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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-18
(45)【発行日】2023-01-26
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/16 20060101AFI20230119BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A47L9/16
A47L5/24 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019101211
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020192245
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】大下 悟
(72)【発明者】
【氏名】市野 雄之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真大
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/133542(WO,A1)
【文献】特表2016-522052(JP,A)
【文献】特開2015-173673(JP,A)
【文献】特開2017-189453(JP,A)
【文献】特開2018-015410(JP,A)
【文献】実開平01-145351(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/16
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機と、
この電動送風機の動作により吸い込まれた含塵空気から塵埃の少なくとも一部を遠心分離する集塵部と、を備え、
前記集塵部は、前記含塵空気が導入される導入口と、塵埃が分離された空気を排出する排気口と、を有し、軸方向の両端間に前記導入口が位置し、遠心分離された塵埃を軸方向の一端側に溜めるとともに、軸方向の他端側に前記排気口が位置し、
前記電動送風機の軸方向と前記集塵部の軸方向とは、前記電動送風機に対し前記集塵部側の位置で交差し、
前記集塵部の前記排気口側に前記電動送風機の吸込側が位置し、
前記電動送風機の少なくとも一部は、前記集塵部の軸方向の投影内に位置する
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記電動送風機の中心軸は、前記集塵部の軸方向に対し前記集塵部の前記排気口の位置で交差する
ことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記電動送風機に給電する電池を備え、
前記電池の少なくとも一部は、前記集塵部の軸方向の投影内に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記電動送風機と前記電池とは、前記集塵部の軸方向と交差する方向で互いにオーバーラップする位置に配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の電気掃除機。
【請求項5】
掃除操作用の把持部を備え、
前記把持部は、前記集塵部と前記電動送風機及び前記電池とに跨る位置に配置されている
ことを特徴とする請求項3又は4記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記把持部は、前記電動送風機を挟み前記電池と反対側に配置されている
ことを特徴とする請求項5記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動送風機と集塵部とを備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スティック型の電気掃除機は、掃除機本体に設けられた把持部を使用者が把持して使用する。掃除機本体には、電動送風機、電池、集塵部等の重量物が配置されている。従来、集塵部と電動送風機とを上下に並んで配置するとともに、集塵部の軸方向に対して電動送風機の軸方向を傾けることで、重量バランスを取るものがある。しかしながら、この配置の場合には、集塵部から電動送風機に吸い込まれる風路が複雑に屈曲することから、吸引効率を向上することが容易でない。吸引効率を向上する場合、集塵部と電動送風機とを同軸上に配置し、風路を直線に近づけることが好ましい。しかしながら、この配置の場合には、重量物が長手方向に延びて配置されることから、重量バランスが悪く、小型化が容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3209631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、吸引効率を確保しつつ、重量バランスを取り、小型化が可能な電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電気掃除機は、電動送風機と、集塵部と、を備える。集塵部は、電動送風機の動作により吸い込まれた含塵空気から塵埃の少なくとも一部を遠心分離する。集塵部は、含塵空気が導入される導入口と、塵埃が分離された空気を排出する排気口と、を有し、軸方向の両端間に導入口が位置し、遠心分離された塵埃を軸方向の一端側に溜めるとともに、軸方向の他端側に排気口が位置する。電動送風機の軸方向と集塵部の軸方向とは、電動送風機に対し集塵部側の位置で交差する。集塵部の排気口側に電動送風機の吸込側が位置する。集塵部の軸方向の投影内に電動送風機の少なくとも一部が位置している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の電気掃除機を示す断面図である。
図2】同上電気掃除機を示す平面図である。
図3】同上電気掃除機を示す斜視図である。
図4】第2の実施形態の電気掃除機を示す断面図である。
図5】第3の実施形態の電気掃除機を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0008】
図3において、VCは電気掃除機である。電気掃除機VCは、使用者が把持して動作させ、被掃除面上の塵埃を掃除する。本実施形態では、電気掃除機VCとして、スティック型のコードレス電気掃除機を例に挙げて説明する。以下、説明をより明確にするために、使用者が電気掃除機VCを把持した状態で、使用者から遠い側の端部を一端部、使用者に近い側の端部を他端部とする。スティック型の電気掃除機VCは、一端部から他端部に亘り長手状に形成されている。以下、両端方向又は長手方向を第一方向とする。また、第一方向に対して直交する両側方向又は幅方向を第二方向とする。さらに、第一方向及び第二方向に対して直交する方向を第三方向とする。図3等において、第一方向の一方又は一端側を矢印D1aで示し、第一方向の他方又は他端側を矢印D1bで示す。また、第二方向の一方を矢印D2aで示し、第二方向の他方を矢印D2bで示す。また、第三方向の一方を矢印D3aで示し、第三方向の他方を矢印D3bで示す。
【0009】
図1に示すように、電気掃除機VCは、掃除機本体1を備えている。掃除機本体1は、吸込部10を備えている。吸込部10は、延長管や吸込口体等の風路体が接続可能な部分である。吸込部10は、掃除機本体1の一端部に位置している。吸込部10は、筒状に形成されている。吸込部10は、第一方向の一方に向かい、第三方向の他方へと傾斜している。また、吸込部10の一端部又は先端部には、本体吸込口101が形成されている。本体吸込口101は、掃除機本体1の最先端に位置する。本体吸込口101は、第一方向の一方に向かい、第三方向の他方へと傾斜する方向に開口されている。吸込部10の内部には、本体吸込口101と連通して吸込風路102が形成されている。吸込風路102の上流端が本体吸込口101となっている。また、吸込風路102の下流端は、接続開口部103となっている。接続開口部103は、集塵部2と接続される。
【0010】
また、掃除機本体1は、筐体12を備えている。筐体12は、掃除機本体1の他端部に位置している。筐体12は、第一方向に沿って形成されている。筐体12は、吸込部10に対して、第一方向の他方側、かつ、第三方向の他方側に離れて位置している。筐体12の第一方向の一方側、かつ、吸込部10の第三方向の他方側に集塵部2が取り付けられる。また、筐体12には、電動送風機3、電池4、及び、制御手段5が配置される。さらに、筐体12の一端部又は先端部には、接続口121が形成されている。接続口121は、第一方向に沿って開口されている。接続口121は、集塵部2と接続される。筐体12の内部には、接続口121と連通して風路部122が形成されている。風路部122の上流端が接続口121となっている。風路部122に電動送風機3が配置される。また、風路部122の下流端は、図3に示す本体排気口123となっている。
【0011】
さらに、図1に示すように、掃除機本体1は、掃除操作用の把持部14を備えている。把持部14は、吸込部10から筐体12に亘り形成されている。本実施形態において、把持部14は、一端側が吸込部10に接続されている。また、把持部14は、他端側が筐体12に接続されている。把持部14は、電動送風機3と集塵部2とに跨る位置に配置されている。本実施形態において、把持部14は、電動送風機3と集塵部2及び電池4とに跨る位置に配置されている。把持部14の一端側は、吸込部10と連なっている。把持部14の他端側には、電動送風機3が位置する。把持部14は、電動送風機3を挟み電池4と反対側に配置されている。第三方向に見て、把持部14、電動送風機3、電池4の順に並んで配置されている。また、把持部14は、第一方向に沿って長手状に延びている。把持部14には、電動送風機3等の動作を設定する設定手段141が配置されている。設定手段141は、制御手段5に対し、設定に応じた信号を送出する。
【0012】
掃除機本体1には、集塵部2が着脱可能に取り付けられる。集塵部2は、電動送風機3の動作により吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離捕集する。集塵部2は、重量物である。また、集塵部2は、遠心分離部を備え、吸い込まれた含塵空気を旋回させて塵埃の少なくとも一部を遠心分離する。集塵部2は、円筒状に形成されている。集塵部2は、軸方向を第一方向に沿わせて配置されている。集塵部2は、掃除機本体1に取り付けられた状態で、軸方向の一端側が第一方向の一方側に位置し、軸方向の他端側が第一方向の他方側に位置する。また、集塵部2は、掃除機本体1に取り付けられた状態で、掃除機本体1の吸込部10に対し第三方向の他方側に位置し、筐体12に対し第一方向の一方側に位置している。集塵部2の中心軸21は、遠心分離部の旋回の中心軸、又は、円弧状に複数配置された遠心分離部の配置の中心軸とする。集塵部2は、掃除機本体1に取り付けられた状態で、中心軸21が本体吸込口101の中心軸105と交差する。集塵部2は、掃除機本体1に取り付けられた状態で、中心軸21が、把持部14とは反対側の位置で本体吸込口101の中心軸105と交差する。つまり、集塵部2の中心軸21は、第一方向の一方側に延ばした位置で、本体吸込口101の中心軸105と交差する。
【0013】
また、集塵部2は、含塵空気を集塵部2の内部に吸い込む導入口23を備えている。導入口23は、集塵部2の軸方向に対し交差する方向に含塵空気を吸い込む。導入口23は、集塵部2の一端側に配置されている。導入口23は、集塵部2が掃除機本体1に取り付けられた状態で第三方向に沿って開口される。導入口23は、吸込風路102の下流側に接続される。導入口23は、接続開口部103と接続される。つまり、集塵部2の上流側に本体吸込口101が連通される。
【0014】
さらに、集塵部2は、塵埃が分離された排気を集塵部2から排出する排気口24を備えている。排気口24は、集塵部2の軸方向に沿って空気を排出する。排気口24は、集塵部2の他端側に配置されている。排気口24は、集塵部2が掃除機本体1に取り付けられた状態で第一方向に沿って開口される。排気口24は、接続口121と接続される。つまり、集塵部2の下流側に風路部122が連通される。集塵部2の下流側は、電動送風機3の吸込側に接続される。
【0015】
本実施形態において、集塵部2は、塵埃を溜める容器であるカップ部26を備えている。また、集塵部2は、カップ部26に取り付けられる取付部27を備えている。カップ部26と取付部27とは、集塵部2の軸方向に互いに着脱される。カップ部26は、集塵部2の一端部を構成する。取付部27は、集塵部2の他端部を構成する。カップ部26の側面に導入口23が形成されている。取付部27のカップ部26とは反対側の端部に排気口24が形成されている。
【0016】
さらに、本実施形態において、集塵部2は、掃除機本体1に取り付けられた状態で、一端部が本体吸込口101に対し把持部14側にある。
【0017】
掃除機本体1には、電動送風機3が収容されている。電動送風機3は、重量物である。本実施形態において、電動送風機3は、集塵部2よりも軽量となっている。電動送風機3は、吸込側が接続口121と連通し、排気側が図3に示す本体排気口123と連通する。また、図1に示すように、電動送風機3は、電動部31を備えている。さらに、電動送風機3は、電動部31により回転されるファン32を備えている。電動送風機3は、吸い込んだ空気を、電動部31を通して図3に示す本体排気口123から排出するようになっている。図1に示すファン32は、電動部31に対し、上流側にあってもよいし、下流側にあってもよい。
【0018】
電動送風機3は、軸方向を第一方向に沿わせて配置されている。第一方向は、図1の左右方向である。電動送風機3の軸方向は、集塵部2の軸方向に対して所定の角度で傾斜している。一例として、この傾斜角度は、20°に設定されている。本実施形態において、電動送風機3の軸方向は、第一方向に対し、第三方向に傾斜している。第三方向は、図1の上下方向である。電動送風機3の軸方向は、集塵部2の軸方向に対して、電動送風機3の第一方向の一方側で交差する。第一方向の一方は、図1の左方向である。電動送風機3の軸方向は、集塵部2の軸方向に対し、電動送風機3から見て集塵部2側の位置で交差する。電動送風機3の軸方向は、第一方向の一方に向かい、第三方向の他方へと傾斜している。第三方向の他方は、図1の下方向である。また、電動送風機3は、吸込側が集塵部2側に位置している。電動送風機3は、吸込側が第一方向の一方に向けて配置されている。なお、電動送風機3の軸方向は、第一方向に対し、図3に示す第二方向に傾斜していてもよい。
【0019】
図1に示す電動送風機3の中心軸34は、電動部31又はファン32の回転軸の中心である。電動送風機3の中心軸34は、集塵部2の中心軸21に対して交差している。また、電動送風機3は、集塵部2の軸方向の投影PR内に少なくとも一部が位置するように配置されている。集塵部2の軸方向の投影PRとは、集塵部2を軸方向に見た状態での最外部の範囲を、集塵部2の軸方向に沿って延ばした領域をいう。電動送風機3の中心軸34は、集塵部2の軸方向に対し集塵部2の排気口24の位置で交差する。電動送風機3の吸込側は、集塵部2の排気口24の投影内に少なくとも一部が位置する。本実施形態において、電動送風機3の吸込側の全体が、集塵部2の排気口24の投影内に位置する。また、電動送風機3は、集塵部2の中心軸21に対し、第三方向の一方側に偏って配置されている。図示される例では、電動送風機3は、集塵部2の中心軸21と一部が重なって配置されている。
【0020】
掃除機本体1には、電池4が収容されている。電池4は、その少なくとも一部が、集塵部2の中心軸21に対し電動送風機3が位置する側と反対側の位置に配置されている。つまり、電池4の少なくとも一部は、集塵部2の他端部側に対向する位置に、電動送風機3のずれ方向とは反対方向に生じる空間に配置されている。電池4の少なくとも一部は、集塵部2の中心軸21に対し第三方向の他方側にずれて配置されている。
【0021】
また、電池4と電動送風機3とは、集塵部2の軸方向と交差する方向で互いにオーバーラップする位置に配置されている。つまり、電池4と電動送風機3とは、集塵部2の軸方向と交差する方向に見て、所定範囲で互いに重なっている。本実施形態において、電池4と電動送風機3とは、第三方向で互いにオーバーラップする位置に配置されている。さらに、電池4と電動送風機3とは、把持部14に対し、集塵部2の軸方向と交差する方向でオーバーラップする位置に配置されている。本実施形態において、第三方向の一方から他方に向かい、把持部14、電動送風機3、電池4の順に並んで配置されている。
【0022】
また、電池4は、少なくとも一部が集塵部2の軸方向の投影PR内に配置されている。電池4は、風路部122の外壁と隣り合って、又は、風路部122の外壁に近接して配置されている。本実施形態では、電池4は、集塵部2の中心軸21に対し離れて位置している。電池4は、集塵部2の中心軸21に対し、電動送風機3とは反対側に配置されている。図示される例では、電池4は、集塵部2の中心軸21に対し第三方向の他方側に離れて位置している。
【0023】
電池4は、長手方向を第一方向に沿わせて配置されている。つまり、電池4の長手方向は、集塵部2の軸方向と平行となっている。なお、以下、「平行」とは、完全に平行なもののみに限られず、実質的に平行なものも含むものとする。
【0024】
また、本実施形態において、図2に示すように、電池4、電動送風機3、及び、集塵部2は、第二方向にずれずに位置している。
【0025】
本実施形態において、電池4は、集塵部2及び電動送風機3よりも重量が大きい重量物である。電池4は、複数のセルが電気的に直列に接続されて構成された電池パックである。電池4は、充電可能な二次電池が好適に用いられる。
【0026】
図1に示すように、掃除機本体1には、制御手段5が収容されている。制御手段5は、任意の位置に配置されてよいが、本実施形態では、電動送風機3に対し、集塵部2とは反対側に配置されている。つまり、制御手段5は、電動送風機3に対し、第一方向の他方側に配置されている。制御手段5は、電動送風機3から図3に示す本体排気口123への排気風により冷却される位置に配置されている。
【0027】
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
【0028】
図1に示すように集塵部2を掃除機本体1に取り付けると、本体吸込口101が集塵部2の吸込側に連通し、電動送風機3の吸込側が集塵部2の排気側に連通することで、本体吸込口101から集塵部2、電動送風機3、図3に示す本体排気口123に至る風路が形成される。
【0029】
本実施形態では、図1に示すように、集塵部2を掃除機本体1に取り付けると、集塵部2の導入口23が掃除機本体1の接続開口部103に接続されて集塵部2の吸込側が吸込風路102と連通され、集塵部2の排気口24が掃除機本体1の接続口121に接続されて集塵部2の排気側が風路部122と連通される。
【0030】
使用者が把持部14を把持し、設定手段141を操作すると、設定手段141の操作に応じて制御手段5が電動送風機3を動作させる。電動送風機3の動作により生じた負圧が本体吸込口101を介して作用することで被掃除面から含塵空気を集塵部2に吸い込む。
【0031】
下方の被掃除面を掃除する場合、把持部14を把持した使用者から見て、第一方向の一方側が前側、他方側が後側、第二方向の一方側が左側、他方側が右側、第三方向の一方側が上側、他方側が下側となる。使用者は、把持部14によって電気掃除機VCを前後に移動させながら、本体吸込口101、又は、本体吸込口101に接続された風路体によって被掃除面の塵埃を吸い込ませる。
【0032】
集塵部2で塵埃が分離捕集された空気は、電動送風機3に吸い込まれ、図3に示す本体排気口123から排気風として排出される。電動送風機3の排気にしたがい、電池4の熱が電池4の全体から吸引されて本体排気口123から掃除機本体1の外部に排気風とともに排出され、電池4が冷却される。
【0033】
このとき、電動送風機3の軸方向と集塵部2の軸方向とを電動送風機3に対し集塵部2側の位置で交差させ、電動送風機3の吸込側を集塵部2側とするとともに、電動送風機3の少なくとも一部を集塵部2の軸方向の投影PR内に位置させていることで、集塵部2から電動送風機3への吸引効率を大きく低下させることなく、電動送風機3が集塵部2に対し傾斜した側と反対側に空間を形成して配置効率を高めることができ、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0034】
電動送風機3の中心軸34が集塵部2の軸方向に対し集塵部2の排気口24の位置で交差するため、集塵部2の排気口24から電動送風機3の吸込側へと空気が円滑に流れ、集塵部2から電動送風機3への吸引効率の低下をより抑制し、性能を維持できる。
【0035】
電動送風機3の少なくとも一部を集塵部2の軸方向の投影PR内に位置するように配置することで、電気掃除機VCのより一層の小型化が可能になる。
【0036】
電池4の少なくとも一部を集塵部2の軸方向の投影PR内に配置することで、電気掃除機VCの小型化が可能になる。特に、掃除機本体1の内部に電動送風機3及び電池4を収容する場合、掃除機本体1の内部の限られた空間を有効に使うことができ、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0037】
電動送風機3と電池4とを集塵部2の軸方向と交差する方向で互いにオーバーラップする位置に配置することで、掃除機本体1を第一方向に長くすることなく電動送風機3と電池4とを配置可能となり、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0038】
特に、把持部14を把持した状態で下方の被掃除面を掃除する場合、電動送風機3が電池4の上方に位置するため、電池4の発熱により暖まった空気が電動送風機3の方へと上昇するので、電動送風機3が排気風とともに電池4の熱を掃除機本体1から排出できる。
【0039】
把持部14を電動送風機3と集塵部2及び電池4とに跨る位置に配置することで、把持部14を把持した状態で電動送風機3と集塵部2及び電池4とがバラストとして作用し、重量バランスが取りやすくなって、電気掃除機VCの操作性を向上できる。
【0040】
把持部14を、電動送風機3を挟み電池4と反対側に配置することで、把持部14を把持した状態で、下方に重量物である電動送風機3、及び、電池4が位置し、重量バランスが取れた状態で下方の被掃除面を掃除する操作が可能となり、電気掃除機VCの操作性が良好となる。
【0041】
また、把持部14を把持した状態で下方の被掃除面を掃除する場合、本体排気口123が掃除機本体1の上部側に位置して被掃除面に直接対向しないため、電動送風機3からの排気風が掃除機本体1の下方に出ない。したがって、特に風路体を使用せずに掃除機本体1のみで掃除をする際に、掃除機本体1が被掃除面に接近していても、排気風によって被掃除面の塵埃を吹き飛ばしにくい。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、電池4の長手方向が、集塵部2の軸方向と交差している。電池4の長手方向は、集塵部2の軸方向に対し傾斜している。電池4の長手方向は、集塵部2の軸方向に対し、第三方向に傾斜している。電池4の長手方向は、第一方向の一方に向かい、第三方向の他方へと傾斜している。電池4の長手方向は、電動送風機3の軸方向に沿っている。本実施形態において、電池4の長手方向は、電動送風機3の軸方向と平行となっている。電池4は、集塵部2の中心軸21と一部が重なって配置されている。また、本実施形態において、電池4は、全体が集塵部2の軸方向の投影PR内に配置されている。
【0044】
このように、電池4の長手方向を集塵部2の軸方向と交差させて配置することで、電池4の少なくとも一部を集塵部2の軸方向の投影PR内に配置でき、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0045】
電池4の長手方向を電動送風機3の軸方向に沿わせることで、電動送風機3と電池4とをコンパクトに配置でき、電気掃除機VCをより小型化可能になる。本実施形態では、電池4の全体を集塵部2の軸方向の投影PR内に配置でき、電気掃除機VCの小型化が可能になる。特に、掃除機本体1の内部に電動送風機3及び電池4を収容する場合、集塵部2の軸方向に対する電動送風機3の軸方向の傾斜により生じる掃除機本体1の内部の空間を電池4の収容に利用でき、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図5を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施形態は、電池4の長手方向が、集塵部2の軸方向と交差している。電池4の長手方向は、集塵部2の軸方向に対し傾斜している。電池4の長手方向は、集塵部2の軸方向に対し、第三方向に傾斜している。電池4の長手方向は、第一方向の一方に向かい、第三方向の一方へと傾斜している。電池4の長手方向は、電動送風機3の軸方向と交差している。電池4は、第一方向の他方に向かい、電動送風機3から徐々に離れる方向に傾斜している。電池4は、集塵部2の中心軸21と一部が重なって配置されている。また、本実施形態において、電池4は、集塵部2の軸方向の投影PR内に一部が配置されている。
【0048】
このように、電池4の長手方向を集塵部2の軸方向と交差させて配置することで、電池4の一部を集塵部2の軸方向の投影PR内に配置でき、電気掃除機VCの小型化が可能になる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
PR 投影
VC 電気掃除機
2 集塵部
3 電動送風機
4 電池
14 把持部
23 導入口
24 排気口
34 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5