を使用する。例えば、収穫され、不純物が取り除かれ、含水量が15重量%未満となるまで乾燥された種子を使用することができる。あるいは、乾燥後に例えば水で処理され、その後再度乾燥された種子を使用することもできる。
【0144】
一般に、種子を処理する場合、種子の発芽が損なわれないように、及び、種子から生じる植物が損傷を受けないように、種子に施用する本発明組成物の量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して確実にしなければならない。このことは、特に、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性化合物の場合には、確実にしなくてはならない。
【0145】
本発明の組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、そして、例えば、以下の文献に記載されている:US4,272,417A、US4,245,432A、US4,808,430、US5,876,739、US2003/0176428A1、WO2002/080675A1、WO2002/028186A2。
【0146】
本発明に従って使用することが可能な活性化合物は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物などに、及び、さらに、ULV製剤などに、変換することができる。
【0147】
これらの製剤は、既知方法で、活性化合物を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、製造する。
【0148】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤である。水中であまり溶解しない顔料と水中で溶解する染料のいずれも使用することができる。その例としては、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」及び「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている着色剤などを挙げることができる。
【0149】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な湿潤剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的な、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
【0150】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的な非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用する。適している非イオン性分散剤としては、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体などを挙げることができる。適しているアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート-ホルムアルデヒド縮合物である。
【0151】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的な全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
【0152】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質がである。その例としては、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールなどを挙げることができる。
【0153】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。好ましい例としては、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカなどを挙げることができる。
【0154】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。好ましい例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースなどを挙げることができる。
【0155】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の異なった種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。この場合、発現により形成された物質との相互作用において、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
【0156】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製された調製物による種子の処理に関して、有用な装置は、種子粉衣に関して慣習的に使用可能な全ての混合装置である。具体的には、該種子粉衣手順は、種子を混合機の中に入れること、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加すること、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまでそれらを混合させることである。適切な場合には、続いて乾燥工程を行う。
【0157】
本発明による活性化合物は、植物が良好な適合性を示し、恒温動物に対する毒性が望ましい程度であり且つ環境との適合性が良好である場合、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、及び、収穫された作物の質を向上させるのに適している。それらは、好ましくは、作物保護剤として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して活性を示し、また、全ての発育段階又は特定の発育段階に対して活性を示す。
【0158】
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物などを挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、ワタ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果類、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド及びモモ、並びに、液果類、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ナス)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナ(common chicory)を包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ及びインゲンマメ(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物;及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
【0159】
上記で述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種方法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、上記で説明した。本発明に従って特に好ましいのは、商業上慣習的なそれぞれの植物品種の植物又は使用されているそれぞれの植物品種の植物を処理することである。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって栽培された、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。それらは、品種、変種、生物型又は遺伝子型であることができる。
【0160】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などを処理するのにも使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。用語「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、その遺伝子が興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物体内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子がダウンレギュレート若しくはスイッチオフされることにより〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNAi技術[RNA干渉]などを使用する〕、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の形質を付与する遺伝子を意味する。ゲノム内に存在している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な存在によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0161】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。例えば、実際に予期される効果を超える以下の効果などが可能である:本発明に従って使用し得る活性成分及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は効力の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上。
【0162】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種には、特に有利で有用な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的手段によって得られたものであろうと)が包含される。
【0163】
線虫抵抗性植物の例は、例えば、以下の米国特許出願に記載されている:11/765,491、11/765,494、10/926,819、10/782,020、12/032,479、10/783,417、10/782,096、11/657,964、12/192,904、11/396,808、12/166,253、12/166,239、12/166,124、12/166,209、11/762,886、12/364,335、11/763,947、12/252,453、12/209,354、12/491,396、及び、12/497,221。
【0164】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢又は雑種効果(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレス因子に対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male-sterile parent line)(雌性交雑育種親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male-fertile parent line)(雄性交雑育種親)と交雑させることによって生成される。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官又は雄花を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいる該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有益である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性交雑育種親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在させ得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在させ得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる。
【0165】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0166】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。かくして、例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., 1983,Science 221,370-371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al.,1992,Curr.Topics Plant Physiol.7,139-145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al.,1986,Science 233,478-481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al.,1988,J.Biol.Chem.263,4280-4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO01/66704)。それは、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、既に記述されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を発現する植物は、既に記述されている。
【0167】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な解毒酵素の1つの例は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトミセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、記述されている。
【0168】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ-ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO96/38567、WO99/24585、WO99/24586、WO2009/144079、WO2002/046387又はUS6,768,044に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物は、WO99/34008及びWO02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェナートデヒドロゲナーゼ酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解する酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を挿入することによって、HPPD阻害薬に対してさらに耐性にすることができる(WO2007/103567及びWO2008/150473を参照されたい)。
【0169】
別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright (Weed Science 2002,50:700-712)」などに記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、既に記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物についても、既に記述されている。
【0170】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示すさらなる植物は、誘導された突然変異誘発によって得ることができるか、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜によって得ることができるか、又は、突然変異育種によって得ることができる(例えば、ダイズに関しては、US5,084,082、イネに関しては、WO97/41218、テンサイに関しては、US5,773,702及びWO99/057965、レタスに関しては、US5,198,599、又は、ヒマワリに関しては、WO01/065922を参照)。
【0171】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレス因子に対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物体内におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物;
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物;
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素(plant-functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物。
【0172】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒子サイズ及び/又は澱粉粒子形態〕が改変されていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか、又は、遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成する、トランスジェニック植物〔その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物、α-1,4-グルカン類を産生する植物、α-1,6-分枝 α-1,4-グルカン類を産生する植物、及び、アルテルナンを産生する植物である〕;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物;
(4) 「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するトランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、タマネギ。
【0173】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) セルロースシンターゼ遺伝子の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物);
(b) rsw2相同核酸又はrsw3相同核酸の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)、例えば、スクロースリン酸シンターゼの発現が増大しているワタ植物;
(c) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物);
(d) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β-1,3-グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物);
(e) 反応性が(例えば、nodCを包含するN-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)。
【0174】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)。
【0175】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることが可能なもの)は、ウイルス抵抗性を示す〔例えば、ジャガイモウイルスYに対してウイルス抵抗性を示す(SY230イベント及びSY233イベント、Tecnoplant,Argentina)〕ジャガイモ又は病害(例えば、ジャガイモ疫病)に対して抵抗性を示すジャガイモ(例えば、RB遺伝子)又は低減された低温誘発甘味を示すジャガイモ(これは、遺伝子Nt-Inh、遺伝子II-INVを有している)又は矮性表現型を示すジャガイモ(A-20オキシダーゼ遺伝子)などの植物である。
【0176】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある。
【0177】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non-regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する認可申請又は継続申請の対象である、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物である。これに関連する情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale,MD 20737,USA)から、例えば、ウェブサイト「http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html」を介して、いつ何時でも入手することができる。本出願の出願日において、下記上方を有する申請は、APHISによって許可されたか又はAPHISが審理中である:
- 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISからそのウェブサイトにおいて入手可能な特定の申請書類の中に、当該申請番号を介して見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に開示される。
【0178】
- 申請の拡張: 範囲又は期間の拡張が請求されている、先の申請についての言及。
【0179】
- 会社: 当該申請を提出している個人の名称。
【0180】
- 規制物: 当該植物種。
【0181】
- トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
【0182】
- 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
【0183】
- APHIS文書: 申請に関連してAPHISによって刊行されているか、又は、請求することでAPHISから入手することが可能な、種々の文書。
【0184】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含んでいる植物、例えば、以下の商品名で販売されているトランスジェニック植物である:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT-Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。除草剤耐性植物の例としては、以下の商品名で入手可能なトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種などがある:Roundup Ready(登録商標)(グリホセート類に対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)で販売されている品種などがある。
【0185】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物であり、それらは、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関に関するデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://cera-gmc.org/index.php?evidcode=&hstIDXCode=&gType=&AbbrCode=&atCode=&stCode=&coIDCode=&action=gm_crop_database&mode=Submit」を参照されたい〕。
【0186】
[実施例]
A. 化学実施例
開示されている実施例のNMRデータは、慣習的な形態(δ値、多重項分裂、水素原子の数)で記載されているか、又は、所謂NMRピークリストとして記載されている。NMRピークリスト法では、選択された実施例のNMRデータは、NMRピークリストの形態で記載されており、ここで、各シグナルピークに対して、最初にδ値(ppm)が記載され、次に、スペースで区切られて、シグナル強度が記載されている。種々のシグナルピークに関するδ値/シグナル強度数の対が、セミコロンで互いに区切られて記載されている。
【0187】
従って、1つの例に対するピークリストは、以下の形態をとる:
δ(強度);δ(強度);...;δ(強度);...;δ(強度)。
【0188】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の比率を示している。幅が広いシグナルの場合、数種類のピーク又は該シグナルの中央及びそれらの相対的強度が、当該スペクトルの中の最も強いシグナルとの比較で示され得る。
【0189】
H NMRスペクトルの化学シフトを較正するために、テトラメチルシランを使用するか、及び/又は、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、その溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストの中には、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在する必要はない。
【0190】
H NMRピークのリストは、従来のH NMRのプリントアウトと類似しており、従って、通常、NMRの慣習的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0191】
さらに、それらは、従来のH NMRのプリントアウトのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、同様に、本発明によって提供される)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0192】
溶媒及び/又は水のデルタ範囲内における化合物シグナルの記録において、H NMRピークの本発明者らによるリストは、標準的な溶媒のピーク、例えば、DMSO-D中のDMSOのピーク及び水のピーク(これらは、通常、平均して高い強度を有している)を示している。
【0193】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、「副産物の指紋(by-product fingerprints)」に関して、本発明者らの調製方法の再現性を確認するのに役立ち得る。
【0194】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACDシミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H NMRの慣習的な解釈における関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0195】
H NMRピークリストに関するさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の中に見いだすことができる。
【0196】
下記実施例によって、本発明について詳細に例証する。
【0197】
中間体1
3,5-ジフルオロ-N-ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイルクロリドの調製
3,5‐ジクロロ‐N‐ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイルクロリドに関するWO2012/130798の手順と同様にして、3,5‐ジフルオロ‐N‐ヒドロキシベンゼンカルボキシイミドイルクロリドを3,5‐ジフルオロベンズアルデヒドから2段階で調製した。
【0198】
中間体2
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボン酸メチルの調製
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボン酸メチルに関するWO2012/130798における手順と同様にして、3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボン酸メチルを3,5-ジフルオロベンズアルデヒドから3段階で調製した。
【0199】
中間体3
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボン酸の調製
3‐(3,5‐ジクロロフェニル)‐5‐メチル‐4,5‐ジヒドロ‐1,2‐オキサゾール‐5‐カルボン酸に関するWO2012/130798の手順と同様にして、、3‐(3,5‐ジフルオロフェニル)‐5‐(トリフルオロメチル)‐4,5‐ジヒドロ‐1,2‐オキサゾール‐5‐カルボン酸を、3‐(3,5‐ジフルオロフェニル)‐5‐(トリフルオロメチル)‐4,5‐ジヒドロ‐1,2‐オキサゾール‐5‐カルボン酸メチルの加水分解によって調製した。
【0200】
中間体4
3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボニルクロリドの調製
N-tert-ブチル-3-(3,5-ジクロロフェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボキサミドに関するWO2012/130798における手順と同様にして、3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボニルクロリドを、3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-カルボン酸を塩化オキサリルと反応させることにより調製し、さらなる精製なしに粗生成物として使用した。
【0201】
実施例I-11
(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボン酸の調製
1.0g(2.30mmol)のエチル(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレート(I-39)をテトラヒドロフラン10ml及び水2mlに溶解した。次いで、144.9mg(3.45mmol)のLiOH×HOを添加し、混合物を50°Cで5時間撹拌した。後処理のために、混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、50mlのジクロロメタン及び20mlの2M HClを残渣に加えた。有機相を分離し、水相をさらに二回抽出し、いずれも20mlのジクロロメタンで行った。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(移動相n-ヘプタン/酢酸エチル)に付すことにより、0.92g(98%)の(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボン酸を得た。
【0202】
H-NMR(CDCl):δ1.78-2.23(m,6H),2.99(m,1H),3.72(d,1H),3.96(d、1H),4.38(m,1H),6.93(m,1H),7.26(m,2H),7.54(d,br,1H)
実施例I-20
(1S,3S)-3-({[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートの調製
133.6mg(1.32ml)のトリエチルアミンを、ジクロロメタン10ml中の65.2mg(0.36mmol)のメチル(1R,3S)-3-アミノシクロペンタンカルボキシレート塩酸塩に添加し、ジクロロメタン10ml中の65.2mg(0.36mmol)カルボニルクロリド(中間体4)を0°Cで添加し、混合物を室温に加温しながら18時間撹拌し、最終的に水を添加した。有機相を除去し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物のシリカゲル上でのクロマトグラフィー(移動相n-ヘプタン/酢酸エチル)に付すことにより、84mg(61%)のメチル(1S,3S)-3-({[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートをジアステレオマー混合物として得た。
【0203】
H-NMR(CDCl):δ1.55(m,1H),1.78(m,1H),1.88(m,1H),2.08(m,1H),2.20(m,1H),2.30(m,1H),2.95(m,1H),3.68及び3.70(s,3H),3.72(d,1H),3.97(d,1H),4.34(m,1H),6.72(d,br,1H),6.94(m,1H),7.19(m,2H)
実施例I-85
tert-ブチルcis-3-({[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートの調製
115.1mg(0.28mmol)のcis-3-({[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボン酸及び25.2mg(0.34mmol)のtert-ブタノールをジクロロメタン20mlに溶解し、87.8mg(0.43mmol)の1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド及び3.5mg(0.03mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。50mlのtert-ブチルメチルエーテルを加え、混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相n-ヘプタン/酢酸エチル)で精製した。これにより、61mg(40%)のtert-ブチルcis-3-({[3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートがジアステレオマー混合物として得られた。
【0204】
H-NMR(CDCl):δ1.45及び1.47(s,9H)、1.58-2.26(m,6H),2.82(m,1H),3.71及び3.72(d,1H),3.96及び4.00(d,1H),4.35(m,1H),6.92(m,1H),7.20(m,2H),7.49及び7.51(d,br,1H)
実施例I-109
2-クロロエチル-(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートの調製
130mg(0.32mmol)の(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボン酸をジクロロメタン20mlに溶解し、60.9mg(0.48mmol)の塩化オキサリルを添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、残渣を20mlのジクロロメタンに再溶解した。51.5mg(0.64mmol)の2-クロロエタノールを129.5mg(1.28mmol)のトリエチルアミンと共に最初に20mlのジクロロメタンに仕込み、次いでジクロロメタンに溶解した酸塩化物を撹拌しながら滴下した。混合物を一晩撹拌し、20mlの2M HClを加え、次いで有機相を分離した。水相を20mlのジクロロメタンでその都度二回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。蒸発残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(移動相n-ヘプタン/酢酸エチル)に付すことにより、106.0mg(71%)の2-クロロエチル-(1R,3S)-3-({[(5R)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレートを得た。
【0205】
H-NMR(CDCl):δ1.78-2.22(m,6H),2.99(m,1H)、3.70(m,2H),3.72(d、1H),3.97(d、1H),4.38(m,3H),6.92(m,1H),7.20(m,2H),7.50(d,br,1H)
上記及び適切な箇所で引用された調製実施例と同様にして、及び置換イソオキサゾリンカルボキサミドの調製に関する一般的な記載を考慮して、表1に列挙された他の化合物を得る。
【表3】
【0206】
B. 製剤実施例
1. 散粉性製品(dusting product)
散粉性製品は、10重量部の式(I)で表される化合物と90重量部の不活性物質としてのタルクを混合させ、及び、その混合物をハンマーミルの中で粉砕することによって、得られる。
【0207】
2. 分散性粉末(dispersible powder)
水に容易に分散する水和剤は、25重量部の式(I)で表される化合物と64重量部の不活性物質としてのカオリン含有石英と10重量部のリグノスルホン酸カリウムと1重量部の湿潤剤及び分散剤としてのオレオイルメチルタウリンナトリウム(sodium oleoylmethyltaurate)を混合させ、及び、その混合物をピンディスクミル(pinned-disk mill)の中で摩砕することによって、得られる。
【0208】
3. 分散製剤(dispersion concentrate)
水に容易に分散する分散製剤は、20重量部の式(I)で表される化合物と6重量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル((登録商標)Triton X 207)と3重量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)と71重量部のパラフィン系鉱油(沸点範囲:例えば、約255℃~約277℃以上)を混合させ、及び、その混合物をフリクションボールミル(friction ball mill)の中で5ミクロン未満の粉末度になるまで摩砕することによって、得られる。
【0209】
4. 乳剤(Emulsifiable concentrate)
乳剤は、15重量部の式(I)で表される化合物と75重量部の溶媒としてのシクロヘキサノンと10重量部の乳化剤としてのエトキシ化ノニルフェノールから得られる。
【0210】
5. 顆粒水和剤(Water-dispersible granules)
顆粒水和剤は、
75重量部の式(I)で表される化合物、
10重量部のリグノスルホン酸カルシウム、
5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、
3重量部のポリビニルアルコール、及び、
7重量部のカオリン
を混合させ、その混合物をピンディスクミルの中で摩砕し、並びに、得られた粉末を、流動床の中で造粒液(granulating liquid)としての水を噴霧施用することにより、造粒することによって得られる。
【0211】
顆粒水和剤は、さらにまた、コロイドミルの中で、
25重量部の式(I)で表される化合物、
5重量部の2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、
2重量部のオレオイルメチルタウリン酸ナトリウム(sodium oleoylmethyltaurinate)、
1重量部のポリビニルアルコール、
17重量部の炭酸カルシウム、及び、
50重量部の水
を均質化及び前粉砕し、次いで、その混合物をビーズミルの中で摩砕し、並びに、そのようにして得られた懸濁液を噴霧塔の中で単一相ノズル(one-phase nozzle)を用いて噴霧及び乾燥させることによっても、得られる。
【0212】
C. 生物学的実施例
試験に関する説明
1. 有害な植物に対する発生前除草作用及び作物植物との適合性
プラスチック製又は木質繊維製のポット内に単子葉及び双子葉の雑草植物及び作物植物の種子を配置し、土壌で被覆する。次いで、その被覆土壌の表面に、水和剤(WP)の形態に又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、0.5%の添加剤が添加された水性懸濁液又は水性エマルションとして、600L/ha(変換)の散布水量で施用する。処理後、ポットを温室内に置き、その被験植物にとって良好な成育条件下に維持する。約3週間経過した後、当該調製物の効果について、処理されていない対照と比較して、百分率として視覚的に評価する。例えば、100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様。
【0213】
以下の表では、下記略語が使用されている:
【表4】
【表5】
【0214】
上記結果により示されるように、本発明の化合物、例えば、化合物No.I-99、I-29及びI-39は、発生前処理により施用された場合、1ヘクタール当たり0.08kg以下の活性成分の施用量で、有害な植物、例えば、イチビ(Abutilon theophrasti)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、カラスムギ(Avena fatua)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ムギクサ(Hordeum murinum)、ボウムギ(Lolium rigidum)、イヌカミツレ(Matricaria inodora)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、エノコログサ(Setaria viridis)、コハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びサンシキスミレ(Viola tricolor)などに対して、良好から非常に良好な活性(80%から100%の除草活性)を有する。
【0215】
2. 有害な植物に対する発生後除草作用及び作物植物との適合性
プラスチック製又は木質繊維製のポット内の砂壌土に単子葉及び双子葉の雑草植物及び作物植物の種子を配置し、土壌で被覆し、温室内で制御された成育条件下で栽培する。播種後2~3週間経過した後、被験植物を1葉期で処理する。当該植物の緑色の部分に、水和剤(WP)の形態に又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、0.5%の添加剤が添加された水性懸濁液又は水性エマルションとして、600L/ha(変換)の散布水量で散布する。被験植物を温室内で最適な成育条件下に約3週間維持した後、当該調製物の活性について、処理されていない対照と比較して、視覚的に評価する。例えば、100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様。
【0216】
表C2:除草性発生後活性
【表6】
【表7】
【表8】
【0217】
これらの結果に示されるように、本発明に係る化合物、例えば、化合物No.I-802、I-42、I-53、I-67、I-11、I-99、I-325、I-29、I-123、I-109、I-543、I-311、I-185、I-95、I-171、I-339、I-409及びI-423は、発生後処理により施用された場合、1ヘクタール当たり0.32kg以下の活性物質の施用量で、有害な植物、例えばノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ボウムギ(Lolium rigidum)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、コハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びムギクサ(Hordeum murinum)などに対して、良好から非常に良好な活性(80%から100%の除草活性)を有する。
【0218】
3. WO2012/130798に対する優位性の実証
表C3:除草性発生後活性
【表9】
【表10】
【化20】