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特許7225407電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置および電動機の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置および電動機の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20230213BHJP
   H02K 3/28 20060101ALI20230213BHJP
   H02K 15/04 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/28 Z
H02K15/04 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021536564
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 JP2019030102
(87)【国際公開番号】W WO2021019751
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】妙摩 欣弘
(72)【発明者】
【氏名】杉本 康晴
(72)【発明者】
【氏名】柴田 一夫
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/045331(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026227(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/083947(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0317547(US,A1)
【文献】特開2006-180575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/52
H02K 3/28
H02K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の固定子と、当該固定子の内側に配置される回転子と、を備え、
前記固定子は、筒状のヨークおよび当該ヨークの内側に突出する9つのティースを含む鉄心と、前記鉄心の軸方向における端部に設けられた絶縁部材と、前記9つのティースのうちの異なる3つにそれぞれ連続して巻かれる独立した3本の巻線と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第1圧接端子と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第2圧接端子と、を備え、
前記3本の巻線の各々は、第1端末線と、第2端末線と、前記第2端末線に近い2つの前記ティースの間の第1中間線と、前記第1端末線に近い2つの前記ティースの間の第2中間線と、を含み、
前記第1圧接端子は、対応する前記巻線の前記第1端末線と、当該巻線の前記第1中間線における2箇所とを接続し、
前記第2圧接端子は、対応する前記巻線の前記第2端末線と、当該巻線の前記第2中間線における2箇所とを接続する、
電動機。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第1収容部と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第2収容部と、を有し、
前記第1収容部は、対応する前記巻線の前記第1端末線と、当該巻線の前記第1中間線における前記2箇所とを収容し、
前記第2収容部は、対応する前記巻線の前記第2端末線と、当該巻線の前記第2中間線における前記2箇所とを収容し、
前記第1圧接端子は、前記第1収容部に収容された前記第1端末線および前記第1中間線における前記2箇所を接続し、
前記第2圧接端子は、前記第2収容部に収容された前記第2端末線および前記第2中間線における前記2箇所を接続する、
請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記第1収容部は、対応する前記巻線の前記第2端末線と前記第1中間線の間の部分が巻かれる前記ティースに対し、前記回転子の回転軸を中心とした半径方向の外側に設けられ、
前記第2収容部は、対応する前記巻線の前記第1中間線と前記第2中間線の間の部分が巻かれる前記ティースに対し、前記半径方向の外側に設けられる、
請求項2に記載の電動機。
【請求項4】
前記3つの第1圧接端子にそれぞれ接続される3本の第1リード線と、前記3つの第2圧接端子にそれぞれ接続される3本の第2リード線と、をさらに備え、
前記3本の巻線をそれぞれ含む3つの回路が互いに独立したオープン巻線型の回路構成を有する、
請求項1に記載の電動機。
【請求項5】
前記3つの第1圧接端子に接続される3本の第1リード線と、前記3つの第2圧接端子にそれぞれ接続される3本の第2リード線と、をさらに備え、
前記3本の第2リード線が中性点において互いに接続されている、
請求項1に記載の電動機。
【請求項6】
請求項1に記載の電動機と、前記電動機により駆動される圧縮機構部と、を備える圧縮機。
【請求項7】
前記電動機および前記圧縮機構部を収容するとともに前記絶縁部材側に開口を有するケースと、前記開口を塞ぐカバーと、前記3つの第1圧接端子に接続される3本の第1リード線と、前記3つの第2圧接端子にそれぞれ接続される3本の第2リード線と、をさらに備え、
前記カバーは、前記3本の第1リード線が接続される第1端子と、前記3本の第2リード線が接続される第2端子と、を有し、
前記3本の第1リード線は、互いに束ねられるとともに、前記カバーに向けて立ち上がる第1屈曲点を有し、
前記3本の第2リード線は、互いに束ねられるとともに、前記カバーに向けて立ち上がる第2屈曲点を有し、
前記電動機を回転軸と平行な軸方向に見た場合に、前記回転軸を通る直線により隔てられる2つの領域の一方に前記第1屈曲点および前記第2屈曲点が含まれ、他方の領域に前記第1端子および前記第2端子が含まれる、
請求項6に記載の圧縮機。
【請求項8】
請求項6に記載の圧縮機と、前記圧縮機に接続される放熱器と、前記放熱器に接続される膨張装置と、前記膨張装置と前記圧縮機の間に接続される吸熱器と、を備える冷凍サイクル装置。
【請求項9】
筒状の固定子と、当該固定子の内側に配置される回転子と、を備え、
前記固定子は、筒状のヨークおよび当該ヨークの内側に突出する9つのティースを含む鉄心と、前記鉄心の軸方向における端部に設けられた絶縁部材と、前記9つのティースのうちの異なる3つにそれぞれ連続して巻かれる独立した3本の巻線と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第1圧接端子と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第2圧接端子と、を備える電動機の製造方法であって、
前記3本の巻線の各々を異なる3つの前記ティースに順に巻き付け、
前記3本の巻線の各々において、巻き始めの端末を含む第1端末線と、巻き終わりの端末を含む第2端末線に近い2つの前記ティースの間の第1中間線における2箇所とを第1圧接端子により接続し、
前記3本の巻線の各々において、前記第2端末線と、前記第1端末線に近い2つの前記ティースの間の第2中間線における2箇所とを第2圧接端子により接続する、
製造方法。
【請求項10】
前記巻線を3つの前記ティースに巻き付ける際に、1つ目の前記ティースに前記巻線を巻いた後、2つ目の前記ティースに前記巻線を巻く前に前記巻線を曲げて第1折り返し部を形成し、2つ目の前記ティースに前記巻線を巻いた後、3つ目の前記ティースに前記巻線を巻く前に前記巻線を曲げて第2折り返し部を形成し、その後に3つ目の前記ティースに前記巻線を巻き、
前記第1端末線と前記第2折り返し部の2箇所とを前記第1圧接端子により接続し、
前記第2端末線と前記第1折り返し部の2箇所とを前記第2圧接端子により接続する、
請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置および電動機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定子の鉄心が有するティースに巻線が巻かれた種々の構造の電動機が知られている。例えば3相交流電源により駆動される電動機においては、巻線の結線箇所が多いために、製造に手間がかかるとともにコストも増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-70652号公報
【文献】特開2019-62726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、巻線の結線処理を効率化することが可能な電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置および電動機の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る電動機は、筒状の固定子と、当該固定子の内側に配置される回転子と、を備える。前記固定子は、筒状のヨークおよび当該ヨークの内側に突出する9つのティースを含む鉄心と、前記鉄心の軸方向における端部に設けられた絶縁部材と、前記9つのティースのうちの異なる3つにそれぞれ連続して巻かれる独立した3本の巻線と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第1圧接端子と、前記3本の巻線の各々に対して設けられる3つの第2圧接端子と、を備える。前記3本の巻線の各々は、第1端末線と、第2端末線と、前記第2端末線に近い2つの前記ティースの間の第1中間線と、前記第1端末線に近い2つの前記ティースの間の第2中間線と、を含む。前記第1圧接端子は、対応する前記巻線の前記第1端末線と、当該巻線の前記第1中間線における2箇所とを接続する。前記第2圧接端子は、対応する前記巻線の前記第2端末線と、当該巻線の前記第2中間線における2箇所とを接続する。
【0006】
一実施形態に係る圧縮機は、前記電動機と、前記電動機により駆動される圧縮機構部と、を備える。
【0007】
一実施形態に係る冷凍サイクル装置は、前記圧縮機と、前記圧縮機に接続される放熱器と、前記放熱器に接続される膨張装置と、前記膨張装置と前記圧縮機の間に接続される吸熱器と、を備える。
【0008】
一実施形態に係る電動機の製造方法は、3本の巻線の各々を異なる3つのティースに順に巻き付けることと、前記3本の巻線の各々において、巻き始めの端末を含む第1端末線と、巻き終わりの端末を含む第2端末線に近い2つの前記ティースの間の第1中間線における2箇所とを第1圧接端子により接続することと、前記3本の巻線の各々において、前記第2端末線と、前記第1端末線に近い2つの前記ティースの間の第2中間線における2箇所とを第2圧接端子により接続することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る空気調和機の冷凍サイクル回路と圧縮機の概略的な断面とを示す図である。
図2図2は、上記圧縮機が備える固定子の概略的な正面図である。
図3図3は、上記固定子を軸方向に見た概略的な平面図である。
図4図4は、上記固定子が備える固定子鉄心を軸方向に見た概略的な平面図である。
図5図5は、上記固定子が備える第1絶縁部材を軸方向に見た概略的な平面図である。
図6図6は、上記固定子が備える第2絶縁部材を軸方向に見た概略的な平面図である。
図7図7は、上記固定子が備える収容部および圧接端子の概略的な斜視図であり、両者が離間した状態を示す。
図8図8は、上記収容部および上記圧接端子の概略的な斜視図であり、圧接端子が収容部に挿入された状態を示す。
図9図9は、上記固定子において各相の巻線により構成される回路を示す図である。
図10図10は、上記第1絶縁部材および上記固定子鉄心のティースに対する各相の巻線の配線を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係る電動機に用い得る中性線の一例を示す図である。
図12図12は、上記中性線を用いて構成し得る回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、冷凍サイクル装置の一例として空気調和機を開示する。また、圧縮機の一例として当該空気調和機が備える密閉型圧縮機を開示し、電動機の一例として当該密閉型圧縮機が備える電動機(モータ)を開示する。ただし、本実施形態にて開示する構成は、他種の電動機、圧縮機および冷凍サイクル装置にも適用し得る。
【0011】
図1は、空気調和機1の冷凍サイクル回路と当該空気調和機1が備える密閉型圧縮機2(以下、圧縮機2と呼ぶ)の概略的な断面とを示す図である。圧縮機2は、圧縮機本体3と、アキュムレータ4と、これら圧縮機本体3およびアキュムレータ4を接続する一対の吸込管5とを備えている。
【0012】
空気調和機1は、圧縮機本体3に接続される第1熱交換器6(放熱器)と、第1熱交換器6およびアキュムレータ4に接続される第2熱交換器7(吸熱器)と、これら熱交換器6,7の間に設けられた膨張装置8とをさらに備えている。
【0013】
圧縮機2に供給される冷媒は、アキュムレータ4において気液分離され、そのガス冷媒が各吸込管5を介して圧縮機本体3に導かれる。圧縮機本体3は、ガス冷媒を圧縮する。圧縮された高圧のガス冷媒は、第1熱交換器6にて凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、膨張装置8にて減圧された後に第2熱交換器7にて蒸発し、再びアキュムレータ4に供給される。
【0014】
なお、空気調和機1の構成は図示したものに限られない。例えば、空気調和機1は、圧縮機2から吐出される冷媒の供給先を第1熱交換器6と第2熱交換器7の間で切り替えるとともに、アキュムレータ4への冷媒の供給元を第1熱交換器6と第2熱交換器7の間で切り替える四方弁をさらに備えてもよい。
【0015】
次に、圧縮機2の具体的な構成について説明する。図1に示すように、圧縮機2はいわゆる縦形のロータリーコンプレッサであって、ケース10と、カバー11と、圧縮機構部12と、電動機13(永久磁石電動機)とを主要な要素として備えている。ケース10とカバー11は、密閉容器を構成する。
【0016】
ケース10は、圧縮機構部12および電動機13を収容するとともに上方に開口を有している。カバー11は、ケース10の開口を塞ぐ。カバー11には、第1端子11aと、第2端子11bと、吐出管11cとが設けられている。吐出管11cは、配管を介して第1熱交換器6に接続されている。
【0017】
圧縮機構部12は、ケース10の下部に収容されている。圧縮機構部12は、第1シリンダ14と、第2シリンダ15と、シャフト16と、第1ローラ17と、第2ローラ18とを主要な要素として備えている。第1シリンダ14は、ケース10に固着されたフレームFの下面に固定されている。第2シリンダ15は、第1シリンダ14の下面に一対の中間仕切り板19を介して固定されている。
【0018】
圧縮機構部12は、第1軸受20と、第2軸受21とをさらに備えている。第1軸受20は、第1シリンダ14の上面に固定されている。第1シリンダ14の内径部、上方の中間仕切り板19および第1軸受20で囲まれた空間は、第1シリンダ室R1を構成している。
【0019】
第2軸受21は、第2シリンダ15の下面に固定されている。第2シリンダ15の内径部、下方の中間仕切り板19および第2軸受21で囲まれた空間は、第2シリンダ室R2を構成している。
【0020】
第1シリンダ室R1および第2シリンダ室R2は、それぞれ吸込管5を介してアキュムレータ4に接続されている。アキュムレータ4で気液分離されたガス冷媒は、各吸込管5を通ってそれぞれ第1シリンダ室R1および第2シリンダ室R2に導かれる。
【0021】
シャフト16は、第1シリンダ室R1、第2シリンダ室R2および各中間仕切り板19を貫通しており、第1軸受20および第2軸受21によって回転自在に支持されている。シャフト16は、第1シリンダ室R1に位置する第1偏心部16aと、第2シリンダ室R2に位置する第2偏心部16bと、第1軸受20の上方に突出した連結部16cとを有している。第1偏心部16aと第2偏心部16bは、互いに180度の位相差を有している。
【0022】
第1ローラ17は、第1偏心部16aの外周面に嵌められている。第2ローラ18は、第2偏心部16bの外周面に嵌められている。シャフト16が回転した時に、第1ローラ17が第1シリンダ室R1内で偏心回転するとともに、第1ローラ17の外周面の一部が第1シリンダ室R1の内周面に摺動可能に線接触する。また、シャフト16が回転した時に、第2ローラ18が第2シリンダ室R2内で偏心回転するとともに、第2ローラ18の外周面の一部が第2シリンダ室R2の内周面に摺動可能に線接触する。
【0023】
図1の断面には表れていないが、第1シリンダ14によってベーンが支持されている。ベーンの先端部は、第1ローラ17の外周面に摺動可能に押し付けられている。ベーンは、第1ローラ17と協働して第1シリンダ室R1を吸入領域と圧縮領域とに区画するとともに、第1ローラ17の偏心運動に追従して第1シリンダ室R1に突出したり、第1シリンダ室R1から退去したりする方向に移動可能である。これにより、第1シリンダ室R1の吸入領域および圧縮領域の容積が変化し、吸込管5から第1シリンダ室R1に吸い込まれたガス冷媒が圧縮される。
【0024】
同様のベーンは、第2シリンダ15にも設けられている。そのため、第2ローラ18が第2シリンダ室R2内で偏心運動すると、第2シリンダ室R2の吸入領域および圧縮領域の容積が変化し、吸込管5から第2シリンダ室R2に吸い込まれたガス冷媒が圧縮される。
【0025】
圧縮機構部12は、第1軸受20の上面の周囲を囲う第1マフラ22と、第2軸受21の下面の周囲を囲う第2マフラ23とをさらに備えている。第1軸受20および第1マフラ22で囲われた空間は、第1マフラ室R3を構成している。第2軸受21および第2マフラ23で囲われた空間は、第2マフラ室R4を構成している。
【0026】
第1軸受20は、第1吐出ポート20aを有している。第2軸受21は、第2吐出ポート21aを有している。第1シリンダ室R1で圧縮されたガス冷媒は、第1吐出ポート20aを通じて第1マフラ室R3に吐出される。第2シリンダ室R2で圧縮されたガス冷媒は、第2吐出ポート21aを通じて第2マフラ室R4に吐出される。
【0027】
図1の断面には表れていないが、第1シリンダ14、第2シリンダ15、各中間仕切り板19、第1軸受20および第2軸受21を貫通する連通路が設けられている。第2マフラ室R4に吐出されたガス冷媒は、この連通路を介して第1マフラ室R3に導かれる。さらに、第1マフラ22と第1軸受20の間には隙間が設けられており、この隙間を通じて第1マフラ室R3内のガス冷媒がケース10とカバー11で構成される密閉容器の内部に吐出される。このガス冷媒は、吐出管11cを通じて圧縮機本体3から吐出される。
【0028】
電動機13は、圧縮機構部12と吐出管11cの間に位置している。電動機13は、回転子30と、固定子40とを備えている。固定子40は、例えばケース10の内周面に固定されている。
【0029】
回転子30は、円筒状の回転子鉄心31(回転子コア)と、回転子鉄心31の内部に埋め込まれた永久磁石32とを備えている。回転子鉄心31は、例えば複数の円形の磁性鋼板を回転子30の軸方向に互いに積層することで構成されている。回転子鉄心31の中心部には、シャフト16の連結部16cが挿入される挿通孔33が形成されている。シャフト16の連結部16cは、回転子30に対して例えば圧入等の手段により同軸状に固定されている。
【0030】
固定子40は、円筒状の固定子鉄心50と、第1絶縁部材60と、第2絶縁部材70とを備えている。固定子鉄心50は、例えば複数の円形の磁性鋼板を固定子40の軸方向に互いに積層することで構成されている。固定子鉄心50の中心部には、回転子30が挿入される挿通孔50aが形成されている。第1絶縁部材60は、軸方向における固定子鉄心50の上端に配置されている。第2絶縁部材70は、軸方向における固定子鉄心50の下端に配置されている。
【0031】
固定子40と第1端子11aは、第1リード線アッシー41によって接続されている。固定子40と第2端子11bは、第2リード線アッシー42によって接続されている。これらリード線アッシー41,42は、後述するように3本のリード線を束ねたものである。
【0032】
カバー11の外側において、第1端子11aには第1インバータINV1が接続されている。また、第2端子11bには第2インバータINV2が接続されている。第1インバータINV1は、第1端子11aおよび第1リード線アッシー41を介して固定子40に3相(U相,V相,W相)の交流波形を供給する。第2インバータINV2は、第2端子11bおよび第2リード線アッシー42を介して固定子40に3相の交流波形を供給する。これら第1インバータINV1および第2インバータINV2は、空気調和機1のコントローラCTによって制御される。
【0033】
図2は、固定子40の概略的な正面図である。図3は、固定子40を軸方向に見た概略的な平面図である。図2に示すように、第1絶縁部材60は、上端から固定子鉄心50側に向けて窪んだ複数の凹部61を有している。また、第2絶縁部材70は、下端から固定子鉄心50側に向けて窪んだ複数の凹部71を有している。これら凹部61,71には、巻線9が架けられている。なお、図2および図3においては第1絶縁部材60の凹部61に架けられる巻線9の一部を省略している。
【0034】
図3に示すように、固定子40は、各相に対して3つずつ(合計9つ)のティース52を有している。各ティース52には対応する相の巻線9が巻回され、これによりコイルが形成されている。以下、U相に対応する3つのティース52をそれぞれティース52U1~52U3、V相に対応する3つのティース52をそれぞれティース52V1~52V3、W相に対応する3つのティース52をそれぞれティース52W1~52W3と呼ぶ。また、U,V,W相に対応する巻線9をそれぞれ巻線9U,9V,9Wと呼ぶ。
【0035】
図2および図3に示すように、第1絶縁部材60は、各相に対して2つずつの収容部62(キャビティ)を有している。各収容部62には、圧接端子80が挿入されている。各圧接端子80には、リード線90が接続されている。リード線90の端部には、図1に示したカバー11の第1端子11aまたは第2端子11bと接続するための端子91が設けられている。以下、U相に対応する2つの収容部62をそれぞれ収容部62U1,62U2、V相に対応する2つの収容部62をそれぞれ収容部62V1,62V2、W相に対応する2つの収容部62をそれぞれ収容部62W1,62W2と呼ぶ。また、収容部62U1,62U2に挿入された2つの圧接端子80をそれぞれ圧接端子80U1,80U2、収容部62V1,62V2に挿入された2つの圧接端子80をそれぞれ圧接端子80V1,80V2、収容部62W1,62W2に挿入された2つの圧接端子80をそれぞれ圧接端子80W1,80W2と呼ぶ。さらに、圧接端子80U1,80U2に接続された2本のリード線90をリード線90U1,90U2、圧接端子80V1,80V2に接続された2本のリード線90をリード線90V1,90V2、圧接端子80W1,80W2に接続された2本のリード線90をリード線90W1,90W2と呼ぶ。
【0036】
図3に示すように、ティース52U1~52U3は、回転子30の回転方向Rにおいて2つおきに配置されている。同様に、ティース52V1~52V3は回転方向Rにおいて2つおきに配置され、ティース52W1~52W3は回転方向Rにおいて2つおきに配置されている。
【0037】
収容部62U1は、回転子30の回転軸AXを中心とした半径方向においてティース52U3の外側に設けられている。収容部62U2は、半径方向においてティース52U2の外側に設けられている。収容部62V1は、半径方向においてティース52V3の外側に設けられている。収容部62V2は、半径方向においてティース52V2の外側に設けられている。収容部62W1は、半径方向においてティース52W3の外側に設けられている。収容部62W2は、半径方向においてティース52W2の外側に設けられている。
【0038】
図2に示すように、リード線90U1,90V1,90W1(第1リード線)の端子91側の一部が複数の結合部材92によって束ねられ、第1リード線アッシー41が構成されている。同様に、リード線90U2,90V2,90W2(第2リード線)の端子91側の一部が複数の結合部材92によって束ねられ、第2リード線アッシー42が構成されている。
【0039】
第1リード線アッシー41を構成するリード線90U1,90V1,90W1は、第1屈曲点P1においてカバー11の方向(図2中の上方)に立ち上がっている。また、第2リード線アッシー42を構成するリード線90U2,90V2,90W2は、第2屈曲点P2において上方に立ち上がっている。
【0040】
図3に示すように、リード線90U1,90V2は、互いに交差している。この交差位置において、リード線90U1,90V2は、結合部材93によって束ねられている。他のリード線90U2,90V1,90W1,90W2は、互いに交差していない。
【0041】
図3の例において、第1屈曲点P1は、ティース52U1,52V3の間に位置している。また、第2屈曲点P2は、ティース52U2,52V1の間に位置している。一方、カバー11に設けられる第1端子11aは、破線円で示すようにティース52U3,52W2の間に位置している。また、第2端子11bは、破線円で示すようにティース52V2,52W3の間に位置している。
【0042】
ここで、図3に示すように、回転子30の回転軸AXを通る任意の直線Dを定義する。この場合において、直線Dにより隔てられる2つの領域の一方に第1屈曲点P1および第2屈曲点P2が含まれ、他方の領域に第1端子11aおよび第2端子11bが含まれることが好ましい。
【0043】
圧縮機2の製造時においては、カバー11をケース10に対して閉じる前に各リード線アッシー41,42の端子91がそれぞれカバー11の端子11a,11bに接続される。この作業を円滑に行うためには、各リード線アッシー41,42が長い方がよい。ただし、各屈曲点P1,P2および各端子11a,11bがいずれも上記2つの領域の一方に含まれると、各リード線アッシー41,42の抗力によりカバー11が閉じにくくなる。さらに、カバー11を閉じた後に密閉容器の内部で各リード線アッシー41,42が固定されないまま大きく撓む。
【0044】
一方で、図3に示す構成であれば、各リード線アッシー41,42を長くした場合であっても、カバー11を閉じる際に各リード線アッシー41,42がそれぞれ屈曲点P1,P2を基点として自然に折り曲げられるので作業が円滑化される。さらに、密閉容器の内部に各リード線アッシー41,42を撓みの少ない状態で収容できる。
【0045】
図3の例のように、第1屈曲点P1と第1端子11aが概ね回転軸AXを挟んだ反対側に位置し、第2屈曲点P2と第2端子11bが概ね回転軸AXを挟んだ反対側に位置すれば、各リード線アッシー41,42をより長く、かつ撓みの少ない状態で密閉容器に収容できる。
【0046】
図4は、固定子鉄心50を軸方向に見た概略的な平面図である。固定子鉄心50は、筒状のヨーク51と、上述の9つのティース52(52U1~52U3,52V1~52V3,52W1~52W3)とを有している。各ティース52は、ヨーク51の内周面から回転軸AXに向けて突出しており、回転軸AXを中心とした周方向において一定の間隔で並んでいる。
【0047】
図5は、第1絶縁部材60を軸方向に見た概略的な平面図である。第1絶縁部材60は、環状のベース63と、9つの突出部64とを有している。各突出部64は、ベース63の内周面から回転軸AXに向けて突出しており、回転軸AXを中心とした周方向においてティース52と同じ間隔で並んでいる。上述の複数の凹部61および複数の収容部62は、ベース63に設けられている。
【0048】
図6は、第2絶縁部材70を軸方向に見た概略的な平面図である。第2絶縁部材70は、環状のベース73と、9つの突出部74とを有している。各突出部74は、ベース73の内周面から回転軸AXに向けて突出しており、回転軸AXを中心とした周方向においてティース52と同じ間隔で並んでいる。上述の複数の凹部71は、ベース73に設けられている。
【0049】
固定子鉄心50のティース52は、第1絶縁部材60の突出部64と第2絶縁部材70の突出部74とで挟まれている。巻線9は、ティース52およびこのティース52を挟む突出部64,74の周りに巻き付けられている。
【0050】
図7および図8は、収容部62および圧接端子80の概略的な斜視図である。収容部62は、一定間隔で並ぶ3つのスリット62aと、これらスリット62aを横切るスリット62bとを有している。スリット62bは、各スリット62aよりも深い位置まで形成されている。スリット62aには巻線9を挿入可能であり、スリット62bには圧接端子80を挿入可能である。
【0051】
図7に示すように、圧接端子80は、スリット62aと同じ間隔で並ぶ3つのスリット81と、タブ82とを有している。図7の例においては、隣り合うスリット81の間にスリット81よりも幅の大きいスリット83が設けられている。タブ82には、リード線90が接続される。
【0052】
図7に示すように収容部62の各スリット62aに巻線9が挿入された状態で、図8に示すように圧接端子80をスリット62bに押し込むと、3本の巻線9がそれぞれ圧接端子80のスリット81に入る。このとき、各スリット81の両縁により各巻線9の被膜が破られる。これにより、各巻線9の内部の導体と圧接端子80とが導通する。なお、収容部62および圧接端子80の構成は、3本の巻線9を互いに導通させることができればここで例示したものに限られない。
【0053】
図9は、本実施形態に係る圧縮機2において巻線9U,9V,9Wにより構成される回路を示す図である。巻線9Uは、第1端末線9aと、第2端末線9bと、第1中間線9cと、第2中間線9dとを有している。
【0054】
巻線9Uは、1つ目のティース52U1、2つ目のティース52U2、3つ目のティース52U3の順で巻かれている。第1端末線9aは、巻き始めの端末T1とティース52U1の間の部分に相当する。第2端末線9bは、巻き終わりの端末T2とティース52U3の間の部分に相当する。第1中間線9cは、ティース52U2,52U3の間を繋ぐ部分に相当する。第2中間線9dは、ティース52U1,52U2の間を繋ぐ部分に相当する。
【0055】
圧接端子80U1(第1圧接端子)は、第1端末線9aと、第1中間線9cの2箇所とを接続している。圧接端子80U2(第2圧接端子)は、第2端末線9bと、第2中間線9dの2箇所とを接続している。圧接端子80U1から延出するリード線90U1(第1リード線)は、上述の通り第1端子11aを介して第1インバータINV1に接続されている。圧接端子80U2から延出するリード線90U2(第2リード線)は、上述の通り第2端子11bを介して第2インバータINV2に接続されている。このような回路において、ティース52U1~52U3は並列の関係にある。
【0056】
巻線9Uと同様に、巻線9V,9Wは、第1端末線9aと、第2端末線9bと、第1中間線9cと、第2中間線9dとを有している。巻線9Vに含まれる各線9a~9dと圧接端子80V1,80V2との接続関係および巻線9Wに含まれる各線9a~9dと圧接端子80W1,80W2との接続関係は、巻線9Uの場合と同じである。
【0057】
このように本実施形態においては、巻線9U,9V,9Wが中性点を形成せずに独立したオープン巻線型の回路が構成されている。
【0058】
続いて、電動機13ないし圧縮機2の製造方法につき、特に固定子40における巻線9U,9V,9Wの引き回しに着目して説明する。
図10は、第1絶縁部材60およびティース52U1~52U3,52V1~52V3,52W1~52W3に対する巻線9U,9V,9Wの配線を示す図である。この図においては、環状の第1絶縁部材60および環状に配置された各ティース52を平面に展開するとともに、第1絶縁部材60の凹部61と各ティース52に引き回される巻線9Uの経路、巻線9Vの経路および巻線9Wの経路をそれぞれ実線、破線および一点鎖線で示している。なお、巻線9U,9V,9Wは、第2絶縁部材70の凹部71にも引き回されるが、ここでは図示を省略する。図中の2つの符号A、2つの符号B、2つの符号Cは、それぞれ巻線9U,9V,9Wの一部を省略するために付したものであって、これらの位置で巻線9U,9V,9Wが途切れていることを意味するものではない。
【0059】
各相の3つのティース52に対する巻線9U,9V,9Wの巻き方や圧接端子80による接続箇所は同じである。そこで、巻線9Uを例にとり、具体的な配線方法について以下に説明する。
【0060】
巻線9Uの第1端末線9aは、ティース52U3,52V2の間を通され、ティース52U3近傍の凹部61aとティース52U1近傍の凹部61bとに架け渡される。その後、巻線9Uは、ティース52U1(1つ目のティース)に巻き付けられる。
【0061】
続いて、巻線9Uは、ティース52U1近傍の凹部61cとティース52U2近傍の凹部61dとに架け渡される。その後、ティース52U2,52W1の間で巻線9Uが180度曲げられて第1折り返し部9xが形成される。第1折り返し部9xが形成された後、巻線9Uは、ティース52U2(2つ目のティース)に巻き付けられる。なお、第1折り返し部9xは、上述の第2中間線9dの一部である。
【0062】
続いて、巻線9Uは、ティース52U2近傍の凹部61eとティース52U3近傍の凹部61fとに架け渡される。その後、ティース52U3,52V2の間で巻線9Uが180度曲げられて第2折り返し部9yが形成される。第2折り返し部9yが形成された後、巻線9Uは、ティース52U3(3つ目のティース)に巻き付けられる。なお、第2折り返し部9yは、上述の第1中間線9cの一部である。
【0063】
以上のような手順で配線する際に、第1端末線9aと、第2折り返し部9yにおける第1中間線9cの2箇所とは、ティース52U3近傍の収容部62U1(第1収容部)が有する3つのスリット62a(図7参照)にそれぞれ収容される。また、第2端末線9bと、第1折り返し部9xにおける第2中間線9dの2箇所とは、ティース52U2近傍の収容部62U2(第2収容部)が有する3つのスリット62aにそれぞれ収容される。
【0064】
収容部62U1に対して上述の圧接端子80U1を差し込むことで、第1端末線9aと、第2折り返し部9yにおける第1中間線9cの2箇所とが電気的に接続される。収容部62U2に対して上述の圧接端子80U2を差し込むことで、第2端末線9bと、第1折り返し部9xにおける第2中間線9dの2箇所とが電気的に接続される。これにより、図9に示したU相の回路が構成される。
【0065】
巻線9V,9Wも巻線9Uと同様の手順で引き回されるとともに、圧接端子80V1,80V2,80W1,80W2によって所定箇所が電気的に接続される。これにより、図9に示したV相およびW相の回路が構成される。
【0066】
図10の例において、収容部62U2から延出する第1折り返し部9xのU字状の部分や、収容部62U1から延出する第2折り返し部9yのU字状の部分は、切断されてもよい。この場合であっても、圧接端子80U2を介して第1折り返し部9xの2箇所が接続され、圧接端子80U1を介して第2折り返し部9yの2箇所が接続されているので、図10に示す巻線9Uの各部により1本の連続した巻線が構成されているとみなすことができる。巻線9V,9Wについても同様である。
【0067】
このようにして製造された固定子40に回転子30を取り付けることで、電動機13が製造される。さらに、ケース10内に圧縮機構部12および電動機13を取り付け、第1リード線アッシー41および第2リード線アッシー42をそれぞれカバー11の第1端子11aおよび第2端子11bに接続し、カバー11をケース10に対して閉じるなどの工程を経て圧縮機2が製造される。
【0068】
以上の本実施形態によれば、各相の巻線9の複数個所を2つの圧接端子80で接続することにより各相の回路が形成される。このような構成であれば、各相の回路における結線箇所を極めて少なくすることができる。その結果、電動機13や圧縮機2の製造に要する手間、部品点数およびコストを大幅に低減できる。
【0069】
また、本実施形態の構成であれば、各相の2つの圧接端子80に接続されたリード線90をそれぞれ第1インバータINV1と第2インバータINV2に接続することで、図9に示したオープン巻線型の回路を容易に構成することができる。
【0070】
また、図3に示したように各収容部62の配置位置やリード線90の引き回しを工夫することで、各相の巻線9やリード線90を極力短くし、巻線9、リード線90あるいはこれらを覆う絶縁材料の使用量を低減できる。
【0071】
さらには、図3を参照して上述した各屈曲点P1,P2と各端子11a,11bの位置関係の工夫により、各リード線90と各端子11a,11bとを接続する作業や、カバー11を閉じる作業を効率化することができる。
その他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0072】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態においては、第1実施形態にて開示した電動機13においてスター結線型(Y結線型)の回路を実現する方法および構造を開示する。特に言及しない事項については第1実施形態と同様である。
【0073】
スター結線型の回路を実現するにあたっては、リード線90U2,90V2,90W2に代えて中性点を形成するための中性線を用いればよい。図11は、中性線の一例を示す図である。この中性線100は、3本のリード線101U,101V,101Wを備えている。リード線101U,101V,101Wの一端には、圧接端子80のタブ82に接続するための端子102がそれぞれ設けられている。リード線101U,101V,101Wの他端は、連結部103において互いに接続されている。図11の例においては、リード線101V,101Wの一部が結合部材104によって束ねられている。
【0074】
リード線101U,101V,101Wの長さは、例えば図3に示したリード線90U2,90V2,90W2の第2屈曲点P2までの長さと同じである。すなわち、リード線101Uが最も短く、リード線101Vが最も長く、リード線101Wがリード線101U,101Vの中間の長さを有している。
【0075】
図12は、中性線100を用いて構成し得る回路の一例を示す図である。巻線9U,9V,9Wの引き回しおよび圧接端子80U1,80U2,80V1,80V2,80W1,80W2による接続箇所は、第1実施形態と同様である。
【0076】
図12の例においては、圧接端子80U2にリード線101Uが接続され、圧接端子80V2にリード線101Vが接続され、圧接端子80W2にリード線101Wが接続されている。これにより、中性点Nを有するスター結線型の回路が得られる。
【0077】
図1図8および図10を用いて説明した電動機13の構成であれば、図9に示したようにリード線90U2,90V2,90W2を用いてオープン巻線型の回路を実現することもできるし、図12に示したように中性線100を用いてスター結線型の回路を実現することもできる。
【0078】
なお、スター結線型の回路を有する電動機13を圧縮機2に用いる場合、図1に示した第2端子11bおよび第2インバータINV2を省略してもよい。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…空気調和機、2…圧縮機、9…巻線、9a…第1端末線、9b…第2端末線、9c…第1中間線、9d…第2中間線、9x…第1折り返し部、9y…第2折り返し部、13…電動機、30…回転子、40…固定子、41…第1リード線アッシー、42…第2リード線アッシー、50…固定子鉄心、51…ヨーク、52…ティース、60…第1絶縁部材、61…凹部、62…収容部、70…第2絶縁部材、80…圧接端子、90…リード線、100…中性線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12