(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】車両用の向上された展開可能キャノピー
(51)【国際特許分類】
B60J 7/02 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
B60J7/02 A
(21)【出願番号】P 2019564102
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(86)【国際出願番号】 AU2018050456
(87)【国際公開番号】W WO2018209384
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519406544
【氏名又は名称】ドンキン,マーク
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ドンキン,マーク
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-054816(JP,U)
【文献】特開2005-145233(JP,A)
【文献】実開平03-073225(JP,U)
【文献】特開2008-213796(JP,A)
【文献】特開昭57-134354(JP,A)
【文献】特開平04-103432(JP,A)
【文献】米国特許第04712827(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客室および貨物室を有する実用車両用の展開可能キャノピーシステムであって、前記システムは、展開可能キャノピーを備え、前記キャノピーは、屋根部分および後方移動柱を備え、前記キャノピーの前部は、屋根に搭載された客室トラックと係合し、前記後方柱の遠位端は、前記展開可能キャノピーが、前記屋根部分が実質的に前記客室の上に在る収容位置から前記屋根部分が前記貨物室を実質的に被覆する展開構成に長手方向に摺動可能となるように、前記貨物室の貨物室縁トラックと係合し、前記屋根部分は、前記展開構成において前記貨物室の側部を被覆する展開のために、サイドパネルを前記収容位置に水平方向に収容し、各サイドパネルは
剛性であり、それによって、内縁および外縁を画定し、前記内縁は、対向する水平屋根部分トラック内を水平方向に摺動し、前記外縁は、
各サイドパネルが水平と垂直との間で回転するように、前記後方柱と前記客室の間で、対向する内向き垂直トラック内を垂直方向に摺動し、前記内向き垂直トラックは、前方および後方垂直トラックを備え、前記水平屋根部分トラックは、前方および後方水平トラックを備え、前記展開位置において、前記前方水平トラックと垂直トラックは整列する、展開可能キャノピーシステム。
【請求項2】
前記システムが、さらに、前記前方垂直トラックを有する固定前方柱を備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項3】
前記後方柱が、実質的に直交する後方部分および外側部分を備え、前記収容構成において、前記外側部分は、前記前方柱に重なるまたは隣接する、請求項2に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項4】
前記パネルが、前記トラック内で動くベアリングを備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項5】
前記ベアリングが、前記トラック内の拡大チャネル内に固定されている、請求項4に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項6】
前記貨物室縁トラックが、対向する内向きの入口を有する、請求項5に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項7】
対応する開口内で選択的に係止するパネル係止ピンをさらに備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項8】
前記パネルが、少なくとも1つのサイドパネル位置において対応する開口内で選択的に係止する選択的長手方向延在係止ピンを備え、前記開口は、前記トラックと一列に並んで位置する、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項9】
前記係止ピンが、前記パネルのベアリングと同軸上にある、請求項8に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項10】
前記パネルの外縁および前記貨物室に対してシーリングを行う縁部のシールをさらに備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項11】
前記パネルの側部外向き縁および前記柱の対応する内向き縁に対してシーリングを行う外側のシールをさらに備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項12】
前記パネルが、電気機械式アクチュエータによって移行する、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項13】
前記パネルが、少なくとも1つの横方向に配向されたねじ棒を有するねじ駆動電気機械式アクチュエータによって移行する、請求項12に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項14】
前記ねじ駆動電気機械式アクチュエータが、前記パネルの内縁に作用する、請求項13に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項15】
前記パネルが、ヒンジによって結合された窓を備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項16】
前記窓を開いたまま保持するガスストラットをさらに備える、請求項15に記載の展開可能キャノピーシステム。
【請求項17】
前記展開位置において前記展開可能キャノピーの後部を囲む上方展開可能テールゲート窓をさらに備える、請求項1に記載の展開可能キャノピーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両用の向上された展開可能キャノピーに関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
2007年12月13日のWO2007/140697A1(ZHANG HAO)およびCN2918151Y(本明細書中以下でD1と称する)は、車室の上のトラックに沿ってかつ貨物エリアの側縁に沿って摺動して貨物エリアを選択的に囲む長手方向摺動貨物キャノピーを開示する。
【0003】
2001年10月3日のCN1315280A(SONG WEI)(本明細書中以下でD2と称する)は、同様の長手方向摺動貨物キャノピーであるが、キャノピーを推進するためのカウリングの下に隠されたねじ駆動部を備える長手方向摺動貨物キャノピーを開示する。キャノピーの展開時、貨物室の側壁内に隠された窓は上方に展開して、貨物エリアを囲む。
【0004】
2004年11月18日のDE10340085A1(DAIMLER CHRYSLER AG)(本明細書中以下でD3と称する)は、同様の長手方向摺動貨物キャノピーであるが、第1の実施形態において下に降りて展開する、キャノピーの外側縁にヒンジで結合された窓および第2の実施形態において上方展開する、貨物室の側壁内に隠された窓を備える長手方向摺動貨物キャノピーを開示する。
【0005】
2002年1月24日のUS2002/0008396A1(DE GAILLARD)(本明細書中以下でD4と称する)は、必要でないとき様々な区画に収容され得る実施形態における取り外し可能な窓を備える同様の長手方向摺動貨物キャノピーを開示する。
【0006】
2002年1月3日のDE10028777A1(WEBASTO VEHICLE SYSTEMS INTERNATIONAL GMBH)(本明細書中以下でD5と称する)は、貨物室の側壁内に隠された窓を同様に備える長手方向摺動貨物キャノピーを同様に開示する。
【0007】
2004年4月23日のFR2845964B1(RENAULT S.A.S)(本明細書中以下でD6と称する)は、同様に、第1の実施形態において長手方向摺動貨物キャノピーおよび第2の実施形態において収容可能なストラット、窓、および柱によって展開可能な貨物キャノピーを開示する。
【0008】
1993年11月09日のUS5259659A(INABA)(本明細書中以下でD7と称する)は、外側縁トラック内に巻き出されて貨物室のエリアを選択的に囲むサイドカバーを備える実用車両を開示する。
【0009】
2017年4月26日のCN106585477A(ZHENJIANG COLLEGE)(本明細書中以下でD8と称する)は、同様に、外側縁トラック内に巻き出されて貨物室のエリアを選択的に囲むサイドカバーを備える実用車両を開示する。
【0010】
1993年2月16日のUS5186231A(LEWIS)(本明細書中以下でD9と称する)は、貨物室の上部にわたって巻き出される、長手方向ストラットによって保持される日よけを開示する。
【0011】
2017年1月26日のWO2017/013328A1(RENAULT S.A.A)(本明細書中以下でD10と称する)は、車両の屋根および後部を被覆する長手方向巻き出しカバーを開示する。
【0012】
2003年3月12日のEP1291218A1(ADAM OPEL AG)(本明細書中以下でD11と称する)は、同様に、車両の屋根および後部を被覆する長手方向巻き出しカバーを開示する。
【0013】
本発明は、従来技術の欠点の少なくとも一部を克服もしくは実質的に改良するだろう、車両用の向上された展開可能キャノピーを提供しようとする、または、少なくとも代替物を提供しようとする。
【0014】
オーストラリアまたは任意の他の国において、任意の従来技術の情報が本明細書中で参照される場合、係る参照は、その情報が当分野における一般常識の一部を形成するという承認を構成しないことが理解されよう。
【発明の概要】
【0015】
本明細書中において、客室および貨物室を有する実用車両用の向上された展開可能キャノピーが提供される。
【0016】
第1の実施形態によれば、システムは、屋根部分およびそこから下方に延在する後方柱を備える展開可能キャノピーを備える。貨物室を選択的に囲むために、屋根部分は客室の屋根トラックに沿って、柱は貨物室の縁トラックに沿って、収容位置から展開位置まで長手方向に摺動する。
【0017】
展開可能キャノピーは、サイドパネルを収容位置においてその内部にまたはその下に水平方向に収容することを特徴とする。キャノピーの展開時、サイドパネルは、そこから、トラックの配置を用いて、通常は自動機械式アクチュエータ制御下で、水平方向から垂直方向に移行しながら摺動する。
【0018】
具体的には、トラックの配置は、パネルの内縁が水平方向にその間を摺動する、屋根部分によって形成された水平トラックを備える。トラックの配置は、さらに、パネルの外縁が垂直方向にその間を摺動する垂直トラックを備える。
【0019】
垂直トラックは、後方柱の前縁上の後方垂直トラックおよび客室または固定垂直柱によって形成された前方垂直トラックによって形成される。
【0020】
キャノピーの展開時、水平トラックの前方トラックと前方垂直トラックは、パネルの外部前方縁のベアリングが垂直方向から水平方向に移行するようそれらの間で移行可能となるように、一列に並ぶ。
【0021】
このようなパネルの展開により、従来技術のサイドパネルの、ヒンジにより結合され枢動するタイプの展開と対照的に、サイドパネルをその内縁および外縁の両方を制御することによって展開することが可能となる。具体的には、従来技術の構成は、サイドパネルがまずキャノピーから水平方向に突き出て、それから下方に枢動する第1の構成、およびパネルがキャノピーの内側の中で外方に摺動する第2の構成を備え得る。
【0022】
しかしながら、第1の構成は、移動の際、障害となりがちであり、ウィンドシアに巻き込まれ得る。さらに、第2の構成は、貨物室内の貨物によって妨害され得る。
【0023】
対照的に、本構成は、パネルの内縁および外縁の両方を制御し、それによって、キャノピーを越えて突出することまたは貨物室の内部を大幅に通って移行することを回避する。
【0024】
さらに、本構成は、下部のウェザシールに対して垂直トラックのベアリングへの下方圧力および外側のウェザシールに対して水平トラックのベアリングへの上方圧力によって、パネルが下部のかつ外側のウェザシールに対して密に密閉することを可能とする。
【0025】
さらに、本構成は、パネルが、枢動するガラス窓などのさらなる構成部品を支持することを可能とする。
【0026】
パネルは、回転ねじ駆動棒を備えるものといった電気機械的作動によって展開され得る。一対のねじ駆動棒は、パネルの内縁の前方縁および後方縁を駆動し得る。さらに、単一のねじ回し棒は、両パネルを逆方向に駆動し得る。
【0027】
パネルがそうした作動下でトラックの配置内を移行する方法により、完全展開時にその下縁に最大圧力が加わり、それによって、縁部のウェザシールへの圧力が最大化される。さらに、そうした作動によって加えられる上方への力により、さらに、完全展開時に外側のウェザシールへの圧力が最大化され得る。
【0028】
第2の実施形態によれば、前方ビルダーバーと後方ビルダーバーの間で、対応する前方継手および後方継手によって長手方向に選択的に係合する取り外し可能なカセットが提供される。
【0029】
取り外し可能なカセットは、サイドカバーがそこから広がりビルダーバーに沿って内向きトラック内で係合摺動して貨物室の側部を選択的に被覆する長手方向外側開口を備える。
【0030】
一実施形態では、取り外し可能なカセットは、略卵形の断面を備えるものといった実質的に細長い構造物を備え得、サイドカバーは、その内部でロール状に巻かれ、そこから長手方向外側開口を介して引き出され得る。この実施形態は、補強されたキャンバス生地のサイドカバーといったローラシャッタまたは柔軟なカバーに適し得る。
【0031】
ロールは、コイルばね引き込み式であり得または代替として電気機械的に作動され得る。
【0032】
さらなる実施形態によれば、取り外し可能なカセットは、各カバーがそこから展開し得る対向側部における外側開口縁部を画定する1つまたは一対の同一平面上の重なり合う直線チャネルを備え、実質的に平坦であり得る。この実施形態は、連動する金属押出部構成を備える金属カバーなどの柔軟性の低いカバーに適し得る。
【0033】
一実施形態によれば、前方継手および後方継手は、ビルダーバーの対応する開口まで延在する選択的長手方向延在係止ピンを備え得る。このようにして、取り外し可能なカセットは、係止ピンを引き戻すことによって、ビルダーバーの間で、容易に取り外され得るまたは係合され得る。
【0034】
実施形態において、内向きトラックは、ビルダーバーの周りに位置するスリーブによって提供され得る。
【0035】
一態様によれば、客室および貨物室を有する実用車両用の展開可能キャノピーシステムが提供され、システムは展開可能キャノピーを備え、キャノピーは、屋根部分および後方移動柱を備え、キャノピーの前部は、屋根に搭載された客室トラックと係合し、後方柱の遠位端は、展開可能キャノピーが屋根部分が客室の上に実質的に在る収容位置から屋根部分が貨物室を実質的に被覆する展開構成まで長手方向に摺動可能となるように、貨物室の貨物室縁トラックと係合し、屋根部分は、展開構成において貨物室の側部を被覆するように展開するために、サイドパネルを収容位置に水平方向に収容し、各サイドパネルは、内縁および外縁を画定し、内縁は、対向する水平屋根部分トラック内を水平方向に摺動し、外縁は、後方柱と客室の間を、対向する内向き垂直トラック内で垂直方向に摺動し、内向き垂直トラックは、前方かつ後方垂直トラックを備え、水平屋根部分トラックは、前方かつ後方水平トラックを備え、展開位置において、前方水平トラックと垂直トラックは整列する。
【0036】
システムは、さらに、前方垂直トラックを有する固定前方柱を備え得る。
【0037】
後方柱は、実質的に直交する後方部分および外側部分を備え得、収容構成において、外側部分は、前方柱と重なるまたは隣接する。
【0038】
パネルは、トラック内で動くベアリングを備え得る。
【0039】
ベアリングは、トラック内の拡大したチャネル内で固定され得る。
【0040】
貨物室の縁トラックは、対向する内向きの入口を有し得る。
【0041】
展開可能キャノピーシステムは、さらに、対応する開口内で選択的に係止するパネル係止ピンを備え得る。
【0042】
パネルは、少なくとも1つのサイドパネル位置において対応する開口内で選択的に係止する選択的長手方向延在係止ピンを備え得、開口は、トラックと一列に並んで位置する。
【0043】
係止ピンは、パネルのベアリングと同軸上にあり得る。
【0044】
展開可能キャノピーシステムは、さらに、パネルの外縁および貨物室に対してシーリングを行う縁部のシールを備え得る。
【0045】
展開可能キャノピーシステムは、さらに、パネルの側部外向き縁および柱の対応する内向き縁に対してシーリングを行う外側のシールを備え得る。
【0046】
パネルは、電気機械式アクチュエータによって移行し得る。
【0047】
パネルは、少なくとも1つの横方向に配向されたねじ棒を有するねじ駆動電気機械式アクチュエータによって移行し得る。
【0048】
ねじ駆動電気機械式アクチュエータは、パネルの内縁に作用する。
【0049】
パネルは、ヒンジによって結合されたまたは摺動する窓を備え得る。
【0050】
展開可能キャノピーシステムは、さらに、窓を開いたままに保持するガスストラットを備え得る。
【0051】
展開可能キャノピーシステムは、さらに、展開可能キャノピーの後部を展開位置において囲む上方展開可能テールゲート窓を備え得る。
【0052】
別の態様によれば、客室および貨物室を有する実用車両用の展開可能キャノピーシステムが提供され、システムは、貨物室の前方ビルダーバーと後方ビルダーバーの間で長手方向に選択的に係合する取り外し可能なカセットを備え、取り外し可能なカセットは、貨物室を選択的に被覆するために、その内部に保持されているサイドカバーがそこから内向き前方かつ後方トラック内に水平方向に供給される外側縁を備え、取り外し可能なカセットは、前方ビルダーバーと後方ビルダーバーの間で選択的に係合するための前方継手および後方継手を備え、取り外し可能なカセットがビルダーバーの間で係合されると、サイドカバーの縁は、各トラック内に延在する。
【0053】
継手は、ビルダーバーの対応する開口内で選択的に係止した選択的長手方向延在係止ピンを備え得る。
【0054】
継手は、さらに、取り外し可能なカセットを支持するための、取り外し可能なカセットの下で延在するトラックの下位部を備える。
【0055】
取り外し可能なカセットは、貨物室の半分よりも小さい幅を備え得る。
【0056】
取り外し可能なカセットは、その内部に巻かれているカバーのロールを有しかつその対向する外側側部に外側縁を有する実質的に卵型の断面を備え得る。
【0057】
ロールは、引き込みされたコイルばねであり得る。
【0058】
ロールは、電動式であり得る。
【0059】
取り外し可能なカセットは、貨物室の半分よりも大きな幅を備え得る。
【0060】
取り外し可能なカセットは、実質的に平坦な構成を備え得る。
【0061】
取り外し可能なカセットは、対向する外側側部における外側縁に各々がつながる1つまたは一対の同一平面上の重なり合う直線チャネルを備え得る。
【0062】
発明の他の態様も開示される。
【0063】
本発明の範囲内にあり得る他のいかなる形式にもかかわらず、開示の好ましい実施形態は、単なる例として、添付図面を参照してここで記載されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】実施形態による実用車両用の展開可能キャノピーの展開の図である。
【
図2】実施形態による実用車両用の展開可能キャノピーの展開の図である。
【
図3】実施形態による実用車両用の展開可能キャノピーの展開の図である。
【
図4】展開可能キャノピーの屋根部分内に水平方向に収納されている状態から実用車両の後方移動柱と客室の間で垂直方向に保持されている状態へのサイドパネルの展開の図である。
【
図5】展開可能キャノピーの屋根部分内に水平方向に収納されている状態から実用車両の後方移動柱と客室の間で垂直方向に保持されている状態へのサイドパネルの展開の図である。
【
図6】展開可能キャノピーの屋根部分内に水平方向に収納されている状態から実用車両の後方移動柱と客室の間で垂直方向に保持されている状態へのサイドパネルの展開の図である。
【
図7】実施形態による、サイドパネルが、後部客室または客室の運転手窓に対して重なって収納されている実施形態の図である。
【
図8】サイドパネルの展開を示す展開可能キャノピーの後面図である。
【
図9】サイドパネルの展開を示す展開可能キャノピーの後面図である。
【
図10】サイドパネルの展開を示す展開可能キャノピーの後面図である。
【
図11】実施形態による展開可能キャノピーの後面図である。
【
図12】実施形態による展開可能キャノピーのサイドパネルの側面図である。
【
図13】実施形態による展開可能キャノピーのサイドパネルの上面図である。
【
図14】実施形態による客室の屋根よりも長い貨物室を備える実用車両用の展開可能キャノピーの分岐構成の図である。
【
図15】実施形態による客室の屋根よりも長い貨物室を備える実用車両用の展開可能キャノピーの分岐構成の図である。
【
図16】さらなる実施形態による、前方ビルダーバーおよび後方ビルダーバーならびにそれらの間に長手方向に位置する取り外し可能なカセットを備える実用車両の上面斜視図である。
【
図17】実施形態による取り外し可能なカセットからのサイドカバーの展開の図である。
【
図20】実施形態における前向きトラックおよび後ろ向きトラックを画定する係合しているスリーブを備えるビルダーバーの構成の上面図である。
【
図21】実施形態による、取り外し可能なカセットおよびビルダーバーの間での係合のための取り外し可能なカセットの継手の側面図である。
【
図22】実施形態による、ビルダーバーおよび外側シール/ガスケットのモジュール構造の図である。
【
図23】実施形態による、平坦でありかつ一対の同一平面上の重なり合う直線チャネルをその内部に備える取り外し可能なカセットのそれぞれ後面図および側面図である。
【
図24】実施形態による、平坦でありかつ一対の同一平面上の重なり合う直線チャネルをその内部に備える取り外し可能なカセットのそれぞれ後面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、客室101および貨物室102を備える実用車両100を示す。貨物室102は、外側側壁103およびテールゲート104を備える。車両100は、実質的に
図2~3に示すように、展開のために後方に摺動する長手方向摺動展開可能キャノピー105を備える。
【0066】
展開可能キャノピー105は、屋根部分106および一対の後方移動支持柱107を備える。
図2に最も良く示すように、後方支持柱107は、貨物室の上縁トラック108に沿って摺動し、屋根部分106の前部分は、屋根トラック109と係合しかつそれに沿って摺動する。
【0067】
展開可能キャノピー105は、トラック108、109に沿って、
図3に示すような程度まで後方に摺動する。
【0068】
展開可能キャノピー105は、静止を保つ前方柱110を備え得る。この実施形態によれば、後方柱107は、約90°の角度であり得、各々は後方部分および外側部分を備えるものであり、前方位置にあるとき、外側部分が前方柱110と重なるまたは隣接する。
【0069】
一実施形態では、前方柱110は、縁トラック108より内側に位置し得、後方移動支持柱107の外側部分は、縁トラック108より外側に位置し得る。このようにして、外側部分は、
図1に実質的に示すように前方柱110と重なり得る。
【0070】
しかしながら、実施形態においては、後部移動支持柱107の外側部分と前方柱110は、後部移動支持柱107が縁トラック108に沿って前方柱110に対して隣接するように、縁トラック108に沿って一列に並ぶ。後部移動支持柱107の外側部分と前方柱110の整列により、パネル111の前方縁および後方縁が整列することが可能となる。
【0071】
完全展開位置において、90°の後方部分および外側部分は、実質的に、貨物室102の側壁103およびテールゲート104の外側と合致し得る。
【0072】
実施形態において、展開可能キャノピー106は、ねじ駆動アクチュエータ機構に沿って移動し得る。
【0073】
図4に示すように、展開可能キャノピー105は、屋根部分106の下または内部に水平方向に収容された一対の展開可能なサイドパネル111を備え得る。
図4は、収容位置におけるパネル111を示す。
【0074】
図5および6は、貨物エリアの側部を囲むような、展開可能なサイドパネル111の展開を示す。具体的には、
図5に示すように、各サイドパネル111の外縁112の対向側部は、前方柱110または客室101の前方垂直トラック113と後方柱107の後方垂直トラック114の間で移動する。さらに、各パネルの内縁115の対向側部は、前方水平屋根部分トラック116と後方水平屋根部分トラック117の間で摺動する。
【0075】
図6は、完全に展開され、それによって貨物エリアの側部を囲んでいるサイドパネル111を示す。
【0076】
パネルは、パネル111の内縁115に作用する一対の前方かつ後方横方向に配向されたねじ棒を備え得るねじ歯車駆動選択機械アクチュエータなどの選択機械アクチュエータによって展開され得る。実施形態において、単一のねじ駆動部が、両サイドパネル111の両内縁115に作用し得る。
【0077】
ねじ駆動部によって内縁115が外方に変位されると、外縁112は同様に下方に押し下げられる。理解し得るように、パネル111の枢動を考慮すると、外縁112への下方の力は、展開の最終段階で最大化され、それによって、以下にさらなる詳しく記載する外側のウェザシールに対して外縁112を押すことが支援される。さらに、ねじ駆動部によって加えられる外方への圧力は、同様に、パネル112の外側方部と柱110、107の内面の間の外側のウェザシールに対して適切に押すような適切な外方圧力を提供し得る。
【0078】
実施形態において、テールゲート窓118は、テールゲート104内から上方に摺動し得る。代替実施形態では、テールゲート窓112は、下方に枢動してテールゲート104の上縁と合致するように、屋根部分106の後縁にヒンジ付けされ得る。
【0079】
図7は、サイドパネル111が客室後部窓または客室101の運転手窓119に対して収容される実施形態を示す。具体的には、この実施形態によれば、サイドパネル111の後方縁120の対向側部は、上部長手方向屋根キャノピートラック121と下部長手方向貨物室縁トラック122内で係合かつ摺動する。さらに、前方縁121の対向側部は、直交上部屋根キャノピートラック122と下部直交貨物室トラック123内で係合かつ摺動する。収容時、サイドパネル111は、客室後部窓または運転手窓119に対して、互いと重なり得る。このようにして、展開は、今度はパネル111の自動電気機械的展開を備え得る。
【0080】
図8~10は、様々な展開段階におけるサイドパネル111を示す展開可能キャノピーの断面立面図を示し、
図8は、収容位置を示し、
図9は、中間展開構成を示し、
図10は、完全展開構成を示す。
【0081】
実施形態(図示せず)において、パネル111は、屋根部分106の上部外側縁から、キャノピー105の内部を通って実質的に垂直な展開位置まで移行しながら枢動し得る。この実施形態の変形例によれば、パネル111は、屋根部分106の上部外側縁から外方に摺動し、そして実質的に垂直な展開位置まで下方に枢動し得る。
【0082】
これらの図は、それぞれ前方柱110/客室101および後部柱107の内向き側における垂直柱トラック113、114を示す。同様に、水平屋根部分106のトラック116、117も示される。
【0083】
パネル111は、水平屋根部分トラック116、117および垂直柱トラック113、114に沿って動くベアリング124を備える。具体的には、外部ベアリング124Aは、柱トラック113、114内を垂直方向に動き、内部ベアリング124Bは、水平屋根部分トラック116、117に沿って動く。
【0084】
パネル111は、さらに、パネル111を適所に係止するための長手方向外方に延在する係止ピン125を備え得る。実施形態において、係止ピン125は、関連するベアリング124と同軸上に位置し得る。例えば、
図10に示すような展開構成時、係止ピン125は、外部延在して、柱110、107内に画定された対応する開口内で係止を行い得る。係止ピン125はまた、パネル111を
図8に示す収容位置で係止するのにも利用され得る。別の係止法も用いられ得る。
【0085】
係止ピン125は、位置センサを有する電気機械式アクチュエータによって自動的に作動されて、係止ピンを適切なサイドパネル位置で作動させ得る。
【0086】
パネル111が電磁的に作動される実施形態において、パネル111は、パネル111を物理的に係合解除する緊急解除ハンドル(図示せず)を備え得る。
【0087】
パネル111は、その内部に中心に配置されたガラス窓127を備え得る。ガラス窓127は、枢動的に開くことが可能であるようにヒンジによって結合されかつガスストラット126によって開位置に保持され得る。
【0088】
パネル11は、さらに、貨物室103の上縁108に対してシーリングを行う貨物室の縁部のウェザシール128を備え得る。さらに、パネルは、それぞれの柱107、110に対してシーリングを行う柱のウェザシール129を備え得る。
【0089】
上述の実施形態が客室の上のトラック109から展開する屋根部分106を示すのに対し、
図11は、客室の屋根に取り付けられかつそこから屋根部分106が後方に摺動するハウジングスリーブ130を備える実施形態を示す。
【0090】
図11はまた、内向きである貨物室縁トラック108も示し、一実施形態によれば、そこで沿って動くために横方向にその内部で延在する、後方柱107のベアリング131を備える。ベアリング131は、そこから引き出されないように図示するようチャネル内に固定され得る。さらに、同様に固定され得る、屋根部分106の下に、対応するチャネル132によって係合される客室トラック109が図示される。
図11はまた、屋根部分106に向かって約80°角度のある、キャノピー105の側縁も図示する。
【0091】
図12は、ガスストラット126によって開いたまま保持されているガラス窓127を備える、柱107、110の間のパネル111の側面図を示す。
【0092】
図13は、前方柱110と後方柱107の間のパネル111の上面図を示し、後方柱107は、貨物室上縁トラック108に沿って摺動する。ガスストラット126によって開いたまま保持されているガラス窓127を備えるパネル111が図示される。
【0093】
垂直方向に動くベアリング124Aが、固定のためより狭い入口を通って延在するステム134によってその内部で係合かつ保持される、より広い垂直方向動きチャネル133を各々が備える前方垂直柱トラック113および後方垂直柱トラック114も図示される。
【0094】
柱107、110内の係止ピン開口135内に選択的に延在する、ベアリング124Aと同軸上に位置し得る選択的展開可能係止ピン125も図示される。
【0095】
実施形態において、防水パネルが前方柱110との間に設けられて、貨物室を耐候性とし得る。
【0096】
図14および15は、貨物室が運転室の屋根エリアよりも長い実施形態を示す。この実施形態によれば、展開可能キャノピー105は、完全展開時、ストラット138によって離間される前方部分136および後方部分137を備えるように分岐される。収容時、部分136、137は、客室屋根上で隣接して位置または重なり得る。
【0097】
展開の際、両部分136、137は、前方部分136がその移動限界程度に達するときまで後方に移動し、その後、後方部分137は、
図14に示す移動限界程度までストラット138に沿って後方移動を続け得る。取り外し可能な結合用屋根部分139は、前方部分136と後方部分137の間のキャノピーを完成させるように、ストラット138の上に位置し得る。その後、
図15に示すように、サイドパネル140は、貨物室102の側壁103から上方に展開し得る。実施形態において、サイドパネル140は、貨物室102のホイールアーチに貫入しないようなローラタイプのサイドパネルであり得る。
【0098】
図16は、前方ビルダーバーおよび後方ビルダーバーを備える実用車両を示す。
【0099】
前方ビルダーバー141と後方ビルダーバー142の間で長手方向に係合する取り外し可能なカセット143が図示される。カセット143は、貨物室102のエリアを選択的に囲むように、
図17に示すように前方および後方トラック147の間で展開可能カバー145がそこから巻き出され得る外側縦方向開口を備える。
【0100】
図18は、カセット143およびその内部で巻かれている展開可能カバー145を示す後面図を示す。カバー145は、外側開口144から、トラック147の始部内へ延在し、それは、水平部分148から垂直部分149に移行して貨物室側壁103の上縁150に合致する。図示する実施形態において、シールまたはガスケット151は、カバー144のそれぞれの遠位縁に対してシーリングを行うように側壁103の上縁の上に位置し得る。
【0101】
カバー144は、バトンによって長手方向に強化されている柔軟なファブリック(キャンバスなど)の構造物を備え得る。代替として、カバー144は、複数の相互係止する長手方向金属押出部を備える金属製であり得る。
【0102】
実施形態において、カバー145は、コイルバネの動作下で引き込みされ得る。代替として、カバー145を巻くことおよび巻き出すことは電動式とされ得る。
【0103】
図18は、カセット143を上部に保持するための座部152を画定するための、カセット143の下につながるトラック146、147の下位部を示す。さらに、内向き開口153は、
図21に図示する長手方向延在係止ピン154の選択的な係合のために、ビルダーバー141、142内に形成され得る。
【0104】
図20は、ビルダーバー141、142の構成の上面図を示す。対向するカバートラック146、147は、ビルダーバー141、142の周りに位置するスリーブ155によって設けられ得、または、146、147は、ビルダーバーに直接取り付けられ得る。カバー145の縁部をその内部で係合するためのその内部の溝156を画定するシール/ガスケット151も図示される。構成は、さらに、後部ビルダーバー147内に位置し得る後部二重扉157を備え得る。後部二重扉157などは、後部ビルダーバー142の内縁と摩擦係合し得る構成内に位置し得る。代替として、構成は、後部ビルダーバー142の対応する開口内で係止を行う拡張可能係止ピンを備える係止ピン構成を備え得る。
【0105】
図21は、そこからカバー145が供給される長手方向開口144を示すカセット143の側面図を示す。さらに、対応する前方および後方係止ピン154が示される。
【0106】
図22は、サイドシール/ガスケット151が、円筒部160の上に位置しかつ係止ピン161によってそれに係止され得る端部コレット159を備えるモジュラー片158によって提供され得る実施形態を示す。円筒部160は、貨物室102の縁部の対応する開口を通して固定した下側ボルト162を備える円筒部160Aを備え得る。さらに、円筒部160は、貨物室の縁部の周りを締め付けるクランプ163を備える締め付け円筒部160Bを備え得る。
【0107】
円筒部160は、ビルダーバーと合致しかつ同軸スペーサを有し得る。
【0108】
図23は、取り外し可能なカセット143が平坦であり、カバー145、145が同一平面上の直線チャネル165内に配置されている実施形態の後面図を示す。対向する各縁部開口144は、各トラック146、147につながる。
【0109】
直線チャネル165は、平台実用車両用といった、サイドカバー145が屋根幅よりも長い必要がある場合に図示するように重なり得る。
【0110】
図24は、開口167内に選択的に位置しかつ係止ピン168によってその内部に保持されるスタブ166を備える平坦な取り外し可能なカセット143の側面図を示す。
【0111】
前述の記載は、説明の目的で、発明の完全な理解を提供するために、具体的な名称を用いた。しかしながら、発明を実施するのに具体的な詳細は必須でないことが当業者に明らかだろう。かくして、発明の具体的な実施形態の前述の記載は、例示および説明の目的で提示される。それら説明は、包括的であることまたは発明を開示された正確な形式に限定することの意図はなく、すなわち、明らかに、多数の変更例および変形例が、上記の教示を鑑みて実現可能である。実施形態は、発明の原則およびその実際の適用を最も良く説明するために選択かつ記載されたものであり、それによって、他の当業者が発明および様々な変更を有する様々な実施形態を、検討される特定の使用に適するように最も良く利用することが可能になる。以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物が発明の範囲を規定することが意図される。