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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/42 20060101AFI20230111BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20230111BHJP
   G01S 7/03 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
H01Q1/42
H01Q21/06
G01S7/03 246
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019093803
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020188434
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 潤三
(72)【発明者】
【氏名】井伏 政文
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-125883(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136927(WO,A1)
【文献】特開2007-201868(JP,A)
【文献】特開2001-228238(JP,A)
【文献】特開2014-027347(JP,A)
【文献】特開2005-249659(JP,A)
【文献】特開平11-231041(JP,A)
【文献】特開平9-294012(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0008203(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/42
H01Q 21/06
G01S 7/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナと受信アンテナとが配置される基板と、
前記基板に対向して配置されるレドームと、
を備え、
前記レドームは、
前記送信アンテナと対向するように配置された、第1の厚さを有する平板状の送信側レドームと、
前記受信アンテナと対向するように配置された、前記第1の厚さと異なる第2の厚さを有する平板状の受信側レドームと、
を有し、
前記送信側レドームと前記受信側レドームとは、前記基板の前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが配置される面に対して所定方向に傾き、
前記送信側レドームと前記受信側レドームとで前記基板に対して傾く向きが逆である、
アンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも薄い、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記送信側レドームと前記受信側レドームとは、前記所定方向と直交する平面に対して非対称に配置されている、
請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記レドームは、前記基板の前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが配置される面と直交する切断面の断面視において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとの境界位置が前記基板から最も離れた凸形状である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記送信アンテナの前記所定方向を含む平面におけるビームパターンにおいて、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる領域と、
前記受信アンテナの前記平面におけるビームパターンにおいて、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる領域とが、互いに異なる角度位置である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記送信アンテナの前記ビームパターンは、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる第1変化領域を、メインローブに対して一方側の角度位置に有し、
前記受信アンテナの前記ビームパターンは、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる第2変化領域を、メインローブに対して他方側の角度位置に有する、
請求項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1変化領域は、前記送信アンテナの前記ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれ、
前記第2変化領域は、前記受信アンテナの前記ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる、
請求項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記第1変化領域は、前記受信アンテナの前記ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置し、
前記第2変化領域は、前記送信アンテナの前記ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置する、
請求項6又は7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記送信アンテナおよび前記受信アンテナは、伝送線路と、前記伝送線路に電気的に接続される複数のアンテナ素子とを有し、
前記複数のアンテナ素子は、前記所定方向に沿って配置されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンテナを保護する目的で、アンテナが配置された基板がレドームにより覆われることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、送信アンテナおよび受信アンテナを送信波の送信方向側から覆うカバー部材に関する開示が行われている。当該カバー部材は、レーダ装置とは非接触に構成され、かつ送信波を透過する透過部位を有するとともに該透過部位の設置角度が受信アンテナのアンテナ面に対して3度以上の傾斜角を有する。カバー部材の透過部位と受信アンテナのアンテナ面とに所定の傾斜角を持たせているので、アンテナ面とカバー部材との間で繰り返し送信波が反射されることによる定在波を発生し難くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-103457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、アンテナ面が垂直方向(上下方向)に平行に配置される基板を覆う平板状のレドームが、垂直方向に対して傾いて配置された場合、アンテナから放射されるビームの一部はレドームで垂直方向に反射される。この結果、垂直方向のビームパターンにおいて、サイドローブが大きくなることがあった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、レドームの配置によるアンテナ特性の変化を制御することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明のアンテナ装置は、送信アンテナと受信アンテナとが配置される基板と、前記基板に対向して配置されるレドームと、を備え、前記レドームは、前記送信アンテナと対向する送信側レドームと、前記受信アンテナと対向する受信側レドームと、を有し、前記送信アンテナの所定方向を含む平面におけるビームパターンにおいて、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる領域と、前記受信アンテナの前記平面におけるビームパターンにおいて、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる領域とが、互いに異なる角度位置である構成(第1の構成)になっている。
【0008】
また、上記第1の構成のアンテナ装置において、前記送信アンテナの前記ビームパターンは、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる第1変化領域を、メインローブに対して一方側の角度位置に有し、前記受信アンテナの前記ビームパターンは、前記レドームが無い場合に比べて利得が大きくなる第2変化領域を、メインローブに対して他方側の角度位置に有する構成(第2の構成)であることが好ましい。
【0009】
また、上記第2の構成のアンテナ装置において、前記第1変化領域は、前記送信アンテナの前記ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれ、前記第2変化領域は、前記受信アンテナの前記ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる構成(第3の構成)であることが好ましい。
【0010】
また、上記第2又は第3の構成のアンテナ装置において、前記第1変化領域は、前記受信アンテナの前記ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置し、前記第2変化領域は、前記送信アンテナの前記ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置する構成(第4の構成)であることが好ましい。
【0011】
また、上記第1から第4のいずれかの構成のアンテナ装置において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとは、前記基板の前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが配置される面に対して前記所定方向に傾き、前記送信側レドームと前記受信側レドームとで前記基板に対して傾く向きが逆である構成(第5の構成)が好ましい。
【0012】
また、上記第5の構成のアンテナ装置において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとは、前記所定方向と直交する平面に対して対称に配置されている構成(第6の構成)であってよい。
【0013】
また、上記第5の構成のアンテナ装置において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとは、前記所定方向と直交する平面に対して非対称に配置されている構成(第7の構成)であってよい。
【0014】
また、上記第7の構成のアンテナ装置において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとは厚みが異なる構成(第8の構成)であってよい。
【0015】
また、上記第5から第8のいずれかの構成のアンテナ装置において、前記レドームは、前記基板の前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが配置される面と直交する切断面の断面視において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとの境界位置が前記基板から最も離れた凸形状である構成(第9の構成)であることが好ましい。
【0016】
また、上記第1から第9のいずれかの構成のアンテナ装置において、前記送信側レドームと前記受信側レドームとのうち少なくとも一方は、前記基板と対向する側の面に凹凸構造と曲面構造とのいずれか一方を有する構成(第10の構成)であってよい。
【0017】
また、上記第1から第10のいずれかの構成のアンテナ装置において、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナは、伝送線路と、前記伝送線路に電気的に接続される複数のアンテナ素子とを有し、前記複数のアンテナ素子は、前記所定方向に沿って配置されている構成(第11の構成)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、レドームの配置によるアンテナ特性の変化を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】アンテナ装置の概要を説明するための模式図
図2】第1実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す概略縦断面図
図3】アンテナ装置が備える基板の概略平面図
図4】第1実施形態のアンテナ装置における送信アンテナの垂直面のビームパターンについて説明するための図
図5】第1実施形態のアンテナ装置における受信アンテナの垂直面のビームパターンについて説明するための図
図6】比較例のアンテナ装置におけるレドームの作用を説明するための模式図
図7】第1実施形態のアンテナ装置におけるレドームの作用を説明するための模式図
図8】第2実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す概略縦断面図
図9】受信側レドームの垂直方向に対する傾きの量を変更した場合における、受信アンテナの垂直ビームパターンの変化を説明するための図
図10】第2実施形態のレドームが配置された場合における垂直ビームパターンを示す図
図11】第1変形例のレドームについて説明するための図
図12】第2変形例のレドームについて説明するための図
図13】第3変形例のレドームについて説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
<1.アンテナ装置の概要>
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ装置1、1Aの概要を説明するための模式図である。アンテナ装置1、1Aは、車両2の前方を走査するレーダ装置3に搭載される。ただし、本発明のアンテナ装置が搭載されるレーダ装置は、前方以外の方向を走査するものであってよい。本発明のアンテナ装置が搭載されるレーダ装置は、車両2以外の移動体に搭載されてもよい。移動体には、車両の他に、ロボット、船舶、航空機等が含まれてよい。本発明のアンテナ装置が搭載されるレーダ装置は、道路などに設置されるインフラレーダ装置、船舶監視レーダ装置、航空機監視レーダ装置等であってもよい。
【0022】
レーダ装置3は、車両2の前部に搭載される。アンテナ装置1、1Aは、ミリ波帯の電波を車両2の前方に送出する。また、アンテナ装置1、1Aは、先行車、対向車、路側設置物といった目標物体によって反射された電波を受信する。アンテナ装置1、1Aは、水平な路面RSに対してアンテナが形成される基板表面が直交する状態で、車両2に搭載される。
【0023】
なお、本明細書では、水平面に対して直交する方向VAを垂直方向と記載する。また、アンテナが形成され、垂直方向と平行な方向に配置される基板表面において、水平面に平行となる方向を左右方向、垂直方向と平行な方向を上下方向と称することがある。また、本明細書では、図3における送信アンテナ11に対して受信アンテナ12が下として上下を定義する。これらの方向は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定する趣旨ではない。
【0024】
<2.第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置1の構成を示す概略縦断面図である。図2に示すように、アンテナ装置1は、基板10と、レドーム20とを備える。
【0025】
図3は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置1が備える基板10の概略平面図である。図3は、基板10を前方から見た図である。基板10は、詳細には誘電体基板である。基板10には、送信アンテナ11と受信アンテナ12とが配置される。送信アンテナ11は電波を送信する。受信アンテナ12は電波を受信する。本実施形態では、送信アンテナ11と受信アンテナ12とは基板10の前面に配置される。送信アンテナ11と受信アンテナ12とは上下方向(垂直方向)に配置される。
【0026】
なお、送信アンテナ11と受信アンテナ12とは、いずれも、1個以上であればよい。送信アンテナ11と受信アンテナ12とは、同じ数であってもよいし、異なる数であってもよい。送信アンテナ11と受信アンテナ12とは、左右方向の位置が同一であってもよいし、左右方向の位置がずれていてもよい。送信アンテナ11と受信アンテナ12とは、同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0027】
送信アンテナ11および受信アンテナ12は、伝送線路13と、複数のアンテナ素子14とを有する。本実施形態では、電波を伝送する伝送線路13は、上下方向(垂直方向)に延びる。複数のアンテナ素子14は、伝送線路13の左右方向の側方において上下方向(垂直方向)に並ぶ。各アンテナ素子14は、伝送線路13に電気的に接続される。本実施形態によれば、送信アンテナ11および受信アンテナ12におけるビームを垂直方向に絞ることができる。
【0028】
なお、基板10のアンテナ11、12が配置される面(以下、アンテナ面と称することがある)と反対側には、不図示の地導体板が配置される。すなわち、送信アンテナ11と受信アンテナ12とは、マイクロストリップラインを用いた平面アンテナとして構成される。送信アンテナ11から送信された電波は、レドーム20を通過してアンテナ装置1の外部に照射される。かかる電波が物標により反射された反射波が受信アンテナ12で受信されることで物標の位置や相対速度等を検出することが可能となる。
【0029】
図2に示すように、レドーム20は、基板10に対向して配置される。本実施形態では、レドーム20は、基板10の前方に配置され、基板10を覆う。レドーム20は、電波の透過率の高い樹脂等の部材によって構成される。このため、アンテナ11、12から放射された電波の大部分は、レドーム20を通過する。ただし、図2に破線で示すように、アンテナ11、12から放射される電波の一部は、レドーム20を通過することなく、レドーム20で反射される。レドーム20で反射された電波は基板10で再度反射され、基板前方に再度放射される。このため、レドーム20が配置されることで、不要な方向に反射された電波と送信電波そのものが干渉してアンテナのビームパターンが変化し、結果としてレーダの特性に悪影響を及ぼすことがあった。このような、レドーム20で反射された電波による悪影響を、本実施形態のレドーム20は抑制することができる構成になっている。
【0030】
レドーム20は、送信側レドーム21と受信側レドーム22とを有する。送信側レドーム21は、送信アンテナ11と対向する。受信側レドーム22は、受信アンテナ12と対向する。本実施形態では、送信側レドーム21は、送信アンテナ11の前方に離れて配置される。受信側レドーム22は、受信アンテナ12の前方に離れて配置される。送信側レドーム21および受信側レドーム22は平板状である。受信側レドーム22は、後述のように、電波に対する反射特性が送信側レドーム21と異なるように配置される。
【0031】
本実施形態では、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、送信アンテナ11と受信アンテナ12との配置に合わせて上下方向(垂直方向)に並ぶ。なお、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは同一部材である。すなわち、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは一体的に形成されている。
【0032】
送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、基板10の送信アンテナ11および受信アンテナ12が配置される面(アンテナ面)に対して所定方向に傾く。なお、所定方向とは、ビームパターンの変化を抑制する方向である。つまり、本発明では、所定方向を含む平面におけるビームパターンの変化を抑制する。具体的には、本実施形態では、後述のように垂直方向のビームパターンの変化を抑制するため、所定方向を垂直方向にとる。より詳細には、本実施形態のレドーム20は、狭角に絞ったビームにおけるサイドローブの利得増加を抑制する。そのため、所定方向はビームを絞る方向である。つまり、図3の送信アンテナ11および受信アンテナ12それぞれにおいて、アンテナ素子14が並ぶ方向である。換言すると、本実施形態において、アンテナ素子14は、所定方向に沿って配置される。
【0033】
本実施形態では、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、アンテナ面に対していずれも所定方向である垂直方向に傾けて配置される。このとき、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、基板10に対して逆向きに傾けて配置される。これにより、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、異なる反射特性を有する。詳細には、送信側レドーム21は、上側から下側に向かうにつれて基板10との距離(前後方向の距離)が大きくなる傾斜面21aを有する。受信側レドーム22は、下側から上側に向かうにつれて基板10との距離(前後方向の距離)が大きくなる傾斜面22aを有する。傾斜面21a、22aは、アンテナ11、12からの電波を反射する反射面となる。本実施形態では、送信側レドーム21の反射面21aと受信側レドーム22の反射面22aとで電波の反射方向が反対となる。この結果、逆送受合成のビームパターンにおいて、電波の多重反射の影響を垂直方向においても緩和することができる。多重反射は、アンテナ面とレドーム20との間で電波が繰り返し反射される現象のことである。
【0034】
なお、本実施形態では、レドーム20は、送信側レドーム21の上端から上方に延びる部分と、受信側レドーム22との下端から下方に延びる部分とを有するが、これらの部分はなくてもよい。
【0035】
レドーム20は、基板10の送信アンテナ11および受信アンテナ12が配置される面(アンテナ面)と直交する切断面の断面視において、送信側レドーム21と受信側レドーム22との境界位置が基板10から最も離れた凸形状である。このような凸形状とすることにより、逆向きに傾く送信側レドーム21と受信側レドーム22とを有するレドーム20において、例えば水滴や塵埃等の異物を溜まり難くすることができる。ただし、レドーム20は、アンテナ面と直交する切断面の断面視において、送信側レドーム21と受信側レドーム22との境界位置が基板10に最も近くなる凹形状等であってもよい。
【0036】
また、本実施形態では、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、所定方向と直交する平面に対して対称に配置されている。詳細には、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、垂直方向と直交する平面Sに対して対称に配置されている。送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、厚みも同じである。この構成では、レドーム20を対称性の良い形状とすることができる。
【0037】
図4は、第1実施形態のアンテナ装置1における送信アンテナ11の垂直面のビームパターンについて説明するための図である。図5は、第1実施形態のアンテナ装置1における受信アンテナ12の垂直面のビームパターンについて説明するための図である。本実施形態では、所定方向として垂直方向を取っているため、所定方向を含む平面として垂直面のビームパターンを考える。図4および図5において、横軸は垂直方向に対する角度である。真上を角度0°とし、真下を角度180°としている。水平方向は角度90である。縦軸はアンテナの利得[dBi]である。なお、垂直面は、基板10にも直交するように選択する。図4および図5において、実線はレドーム20が配置されている場合のビームパターンであり、破線はレドーム20が配置されていない場合のビームパターンである。以下、垂直面のビームパターンのことを垂直ビームパターンと称する。なお、本実施形態では、垂直面は、基板10にも直交するように選択するが、その限りではない。水平面のビームパターンにおいて注目する角度がある場合などは、当該角度に沿った垂直面を選択してもよい。
【0038】
図4および図5に示すように、アンテナ装置1においては、送信アンテナ11の垂直ビームパターンと、受信アンテナ12の垂直ビームパターンとで、レドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなる領域の角度位置が異なる。すなわち、アンテナ装置1においては、送信アンテナ11の垂直ビームパターンと、受信アンテナ12の垂直ビームパターンとで、レドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなる角度位置が異なる。
【0039】
本実施形態によれば、送信アンテナ11と受信アンテナ12とでレドーム20の配置により利得が大きくなる角度位置が異なる。このために、本実施形態によれば、送受合成のビームパターンにおいて、レドーム20を配置したことによって不必要に利得が大きくなる角度位置が生じることを抑制することができる。
【0040】
図4に示す送信アンテナ11においては、例えば角度位置110°の近傍の領域で、レドーム20の配置によりレドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなっている。一方、図5に示す受信アンテナ12においては、角度位置110°の近傍の領域で、レドーム20の配置によりレドーム20が無い場合に比べて利得が僅かに小さくなっている。受信アンテナ12においては、例えば角度位置60°近傍の領域で、レドーム20の配置によりレドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなっている。
【0041】
別の言い方をすると、送信アンテナ11の垂直ビームパターンは、メインローブに対して一方側の角度位置にレドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなる第1変化領域Aを有する。図4に示す例において、メインローブは角度位置90°近傍にピークを有するビームパターンの一部である。第1変化領域Aは、メインローブのピークより大きい角度位置側に生じている。また、受信アンテナ12の垂直ビームパターンは、メインローブに対して他方側の角度位置にレドーム20が無い場合に比べて利得が大きくなる第2変化領域Bを有する。図5に示す例において、メインローブは90°近傍にピークを有するビームパターンの一部である。第2変化領域Bは、メインローブのピークより小さい角度位置側に生じている。本実施形態によれば、送受合成のビームパターンにおいて、レドーム20を配置したことによって不必要に利得が大きくなるサイドローブが生じることを抑制できる。
【0042】
詳細には、第1変化領域Aは、送信アンテナ11の垂直ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる。第2変化領域Bは、受信アンテナ12の垂直ビームパターンにおけるメインローブに隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる。これによれば、送受合成のビームパターンにおいて、レドーム20を配置したことによってメインローブに隣接するサイドローブの利得が増大することを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、送受合成のビームパターンにおいて、利得の増大の影響が大きいサイドローブの利得の増加を抑制することができる。
【0043】
本実施形態のレドーム20の作用効果について、図6および図7を参照して更に説明する。図6は、比較例のアンテナ装置におけるレドームの作用を説明するための模式図である。図7は、第1実施形態のアンテナ装置1におけるレドーム20の作用を説明するための模式図である。図6および図7に示すビームパターンは、作用を理解し易いように模式的に示したビームパターンであり、いずれも垂直ビームパターンである。図6および図7において、実線で示すビームパターンはレドームが配置されている場合のパターンである。図6および図7において、破線で示すビームパターンはレドームが無い場合のパターンである。図6(a)および図7(a)は、送信アンテナのビームパターンである。図6(b)および図7(b)は、受信アンテナのビームパターンである。図6(c)および図7(c)は、送受合成のビームパターンである
【0044】
なお、比較例のアンテナ装置では、送信アンテナに対向する送信側レドームと、受信アンテナに対向する受信側レドームとは、垂直方向の同じ向きに傾いている。詳細には、送信側レドームと受信側レドームとを有するレドームは、下側から上側に向かうにつれて基板10との距離(前後方向の距離)が大きくなる1つの傾斜面を有する。送信側レドームと受信側レドームとは同じ厚みを有する。
【0045】
図6に示すように、比較例のアンテナ装置では、送信アンテナの垂直ビームパターン(図6(a)参照)の場合、メインローブMLより低角度側の第1サイドローブSL1に関してはレドームが配置されることで利得が大きくなるが、メインローブMLより高角度側の第2サイドローブSL2に関してはレドームの有無で利得は大きく変化しない。また、受信アンテナの垂直ビームパターン(図6(b)参照)の場合も、メインローブMLより低角度側の第1サイドローブSL1に関してはレドームが配置されることで利得が大きくなるが、メインローブMLより高角度側の第2サイドローブSL2に関してはレドームの有無で利得は大きく変化しない。
【0046】
すなわち、送信アンテナの垂直ビームパターンと、受信アンテナの垂直ビームパターンとのいずれにおいても、レドームの配置により同じサイドローブ(第1サイドローブSL1)の利得が増加する。このために、送受合成のビームパターン(図6(c)参照)において、レドームが無い場合に比べてレドームが配置された場合には、メインローブMLのピークに対して第1サイドローブSL1のピークが接近することになる。メインローブMLのピークに対する第1サイドローブSL1のピークの接近量が大きくなると、例えば本来検出したくない角度の物標を検出してしまう等の事態が発生する可能性がある。
【0047】
図7に示すように、本実施形態のアンテナ装置1では、送信アンテナ11の垂直ビームパターン(図7(a)参照)の場合、メインローブMLより低角度側の第1サイドローブSL1に関してはレドーム20の有無で利得は大きく変化しないが、メインローブMLより高角度側の第2サイドローブSL2に関してはレドーム20が配置されることで利得が大きくなる。一方、受信アンテナ12の垂直ビームパターン(図7(b)参照)の場合、メインローブMLより低角度側の第1サイドローブSL1に関してはレドーム20が配置されることで利得が大きくなるが、メインローブMLより高角度側の第2サイドローブSL2に関してはレドーム20の有無で利得は大きく変化しない。
【0048】
すなわち、送信アンテナ11の垂直ビームパターンと、受信アンテナ12の垂直ビームパターンとで、レドーム20の配置により利得が増加するサイドローブSL1、SL2が異なる。このために、送受合成のビームパターン(図7(c)参照)において、レドーム20が配置されることによって、いずれのサイドローブSL1、SL2も比較例の場合のように大きく利得が増加しない。すなわち、いずれのサイドローブSL1、SL2のピークも、メインローブMLのピークに対して大きく接近せず、レドーム20の配置によりアンテナ特性が大きく変化することを抑制することができる。
【0049】
<3.第2実施形態>
次に、第2実施形態のアンテナ装置1Aについて説明する。第2実施形態の説明に際して、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付し、特に説明の必要がない場合には、その説明を省略する。また、第1実施形態と重複する内容については、極力説明を省略する。
【0050】
図8は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ装置1Aの構成を示す概略縦断面図である。図8に示すように、アンテナ装置1Aは、基板10と、レドーム20Aとを備える。基板10の構成は、第1実施形態と同じであるために、その説明は省略する。
【0051】
第1実施形態と同様に、レドーム20Aは、基板10の前方に配置され、基板10を覆う。レドーム20Aは、送信アンテナ11と対向する送信側レドーム21Aと、受信アンテナ12と対向し、送信側レドーム21Aと異なる機能を有する受信側レドーム22Aとを有する。送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは平板状であり、厚みは同じである。送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは上下方向(垂直方向)に並ぶ。送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは、アンテナ面に対して垂直方向に傾く。送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとで、アンテナ面に対して傾く向きが逆である。なお、送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは同一部材である。
【0052】
本実施形態においては、送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは、所定方向と直交する平面Sに対して非対称に配置されている。これによれば、送信アンテナ11および受信アンテナ12の特性に応じてレドーム20の形状を決定することができ、設計の自由度が向上する。本実施形態においても、所定方向は上下方向(垂直方向)である。
【0053】
なお、送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとは、所定方向と直交する平面Sに対して対称に配置されてよい。対称とするか非対称とするかは、送信アンテナ11の垂直ビームパターンと、受信アンテナ12の垂直ビームパターンとに基づいて決定される。
【0054】
図9は、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きの量を変更した場合における、受信アンテナ12の垂直ビームパターンの変化を説明するための図である。図9において、横軸は垂直方向の角度で、縦軸はアンテナの利得[dBi]である。図9の破線は、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きが第1実施形態と同じである場合の垂直ビームパターンである。図9の実線は、図9の破線で示す場合に比べて、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きが大きくされた場合の垂直ビームパターンである。
【0055】
図9に太矢印で示すように、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きを大きくすることにより、特にメインローブよりも低角度領域において、サイドローブの角度位置が変動する。詳細には、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きを大きくすることにより、メインローブよりも低角度領域において、サイドローブの角度位置が低角度位置に移動している。すなわち、受信側レドーム22Aの垂直方向に対する傾きを調整することによって、レドーム20Aの配置により利得が大きくなるサイドローブの位置を調整することができる。
【0056】
なお、図示は省略するが、送信側レドーム21Aの垂直方向に対する傾きを調整することによっても、レドーム20Aを配置することにより利得が大きくなるサイドローブの位置を調整することができる。
【0057】
本実施形態においては、以上の傾向を考慮して、送信側レドーム21Aと受信側レドーム22Aとの垂直方向に対する傾きが決定されている。図10は、第2実施形態のレドーム20Aが配置された場合における垂直ビームパターンを示す図である。図10(a)は、送信アンテナ11の垂直ビームパターンを示す。図10(b)は、受信アンテナ12の垂直ビームパターンを示す。
【0058】
図10に示すように、第1変化領域Aは、受信アンテナ12の垂直ビームパターン(図10(b)参照)において谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置する。ここで、第1変化領域Aは、メインローブの一方側(ここでは高角度側)において、レドーム20Aが無い場合に比べて利得が大きくなる領域である。本実施形態では、第1変化領域Aは、メインローブに高角度側で隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる。
【0059】
第1変化領域Aが受信アンテナ12の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と重なる範囲は、できる限り大きくすることが好ましい。なお、受信アンテナ12の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域は、レドーム20Aの有無で変化する可能性がある。このために、第1変化領域Aは、レドーム20Aが配置された場合に受信アンテナ12の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域とできる限り重なることが好ましい。
【0060】
また、第2変化領域Bは、送信アンテナ11の垂直ビームパターン(図10(a)参照)において谷が形成される角度領域と少なくとも一部が重なる角度領域に位置する。ここで、第2変化領域Bは、メインローブの他方側(ここでは低角度側)において、レドーム20Aが無い場合に比べて利得が大きくなる領域である。本実施形態では、第2変化領域Bは、メインローブに低角度側で隣接するサイドローブに少なくとも一部が含まれる。
【0061】
第2変化領域Bが送信アンテナ11の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と重なる範囲は、できる限り大きくすることが好ましい。なお、送信アンテナ11の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域は、レドーム20Aの有無で変化する可能性がある。このために、第2変化領域Bは、レドーム20Aが配置された場合に送信アンテナ11の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域とできる限り重なることが好ましい。
【0062】
本実施形態によれば、送信アンテナ11の垂直ビームパターンにて生じる第1変化領域Aが受信アンテナ12の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と重なり、受信アンテナ12の垂直ビームパターンにて生じる第2変化領域Bが送信アンテナ11の垂直ビームパターンにおいて谷が形成される角度領域と重なる。このために、送受合成の垂直ビームパターンにおいて、レドーム20Aの配置によって垂直ビームパターンが大きく変化することを抑制できる。
【0063】
<4.留意点>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【0064】
以上においては、送信側レドーム21、21Aと受信側レドーム22、22Aとのアンテナ面に対する傾斜角度を制御して、レドーム20、20Aの配置によるアンテナ特性の変化を制御する構成とした。ただし、レドームの配置によるアンテナ特性の変化を制御する構成は別の構成であってよい。
【0065】
図11は、第1変形例のレドーム20Bについて説明するための図である。図11には、レドーム20Bの形状の理解を容易とするために基板10も示されている。第1変形例のレドーム20Bにおいては、送信側レドーム21Bと受信側レドーム22Bとは厚みが異なる。これにより、受信側レドーム22Bは、送信側レドーム21Bと異なる機能を有する。詳細には、送信側レドーム21Bに比べて受信側レドーム22Bの厚みが厚い。ただし、これは例示であり、必要に応じて、送信側レドーム21Bに比べて受信側レドーム22Bの厚みが薄くされてよい。
【0066】
送信側レドーム21Bと受信側レドーム22Bとは、厚みの変化に応じて反射強度が変化する。そして、厚みによる反射強度の調整により、送信アンテナ11の垂直ビームパターンの形状と、受信アンテナ12の垂直ビームパターンの形状とを制御することができる。このために、第1変形例のように送信側レドーム21Bと受信側レドーム22Bとの厚み調整により両者の厚みに差を持たせることによって、送受合成の垂直ビームパターンにおいて所望のビームパターンを得ることができる。
【0067】
また、送信側レドームと受信側レドームとのうち少なくとも一方は、基板と対向する側の面(反射面)に凹凸構造と曲面構造とのいずれか一方を有する構成としてよい。このように構成することにより、送信アンテナの垂直ビームパターンの形状と、受信アンテナの垂直ビームパターンの形状とを更に細かく制御することができる。
【0068】
図12は、第2変形例のレドーム20Cについて説明するための図である。図12は、送信側レドーム21Cと受信側レドーム22Cとのうちの少なくとも一方が、反射面に凹凸構造を有する場合の構成例を示す図である。なお、図12においては、レドーム20Cの一部(送信側レドーム21C又は受信側レドーム22C)が示されている。
【0069】
図12に示す例では、レドーム20Cを構成する送信側レドーム21C(又は受信側レドーム22C)は、反射面に少なくとも1つの凹部23を有する。なお、反射面に凹部を設ける代わりに、反射面に凸部を設けてもよい。また、反射面に凹部と凸部とを設けてもよい。
【0070】
図13は、第3変形例のレドーム20Dについて説明するための図である。図13は、送信側レドーム21Cと受信側レドーム22Cとのうちの少なくとも一方が、反射面に曲面構造を有する場合の構成例を示す図である。なお、図13においては、レドーム20Dの一部(送信側レドーム21D又は受信側レドーム22D)が示されている。
【0071】
図13に示す例では、レドーム20Dを構成する送信側レドーム21D(又は受信側レドーム22D)は、反射面全体が凹面24になっている。なお、反射面全体が凹面とされる代わりに、反射面全体が凸面とされてもよい。
【0072】
また、上記においては、送信アンテナ11と受信アンテナ12とが垂直方向に配置される構成としたが、この限りではない。送信アンテナ11と受信アンテナ12とは斜めや水平方向に配置してもよい。また送信アンテナ11と受信アンテナ12とを互いに平行な別の基板に配置してもよい。この場合も、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは、それぞれ対向するアンテナを有する基板に対して所定方向に傾斜し、送信側レドーム21と受信側レドーム22とは互いに逆向きに傾斜するように構成するとよい。
【0073】
また、以上においては、本発明の所定方向が垂直方向である構成とした。ただし、本発明の所定方向は、例えば斜めや水平方向であってよい。例えば、送信アンテナおよび受信アンテナは、水平方向に延びる伝送線路と、伝送線路に電気的に接続され、水平方向に複数並ぶアンテナ素子とを有する構成にしてよい。送信側レドームと受信側レドームとは、基板に対して水平方向に互いに逆向きに傾く構成としてよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1A・・・アンテナ装置
10・・・基板
11・・・送信アンテナ
12・・・受信アンテナ
13・・・伝送線路
14・・・アンテナ素子
20、20A、20B、20C、20D・・・レドーム
21、21A、21B、21C、21D・・・送信側レドーム
22、22A、22B、22C、22D・・・受信側レドーム
A・・・第1変化領域
B・・・第2変化領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13