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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-01
(45)【発行日】2023-02-09
(54)【発明の名称】冷蔵庫の音声対話装置、および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230202BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20230202BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20230202BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F25D23/00 301R
F25D29/00 Z
G06F1/18 D
G06F1/16 312K
G06F1/16 312G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018214740
(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公開番号】P2020085258
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
【審査官】嶋田 研司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-070739(JP,A)
【文献】特開2011-002534(JP,A)
【文献】米国特許第09560316(US,B1)
【文献】特開平05-022779(JP,A)
【文献】特開2014-199173(JP,A)
【文献】特開2015-045447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0004828(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0210822(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0114529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ー 31/00
G06F 1/16 ー 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体とは独立して設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられたマイクおよびスピーカと、
前記筐体内に設けられ、前記冷蔵庫本体の無線通信部と前記冷蔵庫本体を管理するサーバ装置とのうち少なくとも一方と通信する無線通信部と、
前記冷蔵庫本体の扉の表面と前記冷蔵庫本体の庫内とのうち少なくとも一方における任意の位置に前記筐体を着脱可能に固定する固定部と、
前記マイクにより検出されるユーザの音声の音量またはノイズの量に基づき、音声データの分析精度が予め設定された閾値よりも高いか否かを判定し、前記音声データの分析精度が前記閾値よりも低いと判定される場合に、前記筐体の位置の変更を促す音声データを前記スピーカから出力させる制御部と、
を備え
前記固定部は、前記扉の表面に前記筐体を固定する場合に前記扉の表面に前記筐体を付着させる付着部と、前記冷蔵庫本体の庫内に前記筐体を固定する場合に前記扉の内面に設けられたポケットの壁部に係止される係止部とを含むことで、前記扉の表面と前記冷蔵庫本体の庫内とのうち任意の一方に前記筐体を固定可能であり、
前記係止部は、前記筐体に対して取り外し可能である、
冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記扉の表面に沿う扁平状に形成されている、
請求項に記載の冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項3】
前記扉は、ワイヤレス給電用の給電部を有し、
前記音声対話装置は、前記筐体が前記扉の表面に付着された状態で前記給電部から電力供給を受ける受電部をさらに備えた、
請求項または請求項に記載の冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記筐体を前記ポケットの外部に位置させた状態で前記ポケットの壁部に係止可能である、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項5】
前記係止部は、前記筐体を前記ポケットの内部に位置させた状態で前記ポケットの壁部に係止可能である、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項6】
前記マイクにより検出される前記ユーザの音声の内容を認識処理するための音声認識データベースを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記マイクにより検出される音声から得られる音声データを前記音声認識データベースに基づいて分析し、前記音声データを分析することで得られる制御要求または情報取得要求を前記冷蔵庫本体に送信し、前記冷蔵庫本体から前記制御要求に対応する制御応答または前記情報取得要求に対応する情報取得応答を受信し、受信した前記制御応答または前記情報取得応答に対応する音声データを前記スピーカから出力させる、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫の音声対話装置。
【請求項7】
前記冷蔵庫本体と、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の音声対話装置と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項8】
記固定部は、マグネットを含み、
前記扉は、前記扉の表面を形成するガラス板と、前記扉の内部に設けられた断熱材と、前記ガラス板と前記断熱材との間に配置されて前記マグネットが吸着する金属板とを含む、
請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記金属板のサイズは、前記ガラス板のサイズよりも小さく、
前記金属板は、前記ガラス板の中心に対して、前記冷蔵庫本体の上下方向の中心側と前記冷蔵庫本体の左右方向の中心側とのうち少なくともいずれかに偏って配置されている、
請求項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫の音声対話装置、および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
音声により一部の機能が操作可能な冷蔵庫が知られている。しかしながら、従来の冷蔵庫は、マイクやスピーカの位置が固定されており、使いづらい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-11873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、使いやすさの向上を図ることができる冷蔵庫の音声対話装置、および冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫の音声対話装置は、筐体と、マイクおよびスピーカと、無線通信部と、固定部と、制御部とを持つ。前記筐体は、冷蔵庫本体とは独立して設けられている。前記マイクおよびスピーカは、前記筐体内に設けられている。前記無線通信部は、前記筐体内に設けられ、前記冷蔵庫本体の無線通信部と前記冷蔵庫本体を管理するサーバ装置とのうち少なくとも一方と通信する。前記固定部は、前記冷蔵庫本体の扉の表面と前記冷蔵庫本体の庫内とのうち少なくとも一方における任意の位置に前記筐体を着脱可能に固定する。前記制御部は、前記マイクにより検出されるユーザの音声の音量またはノイズの量に基づき、音声データの分析精度が予め設定された閾値よりも高いか否かを判定し、前記音声データの分析精度が前記閾値よりも低いと判定される場合に、前記筐体の位置の変更を促す音声データを前記スピーカから出力させる。前記固定部は、前記扉の表面に前記筐体を固定する場合に前記扉の表面に前記筐体を付着させる付着部と、前記冷蔵庫本体の庫内に前記筐体を固定する場合に前記扉の内面に設けられたポケットの壁部に係止される係止部とを含むことで、前記扉の表面と前記冷蔵庫本体の庫内とのうち任意の一方に前記筐体を固定可能である。前記係止部は、前記筐体に対して取り外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図2】第1の実施形態の冷蔵庫本体を示す正面図。
図3図2中に示された右冷蔵室扉のF3-F3線に沿う断面図。
図4】第1の実施形態の音声対話装置を示す図。
図5】第1の実施形態の音声対話装置の機能構成を示すブロック図。
図6】第1の実施形態の冷蔵庫の処理の流れを示すフローチャート。
図7】第2の実施形態の音声対話装置を示す図。
図8】第3の実施形態の冷蔵庫本体および音声対話装置を示す正面図。
図9図8中に示された右冷蔵室扉のF9-F9線に沿う断面図。
図10】第4の実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図11】第4の実施形態の音声対話装置を示す図。
図12】第5の実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図13】第5の実施形態の引き出し扉を示す断面図。
図14】第6の実施形態の冷蔵庫の処理の流れを示すフローチャート。
図15】第7の実施形態の情報処理システムを示す図。
図16】第7の実施形態の情報処理システムの処理の流れを示すフローチャート。
図17】第8の実施形態の情報処理システムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫の音声対話装置、および冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。
【0008】
(第1の実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から図6を参照して、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2と、音声対話装置3とを有する。音声対話装置3は、冷蔵庫本体2とは独立して設けられ、冷蔵庫本体2から取り外し可能である。以下、このような冷蔵庫本体2と音声対話装置3について説明する。
【0009】
[2.冷蔵庫本体]
図2は、本実施形態の冷蔵庫本体2を示す正面図である。冷蔵庫本体2は、例えば、キャビネット10、複数の扉20、複数のセンサ30(一部のみを図示)、無線通信部40、および制御部50を備えている。
【0010】
キャビネット10は、断熱性を有するとともに、内部に複数の貯蔵室が形成されている。貯蔵室は、冷蔵室、野菜室、製氷室、小冷凍室、主冷凍室などを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室が配置され、冷蔵室の下方に野菜室が配置され、野菜室の下方に製氷室および小冷凍室が配置され、製氷室および小冷凍室の下方に主冷凍室が配置されている。キャビネット10は、各貯蔵室の前面側に、各貯蔵室に対して物の出し入れを可能にする開口を有する。
【0011】
複数の扉20は、貯蔵室の開口を閉じる。例えば、複数の扉20は、冷蔵室の開口を閉じる左右の冷蔵室扉21,22、野菜室の開口を閉じる野菜室扉23、製氷室の開口を閉じる製氷室扉24、小冷凍室の開口を閉じる小冷凍室扉25、主冷凍室の開口を閉じる主冷凍室扉26を含む。左右の冷蔵室扉21,22は、観音開き形式の扉である。一方で、野菜室扉23、製氷室扉24、小冷凍室扉25、および主冷凍室扉26は、前後にスライド移動可能な引き出し扉である。以下では、野菜室扉23、製氷室扉24、小冷凍室扉25、および主冷凍室扉26の各々を、「引き出し扉20D」と称することがある。
【0012】
右冷蔵室扉22の左右方向の幅W1は、左冷蔵室扉21の左右方向の幅W2よりも大きい。詳しくは後述するが、本実施形態の音声対話装置3は、マグネットを用いて右冷蔵室扉22の表面(外表面)S1に取り付け可能である。この機能を実現するため、右冷蔵室扉22は、音声対話装置3のマグネットが吸着する金属板74を含む。なお、右冷蔵室扉22の構成については詳しく後述する。
【0013】
複数のセンサ30は、冷蔵庫本体2の状態を検出する。例えば、複数のセンサ30は、製氷の進み具合を検出するセンサや、冷蔵庫本体2の異常を検出するセンサなどを含む。複数のセンサ30の検出結果は、制御部50に出力される。
【0014】
無線通信部40は、高周波回路およびアンテナなどを含む無線通信モジュールである。本実施形態では、無線通信部40は、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)のような無線通信技術を利用して通信可能である。
【0015】
制御部50は、冷蔵庫本体2の動作を統括的に制御する。制御部50は、不図示の圧縮機やファンの動作を制御することで、冷蔵庫本体2の冷蔵動作や冷凍動作、製氷動作を制御する。本実施形態では、制御部50は、音声対話装置3からの制御要求に応じて、冷蔵庫1を制御可能である。また、制御部50は、音声対話装置3からの情報取得要求に応じて、冷蔵庫1に関する情報を、無線送信部40を通じて出力可能である。「冷蔵庫1に関する情報」は、冷蔵庫1の制御状態を示す制御情報と、センサ30により検出された冷蔵庫1の状態を示す状態情報とのうち少なくとも一方を含む。
【0016】
図3は、図2中に示された右冷蔵室扉22のF3-F3線に沿う断面図である。右冷蔵室扉22は、ガラス板71、扉後板(内面板)72、断熱材73、および金属板74を含む。
【0017】
ガラス板71は、冷蔵庫1の外観に現われる化粧板であり、右冷蔵室扉22の表面S1を形成している。ガラス板71は、上下方向および左右方向において右冷蔵室扉22の略全域に亘る平板状に形成されている。
【0018】
扉後板72は、ガラス板71よりも後方に設けられ、冷蔵室内に露出している。断熱材73は、右冷蔵室扉22の内部に設けられている。すなわち、断熱材73は、ガラス板71と扉後板72との間に設けられている。断熱材73は、例えば、真空断熱材73aと、発泡断熱材73bとを含む。真空断熱材73aは、例えば、右冷蔵室扉22の左端部と右端部との間に亘って平板状に延びている。発泡断熱材73bは、発泡ウレタンなどにより形成され、真空断熱材73aと扉後板72との間などに設けられている。
【0019】
金属板74は、平板状に形成されており、ガラス板71の後面71aに沿って配置されている。金属板74は、ガラス板71と断熱材73との間に配置されている。さらに言えば、金属板74は、ガラス板71と真空断熱材73aとの間に配置されている。
【0020】
金属板74は、右冷蔵室扉22の全域のなかで一部のみに設けられている(図2参照)。すなわち、金属板74の上下方向および左右方向のサイズは、ガラス板71の上下方向および左右方向のサイズよりもそれぞれ小さい。さらに言えば、金属板74の上下方向および左右方向のサイズは、真空断熱材73aの上下方向および左右方向のサイズよりもそれぞれ小さい。金属板74は、冷蔵庫1の正面に立つ平均的な身長のユーザの顔の正面付近に位置する高さに配置されている。本実施形態では、金属板74は、右冷蔵室扉22のガラス板71の中心Pに対して、冷蔵庫本体2の上下方向の中心側(すなわち野菜室扉23側)に偏るとともに、冷蔵庫本体2の左右方向の中心側(すなわち左冷蔵室扉21側)に偏って配置されている。別の観点によれば、金属板74は、右冷蔵室扉22の上端よりも下端の近くに偏って配置されている。金属板74は、右冷蔵室扉22の右端よりも左端の近くに偏って配置されている。なお、金属板74は、ガラス板71の中心Pに対して、冷蔵庫本体2の上下方向の中心側と、冷蔵庫本体2の左右方向の中心側とのうちいずれか一方のみに偏って配置されてもよい。
【0021】
複数の扉20のなかで右冷蔵室扉22以外の扉20(野菜室扉23、製氷室扉24、小冷凍室扉25、主冷凍室扉26)は、ガラス板71、扉後板72、および断熱材73を有する。ただし、これらの扉20も右冷蔵室扉22と同様に、金属板74を有してもよい。
【0022】
[3.音声対話装置]
図4は、音声対話装置3を示す図である。図4中の(a)は、音声対話装置3の正面図である。図4中の(b)は、音声対話装置3の側面図である。音声対話装置3は、例えば、筐体110、マイク120、スピーカ130、固定部140、バッテリ150(図5参照)、無線通信部160(図5参照)、および制御部170(図5参照)を有する。
【0023】
筐体110は、例えば矩形の箱状に形成されている。筐体110は、冷蔵庫本体2とは独立して設けられている。筐体110内には、マイク120、スピーカ130、バッテリ150、無線通信部160、および制御部170が設けられている。なお本明細書で「筐体内に設けられた」とは、部品の少なくとも一部が筐体内に設けられていることを意味し、部品の一部が筐体の外部に露出または突出していてもよい。筐体110は、マイク120の少なくとも一部を筐体110の外部に露出させる第1開口111と、スピーカ130の少なくとも一部を筐体110の外部に露出させる第2開口112とを有する。
【0024】
マイク120は、音声対話装置3の周囲の音を検出する。例えば、マイク120は、冷蔵庫1に対して指示するユーザの音声や、冷蔵庫1の状態に対するユーザの質問の音声を検出する。
【0025】
スピーカ130は、音声対話装置3の外部に向けて音声を出力する。例えば、スピーカ130は、冷蔵庫1に対する指示に対する応答を示す音声や、質問された冷蔵庫1の状態を回答する音声を出力する。
【0026】
固定部140は、例えば筐体110に取り付けられている。固定部140は、冷蔵庫本体2の扉20の表面S1の任意の位置に筐体110を着脱可能に固定する。本実施形態では、固定部140は、冷蔵庫本体2の右冷蔵室扉22の金属板74に吸着するマグネット141を有し、金属板74が設けられている範囲において右冷蔵室扉22の表面S1の任意の位置に筐体110を固定可能である。マグネット141は、扉20の表面S1に筐体110を付着させる「付着部」の一例である。ただし、付着部は、マグネット141に限らず、吸盤などでもよい。付着部が吸盤で形成されると、金属板74が存在しない冷蔵庫1の扉20にも筐体110を取り付けることができる。
【0027】
バッテリ150は、マイク120、スピーカ130、無線通信部160、および制御部170などに電力を供給する。本実施形態では、バッテリ150は、外部電源に接続された充電ケーブルが音声対話装置3に接続されることで充電される。なお、音声対話装置3は、バッテリ150に代えて、外部電源から電力供給を直接受けてもよい。
【0028】
無線通信部160は、高周波回路およびアンテナなどを含む無線通信モジュールである。本実施形態では、無線通信部160は、Bluetoothや無線LANのような無線通信技術を利用して通信可能である。本実施形態では、無線通信部160は、冷蔵庫本体2の無線通信部40と直接無線通信する。
【0029】
制御部170は、音声対話装置3の全体を統括的に制御する。例えば、制御部170は、マイク120、スピーカ130、バッテリ150、および無線通信部160を統括的に制御する。
【0030】
図5は、制御部170を中心とした音声対話装置3の機能構成を示すブロック図である。制御部170は、例えば、音声受信部171、音声出力部172、データ送受信部173、記憶部174、および機器制御部175を有する。
【0031】
音声受信部171は、マイク120から入力された音声を、音声データとして受信する。音声出力部172は、準備された音声データを、スピーカ130から音声として出力する。データ送受信部173は、無線通信部160との処理を行う。
【0032】
記憶部174は、音声データベース180(以下、「音声DB180」と称する)を保持する。音声DB180は、マイク120に入力された音声の内容を認識処理するための音声認識データベース181(以下、「音声認識DB181」と称する)と、スピーカ130から出力される音声に対応する発話データが登録された発話データベース182(以下、「発話DB182」と称する)とを含む。
【0033】
機器制御部175は、音声認識DB181に基づき、音声受信部171により受信された音声データを分析する。そして、機器制御部175は、音声データを分析することで得られる制御要求や情報取得要求を、データ送受信部173および無線通信部160を介して冷蔵庫本体2に通知する。また機器制御部175は、発話DB182に基づき、冷蔵庫本体2からの応答や回答の内容に対応する音声データ(発話データ)を取得または合成し、取得または合成した音声データを音声出力部172に出力する。
【0034】
本実施形態では、機器制御部175は、マイク120により検出されるユーザの音声の音量やノイズの量などに基づき、音声データの分析精度が予め設定された閾値よりも高いか否かを判定する。そして、機器制御部175は、マイク120により検出される音声が小さい場合、またはノイズが多い場合など、音声データの分析精度が前記閾値よりも低いと判定される場合、音声対話装置3の位置の変更を促す音声データを、音声出力部172を通じてスピーカ130から出力させる。音声対話装置3の位置の変更を促す音声データとは、例えば、「音声がよく聞き取れないので、もう少し顔の近くに配置して下さい」といった案内である。
【0035】
図6は、本実施形態の冷蔵庫1の処理の流れを示すフローチャートである。まず、音声対話装置3の音声受信部171は、マイク120に音声が入力された場合、入力された音声を音声データとして受信する(S101)。そして、機器制御部175は、音声認識DB181に基づき、音声受信部171により受信された音声データの内容を分析する(S102)。
【0036】
ここでは、まず、音声受信部171により受信された音声データを分析することで冷蔵庫本体2に対する制御要求が得られた場合について説明する。機器制御部175は、音声データを分析することで制御要求が得られた場合、得られた制御要求を冷蔵庫本体2に通知する(S103)。例えば、機器制御部175は、「早く氷を作って」という音声データが音声受信部171により受信された場合、音声認識DB181に基づきその内容を認識し、「急速製氷」に対応する制御要求を冷蔵庫本体2に通知する。
【0037】
冷蔵庫本体2は、音声対話装置3から制御要求の通知を受けた場合、通知された制御要求に基づき冷蔵庫本体2を制御する。例えば、冷蔵庫本体2は、「急速製氷」に対応する制御要求の通知を受けた場合、「急速製氷」の制御を開始する。そして、冷蔵庫本体2は、通知された制御要求で求められた制御を開始したことを示す制御応答を音声対話装置3に返す(S104)。この場合、機器制御部175は、「急速製氷を開始しました」に対応する音声データを発話DB182に基づき取得または合成する(S105)。そして、機器制御部175は、取得または合成した音声データに対応する音声をスピーカ130から出力させる(S106)。
【0038】
次に、音声受信部171により受信された音声データを分析することで冷蔵庫本体2に対する情報取得要求が得られた場合について説明する。機器制御部175は、音声データを分析することで情報取得要求が得られた場合、得られた情報取得要求を冷蔵庫本体2に通知する(S107)。例えば、機器制御部175は、「あと何分で氷ができる?」という音声データが音声受信部171により受信された場合、音声認識DB181に基づきその内容を認識し、「製氷残り時間」に対応する情報取得要求を冷蔵庫本体2に通知する。
【0039】
冷蔵庫本体2は、音声対話装置3から情報取得要求の通知を受けた場合、通知された情報取得要求に対応する冷蔵庫本体2の状態を取得または導出する。例えば、冷蔵庫本体2は、「製氷残り時間」に対応する情報取得要求の通知を受けた場合、センサ30の検出結果などに基づき「急速製氷の残り時間」を導出する。そして、冷蔵庫本体2は、「急速製氷の残り時間」を示す情報取得応答を音声対話装置3に返す(S108)。この場合、機器制御部175は、冷蔵庫本体2から受信した情報取得応答の内容に応じて、「製氷完了まで残り〇〇分です」に対応する音声データを発話DB182に基づき取得または合成する(S109)。そして、機器制御部175は、取得または合成した音声データに対応する音声をスピーカ130から出力させる(S110)。
【0040】
以上のような構成によれば、冷蔵庫1の使いやすさの向上を図ることができる。ここで比較例として、マイクやスピーカの位置が固定されている冷蔵庫について考える。このような冷蔵庫では、マイクやスピーカの位置を個々のユーザにとって使いやすい位置(マイクで音声が拾いやすい位置、スピーカからの音声が聞き取りやすい位置)に移動させることができず、ユーザの身長の違いなどによって冷蔵庫を使いづらく場合があり得る。
【0041】
そこで、本実施形態では、音声対話装置3は、マイク120やスピーカ130が設けられた筐体110と、冷蔵庫本体2の扉20の表面S1の任意の位置に筐体110を着脱可能に固定する固定部140とを有する。このような構成によれば、個々のユーザにとって使いやすい位置(例えば使いやすい高さ)に音声対話装置3を移動させることができる。これにより、マイク120で音声が拾いやすくなり、音声認識率が向上する。また、スピーカ130からの音声が聞き取りやすくなる。これにより、冷蔵庫1の使いやすさの向上を図ることができる。
【0042】
本実施形態では、音声対話装置3は、扉20の表面S1に筐体110を付着させるマグネット141を有する。このような構成によれば、例えば扉20の表面S1で使いやすい位置に音声対話装置3を配置することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、音声対話装置3が扁平状に形成された点で、第1の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0044】
図7は、本実施形態の音声対話装置3を示す図である。図7中の(a)は、音声対話装置3の正面図である。図7中の(b)は、音声対話装置3の側面図である。本実施形態では、筐体110は、扉20の表面S1に沿う扁平状に形成されている。マグネット141は、例えば、筐体110の外形に沿う枠状に形成されている。マイク120、スピーカ130、およびバッテリ150は、例えば、枠状のマグネット141の内側に配置されている。言い換えると、マグネット141は、それぞれ扉20の表面S1に付着される(それぞれ金属板74に吸着される)第1部分141aと第2部分141bとを有する。マイク120、スピーカ130、およびバッテリ150の各々は、マグネット141の第1部分141aと第2部分141bとの間に位置する。
【0045】
別の観点で見ると、マイク120、スピーカ130、およびバッテリ150の各々の少なくとも一部は、冷蔵庫1の扉20の表面S1に沿う方向(図7中の(b)に示すX方向)でマグネット141と重なる。また、マイク120、スピーカ130、およびバッテリ150の各々は、冷蔵庫1の扉20の表面S1に沿う方向で少なくとも一部同士が互いに重なる。
【0046】
このような構成によれば、音声対話装置3を薄型に形成することができる。音声対話装置3が薄型であると、冷蔵庫1の扉20の表面S1から音声対話装置3が出っ張りにくい。このため、ユーザにとって音声対話装置3がより邪魔になりにくくなる。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、音声対話装置3がワイヤレス給電機能を有した点で、第1の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0048】
図8は、本実施形態の冷蔵庫本体2および音声対話装置3を示す正面図である。なお図8では、音声対話装置3は、マグネット141と受電コイル192以外の図示は省略している。図9は、図8中に示された右冷蔵室扉22のF9-F9線に沿う断面図である。
【0049】
まず、冷蔵庫本体2から説明する。本実施形態では、冷蔵庫本体2は、ワイヤレス給電用の給電コイル191を有する。詳しく述べると、冷蔵庫本体2の扉20の金属板74は、給電コイル191を収容するための貫通穴h1を有する。給電コイル191は、金属板74の貫通穴h1の内部に配置されている。これにより、給電コイル191は、ガラス板71の後面71aに沿って配置されている(図9参照)。給電コイル191は、扉20の表面S1に沿う方向において、金属板74の第1部分74aと第2部分74bとの間に位置する。本実施形態では、冷蔵庫本体2の前後方向において、給電コイル191は、金属板74と重なっていない(図9参照)。給電コイル191は、ガラス板71と、断熱材73(例えば真空断熱材73a)との間に位置する。給電コイル191は、「給電部」の一例である。
【0050】
次に、音声対話装置3について説明する。音声対話装置3は、冷蔵庫本体2の給電コイル191から電力供給を受ける受電コイル192を有する。受電コイル192は、例えば筐体110内に設けられ、筐体110が右冷蔵室扉22の表面S1の所定位置に取り付けられた(付着された)状態で給電コイル191から電力供給を受ける。
【0051】
詳しく述べると、本実施形態のマグネット141は、枠状に形成され、受電コイル192を収容するための貫通穴h2を有する。受電コイル192は、マグネット141の貫通穴h2の内部に配置されている。言い換えると、受電コイル192は、マグネット141の第1部分141aと第2部分141bとの間に位置する。マグネット141の第1部分141aは、金属板74の第1部分74aに吸着する。マグネット141の第2部分141bは、金属板74の第2部分74bに吸着する。
【0052】
受電コイル192は、音声対話装置3が冷蔵庫本体2の扉20の表面S1に取り付けられた状態で、冷蔵庫本体2の前後方向において、マグネット141と重なっていない。受電コイル192は、音声対話装置3が冷蔵庫本体2の扉20の表面S1に取り付けられた状態で、給電コイル191と向かい合い、電磁誘導や磁界共振により給電コイル191から電力供給を受ける。バッテリ150は、受電コイル192により受電された電力により充電される。受電コイル192は、「受電部」の一例である。ただし、ワイヤレス給電の方式は、上記例に限定されない。
【0053】
本実施形態では、音声対話装置3は、筐体110が冷蔵庫本体2の扉20の表面S1に付着された状態で、受電コイル192を給電コイル191に向かい合わせにすることができる。冷蔵庫本体2の扉20の表面S1には、受電コイル192を給電コイル191に向かい合わせにするための音声対話装置3の位置を案内する位置合わせ用のマークMが設けられてもよい。
【0054】
このような構成によれば、音声対話装置3を冷蔵庫本体2の扉20の表面S1の任意の位置に取り付け可能であるとともに、音声対話装置3を冷蔵庫本体2の扉20の表面S1の所定位置に合わせることで、音声対話装置3を冷蔵庫本体2の扉20の表面S1に取り付けた状態でバッテリ150の充電を行うことができる。これにより、冷蔵庫1の使いやすさの向上を図ることができる。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、音声対話装置3が冷蔵庫本体2の庫内に筐体110を着脱可能に固定される点で、第1の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0056】
図10は、本実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1の扉20の内面S2には、食材(飲料や調味料など)が収容されるポケット210が設けられている。ポケット210は、扉20の内面S2との間にポケット210の収容空間を形成する壁部(起立壁)211を有する。本実施形態では、音声対話装置3の固定部140は、ポケット210の壁部211に係止されるフック状の係止部142を有する。係止部142は、ポケット210の壁部211の任意の位置の上端部に取り付け可能である。これにより、係止部142は、冷蔵庫本体2の庫内の任意の位置に音声対話装置3の筐体110を着脱可能に固定する。
【0057】
図11は、本実施形態の音声対話装置3を示す図である。図11中の(a)は、音声対話装置3の正面図である。図11中の(b)は、音声対話装置3の側面図である。詳しく述べると、音声対話装置3の筐体110は、マイク120およびスピーカ130を露出させる開口111,112が設けられた第1面110aと、第1面110aとは反対側に位置した第2面110bとを有する。係止部142は、第2面110bから突出した第1部分142aと、第1部分142aの先端から下方に折れ曲がり、筐体110の第2面110bと略平行に延びた第2部分142bとを有する。係止部142は、当該係止部142の第2部分142bと筐体110の第2面110bとの間にポケット210の壁部211が挿入されることで、筐体110をポケット210の壁部211に固定する。
【0058】
図10に示すように、係止部142は、音声対話装置3の筐体110をポケット210の外部に位置させた状態でポケット210の壁部211に係止可能である(図10中に実線で示された音声対話装置3を参照)。このような使い方によれば、音声対話装置3を設けた場合であってもポケット210の収容空間を有効活用することができる。また、係止部142は、音声対話装置3の筐体110をポケット210の内部に位置させた状態でポケット210の壁部211に係止可能である(図10中に2点鎖線で示された音声対話装置3を参照)。このような使い方によれば、ポケット210の外部に音声対話装置3が大きく出っ張ることを避けることができる。本実施形態では、音声対話装置3の上下方向の幅H1は、ポケット210の壁部211の上下方向の幅H2よりも小さい。このような構成によれば、ポケット210の壁部211に音声対話装置3を取り付けた場合であっても、音声対話装置3が取り付けられたポケット210やその下段に位置するポケット210に対する食材の収納動作や取り出し動作に対して音声対話装置3が邪魔になりにくい。
【0059】
このような構成によれば、扉20を開いた状態で使いやすい位置に音声対話装置3を配置することができる。なお、係止部142は、音声対話装置3の筐体110に対して取り外し可能に設けられてもよい。すなわち、音声対話装置3を冷蔵庫1の扉20の表面S1に取り付けたい場合は係止部142を取り外し、第1の実施形態のような態様で音声対話装置3を使用してもよい。そして、音声対話装置3を冷蔵庫1のポケット210の壁部211に取り付けたい場合は、筐体110に係止部142を取り付けて音声対話装置3を使用してもよい。また、冷蔵庫1は、冷蔵庫1の扉20の表面S1に取り付けられるための第1の音声対話装置3と、係止部142を有してポケット210の壁部211に取り付けられるための第2の音声対話装置3とをそれぞれ備えてもよい。
【0060】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、音声対話装置3の係止部142が引き出し扉20Dの取手部220にも係止可能である点で、第4の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第4の実施形態と同様である。
【0061】
図12は、本実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1の引き出し扉20Dは、引き出し扉20Dの上部に、引き出し扉20Dを引き出すためにユーザが手を掛ける取手部(ハンドル)220を有する。本実施形態の音声対話装置3の係止部142は、扉20のポケット210の壁部211に加えて、引き出し扉20Dの取手部220にも係止可能である。
【0062】
図13は、引き出し扉20Dを示す断面図である。引き出し扉20Dの取手部220は、円弧状に形成された底部221と、底部221の前端部から鉛直方向に起立した壁部(起立壁)222を有する。本実施形態では、音声対話装置3の係止部142の第2部分142bの上下方向の長さL1は、取手部220の壁部222の上下方向の長さL2よりも短い。このような構成によれば、音声対話装置3の係止部142が引き出し扉20Dの取手部220にも係止可能になる。
【0063】
このような構成によれば、音声対話装置3の取り付け位置の自由度がさらに広がり、冷蔵庫1の使いやすさをさらに向上させることができる。
【0064】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、音声DB180を保持する記憶部174が冷蔵庫本体2に設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0065】
図14は、本実施形態の冷蔵庫1の処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、音声対話装置3の機器制御部175は、音声受信部171により音声データが受信された場合(S201)、受信した音声データを冷蔵庫本体2に送信する(S202)。冷蔵庫本体2の制御部50は、音声認識DB181に基づき、音声対話装置3から受信した音声データを分析する(S203)。そして、冷蔵庫本体2の制御部50は、制御応答または情報取得応答の内容に対応した発話データを音声対話装置3に送信する(S204)。この場合、冷蔵庫本体2から音声対話装置3に送信される発話データは、音声データ(音源そのもの)でもよいし、テキストデータでもよい。音声対話装置3は、発話データがテキストデータの場合は、テキストデータを音声データに変換し(S205)、変換した音声データに基づく音声をスピーカ130から出力させる(S206)。
【0066】
ここで、冷蔵庫1の機能は、機種によって異なる場合がある。また、同様の機能であっても名称などが変更されていることがある。そのような場合、本実施形態のように音声DB180を冷蔵庫本体2に設けることで、音声対話装置3が冷蔵庫本体2の複数の機種に対して汎用的に設けられている場合であっても、冷蔵庫本体2の機種や、機能の名称に応じた発話データを出力することができる。これにより、ユーザの使いやすさをさらに向上させることができる。
【0067】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、冷蔵庫本体2を管理するサーバ装置300が存在する点で、第1の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
図15は、本実施形態の冷蔵庫1を含む情報処理システム1000を示す図である。本実施形態では、情報処理システム1000は、冷蔵庫1と、サーバ装置300とを含む。サーバ装置300は、例えばクラウドサーバであり、ネットワークNWを介して冷蔵庫本体2および音声対話装置3とそれぞれ通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネットやWAN(Wide Area Network)、各家庭内のLANなどを含む。ネットワークNWにおける一部または全部の通信は、無線により実現されてもよい。ネットワークNWは、冷蔵庫1と同じ家庭内に設置されたアクセスポイントAP(例えば無線LANルータ)を含む。本実施形態では、サーバ装置300は、音声DB180を保持する記憶部310を有する。
【0069】
図16は、本実施形態の情報処理システム1000の処理の流れを示すフローチャートである。音声対話装置3の機器制御部175は、音声受信部171により音声データが受信された場合(S301)、受信した音声データを、無線LANなどを利用してサーバ装置300に送信する(S302)。サーバ装置300は、音声認識DB181に基づき、音声対話装置3から受信した音声データを分析する(S303)。そして、サーバ装置300は、制御要求や情報取得要求を冷蔵庫本体2に送信する(S304,S306)。冷蔵庫本体2は、サーバ装置300から受信した制御要求や情報取得要求に対する応答として、制御応答や情報取得応答をサーバ装置300に返す(S305,S307)。サーバ装置300は、冷蔵庫本体2から受信した制御応答や情報取得応答に基づき、制御応答や情報取得応答の内容に対応した発話データを音声対話装置3に送信する(S308)。この場合、サーバ装置300から音声対話装置3に送信される発話データは、音声データ(音源そのもの)でもよいし、テキストデータでもよい。音声対話装置3は、発話データがテキストデータの場合は、テキストデータを音声データに変換し(S309)、変換した音声データに対応する音声をスピーカ130から出力させる(S310)。
【0070】
このような構成によれば、音声対話装置3および冷蔵庫本体2に必要なメモリ容量を小さくすることができ、機器の低コスト化を図ることができる。なお、全ての音声処理がサーバ装置300で行われる必要はなく、第1または第6の実施形態のように、一部の音声処理が音声対話装置3で行われてもよい。
【0071】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、冷蔵庫本体2がサーバ装置300と直接通信しない点で、第7の実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第7の実施形態と同様である。
【0072】
図17は、本実施形態の情報処理システム1000の処理の流れを示すフローチャートである。音声対話装置3の機器制御部175は、音声受信部171により音声データが受信された場合(S401)、受信した音声データを、無線LANなどを利用してサーバ装置300に送信する(S402)。サーバ装置300は、音声認識DB181に基づき、音声対話装置3から受信した音声データを分析する(S403)。そして、サーバ装置300は、分析結果を音声対話装置3に送信する(S404)。音声対話装置3は、サーバ装置300による分析結果に応じた制御要求や情報取得要求を冷蔵庫本体2に送信する(S405,S407)。冷蔵庫本体2は、音声対話装置3から受信した制御要求や情報取得要求に対する応答として、制御応答や情報取得応答を音声対話装置3に返す(S406,S408)。音声対話装置3は、冷蔵庫本体2から受信した制御応答や情報取得応答を、応答情報としてサーバ装置300に送信する(S409)。サーバ装置300は、応答情報の内容を分析し(S410)、分析結果に対応した発話データを音声対話装置3に送信する(S411)。この場合、サーバ装置300から音声対話装置3に送信される発話データは、音声データ(音源そのもの)でもよいし、テキストデータでもよい。音声対話装置3は、発話データがテキストデータの場合は、テキストデータを音声データに変換し(S412)、変換した音声データに対応する音声をスピーカ130から出力させる(S413)。
【0073】
このような構成によれば、音声対話装置3および冷蔵庫本体2に必要なメモリ容量を小さくすることができ、機器の低コスト化を図ることができる。また、本実施形態によれば、冷蔵庫本体2がサーバ装置300と通信を行う必要が無いので、冷蔵庫本体2の無線通信機能を簡略化することができる。なお、全ての音声処理がサーバ装置300で行われる必要はなく、第1または第6の実施形態のように、一部の音声処理が冷蔵庫本体2または音声対話装置3で行われてもよい。
【0074】
以上、いくつかの実施形態について説明した。ただし、実施形態は上記例に限定されない。上述した複数の実施形態は、互いに組み合わされて実現されてもよい。また、筐体110内には、マイク120とスピーカ130とのうちの一方のみが設けられてもよい。この場合、マイク120とスピーカ130とのうちの他方は、冷蔵庫本体2に設けられてもよい。なお本明細書では、マイク120とスピーカ130とのうちの一方のみを有する装置も「音声対話装置」と称する。
【0075】
上記各実施形態において、冷蔵庫本体2の制御部50、音声対話装置3の制御部170、およびサーバ装置300の機能部のそれぞれ一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが不図示の記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これらの機能部のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。また、記憶部174,310は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(read-only memory)、またはRAM(random access memory)などのうち1つ以上により構成されている。
【0076】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫本体の扉の表面と前記冷蔵庫本体の庫内とのうち少なくとも一方における任意の位置に音声対話装置が取り付け可能であることで、使いやすさの向上を図ることができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、3…音声対話装置、10…キャビネット、20…扉、20D…引き出し扉、71…ガラス板、73…断熱材、74…金属板、110…筐体、120…マイク、130…スピーカ、140…固定部、141…マグネット、142…係止部、160…無線通信部、191…給電コイル(給電部)、192…受電コイル(受電部)、210…ポケット、211…壁部、220…取手部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17