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特許7224355光散乱を調整するための多孔質のミクロン・サイズの粒子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】光散乱を調整するための多孔質のミクロン・サイズの粒子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20230210BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
H01L33/50
G02B5/20
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020534969
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 US2018065937
(87)【国際公開番号】W WO2019126000
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】15/852,822
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18163955.0
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボーマー,マルセル レネ
(72)【発明者】
【氏名】ヘーツ,ヤコーブス ヨハンネス フランシスクス ゲラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】エストラーダ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シミズ,ケンタロウ
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0207148(US,A1)
【文献】特開2010-211027(JP,A)
【文献】特開2017-191875(JP,A)
【文献】特表2017-531315(JP,A)
【文献】特開2017-188686(JP,A)
【文献】特開2014-010894(JP,A)
【文献】特開2009-043903(JP,A)
【文献】特開2016-037483(JP,A)
【文献】特開2016-081040(JP,A)
【文献】特表2013-529842(JP,A)
【文献】特表2011-510487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光半導体デバイスであって、該発光半導体デバイスを流れる駆動電流に応答して一次光を放射するよう構成された発光半導体デバイスと;
前記発光半導体デバイス上に位置され、前記一次光の少なくとも一部を吸収し、その吸収に応答して前記一次光よりも長波長の二次光を放射するように構成された波長変換構造と;
前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に位置され、前記一次光および二次光に対して透明な材料から形成され、第1の屈折率を有し、サブミクロン孔を有する多孔質構造と;
前記多孔質構造における前記サブミクロン孔を満たし、25°Cで第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有するポリマーとを有する発光デバイスであって、
前記発光半導体デバイスに駆動電流が流れない状態で、25°Cにおいて白色光の外部照明下では、前記多孔質構造が前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱を示し、前記ポリマーは人間の観察者にとって白色に見える、
発光デバイス。
【請求項2】
発光半導体デバイスであって、該発光半導体デバイスを流れる駆動電流に応答して一次光を放射するよう構成された発光半導体デバイスと;
前記発光半導体デバイス上に位置され、前記一次光の少なくとも一部を吸収し、その吸収に応答して前記一次光よりも長波長の二次光を放射するように構成された波長変換構造と;
前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に位置され、前記一次光および二次光に対して透明な材料から形成され、第1の屈折率を有し、サブミクロン孔を有する多孔質構造と;
前記多孔質構造における前記サブミクロン孔を満たし、25°Cで第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有するポリマーとを有する発光デバイスであって、
第1の屈折率と第2の屈折率の差の大きさは温度の上昇とともに減少し、前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱は前記多孔質構造の温度の上昇とともに減少する、
発光デバイス。
【請求項3】
前記多孔質構造は、前記駆動電流が前記発光半導体デバイスを流れ、そこから前記一次光が放射される状態では、前記発光半導体デバイスを通じて駆動電流が流れない状態で前記多孔質構造によって示される光散乱よりも少ない光散乱を示す、請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記発光半導体デバイスに駆動電流が流れない状態で、25°Cにおいて白色光の外部照明下では、前記多孔質構造が前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱を示し、前記ポリマーは人間の観察者にとって白色に見える、請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記多孔質構造は、前記発光半導体デバイスを前記駆動電流が流れ、そこから前記一次光が放射される状態において、前記二次光の少なくとも一部が、当該発光デバイスからの光出力として、前記多孔質構造を透過する、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記光出力が、人間の観察者にとって白色に見える、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記一次光が青色光であり、前記波長変換構造が、黄色発光する波長変換材料、緑色発光する波長変換材料または赤色発光する波長変換材料のうちの一つまたは複数を含む、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項8】
発光半導体デバイスであって、該発光半導体デバイスを流れる駆動電流に応答して一次光を放射するよう構成された発光半導体デバイスと;
前記発光半導体デバイス上に位置され、前記一次光の少なくとも一部を吸収し、その吸収に応答して前記一次光よりも長波長の二次光を放射するように構成された波長変換構造と;
前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に位置され、前記一次光および二次光に対して透明な材料から形成され、第1の屈折率を有し、サブミクロン孔を有する多孔質構造と;
前記多孔質構造における前記サブミクロン孔を満たし、25°Cで第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有するポリマーとを有する発光デバイスであって、
第1の屈折率と第2の屈折率の差の大きさは温度の上昇とともに減少し、前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱は前記多孔質構造の温度の上昇とともに減少する、
前記多孔質構造は、前記発光半導体デバイスを前記駆動電流が流れ、そこから前記一次光が放射される状態において、(i)前記二次光の少なくとも一部、または(ii)前記二次光の少なくとも一部および前記一次光の一部のいずれかが、当該発光デバイスからの光出力として、前記多孔質構造を透過し、
前記発光半導体デバイスを前記駆動電流が流れ、そこから前記一次光が放射される状態で、前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記光出力の色点がより冷たい色にシフトする、発光デバイス。
【請求項9】
25°Cにおいて、前記第2の屈折率が、前記第1の屈折率より大きい、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項10】
25°Cにおいて、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率より大きい、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項11】
発光半導体デバイスであって、該発光半導体デバイスを流れる駆動電流に応答して一次光を放射するよう構成された発光半導体デバイスと;
前記発光半導体デバイス上に位置され、前記一次光の少なくとも一部を吸収し、その吸収に応答して前記一次光よりも長波長の二次光を放射するように構成された波長変換構造と;
前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に位置され、前記一次光および二次光に対して透明な材料から形成され、第1の屈折率を有し、サブミクロン孔を有する多孔質構造と;
前記多孔質構造における前記サブミクロン孔を満たし、25°Cで第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有するポリマーとを有する発光デバイスであって、
前記発光半導体デバイスに駆動電流が流れない状態で、25°Cにおいて白色光の外部照明下では、前記多孔質構造が前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱を示し、前記ポリマーは人間の観察者にとって白色に見え、
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差の大きさは温度が上昇するにつれて増加し、前記多孔質構造と前記ポリマーとの間の界面からの光散乱は前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて増加する、
光デバイス。
【請求項12】
前記発光半導体デバイスを前記駆動電流が流れ、そこから前記一次光が放射される状態で、前記多孔質構造は、前記発光半導体デバイスを駆動電流が流れない状態で前記多孔質構造によって示される光散乱よりも大きな光散乱を示す、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記サブミクロン孔が、400nm未満の孔サイズを有する、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記多孔質構造が、前記サブミクロン孔を有するミクロン・サイズの粒子を含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記ミクロン・サイズの粒子が、3μmから150μmの間の粒子サイズを有する、請求項14に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記ミクロン・サイズの粒子が、多孔質のガラスビーズ粒子、多孔質のシリカ粒子または多孔質のフッ化マグネシウム粒子の一つまたは複数を含む、請求項14記載の発光デバイス。
【請求項17】
前記多孔質構造が、前記サブミクロン孔を有する多孔質誘電体材料のメッシュ・スラブを含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記ポリマーがシリコーン、ゾル‐ゲル、有機修飾されたセラミックまたはポリシラザンの一つまたは複数を含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項19】
請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の発光デバイスを作製する方法であって、当該方法は、前記多孔質構造を前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に位置させることを含む、方法。
【請求項20】
前記サブミクロン孔を前記ポリマーで充填することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サブミクロン孔を充填する前記ポリマーを硬化させることをさらに含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発光ダイオードは、携帯電話用カメラのためのフラッシュ光源およびフィラメント・ランプのようなさまざまな用途において白色光源として使用されうる。そのようなLEDは、本明細書では白色LEDと称されることがある。
【0002】
白色LEDは、LEDがオン状態にあるときに、観察者の視点から白色光を発するように見えてもよい。しかしながら、それらのLEDは、実際には、非白色光を放射する発光半導体構造、および非白色光を観察者にとって白色に見せる波長変換構造から構成されていることがある。たとえば、白色LEDは、黄色発光する蛍光体層で覆われた青色発光する半導体構造から形成されてもよい。発光半導体構造によって放出される青色光の光子は、青色光子として黄色発光する蛍光体層を通過するか、または黄色発光する蛍光体層によって黄色光子に変換されうる。LEDから最終的に発される青色光子と黄色光子が組み合わさって、LEDから発される光が観察者にとって白色に見えるようになる。
【0003】
LEDはまた、ある範囲のディムトーン(dimtone)設定にわたって使用できる。しかしながら、たとえば、高いディムトーン設定でより冷たい光を発するように見えるLEDは、低いディムトーン設定でもより冷たい光を発するように見えることがある。同様に、たとえば、低いディムトーン設定でより暖かい光を発するように見えるLEDは、高いディムトーン設定でもより暖かい光を発するように見えることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
LEDにおいて使用するための光学的に機能する多孔質構造、およびそのような光学的に機能する多孔質構造を作製する方法が、本明細書に記載される。光学的に機能する多孔質構造は、複数のサブミクロン細孔およびポリマー基質〔マトリクス〕を含む誘電体構造であってもよい非吸光性材料構造を含む。非吸光性材料構造自体は、複数のミクロン・サイズの多孔質粒子から構成されてもよい。さらに、第1の温度において非吸光性材料構造の屈折率はポリマー基質の屈折率とは異なり、非吸光性材料構造の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率差が、光学的に機能する多孔質構造内の複数のサブミクロン孔を、第1の温度において光散乱能力を有するように構成する。非吸光性材料構造の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率差は、温度の変化に伴って減少するので、複数のサブミクロン孔の光散乱能力も、これらの対応する温度変化に伴って変化する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】発光半導体構造およびオフ状態で白色の材料層を含む、例示的な発光デバイス(LED)の図である。
【0006】
図1B】ポリマー基質で充填されたサブミクロン孔の相互接続を有するミクロン・サイズの多孔質粒子で構成される例示的なオフ状態白色層の図である。
【0007】
図1C】ポリマー基質で充填されたサブミクロン孔の相互接続を有するメッシュ・スラブで構成された別の例示的なオフ状態白色層の図である。
【0008】
図2】サブミクロン孔内に注入されたシリコンを有するサブミクロン孔を含むミクロン・サイズの多孔質ガラスビーズ粒子の断面の走査型電子顕微鏡図である。
【0009】
図3A】サブミクロン孔を含む、直径25~45μmのミクロン・サイズの多孔質粒子を添加された、25°Cでの、滴下キャストされた(drop-casted)シリコーン層の図(写真)である。
【0010】
図3B】サブミクロン孔を含む、直径25~45μmのミクロン・サイズの多孔質粒子を添加された、200°Cでの、滴下キャストされたシリコーン層の図(写真)である。
【0011】
図4】100nmの有効孔径を有する、50μmのサイズの多孔質シリカ粒子を25重量%含む高屈折率シリコーンの4nmないし150μmの層における光透過の、温度の関数としてのグラフ表現である。
【0012】
図5】シリコーンで満たされ、空気ボイドを含むミクロン・サイズの多孔質粒子の顕微鏡画像である。
【0013】
図6】駆動電流リードが10mAmpから400mAmpにシフトされる1202 COBチップ光源から生成される光の色点のシフトを示すグラフ表現であり、1202 COB光源は、ポリマー基質で満たされた相互接続されたサブミクロン孔を有するミクロン・サイズの多孔質粒子を含むカバー層がかぶさっている。
【0014】
図7】光学的に機能する多孔質構造を使用して光散乱を調整する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
白色LEDは、オン状態で白色光を発するように見えことがあるが、そのようなLEDは、オフにされたときは、波長変換材料の色であるように見えることがある。たとえば、黄色発光する蛍光体層を含む白色LEDは、店舗の棚上で見るときのように、オフにされているときは、観察者に対して黄色または緑色に見えることがある。それにもかかわらず、一般の消費者は、白色LEDを含む製品がオフ状態でも白く見えることを期待することがありうる。たとえば、白色電球を購入するために店にはいる人は、通例、白色電球が実際に白色に見えることを期待し、電球が黄色または緑色に見える場合には、電球が欠陥であると考えることがありうる。携帯電話の消費者にも同じことが言えることがあり、消費者はカメラのフラッシュが白く見えることを期待することがある。そのような製品は、LEDがオフ状態においてもオン状態と同じように白色に見えれば、消費者にとって、より売れやすいであろう。
【0016】
LED光の色点の変化が好ましいこともありうる。たとえば、LEDライトが暗くされるとき、ユーザーは、これらの、より低いディムトーン設定で、より暖かい色を観察することを好むことがありうる。反対に、LEDライトが明るいときは、ユーザーは、より低温の色を観察することを好むことがある。駆動電流を増加させると、それは温度上昇につながり、光散乱の変化が温度変化と相関する場合には、色点の変化が生じる。これは、部分的には、たとえば青色光が赤色光よりも光を強く散乱するため、散乱される赤色光の量に対する散乱される青色光の相対量を変化させることによって、LEDから放射される知覚される光の色点が変化する可能性があるためである。
【0017】
オフ状態のLEDについてオフ状態で白色の外観を提供するために、または照明が暗く調光されたときに、より暖かい色を提供するために、白色の、非蛍光体の、不活性材料の顆粒が使用されてきた。これらの顆粒は、しばしばサブミクロン・サイズの顆粒である。これは、このサイズの粒子が特に有効な光散乱要素として機能しうるからである。そのような材料の例は、二酸化チタン(TiO2)および酸化ジルコニウム(ZrO2)を含む。これらの材料のサブミクロン・サイズの粒子は、シリコーンのような透明材料と混合され、非白色LED表面上に塗布されて、たとえばLEDオフ状態で、観察者にとって、より白色に見えるようにすることができる。しかしながら、白色の、非蛍光体の、不活性材料のそのような顆粒は、デバイスがオンの間、白色のままであることがあり、オン状態でLEDから放射される光の若干の散乱を生じ、LEDのルーメン出力を低下させることがある。
【0018】
これらの例では、いずれの状態における光散乱の大きさも、光学的に機能する層におけるサブミクロン粒子の濃度、およびサブミクロン粒子と透明材料との間の屈折率差に依存する。前者に関しては、サブミクロン粒子の濃度の増加は、オフ状態での光散乱を増加させうる。しかしながら、これらの粒子の濃度が増加するにつれて、これは、オン状態におけるLEDのルーメン出力の減少をもたらしうる。さらに、材料の加工に問題があるかもしれない。たとえば、混合物の粘度がサブミクロン粒子の濃度の増加とともに増加するにつれて、材料の混合はますます困難になる。もう一つの問題は、最終的な層が、高い粒子添加のために、あまりにも脆いことでありうる。
【0019】
サブミクロン粒子の屈折率と透明層の屈折率との間の屈折率差に関しては、サブミクロン粒子からの十分な光散乱が生じうるように、差が十分大きくなければならない。反対に、屈折率差は、可能な使用範囲内のすべての温度において光散乱が生じないように、大きすぎてはならない。たとえば、透明層の屈折率がサブミクロン粒子の屈折率と比較して非常に高かったら、透明層の屈折率の低下は、サブミクロン粒子の屈折率に十分に近づかない可能性があり、使用範囲内のすべての温度にわたって光散乱が生じてしまうであろう。
【0020】
LEDの温度は、オン状態ではオフ状態に比べて上昇する可能性があり、また、光散乱の増加は、LEDのルーメン出力を低下させる可能性があるため、温度の上昇に伴って光散乱を減少させることが理想的であろう。前述のように、最も一般的に使用される散乱粒子はTiO2である。しかしながら、TiO2の屈折率は高く、一方、一般的に使われる透明層材料であるシリコーンの屈折率は低く、両者の屈折率差は0.5より大きい。材料のこの組み合わせを使用すると温度の上昇は、TiO2とシリコーンとの間のさらに大きな屈折率差をもたらし、オン状態での光散乱をさらに大きくすることがありうる。よって、透明材料に対してより低い屈折率を有する散乱粒子を使用することがより好適でありうる。
【0021】
そのような粒子の例は、屈折率1.37を有するMgF2である。その屈折率は、屈折率1.55をもちうる高屈折率シリコーンよりも小さいが、それに近い。ただし、2つの材料の間の屈折率差はわずか0.16であるため、オフ状態で十分な光散乱を達成するためには、ずっと高い濃度のMgF2が必要とされ、これは、前述のような材料の加工における問題をもたらす可能性がある。
【0022】
本明細書に記載される実施形態は、LEDのオン状態およびオフ状態の両方において観察者にとって白色に見えうるが、それでいてLEDのオン状態における散乱を低減または解消しうる白色LEDを提供する。それにより、LED自体の品質またはその材料の構造に影響することなく、そのようなLEDを含む製品を観察者にとって、審美的により快いものにする。本明細書に記載される実施形態は、低いディムトーン設定では、色点がより暖かい色にシフトし、一方、高いディムトーン設定では、色点がより冷たい色にシフトするように、色点が調整できるLED光を提供することもできる。そのような実施形態は、ポリマー基質であってもよい透明材料の屈折率と、誘電体材料であってもよい非吸光性材料の屈折率との間の屈折率の差に依拠してもよい。
【0023】
ある実施形態では、非吸光性材料構造自体は、光学的に機能する層全体に分散したミクロン・サイズの多孔質粒子で構成されてもよく、ミクロン・サイズの多孔質粒子は、粒子自体の中の相互接続されたサブミクロン孔のネットワークを含む。ある実施形態では、非吸光性材料構造は、代わりに、それ自体がサブミクロン孔のネットワークを含む多孔性誘電体材料のメッシュ・スラブから構成されてもよい。それぞれの場合において、サブミクロン孔はポリマー基質で満たされ、ポリマー基質と、サブミクロン孔の形状の非吸光性材料との間の界面を形成する。これは、オン状態対オフ状態、または低強度対高強度におけるLEDの異なる温度と組み合わされて(本稿に記載される材料の屈折率は温度の関数として変化しうる)、本稿に開示される特性を有するLEDを形成するために頼りにされる。
【0024】
ある実施形態では、ポリマー基質の屈折率は、LEDオフ状態における非吸光性材料構造の屈折率よりも大きく、2つの材料の間の界面で光散乱効果が生じることを許容する。しかしながら、LEDオン状態では、温度が上昇するにつれて、ポリマー基質の屈折率が低下し、サブミクロン孔の形状の輪郭を描く非吸光性材料とサブミクロン孔を満たすポリマー基質との間の屈折率差が減少し、その結果、サブミクロン孔界面への非吸光性材料による光散乱が減少するか、なくなる。これらの特徴は、LEDがオフ状態にあるときには室温などの、より低い温度で光を散乱し、白色に見え、LEDが高い温度でオン状態にあるときには、光を散乱しない、または少なくとも散乱される光の量を減少させる(これはLED光の出力の増加につながる可能性がある)LED光を提供しうる。
【0025】
これらの屈折率特性はまた、強度の変化が光散乱を変化させるLEDを提供しうる。たとえば、LEDの強度が高い場合、温度が上昇し、光の散乱がそれに応じて減少することがある。これは、LEDライトの色点設定の変更を許容しうる。たとえば、赤色光よりも強く散乱される、より冷たい光のトーンに寄与する青色光は、これらの温度および光散乱能力の変化により、より影響を受ける可能性がある。この場合、光散乱を減少させうる温度上昇の結果、より多くの青色光が検出されることになり、より冷たい色への色点のシフトを引き起こす可能性がある。反対に、LEDの強度が低いときは、温度が低下することがあり、光の散乱が対応して増加することがある。この例では、温度の低下および光散乱の増加の結果、検出される青色光がより少なくなり、色点がより暖かい色にシフトする可能性がある。
【0026】
ある実施形態では、非吸光性材料の屈折率はポリマー基質の屈折率よりも大きく、温度の上昇が光散乱を減少させる。これは、LEDライトの色点設定の変更を損うことがある。この実施形態は、少なくとも、たとえば、普通なら温度が上昇するにつれて生じるであろう望ましくない色のシフトを防止または最小化するために使用されうる。温度が上昇するにつれて光散乱を増加させることによって、色の変化を減少させることができる。この実施形態は、温度が高くなるにつれて、色点をより暖かい色にシフトさせるためにも使用されうる。
【0027】
ある実施形態では、非吸光性材料構造自体は、全体を通じて分散しているサブミクロン孔の網目を含む複数のミクロン・サイズの多孔質粒子から構成されていてもよい。あるいはまた、非吸光性材料構造は、それ自体がサブミクロン孔の網目を含む多孔質誘電体材料のメッシュ・スラブから構成されてもよい。これらの実施形態のそれぞれにおいて、サブミクロン孔はポリマー基質で満たされ、ポリマー基質と、ほぼサブミクロン孔の形状である非吸光性材料構造との間の界面を形成する。
【0028】
これらの実施形態のそれぞれにおいて、ポリマー基質の屈折率は、LEDオフ状態における非吸光性材料構造の屈折率よりも大きく、2つの材料の間の界面で光散乱効果が生じることを許容する。しかしながら、LEDオン状態では、温度が上昇するにつれて、ポリマー基質の屈折率が低下し、サブミクロン孔の形状の輪郭を描く非吸光性材料とサブミクロン孔を満たすポリマー基質との間の屈折率差が減少し、その結果、サブミクロン孔‐誘電体表面界面による光散乱が減少するか、なくなる。材料のこれらの同じ固有の特性はまた、LED光の色点設定の変化を許容する。たとえば、低輝度では、LED光は、より暖かい色調に向かってシフトしてもよく、高輝度では、LED光は、より冷たいトーンに向かってシフトしてもよい。
【0029】
非吸光性材料の屈折率も、温度の上昇に応じて低下しうるが、第1の温度と第2の温度との間の屈折率の変化は、第1の温度および第2の温度におけるポリマー基質の屈折率の変化と比較して低い。非吸光性材料のような固体材料は、たとえばシリコーンよりもはるかに低い膨張係数をもち、よって、温度の関数としてはるかに小さな屈折率の変化をもつ。よって、温度の変化は、非吸光性材料よりもポリマー基質の屈折率に対して、より大きな影響を及ぼす。ポリマー基質および非吸光性材料に関するさらなる詳細は、以下に説明され、図2に示される。
【0030】
さらに、2つの材料間の屈折率差に関して、オフ状態で十分な光散乱を達成するためには、各材料の屈折率間の差がある最小である必要がある。注目すべきことに、この最小値は、光学的に機能する層内の光散乱粒子の濃度のような要因によって影響されうる。たとえば、材料間の屈折率の差がより小さい場合は、光散乱粒子の、より高い濃度が、材料間の屈折率の比較的小さな差を補償し、光散乱粒子の、より低い濃度での等価な屈折率差におけるよりも、より大きなレベルの光散乱を達成する助けとなることができる。しかしながら、その形を補償することなく層内に入れられる粒子の濃度には限界がある。逆に、オン状態での光散乱を十分に低減するためには、各材料の屈折率間の差は、たったある最大値でありうる。2つの材料の間の屈折率差が大きすぎ、任意の合理的な温度変化内で十分に減少できない場合、オン状態において、光散乱の機能的に有効な減少は生じえない。
【0031】
ある実施形態では、非吸光性材料の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率の差は、0.3以下である。ある実施形態では、非吸光性材料の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率の差は、0.2以下である。ある実施形態によると、非吸光性材料の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率の差は、0.1以下である。ある例示的な実施形態では、非吸光性材料の屈折率とポリマー基質の屈折率との間の屈折率の差は、0.07である。
【0032】
本明細書に記載される特徴は、LEDがオフ状態にあるときには室温で光を散乱し、白色に見え、LEDがオン状態にあるときには散乱される光の量を減少させるLEDを提供する。他の実施形態、たとえば、色点の調整が、本明細書に記載される、屈折率の差および温度の関数としての屈折率の変化の同じ原理に依拠する。
【0033】
図1Aは、発光半導体構造115と、波長変換材料110と、オフ状態で白色の材料とを含む例示的な発光デバイス(LED)100を示す図である。オフ状態白色材料は、サブミクロン孔を含む、複数のミクロン・サイズの多孔質粒子またはメッシュ・スラブを含む、光学的に機能する多孔質構造105であってもよい。接点120および125は、回路基板または他の基板またはデバイスへの電気的接続のために、直接的にまたはサブマウントのような他の構造を介して、発光半導体構造115に結合されてもよい。諸実施形態において、接点120および125は、誘電体材料で充填されてもよいギャップ127によって互いに電気的に絶縁されてもよい。接点または相互接続部120および125は、たとえば、はんだ、スタッドバンプ、または金層であってもよい。サブミクロン孔を含む、複数のミクロン・サイズの多孔質粒子またはメッシュ・スラブを含む光学的に機能する多孔質構造105は、LEDと接触している。
【0034】
ある実施形態では、発光半導体構造115は青色光を放射する。かかる諸実施形態では、波長変換材料110は、たとえば、黄色発光波長変換材料、または緑および赤色発光波長変換材料を含んでいてもよく、それが、それぞれの蛍光体によって発される光が発光構造115によって発される青色光と組み合わさるときに白色光を生成する。他の実施形態では、発光半導体構造115はUV光を放射する。かかる諸実施形態では、波長変換材料110は、たとえば、青および黄色波長変換材料または青、緑および赤色波長変換材料を含んでいてもよい。LED 100から放射される光のスペクトルを調整するために、他の色の光を放射する波長変換材料が追加されてもよい。ある実施形態では、本明細書に記載される光学的に機能する多孔質構造105の特性に基づいて、このLED 100の色点がシフトされてもよい。
【0035】
図1Bは、光学的に機能する多孔質構造105のある実施形態の拡大図であり、光学的に機能する多孔質構造105は、複数のミクロン・サイズの多孔質粒子150を含む。各ミクロン・サイズの多孔質粒子150全体にわたって、サブミクロン孔165(図2に示される)のネットワークが分散されており、孔にはこの図では、ポリマー基質180(白色で示される)が充填されている。複数のサブミクロン孔165は、非吸光性材料160によって囲まれた相互接続されたネットワークを形成する(白色で示される)。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、ミクロン・サイズの多孔質ガラスビーズ粒子であってもよい。ある例示的な実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、ミクロン・サイズの多孔質シリカ粒子であってもよい。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150はミクロン・サイズの多孔質フッ化マグネシウム粒子である。
【0036】
図1Cは、光学的に機能する多孔質構造105のある実施形態の拡大図であり、光学的に機能する多孔質構造105は、複数のサブミクロン孔(図示せず)を有する非吸光性材料160で形成されたメッシュ・スラブを含み、孔にはこの図では、ポリマー基質180が充填されている。この実施形態では、ポリマー基質180の相互接続されたネットワークがメッシュ・スラブ全体にわたって形成され、ポリマー基質180と、それを取り囲むメッシュ・スラブの非吸光性材料160との間の界面(図2の界面170に類似)を有する。
【0037】
図2は、例示的なミクロン・サイズの多孔質粒子150の断面を示す走査電子顕微鏡写真である。ミクロン・サイズの多孔質粒子150を通じて、サブミクロン孔165が分散している。サブミクロン孔165は、非吸光性材料160構造によって囲まれ、ミクロン・サイズの多孔質粒子150内に相互接続されたネットワークを形成する。この実施形態では、サブミクロン孔165は、ポリマー基質180で満たされる。サブミクロン孔165を含むミクロン・サイズの多孔質粒子150に遭遇する光は、多重散乱される。透過は排除されないが、それがなければ完全に透明な構造を通過するであろう光の一部のみに限られる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、ミクロン・サイズの多孔質ガラスビーズ粒子であってもよい。
【0038】
ある実施形態では、ポリマー基質180は、シリコーンを含む任意の光学的に機能する材料;光学グレードのシリコーン基質のような耐熱性および耐光性基質;またはゾル‐ゲル材料、有機的に修飾されたセラミック(オルモセル(ormocer))、またはポリシリザン系基質のような任意の他の好適な材料であってもよい。ある例示的な実施形態では、ポリマー基質180は、高屈折率シリコーンであってもよい。シリコーンの非限定的な例は、フェニル化シリコーン(すなわち、メチルフェニル)、および高屈折率ナノ粒子を充填したシリコーンを含みうる。
【0039】
ある実施形態によると、ポリマー基質180の屈折率は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150またはメッシュ・スラブ・ネットワークの非吸光性材料160の屈折率よりも大きくてもよい。ある実施形態では、ポリマー基質180の屈折率は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150またはメッシュ・スラブ・ネットワークの非吸光性材料160の屈折率よりも小さくてもよい。ある実施形態では、ポリマー基質は、室温で少なくとも1.4~1.7の範囲の屈折率を有するシリコーンである。ある実施形態では、ポリマー基質は、室温で少なくとも1.46~1.56の範囲の屈折率を有するシリコーンである。ある実施形態では、シリコーンは、室温で少なくとも1.50~1.56の範囲の屈折率を有する。ある実施形態では、ポリマー基質180の屈折率は、温度が上昇するにつれて低下しうる。ある実施形態では、シリコーンの屈折率は上昇した温度で低下してもよく、室温での屈折率について開示された上限温度よりも低い温度まで少なくとも、1.46から範囲を有することができる。ある実施形態では、ポリマー基質の屈折率は、室温でのポリマー基質の屈折率と比較して、高温で0.1以下減少する。
【0040】
上述したように、室温での材料の屈折率だけでなく、材料の膨張係数も、それぞれの層のためにどの材料が選ばれるべきかに影響を与える。たとえば、固体材料、たとえば、その最終状態にある非吸光性材料160は、たとえばシリコーンよりも、はるかに低い膨張係数をもち、よって、温度の関数としての、はるかに小さな屈折率の変化をもつ。よって、温度の変化は、本明細書に記載される実施形態において、非吸光性材料160よりも、ポリマー基質180の屈折率に対して、より大きな影響を及ぼす。
【0041】
ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、多孔質シリカ粒子を含む任意の材料、またはポリマー基質180の屈折率より小さな屈折率を有する任意の他の好適な材料から形成されたガラスビーズ粒子を含んでもよい。ある例示的な実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、多孔質シリカであってもよい。非ガラスビーズのミクロン・サイズの多孔質粒子150の非限定的な例は、ミクロン・サイズの多孔質フッ化マグネシウム粒子である。
【0042】
ミクロン・サイズの多孔質粒子150の下限直径は、十分なレベルの光散乱が達成できるように、サブミクロン孔165を中に含む十分な量の材料を有するために十分な大きさでなければならない。逆に、ミクロン・サイズの多孔質粒子150の上限直径は、光学的に機能する層をできるだけ薄く維持するのに十分小さくなければならない。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、光学的に機能する層の厚さよりも大きな直径を有することができる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、3μm~700μmの範囲の直径を有しうる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、3μm~150μmの範囲の直径を有しうる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、50μm~150μmの範囲の直径を有しうる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、3μm~50μmの範囲の直径を有しうる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、10μm~50μmの範囲の直径を有しうる。ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、10μm~100μmの範囲の直径を有しうる。ある例示的な実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150は、50μmの直径を有してもよい。特に、最も強い効果は、最大の粒子で観察されうるが、光学的機能層105の厚さも考慮されなければならない。
【0043】
光学的に機能する層におけるミクロン・サイズの多孔質粒子150の充填密度に関しては、できるだけ薄い層(好ましい層の厚さは、50μm、最大100μm、最大200μm、またはそれ以上でありうる)において、できるだけ多くの散乱を得ることができるよう、できるだけ大きいことが好ましい。ある実施形態では、単分散球のランダム充填限界は64vol%である。二峰分布が使用される場合、ミクロン・サイズの多孔質粒子150間の空隙が、より小さなサイズのミクロン・サイズの多孔質粒子150で満たされてもよく、最大充填率を、たとえば70%または80%まで増加させる。使用されるミクロン・サイズの多孔質粒子150が単分散ではない、または完全に単分散ではない実施形態では、40%と55%の間の充填体積分率に達する。より低い充填密度も可能であるが、それはオフ状態の白色効果を減少させ、また、層の厚さを増加させることをも必要とすることがありうる。
【0044】
ある実施形態では、ミクロン・サイズの多孔質粒子150のサブミクロン孔165のサイズは、50~400nmの範囲の直径を有しうる。ある例示的な実施形態では、サブミクロン孔165は、200nmの直径を有する。ある実施形態では、サブミクロン孔165は100nmの直径をもつ。
【0045】
ある実施形態では、サブミクロン孔165によって占められる容積は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150のグラム数に対して約0.6cm3/g~1.5cm3/gの範囲内である。ある実施形態では、サブミクロン孔165によって占められる容積は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150に対して約0.8cm3/g~1.2cm3/gの範囲内である。ある例示的な実施形態では、サブミクロン孔165によって占有される容積は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150に対して約0.9cm3/gである。光学的に機能する多孔質構造105内のサブミクロン孔165によって占められる容積は、少なくとも、使用される材料およびそれらのそれぞれの特性、室温での最適な光散乱に必要なミクロン・サイズの多孔質粒子150の数、および光学的に機能する多孔質構造105の完全性(integrity)に依存して、与えられた前記範囲の外で変化してもよい。
【0046】
ある実施形態では、孔サイズに依存して、孔容積に対する表面積は、約10m2/g~40m2/gであり得る。光学的に機能する多孔質構造105内のサブミクロン孔165によって占められる孔容積に対する表面積は、少なくとも、使用される材料およびそれらのそれぞれの特性、室温での最適な光散乱に必要なミクロン・サイズの多孔質粒子150の数、および光学的に機能する多孔質構造105の完全性に依存して、与えられた前記範囲の外で変化してもよい。
【0047】
多孔質非吸光性材料160がメッシュ・スラブ、非吸光性材料160を形成する例(図1Cに示される)では、材料は、多孔質シリカ粒子、またはポリマー基質180の屈折率よりも低い屈折率をもつ任意の他の好適な材料を含む任意の材料から形成されてもよい。LEDにおける適用のために、非吸光性材料160は、高い光束、温度、および湿度で安定であるべきである。ある実施形態では、無機材料が好ましい。ある例示的な実施形態では、多孔質非吸光性材料160のメッシュ・スラブは、多孔質シリカから形成されてもよい。
【0048】
図3Aおよび3Bは、ポリマー基質180(図1Bおよび2に示される)としてのシリコーンおよびミクロン・サイズの多孔質粒子150(やはり図1Bおよび2に示される)としての多孔質シリカの混合からなる光学的に機能する多孔質構造105の液滴の顕微鏡像である。混合物は、溶媒、シリコーン、および多孔質シリカを一緒に組み合わせて、小滴を形成することによって調製された。混合後、溶媒を蒸発させ、小滴を150°Cで硬化させ、光学的に機能する材料105を形成した。光学的に機能する材料105の各液滴の全体にわたって、ミクロン・サイズの多孔質シリカ粒子が分散されており、ミクロン・サイズの多孔質シリカ粒子のサブミクロン孔165(図2に示される)はシリコーンで満たされたる。
【0049】
図3Aの画像は、25°Cでの液滴試料を表わす。多孔質シリカ粒子は、液滴自体内の複数の小粒子によって示されている。この温度では、シリコーンを添加した多孔質シリカ粒子は、少なくとも部分的には、多孔質シリカとサブミクロン孔165(図2に示される)を満たすシリコーンとの間の屈折率の差に起因して、白色光を散乱する。
【0050】
図3Bの画像は、200°Cでの液滴試料を表わす。この温度では、シリコーンを添加した多孔質シリカ粒子は、25°Cで観察されるシリコーンを添加した多孔質シリカ粒子よりも少ない白色光を散乱する。これは、少なくとも部分的には、高温での、多孔質シリカの屈折率とシリコーンの屈折率との間の屈折率差の減少による。
【0051】
ある実施形態では、温度は一定に保って、他のシリコーンの屈折率とは異なる屈折率を有するシリコーンを使用する効果が評価される。25μm~40μmの直径および約200nmの平均サブミクロン孔サイズをもつ多孔質シリカビーズからなるミクロン・サイズの多孔質粒子150が、屈折率1.56を有するシリコーン中に分散され、25°Cで光を散乱する多孔質構造を有する厚さ200μmの光学的に機能する層を形成した。多孔質シリカの屈折率に近い屈折率1.46を有するシリコーンが代用されると、25°Cでは検出可能な光散乱はなかった。(データは図示せず。)この効果は、少なくとも部分的には、材料間の屈折率差の減少に帰することができ、ここで、材料間の屈折率差は、ほぼゼロであった。
【0052】
図4は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150として50μmの直径を有する多孔質シリカビーズを25重量%含む、光学的に機能する多孔質構造105(図1A、1B、および1Cに示される)の能力の定量的評価を示す。有効孔サイズ100nmを有する多孔質シリカビーズのサブミクロン孔165(図2に示される)は、(図1Bおよび図2に示される)ポリマー基質180としての高屈折率シリコーンで満たされ、温度の関数として光を散乱する。波長450nmおよび強度10W/cm2を有する光の直接透過は、ミクロン・サイズの多孔質シリカビーズを全体的に分散して含む光学的に機能する多孔質構造105の層を通して、さまざまな温度で透過される。各温度で検出された透過光の強度が測定される。ある実施形態では、層上のレーザー・スポットは直径1.3mmであり、光の検出は、450nmレーザと整列されている、層の約2cm後ろに配置された5mmの開口を有する積分球の使用を通じて行なわれる。
【0053】
第1の温度(すなわち、30°C)で層を透過した光のパーセントは、0.75%である。この強度は、決定され、自分自身に対して規格化されて、図4に示されるように1.0単位となる。第2の温度で検出された透過光の強度が決定され、これは、第1の温度で検出された光の強度に対して規格化される。透過した光の強度は、層が曝されるその後の各温度について測定され、第1の温度で検出された透過光の強度に対して規格化される。図4に示されるように、層を透過する光の強度は、温度が上昇するにつれて増加し、層を200°Cに曝されるときの透過光の強度は、層が30°Cに曝されるときの透過光の強度の30倍の高さである。200°C未満の温度でも、温度が70°Cを超えて80°Cに上昇すると、透過光の強度が増加する。たとえば、130°Cにおいて、層を通過する透過光の強度は、この実施形態において30°Cで透過される光の強度の約10倍の高さである。
【0054】
屈折率の変化とは別に、空気ボイドがミクロン・サイズの多孔質粒子150の内部に存在することがしばしば観察される。図5は、ミクロン・サイズの多孔質粒子150内の空気ボイド185(太いほうの矢印によって示される)の存在を示す光学顕微鏡像である。これらは、ミクロン・サイズの多孔質粒子150内の内部構造として、顕微鏡の下で見える。
【0055】
空気ボイド185も、本明細書に記載される材料で作製される光学的に機能する層105からの光の散乱に寄与する。空気ボイド185は、ポリマー基質180(すなわち、シリコーン)によるサブミクロン孔165の不完全な充填の結果として形成されることがあるが、たとえば、サブミクロン孔165の内側のシリコーンの硬化とその後の冷却の際にも形成されうる。シリコーンが高温(すなわち、150°C)で硬化するとき、膨張係数が高いため、シリコーンはかなり膨張する。温度が低下するにつれて、シリコーンは再び収縮し、ミクロン・サイズの多孔質粒子150に不十分な架橋されたシリコーンが注入して戻されることがあると、ミクロン・サイズの多孔質粒子150中のシリコーンは応力を受け、局所的な剥離または凝集破壊(cohesive failure)を示す可能性がある。層が、たとえばLEDのスイッチを入れることによって再び加熱されるとき、シリコーンは再び膨張し、空気ボイド185を完全にまたは部分的に満たし、空気ボイドが消失する。正味の効果は、2つの異なる温度での試料間の光出力の切り換え振幅が増加することである。
【0056】
前述したように、オフ状態での白色のための本明細書で記述された、サブミクロン孔165を有するミクロン・サイズの多孔質粒子150、または非吸光性材料160から形成され、サブミクロン孔を有するメッシュ・スラブは、他の用途で使用されてもよい。たとえば、色点制御、フィラメント・ランプ、切り換え可能レンズである。
【0057】
色点制御に関しては、温度の上昇に伴って色点シフトが観測できる。たとえば、駆動電流リード(drive current leads)を増加させることがLEDの温度を上昇させ、それによって、LED光の色点をより冷たい光色にシフトさせることができる。逆に、駆動電流リードを減少させることが温度を低下させ、それによって、LED光の色点をより暖かい色にシフトさせることができる。これは、少なくとも部分的には、光の各色が光を散乱する能力が異なるためである。たとえば、青色光は、赤色光よりも強く散乱されるので、前述の層において、温度が上昇すると光散乱が減少し、相対的に、より多くの青色光が放射される。この実施形態では、色点は、より冷たい白色光にシフトする。逆に、温度が低下すると、光散乱は増加し、相対的に、より少ない青色光が放出される。この実施形態では、色点は、より暖かい白色光にシフトする。
【0058】
ある実施形態では、ポリマー基質180(図1Bおよび図2に示される)としてシリコーン中に分散された、ミクロン・サイズの多孔質粒子150(図1Bおよび図2に示される)としての多孔質シリカを含む層を、1202 COBチップ上に堆積させた。このチップは、明るい光を提供し、LED光源の代わりに使用できる光源である。本明細書に記載される追加層を含む1202 COBチップ・ライトは、約25°Cの温度に関連付けられた10 mAmpの駆動電流リードに曝された。駆動電流リードが400 mAmpまで増加させると、対応して85°Cへの温度上昇が生じた。図6に示されるように、主として赤色光の色を表すu'軸に沿った色点のシフトが起こった。25°Cではより多くの赤色光が検出され、85°Cではより少ない量の赤色光が検出された。
【0059】
図6はまた、駆動電流リードが10mAmpから400mAmpにシフトされるとき、主に緑の光色を表わすv'軸に沿った、相対的により小さなシフトをも示している。しかしながら、v'軸に沿ったシフトの大きさは、u'軸に沿ったシフトの大きさよりも小さいだけでなく、緑色光検出の変化が、より暖かい光対より冷たい光に影響する度合いも、赤色光検出の等価なシフトが、より暖かい光対より冷たい光に影響する度合いよりもはるかに小さい。
【0060】
この図には示されていないが、より暖かい光からより冷たい光へのシフトに対応する、より多い赤色光の発生からより少ない赤色光の発生へのシフトの度合いは、シリコーン中に分散された多孔質シリカを含むミクロン・サイズの多孔質粒子層が1202 COBチップ・ライト上に配置された場合には、かなり増大する。
【0061】
図7は、(図1Bおよび図2に示される)複数のサブミクロン孔165を含む光学的に機能する多孔質構造105を用いて光散乱を調整する方法の流れ図700である。ある実施形態では、本方法700は、非吸光性材料160(図1B、1C、および図2に示される)内に形成されたサブミクロン孔165(図2に示される)をポリマー基質180(図2に示される)で充填するステップ705を含む。各場合において、サブミクロン孔165は、ポリマー基質180で充填され、ポリマー基質180とサブミクロン孔165の形状の非吸光性材料160との間に界面170(図2に示される)を形成する。非吸光性材料160、ミクロン・サイズの多孔質粒子150、メッシュ・スラブ・ネットワーク、複数のサブミクロン孔165、およびポリマー基質180の特性および特徴の実施例は上記で述べてある。材料の特性および組織構造に基づいて、本明細書中に記載されるポリマー基質180で充填されたサブミクロン・サイズ孔165を含む非吸光性材料構造160を使用して、光散乱が調整されうる。
【0062】
ひとたびサブミクロン孔165がポリマー基質180で満たされる(705)と、光学的に機能する多孔質構造105は、第1の温度で光に曝される(710)。非吸光性材料160とサブミクロン孔165を満たすポリマー基質との間の屈折率差を含む、光学的に機能する多孔質層105の内在的な特性および組織構造のために、第1の温度では光散乱が生じる。
【0063】
光に対する曝露に応答した光散乱の相対量を調整または変更するために、温度が変更され(715)、光学的に機能する多孔質構造105が第2の温度で光に曝される(720)。非吸光性材料160とサブミクロン孔165を満たすポリマー基質との間の屈折率差は、温度の関数として変化するので、第2の温度で生じる光散乱の量が変化する。
【0064】
ある実施形態では、ポリマー基質180の屈折率は、温度が上昇するにつれて低下する。ポリマー基質180の屈折率が非吸光性材料160の屈折率より大きい限り、これは光散乱を減少させる。ある実施形態では、SiO2が、ミクロン・サイズの多孔質粒子150を形成する非吸光性材料160であり、シリコーンが、サブミクロン孔165(図2に示される)を満たすポリマー基質180として使用される。この例では、シリコーンの屈折率は、SiO2の屈折率よりも低いので、SiO2の屈折率とシリコーンの屈折率との間の屈折率の差は、温度の上昇とともに増加し、光散乱の増加につながる。ある実施形態では、ポリマー基質180は、低屈折率シリコーンであるポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0065】
ある実施形態では、光は、本明細書に記載されるように、ミクロン・サイズの多孔質粒子150における空気ボイド185(図5に示される)の存在を通じて、屈折率差を超えてさらに調整されることができる。温度が上昇すると、シリコーンは硬化し、高い膨張係数を有するのでかなり膨張する。温度が低下するにつれて、シリコーンは再び収縮し、不十分な架橋シリコーンがミクロン・サイズの多孔質粒子150に再注入されることがある場合、空気ボイド185が形成されることがあり、ミクロン・サイズの多孔質粒子150内の残りのシリコーンは応力を受け、局所的な剥離または凝集破壊を示すことがある。これは、ミクロン・サイズの多孔質粒子150内の材料間の屈折率差に加えて、本明細書に記載される材料で作られた層からの光の散乱に寄与しうる。層が、たとえば、LEDのスイッチを入れることによって再び加熱されると、シリコーンは再び膨張し、空気ボイド185を完全にまたは部分的に満たす。正味の効果は切り換えの振れ幅が増加することである。
【0066】
ある実施形態では、光学的に機能する多孔質構造105は、本明細書に記載されているように、LEDライトがオンであるとき、動作中にLEDライトの色点をシフトさせるために使用されてもよい。これは、LEDの第1の温度が第2の温度に変化するときに生じることがある。LEDの第2の温度(第2の温度は第1の温度よりも大きい)では、光散乱が減少することがあり、これはこの場合、たとえば、赤色光に対して青色光の光散乱が比例的に、より大きく減少することを許容する。この場合、より多くの青色光が放射されるため、LEDの色点は、より冷たい白色光にシフトする。
【0067】
ある実施形態では、この方法は、他の用途、たとえば、フィラメント・ランプおよび切り換え可能レンズにおいて使用されてもよい。この方法は、温度の上昇が材料間の屈折率差を増加させ、光散乱を増加させる用途に使用されてもよい。
【0068】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者は、本発明の概念の精神から逸脱することなく、本明細書に記載した実施形態に修正が加えられてもよいことを理解するであろう。よって、本発明の範囲は、図示および記述された特定の実施形態に限定されることは意図されていない。
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
動作中に一次光を放射する発光半導体デバイスと;
前記発光半導体構造上に配置され、前記一次光の少なくとも一部を吸収し、応答して前記一次光よりも長波長の二次光を放射するように構成された波長変換構造と;
前記発光半導体デバイスとは反対側で前記波長変換構造上に配置され、前記一次光および二次光に対して実質的に透明な材料から形成され、第1の屈折率を有し、サブミクロン孔を含む多孔質構造と;
前記多孔質構造における前記サブミクロン孔を満たし、25°Cで第1屈折率とは異なる第2の屈折率を有するポリマーとを有する、
発光デバイス。
〔態様2〕
当該発光デバイスの動作において、二次光および任意的には前記一次光の一部が、前記多孔質構造を透過して、当該発光デバイスからの光出力を形成する、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様3〕
前記光出力が、人間の観察者にとって白色に見える、態様2に記載の発光デバイス。
〔態様4〕
当該発光デバイスがオフ状態にある25°Cにおいて、前記ポリマーが、前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し、前記多孔質構造が白色光の外部照明下にあるときに、前記多孔質構造が人間の観察者に白色に見えるようにする、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様5〕
前記第2の屈折率が、前記第1の屈折率より大きい、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様6〕
前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率より大きい、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様7〕
前記ポリマーは、一次光および二次光を散乱する前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し;
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差の大きさは、当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて減少し;
その結果、当該発光デバイスの動作中、前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記散乱界面による前記一次光および二次光の散乱が減少する、
態様1に記載の発光デバイス。
〔態様8〕
当該発光デバイスの動作中に、二次光および任意的には前記一次光の一部が前記多孔質構造を透過し、当該発光デバイスからの光出力を形成し;
前記光出力は人間の観察者にとって白く見え;
当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記光出力の色点がより冷たい色にシフトする、
態様6に記載の発光デバイス。
〔態様9〕
前記ポリマーは、一次光および二次光を散乱する前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し;
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差の大きさは、当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて増加し;
その結果、当該発光デバイスの動作中、前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記散乱界面による前記一次光および二次光の散乱が増加する、
態様1に記載の発光デバイス。
〔態様10〕
前記多孔質構造が、前記サブミクロン孔を含むミクロン・サイズの粒子を含む、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様11〕
前記多孔質構造が、前記孔を含む多孔質誘電体材料のメッシュ・スラブを含む、態様1に記載の発光デバイス。
〔態様12〕
当該発光デバイスの動作中に、二次光および任意的には前記一次光の一部が前記多孔質構造を透過し、当該発光デバイスからの光出力を形成し;
前記光出力は人間の観察者にとって白く見え;
当該発光デバイスがオフ状態にある25°Cにおいて、前記ポリマーが、前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し、前記多孔質構造が白色光の外部照明下にあるときに、前記多孔質構造が人間の観察者に白色に見えるようにする、
態様1に記載の発光デバイス。
〔態様13〕
前記第2の屈折率が前記第1の屈折率より大きく;
前記ポリマーは、一次光および二次光を散乱する前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し;
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差の大きさは、当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて減少し;
その結果、当該発光デバイスの動作中、前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記散乱界面による前記一次光および二次光の散乱が減少する、
態様12に記載の発光デバイス。
〔態様14〕
前記光出力の色点が、当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、より冷たい色にシフトする、態様13に記載の発光デバイス。
〔態様15〕
前記第2の屈折率が前記第1の屈折率より小さく;
前記ポリマーは、一次光および二次光を散乱する前記多孔質構造との光学的散乱界面を形成し;
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差の大きさは、当該発光デバイスの動作中に前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて増加し;
その結果、当該発光デバイスの動作中、前記多孔質構造の温度が上昇するにつれて、前記散乱界面による前記一次光および二次光の散乱が増加する、
態様12に記載の発光デバイス。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7