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特許7201440エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板及びその製造方法並びに表示パネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板及びその製造方法並びに表示パネル
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/06 20060101AFI20221227BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20221227BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221227BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20221227BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20221227BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20221227BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20221227BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H05B33/06
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/10
H05B33/14 A
G09F9/30 365
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018564919
(86)(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2018091952
(87)【国際公開番号】W WO2019001317
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201710558592.2
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】侯 文▲軍▼
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03046157(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03029751(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03113230(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148865(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03098854(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0144902(US,A1)
【文献】特開2015-069854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/06
H01L 27/32
H05B 33/02
H05B 33/12
H05B 33/22
H05B 33/10
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブストレート基板と、
前記サブストレート基板上に位置する、補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層及び第2電極と、
を備えるエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、
前記ピクセル規定層にはビアホール構造を有し、
前記補助電極は、前記ビアホール構造の少なくとも一側に位置し、
前記第2電極と前記補助電極とは電気的に接続され、
前記補助電極は、凹字形状構造であり、
前記ビアホール構造には導電性高分子層を有し、
前記第2電極と前記補助電極とは前記導電性高分子層を介して電気的に接続され、
前記サブストレート基板と前記ピクセル規定層との間に設けられた平坦化層をさらに備え、
前記ビアホール構造は前記ピクセル規定層から延出し且つ前記平坦化層を貫通する、
レクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項2】
前記補助電極の上面は、前記ビアホール構造における前記機能層の上面よりも高い、
請求項1に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項3】
前記補助電極は板状構造であり、又は前記補助電極は複数で間隔を置いて配列される、
請求項1又は2に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項4】
前記導電性高分子層の厚みは、前記ピクセル規定層の厚みよりも小さい、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項5】
前記導電性高分子層の導電率は10-6S/mよりも大きい、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項6】
前記導電性高分子層の材料は、ポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン、ポリアニリン及びポリチオフェンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項又はに記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項7】
前記導電性高分子層の厚みは前記平坦化層の厚みよりも大きく、且つ、前記平坦化層と前記ピクセル規定層との厚みの和よりも小さい、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項8】
前記導電性高分子層の上面と前記ピクセル規定層の上面とは一致する、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項9】
前記平坦化層及び前記ピクセル規定層を貫通する複数の前記ビアホール構造を備え、
前記第2電極は複数の前記ビアホール構造にてそれぞれ前記補助電極と電気的に接続される、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項10】
前記機能層の厚みは100nm~300nmであり、前記補助電極の厚みは0.5μm~1μmであり、前記平坦化層の厚みは1μm~3μmであり、前記ピクセル規定層の厚みは1μm~3μmであり、前記導電性高分子層の厚みは2μm~5.7μmである、
請求項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項11】
前記機能層は、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つを備える、
請求項10に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を備える、
表示パネル。
【請求項13】
サブストレート基板を提供するステップと、
前記サブストレート基板上に補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層及び第2電極を形成するステップと、を備えるエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板の製造方法において、
前記ピクセル規定層にはビアホール構造が形成され、
前記補助電極は前記ビアホール構造の少なくとも一側に形成され、
前記第2電極と前記補助電極とは電気的に接続され、
前記製造方法は、前記補助電極を形成する前に、前記サブストレート基板に平坦化層を形成するステップをさらに備えており、
前記ビアホール構造は前記ピクセル規定層から延出し且つ前記平坦化層を貫通しており、
前記製造方法は、前記ビアホール構造に導電性高分子層を形成するステップをさらに備えており、
前記第2電極と前記補助電極とは前記導電性高分子層を介して電気的に接続され、
前記補助電極は、凹字形状構造であり、前記平坦化層は、前記サブストレート基板と前記ピクセル規定層との間に設けられている、
レクトロルミネセントダイオードアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
前記ビアホール構造の少なくとも一側に形成される前記補助電極の上面は、前記ビアホール構造における前記機能層の上面よりも高い、
請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
インクジェットプリント方式により前記導電性高分子層を形成する、
請求項13に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2017年6月30日付出願の中国特許出願第201710558592.2号に基づく優先権を主張する。ここで、上記中国特許出願の全開示内容を援用することで本願の一部とする。
【0002】
本開示の少なくとも一実施例はエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板及びその製造方法並びに表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロルミネセントダイオードは、製造プロセスが簡単で、生産コストが低く、発光効率が良く、フレキシブル構造を形成しやすく、消費電力が少なく、色の飽和度が良く、視角が広いなどのメリットを有するもので、エレクトロルミネセントダイオードを利用した表示技術は既に重要な表示技術となった。
【0004】
エレクトロルミネセントダイオードには、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット発光ダイオード(QLED)などがある。例えば、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板は、複数のピクセル単位を含み、各ピクセル単位は、スイッチングトランジスタ、ドライブトランジスタやOLED表示素子などを含んでも良い。OLED表示素子は、主な構成要素として陽極と、陰極と、有機材料機能層とを含む電流型発光デバイスであればよい。OLED表示素子の作動原理は、有機材料機能層が、陽極及び陰極によって形成される電界の駆動で、キャリヤーの注入及び再結合により発光する。量子ドット発光ダイオード(QLED)の構成は、有機発光ダイオード(OLED)の構成とはよく似ており、主な相違点は、量子ドット発光ダイオード(QLED)の発光中心は量子ドット(Quantum dots)によって構成され、量子ドット発光ダイオード(QLED)の発光原理は、電子(Electron)と正孔(Hole)とが量子ドット層に結合した後は光子(Exciton)となり、光子の再結合により発光することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも一実施例は、エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を提供する。当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、サブストレート基板と、前記サブストレート基板上に位置する、補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層、第2電極とを備え、前記ピクセル規定層にはビアホール構造が設けられ、前記補助電極は前記ビアホール構造の少なくとも一側に位置し、前記第2電極と前記補助電極とは、電気的に接続される。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記補助電極の上面は前記ビアホール構造における前記機能層の上面よりも高い。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記補助電極は凹字形状構造である。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記補助電極は板状構造であり、又は、前記補助電極は複数で間隔をおいて配列する。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記ビアホール構造には導電性高分子層を有し、前記第2電極と前記補助電極とは前記導電性高分子層を介して電気的に接続される。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記導電性高分子層の厚みは前記ピクセル規定層の厚みよりも小さい。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記導電性高分子層の導電率は10-6S/mよりも大きい。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記導電性高分子層の材料はポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン、ポリアニリン及びポリチオフェンのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、前記サブストレート基板と前記ピクセル規定層との間に設けられた平坦化層をさらに備え、前記ビアホール構造は前記ピクセル規定層から延出し且つ前記平坦化層を貫通する。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記導電性高分子層の厚みは前記平坦化層の厚みよりも大きく、且つ前記平坦化層と前記ピクセル規定層との厚みの和よりも小さい。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記導電性高分子層の上面と前記ピクセル規定層の上面とは一致する。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、前記平坦化層及び前記ピクセル規定層を貫通する複数の前記ビアホール構造を備え、前記第2電極は複数の前記ビアホール構造にてそれぞれ前記補助電極と電気的に接続される。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記機能層の厚みは100nm~300nmであり、前記補助電極の厚みは0.5μm~1μmであり、前記平坦化層の厚みは1μm~3μmであり、前記ピクセル規定層の厚みは1μm~3μmであり、前記導電性高分子層の厚みは2μm~5.7μmである。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、前記機能層は発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つを備える。
【0019】
本開示の少なくとも一実施例は、以上いずれか一項に記載のエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を備える表示パネルをさらに提供する。
【0020】
本開示の少なくとも一実施例はエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板の製造方法をさらに提供する。当該製造方法は、サブストレート基板を提供するステップと、前記サブストレート基板上に補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層及び第2電極を形成するステップと、を備え、前記ピクセル規定層にはビアホール構造が形成され、前記補助電極は前記ビアホール構造の少なくとも一側に形成され、前記第2電極と前記補助電極とは電気的に接続される。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、前記ビアホール構造の少なくとも一側に形成される前記補助電極の上面は前記ビアホール構造における前記機能層の上面よりも高い。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法は、前記補助電極を形成する前に、前記サブストレート基板に平坦化層を形成するステップをさらに備え、前記ビアホール構造は前記ピクセル規定層から延出し且つ前記平坦化層を貫通する。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法は、さらに前記ビアホール構造に導電性高分子層を形成するステップを含み、前記第2電極と前記補助電極とは前記導電性高分子層を介して電気的に接続される。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、インクジェットプリント方式により前記導電性高分子層を形成する。
【0025】
本開示の実施例の技術案をさらに明確に説明するためには、以下は実施例の添付図面を簡単に説明する。無論、下記説明における図面は、本開示の一部の実施例に過ぎず、本開示を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面図である。
図2】本開示の一実施例に係る有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。
図3】本開示の一実施例に係る有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す平面概念図である。
図4】本開示の一実施例に係る別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。
図5】本開示の一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。
図6】本開示の一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。
図7】本開示の少なくとも一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。
図8】本開示の一実施例に係る表示パネルのブロック図である。
図9】本開示の一実施例に係る有機発光ダイオードアレイ基板の製造プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施例の目的、技術案及びメリットをさらに明確にするためには、以下は本開示の実施例の図面に基づいて本開示の実施例の技術案を明確かつ全面的に説明する。無論、以下に説明された実施例は本開示の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。当業者は以下に説明された本開示の実施例に基づいて、創造的な労働を払うことなく得られた全ての実施例が、本開示の保護範囲に含まれる。
【0028】
特別な定義がない限り、本開示に用いられる技術用語又は科学用語は、当分野において一般的な技能を持つ技術者にとって理解できる通常の意味を有する。本開示において用いられる「第1」、「第2」及び類似な用語は、順番、数量又は優先順位を表すものではなく、互いに異なる構成部分を区別するためのものである。「含む」又は「含有する」などの類似な意味を有する表現は、その前に位置する部材又はものは、その後に列挙された部材、もの又はそれらの均等物をカバーするとともに、その他の部材又はものを排除しないとの意味で使われる。「連接」又は「連なる」などの類似な意味を有する表現は、物理的又は機械的な連接に限らず、電気的な接続、直接又は間接的な連接との意味を有しても良い。「上」、「下」、「右」、「左」などの表現は、相対的な位置関係を示すもののみであり、説明された対象の絶対的な位置が変更すると、当該相対位置も適当に変更する。
【0029】
エレクトロルミネセントダイオード、例えば、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット発光ダイオード(QLED)などは、電流型の駆動素子であることが多く、駆動電流を提供するための外部回路が長すぎ又は細すぎる場合、外部回路は大きな電圧勾配(電圧降下)を招来する。電圧降下を軽減するために、一般的にはエレクトロルミネセントダイオード表示素子に補助電極を追加し、例えば、エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板には補助電極が設けられ、補助電極は、ビアホール構造により陰極と電気的に接続される。しかし、OLED素子の製造プロセス、特にサイズが大きなOLEDパネルの製造プロセスでは、ビアホール構造に有機材料が蒸着され、有機材料は陰極と補助電極とを離隔させることがある。QLED素子の製造プロセス、特にサイズが大きなQLED面板の製造プロセスでは、ビアホール構造に量子ドット発光層が印刷により形成され、量子ドット発光層は、陰極と補助電極とを離隔させることがある。
【0030】
例えば、有機発光ダイオードアレイ基板を例にして説明する。図1は有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面図である。図1に示すように、当該有機発光ダイオードアレイ基板は、サブストレート基板101と、当該サブストレート基板101上に設けられた、補助電極102、平坦化層103、第1電極104、有機材料機能層105、第2電極106、ピクセル規定層108とを備え、当該平坦化層103にはビアホール構造107が設けられる。
【0031】
例えば、OLEDアレイ基板の第2電極106は、一般的には薄層の金属銀によって製造され、第1電極104は、一般的にはITO(indium tin oxide、酸化インジウムスズ)によって製造され、薄層の金属銀及び酸化インジウムスズ(ITO)の抵抗率が比較的に高く、特に大きな面積に成形された第2電極106に対しては、薄層の金属銀によって製造された第2電極106の抵抗率が比較的に高いので、大きな電圧降下(IR drop) を招来し、OLEDアレイ基板の実の駆動電圧と電源電圧との差が大きく、サイズが大きなOLED表示素子においては、広面積の明度不均一が表れ、表示効果に悪影響を与える結果となる。図1に示すように、サブストレート基板101上に補助電極102を設置することで第2電極106の抵抗を低くすることができる一方、後に形成された有機材料機能層105は、補助電極102と第2電極106とを電気的に隔絶させ、補助電極102は第2電極106とは並列に接続できなくなり、電圧降下を有効に減少することができない。
【0032】
本開示の発明者は、補助電極の構造設計を変えることで第2電極と補助電極との電気的な接続を保証することにより、第2電極と電気的に接続された補助電極は第2電極の等価厚みを増大させ、且つ第2電極の抵抗を減少させ、薄い金属を第2電極とする時の第2電極の抵抗が大きいことによる電圧降下が大きいとの問題を解決でき、電圧降下が大きいことによる有機エレクトロルミネセント表示パネルの損壊を防止できることに着目した。
【0033】
本開示の少なくとも一実施例は、サブストレート基板と、サブストレート基板上に位置する、補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層、第2電極とを備えるエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板であって、当該ピクセル規定層にはビアホール構造が設けられ、補助電極は当該ビアホール構造の少なくとも一側に位置し、当該第2電極は補助電極と電気的に接続するエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を提供する。本開示の実施例は、補助電極の構造設計を変えることで第2電極と補助電極との電気的な接続を保証し、外部回路の電圧降下が大きいとの問題を解決した。
【0034】
本開示の少なくとも一実施例は、エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板が有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板又は量子ドット発光ダイオード(QLED)アレイ基板であるエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を提供する。以下は、当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板であることを例にして説明する。
【0035】
例えば、図2は本開示の少なくとも一実施例に係る有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。図2に示すように、当該有機発光ダイオードアレイ基板2は、サブストレート基板201と、当該サブストレート基板201上に設けられた補助電極202、ピクセル規定層208、第1電極204、機能層205(例えば、有機材料機能層)、第2電極206と、を備え、当該ピクセル規定層208にはビアホール構造207が設けられ、当該補助電極202はビアホール構造207の少なくとも一側に設けられ、当該第2電極206は当該補助電極202と電気的に接続する。
【0036】
なお、補助電極はビアホール構造の少なくとも一側に設けられることは、補助電極はビアホール構造の外側又は内側に設けられることを強調する意味ではなく、補助電極はビアホール構造の外側の少なくとも一方の側壁に設けられることを指すものである。
【0037】
例えば、補助電極202の上面はビアホール構造207における機能層205の上面よりも高い。
【0038】
例えば、当該OLEDアレイ基板は表示領域と表示領域以外の周辺領域とを備え、表示領域はAA(Active Area)領域とも呼ばれ、一般的には表示を実現するための領域であり、周辺領域は、駆動回路を設置するために設けられ、表示パネルのパッケージングなどを行うための領域である。例えば、周辺領域では、第2電極206は補助電極202と電気的に接続してもよい。表示領域では、第2電極206は補助電極202と再度電気的に接続してもよい。このように、第2電極206と補助電極202とは、第1端及び第2端にてそれぞれ接続され、並列回路を形成する。又は、第2電極206と補助電極202とが互いに接続された2つの位置は、いずれも表示領域にあってもよい。第2電極206は電圧信号を受け取って伝達し、第2電極206と電気的に接続する補助電極202に達する時に、補助電極202は電圧信号を伝達する分岐回路として第2電極206と同時に電圧信号を伝達する。このように、第2電極206と補助電極202とが並列回路を形成することに相当し、信号伝達途中の抵抗が低下される。また、補助電極202は先に電圧信号を受け取り、電圧信号は補助電極202と電気的に接続される第2電極206に達する時に、第2電極206は電圧信号を伝達する分岐回路として補助電極202と同時に電圧信号を伝達する構成であればよい。さらに、第2電極206と補助電極202とは同時に電圧信号を受け取り、第2電極206と補助電極202とは2つの分岐回路として同時に電圧信号を伝達する構成であればよい。
【0039】
例えば、図3に示すように、当該OLEDアレイ基板2はさらにサブストレート基板201上に設けられた電力線、データ線及びグリッド線(図示せず)を備え、グリッド線とデータ線との交差により限定された領域ではピクセル構造が設けられ、例えば、当該ピクセル構造はスイッチングトランジスタ30、ドライブトランジスタ40及びOLED素子20を備え、スイッチングトランジスタ30はグリッド線及びデータ線に接続され、ドライブトランジスタ40はスイッチングトランジスタ30、電力線及びOLED素子に接続される。
【0040】
例えば、図2及び図3に示すように、ピクセル規定層208は第1電極204と第2電極206との間に形成され、当該ピクセル規定層208は隣接する2つの子ピクセル単位を隔離するための構成であればよい。
【0041】
例えば、上記ピクセル構造、グリッド線及びデータ線はいずれも表示領域に位置し、当該OLEDアレイ基板には、グリッド線、データ線などの導線以外、ピクセル単位と検出集積回路とを接続する検出補償線を含んでもよい。当該検出補償線は表示領域に位置してもよい。
【0042】
例えば、図2に示すように、ビアホール構造207に設けられる少なくとも一側の補助電極202の上面はビアホール構造207における機能層205の上面よりも高い。これにより、補助電極202は、ビアホール構造207における機能層205の上面よりも高い部分により第2電極206と電気的に接続される。
【0043】
例えば、図4は本開示の一実施例に係る別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。図4に示すように、当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板はさらにサブストレート基板201とピクセル規定層208との間に設けられる平坦化層203を備え、ビアホール構造207はピクセル規定層208から延出し、平坦化層203を貫通する。
【0044】
例えば、図4に示すように、当該ビアホール構造207はピクセル規定層208から延出し、平坦化層203を貫通する。このように、当該ビアホール構造207の深みはピクセル規定層208と平坦化層203との厚みの和以上である。
【0045】
例えば、本開示の実施例において、当該機能層205の厚みは100nm~300nmであり、例えば、当該機能層205の厚みは100nm、200nm又は300nmなどである。
【0046】
例えば、補助電極202の厚みは0.5μm~1μmであり、例えば、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm又は1μmなどである。
【0047】
例えば、平坦化層203の厚みは1μm~3μmであり、例えば、1μm、2μm又は3μmなどである。
【0048】
例えば、ピクセル規定層208の厚みは1μm~3μmであり、例えば、1μm、2μm又は3μmなどである。
【0049】
例えば、第1電極204の厚みは200nm~300nmであり、例えば、200nm、250nm又は300nmなどである。
【0050】
例えば、第2電極206の厚みは100nm~200nmであり、例えば、100nm、150nm又は200nmなどである。
【0051】
さらに、例えば、第2電極206と補助電極202とが直接に接続すると、第2電極206に段差が生じる可能性があり、即ち、第2電極206が断裂する可能性がある。ビアホール構造207に機能層205が高く敷かれるように導電性高分子層209を設置することで、第2電極206の断裂を防止してよい。図2及び図4に示すように、補助電極202と第2電極206との間に導電性高分子層209が形成され、第2電極206と補助電極202とは当該導電性高分子層209を介して電気的に接続されることで第2電極206に段差が生じるリスクが低下される。
【0052】
例えば、当該導電性高分子層209の厚みは平坦化層203の厚みよりも大きく、平坦化層203とピクセル規定層208との厚みの和よりも小さい。
【0053】
例えば、当該導電性高分子層209の上面は当該ピクセル規定層208の上面に一致すればよい。これにより、第2電極206に段差が生じるリスクを減らすことができる。
【0054】
例えば、当該導電性高分子層209の厚みは2μm~5.7μmである。例えば、当該導電性高分子層の厚みは2μm、3μm、4μm又は5μmなどであればよい。
【0055】
例えば、当該導電性高分子層209の導電率は10-6S/mよりも大きい。これにより、補助電極202と第2電極206との電気的な接続を確保できる。
【0056】
例えば、当該導電性高分子層209の材料は、ポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン、ポリアニリン、ポリチオフェンのうちの少なくとも1つである。
【0057】
例えば、図5は本開示の少なくとも一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。図5に示すように、ビアホール構造207における補助電極202は「凹」字形状構造である。これは、補助電極202の両側壁が高く敷かれることで第2電極206はビアホール構造207にて補助電極202とは直接に電気的に接続されることに相当する。これにより、導電性高分子層を形成するステップが減少されるとともに、第2電極206に段差が生じるリスクを減らすことができる。
【0058】
なお、補助電極202は「凹」字形状構造であることは、サブストレート基板201と垂直する板面の方向において、補助電極の断面構造(即ち、補助電極の縦断面)は「凹」字形状であることを指す。
【0059】
例えば、図6は本開示の少なくとも一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。例えば、「凹」字形状構造の補助電極202に導電性高分子層209を形成すればよい。これにより、第2電極206に段差が生じるリスクをさらに減らすことができる。
【0060】
例えば、補助電極202は板状構造であり、少なくともビアホール構造207を敷き詰める。又は、サブストレート基板201の板面と平行する平面においてビアホール構造207の延出方向に沿って、補助電極202は複数であり、且つ複数の補助電極202は互いに間隔を置いて配列される。
【0061】
例えば、図7は本開示の少なくとも一実施例に係るさらに別の有機発光ダイオードアレイ基板の構成を示す断面概念図である。図7に示すように、当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、当該平坦化層203及び当該ピクセル規定層208を貫通する複数のビアホール構造207を備え、当該第2電極206は複数のビアホール構造207にてそれぞれ補助電極202と電気的に接続されることにより、第2電極206と補助電極202とは並列に接続される。図7には2つのビアホール構造207が示され、言うまでもなく、本願の実施例はこれに限らず、より多く複数のビアホール構造207を形成することで第2電極及び補助電極の抵抗をさらに減少すればよい。そのほかにも、複数のビアホール構造207により第2電極206と補助電極202とを並列的に接続することで第2電極206の厚みを増加させることは、第2電極206の横断面積を増加することに相当し、第2電極206の抵抗がさらに減少される。
【0062】
例えば、当該ピクセル規定層208は、一般的には有機絶縁材料(例えば、アクリル樹脂)又は無機絶縁材料(例えば、窒化ケイ素SiN又は酸化ケイ素SiO)によって形成され、絶縁性を有する。当該ピクセル規定層208は第2電極206と補助電極202との間に設置する絶縁構造と見せばよい。
【0063】
例えば、第1電極205の材料は透明性導電材料であればよい。当該透明性導電材料はITO、IZO、IGO、GZO、ZnO、In、AZO及びカーボンナノチューブなどである。
【0064】
例えば、第1電極205の材料は金属導電材料であればよい。当該金属導電材料は、銅(Cu)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、金(Au)及びプラチナ(Pt)などの単金属又は上記金属によって形成された合金材料を含み、例えば、クロム銅合金(CuCr)又はクロムモリブデン合金(CrMo)などである。
【0065】
例えば、第1電極205の材料は、上記透明性導電材料と金属導電材料との任意な組み合わせによって形成された積層構成であればよい。例えば、ITO-Mo-IZO、ITO-Cr-In、ITO-Cu-ZnO及びITO-Pt-IGOによって形成された二層の透明性導電材料の間に一層の金属導電材料を挟む構成、又は、IZO-Mo、ITO-Cr、ZnO-Mg及びITO-Auによって形成された一層の金属導電材料と一層の透明性導電材料とによって形成された二層の積層構造であってもよい、例えば、透明性導電材料と金属導電材料との任意の組み合わせによって形成された積層構造は上記二層積層構造及び三層積層構造に限らず、その他の層数の多層積層構造、例えば、四層積層構造、五層積層構造などであってもよい。。
【0066】
なお、上記した第1電極を形成する金属材料又は合金材料の自由エネルギーは比較的に低いから、OLEDアレイ基板における有機材料機能層とは良く合わせることができない。第1金属層の有機材料機能層に近い一側に一層の透明性導電材料を形成することで第1金属の自由エネルギーを向上でき、第1電極と有機材料機能層とをよく合わせることができる。その他にも、二層構造又は三層構造の第1電極は単層構造の第1電極よりも抵抗が小さいから、当該多層構造の第1電極の抵抗を減らした。
【0067】
例えば、第2電極104の材料は、マグネシウム、アルミ又はリチウムなどの単金属、又はマグナリウム(MgAl)、リチウムアルミ合金(LiAl)などを含む。
【0068】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板において、アレイ基板が有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板であることを例にして説明する。当該機能層は、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層及び正孔輸送層などを備える。
【0069】
例えば、当該有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板における機能層の形成方法には、真空蒸着方式及び溶液方式がある。真空蒸着方式は、有機小分子に適用し、且つ溶媒が必要とされず、形成された有機材料機能層における各層薄膜の厚みが均一である。溶液方式には、スピン、インクジェットプリント、ノズルコーデイング法などがある。当該方法はポリマー材料及び可溶性小分子に適用し、生産設備に要する費用が少なく、大規模、大寸法の製品の生産にはメリットがある。特にインクジェットプリント技術では、溶液を正確にピクセル領域にコーティングすることができる。
【0070】
なお、有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板とは異なり、自己発光量子ドット発光ダイオード(QLED)の量子ドットは熱量及び水分からの影響を受けやすいから、自己発光OLEDとは同じ蒸着方法を実現できず、インクジェットプリント方式を採用するしかない。
【0071】
本開示の少なくとも一実施例はさらに表示パネルを提供する。当該表示パネルは、上記いずれの実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を備える。
【0072】
例えば、図8はエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板を備える表示パネルのブロック図である。図8に示すように、表示パネル1はその中に設けられるエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板2を備える。例えば、当該表示パネル1は表示装置に適用可能である。例えば、当該表示装置は、スマートホン、タブレット、テレビジョン、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレームやナビゲーション装置などの表示機能を有する製品又は部品である。当該表示装置の実施は上記エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板の実施例を参照し、ここでは重複な説明を省略する。
【0073】
本開示の少なくとも一実施例はエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板の製造方法を提供し、当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板又は量子ドット発光ダイオード(QLED)アレイ基板であってもよい。以下は当該エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板が有機発光ダイオード(OLED)アレイ基板であることを例にして説明する。
【0074】
例えば、図9は本開示の少なくとも一実施例に係る有機発光ダイオードアレイ基板の製造プロセスを示すフローチャートである。例えば、当該製造方法は、
【0075】
サブストレート基板を提供するステップS101と、
【0076】
サブストレート基板上に補助電極、ピクセル規定層、第1電極、機能層及び第2電極を形成し、当該ピクセル規定層を形成するステップは、ピクセル規定層にビアホール構造を形成するステップを含み、当該補助電極はビアホール構造の少なくとも一側に形成され、当該第2電極と補助電極とは電気的に接続されるステップS102とを備える。
【0077】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法において、ビアホール構造の少なくとも一側に形成された補助電極の上面はビアホール構造における機能層の上面よりも高い。これにより、補助電極はビアホール構造における機能層の上面よりも高い部分を介して前記第2電極と電気的に接続される。
【0078】
例えば、ピクセル規定層を形成する前に、平坦化層を形成するステップをさらに備える。当該ビアホール構造はピクセル規定層から延出し当該平坦化層を貫通する。当該ピクセル規定層は、互いに隣接する2つの子ピクセル単位を隔離してもよい。
【0079】
例えば、第2電極と補助電極とが並列に接続されるように、当該第2電極は複数のビアホール構造にてそれぞれ当該補助電極と電気的に接続される。それ以外に、複数のビアホール構造により第2電極と補助電極とが並列に接続されることで、第2電極の厚みを増加可能で、第2電極の横断面積が増加することに相当し、第2電極の抵抗がさらに低下される。
【0080】
例えば、当該ピクセル規定層は一般的には有機絶縁材料(例えば、アクリル樹脂)又は無機絶縁材料(例えば、窒化ケイ素SiN又は酸化ケイ素SiO)によって形成され、ピクセル規定層は絶縁性を持つ。当該ピクセル規定層は、第2電極と補助電極との間に設けられる絶縁構造と見なしてもよい。
【0081】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る製造方法は、ビアホール構造に導電性高分子層を形成するステップをさらに備え、第2電極と補助電極とは当該導電性高分子層を介して電気的に接続される。第2電極と補助電極とは直接に接続されると、第2電極に段差が生じる可能性があり、即ち第2電極が断裂する可能性がある。第2電極の断裂を防ぐためには、機能層が高く敷かれるようにビアホール構造に導電性高分子層を設置すればよい。
【0082】
例えば、当該導電性高分子層の厚みは平坦化層の厚みよりも大きく、平坦化層とピクセル規定層との厚みの和よりも小さい。
【0083】
例えば、当該導電性高分子層の上面は当該ピクセル規定層の上面と一致する。これにより、基本的には第2電極に段差が生じるリスクを解消できる。
【0084】
例えば、当該導電性高分子層209の厚みは2μm~5.7μmである。例えば、当該導電性高分子層の厚みは2μm、3μm、4μm又は5μmなどであればよい。
【0085】
例えば、当該導電性高分子層209の導電率は10-6S/mよりも大きい。これにより、補助電極202と第2電極206との電気的な接続を確保できる。
【0086】
例えば、当該導電性高分子層209の材料は、ポリピロール、ポリフェニレンスルファイド、ポリフタロシアニン、ポリアニリン及びポリチオフェンのうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
例えば、本実施例に係る製造方法において、インクジェットプリント方式により当該導電性高分子層を形成する。
【0088】
例えば、本実施例において、機能層の厚みは100nm~300nmであり、例えば、100nm、200nm又は300nmなどである。
【0089】
例えば、補助電極202の厚みは0.5μm~1μmであり、例えば、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm又は1μmなどである。
【0090】
例えば、平坦化層203の厚みは1μm~3μmであり、例えば、1μm、2μm又は3μmなどである。
【0091】
例えば、ピクセル規定層208の厚みは1μm~3μmであり、例えば、1μm、2μm又は3μmなどである。
【0092】
例えば、第1電極204の厚みは200nm~300nmであり、例えば、200nm、250nm又は300nmなどである。
【0093】
例えば、第2電極206の厚みは100nm~200nmであり、例えば、100nm、150nm又は200nmなどである。
【0094】
本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板及びその製造方法並びに表示パネルは、以下の作用効果の少なくとも1つを有する。
【0095】
(1)本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、補助電極の構造設計を変えることで、第2電極と補助電極との電気的な接続を確保する。これにより、第2電極と電気的に接続する補助電極は第2電極の等価厚みを増加可能である。
【0096】
(2)本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、第2電極の抵抗を減らすことが可能であり、薄い金属を第2電極とする時の第2電極の抵抗が大きいによる電圧降下が大きいとの問題を防ぐことができる。
【0097】
(3)本開示の少なくとも一実施例に係るエレクトロルミネセントダイオードアレイ基板は、電圧降下が大きいことによる有機エレクトロルミネセント表示パネルの損壊を防ぐことが可能である。
【0098】
なお、
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造に関するものであり、その他の構成は、通常の設計を参考すればよい。
【0099】
(2)本願の内容がはっきり見えるように、本開示の実施例を説明する図面では、層又は領域の厚みが拡大され又は縮小されることがある。即ち、これらの図面は実の比例で作成されるものではない。層、膜、領域や基板などの素子はその他の素子の「上方」又は「下方」に位置する場合、当該素子は「直接」にその他の素子の「上方」又は「下方」に位置に位置してもよいし、又は中間部材を介して位置してもよいことが理解すできである。
【0100】
(3)本開示の実施例と実施例における特徴とを相互に矛盾しない範囲で組み合わせることで新しい実施例にしてもよい。
【0101】
以上に示すものは、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0102】
101、201 サブストレート基板
102、202 補助電極
103、203 平坦化層
104、204 第1電極
105 有機材料機能層
205 機能層
106、206 第2電極
107、207 ビアホール構造
108、208 ピクセル規定層
209 導電性高分子層
1 表示パネル
2 エレクトロルミネセントダイオードアレイ基板
20 OLED素子
30 スイッチングトランジスタ
40 ドライブトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9