IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ピーエスシーの特許一覧

<>
  • 特許-キッティングシステム 図1
  • 特許-キッティングシステム 図2
  • 特許-キッティングシステム 図3A
  • 特許-キッティングシステム 図3B
  • 特許-キッティングシステム 図3C
  • 特許-キッティングシステム 図4
  • 特許-キッティングシステム 図5
  • 特許-キッティングシステム 図6
  • 特許-キッティングシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】キッティングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/61 20180101AFI20230104BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20230104BHJP
【FI】
G06F8/61
G06F9/445 130
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021138602
(22)【出願日】2021-08-27
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500084245
【氏名又は名称】株式会社ピーエスシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121669
【弁理士】
【氏名又は名称】本山 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 利治
【審査官】福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-146851(JP,A)
【文献】特開2015-191344(JP,A)
【文献】特開2016-31613(JP,A)
【文献】特開2014-41536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/77
G06F 9/44-9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッティングのためのワークフローを作成するワークフロー作成サーバと前記ワークフローに従って設定対象端末の設定を行うワークフロー実行サーバを備えたキッティングシステムであって、
前記ワークフロー作成サーバは、
入力された前記設定対象端末の端末設定要件を解析し、前記ワークフロー実行サーバに格納された設定プログラムと照合することにより、前記設定対象端末を前記端末設定要件を満たす所望の状態に設定するための前記設定プログラムを選択し、選択された前記設定プログラムを実行する構成設定スクリプトが所定の順序で記述された前記ワークフローを作成するワークフロー作成部を備え、
前記ワークフロー実行サーバは、
前記設定対象端末において前記ワークフローの前記構成設定スクリプトが実行された際に、前記構成設定スクリプトに記述された実行手順に従って、前記設定プログラムを実行することにより、前記設定対象端末の設定を行うワークフロー実行部を備える
キッティングシステム。
【請求項2】
前記ワークフロー作成部は、
テキストベースで入力された前記端末設定要件の解析結果に基づいて、前記解析結果に対応する前記設定プログラムを選択し、選択された前記設定プログラムを実行する構成設定スクリプトが所定の順序で記述された前記ワークフローを作成する
請求項1記載のキッティングシステム。
【請求項3】
前記ワークフロー作成部は、
前記端末設定要件の解析結果及び前記解析結果を用いて作成された前記構成設定スクリプトと前記ワークフローを保存するように構成され、
前記保存された前記構成設定スクリプト及び前記ワークフローに基づいて、新たに入力された前記端末設定要件に対応した前記構成設定スクリプトと前記ワークフローを作成する
請求項1または2記載のキッティングシステム。
【請求項4】
前記ワークフロー作成部は、
前記解析結果を用いて作成された前記構成設定スクリプトと前記ワークフローに加えて、前記ワークフローの実行により設定された前記設定対象端末における検証結果に基づいて、新たに入力された前記端末設定要件に対応した前記構成設定スクリプトと前記ワークフローを作成する
請求項3記載のキッティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンピュータの設定を行うキッティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータに必要なソフトウェアをインストールしたりネットワークに接続するための設定を行うためのキッティングシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、多数のコンピュータの設定を行うための自動キッティングシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-224828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、コンピュータの設定に関する機能モジュールをカプセル化して機能モジュールファイルに格納し、管理者によって選択された機能モジュールを指定された順序に従って実行するための作業手順書を作成し、設定対象のコンピュータにおいて作成した作業手順書に従って機能モジュールが実行される。
【0005】
この方法では、キッティングの作業が作業手順書に従って自動的に行われるので多数のコンピュータの設定を短時間で行うことが可能となるが、作業手順書における必要な機能モジュールの選択を管理者が行う必要があるためそれに伴う作業負担が大きいという問題がある。
【0006】
また、作業手順書を作成する際に、必要な機能モジュールの選択に人的な誤りがあった場合には、誤った作業手順書に従って、多数のコンピュータの設定が行われてしまう場合もあり得る。
【0007】
本願発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、キッティングの作業手順書を作成するための作業負担を軽減しながら、多数のコンピュータのキッティングを正確に行うことを可能とするキッティングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような課題を解決するために、本願発明のキッティングシステムは、キッティングのためのワークフローを作成するワークフロー作成サーバと前記ワークフローに従って設定対象端末の設定を行うワークフロー実行サーバを備えたキッティングシステムであって、前記ワークフロー作成サーバは、入力された前記設定対象端末の端末設定要件を解析し、前記ワークフロー実行サーバに格納された設定プログラムと照合することにより、前記設定対象端末を前記端末設定要件を満たす所望の状態に設定するための前記設定プログラムを選択し、選択された前記設定プログラムを実行する構成設定スクリプトが所定の順序で記述された前記ワークフローを作成するワークフロー作成部を備え、前記ワークフロー実行サーバは、前記設定対象端末において前記ワークフローの前記構成設定スクリプトが実行された際に、前記構成設定スクリプトに記述された実行手順に従って、前記設定プログラムを実行することにより、前記設定対象端末の設定を行うワークフロー実行部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、キッティングの作業手順書を作成するための作業負担を軽減しながら、多数のコンピュータのキッティングを正確に行うことを可能とするキッティングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本願発明におけるキッティングシステムの全体構成を表す図である。
図2図2は、本願発明におけるキッティングシステムの構成装置の機能を説明するための図である。
図3A図3Aは、本願発明におけるワークフロー・構成設定作成サーバの機能ブロック図である。
図3B図3Bは、本願発明におけるワークフロー・構成設定実行サーバの機能ブロック図である。
図3C図3Cは、本願発明におけるワークフロー・構成設定作成サーバ、ワークフロー・構成設定実行サーバのハードウェア構成例を説明するための図である。
図4図4は、本願発明におけるキッティングシステムにおける処理シーケンスを説明するための図である。
図5図5は、本願発明におけるワークフロー作成処理を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、本願発明における構成設定処理を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本願発明におけるキッティング処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明を実施するための形態について説明する。本願発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
<キッティングシステムの構成>
図1は、本願発明におけるキッティングシステムの全体構成を表す図である。図1のキッティングシステムは、ワークフロー・構成設定作成サーバ10と、利用者端末20と、ワークフロー・構成設定実行サーバ30と、設定対象端末40から構成されている。
【0013】
利用者端末20においてWebフォームから設定対象端末40を設定するための端末設定要件のデータが入力されると、入力された端末設定要件のデータが、ネットワーク50を介して、ワークフロー・構成設定作成サーバ10に送信される。
【0014】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された端末設定要件の入力データに基づいて、設定対象端末40を端末設定要件を満たす所望の状態に設定するためのワークフローを作成する。ワークフローは、設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラムを実行する複数の構成設定スクリプトを適切な順序に並べ替え、連続したスクリプトへ統合したものである。
【0015】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成された設定対象端末40のワークフローは、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に送信され格納される。また、設定対象端末40においてワークフロー・構成設定実行サーバ30に接続するための接続スクリプトが作成されて、USB等の記憶手段に格納された状態で、設定対象端末40に配送される。
【0016】
設定対象端末40では、設定対象端末40のキッティングのためにUSB等に格納された接続スクリプトが実行される。設定対象端末40において接続スクリプトが実行されると、ワークフロー・構成設定実行サーバ30では、接続スクリプトに対応する格納されたワークフローの構成設定スクリプトが実行され、構成設定スクリプトに記述された設定プログラムを実行することにより、設定対象端末40の設定が行われる。
【0017】
<キッティングシステムの構成装置の機能>
図2は、本願発明におけるキッティングシステムの構成装置の機能を説明するための図である。
【0018】
<利用者端末>
利用者端末20では、Webフォームから設定対象端末40を設定するための端末設定要件のデータが入力される。端末設定要件のデータは、設定対象端末40を所望の状態に設定するためのデータであり、例えば、OSのバージョン、OSの設定変更箇所、インストールを希望するソフトウェア、IPアドレス等のネットワーク設定を行うためのデータが含まれる。端末設定要件のデータは、上述したものに限定されない。
【0019】
<ワークフロー・構成設定作成サーバ>
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された入力データに基づいて、設定対象端末40を設定するためのワークフローを作成する。ワークフローは、設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラムを実行する複数の構成設定スクリプトを適切な順序に並べ替え、連続したスクリプトへ統合したものである。構成設定スクリプトには、設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラムの実行手順が記述されている。
【0020】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された入力データを解析して、予めワークフロー・構成設定実行サーバ30に格納された設定プログラムと照合することにより、設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラムを選択し、選択された設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトを作成し、作成した複数の構成設定スクリプトを適切な順序に並べ替え連続したスクリプトへ統合することにより、ワークフローを作成する。
【0021】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、設定対象端末40から入力される端末設定要件を解析するためのソフトウェアである解析エンジンを有する。解析エンジンでは、利用者端末20から送信された端末設定要件の入力データを解析し、その解析結果に基づいて必要な設定プログラムを選択し、設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトを作成し、構成設定スクリプトが所定の順序で記述されたワークフローを作成する。
【0022】
例えば、端末設定要件として、OSのバージョン、OSの設定変更箇所、インストールを希望するソフトウェア、IPアドレス等のネットワーク設定を行うためのデータが入力された場合には、入力されたデータを解析して、必要なプログラムをインストールするためのインストールプログラムが設定プログラムとして選択され、設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトとワークフローが作成される。
【0023】
解析エンジンは、利用者端末20から入力された日本語等のテキストベースのデータを解析することで自動的に必要なインストールプログラム等が選択するように構成されている。このような解析エンジンを備えることで、例えば、WebフォームによりインストールしたいOSのバージョン等の端末設定要件をテキストベースで入力するだけで必要なプログラムをインストールするためのインストールプログラムが設定プログラムとして選択されるので、キッティングシステムの利用者側の負担を大幅に軽減することができる。
【0024】
また、解析エンジンにより、キッティングを実行するための設定プログラムの選択が自動的に行われることで、キッティングのためのワークフローを作成する際の設定プログラムの選択における人為的な誤りの発生リスクを低減することができる。
【0025】
さらに、解析エンジンにおいて、過去の入力データの解析結果とそれに基づいて作成された構成設定スクリプトとワークフローのデータを保存しておき、新たに入力された端末設定要件のデータの解析結果と過去の構成設定スクリプトとワークフローの作成データを用いて、新たな入力データに対応した構成設定スクリプトとワークフローを作成してもよい。
【0026】
過去のキッティングにおける構成設定スクリプトの作成データに基づいて、新たに入力された端末設定要件に対する構成設定スクリプトを作成することで、キッティング作業の検証やキッティング作業のやり直し等に伴うキッティングシステムを提供する側の作業負担を軽減し、多数のコンピュータのキッティングを正確に行うことを可能とするキッティングシステムを提供することが可能となる。
【0027】
例えば、過去のキッティングにおける構成設定スクリプト及びワークフローのデータに加えて、設定対象端末が所望の実行状態に設定されたか否かの検証結果を保存することにより、入力された端末設定要件に対応する構成設定スクリプトが複数存在する場合には、過去に正常に実行された実績のある構成設定スクリプトおよびその実行手順を選択することで、キッティング作業のやり直し等のリスクを低減することが可能となる。
【0028】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成された設定対象端末40のワークフローは、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に送信され格納される。また、設定対象端末40において作成された、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に接続するための接続スクリプトは、USB等の記憶手段に格納された状態で、設定対象端末40に配送される。
【0029】
<ワークフロー・構成設定実行サーバ>
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成されたワークフローを格納し、設定対象端末40における接続スクリプトの実行に対応して、接続スクリプトに対応するワークフローと構成設定スクリプトを読み出して実行する。
【0030】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30では、設定対象端末40から送信されるワークフローの情報に従って、格納されたワークフローと構成設定スクリプトから接続スクリプトに対応するワークフローと構成設定スクリプトを読み出して実行される。ワークフローに記述された順序に従って構成設定スクリプトに記述された設定プログラムを実行することにより、設定対象端末40の設定を行う。
【0031】
<設定対象端末>
設定対象端末40では、キッティングのために配送されたUSB等に格納された接続スクリプトが実行され、接続スクリプトに対応するワークフローの情報がワークフロー・構成設定実行サーバ30に送信される。設定対象端末40では、ワークフロー・構成設定実行サーバ30で実行される設定プログラムに従って送信される設定情報を反映することにより実行環境の設定が行われる。
【0032】
<ワークフロー・構成設定作成サーバの構成>
図3Aは、本願発明におけるワークフロー・構成設定作成サーバの機能ブロック図である。
【0033】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された入力データに基づいて、設定対象端末40を設定するためのワークフローを作成する。ワークフローは、設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラムを実行する複数の構成設定スクリプトを適切な順序に並べ替え、連続したスクリプトへ統合したものである。
【0034】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、上記機能を実現するために、利用者端末20から送信された入力データを解析して、入力データの解析結果と設定プログラムを照合し、設定対象端末40を利用者が要望する状態に設定するための設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトとワークフローを作成する中央処理部11、利用者端末20から送信された入力データ15及びワークフローを作成するための解析エンジン16を記憶する記憶部14と、利用者端末20、ワークフロー・構成設定実行サーバ30とネットワーク50を経由してデータを送受信するためのI/F部17を備える。
【0035】
中央処理部11は、利用者端末20から送信された入力データを解析する入力データ解析部12と、入力データを解析結果と設定プログラムを照合し、設定対象端末40を利用者が要望する状態に設定するための設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトとワークフローを作成するワークフロー作成部13を備える。
【0036】
<ワークフロー・構成設定実行サーバの構成>
図3Bは、本願発明におけるワークフロー・構成設定実行サーバの機能ブロック図である。
【0037】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成されたワークフローを格納し、設定対象端末40から送信されるワークフローの情報に従って、対応するワークフローの構成設定スクリプトを実行し、構成設定スクリプトに記述された設定プログラムを実行することにより、設定対象端末40の設定を行う。
【0038】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、上記機能を実現するために、ワークフロー・構成設定作成サーバ10から送信されたワークフローを格納し、設定対象端末40から送信されたワークフローの情報に従って、対応するワークフローの構成設定スクリプトを指定された実行手順で実行する中央処理部31、ワークフロー・構成設定作成サーバ10から送信されたワークフロー・構成設定スクリプト35及び設定対象端末40を所望の状態に設定するための設定プログラム36を記憶する記憶部34と、ワークフロー・構成設定作成サーバ10、設定対象端末40とネットワーク50を経由してデータを送受信するためのI/F部37を備える。
【0039】
中央処理部31は、ワークフロー・構成設定作成サーバ10から送信されたワークフローを格納するワークフロー格納部32、設定対象端末40から送信されたワークフローの情報に従って、対応するワークフローの構成設定スクリプトを指定された実行手順で実行するワークフロー実行部33を備える。
【0040】
<ハードウェア構成例>
ワークフロー・構成設定作成サーバ10及びワークフロー・構成設定実行サーバ30として動作するコンピュータの構成例を図3Cに示す。本実施の形態のを構成するワークフロー・構成設定作成サーバ10及びワークフロー・構成設定実行サーバ30の各処理部は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びI/F装置を備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0041】
コンピュータ100は、CPU200と、記憶装置400と、I/F装置500とを備えており、それらがI/Oインタフェース300を介して互いに接続されている。本実施の形態のワークフロー・構成設定作成サーバ10及びワークフロー・構成設定実行サーバ30の動作を実現するためのプログラムや、入力データ等のデータは記憶装置400に格納される。I/F装置500は、他のコンピュータや端末装置との間でデータを送受信するためのネットワークに接続される。設定対象端末40とネットワーク50を経由してデータを送受信するための。CPU200は、記憶装置400に格納された処理プログラム等に従って本実施の形態で説明したワークフロー作成処理やワークフロー実行処理等を実行することができる。
【0042】
<キッティングシステムの処理シーケンス>
図4は、本願発明におけるキッティングシステムにおける処理シーケンスを説明するための図である。
【0043】
利用者端末20では、Webフォームから設定対象端末40を設定するための端末設定要件のデータが入力される。入力された端末設定要件のデータは、ワークフロー・構成設定作成サーバ10に送信される。
【0044】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された入力データを記憶部に格納し、利用者端末20から送信された入力データを解析して、設定プログラムと照合することにより、設定対象端末40を利用者が要望する状態に設定するための設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトとを作成し、複数の構成設定スクリプトを適切な順序に並べ替えることにより、ワークフローを作成する。
【0045】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成されたワークフローとそれを構成する構成設定スクリプトは、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に送信され、記憶部に格納される。設定対象端末40においてワークフロー・構成設定実行サーバ30に接続するための接続スクリプトが作成されて、USB等の記憶手段に格納された状態で、設定対象端末40に配送される。
【0046】
設定対象端末40において、USB等に記憶された接続スクリプトが実行されると、設定対象端末40から、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に対して、接続スクリプトに対応するワークフローの情報が送信される。
【0047】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、設定対象端末40から送信されたワークフローの情報に基づいて対応するワークフローと構成設定スクリプトを読み出して、ワークフローの構成設定スクリプトに記述された設定プログラムを実行することにより、設定対象端末40に設定情報を送信する。
【0048】
設定対象端末40では、ワークフロー・構成設定実行サーバ30から送信された設定情報の反映を行い、実行環境の設定が行われる。
【0049】
<ワークフロー作成処理>
図5は、本願発明におけるワークフロー作成処理を説明するためのフローチャートである。
【0050】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から受信した入力データを記憶部に格納する(S1-1、S1-2)。ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、利用者端末20から送信された入力データを解析して、解析結果と設定プログラムと照合する(S1-3、S1-4)。
【0051】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10は、入力データの解析結果と設定プログラムの照合結果に基づいて、設定対象端末40を利用者が要望する状態に設定するための設定プログラムを選択し、選択した設定プログラムの実行手順を記述した構成設定スクリプトから構成されるワークフローを作成する(S1-5)。
【0052】
ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成されたワークフローと構成設定スクリプトの情報は、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に送信される(S1-6)。ワークフロー・構成設定実行サーバ30に接続するための接続スクリプトは、USB等に格納され、設定対象端末40に配送される(S1-7、S1-8)。
【0053】
<構成設定処理>
図6は、本願発明における構成設定処理を説明するためのフローチャートである。
【0054】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、構成設定を行うための設定プログラムを記憶部に格納する(S2-1)。ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、ワークフロー・構成設定作成サーバ10で作成されたワークフローと構成設定スクリプトを受信し、記憶部に格納する(S2-2、S2-3)。
【0055】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、設定対象端末40からワークフローの情報を受信すると(S2-4)、受信したワークフローの情報に基づいて対応するワークフローを読み出して実行し、ワークフローに含まれる構成設定スクリプトにおいて指定された設定プログラムが実行される(S2-5、S2-6)。
【0056】
ワークフロー・構成設定実行サーバ30は、指定された設定プログラムを実行することにより生成された設定情報を設定対象端末40に送信する(S2-7)。
【0057】
<キッティング処理>
図7は、本願発明におけるキッティング処理を説明するためのフローチャートである。
【0058】
設定対象端末40は、USB等に記憶された接続スクリプトが実行し(S3-1)、ワークフロー・構成設定実行サーバ30に対して、接続スクリプトに対応するワークフローの情報を送信する(S3-2)。
【0059】
設定対象端末40では、ワークフロー・構成設定実行サーバ30から設定情報を受信し(S3-4)、受信した設定情報を反映することにより実行環境の設定が行われる(S3-4)。
【0060】
このように、本実施の形態では、ワークフロー・構成設定作成サーバが、利用者端末20から入力されたデータを解析することで必要なインストールプログラム等が自動的に選択されるように構成されているので、キッティングシステムの利用者は、端末設定要件のデータを入力するだけで、設定対象端末を実行状態にするために必要な構成設定スクリプトとワークフローが自動作成され、設定対象端末を所望の実行状態に設定するためのプログラムを選択する作業が不要となり、キッティングのための作業手順書を作成するための作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0061】
また、キッティングを実行するための設定プログラムの選択が自動的に行われることで、ワークフローを作成する際の設定プログラムの選択における人為的な誤りの発生リスクを排除し、多数のコンピュータのキッティングを正確に行うことが可能なキッティングシステムを提供することができる。
【0062】
さらに、過去のキッティングにおけるワークフローと構成設定スクリプトの作成データに基づいて、新たに入力された端末設定要件に対するワークフローと構成設定スクリプトを作成することで、キッティング作業の検証やキッティング作業のやり直し等に伴う作業負担を軽減し、多数のコンピュータのキッティングを正確に行うことを可能とするキッティングシステムを提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本願発明は、コンピュータの設定を行うキッティングシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10…ワークフロー・構成設定作成サーバ、20…利用者端末、30…ワークフロー・構成設定実行サーバ、40…設定対象端末。
【要約】
【課題】キッティングの作業手順書を作成するための作業負担を軽減しながら、コンピュータのキッティングを正確に行うことを可能とするキッティングシステムを提供する。
【解決手段】本願発明のキッティングシステムは、キッティングのためのワークフローを作成するワークフロー作成サーバとワークフローに従って設定対象端末の設定を行うワークフロー実行サーバを備え、ワークフロー作成サーバは、設定対象端末の端末設定要件を解析し、設定プログラムと照合することにより、設定対象端末を端末設定要件を満たす所望の状態に設定するための設定プログラムを選択し、選択された設定プログラムを実行する構成設定スクリプトが記述されたワークフローを作成し、ワークフロー実行サーバは、設定対象端末においてワークフローの構成設定スクリプトが実行された際に、構成設定スクリプトに記述された実行手順に従って、設定プログラムを実行する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7