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特許7199775スマートコントラクトに基づくデータ処理方法、データ処理装置、ノード機器、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】スマートコントラクトに基づくデータ処理方法、データ処理装置、ノード機器、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/57 20130101AFI20221226BHJP
【FI】
G06F21/57 320
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021515047
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2020101558
(87)【国際公開番号】W WO2021036545
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】201910808351.8
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲尭▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲韜▼
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-125405(JP,A)
【文献】特開2016-126693(JP,A)
【文献】特開2016-161986(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109889589(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107329794(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントラクトノードである電子機器が実行する、スマートコントラクトに基づくデータ処理方法であって、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信するステップであって、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる、ステップと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得するステップであって、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである、ステップと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記スマートコントラクトを呼び出し、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得する前記ステップは、
前記スマートコントラクトを呼び出すことにより、前記第1サーバノードの前記ブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得するステップであって、前記ブロックチェーンアドレスが、前記ブロックチェーンが前記第1サーバノードの公開鍵情報に基づいてハッシュ計算を行うことにより一意に決定されたものである、ステップと、
前記ブロックチェーンアドレスに基づいて、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得するステップと、
前記第1ブロックにおいて、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴として決定するステップであって、前記第2バージョンパラメータが、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータである、ステップと、
前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードに関連付けられた過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として決定するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する前記ステップは、
前記ファームウェアバージョン更新履歴における前記第1バージョンパラメータに基づいて、前記更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行うステップと、
前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと同じであることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定するステップであって、前記不正な更新要求が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものである、ステップと、
前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定し、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するステップと、
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定する前記ステップは、
前記ファームウェアバージョン配布履歴に関連付けられた過去バージョン配布行動情報の中から、第1バージョン配布行動情報を取得するステップであって、前記第1バージョン配布行動情報が、前記過去バージョン配布行動情報のうち最大バージョン配布タイムスタンプを有するバージョン配布行動情報である、ステップと、
前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定するステップと、
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ファームウェア更新要求には、前記第1サーバノードの実行バージョンパラメータがさらに含まれ、
前記方法は、
前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていないが、前記過去バージョン配布行動情報のうちの第2バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ブロックチェーンから、前記更新バージョンパラメータを使用してファームウェア更新を行ったM個(Mは2より大きい正の整数)の第2サーバノードを検索するステップと、
前記M個の第2サーバノードのそれぞれに関連付けられたM個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報を取得するステップと、
前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報のいずれにも前記実行バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定し、そうでない場合、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定するステップと、をさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、前記第1サーバノードに対するファームウェア更新のためのフィードバック情報を前記実行ノードに返信するステップであって、前記フィードバック情報が、前記実行ノードに対し、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報を、前記実行バージョンパラメータにおける実行バージョン情報から、前記更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報に更新するよう指示するためのものである、ステップ、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であることを検出した場合、コントラクトの実行に失敗したと確認し、前記実行ノードに前記不正な更新要求を返却するステップと、
前記実行ノードから送信された、前記第1サーバノードに対する次のファームウェア更新要求を受信すると、前記次のファームウェア更新要求を前記不正な更新要求としてマークするステップであって、前記不正な更新要求、前記配布ノードに対し、セキュリティ監査を行う時に前記実行ノードに対する警告情報を生成するよう指示するためのものである、ステップと、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記警告情報は、前記配布ノードが、前記ブロックチェーンから取得された、前記第1サーバノードのオンチェーン更新バージョンパラメータと、前記第1サーバノードのローカルから収集された更新済みの実行バージョンパラメータとに基づいて、セキュリティ監査を行うことにより取得されたものである、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記更新バージョンパラメータに対して前記第1サーバノードによって署名された確認情報を受信するステップであって、前記確認情報が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報の更新を完了したことを示すためのものである、ステップと、
前記第1サーバノードの公開鍵情報で前記確認情報の署名検証を行い、署名検証が成功した場合、前記スマートコントラクトの呼び出しが完了したと決定するステップと、
前記確認情報及び前記ファームウェア更新要求に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新し、前記第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込むステップと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記確認情報及び前記ファームウェア更新要求に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新し、前記第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込む前記ステップは、
前記ファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータ、実行バージョンパラメータを、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴を構築するための入力情報とするステップと、
前記確認情報に付されている前記更新バージョンパラメータを、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴を構築するための出力情報とするステップと、
前記入力情報及び前記出力情報に基づいて、前記第1サーバノードに関連付けられたターゲットバージョン更新行動情報を決定し、前記ターゲットバージョン更新行動情報に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新するステップと、
前記第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込むステップと、
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コントラクトノードに適用される、スマートコントラクトに基づくデータ処理装置であって、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信し、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる要求受信モジュールと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得し、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものであるコントラクト呼び出しモジュールと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する正当性決定モジュールと、
を含む装置。
【請求項12】
前記コントラクト呼び出しモジュールは、
前記スマートコントラクトを呼び出すことにより、前記第1サーバノードの前記ブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得し、前記ブロックチェーンアドレスが、前記ブロックチェーンが前記第1サーバノードの公開鍵情報に基づいてハッシュ計算を行うことにより一意に決定されたものであるアドレス取得ユニットと、
前記ブロックチェーンアドレスに基づいて、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得するブロック取得ユニットと、
前記第1ブロックにおいて、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴として決定し、前記第2バージョンパラメータが、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータである更新履歴決定ユニットと、
前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードに関連付けられた過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として決定する配布履歴決定ユニットと、
を含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記正当性決定モジュールは、
前記ファームウェアバージョン更新履歴における前記第1バージョンパラメータに基づいて、前記更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行うロールバック検出ユニットと、
前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと同じであることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定し、前記不正な更新要求が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものである不正決定ユニットと、
前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定し、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する正当性決定ユニットと、
を含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
プロセッサとメモリとを備えるノード機器であって、
前記プロセッサが前記メモリに接続され、前記メモリがプログラムコードを記憶し、前記プロセッサが、前記プログラムコードを呼び出すことにより、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するノード機器。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を電子機器に実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月29日に国家知識産権局に提出された、出願番号が201910808351.8であり、発明の名称が「スマートコントラクトに基づくデータ処理方法、機器、及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容は参照することにより本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、インターネットの技術分野に関し、特にスマートコントラクトに基づくデータ処理方法、機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
サーバファームウェア(Firmware)とは、サーバの消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)又は電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)に書き込まれるプログラムである。理解すべきものとして、サーバファームウェアは、相応のオペレーティングシステムにおける、ハードウェアデバイスの基本的なパラメータ及びプログラムを記憶でき、そのオペレーティングシステムに最下層の最も直接的なハードウェア制御を提供できる。
【0004】
現在、サーバ運用保守担当者は、オフライン分析、帯域内ネットワークやシステム管理割り込みなどのファームウェア更新方法によって、サーバのファームウェア(例えば、基本入出力システム(BIOS:Basic Input Output System)のファームウェア)を更新し、このオペレーティングシステムに新機能を追加したり、このオペレーティングシステムの異常を修復したりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、ファームウェア更新のセキュリティ及び信頼性を向上させることができる、スマートコントラクトに基づくデータ処理方法、機器、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例では、コントラクトノードである電子機器が実行する、スマートコントラクトに基づくデータ処理方法が提供されている。前記方法は、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信するステップであって、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる、ステップと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得するステップであって、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである、ステップと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例では、コントラクトノードに適用される、スマートコントラクトに基づくデータ処理装置が提供されている。前記装置は、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信し、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる要求受信モジュールと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得し、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものであるコントラクト呼び出しモジュールと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する正当性決定モジュールと、を含む。
【0008】
本願の実施例では、プロセッサとメモリとを備えるノード機器が提供されており、
前記プロセッサが前記メモリに接続され、前記メモリがプログラムコードを記憶し、前記プロセッサが、前記プログラムコードを呼び出すことにより、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信するステップであって、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる、ステップと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得するステップであって、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである、ステップと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するステップと、を実行する。
【0009】
本願の実施例では、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体が提供されており、前記コンピュータプログラムには、プログラム命令が含まれ、前記プログラム命令が、プロセッサによって実行されると、本願の実施例のいずれか1つに記載の方法を実行させる。
【0010】
本願の実施例の構成をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単的に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例を示しているにすぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願の実施例で提供されたブロックチェーンネットワークのトポロジ構造の構造模式図である。
図2】本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づくデータ処理方法の手順の模式図である。
図3】本願の実施例で提供されたネストされたハッシュチェーンのブロック構造の模式図である。
図4a】本願の実施例で提供されたバージョン配布制御の模式図である。
図4b】本願の実施例で提供されたバージョン配布制御の模式図である。
図5】本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づく別のデータ処理方法の手順の模式図である。
図6】本願の実施例で提供されたバージョン配布行動情報の取得の模式図である。
図7】本願の実施例で提供されたファームウェアバージョン更新履歴の構築の模式図である。
図8】本願の実施例で提供された配布ノードを介したセキュリティ監査の模式図である。
図9】本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づくデータ処理装置の構成の模式図である。
図10】本願の実施例で提供されたノード機器の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の構成を明確かつ完全に説明するが、明らかなように、説明する実施例は、本願の実施例の一部にすぎず、全ての実施例ではない。当業者が創造的な労働をせずに本願の実施例から得る全ての他の実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0013】
現在、サーバメーカーの公式サイトで提供されているファームウェアが全てオープンダウンロード状態にあるので、運用保守担当者は、どのファームウェア更新方法を使用しても、サーバメーカーの公式サイトから該当機種のファームウェアをダウンロードし、使用するファームウェア更新方法のステップに従ってファームウェアのアップグレード操作を実行することができる。したがって、ファームウェア更新に使用されるファームウェアのデータが不正に侵入・改ざんされると、このオペレーティングシステムの最下層のセキュリティ保護を深刻に脅かすことになり、言い換えれば、従来のファームウェア更新方法では、ファームウェア更新のセキュリティ及び信頼性を確保できない。
【0014】
図1は、本願の実施例で提供されたブロックチェーンネットワークのトポロジ構造の構造模式図である。図1に示すブロックチェーンネットワークのトポロジ構造は、企業イントラネットに大規模なサーバがあるような適用シナリオに適用できる。図1に示すように、このブロックチェーンネットワークのトポロジ構造は、図1に示す配布層100と、コントラクト層200と、実施層300とを含んでもよい。
【0015】
図1に示すように、前記配布層100に位置するノードは、配布ノードと呼ぶことができ、具体的には、図1に示す配布ノード10a、配布ノード10b、及び配布ノード10cを含んでもよい。理解すべきものとして、この配布層100には、他の配布ノード(図1には示されていない)も含まれてもよい。図1に示すように、コントラクト層200に位置するノードは、コントラクトノードと総称することができる。コントラクトノードは、ブロックチェーンにおいて、ブロックチェーンに記憶されたスマートコントラクトを呼び出して実行することができるノードと理解できる。具体的には、このコントラクト層200には、図1に示すコントラクトノード20a及びコントラクトノード20bが含まれてもよい。図1に示すように、実施層300に位置するノードは、主に2種類のノードから構成され、この2種類のノードのうち、1種類のノードは実行ノードと呼ぶことができ、もう1種類のノードはサーバノードと呼ぶことができる。ここで、実行ノードは、具体的には、図1に示す実行ノード30a及び実行ノード30bを含んでもよい。同様に、サーバノードは、具体的には、図1に示すサーバノード40a、サーバノード40b、及びサーバノード40cを含んでもよい。
【0016】
理解すべきものとして、図1に示すように、このブロックチェーンネットワークのトポロジ構造における配布ノード、コントラクトノード、実行ノード、及びサーバノードは、ブロックチェーンネットワークにおけるノードと総称することができる。ブロックチェーンネットワークにおいて、これらのノード間で全接続を行うことができ、例えば、図1に示す配布ノード10aとコントラクトノード20aとの間の第1ネットワーク接続方式を全接続と呼ぶことができ、即ち、本願の実施例では、1ホップ以内に接続ができるネットワーク接続方式を全接続と呼ぶことができる。本願の実施例では、物理ネットワークを介してブロックチェーンにおけるノード間を接続することもでき、例えば、図1に示すコントラクトノード20aとコントラクトノード20bとの間の第2ネットワーク接続方式は、物理ネットワーク(例えば、仮想ネットワークカード)を介した接続を必要としてもよく、つまり、1ホップ以内に接続ができないネットワーク接続方式は、物理ネットワークを介した物理ネットワーク接続と呼ぶことができる。
【0017】
ここで、図1に示す配布ノード10aは、メーカー(例えば、メーカーA)から配布された最新バージョンのファームウェアファイル(例えば、ファームウェアファイルx)を受信することができる。さらに、配布ノード10aは、取得したファームウェアファイルxに対してファイル構造を解析して、ファームウェアファイルxのファイル内容に基づいてこのファームウェアファイルxのビルド番号(例えば、最新ファームウェアバージョン番号AAAA)を決定し、このバージョン番号に対応するハッシュ値(例えば、ハッシュ値1)を算出することができる。さらに、図1に示すように、ブロックチェーンネットワークにおける配布ノード10aは、コントラクトノード20aとの間の全接続を介して、このメーカーAのファームウェアバージョン配布パラメータ(即ち、最新ファームウェアバージョン番号AAAA、ハッシュ値1)を隣接するコントラクトノード20aに配布するとともに、コントラクトノードは、このメーカーAのバージョン配布パラメータをこのコントラクト層200における他のコントラクトノード(例えば、コントラクトノード20b)に伝播することができる。言い換えれば、本願の実施例では、配布ノードは、このメーカーAから配布されたファームウェアバージョン配布パラメータ(即ち、ファームウェアバージョン番号AAAA及びハッシュ値1)をコントラクト層200における全てのコントラクトノードにブロードキャストすることができる。
【0018】
ここで、理解すべきものとして、配布ノード10aは、コントラクトノード20aにこのファームウェアバージョン配布パラメータを配布する際に、自分の秘密鍵でこのファームウェアバージョン配布パラメータに署名してもよく、署名した情報とこの配布ノード10aの公開鍵とをバージョン配布確認情報としてもよい。これにより、コントラクトノード20aが時間閾値メカニズム(即ち、所定の時間ウィンドウT内)でブロックチェーン上のコンセンサスを完了できるように、このバージョン配布確認情報もコントラクトノード20aに一括して送信することができる。ここで、本願の実施例では、企業内部のブロックチェーンネットワーク(例えば、プライベートブロックチェーンネットワーク)において、ブロックチェーンのコンセンサスをコントラクト層200のコントラクトノードで実行するように限定してもよい。
【0019】
例えば、コントラクトノード20aは、配布ノード10aから送信されたバージョン配布確認情報を受信した後、所定の時間ウィンドウT内で待ってもよい。この時間ウィンドウT内に、他の配布ノード(例えば、図1に示す配布ノード10b)からも、同じファームウェアバージョン配布パラメータがブロードキャストされた場合は、配布ノード間でコンセンサスが達成されたことを間接的に表す。この場合、このコントラクトノードは、コントラクトコンセンサスの達成が確保されるように、このバージョン配布パラメータが含まれるファームウェアバージョン配布履歴をブロックチェーンに書き込んでもよい。逆に、他の配布ノードから配布された、このメーカーAから配布されたファームウェアバージョン配布パラメータが、時間ウィンドウT以外の時点に受信された場合は、このメーカーAから配布されたバージョン配布パラメータが承認されていないことを間接的に表す。この場合、コントラクトノードは、配布ノード10aからブロードキャストされて時間ウィンドウT内に受信された、バージョン配布パラメータが含まれるブロックをブロックチェーンに書き込むことはない。ここから分かるように、本願の実施例では、ノード間のコンセンサスによって、ある配布ノードが不正な攻撃者によって侵入されることにより引き起こされるシステミックリスクを根本から効果的に回避できる。
【0020】
理解すべきものとして、コントラクト層200におけるコントラクトノード間は、物理ネットワークを介して通信可能であるので、コントラクトノード20aは、このバージョン配布パラメータが含まれる該ブロックを受信した後、コントラクトコンセンサスをさらに達成するために、バージョン配布パラメータが含まれる該ブロックを各コントラクトノード間で同期させてもよい。即ち、本願の実施例では、コンセンサスメカニズムによって、このメーカーAから配布されたバージョン配布パラメータ(即ち、ファームウェアバージョン番号AAAA及びハッシュ値1)が最新バージョンのメーカーファームウェア情報であることをブロックチェーンで効果的に判断することもできる。
【0021】
ここで、本願の実施例に記載されたブロックチェーンは、特殊な分散データベースであり、分散型台帳システムと呼ぶこともできる。ここで、この分散データベース(即ち、ブロックチェーン)は、次の2つの機能を有してもよい。1つは、情報を保存するために使用でき、即ち、ブロックチェーン上のノードが、保存が必要な任意の情報を、上記時間閾値メカニズムによってコンセンサスを達成した後に、ブロックチェーンに書き込むことができ、ブロックチェーンにおいてコンセンサスメカニズムによってコントラクトコンセンサスを達成することができる。理解すべきものとして、ここでのコンセンサスメカニズムは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)、実用的なビザンチンフォールトトレランス(PBFT)などの方式を含んでもよく、ここでは限定しない。もう1つは、誰でもサーバを設置し、ブロックチェーンネットワークに追加してノードとすることができる。したがって、この分散型台帳システムは、複数のサイト、異なる地理的位置や複数の機関からなるブロックチェーンネットワークで共有可能な資産データベースとして理解できる。1つのブロックチェーンネットワークの参加者は、唯一の、本物の台帳のコピーを入手できる。台帳のいかなる変更も全てのコピーに反映され、反映時間は数分、ひいては数秒内であり得る。
【0022】
理解すべきものとして、同一のブロックチェーンネットワークにおいて、ブロックチェーンのコンセンサス達成(即ち、配布ノード間のコンセンサス及びコントラクトノード間のコンセンサス)とスマートコントラクトの実行とを特定のコントラクトノードで実行するように限定してもよい。ここで、本願に記載されたスマートコントラクトとは、更新操作の実行者(例えば、図1に示す実行ノード30a)と、更新対象となるサーバ(即ち、図1に示すサーバノード40a)とが共に関与するファームウェア更新コントラクトを意味する。このファームウェア更新コントラクトは、コントラクトノード20aに対し、実行ノード30aによるサーバノード40a(即ち、第1サーバノード)へのファームウェア更新の要求(即ち、ファームウェア更新要求)を受信すると、ブロックチェーンから取得された、第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴、ファームウェアバージョン配布履歴、及びファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータに基づいて、実行ノード30aから送信されたファームウェア更新要求の正当性を判断するように指示することに用いられてもよい。これに鑑みて、本願の実施例は、コントラクトノード20aが、該ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、実行ノード30aが、更新バージョンパラメータに基づいて、この第1サーバノードが現在実行している実行バージョンパラメータを更新することを許可できることを示しており、逆の場合、実行ノードは、第1サーバノードに対してファームウェア更新を行うことができない。ここから分かるように、このスマートコントラクトを呼び出すことにより、正当なファームウェア更新操作であるか、それとも不正なファームウェア更新操作であるかを効果的に区別することができるので、不正な場合のファームウェア更新を回避でき、さらにファームウェア更新のセキュリティ及び信頼性を効果的に向上させることができる。
【0023】
ここで、本願の実施例では、ブロックチェーンは、ブロック構造上、1つ1つのブロック(block)から構成されてもよく、これらの1つ1つのブロックから構成されるブロックチェーンは、ネストされたハッシュチェーンと呼ぶことができ、即ち、このネストされたハッシュチェーンの各ブロックには、前のブロックのハッシュと、第1サーバノード(例えば、図1に示すサーバノード40a)に対するファームウェア更新の複数の過去バージョン更新行動情報とが含まれ、これらの過去バージョン更新行動情報が含まれるバージョン更新履歴は、ファームウェアバージョン更新履歴と総称することができる。理解すべきものとして、本願の実施例では、ブロックには、相応のファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよく、本願の実施例では、ブロックには、相応のファームウェアバージョン配布履歴も含まれてもよい。理解を容易にするために、本願の実施例では、ファームウェアバージョン更新履歴が含まれるブロックを第1ブロックと総称することができ、ファームウェアバージョン配布履歴が含まれるブロックを第2ブロックと呼ぶことができる。ここで、第1ブロックには、ファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよく、ファームウェアバージョン更新履歴におけるバージョン更新行動情報には、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されてもよく、前記第2バージョンパラメータは、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータである。ここから分かるように、前記ファームウェアバージョン更新履歴は、第1サーバノードのファームウェアバージョン情報に対して更新操作を行うという行動のバージョン更新行動情報を記録するために使用できる。この第1サーバノードにおいて、複数のファームウェアのファームウェア更新操作が完了した場合、複数の過去バージョン更新行動情報が生成される。
【0024】
本願の実施例では、全ての正当なファームウェア更新操作に対応するファームウェアバージョン更新履歴、及びバージョン配布操作に対応するファームウェアバージョン配布履歴は、全てブロックチェーンに記録してもよい。これにより、後で配布ノードは、チェーンにおいて各サーバノードのセキュリティ状態を検索することができる。例えば、各サーバノードのオフチェーンファームウェア情報及びオンチェーンファームウェア情報に対してセキュリティ監査を行うことができる。これにより、大規模なサーバノードの中から、異常が疑われるサーバノードを見つけて警告することができ、例えば、異常が疑われるサーバノードをネットワークから隔離するなど、適宜な緊急対応過程を採用することができ、不正侵入手段に対する検知能力を効果的に向上させることができ、さらに企業イントラネットのセキュリティを顕著に向上させることができる。
【0025】
ここで、本願の実施例では、図1に示すように、実行ノード30aは、サーバノード40a(即ち、第1サーバノード)に対してファームウェア更新を行う前に、図1に示すコントラクトノード20aにファームウェア更新要求を送信することができる。これにより、コントラクトノード20aは、このファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、実行ノード30aがファームウェア更新を行うことを許可することができる。本願の実施例では、第1サーバノード(例えば、図1に示すサーバノード40b)に対してファームウェア更新を行った後に、新しいファームウェアバージョン更新履歴を生成することができ、この新しいファームウェアバージョン更新履歴が含まれるブロックを新しい第1ブロックと呼ぶことができる。これにより、後で配布ノードがブロックチェーンにおいてこの第1サーバノードのセキュリティ状態を容易に監査できるように、この新しい第1ブロックを前記ブロックチェーンに順序よく書き込むことができる。即ち、配布ノードは、ブロックチェーンにおける第1ブロックに保存された該第1サーバノードのオンチェーンファームウェア情報と、ローカルから収集されたオフチェーンファームウェア情報とに基づいて、該第1サーバノードのセキュリティ状態を評価することができる。両者が一致する場合、正常値を返すことができる。両者が一致しない場合は、該第1サーバノードのセキュリティ状態に異常が発生したことを表し、この場合、該配布ノードは、モバイル側又はWEB側での警告情報の形で、該第1サーバノードに対応するユーザに警告情報(即ち、ワークシート情報)を返すことができる。
【0026】
ここで、前記コントラクトノード20aが前記ファームウェア更新要求を取得し、ファームウェアバージョン配布履歴、ファームウェアバージョン更新履歴、及び更新バージョンパラメータに基づいて、ファームウェア更新要求の正当性を検証する具体的な過程は、図2図8に対応する下記実施例を参照すればよい。
【0027】
さらに、本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づくデータ処理方法の手順の模式図である図2も併せて参照されたい。図2に示すように、前記方法は、コントラクトノードである電子機器に適用でき、具体的には、以下のステップS101~ステップS103を含んでもよい。
ステップS101で、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信する。
【0028】
具体的には、コントラクトノードは、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信することができる。理解すべきものとして、ファームウェア更新のセキュリティ及び信頼性を確保するために、本願の実施例における実行ノードは、第1サーバノードに対してファームウェア更新を行う前に、コントラクトノードにファームウェア更新要求を送信する必要があり、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれてもよく、本願の実施例では、前記ファームウェア更新要求には、前記第1サーバノードの実行バージョンパラメータも含まれてもよい。
【0029】
ここで、前記実行バージョンパラメータは、該第1サーバノードが現在実行している旧ファームウェアバージョン情報と、該旧ファームウェアバージョン情報のハッシュ値とを含んでもよい。本願の実施例では、前記更新バージョンパラメータは、現在該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の新ファームウェアバージョン情報と、該新ファームウェアバージョン情報のハッシュ値とを含んでもよい。理解を容易にするために、本願の実施例では、該第1サーバノードが現在実行している旧ファームウェアバージョン情報を実行バージョン情報(例えば、ファームウェアバージョンV1)と呼び、該旧ファームウェアバージョンのハッシュ値を実行バージョンハッシュ値(例えば、ハッシュ値H1)と呼ぶことができる。また、本願の実施例では、現在該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の新ファームウェアバージョン情報を更新バージョン情報(例えば、ファームウェアバージョンV2)と呼び、該新ファームウェアバージョン情報のハッシュ値を更新バージョンハッシュ値(例えば、ハッシュ値H2)と呼ぶことができる。なお、理解すべきものとして、ここでの実行バージョンハッシュ値は、旧ファームウェアハッシュ値と呼ばれてもよく、同様に、前記更新バージョンハッシュ値は、新ファームウェアハッシュ値と呼ばれてもよい。
【0030】
ここで、本願の実施例では、実行ノードは、ファームウェア更新要求を送信する前に、取得した実行バージョンパラメータ及び更新バージョンパラメータを、後でファームウェアバージョン更新履歴を生成するための入力情報と呼ぶことができる。即ち、該実行ノードは、該第1サーバノードが現在実行している実行バージョンパラメータ(即ち、ファームウェアバージョンV1、ハッシュ値H1)と、該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータ(即ち、ファームウェアバージョンV2、ハッシュ値H2)とを入力情報と呼び、該実行ノードの秘密鍵でこの入力情報に署名し、署名した第1署名情報と該実行ノードの公開鍵とを更新要求に追加して、上記ファームウェア更新要求を得るようにしてもよい。したがって、本願の実施例では、該コントラクトノードは、ファームウェア更新要求を受信した後、受信した該実行ノードの公開鍵で該実行ノードの第1署名情報の署名検証を行い、署名検証が成功した場合、該実行ノードによって提供された更新バージョンパラメータ及び実行バージョンパラメータを得るようにしてもよい。
【0031】
ここで、前記実行ノードは、上記図1に対応する実施例において実施層300に位置する実行ノード30aであってもよく、前記第1サーバノードは、上記図1に対応する実施例において前記実施層300に位置するサーバノード40aであってもよく、前記コントラクトノードは、上記図1に対応する実施例においてコントラクト層200に位置するコントラクトノード20aであってもよい。本願の実施例では、ブロックチェーンにおける実行ノード30a、サーバノード40a、及びコントラクトノード20aは、ブロックチェーンネットワークにおけるノードと総称されてもよい。理解すべきものとして、ブロックチェーンに参加する各ノードのいずれに対しても、ブロックチェーンは、相応の公開鍵と秘密鍵のペアを割り当てることができる。ここで、各ノードの公開鍵は、該ブロックチェーンにおける他のノードに知られてもよいが、それぞれの秘密鍵は、相応のノードが単独で適切に保存してもよい。例えば、サーバノードの場合、エンティティが物理機器であるので、トラステッド実行環境(TEE)のトラステッドコンピューティング環境に基づいて、該サーバノードの秘密鍵を保存してもよい。このように、ブロックチェーンにおける他のノードが該サーバノードの秘密鍵を知ることができないように確保できる。また、例えば、特定の記憶媒体を使用して実行ノードの秘密鍵を保存してもよい。ここから分かるように、ブロックチェーンにおける各ノードの秘密鍵を適切に保存することにより、後続のコントラクト実行過程のセキュリティ及び信頼性を確保できる。
【0032】
ここで、理解すべきものとして、ブロックチェーンが、上記実施層300における実行ノードに対して、相応の公開鍵と秘密鍵のペアを割り当てることは、これらの実行ノードに特別なアイデンティティが付与されることに相当する。これにより、不正攻撃者が実行ノードのアイデンティティを偽造してサーバファームウェアを不正に操作することの難易度を効果的に高めることができる。
【0033】
ステップS102で、前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得し、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである。
【0034】
具体的には、コントラクトノードは、前記スマートコントラクトを呼び出すことにより、前記第1サーバノードの前記ブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得してもよい。前記ブロックチェーンアドレスが、前記ブロックチェーンが前記第1サーバノードの公開鍵情報に基づいてハッシュ計算を行うことにより一意に決定されたものである。さらに、コントラクトノードは、前記ブロックチェーンアドレスに基づいて、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得してもよい。さらに、コントラクトノードは、前記第1ブロックにおいて、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴として決定してもよい。前記第2バージョンパラメータが、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータである。さらに、コントラクトノードは、前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードに関連付けられた過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として決定してもよい。
【0035】
ここで、本願の実施例では、上記図1に記載されたブロックチェーンネットワークのトポロジ構造から分かるように、ブロックチェーンネットワークにおける各ノード(即ち、各分散ノード)は、いずれも、ブロックチェーンシステムにおいて、個別の個体として情報の受信、処理、フィードバックを行うことができる。言い換えれば、このブロックチェーンネットワークにおけるこれらのノードは、情報の受信も情報の生成も行い、ノード同士は、共通のブロックチェーンを維持することにより、通信を保持することができる。
【0036】
ここで、本願の実施例では、ブロックチェーンネットワークにおけるノード(例えば、コントラクトノード)は、新しいブロックを作成することができ、新しいブロックが作成されると、ブロードキャストの形でこのブロックチェーンネットワークにおける他のノード(例えば、上記図1に対応する実施例における他のコントラクトノード)に通知する。他のノードは、このブロックを検証する。このブロックチェーンネットワークにおける51%超のノードによる検証に合格した場合、ノード間のコンセンサス(例えば、コントラクトコンセンサス)が達成されたと確認し、この場合、この新しいブロックをブロックチェーンに追加することができる。
【0037】
ここで、本願の実施例では、コントラクトノードは、スマートコントラクトによってサーバノードのファームウェア更新を管理・制御する過程において、実行ノードが毎回第2バージョンパラメータでサーバノードにおけるファームウェア(例えば、上記第1サーバノードであって、上記図1に対応する実施例におけるサーバノード40a)の第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行うバージョン更新行動情報を記録してもよい。本願の実施例では、サーバノードにおける1つのファームウェア又は複数のファームウェアに対して更新操作を行ってもよいが、ここでは限定しない。
【0038】
本願の実施例では、実行ノードがサーバノードにおけるファームウェアに対して更新操作を完了するたびに、1つのファームウェア更新ログ情報が生成され、即ち、1つのサブファームウェアバージョン更新履歴が生成される。ここで、1つのファームウェア更新ログ情報(即ち、サブファームウェアバージョン更新履歴)には、この第1サーバノードにおけるあるファームウェアに対してファームウェア更新を行うバージョン更新行動情報が含まれてもよい。本願の実施例では、このコントラクトノードは、さらに、各ファームウェアのバージョン更新行動情報が含まれるサブファームウェアバージョン更新履歴を、第1サーバノードにおけるファームウェアのファームウェアバージョン更新履歴と総称することができる。
【0039】
本願の実施例では、第1サーバノードにおけるファームウェア更新前の旧ファームウェアバージョン情報及び旧ファームウェアハッシュ値を第1バージョンパラメータと呼び、第1サーバノードにおけるファームウェア更新後の新ファームウェアバージョン情報及び新ファームウェアハッシュ値を第2バージョンパラメータと呼ぶことができる。
【0040】
ここで、サーバノード40aに対してファームウェア更新を行う適用シナリオでは、正当であると決定された全ての更新結果(即ち、ファームウェアバージョン更新履歴)をブロックチェーンに順序よく書き込んでもよい。このように、サーバノードは、現在上記ステップS101におけるファームウェア更新要求を受信すると、該サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、ブロックチェーンから、該第1サーバノードのファームウェアに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得することができる。本願の実施例における第1ブロックは、少なくとも1つの第1ブロックを含んでもよく、各第1ブロックには、相応の更新タイムスタンプに対応するファームウェアバージョン更新履歴が付されてもよく、該ファームウェアバージョン更新履歴には、1つ又は複数のサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよい。理解を容易にするために、本願の実施例では、各サブファームウェアバージョン更新履歴を、第1サーバノードにおける相応のファームウェアのファームウェアバージョン更新履歴と総称することができる。理解すべきものとして、該第1サーバノードの相応のファームウェアのバージョン情報に対する更新操作が完了するたびに、1つのサブファームウェアバージョン更新履歴が生成され、1つのファームウェアバージョン更新履歴が得られる。
【0041】
ここで、本願の実施例では、前のブロックの生成から新しいブロックの生成までのブロック生成期間内に、実行ノードが第1サーバノードにおける1つのみのファームウェアに対して更新操作を完了した場合、1つのサブファームウェアバージョン更新履歴が得られ、この場合、このサブファームウェアバージョン更新履歴を、新しいブロックにおけるファームウェアバージョン更新履歴としてもよい。本願の実施例では、このブロック生成期間内に、実行ノードが第1サーバノードにおける複数のファームウェアに対して更新操作を完了した場合、複数のサブファームウェアバージョン更新履歴が得られ、この場合、これらのサブファームウェアバージョン更新履歴を、この新しいブロックにおけるファームウェアバージョン更新履歴と総称することができる。
【0042】
同様に、本願の実施例における第2ブロックは、少なくとも1つの第2ブロックを含んでもよく、各第2ブロックには、相応の配布タイムスタンプに対応するファームウェアバージョン配布履歴が付されてもよい。理解すべきものとして、該第1サーバノードの相応のファームウェアのバージョン情報に対する配布操作が完了するたびに、1つのファームウェアバージョン配布履歴が生成される。
【0043】
ここで、理解すべきものとして、今回のスマートコントラクトの呼び出し過程において、以前にスマートコントラクトを呼び出して得られたファームウェアバージョン更新履歴におけるバージョン更新行動情報を過去バージョン更新行動情報と呼び、以前に得られたファームウェアバージョン配布履歴におけるバージョン配布行動情報を過去バージョン配布行動情報と呼ぶことができる。
【0044】
理解を容易にするために、本願の実施例では、第1サーバノードにおけるターゲットファームウェアに対してファームウェア更新を行って得られたファームウェアバージョン更新履歴を例にして、該ターゲットファームウェアのファームウェアバージョン更新履歴と第1ブロックとの間の関連関係を説明する。さらに、本願の実施例で提供されたネストされたハッシュチェーンのブロック構造の模式図である図3を参照されたい。図3に示すようなネストされたハッシュチェーンには、少なくとも、図3に示すブロックN、ブロックN+1、及びブロックN+2が含まれてもよい。ここで、Nは正の整数であってもよい。図3に示すような各ブロックのいずれにも、第1サーバノードに対してファームウェア更新を行ったファームウェア更新ログ情報が記録されている。本願の実施例では、各ファームウェア更新ログ情報(即ち、サブファームウェアバージョン更新履歴)をファームウェアバージョン更新履歴と総称することができる。
【0045】
ここで、図3に示す各ブロック(即ち、第1ブロック)のいずれにも、前のブロック(即ち、前の第1ブロック)のハッシュ(Headerと呼ばれる)、及び相応のファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよい。即ち、このネストされたハッシュチェーンにおけるブロック内のデータは、一意性及びトレーサビリティを有することができる。ここで、図3に示すように、ブロックNには、該ブロックNの前のブロックのハッシュ値(即ち、図3に示すブロックN-1のハッシュ)と、第1サーバノードに対してファームウェア更新操作を行って得られたファームウェアバージョン更新履歴1とが含まれてもよい。同様に、ブロックN+1には、該ブロックN+1の前のブロックのハッシュ値(即ち、図3に示すブロックNのハッシュ)と、第1サーバノードに対して他のファームウェア更新操作を行って得られたファームウェアバージョン更新履歴2とが含まれてもよい。このように類推すると、ブロックN+2には、該ブロックN+2の前のブロックのハッシュ値(即ち、図3に示すブロックN+1のハッシュ)と、第1サーバノードに対して別のファームウェア更新操作を行って得られたファームウェアバージョン更新履歴3とが含まれてもよい。理解すべきものとして、図3に示すブロックN、ブロックN+1、ブロックN+2は、第1ブロックと称されてもよい。これらの第1ブロックには、第1サーバノードにおけるターゲットファームウェア(例えば、ファームウェアK)のファームウェアバージョン情報に対して更新操作を行って得られたサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよい。例えば、ブロックNには、該ファームウェアKのサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよく、ブロックN+1には、該ファームウェアKのサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよく、ブロックN+2には、該ファームウェアKのサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよい。
【0046】
ここで、図3に示すように、理解を容易にするために、本願の実施例では、第1ブロックのうちの1つのブロック(例えば、ブロックN+1)を例にして、このブロックN+1におけるファームウェアバージョン更新履歴2には、複数のサブファームウェアバージョン更新履歴、具体的に、図3に示す更新履歴1、更新履歴2、更新履歴3、及び更新履歴4が含まれてもよいことを説明する。ここで、更新履歴1は、ブロックN+1において検索された該ファームウェアKのサブファームウェアバージョン更新履歴であってもよい。
【0047】
ここで、図3に示すブロックN+1には、図3に示すブロックヘッダ10とブロックボディー20とが含まれてもよい。図3に示すように、ブロックヘッダ10には、前のブロック(即ち、図3に示すブロックN)のハッシュ値、タイムスタンプ、計算難易度値、ブロックN+1を生成するために設定された乱数、及びマークルツリーのルート(理解すべきものとして、該マークルツリーのルートは、このブロックN+1のハッシュ値であってもよく、即ち、このブロックN+1のハッシュ値は、図3に示すブロックN+2のブロックヘッダにおける親ブロックハッシュ値としてもよい)が含まれてもよい。理解すべきものとして、本願の実施例では、前のブロックのハッシュ値を親ブロックハッシュ値と呼ぶことができる。図3に示すブロックヘッド10におけるタイムスタンプは、ブロックチェーンにおける1つのブロックの位置を一意に識別することができる。また、図3に示すブロックボディー20には、ブロックN+1が生成される前、ブロックNが生成された後の期間内に、該第1サーバノードのファームウェアに対して更新した全ての過去バージョン更新行動情報が含まれてもよい。本願の実施例では、第1サーバノードにおける1つのファームウェアに対する更新操作を完了するたびに、1つのサブファームウェアバージョン更新履歴が生成される(即ち、1つの更新履歴又は1つのファームウェア更新ログ情報が生成される)。本願の実施例では、この期間内に完了した全てのファームウェア更新操作に対応する更新履歴を、図3に示すファームウェアバージョン更新履歴2と呼ぶことができ、即ち、該ファームウェアバージョン更新履歴2には、複数のサブファームウェアバージョン更新履歴が含まれてもよい。具体的には、図3に示す更新履歴1、更新履歴2、更新履歴3、及び更新履歴4は、マークルツリーの形で一体に構成することができる。
【0048】
理解すべきものとして、図3に示すマークルツリーの構築過程は、ハッシュ値を再帰的に計算する(即ち、hash値を再帰的に計算する)過程である。図3の更新履歴1及び更新履歴2を例にすると、SHA256ハッシュ計算方法によって、更新履歴1に対応するハッシュ値1を計算することができ、同様に、SHA256ハッシュ計算方法によって、更新履歴2に対応するハッシュ値2を計算することができる。さらに、ハッシュ値1とハッシュ値2とを連結してハッシュ変換を続けると、図3に示すハッシュ値12が得られる。このように類推すると、更新履歴3及び更新履歴4の場合、このように層ごとに再帰的に計算することにより、図3に示すハッシュ値34が得られる。これにより、さらに、ハッシュ値12とハッシュ値34とを連結して、最後に1つのルート(即ち、図3に示すハッシュ値1234)が残るまでハッシュ変換することができる。このとき、本願の実施例では、最後に得られた全てのトランザクション情報のハッシュ値をブロックN+1のマークルツリーのルートとしてもよい。ここから分かるように、マークルツリーは拡張性に優れており、更新履歴がどれだけあっても、最終的には、マークルツリーと、固定長の、マークルツリーのルートとを生成できる。理解すべきものとして、本願の実施例におけるマークルツリーの構造は、後続のファームウェアバージョンの追跡過程においてバージョン検索の効率性を確保するために使用できる。
【0049】
理解すべきものとして、本願の実施例では、ファームウェアソースが混在している同一のブロックチェーンネットワークを使用して、第1サーバノードにおけるファームウェアのバージョン管理制御(例えば、バージョン配布制御及びバージョン更新制御)を行ってもよく、つまり、バージョン管理制御過程においてサーバメーカーを区別する必要がある。例えば、異なるメーカーから配布されたファームウェアバージョン情報に対してファームウェア更新を行う過程において、異なるコントラクトノードを使用してバージョン更新制御を行ってもよい。例えば、上記図1に示すコントラクトノード20aで、メーカーAから配布されたファームウェアバージョン情報に対してファームウェア更新を行ってもよく、上記図1に示すコントラクトノード20bで、メーカーBから配布されたファームウェアバージョン情報に対してファームウェア更新を行ってもよい。さらに、本願の実施例では、異なるメーカーから配布されたファームウェアバージョン情報のファームウェア更新を管理するために、異なるブロックチェーンネットワークを構築してもよい。ここでは、ブロックチェーンネットワークの具体的な構築形式については制限しない。
【0050】
さらに、理解を容易にするために、本願の実施例では、第1サーバノードにおける1つのファームウェア(例えば、上記ファームウェアK)をターゲットファームウェアとして更新操作を行う場合を例にすると、コントラクトノードは、スマートコントラクトを呼び出すと、該第1サーバノードのブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得し、該ブロックチェーンアドレスに対応するブロックチェーン記録において該ファームウェアKの過去の更新状況及び過去の配布状況を検索することができる。つまり、本願の実施例では、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得でき、これにより、第1ブロックにおいて、ターゲットファームウェアの第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴とすることができる。これとともに、コントラクトノードは、前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードにおけるファームウェアKに関連付けられた該過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として、さらにステップS103を実行することができる。これにより、現在実行ノードから送信されたファームウェア更新要求の正当性を判別して、ファームウェア更新のセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0051】
ここで、理解すべきものとして、前記ファームウェアバージョン配布履歴は、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである。つまり、本願の実施例では、配布ノード間でコンセンサスが達成された場合、ある配布ノードから配布された新しいファームウェアバージョン配布パラメータがコントラクトノードによって承認され得ると決定することができる。これにより、さらに、コントラクトノード間でコントラクトコンセンサスが達成された場合、新しいファームウェアバージョン配布パラメータが含まれるこのブロックをブロックチェーンに書き込んで保存することができる。
【0052】
理解を容易にするために、さらに、本願の実施例で提供されたバージョン配布制御の模式図である図4a及び図4bを参照されたい。図4aに示すように、コントラクトノード1は、配布ノード1(例えば、上記図1に対応する実施例における配布ノード10aであってもよい)からブロードキャストされた、該ファームウェアKの新しいファームウェアバージョン配布パラメータ(即ち、ファームウェアバージョンパラメータ1)を受信すると、図4aに示す時間ウィンドウT内で待ってもよい。つまり、コントラクトノードは、上記図1に対応する実施例における所定の時間ウィンドウT内で、他の配布ノードから配布された同じファームウェアバージョン配布パラメータを受信するのを持ってもよい。ここで、該コントラクトノードがファームウェアバージョン配布パラメータを取得する具体的な過程については、図4bに示すステップS1~ステップS3を参照すればよい。図4bに示すように、配布ノード1は、メーカー(例えば、メーカーA)から配布された最新バージョンのファームウェアファイルを受信し、受信した最新バージョンのファームウェアファイルに対してファイル構造を解析し、ファイルの内容に基づいてさらにファイルのビルド番号を決定し、このビルド番号のハッシュ値を計算することができる。理解すべきものとして、ここでのビルド番号とは、このメーカーAが第1サーバノードのファームウェアKに対して配布した最新ファームウェアバージョン情報を意味する。該ファームウェアKの最新ファームウェアバージョン情報及びこの最新ファームウェアバージョン情報のハッシュ値は、該ファームウェアKのファームウェアバージョン配布パラメータと呼ぶことができる。コントラクトノード1が図4bに示すステップS5を実行できるように、このファームウェアバージョン配布パラメータが付されているファームウェア配布要求を、図4bに示すコントラクトノード1に送信してもよい。
【0053】
ここで、本願の実施例では、ブロックチェーンにおいて、データ伝送の完全性を確保するために、配布ノード1は、ファームウェアKのファームウェアバージョン配布パラメータを、図4bに示すコントラクトノード1に送信する前に、配布ノード1の秘密鍵でこのファームウェアバージョン配布パラメータ(即ち、図4aに示すファームウェアバージョン配布パラメータ1)に署名し、署名後の署名結果とこの配布ノード1の公開鍵とをコントラクトノード1に一括して送信する。これにより、コントラクトノード1は、配布ノード1から送信されたファームウェア配布要求を受信すると、この配布ノード1の公開鍵で署名結果の署名検証を行って、該ファームウェア配布要求に付されているファームウェアバージョン配布パラメータ1を取得することができる。
【0054】
図4aに示すように、コントラクトノード1は、ファームウェアバージョンパラメータ1を取得した後、時間ウィンドウT内で待つことになる。他の配布ノード(例えば、図4aに示す配布ノード2)から配布された同じファームウェアバージョンパラメータ(即ち、ファームウェアバージョンパラメータ1)がこの時間ウィンドウT内に存在する場合、該コントラクトノード1は、配布ノード1と配布ノード2との間でコンセンサスが達成されたと間接的に決定することができる。この場合、該コントラクトノード1は、ファームウェアバージョン配布パラメータ1が含まれるブロックを取得することができ、ファームウェアバージョン配布パラメータ1が含まれるこのブロックをブロックチェーンに書き込むように要求することができる。
【0055】
ここで、本願の実施例では、コントラクトノード1は、該ファームウェアバージョン配布パラメータ1が含まれるブロックを新しいブロック(例えば、ブロックA)としてブロックチェーンに書き込む前に、物理ネットワークを介して、このブロックAを、上記図1に対応する実施例におけるコントラクト層200内の他のコントラクトノードに同期する必要がある。図4aに示すように、物理ネットワークを介して、ブロックAをコントラクトノード2、コントラクトノード3、…、コントラクトノードnに同期してもよい。これにより、他のコントラクトノードのうち51%超のコントラクトノードが、コントラクトが達成されたと確認した場合、該ファームウェアバージョン配布パラメータ1が含まれるブロック(即ち、ブロックA)を該ブロックチェーンに書き込むことができる。ここから分かるように、ノード間のコンセンサスを特定機能のコントラクトノード(例えば、コントラクトノード1)に限定することにより、コントラクトノードを介してバージョン配布を効果的に制御することができ、つまり、メーカーAから配布されたファームウェアバージョン情報が最新バージョンのメーカーファームウェア情報であると決定した場合、ブロックAをブロックチェーンに書き込むことができる。この場合、本願の実施例では、該ブロックAを、最大配布タイムスタンプを有する第2ブロックと呼ぶことができる。つまり、最大配布タイムスタンプを有するこの第2ブロックに含まれるファームウェアバージョン配布履歴におけるバージョン配布行動情報は、第1過去バージョン配布行動情報と呼ぶことができる。また、ブロックチェーンにおける、該第1サーバノードのファームウェアKに関連付けられた他の第2ブロックに含まれるファームウェアバージョン配布履歴におけるバージョン配布行動情報は、第2過去バージョン配布行動情報と呼ぶことができる。
【0056】
ここで、本願の実施例では、該第1サーバノードに関連付けられた、ファームウェアバージョン配布履歴が含まれるブロックを第2ブロックと呼ぶことができ、コントラクトノードは、第2ブロックから、第1サーバノードにおけるターゲットファームウェア(即ち、上記ファームウェアK)に関連付けられた過去バージョン配布行動情報を取得でき、取得した過去バージョン配布行動情報を相応のファームウェアのファームウェアバージョン配布履歴とすることができる。上記更新バージョンパラメータとファームウェアバージョン配布履歴とを比較することにより、ターゲットファームウェア(即ち、ファームウェアK)のファームウェアバージョン情報を最新のファームウェアバージョン配布パラメータ1におけるファームウェアバージョン情報に更新するか否かを判断することができる。
【0057】
ステップS103で、前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する。
【0058】
具体的には、コントラクトノードは、前記ファームウェアバージョン更新履歴における前記第1バージョンパラメータに基づいて、前記更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行い、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと同じであることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定し、前記不正な更新要求が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものであり、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定し、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するようにしてもよい。
【0059】
ここで、前記ファームウェア更新要求には、前記第1サーバノードの実行バージョンパラメータがさらに含まれる。この場合、コントラクトノードが、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する具体的なステップは、前記ファームウェアバージョン配布履歴に関連付けられた過去バージョン配布行動情報の中から、第1バージョン配布行動情報を取得するステップであって、前記第1バージョン配布行動情報が、前記過去バージョン配布行動情報のうち最大バージョン配布タイムスタンプを有するバージョン配布行動情報である、ステップと、さらに、前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定するステップと、を含んでもよい。
【0060】
ここで、本願の実施例では、バージョンロールバックを防止するために、検索された該ファームウェアKの過去バージョン更新の状況に基づいて、ファームウェアKのファームウェアバージョン情報に対してファームウェア更新を行うための上記更新バージョンパラメータについてロールバック検出を行ってもよい。該ファームウェアKのこれらのファームウェアバージョン更新履歴(例えば、上記図3に示す更新履歴1に対応するサブファームウェアバージョン更新履歴)における第1パラメータには、該更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報(例えば、ファームウェアバージョン番号BBBB)及び更新バージョンハッシュ値(例えば、ハッシュ値)が含まれていることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、これにより、該ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定することができる。本願の実施例では、該ターゲットファームウェア(即ち、ファームウェアK)の全ての過去バージョン更新行動情報を取得することができ、各過去バージョン更新行動情報は、いずれも、1つのファームウェアバージョン更新履歴と呼ばれてもよい。
【0061】
理解を容易にするために、さらに、本願の実施例で提供されたファームウェアKのファームウェアバージョン更新履歴表である表1を参照されたい。ここで、理解すべきものとして、該ファームウェアKに対してファームウェア更新が1回行われるたびに、該ファームウェアKの1つのファームウェアバージョン更新履歴が生成される。ここで、ファームウェアバージョン更新履歴Aは、実行ノードが該第1サーバノードにおけるファームウェアKに対して1回目にファームウェア更新を行って得られたものであり、ファームウェアバージョン更新履歴Bは、実行ノードが該第1サーバノードにおけるファームウェアKに対して2回目にファームウェア更新を行って得られたものである。
【0062】
【表1】
【0063】
ここで、コントラクトノードは、スマートコントラクトを呼び出す際に、該第1サーバノードに関連付けられた第1ブロックから、ターゲットファームウェア(即ち、ファームウェアK)に関連付けられた全てのファームウェアバージョン更新履歴を検索し、更新時間の前後関係に従って、表1に示すファームウェアバージョン更新履歴表を作成することができる。上記表1に示すように、全ての第1ブロックから検索されたファームウェアKのファームウェアバージョン更新履歴が、表1に示すファームウェアバージョン更新履歴A及びファームウェアバージョン更新履歴Bであり、該第1サーバノードに関連付けられた第1ブロックから該ファームウェアKの他のファームウェアバージョン更新履歴が取得されない場合、本願の実施例における実行ノードは、ファームウェアバージョン更新履歴Bにおける第2バージョンパラメータB2内のファームウェアバージョン情報3及びファームウェアハッシュ値3を、該ファームウェアKが現在実行している実行バージョンパラメータとすることができる。つまり、コントラクトノードで受信されたファームウェア更新要求には、上記表1に示す第2バージョンパラメータB2が含まれてもよく、該ファームウェアKに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータ(例えば、ファームウェアバージョン情報4及びファームウェアハッシュ値4)が含まれてもよい。この場合、コントラクトノードは、該ファームウェアバージョン更新履歴表から、各ファームウェアバージョン更新履歴における第1バージョンパラメータ(即ち、上記表1に示す第1バージョンパラメータA1及び第1バージョンパラメータB1)を取得でき、さらに、この2つの第1バージョンパラメータに基づいて、更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行うことができる。この2つの第1バージョンパラメータのいずれも更新バージョンパラメータと異なる場合、バージョンロールバックが存在しないと決定できる。逆に、この2つの第1バージョンパラメータのいずれかが更新バージョンパラメータと同じである場合、バージョンロールバックが存在すると決定する。
【0064】
ここで、理解すべきものとして、同じであるか否かを判断する際に、更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報及び更新バージョンハッシュ値を、それぞれ第1バージョンパラメータのファームウェアバージョンパラメータにおけるファームウェアバージョン情報及びファームウェアハッシュ値と比較する。例えば、更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報を、第1バージョンパラメータB1におけるファームウェアバージョン情報2と比較し、更新バージョンパラメータにおける更新バージョンハッシュ値を、第1バージョンパラメータB1におけるファームウェアハッシュ値2と比較してもよい。これにより、前記更新バージョン情報(即ち、ファームウェアバージョン情報4)が表1のファームウェアバージョン情報2と同じであり、更新バージョンハッシュ値(即ち、ファームウェアハッシュ値4)が表1のファームウェアハッシュ値2と同じである場合、バージョンロールバックが存在すると決定することができる。
【0065】
理解すべきものとして、ファームウェアバージョン配布履歴における第1バージョンパラメータを使用して、更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行う際に、トラバースによって、まず、前記ファームウェア更新要求における実行バージョンパラメータが含まれるファームウェア更新履歴(即ち、上記ファームウェア更新履歴B)を順次に検索してもよい。これにより、ファームウェアバージョン更新履歴Bにおける第1バージョンパラメータ(即ち、上記表1の第1バージョンパラメータB1)に基づいて、更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行う。第1バージョンパラメータB1におけるファームウェアバージョン情報2及びファームウェアハッシュ値2のいずれも、更新バージョンパラメータにおけるファームウェアバージョン情報4及びファームウェアバージョンハッシュ値4と異なる場合、前のブロックにおけるファームウェアバージョン更新履歴の検索を続けてもよい。該第1サーバノードにおけるファームウェアKに関連付けられた全ての第1ブロックのファームウェアバージョン更新履歴に、該更新バージョンパラメータと同じである第1バージョンパラメータが存在しないと決定されると、バージョンロールバックが存在しないと決定することができる。
【0066】
ここで、前記不正な更新要求は、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものである。ここから分かるように、コントラクトノードは、上記ファームウェアKのファームウェアバージョン更新履歴から相応の更新バージョンパラメータを検索した場合、バージョンロールバックが存在し、つまり、実行ノードがこの更新バージョンパラメータを使用してファームウェアKに対してファームウェア更新を行ったことがあると決定する。この場合、コントラクトノードは、この場合での、ファームウェアKに対するファームウェア更新操作を不正な操作と見なす。言い換えれば、コントラクトノードは、上記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定できる。本願の実施例では、上記表1における各第1バージョンパラメータのいずれも前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定する。つまり、コントラクトノードは、現在ファームウェアKのバージョン情報に対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータが、該ファームウェアKに対するファームウェア更新に使用されたことがないと決定した場合、さらに前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定してもよい。
【0067】
同様に、ファームウェアバージョン配布履歴に前記更新バージョンパラメータが含まれている場合、該更新バージョンパラメータにおけるファームウェアバージョン情報が、最新配布のファームウェアバージョン配布パラメータにおける最新配布のファームウェアバージョン情報であるか否かをさらに判断する必要がある。該更新バージョンパラメータにおけるファームウェアバージョン情報が、最新配布のファームウェアバージョン配布パラメータにおける最新配布のファームウェアバージョン情報であると判断すれば、両者のハッシュ値が一致する場合、コントラクト検出に合格したと決定し、つまり、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定してもよく、逆に、両者のハッシュ値が一致しない場合、不正な更新要求であると決定し、この場合、コントラクトノードは、この不正なファームウェア更新要求を却下する。本願の実施例では、該更新バージョン情報が最新のファームウェアバージョン情報でなければ、前記ブロックチェーンから、前記更新バージョンパラメータを使用してファームウェア更新を行ったM個の第2サーバノードを検索する必要があり、さらにM個の第2サーバノードのファームウェアバージョン更新情報を取得してもよい。前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報における第2バージョンパラメータのいずれにも前記実行バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定し、そうでない場合、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定する。
【0068】
本願の実施例では、第1サーバノードにおけるターゲットファームウェアを更新するための更新バージョン情報の更新バージョンパラメータがブロックチェーンに既に存在しているが、最新ファームウェアバージョン情報ではない場合、取得したM個の第2サーバノードにおいて、各第2サーバノードのいずれも該第1サーバノードと同じ更新方式を採用しているか否かを検出する必要がある(即ち、同じ実行バージョンパラメータ及び同じ更新バージョンパラメータが必要である)。各第2サーバノードのいずれも該第1サーバノードと同じ更新方式を採用していると判断すれば、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定することができる。
【0069】
本願の実施例では、第1端末は、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信すると、スマートコントラクトを呼び出し、実行ノードによって開始されたファームウェア更新要求に対してスマート更新管理制御を行うことで、ファームウェア更新のセキュリティを確保することができる。ここで、該ファームウェア更新要求には、該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータが含まれてもよい。さらに、コントラクトノードは、ブロックチェーンから、第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得でき、取得したファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、該ファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータに対してコントラクト検出を行え、コントラクト検出結果を満たすファームウェア更新要求を正当な更新要求として決定でき、逆に、コントラクト検出結果を満たさないファームウェア更新要求を不正な更新要求として決定できる。ここから分かるように、コントラクトノードは、該第1サーバノードの最下層ファームウェアに対する全ての更新操作について、スマートコントラクトにより、正当なファームウェア更新操作と不正なファームウェア更新操作とを効果的に区別することができる。これにより、ファームウェア更新の信頼性を向上させる。
【0070】
さらに、本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づく別のデータ処理方法の手順の模式図である図5を参照されたい。前記方法は、コントラクトノードとして機能する電子機器に適用できる。前記方法は、下記のステップを含んでもよい。
ステップS201で、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信する。
【0071】
ここで、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる。
【0072】
ステップS202で、前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得し、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである。
【0073】
具体的には、前記スマートコントラクトを呼び出すことにより、前記第1サーバノードの前記ブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得し、前記ブロックチェーンアドレスが、前記ブロックチェーンが前記第1サーバノードの公開鍵情報に基づいてハッシュ計算を行うことにより一意に決定されたものである。前記ブロックチェーンアドレスに基づいて、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得し、前記第1ブロックにおいて、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴として決定し、前記第2バージョンパラメータが、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータである。前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードに関連付けられた過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として決定する。
【0074】
ステップS203で、前記ファームウェアバージョン更新履歴における前記第1バージョンパラメータに基づいて、前記更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行う。
【0075】
具体的には、コントラクトノードは、ステップS203の実行を完了した後、ロールバック検出結果に基づいて、ステップS204を実行するか、それとも、ステップS205を実行するかを決定してもよい。
【0076】
ステップS204で、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと同じであることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定する。
【0077】
ここで、前記不正な更新要求は、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものである。理解すべきものとして、前記コントラクトノードは、ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定した後、さらに、ステップS207~ステップS208にジャンプして実行してもよい。
【0078】
ステップS205で、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定し、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する。
【0079】
具体的には、前記ファームウェア更新要求には、前記第1サーバノードの実行バージョンパラメータがさらに含まれてもよく、前記ファームウェアバージョン配布履歴に関連付けられた過去バージョン配布行動情報の中から、第1バージョン配布行動情報を取得し、前記第1バージョン配布行動情報が、前記過去バージョン配布行動情報のうち最大バージョン配布タイムスタンプを有するバージョン配布行動情報である。前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定する。本願の実施例では、前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていないが、前記過去バージョン配布行動情報のうちの第2バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ブロックチェーンから、前記更新バージョンパラメータを使用してファームウェア更新を行ったM個(Mは2より大きい正の整数)の第2サーバノードを検索し、さらに、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報を取得し、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報のいずれにも前記実行バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定する。本願の実施例では、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報に、前記実行バージョンパラメータが含まれていないバージョン更新行動情報が存在することを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定する。
【0080】
理解を容易にするために、さらに、本願の実施例で提供されたバージョン配布行動情報の取得の模式図である図6を参照されたい。図6に示すコントラクトノード1は、図6に示すブロックチェーンから、上記ファームウェアKのバージョン配布行動情報を取得することができ、前記バージョン配布行動情報には、第1バージョン配布行動情報と第2バージョン配布行動情報とが含まれてもよい。理解すべきものとして、更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報1を、全てのバージョン配布行動情報におけるファームウェアバージョン配布情報と比較することにより、図6に示す更新バージョン情報1がチェーン上に存在するか否かを迅速に判断することができる。存在すると判断した場合、さらに、この更新バージョン情報1が、最新配布のファームウェアバージョン配布情報であるか否かを判断してもよい。理解すべきものとして、要求された更新バージョンが最新バージョンである場合、この更新バージョン情報のハッシュ値を、最新配布のファームウェアバージョン配布情報のハッシュ値と直接比較してもよい。両者のハッシュ値が同じである場合、即ち、ファームウェアバージョンのハッシュ値が一致していると決定した場合、コントラクト検出に合格したと決定することができ、つまり、上記ステップS201で実行ノードから送信されたファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定することができる。本願の実施例では、両者のハッシュ値が異なる場合、コントラクト検出に合格できなかったと決定し、さらに、下記ステップS207~ステップS208にジャンプして実行することができる。
【0081】
ここで、前記第1バージョン配布行動情報は、該コントラクトノード1が第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいてブロックチェーンから検索したファームウェアKの今まで最後の配布状態である。このとき、該第1バージョン配布行動情報は、前記ファームウェアKの過去バージョン配布行動情報のうち最大バージョン配布タイムスタンプを有するバージョン配布行動情報であってもよい。したがって、本願の実施例では、該第1バージョン配布行動情報によって、実行ノードから要求された更新バージョン(即ち、更新バージョン情報1)が最新バージョンであるか否かを迅速に決定することができる。
【0082】
理解すべきものとして、図6に示すように、要求された更新バージョンが最新バージョンではないと決定した場合、該更新バージョン情報1を使用してファームウェア更新を行ったM個の他のサーバノードを取得してもよい。M個の他のサーバノードの各々は、第2サーバノードと呼ぶことができる。このとき、コントラクトノードは、上記図6に示すブロックチェーンネットワークから、各第2サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、相応の第2サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴をそれぞれ検索することができ、つまり、M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報を取得することができる。
【0083】
理解すべきものとして、M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報のいずれにも前記実行バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定する。つまり、コントラクトノードは、M個の第2サーバノードが既にこのファームウェア更新方式でファームウェアKを更新したと決定した場合、実行ノードが第1サーバノードにおけるファームウェアKに対しても同じファームウェア更新方式でファームウェア更新を行うことを許可してもよい。例えば、M個の第2サーバノードのいずれも、現在実行している第1ファームウェアバージョン情報から、要求された更新先の第2ファームウェアバージョン情報に更新された場合、実行ノードが、第1サーバノードのファームウェアKのファームウェアバージョン情報を、前記第1ファームウェアバージョン情報から第2ファームウェアバージョン情報に更新するようにしてもよい。
【0084】
これに鑑みて、本願の実施例では、同じ企業のイントラネットの環境で、不正な攻撃者が少数のマシン(即ち、第1サーバノード)をクラッキングし、さらに第1サーバノードにおけるファームウェアに対して更新操作を行う可能性があるが、該第1サーバノードに対する更新操作を、このファームウェア更新方式を採用する大多数(即ち、M個)の他のマシン(即ち、第2サーバノード)の更新行動と比較することにより、一致しないと決定した場合、効率的に該第1サーバノードに対する更新操作を不正な操作とみなすことができ、大規模なサーバクラスタにおいて、この不正な操作に対応する第1サーバノードを異常ノードとして迅速に特定することができる。
【0085】
ここから分かるように、図5に示すように、コントラクトノードは、上記ステップS205の実行を完了した後、ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、さらに、ステップS206を実行してもよい。本願の実施例では、該コントラクトノードは、ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定した場合、さらに、以下のステップS207~ステップS208を実行してもよい。
【0086】
ステップS206で、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、前記第1サーバノードに対するファームウェア更新のためのフィードバック情報を前記実行ノードに返信し、前記フィードバック情報が、前記実行ノードに対し、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報を、前記実行バージョンパラメータにおける実行バージョン情報から、前記更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報に更新するよう指示するためのものである。
【0087】
ステップS207で、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であることを検出した場合、コントラクトの実行に失敗したと確認し、前記実行ノードに前記不正な更新要求を返却する。
【0088】
ステップS208で、前記実行ノードから送信された、前記第1サーバノードに対する次のファームウェア更新要求を受信すると、前記次のファームウェア更新要求を前記不正な更新要求としてマークし、前記不正な更新要求が、前記配布ノードに対し、セキュリティ監査を行う時に前記実行ノードに対する警告情報を生成するよう指示するためのものである。
【0089】
本願の実施例では、コントラクトノードは、上記ステップS206の実行を完了した後、前記更新バージョンパラメータに対して前記第1サーバノードによって署名された確認情報を受信するステップであって、前記確認情報が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報の更新を完了したことを示すためのものである、ステップと、前記第1サーバノードの公開鍵情報で前記確認情報の署名検証を行い、署名検証が成功した場合、前記スマートコントラクトの呼び出しが完了したと決定するステップと、前記確認情報及び前記ファームウェア更新要求に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新し、前記第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込むステップと、を実行してもよい。
【0090】
理解を容易にするために、さらに、本願の実施例で提供されたファームウェアバージョン更新履歴の構築の模式図である図7を参照されたい。図7に示すようなファームウェアバージョン更新履歴4は、入力情報と出力情報とから構成されている。図7に示すように、入力情報は、コントラクトノードによるスマートコントラクトの実行過程に係るノードAによって提供される実行バージョンパラメータ及び更新バージョンパラメータであってもよい。したがって、実行ノードAがコントラクトノードにファームウェア更新要求を送信する前に、該実行ノードAは、現在第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータと、該第1サーバノードが現在実行している実行バージョンパラメータとを提供する必要がある。このとき、該第1サーバノードは、ファームウェアKの実行バージョンパラメータ(即ち、図7に示す旧ファームウェアバージョンV1及び旧ファームウェアハッシュ値H1)及び更新バージョンパラメータ(即ち、図7に示す新ファームウェアバージョンV2及び新ファームウェアハッシュ値H2)を入力情報と呼ぶことができる。本願の実施例では、実行ノードAは、入力情報を取得すると、自分の秘密鍵でこの入力情報に署名することにより、第1署名情報を取得し、該実行ノードAの公開鍵を、該実行ノードAが署名した第1署名情報とともにファームウェア更新要求に追加してコントラクトノードに送信してもよい。したがって、コントラクトノードは、スマートコントラクトを呼び出す過程において、該実行ノードAの公開鍵で該第1署名情報の署名検証を行うことにより、ファームウェア更新要求から上記入力パラメータ(即ち、入力情報)を取得することができ、つまり、ファームウェアKの更新バージョンパラメータ及び実行バージョンパラメータを取得することができる。
【0091】
図7に示すように、出力情報には、サーバノードB(即ち、第1サーバノード)によって収集・報告された新しい実行バージョンパラメータが含まれてもよい。この新しい実行バージョンパラメータは、更新バージョンパラメータを使用して、実行バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったものであってもよい。このとき、第1サーバノードで実行されている新しい実行バージョン情報は、図7に示すような、新ファームウェアバージョンがV2であり、新ファームウェアハッシュ値がH2である更新バージョンパラメータであってもよい。図7に示すように、第1サーバノードは、コントラクトノードに確認情報を送信する前に、現在収集されている新しい実行バージョンパラメータを出力情報とし、サーバノードBの秘密鍵でこの出力情報に署名することにより、第2署名情報を取得し、第2署名情報を該サーバノードBの公開鍵とともに出力情報に追加してコントラクトノードに送信してもよい。したがって、コントラクトノードは、該サーバノードBから送信された確認情報を受信した後、該サーバノードBの公開鍵で該確認情報の署名検証を行うことにより、該サーバノードBによって提供された出力情報を取得することができ、つまり、該サーバノードBによって提供された新しい実行バージョンパラメータを取得することができる。
【0092】
さらに、コントラクトノードは、図7に示す入力情報及び出力情報に基づいて、前記第1サーバノードに関連付けられたターゲットバージョン更新行動情報を決定することができ、前記ターゲットバージョン更新行動情報に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新することができる。つまり、図7に示すように、該コントラクトノードは、入力情報、入力情報に対する実行ノードAの署名及び実行ノードAの公開鍵、出力情報、出力情報に対するサーバノードBの署名及びサーバノードBの公開鍵に基づいて、図7に示すファームウェアバージョン更新履歴4を生成することができ、図7に示すブロックチェーン20にファームウェアバージョン更新履歴4を書き込むことができる。本願の実施例では、図7に示すブロックチェーン20は、上記図6に対応する実施例におけるブロックチェーン10と同じブロックチェーンネットワークに属してもよいが、ここではこれを限定しない。
【0093】
ここで、本願の実施例では、理解を容易にするために、上記図3に示すネストされたハッシュチェーンの構造に基づいて、ブロックN+2の後に、ファームウェアバージョン更新履歴4が含まれるブロック(即ち、ブロックN+3)を追加してもよい。ここで、コントラクトノードは、該ファームウェアバージョン更新履歴4のハッシュ値を計算してもよく、ブロックN+2が生成された後、ブロックN+3が生成される前の期間内に、該第1サーバノードにおける他のファームウェアに対する更新操作が存在しなければ、該ファームウェアバージョン更新履歴4のハッシュ値をブロックN+3のマークルツリーのルートとし、前のブロックのハッシュ値を、ブロックN+3のブロックヘッダにおける親ブロックハッシュ値としてもよく、さらに、ブロックN+2の後に、生成されたブロックN+3を同じブロックチェーンに書き込んでもよい。ここで、本願の実施例では、新しいブロックが生成された場合、他のノードがこの新しいブロックを発見できるように、この新たに生成されたブロックをネットワーク全体でブロードキャストする必要がある。さらに、コンセンサスが達成された後、このブロックN+3をブロックN+2の位置するブロックチェーンに書き込んで順序よく記憶すると決定してもよい。
【0094】
理解を容易にするために、さらに、本願の実施例で提供された配布ノードを介したセキュリティ監査の模式図である図8を参照されたい。図8に示すようなブロックチェーン30は、上記図7に示すファームウェアバージョン更新履歴4が含まれるブロックN+3を、上記図3に対応する実施例におけるネストされたハッシュチェーンに書き込んだブロックチェーンであってもよい。
【0095】
本願の実施例では、全ての更新結果(即ち、上記ファームウェアバージョン更新履歴4)をブロックチェーンに記録することにより、後続のセキュリティ状態監査のために、改ざん不可で紛失されにくい分散データ基準を提供することができ、任意のマシンに対するセキュリティ状態監査を実現することができる。セキュリティ状態監査を行う監査過程では、配布ノードは、監査対象マシンから読み取られたファームウェアデータを自動的に収集して分析し、オンチェーンファームウェア情報とオフチェーンファームウェア情報とが一致しないと決定した場合、その異常を迅速に警告することができ、さらに、高度な脅威の侵入手段に対する検知能力を効果的に向上させることができ、企業イントラネットのセキュリティを顕著に向上させることができる。
【0096】
本願の実施例では、実行ノードが第1サーバノードにおけるファームウェアに対して更新操作を完了した後、ブロックチェーンにおける他のノード(例えば、収集ノード)も、オフチェーンで該第1サーバノードにおけるファームウェア情報を継続的に収集することに用いられてもよい。収集頻度については、該第1サーバノードが再起動されるたびに、該第1サーバノードのファームウェア情報の収集を開始してもよく、本願の実施例では、該第1サーバノードのファームウェア情報の収集を定期的又は周期的に開始してもよい。ここで、前記収集方式は、自動収集及び分析ツール(例えば、統一された拡張可能なファームウェア・インタフェース・ツールなど)を使用することに限定されない。配布ノードは、ブロックチェーンに位置する任意のサーバノードのセキュリティ状態に対してセキュリティ監査を行い、これらのサーバノードのオフチェーンファームウェア情報とオンチェーンファームウェア情報とを比較することにより、これらのサーバノードのセキュリティ状態を決定することができる。
【0097】
理解を容易にするために、本願の実施例では、これらのサーバノードのうちの1つ(即ち、上記図1に対応する実施例におけるサーバノード40aを第1サーバノードとして)を例にして、配布ノードが該サーバノード40a(即ち、第1サーバノード)に対してセキュリティ監査を行う具体的な実現過程を説明する。ここで、本願の実施例では、配布ノードも、サーバノード40aから、該サーバノード40aで現在実行しているファームウェア情報を定期的又は周期的に読み取り、現在読み取ったファームウェア情報をオフチェーンファームウェア情報と呼ぶことができる。
【0098】
理解すべきものとして、収集ノードの場合、収集ノードは、サーバノード40a(即ち、第1サーバノード)から読み取られたファームウェア情報を定時的又は周期的にデータミドルプラットフォームに伝送してもよい。その後、データミドルプラットフォームは、読み取られたファームウェア情報をバックグラウンドに渡してもよい。これにより、読み取られたファームウェア情報をバックグラウンドで選別してフィルタリングして、該第1サーバノードのオフチェーンファームウェア情報を取得することができる。このようにして、後で、配布ノードは、該第1サーバノードのセキュリティ状態に対してセキュリティ監査を行う必要がある場合、バックグラウンドから、該第1サーバノードのオフチェーンファームウェア情報を取得することができる。
【0099】
また、配布ノードは、ブロックチェーンから、該第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、今まで最後の更新状態を取得することもでき、つまり、該第1サーバノードにおけるファームウェアに対してファームウェア更新を行った後の最新のファームウェアバージョン更新履歴(即ち、図8に示すような、最大タイムスタンプを有するブロックN+3に位置するファームウェアバージョン更新履歴4)を見つけることができ、したがって、このファームウェアバージョン更新履歴4に記載されている第1サーバノードのファームウェア情報(即ち、オンチェーンファームウェア情報)を、前述したオフチェーンファームウェア情報の比較基準とすることができる。これにより、オフチェーンファームウェア情報とオンチェーンファームウェア情報の両者が一致すると決定した場合、第1サーバノードが今回のセキュリティ監査に合格したと決定することができ、第1サーバノードの属するユーザ又は端末に正常値を返すことができる。本願の実施例では、オフチェーンファームウェア情報とオンチェーンファームウェア情報の両者を比較した結果、一致しないと決定した場合は、該第1サーバノードのファームウェアの完全性状態に異常が発生したことを表し、この場合、モバイル側、WEB側での警告情報(ワークシート情報とも呼ばれる)によって、警告情報を管理者、又は該第1サーバノードの属するユーザに返す。
【0100】
ここで、ワークシート情報(即ち、警告情報)は、(1)イベント時間(即ち、第1サーバノードに対してセキュリティ監査を行った時間)と、(2)例えば、マシンの担当者、所属する地域、所属する業務、対応するIP、対応する公開鍵のような業務情報と、(3)報告されたファームウェアバージョン及びファームウェアハッシュと、(4)例えば、マシンの公開鍵、ファームウェアバージョン及びファームウェアハッシュのような、チェーンに記録されたマシン情報と、(5)更新日時や更新実行者情報などを含む前回更新イベントと、を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0101】
理解すべきものとして、侵入される危険な状態がワークシート情報によって確認された場合、緊急対応プロセスを開始してもよく、例えば、異常が存在するマインをネットワークから隔離してもよく、さらに詳細なセキュリティ監査を行ってもよい。
【0102】
本願の実施例では、第1端末は、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信すると、スマートコントラクトを呼び出し、実行ノードによって開始されたファームウェア更新要求に対してスマート更新管理制御を行うことで、ファームウェア更新のセキュリティを確保することができる。ここで、該ファームウェア更新要求には、該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータが含まれてもよい。さらに、コントラクトノードは、ブロックチェーンから、第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得でき、取得したファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、該ファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータに対してコントラクト検出を行え、コントラクト検出結果を満たすファームウェア更新要求を正当な更新要求として決定でき、逆に、コントラクト検出結果を満たさないファームウェア更新要求を不正な更新要求として決定できる。ここから分かるように、コントラクトノードは、該第1サーバノードの最下層ファームウェアに対する全ての更新操作について、スマートコントラクトにより、正当なファームウェア更新操作と不正なファームウェア更新操作とを効果的に区別することができる。これにより、ファームウェア更新の信頼性を向上させる。
【0103】
さらに、本願の実施例で提供されたスマートコントラクトに基づくデータ処理装置の構成の模式図である図9を参照されたい。このデータ処理装置1は、上記図1に対応する実施例におけるコントラクトノード20aに適用できる。図9に示すように、このデータ処理装置1は、要求受信モジュール10と、コントラクト呼び出しモジュール20と、正当性決定モジュール30とを含んでもよい。さらに、このデータ処理装置1は、確認受信モジュール40と、署名検証モジュール50と、履歴更新モジュール60とを含んでもよい。
【0104】
要求受信モジュール10は、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信し、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第
【0105】
コントラクト呼び出しモジュール20は、前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得し、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものであり、
ここで、前記コントラクト呼び出しモジュール20は、アドレス取得ユニット201と、ブロック取得ユニット202と、更新履歴決定ユニット203と、配布履歴決定ユニット204と、を含み、
アドレス取得ユニット201は、前記スマートコントラクトを呼び出すことにより、前記第1サーバノードの前記ブロックチェーン上のブロックチェーンアドレスを取得し、前記ブロックチェーンアドレスが、前記ブロックチェーンが前記第1サーバノードの公開鍵情報に基づいてハッシュ計算を行うことにより一意に決定されたものであり、
ブロック取得ユニット202は、前記ブロックチェーンアドレスに基づいて、前記ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられた第1ブロック及び第2ブロックを取得し、
更新履歴決定ユニット203は、前記第1ブロックにおいて、第1バージョンパラメータ及び第2バージョンパラメータが付されている過去バージョン更新行動情報を、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴として決定し、前記第2バージョンパラメータが、前記第1バージョンパラメータに対してファームウェア更新を行ったバージョンパラメータであり、
配布履歴決定ユニット204は、前記第2ブロックにおいて、前記第1サーバノードに関連付けられた過去バージョン配布行動情報をファームウェアバージョン配布履歴として決定する。
【0106】
ここで、アドレス取得ユニット201、ブロック取得ユニット202、更新履歴決定ユニット203、及び配布履歴決定ユニット204の具体的な実現形態については、上記図2に対応する実施例におけるステップS102の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0107】
正当性決定モジュール30は、前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する。
【0108】
ここで、前記正当性決定モジュール30は、ロールバック検出ユニット301と、不正決定ユニット302と、正当性決定ユニット303とを含み、
ロールバック検出ユニット301は、前記ファームウェアバージョン更新履歴における前記第1バージョンパラメータに基づいて、前記更新バージョンパラメータに対してロールバック検出を行い、
不正決定ユニット302は、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと同じであることを検出した場合、バージョンロールバックが存在すると決定し、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定し、前記不正な更新要求が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのバージョン情報に対するファームウェア更新権限を有しないことを示すためのものであり、
正当性決定ユニット303は、前記第1バージョンパラメータが前記更新バージョンパラメータと異なることを検出した場合、バージョンロールバックが存在しないと決定し、前記更新バージョンパラメータ及び前記ファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定する。
【0109】
ここで、前記ファームウェア更新要求には、前記第1サーバノードの実行バージョンパラメータがさらに含まれ、
前記正当性決定ユニット303は、第1配布サブユニット3031と、第1決定サブユニット3032とを含む。さらに、前記正当性決定ユニットは、ノード取得サブユニット3033と、行動取得サブユニット3034と、第2決定サブユニット3035と、第3決定サブユニット3036と、フィードバックサブユニット3037と、要求返却サブユニット3038と、不正識別サブユニット3039とをさらに含む。
【0110】
第1配布サブユニット3031は、前記ファームウェアバージョン配布履歴に関連付けられた過去バージョン配布行動情報の中から、第1バージョン配布行動情報を取得し、前記第1バージョン配布行動情報が、前記過去バージョン配布行動情報のうち最大バージョン配布タイムスタンプを有するバージョン配布行動情報であり、
第1決定サブユニット3032は、前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定する。
【0111】
本願の実施例では、ノード取得サブユニット3033は、前記第1バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていないが、前記過去バージョン配布行動情報のうちの第2バージョン配布行動情報に前記更新バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ブロックチェーンから、前記更新バージョンパラメータを使用してファームウェア更新を行ったM個(Mは2より大きい正の整数)の第2サーバノードを検索し、
動作取得サブユニット3034は、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報を取得し、
第2決定サブユニット3035は、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報のいずれにも前記実行バージョンパラメータが含まれていることを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定し、
第3の決定ユニット3036は、前記M個の第2サーバノードのバージョン更新行動情報に、前記実行バージョンパラメータが含まれていないバージョン更新行動情報が存在することを検出した場合、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であると決定する。
【0112】
本願の実施例では、フィードバックサブユニット3037は、前記ファームウェア更新要求が正当な更新要求であると決定した場合、前記第1サーバノードに対するファームウェア更新のためのフィードバック情報を前記実行ノードに返信し、前記フィードバック情報が、前記実行ノードに対し、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報を、前記実行バージョンパラメータにおける実行バージョン情報から、前記更新バージョンパラメータにおける更新バージョン情報に更新するよう指示するためのものである。
【0113】
本願の実施例では、要求返却サブユニット3038は、前記ファームウェア更新要求が不正な更新要求であることを検出した場合、コントラクトの実行に失敗したと確認し、前記実行ノードに前記不正な更新要求を返却し、
不正識別サブユニット3039は、前記実行ノードから送信された、前記第1サーバノードに対する次のファームウェア更新要求を受信すると、前記次のファームウェア更新要求を前記不正な更新要求として識別し、前記不正な更新要求が、前記配布ノードに対し、セキュリティ監査を行う時に前記実行ノードに対する警告情報を生成するよう指示するためのものである。
【0114】
ここで、前記警告情報は、前記配布ノードが、前記ブロックチェーンから取得された、前記第1サーバノードのオンチェーン更新バージョンパラメータと、前記第1サーバノードのローカルから収集された更新済みの実行バージョンパラメータとに基づいて、セキュリティ監査を行うことにより取得されたものである。
【0115】
ここで、第1配布サブユニット3031、第1決定サブユニット3032、ノード取得サブユニット3033、行動取得サブユニット3034、第2決定サブユニット3035、第3の決定サブユニット3036、フィードバックサブユニット3037、要求返却サブユニット3038、不正識別サブユニット3039の具体的な実現形態については、上記図2に対応する実施例におけるステップS103の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0116】
ここで、ロールバック検出ユニット301、不正決定ユニット302、正当性決定ユニット303の具体的な実現形態については、上記図2に対応する実施例におけるステップS103の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0117】
本願の実施例では、確認受信モジュール40は、前記更新バージョンパラメータに対して前記第1サーバノードによって署名された確認情報を受信し、前記確認情報が、前記実行ノードが前記第1サーバノードのファームウェアバージョン情報の更新を完了したことを示すためのものであり、
署名検証モジュール50は、前記第1サーバノードの公開鍵情報で前記確認情報の署名検証を行い、署名検証が成功した場合、前記スマートコントラクトの呼び出しが完了したと決定し、
履歴更新モジュール60は、前記確認情報及び前記ファームウェア更新要求に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新し、前記第1サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込む。
【0118】
ここで、前記履歴更新モジュール60は、第1情報決定ユニット601と、第2情報決定ユニット602と、更新行動決定ユニット603と、履歴書き込みユニット604とを含む。
【0119】
第1情報決定ユニット601は、前記ファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータ、実行バージョンパラメータを、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴を構築するための入力情報とし、
第2情報決定ユニット602は、前記確認情報に付されている前記更新バージョンパラメータを、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴を構築するための出力情報とし、
更新行動決定ユニット603は、前記入力情報及び前記出力情報に基づいて、前記第1サーバノードに関連付けられたターゲットバージョン更新行動情報を決定し、前記ターゲットバージョン更新行動情報に基づいて、前記第1サーバノードのファームウェアバージョン更新履歴を更新し、
履歴書き込みユニット604は、前記サーバノードのブロックチェーンアドレスに基づいて、更新済みのファームウェアバージョン更新履歴を前記ブロックチェーンに書き込む。
【0120】
ここで、前記第1情報決定ユニット601、第2情報決定ユニット602、更新行動決定ユニット603、履歴書き込みユニット604の具体的な実現形態については、上記図2に対応する実施例におけるファームウェアバージョン更新履歴の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0121】
ここで、前記要求受信モジュール10、コントラクト呼び出しモジュール20、正当性決定モジュール30の具体的な実現形態については、上記図2に対応する実施例におけるステップS101~ステップS103の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。本願の実施例では、確認受信モジュール40、署名検証モジュール50、及び履歴更新モジュール60の具体的な実現形態については、上記図5に対応する実施例におけるステップS201~ステップS208の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0122】
本願の実施例では、第1端末は、実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信すると、スマートコントラクトを呼び出し、実行ノードによって開始されたファームウェア更新要求に対してスマート更新管理制御を行うことで、ファームウェア更新のセキュリティを確保することができる。ここで、該ファームウェア更新要求には、該第1サーバノードに対するファームウェア更新に使用される予定の更新バージョンパラメータが含まれてもよい。さらに、コントラクトノードは、ブロックチェーンから、第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得でき、取得したファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴に基づいて、該ファームウェア更新要求における更新バージョンパラメータに対してコントラクト検出を行え、コントラクト検出結果を満たすファームウェア更新要求を正当な更新要求として決定でき、逆に、コントラクト検出結果を満たさないファームウェア更新要求を不正な更新要求として決定できる。ここから分かるように、コントラクトノードは、該第1サーバノードの最下層ファームウェアに対する全ての更新操作について、スマートコントラクトにより、正当なファームウェア更新操作と不正なファームウェア更新操作とを効果的に区別することができる。これにより、ファームウェア更新の信頼性を向上させる。
【0123】
さらに、本願の実施例で提供されたノード機器の構成の模式図である図10を参照されたい。図10に示すように、前記ノード機器1000は、上記図1に対応する実施例におけるコントラクトノード20aに適用できる。前記ノード機器1000は、プロセッサ1001と、ネットワークインタフェース1004と、メモリ1005とを含んでもよい。また、前記ノード機器1000は、ユーザインタフェース1003、及び少なくとも1つの通信バス1002をさらに含んでもよい。ここで、通信バス1002は、これらのコンポーネント間の接続・通信を実現するために用いられる。ここで、ユーザインタフェース1003は、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)を含んでもよい。ユーザインタフェース1003は、標準的な有線インタフェース、無線インタフェースをさらに含んでもよい。本願の実施例では、ネットワークインタフェース1004は、標準的な有線インタフェース、無線インタフェース(例えば、WI-FIインタフェース)を含んでもよい。メモリ1005は、高速RAMメモリであってもよいし、例えば、少なくとも1つのディスクメモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)であってもよい。本願の実施例では、メモリ1005は、上記プロセッサ1001から離れて配置された少なくとも1つの記憶装置であってもよい。図10に示すように、コンピュータ記憶媒体としてのメモリ1005には、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、ユーザインタフェースモジュール、及び機器制御アプリケーションが含まれてもよい。
【0124】
該ノード機器1000のネットワークインタフェース1004は、ブロックチェーンにおける他のノード機器(例えば、アプリケーションサーバ)に接続されてもよく、ユーザインタフェース1003は、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)を含んでもよい。図10に示すノード機器1000において、ネットワークインタフェース1004は、ネットワーク通信機能を提供することができ、ユーザインタフェース1003は、主に、ユーザに入力インタフェースを提供するものであり、プロセッサ1001は、メモリ1005に記憶されたアプリケーションを呼び出すことにより、
実行ノードから送信された、第1サーバノードに対するファームウェア更新要求を受信するステップであって、前記ファームウェア更新要求には、少なくとも、前記第1サーバノードの更新バージョンパラメータが含まれる、ステップと、
前記ファームウェア更新要求に応じてスマートコントラクトを呼び出し、前記スマートコントラクトに基づいて、ブロックチェーンから、前記第1サーバノードに関連付けられたファームウェアバージョン更新履歴及びファームウェアバージョン配布履歴を取得するステップであって、前記ファームウェアバージョン配布履歴が、コンセンサスメカニズムに基づいて前記ブロックチェーンにおける配布ノードによって決定されたものである、ステップと、
前記ファームウェアバージョン更新履歴、前記ファームウェアバージョン配布履歴、前記更新バージョンパラメータに基づいて、前記ファームウェア更新要求の正当性を決定するステップと、を実現するために用いられてもよい。
【0125】
理解すべきものとして、本願の実施例に説明されたノード機器1000は、上記の対応する実施例における前記スマートコントラクトに基づくデータ処理方法についての説明を実現することができ、上記の対応する実施例における前記スマートコントラクトに基づくデータ処理装置1についての説明を実現することもできるが、ここでは説明を省略する。また、同様の方法による有益な効果についても、説明を省略する。
【0126】
また、ここで指摘すべきものとして、本願の実施例では、コンピュータ記憶媒体も提供されており、前記コンピュータ記憶媒体には、上記で言及されたスマートコントラクトに基づくデータ処理装置1が実行するコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムには、プログラム命令が含まれ、前記プロセッサは、前記プログラム命令を実行すると、上記の対応する実施例における前記スマートコントラクトに基づくデータ処理方法についての説明を実現することができるため、ここでは説明を省略する。また、同様の方法による有益な効果についても、説明を省略する。本願に係るコンピュータ記憶媒体の実施例に開示されていない技術的詳細については、本願の方法の実施例の説明を参照されたい。
【0127】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法における全部又は一部の手順は、コンピュータプログラムによって関連ハードウェアに指示することにより実現されてもよい。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。該プログラムは、実行されると、上記のような各方法の実施例の手順を含むことができる。ここで、前記記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、又はランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)などであってもよい。
【0128】
上記で開示されたのは、本願の好ましい実施例にすぎず、もちろん、これをもって本願の特許範囲を限定することはできないので、本願の特許請求の範囲に基づいて行われる均等な変更も本願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
10a 配布ノード
10b 配布ノード
10c 配布ノード
20a コントラクトノード
20b コントラクトノード
30a 実行ノード
30b 実行ノード
40a サーバノード
40b サーバノード
40c サーバノード
100 配布層
200 コントラクト層
300 実施層
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10