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特許7213509語彙発達指標推定装置、語彙発達指標推定方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-19
(45)【発行日】2023-01-27
(54)【発明の名称】語彙発達指標推定装置、語彙発達指標推定方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20230120BHJP
   G06F 16/335 20190101ALI20230120BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20230120BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G06F16/335
G16H50/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022055338
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2019006697の分割
【原出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2022087151
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-03-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)発行日 平成30年1月19日 刊行物 電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 IEICE Technical Report Vol.117 No.420 ISSN 0913-5685 65頁~68頁 (2)ウェブサイト掲載日 2018年5月3日 ウェブサイトのアドレス LREC2018(http://lrec2018.lrec-conf.org/en/) (3)ウェブサイト掲載日 平成30年5月31日 ウェブサイトのアドレス 日本電信電話株式会社 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2018 http://www.kecl.ntt.co.jp/openhouse/2018/ (4)ウェブサイト掲載日 平成30年11月26日 ウェブサイトのアドレス NTT R&Dフォーラム2018秋 https://labevent.ecl.ntt.co.jp/forum2018a/info/index.html
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲生
(72)【発明者】
【氏名】南 泰浩
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-196254(JP,A)
【文献】特開2011-018155(JP,A)
【文献】特表2018-503853(JP,A)
【文献】特開2005-250936(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0155751(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
17/00-19/26
G06F16/00-16/958
G16H10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が獲得した単語の集合を取得して、その要素の数である単語数N(Nは0以上の整数)をカウントする語数カウント部と、
予め定めた単語のそれぞれにX%獲得齢(Xは予め定めた正の数)を対応付けて記憶するAoA記憶部と、
前記予め定めた単語をX%獲得齢の小さいものから順にL個取得し(Lは正の整数)、取得したL個の単語のうち、対象者が獲得したN個の単語を除外して、残りの単語を次獲得単語と推定する次獲得単語推定部を含む
語彙発達指標推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の語彙発達指標推定装置であって、
推定された次獲得単語を呈示する次獲得単語呈示部を含み、
前記次獲得単語呈示部は、
前記予め定めた単語をX%獲得齢の小さいものから順にN個取得した集合に含まれる単語を優先して呈示する
語彙発達指標推定装置。
【請求項3】
対象者が獲得した単語の集合を取得して、その要素の数である単語数N(Nは0以上の整数)をカウントする語数カウントステップと、
予め定めた単語のそれぞれにX%獲得齢(Xは予め定めた正の数)を対応付けて記憶するAoA記憶ステップと、
前記予め定めた単語をX%獲得齢の小さいものから順にL個取得し(Lは正の整数)、取得したL個の単語のうち、対象者が獲得したN個の単語を除外して、残りの単語を次獲得単語と推定する次獲得単語推定ステップと、
推定された次獲得単語を呈示する次獲得単語呈示ステップを含む
語彙発達指標推定方法。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1または2に記載の語彙発達指標推定装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、語彙発達指標を推定する語彙発達指標推定装置、語彙発達指標推定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
幼児がいつ、どんな語を習得するかを明らかにすることは、言語発達の分野における重要な研究テーマの1つである。幼児の語彙発達データを取得する手法の1つに語彙チェックリスト法(vocabulary checklist method)がある。これは、あらかじめ用意された有限個の語彙からなるチェックリストを用いて、子供が理解/発話できる語を養育者が報告する手法である。すなわち、チェックリストの各語彙について、評価対象者である子供が、評価時の月齢において理解/発話できるか否かを、利用者である養育者が報告する手法である。
【0003】
従来、発達心理学の分野では、上記のような養育者である親の回答に基づくアンケート調査において語彙チェックリストを用いた大規模集団データで語彙の特徴を捉えてきた。この手法でWeb上で日誌方式(以下、Web日誌法)で日本全国からデータ収集する試みにより、非特許文献2に示すように語彙チェックリスト法の横断データから算出した各語彙の「50%到達日齢」(50%の子供が語彙を理解している日齢時点。心理学ではAoA[age of acquisition])がいつかを調べ、それを語彙の理解日齢としていた。
【0004】
幼児の語彙発達はこうした手法によって集められたデータに基づいて、対象とする幼児と同月齢の幼児が獲得している語彙や語彙数と、対象とする幼児が獲得している語彙や語彙数とを比較する等により評価できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】小椋たみ子、綿巻徹、「日本のこどもの語彙発達の基準研究:日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙から」発達・療育研 2008. vol.24,3-42.
【文献】小林哲生、南泰浩、永田昌明、「縦断および横断データを用いた幼児早期現語の獲得日齢の特定」言語処理学会第18回年次大会、P2-3,2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、幼児の語彙発達は個人差が大きい。また、自閉症児や発達障がいをもつ幼児は言語の獲得速度が緩やかであることが知られており、習得期間の長さのみから語彙の発達状況を推測することは困難である。
【0007】
そこで本発明は、習得期間の長さに依らず、次獲得単語を推定することができる語彙発達指標推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の語彙発達指標推定装置は、語数カウント部と、AoA記憶部と、次獲得単語推定部を含む。
【0009】
語数カウント部は、対象者が獲得した単語の集合を取得して、その要素の数である単語数N(Nは0以上の整数)をカウントする。AoA記憶部は、予め定めた単語のそれぞれにX%獲得齢(Xは予め定めた正の数)を対応付けて記憶する。次獲得単語推定部は、予め定めた単語をX%獲得齢の小さいものから順にL個取得し(Lは正の整数)、取得したL個の単語のうち、対象者が獲得したN個の単語を除外して、残りの単語を次獲得単語と推定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の語彙発達指標推定装置によれば、習得期間の長さに依らず、次獲得単語を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の語彙発達指標推定装置の構成を示すブロック図。
図2】実施例1の語彙発達指標推定装置の動作を示すフローチャート。
図3】実施例2の語彙発達指標推定装置の構成を示すブロック図。
図4】実施例2の語彙発達指標推定装置の動作を示すフローチャート。
図5】実施例3の語彙発達指標推定装置の構成を示すブロック図。
図6】実施例3の語彙発達指標推定装置の動作を示すフローチャート。
図7】実施例4の語彙発達指標推定装置の構成を示すブロック図。
図8】実施例4の語彙発達指標推定装置の動作を示すフローチャート。
図9】横軸を獲得語彙数、縦軸を共通ボキャブラリー指数とした散布図(対面調査の場合)。
図10】横軸を獲得語彙数、縦軸を共通ボキャブラリー指数とした散布図(web調査の場合)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0013】
<用語の定義:「獲得」>
本明細書において、語彙または単語の「獲得」と表現した場合、対象者がその語彙(単語)を発話できること、対象者がその語彙(単語)を理解できることの双方の概念を含んでいるものとする。語彙発達指標推定装置の実装に当たっては、「獲得」を語彙(単語)の発話に限定してもよいし、語彙(単語)の理解に限定してもよいし、語彙(単語)の発話と理解の双方を含んでもよい。
【0014】
<用語の定義:「X%獲得日齢」、「X%獲得月齢」、「X%獲得年齢」、「X%獲得齢」>
本明細書において、「X%獲得日齢」、「X%獲得月齢」、「X%獲得年齢」という場合、対象者が幼児であれば、該当する語彙(単語)を全体のX%の幼児が獲得する日齢、月齢、年齢を意味する。月齢、年齢を整数とせず、日齢と同程度の精度とする場合、日齢、月齢、年齢のいずれを用いても差異はない。例えば、50%獲得月齢という場合、該当する語彙(単語)を全体のちょうど半分の幼児が獲得する月齢を意味する。また、上述の「X%獲得日齢」、「X%獲得月齢」、「X%獲得年齢」などを一般化した呼称として、「X%獲得齢」を用いる。すなわち、該当する語彙(単語)を全体のX%の対象者が獲得するまでの期間を、日齢、月齢、年齢などに限定せずに一般的に表現する場合には「X%獲得齢」を用いる。以下の実施例ではX%獲得月齢を例に説明を進めるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
<原理>
以下の実施例に記載の語彙発達指標推定装置は、生後8-48ヶ月齢の日本語を母語とする幼児(N=1451)から得られた大規模な語彙データベース、当該データベースに基づいて推定された2688語のAoA(語彙獲得月齢)に基づいて算出した共通ボキャブラリー指数から得られた知見を利用している。例えば、同程度の語彙数(単語数)を獲得している幼児は、同程度の割合の共通語を獲得している傾向がある。語彙数(単語数)が大きくなるにつれ、この傾向は顕著になることが分かっている。この傾向は、人が語彙を獲得する際に共通する傾向であると考えられる。従って、共通ボキャブラリー指数は、対象者の獲得した共通語の特定、対象者全体の傾向と対象者個人の傾向の比較を可能とし、発達変化や個人差を調べるために有益であるといえる。
【実施例1】
【0016】
以下、図1を参照して、実施例1の語彙発達指標推定装置の構成を説明する。同図に示すように、本実施例の語彙発達指標推定装置1は、語数カウント部11と、AoA記憶部12aと、AoA取得部12と、共通ボキャブラリー指数算出部13と、制御部13aと、共通ボキャブラリー指数関数算出部14と、共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aを含む構成である。以下、図2を参照して各部の動作を説明する。
【0017】
<語数カウント部11>
語数カウント部11は、対象者(例えば、養育者が観察している幼児)が獲得した単語(例えば、発話する単語)の集合を取得して、その要素の数である単語数N(Nは0以上の整数)をカウントし、出力する(S11)。
【0018】
対象者、例えば日本語環境で育つ幼児が獲得する単語については、語彙チェックリストなどを利用することができる。(参考非特許文献1:小林哲生、奥村優子、南泰浩、「語彙チェックリストアプリによる幼児語彙発達データ収集の試み」,IEICE Technical Report HCS2015-59(2016-01))
獲得した単語を1語1語入力する方法などを用いてもよい。
【0019】
<AoA記憶部12a>
AoA記憶部12aは、予め定めた単語のそれぞれにX%獲得月齢(Xは予め定めた正の数)を対応付けて(紐づけて)記憶している。
【0020】
予め定めた単語とは、例えば対象者が日本語環境で育つ幼児の場合、日本語環境で育つ幼児が発達初期に覚える可能性のある語彙であり、例えば上述のWeb日誌法で収集されAoAが付与された単語である。
【0021】
AoA記憶部12aに記憶されている単語はすべて、語彙チェックリストに含まれるようにしておくことがのぞましい。
【0022】
例えば対象者が日本語環境で育つ幼児の場合、Xが小さすぎる(例えばX=30)と発達の早い幼児しか対象とならず、大きすぎる(例えば80)と発達の遅い幼児しか対象にならない可能性があるため、対象者が日本語環境で育つ幼児の場合には、X=50程度とするのが好適である。
【0023】
<AoA取得部12>
AoA取得部12は、語数カウント部11から出力される単語数Nを取得し、予め定めた単語をX%獲得月齢の小さいものから順にN個取得して、出力する(S12)。
【0024】
<共通ボキャブラリー指数算出部13>
共通ボキャブラリー指数算出部13は、対象者が獲得した単語の集合と、予め定めた単語をX%獲得月齢の小さいものから順にN個取得した集合を入力とし、対象者が獲得した単語の集合と、予め定めた単語をX%獲得月齢の小さいものから順にN個取得した集合との積集合の要素数をNで除して共通ボキャブラリー指数を算出し、対象者が獲得した単語数Nと共通ボキャブラリー指数を組にして出力する(S13)。共通ボキャブラリー指数(Vocabulary Commonality Index: VocIndex)は、対象者の語彙獲得の発達パタンを解明するために、各対象者が言語発達の初期段階でどの程度共通語を獲得しているかを分析するツールとした(発明者らが定義した)指数である。
【0025】
共通ボキャブラリー指数の定義を式(1)に示す。
VocIndex(i) = | setVoc(i)∩setAoA(N) | / N (1)
【0026】
ここで、setVoc(i)は対象者iが獲得した語彙(単語)の集合、Nは対象者iが獲得した語彙(単語)の数を表す。setAoA(N)は集合setVoc(i)の要素数(=単語数=N)と同じ数の
単語を、AoA推定順位(付与されているX%獲得月齢が小さい順)で並べた単語リストから取ってきた集合である。
【0027】
式(1)の分子は二つの単語集合の共通部分(積集合)の要素数である。つまり、分子は二つの単語集合で共通する単語(共通語)の語数、分母は獲得総語数(対象者iが獲得した語彙数=N)である。そして、この指数VocIndex(i)の取り得る範囲は[0,1]となる。対象者が獲得した語彙(単語)が全て共通語である場合は、共通ボキャブラリー指数は1となる。一方、対象者が獲得した語彙(単語)が全て共通語でなかった場合、共通ボキャブラリー指数は0となる。共通ボキャブラリー指数が大きければ大きいほど、対象者が獲得した語彙が共通語である割合が多いことを示す。
【0028】
対象者が獲得する語彙(単語)の数が増えるにつれ、共通ボキャブラリー指数は大きくなる傾向にある。対象者が獲得した単語の集合を対面式でアンケート調査し、得られた結果に基づいて共通ボキャブラリー指数を求め、横軸を獲得語彙数、縦軸を共通ボキャブラリー指数とした散布図を図9に示す。なお、図9のデータは、無作為に選ばれた1446名の幼児のデータであり、言語の遅れのある幼児のデータを含む。対象者が獲得する語彙(単語)の数と、共通ボキャブラリー指数の関係には図9のような強い関係性がある(図9中灰色のラインが関係性を示すライン、データはその平均値の上下に極めて小さな範囲で分布する)。同図の散布図の分散が小さいことから、対象者が獲得する語彙(単語)の数と、共通ボキャブラリー指数の関係は対象者の個人差や、発達の遅れによって影響をうけないため、共通ボキャブラリー指数を語彙の発達の指標(語彙数を示唆する指標)として用いることができる。
【0029】
<制御部13a>
制御部13aは、M人(Mは2以上の整数)の対象者のそれぞれが獲得した単語の集合に対する、語数カウント部11とAoA取得部12と共通ボキャブラリー指数算出部13の動作(S11、S12、S13)の繰り返し実行を制御する。
【0030】
Mは、平均値を計算した場合に、当該平均値が信頼できる程度の数とすれば好適である。例えば、M≧200とすれば好適である。対象者M人分のデータには同じ対象者の月齢の異なるデータ(習得期間の異なるデータ)が含まれていてもよい。
【0031】
<共通ボキャブラリー指数関数算出部14>
共通ボキャブラリー指数関数算出部14は、M人の対象者の獲得した単語の数と、M人の対象者の共通ボキャブラリー指数を入力として、獲得単語数(獲得語彙数)を変数として共通ボキャブラリー指数を求める関数(近似式)VI(x)を算出し、出力する(S14)。
【0032】
関数の求め方にはバリエーションがある。例えば、対象者を獲得単語数順に並べ獲得単語数の少ないものから順にx個(例えばx=60)のデータを取り出し、その平均獲得単語数と平均ボキャブラリー指数を求めてプロットする。このプロットをrデータ(rは1以上の整数)づつシフトしながら実行し、移動平均値を求めてもよい。また、ある獲得単語数xの前後の獲得単語数(例えば±20語)の対象者のデータに基づいて、獲得単語数xの移動平均値を求めてもよい。この場合、獲得単語数x+rの前後の獲得単語数(例えば±20語)の対象者のデータに基づいて、獲得単語数x+rの移動平均値を求めることができる。また、例えば、ある獲得単語数xの前後の対象者(例えば±20人)の対象者のデータに基づいて、獲得単語数xの移動平均値を求めてもよい。この場合、獲得単語数x+rの前後の対象者(例えば±20人)のデータに基づいて、獲得単語数x+rの移動平均値を求めることができる。
【0033】
上記の隣り合う移動平均値を直線(1次式)で結ぶことにより、(近似式)VI(x)を求めてもよいし、いくつかの移動平均から回帰式をもとめ、それを複数個接続してもよい。また、これらの移動平均値の全てを用いて、回帰式を求めてもよい。
【0034】
また、移動平均値によらず、獲得単語数(獲得語彙数)と共通ボキャブラリー指数のデータ群から直接回帰式(多項式回帰や一般化線形回帰、非線形回帰)を求めてもよいし、カルマンフィルタや高周波を除去するフィルターなどを利用してもよい。
【0035】
また、上記の方法で、対象者を獲得単語数順に並べ、獲得単語数の少ないものから順にx個(例えばx=60)のデータを取り出し、その平均獲得単語数と平均ボキャブラリー指数およびその分散を求めてプロットし、このプロットを所定の数のデータづつシフトしながら実行し、移動平均値を求め、例えば隣り合う移動平均値を直線(1次式)で結ぶことにより、近似式を求めてもよいし、いくつかの移動平均から回帰式をもとめ、それを複数個接続してもよい。また、これらの移動平均値の全てを用いて、回帰式を求めてもよい。
【0036】
<共通ボキャブラリー指数関数記憶部14a>
共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aは、ステップS14で算出した共通ボキャブラリー指数関数VI(x)を入力とし、記憶する。
【0037】
以上が学習フェーズである。学習フェーズは事前に行い、共通ボキャブラリー指数関数VI(x)を共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aに予め記憶しておき、利用フェーズにおいて、共通ボキャブラリー指数関数VI(x)を共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aから読み出して用いる。
【実施例2】
【0038】
<実施例2の課題>
一般から広く対象者のデータを収集した場合、不正入力がなされる可能性がある。
【0039】
<実施例2の効果>
そこで実施例2では、対象者のデータが不正入力されたものであるか否かを自動で判定可能な語彙発達指標推定装置を提供することを目的とする。
【0040】
以下、図3を参照して、実施例2の語彙発達指標推定装置の構成を説明する。同図に示すように本実施例の語彙発達指標推定装置2は、実施例1と同様の語数カウント部11と、AoA記憶部12aと、AoA取得部12と、共通ボキャブラリー指数算出部13と、制御部13aと、実施例1と異なる不正入力判定部25と、共通ボキャブラリー指数関数算出部24(ただし、適宜省略可能)と、共通ボキャブラリー指数関数記憶部24a(ただし、適宜省略可能)を含む構成である。以下、図4を参照して実施例1と異なる動作を説明する。
【0041】
<不正入力判定部25>
不正入力判定部25は、共通ボキャブラリー指数関数算出部13が出力する複数個の、対象者が獲得した単語数と当該対象者の当該単語数における共通ボキャブラリー指数の組を入力とし、各共通ボキャブラリー指数が不正入力されたデータから算出されたものであるか否かを判定し、判定結果または不正入力でない「対象者が獲得した単語数と共通ボキャブラリー指数の組」を出力する。
【0042】
不正入力判定部25は、繰り返し入力される、対象者i(1≦i≦M)の獲得した単語数Nと共通ボキャブラリー指数VocIndex(i)の組を図示しない記憶部に記憶する。あるいは学習フェーズにおいて、対象者i(1≦i≦M)の獲得した単語数Nと共通ボキャブラリー指数VocIndex(i)の組を、図示しない記憶部に記憶しておくようにしてもよい。不正入力判定部25は、記憶部に記憶された対象者i(1≦i≦M)の獲得した単語数Nと共通ボキャブラリー指数VocIndex(i)の組を入力とできればよい。
【0043】
不正入力判定部25は、所定の単語数(ここではJ(Jは0以上の整数)とする)ごとに、獲得した単語の単語数Jを中心とする所定の単語数の範囲内にある対象者間の共通ボキャブラリー指数の平均または平均関数およびその分散または分散関数を求め、共通ボキャブラリー指数の平均または平均関数およびその分散または分散関数に基づいて、獲得した単語の単語数がJである所定の対象者の共通ボキャブラリー指数のうち、外れ値に該当する共通ボキャブラリー指数があると判定される場合に、該当する共通ボキャブラリー指数(または、該当する共通ボキャブラリー指数を算出する元になった所定の対象者が獲得した単語の集合)を不正入力によるものであると判定する(S25)。平均関数は、例えば共通ボキャブラリー指数の移動平均などでよい。また、分散関数は、例えば共通ボキャブラリー指数の分散に所定の係数を乗算したものでよい。あるいは、得られた平均値、分散を関数近似したものをそれぞれ平均関数、分散関数としてもよい。
不正入力判定部25は、「対象者が獲得した単語数と共通ボキャブラリー指数の組」の共通ボキャブラリー指数、または単語の集合が不正入力によるものであると判定されれば0、不正入力によるものでないと判定されれば1というように、判定結果を2値で表し、「対象者が獲得した単語数と共通ボキャブラリー指数と判定結果の組」を出力してもよいし、「対象者が獲得した単語数と共通ボキャブラリー指数の組」の共通ボキャブラリー指数、または単語の集合が、不正入力によるものでないと判定された場合に限り、「対象者が獲得した単語数と共通ボキャブラリー指数の組」を出力するようにしてもよい。
【0044】
共通ボキャブラリー指数は、単語数50以上では極めて狭い範囲に集中する。不正入力判定部25は、上記の方法で、例えば単語数J±30語の対象者の平均共通ボキャブラリー指数μJを求め、これらの対象者の共通ボキャブラリー指数の分散を求める。この分散をσJとする。不正入力判定部25は、単語数Jの対象者の共通ボキャブラリー指数がμJ±wσJの範囲外であれば、その対象者のデータを不正入力とし、範囲内であれば、その対象者のデータを不正入力ではないと判定する。wは1.5~3程度の値が好ましい。
【0045】
語彙獲得に関するアンケート調査(web調査)においては、データ入力が粗雑、散漫に行われたなどの理由により、図10に示すように、全体の傾向から乖離した値(外れ値)が発生する場合がある。一般にwebでデータを収集した場合、ほぼ、10%程度の不正入力があることが分かっている。図中のMAと記した太線が平均値であり、図中MA+2MSDと記した太線、MA-2MSDと記した太線は、上記のw=2とした場合に相当する。図10から、wを2~3程度とすれば、不正入力の検出に好適であることが分かる。
【0046】
[変形例]
なお、対象者が獲得した単語を対象者が理解した単語とした場合に限定すると、明らかに不正入力ではないにもかかわらず、ボキャブラリー指数がwを2~3程度とした範囲内に入らない(図Xの関数の下方に位置する)場合がある。このような場合は、語彙発達が遅い対象者のごく一部にみられることが実験により明らかになっている。対面調査により得られた結果に基づく場合等、不正入力でないことが明らかであって、対象者が獲得した単語を対象者が理解した単語とした場合であって、かつ、不正入力判定部により不正入力であると判定された場合、発達の異常(の可能性)がある。従って、不正入力判定部を発達の異常(の可能性)を発見する手段としても利用できる。なお、対象者が獲得した単語を対象者が発話した単語とした場合には、図9に示す通り、ボキャブラリー指数がwを2~3程度とした範囲内に入らないことはほぼないことが実験により確認されている。
【0047】
<共通ボキャブラリー指数関数算出部24>
共通ボキャブラリー指数関数算出部24は、不正入力と判定された対象者のデータを除外して、共通ボキャブラリー指数関数VI(x)を算出する(S24)。
【0048】
<共通ボキャブラリー指数関数記憶部24a>
共通ボキャブラリー指数関数記憶部24aは、ステップS24で算出した共通ボキャブラリー指数関数VI(x)を記憶する。
【実施例3】
【0049】
<実施例3の課題>
従来は幼児の月齢に依存して次に覚える単語を推定していたが、この推定は万人には当てはまらない。これは、月齢を基準にすると個人差が大きいことによる。そのため定型発達児童、非定型発達児童によらず、同じ月齢に依存した次獲得単語の推定ができない。
【0050】
<実施例3の効果>
そこで実施例3では、月齢(習得期間の長さ)に依存せず、次獲得単語を推定することができる語彙発達指標推定装置を提供することを目的とする。
【0051】
以下、図5を参照して、実施例3の語彙発達指標推定装置の構成を説明する。同図に示すように本実施例の語彙発達指標推定装置3は、実施例1と同様の語数カウント部11と、AoA記憶部12aと、AoA取得部12と、制御部13aと、実施例1と異なる次獲得単語推定部36と、次獲得単語呈示部37を含む構成である。なお、本実施例では、共通ボキャブラリー指数関数記憶部は不要である。以下、図6を参照して実施例1と異なる動作を説明する。
【0052】
<次獲得単語推定部36>
次獲得単語推定部36は、対象者が獲得した単語の集合と、AoA記憶部12aからの、予め定めた単語をX%獲得月齢の小さいものから順にL個(Lは正の整数)取得した単語の集合と、を入力として、次獲得単語を推定し(S36)、出力する。
【0053】
より詳細には、次獲得単語推定部36は、AoA記憶部12aから、予め定めた単語をX%獲得月齢の小さいものから順にL個取得し(Lは正の整数)、取得したL個の単語のうち、対象者が獲得したN個の単語を除外して、残りの単語を次獲得単語と推定する(S36)。
【0054】
Lは対象者の獲得語彙数Nよりも小さい値であったとしても成立する場合があるが、例えば、対象者の獲得語彙数Nに所定の正の整数aを加えた数をL(L=N+a)とすれば好適である。Lは、予め決めておいてもよいし、ユーザが別途入力するようにしてもよい。例えば、対象者が幼児の場合、定型発達児用の所定の整数a1と、非定型発達児用の所定の整数a2(a1>a2)をあらかじめ設定しておき、L=N+a1、またはL=N+a2とし、切り替え入力できるようにしておいてもよい。a、a1、a2は、幼児の今後1~3か月程度の期間に獲得される語彙数とすれば好適である。
【0055】
<次獲得単語呈示部37>
次獲得単語呈示部37は、推定された次獲得単語を入力とし、例えばディスプレイなどに呈示する(S37)。
単語の呈示順は、例えば、
1)X%獲得月齢(AoA)が小さい順に呈示する。
2)AoA記憶部12aから、N個(対象者が獲得した単語数N個と同数)の単語を、X%獲得月齢(AoA)が小さい順に取得し、当該N個の単語が、それ以外の単語より優先されるように呈示する(呈示の順序は問わない)。
3)対象者が幼児の場合、該当する幼児の月齢に近いX%獲得月齢(AoA)を有する単語から順に呈示する。
4)ランダムに選択する。
【実施例4】
【0056】
<実施例4の課題>
対象者が幼児の場合、その幼児が平均的な幼児と異なることに興味をもち、該当する領域の語彙の獲得が突出する場合がある。また、幼児の養育者が平均的な養育者とは異なる語彙を頻繁に使用する場合、その幼児の語彙獲得傾向が平均的な幼児のそれと異なる場合がある。
【0057】
<実施例4の効果>
そこで実施例4では、ある対象者の語彙の獲得傾向が、平均的な対象者の語彙獲得傾向とどの程度乖離しているかを推定できる語彙発達指標推定装置を提供することを目的とする。
【0058】
以下、図7を参照して、実施例4の語彙発達指標推定装置の構成を説明する。同図に示すように本実施例の語彙発達指標推定装置4は、実施例1と同様の語数カウント部11と、AoA記憶部12aと、AoA取得部12と、共通ボキャブラリー指数算出部13と、制御部13aと、共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aと、実施例1と異なる乖離度算出部48を含む構成である。以下、図8を参照して実施例1と異なる動作を説明する。
【0059】
<乖離度算出部48>
乖離度算出部48は、ある対象者が獲得した単語の単語数Kを共通ボキャブラリー指数関数に代入して求めた第1の共通ボキャブラリー指数VI(K)と、この対象者が獲得した単語の集合について求めた第2の共通ボキャブラリー指数VocIndex(K)を入力とし、第1の共通ボキャブラリー指数VI(K)と第2の共通ボキャブラリー指数VocIndex(K)との差分の符号および絶対値に基づいて乖離度を算出し(S48)、出力する。
【0060】
より詳細には、乖離度算出部48は、語数カウント部11から出力された対象者の獲得語彙数K、共通ボキャブラリー指数算出部13から出力された共通ボキャブラリー指数VocIndex(K)と、共通ボキャブラリー指数関数記憶部14aから読みだした共通ボキャブラリー指数関数VI(x)とを入力とし、x=KのときのVI(K)とVocIndex(K)の差分dを求め、出力
する。
d = VI(x=K)-VocIndex(K)
【0061】
対象者が幼児の場合、dが負の場合は、対象の幼児が共通的なことに興味があり、正の場合は、平均的な幼児とは異なることに興味がある可能性がある。
【0062】
また、対象者が幼児の場合、dが負の場合は、幼児の養育者が平均的な養育者がよく使用する語彙を多く使用し、dが正の場合は、幼児の養育者が平均的な養育者とは異なる語彙を頻繁に使用している可能性もある。従って上記指標は、語彙獲得する対象者の環境の特徴、すなわち、対象者を幼児とする場合には、幼児の語彙獲得に影響を及ぼす養育者の使用する語彙の特徴を判断する材料ともなりうる。
【0063】
dの正負だけでなく、dが正の場合で所定の閾値以上の場合(1)、dが正の場合で所定の閾値以下の場合(2)、dが負の場合で所定の閾値以上の場合(3)、dが負の場合で所定の閾値以下の場合(4)の4段階の指標を出力するなど、dを量子化して、P段階の指標として出力してもよい。
【0064】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0065】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0066】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0067】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0068】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0069】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0070】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0071】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0072】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10