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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】燃料電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1286 20160101AFI20230106BHJP
   H01M 8/1226 20160101ALI20230106BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20230106BHJP
   H01M 4/90 20060101ALI20230106BHJP
   H01M 4/92 20060101ALI20230106BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230106BHJP
【FI】
H01M8/1286
H01M8/1226
H01M4/86 U
H01M4/90 M
H01M4/92
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020549918
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2018038029
(87)【国際公開番号】W WO2020075285
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 憲之
(72)【発明者】
【氏名】笹子 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】杉本 有俊
(72)【発明者】
【氏名】三瀬 信行
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 成一
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-512166(JP,A)
【文献】特開2002-222659(JP,A)
【文献】特開2003-168448(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096399(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/1286
H01M 8/1226
H01M 4/86
H01M 4/90
H01M 4/92
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で網目形状を有する支持部が設けられた領域を有する支持基板と、
前記支持基板上の第1の電極と、
前記第1の電極上の電解質膜と、
前記電解質膜上の第2の電極とを有し、
前記第1の電極は、少なくとも前記領域を覆うように形成され、連続膜である第1の薄膜電極と、前記第1の薄膜電極と接続され、前記支持部に重なるように設けられ、前記第1の薄膜電極よりも厚い膜厚を有し、平面視で網目形状を有する第1の網目状電極とを有する燃料電池セル。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2の電極は、少なくとも前記領域を覆うように前記電解質膜上に形成され、連続膜である第2の薄膜電極と、前記第2の薄膜電極と接続され、前記支持部に重なるように設けられ、前記第2の薄膜電極よりも厚い膜厚を有し、平面視で網目形状を有する第2の網目状電極とを有する燃料電池セル。
【請求項3】
請求項1において、
前記支持基板は、半導体基板と、前記半導体基板の第1面上に形成された第1の絶縁膜とを有し、
前記半導体基板は、前記第1面に対向する第2面から、前記領域において前記第1の絶縁膜に達する第1の開口部が設けられ、
前記第1の絶縁膜に複数の第2の開口部が設けられることにより、前記領域において前記支持部が形成される燃料電池セル。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の絶縁膜は、引張り応力を有する燃料電池セル。
【請求項5】
請求項3において、
前記第1の絶縁膜は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜または窒化シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化アルミニウム膜との積層膜である燃料電池セル。
【請求項6】
請求項において、
前記第1の薄膜電極の材料は、Pt、Ag、Ni、Cr、Pd、Ru、Rhのいずれかである燃料電池セル。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1の薄膜電極の膜厚は、2nm以上30nm以下である燃料電池セル。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1の網目状電極は、Pt膜、Au膜、Ag膜、Mo膜、W膜、Ta膜、Hf膜、Si膜のいずれか、またはそれらの積層膜で形成される燃料電池セル。
【請求項9】
請求項2において、
前記支持基板上に、前記第1の薄膜電極、前記第1の網目状電極、前記電解質膜、前記第2の薄膜電極及び前記第2の網目状電極の順に積層されており、
前記第1の電極は、前記第1の網目状電極と接続され、前記第2の薄膜電極と同層に形成される第3の薄膜電極と、前記第3の薄膜電極と接続され、前記第2の網目状電極と同層に形成される第3の電極とを有し、
前記第3の電極の上端及び前記第2の網目状電極の上端の高さが等しくされる燃料電池セル。
【請求項10】
請求項1において、
前記支持基板上に、前記第1の網目状電極、前記第1の薄膜電極、前記電解質膜の順に積層されており、
前記第1の薄膜電極と前記電解質膜との界面は平面状である燃料電池セル。
【請求項11】
請求項10において、
前記第2の電極は、少なくとも前記領域を覆うように前記電解質膜上に形成され、連続膜である第2の薄膜電極と、前記第2の薄膜電極と接続され、前記支持部に重なるように設けられ、前記第2の薄膜電極よりも厚い膜厚を有し、平面視で網目形状を有する第2の網目状電極とを有し、
前記第2の薄膜電極と前記電解質膜との界面は平面状である燃料電池セル。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1の電極は、前記第1の薄膜電極と接続され、前記第2の薄膜電極と同層に形成される第3の薄膜電極と、前記第3の薄膜電極と接続され、前記第2の網目状電極と同層に形成される第3の電極とを有し、
前記第3の電極の上端及び前記第2の網目状電極の上端の高さが等しくされる燃料電池セル。
【請求項13】
請求項10において、
前記第1の網目状電極の側壁を覆うように第2の絶縁膜が形成されている燃料電池セル。
【請求項14】
請求項1において、
前記支持基板上に、前記第1の網目状電極、前記電解質膜の順に積層されており、
前記第1の網目状電極の幅は、前記支持部の幅よりも太くされており、
前記第1の薄膜電極は、前記領域において、前記支持部の前記積層された側と対向する側から前記支持基板、前記電解質膜及び前記第1の網目状電極と接するように形成される燃料電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高エネルギー変換が可能であり、且つ炭酸ガスや窒素酸化物などの汚染物質を排出しないクリーンエネルギー源として、燃料電池が注目されている。燃料電池のなかでも、固体電解質型燃料電池(以下、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)と略す)は、発電効率が高く、取扱いが容易な水素やメタン、一酸化炭素などのガスを燃料にできることから、他の方式と比較して優位な点が多く、省エネ性・環境性に優れたコージェネレーションシステムとして期待されている。SOFCは、固体電解質を燃料極と空気極で挟む構造となっており、電解質を隔壁として燃料極側に水素などの燃料ガスを供給し、空気または、酸素ガスを供給する構成である。SOFCにもいくつかのタイプがあり、特許文献1には、電解質を薄くすることにより電解質の導電率の低さを補い、単結晶シリコン基板に貫通窓を形成し、貫通窓に燃料極、電解質、空気極を積層した、低温動作(700℃以下)が可能なシリコン型SOFCが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されるシリコン型SOFCは、貫通窓の電解質に接する燃料極と空気極の少なくとも一方の電極は、集電を行う集電電極として、電解質の表面が露出する開口部を形成するフレーム電極と、フレーム電極の開口部内にガスを分解する反応電極として、電解質の表面に多数形成した微細な粒状電極を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-346817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
粒状電極同士は結合しておらず、粒状電極で発電しても電解質表面をトンネル電流でフレーム電極に伝導しなければならず、電力損失が大きくなり、発電効率が低下してしまう。また、電解質の下部に粒状電極とフレーム電極がある場合、電解質の形成時に凹凸が発生し、動作時の温度による熱膨張の影響で電解質の段差部が破損しやすくなるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、燃料電池セルの発電効率を向上させるとともに、電極および電解質膜に破損が生じにくい高信頼の燃料電池セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0008】
平面視で網目形状を有する支持部が設けられた領域を有する支持基板と、支持基板上の第1の電極と、第1の電極上の電解質膜と、電解質膜上の第2の電極とを有する燃料電池セルであって、第1の電極は、少なくとも領域を覆うように形成され、連続膜である第1の薄膜電極と、第1の薄膜電極と接続され、支持部に重なるように設けられ、第1の薄膜電極よりも厚い膜厚を有し、平面視で網目形状を有する第1の網目状電極とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。電極の抵抗値が低くすることにより、電力損失を抑制でき、発電効率を向上できる。
【0010】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1に係る燃料電池セルの平面図である。
図2図1のA-A線における燃料電池セルの断面図である。
図3】実施例1に係る燃料電池セルの製造工程を示す要部断面図である。
図4】実施例1に係る燃料電池セルの製造工程を示す要部断面図である。
図5】実施例1に係る燃料電池セルの製造工程を示す要部断面図である。
図6A】薄膜電極の水素ガス透過性を評価する測定回路の回路図である。
図6B】電極膜厚と水素ガス透過性との関係を示す図である。
図7】電圧降下量と開口部中心からの距離との関係を示す図である。
図8】実施例2に係る燃料電池セルの平面図である。
図9図8のB-B線における燃料電池セル及び支持部材の断面図である。
図10】実施例3に係る燃料電池セルの平面図である。
図11図10のC-C線における燃料電池セルの断面図である。
図12】実施例4に係る燃料電池セルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態の燃料電池セルは、ダイヤフラムを形成したシリコン基板を用い、電解質を電極で挟んだ積層構造を有する燃料電池セルである。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係る燃料電池セルの平面図、図2は、図1のA-A線における断面図である。図1に示すように、燃料電池セル1は、単結晶シリコン(Si)からなる半導体基板2上に形成された絶縁膜3上に、第1の薄膜電極4Aと第1の網目状電極4Bとからなる第1の電極4の一部が露出している。第1の電極4が露出している部分以外は広く電解質膜5で覆われており、さらにその内側には第2の薄膜電極6Aと第2の網目状電極6Bとからなる第2の電極6が形成されている。後述するように、第1の薄膜電極4A及び第2の薄膜電極6Aの膜厚は極めて薄くされている。第2の網目状電極6Bには複数の電極開口部7が設けられ、電極開口部7から第2の薄膜電極6Aが露出している。なお、絶縁膜3上に露出している第1の電極4及び第2の電極6は出力端子となり、外部とそれぞれ接続されて燃料電池セル1が発電した電力を供給する。
【0014】
図2に示すように、半導体基板2は、内側が除去された第1の開口部8を有しており、第1の開口部8では絶縁膜3が露出した形状となっている。半導体基板2及び絶縁膜3により、電極及び電解質膜の積層膜が支持されるため、半導体基板2及び絶縁膜3を総称して支持基板という。第1の開口部8において、絶縁膜3には第2の開口部9が複数設けられている。第2の開口部9は平面視で矩形状であり、第1の開口部8において、絶縁膜3は平面視で網目形状を有し、支持基板上に積層される電極や電解質膜を支持する支持部として機能する。絶縁膜3上には第1の薄膜電極4Aが少なくとも第1の開口部8を覆うように形成されている。したがって、第1の薄膜電極4Aは、第2の開口部9において第1の開口部8側に露出している。第2の開口部以外の絶縁膜3上に、すなわち網目形状を有する支持部に対応させて第1の薄膜電極4Aを介して第1の網目状電極4Bが配置され、第1の電極4を形成している。この図では、第1の網目状電極4Bが分離して示されているが、第1の網目状電極4Bの平面形状は、図1に示す第2の網目状電極6Bと同様の網目状であり、図示されていないところで電気的に繋がっている。なお、特に限定するものではないが、第1の開口部8の1辺の長さは5mm程度、第2の開口部9の1辺の長さは300μm程度の大きさである。
【0015】
第1の電極4上の殆どの部分に電解質膜5が形成されており、さらに電解質膜5の上には第2の薄膜電極6Aが少なくとも第1の開口部8及び第2の開口部9を覆うように形成される。第2の薄膜電極6A上には、第2の開口部9以外の領域に、したがって網目形状を有する支持部に対応させて第2の網目状電極6Bが形成される。第2の薄膜電極6Aと第2の網目状電極6Bとは電気的に接続されており、第2の電極6を形成している。
【0016】
よって、第2の開口部9に対応して、第2の電極6の電極開口部7が配置されることになるが、第1の開口部8の強度を保つ上で、第2の開口部9が電極開口部7の内側に配置される、すなわち第2の開口部9の開口面積よりも電極開口部7の開口面積の方が大きいことが好ましい。この関係を満たすことにより、第1の開口部8において、支持部である絶縁膜3により、第1の網目状電極4B及び第2の網目状電極6Bを支持することが可能になる。
【0017】
また、第1の網目状電極4Bは第1の薄膜電極4Aより膜厚が厚く、同様に第2の薄膜電極6Aより、第2の網目状電極6Bの膜厚を厚く形成している。これにより、第1の電極4の抵抗値、および第2の電極6の抵抗値を低くすることができ、燃料電池セル1が発電した際の電極抵抗による電力損失(抵抗損失)を低減することができる。
【0018】
次に、実施例1の燃料電池セル1の製造方法を、図3図5を用いて工程順に説明する。図3図5は、燃料電池セル1の製造工程における図1のA-A線における要部断面図である。まず、図3に示すように、単結晶SiでSi<100>の結晶方位からなるシリコン基板2を用意し、絶縁膜3を形成する。シリコン基板2は400μm以上の厚みを有している。絶縁膜3として、例えば、CVD法により引張り応力を有する窒化シリコン膜を約200nm形成する。なお、CVD法の場合、半導体基板裏側にも同じ膜厚の窒化シリコン膜が形成される。次に、ホトリソグラフィ技術を用いて、表側の絶縁膜3にパターニングを行い、絶縁膜3の一部を除去する。除去する領域は、燃料電池セル1の第2の開口部9に相当する領域である。次に、絶縁膜10として、例えばCVD法を用いて酸化シリコン膜を絶縁膜3よりも厚く形成する。その後、CMP(化学機械研磨)により、絶縁膜3が露出するまで平坦化を行い、絶縁膜3と絶縁膜10との段差がなくなるようにする。
【0019】
次に、図4に示すように、スパッタ法により金属膜、例えば白金膜(Pt)を20nmの厚さで形成し、その後絶縁膜10を確実に覆うようにホトリソグラフィ法を用いてパターニングを行い、Ar(アルゴン)ガスによるドライエッチング法などを用いて第1の薄膜電極4Aを形成する。なお、このとき、Pt膜と絶縁膜3および絶縁膜10との接着力を向上させるため、Pt膜の形成前にArガスによるスパッタエッチで下地となる絶縁膜3及び絶縁膜10の表面を例えば約10~15nmエッチングして表面改質する、あるいは接着を手助けするバリア金属膜としてチタン膜(Ti)を約2nm形成することも望ましい。次に、ホトリソグラフィ技術により、絶縁膜10以外の領域を開口したネガレジストのパターンを形成する。次に、第1の薄膜電極4A及びネガレジストパターン上に、スパッタ法にて例えばPt膜を約300nm形成し、その後ネガレジストを除去するリフトオフ法により、ネガレジスト上のPt膜を除去することで第1の薄膜電極4Aと第1の網目状電極4Bとが積層された第1の電極4が形成される。なお、第1の薄膜電極4Aと第1の網目状電極4Bとの接着力を向上させるため、Pt膜形成前にスパッタエッチングを行ってもよい。このとき、第1の網目状電極4Bから露出している第1の薄膜電極4Aは、非常に薄いため、粒が小さく平坦性が良好である。
【0020】
次に、図5に示すように、第1の電極4上にスパッタ法を用いて電解質膜5として例えばYSZ膜(イットリウムを含んだ酸化ジルコニウム膜)を500nm以下で形成する。本実施の形態では第1の薄膜電極4Aの平坦性が良好であるため、YSZ膜の結晶性を損なうことが少なく、例えば約100nmまで薄く形成することができる。次に、スパッタ法により、例えばPt膜を約20nm形成し、ホトリソグラフィ法を用いてパターニングを行い、Arガスによるドライエッチングにより、第2の薄膜電極6Aを形成する。次に前述したネガレジストを用いたリフトオフ法により、第2の網目状電極6Bを約300nmの膜厚で形成する。これにより、電極開口部7が形成される。その後、リソグラフィ法を用いて電解質膜5のパターニングを行い、フッ素系ガスによるドライエッチング、またはウェットエッチングにより、第1の電極4など露出させたい箇所の電解質膜5を除去する。なお、ネガレジストを用いたリフトオフ法による第2の電極6の形成前に、電解質膜5のパターニングを行ってもよい。続いて、シリコン基板2の裏面にある絶縁膜3にホトリソグラフィ技術と絶縁膜エッチング技術を用いてシリコン基板2の裏面を露出させる。
【0021】
続いて、パターニングしたシリコン基板2裏面の絶縁膜3をマスクとして、シリコン基板2のSi膜をKOH(水酸化カリウム)溶液、TMAH(テトラメチルアミド)溶液によるウェットエッチング、または、フッ素系ガスを主成分としたドライエッチングにより除去し、第1の開口部8を形成する。なお、Si膜と表側の絶縁膜3及び絶縁膜10とは、エッチング選択比が十分にあるため、シリコン基板2のエッチング終了後も、エッチングストッパとして残る。次に、フッ素系のウェットエッチングにより、絶縁膜10を除去して、燃料電池セル1が形成される。
【0022】
なお、第1の薄膜電極4A、および第2の薄膜電極6Aは、スパッタ法などを用いて形成される、粒界が多く(好ましくは、電解質膜5と燃料電池セル1に供給される燃料(H)または空気(O)と接する面まで粒界が通じており、また柱状結晶を有する)、かつ融点が使用温度より高い(例えば900℃以上)膜であれば良い。このような膜としては、例えばPt膜以外にも、銀膜(Ag)、ニッケル膜(Ni)、クロム膜(Cr)、パラジウム膜(Pd)、ルテニウム膜(Ru)、ロジウム膜(Rh)などが挙げられる。
【0023】
また、第1の網目状電極4B、および第2の網目状電極6Bは、抵抗率の低い金属が望ましく、金膜(Au)、銀膜(Ag)、その他高融点金属であるモリブデン膜(Mo)、タングステン膜(W)、タンタル膜(Ta)、ハフニウム膜(Hf)、不純物を含んだシリコン膜などでもよい。また、450℃以下の低温動作で使用する場合は、金膜(Au)、銀膜(Ag)、アルミニウム膜(Al)、銅膜(Cu)、カーボン(C)などでもよい。さらに、例示した導電膜の積層膜であってもよい。
【0024】
また、燃料電池セル1の燃料中に腐食性のガスが含まれる場合、第1の薄膜電極4A、第2の薄膜電極6Aは、窒化チタン膜(TiN)、窒化タングステン膜(WN)、窒化モリブデン膜(MoN)、窒化ハフニウム膜(HfN)、窒化タンタル(TaN)などの導電性の化合物材料でも良い。
【0025】
また、絶縁膜3は、窒化シリコン膜単層に限られず、窒化アルミニウム膜など他の絶縁膜であっても良く、または窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜、または窒化シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化アルミニウム膜との積層膜であってもよい。燃料電池セル1は熱サイクルに起因する熱応力を受ける。燃料電池セルの機械的強度を保つため、第1の開口部8内では絶縁膜3は引張り応力となるようにする。
【0026】
このように形成した第1の電極または第2の電極の水素ガス透過性について説明する。本実施例のような電解質膜を用いた燃料電池セルの発電効率を向上するためには、電解質膜のイオン伝導率の向上及び電力損失の低減が求められる。動作温度など使用環境にもよるが、電解質膜のイオン伝導率を向上するには、燃料ガスを効率的にイオン化して伝導させるため、第2の開口部9の膜厚を薄膜化することが要求される。しかしながら、第2の開口部9の膜厚を薄くするため、電解質膜を挟みこむ両電極の膜厚を薄くすると電極の抵抗値が増大し、電力損失が大きくなるというトレードオフの関係にある。
【0027】
薄膜電極の水素ガスの透過性を評価するため、図6Aに示す測定回路を用いた。評価試料60はソース(S)、ドレイン(D)、G(ゲート)をもつMOSFET構造を有している。ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜を例えば150nm形成し、その上にゲート電極(G)としてPt膜を所定の厚さで形成する。後述する電極膜厚と水素ガス透過性との関係を評価するため、最も薄い膜厚を2nm、最も厚い膜厚を50nmとして膜厚を異ならせた複数の評価試料60を用意した。測定回路61は、評価試料60のソース-ドレイン間に一定の電圧Vd(例えば1.5V)を印加し、ソース-ゲート間電圧Vgを掃引させながらドレイン電流Idを測定することにより評価試料60のId-Vg特性を得る。この測定を水素雰囲気の有無の2条件下で実施する。水素雰囲気下でのId-Vg特性は、水素を含まない雰囲気下でのId-Vg特性よりも、MOSFETのしきい値電圧を低下させる方向にシフトする。これは、水素イオンがゲート電極を透過することにより、ソース-ドレイン間に電流が流れやすくなるためである。このことは、水素濃度を増加させるほど、ドレイン電流が大きくなることからも裏付けられる。
【0028】
本評価においては、所定の水素濃度の水素雰囲気の有無によるId-Vg特性のシフト量をゲート電極膜厚の異なる複数の評価試料についてそれぞれ算出した。シフト量は、所定量のドレイン電流Idが流れるときのソース-ゲート間電圧Vgの差として求めた。図6Bは、ゲート電極膜厚の異なる評価試料のシフト量を、ゲート電極膜厚2nmのときのシフト量を100として正規化して示したものである。なお、Pt膜厚がおよそ2nm未満ではPt薄膜が連続膜とならず、ゲート電極として機能しなくなるため、特性が取得できなくなる。
【0029】
図6Bにおいて、前述の通り、横軸はゲート電極としたPt膜の膜厚であり、縦軸はId-Vg特性のシフト量であり、このシフト量をPt膜の水素透過量の指標とする。Pt膜は、スパッタ法により形成した場合、2nm以上の膜厚であればPtの粒が連続となり、なめらかな表面を有することを確認している。また、膜厚が厚く、特に50nm以上では粒が大きくなり表面粗さが5nm以上となることを確認している。この図から、Pt膜が厚くなるほど水素透過量が低下し、膜厚約30nm以上では、極わずかとなっている。一方で、膜厚2nmの場合と比較すると、膜厚10nmではその約80%、膜厚20nmでもその約50%の水素透過量が得られていることが分かる。
【0030】
このように、30nmより厚いPt膜厚では殆ど水素ガスが透過しなくなるが、それ以下の膜厚では、水素を透過させている。したがって、この実験結果からは、第1の薄膜電極4A、または第2の薄膜電極6Aを少なくとも30nm以下のPt膜とすることで、水素ガスを電解質膜5まで透過させることができ、発電することができる。膜厚が薄い程、特に、膜厚10nm以下では水素透過量が大きくなり、電解質膜のイオン伝導率が向上し、燃料電池セルの発電効率の向上につながる。
【0031】
一方、先に述べたように、燃料電池セルの電力損失は電極の抵抗値が低いほど抑制できる。第1の網目状電極4B、および第2の網目状電極6Bについては膜厚を厚くするほど低抵抗にできる。したがって、第2の開口部9における第1の薄膜電極4A、および第2の薄膜電極6Aの抵抗値について考慮する必要がある。すなわち、第1の電極4についていえば、発電時の電力損失は、第2の開口部9の中心から第1の網目状電極4Bまでの第1の薄膜電極4Aの抵抗による電圧降下による電力損失が支配的となる。
【0032】
燃料電池セルが発電する際の第2の開口部9の中心からの第1の電極4までの電流経路は、対称性から角度によらず一様に外側に流れる。したがって、第1の薄膜電極4Aにおいて生じる電圧降下Vrは、(式1)で表される。
Vr=Is×r2×R (式1)
なお、Is:電流密度、r:第2の開口部9の中心から第1の網目状電極4Bまでの距離、R:第2の開口部9内の第1の薄膜電極4Aの抵抗値、である。
【0033】
また、第2の開口部9内の第1の薄膜電極4Aの抵抗値Rは(式2)で表される。
R=ρ×r2/d (式2)
(式2)を(式1)に代入することにより、(式3)が得られる。
Vr=Is×ρ×r4/d (式3)
なお、ρ:第1の薄膜電極4Aの電極材料の抵抗率、d:第1の薄膜電極4Aの電極膜厚、である。
【0034】
この(式3)を用いて算出した、例えば発電電圧1V、電流密度:400mA/cm2と想定した場合の電圧降下Vrと第2の開口部9の中心からの距離との関係を図7に示す。第2の開口部9における第1の薄膜電極4Aの膜厚dにつき、10nm、20nm、30nmの3仕様に関して、電圧降下Vrと開口部中心からの距離との関係を算出したものである。
【0035】
図7より、電極膜厚dが厚くなるほど、開口部からの距離を大きくしてもそれに伴う電圧降下量は抑制できることがわかる。この理由は、(式2)から明らかであろう。例えば、発電電圧1Vの10%まで電圧降下を許容する場合、電解質膜5の両側に電極がある(第1の電極4及び第2の電極6)ことから、図7の例では、50mVが許容の電圧降下値となり、Pt膜厚が10nmであれば、開口部の大きさは200μmまで大きくとることができる。開口部中心からの距離を大きくとるほど発電面積が大きくなり、発電効率が高くなる利点がある。ただし、あまりにも第2の開口部9が大きくなると発電により生じる熱応力の関係から開口部の電解質膜5が破壊されてしまう。経験的には、開口部中心からの距離について約300μmを超えて大きくすると、熱応力によって開口部の電解質膜5が破壊されやすくなる。
【0036】
以上より、第1の電極または第2の電極の薄膜電極は、その膜厚が30nm以下の連続膜であり、開口部の大きさが開口部中心からの距離が300μm以内となっていれば、電解質膜のイオン伝導率の向上及び電力損失の低減を両立させる燃料電池セルが実現可能である。
【0037】
加えて、第2の開口部9を絶縁膜3に形成することにより、半導体基板2に第2の開口部9を形成するよりも、第2の開口部9同士の間隔を狭くすることができている。さらに、絶縁膜3の応力を調整することにより、第1の開口部8内の膜強度の調整が容易である。
【0038】
また、第2の開口部9の形状は図1では四角形となっているが、これに限られない。例えば、六角形も開口率を高くとりやすい利点がある。
【0039】
また、図1の例では第1の電極、第2の電極とも同じ電極構造としたが、第2の電極についてはポーラス状の導電膜を用いることも可能である。第1の電極については第1の薄膜電極4Aにより電解質膜5の膜質を高めることができるため、本実施例の構造とすることが望ましい。ただし、第2の電極をポーラス状の導電膜とする場合には、腐食性のガスの影響を受けないよう、第2の電極を空気極、第1の電極を燃料極として使用することが望ましい。以上の変形例は、以下に記載する実施例2等についても同様である。
【実施例2】
【0040】
実施例2に係る燃料電池セルは、第1の電極及び第2の電極の半導体基板からの高さを同じにすることにより、実施例1に係る燃料電池セルよりも外部に電力を出力しやすい構造としたものである。特に、燃料電池セル同士の表面を合わせたスタック構造にする場合、電極同士を接合して、出力することが容易になる。
【0041】
図8は、実施例2の燃料電池セルの平面図、図9は、図8のB-B線における燃料電池セルの断面図である。図9において、燃料電池セルは、その支持部材である、燃料電池セルが発電した電力を外部出力する上蓋基板15及び台座13により支持された状態を示している。
【0042】
図8に示されるように、燃料電池セル11は、電解質膜5上に発電した電力を出力する第1の電極4と第2の電極6とが左右に分かれており、それぞれが、例えば左右に分かれて配置された外部端子と接続される。なお、当然ながら、電解質膜5上で、第1の電極4と第2の電極6とは分離されている。
【0043】
図9において、燃料電池セル11は、実施例1として示した燃料電池セル1と比較すると半導体基板上に形成される第1の薄膜電極4A及び第1の網目状電極4Bは同じ構造であるが、第1の電極4上に形成される電解質膜5は、半導体基板を全面覆うように設けられる。電解質膜5の一部を除去して第1の網目状電極4Bを露出させ、第2の薄膜電極6Aと同一層で形成される第3の薄膜電極4C、および第2の網目状電極6Bと同一層で形成される第3の電極4Dが露出された第1の網目状電極4B上に形成され、第1の電極4を構成している。前述の通り、第3の薄膜電極4Cと第2の薄膜電極6A、および第3の電極4Dと第2の網目状電極6Bとは分離されており、電気的に繋がっていない。ただし、半導体基板2から第3の電極4Dの最上面までの高さと半導体基板2から第2の網目状電極6Bの最上面までの高さは同等とされている。
【0044】
燃料電池セル11の第1の開口部8が設けられた裏面側に水素ガスを供給するとした場合、ガスの流路を形成するため、セラミックまたは金属による下部の台座13を設け、気密性を保つ構造とする。また、燃料電池セル11の電極端子がある上側は空気の流路とするため、配線16、17を設けた上蓋基板15が載っている。上蓋基板15の材料もセラミックまたは金属である。配線16は第3の電極4Dと、配線17は第2の網目状電極6Bとそれぞれ接続されている。配線16及び配線17は、図示しない発電をコントロールする装置などを介して燃料電池セル11からの電力を消費する装置に接続できるようになっている。当然ながら、上蓋基板15上では、配線16と配線17とは分離されており、電気的に繋がっていない。
【0045】
燃料電池セル11においては、第3の電極4Dの上端及び第2の網目状電極6Bの上端の高さが等しくされているため、上蓋基板15上の配線16及び配線17との接触が良好となり、発電損失を低減することができる。また、水素ガスと空気とが混合しないように、燃料電池セル11が隔壁の役割を果たすとともに、空気が供給される側に出力電極があることで、電極(第1の電極4または第2の電極6)が腐蝕するおそれがなく、また水素ガスへの着火のおそれをなくすことができる。
【0046】
さらに、上蓋基板15上に燃料電池セル11を接着し、その上に上蓋基板15を重ねていくことで複数の燃料電池セルをスタックして発電量を向上させることができる。この場合、上蓋基板15の上面(空気が供給される面とは対向する面)側には台座13と同様に水素ガスを供給するための流路が形成される。なお、台座13、あるいは燃料電池セルをスタックする場合には上蓋基板15と燃料電池セル11の裏面絶縁膜3との間に気密性を保つためのシール材を挟んでもよい。
【実施例3】
【0047】
実施例3に係る燃料電池セルは、実施例1または実施例2における第1の網目状電極4Bに相当する第1の電極4の厚膜部分を第1の薄膜電極4Aより下面に設ける構造を有している。これにより、第1の電極4の抵抗値を低減することができる。
【0048】
図10は、実施例3の燃料電池セルの平面図、図11は、図10のC-C線における断面図である。図10に示すように、実施例3における燃料電池セル18の外部への出力端子は同じ高さとされている。すなわち、第2の電極6は電解質膜5上に形成された第2の薄膜電極6A及び第2の網目状電極6Bにより構成され、第1の電極4は、第2の薄膜電極6Aと同層に形成される第3の薄膜電極4C、及び第2の網目状電極6Bと同層に形成される第3の電極4Dを有し、第3の電極4Dの上端及び第2の網目状電極6Bの上端の高さが等しくされている。
【0049】
図11に示されるように、燃料電池セル18の断面構造は、半導体基板2に第1の開口部8とその上に絶縁膜3を形成し、絶縁膜3に第2の開口部9が設けられているところまで、図2に示した燃料電池セル1の断面構造と同一である。第1の開口部8において、絶縁膜3は支持部として機能する網目形状を有しており、支持部に対応させて網目状の導電膜20が形成されている。網目状の導電膜20は実施例1等の第1の網目状電極4Bと同じく、電極の抵抗を低下させる役割を果たす。導電膜20は、例えばスパッタ法を用いて形成されるPt膜、またはW膜、Mo膜など融点が高く、低抵抗率の約200~300nmの厚みを有する金属膜である。導電膜20の側壁には、第2の開口部9において導電膜20が露出しないように、第2の絶縁膜19が設けられている。例えば、第2の絶縁膜19として、酸化シリコン膜を用いることができる。導電膜20と第2の絶縁膜19とは、CMP法などを用いて膜厚が同じになるように平坦化されている。平坦化された導電膜20と第2の絶縁膜19上に第1の薄膜電極4Aが形成されている。第1の薄膜電極4Aのパターニング後、スパッタ法を用いて電解質膜5を形成する。実施例3の構造では、例えば実施例1の構造のように、第1の網目状電極4Bによる凹凸の影響をうけることなく電解質膜5を形成できるため、第1の薄膜電極4Aと電解質膜5との界面が平面状となり、電解質膜5の結晶性を高めることができ、電解質膜5の膜厚を薄くしても欠陥によるリークを減らせるため、発電効率の向上、および歩留まりの向上が可能になる。
【0050】
なお、燃料電池セル18が発電した電力の外部への出力に関しては、実施例2と同様に電解質膜5に開口部を設け、第1の薄膜電極4Aを露出させ、第2の薄膜電極6Aと同層に形成される第3の薄膜電極4Cを接続し、その後、第2の網目状電極6Bと同層に第3の電極4Dを形成する。このように、燃料電池セル18の第1の電極4は、導電膜20、第1の薄膜電極4A、第3の薄膜電極4C及び第3の電極4Dから構成される。
【0051】
実施例3に係る燃料電池セルにおいても、網目状にパターニングがなされた導電膜20により、実施例1や実施例2と同様に、第1の電極4の抵抗値を低減することができる。さらに、第1の薄膜電極4A及び第2の薄膜電極6Aと電解質膜5との界面が平面状として、より膜厚を薄くすることにより、発電効率及び歩留まりを向上させることが可能になる。
【実施例4】
【0052】
実施例4に係る燃料電池セルは、第1の薄膜電極4Aを基板の裏側に配置している。図12は、実施例4に係る燃料電池セル21の断面図である。
【0053】
図12に示すように第2の開口部9を有する絶縁膜3上に、第1の網目状電極4Bが直接形成され、それより上層の電解質膜5、第2の薄膜電極6A、第2の網目状電極6Bは、実施例1と同じである。一方、第1の薄膜電極4Aは、第1の開口部8および第2の開口部9を形成した後に、裏面側から形成している。なお、第1の開口部8内の絶縁膜3の幅より、第1の網目状電極4Bの幅を太く設計することにより、裏面から形成した第1の薄膜電極4Aと第1の網目状電極4Bとが接続されている。これにより、第1の電極4の抵抗値を低減することができ、燃料電池セル21の発電損失を低減できる。また、電解質膜5を形成するにあたっては、実施例1と同様に、第2の開口部9には、酸化シリコン膜などのアモルファス膜が形成されている(図3を参照)。アモルファス膜上に形成される電解質膜5はより結晶性が向上する。実施例4では絶縁膜3の幅より、第1の網目状電極4Bの幅を太く設計されていることにより、電解質膜5は、実質的にアモルファス膜上に形成されることによって結晶性が向上し、薄くても信頼性の高い膜質が得られ、発電効率を高めることができる。なお、実施例2に係る、第1の電極4と第2の電極6の高さを揃えた燃料電池セルに対しても、図12の特徴である第1の薄膜電極4Aを基板の裏側から配置する構成を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,11,18,21:燃料電池セル、2:半導体基板、3:絶縁膜、4:第1の電極、4A:第1の薄膜電極、4B:第1の網目状電極、5:電解質膜、6:第2の電極、6A:第2の薄膜電極、6B:第2の網目状電極、7:電極開口部、8:第1の開口部、9:第2の開口部、10:絶縁膜、13:台座、15:上蓋基板、16,17:配線、19:第2の絶縁膜、20:導電膜、60:評価試料、61:測定回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12