(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫、表示システム
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
(21)【出願番号】P 2017195955
(22)【出願日】2017-10-06
【審査請求日】2020-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小谷 誠
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-193873(JP,A)
【文献】特開2017-015298(JP,A)
【文献】特開2014-017026(JP,A)
【文献】特開2017-089913(JP,A)
【文献】特開2010-277391(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106723241(CN,A)
【文献】特開2004-288170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と1つ以上の貯蔵室が設けられている筐体と、
前記貯蔵室に収納される物品の前記撮像部によって取得された情報に基づいて予めデータ化された食品が登録されている食品データベースの中から食品を選択し、選択した食品の画像を、モデル化したコンピュータグラフィック画像として予めデータ化されている前記貯蔵室内の画像に重畳して表示部に表示する処理を実行する
とともに、貯蔵された物品と選択された食品とが同一物である確率が所定の基準値よりも低い場合、選択した食品の画像を重畳する際に、食品の画像を通常とは異なる態様で表示することにより、同一物ではない可能性を識別可能に報知する処理を実行する制御部と、
を備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記撮像部は、前記筐体の上部側に設けられ、前記貯蔵室の前方の範囲を撮像するものであり、
前記貯蔵室の扉の開閉を検知する開閉検知部と、を備え、
前記制御部は、前記開閉検知部で扉の開放が検知された時点を起点として前記撮像部で撮像を開始し、物品の情報である撮像された画像に基づいて、前記貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置情報を求め、求めた位置情報に基づいて当該物品が貯蔵された場所を推測する処理を実行する請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記制御部は
、選択した食品の画像を重畳する際に食品の画像を透過させる、あるいは、食品の画像を相対的に暗くすることにより、同一物ではない可能性を識別可能に報知す
る請求項1または2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御部は、前記撮像部で撮像した物品の画像を、予めデータ化されている前記貯蔵室内の画像に重畳して前記表示部に表示する処理を実行する請求項1から3のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項5】
食品と、当該食品を収容する容器の形状、色彩、文字および記号のうち少なくとも1つを含む識別情報とを予め対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記識別情報に基づいて食品を識別する請求項1から4のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記制御部は、前記貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置の変化に基づいて当該物品が貯蔵されていた場所を推測する処理を実行する請求項1から5のいずれか一項記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮像部で撮像した物品の画像に基づいて、前記貯蔵室から取り出された物品を特定し、当該物品が貯蔵された際に生成された画像から当該物品の画像を除去する請求項6記載の冷蔵庫。
【請求項8】
撮像部と、画像を表示する表示部と、貯蔵室に収納される物品の前記撮像部によって取得された情報に基づいて予めデータ化された食品が登録されている食品データベースの中から食品を選択し、選択した食品の画像を、モデル化したコンピュータグラフィック画像として予めデータ化されている前記貯蔵室内の画像に重畳して前記表示部に表示する処理を実行する
とともに、貯蔵された物品と選択された食品とが同一物である確率が所定の基準値よりも低い場合、選択した食品の画像を重畳する際に、食品の画像を通常とは異なる態様で表示することにより、同一物ではない可能性を識別可能に報知する処理を実行する制御部と、を備える表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫、表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫に貯蔵されている食品を外部から把握するために、貯蔵室内にカメラ等の撮像部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、貯蔵されている物品を把握するために貯蔵室内の全ての範囲を撮像しよ
うとすると、どうしても多くの台数のカメラが必要となり現実的ではなかった。また、カ
メラの位置が固定されている場合、貯蔵されている物品等に遮られて死角ができ、貯蔵室
内の全てを撮像することが困難であった。
そこで、貯蔵室内の物品の位置を簡易な構成で把握することができる冷蔵庫、表示システムを提供する
。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、1つ以上の貯蔵室が設けられている筐体と、筐体の上部側に設けられ、貯蔵室の前方の範囲を撮像する撮像部と、貯蔵室の扉の開閉を検知する開閉検知部と、開閉検知部で扉の開放が検知された時点を起点として撮像部で撮像を開始し、撮像した画像に基づいて貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置情報を求め、求めた位置情報に基づいて当該物品が貯蔵された場所を推測する処理を実行する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の冷蔵庫を正面側から見た状態を模式的に示す図
【
図2】冷蔵庫を側面側から見た状態を模式的に示す図
【
図4】冷蔵庫の前方に設定される撮像領域を模式的に示す図
【
図5】貯蔵物の撮像し、場所の推定し、画像を生成する態様を模式的に示す図
【
図6】貯蔵物の画像と食材DBの一例とを模式的に示す図
【
図8】貯蔵物の撮像、場所の推定、画像の生成の他の態様を模式的に示す図
【
図10】貯蔵物取り出した際の画像の表示態様を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、筐体2内に、上部から順に冷蔵室3、野菜室4、左右に並んだ製氷室5と小冷凍室6、および大冷凍室7の複数の貯蔵室を備えている。このうち、小冷凍室6は、例えば急速冷凍用の貯蔵室として機能する。なお、この冷蔵庫1の構成は一例であり、貯蔵室の数や種類および配置は、
図1に示すものに限定されない。
【0008】
冷蔵室3は、左右に並んで配置されている観音開きの左扉3a、右扉3bにより開閉される。なお、冷蔵室3を片開き式の扉により開閉する構成であってもよい。野菜室4、製氷室5、小冷凍室6および大冷凍室7は、それぞれ引き出し式の野菜室扉4a、製氷室扉5a、小冷凍室扉6aおよび大冷凍室扉7aによって開閉される。また、冷蔵室3の左扉3aには、操作パネル8が設けられている。
【0009】
この操作パネル8は、複数の照光式の静電スイッチにより構成されている操作部、冷蔵庫1の運転状態等を報知する照光式の表示領域を備えている。操作パネル8は、ユーザが操作部に触れることによって貯蔵室内の温度調整や急速冷凍動作あるいは製氷動作等の冷蔵庫1の運転状態の設定、あるいは、表示領域を点灯することにより冷蔵庫1の運転状態の報知を行う。また、操作パネル8には、図示は省略するが、操作音や警告音あるいは音声による報知等を行うブザーやスピーカ等の報知部も設けられている。
【0010】
また、筐体2の上部には、本実施形態では2つのカメラ9が設けられている。このカメラ9は、撮像部に相当する。本実施形態では、カメラ9は、いわゆるCCDカメラやCMOSカメラであり、カラーで動画および静止画を撮像可能な構成となっている。
【0011】
これらのカメラ9は、冷蔵庫1の中央を挟んで対象となる位置に、左右方向におけるそれぞれの視野(α)が一部重なるように設けられている。このとき、各カメラ9の視野(α)は、冷蔵庫1の上端は除かれるものの、概ね冷蔵庫1の左右方向を全域に渡って撮像可能なように設定されている。
【0012】
また、カメラ9は、
図2に示すように、前後方向におけるそれぞれの視野(β)の中心が筐体2の前端よりも突出するように設けられている。このとき、各カメラ9の視野(β)は、冷蔵庫1の前方を含み、貯蔵室内の一部を撮像可能に設定されている。
このように、カメラ9は、冷蔵庫1の筐体2の上部から、冷蔵庫1の前端から前方側の範囲を撮像可能な位置に設けられている。
【0013】
また、各貯蔵室には、物品を貯蔵する容器等が設けられている。例えば冷蔵室3には、複数の棚板10や扉の内側のドアポケット(
図4参照)等が設けられている。野菜室4には、大収納容器11aと小収納容器11bが設けられている。小冷凍室6には、収納容器12が設けられている。大冷凍室7には、大収納容器13aと小収納容器13bが設けられている。
【0014】
このとき、野菜室4の野菜室扉4aが引き出された場合、大収納容器11aや小収納容器11bの内部は、上方に設けられているカメラ9により撮像可能になっている。これは、小冷凍室6および大冷凍室7も同様である。
【0015】
また、冷蔵庫1は、右扉3bに、表示装置14が固定的あるいは着脱可能に設けられている。この表示装置14は、表示器14aや外部記憶部14b等を備えている。表示装置14は、冷蔵庫1に専用で設計されたものを設けることもできるが、タッチパネル型のいわゆるタブレットPCやユーザが所有するスマートホン等で構成することもできる。表示装置14は、表示部に相当する。
【0016】
このような冷蔵庫1は、
図3に示すように、制御部15によって制御されている。制御部15は、図示しないCPU、ROMおよびRAM等を備えたマイクロコンピュータで構成されており、ROM等に記憶しているプログラムを実行することにより冷蔵庫1の全体を制御する。また、制御部15は、上記したROMやRAMあるいは他の不揮発性メモリ等により構成された記憶部15aを備えている。
【0017】
制御部15は、操作パネル8、カメラ9、通信装置16、開扉センサ17a~17e、庫内照明18a~18c、ファン装置19a~19b、コンプレッサ20、温度センサ21a~21b等に接続されており、フィルタ基板22を介して電源が供給されている。
【0018】
通信装置16は、本実施形態ではWifi等の無線通信方式のものを採用しており、アンテナ16aやネットワーク23を介して、ユーザが所有する携帯端末24や外部のサーバ25等に各種のデータ通信可能に接続されている。また、携帯端末24やサーバ25は、図示は省略するが、それぞれ記憶部、操作部あるいは表示器等を備えている。これらお携帯端末24やサーバ25は、表示部に相当する。
【0019】
開扉センサ17a~17dは、各貯蔵室の扉の開閉を検知する。具体的には、開扉センサ17aは冷蔵室3の左扉3aの開閉を検知し、開扉センサ17bは冷蔵室3の右扉3bの開閉を検知し、開扉センサ17cは野菜室4の野菜室扉4aの開閉を検知し、開扉センサ17dは小冷凍室6の小冷凍室扉6aの開閉を検知し、開扉センサ17eは大冷凍室7の大冷凍扉7aの開閉を検知する。なお、製氷室5の製氷室扉5aの開閉を検知する開扉センサ17を設けることもできる。
【0020】
庫内照明18は、貯蔵室内を照明する。具体的には、庫内照明18aは冷蔵室3内を照明し、庫内照明18aは野菜室4内を照明し、庫内照明18aは大冷凍室7内を照明する。なお、庫内照明18の数や配置は一例であり、これに限定されるものではない。
【0021】
ファン装置19は、冷凍サイクルで生成された冷気を、各貯蔵室に循環させる。具体的には、ファン装置19aは、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室3および野菜室4に対して冷気を循環させ、ファン装置19bは、冷凍温度帯の貯蔵室である製氷室5、小冷凍室6および大冷凍室7に対して冷気を循環させる。
コンプレッサ20は、図示しない冷却器等とともに冷凍サイクルを構成しており、運転状態となることにより冷気を生成する。
【0022】
温度センサ21は、貯蔵室内の温度を検知する。具体的には、温度センサ21aは、冷蔵温度帯の貯蔵室を循環する冷気の温度を検知することにより、冷蔵室3および野菜室4の温度を検知する。温度センサ21bは、冷凍温度帯の貯蔵室を循環する冷気の温度を検知することにより、製氷室5、小冷凍室6および大冷凍室7の温度を検知する。なお、各貯蔵室にそれぞれ個別に温度センサ21を設ける構成とすることもできる。
【0023】
次に、上記した構成の作用について説明する。
前述のように、冷蔵庫1に貯蔵されている食品を外部から把握するために貯蔵室内に撮像部を設ける場合、貯蔵室内の全ての範囲を撮像するために多くの台数を必要とすることで実用的でなくなったり、位置が固定されていると死角ができて貯蔵室内の全てを撮像することが困難になったりすることがある。
【0024】
また、従来では食品の種類を識別することを主目的としたものも多く、その場合には、詳細な画像を撮像するためにユーザに貯蔵以外の操作や動作を求めたり、画像の抽出やマッチングを行う画像処理の負荷が増大したり、データベースが複雑化したりする等、実用的とは言い難いものもあった。
【0025】
そこで、本実施形態では、以下のようにして貯蔵室内の物品の位置や種類を簡易な構成で把握できるようにしている。なお、以下の処理は主として制御部15によって実行されるものであるが、説明の簡略化のため、冷蔵庫1を主体にして説明する。
【0026】
図4に示すように、冷蔵庫1の前方には、カメラ9によって物品等を撮像する領域である撮像領域(R)が設定される。この撮像領域(R)は、本実施形態では冷蔵庫1の外形を前方側に向かって仮想的に拡大した概ね直方体形状に設定されている。この撮像領域(R)は、所定の原点を基準とする仮想的な座標系として設定されている。なお、原点は、例えば冷蔵庫1の前端における上下方向および左右方向の中央等、任意に設定することができる。
【0027】
カメラ9は、撮像領域(R)内の物体であって、自身の視野に入ってきた物品を含む画像を撮像する。具体的には、カメラ9は、この撮像領域(R)に対して、動画のような連続的な画像、あるいは、所定の時間間隔で撮像された複数枚の静止画のような断続的な画像を撮像する。以下、カメラ9が撮像を継続している期間を、撮像期間と称する。
【0028】
冷蔵庫1への物品の出し入れは通常であれば冷蔵庫1の前方側から行われるため、筐体2の上部にカメラ9を配置して撮像領域(R)を連続的あるいは断続的に撮像期間に渡って撮像することにより、冷蔵庫1つまりは貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置情報を求める。ここで、位置情報とは、物品の位置、移動速度、移動方向および移動軌跡等の情報である。なお、位置情報としては、これらの情報のうち少なくともいずれか1つ以上の情報を含むものである。
【0029】
この位置情報は、本実施形態であれば撮像領域(R)の座標系における物品の座標、座標の時間的な変化量や変化方向等により求めることができる。また、本実施形態では2台のカメラ9を設けているので、ステレオグラムで物品を立体的に撮像することができ、貯蔵室に出し入れされる際の位置情報をより正確に取得することができる。
【0030】
さて、ここで、
図5に平面視にて示すように、冷蔵室3の棚板10に物品としてリンゴ(以下、貯蔵物M1と称する)を貯蔵する場合を想定する。このとき、貯蔵物M1は、冷蔵室3の扉が開放された後、例えば人の手によって保持された状態で、冷蔵室3の外部から棚板10上に載置されることになる。つまり、貯蔵物M1を貯蔵する場合等、貯蔵室に対して物品を出し入れする際には、まずいずれかの扉が開放されることになる。
【0031】
そのため、冷蔵庫1は、開扉センサ17によっていずれかの扉例えば冷蔵室3の右扉3bの開放が検知されると、扉の開放が検知された時点を起点としてカメラ9での撮像を開始する。なお、カメラ9での撮像は、扉の閉鎖が検知されるまで、あるいは、扉の閉鎖が検知されてから所定の待機期間が経過するまで継続される。
【0032】
そして、冷蔵庫1は、2台のカメラ9で撮像した画像に基づいて、貯蔵物M1に関する移動軌跡K1や移動速度等の位置情報を求める。このとき、貯蔵物M1の位置情報としては、冷蔵庫1の左右方向への変化だけでなく、冷蔵庫1の高さ方向への変化も求められている。なお、詳細な説明は省略するが、位置情報は、画像中の移動体を抽出し、時間変化に伴う移動体の座標の変化を求めるといった周知の画像処理を実行することにより求めることができる。
【0033】
冷蔵庫1は、貯蔵物M1の移動軌跡K1等の位置情報を求めると、貯蔵物M1が貯蔵された貯蔵室内の場所を推測する処理を実行する。具体的には、冷蔵庫1は、位置情報に基づいて、貯蔵物M1が冷蔵庫1の左右方向および高さ方向のどの位置に移動したかを求める。ここでは、冷蔵室3内の上から2段目の棚板10に貯蔵物M1が貯蔵されたとする。
【0034】
また、冷蔵庫1は、貯蔵物M1がカメラ9の視野から外れた場合には、視野から外れた時点からの経過時間に基づいて、貯蔵物M1が冷蔵庫1の奥行き方向のどの位置に移動したかを推定する処理を実行する。これは、
図2に示したように例えば棚板10の後端側がカメラ9の視野(β)に入っていないためである。
【0035】
具体的には、冷蔵庫1は、貯蔵物M1が視野(β)から奥行き方向に外れた場合、貯蔵物M1が奥行き方向に移動していたときの移動速度と、視野(β)から外れてから手が再び視野(β)内に戻ってくるまでの時間を計測することにより、貯蔵物M1が視野(β)からどの程度奥行き方向に移動したかを推定することができる。
【0036】
そして、冷蔵庫1は、
図5に示すように、貯蔵物M1が配置された場所を推定する。
図5の場合、貯蔵物M1が貯蔵されたと推定される場所を、貯蔵された可能性の高低を示す等高線状の領域X1として示している。この領域X1は、貯蔵された可能性が最も高い位置を中心として、中心からずれるほど可能性が低いことを示している。なお、
図5では、可能性の高低をハッチングの濃淡により模式的に示しており、最もハッチングが濃い部分が最も可能性が高いことを示している。
【0037】
続いて、冷蔵庫1は、貯蔵物M1の画像と、予め用意されている貯蔵室内の画像とを重畳した表示画像G1を生成する処理を実行する。ここで、貯蔵室内の画像は、実際の貯蔵室内を撮像した画像やモデル化したCG画像等により予めデータ化されている。この場合、棚板10の右手奥側に貯蔵物M1が貯蔵されている状態の画像が生成される。
【0038】
一方、冷蔵庫1は、貯蔵物M1の画像について、以下のように取得する。冷蔵庫1は、
図6に示すように、位置情報を求める際に取得した画像から、貯蔵物M1を示す物体画像を抽出する。なお、
図6では、手でリンゴを掴んだ画像から手を削除し、リンゴだけを抽出した状態を模式的に示している。そして、冷蔵庫1は、抽出した物体画像を、予め記憶部15aに記憶されている食材データベース(以下、食材DBと称する)と照合することにより、貯蔵物M1の種類を推定する。この食材DBは、冷蔵庫1に貯蔵される食品が登録されている食品データベース(以下、食品DBと称する)のデータとして、後述する容器DBや記号DBとともに記憶部15a等に記憶されている。
【0039】
食材DBには、各種の食品の形状や色彩等、食品を識別可能な食品画像データが登録されている。例えば、食材DBには、食品Aとしてリンゴ、食品Bとして梨、食品Cとしてトマト、食品Dとして洋梨等が登録されている。これらの食品A~D等は、予めデータ化されている食品に相当する。なお、ここに示した食材DBは一例であり、これらに限定されるものではない。
【0040】
この食品画像データは、3Dデータとして登録することもできる。また、食材DB、および後述する容器DBや記号DBは、記憶部15aに記憶する構成とすることができるし、携帯端末24や外部のサーバ25に記憶する構成とすることもできる。また、食材DBは、主な果物や野菜等を予め登録しておく構成とすることができるし、ユーザによる新規の登録、修正あるいは追加が可能な構成とすることもできる。
【0041】
冷蔵庫1は、これらの食品の中から、貯蔵物M1と同一物であると確率的に推測できる食品を選択し、選択した食品の画像を貯蔵室内の画像に重畳した表示画像G1(
図5参照)を生成する。ここで、確率的に推測できるとは、貯蔵物M1の特注として「赤い」、「丸い」といった特徴が抽出できた場合、リンゴあるいはトマトが同一物であると推測できるが、その「大きさ」からリンゴの可能性が高いと推測するような態様を意味している。
【0042】
これは、従来のように確実に食品を識別しようとする場合、画像処理や食品データベースが複雑化あるいは肥大化したり、カメラ9で詳細に撮像できるように貯蔵する際に余分な動作をユーザに負担させたりする必要があったが、それを開扉して簡便な構成とするためである。すなわち、同一物であると確率的に推測できる食品を選択する構成とすることにより、画像処理や食品データベースが複雑化あるいは肥大化することなく、また、ユーザに余分な負担を掛けることなく、食品の識別を行うことができるようになる。
【0043】
なお、貯蔵物M1を貯蔵したユーザであれば、ある程度どのような食品を貯蔵したかを把握していると考えられる。そのため、例えば赤くて丸い食品を上から2段目の棚板10に貯蔵したことを示せれば、その食品が何であるかをユーザは思い出すことができると考えられることから、同一物であると確率的に推測できる食品を選択する構成としても、それほどユーザに不利益を与えることはないものと考えられる。
【0044】
生成した表示画像G1は、冷蔵庫1に設けられている表示装置14に表示させることもできるが、携帯端末24や外部のサーバ25に表示させることもできる。このとき、冷蔵庫1は、例えば操作パネル8から貯蔵室内の画像の表示が入力されたときに表示装置14に表示画像G1を表示させる。
【0045】
あるいは、冷蔵庫1は、使用者が貯蔵室内の画像を確認しようとして携帯端末24や外部のサーバ25から貯蔵室内の画像の表示を要求したときに、表示画像G1あるいは表示画像G1を表示可能な情報を送信することで、携帯端末24や外部のサーバ25での表示を可能にする。
【0046】
なお、表示画像G1を表示可能な情報とは、例えば上から2段目の棚板10の右奥側にリンゴが貯蔵されたことを特定できる情報である。その情報を受けた携帯端末24や外部のサーバ25は、表示画像G1と同様の画像を自身で生成して自身の表示部に表示する。そのため、ただし、冷蔵庫1は、表示画像G1自体は記憶せず、貯蔵物M1の種類や貯蔵場所の情報を記憶しておき、必要に応じて画像を重畳する構成とすることができる。
【0047】
ところで、ここまでは食品そのものが貯蔵される例を示したが、冷蔵庫1の一般的な利用形態として、食品を容器に収納し、その容器を貯蔵することが想定される。その場合、容器の種類は多種多様であるとともに、同じ容器であっても家庭によって異なる使い方をしていることも想定される。
【0048】
そこで、冷蔵庫1は、
図7に示すように、容器の形状や色彩とその容器に収容されている食品とを対応付けた容器データベース(以下、容器DBと称する)や、容器に添付する記号や文字等とその記号や文字等に食品を対応付けた記号データベース(以下、記号DBと称する)を記憶する構成とすることができる。
【0049】
例えば容器DBには、容器Aとしてご飯を収容する四角い容器、容器Bとしてカレー収容する四角くて蓋が黄色い容器、容器Cとして福神漬け収容する丸くて赤い蓋の容器等が登録されている。なお、
図7では、蓋の色の違いをハッチングの違いにより模式的に示している。
あるいは、記号DBには、記号Aとして浅漬けが収容されていることを示す月マーク、
記号Bとして梅干しが収容されていることを示す星マーク、記号Cとしてかいわれが収容されていることを示す三角マーク等が登録されている。
【0050】
これら容器DBおよび記号DBに登録されている識別情報は、食品の項目を空白の状態で予め登録しておく構成とすることができるし、ユーザによる新規の登録や修正あるいは追加が可能な構成とすることもできる。また、容器DBと記号DBとの双方に一致する貯蔵物の場合には、例えば記号DBとの一致を優先させる等、同一物を判定する際の優先順位を設ける構成とすることができる。
【0051】
さて、冷蔵庫1は、貯蔵物が収容されるごとに識別した貯蔵物の種類や貯蔵場所といった食品の貯蔵状態をデータベース化して記憶するとともに、表示する画像の生成、既に生成した画像の更新、あるいは、画像を表示するための情報の更新等を行う。例えば、
図8に示すように、棚板10の右側に既に物品が例えば貯蔵物M1が貯蔵されている状態において、新たな貯蔵物M2が貯蔵される状態を想定する。ここでは貯蔵物M2として、缶ジュースを想定している。
【0052】
さて、カメラ9で撮像した画像に基づいて、貯蔵物M2の移動軌跡K2が棚板10の右側に向かっていることが特定されたとする。この場合、冷蔵庫1は、貯蔵物M2の位置情報に基づいて、棚板10の右側に、貯蔵物M1の領域X1と重ならないように、新たな領域X2を設定する。なお、
図8では、領域X2が手前側、領域X1が奥側の例を示しているが、領域X2は、貯蔵物M2を貯蔵する際の移動速度と上記した視野(β)から外れた時間に基づいて設定される。
【0053】
そして、冷蔵庫1は、領域X1および領域X2を設定すると、表示する画像を生成する。この場合、表示画像G2としては、棚板10の右手奥側に貯蔵物M1が貯蔵されており、その手前側に貯蔵物M2が貯蔵されている状態の画像が生成される。
【0054】
さて、缶ジュースは、多種多様なものが販売されており、また、新製品等も販売されることから、全ての種類を網羅したデータベースを構築することは現実的ではない。そのため、冷蔵庫1は、貯蔵物M2の画像として、
図8のように円筒状のCG画像を利用することができる。これにより、飲料物が貯蔵されていることをユーザに示すことができる。なお、貯蔵物M2と同一物であると推定できる画像が食品DB等に登録されていれば、その画像を使えば良いことは勿論である。
【0055】
あるいは、冷蔵庫1は、貯蔵物M2の種類を推定できす食品DBの中から選択できなかった場合、あるいは、同一物である可能性が所定の基準値よりも低い場合には、
図9に示すように、円筒状の物品が貯蔵されたことを示す透過画像G3を生成することができる。このような表示態様によっても、飲料物が貯蔵されていることをユーザに示すことができる。なお、基準値は、貯蔵物の画像と食品DBに登録されている画像との一致率が例えば80%以上である等、適宜設定することができる。
【0056】
また、冷蔵庫1は、カメラ9で撮像した画像から貯蔵物M2を抽出し、抽出した画像を重畳した現物画像G4を生成することができる。このような表示態様によっても、飲料物が貯蔵されていることをユーザに示すことができる。この場合、貯蔵物M2の画像そのものが表示されるため、複数種類の缶ジュースが貯蔵されている場合であっても、どのような種類のものが貯蔵されているかを正確にユーザに示すことができる。また、貯蔵物M2の種類を推定できす食品DBの中から選択できなかった場合、あるいは、同一物である可能性が基準値よりも低い場合に、抽出した貯蔵物M2の画像を重畳する構成とすることもできる。
【0057】
また、冷蔵庫1は、容器に収容された貯蔵物M3を検知した場合には、対応する食品を示す文字を重ねた詳細画像G5を生成することができる。このような表示態様によれば、容器だけでなく、その内容物の種類も示すことができきる。また、容器が貯蔵されたことを検知した場合だけでなく、貯蔵物M1のように食品そのものが貯蔵されたことを検知した場合にも、例えば「リンゴ」という文字とともに表示することができる。また、容器に記号が付されている場合には、その記号や対応する食品を示す文字を表示することもできる。
【0058】
さて、ここまでは物品を収容する例を説明したが、冷蔵庫1は、扉の閉鎖が検知されてから所定の待機期間が経過するまでの間に撮像された画像に基づいて、貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置の変化に基づいて、当該物品が貯蔵されていた場所を推測する処理を実行することもできる。
【0059】
例えば、
図9に示すように、貯蔵物M1と貯蔵物M3とが貯蔵されている状態において、例えば貯蔵物M3が冷蔵庫1から取り出されたとする。この場合、扉の開扉が検知されると、カメラ9によってまず何も持っていない手が撮像され、貯蔵室から取り出された物品ここでは貯蔵物M3が撮像される。
【0060】
そのため、冷蔵庫1は、扉の閉鎖等の撮像期間の最後において物品が撮像されている場合、その物品を貯蔵室から取り出されたと判定して物品を識別する。そして、冷蔵庫1は、物品が例えば貯蔵物M3であると識別したら、記憶しているデータベースから貯蔵物M3が貯蔵されていた場所を推定する処理を実行する。このとき、複数の貯蔵物M3が貯蔵されていることも想定されるため、冷蔵庫1は、手の移動軌跡等に基づいて、冷蔵庫1のどの場所から貯蔵物M3が取り出されたかを判定する。
【0061】
そして、冷蔵庫1は、貯蔵物M3を表示画像ここでは
図10に示す更新前の詳細画像G5から貯蔵物M3の画像を除去し、更新後の詳細画像G6を生成または更新する。あるいは、冷蔵庫1は、貯蔵物M3を貯蔵した時に更新されたデータベースから、今回取り出された貯蔵物M3の情報を削除する。
【0062】
この場合、いずれかの貯蔵物が取り出されたことをトリガとして、携帯端末24や外部のサーバ25に物品が取り出されたことを通知したり、物品が取り出された後の貯蔵室内の画像を送信あるいは表示させたりすることができる。
【0063】
以上説明した冷蔵庫1によれば、次のような効果を得ることができる。
冷蔵庫1は、1つ以上の貯蔵室(3~7)が設けられている筐体2と、筐体2の上部側に設けられ、貯蔵室の前方の範囲(R)を撮像する撮像部としてのカメラ9と、貯蔵室の扉(3a~7a)の開閉を検知する開閉検知部としての開扉センサ17と、開扉センサ17により扉の開放が検知された時点を起点としてカメラ9で撮像を開始し、撮像した画像に基づいて貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置情報を求め、求めた位置情報に基づいて当該物品が貯蔵された場所を推測する処理を実行する制御部15と、を備える。
【0064】
これにより、少数のカメラ9を用いて、また、位置が固定されているカメラ9を用いて、冷蔵庫1の前方の範囲つまりは冷蔵庫1に出し入れされる物品が移動する範囲を全体的且つ簡易な構成で撮像することができ、カメラ9の台数の削減と、死角が生じるおそれの低減とを両立させることができる。したがって、貯蔵室内の物品の位置を簡易な構成で把握することができる。
【0065】
このとき、カメラ9は筐体2の上部、つまりは,貯蔵室の外に設けられている。このため、レンズの結露が生じにくく、冷蔵庫1に出し入れされる物品をクリアに撮像できる。また、冷蔵庫1に出し入れされる物品を撮像する場合には部屋の照明や日光等の外部光源を利用できるため、庫内照明を撮像用に高輝度のものにする必要もない。
【0066】
冷蔵庫1は、カメラ9で撮像した物品の画像に基づいて、予めデータ化した食品が登録されている食品DBの中から貯蔵された物品と同一物であると確率的に推測できる食品を選択し、選択した食品の画像を、予めデータ化されている貯蔵室内の画像に重畳して表示部に表示する処理を実行する。
【0067】
これにより、貯蔵室内の状況を容易に把握することができる。また、確率的に推測できた食品を選択する構成としたことにより、画像処理や食品DBが複雑化あるいは肥大化することなく、また、ユーザに余分な負担を掛けることなく、食品の識別を行うことができるようになる。
【0068】
また、冷蔵庫1は、食品を選択することができなかった場合、または、選択した食品と同一物である確率が所定の基準値よりも低い場合、画像を重畳する際に食品の画像を透過させる、あるいは、食品の画像を相対的に暗くすることにより、同一物ではない可能性を識別可能に報知する処理を実行する。これにより、おおよその貯蔵物を提示可能になるとともに、不確実な情報を誤って提示してしまうことを抑制できる。
【0069】
冷蔵庫1は、カメラ9で撮像した物品の画像を、貯蔵室内の画像に重畳して表示部に表示する処理を実行する。これにより、どのような食品が貯蔵されているかを正確にユーザに示すことができる。これは、貯蔵物M2の種類を推定できす食品DBの中から選択できなかった場合、あるいは、同一物である可能性が基準値よりも低い場合において有意である。
【0070】
冷蔵庫1は、食品と、当該食品を収容する容器の形状、色彩、文字および記号のうち少なくとも1つを含む識別情報とを予め対応付けて記憶する記憶部15aを備え、識別情報に基づいて食品を識別する。これにより、容器に収容されて食品を判別できない場合や、同一形状の容器を用いるような場合であっても、食品の種類を報知することができる。
【0071】
冷蔵庫1は、貯蔵室に出し入れされる際の物品の位置の変化に基づいて当該物品が貯蔵されていた場所を推測する処理を実行する。つまり、冷蔵庫1は、貯蔵室に貯蔵される物品だけでなく、貯蔵室から取り出された物品も検出する。これにより、データとして記憶する貯蔵室内の状況を現実に即したものに維持することができる。
【0072】
冷蔵庫1は、貯蔵室から取り出された物品を特定し、当該物品が貯蔵された際に生成された画像から当該物品の画像を除去する。これにより、ユーザに対して実際の貯蔵室内の状況を提示することができる。
また、冷蔵庫1は、上記した実施形態で示した構成に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲において適宜構成を変更することができる。
【0073】
実施形態では本説明では2台のカメラ9で位置情報を求める例を示したが、例えば1台のカメラ9を用い、焦点距離に基づいて位置情報を求める構成とすることもできる。また、カメラ9と赤外線距離計等とを設け、撮像と距離つまりは位置の計測とを個別に行う構成とすることもできる。
【0074】
実施形態では扉の開放を検知したタイミングで撮像を開始する構成を示したが、例えば冷蔵庫1の前に居る人を検知する人検知センサを設け、人検知センサにて人を検知したタイミングで撮像を開始する構成とすることもできる。この場合、人検知センサは、例えば操作パネル8に設けておき、人を検知した際に照光式の静電スイッチや表示領域を点灯させて操作を補助する機能と兼用する構成とすることができる。
【0075】
実施形態では貯蔵物が貯蔵される場所を推定して貯蔵室内の画像を表示する例を示したが、推定した場所は、より快適な冷蔵庫1の利用にも活用することができる。冷蔵庫1は、例えば冷蔵室3であればどの場所にどのような食品を貯蔵すればよいのかといった推奨の配置が設定されていることがある。また、冷蔵庫1は、一般的に、位置が固定されている冷気の出入り口から冷気を循環させる構成となっている。
【0076】
そのため、貯蔵される食品を識別し、その食品が推奨とは異なる場所に貯蔵されると推定した場合には報知部等から推奨の場所をユーザに報知したり、冷気の出入口付近に貯蔵されると推定した場合にはその場所を避けるようにユーザに報知したりすることで、食品の鮮度の維持や貯蔵室内の均等な冷却を実現することができる。
【0077】
また、冷蔵室や野菜室に貯蔵される物品は、種類にもよるものの貯蔵室内よりも温度が高いと考えられるため、物品の大きさに基づいて冷凍サイクルの運転を制御することにも活用することができる。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
図面中、1は冷蔵庫、2は筐体、3は冷蔵室(貯蔵室)、3aは左扉(扉)、3bは右扉(扉)、4は野菜室(貯蔵室)、4aは野菜室扉(扉)、5は製氷室(貯蔵室)、5aは製氷室扉(扉)、6は小冷凍室(貯蔵室)、6aは小冷凍室扉(扉)、7は大冷凍室(貯蔵室)、7aは大冷凍室扉(扉)、9はカメラ(撮像部)、14は表示装置(表示部)、14aは表示器(表示部)、14bは外部記憶部(記憶部)、15は制御部、15aは記憶部、16は通信装置(通信部)、17、17a~17dは開扉センサ(開閉検知部)、24は携帯端末(表示部、記憶部)、25はサーバ(表示部、記憶部)、容器DB、記号DB、食材DB、食品DBは食品データベースを示す。