(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】交通事象の報知方法及びその装置、電子機器並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230208BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230208BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20230208BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G06T7/00 650B
H04W4/44
(21)【出願番号】P 2021090901
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】202010493763.X
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ボウ
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0304297(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109801500(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110136449(CN,A)
【文献】特開2007-265322(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254781(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109887281(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109254998(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107424412(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06T 7/00
H04W 4/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視ビデオを取得するとともに、前記監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得するステップと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するステップと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するステップと、
前記交通事象が発生したと判断された場合、前記交通事象の開始情報を報知するとともに、前記少なくとも1つの
ターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される前記交通事象の状態情報を生成するステップ
であって、前記交通事象の状態情報が、前記交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を含むステップと、
前記交通事象の状態情報を監視するステップと、
前記交通事象の状態情報に基づいて、前記交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するステップと、
前記交通事象が発生した後、前記交通事象、前記交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶するステップと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて前記現在の状態識別子を更新するステップと、
前記現在の状態識別子に基づいて、前記交通事象が検出されない連続フレームの数を更新するステップと、
前記交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、前記交通事象が終了したと判断するステップと、
を含む交通事象の報知方法。
【請求項2】
前記交通事象が終了したと判断するステップの後に、
前記交通事象を前記履歴バッファから削除するステップを含む請求項
1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて前記現在の状態識別子を更新するステップが、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの前記位置情報及び/又は速度情報を取得するステップと、
前記各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの前記位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記交通事象が継続しているか否かを判断するステップと、
前記交通事象が継続していると判断された場合、前記現在の状態識別子を第1の状態に保持するステップと、
前記交通事象が継続していないと判断された場合、前記現在の状態識別子を第2の状態に戻すステップと、
を含む請求項
1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項4】
前記現在の状態識別子に基づいて、前記交通事象が検出されない連続フレームの数を更新するステップが、
各フレームにおいて前記履歴バッファにおける前記現在の状態識別子を取得するステップと、
前記現在の状態識別子が第1の状態である場合、前記交通事象が検出されない連続フレームの数をデフォルト値に設定するステップと、
前記現在の状態識別子が第2の状態である場合、前記交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算するステップと、
を含む請求項
3に記載の交通事象の報知方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのターゲットが検出された後、ターゲット追跡アルゴリズムにより前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡するステップと、
前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡できない場合、前記少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得するステップ
であって、前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡できないことが、前記少なくとも1つのターゲットが監視範囲を出たことを指すステップと、
前記少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を前記履歴バッファから削除するステップと、
を含む請求項
1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項6】
前記交通事象の開始情報又は前記交通事象の終了情報を報知するステップの後、
予め設定された時間内に確認情報を受信したか否かを判断するステップと、
前記予め設定された時間内に前記確認情報を受信しなかったと判断された場合、前記交通事象の開始情報又は前記交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録するステップと、
を含む請求項
1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項7】
前記繰り返し送信回数が予め設定された回数閾値に達しているか否かを判断するステップと、
前記予め設定された回数閾値に達していると判断された場合、警報を行うとともに、前記交通事象を前記履歴バッファから削除するステップと、
を含む請求項
6に記載の交通事象の報知方法。
【請求項8】
前記交通事象の開始情報が、前記交通事象の識別子、前記交通事象の開始時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含み、
前記交通事象の終了情報が、前記交通事象の識別子、前記交通事象の終了時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含む請求項1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するステップが、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得するステップと、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報を取得するステップと、
各連続フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得するステップと、
を含む請求項1に記載の交通事象の報知方法。
【請求項10】
監視ビデオを取得するとともに、前記監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得するように構成される第1の取得モジュールと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するように構成される第2の取得モジュールと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するように構成される第1の判断モジュールと、
前記交通事象が発生したと判断された場合、前記交通事象の開始情報を報知するとともに、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される前記交通事象の状態情報を生成するように構成される報知モジュール
であって、前記交通事象の状態情報が、前記交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を含む報知モジュールと、
前記交通事象の状態情報を監視するように構成される監視モジュールと、
前記交通事象が発生した後、前記交通事象、前記交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶するように構成される記憶モジュールと、
前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて前記現在の状態識別子を更新するように構成される第1の更新モジュールと、
前記現在の状態識別子に基づいて、前記交通事象が検出されない連続フレームの数を更新するように構成される第2の更新モジュールと、
前記交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、前記交通事象が終了したと判断するように構成される意思決定モジュールと、
を備え、
前記報知モジュールが、前記交通事象の状態情報に基づいて、前記交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するように構成される交通事象の報知装置。
【請求項11】
前記交通事象を前記履歴バッファから削除するように構成される第1の削除モジュールを備える請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項12】
前記第1の更新モジュールが、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの前記位置情報及び/又は速度情報を取得するように構成される取得ユニットと、
前記各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの前記位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記交通事象が継続しているか否かを判断するように構成される判断ユニットと、
前記交通事象が継続していると判断された場合、前記現在の状態識別子を第1の状態に保持し、前記交通事象が継続していないと判断された場合、前記現在の状態識別子を第2の状態に戻すように構成される設定ユニットと、
を備える請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項13】
前記第2の更新モジュールが、
各フレームにおいて前記履歴バッファにおける前記現在の状態識別子を取得するように構成される識別子取得ユニットと、
前記現在の状態識別子が第1の状態である場合、前記交通事象が検出されない連続フレームの数をデフォルト値に設定し、前記現在の状態識別子が第2の状態である場合、前記交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算するように構成される処理ユニットと、
を備える請求項
12に記載の交通事象の報知装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのターゲットが検出された後、ターゲット追跡アルゴリズムにより前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡するように構成される追跡モジュールと、
前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡できない場合、前記少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得するように構成される第3の取得モジュール
であって、前記監視ビデオにおいて前記少なくとも1つのターゲットを追跡できないことが、前記少なくとも1つのターゲットが監視範囲を出たことを指す第3の取得モジュールと、
前記少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を前記履歴バッファから削除するように構成される第2の削除モジュールと、
を備える請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項15】
予め設定された時間内に確認情報を受信したか否かを判断するように構成される確認モジュールを備え、
前記報知モジュールが、
前記予め設定された時間内に前記確認情報を受信しなかったと判断された場合、前記交通事象の開始情報又は前記交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録するように構成される請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項16】
前記繰り返し送信回数が予め設定された回数閾値に達しているか否かを判断するように構成される第2の判断モジュールと、
前記予め設定された回数閾値に達していると判断された場合、警報を行うとともに、前記交通事象を前記履歴バッファから削除するように構成される警報モジュールと、
を備える請求項
15に記載の交通事象の報知装置。
【請求項17】
前記交通事象の開始情報が、前記交通事象の識別子、前記交通事象の開始時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含み、
前記交通事象の終了情報が、前記交通事象の識別子、前記交通事象の終了時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含む請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項18】
前記第2の取得モジュールが、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得するように構成される深度情報取得ユニットと、
各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報を取得するように構成される位置情報取得ユニットと、
各連続フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得するように構成される速度情報取得ユニットと、
を備える請求項
10に記載の交通事象の報知装置。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、
を備え、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から
9のいずれか一項に記載の交通事象の報知方法を実行できる電子機器。
【請求項20】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が、コンピュータに請求項1から
9のいずれか一項に記載の交通事象の報知方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータに請求項1から
9のいずれか一項に記載の交通事象の報知方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、コンピュータ技術の分野に関し、より具体的には、インテリジェント交通技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント交通アプリケーションでは、通常、制限速度超過、逆走、道路の不法占用などがあるか否かを検出するなど、道路上の交通事象を検出する必要があり、交通事象が検出されると、検出された交通事象を報知する必要があり、例えばクラウド監視プラットフォームに報知する。
【0003】
関連技術において、交通事象を報知する時、交通事象が発生した障害物に1つのフィールドを追加し、交通事象の検出結果を障害物の検出結果に付加して報知する方式が主に採用されている。報知される情報の受信側が交通事象の検出結果のみを取得する必要がある場合、上記報知方式は、受信側の受信圧力及びデータ解析負担を増加させることになる。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、交通事象の報知方法及びその装置、電子機器並びに記憶媒体を提供する。
【0005】
第1の態様では、本出願の実施例は、監視ビデオを取得するとともに、前記監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得するステップと、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するステップと、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するステップと、前記交通事象が発生したと判断された場合、前記交通事象の開始情報を報知するとともに、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される前記交通事象の状態情報を生成するステップと、前記交通事象の状態情報を監視するステップと、前記交通事象の状態情報に基づいて、前記交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するステップと、を含む交通事象の報知方法を提供する。
【0006】
第2の態様では、本出願の実施例は、監視ビデオを取得するとともに、前記監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得するように構成される第1の取得モジュールと、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するように構成される第2の取得モジュールと、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するように構成される第1の判断モジュールと、前記交通事象が発生したと判断された場合、前記交通事象の開始情報を報知するとともに、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される前記交通事象の状態情報を生成するように構成される報知モジュールと、前記交通事象の状態情報を監視するように構成される監視モジュールと、を備え、前記報知モジュールは、さらに、前記交通事象の状態情報に基づいて、前記交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するように構成される交通事象の報知装置を提供する。
【0007】
第3の態様では、本出願の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を含み、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが第1の態様に記載の交通事象の報知方法を実行できる電子機器を提供する。
【0008】
第4の態様では、本出願の実施例は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令はコンピュータに第1の態様に記載の交通事象の報知方法を実行させる非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
第5の態様では、本出願の実施例は、コンピュータに第1の態様に記載の交通事象の報知方法を実行させるコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本出願に係る交通事象の報知方法及びその装置、電子機器並びに記憶媒体は、以下の有益な効果奏する。
監視ビデオを取得するとともに、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断し、交通事象が発生したと判断された場合、交通事象の開始情報を報知するとともに、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される交通事象の状態情報を生成し、交通事象の状態情報を監視し、交通事象の状態情報に基づいて、交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知する。これにより、交通事象が検出された時に交通事象の開始情報を報知し、交通事象の終了が監視された時に交通事象の終了情報を報知することにより、交通事象情報を個別に報知することを実現し、受信側の受信圧力及びデータ解析圧力を低減させることができ、従来技術における、交通事象の検出結果を障害物の検出結果に付加して報知することによって受信側の受信圧力及びデータ解析負担が増加するという技術的問題を解決することができる。
【0010】
この概要部分に記載されている内容は、本開示の実施例の肝心な、又は重要な特徴を限定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定するものでもないことを理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は、本技術案をよりよく理解するために用いられ、本出願を限定するものではない。
【
図1】本出願の第1の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートである。
【
図2】本出願の第2の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートである。
【
図3】本出願の第3の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートである。
【
図4】本出願の第4の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートである。
【
図5】本出願の第5の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートである。
【
図6】本出願の第6の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
【
図7】本出願の第7の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
【
図8】本出願の第8の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
【
図9】本出願の第9の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
【
図10】本出願の第10の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
【
図11】本出願の実施例に係る交通事象の報知方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本出願の例示的な実施例について説明し、理解を容易にするためにその中には本出願の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本出願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすく且つ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構成の説明を省略する。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本出願の交通事象の報知方法及びその装置、電子装置並びに記憶媒体を説明する。
【0014】
関連技術において、交通事象の検出結果を報知する時に、障害物の検出結果に1つのフィールドを追加し、交通事象の検出結果を障害物の検出結果に付加して報知する方式を採用している。例えば、監視画像において10台の車両を検出し、そのうち車両Aが制限速度を超過すれば、障害物の検出結果を報知する時に、車両Aに制限速度超過のフィールドを追加する。
【0015】
しかし、対応する下流側である受信側が交通事象の検出結果のみを取得する場合、上記報知方式を用いて報知される障害物の関連検出結果は、受信側のデータ受信圧力及びデータ解析負担を増加させることになり、また、上記報知方式では交通事象の検出結果が障害物の検出結果に付加されているため、受信側が交通事象の終了時間を自ら判断する必要があり、これは受信側の統計圧力を増加させる。
【0016】
上記問題に基づいて、本出願は、交通事象の報知方法を開示し、交通事象を検出した時に交通事象の開始情報を報知し、交通事象の終了を監視した時に交通事象の終了情報を報知することにより、交通事象情報を個別に報知することを実現し、受信側の受信圧力及びデータ解析圧力を低減させることができ、また、受信側が交通事象の終了を自ら判断することを回避し、受信側の統計圧力を低減させることができる。
【0017】
図1は、本出願の第1の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートであり、この方法は、本出願に係る交通事象の報知装置によって実行されてもよいし、本出願に係る電子機器によって実行されてもよい。そのうち、電子機器は路側機であってもよく、路側機は路側に設置され、通行する車両の監視ビデオを分析することにより、通行する車両に交通事象が発生したか否かを検出するとともに、検出した交通事象を報知し、本出願に係る交通事象の報知方法を実現する。以下、路側機によって本出願に係る交通事象の報知方法を実行することを例として本出願を解釈し説明する。
【0018】
図1に示すように、この交通事象の報知方法は、以下のステップ101~ステップ106を含むことができる。
【0019】
ステップ101において、監視ビデオを取得するとともに、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得する。
【0020】
本実施例では、1つの交差点に複数のカメラを設置して監視ビデオを収集することができ、例えば、通行する車両の監視ビデオを取得するように、カメラは、撮影画角範囲内のビデオをリアルタイムに収集することができ、カメラが収集した監視ビデオをそれと通信する路側機に送信することができる。路側機は、監視ビデオを取得した後に、監視ビデオを解析して、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得することができる。
【0021】
少なくとも1つのターゲットは、車両及び歩行者を含むことができ、車両は、自動車、オートバイなどの原動機付車両、及び電動自転車、自転車などの非原動機付車両を含むことができる。
【0022】
本実施例では、監視ビデオにおけるターゲットを取得する時に、ターゲット検出アルゴリズムを用いて、監視ビデオに存在する少なくとも1つのターゲットを検出することができ、ターゲット検出アルゴリズムは、現在の比較的に成熟している検出アルゴリズムであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0023】
ステップ102において、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得する。
【0024】
本実施例では、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを検出した後、1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得することができる。例えば、深度推定アルゴリズムを用いて、少なくとも1つのターゲットの、監視ビデオの各フレームの画像における深度情報を認識し、そして深度情報に基づいて、各フレームの画像における少なくとも1つのターゲットの位置情報を決定し、さらに各フレームの画像における少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの位置変化及び位置変化に対応する時間差を分析することにより、少なくとも1つのターゲットの速度情報を決定することができる。
【0025】
ステップ103において、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断する。
【0026】
本実施例では、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得した後、取得した少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断することができ、交通事象は、制限速度超過、逆走、道路の不法占用、工事区域などを含む。
【0027】
一例として、制限速度超過事象について、少なくとも1つのターゲットの速度情報が少なくとも1つのターゲットの位置する車線の最高速度を超えたことが検出される場合、少なくとも1つのターゲットに制限速度超過事象が発生したと決定する。逆走事象について、少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの進行方向及び少なくとも1つのターゲットの位置する車線を決定し、さらにこの車線の走行方向を取得し、少なくとも1つのターゲットの進行方向と位置する車線の走行方向とが一致しているか否かを比較することにより、少なくとも1つのターゲットが逆走しているか否かを判断することができる。例えば、連続する複数フレームの画像において決定される少なくとも1つのターゲットの進行方向と位置する車線の走行方向とが一致していない場合、少なくとも1つのターゲットに逆走事象が発生したと決定し、これにより、緊急回避による誤判断を回避することができ、逆走事象検出の正確率を向上させることができる。道路の不法占用事象について、少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットが高精度地図における車線にあり且つ予め設定された時間を超えたか否かを判断し、超えたと判断された場合、少なくとも1つのターゲットに道路の不法占用事象が発生したと決定する。工事区域事象について、通常、トラフィックコーンで囲まれた閉鎖区域を工事区域として考え、工事区域事象が検出された場合、検出されたトラフィックコーンは、トラフィックコーンの数が予め設定された数(例えば4つ)より大きい閉鎖区域を安定的に囲むことができるか否かを判断することができ、できると判断された場合、工事事象が発生したと決定する。
【0028】
ステップ104において、交通事象が発生したと判断された場合、交通事象の開始情報を報知するとともに、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される交通事象の状態情報を生成する。
【0029】
本実施例では、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、交通事象が発生したと判断された場合、情報受信側が少なくとも1つのターゲットに発生した交通事象を正確に知ることができるように、少なくとも交通事象のタイプを含む交通事象の開始情報を報知し、また、交通事象の開始情報は、例えば、事象開始時間のような他の情報をさらに含んでもよく、具体的には、実際の需要に応じて交通事象の開始情報に含まれる内容を設定することができ、本出願はこれについて限定しない。
【0030】
路側機は、交通事象の開始情報を報知するとともに、交通事象の状態情報を生成することができ、交通事象の状態情報は、交通事象の変化状況を記録するためのものであり、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される。
【0031】
少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報の変化に応じて、少なくとも1つのターゲットに発生した交通事象が変化する場合があり、それにより、交通事象の状態情報も変化することを理解されたい。例えば、前のいくつかのフレームの画像から取得されたある車両の速度情報に基づいて、この車両に制限速度超過が連続して発生していたと判断し、現在のフレームの画像から取得されたこの車両の速度情報に基づいて、この車両が制限速度超過せず走行していると判断した場合、この車両の制限速度超過事象の状態情報は、連続する制限速度超過から非制限速度超過に変化する。
【0032】
ステップ105において、交通事象の状態情報を監視する。
【0033】
ステップ106において、交通事象の状態情報に基づいて、交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知する。
【0034】
本実施例では、交通事象の状態情報が少なくとも1つのターゲットの速度情報及び/又は位置情報に応じて変化し、少なくとも1つのターゲットの速度情報及び/又は位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに発生した交通事象を判断することができるため、交通事象の状態情報は、少なくとも1つのターゲットに発生した交通事象の変化状況を反映することができ、それにより、本実施例では、交通事象の状態情報を監視することにより、交通事象が終了したか否かを正確に知ることができ、交通事象の状態情報に基づいて、交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知し、交通事象の終了情報は、交通事象のタイプ、終了時間などの情報を含んでもよく、具体的には、実際の需要に応じて交通事象の終了情報に含まれる内容を設定することができ、本出願はこれについて限定しない。
【0035】
本出願の実施例では、交通事象の開始情報及び終了情報をクラウド監視プラットフォーム、交通管理部門の指揮センタープラットフォームなどに報知することにより、スタッフが報知された情報に基づいて次の仕事を指示することができる。例えば、交通管理部門の指揮センタープラットフォームが路側機から報知された制限速度超過事象を受信した場合、この制限速度超過事象が発生した車両の関連情報、制限速度超過事象の開始時間及び終了時間、制限速度超過事象の発生場所などの情報に基づいて、1枚の制限速度超過の交通違反カードを生成してこの車両の持ち主に送信することで、交通違反事象の管理制御を実現することができる。
【0036】
本実施例の交通事象の報知方法は、監視ビデオを取得するとともに、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断し、交通事象が発生したと判断された場合、交通事象の開始情報を報知するとともに、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される交通事象の状態情報を生成し、交通事象の状態情報を監視し、交通事象の状態情報に基づいて交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知する。これにより、交通事象を検出した時に交通事象の開始情報を報知し、交通事象の終了を監視した時に交通事象の終了情報を報知することにより、交通事象情報を個別に報知することを実現し、受信側の受信圧力及びデータ解析圧力を低減させることができ、また、受信側が交通事象の終了を自ら判断することを回避し、受信側の統計圧力を低減させることができる。
【0037】
本出願の実施例の可能な実現形態では、交通事象の開始情報は、交通事象の識別子、交通事象の開始時間、交通事象の位置及び交通事象の区域を含み、交通事象の終了情報は、交通事象の識別子、交通事象の終了時間、交通事象の位置及び交通事象の区域を含む。
【0038】
一例として、路側機は、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を報知する時、以下のコードセグメントを用いて報知してもよい。
optional V2XType v2x_type = ; // use case type
optional int32 id = ; // usecase id
optional bool stop_flag = [default = false]; // whether usecase stop or not
optional double timestamp = ; // timestamp
optional Point location_point = 5; // usecase location
repeated Point Polygen_point =;
ここで、v2x_typeは、報知される事象のタイプ(例えば制限速度超過、逆走など)を表し、idは、現在の事象のid、すなわち交通事象の識別子を表し、stop_flagのデフォルト値はfalseであり、事象が既に始まったことを表し、事象が終了すると、それをtrueにし、timestampは、事象開始又は事象終了時のタイムスタンプを表し、location_pointは、交通事象の位置、例えば、制限速度を超過した車の位置を表し、Polygen_pointは、交通事象からなる区域、例えば工事区域を表す。
【0039】
本出願の実施例では、交通事象の開始時間は、交通事象の識別子、交通事象の開始時間、交通事象の位置及び交通事象の区域を含むように設定し、交通事象の終了情報は、交通事象の識別子、交通事象の終了時間、交通事象の位置及び交通事象の区域を含むように設定することにより、報知される情報の受信側は、報知の開始時間及び受信時間に基づいて、交通事象の関連情報及び終了時間を明確に知ることができ、受信側が、交通事象が終了したか否かを自ら判断することを回避し、受信側の統計圧力を低減させることができる。
【0040】
本出願の実施例の可能な実現形態では、交通事象の状態情報は、交通事象の現在の状態識別子と、交通事象が検出されない連続フレームの数とを含み、それにより、本出願の実施例では、
図1に示す実施例を基に、この交通事象の報知方法は、以下のステップ201~ステップ204をさらに含んでもよい。
【0041】
ステップ201において、交通事象が発生した後、交通事象、交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶する。
【0042】
履歴バッファの初期状態は、空である。
【0043】
本実施例では、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したと判断された後、発生した交通事象、交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶し、現在の状態識別子は、trueとfalseとを含むことができ、現在の状態識別子がtrueである場合、ターゲットに交通事象が発生したことが検出されたことを示し、現在の状態識別子がfalseである場合、ターゲットに交通事象が発生していないことが検出されたことを示す。
【0044】
ステップ202において、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて現在の状態識別子を更新する。
【0045】
ステップ203において、現在の状態識別子に基づいて、交通事象が検出されない連続フレームの数を更新する。
【0046】
少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するとともに、発生した交通事象のタイプを決定することができるため、本実施例では、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて現在の状態識別子を更新することができる。
【0047】
可能な実現形態として、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得し、各フレームにおける少なくとも1つのターゲット位置情報及び/又は速度情報に基づいて、交通事象が継続しているか否かを判断し、交通事象が継続していると判断された場合、現在の状態識別子を第1の状態に保持し、交通事象が継続していないと判断された場合、現在の状態識別子を第2の状態に戻す。
【0048】
第1の状態は、検出された交通事象が依然として発生していることを示するために用いられ、第1の状態はtrueとすることができ、第2の状態は、前の交通事象が検出されないことを示すために用いられ、第2の状態はfalseにすることができる。
【0049】
交通事象が継続しているか否かは、同一のターゲットに発生した同一の交通事象のことである。例えば、前のフレームの画像においてある車両に制限速度超過と逆走が発生していたことを検出し、現在のフレームの画像において同一の車両に逆走が発生していることを検出する場合、制限速度超過事象は継続せず、制限速度超過事象の現在の状態識別子を第2の状態に設定し、逆走事象は依然として継続しており、逆走事象の現在の状態識別子を依然として第1の状態に保持する。
【0050】
監視ビデオにおける各フレームの画像を分析して少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は状態情報を取得するとともに、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、交通事象が継続しているか否かを判断し、事象が継続している場合、現在の状態識別子を第1の状態に保持し、継続していない場合、現在の状態識別子を第2の状態に戻すことにより、少なくとも1つのターゲットの交通事象の変化状況を正確に認識することができ、漏れが回避され、交通事象を正確に監視し且つ適時報知するために条件を提供する。
【0051】
さらに、本実施例では、現在の状態識別子に基づいて、交通事象が検出されない連続フレームの数を更新することができる。
【0052】
可能な実現形態として、各フレームで履歴バッファにおける現在の状態識別子を取得してもよく、現在の状態識別子が第1の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数をデフォルト値に設定し、現在の状態識別子が第2の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算する。デフォルト値は予め設定されてもよく、例えばデフォルト値を0に設定する。
【0053】
デフォルト値を0に設定することを例とすると、本実施例では、いずれかのフレームにおいて取得した少なくとも1つのターゲット位置情報及び/又は速度情報に基づいて、交通事象が継続しているか否かを判断した後、継続しているか否かの判断結果に基づいて交通事象の現在の状態識別子を第1の状態又は第2の状態に更新するとともに、現在の状態識別子に基づいて交通事象が検出されない連続フレームの数を更新し、取得した現在の状態識別子が第1の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数を0に設定し、取得した現在の状態識別子が第2の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算し、それにより、最終的に取得した交通事象が検出されない連続フレームの数は、少なくとも1つのターゲットに交通事象が連続して検出されないフレームの数を反映することができる。
【0054】
各フレームにおいて履歴バッファにおける現在の状態識別子を取得し、現在の状態識別子が第1の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数をデフォルト値に設定し、現在の状態識別子が第2の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算することにより、交通事象が検出されない連続フレームの数を正確に取得することができ、交通事象が検出されない連続フレームの数についての判断を追加することにより、漏れによる終了情報の誤報知を回避し、事象報知のロバスト性を向上させることができる。
【0055】
ステップ204において、交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、交通事象が終了したと判断する。
【0056】
予め設定された閾値は予め設定されてもよく、例えば5、8などに設定される。
【0057】
本実施例では、毎回更新後の交通事象が検出されない連続フレームの数に対して、交通事象が検出されない連続フレームの数と予め設定された閾値とを比較してもよく、交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、交通事象が終了したと判断し、交通事象の終了情報を報知する。
【0058】
本実施例の交通事象の報知方法は、交通事象が発生した後、交通事象、交通事象の現在の状態識別子、及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶し、少なくとも1つの対象の位置情報及び/又は速度情報に基づいて現在の状態識別子を更新するとともに、現在の状態識別子に基づいて交通事象が検出されない連続フレームの数を更新し、交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、交通事象が終了したと判断し、これにより、交通事象の交通事象が検出されない連続フレームの数を増加させて監視することにより、監視中の漏れによる終了情報の誤報知を効果的に回避し、報知情報の精度を向上させ、事象報知のロバスト性を向上させることができる。
【0059】
さらに、本出願の実施例の可能な実現形態では、
図2に示すように、交通事象が終了したと判断された後に、以下のステップ205をさらに含んでもよい。
【0060】
ステップ205において、交通事象を履歴バッファから削除する。
【0061】
本実施例では、交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するだけでなく、終了したと判断された交通事象を履歴バッファから削除し、これにより、履歴バッファ内の記憶空間を節約し、後に検出されるターゲットの交通事象情報を記憶し続けることができる。また、既に終了した交通事象を削除することにより、既に終了した事象の繰り返し報知を回避することができ、事象報知の精度を向上させることができる。
【0062】
本出願に係る交通事象の報知方法は、汎用の事象報知方式であり、交通事象の個別報知を実現することができ、以下、制限速度超過事象を例として解釈し説明する。
【0063】
制限速度超過事象について、履歴バッファは、制限速度超過が発生した障害物の最新属性をバッファするためのものであり、障害物のid、現在の制限速度超過が連続する制限速度超過であるか否か、交通事象が検出されない連続フレームの数、最新の制限速度超過が発生したタイムスタンプ、交通事象のタイプ(すなわち制限速度超過)、最新の制限速度超過が発生した時の位置を含む。
【0064】
初期時、履歴バッファは空である。ある障害物の安定した制限速度超過(例えば連続する5フレームの制限速度超過)が発生したことが検出された場合、履歴バッファにこの障害物が既に存在する場合、履歴バッファを更新し、履歴バッファにおいてこの障害物を連続制限速度超過に設定するとともに、交通事象が検出されない連続フレームの数を0に設定し、最新の位置及びタイムスタンプを記録し、履歴バッファにこの障害物が存在しない場合、この障害物の制限速度超過事象を履歴バッファに追加するとともに、制限速度超過事象の開始情報を報知し、具体的には、障害物及びそれに対応する制限速度超過情報を履歴バッファに追加し、その中の連続する制限速度超過をNoに設定し、交通事象が検出されない連続フレームの数を0にし、個別のチャネルで制限速度超過事象の発生を報知する。履歴バッファにおける各障害物をトラバースし、連続する制限速度超過がtrueであれば、交通事象が検出されない連続フレームの数を0にし、連続する制限速度超過がfalseであれば、交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算し、交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、この制限速度超過事象の終了を報知するとともに、この制限速度超過事象を履歴バッファから削除し、予め設定された閾値より小さい場合、次の障害物の検出を行う。
【0065】
一般的に、交差点に設置されたカメラの撮影範囲は限られており、ある交差点のカメラは、位置する交差点を通過しようとする車両、歩行者の監視ビデオしか取得できず、車両又は歩行者がこの交差点を通過した後、監視ビデオにおいて車両及び歩行者が消えて、監視ビデオに既に存在しないターゲットに対して、履歴バッファの記憶空間を節約するように、このターゲットの交通事象を履歴バッファから削除してもよい。以下、
図3を参照して詳細に説明する。
【0066】
図3は、本出願の第3の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートであり、
図3に示すように、前記実施例を基に、本出願に係る交通事象の報知方法は、以下のステップ301~ステップ303をさらに含んでもよい。
【0067】
ステップ301において、少なくとも1つのターゲットが検出された後、ターゲット追跡アルゴリズムにより監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡する。
【0068】
ステップ302において、監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡できない場合、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得する。
【0069】
本実施例では、取得された監視ビデオについて、監視ビデオから少なくとも1つのターゲットを検出した後、ターゲット追跡アルゴリズムを用いて監視ビデオから検出された少なくとも1つのターゲットを追跡し、隣接する2つのフレームの画像において、ターゲット追跡アルゴリズムにより認識された同一のターゲットは、同一のidを有する。
【0070】
ターゲット追跡アルゴリズムは、例えばカルマンフィルタ追跡アルゴリズム、粒子フィルタ追跡アルゴリズムなど、既存のアルゴリズムを用いることができ、本出願はこれについて限定しない。
【0071】
ターゲット追跡アルゴリズムを用いて監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを追跡する過程において、あるidが突然消えると、このidで識別されたターゲットが監視ビデオから消え、監視ビデオからこのターゲットを追跡することができず、すなわちこのターゲットが監視範囲を出たことを表し、そうすると、さらに、このターゲットに対応する交通事象を取得する。
【0072】
ステップ303において、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を履歴バッファから削除する。
【0073】
本実施例では、監視ビデオにおいて追跡できない少なくとも1つのターゲットについて、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得するとともに、取得した交通事象を履歴バッファから削除する。
【0074】
例えば、制限速度を超過して走行するある車両が監視ビデオから出ると、ターゲット追跡アルゴリズムを用いてこの車両を追跡することができない場合、この車両に対応する交通事象を制限速度超過として取得するとともに、履歴バッファに記憶されたこの車両の制限速度超過事象を削除する。
【0075】
本実施例の交通事象の報知方法は、少なくとも1つのターゲットを検出した後、ターゲット追跡アルゴリズムにより監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡し、監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡できない場合、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得するとともに、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を履歴バッファから削除することにより、監視されない少なくとも1つのターゲットに対して、それに対応する交通事象を削除することを実現し、履歴バッファの記憶空間を節約することができる。
【0076】
路側機とクラウド監視プラットフォーム、指揮センタープラットフォームなどの受信側との間は遠隔通信方式によりデータ交換を行い、通信品質がネットワーク状態から影響を受けるため、ネットワーク伝送にパケットロスが存在する場合、情報の報知が失敗する可能性があり、この問題を解決するために、本出願の実施例の可能な実現形態では、メッセージ確認方式を用いて受信側が報知される情報を受信したか否かを確認することができる。以下、
図4を参照して詳細に説明する。
【0077】
図4は、本出願の第4の実施例に係る交通事象の報知方法の概略フローチャートであり、
図4に示すように、前記実施例を基にして、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を報知した後に、この方法は、以下のステップ401~ステップ404をさらに含んでもよい。
【0078】
ステップ401において、予め設定された時間内に確認情報を受信したか否かを判断する。
【0079】
ステップ402において、予め設定された時間内に確認情報が受信されなかった場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録する。
【0080】
ステップ403において、繰り返し送信回数が予め設定された回数閾値に達しているか否かを判断する。
【0081】
ステップ404において、予め設定された回数閾値に達していると判断された場合、警報を行うとともに、交通事象を履歴バッファから削除する。
【0082】
本実施例では、路側機が交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を受信側に報知した後、受信側は、路側機から報知された情報を受信した場合、受信側が路側機から報知された情報の受信に成功したことを示すための確認情報を路側機に返信し、受信側が路側機から報知された情報を受信していない場合、確認情報の送信を拒否する。路側機は、受信側から返信された確認情報を受信し、予め設定された所定時間(例えば0.1秒、0.5秒)内に確認情報を受信した場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報の報知を停止し、所定時間内に確認情報を受信していない場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録し、繰り返し送信回数と予め設定された所定回数閾値(例えば3回、5回)tpを比較し、繰り返し送信回数が所定回数閾値に達しているが、依然として確認情報を受信していない場合、警報を行うとともに、交通事象を履歴バッファから削除する。
【0083】
つまり、路側機が所定時間内に受信側から送信された確認情報を受信せず、且つ繰り返し送信回数が所定回数閾値に達していない場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を繰り返し報知し、確認情報を受信した時、又は繰り返し送信回数が所定回数閾値に達している時に報知を停止する。
【0084】
本実施例の交通事象の報知方法は、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を報知した後、予め設定された時間内に確認情報を受信したか否かを判断し、予め設定された時間内に確認情報が受信されない場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録し、繰り返し送信回数が予め設定された回数閾値に達しているか否かを判断し、予め設定された回数閾値に達していると判断された場合、警報を行うとともに、交通事象を履歴バッファから削除することにより、受信側からフィードバックされた確認情報を受信していない場合繰り返し報知することを実現し、ネットワークの具体が悪くて受信側が報知される情報を受信できないという状況を回避する上で有利であり、通信データの信頼性を向上させることができる。また、繰り返し送信回数が所定回数閾値に達している場合警報を行うことにより、路側機の正常な動作をできるだけ早く回復するように、路側機を直ちに点検することを関連作業者に注意させることができる。
【0085】
本出願の実施例の可能な実現形態では、
図5に示すように、前記実施例を基に、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するステップは、以下のステップ501~ステップ503を含んでもよい。
【0086】
ステップ501において、各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得する。
【0087】
例えば、深度推定アルゴリズムを用いて、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得するすることができ、この深度情報とは、少なくとも1つのターゲットに含まれる各画素点の画素座標系における座標である。
【0088】
ステップ502において、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの深度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの位置情報を取得する。
【0089】
一例として、少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得した後、交差点に設置されたカメラの内部パラメータ及び外部パラメータに基づいて座標変換を行い、画素座標系における画素点の座標を世界座標系に投影し、各画素点に対応する世界座標を取得し、さらに同一のターゲットに属する各画素点の世界座標をこのターゲットの位置情報とすることができる。
【0090】
ステップ503において、少なくとも1つのターゲットの、連続フレームにおける位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得する。
【0091】
本実施例では、少なくとも1つのターゲットの位置情報を決定した後、少なくとも1つのターゲットの、連続フレームにおける位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得することができる。
【0092】
ビデオにおいて、異なるフレームの画像は、異なるタイムスタンプに対応し、連続フレームにおける位置情報及び連続フレームに対応するタイムスタンプに基づいて、少なくとも1つのターゲットの位置情報の変化に必要な時間を決定することができ、さらに位置情報の変化量をこの時間で割ると、少なくとも1つのターゲットの速度情報を決定することができる。
【0093】
本実施例の交通事象の報知方法は、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得し、各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの位置情報を取得し、さらに連続フレームにおける少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得することにより、少なくとも1つのターゲットの速度情報及び位置情報を正確に認識することができ、速度情報及び位置情報に基づいて交通事象を検出するために条件を提供する。
【0094】
本出願の実施例によれば、本出願は、交通事象の報知装置をさらに提供する。
【0095】
図6は、本出願の第6の実施例に係る交通事象の報知装置の概略構成図である。
図6に示すように、この交通事象の報知装置60は、第1の取得モジュール610と、第2の取得モジュール620と、第1の判断モジュール630と、報知モジュール640と、監視モジュール650と、を備える。
【0096】
そのうち、第1の取得モジュール610は、監視ビデオを取得するとともに、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得するように構成される。
【0097】
第2の取得モジュール620は、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するように構成される。
【0098】
第1の判断モジュール630は、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断するように構成される。
【0099】
報知モジュール640は、交通事象が発生したと判断された場合、交通事象の開始情報を報知するとともに、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される交通事象の状態情報を生成するように構成される。
【0100】
監視モジュール650は、交通事象の状態情報を監視するように構成される。
【0101】
報知モジュール640は、さらに、交通事象の状態情報に基づいて交通事象が終了したと判断された場合、交通事象の終了情報を報知するように構成される。
【0102】
本出願の実施例の可能な実現形態では、交通事象の開始情報は、前記交通事象の識別子、前記交通事象の開始時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含み、前記交通事象の終了情報は、前記交通事象の識別子、前記交通事象の終了時間、前記交通事象の位置及び前記交通事象の区域を含む。
【0103】
さらに、本出願の実施例の可能な実現形態では、交通事象の状態情報は、交通事象の現在の状態識別子及び交通事象が検出されない連続フレームの数を含み、
図7に示すように、
図6に示す実施例を基に、この交通事象の報知装置60は、記憶モジュール660と、第1の更新モジュール670と、第2の更新モジュール680と、意思決定モジュール690と、第1の削除モジュール6100と、をさらに備える。
【0104】
記憶モジュール660は、交通事象が発生した後、交通事象及び交通事象の現在の状態識別子及び交通事象が検出されない連続フレームの数を履歴バッファに記憶するように構成される。
【0105】
第1の更新モジュール670は、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて現在の状態識別子を更新するように構成される。
【0106】
本出願の実施例の可能な実現形態では、第1の更新モジュール670は、各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得するように構成される取得ユニット671と、
各フレームにおける少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、交通事象が継続しているか否かを判断するように構成される判断ユニット672と、交通事象が継続していると判断された場合、現在の状態識別子を第1の状態に保持し、交通事象が継続していないと判断された場合、現在の状態識別子を第2の状態に戻すように構成される設定ユニット673と、を備える。
【0107】
第2の更新モジュール680は、現在の状態識別子に基づいて、交通事象が検出されない連続フレームの数を更新するように構成される。
【0108】
本出願の実施例の可能な実現形態では、第2の更新モジュール680は、各フレームにおいて履歴バッファにおける現在の状態識別子を取得するように構成される識別子取得ユニット681と、現在の状態識別子が第1の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数をデフォルト値に設定し、また、現在の状態識別子が第2の状態である場合、交通事象が検出されない連続フレームの数に1を加算するように構成される処理ユニット682と、を備える。
【0109】
意思決定モジュール690は、交通事象が検出されない連続フレームの数が予め設定された閾値より大きい場合、交通事象が終了したと判断するように構成される。
【0110】
第1の削除モジュール6100は、交通事象を履歴バッファから削除するように構成される。
【0111】
本出願の実施例の可能な実現形態では、
図8に示すように、
図7に示す実施例を基にして、この交通事象の報知装置60は、追跡モジュール6110と、第3の取得モジュール6120と、第2の削除モジュール6130と、をさらに備える。
【0112】
追跡モジュール6110は、少なくとも1つのターゲットが検出された後、ターゲット追跡アルゴリズムにより監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡するように構成される。
【0113】
第3の取得モジュール6120は、監視ビデオにおいて少なくとも1つのターゲットを追跡できない場合、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を取得するように構成される。
【0114】
第2の削除モジュール6130は、少なくとも1つのターゲットに対応する交通事象を履歴バッファから削除するように構成される。
【0115】
本出願の実施例の可能な実現形態では、
図9に示すように、
図7に示す実施例を基に、この交通事象の報知装置60は、確認モジュール6140と、第2の判断モジュール6150と、警報モジュール6160と、をさらに備える。
【0116】
確認モジュール6140は、予め設定された時間内に確認情報が受信されたか否かを判断するように構成され、報知モジュール640は、さらに、予め設定された時間内に確認情報が受信されないことが判断された場合、交通事象の開始情報又は交通事象の終了情報を繰り返し報知するとともに、繰り返し送信回数を記録するように構成される。
【0117】
第2の判断モジュール6150は、繰り返し送信回数が予め設定された回数閾値に達しているか否かを判断するように構成される。
【0118】
警報モジュール6160は、予め設定された回数閾値に達していると判断された場合、警報を行うとともに、交通事象を履歴バッファから削除するように構成される。
【0119】
本出願の実施例の可能な実現形態では、
図10に示すように、
図6に示す実施例を基に、第2の取得モジュール620は、各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報を取得するように構成される深度情報取得ユニット621と、各フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの深度情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの位置情報を取得するように構成される位置情報取得ユニット622と、各連続フレームにおける前記少なくとも1つのターゲットの位置情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットの速度情報を取得するように構成される速度情報取得ユニット623と、を備える。
【0120】
なお、前述した交通事象の報知方法の実施例についての解釈及び説明は、本実施例の交通事象の報知装置にも適用され、その実現原理は類似するため、ここでは説明を省略する。
【0121】
本出願の実施例の交通事象の報知装置は、監視ビデオを取得するとともに、監視ビデオにおける少なくとも1つのターゲットを取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報を取得し、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に基づいて、少なくとも1つのターゲットに交通事象が発生したか否かを判断し、交通事象が発生したと判断した場合、交通事象の開始情報を報知するとともに、少なくとも1つのターゲットの位置情報及び/又は速度情報に応じて更新される交通事象の状態情報を生成し、交通事象の状態情報を監視し、交通事象の状態情報に基づいて交通事象が終了したと判断した場合、交通事象の終了情報を報知する。これにより、交通事象を検出した時に交通事象の開始情報を報知し、交通事象の終了を監視した時に交通事象の終了情報を報知することにより、交通事象情報を個別に報知することを実現し、受信側の受信圧力及びデータ解析圧力を低減させることができ、また、受信側が交通事象の終了を自ら判断することを回避し、受信側の統計圧力を低減させることができる。
【0122】
本出願の実施例によれば、本出願は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0123】
図11に示すように、本出願の実施例の交通事象の報知方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルディジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ及び他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図する。電子機器はさらに、例えば、パーソナルデジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス及び他の同様のコンピューティング装置など、様々な形態の移動体装置を表すことができる。本明細書に示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、単なる例であり、本明細書に記載及び/又は請求される本出願の実施を限定することを意図しない。
【0124】
図11に示すように、この電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ701と、メモリ702と、各コンポーネントを接続するためのインタフェースであって、高速インタフェースと低速インタフェースを備えるものとを備える。各コンポーネントは異なるバスによって相互接続され、共通のマザーボード上に実装されてもよく、又は必要に応じて他の方式で実装されてもよい。プロセッサは、電子機器内で実行される、GUIのグラフィックス情報を外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合された表示機器)上に表示させるようにメモリ内又はメモリ上に記憶された命令を含む命令を処理することができる。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリ及び複数のメモリとともに使用することができる。また、それぞれの機器が必要な操作の一部を提供する(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群、又はマルチプロセッサシステムとする)複数の電子機器を接続することができる。
図11において、1つのプロセッサ701を例とする。
【0125】
メモリ702は、本出願に係る非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。前記メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本出願に係る交通事象の報知方法を実行させるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶している。本出願の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本出願に係る交通事象の報知方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶する。
【0126】
非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、メモリ702は、例えば本出願の実施例における交通事象の報知方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、
図6に示す第1の取得モジュール610、第2の取得モジュール620、第1の判断モジュール630、報知モジュール640及び監視モジュール650)のような非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するために用いることができる。プロセッサ701は、メモリ702に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施例における交通事象の報知方法を実現する。
【0127】
メモリ702は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶可能なプログラム記憶区域と、交通事象の報知方法を実行する電子機器の利用に応じて作成されるデータなどを記憶可能なデータ記憶区域とを含むことができる。さらに、メモリ702は、高速ランダムアクセスメモリを備えることができ、さらに、例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の非一時的ソリッドステート記憶装置のような非一時的メモリを備えることができる。いくつかの実施例では、メモリ702は、任意選択的に、プロセッサ701に対して遠隔に設置されるメモリを備え、これらの遠隔メモリはネットワークを介して交通事象の報知方法を実行する電子機器に接続することができる。上記ネットワークの例はインターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0128】
交通事象の報知方法を実行する電子機器は、さらに、入力装置703と出力装置704を含むことができる。プロセッサ701とメモリ702と入力装置703と出力装置704はバス又は他の方式により接続することができ、
図11においてバスにより接続することを例とする。
【0129】
入力装置703は入力された数字又は文字情報を受信し、交通事象の報知方法を実行する電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えばタッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置が挙げられる。出力装置704は、表示機器、補助照明装置(例えば、LED)及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを備えることができる。この表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプラズマディスプレイを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示機器はタッチパネルであってもよい。
【0130】
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラム内で実施されることを含むことができ、この1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを備えるプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈することができ、このプログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、この記憶システム、この少なくとも1つの入力装置、及びこの少なくとも1つの出力装置にデータ及び命令を送信することができる。
【0131】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高度プロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械語でこれらのコンピュータプログラムを実行することができる。本明細書に使用される用語の「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号としての機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。用語の「機械読み取り可能な信号」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0132】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明されるシステム及び技術をコンピュータ上で実施することができ、このコンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)やLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)であって、ユーザがこのキーボード及びこのポインティングデバイスによりコンピュータに入力を提供可能なものと、を有する。他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために用いることもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感知フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、また、任意の形態(音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0133】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、このグラフィカルユーザインタフェース又はこのウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションできる)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントとの任意の組み合わせを備えるコンピューティングシステムで実施される。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットとを含む。
【0134】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを備えることができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常、通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、且つ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。
【0135】
本出願の実施例の技術案によれば、交通事象を検出した時に交通事象の開始情報を報知し、交通事象の終了を監視した時に交通事象の終了情報を報知することにより、交通事象情報を個別に報知することを実現し、それにより、受信側の受信圧力及びデータ解析圧力を低減させ、また、受信側が交通事象の終了を自ら判断することを回避し、受信側の統計圧力を低減させる。
【0136】
以上に示される様々な形態のフローを使用して、ステップを新たに順序付け、追加、又は削除することが可能であることを理解すべきである。例えば、本出願に記載されている各ステップは、並列に実行してもよいし、順次実行してもよいし、異なる順序で実行してもよいが、本出願に開示されている技術案が所望する結果を実現することができる限り、本明細書ではこれに限定されない。
【0137】
上記の具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、設計要件と他の要因によって、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができることを理解すべきである。本出願の精神及び原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。