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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】操作パネル
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20230104BHJP
【FI】
H01H36/00 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021019177
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022122093
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2021-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】氏家 秀人
(72)【発明者】
【氏名】太齋 友磨
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-090727(JP,A)
【文献】特開2007-018810(JP,A)
【文献】特表2014-532241(JP,A)
【文献】特開2006-145413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルであって、
パネル部材と、
前記パネル部材に設けられ、使用者によって押圧操作されるスイッチ部と、
使用者の指と前記スイッチ部との接触面積に応じた電気信号を出力するセンサ部と、
前記センサ部から電気信号が入力される制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサ部から入力された前記電気信号に基づいて演算した演算値があらかじめ設定された第1の閾値を超えたときに、使用者の指と前記スイッチ部とが接触していると判定するとともに、前記演算値に基づいて前記第1の閾値より大きな第2の閾値を前記演算値の大きさに対応させて設定し、
前記演算値が前記第2の閾値を超えたときに、前記スイッチ部が操作されている操作状態であると判定し、
前記第2の閾値は、前記演算値が前記第1の閾値を超えて初めて演算された前記演算値に所定の係数を乗算することにより設定される、
操作パネル。
【請求項2】
操作パネルであって、
パネル部材と、
前記パネル部材に設けられ、使用者によって押圧操作されるスイッチ部と、
使用者の指と前記スイッチ部との接触面積に応じた電気信号を出力するセンサ部と、
前記センサ部から電気信号が入力される制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサ部から入力された前記電気信号に基づいて演算した演算値があらかじめ設定された第1の閾値を超えたときに、使用者の指と前記スイッチ部とが接触していると判定するとともに、前記演算値に基づいて前記第1の閾値より大きな第2の閾値を前記演算値の大きさに対応させて設定し、
前記演算値が前記第2の閾値を超えたときに、前記スイッチ部が操作されている操作状態であると判定し、
前記第2の閾値は、前記演算値が前記第1の閾値を超えて初めて演算された前記演算値に所定の係数を加算することにより設定される、
操作パネル。
【請求項3】
操作パネルであって、
パネル部材と、
前記パネル部材に設けられ、使用者によって押圧操作されるスイッチ部と、
使用者の指と前記スイッチ部との接触面積に応じた電気信号を出力するセンサ部と、
前記センサ部から電気信号が入力される制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサ部から入力された前記電気信号に基づいて演算した演算値があらかじめ設定された第1の閾値を超えたときに、使用者の指と前記スイッチ部とが接触していると判定するとともに、前記演算値に基づいて前記第1の閾値より大きな第2の閾値を前記演算値の大きさに対応させて設定し、
前記演算値が前記第2の閾値を超えたときに、前記スイッチ部が操作されている操作状態であると判定し、
前記演算値が前記第1の閾値を超えた状態が所定時間継続した場合には、前記演算値が前記第2の閾値を超えなくても前記スイッチ部が操作状態であると判定する、
操作パネル。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載された操作パネルであって、
前記第2の閾値は、あらかじめ定められた上限値である第3の閾値を超えない範囲で設定される、
操作パネル。
【請求項5】
請求項に記載された操作パネルであって、
前記制御部は、
前記スイッチ部が操作状態であると判定した後、前記演算値に基づいて第4の閾値を設定し、
前記演算値が前記第4の閾値以下になったときに前記スイッチ部が非操作状態であると判定する、
操作パネル。
【請求項6】
請求項に記載された操作パネルであって、
前記制御部は、前記スイッチ部が操作状態であると判定した後、前記スイッチ部が操作状態になった後の前記演算値の最大値に基づいて前記第4の閾値を設定する、
操作パネル。
【請求項7】
請求項またはに記載された操作パネルであって、
前記制御部は、
前記スイッチ部が非操作状態であると判定した後、前記スイッチ部が非操作状態であると判定した後の前記演算値の最低値に基づいて前記第2の閾値を再度設定し、
前記演算値が前記第2の閾値以上になった場合に、前記スイッチ部が操作状態であると判定する、
操作パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、静電容量センサに使用者の指が接触し、さらに押込み操作によって指先と静電容量センサとの接触面積が広がったことを静電容量変化から検出することで、押込み量を検出する静電容量センサの制御方法が開示されている。また、特許文献1に記載の静電容量センサは、タッチパネルなどの操作パネルにスイッチの一部として用いられることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-95985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような操作パネルでは、押し込み量の閾値に基づいてスイッチを切り替える。
【0005】
しかしながら、この閾値を設定するにあたり、閾値を小さく設定してしまうと、例えば、指の大きな人が操作した場合に、操作パネルに接触したと同時にスイッチが切り替わってしまうおそれがある。反対に、この閾値を大きく設定してしまうと、例えば、子供など指の小さい使用者が操作した場合に、閾値を超えなくなり、スイッチを強く押し込む必要が生じる、あるいは、スイッチが切り替わらなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、使用者の指の大きさにかかわらず、スイッチの操作を正確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、操作パネルは、パネル部材と、前記パネル部材に設けられ、使用者によって押圧操作されるスイッチ部と、使用者の指と前記スイッチ部との接触面積に応じた電気信号を出力するセンサ部と、前記センサ部から電気信号が入力される制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサ部から入力された前記電気信号に基づいて演算した演算値があらかじめ設定された第1の閾値を超えたときに、使用者の指と前記スイッチ部とが接触していると判定するとともに、前記演算値に基づいて前記第1の閾値より大きな第2の閾値を設定し、前記演算値が前記第2の閾値を超えたときに、前記スイッチ部が操作されている操作状態であると判定し、前記第2の閾値は、前記演算値が前記第1の閾値を超えて初めて演算された前記演算値に所定の係数を乗算することにより設定される
【発明の効果】
【0008】
上記態様では、使用者の指とセンサ部とが接触していると判定したときに、使用者の指とスイッチ部との接触面積に応じた第2の閾値を設定し、この第2の閾値に基づいてスイッチ部が操作されているか否かを判定している。これにより、使用者の指の大きさにかかわらず、スイッチ4の操作を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る操作パネルが適用される車両用内装部品の構成を示す斜視図である。
図2図2は、操作パネルの分解斜視図である。
図3図3は、タッチ位置センサの構成について説明する断面図である。
図4図4は、スイッチ判定制御に関するフローチャートである。
図5図5は、スイッチ判定制御に関するフローチャートである。
図6図6は、演算値ThがON閾値Tonを超えた場合のタイムチャートの一例である。
図7図7は、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)を超えない場合のタイムチャートの一例である。
図8図8は、連打操作を行った場合のタイムチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る操作パネル2、及び操作パネル2が適用される車両用内装部品としてのインストルメントパネル1について説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、インストルメントパネル1について説明する。図1は、インストルメントパネル1の構成を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、インストルメントパネル1は、操作パネル2を有する。インストルメントパネル1は、車両の車室内に設けられる。インストルメントパネル1は、運転席の正面を含む車室の前方に設けられる。インストルメントパネル1には、自動車の情報を示す計器類(図示省略)が配置される。
【0013】
次に、図2及び図3を参照して、操作パネル2について説明する。
【0014】
図2は、操作パネル2の分解斜視図である。図3は、タッチ位置センサ6の構成について説明する断面図である。
【0015】
図2に示すように、操作パネル2は、パネル部材3と、センサモジュール5と、本体部8と、を備える。
【0016】
パネル部材3は、少なくとも一部が曲面状である自由曲面状に形成される。パネル部材3は、車両の車室内に露出する。パネル部材3は、スイッチ部としてのスイッチ4を有する。
【0017】
スイッチ4は、パネル部材3の一部として設けられる。スイッチ4は、使用者によって押圧操作される。スイッチ4は、空調装置(エアコンディショナ)を操作するための第1スイッチ4a~第10スイッチ4jを有する。
【0018】
第1スイッチ4aと第2スイッチ4bと第9スイッチ4iと第10スイッチ4jとは、空調装置の温度を調節するためのスイッチである。第3スイッチ4cは、リアデフォッガのON/OFFを切り換えるためのスイッチである。第4スイッチ4dは、フロントデフロスタのON/OFFを切り換えるためのスイッチである。第5スイッチ4eと第6スイッチ4fとは、空調装置の風量を調節するためのスイッチである。第7スイッチ4gは、オートモードのON/OFFを切り換えるためのスイッチである。第8スイッチ4hは、内外気の切り換えをするためのスイッチである。
【0019】
図2に示すように、センサモジュール5は、センサシート5aと、タッチ位置センサ6と、を有する。
【0020】
図3に示すように、センサシート5aは、制御部としての基板部11(コントローラC)に接続される。センサシート5aは、タッチ位置センサ6と基板部11とを電気的に接続する。
【0021】
タッチ位置センサ6は、パネル部材3の裏面に臨んで、センサシート5a上に設けられる。タッチ位置センサ6は、各スイッチ4に対応して設けられる。タッチ位置センサ6は、各スイッチ4に使用者の指が触れたことを検知する。即ち、第1~第10スイッチ4a~4jに対応する位置には、第1~第10タッチ位置センサ6a~6jが各々設けられる。
【0022】
図3に示すように、タッチ位置センサ6は、パネル部材3の裏面に、各スイッチ4に対応して設けられる。タッチ位置センサ6は、静電容量式近接センサである。タッチ位置センサ6は、センサシート5a上に配置された板状の電極62を有する。
【0023】
タッチ位置センサ6は、例えば10[ms]の周期で、静電容量値を測定する。使用者の指がスイッチ4に触れると、使用者の指の接触面積に応じてタッチ位置センサ6によって測定される静電容量値が変化する。タッチ位置センサ6によって検出された静電容量値は、コントローラC(基板部11)に電気信号として送信される。コントローラC(基板部11)は、タッチ位置センサ6から送信された電気信号に基づいて、使用者の指がどのスイッチ4に触れたかを判定する。
【0024】
図2に示すように、本体部8は、ベース部9と、照明部10と、基板部11と、ケース部12と、振動発生デバイスとしての一対のソレノイド13と、を有する。
【0025】
ベース部9は、車体に取り付けられる。ベース部9には、照明部10を埋め込むための複数の貫通孔が形成される。
【0026】
照明部10は、光を通す透明な部材である。照明部10は、第1~第10スイッチ4a~4jの各々に対応して複数設けられる。照明部10は、第1~第10スイッチ4a~4jを裏面から照射する光を透過させる。
【0027】
基板部11は、ベース部9とケース部12との間に設けられる。基板部11には、タッチ位置センサ6からの電気信号が入力される。基板部11は、コントローラCに、入力された電気信号に応じた電気信号を出力する。基板部11には、照明部10を各々照射する複数の発光部(図示省略)が実装される。発光部は、例えばLED(発光ダイオード)によって構成される。
【0028】
ケース部12は、ベース部9の裏側に挿入されると共に、車体に取り付けられる。ケース部12は、ソレノイド13の一端を保持する。
【0029】
図2に示すように、ソレノイド13は、パネル部材3の裏面側に配置される。ソレノイド13は、スイッチ4が操作された際に、パネル部材3を振動させることによって、使用者の指に触感を発生させる。ソレノイド13は、コイル(図示省略)と可動鉄心(図示省略)と、を有する。
【0030】
ソレノイド13は、コイルに通電されると、可動鉄心をパネル部材3に向けて変位させる。一方、ソレノイド13は、コイルへの通電が停止されると、可動鉄心をパネル部材3から離間させる。これにより、ソレノイド13は、パネル部材3に振動を発生させる。
【0031】
ソレノイド13の一端はケース部12によって保持される。よって、可動鉄心の変位によって発生する振動を、パネル部材3に確実に伝達することができる。
【0032】
このように構成された操作パネル2では、使用者の指がスイッチ4に触れると、使用者の指の接触面積に応じてタッチ位置センサ6によって測定される静電容量値が変化する。コントローラCは、この静電容量値の変化に基づき、スイッチ4が操作状態であるか、非操作状態であるかを判定する。
【0033】
ところで、このようなスイッチ4が操作状態であるか、あるいは、スイッチ4が非操作状態であるかを判定するための閾値を設定するにあたり、例えば、平均的な指の大きさに合わせて閾値を設定することが考えられる。
【0034】
しかしながら、例えば、子供など指の小さい使用者が操作した場合には、スイッチ4を強く押圧して指とタッチ位置センサ6との接触面積を増やさないと、スイッチ4が操作状態であると認識されないおそれがある。反対に、指が大きい使用者が操作した場合に、軽く触れただけでもスイッチ4が操作状態であると認識されてしまうおそれがある。つまり、スイッチ4が操作状態であるか否かの判定をするための閾値を一定にしてしまうと、使用者によってスイッチ4の操作感が大きく異なるとともに、使用者によるスイッチ4の操作の検出を正確にできないおそれがある。
【0035】
そこで、本実施形態では、スイッチ4を操作した際に、指の大きさの違いにかかわらず、スイッチ4の操作を正確に検出するとともに、同じような操作感が得られるように、スイッチ4の操作・非操作の判定のための閾値を可変にする。以下に、図4及び図5に示すフローチャートを参照して、スイッチ4の操作状態及び非操作状態の判定に係る制御(以下では、「スイッチ判定制御」ともいう。)について説明する。
【0036】
ステップS1では、コントローラCは、演算値Thが第1の閾値T1以上であるか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、タッチ位置センサ6から入力された静電容量値に応じた電気信号に基づいて演算値Thを演算する。つまり、コントローラCは、使用者の指とタッチ位置センサ6との接触面積に応じた値である演算値Thを演算する。演算値Thは、タッチ位置センサ6によって所定の周期(例えば10[ms]の周期)で測定された静電容量値に基づいて演算される。
【0037】
コントローラCは、コントローラCは、演算した演算値Thがあらかじめ設定された第1の閾値T1以上であるか否かを判定する。なお、第1の閾値T1は、使用者の指が操作をするために接触していると判定できるような値に設定される。
【0038】
演算値Thが第1の閾値T1以上であれば、ステップS2に進み、演算値Thが第1の閾値T1より小さければ、ステップS4に進む。
【0039】
ステップS2では、コントローラCは、演算値ThがON閾値Ton以上であるか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、最新の演算値ThがON閾値Ton以上であるか否かを判定する。ON閾値Tonは、スイッチ4が操作状態(スイッチ4をONにしようとして操作している状態)であると判定するための閾値であり、本実施形態では可変の値である。なお、初期状態では、ON閾値Tonは固定値である第3の閾値T3に設定される。
【0040】
演算値ThがON閾値Ton以上であれば、ステップS3に進み、演算値ThがON閾値Tonより小さければ、ステップS5に進む。
【0041】
ステップS3では、コントローラCは、スイッチ4が操作状態であると判定する。具体的には、コントローラCは、操作されたスイッチ4が操作状態であると判定し、操作されたスイッチ4に対応する機器に対してその機器に応じた操作を行う。
【0042】
ステップS4では、コントローラCは、ON閾値Tonを第3の閾値T3に設定する。具体的には、コントローラCは、ON閾値TonがT3以外の値に設定されている場合に、ON閾値Tonを第3の閾値T3に設定する。ステップS4でON閾値Tonを第3の閾値T3に設定した後は、ステップS1に戻る。
【0043】
ステップS5では、演算値Thが第1の閾値T1以上となって初めてのスキャンか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、タッチ位置センサ6によって検出された静電容量値が、演算値Thが第1の閾値T1を超えて初めて検出された静電容量値であるか否かを判定する。演算値Thが第1の閾値T1以上を超えて、初めて検出された静電容量値であれば、ステップS6に進む。これに対し、演算値Thが第1の閾値T1を超えて初めて検出された静電容量値でなければ、ステップS7に進む。なお、ステップS5における判定は、演算値Thに基づいて行うようにしてもよい。この場合、演算値Thが第1の閾値T1以上となって初めて演算された演算値Thであるか否かに基づいて判定を行う。
【0044】
ステップS6では、コントローラCは、ON閾値Tonを第2の閾値T2に設定する。具体的には、コントローラCは、演算値Thが第1の閾値T1以上となって初めてのスキャンしたときの静電容量値に基づいて演算された演算値Th1に所定の係数αを乗じた値を第2の閾値T2として設定する。コントローラCは、この第2の閾値T2をON閾値Tonに設定した後、ステップS1に戻り、再びステップS1の判定を行う。なお、第2の閾値T2は、第1の閾値T1より大きな値であり、第3の閾値T3を超えない範囲で設定される。言い換えると、第2の閾値T2の上限値は、第3の閾値T3である。
【0045】
ステップS7では、コントローラCは、演算値Thが第1の閾値T1以上の状態が一定時間TL継続しているか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、演算値ThがON閾値Tonに到達しない状態で、かつ、演算値Thが第1の閾値T1以上の状態が一定時間TL継続しているか否かを判定する。演算値Thが第1の閾値T1以上の状態が一定時間TL継続していれば、ステップS3に進み、スイッチ4が操作状態であると判定する。これに対し、演算値Thが第1の閾値T1以上の状態が一定時間TL継続していなければ、ステップS1に戻る。
【0046】
このように、本実施形態では、演算値Thが第1の閾値T1以上になって初めてのスキャンしたときの静電容量値に基づいて演算された演算値Th1に基づいて、ON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定している。具体的には、使用者の指とタッチ位置センサ6とが接触していると判定したときに、使用者の指とスイッチ4との接触面積に応じてON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定している。これにより、使用者の指の大きさにかかわらず、スイッチ4の操作を正確に検出することができるとともに、指の大きさにかかわらず使用者の操作感を等しくすることができる。
【0047】
続いて、図5を参照して、スイッチ4が操作状態であると判定された後の制御について(ステップS8以降のフロー)について説明する。
【0048】
ステップS8では、コントローラCは、OFF閾値Toffを設定する。具体的には、コントローラCは、スイッチ4が操作状態であると判定された後の演算値Thの中で最大の演算値Thに所定の係数βを乗じた値をOFF閾値Toffとして設定する。OFF閾値Toffは、スイッチ4が非操作状態であると判定するための閾値であり、本実施形態では可変の値である。また、OFF閾値Toffは、第4の閾値T4に相当する。
【0049】
ステップS9では、コントローラCは、演算値Thが最大値であるか否かを判定する。具体的には、演算した最新の演算値Thが、スイッチ4が操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最大値であるか否かを判定する。最新の演算値Thが、スイッチ4が操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最大値となっていれば、ステップS8に戻る。これに対し、最新の演算値Thが、スイッチ4が操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最大値でなければ、ステップS10に進む。
【0050】
ステップS10では、コントローラCは、演算値ThがOFF閾値Toffよりも小さいか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、最新の演算値ThがステップS8で設定したOFF閾値Toffよりも小さいか否かを判定する。最新の演算値ThがOFF閾値Toffよりも小さい、つまり、演算値ThがOFF閾値Toffよりも低下していれば、ステップS11に進み、スイッチ4が非操作状態(スイッチ4をONにする操作を終了しようとしている状態)であると判定する。これに対し、最新の演算値ThがOFF閾値Toff以上であれば、ステップS9に戻り、再びステップS9の判定を行う。
【0051】
ステップS12では、コントローラCは、演算値Thが閾値Tfinよりも小さいか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、演算した最新の演算値Thがあらかじめ定められた閾値Tfinよりも小さいか否かを判定する。閾値Tfinは、使用者が指を離したと確実に判定できるような値であり、固定値である。閾値Tfinは、第5の閾値T5に相当する。
【0052】
最新の演算値Thが閾値Tfinよりも小さい、つまり、演算値Thが閾値Tfinよりも低下していれば、使用者の指がスイッチ4から離されたと判定して、各閾値をリセットしSTARTに戻る。これに対し、最新の演算値Thが閾値Tfin以上であれば、ステップS13に進む。
【0053】
ステップS13では、コントローラCは、ON閾値Tonを設定する。具体的には、コントローラCは、スイッチ4が非操作状態であると判定された後の演算値Thの中で最小の演算値Thに所定の係数γを乗じた値を新たにON閾値Tonとして設定する。
【0054】
ステップS14では、コントローラCは、演算値Thが最小値であるか否かを判定する。具体的には、演算した最新の演算値Thが、スイッチ4が非操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最小値であるか否かを判定する。最新の演算値Thが、スイッチ4が非操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最小値となっていれば、ステップS12に戻る。これに対し、スイッチ4が非操作状態であると判定された後に演算した演算値Thの中で最小値でなければ、ステップS15に進む。
【0055】
ステップS15では、コントローラCは、演算値ThがON閾値Ton以上であるか否かを判定する。具体的には、コントローラCは、最新の演算値ThがステップS13で設定したON閾値Ton以上であるか否かを判定する。より具体的には、ステップS15では、スイッチ4が非操作状態であると判定された後、使用者の指とタッチ位置センサ6との接触面積が増加している、つまり、スイッチ4の押圧力が増加して演算値ThがON閾値Ton以上になったか否かを判定している。ステップS15において、演算値ThがON閾値Ton以上であれば、ステップS16に進み、演算値ThがON閾値Tonより小さければ、ステップS14に戻る。
【0056】
ステップS16では、スイッチ4が操作状態であると判定する。その後、ステップS8に戻り、再びステップS8以下の判定を行う。これにより、使用者がスイッチ4に指を接触させたまま、押圧力を強弱と変化させることによってスイッチ4を連続的に操作した場合にも、操作状態と非操作状態とを判定することができる。なお、連続的な操作については後で詳しく説明する。
【0057】
演算値Thは、使用者とスイッチ4との接触面積に応じた値であり、演算値Thの最大値、つまり、接触面積の最大値は、使用者の指の大きさに応じた値とみなすことができる。そこで、本実施形態では、スイッチ4が操作状態にあると判定した後は、演算値Thの最大値に基づいてOFF閾値Toffを設定する。これにより、使用者の指の大きさに応じたOFF閾値Toffを設定することができるので、スイッチ4の操作を正確に検出することができるとともに、指の大きさにかかわらず使用者の操作感を等しくすることができる。
【0058】
次に、図6から図8に示すタイムチャートを参照しながら、スイッチ判定制御の具体例について説明する。図6から図8の横軸における点線は、タッチ位置センサ6の検出タイミングを示している。
【0059】
まず、図6を参照して、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)を超える場合について説明する。
【0060】
使用者がスイッチ4の操作を開始すると、接触面積が徐々に上昇することに伴って演算値Thも徐々に上昇する。そして、コントローラCは、時刻t1において演算した演算値Th1が第1の閾値T1を超えたと判定すると、ON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定する。具体的には、演算値Th1に係数αを乗じた値をON閾値Ton(第2の閾値T2)として設定する。
【0061】
使用者が指をさらに押し込むと、接触面積はさらに上昇する。そして、コントローラCは、時刻t2において演算した演算値Th2がON閾値Ton(第2の閾値T2)を超えたと判定すると、スイッチ4が操作状態であると判定する。
【0062】
コントローラCは、スイッチ4が操作状態であると判定した後(時刻t2以降)は、演算した演算値Thの中で最大値を求め、その最大値に基づいてOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を設定する。図6に示す例では、時刻t3において演算値Thが最大値(演算値Th3)となっており、時刻t3以降は、演算値Th3に基づいて演算されたOFF閾値Toff(第4の閾値T4)に基づいて、スイッチ4の操作状態が判定される。
【0063】
使用者が指を戻し始めて接触面積が小さくなると、演算値Thは徐々に小さくなる。そして、演算値Thが第4の閾値T4より小さくなると(時刻t4)、コントローラCは、スイッチ4が非操作状態であると判定する。さらに、時刻t5において、演算値Thが閾値Tfin(第5の閾値T5)より小さくなると、コントローラCは、スイッチ判定制御を終了する。
【0064】
次に、図7を参照して、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)を超えない場合について説明する。
【0065】
使用者がスイッチ4の操作を開始すると、接触面積が徐々に上昇することに伴って演算値Thも徐々に上昇する。そして、コントローラCは、時刻t11において演算した演算値Th1が第1の閾値T1を超えたと判定すると、ON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定する。具体的には、演算値Th1に係数αを乗じた値をON閾値Ton(第2の閾値T2)として設定する。
【0066】
使用者が指をさらに押し込むと、接触面積はさらに上昇する。しかしながら、接触面積がさほど大きくならず、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)まで上昇しない状態が一定時間TL継続すると(時刻t12)、コントローラCは、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)まで上昇していなくても、スイッチ4が操作状態であると判定する。
【0067】
コントローラCは、スイッチ4が操作状態であると判定した後(時刻t12以降)は、演算した演算値Thの中で最大値を求め、その最大値に基づいてOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を設定する。図7に示す例では、時刻t13において演算値Thが最大値(演算値Th3)となっており、時刻t13以降は、演算値Th3に基づいて演算されたOFF閾値Toff(第4の閾値T4)に基づいて、スイッチ4の操作状態が判定される。
【0068】
使用者が指を戻し始めて接触面積が小さくなると、演算値Thは徐々に小さくなる。そして、演算値Thが第4の閾値T4より小さくなると(時刻t14)、コントローラCは、スイッチ4が非操作状態であると判定する。さらに、時刻t15において、演算値Thが閾値Tfin(第5の閾値T5)より小さくなると、コントローラCは、スイッチ判定制御を終了する。
【0069】
このように、本実施形態では、演算値Thが第1の閾値T1を超えた状態が一定時間TL継続すれば、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)まで上昇しなくても、スイッチ4が操作状態であると判定している。これにより、例えば、指先などで操作されるなど、接触面積が大きくならない場合であっても、スイッチ4の操作、言い換えると使用者の操作意志を正確に検出することができる。
【0070】
次に、図8を参照して、連打操作を行った場合について説明する。
【0071】
連打操作とは、例えば、空調装置の温度調整をする場合には、スイッチ4(第1スイッチ4aなど)を連続して操作することである。具体的に説明すると、例えば、第1スイッチ4aを強く押圧した後、若干力を緩め、その後、再度強く押圧する動作を連続して操作することで、温度調整を行うことがある。つまり、連打操作においては、使用者は、スイッチ4から指を離すことなく、スイッチ4の操作状態と非操作状態を繰り返すようにスイッチ4の押圧力を調整する。
【0072】
使用者がスイッチ4の操作を開始すると、接触面積が徐々に上昇することに伴って演算値Thも徐々に上昇する。そして、コントローラCは、時刻t21において演算した演算値Th1が第1の閾値T1を超えたと判定すると、ON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定する。具体的には、演算値Th1に係数αを乗じた値をON閾値Ton(第2の閾値T2)として設定する。
【0073】
使用者が指をさらに押し込むと、接触面積はさらに上昇する。そして、コントローラCは、時刻t22において演算した演算値Th2が第2の閾値T2を超えたと判定すると、スイッチ4が操作状態であると判定する。
【0074】
コントローラCは、スイッチ4が操作状態であると判定した後(時刻t22以降)は、演算した演算値Thの中で最大値を求め、その最大値に基づいてOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を設定する。
【0075】
図8に示す例では、時刻t23において演算値Thが最大値(演算値Th3)となっており、演算値Th3に基づいて演算されたOFF閾値Toff(第4の閾値T4)に基づいて、スイッチ4の操作状態が判定される。
【0076】
使用者が指を戻し始めて接触面積が小さくなると、演算値Thは徐々に小さくなる。そして、演算値Thが第4の閾値T4より小さくなると(時刻t24)、コントローラCは、スイッチ4が非操作状態であると判定する。
【0077】
コントローラCは、スイッチ4が非操作状態であると判定すると、再び第2の閾値T2を設定する。具体的には、演算値Thに係数γを乗じた値を新たなON閾値Ton(第2の閾値T2)として設定する。図8に示す例では、時刻t24以降、時刻t25において、演算値Thが最小値(演算値Th4)となっており、時刻t25以降は、演算値Th4に基づいて演算された第2の閾値T2に基づいて、スイッチ4の操作状態が判定される。
【0078】
そして、使用者が再び指を押し込み、演算値Thが新たに設定されたON閾値Ton(第2の閾値T2)を超えると(時刻t26)、コントローラCは、時刻t22において演算した演算値Th2がON閾値Ton(第2の閾値T2)を超えたと判定し、スイッチ4が操作状態であると判定する。
【0079】
以降は、演算値Thが、閾値Tfin(第5の閾値T5)を超えて低下する(時刻t27)まで同様の制御を繰り返し行う。なお、時刻t26以降については、図8に符号のみを示し、説明を省略する。
【0080】
このように、本実施形態では、ON閾値Ton(第2の閾値T2)及びOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を演算値Thの最小値及び最大値に基づいて設定しているので、スイッチ4を連打操作した場合であっても、ON閾値Ton(第2の閾値T2)及びOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を一定の値とした場合に比べて、使用者の操作意図を正確に把握し、スイッチ4の操作をより正確に検出することができる。
【0081】
なお、上記実施例では、ON閾値Ton(第2の閾値T2)及びOFF閾値Toff(第4の閾値T4)は、演算値Thに所定の係数(係数α、β、γ)を乗じて設定していたが、これに限らず、演算値Thに所定の係数を加算するなどして設定するようにしてもよい。
【0082】
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0083】
操作パネル2は、パネル部材3と、パネル部材3に設けられ、使用者によって押圧操作されるスイッチ4(スイッチ部)と、使用者の指とスイッチ4(スイッチ部)との接触面積に応じた電気信号を出力するタッチ位置センサ6(センサ部)と、タッチ位置センサ6(センサ部)から電気信号が入力されるコントローラC(制御部)と、を備え、コントローラC(制御部)は、タッチ位置センサ6(センサ部)から入力された電気信号に基づいて演算した演算値Thがあらかじめ設定された第1の閾値T1を超えたときに、使用者の指とタッチ位置センサ6(センサ部)とが接触していると判定するとともに、演算値Thに基づいて第1の閾値T1より大きな第2の閾値T2(ON閾値Ton)を設定し、演算値Thが第2の閾値T2(ON閾値Ton)を超えたときに、タッチ位置センサ6(センサ部)が操作されている操作状態であると判定する。
【0084】
使用者の指とタッチ位置センサ6(センサ部)とが接触していると判定したときに、使用者の指とスイッチ4(スイッチ部)との接触面積に応じた第2の閾値T2(ON閾値Ton)を設定し、第2の閾値T2(ON閾値Ton)に基づいてスイッチ4(スイッチ部)が操作されているか否かを判定している。これにより、使用者の指の大きさにかかわらず、スイッチ4の操作を正確に検出することができる。
【0085】
操作パネル2では、第2の閾値T2は、あらかじめ定められた上限値である第3の閾値T3を超えない範囲で設定される。
【0086】
第2の閾値T2に上限を定めておくことで、第2の閾値T2が過剰に大きな値になることを防止できる。
【0087】
操作パネル2では、第2の閾値T2は、演算値Thが第1の閾値T1を超えて初めて演算された前記演算値に所定の係数αを乗算することにより設定される。
【0088】
操作パネル2では、第2の閾値T2は、演算値Thが第1の閾値T1を超えて初めて演算された演算値Thに所定の係数を加算することにより設定される。
【0089】
これらの構成では、演算値Thを簡単に演算することができ、制御の負荷が大きくなることを抑制できる。
【0090】
操作パネル2では、コントローラC(制御部)は、演算値Thが第1の閾値T1を超えた状態が一定時間TL継続した場合には、演算値Thが第2の閾値T2を超えなくてもタッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態であると判定する。
【0091】
使用者の指が小さい、あるいは指先などで操作されるなど、使用者の指とタッチ位置センサ6(スイッチ部)との接触面積が演算値Thが第2の閾値T2を超えるほど大きくならない場合がある。そこで、演算値Thが第1の閾値T1を超えた状態が一定時間TL継続した場合には、使用者がスイッチ4を操作しようとしていると判定し、演算値Thが第2の閾値T2を超えなくてもタッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態であると判定する。これにより、使用者の指が小さい、あるいは指先などで操作されるなど接触面積が大きくならない場合であっても、スイッチ4の操作を正確に検出することができ、使用者の操作パネル2の操作感を向上させることができる。
【0092】
操作パネル2では、コントローラC(制御部)は、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態であると判定した後、演算値Thに基づいて第4の閾値T4(OFF閾値Toff)を設定し、演算値Thが第4の閾値T4(OFF閾値Toff)以下になったときにタッチ位置センサ6(スイッチ部)が非操作状態であると判定する。
【0093】
この構成では、演算値Thに基づいてOFF閾値Toffである第4の閾値T4を設定しているので、OFF閾値Toffを使用者に応じた値に設定することができる、これにより、スイッチ4の操作を正確に検出することができ、使用者の操作パネル2の操作感を向上させることができる。
【0094】
操作パネル2では、コントローラC(制御部)は、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態であると判定した後、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態になった後の演算値Thの最大値に基づいてOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を設定する。
【0095】
この構成では、演算値Thに基づいてOFF閾値Toffである第4の閾値T4をタッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態になった後の演算値Thの最大値に基づいて設定している。これにより、スイッチ4の操作を正確に検出することができ、使用者の操作パネル2の操作感をより向上させることができる。
【0096】
操作パネル2では、コントローラC(制御部)は、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が非操作状態であると判定した後、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が非操作状態であると判定した後の演算値Thの最低値に基づいてON閾値Ton(第2の閾値T2)を設定し、演算値ThがON閾値Ton(第2の閾値T2)以上になった場合に、タッチ位置センサ6(スイッチ部)が操作状態であると判定する。
【0097】
スイッチ4を連打操作した場合であっても、ON閾値Ton(第2の閾値T2)及びOFF閾値Toff(第4の閾値T4)を一定の値とした場合に比べて、使用者の操作意図を正確に把握し、スイッチ4の操作をより正確に検出することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0099】
上記実施形態では、スイッチ4を空調装置の操作のためのスイッチとする例を示した。しかしながら、スイッチ4としては、カーオーディオの操作のためのスイッチとしてもよいし、その他の操作のためのスイッチとしてもよい。
【0100】
上記実施形態では、スイッチ4を10個設ける例を示した。しかしながら、スイッチ4の数は、この態様に限定されない。
【0101】
上記実施形態では、本発明をインストルメントパネル1に設けられた操作パネル2に適用する例を示した。しかしながら、本発明は、コンソールやアームレストに設けられた入力装置に適用できる。また、本発明は、各種装置に設けられた操作パネルに適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 インストルメントパネル(車両用内装部品)
2 操作パネル
3 パネル部材
4 スイッチ(スイッチ部)
5 センサモジュール
6 タッチ位置センサ(センサ部)
11 基板部(コントローラC、制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8