(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A01C11/02 330C
A01C11/02 313C
(21)【出願番号】P 2020170731
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】鳥津 龍之
(72)【発明者】
【氏名】林 靖浩
(72)【発明者】
【氏名】藤代 孝行
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】川上 修平
(72)【発明者】
【氏名】野村 仁志
(72)【発明者】
【氏名】飛田 秀平
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-150260(JP,A)
【文献】特開2003-156145(JP,A)
【文献】特開2012-051531(JP,A)
【文献】特開2017-136096(JP,A)
【文献】特開2010-161933(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110915387(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/00 - 11/02
F16H 47/00 - 47/12
G05G 1/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力を発生するエンジン(10)と、
前記発生された動力の主変速を行う主変速装置(100)と、
副変速操作部材(210)からの副変速操作に基づいて、前記主変速が行われた動力を走行装置(20)および苗植付け装置(30)の内の少なくとも一方へ伝達するための副変速ギア切換えを行う副変速ギア機構(200)と、
駐車ブレーキによる制動を実行する駐車ブレーキ機構(300)と、
を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が前記制動を実行しているとき、前記副変速ギア機構(200)が前記動力を前記苗植付け装置(30)へ伝達するための前記副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、所定の遊びが前記副変速ギア機構(200)と前記駐車ブレーキ機構(300)との間に形成されて
おり、
前記苗植付け装置(30)の苗植付け部入力軸(31)の近傍に設けられている苗植付け装置専用モーター(160)を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が制動を実行しており、セーフティスイッチが押されているとき、前記苗植付け装置専用モーター(160)のみを単独で動作させるための苗植付け装置専用モータースイッチが押されると、植付けクラッチはオフされ、前記苗植付け装置専用モーター(160)は動作を行い、前記駐車ブレーキ機構(300)が制動を実行していない、または前記セーフティスイッチが押されていないとき、前記苗植付け装置専用モータースイッチが押されても、前記苗植付け装置専用モーター(160)は動作を行わないことを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機などのような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
整地ロータを装備して多様な圃場条件に適用拡大を図りつつ、ポット式植付け装置の植付け部の前側にメンテナンススペースを確保して稼動効率を確保することができるポット型苗株移植機のような田植え機が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述された従来の田植え機などのような作業車両は、傾斜地ではしばしば苗植付け装置を駆動することができない。
【0005】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
動力を発生するエンジン(10)と、
前記発生された動力の主変速を行う主変速装置(100)と、
副変速操作部材(210)からの副変速操作に基づいて、前記主変速が行われた動力を走行装置(20)および苗植付け装置(30)の内の少なくとも一方へ伝達するための副変速ギア切換えを行う副変速ギア機構(200)と、
駐車ブレーキによる制動を実行する駐車ブレーキ機構(300)と、
を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が前記制動を実行しているとき、前記副変速ギア機構(200)が前記動力を前記苗植付け装置(30)へ伝達するための前記副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、所定の遊びが前記副変速ギア機構(200)と前記駐車ブレーキ機構(300)との間に形成されており、
前記苗植付け装置(30)の苗植付け部入力軸(31)の近傍に設けられている苗植付け装置専用モーター(160)を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が制動を実行しており、セーフティスイッチが押されているとき、前記苗植付け装置専用モーター(160)のみを単独で動作させるための苗植付け装置専用モータースイッチが押されると、植付けクラッチはオフされ、前記苗植付け装置専用モーター(160)は動作を行い、前記駐車ブレーキ機構(300)が制動を実行していない、または前記セーフティスイッチが押されていないとき、前記苗植付け装置専用モータースイッチが押されても、前記苗植付け装置専用モーター(160)は動作を行わないことを特徴とする作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、動力を発生するエンジン(10)と、
前記発生された動力の主変速を行う主変速装置(100)と、
副変速操作部材(210)からの副変速操作に基づいて、前記主変速が行われた動力を走行装置(20)および苗植付け装置(30)の内の少なくとも一方へ伝達するための副変速ギア切換えを行う副変速ギア機構(200)と、
駐車ブレーキによる制動を実行する駐車ブレーキ機構(300)と、
を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が前記制動を実行しているとき、前記副変速ギア機構(200)が前記動力を前記苗植付け装置(30)へ伝達するための前記副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、所定の遊びが前記副変速ギア機構(200)と前記駐車ブレーキ機構(300)との間に形成されていることを特徴とする作業車両である。
【0007】
本発明に関連する第2の発明は、動力を発生するエンジン(10)と、
前記発生された動力の主変速を行う主変速装置(100)と、
主変速操作部材(110)からの主変速操作に基づいて、前記主変速装置(100)の制御を行うコントローラー(400)と、
副変速操作部材(210)からの副変速操作に基づいて、前記主変速が行われた動力を走行装置(20)および苗植付け装置(30)の内の少なくとも一方へ伝達するための副変速ギア切換えを行う副変速ギア機構(200)と、
駐車ブレーキによる制動を実行する駐車ブレーキ機構(300)と、
を備え、
前記駐車ブレーキ機構(300)が前記制動を開始したとき、前記副変速ギア機構(200)が前記動力を前記苗植付け装置(30)へ伝達するための前記副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、車体微動のために、前記コントローラー(400)は前記主変速装置(100)の前記制御を前記主変速操作なしに行うことを特徴とする作業車両である。
【0008】
本発明に関連する第3の発明は、動力を発生するエンジン(10)と、
前記発生された動力の主変速を行う主変速装置(100)と、
主変速操作部材(110)からの主変速操作に基づいて、前記主変速装置(100)の制御を行うコントローラー(400)と、
前記主変速操作部材(110)の近傍に設けられたサブ主変速操作部材(120)と、
前記サブ主変速操作部材(120)の操作位置を検出する主変速操作位置検出機構(130)と、
を備え、
前記サブ主変速操作部材(120)は、前記主変速操作部材(110)と脱着可能であり、
前記コントローラー(400)は、前記主変速操作位置検出機構(130)からの検出結果に基づいて、前記主変速装置(100)の前記制御を行うことを特徴とする作業車両である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することが可能である。また、所定条件下で苗植付け装置専用モータースイッチが押されても、苗植付け装置専用モーターは動作を行わないので、安全である。
本発明に関連する第1の発明により、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することが可能である。
【0010】
本発明に関連する第2の発明により、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することが可能である。
【0011】
本発明に関連する第3の発明により、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明における実施の形態の田植え機の左側面図
【
図2】本発明における実施の形態の田植え機の主変速装置および副変速ギア機構近傍の部分右側面図
【
図3】本発明における実施の形態の田植え機の主変速装置および副変速ギア機構近傍の部分正面図
【
図4】本発明における実施の形態の田植え機の副変速ギア機構近傍の部分平面図
【
図5】本発明における別の実施の形態の田植え機の座席近傍の部分左側面図
【
図6】本発明における別の実施の形態の田植え機の苗植付け装置近傍の部分斜視図
【
図7】(a)本発明における別の実施の形態の田植え機の左側面図、(b)本発明における別の実施の形態の田植え機の苗植付け装置近傍の模式的な部分左側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0015】
本実施の形態の田植え機は、本発明における作業車両の例である。
【0016】
主変速レバー110は本発明における主変速操作部材の例であり、サブ主変速レバー120は本発明におけるサブ主変速操作部材の例であり、ポテンショメーター130は本発明における主変速操作位置検出機構の例であり、副変速レバー210は本発明における副変速操作部材の例である。
【0017】
はじめに、
図1を参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0018】
ここに、
図1は、本発明における実施の形態の田植え機の左側面図である。
【0019】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、本発明に関連した発明の変速操作方法についても説明する。
【0020】
本実施の形態の田植え機は、操縦装置40における手動操縦操作または自動操縦操作に応じて、左右一対の前輪21および後輪22を有する走行装置20で走行しながら、苗植付け装置30により圃場への苗の植付けを行うとともに施肥装置50により圃場への施肥を行うための作業車両である。
【0021】
走行装置20ならびに苗植付け装置30および施肥装置50は、HST(Hydro Static Transmission)である主変速装置100および副変速ギア機構200などを介して伝達されるエンジン10の動力により駆動される。
【0022】
つぎに、
図2から4を主として参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0023】
ここに、
図2は本発明における実施の形態の田植え機の主変速装置100および副変速ギア機構200近傍の部分右側面図であり、
図3は本発明における実施の形態の田植え機の主変速装置100および副変速ギア機構200近傍の部分正面図であり、
図4は本発明における実施の形態の田植え機の副変速ギア機構200近傍の部分平面図である。
【0024】
エンジン10は動力を発生し、主変速装置100は発生された動力の主変速を行う。副変速ギア機構200は、副変速レバー210からの副変速操作に基づいて、主変速が行われた動力を走行装置20および苗植付け装置30の内の少なくとも一方へ伝達するための副変速ギア切換えを行う。駐車ブレーキ機構300は、駐車ブレーキによる制動を実行する。
【0025】
乗用ポット苗田植え機においては頻繁なポット洗浄メンテナンス作業などが要求されるが、傾斜地では、副変速ギア機構のギアに関するトルクのために、主変速レバーを切換える手動操作のみならず、副変速レバーを切換える手動操作もしばしば行うことができない。
【0026】
本実施の形態においては、駐車ブレーキ機構300を利用していわゆる四輪ブレーキ機能を傾斜地で実行しながら、苗植付け装置30のPTO(Power Take Off)軸を回転させることができる。
【0027】
(1)駐車ブレーキ機構300が制動を実行しているとき、副変速ギア機構200が動力を苗植付け装置30へ伝達するための副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、所定の遊びが副変速ギア機構200と駐車ブレーキ機構300との間に形成されている。
【0028】
図4を参照しながらより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0029】
主変速装置100からの動力が副変速ギア機構200へ出力されているとき、副変速ギア機構200のギア260および270は回転している。
【0030】
このため、主変速装置100からの動力が副変速ギア機構200へ出力されているとき、副変速ギア機構200のギア290はギア270と噛合しているので、シフター250のポジションにかかわらず、シャフト回転による動力はギア270および290を介して苗植付け装置30のいわゆる植付けクラッチへ伝達されている。
【0031】
シフター250のポジションが、シフター250の爪部251がギア290と噛合している、いわゆる植付け移動速度ポジションである場合には、シャフト回転による動力はギア270および290ならびにシフター250を介して走行装置20へ伝達されている。
【0032】
シフター250のポジションが、シフター250がギア260と噛合している、いわゆる路上移動速度ポジションである場合には、シャフト回転による動力はギア260およびシフター250を介して走行装置20へ伝達されている。
【0033】
走行装置20へのこのような動力は、たとえば、前輪ディファレンシャル機構500との協働が行われながら、副変速ギア機構200のギア280を介して走行装置20の前輪21へ伝達可能である。
【0034】
駐車ブレーキ機構300が制動を実行しているとき、駐車ブレーキ機構300のハブ350の爪部351はギア280と噛合しているので、シフター250のポジションにかかわらず、動力は走行装置20へ伝達されない。
【0035】
上述されたように、シフター250のポジションが、植付け移動速度ポジションと路上移動速度ポジションとの間の中立ポジションである、いわゆるPTOポジションである場合でも、副変速ギア機構200は動力を苗植付け装置30へ伝達する。
【0036】
よって、駐車ブレーキ機構300が制動を実行しているときでも、副変速ギア機構200と駐車ブレーキ機構300との間に形成された所定の遊びのために、副変速ギア機構200のシフター250のポジションは容易にPTOポジションへ切換えられるので、副変速ギア機構200が動力を苗植付け装置30へ伝達するための副変速ギア切換えを円滑に行うことができる。
【0037】
たとえば、副変速ギア機構200の路上移動速度ギアとして機能するギア280と、駐車ブレーキ機構300のハブ爪部である爪部351と、の間に大き目の遊びを生成することにより、副変速ギア機構200のギアに関するトルクが抑制され、副変速レバー210を切換える手動操作はスムーズに行われる。したがって、傾斜地でも苗植付け装置30を駆動することができる。
【0038】
(2)コントローラー400は、主変速レバー110からの主変速操作に基づいて、主変速装置100の制御を行う。駐車ブレーキ機構300が制動を開始したとき、副変速ギア機構200が動力を苗植付け装置30へ伝達するための副変速ギア切換えを円滑に行うことができるように、車体微動のために、コントローラー400は主変速装置100の制御を主変速操作なしに行う。
【0039】
よって、駐車ブレーキ機構300が制動を実行しているときでも、車体微動のために、副変速ギア機構200のシフター250のポジションは容易にPTOポジションへ切換えられるので、副変速ギア機構200が動力を苗植付け装置30へ伝達するための副変速ギア切換えを円滑に行うことができる。
【0040】
たとえば、田植え機が前進または後進での畦際スロープのような傾斜地を通って圃場から退出するとき、駐車ブレーキ機構300のペダル踏込みによるロックの後に、小さい前進または後進を行う制御が自動的に行われる。前進向きのまたは後進向きの重力に起因する負荷が、前進または後進にともなって少なくとも一時的に生成される、ギア260および270の動きにより軽減されるので、副変速レバー210を切換える手動操作はスムーズに行われる。したがって、傾斜地でも苗植付け装置30を駆動することができる。
【0041】
もちろん、ロック機能が、駐車ブレーキ機構300のブレーキではない、後輪ブレーキに設けられていてもよい。後輪ブレーキが利用されることにより、駐車ブレーキ機構300のブレーキは利用されないので、副変速レバー210を切換える手動操作はスムーズに行われる。
【0042】
(3)サブ主変速レバー120は、主変速レバー110の近傍に設けられたレバーである。ポテンショメーター130は、サブ主変速レバー120の操作位置を検出するメーターである。サブ主変速レバー120は、主変速レバー110と脱着可能である。コントローラー400は、ポテンショメーター130からの検出結果に基づいて、主変速装置100の制御を行う。
【0043】
図2および3を参照しながらより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0044】
安全性を考慮し、たとえば、駐車ブレーキペダル310の前端に設けられたV字形状の部材の凸部が、駐車ブレーキ機構300のペダル踏込みにともなって、主変速レバー110の下端に設けられた逆V字形状の部材の凹部などに嵌込む構成がしばしば採用される。主変速レバー110を切換える手動操作がこのような嵌込みで完全に禁止され、主変速操作位置が中立位置へ固定されるロックが行われる構成においては、駐車ブレーキ機構300が制動を実行しているとき、主変速レバー110を切換える手動操作を行うことはできない。
【0045】
ポテンショメーター130がHSTレバーである主変速レバー110近傍に設けられた小さいサブ主変速レバー120へ接続されており、駐車ブレーキ機構300のペダル踏込みによるロックにかかわらず手動操作可能である、サブ主変速レバー120の操作角度がポテンショメーター130により主変速操作位置として検出される。
【0046】
サブ主変速レバー120を主変速レバー110と脱着するために回動可能であるロックプレート140が設けられており、主変速レバー110へサブ主変速レバー120を固定するレバーロック機能が実現される。
【0047】
通常の苗植付け作業が行われるとき、サブ主変速レバー120はロックプレート140のレバーロック機能のために主変速レバー110へ固定され、コントローラー400は、主変速レバー110の操作角度と連動する、サブ主変速レバー120の操作角度が主変速操作位置であると理解する。
【0048】
ポット洗浄メンテナンス作業などが行われるとき、サブ主変速レバー120はロックプレート140のレバーロック機能の解除のために主変速レバー110へ固定されないが、コントローラー400は、主変速レバー110の操作角度と連動しない、サブ主変速レバー120の操作角度が主変速操作位置であると理解する。したがって、傾斜地でも苗植付け装置30を駆動することができる。
【0049】
副変速レバー210のコラム内には、副変速レバー210のポジションがPTOポジションへ切換えられると押される安全スイッチ150が設けられている。安全スイッチ150が押されなければ、エンジン10は動力を発生しない、または主変速装置100は発生された動力の主変速を行わない制御が行われることが望ましい。
【0050】
主変速レバー110へサブ主変速レバー120を固定するレバーロック機能が解除されると、操縦装置40における液晶モニターパネルなどを利用して、点灯表示またはポップアップ表示などが行われることが望ましい。
【0051】
本発明における別の実施の形態の田植え機の座席41近傍の部分左側面図である
図5に示されているように、作業者が座席41に座ると押される、安全スイッチ150の機能と類似した機能をもっているスイッチが座席41の下側の位置pSに設けられていてもよい。このようなスイッチなどが押されたときのみ、四輪ブレーキ機能を傾斜地で実行しながら苗植付け装置30のPTO軸を回転させることができる機能を実装することにより、誤発進に起因する事故の防止などが期待される。
【0052】
本発明における別の実施の形態の田植え機の苗植付け装置30近傍の部分斜視図である
図6に示されているように、押されるとエンジン10が停止される、安全スイッチ150の機能と類似した機能をもっているスイッチが、植付け部調節容易性の低下が招来されない、苗植付け装置30の樹脂カバーの位置pL、pRおよびpCの内の少なくとも一つに設けられていてもよい。位置pLは樹脂カバー左端部の位置であり、位置pRは樹脂カバー右端部の位置であり、位置pCは樹脂カバー後中央部の位置である。このようなスイッチを実装することにより、誤発進に起因する事故の防止などが期待される。
【0053】
たとえば、主変速装置100が動作していると苗植付け装置30を駆動するための動作を協働で行うが、主変速装置100が動作していなくても苗植付け装置30を駆動するための動作を単独で行うことができる、苗植付け装置専用HSTが、主変速装置100のトランスミッションケースの近傍に設けられていてもよい。通常の苗植付け作業が行われるとき、このような苗植付け装置専用HSTの出力回転数は主変速装置100のHSTレバーの倒し角度に基づいて変動するが、苗植付け装置専用HSTのみを単独で動作させるための苗植付け装置専用HSTスイッチが押されるたびに、苗植付け装置専用HSTの出力回転数モードは超低速モード、低速モード、中速モード、最高速モードおよび停止モードの順番で巡回的に変動する。このような苗植付け装置専用HSTの出力回転数モードは、ユーザー登録操作により記憶されてもよい。苗植付け装置専用HSTスイッチは、操縦装置40における液晶モニターパネルなどを利用して設けられていてもよいし、苗植付け装置30の樹脂カバーの位置pL、pRおよびpCの内の少なくとも一つに設けられていてもよい。
【0054】
本発明における別の実施の形態の田植え機の左側面図である
図7(a)に示されているように、たとえば、主変速装置100およびエンジン10が動作していると苗植付け装置30を駆動するための動作を協働で行うが、主変速装置100およびエンジン10が動作していなくても苗植付け装置30を駆動するための動作を単独で行うことができる、苗植付け装置専用モーター160が、苗植付け装置30の中央部の近傍に設けられていてもよい。通常の苗植付け作業が行われるとき、苗植付け装置専用モーター160の出力回転数は主変速装置100のHSTレバーの倒し角度および苗植付け株数設定に基づいて変動するが、苗植付け装置専用モーター160のみを単独で動作させるための苗植付け装置専用モータースイッチが押されるたびに、苗植付け装置専用モーター160の出力回転数モードは超低速モード、低速モード、中速モード、最高速モードおよび停止モードの順番で巡回的に変動する。苗植付け装置専用モーター160の出力回転数モードは、ユーザー登録操作により記憶されてもよい。苗植付け装置専用モータースイッチは、操縦装置40における液晶モニターパネルなどを利用して設けられていてもよいし、苗植付け装置30の樹脂カバーの位置pL、pRおよびpCの内の少なくとも一つに設けられていてもよい。
【0055】
苗植付け装置専用モーター160は、主変速装置100のトランスミッションケースの近傍に設けられていてもよい。通常の苗植付け作業が行われるとき、苗植付け装置専用モーター160の出力回転数は主変速装置100のHSTレバーの倒し角度に基づいて変動するが、苗植付け装置専用モーター160が発生した動力は、主変速装置100のトランスミッションケースの近傍に設けられたケースに収納されている、苗植付け株数設定のためのギアを介して苗植付け装置30の側へ伝達される。
【0056】
本発明における別の実施の形態の田植え機の苗植付け装置30近傍の模式的な部分左側面図である
図7(b)に示されているように、苗植付け装置専用モーター160は、非常モーターとして、苗植付け装置30の苗植付け部入力軸31の近傍に設けられていてもよい。駐車ブレーキ機構300が制動を実行しており、セーフティスイッチが押されているとき、苗植付け装置専用モーター160のみを単独で動作させるための苗植付け装置専用モータースイッチが押されると、植付けクラッチはオフされ、苗植付け装置専用モーター160は動作を行う。駐車ブレーキ機構300が制動を実行していない、またはセーフティスイッチが押されていないとき、苗植付け装置専用モーター160は動作を行わないことが望ましい。たとえば、主変速が行われた動力が走行装置20および苗植付け装置30の内の少なくとも一方へ伝達されているとき、苗植付け装置専用モータースイッチが押されても、苗植付け装置専用モーター160は動作を行わないことが望ましい。
【0057】
つぎに、
図1を主として参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0058】
<ポット田植え機(1)>
直進アシスト機構を要すポット田植え機において、欠株センサ作動直後の後進操作では畦警報作動開始位置を変更しない機構が、考えられる。
【0059】
欠株センサ作動後、欠株発生地点まで機体を後進させ、その後再度植付け作業を開始するユーザーが多い。その際、後進開始地点を畦部と認識し、現工程の本来の畦位置まで及び次工程の植付け作業を手動で行う必要があった。
【0060】
上記により、イレギュラー作業発生時の手動植付け作業低減・直進アシスト機構「入」状態との誤認識による植付け作業精度低下の防止(機体走行経路逸脱による植付け位置不良)、およびユーザーの直進アシスト機構故障との誤認識防止が、期待される。
【0061】
<ポット田植え機(2)>
直進アシスト機構を要すポット田植え機において、欠株センサ作動工程では畦警報作動開始位置を変更しない機構が、考えられる。
【0062】
欠株センサ作動後、欠株発生地点まで機体を後進させ、その後再度植付け作業を開始するユーザーが多い。その際、後進開始地点を畦部と認識し、現工程の本来の畦位置まで及び次工程の植付け作業を手動で行う必要があった。
【0063】
上記により、イレギュラー作業発生時の手動植付け作業低減・直進アシスト機構「入」状態との誤認識による植付け作業精度低下の防止(機体走行経路逸脱による植付け位置不良)、およびユーザーの直進アシスト機構故障との誤認識防止が、期待される。
【0064】
<ポット田植え機(3)>
直進アシスト機構を要すポット田植え機において、欠株センサ作動工程のみ畦警報を「切」とする機構が、考えられる。
【0065】
欠株センサ作動後、欠株発生地点まで機体を後進させ、その後再度植付け作業を開始するユーザーが多い。その際、後進開始地点を畦部と認識し、現工程の本来の畦位置まで及び次工程の植付け作業を手動で行う必要があった。
【0066】
上記により、イレギュラー作業発生時の手動植付け作業低減・直進アシスト機構「入」状態との誤認識による植付け作業精度低下の防止(機体走行経路逸脱による植付け位置不良)、およびユーザーの直進アシスト機構故障との誤認識防止が、期待される。
【0067】
<ロボット田植え機の構成(1)>
ロボット田植え機において燃料タンクに燃料計を設定し、燃料が一定量以下でセンシングすれば、センシング時の植付け直線のドン付きの畦際まで移動時して停止する構成が、考えられる。
【0068】
上記により、給油が容易になる。
【0069】
<ロボット田植え機の構成(2)>
ロボット田植え機の構成(1)に加え燃料タンクの燃料計センシング量を任意に変更できる構成が、考えられる。
【0070】
上記により、給油が容易になる。圃場の大きさ(植付けの直線距離の長短)に対応することができる。
【0071】
<ロボット田植え機の構成(3)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、ブザー音を発する構成が、考えられる。
【0072】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0073】
<ロボット田植え機の構成(4)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したランプが点灯する構成が、考えられる。
【0074】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0075】
<ロボット田植え機の構成(5)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したランプが点灯し、ブザー音が鳴る構成が、考えられる。
【0076】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0077】
<ロボット田植え機の構成(6)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したフラッシュが点滅する構成が、考えられる。
【0078】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0079】
<ロボット田植え機の構成(7)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したフラッシュが点滅し、ブザーが鳴る構成が、考えられる。
【0080】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0081】
<ロボット田植え機の構成(8)>
ロボット田植え機の構成(1)および(2)に加え燃料タンク燃料減少センシングすれば、携帯端末に燃料要供給の情報を送信する構成が、考えられる。
【0082】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0083】
<ロボット田植え機の構成(9)>
ロボット田植え機において燃料タンクに燃料計を設定し、燃料計は燃料の一定量を2段で感知できるセンサ(例:残5Lと残1Lなど)を有し、1段目(残量の多い方)でセンシングすれば、ブザー音を発生し、2段目(残量の少ない方)でセンシングすれば、センシング時の植付け直線のドン付きの畦際まで移動時して停止する構成が、考えられる。
【0084】
上記により、残量に余裕がある段階で見守りの作業者に知らせることで、給油の準備が容易になる。又、畦際で停止することで給油が容易になる。
【0085】
<ロボット田植え機の構成(10)>
ロボット田植え機の構成(9)に加え燃料計の2段感知の燃料量を任意に変更できる構成が、考えられる。
【0086】
上記により、残量に余裕がある段階で見守りの作業者に知らせることで、給油の準備が容易になる。又、畦際で停止することで給油が容易になる。圃場の大きさ(植付けの直線距離の長短)に対応することができる。
【0087】
<ロボット田植え機の構成(11)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の1段目(残量の多い方)をセンシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したランプが点灯する構成が、考えられる。
【0088】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0089】
<ロボット田植え機の構成(12)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の2段目(残量の少ない方)をセンシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したランプが点灯する構成が、考えられる。
【0090】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0091】
<ロボット田植え機の構成(13)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加えロボット田植え機の構成(11)および(12)のランプ点灯のタイミングについて、燃料タンク燃料減少の2段(残量の多い方と少ない方)どちらかを任意に設定できる構成が、考えられる。
【0092】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。圃場の大きさ(植付けの直線距離の長短)に対応することができる。
【0093】
<ロボット田植え機の構成(14)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の1段目(残量の多い方)をセンシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したフラッシュが点滅する構成が、考えられる。
【0094】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0095】
<ロボット田植え機の構成(15)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の2段目(残量の少ない方)をセンシングすれば、機体の外部から認識しやすい位置に装着したフラッシュが点滅する構成が、考えられる。
【0096】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0097】
<ロボット田植え機の構成(16)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加えロボット田植え機の構成(14)および(15)のフラッシュ点滅のタイミングについて、燃料タンク燃料減少の2段(残量の多い方と少ない方)どちらかを任意に設定できる構成が、考えられる。
【0098】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。圃場の大きさ(植付けの直線距離の長短)に対応することができる。
【0099】
<ロボット田植え機の構成(17)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の1段目(残量の多い方)をセンシングすれば、携帯端末に燃料要供給の情報を送信する構成が、考えられる。
【0100】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0101】
<ロボット田植え機の構成(18)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加え燃料タンク燃料減少の2段目(残量の少ない方)をセンシングすれば、携帯端末に燃料要供給の情報を送信する構成が、考えられる。
【0102】
上記により、見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。
【0103】
<ロボット田植え機の構成(19)>
ロボット田植え機の構成(9)および(10)に加えロボット田植え機の構成(17)および(18)の携帯端末への表示のタイミングについて、燃料タンク燃料減少の2段(残量の多い方と少ない方)どちらかを任意に設定できる構成が、考えられる。
【0104】
見守りの作業者への給油のお知らせ機能が、実現される。圃場の大きさ(植付けの直線距離の長短)に対応することができる。
【0105】
<ポット田植え機条間アシスト(6)>
ポット田植え機条間アシストに於いて、欠株センサが働いて植付け部を上げた時は、畦ではないと認識する構成が、考えられる。
【0106】
従来の直進アシスト機は、圃場の途中で欠株センサが働いた場合、植付け部を上げてバックして欠株部分を植え直すと、そこを畦だと認識し、そこから先は直進アシストが使えなかった。
【0107】
上記により、欠株時の停車、植付け部上げ、バック作業は畦ではない為、欠株後も直進アシストが使える。
【0108】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0109】
<ポット田植え機条間アシスト(7)>
ポット田植え機条間アシスト(6)に於いて、欠株センサが働くと自動的に減速する構成が、考えられる。
【0110】
従来は欠株が発生した時、ブザーが鳴って、それを聞いて田植え機を止めていた為、反応が遅い人は欠株距離が長くなっていた。
【0111】
上記により、欠株が発生すると自動で減速するので、欠株距離を短くできる。
【0112】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0113】
<ポット田植え機条間アシスト(8)>
ポット田植え機条間アシスト(7)に於いて、欠株センサが働くと自動的に減速し、田植え機が停止する構成が、考えられる。
【0114】
従来は欠株が発生した時、ブザーが鳴って、それを聞いて田植え機を止めていた為、反応が遅い人は欠株距離が長くなっていた。
【0115】
上記により、欠株が発生すると自動で減速し停止するので、欠株距離を短くできる。
【0116】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0117】
<ポット田植え機条間アシスト(9)>
ポット田植え機条間アシスト(8)に於いて、欠株センサが働くと自動的に減速し、田植え機が停止し、停止した後、欠株した距離(約3m)バックする構成が、考えられる。
【0118】
従来は欠株が発生した時、ブザーが鳴って、それを聞いて田植え機を止めていた為、反応が遅い人は欠株距離が長くなっていた。また、欠株している距離をバック走行する必要があった。
【0119】
上記により、欠株が発生すると自動で減速し停止し、バックしてくれるので、欠株距離を短くでき、欠株後の植え直し作業が楽になる。
【0120】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0121】
<ポット田植え機条間アシスト(10)>
ポット田植え機条間アシスト(9)に於いて、欠株センサが働くと、自動的に欠株ユニット以外の畦クラッチが切れる構成が、考えられる。
【0122】
従来は欠株が発生した時、箱詰まりを直す作業があるが、植付け部をPTOで回転させる為、欠株していない条も回転させると、苗が無駄になっていた。
【0123】
上記により、欠株が発生したユニットのみ植付け部が回るので、苗の無駄使いが無くなる。
【0124】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0125】
<ポット田植え機旋回アシスト(11)>
ポット旋回アシストに於いて、次工程の進入位置は後輪でカウントしポンピング機構で微調整する構成が、考えられる。
【0126】
従来はハンドル操作のみでポンピングは使用していなかった。
【0127】
上記により、ハンドル操作とポンピング操作で進入位置を決める為、旋回精度が上がる。深い圃場、粘土質圃場でも旋回精度が上がる。
【0128】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0129】
<ポット田植え機旋回アシスト(12)>
ポット旋回アシストに於いて、バックターンの時はセンサを2個使い畦と畦の上を検知する構成が、考えられる。
【0130】
上記により、畦の上に障害物が無い時は、畦ぎりぎりまで進み、畦の上に障害物が有る時は、畦の手前で停止し、障害物に当らない所で停止することができる。
【0131】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0132】
<ポット田植え機旋回アシスト(13)>
ポット田植え機旋回アシスト(12)に於いて、畦の上に障害物が有る時は、補助苗枠が自動で回動する構成が、考えられる。
【0133】
上記により、畦の上に障害物が無い時は、畦ぎりぎりまで進み、畦の上に障害物が有る時も、補助苗枠が回動するので、畦ぎりぎりまで植えることができる。
【0134】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0135】
<ポット田植え機旋回アシスト(14)>
ポット田植え機旋回アシスト(12)に於いて、畦の上に障害物が有る時は、旋回後、バックして植え始める構成が、考えられる。
【0136】
従来は畦の上に障害物が有る時は、畦の手前でターンする為、ターンした後の植え初めも畦から離れた位置になっていた。畦からの距離が長くなり植えていない部分が多くなっていた。枕時作業が複雑になっていた。
【0137】
上記により、ターンした後、バックして畦近くから植えるので、植え残し面積が減り(植えていない面積が減り)、枕時作業が楽になる。
【0138】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0139】
<ポット田植え機旋回アシスト(15)>
ポット田植え機旋回アシスト(14)に於いて、旋回時の距離は後輪でカウントし、スリップした時にポンピングが入り、ポンピングで微調整する構成が、考えられる。
【0140】
従来は畦の上に障害物が有る時は、畦の手前でターンする為、ターンした後の植え初めも畦から離れた位置になっていた。畦からの距離が長くなり植えていない部分が多くなっていた。枕時作業が複雑になっていた。
【0141】
上記により、ターンした後、バックして畦近くから植えるので、植え残し面積が減り(植えていない面積が減り)、枕時作業が楽になり、ポンピングで微調整する為、旋回後の進入位置精度が上がる。
【0142】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0143】
<ポット田植え機旋回アシスト(16)>
ポット田植え機旋回アシスト(15)に於いて、旋回時の距離は後輪でカウントし、後輪のスリップの量でポンピングの強さが変わり、ポンピング強弱で微調整する構成が、考えられる。
【0144】
従来はハンドル操作のみでポンピングは活用していなかった。
【0145】
上記により、ポンピング強弱で微調整する為、旋回後の進入位置精度が上がる。
【0146】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0147】
<ポット田植え機旋回アシスト(17)>
ポット田植え機旋回アシスト(16)に於いて、後輪のスリップの量でハンドルの角度を変える構成が、考えられる。
【0148】
従来はハンドルの角度は一定で、スリップした時進入位置がずれていた。
【0149】
上記により、ハンドル角度微調整で、旋回後の進入位置精度が上がる。
【0150】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0151】
<ポット田植え機旋回アシスト(18)>
ポット田植え機旋回アシスト(16)に於いて、後輪のスリップの量でハンドルの回す速さを変える構成が、考えられる。
【0152】
従来はハンドルを回す速さは一定で、スリップした時進入位置がずれていた。
【0153】
上記により、ハンドル回転速さ微調整で、旋回後の進入位置精度が上がる。
【0154】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0155】
<ポット田植え機旋回アシスト(19)>
旋回する時、線引きマーカが収納位置よりもさらに上がる構成が、考えられる。
【0156】
従来の機種型式は、線引きマーカを収納位置にすると補助苗枠に当る為、従来の機種型式の線引きマーカ収納位置はマット田植え機より低く設定されていた。その為、旋回する時は周りの障害物に当り、邪魔になっていた。
【0157】
上記により、旋回する時は、線引きマーカが収納位置よりさらに収納される為、旋回し易くなり、旋回する時、線引きマーカが周りの障害物に当らない。
【0158】
マット田植え機への応用が、期待される。
【0159】
<ポット田植え機旋回アシスト(20)>
ポット田植え機旋回アシスト(19)に於いて、旋回時、補助苗枠が回動し、補助苗枠が回動した後、線引きマーカが収納位置よりさらに収納される構成が、考えられる。
【0160】
従来の機種型式の線引きマーカの収納位置は補助苗枠に当る為、マット田植え機より低く設定されている。その為、旋回する時は周りの障害物に当り、邪魔になっていた。旋回する時は収納位置よりさらに収納したいが、補助苗枠に当ってできなかった。
【0161】
上記により、旋回する時は、補助苗枠が回動し、線引きマーカが収納位置よりさらに収納される為、旋回し易くなり、旋回する時、線引きマーカが周りの障害物に当らない。
【0162】
<ポット田植え機の施肥装置>
【0163】
(1)施肥駆動装置はモーター駆動機構とし、(2)ポット田植え機にて、植付け作業中に欠株センサ感知等で後進して再植付け時、停止した位置から後進した位置までの距離を後輪駆動軸の回転数で記憶し、(3)後進した位置から停止した位置までは、施肥駆動モーターを停止させ肥料を播かない制御とする構成が、考えられる。
【0164】
従来はポット田植え機は欠株の距離が長くなると後進して再植付けする為、肥料が二度播かれていた。
【0165】
上記により、欠株間を再植付けしても肥料をその間は播かないので、部分的な生育不良を防止出来る。
【0166】
<田植え機ピタ寄せキャンセル(1)>
ピタ寄せ制御作動中HSTレバーを所定開度(75%)以下にした場合ピタ寄せをキャンセルし、その際ピタ寄せのスタンバイ状態をリセット(ピタ寄せsw操作による許可状態をリセット)する構成が、考えられる。
【0167】
現行機は、ピタ寄せ作動中に植付けクラッチを切ったり、HSTレバーを戻すとピタ寄せ動作はしなくなるが、そのままHSTレバーを前に倒したり、植付けクラッチを入れたりすると動作を再開していた(ピタ寄せsw操作による許可状態はそのままであった)。厳密に言うと、スタンバイ状態になるのでキャンセルではない。従来の機種型式の「ピタ寄せをキャンセルしました」とは意味合いが違ってくる。
【0168】
<田植え機ピタ寄せキャンセル(2)>
田植え機ピタ寄せキャンセル(1)でピタ寄せをキャンセルした場合HSTを中立に戻す構成が、考えられる。
【0169】
上記により、動作をキャンセルした場合は、一度HSTレバーを中立に戻すまでは走行関係を作動させない動作が、実現される。
【0170】
<田植え機ピタ寄せキャンセル(3)>
田植え機ピタ寄せキャンセル(1)でピタ寄せをキャンセルした場合植付けクラッチを切りにする構成が、考えられる。
【0171】
上記により、動作をキャンセルした場合は、誤操作防止のため植付けクラッチを切る動作が、実現される。
【0172】
<田植え機ピタ寄せキャンセル(4)>
田植え機ピタ寄せキャンセル(1)でピタ寄せをキャンセルした場合「ピタ寄せをキャンセルしました」のポップをモニタに表示させる構成が、考えられる。
【0173】
上記により、作業者への報知が、実現される。
【0174】
<簡易Zターン(1)>
いわゆるZターンの機能から植付けクラッチの自動「入」機構を省いた簡易的なZターンの構成(植付けクラッチ「入」操作をユーザーの任意のタイミングで操作できる構成)が、考えられる。
【0175】
従来はオートリフト、旋回後の植付け部自動下降及び植付けクラッチ「入」全てを自動制御又は手動操作の選択肢しかなく、自動制御では圃場条件や機械条件(補助車輪の有無など)によって植付けクラッチ「入」のタイミングが安定せず、枕地の空き具合も安定しない場合があった。また手動操作では操作機会が多く、オペレータの負担が大きかった。
【0176】
上記により、植付けクラッチ「入」タイミングを任意で出来る様になり、(1)オペレータの負担を軽減し、枕地の空き具合の判断に専念可能にするとともに、ユーザー好みの枕地の空け具合を実現できる。
【0177】
<簡易Zターン(2)>
簡易Zターン(1)の構成において、フロートリンクセンサが圃場面接地を検知するまで植付けクラッチ「入」操作を受け付けない機構が、考えられる。
【0178】
上記により、植付けクラッチの誤操作防止が、実現される。
【0179】
<簡易Zターン(3)>
簡易Zターン(1)の構成において、昇降リンク角度センサが一定の位置より植付け部下降を検知するまで植付けクラッチ「入」操作を受け付けない機構が、考えられる。
【0180】
上記により、植付けクラッチの誤操作防止が、実現される。
【0181】
<簡易Zターン(4)>
簡易Zターン(1)の構成において、ロータ仕様の場合ロータクラッチ検出SWがロータクラッチ「入」を検知するまで植付けクラッチ「入」操作を受け付けない機構が、考えられる。
【0182】
上記により、植付けクラッチの誤操作防止が、実現される。
【0183】
<簡易Zターン(5)>
簡易Zターン(1)の構成において、ステアリング角度センサがステアリングがまっすぐの状態を検知するまで植付けクラッチ「入」操作を受け付けない機構が、考えられる。
【0184】
上記により、植付け列の乱れ防止とともに植付けクラッチの誤操作防止が、実現される。
【0185】
<長苗適応性の向上(14)>
抵抗板取付け部を別部品とし、上下スライド可能とした構成が、考えられる。
【0186】
従来は固定で隙間が少なく、長苗の時苗が引っ掛かって植付け不良が発生していた。
【0187】
上記により、長苗でも隙間が確保でき、植付け不良が無くなる構成が実現される。
【0188】
<長苗適応性の向上(15)>
長苗適応性の向上(14)に於いて、前後にもスライドできる構成が、考えられる。
【0189】
従来は固定で隙間が少なく、長苗の時苗が引っ掛かって植付け不良が発生していた。
【0190】
上記により、長苗でも隙間が確保でき、植付け不良が無くなる構成が実現される。
【0191】
<長苗適応性の向上(16)>
長苗適応性の向上(15)に於いて、長穴部にゴムスリットを付ける構成が、考えられる。
【0192】
従来は調整用長穴部に苗が入り引っ掛かる可能性があった。
【0193】
上記により、長穴部にゴムスリットを付けるので、長穴部に苗が引っ掛からず、植付け精度向上が実現される。
【0194】
<長苗適応性の向上(17)>
長苗適応性の向上(16)に於いて、ゴムに穴が開いていてその位置で調整、固定する構成が、考えられる。
【0195】
従来は抵抗板取付けボルトに苗が引っ掛かる可能性があった。
【0196】
上記により、取付け用ボルトが不要になり、苗が引っ掛からず、植付け精度向上が実現される。
【0197】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の変速操作方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0198】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の変速操作方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0199】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0200】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0201】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0202】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0203】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0204】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0205】
本発明における作業車両は、傾斜地でも苗植付け装置を駆動することができ、田植え機などのような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0206】
10 エンジン
20 走行装置
21 前輪
22 後輪
30 苗植付け装置
31 苗植付け部入力軸
40 操縦装置
41 座席
50 施肥装置
100 主変速装置
110 主変速レバー
120 サブ主変速レバー
130 ポテンショメーター
140 ロックプレート
150 安全スイッチ
160 苗植付け装置専用モーター
200 副変速ギア機構
210 副変速レバー
250 シフター
251 爪部
260 ギア
270 ギア
280 ギア
290 ギア
300 駐車ブレーキ機構
310 駐車ブレーキペダル
350 ハブ
351 爪部
400 コントローラー
500 前輪ディファレンシャル機構