(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】外部器具チャネルを有する内視鏡縫合システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20230123BHJP
A61B 17/062 20060101ALI20230123BHJP
A61B 17/06 20060101ALI20230123BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/062
A61B17/06 510
A61B1/00 620
(21)【出願番号】P 2019529142
(86)(22)【出願日】2017-08-09
(86)【国際出願番号】 US2017046167
(87)【国際公開番号】W WO2018031696
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-07-30
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519047107
【氏名又は名称】アポロ エンドサージェリー ユーエス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(72)【発明者】
【氏名】ウラジーミル ミテルベルク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ノイデック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ミムズ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ジルキー
(72)【発明者】
【氏名】ランドン ジルキー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-524238(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0176767(US,A1)
【文献】特表2010-511440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0099773(US,A1)
【文献】特開2006-334397(JP,A)
【文献】特開2016-019925(JP,A)
【文献】特開2005-161050(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0058595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部と遠位端部及びその間に延在する長手軸線を有する内視鏡と共に使用するための内視鏡的治療システムにおいて、前記内視鏡的治療システムは、
a)開放位置と閉鎖位置の間で軸線上を回転できるエンドエフェクタを有する遠位キャップアセンブリであって、前記エンドエフェクタが自由端部を有している、遠位キャップアセンブリと、
b)近位端部と遠位端部を有するトランスミッションアセンブリであって、前記遠位端部は、前記トランスミッションアセンブリの少なくとも一部分の変位が前記開放位置と閉鎖位置の間で前記エンドエフェクタを回転させるような形で、前記エンドエフェクタに対し作動的に結合されている、トランスミッションアセンブリと、
c)前記トランスミッションアセンブリに結合され、前記トランスミッションアセンブリの前記少なくとも一部分の前記変位をもたらして前記エンドエフェクタを回転させるように適応されている、近位ハンドルアセンブリと、
d)内部を通って器具を収容するために前記遠位キャップアセンブリから前記近位ハンドルアセンブリまで延在する、第1の管腔及び第2の管腔であって、前記第1の管腔が前記エンドエフェクタの前記自由端部と整列し、前記第2の管腔は、前記エンドエフェクタがその上で回転している前記軸線と前記第1の管腔との間に位置付けされている、第1の管腔及び第2の管腔と、
e)前記内視鏡の前記遠位端部の外周部の約180°を超える部分に位置付けされるように適応され、前記遠位キャップアセンブリの近位端部と当接関係にある、周囲係合構造と、
f)前記トランスミッションアセンブリ及び前記第1の管腔及び第2の管腔を前記内視鏡との関係において保持するように適応された、複数の離隔した補助クリップであって、前記トランスミッションアセンブリ及び第1の管腔及び第2の管腔に沿って長手方向に離隔し
ており、
前記補助クリップは、前記トランスミッションアセンブリ及び第1の管腔及び第2の管腔の外周を延在するように適応された本体と、前記内視鏡の周りで前記補助クリップの把持を増強するために前記本体よりも高い摩擦係数を有する充填材料が充填され得る横断方向スロットとを有する、複数の離隔した補助クリップとを含む内視鏡的治療システム。
【請求項2】
針と縫合糸を有する針アセンブリをさらに含み、前記針アセンブリが前記エンドエフェクタに対し取外し可能な形で結合されている、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項3】
前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置にある場合、前記針アセンブリは、長手軸線に対し平行に配向されている、請求項2に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項4】
前記遠位キャップアセンブリが、前記エンドエフェクタを支持し第1の貫通ボア及び第2の貫通ボアを画定するマウントを含み、前記第1の管腔及び前記第2の管腔が前記第1の貫通ボア及び第2の貫通ボア内に延在している、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項5】
前記第1の管腔及び前記第2の管腔が、個別的なカテーテルにより画定されている、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項6】
両方の個別的なカテーテルの少なくとも一部分を覆う共通のシースをさらに含む、請求項5に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項7】
前記第1の管腔及び前記第2の管腔が、共通のカテーテルにより画定されている、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項8】
前記第1の貫通ボア及び前記第2の貫通ボアが互いに平行である、請求項4に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項9】
前記第1の貫通ボア及び前記第2の貫通ボアが互いとの関係において斜めに配向されている、請求項4に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項10】
前記補助クリップが、前記補助クリップよりも高い摩擦係数を有する材料が備わったスロットを含む、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項11】
前記周囲係合構造が、陥凹と、この陥凹の内部に前記内視鏡の前記遠位端部を収容するように弾力的に変形するアームとを含む、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項12】
前記周囲係合構造が、アームの周りに巻き付けられたテープ又はバンドをさらに含む、請求項11に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項13】
前記周囲係合構造が、陥凹と、この陥凹の内部に前記内視鏡の前記遠位端部を収容し次に係合するためにヒンジ上で回転可能であるアームとを含む、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項14】
前記アームが、ヒンジピンを中心にして回転可能である、請求項13に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項15】
前記周囲係合構造が、前記アームの場所を固定するためのロックをさらに含む、請求項13に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項16】
前記ロックが止めネジである、請求項15に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項17】
前記周囲係合構造が、
前記アーム上でカムとして動作する止めネジをさらに含み、前記止めネジは、前記アームを閉鎖位置に移動させかつ/又は保持するために止めネジが一方の方向に回転させられるにつれて前記アームに対して力を加え
る、請求項15に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項18】
前記周囲係合構造が、前記アームを閉鎖位置へと付勢するバネをさらに含む、請求項15に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項19】
前記近位端部と、前記遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部の間に延在する前記長手軸線を有する前記内視鏡をさらに含み、前記内視鏡に対し結合されている、請求項1に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項20】
前記内視鏡が、内部を通って器具を収容するための多くとも1本の器具チャネルを有する、請求項19に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項21】
近位端部と遠位端部、その間に延在する長手軸線及び外周部を有する内視鏡と共に使用するための内視鏡的治療システムにおいて、前記内視鏡的治療システムは、
a)開放位置と閉鎖位置の間で軸線上を回転できるエンドエフェクタを有する遠位キャップアセンブリであって、前記エンドエフェクタが自由端部を有している、遠位キャップアセンブリと、
b)近位端部と遠位端部を有するトランスミッションアセンブリであって、前記遠位端部は、前記トランスミッションアセンブリの少なくとも一部分の変位が前記開放位置と閉鎖位置の間で前記エンドエフェクタを回転させるような形で、前記エンドエフェクタに対し作動的に結合されている、トランスミッションアセンブリと、
c)前記トランスミッションアセンブリに結合され、前記トランスミッションアセンブリの前記少なくとも一部分の前記変位をもたらして前記エンドエフェクタを回転させるように適応されている、近位ハンドルアセンブリと、
d)内部を通って器具を収容するために前記遠位キャップアセンブリから前記近位ハンドルアセンブリまで延在する第1の管腔及び第2の管腔であって、前記第1の管腔が前記エンドエフェクタの前記自由端部と整列し、前記第2の管腔は、前記エンドエフェクタがその上で回転している前記軸線と前記第1の管腔との間に位置付けされている、第1の管腔及び第2の管腔と、
f)前記トランスミッションアセンブリ及び第1の管腔及び第2の管腔に沿って長手方向に離隔した複数のクリップであって、各々が前記内視鏡の前記外周部の周りに180°を超えて延在するように適応された本体を有し、
前記内視鏡の周りで前記クリップの把持を増強するために前記本体よりも高い摩擦係数を有する材料が充填されたスロットを画定する、複数のクリップとを含む内視鏡的治療システム。
【請求項22】
近位端部と遠位端部及びその間に延在する長手軸線を有する内視鏡と共に使用するための内視鏡的治療システムにおいて、前記内視鏡的治療システムは、
a)開放位置と閉鎖位置の間で軸線上を回転できるエンドエフェクタを有する遠位キャップアセンブリであって、前記エンドエフェクタが自由端部を有している、遠位キャップアセンブリと、
b)近位端部と遠位端部を有するトランスミッションアセンブリであって、前記遠位端部は、前記トランスミッションアセンブリの少なくとも一部分の変位が前記開放位置と閉鎖位置の間で前記エンドエフェクタを回転させるような形で、前記エンドエフェクタに対し作動的に結合されている、トランスミッションアセンブリと、
c)前記トランスミッションアセンブリに結合され、前記トランスミッションアセンブリの前記少なくとも一部分の前記変位をもたらして前記エンドエフェクタを回転させるように適応されている、近位ハンドルアセンブリと、
d)内部を通って器具を収容するために前記遠位キャップアセンブリから前記近位ハンドルアセンブリまで延在する第1の管腔及び第2の管腔であって、前記第1の管腔が前記エンドエフェクタの前記自由端部と整列し、前記第2の管腔は、前記エンドエフェクタがその上で回転している前記軸線と前記第1の管腔との間に位置付けされている、第1の管腔及び第2の管腔と、
e)前記内視鏡の前記遠位端部の外周部の約180°を超える部分に位置付けされるように適応され、前記遠位キャップアセンブリと一体化した、周囲係合構造とを含み、
複数の補助クリップが前記トランスミッションアセンブリ及び第1の管腔及び第2の管腔に沿って長手方向に離隔し
ており、前記補助クリップは、前記トランスミッションアセンブリ及び第1の管腔及び第2の管腔の外周を延在するように適応された本体と、前記内視鏡の周りで前記補助クリップの把持を増強するために前記本体よりも高い摩擦係数を有する充填材料が充填され得る横断方向スロットとを有する、内視鏡的治療システム。
【請求項23】
前記周囲係合構造が弾力的アームを含む、請求項22に記載の内視鏡的治療システム。
【請求項24】
前記周囲係合構造がヒンジ上で回転可能なアームを含む、請求項22に記載の内視鏡的治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全体が参照により本明細書に組込まれている、2017年3月24日出願の米国特許出願第15/468,962号及び2016年8月10出願の米国特許出願第15/233,737号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、内視鏡又は他の操舵可能なガイド部材と共に自然孔を通して身体内に挿入され得る治療デバイスに関する。本発明は、人間であるか否か及び生死を問わずに哺乳動物の組織上で縫合を行なうために使用され得るが、これに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0003】
ある特許文献には、外科手術を行なうための多くの実施形態を有する内視鏡縫合システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この縫合システムは、概して、第1及び第2のアームを有するアセンブリを含み、これらのアームは、一方のアームが組織を把持し第2のアームが組織を通って湾曲針を駆動する間、回転可能な形で互いに接近するようにプッシュロッドによって起動可能である。システムには同様に、湾曲針アームとの厳密な整列を必要とする針回収部材も含まれている。このシステムは、厚みの大きい組織を把持する能力を提供するものの、組織把持アーム及び針回収部材の配設はシステムを嵩高くし、内視鏡手術におけるこのシステムの使用を困難にしている。
【0004】
別の特許文献には、特許文献1によるシステムがもつ様々な制限に対処するシステムを記載している(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2は、体内で組織隣接縫合及び縫合などの外科手術を行なう目的で組織に穴を開けるために大きな針の力を生成する広い開放及び閉鎖角度の両方を伴うエンドエフェクタを提供しながら送達のための小さな断面形状を可能にする構造を有する内視鏡治療デバイスについて記載している。
【0005】
特許文献2のシステムは、体外での作業のために近位ハンドルアセンブリに結合されたトランスミッションアセンブリ及び、内視鏡の遠位端部と係合するように適応されている遠位キャップアセンブリを含む。トランスミッションアセンブリは、リンク機構に連結され、キャップアセンブリに結合された針及び針ホルダアームを有する針アセンブリを、組織を穿刺するための方向及び組織から取出すための方向に移動させるように起動される。キャップアセンブリが結合される内視鏡は、協働するデバイスを内部に収容するための第1及び第2の器具チャネルを有する。第1のデバイスは内視鏡の第1の器具チャネルの内部に位置付けされ、針を収容し把持するように適応された遠位端部とハンドルアセンブリに結合された近位端部とを有する。第2のデバイスは、組織を係合させ、かつ針が開放位置から閉鎖位置まで移動させられるにつれて針が組織に穴を開けることができるように針の経路内に組織を引き戻すために、内視鏡の第2の器具チャネルの内部に位置付けされる。
【0006】
特許文献2のシステムは非常にうまく機能するものの、現在のところ2本の器具チャネルを有する内視鏡との組合せを必要としている。これにより、システムの使用は、このような特徴を有するより大きな内視鏡に限定される可能性がある。しかしながら、人気があるのは、より小さい内視鏡である。このようなより小さい内視鏡は、その断面形状がより小さいものであるため、自然孔を通ってより容易に前進させることができる。しかしながら、より小型の内視鏡の縮小された断面形状は、特許文献2の縫合システムに求められる2つの器具チャネルを収容することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7,344,545号明細書
【文献】米国特許第8,287,556号明細書
【発明の概要】
【0008】
内視鏡縫合システムは、内視鏡、縫合デバイス、縫合デバイスにより組織を通って可動である針アセンブリ、及び縫合デバイスと組合せて使用される第1及び第2のデバイスを含む。
【0009】
一実施形態によると、内視鏡は、概して直径が5~10mmである小さな断面形状の内視鏡であり得、1つ以上の器具チャネルを有することができ、任意には器具チャネルを全く含まない可能性がある。したがって、器具チャネルの数は、システムの動作にとって重大な意味をもたない。内視鏡は、遠位端部と近位端部とを含む。
【0010】
縫合デバイスは、内視鏡の遠位端部に組付けるように適応された遠位キャップアセンブリ、及びトランスミッションアセンブリを含み、このトランスミッションアセンブリは、トランスミッションアセンブリに対し力を加え遠位キャップアセンブリからキャップアセンブリを遠隔操作するように適応された近位ハンドルとキャップアセンブリの間に延在している。キャップアセンブリは、マウント、このマウントから遠位に延在する支持ブラケット、及びこのブラケット上に回転可能な形で組付けられた針アームを含む。ベルクランクも同様に支持ブラケット上に回転可能な形で組付けされ、針アームと係合する。トランスミッションアセンブリの遠位端部は、ベルクランクに取付けられ、こうして、トランスミッションアセンブリがハンドルにより操作された場合、ベルクランクの運動が、開放位置と閉鎖位置の間の針アームの回転をひき起こすことになる。針アセンブリは、針本体、組織穴開け端部を伴う針先端部、及び針本体に結合された縫合糸を含む。針アームは、針本体において針アセンブリに結合する。
【0011】
実施形態の一態様によると、キャップアセンブリのマウントは、第1の貫通ボアと第2の貫通ボアも同様に含む。第1の貫通ボアは、針アームが閉鎖位置にあるとき針アーム及び針と整列して位置付けされる。第1の貫通ボア上から遠位に、針ガイドが延在する。第2の貫通ボアは、第1の貫通ボアと支持ブラケットの間に位置付けされる。マウントは、キャップアセンブリが内視鏡に結合された場合、第1及び第2の貫通ボアが内視鏡の断面形状の半径方向外側に位置付けされているような形で構造化される。実施形態の別の態様によると、キャップは、マウントと一体化した弾力的なキャップクリップの形をした周囲係合構造を用いて、内視鏡の遠位端部に結合される。
【0012】
各々遠位端部と近位端部を含む第1及び第2の管腔が、それぞれ内視鏡の外部の第1及び第2の貫通ボアから近位ハンドルまで延在する。第1の管腔の遠位端部は、第1の貫通ボア内で固定され、その近位端部は、ハンドル上の第1のコネクタに結合されている。第2の管腔の遠位端部は、第2の貫通ボア内で固定され、その近位端部は、ハンドル上の第2のコネクタに結合されている。第1及び第2の管腔は、個別的なカテーテルによって画定されるか、又は共通のカテーテルに一体化されてよい。1つ又は複数のカテーテルは、共通のシース内に覆われていてよい。
【0013】
第1の管腔は、針を収容し把持できる遠位エンドエフェクタを有する第1のデバイスを収容するように適応されている。第2の管腔は、組織と係合して、針が開放位置から閉鎖位置まで移動させられるにつれて針によって組織に穴を開けることができるように針の経路内に組織を引き戻すことのできる遠位エンドエフェクタを有する第2のデバイスを収容するように適応されている。
【0014】
第1及び第2の管腔及びトランスミッションアセンブリの周りに複数の補助クリップが具備されて、これらを内視鏡に結合する。補助クリップは、第1及び第2の管腔の内部に延在する第1及び第2のデバイスの好適な屈曲及び動作ならびにトランスミッションアセンブリの動作を可能にするため、管腔及びトランスミッションアセンブリに沿って長手方向に離隔されている。
【0015】
近位ハンドルは、トランスミッションアセンブリを動作させるためにトランスミッションアセンブリに結合されたレバー式ハンドル、第1及び第2の管腔に結合されたそれぞれの第1及び第2のコネクタと連通する第1及び第2のポートを含むブラケット、及びハンドルを内視鏡に取付けるカラーを含む。
【0016】
上述の縫合システムと実質的に同様である別の実施形態によると、キャップは、内視鏡を捕捉するマウントと一体化した回転可能なアームの形をした周囲係合構造を含む。
【0017】
使用時には、縫合デバイスを内視鏡に結合して、使用のために準備する。そのように結合するにあたり、キャップアセンブリは、内視鏡の遠位端部に取付けられ、キャップクリップ又は回転可能アームが開放されて内視鏡を側方から収容し、その後閉鎖されてキャップアセンブリ及び内視鏡を互いにしっかり固定する。第1及び第2の管腔及びトランスミッションアセンブリは、補足的クリップを用いて内視鏡に沿って結合される。カラーは、内視鏡のハンドルにおいて適正に位置付けされる。第1のデバイスは、第1のポートを通って、第1の管腔内に、そしてキャップアセンブリまで前進させられる。針アセンブリが針アーム上に装着される。
【0018】
内視鏡の遠位端部及び縫合デバイスのキャップアセンブリは、任意にはガイド管を通って、患者の自然孔内へと前進させられ、標的組織に接近させられる。縫合デバイスのハンドルは、針アームを開放位置へと移動させるように動作させられる。第2のデバイスのエンドエフェクタは、第2のポートを通って第2の管腔内へ、そしてキャップアセンブリを超えて前進させられる。第2のデバイスのエンドエフェクタは、組織と係合するように動作させられ、第2のデバイスは引込められて、襞内の組織を針の経路内に引込む。次にハンドルは、針アームを閉鎖位置へと移動させ、組織襞に穴を開け、運動中組織襞を通って縫合糸を通過させるように動作させられる。針が閉鎖位置に入るにつれて、この針は第1のデバイスのエンドエフェクタによりしっかりと係合させられる。次にハンドルは、針アームを開放位置に向かって移動させ、これにより針アームを針から係合解除するように動作させられる。第2のデバイスのエンドエフェクタは、組織から解放される。内視鏡は、次に、縫合された組織襞との関係においてキャップアセンブリを変位させるように移動又は動作させられる。針及び縫合糸は、例えばノッティング又はシンチングなどにより、組織上にしっかり固定されてよく、あるいは、針を針アームと係合状態で再位置付けしてもよく、組織の隣接する又は他の部域の内部に追加の縫合糸ループを形成してもよい。縫合が一度完了すると、針アームは閉鎖位置に戻され、内視鏡及び縫合デバイスは患者から取外される。
【0019】
縫合アセンブリは次に、周囲係合構造及び補助クリップを内視鏡上から解放しカラーを内視鏡上から解放することによって、内視鏡上から解放される。
【0020】
縫合アセンブリは、必ずしも少なくとも2つの器具チャネルを有していない内視鏡と共に使用するために適応されている。したがって、縫合システムは、格納されている器具チャネルの数とは無関係に、内視鏡と共に使用可能である。同様に、縫合システムは、内視鏡のサイズによって制限されないように適応され、多くの外科手術環境で利用可能であり自然孔を通してより容易に前進させることのできるより小さい内視鏡と共に使用することさえできる。
【0021】
別の実施形態によると、近位端部と遠位端部及びその間に延在する長手軸線を有する内視鏡と共に使用するための遠位キャップ装置は、内視鏡の遠位端部に組付けるために構成されたマウントと、内視鏡の遠位端部がマウント内に収容された場合に、内視鏡の遠位端部を中心にして結束するために構成されたマウントに連結された少なくとも1つのストラップと、を含む。マウントは、少なくとも1つのストラップを結束構成で構成するためにストラップの一端部を位置付けするように構成されたストラップスロットを画定している。
【0022】
好ましくは、ストラップは弾性を有する。ストラップスロットは、ストラップがストラップスロット内にあるとき、ストラップを圧縮するように寸法決定されていてよい。ストラップは、ストラップスロットとの関係において位置付けされた状態にストラップを保持するために、ストラップスロット内に摩擦係合されていてよい。マウントは、切断ブレードスロット及びブレード担持表面を画定してよい。切断ブレードスロットは、ストラップスロット内のストラップの経路と交差する方向で長手方向に延在する。ブレード担持表面は、ストラップスロット内のストラップの平面と交差する定角度を成す平面内に延在している。ストラップを切断するため、そして内視鏡に損傷を与えると考えられる形でのブレードの配向を妨げるため、ブレード担持表面に平行な切断用ブレードスロット内に、切断用ブレードを挿入することができる。
【0023】
マウントは、ストラップがストラップスロット内にあるときストラップと係合するように構成されているストラップスロット内に延在する係止用タブを有していてよい。ストラップは、ストラップがスロットを通って移動させられるとき係止用タブと係合する複数の歯及び溝を有していてよい。係止用タブは、ストラップがストラップスロットを通って一方向のみに移動できるようにするように構成されていてよい。
【0024】
さらに別の実施形態によると、近位端部と遠位端部及びその間に延在する長手軸線を有する内視鏡と共に使用するための遠位キャップ装置は、内視鏡の遠位端部に組付けるために構成されているマウントと、マウントに連結され、結束構成において内視鏡を中心として結束されるように構成されたストラップと、を含む。マウントは、ストラップが結束構成にある場合に、ストラップとマウントによって画定されるループのサイズを調整するために構成されたバックルを含む。ストラップは連続したバンドであってよく、ストラップは弾性を有していてよい。
【0025】
バックルはマウントに固定されていてよい。バックルは、ストラップが結束構成にある場合にストラップが経由する蛇行したストラップ経路を画定し得る。バックルは、マウントとの関係において可動であってよく、バックルは開放構成と閉鎖構成の間で可動である。
【0026】
バックルはマウントに対して枢動可能な形で結合されていてよい。一実施形態において、バンドの一方の端部はバックルにしっかり固定され、バンドのもう一方の端部はマウントにしっかり固定されている。一実施形態において、バックルが閉鎖位置から開放位置まで移動させられる場合、バックルはループのサイズを増大させるためにマウントから離れるように枢動させられ、バックルが開放位置から閉鎖位置まで移動させられる場合、バックルはループのサイズを低減させるためにマウントに向かって枢動させられる。一実施形態において、ストラップの第1の端部はバックルに対して取外し可能な形で連結され、ストラップの第2の端部はマウントに対してしっかり固定されている。
【0027】
一実施形態において、バックルは、ストラップの第2端部に対する選択的連結のために各々構成されている複数の連結部を有する。同様に一実施形態において、バックルが閉鎖位置から開放位置まで移動させられる場合、バックルはループのサイズを増大させるためにマウントから離れるように枢動させられ、バックルが開放位置から閉鎖位置まで移動させられる場合、バックルはループのサイズを低減させるためにマウントに向かって枢動させられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る内視鏡縫合システムの斜視図である。
【
図2】
図1の内視鏡縫合システムの縫合デバイスの近位斜視図である。
【
図3】
図1の内視鏡縫合システムの縫合デバイスの分解側面立面図である。
【
図4】内視鏡縫合システムの内視鏡の遠位端部に取付けられたキャップアセンブリの一実施形態の斜視遠位端面図である。
【
図6】
図3の縫合デバイスの遠位端部の斜視図である。
【
図7】内視鏡と組合せた形で示された、
図6に類似する図である。
【
図8】内視鏡を利用して組織を縫合するための内視鏡縫合システムの使用を例示する。
【
図9】内視鏡を利用して組織を縫合するための内視鏡縫合システムの使用を例示する。
【
図10】内視鏡を利用して組織を縫合するための内視鏡縫合システムの使用を例示する。
【
図11】内視鏡を利用して組織を縫合するための内視鏡縫合システムの使用を例示する。
【
図12】内視鏡を利用して組織を縫合するための内視鏡縫合システムの使用を例示する。
【
図13】内視鏡縫合システムの内視鏡の遠位端部に取付けられたキャップアセンブリの別の実施形態の斜視遠位端面図である。
【
図14】内視鏡縫合システムの内視鏡の遠位端部に取付けるために構成されているキャップアセンブリの別の実施形態の斜視遠位端面図である。
【
図16】ストラップの端部がトリミングされた状態で示された、
図14のキャップアセンブリの図である。
【
図17】キャップアセンブリの別の実施形態の部分図である。
【
図18】内視鏡縫合システムの内視鏡の遠位端部に取付けるために構成されているキャップアセンブリの別の実施形態の遠位端面図である。
【
図19】内視鏡縫合システムの内視鏡の遠位端部に取付けるために構成されているキャップアセンブリの別の実施形態の遠位端面図である。
【
図20】キャップアセンブリの別の実施形態の部分図である。
【
図21】キャップアセンブリの別の実施形態の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明に関連して、「近位」及び「遠位」なる用語は、デバイスのユーザの手を基準にして定義され、「近位」なる用語は、ユーザの手により近い方であり、「遠位」なる用語は、ユーザの手からより遠い方であり、こうして、例えば使用中に多くの場合患者の身体の内部でより遠いところに位置設定される。
【0030】
図1を参照すると、内視鏡的治療システム10は、内視鏡システム11及び内視鏡縫合システム22を含む。内視鏡システム11は、内視鏡12、ビデオディスプレーユニット14、画像処理デバイス16、光源18及び吸引デバイス20を含む。一実施形態によると、内視鏡12は、概して直径5~10mmの小さい断面形状を有する。しかしながら、内視鏡のサイズは、重大な意味をもたず、本明細書中に記載の要素は、他のサイズの内視鏡のために適応可能である。図示された実施形態において、内視鏡12は単一の器具チャネル13を有する(
図4)。しかしながら、内視鏡は2つ以上の器具チャネルを有していてよく、又は、システムの動作には必ずしも内視鏡を通した器具チャネルの使用が必要とされないことから、器具チャネルを全く有していなくてもよい。内視鏡12は、遠位端部44と近位端部45及びその間に延在する長手軸線Aを含む。
【0031】
縫合システム21は、縫合デバイス22(
図2)、縫合デバイス22により組織を通って可動である針アセンブリ70(
図4)、及び縫合デバイス22と組合わせて使用される第1及び第2のデバイス38、40(
図2及び4)を含む。
【0032】
図2及び3を参照すると、縫合デバイス22は、近位動作可能ハンドル24を有し、これには、このハンドルを内視鏡12に対し取外し可能な形で結合するカラー28及び組付け用ブラケット26が具備されている。ブラケット26は、第1及び第2の器具ポート30、32を含み、ここにおいて器具は、それぞれ第1及び第2の管腔34、36内に収容され得る。ポート30、32を第1及び第2の管腔34、36に結合する第1及び第2の管状コネクタ33、35が、ポート30、32と整列されている。
【0033】
トランスミッションアセンブリ42は、トランスミッションシース46と、このトランスミッションシース46内を変位できるトランスミッションケーブル48とを含み、これらの両方がハンドル24に対して結合されている。トランスミッションシース46は、ハンドルの第1の部分(すなわち静止部材)に対して結合され、トランスミッションケーブル48は、ハンドルの第2の部分(すなわち可動レバー)に結合され、こうして、ハンドル24が動作させられた時点で、ケーブル48はトランスミッションシース46の内部を変位することになる。
【0034】
第1及び第2の管腔34、36及びトランスミッションアセンブリ42は、内視鏡12の外側に沿って近位ハンドルから遠位キャップアセンブリ50まで延在する。遠位キャップアセンブリ50は、内視鏡12の遠位端部44に組付けられるように適応され、ハンドル24は、トランスミッションアセンブリ42を介してキャップアセンブリ50を遠隔操作する。
【0035】
図4を参照すると、キャップアセンブリ50は、マウント54、このマウントから遠位に延在するU字形支持ブラケット54、及び第1のピン60を用いてブラケット52上に回転可能な形で組付けられた針アーム58を含む。支持ブラケット54上で第2のピン66にベルクランク64が回転可能な形で組付けられ、互いにかみ合う歯車(図示せず)において針アーム58と係合する。トランスミッションアセンブリ42のトランスミッションケーブル48の遠位端部は、U字形金具68においてベルクランク64に取付けられる。トランスミッションアセンブリ42がハンドル24により動作させられると、結果としてベルクランク64は回転し、その結果針アーム58は開放位置と閉鎖位置の間で回転する。
【0036】
針アセンブリ70は、針アーム58の端部で針マウント83に結合される。針アセンブリ70は、管状針本体74、針先端部76及びこの針本体に結合された縫合糸78を含む。針本体74は、縫合糸78が中を延在する側方開口部80、針アセンブリが針マウント83に結合される第1の端部82及び先端部76が結合される第2の端部84を含む。先端部76は、組織穴開けテーパを画定する。縫合糸78は、ナイロン、ポリオレフィン、PLA、PGA、ステンレス鋼、ニチノールその他などの外科用縫合糸として一般に利用可能な任意の材料で形成されてよい。1つの好適な針アセンブリが、先に組込まれた米国特許出願第9,198,562号の中でより詳細に記載されている。
【0037】
図5に目を向けると、キャップアセンブリ50のマウント52は同様に、内部にトランスミッションアセンブリ42が収容される側方陥凹85、及び第1の貫通ボア86と第2の貫通ボア88も含んでいる。第1の貫通ボア86は、針アーム58が閉鎖位置にある場合、針アーム58の針マウント83及び針アセンブリ70の両方と整列して位置付けされる。組織ガイド87がマウント52上で遠位に、第1の貫通ボア86上から延在し、針アセンブリ70により穴を開ける時に組織をその上で安定化させるための表面を提供する。第2の貫通ボア88は、第1の貫通ボア86と支持ブラケット54の間に位置付けされる。より詳細には、第2の貫通ボア88の軸心は、第1の貫通ボア86と、エンドエフェクタがその上で回転するピン60(又は軸線)との間に位置付けされる。第1及び第2の貫通ボア86、88は互いに平行であってよく、内視鏡の長手軸線A、又は第2の貫通ボア88は、以下でさらに説明されるように、針経路内へ特定の配向で第2のデバイス40を誘導するように第1の貫通ボア86との関係において斜めに角度付けされていてよい。マウント52は、以下で説明されるように、キャップアセンブリ50が内視鏡12に結合される場合、第1及び第2の貫通ボア86、88が内視鏡の断面形状の半径方向外側に位置付けされるような形で、構造化されている。
【0038】
図3及び5を参照すると、第1の管腔34の遠位端部は、第1の貫通ボア86内に固定され、その近位端部は、ハンドルブラケット26上の第1のコネクタ33に結合されている。第2の管腔36の遠位端部は、第2の貫通ボア88内に固定され、その近位端部は、ハンドルブラケット26上の第2のコネクタ85に結合されている。第1及び第2の管腔34、36は、個別的なカテーテル(
図3及び6に示されている)によって画定されてもよいし、又は、共通のカテーテルの個別の管腔として定義されてもよい。さらに、カテーテル34、36(又は共通のカテーテル)は、それらの長さの少なくとも一部分に沿って、共通のシース89内に覆われていてよい。共通のシース39は、カテーテル34、36の全長に沿って、部分長に沿って延在していてよく、又はカテーテル34、36の選択された部分に沿って区分の形で提供されていてもよい。
【0039】
図1、3、4及び6に目を向けると、第1の管腔34は、針アセンブリ70を収容し把持できる遠位エンドエフェクタを有する第1のデバイス38を収容するように適応されている。第2の管腔36は、組織と係合して、針アセンブリが開放位置から閉鎖位置まで移動させられるにつれて針アセンブリ70によって組織に穴を開けることができるように針の経路内に組織を引き戻すことのできる遠位エンドエフェクタを有する第2のデバイス40を収容するように適応されている。
【0040】
キャップアセンブリ50は、内視鏡の遠位端部の外周部のおよそ180°を超える部分に位置付けされるように適応されている周囲係合構造と共に内視鏡12の遠位端部44にしっかり固定されている。一実施形態において、構造は、マウントに対し当接関係にある状態で具備されたキャップクリップ90であり、好ましくはマウント52と一体化されている。クリップ90は開口部92と、内視鏡12の遠位端部44が開口部92を通ってアクセスできるようにするため弾力的に変形でき、その後クリップ内部に内視鏡の遠位端部を捕捉するために解放することのできるアーム94とを含む。クリップ90は、ABSプラスチック、他の好適なプラスチック、弾性材料ならびにポリマコーティングされた金属から形成されてよい。クリップ90の遠位端部は、マウント52の近位端部に対して当接する。第1及び第2の管腔34、36は、クリップ90の内部で延在し、クリップ内には、比較的同一平面上の構成でトランスミッションアセンブリ収容するために周囲陥凹96が具備されている。使用中内視鏡との関係においてキャップアセンブリをさらにしっかり固定するために、クリップ90及び内視鏡の遠位端部44全体にテープ又は粘着性バンド98が使用されてよい。一例として、外科グレードのテープ又はシリコーンの粘着バンドを使用することができる。
【0041】
図3及び6を参照すると、複数の補助クリップ100が第1及び第2の管腔34、36及びトランスミッションアセンブリ42の周りに具備され、内視鏡12の外周の180°を超えて延在するように適応された本体を形成している。クリップは、様々な変位された場所で内視鏡12に対し第1及び第2の管腔34、36をしっかりと固定するように適応されている。補助クリップ100は、ポリマそして任意にはシリコーンなどの材料又は接着剤104が充填され得る横断方向スロット102を含む。充填材料104は、内視鏡の周りでクリップの把持を増強するためクリップの本体よりも高い摩擦係数を有する。補助クリップ100は、第1及び第2の管腔34、36の内部に延在する第1及び第2のデバイス38、40の屈曲及び動作ならびにトランスミッションアセンブリ42の屈曲及び動作を可能にするため、管腔34、36及びトランスミッションアセンブリ42に沿って長手方向に離隔されている。離隔した補助クリップ100は、共通のシース89の各部分と共に間置されていてよい。
【0042】
以上のことに照らして、内視鏡と併用して使用するために、縫合デバイスを以下の通りに準備することができる。キャップアセンブリ50は内視鏡12の遠位端部44に取付けられており、ここでキャップクリップ90は、内視鏡を側方に収容するために開かれ、その後、キャップアセンブリ50及び内視鏡12を互いとの関係においてしっかり固定するために放される。第1及び第2の管腔34、36及びトランスミッションアセンブリ42は、補助クリップ100を用いて内視鏡12に沿って結合されている。カラー28は、内視鏡12の近位ハンドル45に適切に位置付けされている。第1のデバイス、つまり針アセンブリ70が装着された針捕捉器具38は、第1のポート32を通って、第1の管腔34内そしてキャップアセンブリ50まで前進させられる。先に組込まれた米国特許出願第8,679,136号中に、好適な針捕捉デバイス38が詳述されている。針アセンブリ70は、第1の管腔34内部で針捕捉器具38に対して平行に縫合糸78が延在している状態で、針アーム58上に装着される。
【0043】
図1及び8を参照すると、内視鏡12の遠位端部及び縫合デバイス22のキャップアセンブリ50は、任意にはガイド管(図示せず)を通って患者の自然孔内へと前進させられ、標的組織102に接近する。縫合デバイス22のハンドル24は、
図8に示されているように、針アーム58を開放位置へと移動させるように操作される。
図9に目を向けると、第2のデバイスのエンドエフェクタ、例えば遠位端部にらせんコイル40aを有する組織リトラクタ40は、第2のポート32を通って第2の管腔36(
図3)内へ及び第2の貫通ボア88(
図5)から外へ、そしてキャップアセンブリ50を超えて前進させられる。先に組込まれた米国特許出願第13/539,661号中に、好適な組織リトラクタが詳述されている。鉗子を含めた他の組織リトラクタも使用可能である。らせんコイル40aは、標的組織102と係合するために動作させられる。
図10に示されているように、組織リトラクタ40は、組織ガード87に接してかつ針アーム70の経路内部すなわちブラケット54と針ガイド87の間に位置設定された襞104の中へと組織を引張るために引込まれる。第1の貫通ボア56との関係において平行であるか又は斜めに角度のついた第2の貫通ボア88の配向は、組織と係合して組織を引込むために針経路内に組織リトラクタを誘導するように適応される。このとき、ハンドル24は、針アーム58を閉鎖位置へと移動させ、これにより組織襞104に穴を開け、運動中組織襞を通って縫合糸78と共に針アセンブリ70を通過させるように操作される。針アーム58が閉鎖位置にある場合、針は、針捕捉デバイス38の遠位端部の内部に収容される(
図4)。針捕捉デバイス38は、針70としっかりと係合するように動作させられる。ハンドル26は、その後、針アーム58を開放位置に向かって移動させそれにより針捕捉デバイス38内にとどまっている針アセンブリ70から針アーム58を係合解除するように操作される(
図12)。組織リトラクタ40も同様に組織から解放され、第2の管腔36を通って戻るように引き抜かれる。その後、内視鏡12は、縫合された組織106との関係においてキャップアセンブリ50を変位させるように移動させられる。針70及び縫合糸78は、ノッティング又はシンチングなどによって組織上にしっかり固定されてよく、又は、針を針アーム上に再位置付けしてもよく、組織の隣接する又は他の部域の内部に追加の縫合糸ループを形成してもよい。縫合が一度完了すると、針アーム58は閉鎖位置に戻され、内視鏡12及び縫合デバイス22は患者から取外される。
【0044】
縫合アセンブリは次に、キャップクリップ及び補助クリップを内視鏡12全体の上から解放し、内視鏡の近位端部からカラー28を解放することによって、内視鏡上から解放される。
【0045】
ここで
図13に目を向けると、上述の縫合システム22と実質的に類似するものの周囲係合構造についての変更を含む、縫合システム222の別の実施形態が示されている。前の実施形態の弾力的アーム94を伴うキャップクリップ90と対照的に、縫合システム222は、陥凹292(内視鏡12の遠位端部44の場所に示されている)及び閉鎖位置にあるとき陥凹内部に内視鏡を保持するように構造化されている独立して回転可能なアーム294によって画定された係合構造290を含む。アーム294は、ヒンジピン302上でヒンジ300に組付けられ、陥凹内への内視鏡12の遠位端部44の挿入を可能にするため開放するように回転させられ、その後アーム294により内視鏡をしっかり固定するため閉鎖するように回転させられることが可能である。アーム294は、解放されたときにアーム294をそのヒンジ300上で比較的自由に回転できるようにし、係止されたときにアーム294の位置を固定するロックと結び付けられてよい。このロックは、ヒンジ300の一部分306と係合するように及び係合解除するように回転させられる止めネジ304により画定され得る。代替的には、止めネジ304は、アームのヒンジ又は他の部分の上でカムとして動作して、止めネジ304が一方の方向に回転させられるにつれてアーム294を閉鎖位置へと回転させることができ、止めネジが反対方向に回転させられるにつれてカム上のリリースとして動作することができる。他のカム構造も同様に使用可能である。さらに別の代替案として、アーム294は、一例としてヒンジ300に位置設定され自動的にアーム294を閉鎖位置に向かって強制して一度陥凹294内部に内視鏡が位置付けされた時点で内視鏡をしっかり固定するバネを用いて、付勢されてよい。アーム294は、マウント252と一体化していてよく、又は当接関係で具備されていてもよい。
【0046】
図14及び15に目を向けると、上述の縫合システム22と実質的に類似するものの周囲係合構造についての変更を含む、縫合システム322の別の実施形態が示されている。前の実施形態の弾力的アーム94を伴うキャップクリップ90と対照的に、縫合システム322は、キャップマウント350に隣接して内視鏡の遠位端部44(
図15)を保持するように構造化されている少なくとも1つ、好ましくは複数のストラップ392によって画定されたキャップ装置390を含む。ストラップ392は、好ましくは弾性を有し、シリコーンゴム又は類似の材料で形成されていてよい。キャップマウント350は、少なくとも1つのストラップ392に対応する少なくとも1つのストラップ係合用スロット352を画定する。各々のストラップ392について、1つの端部393は、ストラップ係合用スロット352近くでキャップアセンブリ350にしっかり固定され、一方、もう1つの端部394はスロット352内を通過してループ396を形成するように構成されている。ストラップ係合用スロット352及びストラップ392は、スロット352を通したストラップ392の引張りに対する強度を提供するように構成されている。こうして、ストラップ392の端部394がスロット352により抵抗されて、このスロットを通して引張られ、ストラップ392が解放された時点で、ストラップ394により形成されたループ396は、ストラップ394を締付ける必要なく維持されることになる。一実施形態において、スロット352の幅は、スロット352を通過する対応するストラップ392の厚みよりもわずかに小さくされ、こうしてストラップ392がスロット352内にあるときストラップ352は圧縮されスロット352により摩擦係合されるようになっている。
【0047】
同様に、
図14及び15に示された実施形態においては、ヒンジピン358によりマウント350に対してくさび356が取付けられている。くさび356は、
図15により明確に示されている涙滴の断面形状を有する。くさび356の第1の側356は、
図15に示されているように、くさび356が閉鎖位置にある場合、マウント350の肩部350aと係合するように構成されている。くさび356が閉鎖位置にある場合、ストラップ392は、
図15に示されているように、第2の側356bと接触する。ストラップ392がくさび356の閉鎖位置からスロット352を通って引張られた場合、ストラップ392はくさび356を摩擦係合させて、
図15において時計回り方向に、そして肩部350aから離れる方向に回転させる。くさび356の回転は、くさび356の先端部を肩部350aから離れるようにストラップ392の経路内へと移動させ、これによりストラップ392は先端部及びスロット352に対抗してさらに圧縮されて、ストラップ392の引張りに対する抵抗を提供する。ストラップ392の端部394が解放された時点で、ストラップ392の弾性によりストラップ392はわずかに圧縮させられ、こうしてくさび356はその閉鎖位置まで反時計回り方向に戻るように回転させられる。使用中、ループ396は当初、内視鏡の遠位端部44をループ396内に挿入できるように、内視鏡の遠位端部44の直径より大きくされてよい。その後、内視鏡の遠位端部44が一度キャップアセンブリ350との関係において所望の通りに位置付けされたならば、ストラップ392は、スロット352を通してさらに引張られて、ストラップ392を内視鏡に対し締付けてこのストラップをマウント350にしっかり固定することができる。
【0048】
マウント350は同様に、ストラップスロット352及びそれぞれのスロット内の任意のストラップ392の方向との関係において固定の(又は限定された範囲の)角度で切断用ブレードが通過し得るブレード経路を画定するブレードガイド355及びストラップトリミングガイドスロット354を画定している。ガイドスロット354は、その中にナイフブレード(例えば外科用メス)を収容するように構成され、ブレードガイド355は、ナイフがガイドスロット354内を移動している間このようなナイフブレードの側面が当接する担持表面として作用するように構成されている。一実施形態において、ストラップトリミングガイドスロット354は、実質的にストラップスロット352及びストラップ392の方向に直交するブレード経路を画定する。ガイドスロット354は、全てのストラップ392を横断して長手方向に延在する。トリミングガイドスロット354は長手方向に延在し、こうして、ナイフブレードはストラップ392の平面との関係において比較的定角度に保たれながら、スロットの一端部からもう一つの端部まで長手方向に(すなわち
図14中下向きに)誘導され得るようになっている。ストラップトリミングガイドスロット354及びブレードガイド355は、ストラップ392により画定された平面に対して定角度(又は限定された角度範囲)でのみナイフブレードを位置付けできるような形でスロット354内においてナイフを誘導するように構成されている。したがって、それぞれのストラップ392がその対応するストラップスロット352内にある場合、ストラップトリミングガイドスロット354の経路はストラップ392と交差し、こうして、スロット354及びブレードガイド355によって画定されるストラップ392に対して定角度でナイフブレードを挿入してストラップ392の自由端部394を切り離すことができるようになっている。
図16はトリミングされたストラップ392を示す。トリミングガイドスロット354は、ストラップ392を過度に短く切断してストラップを使用中に緩ませる可能性、又は、過度に長く切断して使用中内視鏡の運動に干渉する可能性を防止する。
【0049】
図17は、
図14~16に示された実施形態の一変形形態を示しており、ここでストラップ及びストラップ保持配設は以下のように修正されている。ストラップ492は、歯付き又は溝付き外部表面493を有するように構成されている。マウント450は、1つ以上の保持タブ456により縁取りされたストラップスロット452を有する。各保持タブ456は、スロット452内に延在する歯(図示せず)を有する。スロット452は、対応するストラップ492を収容するように構成されている。各々のタブ456は、
図17に示されているように、ストラップ492がスロット452を通って引張られた場合にストラップ492の外部表面493と係合するように構成されている。具体的には、保持タブ456の歯は、ストラップ492の歯493bの間の空間493aと係合するように構成されている。ストラップ492の歯493bが保持タブ456の歯を通過して移動するにつれて、保持タブ456は、ジッパー付きケーブルタイクロージャと同様、ストラップ492の各歯493bと係合し、これを解放(すなわち割り出し)する。保持タブ456の歯は、ジッパー付きケーブルタイのクロージャと同様、単にストラップ492が締付けられるものの再び緩まないことを容易に可能にするような形で構成されている。(例えば、図示されていない特殊な工具を用いて)保持タブ456及びその歯をスロット452から外向きに半径方向に離れるようにストラップ492の外部表面493と係合解除するようにてこ作用で動かすことによって、この一方向配設を克服することができる。内視鏡の遠位端部44を、ループ内部に設置することができ、ストラップ492をさらに引張ることによって内視鏡に対しループ496を締付けることができる。
【0050】
図18は、
図14~16中に示されたキャップ装置の実施形態の別の変形形態を示す。
図18に示された実施形態においては、
図14~16中の2つのストラップ492に代って、単一のストラップ592が使用される。同様に、
図18では、マウント550は、
図14~16中の2つのストラップスロット352の代りに、単一のストラップスロット552を画定する。多数のより小さなストラップは単一のより大きなストラップに比べて容易に個別に締付けできる(引張るのに必要な力が少ない)可能性があるため、同じ材料で作られた単一のストラップに比べ、2つのストラップを用いた実施形態が好ましい。
【0051】
ここで
図19を見ると、上述の縫合システム22に類似するもののキャップ装置についての変更を含んでいる、縫合システム622の別の実施形態が示されている。前の実施形態の弾力的アーム94を伴うキャップクリップ90と対照的に、縫合システム622は、キャップマウント650に隣接して内視鏡の遠位端部44(
図19には見えない)を保持するように構造化された少なくとも1つのストラップ692によって画定されたキャップ装置690を含む。ストラップ692は好ましくは弾性であり、シリコーンゴム又は類似の材料から形成されてよい。
【0052】
キャップマウント650は切込み651を画定し、この切込み内に、一対のロッド651a及び651bが配置されている。ストラップ692は、一端部でキャップマウント650にしっかり固定され、ストラップ692の反対側の端部694は、ロッド651bの周りを通りそしてロッド651b及び651aの間を通って、こうして、内視鏡の遠位端部44を内部に収容できるストラップ692のループ696を形成することができるようになっている。ロッド651a及び651bの間の間隔取り及び相対的位置は、ストラップ692を圧縮し、ストラップ692が一度締付けられた時点で緩むのを防ぐように構成されている。同様に、ストラップ692は、ストラップ692が締付けられた後に緩まない材料で形成される。ループ696内に内視鏡の遠位端部を挿入する前に、このループ696を予め形成することができ、その後、ストラップ692の端部694をさらに引張って、ループ696を締付け、内視鏡をキャップマウント650にしっかり固定することができる。
【0053】
ここで
図20を見ると、上述の縫合システム22に類似するものの周囲係合構造についての変更を含んでいる、縫合システム722の別の実施形態が示されている。前の実施形態の弾力的アーム94を伴うキャップクリップ90と対照的に、縫合システム722は、キャップマウント750に隣接して内視鏡の遠位端部44(
図20には見えない)を保持するように構造化された少なくとも1つのストラップ又はバンド792によって画定されたキャップ装置790を含む。ストラップ又はバンド792は好ましくは弾性であり、シリコーンゴム又は類似の材料から形成されてよい。
図20に示された実施形態では、連続した弾性バンド792が示されている。
【0054】
係合構造790は同様に、バンド792の端部792aに結合されているバックル798をも含んでいる。バックル798は、キャップマウント750の中に形成されたヒンジ752に対し枢動する形で結合されている1組のピン798aを有する。バンド792の反対側の端部792bがピン754によりキャップマウント750に結合されている。バックル798は、内視鏡の遠位端部44を作動的に挟持するべく開放位置と閉鎖位置(
図20に示されている)の間で移動するように構成されている。
図20中で閉鎖位置で示されているように、バックル798の外部表面は、キャップマウント750の外部表面と同一平面にある。バックル798は、バックル798を開放するためにヒンジ752を中心として(
図20中の時計回り方向)回転され得、これによりバンド792は緩められ、こうして内視鏡の遠位端部44を、バンドとキャップマウント750の湾曲した表面との間に画定されたループ796内に位置付けすることができるようになっている。内視鏡の遠位端部44がループ796内に所望の配向で位置設定された時点で、バックル798をその閉鎖位置まで移動させることができ、これにより、バンド792は内視鏡の周りで締付け又は挟持されて、所望の配向でキャップマウント750に対ししっかりと固定される。
【0055】
ここで
図21を見ると、上述の縫合システム22に実質的に類似するものの周囲係合構造についての変更を含んでいる、縫合システム822の別の実施形態が示されている。前の実施形態の弾力的アーム94を伴うキャップクリップ90と対照的に、縫合システム822は、キャップマウント850に隣接して内視鏡の遠位端部44(
図21には見えない)をしっかり固定するように構造化された少なくとも1つのストラップ又はバンド892によって画定されたキャップ装置890を含む。ストラップ又はバンド892は好ましくは弾性であってよく、シリコーンゴム又は類似の材料から形成されてよい。ストラップ又はバンド892は、弾力的なコード又は「バンジー」として形成されてよい。
図2に示された実施形態において、弾性バンドの上位セット892a及び弾性バンドの下位セット892bは、そのニュートラルの未変形(弛緩)状態で示されている。各々のバンドセット892a及び892bは、より大きな外周長さの外側バンドと比較的小さい外周長の内側バンドを伴って同一に構成されている。各バンドセットの内側及び外側バンドは、接合されて、
図20のループバンド792のような連続したループバンドを形成してよい。上位バンド892a及び下位バンド892bは、そのそれぞれの端部892a’及び892b’で、キャップアセンブリ850に対ししっかり固定されている。上位バンド892a及び下位バンド892bは、それぞれの端部892a’’及び892b’’でピン892cにしっかり固定されている。
【0056】
係合構造890は同様に、キャップマウント850にヒンジ結合されているバックル898をも含んでいる。バックル898は、溝の1つの中にピン892を選択的に収容するように構成された複数の溝898cによって分離された複数の歯898bを有する。バックル798は、開放位置と閉鎖位置(
図21に示されている)の間で移動するように構成されている。
図21中で示されているように、閉鎖位置で、バックル898の外部表面は、概してキャップマウント850の外部表面と同一平面であるか又は平行である。バックル898は、バックル898を開放するために、
図21中の時計回り方向でそのヒンジ式連結部を中心にして回転され得、これによりバンド892a及び892bは緩められる。バックル898が開放されている場合、ピン892cを、溝898cの1つの中に位置付けすることができ、その後バックル898を閉鎖することができる。特定の溝898cの選択は、挟持されるべき内視鏡のサイズ及びバンド892a及び892bによって加えられるべき力の量によって左右される。バックルが開放されている場合、内視鏡の遠位端部44を、バンド892a及び892bとマウント850の間の所望の位置に位置設定することができる。その後、内部バンド892a及び892bを内視鏡と最も近接した(又は接触した)状態に置く溝898cの中に、ピン892cを位置付けすることができる。ピン892cがそのように位置付けされた時点で、バックル898をその閉鎖位置へと回転させて、バンド892a及び892bを内視鏡上に締付けるか又は挟持し、内視鏡をキャップマウント850に対してしっかり固定することができる。
【0057】
上述の縫合アセンブリは、必ずしも少なくとも2つの器具チャネルを有するわけではない内視鏡と共に使用するために適応されている。したがって、多くの外科手術環境内で利用可能であり自然孔を通ってより容易に前進させることのできるより小さい内視鏡と共に縫合システムを使用することができる。
【0058】
本明細書では、縫合システムならびに外科治療システム、ならびにその使用方法の実施形態について説明され、例示されてきた。本発明の特定の実施形態が説明されてきたが、本発明をそれに限定することは意図されておらず、本発明は、当該技術が許容するだけの広さの範囲を有するものとして意図され、明細書はそのように読まれることが意図されている。したがって、第1及び第2の管腔を通って前進するための特定の器具及びデバイスが開示されているものの、同じ目的さらには異なる目的でこのような管腔を通って他の器具を使用することも可能であることが認識される。同様に、治療システムは、針を担持する針アームの形をしたエンドエフェクタを有するキャップアセンブリに関して詳細に説明されてきたが、代替的には、他の構造及び目的を有する1つ以上の可動エンドエフェクタをキャップアセンブリに具備することができる、ということが認識される。同様に、針アセンブリの形をした組織アンカについて説明されてきたが、エンドエフェクタは、例えばクリップを含めた異なるタイプの組織アンカを展開させることができる。さらに、特定の針アセンブリについて説明されてきたが、他の針アセンブリを使用することも同様に可能である。同様に、システムを使用する内視鏡のサイズ及び器具チャネルの特徴は、重大な意味をもたず、様々な先行技術のシステムは、針交換デバイスを収容するためのもの及び組織レトラクタを収容するためのものという2つの器具チャネルより少ない数の器具チャネルしか有していない内視鏡と併用した縫合作業において適切に使用することができず、一方、当該システムは、内視鏡の内部を通してチャネルを具備することなく、完璧に動作する能力を有するということが認識される。したがって、当業者であれば、提供された発明に対し、請求されたその範囲から逸脱することなく、さらに他の修正を加えることが可能である、ということを認識するものである。