IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サフランの特許一覧

<>
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図1
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図2
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図3
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図4
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図5
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図6
  • 特許-被覆ターボ機械部品及び関連製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-20
(45)【発行日】2023-01-30
(54)【発明の名称】被覆ターボ機械部品及び関連製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 4/04 20060101AFI20230123BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20230123BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20230123BHJP
【FI】
C23C4/04
F01D25/00 L
F01D25/00 X
F02C7/00 C
F02C7/00 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020518586
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 FR2018051359
(87)【国際公開番号】W WO2018229409
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】1755210
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502255911
【氏名又は名称】サフラン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】リュック ビアンキ
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン ドミニク ロジェ ジョゼフ ベルナール
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104988455(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0137949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/04
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(21)、及び前記基材上に存在する少なくとも1つのアルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護層(24)を含む、被覆ガスタービンエンジン部品であって、前記層(24)が、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料の第一相(240)と、前記第一相中に分散された濡れ防止材の粒子を含む第二相を含み、 前記アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料が一般式Ca 4 Re 6 (SiO 4 6 OもしくはCa 2 Re 8 (SiO 4 6 2 のアパタイト相又は一般式CaAl 2 Si 2 8 のアノーサイト相を形成することができる材料であり、
前記濡れ防止材が、以下の材料:
CaF2
LnPO4(式中、Lnは、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)、Nd(ネオジム)である)、
MAX相(Mn+1AXn、式中、nは、1、2、3であり、Mは、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Mn(マンガン)、Re(レニウム)、W(タングステン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)であり、Aは、IIIA族、IVA族、VA族、VIA族であり、XはC、Nである)、
AlN、及び
BN
より選ばれる材料又はこれらの材料の混合物に相当する、部品。
【請求項2】
前記第一相(240)中に分散された濡れ防止材の粒子が、10nm~10μmの平均粒径を有する、請求項1に記載の部品。
【請求項3】
前記第一相(240)中に分散された濡れ防止材の粒子の体積百分率が、1%~80%である、請求項1又は2に記載の部品。
【請求項4】
前記第一相(240)中に分散された濡れ防止材の粒子の体積百分率が、保護層(24)の厚み方向で変化しており、前記粒子の体積百分率が、基材(21)に隣接する前記層の第1のゾーンと前記第1のゾーンから離れた前記層の第2のゾーンの間で徐々に増加する、請求項3に記載の部品。
【請求項5】
前記アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護層(24)が、1μm~1000μmの厚さを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品。
【請求項6】
前記第一相(240)のアルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料が、アパタイト型相を形成することができ、かつ以下の材料:
希土類ジルコネート(RE2Zr27、式中、REは、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pmプロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)である)、
一部もしくは完全に安定化されたジルコニア、
デルタ相(A′4312、式中、A′はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuから選ばれるいずれかの元素であり、BはZr、Hfである)、
23とZrO2、Al23、又はTiO2を含む複合材、
ヘキサアルミネート、
スピネル、
希土類REモノシリケート及びジシリケート(REはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである)
の1つまたはこれらの材料の混合物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の部品。
【請求項7】
基材(21)とアルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護層(24)の間に挿入された熱バリア層(23)をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品。
【請求項8】
前記基材(21)が、ニッケルもしくはコバルトをベースとする超合金であり、かつその表面にアルミノボンドコート(22)もしくはセラミックマトリックス複合材料(CMC)層、又はアルミノ形成ボンドコートによりコートされたセラミックマトリックス複合材料(CMC)層を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の部品。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の部品の製造方法であって、基材(21)上又は基材上に存在する熱バイリア層(23)上にアルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護層(24)を直接形成する工程を少なくとも含み、この形成する工程が、以下の方法:
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料の粉末もしくは前駆体、及び濡れ防止材の粉末もしくは前駆体を含む少なくとも1つの懸濁液のサスペンジョンプラズマ溶射法、
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料の粉末もしくは前駆体、及び濡れ防止材の粉末もしくは前駆体を含む少なくとも1つの懸濁液の高速フレーム溶射法、
懸濁した濡れ防止セラミック材料の粉末もしくは濡れ防止セラミック材料の前駆体を含む溶液からのサスペンジョンプラズマ溶射法又は高速フレーム溶射法と組み合わせた、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)保護材料の粉末の大気圧プラズマ溶射法
の1つにより行われる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空用又は地上用ガスタービンエンジンの高温部品に使用される部品などの高温環境において断熱部品に使用される保護被膜の分野全般に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジン、特に、定置陸上システム用又は航空推進用の高圧タービン(HPT)の効率を向上させるために、ますますより高温が検討されている。これらの条件下、金属合金又はセラミック複合材料(CMC)などの使用される材料は、主に、その機能的統合性を保証しかつ周囲雰囲気によるその酸化/腐食を限定するように、十分に低い表面温度を維持するための保護を必要とする。
【0003】
「熱バリア」(TB)又は「耐環境コーティング」(EBC)保護は、その主要機能が被覆構成部品の表面温度を限定することであるセラミック被膜によってそれ自体が表面を覆われた基材の基礎材料(金属合金又は複合材料)の表面上に成膜された酸化/腐食を保護するボンディングコートから一般的に成る複合多層スタックである。酸化/腐食に対するその保護機能を保証し、かつセラミック被膜の接着を促進するために、ボンディングコートを事前に酸化して熱バリアの場合に、その表面上に「熱成長酸化物」(TGO)と呼ばれる高密度アルミナ層を形成する。このような保護系は、特に、文献D. R. Clarke, M. Oechsner, N. P. Padture, "Thermal-barrier coatings for more efficient gas-turbine engines", MRS Bulletin, 37, 2012, pp 892-898 及び D. Zhu, R. A. Miller, "Thermal and Environmental Barrier Coatings for Advanced Propulsion Engine Systems", NASA Technical Memorandum, 213129, 2004に記載されている。
【0004】
一方では、これらの系(TB及びEBC)の耐用寿命は、熱サイクルに対するスタックの耐性に依存し、他方では、環境ストレス(固体粒子、薬品耐性、腐食、その他によるエロージョン)に対する外層の耐性に依存する。
【0005】
特に、一般名CMAS(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム及びケイ素の酸化物)として一般に知られている砂又は火山灰粒子(無機シリカ型化合物に富む)に富む環境に晒される場合に、これらの系は非常に速く劣化する。溶融CMASを熱又は環境バリアに浸入させると、概して:
・機械的破損(層間剥離)に至る浸入層の強化;
・熱バリアの化学溶解及び異なる特性及び/又は体積を有する再結晶化生成物による不安定化
により分解する結果となる。
【0006】
この問題を克服するために、いわゆる「耐CMAS」組成物が開発され、これは、文献C. G. Levi, J. W. Hutchinson, M. -H. Vidal-Setif, C. A. Johnson, "Environmental degradation of thermal barrier coatings by molten deposits", MRS Bulletin, 37, 2012, pp 932-941に記載されているように、CMASとの化学反応による防水バリア層の形成を可能とする。
【0007】
しかしながら、これらの系は、その有効性を低下させる、機能的な制限があり、このうち、特に以下のものが挙げられる。
溶融CMASによる浸入経路を引き起こす熱機械効果による使用中のTBの亀裂;
被膜中のCMASの毛管浸入と不浸入遮断相の形成の反応速度の間の競争による浸入した厚さが変化する持続性。浸入した厚さが厚いほど、TBの機械的弱体化の危険性は大きい。実際、系の硬化が懸念されるため、CMASの浸入の停止にもかかわらず、耐用年数が制限される。
この液体不純物の毛管浸入を最小にするため、垂直亀裂のない、密な形態の抗CMAS被膜を用いることの必要性。この場合、系は異なる系の要素の熱膨張係数の差による熱機械応力に敏感になり、耐用年数が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、保護層への溶融CMASの浸透の深さを制限する、CMAS保護層を備えたガスタービンエンジン部品に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の主目的は、基材及び前記基材上にある少なくとも1つのアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を備える被覆ガスタービンエンジン部品を提供することにより、被膜の表面のできるだけ近くに保護不浸透層の形成反応を促進することによって、抗CMAS保護層への溶融CMASの毛管浸入を限定することであり、層はアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMASの第一相及び保護層中に分散された液体CMAS濡れ防止材の粒子を含む第二相を備える。「CMAS濡れ防止材」とは、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層に、前記保護層の曝露された表面と液体CMASの液滴の間に45°以上、好ましくは90°以上の接触角を有する特性を与える材料を意味する。
【0010】
抗CMAS保護層の第一相又はマトリックス相中に分割した形態でCMAS用の非湿潤相を添加することにより、表面上のCMAS保護層と溶融CMASの間の接触を制限するのみならず、垂直亀裂への液体汚染物の浸入を制限する。こうして、保護層の反応性は、CMASとの化学反応による、他の汚染物質を透過しない連続層(バリア層)の形成を可能にし、毛管浸入メカニズムよりも優先される。
【0011】
これは、保護層の表面のできるだけ近くに保護不透過層の形成を促進することにより、本発明によるCMAS保護層を含むガスタービンエンジン部品の耐用年数を増加させる。保護層の犠牲的側面は、その硬化と同様に低下する。保護層の耐用年数、従って被覆ガスタービンエンジン部品の耐用年数は、高められた反応性を有するCMAS保護層の垂直亀裂を許容することにより、さらに延長され、CMASによって垂直亀裂が浸透することなく熱機械変形に対応することができる。
【0012】
本発明の特定の態様によれば、保護層の第二相に使用される濡れ防止材は、以下の材料:CaF2、LnPO4(式中、Lnは、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)、Nd(ネオジム)である)、MAX相(Mn+1AXn、式中、nは、1、2、3であり、Mは、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Mn(マンガン)、Re(レニウム)、W(タングステン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)であり、Aは、IIIA族、IVA族、VA族、VIA族であり、XはC、Nである)、AlN、BN、SiC、及びSiOCより選ばれる材料又はこれらの材料の混合物に相当する。
【0013】
本発明の別の特定の態様によれば、CMAS保護層中に分散された濡れ防止材粒子は、10nm~10μmの平均サイズを有する。
【0014】
本発明の別の特定の態様によれば、CMAS保護層は、1%~80%の濡れ防止材粒子の体積含有率を有する。
【0015】
本発明の別の特定の態様によれば、CMAS保護層中に存在する濡れ防止材粒子の体積百分率は保護層の厚さ方向で変化し、濡れ防止材粒子の体積百分率は前記基材に隣接する前記層の第一ゾーンと第一ゾーンから離れている前記層の第二ゾーンとの間において徐々に増大している。
【0016】
本発明の別の特定の態様によれば、CMAS保護層は、1μm~1000μmの厚さを有する。
【0017】
本発明の別の特定の態様によれば、第一相のアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料は、次の材料のうちの1つ又は次の材料のいくつかの混合物に相当する:ジルコン酸希土類塩RE2Zr27(式中、RE=Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム))、一部もしくは完全に安定化されたジルコニア、デルタ相A4312(式中、A=Y→Lu及びB=Zr、Hf)、Y23とZrO2、Al23もしくはTiO2との複合体、ヘキサアルミネート、スピネル、希土類REモノシリケート及びジシリケート(RE=Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)。
【0018】
本発明の別の特定の態様によれば、基材とアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層との間に熱バリア層が配置されている。
【0019】
本発明の別の特定の態様によれば、基材はニッケル又はコバルト系超合金から成り、その表面上にアルミノ形成ボンディング層もしくはセラミックマトリックス複合(CMC)層、又はアルミノ形成ボンディングで被覆されたセラミックマトリックス複合(CMC)層を備える。
【0020】
本発明は、基材の直上又は基材上に存在する熱バリア層の直上にアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を形成する少なくとも1つの工程を含む本発明によるガスタービンエンジン部品の製造方法であって、前記形成工程を次の方法:
-アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料の粉末もしくは前駆体及び濡れ防止材の粉末もしくは前駆体又はそのいずれかの組合せを含有する少なくとも1つの懸濁液からのサスペンションプラズマ溶射法、
-アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料の粉末もしくは前駆体及び濡れ防止材の粉末もしくは前駆体又はそのいずれかの組合せを含有する少なくとも1つの懸濁液からの高速フレーム溶射法、
-濡れ防止材の粉末もしくは前駆体を含有する溶液からのサスペンションプラズマ溶射法又は高速フレーム溶射法と組合せた、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料の粉末の大気圧プラズマ溶射法
のうち1つで行う、方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の他の特徴及び利点は、いかなる拘束もなく例示的実施形態を例証する附属の図面を参照して以下に示される記載から明らかになるだろう。図面に関して:
図1】従来技術によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を備えたガスタービンエンジン部品への液体汚染物質の浸入を示す。
図2】本発明によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を備えたガスタービンエンジン部品への液体汚染物質の浸入を示す。
図3】本発明によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を備えたガスタービンエンジン部品への液体汚染物質の浸入を示す。
図4】本発明によるガスタービンエンジン部品の製造方法の第一の例示的実施形態である。
図5】本発明によるガスタービンエンジン部品の製造方法の第二の例示的実施形態である。
図6】本発明によるガスタービンエンジン部品の製造方法の第三の例示的実施形態である。
図7】本発明によるガスタービンエンジン部品の製造方法の第四の例示的実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、概して、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料の相を含む保護層で被覆されたガスタービンエンジン部品に適用する。「CMAS保護材料」は、特に、少なくとも1つの不透過バリア層の形成によって、保護層への溶融CMASの浸入を防止又は低減する全ての材料を意味する。最も一般的な不透過バリア層の例は、一般式(Ca4Re6(SiO46O)もしくはCa2Re8(SiO462のアパタイト相又は一般式CaAl2Si28のアノーサイト相の形成を含む。
【0023】
非限定的例によって、CMASとの化学反応によりアパタイト相のような他の汚染物を通さない連続層もしくは相を形成しそうであるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料は、次の材料のうちの1つ又は次の材料のいくつかの混合物に相当する:
ジルコン酸希土類塩RE2Zr27(式中、RE=Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)、一部もしくは完全に安定化されたジルコニア、デルタ相A′4312(式中、A′はY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuから選ばれるあらゆる元素であり、BはZr、Hfである)、Y23とZrO2、Al23、又はTiO2を含む複合材、ヘキサアルミネート、スピネル、希土類REモノシリケート及びジシリケート(REはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである)。好ましくは、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料は、ジルコン酸希土類塩、ドープされたジルコン酸希土類塩、及びこれらの混合物より選ばれる。
【0024】
本発明によれば、CMAS保護層のマトリックスを構成するこの第一相に、そのマトリックスを第一相により形成される保護層中に分散された少なくとも1つのCMAS濡れ防止材の粒子の形態で第二相を添加する。
【0025】
CMAS保護層の体積内に非湿潤相が存在すると、層への溶融CMASの毛管浸入が制限され、従って、保護層の表面に可能な限り近い抗CMASバリア層の形成反応が存在する。従って、新しい相の形成に起因する熱機械的特性または体積の変化は、保護層のコアに強い機械的応力を誘発しない。これにより、保護の耐用年数が長くなり、その結果、運転条件下での被覆ガスタービンエンジン部品の耐用年数が長くなる。CMAS保護層の体積内にCMAS非湿潤相が存在することにより、液体汚染物質による亀裂の浸入を制限し、保護層の初期または使用中の熱機械効果により誘発される垂直亀裂の完全な利点を維持することも可能になる。繰り返すが、保護の耐用年数、ひいては運転条件の下でのガスタービンエンジン部品の耐用年数が長くなる。さらに、微細に分散した形態のCMAS保護層の体積内に非湿潤相が存在すると、その濡れ防止効率が向上する。
【0026】
CMAS保護層のマトリックス又は第一相中に分散された粒子は、詳細には、以下の材料:CaF2、LnPO4(式中、Lnは、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)、Nd(ネオジム)である)、MAX相(Mn+1AXn、式中、nは、1、2、3であり、Mは、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Mn(マンガン)、Re(レニウム)、W(タングステン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)であり、Aは、IIIA族、IVA族、VA族、VIA族であり、XはC、Nである)、AlN、BN、SiC及びSiOCより選ばれる材料又はこれらの材料の混合物に相当するCMAS濡れ防止材からなってよい。
【0027】
CMAS保護層中に分散された粒子の形態の第二非湿潤相を、粉末及び懸濁液から得ることができる。
【0028】
第一相中に分散されたCMAS濡れ防止材粒子は、10nm~10μm、好ましくは、10nm~1μmの平均サイズを有する。本開示中、用語「・・・~・・・」は、境界を含むと理解されるべきである。
【0029】
保護層は、1%~80%、好ましくは1%~30%であり得るCMAS濡れ防止材粒子の体積含有率を有する。
【0030】
保護層は、抗CMAS材料の第一相及びCMAS濡れ防止材粒子の第二相の体積百分率が保護層の厚さと共に変化する組成勾配を有してよい。より正確に言えば、濡れ防止層中に存在する濡れ防止材粒子の体積百分率は保護層の厚さと共に変化することができ、濡れ防止材粒子の体積百分率は、基材に隣接する前記層の第一ゾーンと第一ゾーンから離れている前記層の第二ゾーンとの間で徐々に増加する。
【0031】
保護層は、好ましくは、良好な断熱特性を可能とする多孔質構造を有する。保護層は、層中に初期に存在する、又は使用中に形成する垂直亀裂を有し得、これは、層により高い変形能力を与え、したがって、より長期の耐用寿命を得る。保護層の多孔質及び亀裂のあるミクロ構造(初期又は使用中)を、それ自体周知の層の形成(成膜)過程の制御により主に得る。
【0032】
創表面近傍において液体CMASを保持する保護層中の第二CMAS非湿潤相の存在のおかげで、これらの多孔性及び亀裂は、従来技術の溶融CMASの浸入のための好ましい経路をもはや構成しない。したがって、第一相で使用されるCMAS保護材料の有効性は保たれる。
【0033】
図1、2及び3は、本発明によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層、すなわち、上記第一相及び第二相、並びに従来技術によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層を含む複合保護層により得られた効果を示す。より正確に言えば、図1は、アルミノ形成ボンディングコート12、一般にYSZとよばれるZrO2-Y23(8質量%)から形成された熱バリア層13及びGd2Zr27から形成された従来技術のCMAS保護層14の順で被覆されたニッケルベース超合金基材11から成る部品10であって、該部品はCMAS15(溶融)の存在下にある部品を示している。
【0034】
図2は、アルミノ形成ボンディングコート22、YSZから形成された熱バリア層23及びCMAS保護層24の順で被覆されたニッケルベース超合金基材21からなる部品20であって、層24がCMAS保護材料としてのGd2Zr27からなる第一相240及び層24中に分散しかつCMAS濡れ防止材としてのフッ化カルシウムCaF2からなる第二相241を含み、該部品はCMAS25(溶融)の存在下にある部品を示している。
【0035】
図1に示されている従来技術による保護層の場合、液体CMAS汚染物質15は、保護層14の亀裂及び熱バリア層13に深く浸入する。
【0036】
異なる方法では、図2に示されている本発明による保護層の場合、保護層24への液体CMAS汚染物質25の浸入深さは、保護層24中に分散したCMAS濡れ防止材からなる第二相241の存在により制限される。より正確に言えば、図3に示すように、液体CMAS汚染物質25は第二相241と接触した際に保護層24の表面上に保持され、保護層24の細孔及び亀裂への液体CMAS25の浸入深さを制限し、第一相との化学反応により、保護層の表面の可能な限り近くに連続かつ汚染物防止層もしくは相を形成する。
【0037】
「CMAS濡れ防止材」とは、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS24に対する保護層を与え、前記保護層24の曝露された表面24aと液体CMAS24の液滴250の間に45°以上、好ましくは90°以上の接触角を有する特性を与える材料を意味する。
【0038】
CMAS保護層へのCMAS非湿潤相の添加は、CMAS保護層上における溶融CMASとCMAS保護層の間の接触を制限するのみならず、垂直亀裂への液体汚染物質の浸入を制限する。従って、バリア層の反応性は、CMASとの化学反応による、他の汚染を透過しない連続層の形成を可能にし、毛管浸入メカニズムよりも優先される。
【0039】
本発明によるアルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層は、1μm~1000μm、好ましくは5μm~200μmの厚さを有する。
【0040】
本発明の主題であるガスタービンエンジン部品の基材を、ニッケル又はコバルトベース超合金から製造することができる。この場合、基材は、その表面にアルミノ形成ボンディングコートを有してもよい。例えば、アルミノ形成ボンディングコートとしては、MCrAlY合金(式中、M=Ni、Co、Ni及びCo)、ニッケルアルミナイド型p-NiAl(Pt、Hf、Zr、Y、Si又はこれらの元素の組合せにより修飾されていてもよい)、合金γ-Ni-γ’-Ni3Alのアルミナイド(Pt、Cr、Hf、Zr、Y、Si又はこれらの元素の組合せにより修飾されていてもよい)、MAX相(Mn+1AXn(n=1、2、3)、式中、M=Sc、Y、La、Mn、Re、W、Hf、Zr、Ti;A=IIIA族、IVA族、VA族、VIA族;X=C、N)、又は他の適切なボンディングコート、並びにその混合物を挙げることができる。基材は、超合金AM1、MC-NG、CMSX4及び誘導体、又はRene及び誘導体から成り得る。
【0041】
ボンディングコートは、腐食及び酸化から基材を保護し、同時に基材とその上の層、詳細には本発明のCMAS保護層もしくは熱バリア層、との間の良好な機械及び/又は化学結合を確保する。
【0042】
ボンディング層を、物理蒸着法(PVD)、APS、HVOF、減圧プラズマ溶射法(LPPS)又は派生方法、イナートプラズマ溶射法(IPS)、化学蒸着法(CVD)、Snecma気相アルミナイジング法(SVPA)、放電プラズマ焼結法、電解析出法、並びに他の適切な成膜及び形成方法により形成及び成膜することができる。
【0043】
本発明において使用される基材は、製造しようとするガスタービンエンジン部品の形状に応じた形状を有する。本発明による保護層を備えるターボ機械部品は、これに限らないが、ブレード、ノズル羽根、高圧タービンリング及び燃焼室壁であり得る。
【0044】
複合アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム保護層、すなわち、上記定義された第一相及び第二相を含む保護層を、ガスタービンエンジン部品の基材に直接適用することができる。この場合、本発明の保護層は、基材のための熱バリアを構成する。
【0045】
可変の実施形態によれば、熱バリア層は、基材と本発明の複合保護層との間、又はアルミノ形成ボンディングコートと本発明の複合保護層との間に配置されていてよく、この場合、後者は、高温液体アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS汚染物質に対する保護を提供していても提供していなくてもよい熱バリア層表面上の機能層として使用される。非限定的例によって、熱バリア層を、7%~8%の質量含有率のY23を含むイットリア安定化ジルコニアから製造することができる。その上に本発明の複合保護層が作製される熱バリア層は、ミクロ構造、均質、均質かつ多孔質、垂直ミクロ亀裂、垂直ミクロ亀裂かつ多孔質、柱状、柱状かつ多孔質、並びにこれらの異なるミクロ構造を含む構造を有してよい。
【0046】
熱バリア層を、電子ビーム、物理蒸着法(EBーPVD)、APS、HVOF、ゾルゲル、SPS、溶液前駆体プラズマ溶射法(SPPS)、HVSFS又は他の適切な方法により形成及び成膜することができる。
【0047】
本発明の複合保護層は、セラミックマトリックス複合材料(CMC)部品を保護する、環境バリアコーティング(EBC)の積層体の表面上、又は熱/環境バリアコーティング(TEBC)上の機能層として用いることができる。CMC材料を保護する熱/環境バリアシステムは、限定されるものではないが、MoSi2、BSAS(BaO1-x-SrOx-Al23-2SiO2)、ムライト(3Al23-2SiO2)、希土類REモノシリケートもしくはジシリケート(式中、RE=Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、完全にもしくは一部安定化された、又はドープされたジルコニア、及び他の好適な組成物、及びこれらの混合物を含む。
【0048】
本発明の複合保護層を、次の方法:
-大気圧プラズマ溶射法(APS)、
-高速酸素燃料(HVOF)、
-サスペンションプラズマ溶射法(SPS)、
-溶液前駆体プラズマ溶射法(SPPS)、
-サスペンションーHVOF(S-HVOF)としても公知の高速サスペンションフレーム溶射法(HVSFS)
の1つによって形成及び成膜してもよい。
【実施例
【0049】
図4に示されているように、本発明によるガスタービンエンジン部品30の製造方法を、その上に複合アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層32をSPSにより塗布されたAM1ニッケルベース超合金から成る基材31上で行い、該保護層32は、本発明により、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料としてGd2Zr27の第一相及びCMAS濡れ防止材として保護層32中に分散された粒子の形態のCaF2の第二相を含む。
【0050】
この実施例では、懸濁液41中に抗CMAS材料の粉末、Gd2Zr27、及び保護層32の具現化に適合した体積比率でCMAS濡れ防止材42、CaF2を含有する溶液40を使用する。この溶液40を、溶液40の熱処理、すなわち粉末の溶融及び促進を可能とするプラズマトーチ43によって生成されるプラズマジェット44中に同じ懸濁液注入器42により注入する。
【0051】
この実施例は、他の抗CMAS材料又は他のCMAS濡れ防止材の使用の可能性を排除しない。さらに、溶液の液相が粉末を含まず、複合保護層内に形成される2つの相の一方または両方の前駆体を含む可能性もある。この場合、熱処理は、現場で相を形成し、溶融させ、コーティングを生成する。また、プラズマのみならず、ハイブリッドHVOF及びHVSFS生成モードより得られる高速フレーム溶射を用いることによっても複合コーティングを生成することが可能である。
【0052】
実施例2
図5に示されているように、本発明によるガスタービンエンジン部品50の製造方法を、その上に複合アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層52をSPSにより塗布されたAM1ニッケルベース超合金からなる基材51上で行い、該保護層52は、本発明により、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料としてGd2Zr27の第一相及びCMAS濡れ防止材として保護層52中に分散された粒子の形態のCaF2第二相を含む。
【0053】
この実施例では、懸濁液610中に抗CMAS材料、Gd2Zr27の粉末を含有する第一溶液61、及び保護層52の具現化に適合した体積比率でCMAS濡れ防止材、CaF2の粉末を含有する第二溶液62を使用する。この2つの溶液61及び62を、溶液61及び62の熱処理、すなわち粉末の溶融及び促進を可能とするプラズマトーチ65によって生成されるプラズマジェット64のコアに同じ懸濁液注入器63により注入する。
【0054】
この実施例は、他の抗CMAS材料又は他のCMAS濡れ防止材の使用の可能性を排除しない。さらに、溶液の液相が粉末を含まず、複合保護層内に形成される2つの相の一方または両方の前駆体を含む可能性もある。この場合、熱処理は、現場で相を形成し、溶融させ、コーティングを生成する。また、プラズマのみならず、ハイブリッドHVOF及びHVSFS生成モードより得られる高速フレーム溶射を用いることによっても複合コーティングを生成することが可能である。
【0055】
実施例3
図6に示されているように、本発明によるガスタービンエンジン部品70の製造方法を、その上に複合アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層72をSPSにより塗布されたAM1ニッケルベース超合金から成る基材71上で行い、該保護層72は、本発明により、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料としてGd2Zr27の第一相及びCMAS濡れ防止材として保護層72中に分散された粒子の形態のCaF2第二相を含む。
【0056】
この実施例では、懸濁液810中に抗CMAS材料の粉末、Gd2Zr27を含有する第一溶液81、及び保護層72の具現化に適合した体積比率で懸濁液中のCMAS濡れ防止材の粉末820を含む第二溶液82を使用する。溶液81及び82を、溶液81及び82の熱処理、すなわち粉末の溶融及び促進を可能とするプラズマトーチ86によって生成されるプラズマジェット85のコア中に、それぞれ、第一及び第二の特定の懸濁液注入器83及び84により注入する。
【0057】
この実施例は、他の抗CMAS材料又は他のCMAS濡れ防止材の使用の可能性を排除しない。さらに、溶液の液相が粉末を含まず、複合保護層内に形成される2つの相の一方または両方の前駆体を含む可能性もある。この場合、熱処理は、現場で相を形成し、溶融させ、コーティングを生成する。また、プラズマのみならず、ハイブリッドHVOF及びHVSFS生成モードより得られる高速フレーム溶射を用いることによっても複合コーティングを生成することが可能である。
【0058】
実施例4
図7に示されているように、本発明によるガスタービンエンジン部品90の製造方法を、SPS及びAPSにより複合アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護層92を成膜されたAM1ニッケルベース超合金からなる基材91上で実施し、保護層92は、本発明により、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウムCMAS保護材料としてGd2Zr27の第一相及びCMAS濡れ防止材として保護層92中に分散された粒子の形態のCaF2第二相を含む。
【0059】
この実施例では、抗CMAS材料、Gd2Zr27の粒子111から成る粉末110、及び保護層92の具現化に適合した体積比率で懸濁液中のCMAS濡れ防止材の粉末121を含む溶液120を使用する。粉末110のため、APS方法を使用し、これにより、粉末110を第一特定注入器101により粉末110の熱処理を可能とするプラズマトーチ104により生成されるプラズマジェット103のコアに注入する。溶液120のため、SPSを使用し、溶液120を、第二特定注入器102により粉末120の熱処理を可能とするプラズマトーチ104により生成されるプラズマジェット103のコアに注入する。
【0060】
この実施例は、他の抗CMAS材料又は他のCMAS濡れ防止材の使用の可能性を排除しない。さらに、溶液の液相が粉末を含まず、複合保護層内に形成される2つの相の一方または両方の前駆体を含む可能性もある。この場合、熱処理は、現場で相を形成し、溶融させ、コーティングを生成する。また、プラズマのみならず、ハイブリッドHVOF及びHVSFS生成モードより得られる高速フレーム溶射を用いることによっても複合コーティングを生成することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7