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特許7210622タンパク質加工食品の製造方法、及びタンパク質加工食品の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】タンパク質加工食品の製造方法、及びタンパク質加工食品の製造装置
(51)【国際特許分類】
   A23J 3/00 20060101AFI20230116BHJP
【FI】
A23J3/00 501
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021020080
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122688
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004189
【氏名又は名称】株式会社ニッスイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉富 文司
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-132160(JP,A)
【文献】実開昭56-062095(JP,U)
【文献】特開平04-079862(JP,A)
【文献】実開昭62-153888(JP,U)
【文献】特開昭62-051968(JP,A)
【文献】特開昭51-110067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23J,A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱凝固性タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させるタンパク質加工食品の製造方法において、
一端に前記タンパク質加工食品の出口を有する前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材を用い、
前記芯材をその軸方向回りに回転させながら、前記混合物を前記筒体と前記芯材の間に供給し、前記出口に向かって押し出し、前記出口より上流側において前記混合物を内部加熱して凝固させ、凝固した中空の前記タンパク質加工食品を前記出口から吐出させるタンパク質加工食品の製造方法。
【請求項2】
前記筒体及び前記芯材を、各々の軸方向が水平方向または鉛直方向となるように配置する請求項1に記載のタンパク質加工食品の製造方法。
【請求項3】
前記筒体及び前記芯材を、各々の軸方向が水平方向となるように配置し、
前記芯材を、前記出口よりも上流側で回転支持すると共に、前記出口で非支持とし、
前記芯材の比重を前記混合物の比重と同等に設定する請求項1に記載のタンパク質加工食品の製造方法。
【請求項4】
前記筒体の前記出口近傍に、前記芯材を回転支持すると共に前記タンパク質加工食品を縦割りに分割可能な縦割り部を設け、
前記縦割り部により前記芯材を回転支持しながら前記タンパク質加工食品の加熱成形を行い、前記出口で前記タンパク質加工食品を縦割りに分割する請求項1~請求項3の何れか1項に記載のタンパク質加工食品の製造方法。
【請求項5】
前記混合物の外面に色付けを行う請求項1~請求項4の何れか1項に記載のタンパク質加工食品の製造方法。
【請求項6】
熱凝固性タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させるタンパク質加工食品の製造装置において、
前記混合物が供給される入口、及び一端に設けられ前記タンパク質加工食品が吐出される出口を有する前記筒体と、
前記筒体の内側に配置され、前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延び、軸方向回りに回転する芯材と、
前記筒体のうち前記出口より上流側の位置に設けられた内部加熱装置と、
を有し、
前記混合物が前記入口から前記筒体と前記芯材の間に供給され前記出口に向かって押し出される過程で、前記混合物が前記内部加熱装置により加熱されて凝固し、中空の前記タンパク質加工食品となるタンパク質加工食品の製造装置。
【請求項7】
前記筒体及び前記芯材が、各々の軸方向が水平方向または鉛直方向となるように配置された請求項6に記載のタンパク質加工食品の製造装置。
【請求項8】
前記筒体及び前記芯材は、各々の軸方向が水平方向となるように配置され、
前記芯材は、前記出口よりも上流側で回転支持されると共に、前記出口で非支持とされ、
前記芯材の比重が、前記混合物の比重と同等に設定される請求項6に記載のタンパク質加工食品の製造装置。
【請求項9】
前記筒体の前記出口近傍に、前記芯材を回転支持すると共に前記タンパク質加工食品を縦割りに分割可能な縦割り部が設けられた請求項6~請求項8の何れか1項に記載のタンパク質加工食品の製造装置。
【請求項10】
前記筒体は、前記混合物の外面に色付けを行うための着色剤が供給される着色剤供給口を有する請求項6~請求項9の何れか1項に記載のタンパク質加工食品の製造装置。
【請求項11】
前記混合物のゲル剛性が180~370g/cmである請求項1~請求項5の何れか1項に記載のタンパク質加工食品の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部加熱方式を用いて被加熱物を連続的に加熱する方法を用いた、畜肉、鶏肉、水産物、卵、植物等のタンパク質を主原料とする加熱成型されたタンパク質加工食品の製造方法、タンパク質加工食品の製造装置、及びタンパク質加工食品に関する。
【背景技術】
【0002】
被加熱物が通過する加熱筒体自体を、筒体の長さ方向の中心線を回転軸として回転させることにより、筒体内の被加熱物を均一に加熱する技術が開示されている(特許文献1参照)。この文献には、中央部に別の混合物が貫通した形状のタンパク質加工食品を製造することが開示されている。
【0003】
また、畜肉又は水産物由来肉を主原料とした混合物の加熱加工品にさらに異なる素材が組み合わされた食品を連続的に製造すると共に、金太郎飴のように、食品の断面に上記異なる素材で図柄を描く技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5113934号公報
【文献】特許第5727412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来例で製造されるタンパク質加工食品は何れも中実であり、中空のタンパク質加工食品の製造については何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、熱凝固性のタンパク質加工食品を連続的に、かつ中空の形状に製造できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係るタンパク質加工食品の製造方法は、熱凝固性タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させるタンパク質加工食品の製造方法において、一端に前記タンパク質加工食品の出口を有する前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材を用い、前記芯材をその軸方向回りに回転させながら、前記混合物を前記筒体と前記芯材の間に供給し、前記出口に向かって押し出し、前記出口より上流側において前記混合物を内部加熱して凝固させ、凝固した中空の前記タンパク質加工食品を前記出口から吐出させる。
【0008】
このタンパク質加工食品の製造方法では、芯材をその軸方向回りに回転させながら、タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体と芯材の間に供給し、出口に向かって押し出し、該出口より上流側において混合物を内部加熱して凝固させ、凝固した中空のタンパク質加工食品を出口から吐出させる。芯材を回転させることで、芯材に対する混合物の付着が抑制されるので、スムーズな押出が可能となる。またこれによって、芯材の外面と混合物との間に隙間が形成される。更に、筒体の内面と混合物との間にも隙間が形成される。混合物の内部加熱時に蒸気が発生するが、これらの隙間が蒸気の通路となることで、蒸気が筒体の外へ排出される。したがって、芯材がなく中実のタンパク質加工食品を製造する場合と比較して蒸気の放散が容易となり、筒体の内側での内圧の上昇が抑制される。このため、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0009】
前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材は、水平~鉛直の任意の傾きに設置することができる。このとき、出口が入口より垂直方向に高い位置に設置すると背圧が生じ、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係るタンパク質加工食品の製造方法において、前記筒体及び前記芯材を、各々の軸方向が水平方向または鉛直方向となるように配置する。
【0011】
前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材が鉛直方向の場合、混合物の吐出方向を下方から上方にすることにより、混合物が重力方向に落下することを防ぐ、及び/又は、混合物の内部加熱時の蒸気が上方に排出されることにより、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0012】
第3の態様は、第1の態様に係るタンパク質加工食品の製造方法において、前記筒体及び前記芯材を、各々の軸方向が水平方向となるように配置し、前記芯材を、前記出口よりも上流側で回転支持すると共に、前記出口で非支持とし、前記芯材の比重を前記混合物の比重と同等に設定する。
【0013】
筒体及び芯材が、各々の軸方向が水平方向となるように配置された場合、芯材を出口よりも上流側で回転支持すると共に、出口で非支持とすることで、中空のタンパク質加工食品の連続吐出が可能となる。しかしながら、この場合、芯材の特に先端側(出口側)が自重で下方へたわむので、これを抑制することが課題となる。
【0014】
このタンパク質加工食品の製造方法では、芯材の比重を混合物の比重と同等に設定するので、芯材のたわみを抑制し、筒体の出口における芯材の中心を所望の位置に一致させる、又は近づけることができる。このため、中空のタンパク質加工食品を所望の形状に製造することができる。
【0015】
第4の態様は、第1~第3の態様の何れか一態様に係るタンパク質加工食品の製造方法において、前記筒体及び前記芯材を、各々の軸方向が水平方向となるように配置し、前記筒体の前記出口近傍に、前記芯材を回転支持すると共に前記タンパク質加工食品を縦割りに分割可能な縦割り部を設け、前記縦割り部により前記芯材を回転支持しながら前記タンパク質加工食品の加熱成形を行い、前記出口で前記タンパク質加工食品を縦割りに分割する。
【0016】
このタンパク質加工食品の製造方法では、筒体及び芯材を、各々の軸方向が水平方向となるように配置しつつ、筒体の出口近傍に芯材を回転支持する縦割り部を設けている。この縦割り部により芯材の先端側(出口側)が支持されるので、芯材の特に先端側(出口側)が自重で下方へたわむことが抑制される。
【0017】
また、縦割り部により、出口から吐出されるタンパク質加工食品が縦割りに分割される。これにより、中空構造を二つ割りにしたタンパク質加工食品を連続的に製造することができる。
【0018】
第5の態様は、第1~第4の態様の何れか1態様に係るタンパク質加工食品の製造方法において、前記混合物の外面に色付けを行う。
【0019】
このタンパク質加工食品の製造方法では、混合物の外面に色付けを行うので、例えばイカのイミテーションのような中空のタンパク質加工食品を製造できる。
【0020】
第6の態様に係るタンパク質加工食品の製造装置は、熱凝固性タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させるタンパク質加工食品の製造装置において、前記混合物が供給される入口、及び一端に設けられ前記タンパク質加工食品が吐出される出口を有する前記筒体と、前記筒体の内側に配置され、前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延び、軸方向回りに回転する芯材と、前記筒体のうち前記出口より上流側の位置に設けられた内部加熱装置と、を有し、前記混合物が前記入口から前記筒体と前記芯材の間に供給され前記出口に向かって押し出される過程で、前記混合物が前記内部加熱装置により加熱されて凝固し、中空の前記タンパク質加工食品となる。
【0021】
このタンパク質加工食品の製造装置では、芯材をその軸方向回りに回転させながら、タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物を筒体と芯材の間に供給し、出口に向かって押し出し、該出口より上流側において混合物を、内部加熱装置により内部加熱して凝固させ、凝固した中空のタンパク質加工食品を出口から吐出させる。このとき、芯材が回転しながら混合物が出口に向かって押し出され、芯材に対する混合物の付着が抑制されるので、スムーズな押出が可能となる。またこれによって、芯材の外面と混合物との間に隙間が形成される。更に、筒体の内面と混合物との間にも隙間が形成される。混合物の内部加熱時に蒸気が発生するが、これらの隙間が蒸気の通路となることで、蒸気が筒体の外へ排出される。したがって、芯材がなく中実のタンパク質加工食品を製造する場合と比較して蒸気の放散が容易となり、筒体の内側での内圧の上昇が抑制される。このため、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0022】
前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材は、水平~鉛直の任意の傾きに設置することができる。このとき、出口が入口より垂直方向に高い位置に設置すると背圧が生じ、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0023】
第7の態様は、第6の態様に係るタンパク質加工食品の製造装置において、前記筒体及び前記芯材が、各々の軸方向が水平方向または鉛直方向となるように配置されている。
【0024】
前記筒体と、前記筒体の内側に配置され前記筒体の軸方向に沿って少なくとも前記出口まで延びる芯材が鉛直方向の場合、混合物の吐出方向を下方から上方にすることにより、混合物が重力方向に落下することを防ぐ、及び/又は、混合物の内部加熱時の蒸気が上方に排出されることにより、中空のタンパク質加工食品の連続吐出を安定して行うことができる。
【0025】
第8の態様は、第5の態様に係るタンパク質加工食品の製造装置において、前記筒体及び前記芯材が、各々の軸方向が水平方向となるように配置され、前記芯材は、前記出口よりも上流側で回転支持されると共に、前記出口で非支持とされ、前記芯材の比重が、前記混合物の比重と同等に設定される。
【0026】
筒体及び芯材が、各々の軸方向が水平方向となるように配置された場合、芯材を出口よりも上流側で回転支持すると共に、出口で非支持とすることで、中空のタンパク質加工食品の連続吐出が可能となる。しかしながら、この場合、芯材の特に先端側(出口側)が自重で下方へたわむので、これを抑制することが課題となる。
【0027】
このタンパク質加工食品の製造装置では、芯材の比重が混合物の比重と同等に設定されるので、芯材が混合物の中で浮遊状態となり、芯材のたわみが抑制される。これにより、筒体の出口における芯材の中心が所望の位置に一致し、又は近づくこととなる。このため、中空のタンパク質加工食品を所望の形状に製造することができる。
【0028】
第9の態様は、第6~第8の何れか一態様に係るタンパク質加工食品の製造装置において、前記筒体の前記出口近傍に、前記芯材を回転支持すると共に前記タンパク質加工食品を縦割りに分割可能な縦割り部が設けられている。
【0029】
このタンパク質加工食品の製造装置では、筒体及び芯材が、各々の軸方向が水平方向となるように配置され、芯材が筒体の出口近傍で縦割り部により回転支持されている。この縦割り部により芯材の先端側(出口側)が支持されるので、芯材の特に先端側(出口側)が自重で下方へたわむことが抑制される。
【0030】
また、縦割り部により、出口から吐出されるタンパク質加工食品が縦割りに分割される。これにより、中空構造を二つ割りにしたタンパク質加工食品を連続的に製造することができる。
【0031】
第10の態様は、第6~第9の態様の何れか1態様に係るタンパク質加工食品の製造装置において、前記筒体は、前記混合物の外面に色付けを行うための着色剤が供給される着色剤供給口を有する。
【0032】
このタンパク質加工食品の製造装置では、筒体に設けられた着色剤供給口から着色剤が供給され、混合物の外面に色付けが行われるので、例えばイカのイミテーションのような中空のタンパク質加工食品を製造できる。
【0033】
第11の態様に係るタンパク質加工食品の製造方法は、第1~第5の態様の何れか1態様に係るタンパク質加工食品の製造方法において、前記混合物のゲル剛性が180~370g/cmである。
【0034】
混合物のゲル剛性の測定は、以下の手順で行う。加熱前の混合物を塩化ビニリデン製チューブに充填し、90℃のボイル槽で40分間加熱処理を行った後、氷水中で急冷し、10℃で一晩放置して物性を測定する。測定は、株式会社サン科学製のレオテックSD-700を用い、φ5mmの球形プランジャ―でゲル物性の指標としてゲル剛性(gel stiffness)(g/cm)を測定するため、破断強度(breaking strength)(g)と破断凹み(breaking strain)(cm)を測定する。
【0035】
このタンパク質加工食品の製造方法によれば、粘弾性のある食感、及び中空構造ならではの食感を有するタンパク質加工食品を得ることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、熱凝固性のタンパク質加工食品を連続的に、かつ中空の形状に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1実施形態に係るタンパク質加工食品の製造方法及び装置を模式的に示す断面図である。
図2】筒体及び芯材を示す断面図である。
図3】筒体と混合物との間の隙間、及び芯材の外面と混合物との間の隙間を通じて蒸気が排出される状態を模式的に示す斜視図である。
図4】出口からタンパク質加工食品としてのイカのイミテーションが吐出される状態を示す斜視図である。
図5】変形例1に係るタンパク質加工食品の製造方法及び装置を模式的に示す断面図である。
図6】筒体の出口近傍に縦割り部が設けられた例を示す斜視図である。
図7】縦割り部により二つ割りにされたタンパク質加工食品を示す斜視図である。
図8】変形例2に係るタンパク質加工食品の製造方法及び装置を模式的に示す断面図である。
図9】第2実施形態に係るタンパク質加工食品の製造方法及び装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0039】
[第1実施形態]
図1において、本実施形態に係るタンパク質加工食品の製造装置10は、熱凝固性タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物12を、筒体14の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させる装置である。この装置は、例えば竹輪やイカの様な形状の食品を連続的に加熱成形することが可能となっている。
【0040】
混合物12のゲル剛性は、例えば180~370g/cmである。混合物12に含まれるタンパク質としては、熱凝固性を有するタンパク質、例えば畜肉、魚肉、卵といった動物性タンパク質の他、植物性タンパク質を使用することができる。
【0041】
本実施形態に係るタンパク質加工食品の製造装置10は、筒体14と、芯材16と、内部加熱装置18と、を有している。本実施形態では、筒体14及び芯材16は、各々の軸方向が水平方向となるように配置されている。ここで、水平方向とは、水平方向±10°の範囲をいう。プラスの角度は、後述する出口26が入口22よりも高い位置にあることを意味する。マイナスの角度は、後述する出口26が入口22よりも低い位置にあることを意味する。出口が入口よりもマイナスの角度に設置するよりも、プラスの角度に設置した方が、安定的に吐出できて好ましい。内部加熱装置18は、筒体14のうち出口26より上流側の位置に設けられた、例えばマイクロ波加熱装置である。
【0042】
筒体14は、混合物12が供給される入口22、及び一端24に設けられタンパク質加工食品30が吐出される出口26を有している。図2にも示されるように、筒体14は、例えば円筒形に形成されている。入口22は、例えば筒体14の他端28付近に設けられている。他端28は、筒体14の軸方向において一端24と反対側に位置しており、閉塞されている。出口26は、筒体14の一端24において軸方向の外側に向かって円形に開口している。筒体14の内部において、例えば内部加熱装置18の上流側近傍には、芯材16の支持部32が設けられている。支持部32は、混合物12が筒体14の軸方向に通過可能に構成されている。
【0043】
筒体14は、混合物12の外面に色付けを行うための着色剤34が供給される着色剤供給口36を有している。着色剤34は、食用可能である。タンパク質加工食品30がイカのイミテーションであれば、着色剤34として、イカに似た色が用いられる。筒体14における着色剤供給口36の部分には、ガイド部38が設けられている。このガイド部38は、外径が筒体14の内径より小径でかつ筒体14と同軸状に取り付けられた管である。ガイド部38は、支持部32に達しない範囲で、着色剤供給口36の位置から下流側に延びている。筒体14の内面とガイド部38との間に、着色剤34の供給路40が形成されている。供給路40の下流側端部は筒体14の軸方向に開口しているが、上流側端部は閉塞されている。これにより、着色剤34は、支持部32より上流側において、混合物12の外面と筒体14との間に供給されるようになっている。また、着色剤34の供給により、混合物12と筒体14の間の滑り易さが高まることで、混合物12の詰まり抑制効果が期待される。着色剤34を混合物12に付着させた後で内部加熱することで、着色剤34が混合物12に密着し、タンパク質加工食品30を安定的に着色できるという効果も得られる。
【0044】
芯材16は、筒体14の内側に配置され、筒体14の軸方向に沿って少なくとも出口26まで延び、軸方向回りに回転する部材である。芯材16は、モータ等の駆動源17により、軸方向回りに回転駆動される。この芯材16は、中実又は中空に構成されている。また、芯材16は、筒体14の他端28から一端24に貫通している。芯材16は、支持部32により、例えば芯材16の中心が筒体14の中心に一致するように回転支持されている。具体的には、芯材16は、出口26よりも上流側の例えば支持部32で回転支持される一方、出口26では非支持とされている。つまり、芯材16の出口26側の先端は、自由端となっている。したがって、芯材16の構成によっては、特に先端側(出口26側)が自重で下方へたわむので、これを抑制することが課題となる。
【0045】
このような芯材16のたわみを抑制するための手段として、まず芯材16の軽量化が考えられる。なお、芯材16が軽すぎる場合、芯材16が浮力により混合物12の中で浮き上がってしまうので、芯材16の比重を混合物12の比重と同等に設定することが考えられる。
【0046】
ここで、具体例を挙げる。混合物12の比重は、配合によって若干変化するが、概ね1.14g/cmであるとする。アルミニウム製の芯材16において、外径が10mm、内径が8mm、長さが10mm、比重2.7g/cmとする。同サイズの混合物12と質量を比較すると、芯材16の質量=2.43g<混合物12の質量=2.85g、となり、アルミニウム製の芯材16の方が軽いことがわかる。したがって、芯材16に適当なウェイトを付加すれば良いことになる。
【0047】
芯材16を選択する際の他の基準としては、耐圧性が高いこと、そして、上記したように軽いことが挙げられる。また、内部加熱装置18がマイクロ波加熱装置である場合、芯材16を選択する際の基準としては、マイクロ波透過性があること、或いはマイクロ波非透過性であることが挙げられる。マイクロ波透過性がある素材とは、例えばポリテトラフルオロエチレンである。また、マイクロ波非透過性の素材とは、例えば金属である。マイクロ波吸収性素材は自己発熱するため、芯材16の素材には適さないが、めっき加工等によりマイクロ波を反射するように構成すれば、使用できる可能性がある。なお、芯材16の外周面をポリテトラフルオロエチレンの熱収縮チューブで覆う、或いは該外周面にポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施すことで、混合物12の滑り易さが向上し、混合物12の詰まり抑制効果が期待される。
【0048】
図2において、芯材16の外形をdとし、筒体14の内径をDとすると、タンパク質加工食品30がイカのイミテーションである場合、例えばD=49mm、d=32mmである。この場合、混合物12に面する表面積(二点鎖線が描かれている部分の表面積)は、芯材16がない場合と比較して143%となる。また、タンパク質加工食品30が竹輪である場合、例えばD=23mm、d=10mmである。この場合、混合物12に面する表面積は、芯材16がない場合と比較して119%となる。
【0049】
本実施形態に係るタンパク質加工食品の製造装置10では、混合物12が入口22から筒体14と芯材16の間に供給され出口26に向かって押し出される過程で、混合物12が内部加熱装置18により加熱されて凝固し、中空のタンパク質加工食品30となるように構成されている。
【0050】
なお、図4に示されるように、筒体14の一端24の先に、タンパク質加工食品30を搬送するガイドローラ42やベルトコンベア44等が設置されていてもよい。
【0051】
なお、図5図6に示される変形例1のように、筒体14が、その軸方向が水平方向となるように配置された構造において、筒体14の出口26近傍に縦割り部46が設けられていてもよい。縦割り部46は、芯材16を回転支持すると共にタンパク質加工食品30を縦割りに分割可能に構成されている。この縦割り部46は、例えば、環状の軸受48と、刃部50とを有している。軸受48は、刃部50により筒体14の内側に保持され、芯材16を回転支持している。刃部50は、軸受48と筒体14との間の2箇所に、例えば直径方向に並んで配置されている。また、刃部50の刃先は、筒体14の上流側に向けられている。これにより、タンパク質加工食品30を縦割りに分割しながら(図7)、筒体14の出口26から吐出できるようになっている。
【0052】
このように縦割り部46が設けられる場合、図8に示されるように、芯材16の駆動源17を筒体14の出口26側の端部に配置されてもよい。タンパク質加工食品30は縦割りに分割されて出口26から吐出されるので、駆動源17との干渉を抑制可能である。
【0053】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず、タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物12を調製する(図示せず)。図1において、本実施形態に係るタンパク質加工食品の製造装置10では、芯材16をその軸方向回りに回転させながら、入口22から混合物12を筒体14と芯材16の間に供給し、出口26に向かって押し出す。出口26より上流側において混合物12を内部加熱装置18のマイクロ波MW(図3)により内部加熱して凝固させ、凝固した中空のタンパク質加工食品30を出口26から吐出させる。このとき、芯材16が回転しながら混合物12が出口26に向かって押し出され、芯材16に対する混合物12の付着が抑制されるので、スムーズな押出が可能となる。またこれによって、芯材16の外面と混合物12との間に隙間が形成される。更に、筒体14の内面と混合物12との間にも隙間が形成される。図3に示されるように、混合物12の内部加熱時に蒸気が発生するが、これらの隙間が蒸気の通路となることで、蒸気が筒体14の外へ排出される。したがって、芯材16がなく中実のタンパク質加工食品30を製造する場合と比較して蒸気の放散が容易となり、筒体14の内側での内圧の上昇が抑制される。このため、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出を安定して行うことができる。
【0054】
図1に示されるように、筒体14及び芯材16が、各々の軸方向が水平方向となるように配置された場合、支持部32により芯材16を出口26よりも上流側で回転支持すると共に、出口26で非支持とすることで、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出が可能となる。しかしながら、この場合、芯材16の特に先端側(出口26側)が自重で下方へたわむので、これを抑制することが課題となる。
【0055】
また、芯材16の比重が混合物12の比重と同等に設定されるので、芯材16が混合物12の中で浮遊状態となり、芯材16のたわみが抑制される。これにより、筒体14の出口26における芯材16の中心が所望の位置に一致し、又は近づくこととなる。このため、中空のタンパク質加工食品30を所望の形状に製造することができる。芯材16の中心を筒体14の中心に一致させることで、タンパク質加工食品30の中空部分が偏心することを抑制できる。
【0056】
更に、筒体14に設けられた着色剤供給口36から着色剤34が供給され、混合物12の外面に色付けが行われるので、例えばイカのイミテーションのような中空のタンパク質加工食品30を製造できる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、熱凝固性のタンパク質加工食品30を連続的に、かつ中空の形状に製造できる。また、このタンパク質加工食品30により、粘弾性のある食感、及び中空構造ならではの食感を得ることができる。
【0058】
図4に示されるように、筒体14から吐出されたタンパク質加工食品30は、例えばガイドローラ42やベルトコンベア44により搬送される。
【0059】
なお、図5図6に示される変形例1では、筒体14及び芯材16が、各々の軸方向が水平方向となるように配置され、芯材16が筒体14の出口26近傍で縦割り部46により回転支持されている。この縦割り部46により芯材16の先端側(出口26側)が支持されるので、芯材16の特に先端側(出口26側)が自重で下方へたわむことが抑制される。また、芯材16が混合物12の中で浮力により浮き上がることも抑制される。これにより、筒体14の出口26における芯材16の中心が所望の位置に一致し、又は近づくこととなる。
【0060】
また、縦割り部46により、出口26から吐出されるタンパク質加工食品30が縦割りに分割される。これにより、図7に示されるように、中空構造を二つ割りにしたタンパク質加工食品30を連続的に製造することができる。
【0061】
ここで、通常の竹輪の製法は、30℃程度での坐り工程の後、焼成するため、坐り工程において水分が蒸発し、最終的な歩留まりは80%程度である。本実施形態によれば、坐り工程は不要で、筒体14内で竹輪を加熱凝固させることができるため、水分の蒸発を抑えることができ、歩留まりは94%程度である。歩留まりが高い、つまり食品の水分が多いほど、コストが下がる。
【0062】
また、通常の竹輪では、混合物12の原料のすり身の品質のばらつきが大きい場合、プロテアーゼが多く含まれ、坐り工程でプロテアーゼが働くことで蛋白が分解され、粘弾性のある食感にならない。そのため、竹輪の原料にはあまり品質のばらつきの大きいすり身は使用できない。本実施形態によれば、坐り工程の必要がなく竹輪を製造できるため、品質のばらつきが大きいすり身も混合物12の原料として使用することができる。
【0063】
また、通常の竹輪では、焼成工程において竹輪の外側から昇温するが、本実施形態によれば内部加熱により均一に昇温し、かつ、昇温速度が速い。ゲル形成に関与すると言われているSS結合、イオン結合、水素結合、疎水結合等の化学結合、及び/又は、物理的結合は、すり身に含まれる酵素により影響を受けることがある。すり身に含まれる酵素には、タンパク質分解酵素など特定の温度帯で、すり身によるゲル形成を阻害するものが知られている。この影響を受けないように、特定の温度帯を急速に通過させるために昇温温度が速いことは有利となり得る。昇温の違いにより、外部加熱により作られた竹輪と、本実施形態により得られるタンパク質加工食品はゲル構造が異なる。ゲル構造の違いは、部分的なゲル強度の測定、顕微鏡による観察、食感又は触感を評価する官能評価、その他の方法により検出可能となる。例えば、外部加熱により作られた竹輪は、外層部の昇温温度に比べて、内層部の昇温温度は相対的に遅い。このため外層部に比べて内層部は柔らかい食感となり、噛み切ったときに違和感として知覚される場合がある。本実施形態により内部加熱により均一に昇温し、かつ、昇温速度を速めた場合には、外層部と内層部に食感の違いは生じにくく、違和感を防ぐことができる。
【0064】
[第2実施形態]
【0065】
図9において、本実施形態に係るタンパク質加工食品の製造装置20では、筒体14及び芯材16が、各々の軸方向が鉛直方向となるように配置されている。ここで、鉛直方向とは、鉛直方向±10°の範囲をいう。
【0066】
このように、芯材16の軸方向が鉛直方向となるように配置すると、芯材16のたわみや混合物12中での浮き上がりが問題とならないので、芯材16の比重調整を行わなくても、熱凝固性のタンパク質加工食品30を連続的に、かつ中空の形状に製造できる。また、混合物12の吐出方向を下方から上方にすることにより、混合物12が重力方向に落下することを防ぐ、及び/又は、混合物12の内部加熱時の蒸気が上方に排出されることにより、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出を安定して行うことができる。
【0067】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0068】
(タンパク質加工食品の製造方法) タンパク質加工食品の製造方法は、タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物12を筒体14の中を移動させながら、内部加熱方式により連続的に加熱凝固して成形させるタンパク質加工食品の製造方法において、一端24にタンパク質加工食品30の出口26を有する筒体14と、筒体14の内側に配置され筒体14の軸方向に沿って少なくとも出口26まで延びる芯材16を用い、芯材16をその軸方向回りに回転させながら、混合物12を筒体14と芯材16の間に供給し、出口26に向かって押し出し、出口26より上流側において混合物12を内部加熱して凝固させ、凝固した中空のタンパク質加工食品30を出口26から吐出させる。
【0069】
このタンパク質加工食品の製造方法では、芯材16をその軸方向回りに回転させながら、タンパク質と脂質と水分を含有し、かつ、流動性を有する混合物12を筒体14と芯材16の間に供給し、出口26に向かって押し出し、該出口26より上流側において混合物12を内部加熱して凝固させ、凝固した中空のタンパク質加工食品30を出口26から吐出させる。芯材16を回転させることで、芯材16に対する混合物12の付着が抑制されるので、スムーズな押出が可能となる。またこれによって、芯材16の外面と混合物12との間に隙間が形成される。更に、筒体14の内面と混合物12との間にも隙間が形成される。混合物12の内部加熱時に蒸気が発生するが、これらの隙間が蒸気の通路となることで、蒸気が筒体14の外へ排出される。したがって、芯材16がなく中実のタンパク質加工食品30を製造する場合と比較して蒸気の放散が容易となり、筒体14の内側での内圧の上昇が抑制される。このため、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出を安定して行うことができる。
【0070】
筒体14及び芯材16を、各々の軸方向が水平方向となるように配置し、芯材16を、出口26よりも上流側で回転支持すると共に、出口26で非支持とし、芯材16の比重を混合物12の比重と同等に設定してもよい。
【0071】
図1に示されるように、筒体14及び芯材16が、各々の軸方向が水平方向となるように配置された場合、芯材16を出口26よりも上流側で回転支持すると共に、出口26で非支持とすることで、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出が可能となる。しかしながら、この場合、芯材16の特に先端側(出口26側)が自重で下方へたわむので、これを抑制することが課題となる。
【0072】
このタンパク質加工食品の製造方法では、芯材16の比重を混合物12の比重と同等に設定するので、芯材16のたわみを抑制し、筒体14の出口26における芯材16の中心を所望の位置に一致させる、又は近づけることができる。このため、中空のタンパク質加工食品30を所望の形状に製造することができる。
【0073】
また、図6図7に示されるように、筒体14及び芯材16を、各々の軸方向が水平方向となるように配置し、筒体14の出口26近傍に、芯材16を回転支持すると共にタンパク質加工食品30を縦割りに分割可能な縦割り部46を設け、縦割り部46により芯材16を回転支持しながらタンパク質加工食品30の加熱成形を行い、出口26でタンパク質加工食品30を縦割りに分割してもよい。
【0074】
混合物12の外面に色付けを行ってもよい。混合物12の外面に色付けを行うことにより、例えばイカのイミテーションのような中空のタンパク質加工食品30を製造できる。
【0075】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0076】
筒体14と芯材16は、水平~鉛直の任意の傾きに設置することができる。このとき、出口26が入口22より垂直方向に高い位置に設置すると背圧が生じ、中空のタンパク質加工食品30の連続吐出を安定して行うことができる。
【0077】
筒体14が円筒形であるものとしたが、これに限られず、多角形断面や楕円断面等の筒形であってもよい。
【0078】
筒体14に1つの芯材16が用いられるものとしたが、これに限られず、複数の芯材16が用いられてもよい。
【0079】
筒体14は固定でもよく、芯材16と逆方向、又は同方向で芯材16と異なる速度で回転してもよい。
【0080】
内部加熱装置18として、マイクロ波加熱装置を挙げたが、加熱手段としてジュール加熱や高周波加熱を用いてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 タンパク質加工食品の製造装置
12 混合物
14 筒体
16 芯材
18 内部加熱装置
20 タンパク質加工食品の製造装置
22 入口
24 一端
26 出口
30 タンパク質加工食品
34 着色剤
36 着色剤供給口
46 縦割り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9