(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】吸引装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20230110BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20230110BHJP
A24F 40/85 20200101ALI20230110BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/65
A24F40/85
(21)【出願番号】P 2021561112
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 JP2019046816
(87)【国際公開番号】W WO2021106200
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】芹田 和俊
(72)【発明者】
【氏名】菅野 有香
(72)【発明者】
【氏名】千住 雅俊
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0027229(US,A1)
【文献】特表2002-514910(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138749(WO,A1)
【文献】特許第6553799(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
A24F 40/65
A24F 40/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引装置であって、
無線で情報を送受信する無線通信部と、
情報をユーザに通知する通知部と、
ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に送信するよう前記無線通信部を制御し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合にユーザに通知するよう前記通知部を制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記吸引装置に関する情報を取得し、取得した前記吸引装置に関する情報に基づいてユーザに前記通知情報を通知するか否かを判定し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続している場合に前記通知部による前記通知情報の通知を行わない、
吸引装置。
【請求項2】
前記制御部が、前記通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、前記吸引装置と他の装置とが無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも後である、請求項
1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、前記吸引装置と他の装置とが無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも前である、請求項
1に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記通知情報は、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報を含む、請求項
1~3のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項5】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするために前記吸引装置により実行された予備加熱の回数を含み、
前記制御部は、前記予備加熱の回数が第1の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
4に記載の吸引装置。
【請求項6】
前記予備加熱の回数は、所定のユーザ操作が行われた場合に初期化される、請求項
5に記載の吸引装置。
【請求項7】
前記制御部は、加熱された場合にユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材を対象に前記予備加熱が行われたと判定された場合に、前記予備加熱の回数をカウントする、請求項
5又は6に記載の吸引装置。
【請求項8】
前記吸引装置は、記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記予備加熱の回数を記憶する、請求項
5~7のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記予備加熱の回数が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
5~8のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項10】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を前記吸引装置が実行した際に、加熱対象の温度又は前記予備加熱を行う加熱部の温度が所定の温度になるまでにかかる時間を含み、
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる時間が第3の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
4~9のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記吸引装置の周囲の温度である環境温度に基づいて前記第3の閾値を設定する、請求項
10に記載の吸引装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる時間が前記第3の閾値よりも低い第4の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
10又は11に記載の吸引装置。
【請求項13】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を前記吸引装置が実行した際に、加熱対象の温度又は前記予備加熱を行う加熱部の温度が所定の温度になるまでにかかる電力を含み、
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる電力が第5の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
4~12のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記吸引装置の周囲の温度である環境温度に基づいて前記第5の閾値を設定する、請求項
13に記載の吸引装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる電力が前記第5の閾値よりも低い第6の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
13又は14に記載の吸引装置。
【請求項16】
前記通知情報は、前記吸引装置をクリーニングする方法を示す情報を含む、請求項
4~15のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項17】
前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報は、前記吸引装置をクリーニングするタイミングに関する情報を含む、請求項
4~16のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項18】
前記通知情報は、内容物が消費されることで前記ユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材であって、前記吸引装置が前記ユーザに吸引される物質を生成するために使用している前記基材を交換する必要性を示す情報を含む、請求項
1~17のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項19】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行った吸引の回数を含み、
前記制御部は、前記吸引の回数が第7の閾値に達した場合に、前記基材を交換する必要性を示す情報として第3の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
18に記載の吸引装置。
【請求項20】
前記吸引の回数は、前記基材が交換された場合に初期化される、請求項
19に記載の吸引装置。
【請求項21】
前記吸引装置は、記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記吸引の回数を記憶する、請求項
19又は20に記載の吸引装置。
【請求項22】
前記制御部は、前記吸引の回数が前記第7の閾値よりも低い第8の閾値に達した場合に、前記基材を交換する必要性を示す情報として第4の情報を前記ユーザに通知すると判定する、請求項
19~21のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項23】
前記吸引装置に関する情報は、前記基材を加熱する加熱部の抵抗値の変化率を含み、
前記制御部は、前記加熱部の抵抗値の変化率に基づいて前記基材を交換する必要性を示す情報を通知するか否かを判定する、請求項
18~22のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項24】
前記基材を交換する必要性を示す情報は、前記基材を交換するタイミングに関する情報を含む、請求項
18~23のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項25】
前記通知情報は、前記吸引装置が異常状態であることを示す情報を含む、請求項1~
24のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項26】
前記通知部は、表示装置、発光装置、振動装置、及び音出力装置の少なくともいずれかを含む、請求項1~
25のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項27】
吸引装置により実行される情報処理方法であって、
ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に無線で送信し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合に前記吸引装置によりユーザに通知すること
と、
前記吸引装置に関する情報を取得し、取得した前記吸引装置に関する情報に基づいてユーザに前記通知情報を通知するか否かを判定し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続している場合に前記通知情報の通知を行わないことと、
を含む情報処理方法。
【請求項28】
吸引装置を制御するコンピュータを、
無線で情報を送受信する無線通信部と、
情報をユーザに通知する通知部と、
ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に送信するよう前記無線通信部を制御し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合にユーザに通知するよう前記通知部を制御する制御部と、
として機能させ
、
前記制御部は、前記吸引装置に関する情報を取得し、取得した前記吸引装置に関する情報に基づいてユーザに前記通知情報を通知するか否かを判定し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続している場合に前記通知部による前記通知情報の通知を行わない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引する(以下、パフとも称する)ことで、香味を味わうことができる。
【0003】
エアロゾルが生成されると、基材が脆くなり、基材の一部が吸引装置の内部に残留して堆積する場合がある。そのため、吸引装置は、適宜クリーニングされることが望ましい。しかし、クリーニングする必要性をユーザが自力で判断するためには、吸引装置のカバーを開けて内部に残留した堆積物の量を確認する等の手間がかかる。そこで、かかる手間を削減する技術の一例として、下記特許文献1には、吸引装置が、吸引装置の使用回数に応じてクリーニングするよう勧める情報を表示し、クリーニングされない場合には吸引装置を使用不可にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸引装置には、携帯性を向上させる等の理由で、様々な制限が課される。情報の表現力も制限される機能のひとつである。例えば、吸引装置には、ユーザに情報を通知するための装置として、発光装置等の簡易的な出力装置しか搭載されない場合がある。クリーニングに関する情報を含め、ユーザに通知すべき情報が多岐にわたり得ることを考慮すれば、情報の表現力に課せられた制限は、ユーザビリティ向上のボトルネックになり得る。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、吸引装置のユーザビリティを向上させることが可能な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、吸引装置であって、無線で情報を送受信する無線通信部と、情報をユーザに通知する通知部と、ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に送信するよう前記無線通信部を制御し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合にユーザに通知するよう前記通知部を制御する制御部と、を備える吸引装置が提供される。
【0008】
前記制御部は、前記吸引装置に関する情報を取得し、取得した前記吸引装置に関する情報に基づいてユーザに前記通知情報を通知するか否かを判定してもよい。
【0009】
前記制御部は、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続している場合に前記通知部による前記通知情報の通知を行わなくてもよい。
【0010】
前記制御部が、前記通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、前記吸引装置と他の装置とが無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも後であってもよい。
【0011】
前記制御部が、前記通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、前記吸引装置と他の装置とが無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも前であってもよい。
【0012】
前記通知情報は、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報を含んでもよい。
【0013】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするために前記吸引装置により実行された予備加熱の回数を含み、前記制御部は、前記予備加熱の回数が第1の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0014】
前記予備加熱の回数は、所定のユーザ操作が行われた場合に初期化されてもよい。
【0015】
前記制御部は、加熱された場合にユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材を対象に前記予備加熱が行われたと判定された場合に、前記予備加熱の回数をカウントしてもよい。
【0016】
前記吸引装置は、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、前記予備加熱の回数を記憶してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記予備加熱の回数が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0018】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を前記吸引装置が実行した際に、加熱対象の温度又は前記予備加熱を行う加熱部の温度が所定の温度になるまでにかかる時間を含み、前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる時間が第3の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0019】
前記制御部は、前記吸引装置の周囲の温度である環境温度に基づいて前記第3の閾値を設定してもよい。
【0020】
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる時間が前記第3の閾値よりも低い第4の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0021】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を前記吸引装置が実行した際に、加熱対象の温度又は前記予備加熱を行う加熱部の温度が所定の温度になるまでにかかる電力を含み、前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる電力が第5の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第1の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0022】
前記制御部は、前記吸引装置の周囲の温度である環境温度に基づいて前記第5の閾値を設定してもよい。
【0023】
前記制御部は、前記加熱対象の温度又は前記加熱部の温度が前記所定の温度になるまでにかかる電力が前記第5の閾値よりも低い第6の閾値に達した場合に、前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報として第2の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0024】
前記通知情報は、前記吸引装置をクリーニングする方法を示す情報を含んでもよい。
【0025】
前記吸引装置をクリーニングする必要性を示す情報は、前記吸引装置をクリーニングするタイミングに関する情報を含んでもよい。
【0026】
前記通知情報は、内容物が消費されることで前記ユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材であって、前記吸引装置が前記ユーザに吸引される物質を生成するために使用している前記基材を交換する必要性を示す情報を含んでもよい。
【0027】
前記吸引装置に関する情報は、ユーザが前記吸引装置を用いて行った吸引の回数を含み、前記制御部は、前記吸引の回数が第7の閾値に達した場合に、前記基材を交換する必要性を示す情報として第3の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0028】
前記吸引の回数は、前記基材が交換された場合に初期化されてもよい。
【0029】
前記吸引装置は、記憶部をさらに備え、前記記憶部は、前記吸引の回数を記憶してもよい。
【0030】
前記制御部は、前記吸引の回数が前記第7の閾値よりも低い第8の閾値に達した場合に、前記基材を交換する必要性を示す情報として第4の情報を前記ユーザに通知すると判定してもよい。
【0031】
前記吸引装置に関する情報は、前記基材を加熱する加熱部の抵抗値の変化率を含み、前記制御部は、前記加熱部の抵抗値の変化率に基づいて前記基材を交換する必要性を示す情報を通知するか否かを判定してもよい。
【0032】
前記基材を交換する必要性を示す情報は、前記基材を交換するタイミングに関する情報を含んでもよい。
【0033】
前記通知情報は、前記吸引装置が異常状態であることを示す情報を含んでもよい。
【0034】
前記通知部は、表示装置、発光装置、振動装置、及び音出力装置の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0035】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、吸引装置により実行される情報処理方法であって、ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に無線で送信し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合に前記吸引装置によりユーザに通知すること、を含む情報処理方法が提供される。
【0036】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、吸引装置を制御するコンピュータを、無線で情報を送受信する無線通信部と、情報をユーザに通知する通知部と、ユーザに通知される情報である通知情報を、前記吸引装置と他の装置とが無線接続している場合に前記他の装置に送信するよう前記無線通信部を制御し、前記吸引装置と前記他の装置とが無線接続していない場合にユーザに通知するよう前記通知部を制御する制御部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように本発明によれば、吸引装置のユーザビリティを向上させることが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図3】吸引装置の第3の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図4】吸引装置の第4の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図5】吸引装置の第5の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図6】吸引装置の第6の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図7】吸引装置の第7の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図8】吸引装置の第8の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図9】吸引装置の第9の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図10】吸引装置の第10の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】本実施形態に係るシステムにより実行される情報通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0040】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。以下では、吸引装置により生成された物質をユーザが吸引することを、単に「吸引」又は「パフ」とも称する。
【0041】
以下に説明する複数の構成例間で、対応する機能構成を有する複数の要素には、同一の数字を含む参照符号を付すことで対応関係を明示しつつ、数字の後に構成例に対応するアルファベットを付して各々の要素を区別する場合がある。例えば、複数の構成例に係る吸引装置の各々を、第1の構成例に係る吸引装置100A、第2の構成例に係る吸引装置100B、及び第3の構成例に係る吸引装置100Dと称することで、対応関係を明示しつつ各々を区別する。一方で、複数の構成例間で対応する機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一の数字を含む参照符号のみを付する場合がある。例えば、第1の構成例に係る吸引装置100A、第2の構成例に係る吸引装置100B、及び第3の構成例に係る吸引装置100Dを特に区別する必要がない場合には、これらを単に吸引装置100とも称する。
【0042】
また、複数の構成例間で、対応する機能構成を有する複数の要素については、先行して言及する構成例において詳細に説明した上で、かかる説明を参照しながら、後続して言及する構成例においては説明を省略する場合がある。その場合、省略された説明については、先行して言及する構成例においてした説明のうち、各要素に付される参照符号のアルファベットを、後続して言及する構成例に対応するアルファベットに適宜読み替えればよい。例えば、第1の構成例に係る吸引装置100Aについて詳しく説明され、第2の構成例に係る吸引装置100Bの説明が省略される場合、省略された説明については、第1の構成例においてした説明のうち、100Aを100Bに読み替える等すればよい。
【0043】
以下、
図1~
図10を参照しながら、吸引装置の各構成例を説明する。
【0044】
<1.1.基材一体型の吸引装置>
基材一体型の吸引装置は、エアロゾル源を含む基材が吸引装置に一体化された吸引装置である。以下に説明する第1~第3の構成例は、基材一体型の吸引装置の構成例である。
【0045】
(1)第1の構成例
本構成例に係る吸引装置は、液体としてのエアロゾル源を加熱することでエアロゾルを生成する。本構成例に係る吸引装置は、電源ユニット、及びカートリッジの、2部品から成る。以下、
図1を参照しながら、本構成例を説明する。
【0046】
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110A、及びカートリッジ120Aを含む。電源ユニット110A及びカートリッジ120Aは、互いに着脱可能に構成される。ユーザによる吸引は、電源ユニット110Aにカートリッジ120Aが取り付けられた状態で行われる。
【0047】
図1に示すように、電源ユニット110Aは、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。また、カートリッジ120Aは、加熱部121A、液誘導部122A、液貯蔵部123A、及びマウスピース124Aを含む。カートリッジ120Aには、空気流路180Aが形成される。以下、各構成要素について順に説明する。
【0048】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、吸引装置100Aの各構成要素に、電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。電源部111Aは、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により外部電源に接続されることで、充電されてもよい。また、電源部111Aは、ワイヤレス電力伝送技術により送電側のデバイスに非接続な状態で充電されてもよい。他にも、電源部111Aのみを吸引装置100Aから取り外すことができてもよく、新しい電源部111Aと交換することができてもよい。
【0049】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を検出する。そして、センサ部112Aは、検出した情報を制御部116Aに出力する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサにより構成される。そして、センサ部112Aは、ユーザによる吸引に伴う負圧を検出した場合に、ユーザによる吸引が行われたことを示す情報を制御部116Aに出力する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。とりわけ、センサ部112Aは、エアロゾルの生成開始/停止を指示するボタンを含み得る。そして、センサ部112Aは、ユーザにより入力された情報を制御部116Aに出力する。
【0050】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。一例として、通知部113Aは、LED(Light Emitting Diode)などの発光装置により構成される。その場合、通知部113Aは、電源部111Aの状態が要充電である場合、電源部111Aが充電中である場合、及び吸引装置100Aに異常が発生した場合等に、それぞれ異なる発光パターンで発光する。ここでの発光パターンとは、色、及び点灯/消灯のタイミング等を含む概念である。通知部113Aは、発光装置と共に、又は代えて、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、及び振動する振動装置等により構成されてもよい。
【0051】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。記憶部114Aに記憶される情報の一例は、制御部116Aによる各種構成要素の制御内容等の、吸引装置100AのOS(Operating System)に関する情報である。記憶部114Aに記憶される情報の他の一例は、吸引回数、吸引時刻、吸引時間累計等の、ユーザによる吸引に関する情報である。
【0052】
通信部115Aは、吸引装置100Aと他の装置との間で情報を送受信するための、通信インタフェースである。通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。一例として、通信部115Aは、ユーザによる吸引に関する情報をスマートフォンに表示させるために、ユーザによる吸引に関する情報をスマートフォンに送信する。他の一例として、通信部115Aは、記憶部114Aに記憶されているOSの情報を更新するために、サーバから新たなOSの情報を受信する。
【0053】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部116Aは、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。吸引装置100Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、各種処理を実行する。電源部111Aから他の各構成要素への給電、電源部111Aの充電、センサ部112Aによる情報の検出、通知部113Aによる情報の通知、記憶部114Aによる情報の記憶及び読み出し、並びに通信部115Aによる情報の送受信は、制御部116Aにより制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、吸引装置100Aにより実行されるその他の処理も、制御部116Aにより制御される。
【0054】
液貯蔵部123Aは、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源は、加熱されることで霧化され、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、加熱されることによって香味成分を放出する、たばこ原料又はたばこ原料由来の抽出物をさらに含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザなどの医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。
【0055】
液誘導部122Aは、液貯蔵部123Aに貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123Aから誘導し、保持する。液誘導部122Aは、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。液誘導部122Aは液貯蔵部123Aと液体連通している。そのため、液貯蔵部123Aに貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によって、液誘導部122Aの全体に行き渡る。
【0056】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。加熱部121Aは、コイル状、フィルム状又はブレード状等の任意の形状に、金属又はポリイミド等の任意の素材で構成される。加熱部121Aは、液誘導部122Aに近接して配置される。
図1に示した例では、加熱部121Aは、金属製のコイルにより構成され、液誘導部122Aに巻き付けられる。よって、加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122Aに保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Aにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。他の一例として、所定のユーザ入力(例えば、エアロゾルの生成開始/停止を指示するボタンの押下)が行われたことがセンサ部112Aにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。その後、所定のユーザ入力(例えば、エアロゾルの生成開始/停止を指示するボタンの再度の押下)が行われたことがセンサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0057】
空気流路180Aは、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180Aは、空気流路180A内への空気の入り口である空気流入孔181Aと、空気流路180Aからの空気の出口である空気流出孔182Aと、を両端とする管状構造を有する。ユーザによる吸引に伴い、空気流入孔181Aから空気流路180A内に空気が流入し、空気流出孔182Aから空気流路180A外に空気が流出する。一例として、空気流入孔181Aは、電源ユニット110Aにカートリッジ120Aが取り付けられた状態で、電源ユニット110Aとカートリッジ120Aとの間にできる隙間であってもよい。空気流出孔182Aは、マウスピース124Aに配置される。
【0058】
空気流路180Aの途中には、液誘導部122Aが配置される。加熱部121Aにより生成されたエアロゾルは、空気流入孔181Aから流入した空気と混合される。そして、ユーザによる吸引に伴い、エアロゾルと空気との混合流体は、矢印190Aに示すように、空気流出孔182Aへ輸送される。
【0059】
マウスピース124Aは、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124Aには、空気流路180Aの空気流出孔182Aが配置される。ユーザは、マウスピース124Aを咥えて吸引することで、空気流路180Aにより輸送された、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0060】
(2)第2の構成例
本構成例に係る吸引装置は、液体としてのエアロゾル源を加熱することでエアロゾルを生成する。本構成例に係る吸引装置は、電源ユニット、カートリッジ、及び香味付与カートリッジの、3部品から成る。以下、
図2を参照しながら、本構成例を説明する。
【0061】
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源ユニット110B、カートリッジ120B、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110B、及びカートリッジ120Bは、互いに着脱可能に構成される。また、カートリッジ120B、及び香味付与カートリッジ130は、互いに着脱可能に構成される。ユーザによる吸引は、カートリッジ120B、香味付与カートリッジ130、及び電源ユニット110Bが、互いに取り付けられた状態で、行われる。
【0062】
図2に示すように、電源ユニット110Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bを含む。カートリッジ120Bは、加熱部121B、液誘導部122B、及び液貯蔵部123Bを含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124Bを含む。カートリッジ120B及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180Bが形成される。以下、各構成要素について順に説明する。
【0063】
電源ユニット110Bの各構成要素は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。加熱部121B、液誘導部122B、液貯蔵部123B、及びマウスピース124Bの各々も、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0064】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、刻みたばこ又はたばこ原料を、粒状、シート状、又は粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。また、香味源131は、たばこ以外の植物(例えばミント及びハーブ等)から作られた、非たばこ由来のものを含んでいてもよい。一例として、香味源131は、メントール等の香料成分を含んでいてもよい。なお、香味源131は、カプセル等の容器の内部に配置されてもよい。
【0065】
空気流路180Bは、第1の構成例に係る空気流路180Aと同様の構成を有する。ただし、空気流路180Bの途中には、液誘導部122Bに加えて、液誘導部122Bの下流側(空気流出孔182Bに近い側)に香味源131が配置される。加熱部121Bにより生成されたエアロゾルは、空気流入孔181Bから流入した空気と混合される。次いで、ユーザによる吸引に伴い、エアロゾルと空気との混合流体は、矢印190Bに示すように、香味源131を通過して空気流出孔182Bへ輸送される。そして、エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際に、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0066】
(3)第3の構成例
本構成例に係る吸引装置は、液体であるエアロゾル源に振動を加えることでエアロゾルを生成する。以下、
図3を参照しながら、本構成例を説明する。
【0067】
図3は、吸引装置の第3の構成例を模式的に示す模式図である。
図3に示すように、本構成例に係る吸引装置100Dは、電源ユニット110D、及びカートリッジ120Dを含む。電源ユニット110D、及びカートリッジ120Dは、互いに着脱可能に構成される。ユーザによる吸引は、電源ユニット110Dにカートリッジ120Dが取り付けられた状態で行われる。
【0068】
図3に示すように、電源ユニット110Dは、電源部111D、センサ部112D、通知部113D、記憶部114D、通信部115D、及び制御部116Dを含む。カートリッジ120Dは
、液誘導部122D、液貯蔵部123D、振動部127、及びマウスピース124Dを含む。また、カートリッジ120Dには、空気流路180Dが形成される。以下、各構成要素について順に説明する。
【0069】
電源ユニット110Dの各構成要素は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。液貯蔵部123D及びマウスピース124Dも、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0070】
液誘導部122Dは、液貯蔵部123Dに貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123Dから振動部127に誘導し、保持する。液誘導部122Dの一例は、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。液誘導部122Dの他の一例は、液体であるエアロゾル源を吸収して振動部127に誘導することが可能な板である。液誘導部122Dは液貯蔵部123Dと液体連通している。そのため、液貯蔵部123Dに貯蔵されたエアロゾル源は、矢印191に示すように、液誘導部122Dにより振動部127の表面に誘導される。
【0071】
振動部127は、エアロゾル源に振動を加えることで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。例えば、振動部127は、超音波振動子として機能する圧電セラミックスを含む板状の部材により構成される。そして、振動部127が振動すると、液誘導部122Dにより振動部127の表面に誘導されたエアロゾル源が、振動部127による振動に伴い発生した超音波により霧化され、エアロゾルが生成される。振動部127は、電源部111Dから給電されると振動する。一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Dにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。他の一例として、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Dにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。その後、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Dにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0072】
空気流路180Dは、第1の構成例に係る空気流路180Aと同様の構成を有する。ただし、空気流路180Dの途中には、液誘導部122Dが配置される。振動部127により生成されたエアロゾルは、空気流入孔181Dから流入した空気と混合される。そして、ユーザによる吸引に伴い、エアロゾルと空気との混合流体は、矢印190Dに示すように、空気流出孔182Dへ輸送される。
【0073】
なお、本構成例に係る吸引装置100Dには、第2の構成例に係る吸引装置100Bと同様に、カートリッジ120Dの下流側に、香味付与カートリッジ130が配置されてもよい。換言すると、本構成例に係る吸引装置100Dは、電源ユニット110D、カートリッジ120D、及び香味付与カートリッジ130の3部品により構成されていてもよい。
【0074】
<1.2.基材外付け型の吸引装置>
基材外付け型の吸引装置は、エアロゾル源を含む基材が外付けされる吸引装置である。以下に説明する第4~第7の構成例は、基材外付け型の吸引装置の構成例である。
【0075】
(1)第4の構成例
本構成例に係る吸引装置は、エアロゾル源を含む基材を基材内部から加熱することでエアロゾルを生成する。以下、
図4を参照しながら、本構成例を説明する。
【0076】
図4は、吸引装置の第4の構成例を模式的に示す模式図である。
図4に示すように、本構成例に係る吸引装置100Eは、電源部111E、センサ部112E、通知部113E、記憶部114E、通信部115E、制御部116E、加熱部121E、及び保持部140Eを含む。保持部140Eにスティック型基材150Eが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0077】
電源部111E、センサ部112E、記憶部114E、通信部115E、及び制御部116Eの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0078】
保持部140Eは、内部空間141Eを有し、内部空間141Eにスティック型基材150Eの一部を収容しながらスティック型基材150Eを保持する。保持部140Eは、内部空間141Eを外部に連通する開口142Eを有し、開口142Eから内部空間141Eに挿入されたスティック型基材150Eを保持する。例えば、保持部140Eは、開口142E及び底部143Eを底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141Eを画定する。保持部140Eは、筒状体の高さ方向の少なくとも一部において、内径がスティック型基材150Eの外径よりも小さくなるように構成され、内部空間141Eに挿入されたスティック型基材150Eを外周から圧迫するようにしてスティック型基材150Eを保持し得る。保持部140Eは、スティック型基材150Eへ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路内への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143Eに配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142Eである。
【0079】
スティック型基材150Eは、スティック型の部材である。スティック型基材150Eは、基材部151E、及び吸口部152Eを含む。基材部151Eは、エアロゾル源を含む。エアロゾル源については、第1の構成例において上記説明した通りである。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。基材部151Eの少なくとも一部は、スティック型基材150Eが保持部140Eに保持された状態において、保持部140Eの内部空間141Eに収容される。吸口部152Eは、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。吸口部152Eの少なくとも一部は、スティック型基材150Eが保持部140Eに保持された状態において、開口142Eから突出する。そして、開口142Eから突出した吸口部152Eをユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から保持部140Eの内部に空気が流入する。流入した空気は、保持部140Eの内部空間141Eを通過して、基材部151Eから発生するエアロゾルと共に、ユーザの口内に到達する。
【0080】
加熱部121Eは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。加熱部121Eは、金属又はポリイミド等の任意の素材で構成される。例えば、加熱部121Eは、ブレード状に構成され、保持部140Eの底部143Eから保持部140Eの内部空間141Eに突出するようにして配置される。そのため、保持部140Eにスティック型基材150Eが挿入されると、ブレード状の加熱部121Eは、スティック型基材150Eの基材部151Eに突き刺さるようにして、スティック型基材150Eの内部に挿入される。そして、加熱部121Eが発熱すると、スティック型基材150Eに含まれるエアロゾル源がスティック型基材150Eの内部から加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Eは、電源部111Eから給電されると発熱する。一例として、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Eにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。加熱部121Eにより加熱されたスティック型基材150Eの温度が所定の温度に達した場合に、ユーザによる吸引が可能となる。その後、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Eにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。他の一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Eにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。
【0081】
通知部113Eは、第1の構成例に係る通知部113Aと同様の機能を有する。さらに、通知部113Eは、ユーザによる吸引が可能になったことを示す情報を通知する。ユーザによる吸引が可能になったことを示す情報は、加熱部121Eにより加熱されたスティック型基材150Eの温度が所定の温度に達した場合に、通知される。
【0082】
(2)第5の構成例
本構成例に係る吸引装置は、エアロゾル源を含む基材を基材外部から加熱することでエアロゾルを生成する。以下、
図5を参照しながら、本構成例を説明する。
【0083】
図5は、吸引装置の第5の構成例を模式的に示す模式図である。
図5に示すように、本構成例に係る吸引装置100Fは、電源部111F、センサ部112F、通知部113F、記憶部114F、通信部115F、制御部116F、加熱部121F、保持部140F、及び断熱部144Fを含む。保持部140Fにスティック型基材150Fが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0084】
電源部111F、センサ部112F、通知部113F、記憶部114F、通信部115F、制御部116F、及び保持部140Fの各々は、第4の構成例に係る吸引装置100Eに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。また、スティック型基材150Fは、第4の構成例に係るスティック型基材150Eと実質的に同一である。
【0085】
加熱部121Fは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。加熱部121Fは、金属又はポリイミド等の任意の素材で構成される。例えば、加熱部121Fは、フィルム状に構成され、保持部140Fの外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Fが発熱すると、スティック型基材150Fに含まれるエアロゾル源がスティック型基材150Fの外周から加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Fは、電源部111Fから給電されると発熱する。一例として、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Fにより検出された場合に、給電されてもよい。加熱部121Fにより加熱されたスティック型基材150Fの温度が所定の温度に達した場合に、ユーザによる吸引が可能となる。その後、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Fにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。他の一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Fにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。
【0086】
断熱部144Fは、加熱部121Fから吸引装置100Fの他の構成要素への伝熱を防止する。断熱部144Fは、加熱部121Fに当接して、且つ少なくとも加熱部121Fの外周を覆うように配置される。例えば、断熱部144Fは、真空断熱材、及びエアロゲル断熱材等により構成される。なお、真空断熱材とは、グラスウール及びシリカ(ケイ素の粉体)等を樹脂製のフィルムで包んで高真空状態にすることで、気体の熱伝導を限りなくゼロに近づけた断熱材である。
【0087】
(3)第6の構成例
本構成例に係る吸引装置は、エアロゾル源を含む基材を基材内部から及び基材外部から加熱することで、エアロゾルを生成する。以下、
図6を参照しながら、本構成例を説明する。
【0088】
図6は、吸引装置の第6の構成例を模式的に示す模式図である。
図6に示すように、本構成例に係る吸引装置100Gは、電源部111G、センサ部112G、通知部113G、記憶部114G、通信部115G、制御部116G、加熱部121G-1、加熱部121G-2、保持部140G、及び断熱部144Gを含む。保持部140Gにスティック型基材150Gが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0089】
電源部111G、センサ部112G、通知部113G、記憶部114G、通信部115G、制御部116G、保持部140G、及び断熱部144Gの各々は、第5の構成例に係る吸引装置100Fに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。また、スティック型基材150Gは、第4の構成例に係るスティック型基材150Eと実質的に同一である。
【0090】
加熱部121G-1は、第4の構成例に係る加熱部121Eと実質的に同一である。加熱部121G-2は、第5の構成例に係る加熱部121Fと実質的に同一である。ただし、典型的には、加熱部121G-2の温度が、加熱部121G-1の温度よりも低くなるように制御される。加熱部121G-2から発せられる熱は、加熱部121G-1から発せられる熱と比較して、吸引装置100Gの他の構成要素へ伝搬されやすいためである。
【0091】
なお、
図6では、加熱部121G-2が、保持部140Gの外周に配置される例を示したが、本構成例はかかる例に限定されない。例えば、加熱部121G-2は、保持部140Gの底部143Gを覆うように配置されてもよい。
【0092】
(4)第7の構成例
本構成例に係る吸引装置は、エアロゾル源を含む基材を挟持する機構を有する。以下、
図7を参照しながら、本構成例を説明する。
【0093】
図7は、吸引装置の第7の構成例を模式的に示す模式図である。
図7に示すように、本構成例に係る吸引装置100Hは、電源部111H、センサ部112H、通知部113H、記憶部114H、通信部115H、制御部116H、加熱部121H-1、加熱部121H-2、保持部140H、断熱部144H-1、断熱部144H-2、及び開閉機構147を含む。保持部140Hにスティック型基材150Hが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0094】
電源部111H、センサ部112H、通知部113H、記憶部114H、通信部115H、及び制御部116Hの各々は、第4の構成例に係る吸引装置100Eに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。また、スティック型基材150Hは、第4の構成例に係るスティック型基材150Eと実質的に同一である。
【0095】
保持部140Hは、第4の構成例に係る保持部140Eと同様の構成を有する。ただし、保持部140Hが有する内部空間141Hは、第1のハウジング145と第2のハウジング146とにより挟まれる空間として、実現される。保持部140Hは、第1のハウジング145と第2のハウジング146とを矢印193に示す方向に開閉する機構である、開閉機構147をさらに含む。開閉機構147の一例は、ヒンジであり、矢印193に示す方向に第1のハウジング145を回転させる。保持部140Hは、開閉機構147により第1のハウジング145と第2のハウジング146とを開閉させて、スティック型基材150Hを第1のハウジング145と第2のハウジング146とで挟持することで、スティック型基材150Hを保持する。
【0096】
加熱部121H-1及び加熱部121H-2は、第5の構成例に係る加熱部121Fと実質的に同一である。ただし、加熱部121H-1は、第1のハウジング145に配置され、加熱部121H-2は、第2のハウジング146に配置される。
【0097】
断熱部144H-1及び断熱部144H-2は、第5の構成例に係る断熱部144Fと実質的に同一である。ただし、断熱部144H-1は、第1のハウジング145に配置され、断熱部144H-2は、第2のハウジング146に配置される。
【0098】
<1.3.誘導加熱型の吸引装置>
誘導加熱(IH(Induction Heating))型の吸引装置は、誘導加熱によりエアロゾルを生成する吸引装置である。以下に説明する第8~第9の構成例は、誘導加熱型の吸引装置の構成例である。
【0099】
(1)第8の構成例
本構成例に係る吸引装置は、誘導加熱によりエアロゾルを生成する、基材一体型の吸引装置である。以下、
図8を参照しながら、本構成例を説明する。
【0100】
図8は、吸引装置の第8の構成例を模式的に示す模式図である。
図8に示すように、本構成例に係る吸引装置100Iは、電源ユニット110I、及びカートリッジ120Iを含む。電源ユニット110I及びカートリッジ120Iは、互いに着脱可能に構成される。ユーザによる吸引は、電源ユニット110Iにカートリッジ120Iが取り付けられた状態で行われる。
【0101】
図8に示すように、電源ユニット110Iは、電源部111I、センサ部112I、通知部113I、記憶部114I、通信部115I、及び制御部116Iを含む。また、カートリッジ120Iは、サセプタ161I、電磁誘導源162I、液誘導部122I、液貯蔵部123I、及びマウスピース124Iを含む。また、カートリッジ120Iには、空気流路180Iが形成される。以下、各構成要素について順に説明する。
【0102】
電源ユニット110Iの各構成要素、液誘導部122I、液貯蔵部123I、空気流路180I、及びマウスピース124Iの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0103】
サセプタ161Iは、電磁誘導により発熱する。サセプタ161Iは、金属等の導電性の素材により構成される。サセプタ161Iは、液誘導部122Iに近接して配置される。
図8に示した例では、サセプタ161Iは、金属製の導線により構成され、液誘導部122Iに巻き付けられる。
【0104】
電磁誘導源162Iは、電磁誘導によりサセプタ161Iを発熱させる。電磁誘導源162Iは、例えば、コイル状の導線により構成される。電磁誘導源162Iは、電源部111Iから交流電流が供給されると、磁界を発生させる。電磁誘導源162Iは、発生させた磁界にサセプタ161Iが重畳する位置に配置される。よって、磁界が発生すると、サセプタ161Iにおいて渦電流が発生して、ジュール熱が発生する。そして、かかるジュール熱により液誘導部122Iに保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Iにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。他の一例として、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Iにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。その後、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Iにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。他の一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Iにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。
【0105】
なお、本構成例に係る吸引装置100Iには、第2の構成例に係る吸引装置100Bと同様に、カートリッジ120Iの下流側に、香味付与カートリッジ130が配置されてもよい。換言すると、本構成例に係る吸引装置100Iは、電源ユニット110I、カートリッジ120I、及び香味付与カートリッジ130の3部品により構成されていてもよい。
【0106】
(2)第9の構成例
本構成例に係る吸引装置は、誘導加熱によりエアロゾルを生成する、基材外付け型の吸引装置である。以下、
図9を参照しながら、本構成例を説明する。
【0107】
図9は、吸引装置の第9の構成例を模式的に示す模式図である。
図9に示すように、本構成例に係る吸引装置100Jは、電源部111J、センサ部112J、通知部113J、記憶部114J、通信部115J、制御部116J、サセプタ161J、電磁誘導源162J、及び保持部140Jを含む。保持部140Jにスティック型基材150Jが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0108】
電源部111J、センサ部112J、通知部113J、記憶部114J、通信部115J、制御部116J、及び保持部140Jの各々は、第4の構成例に係る吸引装置100Eに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0109】
スティック型基材150Jは、第4の構成例に係るスティック型基材150Eと同様の構成を有する。さらに、スティック型基材150Jは、サセプタ161Jを含む。
【0110】
サセプタ161Jは、電磁誘導により発熱する。サセプタ161Jは、金属等の導電性の素材により構成される。一例として、サセプタ161Jは、金属片である。サセプタ161Jは、エアロゾル源に近接して配置される。
図9に示した例では、サセプタ161Jは、スティック型基材150Jの基材部151Jに含まれる。
【0111】
電磁誘導源162Jは、電磁誘導によりサセプタ161Jを発熱させる。電磁誘導源162Jは、例えば、コイル状の導線により構成され、保持部140Jの外周に巻き付くように配置される。電磁誘導源162Jは、電源部111Jから交流電流が供給されると、磁界を発生させる。電磁誘導源162Jは、発生させた磁界に保持部140Jの内部空間141Jが重畳する位置に配置される。よって、保持部140Jにスティック型基材150Jが保持された状態で磁界が発生すると、サセプタ161Jにおいて渦電流が発生して、ジュール熱が発生する。そして、かかるジュール熱によりスティック型基材150Jに含まれるエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。一例として、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Jにより検出された場合に、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。サセプタ161J及び電磁誘導源162Jにより誘導加熱されたスティック型基材150Jの温度が所定の温度に達した場合に、ユーザによる吸引が可能となる。その後、所定のユーザ入力が行われたことがセンサ部112Jにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。他の一例として、ユーザによる吸引が行われたことがセンサ部112Jにより検出されている期間において、給電され、エアロゾルが生成されてもよい。
【0112】
<1.4.ハイブリッド型の吸引装置>
ハイブリッド型の吸引装置は、基材一体型の吸引装置と基材外付け型の吸引装置の双方の特徴を併せ持つ吸引装置である。以下に説明する第10の構成例は、ハイブリッド型の吸引装置の構成例である。以下、
図10を参照しながら、本構成例を説明する。
【0113】
図10は、吸引装置の第10の構成例を模式的に示す模式図である。
図10に示すように、本構成例に係る吸引装置100Kは、電源部111K、センサ部112K、通知部113K、記憶部114K、通信部115K、制御部116K、液誘導部122K、液貯蔵部123K、加熱部121K-1、加熱部121K-2、保持部140K、及び断熱部144Kを含む。また、吸引装置100Kには、空気流路180Kが形成される。保持部140Kにスティック型基材150Kが保持された状態で、ユーザによる吸引が行われる。以下、各構成要素について順に説明する。
【0114】
電源部111K、センサ部112K、通知部113K、記憶部114K、通信部115K、制御部116K、加熱部121K-1、液誘導部122K、及び液貯蔵部123Kの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。加熱部121K-2は、第4の構成例に係る加熱部121Eと実質的に同一である。スティック型基材150Kは、第4の構成例に係るスティック型基材150Eと実質的に同一である。
【0115】
保持部140Kは、第4の構成例に係る保持部140Eと同様の構成を有する。さらに、保持部140Kの底部143Kには、空気流路180Kの空気流出孔182Kが配置される。空気流出孔182を介して、保持部140Kの内部空間141Kと空気流路180Kとが連通される。
【0116】
空気流路180Kは、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180Kは、空気流路180K内への空気の入り口である空気流入孔181Kと、空気流路180Kからの空気の出口である空気流出孔182Kと、を両端とする管状構造を有する。ユーザによる吸引に伴い、空気流入孔181Kから空気流路180K内に空気が流入し、空気流出孔182Kから保持部140Kの内部空間141Kに空気が流出する。一例として、空気流入孔181Kは、吸引装置100Kの任意の位置に配置される。他方、空気流出孔182Kは、保持部140Kの底部143Kに配置される。空気流路180Kの途中には、液誘導部122Kが配置される。加熱部121K-1により生成されたエアロゾルは、空気流入孔181Kから流入した空気と混合される。次いで、ユーザによる吸引に伴い、エアロゾルと空気との混合流体は、矢印190Kに示すように、空気流出孔182Kを経由して保持部140Kの内部空間141Kへ輸送される。そして、保持部140Kの内部空間141Kへ輸送されたエアロゾルと空気との混合流体は、加熱部121K-2により生成されたエアロゾルと共に、ユーザの口内に到達する。
【0117】
なお、本構成例において、加熱部121K-1による加熱に代えて、第3の構成例に係る振動部127による振動、又は第8の構成例に係るサセプタ161I及び電磁誘導源162Iによる誘導加熱により、エアロゾルの生成が行われてもよい。また、加熱部121K-2による加熱に代えて、第9の構成例に係るサセプタ161J及び電磁誘導源162Jによる誘導加熱により、エアロゾルの生成が行われてもよい。
【0118】
<<2.一実施形態>>
<2.1.構成例>
図11は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、システム1は、吸引装置100、及び端末装置200を含む。
【0119】
(1)吸引装置
吸引装置100は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。本実施形態では、吸引装置100は、上記説明した第1~第10の構成例のうち任意の構成例を取り得る。即ち、本実施形態に係る吸引装置100は、吸引装置100A~吸引装置100Kのいずれかと同様の構成を有する。
【0120】
以下では、本実施形態に係る吸引装置100の構成のうち、上記各構成例において説明した吸引装置100A~吸引装置100Kの構成に対し、補足又は強調すべき点について主に説明する。
【0121】
本実施形態に係る通知部113は、情報をユーザに通知する。通知部113は、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、又は音を出力する音出力装置の少なくともいずれかを含む。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LEDである。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。通知部113は、制御部116から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。例えば、通知部113は、ユーザに通知する情報を表示したり、ユーザに通知する情報に応じた発光パターンで発光したり、ユーザに通知する情報に応じた振動パターンで振動したり、ユーザに通知する情報を音声出力したりする。ここでの振動パターンとは、振幅、周波数、及び振動するタイミング等を含む概念である。
【0122】
本実施形態に係る通信部115は、無線で情報を送受信する無線通信部の一例である。通信部115は、端末装置200との間で、無線で情報を送受信する。
【0123】
本実施形態に係るセンサ部112は、後述するクリーニング必要性情報を通知するか否かを判断するために使用される情報を検出するための構成を含む。例えば、センサ部112は、第1の温度センサ、第2の温度センサ、電力測定センサ、画像センサ、及び光センサを含む。第1の温度センサは、吸引装置100の周囲の温度である環境温度を検出する。第1の温度センサは、導線の電気抵抗値に基づいて環境温度を検出してもよい。第2の温度センサは、加熱部121の温度を検出する。第2の温度センサは、加熱部121の導電トラックの電気抵抗値に基づいて加熱部121の温度を検出してもよい。第2の温度センサは、加熱部121の温度を、保持部140により保持されたスティック型基材150の温度として検出してもよい。加熱部121の温度は、加熱部121の電気抵抗値に基づいて検出され得る。電力測定センサは、電源部111から他の構成要素に入力される電力を測定する。画像センサは、画像を撮像するセンサである。画像センサは、例えば、保持部140の内部空間141の画像を撮像する。光センサは、光を検出するセンサである。光センサは、例えば、保持部140の内部空間141の光量を検出する。
【0124】
本実施形態に係るセンサ部112は、後述する交換必要性情報を通知するか否かを判断するために使用される情報を検出するための構成を含む。例えば、センサ部112は、圧力センサ、及び抵抗測定回路を含む。圧力センサは、ユーザによる吸引に伴う負圧を検出することでユーザによる吸引が行われたことを検出する。抵抗測定回路は、例えば、加熱部121等の測定対象に既知の電流を流した際に測定対象の両端に生じる電圧に基づいて、測定対象の抵抗値を測定する。
【0125】
本実施形態に係るセンサ部112は、後述する吸引装置100が異常状態であることを示す情報を通知するか否かを判断するために使用される情報を検出するための構成を含む。一例として、センサ部112は、電源部111のSOC(State of Charge(例えば、充電状態))、電流積算値、電圧、温度、出力値などを検知するように構成されてもよい。他の一例として、センサ部112は、電源ユニット110に装着された、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130等の基材の識別情報を検出するように構成されてもよい。かかる識別情報は、例えば、基材に貼付された二次元コードを読み取る画像センサにより検出され得る。
【0126】
本実施形態に係る制御部116は、通知情報をユーザに通知する処理を制御する。この点については、後に詳しく説明する。
【0127】
(2)端末装置
端末装置200は、ユーザにより操作される情報処理装置である。端末装置200は、吸引装置100との間で情報を送受信し、かかる通信に基づく情報をユーザに対し出力する。例えば、端末装置200は、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブルデバイス等により構成される。
【0128】
図11に示すように、端末装置200は、センサ部210、通知部220、通信部230、記憶部240、及び制御部250を含む。
【0129】
センサ部210は、端末装置200に関する各種情報を検出する。そして、センサ部210は、検出した情報を制御部250に出力する。センサ部210は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力部を含む。入力部は、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、又はマイクの少なくともいずれかを含む。
【0130】
通知部220は、情報をユーザに通知する。通知部220は、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、又は音を出力する音出力装置の少なくともいずれかを含む。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LEDである。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。通知部220は、制御部250から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。例えば、通知部220は、ユーザに通知する情報を表示したり、ユーザに通知する情報に応じた発光パターンで発光したり、ユーザに通知する情報に応じた振動パターンで振動したり、ユーザに通知する情報を音声出力したりする。
【0131】
ここで、スマートフォン等の端末装置200は、高性能化が進んでおり、大型のディスプレイが搭載されたり、サラウンドスピーカが搭載されたりする。つまり、通知部220は、通知部113には無い、又は通知部113よりも大きなディスプレイを含む等、通知部113よりも高い表現力を有する。
【0132】
通信部230は、端末装置200と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部230は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。通信部230は、無線で情報を送受信する無線通信部の一例である。通信部230は、吸引装置100との間で、無線で情報を送受信する。
【0133】
記憶部240は、端末装置200の動作のための各種情報を記憶する。記憶部240は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0134】
制御部250は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置200内の動作全般を制御する。制御部250は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部250は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。端末装置200は、制御部250による制御に基づいて、各種処理を実行する。センサ部210により検出された情報の処理、通知部220による情報の通知、通信部230による情報の送受信、記憶部240による情報の記憶及び読み出しは、制御部250により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、端末装置200により実行されるその他の処理も、制御部250により制御される。
【0135】
<2.2.技術的特徴>
<2.2.1.通知手段の切り替え>
吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200とが無線接続しているか否かに応じて、ユーザへの情報の通知手段を切り替える。ユーザに通知される情報を、以下では通知情報とも称する。
【0136】
吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合、吸引装置100は、通知情報を、通信部115により端末装置200に送信する。端末装置200は、吸引装置100から受信した通知情報を、通知部220によりユーザに通知する。かかる構成により、吸引装置100は、端末装置200を介して通知情報をユーザに通知することができる。また、端末装置200は、吸引装置100には無い、又は吸引装置100よりも大きなディスプレイが搭載される等、吸引装置100よりも高い表現力を有する。そのため、端末装置200による高い表現力を利用して情報を通知することで、ユーザビリティを向上させることが可能となる。以下では、端末装置200を介してユーザに情報を通知する手段を、間接的な通知手段とも称する。
【0137】
他方、吸引装置100と端末装置200とが無線接続していない場合、吸引装置100は、通知情報を、通知部113によりユーザに通知する。かかる構成により、吸引装置100は、端末装置200を介さずに直接的に通知情報をユーザに通知することができる。また、端末装置200が通知する場合と比較して表現力は劣るものの、少なくとも遅延することなく通知情報をユーザに通知することが可能となる。以下では、吸引装置100が、自身でユーザに情報を通知する手段を、直接的な通知手段とも称する。
【0138】
吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合に、通知部113による通知情報の通知を行わなくてもよい。即ち、吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合に、直接的な通知手段に代えて、間接的な通知手段のみを採用してもよい。これにより、直接的な通知手段にかかる電力消費を抑制することが可能となる。
【0139】
もちろん、吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合にも、通知部113による通知情報の通知を行ってもよい。即ち、吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合に、直接的な通知手段、及び間接的な通知手段の双方により、通知情報をユーザに通知してもよい。この場合、直接的な通知手段又は間接的な通知手段のいずれか一方を採用する場合と比較して、より確実にユーザに情報を通知することが可能となる。
【0140】
吸引装置100は、吸引装置情報を取得し、取得した吸引装置情報に基づいて通知情報を通知するか否かを判定する。そして、吸引装置100は、通知すると判定した通知情報を、吸引装置100と端末装置200とが無線接続している場合に間接的な通知手段でユーザに通知し、吸引装置100と端末装置200とが無線接続していない場合に直接的な通知手段でユーザに通知する。かかる構成により、吸引装置情報に基づいて通知すべきと判定された通知情報を、適切な通知手段で通知することが可能となる。なお、吸引装置情報とは、吸引装置100に関する情報である。吸引装置情報、及び吸引装置情報に基づいて通知要否が判定される通知情報の組み合わせについては、後に詳しく説明する。
【0141】
吸引装置100が、通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、吸引装置100と端末装置200が無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも後であってもよい。この場合、吸引装置100は、吸引装置100と端末装置200が無線接続しているか否かを事前に判定し、ユーザに通知すべき通知情報が発生した場合に、事前の判定結果に応じた通知手段でユーザに通知情報を通知する。よって、ユーザに通知すべき通知情報が発生するたびに、無線接続しているか否かを判定する必要が無いので、処理負荷が軽減される。
【0142】
吸引装置100が、通知情報をユーザに通知するか否かを判定するタイミングは、吸引装置100と端末装置200とが無線接続しているか否かを判定するタイミングよりも前であってもよい。この場合、吸引装置100は、ユーザに通知すべき通知情報が発生した場合に、吸引装置100と端末装置200が無線接続しているか否かを判定し、判定結果に応じた通知手段でユーザに通知情報を通知する。よって、ユーザに通知すべき通知情報が発生したタイミングで無線接続しているか否かを判定することができるので、例えば無線接続が頻繁に途切れるような不安定な通信環境においても、適切に通知手段を切り替えることができる。
【0143】
<2.2.2.クリーニングに関する情報の通知>
本節では、通知情報が、吸引装置100のクリーニングに関する情報である場合について説明する。
【0144】
(1)クリーニング必要性情報の通知
通知情報は、吸引装置100をクリーニングする必要性を示す情報である、クリーニング必要性情報を含んでいてもよい。ここでのクリーニングとは、主に、保持部140を有する第4~第7、第9及び第10の構成例に係る吸引装置100が有する、保持部140の内部空間141を対象とするクリーニングを指す。エアロゾルを生成するためにスティック型基材150が加熱されると、スティック型基材150、とりわけ基材部151が脆くなり、基材部151の内容物の一部が保持部140の内部空間141に残留して堆積する場合がある。そのため、吸引装置100は、適宜クリーニングされることが望ましい。しかし、クリーニングする必要性をユーザが自力で判断するためには、吸引装置100のカバーを開けて内部空間141に残留した堆積物の量を確認する等の手間がかかる。この点、吸引装置100は、クリーニング必要性情報をユーザに通知することで、かかるユーザの手間を削減し、クリーニングに関するユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0145】
クリーニング必要性情報は、第1のクリーニング必要性情報(第1の情報に相当)であってもよい。第1のクリーニング必要性情報は、吸引装置100をクリーニングする必要性が高いことを示す情報である。換言すると、第1のクリーニング必要性情報は、吸引装置100をクリーニングすることを勧める情報である。第1のクリーニング必要性情報が通知されることで、ユーザは、適切なタイミングでクリーニングすることが可能となる。
【0146】
クリーニング必要性情報は、第2のクリーニング必要性情報(第2の情報に相当)であってもよい。第2のクリーニング必要性情報は、吸引装置100をクリーニングする必要性が高まりつつあることを示す情報である。換言すると、第2のクリーニング必要性情報は、吸引装置100を近い将来にクリーニングすることを勧める情報である。第2のクリーニング必要性情報は、クリーニングの準備を行うよう勧める情報であってもよい。クリーニングの準備とは、例えば、吸引装置100をクリーニングする際に使用されるクリーニング用品を購入したり、携帯したりすることである。第2のクリーニング必要性情報が通知されることで、ユーザは、クリーニングの準備を事前に行うことが可能となる。
【0147】
クリーニング必要性情報は、吸引装置100をクリーニングするタイミングに関する情報を含んでいてもよい。例えば、クリーニング必要性情報は、吸引装置100をクリーニングすべき日時を示す情報、又はあと何回吸引するとクリーニングする必要が生じるかを示す情報等を、含み得る。また、第1のクリーニング必要性情報は、例えば、吸引装置100をクリーニングすべきタイミングが到来したことを示す情報を含んでいてもよい。第2のクリーニング必要性情報は、例えば、吸引装置100をクリーニングすべきタイミングが近い将来に到来することを示す情報を含んでいてもよい。かかる構成により、ユーザは、クリーニングすべきタイミングを容易に認識することができる。
【0148】
以下、クリーニング必要性情報を通知するか否かを判定する処理の詳細について、順に説明する。
【0149】
-予備加熱の回数に基づく制御
吸引装置情報は、ユーザが吸引装置100を用いて行う吸引を可能にするために吸引装置100により実行された予備加熱の回数を含み得る。第4の構成例において上記説明したように、加熱部121により加熱されたスティック型基材150の温度(より正確には、加熱部121による加熱対象である基材部151の温度)又は予備加熱を行う加熱部121の温度が所定の温度(以下、吸引可能温度とも称する)に達した(例えば、上回った)場合に、ユーザによる吸引が可能となる。この、スティック型基材150の温度又は加熱部121の温度が所定温度に達するまでに実行される加熱が、予備加熱である。なお、スティック型基材150の吸引可能温度と、加熱部121の吸引可能温度とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0150】
吸引装置100は、予備加熱の回数が第1の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第1のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0151】
予備加熱は、スティック型基材150が保持部140に挿入される度に実行され、その後ユーザによる吸引が行われる。予備加熱の後、ユーザによる吸引が行われる間も引き続き、スティック型基材150への加熱が継続される。以下、予備加熱の後に行われる加熱を、本加熱とも称する。予備加熱及び本加熱により、スティック型基材150からエアロゾルが生成されるに伴い、スティック型基材150は脆くなる。そのため、ユーザによる吸引が行われた後、スティック型基材150が保持部140から引き抜かれる際に、スティック型基材150の残りの内容物(以下、吸い殻とも称する)が零れ落ち、保持部140に堆積していく。とりわけ、第4及び第6の構成例では、スティック型基材150のうちブレード状の加熱部121が突き刺さる部分が脆くなりやすく、吸い殻が零れ落ちやすい。予備加熱の回数は、ユーザによる吸引が行われた回数、及びスティック型基材150が保持部140に抜き差しされた回数と同一とみなせるから、予備加熱の回数が多いほど、保持部140に堆積している吸い殻の量が多いと言える。
【0152】
そこで、第1の閾値として、クリーニングが必要なほど多くの吸い殻が堆積すると推定される、予備加熱の回数が設定される。これにより、適切なタイミングで、第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0153】
なお、第1の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。
【0154】
吸引装置100は、予備加熱の回数が第1の閾値よりも低い第2の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定してもよい。かかる構成により、第2のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0155】
第2の閾値として、近い将来にクリーニングが必要になるほど多くの吸い殻が堆積すると推定される、予備加熱の回数が設定される。これにより、適切なタイミングで、第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0156】
なお、第2の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。また、第2の閾値は、第1の閾値の70%等、第1の閾値を基準に設定されてもよい。
【0157】
予備加熱の回数は、所定のユーザ操作(以下、リセット操作とも称する)が行われた場合に初期化されてもよい。リセット操作は、吸引装置100に対し行われてもよいし、端末装置200に対し行われてもよい。リセット操作は、ボタンの長押し等、センサ部112又はセンサ部210に所定の情報を入力する操作である。予備加熱の回数が初期化されるとは、カウントしている予備加熱の回数をゼロにすることを指す。リセット操作は、例えば吸引装置100がクリーニングされた際に行われる。かかる構成により、カウントした予備加熱の回数と保持部140に堆積した吸い殻の量との相関関係を保つことができるので、予備加熱の回数に基づくクリーニング必要性情報の通知を、適切なタイミングで実行することが可能となる。
【0158】
吸引装置100は、加熱された場合にユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材を対象に予備加熱が行われたと判定された場合に、予備加熱の回数をカウントしてもよい。基材とは、例えばエアロゾル源を含む部材であり、スティック型基材150が相当する。吸引装置100は、スティック型基材150が保持部140に保持された状態で予備加熱が行われた場合に、予備加熱の回数をカウントする。かかる構成により、例えば、保持部140にスティック型基材150が保持されていない状態で加熱される、いわゆる空焚きが行われた場合等、保持部140に吸い殻が堆積しないことが想定される場合には、予備加熱の回数をカウントしないようにすることができる。これにより、カウントした予備加熱の回数と保持部140に堆積した吸い殻の量との相関関係を保つことができるので、予備加熱の回数に基づくクリーニング必要性情報の通知を、適切なタイミングで実行することが可能となる。
【0159】
なお、スティック型基材150が保持部140に保持された状態で予備加熱が行われたか否かは、センサ部112に含まれる画像センサにより撮像された、予備加熱中の保持部140の内部空間141の画像に対する画像認識結果に基づいて、判断され得る。
【0160】
他にも、スティック型基材150が保持部140に保持された状態で予備加熱が行われたか否かは、センサ部112に含まれる光センサにより検出された、予備加熱中の保持部140の内部空間141の光量を閾値と比較することで、判断され得る。光センサは、加熱部121が発熱する際に発する光を検出してもよい。他にも、保持部140の内部空間141を挟んで対向するように発光部と光センサとが設けられ、光センサは発光部が発する光を検出してもよい。スティック型基材150が保持部140に保持されている場合、加熱部121又は発光部が発する光はスティック型基材150により遮られ、光センサにより検出される光量は閾値よりも低くなる。一方で、スティック型基材150が保持部140に保持されていない場合、加熱部121又は発光部が発する光は直接的に光センサに到達するので、光センサにより検出される光量は閾値よりも高くなる。
【0161】
吸引装置100(例えば、記憶部114)は、予備加熱の回数を記憶する。そして、吸引装置100は、記憶した予備加熱の回数を、予備加熱が行われる度に増加させて、記憶を更新する。これにより、例えば前回予備加熱されてから今回予備加熱されるまでの間に電源ON/OFFされる等しても、継続的に予備加熱の回数をカウントすることが可能となる。
【0162】
-予備加熱の所要時間に基づく制御
吸引装置情報は、ユーザが吸引装置100を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を吸引装置100が実行した際に、加熱対象の温度又は予備加熱を行う加熱部121の温度が所定の温度になるまでにかかる時間を含み得る。かかる所定の温度とは、上述した吸引可能温度である。吸引可能温度になるまでにかかる時間を、以下では予備加熱の所要時間とも称する。加熱対象は、スティック型基材150(より正確には、スティック型基材150の基材部151)である。つまり、予備加熱の所要時間は、予備加熱を開始してから、スティック型基材150の温度又は加熱部121の温度が吸引可能温度に到達するまでにかかる時間である。加熱部121の温度は、例えばセンサ部112に含まれる第2の温度センサにより検出される。他方、スティック型基材150の温度は、例えばセンサ部112に含まれる第2の温度センサにより検出された加熱部121の温度に基づいて推定される。
【0163】
吸引装置100は、予備加熱の所要時間が第3の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第1のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0164】
保持部140に堆積している吸い殻の量が多いほど、予備加熱の所要時間は長くなる。これは、加熱部121から発生した熱が、保持部140に保持されたスティック型基材150だけでなく、保持部140に堆積している吸い殻にも伝搬してしまうためである。
【0165】
そこで、第3の閾値として、クリーニングが必要なほど多くの吸い殻が堆積していると推定される、予備加熱の所要時間が設定される。これにより、適切なタイミングで、第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0166】
なお、第3の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。さらに、吸引装置100は、環境温度に基づいて、第3の閾値を設定してもよい。一例として、吸引装置100は、環境温度が高いほど第3の閾値を短く設定する。環境温度が高いほど、スティック型基材150の温度及び加熱部121の温度は上昇しやすく、予備加熱の所要時間は短くなるためである。他の一例として、吸引装置100は、環境温度が低いほど第3の閾値を長く設定する。環境温度が低いほど、スティック型基材150の温度及び加熱部121の温度は上昇しにくく、予備加熱の所要時間は長くなるためである。かかる構成により、環境温度に応じた適切なタイミングで、クリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。なお、環境温度は、例えば、センサ部112に含まれる第1の温度センサにより検出される。
【0167】
吸引装置100は、予備加熱の所要時間が第3の閾値よりも低い第4の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第2のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0168】
第4の閾値として、近い将来にクリーニングが必要になるほど多くの吸い殻が堆積していると想定される、予備加熱の所要時間が設定される。これにより、適切なタイミングで、第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0169】
なお、第4の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。また、第4の閾値は、第3の閾値の70%等、第3の閾値を基準に設定されてもよい。さらに、第3の閾値に関し上記説明した理由と同様の理由で、吸引装置100は、環境温度に基づいて、第4の閾値を設定してもよい。
【0170】
-予備加熱の所要電力に基づく制御
吸引装置情報は、ユーザが吸引装置100を用いて行う吸引を可能にするための予備加熱を吸引装置100が実行した際に、加熱対象の温度又は予備加熱を行う加熱部121の温度が所定の温度になるまでにかかる電力を含み得る。かかる所定の温度とは、上述した吸引可能温度である。吸引可能温度になるまでにかかる電力を、以下では予備加熱の所要電力とも称する。加熱対象は、スティック型基材150(より正確には、スティック型基材150の基材部151)である。つまり、予備加熱の所要電力は、予備加熱を開始してから、スティック型基材150の温度又は加熱部121の温度が吸引可能温度に到達するまでに加熱部121に入力される電力の総量である。加熱部121に入力される電力は、例えば、センサ部112に含まれる電力測定センサにより測定される。
【0171】
吸引装置100は、予備加熱の所要電力が第5の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第1のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0172】
保持部140に堆積している吸い殻の量が多いほど、予備加熱の所要電力は長くなる。これは、加熱部121から発生した熱が、保持部140に保持されたスティック型基材150だけでなく、保持部140に堆積している吸い殻にも伝搬してしまうためである。
【0173】
そこで、第5の閾値として、クリーニングが必要なほど多くの吸い殻が堆積していると推定される、予備加熱の所要電力が設定される。これにより、適切なタイミングで、第1のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0174】
なお、第5の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。さらに、吸引装置100は、環境温度に基づいて、第5の閾値を設定してもよい。一例として、吸引装置100は、環境温度が高いほど第5の閾値を低く設定する。環境温度が高いほど、スティック型基材150の温度及び加熱部121の温度は上昇しやすく、予備加熱の所要電力は低くなるためである。他の一例として、吸引装置100は、環境温度が低いほど第5の閾値を高く設定する。環境温度が低いほど、スティック型基材150の温度及び加熱部121の温度は上昇しにくく、予備加熱の所要電力は高くなるためである。かかる構成により、環境温度に応じた適切なタイミングで、クリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0175】
吸引装置100は、予備加熱の所要電力が第5の閾値よりも低い第6の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、クリーニング必要性情報として第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知すると判定してもよい。かかる構成により、第2のクリーニング必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0176】
第6の閾値として、近い将来にクリーニングが必要になるほど多くの吸い殻が堆積していると想定される、予備加熱の所要電力が設定される。これにより、適切なタイミングで、第2のクリーニング必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0177】
なお、第6の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び予備加熱されたスティック型基材150の種別等に応じて変動してもよい。また、第6の閾値は、第5の閾値の70%等、第5の閾値を基準に設定されてもよい。さらに、第5の閾値に関し上記説明した理由と同様の理由で、吸引装置100は、環境温度に基づいて、第6の閾値を設定してもよい。
【0178】
(2)クリーニング方法情報の通知
通知情報は、吸引装置100をクリーニングする方法を示す情報を含んでいてもよい。かかる情報を、以下ではクリーニング方法情報とも称する。クリーニング方法情報は、例えば、吸引装置100をクリーニングするために使用されるクリーニング用品の使用方法、及び吸引装置100の分解方法等を含み得る。例えば、吸引装置100は、クリーニング必要性情報と共に、クリーニング方法情報を、間接的な通知手段又は直接的な通知手段でユーザに通知する。これにより、ユーザは、吸引装置100をクリーニングすべきタイミングで、クリーニング方法を容易に知ることができる。
【0179】
<2.2.3.基材を交換する必要性を示す情報の通知>
通知情報は、内容物が消費されることでユーザに吸引される物質の生成に寄与する基材であって、吸引装置100がユーザに吸引される物質を生成するために使用している基材を交換する必要性を示す情報である、交換必要性情報を含み得る。ここでの基材とは、第1~第3、第8、及び第10の構成例に係る吸引装置100A~D、100I、及び100Jが有するカートリッジ120、並びに第2の構成例に係る吸引装置100Bが有する香味付与カートリッジ130を指す。また、内容物とは、エアロゾル源、及び香味源131を指す。即ち、交換必要性情報は、電源ユニット110に装着されているカートリッジ120及び/又は香味付与カートリッジ130を、新しいカートリッジ120及び/又は香味付与カートリッジ130に交換する必要性を示す情報である。
【0180】
ユーザによる吸引が行われる度に、即ちエアロゾルが生成される度に、液貯蔵部123に保持されたエアロゾル源が消費される。液貯蔵部123に保持されたエアロゾル源が消費され切った状態で吸引が行われると、液誘導部122が乾いた状態で加熱部121による過度な加熱が行われてしまう、いわゆるドライパフが発生する。そのため、カートリッジ120は、エアロゾル源が消費され切ったタイミング、又はエアロゾル源が消費され切るよりも前のタイミングで、交換されることが望ましい。
【0181】
同様に、ユーザによる吸引が行われる度に、即ちエアロゾルが生成される度に、香味源131が消費される。香味源131が消費され切った状態で吸引が行われると、香味成分が付与されていないエアロゾルをユーザが吸引してしまい、吸引体験の質が劣化する。そのため、香味付与カートリッジ130もまた、香味源131が消費され切ったタイミング、又は消費され切るよりも前のタイミングで、交換されることが望ましい。
【0182】
この点、吸引装置100は、交換必要性情報をユーザに通知することで、交換タイミングを逸した場合に生じるこれらの不都合を回避し、基材の交換に関するユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0183】
交換必要性情報は、第1の交換必要性情報(第3の情報に相当)であってもよい。第1の交換必要性情報は、基材を交換する必要性が高いことを示す情報である。換言すると、第1の交換必要性情報は、基材を交換することを勧める情報である。第1の交換必要性情報が通知されることで、ユーザは、適切なタイミングで基材を交換することが可能となる。
【0184】
交換必要性情報は、第2の交換必要性情報(第4の情報に相当)であってもよい。第2の交換必要性情報は、基材を交換する必要性が高まりつつあることを示す情報である。換言すると、第2の交換必要性情報は、基材を近い将来に交換することを勧める情報である。第2の交換必要性情報は、基材を交換する準備を行うよう勧める情報であってもよい。基材を交換する準備とは、例えば、交換用の新しい基材を購入したり、交換用の新しい基材を携帯したりすることである。第2の交換必要性情報が通知されることで、ユーザは、基材を交換する準備を事前に行うことが可能となる。
【0185】
交換必要性情報は、基材を交換するタイミングに関する情報を含んでいてもよい。例えば、交換必要性情報は、基材を交換すべき日時を示す情報、又はあと何回吸引すると基材を交換する必要が生じるかを示す情報等を、含み得る。また、第1の交換必要性情報は、例えば、基材を交換するべきタイミングが到来したことを示す情報を含んでいてもよい。第2の交換必要性情報は、例えば、基材を交換するべきタイミングが近い将来に到来することを示す情報を含んでいてもよい。かかる構成により、ユーザは、基材を交換すべきタイミングを容易に認識することができる。
【0186】
以下、交換必要性情報を通知するか否かを判定する処理の詳細について説明する。
【0187】
-吸引回数に基づく制御
吸引装置情報は、ユーザが吸引装置100を用いて行った吸引の回数(以下、吸引回数とも称する)を含み得る。ユーザが吸引装置100を用いて吸引を行ったことは、例えば、センサ部112に含まれる圧力センサにより検出される。吸引装置100は、ユーザが吸引装置100を用いた吸引を行ったことが検出された場合に、吸引回数をカウントする。
【0188】
吸引装置100は、吸引回数が第7の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、交換必要性情報として第1の交換必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第1の交換必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0189】
ここで、第7の閾値として、内容物が消費され切ったと想定される、吸引回数が設定される。これにより、適切なタイミングで、第1の交換必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0190】
なお、第7の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び使用されている基材の種別等に応じて変動してもよい。
【0191】
吸引装置100は、吸引回数が第7の閾値よりも低い第8の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、交換必要性情報として第2の交換必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第2の交換必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。
【0192】
ここで、第8の閾値として、近い将来に内容物が消費され切ると想定される、吸引回数が設定される。これにより、適切なタイミングで、第2の交換必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0193】
なお、第8の閾値は、固定値であってもよいし、吸引装置100の種別、及び使用されている基材の種別等に応じて変動してもよい。また、第8の閾値は、第7の閾値の70%等、第7の閾値を基準に設定されてもよい。
【0194】
吸引回数は、基材が交換された場合に初期化されてもよい。基材が交換されたか否かは、ユーザにより入力されてもよいし、センサ部112により検出されてもよい。吸引回数が初期化されるとは、カウントしている吸引回数をゼロにすることを指す。かかる構成により、吸引回数と基材の内容物の消費量との相関関係を保つことができるので、吸引回数に基づく交換必要性情報の通知を、適切なタイミングで実行することが可能となる。
【0195】
吸引装置100(例えば、記憶部114)は、吸引回数を記憶する。そして、吸引装置100は、記憶した吸引回数を、吸引が行われる度に増加させて、記憶を更新する。これにより、例えば前回吸引されてから今回吸引されるまでの間に電源ON/OFFされる等しても、継続的に吸引回数をカウントすることが可能となる。
【0196】
-加熱部の抵抗値に基づく制御
吸引装置情報は、基材を加熱する加熱部121の抵抗値の変化率を含み得る。加熱部121の抵抗値の変化率は、例えば、センサ部112に含まれる抵抗測定回路により検出される。一般的に、温度が上昇するにつれて金属の抵抗値は上昇する。即ち、抵抗値の変化率は、温度の変化率と相関する。
【0197】
液貯蔵部123に保持されたエアロゾル源が消費され切った状態で吸引が行われると、液誘導部122が乾いた状態で加熱部121による過度な加熱が行われてしまう、いわゆるドライパフが発生する。ドライパフが発生した状態では、温度の変化率が異常に高くなる。換言すると、ドライパフが発生した状態では、加熱部121の抵抗値の変化率が異常に高くなる。
【0198】
そこで、吸引装置100は、加熱部121の抵抗値の変化率に基づいて交換必要性情報を通知するか否かを判定する。これにより、ドライパフが発生している、又は近い将来に発生し得るタイミングで、交換必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0199】
詳しくは、吸引装置100は、加熱部121の抵抗値の変化率が第9の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、交換必要性情報として第1の交換必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第1の交換必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。ここで、第9の閾値として、内容物が消費され切ったと想定される抵抗値の変化率が設定される。これにより、適切なタイミングで、第1の交換必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0200】
他方、吸引装置100は、加熱部121の抵抗値の変化率が第9の閾値よりも低い第10の閾値に達した(例えば、上回った)場合に、交換必要性情報として第2の交換必要性情報をユーザに通知すると判定する。かかる構成により、第2の交換必要性情報を、直接的な通知手段又は間接的な通知手段の少なくともいずれかにより、ユーザに通知することが可能となる。ここで、第10の閾値として、近い将来に内容物が消費され切ると想定される抵抗値の変化率が設定される。これにより、適切なタイミングで、第2の交換必要性情報をユーザに通知することが可能となる。
【0201】
<2.2.4.吸引装置が異常状態であることを示す情報の通知>
通知情報は、吸引装置100が異常状態であることを示す情報を含み得る。
【0202】
異常状態の一例は、電源部111に蓄積された電力の低下である。吸引装置100は、吸引装置情報として、電源部111に蓄積された電力残量を示す情報を取得する。電源部111に蓄積された電力残量を示す情報は、例えば、センサ部112により検出される。そして、吸引装置100は、電源部111に蓄積された電力残量が所定の閾値を下回った場合に、異常状態であることを示す情報を通知すると判定する。かかる所定の閾値として、例えば、1回の吸引のために要される電力が設定されてもよいし、1つのカートリッジ120を使い切るために要される電力が設定されてもよいし、1つの香味付与カートリッジ130を使い切るために要される電力が設定されてもよい。これにより、電力残量の低下により吸引ができなくなる事態を未然に防止することが可能となる。
【0203】
異常状態の他の一例は、不正なカートリッジ120又は不正な香味付与カートリッジ130が使用されたことである。吸引装置100は、吸引装置情報として、電源ユニット110に装着されたカートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の各々の識別情報を取得する。カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の各々の識別情報は、例えば、センサ部112により検出される。そして、吸引装置100は、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の識別情報が、正規のカートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の識別情報と異なる場合に、異常状態であることを示す情報を通知すると判定する。不正なカートリッジ120又は不正な香味付与カートリッジ130が使用されると、電源ユニット110に故障が発生する等の事態が生じ得るところ、かかる構成によりそのような事態の発生を未然に防止することができる。
【0204】
異常状態の他の一例は、ハードウェア異常が発生した状態である。ハードウェア異常の一例は、吸引装置100に含まれる各種ハードウェア(例えば、IC(Integrated Circuit))間の通信異常である。ハードウェア異常の他の一例は、電源部111からの出力異常である。ハードウェア異常の他の一例は、電源部111の充電時又は加熱部121への給電時の、電源部111の温度異常である。ハードウェア異常の他の一例は、電源部111の劣化である。電源部111の劣化は、例えば、充電時の電圧降下、満充電に至るまでの充電時間、又は充電回数の少なくともいずれかに基づいて検出される。これらのハードウェア異常の発生有無を示す情報は、例えば、センサ部112により検出される。吸引装置100は、吸引装置情報として、これらのハードウェア異常の発生有無を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて異常状態であることを示す情報を通知するか否かを判定する。かかる構成により、ハードウェア異常の発生をユーザに通知して、修理又は買い替え等を促すことが可能となる。
【0205】
<2.3.処理の流れ>
図12は、本実施形態に係るシステム1により実行される情報通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12に示すように、本シーケンスには、吸引装置100、及び端末装置200が関与する。
【0206】
図12に示すように、まず、吸引装置100は、吸引装置情報を取得する(ステップS102)。
【0207】
次いで、吸引装置100は、吸引装置情報に基づいて、情報をユーザに通知するか否かを判定する(ステップS104)。例えば、吸引装置100は、予備加熱の回数、予備加熱の所要時間、又は予備加熱の所要電力の少なくともいずれかに基づいて、クリーニング必要性情報を通知するか否かを判定する。また、吸引装置100は、吸引回数、又は加熱部121の抵抗値の変化率の少なくともいずれかに基づいて、交換必要性情報を通知するか否かを判定する。また、吸引装置100は、電源部111に蓄積された電力残量を示す情報、電源ユニット110に装着されたカートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の各々の識別情報、又はハードウェア異常の発生有無を示す情報の少なくともいずれかに基づいて、吸引装置100が異常状態であることを示す情報を通知するか否かを判定する。
【0208】
ユーザに情報を通知しないと判定された場合(ステップS104/NO)、処理は再度ステップS102に戻る。他方、ユーザに情報を通知すると判定された場合(ステップS104/YES)、吸引装置100は、端末装置200と無線接続しているか否かを判定する(ステップS106)。
【0209】
吸引装置100と端末装置200とが無線接続していると判定された場合(ステップS106/YES)、吸引装置100は、ステップS104において通知すると判定した通知情報を、端末装置200に送信する(ステップS108)。端末装置200は、通知情報を受信すると、受信した通知情報を通知部220によりユーザに通知する(ステップS110)。
【0210】
吸引装置100と端末装置200とが無線接続していないと判定された場合(ステップS106/NO)、吸引装置100は、ステップS104において通知すると判定した通知情報を、通知部113によりユーザに通知する(ステップS112)。
【0211】
<<3.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0212】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0213】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0214】
1 システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
150 スティック型基材
151 基材部
200 端末装置
210 センサ部
220 通知部
230 通信部
240 記憶部
250 制御部