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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/32 20060101AFI20230118BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20230118BHJP
   A47L 9/22 20060101ALI20230118BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
A47L9/32 B
A47L5/24 A
A47L9/22
A47L9/28 Q
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018553782
(86)(22)【出願日】2017-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2017041465
(87)【国際公開番号】W WO2018101085
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-08-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2016232007
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】及川 真愛
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】関口 哲生
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-173966(JP,A)
【文献】実開昭63-62048(JP,U)
【文献】特開2015-6304(JP,A)
【文献】特開昭64-40019(JP,A)
【文献】特開2016-137164(JP,A)
【文献】特開2001-149284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L5/24
A47L5/28
A47L9/28
A47L9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に並ぶ吸込口体、集塵部、および電動送風機と、
前記吸込口体、前記集塵部、および前記電動送風機の並びの延長上に延びる棒体と、
前記棒体に収容され、直線状に並ぶ複数の二次電池と、
前記棒体に外嵌めされ、前記棒体に沿って前記二次電池が収容されている領域を移動可能な把手部と、を備える電気掃除機。
【請求項2】
前記電動送風機の回転軸と前記棒体の中心線とが実質的に直線的に配置されている請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記棒体と前記把手部との間には隙間が生じている請求項1または2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記複数の二次電池は、前記棒体の一部の個所に並んでいる請求項1から3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記電動送風機の回転軸と前記棒体のうち前記複数の二次電池を収容する部分の中心線と前記棒体のうち前記複数の二次電池を非収容の部分の中心線とが実質的に直線的に配置されている請求項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記電動送風機を収容する本体ケースと、
伸縮可能な延長管と、を備え、
前記延長管、前記本体ケース、前記棒体は、順に並び、
前記延長管の中心と前記電動送風機の回転軸と前記棒体の中心線とが実質的に直線的に配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記把手部に設けられ、前記電動送風機の運転指示と停止指示とを入力可能な入力部を備える請求項1からのいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項8】
記本体ケースに収容され、前記電動送風機の運転を制御する制御部と、
前記把手部に設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線送信する送信部と、
前記本体ケースに設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線受信し、前記制御部に伝える受信部と、を備える請求項に記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記電動送風機を収容する筒形の本体ケースを備え、
前記本体ケースの外形寸法は、前記棒体の外形寸法よりも大きい請求項1から5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
ホースと、ホースに接続される延長管と、延長管に摺動可能に設けられる把手部と、を備えるキャニスター型(床移動型)の電気掃除機が知られている。
【0003】
また、二次電池を内蔵したコードレス型の電気掃除機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-219995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カーテンや家具の天面のような高所を掃除する際、使用者は、延長管を伸縮させて長さを調整し、掃除したい場所へ吸込口体を差し向ける。
【0006】
しかしながら、使用者が手に握る把手部から吸込口体までの長さを伸縮させるために、吸込口体に最も近い延長管のみを伸縮可能な構造、例えばテレスコピック構造にすることは、把手部から吸込口体までの部位の重心を、より吸込口体側に近づける。つまり、把手部から吸込口体までの部位の重心は、把手部から遠ざかる。重心が把手部から遠いほど、高所へ向けて取り扱うことが難しくなり、利便性を低下させる。
【0007】
そこで、本発明は、高所へ向けて取り扱いやすい電気掃除機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除機は、順に並ぶ吸込口体、集塵部、および電動送風機と、前記吸込口体、前記集塵部、および前記電動送風機の並びの延長上に延びる棒体と、前記棒体に収容され、直線状に並ぶ複数の二次電池と、前記棒体に外嵌めされ、前記棒体に沿って前記二次電池が収容されている領域を移動可能な把手部と、を備えている。
【0009】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機の回転軸と前記棒体の中心線とが実質的に直線的に配置されていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記把手部に設けられ、前記電動送風機の運転指示と停止指示とを入力可能な入力部を備えていることが好ましい。
【0011】
さらにまた、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機を収容する本体ケースと、前記本体ケースに収容され、前記電動送風機の運転を制御する制御部と、前記把手部に設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線送信する送信部と、前記本体ケースに設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線受信し、前記制御部に伝える受信部と、を備えていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記棒体に収容され、直線状に並ぶ複数の二次電池を備えていることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機の回転軸と前記棒体の中心線とが実質的に直線的に配置されていることが好ましい。
【0014】
さらにまた、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記棒体と前記把手部との間には隙間が生じていることが好ましい。
【0015】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機の前記複数の二次電池は、前記棒体の一部の個所に並んでいることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機の回転軸と前記棒体のうち前記複数の二次電池を収容する部分の中心線と前記棒体のうち前記複数の二次電池を非収容の部分の中心線とが実質的に直線的に配置されていることが好ましい。
【0017】
さらにまた、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機を収容する本体ケースと、伸縮可能な延長管と、を備え、前記延長管、前記本体ケース、前記棒体は、順に並び、前記延長管の中心と前記電動送風機の回転軸と前記棒体の中心線とが実質的に直線的に配置されていることが好ましい。
【0018】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記把手部に設けられ、前記電動送風機の運転指示と停止指示とを入力可能な入力部を備えていることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機を収容する本体ケースと、前記本体ケースに収容され、前記電動送風機の運転を制御する制御部と、前記把手部に設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線送信する送信部と、前記本体ケースに設けられ、前記運転指示と前記停止指示を無線受信し、前記制御部に伝える受信部と、を備えていることが好ましい。
【0020】
さらにまた、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記電動送風機を収容する筒形の本体ケースを備え、前記本体ケースの外形寸法は、前記棒体の外形寸法よりも大きいことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る電気掃除機の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る電気掃除機の断面図。
図3】本発明の実施形態に係る電気掃除機の使用状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る電気掃除機の実施形態について図1から図3を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の斜視図である。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の断面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、いわゆるスティック型である。電気掃除機1は、吸込口5を有する吸込口体6と、伸縮可能な延長管7と、筒形の掃除機本体11と、電池収納筒体12と、把手部13と、を備えている。また、電気掃除機1は、二次電池15を有するコードレス型である。
【0029】
なお、図2の電気掃除機1は、吸込口体6および延長管7が取り外されている。
【0030】
吸込口体6、延長管7、掃除機本体11、電池収納筒体12、および把手部13は、いずれも細長く、延伸方向が一致している。なお、吸込口体6、延長管7、掃除機本体11、電池収納筒体12、および把手部13の延伸方向は、一直線に並んでいても良いし、平行にずれていても良い。また、吸込口体6側の電気掃除機1の端を電気掃除機1の前端とし、把手部13側の電気掃除機1の端を電気掃除機1の後端とする。
【0031】
掃除機本体11は、吸込口体6、延長管7、電池収納筒体12、および把手部13よりも外径が大きく、電気掃除機1のうち最も外径の大きい部位である。掃除機本体11は、延長管7が着脱自在に接続される本体接続口18と、本体ケース19と、本体ケースに収容される集塵部21、電動送風機22、および制御部23と、を備えている。
【0032】
本体接続口18は、延長管7を着脱可能な継手構造を有している。本体接続口18は、電気掃除機1の延伸方向に延び、本体ケース19に固定されている。本体接続口18は、掃除機本体11の流体的な入口である。本体接続口18は、延長管7と集塵部21とを流体的に接続している。本体接続口18は、延長管7を取り外すことによって、掃除機本体11を単体で使用する際の吸込口としても機能する。
【0033】
本体ケース19は、集塵部21および電動送風機22を収容する筒部19aと、筒部19aに連接し、電気掃除機1の後端へ向かって縮径するテーパ部19bと、テーパ部19bに連接する電池収納筒体固定部19cと、を備えている。
【0034】
筒部19aは、実質的に一様な外径を有している。筒部19aは、電気掃除機1の最大径をなしている。
【0035】
テーパ部19bは、電動送風機22の排気を本体ケース19外へ流出させる複数の排気口25を有している。排気口25は、テーパ部19bの延伸方向に延びるスリット形の開口である。
【0036】
集塵部21は、本体ケース19の前端部に配置され、かつ本体接続口18に流体的に接続されている。集塵部21は、本体ケース19の径方向へ着脱可能に装着されている。集塵部21は、掃除機本体11に流れ込む、塵埃を含んだ空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機22へ送る。集塵部21は、遠心分離方式であっても良いし、濾過分離方式であっても良い。
【0037】
電動送風機22は、集塵部21から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。電動送風機22の回転軸22aは、電気掃除機1の延伸方向に延びている。電動送風機22の回転軸22aは、実質的に本体ケース19の筒部19aの中心線に沿って配置されている。電動送風機22は、二次電池15に蓄えられた電力によって駆動される。
【0038】
制御部23は、本体ケース19の筒部19aとテーパ部19bとの境界部分に配置されている。制御部23は、電動送風機22の排気に晒される。制御部23は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードを記憶している。予め設定される複数の運転モードは、電動送風機22の運転出力の大小に関連付けられている。
【0039】
電池収納筒体12は、実質的に一様な外径の管、または棒である。電池収納筒体12は、二次電池15の保持と保護、また電気掃除機1の自重を支えることが可能な剛性を有している。電池収納筒体12の後端部は、二次電池15が抜け出さないよう閉じられている。
【0040】
吸込口体6、延長管7、集塵部21、および電動送風機22は、この順に並んでいる。また、電池収納筒体12は、吸込口体6、延長管7、集塵部21、および電動送風機22の並びの延長上(並びの延長方向)に延びている。
【0041】
電池収納筒体12の中心線は、本体ケース19の筒部19aの中心線に実質的に一致している。つまり、電動送風機22の回転軸と電池収納筒体12の中心線とは、実質的に直線的、または同一線上に配置されている。
【0042】
二次電池15は、例えば円筒型リチウムイオン電池である。二次電池15は複数あり、電池収納筒体12に収容されている。複数の二次電池15は、電池収納筒体12内に直線状に並べられている。複数の二次電池15は、電池収納筒体12の全長に渡って並んでいても良い。複数の二次電池15は、電池収納筒体12の長手方向(延伸方向)における一部の個所に並んでいても良い。例えば、複数の二次電池15は、掃除機本体11側に集中していても良いし、電池収納筒体12の末端側(自由端側、掃除機本体11から見て遠い側の端部側)に集中していても良い。複数の二次電池15は、電池収納筒体12の長手方向(延伸方向)における中央部に集中していても良い。複数の二次電池15は、電池収納筒体12の長手方向(延伸方向)に飛び飛びに並んでいても良い。電池収納筒体12のうち複数の二次電池15を収容する部分の中心線と電池収納筒体12のうち複数の二次電池15を非収容の部分の中心線とは、実質的に直線的に配置されている。電池収納筒体12の内径は、二次電池15の外径よりも若干大きい。二次電池15の充電端子(図示省略)は、掃除機本体11の適宜の箇所、例えば電池収納筒体固定部19cの根元に設けられる。
【0043】
把手部13は、電池収納筒体12に外嵌めされ、電池収納筒体12に沿って移動できる。把手部13は、適宜の摩擦力によって位置決めされている。つまり、把手部13は、電池収納筒体12に接触して適宜の摩擦力を生じる一方で、把手部13と電池収納筒体12とは適宜に離間して把手部13と電池収納筒体12との間に適宜の隙間を生じている。なお、電気掃除機1は、把手部13を電池収納筒体12に固定するロック機構(図示省略)を備えていても良い。
【0044】
把手部13には、電動送風機22の運転指示と停止指示とを入力可能な入力部26が設けられている。入力部26は、把手部13を握った使用者が、その手指で操作可能な位置に設けられている。入力部26は、電動送風機22の運転開始操作が入力される運転開始スイッチ26aと、電動送風機22の運転停止操作が入力される運転停止スイッチ26bと、を備えている。
【0045】
電気掃除機1の使用者は、入力部26を操作して電動送風機22の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ26aは、電動送風機22の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能する。制御部23は、運転開始スイッチ26aから操作信号が入力される度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部26は、運転開始スイッチ26aに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
【0046】
複数の運転モードは、電動送風機22の運転出力の大小に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機22の入力値)が予め設定されている。制御部23は、入力部26に入力される操作に応じて、その操作内容に対応する任意の運転モードを複数の運転モードから択一的に選択し、設定内容を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定内容にしたがって電動送風機22を制御する。
【0047】
また、電気掃除機1は、把手部13に設けられ、運転指示と停止指示を無線送信する送信部28と、本体ケース19に設けられ、運転指示と停止指示を無線受信し、制御部23に伝える受信部29と、を備えている。
【0048】
送信部28および受信部29は、例えば電波や光によって無線通信を行う。光、例えば赤外線を用いる場合には、送信部28および受信部29は、把手部13の位置に係わらず通信可能なように、電気掃除機1の周方向において同位相に配置され対向していることが好ましい。また、送信部28および受信部29は、把手部13を握る使用者の手に邪魔されないよう配置されていることが好ましい。例えば、送信部28は、把手部13の前端部に配置され、受信部29は、本体ケース19の後端部に配置される。
【0049】
延長管7および吸込口体6は、電動送風機22から作用する負圧によって、被掃除物、例えば床面、家具、およびカーテンに付着する塵埃を空気とともに吸い込んで掃除機本体11へ案内する。
【0050】
複数の筒体を重ね合わせたテレスコピック構造の延長管7は、伸縮可能な管である。延長管7は、本体ケース19の本体接続口18および集塵部21を介して電動送風機22の吸込側に流体的に接続されている。延長管7の一方の端部には、本体接続口18に着脱可能な継手構造が設けられている。延長管7の他方の端部には、吸込口体6を着脱可能な継手構造が設けられている。延長管7は多段階、例えば三段階に伸縮できる。延長管7は、各段に伸張状態または短縮状態の固定とその解除とを行うロック機構31を備えている。
【0051】
吸込口体6は、例えば家具の隙間やベッドの下などの狭隘な掃除箇所や、いわゆる冷暖房機のような空気調和装置の室内機の上面のような高所にある目視困難な掃除箇所を掃除する用途に適している。吸込口体6は、吸込口5を有する長手形状の吸込体35と、吸込体35に流体的に接続される管部36と、管部36の途中にある関節37、38と、関節37、38のそれぞれを適宜の回転角度毎に複数の箇所で位置決め可能な位置決機構41、42と、を備えている。管部36は、延長管7に着脱可能な継手構造を有している。
【0052】
電気掃除機1は、電動送風機22が停止している状態で運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機22を始動させる。電気掃除機1は、運転開始スイッチ26aが操作されると、先ず電動送風機22を強運転モードで運転し、再び運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機22を中運転モードで運転し、三度、運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機22を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に電動送風機22への入力値が小さい。始動した電動送風機22は、集塵部21から空気を排気してその内部を負圧にする。
【0053】
集塵部21内の負圧は、本体接続口18、延長管7、および吸込口体6を順次に通じて吸込口5に作用する。電気掃除機1は、吸込口5に作用した負圧によって、被掃除面物に付着する塵埃を空気とともに吸い込む。集塵部21は、電気掃除機1に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機22へ送る。電動送風機22は、集塵部21から吸い込んだ空気を掃除機本体11外へ排気する。
【0054】
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の使用状態の一例を示す図である。
【0055】
図3に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、把手部13を電池収納筒体12の後端部に移動させることによって、例えば高所の掃除を行うことができる。
【0056】
なお、空気調和機の室内機ieの天面の高さは、高さ約2メートルの掃き出し窓の上方に若干の距離(約10センチメートル)を隔てて高さ約25センチメートルから約30センチメートルの室内機を配置した場合、すなわち約2メートル35センチメートルから約2メートル40センチメートルを想定している。
【0057】
本実施形態に係る電気掃除機1は、順に並ぶ吸込口体6、延長管7、集塵部21、および電動送風機22と、吸込口体6、延長管7、集塵部21、および電動送風機22の並びの延長上(並びの延長方向)に延びる電池収納筒体12と、電池収納筒体12に収容され、直線状に並ぶ複数の二次電池15と、電池収納筒体12に外嵌めされ、電池収納筒体12に沿って移動可能な把手部13と、を備えている。つまり、電気掃除機1は、二次電池15の収納領域(電池収納筒体12)を電気掃除機1の全長を延ばすために活用し、かつ把手部13の近傍に二次電池15の重量を集中させる。そのため、電気掃除機1は、高所へ向けて取り扱いやすく、かつ、より遠方へ吸込口体6を差し向けることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る電気掃除機1は、電動送風機22の回転軸と電池収納筒体12の中心線とが実質的に直線的または同一線上に配置されている。そのため、電気掃除機1は、電動送風機22の運転による電気掃除機1の径方向における振動の発生を抑制し、取り扱いやすさを向上させる。
【0059】
さらに、本実施形態に係る電気掃除機1は、把手部13に設けられ、電動送風機22の運転指示と停止指示とを入力可能な入力部26を備えている。そのため、電気掃除機1は、把手部13を電池収納筒体12の後端部に移動させ、電気掃除機1の全長を伸張させた状態であっても、入力部26の手元操作を提供できる。
【0060】
さらにまた、本実施形態に係る電気掃除機1は、把手部13に設けられる送信部28と、本体ケース19に設けられる受信部29と、を備えている。そのため、通信用の有線を必要とせず、また通信線を保護するための構造を必要としない。つまり電気掃除機1は、より軽量化される。
【0061】
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、高所へ向けて取り扱いやすい。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…電気掃除機、5…吸込口、6…吸込口体、7…延長管、11…掃除機本体、12…電池収納筒体、13…把手部、15…二次電池、18…本体接続口、19…本体ケース、19a…筒部、19b…テーパ部、19c…電池収納筒体固定部、21…集塵部、22…電動送風機、22a…回転軸、23…制御部、25…排気口、26…入力部、26a…運転開始スイッチ、26b…運転停止スイッチ、28…送信部、29…受信部、31…ロック機構、35…吸込体、36…管部、37、38…関節、41、42…位置決機構。
図1
図2
図3