(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】自動車を荷台に載せる台車装置
(51)【国際特許分類】
B62B 3/10 20060101AFI20230215BHJP
B60P 3/12 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
B62B3/10 D
B60P3/12
(21)【出願番号】P 2018207378
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】597137202
【氏名又は名称】株式会社ジャパンオートテック
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕二
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-076709(JP,A)
【文献】登録実用新案第3114865(JP,U)
【文献】特開2013-133095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/10
B60P 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2台の台車と、
2台の前記台車を連結する連結部材とを備える台車装置であって、
前記連結部材は金属パイプで、
前記台車は、
自動車の車輪を定位置に載せる上方開口の位置決め凹部を有するベース台と、
前記ベース台を水平姿勢で走行させる複数の走行輪とを備え、
前記ベース台は、
縦枠の両端部に横枠を連結してなる四角形のベースフレームを備え、
前記ベースフレームは、
前方に配置される前記横枠が金属筒で、
前記金属筒の前記横枠は、両端を開口する状態で前記縦枠の前端部に固定されて、
2台の前記台車を連結する前記連結部材を挿入する連結筒部に兼用されてなり、
前記台車の前記位置決め凹部に自動車の車輪を載せる状態で、前記走行輪を介して前記ベース台を移動させて自動車を車両運搬車の荷台に移動させる
と共に、
前記走行輪は、
当該台車の進行方向の前方に配置される前輪と、後方に配置される後輪とを備えており、さらに、
前記前輪の前方に配置してなるガイド輪を有し、
前記ガイド輪の下面を前記前輪の下面よりも高い位置に配置してなる自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項2】
請求項1に記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ガイド輪がゴムロールであることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ガイド輪が、前記走行輪の外径より小さいゴムロールであることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ベース台が、
前記縦枠の両端部に
前記横枠を連結してなる四角形の
前記ベースフレームで、前記横枠の内側に一対の載せ枠が固定されて、前記載せ枠の間に自動車の車輪を定位置に載せる前記位置決め凹部を設けてなることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項5】
請求項4に記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ガイド輪の回転軸が、前記縦枠に連結されてゴムロールが一対の
前記縦枠の内側に配置されてなることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載する自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ガイド輪の下面が、前記走行輪の下面との段差(d)が3cm以上であって10cm以下であることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記ガイド輪と前記走行輪の間隔(D)が、3mm以上であって5cm以下であることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、さらに、
前記台車の前記後輪の前方に配置してなるサブガイド輪を有し、
前記サブガイド輪の下面を前記後輪の下面よりも高い位置に配置してなることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【請求項9】
請求項8に記載する自動車を荷台に載せる
台車装置であって、
前記台車の前記サブガイド輪が、前記ガイド輪の外径より小さいゴムロールであることを特徴とする自動車を荷台に載せる
台車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障自動車、とくに事故車を車両運搬車の荷台に載せるのに使用する台車装置に関し、とくに、故障した車両の前輪または後輪を載せて車両運搬車の荷台に引き上げるのに使用する台車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
故障車両は車両運搬車に載せて修理工場に搬送される。故障車両を荷台に載せる車両運搬車は、荷台の後端に歩み板を設けている。故障して自走できない自動車は、自走して車両運搬車の荷台に移動できないので、故障車両を荷台に載せる機構を装備する事故車運搬車が開発されている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の事故車運搬車は、
図9に示すように、故障車両95を荷台91に載せやすいように、車体の上に、後方に移動して後端に向かって下り勾配に傾斜する荷台91を設けると共に、故障車両95を吊り上げて荷台91に引き上げるために、荷台91の中央部を長手方向に移動する支持ビーム92を設けている。支持ビーム92は、故障車両95を吊り上げる吊り上げ機構93を備えている。この事故車運搬車90は、支持ビーム92の吊り上げ機構93で故障車両95の前部を吊り上げ、この状態で支持ビーム92を荷台91の前方に移動して、故障車両95を荷台91に積載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の事故車運搬車は、故障して自走できない事故車の前部を吊り上げて荷台に移動できる。しかしながら、この車両運搬車は、構造が複雑で部品コストと製造コストが高くなる欠点がある。それは、車両の前部を吊り上げる機構を必要とし、さらに吊り上げ機構で車両を吊り上げた状態で、荷台に引き上げるために、吊り上げ機構を支持ビームに設けて、この支持フレームを荷台に沿って移動する機構も必要とするからである。
【0006】
以上の欠点は、車両を吊り上げることなく、故障車両の前輪を載せる台車を使用して解消できる。この用途に使用する台車は、故障車両の前輪を位置ずれしないように上に載せ、この台車を車両運搬車の歩み板の上に移動させて、故障車両を車両運搬車の荷台に移動させる。故障車両を荷台に移動させるために、故障車両にはワイヤーを連結し、このワイヤーをウィンチで引っ張って、台車を歩み板から荷台に移動して、故障車両を荷台に引き上げる。台車は、故障車両の前輪を載せて、路面から歩み板に、歩み板から荷台に移動して故障車両を車両運搬車の荷台に移動させる。
【0007】
歩み板は、路面から荷台にスムーズに台車を移動できるように、先端に向かって下り勾配に傾斜する傾斜面を設けて、路面との境界にできる段差を低く、たとえば数cm以下としている。路面との段差の低い歩み板は、台車の走行輪がスムーズに乗り越えて、故障車両を歩み板に移動できる。しかしながら、歩み板と路面との間に異物が挟まれると、歩み板と路面との段差が大きくなる。とくに、路面に積雪がある状態で使用するとき、歩み板と路面との間に積雪が挟まれて、歩み板と路面との段差が大きくなる。段差が大きくなると、台車の走行輪が段差に衝突して路面から歩み板にスムーズに移動できなくなる。とくに、台車は故障車両の前輪を載せた状態で段差を越えて路面から歩み板に移動するので、段差が大きい状態で、台車を路面から歩み板に移動させるのが極めて難しくなる。
【0008】
この弊害は、台車の走行輪を大きくして解消できるが、台車の走行輪を大きくすると、故障車両の前輪を台車に載せるために、故障車両の前輪を高く持ち上げて台車に載せる必要があるので、故障車両を台車に載せるのに手間がかかり、また、台車も大きくなって取り扱いが不便になる。
【0009】
本発明は以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の大切な目的は、極めて簡単な機構で故障車両をスムーズに車両運搬車の荷台に積載できる台車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、2台の台車9と、2台の台車9を連結する連結部材5とを備えるてなる。台車9は、自動車30の車輪31を定位置に載せる上方開口の位置決め凹部14を有するベース台1と、ベース台1を水平姿勢で走行させる複数の走行輪2とを備えており、ベース台1は、縦枠11の両端部に横枠12を連結してなる四角形のベースフレーム10を備え、ベースフレーム10は、前方に配置される横枠12が金属筒で、金属筒の横枠12は、両端を開口する状態で縦枠11の前端部に固定されて、2台の台車9を連結する連結部材5を挿入する連結筒部6に兼用されてなり、台車9の位置決め凹部14に自動車30の車輪31を載せる状態で、走行輪2を介してベース台1を移動させて自動車30を車両運搬車20の荷台23に移動させると共に、走行輪2が、台車9の進行方向の前方に配置される前輪2Aと、後方に配置される後輪2Bとを備えており、さらに、前輪2Aの前方に配置してなるガイド輪3を有し、ガイド輪3の下面を前輪2Aの下面よりも高い位置に配置している。
【0011】
以上の自動車を荷台に載せる台車装置は、車両運搬車の荷台に設けた歩み板と路面との間に大きな段差がある状態であっても、路面から歩み板にスムーズに移動させて自動車を荷台に積載できる特徴がある。それは、以上の台車が、進行方向の前方に配置される前輪の前方に配置されたガイド輪を有しており、このガイド輪の下面を前輪の下面よりも高い位置に配置しているからである。この構造の台車は、前方に配置される歩み板と路面との段差が大きくなっても、前輪の前方に設けたガイド輪をスムーズに歩み板の上面に載せて移動できる。ガイド輪が歩み板に載せられた台車は、前端部が持ち上げられる状態となって、ガイド輪に続いて前輪をスムーズに歩み板の上面に載せて移動できる。このため、路面状態が悪い状態、例えば、路面に凹凸や段差があったり、積雪があって、歩み板の先端と路面との段差が大きくなるような状況においても、台車をスムーズに歩み板の上に移動させて、スムーズに路面から歩み板に移動できる。
【0012】
本発明は、自動車を荷台に載せる台車装置を以下に限定するものではないが、以下の構成とすることができる。本発明の台車は、ガイド輪3をゴムロール7とすることができる。
以上の構成によると、ガイド輪をゴムロールとするので、ガイド輪の下面を歩み板の表面に対して広い面積で確実に接触でき、ガイド輪の表面を歩み板に対して滑らせることなく確実に転動させて前輪を歩み板の上面に移動できる。
【0013】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のガイド輪3を、走行輪2の外径より小さいゴムロール7とすることができる。
以上の構成によると、ガイド輪の外径を走行輪の外径より小さくすることで、ガイド輪を前輪の前方に省スペースに配置して、台車全体をコンパクトにしながら、前輪の前方の段差を確実に乗り越えて台車を移動できる。
【0014】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のベース台1を、縦枠11の両端部に横枠12を連結してなる四角形のベースフレーム10とすると共に、横枠12の内側に一対の載せ枠13を固定して、載せ枠13の間に自動車30の車輪31を定位置に載せる位置決め凹部14を設けることができる。
以上の構成によると、ベース台を縦枠と横枠からなる四角形のベースフレームとして、横枠の内側に固定した一対の載せ枠の間に位置決め凹部を設けて自動車の車輪を載せるので、ベース台の定位置に自動車の車輪を安定して載せながら走行できる。
【0015】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のガイド輪3の回転軸3aを縦枠11に連結して、ゴムロール7を一対の縦枠11の内側に配置することができる。
以上の構成によると、ガイド輪の回転軸を縦枠に連結して、一対の縦枠の内側にゴムロールを配置することで、ゴムロールからなるガイド輪を簡単かつ容易に、定位置に水平姿勢で配置できる。
【0016】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のガイド輪3の下面と走行輪2の下面との段差(h1)を、3cm以上であって10cm以下とすることができる。
【0017】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のガイド輪3と走行輪2との間隔(d1)を、3mm以上であって5cm以下とすることができる。
【0018】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、さらに、台車9の後輪2Bの前方に配置してなるサブガイド輪4を備えて、サブガイド輪4の下面を後輪2Bの下面よりも高い位置に配置することができる。
以上の構造によると、後輪の前方にサブガイド輪を備えると共に、このガイド輪の下面を後輪の下面よりも高い位置に配置しているので、後輪を歩み板の上面に移動させる際においても、後輪の前方に設けたサブガイド輪が後輪に先駆けて歩み板の上面に移動されることにより、サブガイド輪に続いて後輪をスムーズに歩み板の上面に載せて移動できる。
【0019】
本発明の自動車を荷台に載せる台車装置は、台車9のサブガイド輪4を、ガイド輪3の外径より小さいゴムロール7とすることができる。
以上の構成によると、サブガイド輪の外径をガイド輪の外径より小さくすることで、サブガイド輪を後輪の前方の狭い空間に省スペースに配置して、台車全体をコンパクトにしながら、後輪の前方の段差を確実に乗り越えて台車を移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる
台車装置を使用して自動車を荷台に乗せる状態を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる
台車装置を使用して自動車を荷台に乗せる状態を示す平面図である
【
図3】
図2に示す台車に車輪を載せた状態を示す側面図である。
【
図6】
図3に示す台車を使用して自動車を荷台に乗せる工程を示す側面図である。
【
図7】
図3に示す台車を使用して自動車を荷台に乗せる工程を示す側面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態にかかる台車の走行輪を示す垂直横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0022】
本発明の自動車を荷台に載せる
台車装置の使用例を
図1の側面図に示す。本発明の
台車装置は、故障した自動車30、例えば事故車両等を車両運搬車20の荷台23に載せるために使用される。この
台車装置は、
図1に示すように、積載される自動車30の車輪31を上に載せた状態で、車両運搬車20の荷台23に設けたウィンチ25によってワイヤー26で引き上げられる。自動車30を荷台23に積載する車両運搬車20は、例えば、
図1に示すように、キャビン22の後方に、車両30を積載する荷台23を備えると共に、荷台23の後端には歩み板24を設けている。図の車両運搬車20は、自動車30を荷台23に載せやすいように、車体21の上に設けた荷台23を後方に移動させて後端に向かって下り勾配に傾斜できる構造としている。荷台23の後端に設けた歩み板24は、路面40から荷台23にスムーズに台車9を移動できるように、先端に向かって下り勾配に傾斜する傾斜面24Aを設けている。この車両運搬車20は、歩み板24の先端を路面40に接近させることで、段差を小さくして、台車9を歩み板24にスムーズに案内できる。
【0023】
ただ、歩み板の先端と路面との距離は、路面状態によって左右されるため、路面に凹凸や障害物があったり、積雪があると、歩み板の先端と路面との間に大きな段差ができる。従来の台車では、この段差が大きくなると、台車を荷台に引き上げる際に、台車の走行輪が段差に衝突して、台車を路面から歩み板にスムーズに移動できなかった。とくに、台車は、故障車両の車輪を載せた状態で走行輪が段差を越えるように引き上げられて路面から歩み板に移動するので、段差が大きい状態では、台車を路面から歩み板に移動させるのが極めて難しくかった。
【0024】
本発明の台車は、路面と歩み板との間に段差が生じる場合であっても、台車をスムーズに路面から歩み板に載せて荷台に積載できる構造としている。以下、本発明の
台車装置及び台車を
図2~
図5に基づいて詳述する。これらの図において、
図2は、本発明の
台車装置を使用して自動車を荷台に乗せる状態を示す平面図を、
図3は台車に車輪を載せた状態を示す側面図を、
図4は台車の垂直縦断面図を、
図5は台車の底面図を、それぞれ示している。
【0025】
図1~
図5に示す台車9は、自動車30の車輪31を定位置に載せる上方開口の位置決め凹部14を有するベース台1と、このベース台1を水平姿勢で走行させる複数の走行輪2とを備えている。なお、本明細書において、台車9に載せる車輪31とは、一般的にはタイヤを意味している。ただ、事故車の状況によっては、タイヤが破損してホイールのみの場合もある。この場合は、台車9にはホイールを載せて移動させることができる。したがって、本明細書において車輪31とは、タイヤだけでなくホイールも含む広い意味で使用する。
【0026】
(ベース台1)
ベース台1は、
図2~
図5に示すように、縦枠11の両端部に横枠12を連結してなる四角形のベースフレーム10としている。図のベースフレーム10は、左右の縦枠11を、垂直姿勢で前後方向に延長して配置された金属プレートとしている。また、ベースフレーム10は、一対の縦枠11の前後の両端部を連結する横枠12を金属筒としている。図のベースフレーム10は、前方に配置される横枠12を横断面視が四角形の角筒とし、この角筒の両端を開口する状態で縦枠11の前端部に溶接して固定している。この横枠12は、詳細には後述するが、
図2に示すように、左右に配置される2台の台車9を連結するための連結部材5を挿入する連結筒部6に兼用している。後方の横枠12は、金属筒の両端を縦枠11である一対の金属プレートの内面に溶接して固定している。
【0027】
さらに、ベース台1は、前後の横枠12の内側に一対の載せ枠13を固定して、載せ枠13の間に自動車の車輪31を定位置に載せる位置決め凹部14を設けている。載せ枠13は、
図4の断面図に示すように、位置決め凹部14に自動車の車輪31を載せる状態では、その表面がタイヤの外周面に接触するので、車輪31との対向面を中央凸状の湾曲面とすることでタイヤとの接触圧を軽減できる。したがって、図に示す載せ枠13は、湾曲面を有する金属プレートとしている。一対の載せ枠13は、前後の横枠12の間に、互いに対向する姿勢で配置されており、これらの載せ枠13の両端を左右の縦枠11の内面に溶接して固定している。
【0028】
このベース台1は、左右の縦枠11の間であって、前後の載せ枠13の間となる中央部に、車輪31の位置決め凹部14を形成している。この位置決め凹部14は、自動車30の車輪31を安定して載せることができるように、左右方向の長さと、前後方向の長さを決定している。ベース台1は、位置決め凹部14に車輪31を載せることができるように、その左右方向の横幅を25cm~50cm、前後の長さを50~80cmとすることができる。図に示すベース台1は、左右方向の横幅を40cm、前後の長さを70cmとしている。
【0029】
さらに、
図4に示すベース台1は、位置決め凹部14の底面を開口して開口部15を設けている。このように、位置決め凹部14の底面に開口部15を設ける構造は、外径が小さい車輪を載せる際には、車輪31の下面を位置決め凹部14の底面に設けた開口部15から下方に突出させることで、前後の載せ枠13の内面に車輪31の前後を接触させて、載せ枠13の内側で安定して支持できる。また、外径の大きな車輪を載せる場合においては、必ずしも車輪の下面を開口部15から突出させることなく、前後の載せ枠13の内面を車輪の前後に接触させて、載せ枠13の内側で安定して支持できる。
【0030】
以上の載せ枠13は、車輪31と対向する面を中央凸の湾曲面とする金属プレートとしている。ただ、載せ枠は、下端に向かって次第に接近するように傾斜された一対の傾斜プレートとすることも、平行に配置された円筒状の金属パイプとすることもできる。
【0031】
(走行輪2)
ベース台1は、台車9を走行させるために複数の走行輪2を備えている。走行輪2は、台車9の進行方向の前方に配置される前輪2Aと、後方に配置される後輪2Bとを備えている。前輪2Aは、位置決め凹部14の前方に配置された載せ枠13の下方の領域に配置されており、後輪2Bは、位置決め凹部14の後方に配置された載せ枠13ないし後方の横枠12の下方の領域に配置されている。
【0032】
ベース台1の前後に配置される走行輪2は、ゴムロール7としている。ゴムロール7である走行輪2は、左右方向に延長して水平姿勢で配置されており、両端を左右の縦枠11に対して回転自在に連結している。
図4と
図5に示すゴムロール7は、全体の外形を円柱状としており、中心軸である回転軸2a、2bの両端を縦枠11に連結して、ゴムロール7を一対の縦枠11の内側に配置している。ゴムロール7である走行輪2は、中心軸となる回転軸2a、2bの周囲に、ゴム状弾性体からなるロール部を設けている。このように、ゴムロール7とする走行輪2は、台車9を走行させる際に、走行面に対して広い面積で接触するので、接触圧を小さくできる。また、摩擦係数の大きなゴム状弾性体のロール部を外周部に設けることで、走行面に対して大きな摩擦力で接触できる。このため、走行輪2を空回りさせることなく、走行面に対して確実に接触させた状態で転動させて、安定して走行できる特長がある。
【0033】
走行輪2は、その外径を大きくすることで、転動する際の転がり摩擦を小さくしつつ、走行面における段差を吸収しながら走行できる。ただ、外径の大きな走行輪は、ベース台1に車輪31を載せる際に、自動車の車輪部分を高く持ち上げる必要があるため、車輪31を台車9に載せるのに手間がかかり、また、台車自体も大きくなって、持ち運びや作業が大変になる。したがって、走行輪2はその外径を20cm以下、好ましくは15cm以下、より好ましくは12cm以下とする。また、走行輪2は、外径が小さすぎると、転動させる際の抵抗が大きくなると共に、走行面における高い段差を乗り越えるのが難しくなる。したがって、走行輪2はその外径を5cm以上、好ましくは、6cm以上、さらに好ましくは、8cm以上とする。図に示す台車9は、ゴムロール7である走行輪2の外径を10cmとしている。また、ゴムロール7である走行輪2の軸方向の長さは、ベース台1の横幅とほぼ等しくすることができる。
【0034】
(ガイド輪3)
以上の台車9は、自動車30の車輪31を位置決め凹部14に載せた状態で、走行面を移動させるが、走行面に段差等があっても台車9をスムーズに走行できるように、とくに、
図6と
図7に示すように、車両運搬車の荷台の後端に設けた歩み板24の先端と路面40との間に挟まれた異物42による段差41を吸収しながら歩み板24の上に移動できるように、走行輪2の進行方向の前方に配置してなるガイド輪3を設けている。このガイド輪3は、前輪2Aの前方に配置されており、下面を前輪2Aの下面よりも高い位置に配置している。
【0035】
ガイド輪3は、前述の走行輪2と同様に、ゴムロール7としている。ゴムロール7であるガイド輪3は、左右方向に延長して前輪2Aと平行な姿勢で配置されており、両端を左右の縦枠11に対して回転自在に連結している。ゴムロール7であるガイド輪3は、全体の外形を円柱状としており、中心軸である回転軸3aの両端を縦枠11に連結して、ゴムロール7を一対の縦枠11の内側に配置している。ゴムロール7であるガイド輪3も、中心軸となる回転軸3aの周囲に、ゴム状弾性体からなるロール部を設けている。このように、ゴムロール7とするガイド輪3も前述の走行輪2と同様に、ガイド輪が接触する面に対して安定して転動できる特長がある。
【0036】
また、図に示すガイド輪3は、その外径を走行輪2の外径よりも小さくしている。このように、外径を小さくするガイド輪3は、前輪2Aの前方に省スペースに配置できる。とくに、図に示す台車9は、前輪2Aの前方において、ガイド輪3の回転軸3aの両端を縦枠11の先端部に連結している。この連結位置は、
図3~
図5に示すように、前方の横枠12の下方であってガイド輪3の外周面がベースフレーム10の先端縁よりも前方に突出するように、言い換えると、ガイド輪3の外周面がベース台1の最先端となるように配置している。この構造は、進行方向に進む台車9のガイド輪3が、まず、前方に配置された段差41のある歩み板24の先端部に当接し、このガイド輪3を歩み板24の先端部に沿って転動させることで、ガイド輪3に続く前輪2Aをスムーズに歩み板24の上に案内できる。ガイド輪3は、例えば、その外径を3cm~10cm、より好ましくは4cm~8cmとする。
【0037】
前輪2Aの前方に配置されるガイド輪3は、
図6の(A)~(C)に示すように、台車9を走行させる状態で進行方向に配置される歩み板24の段差41を吸収して、歩み板24の上面に移動できるように、下面の高さを前輪2Aの下面の高さよりも高くしている。このように、ガイド輪3の下面の高さを高くすることで、進行方向の前方に配置される歩み板24等による段差41をスムーズに吸収して歩み板24の上面に前輪2Aを乗り上げできる。ガイド輪3は、
図4に示すように、段差41のある歩み板24に対してスムーズに前輪2Aを乗り上げできるように、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差(h1)を3cm以上であって10cm以下としている。ただ、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差(h1)は、以下に示すように、走行輪2の外径、ガイド輪3の外径、及びガイド輪3の高さによっても変更される。
【0038】
台車9は、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差(h1)が小さすぎると、ガイド輪3自体が段差41を越えることができなくなるおそれがあり、また、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差(h1)が大きすぎると、ガイド輪3が段差41を越えても、ガイド輪3に続く前輪2Aが段差41を越えることができなくなるおそれがある。これらのことを考慮して、ガイド輪3の高さは、側面視において、ガイド輪3の中心位置が走行輪2の中心位置よりも高くなるように配置されると共に、ガイド輪3の下面の高さが走行輪2の中心の高さよりも低くなるように配置される。すなわち、走行輪2の半径をR、ガイド輪3の半径をr、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差をh1とすると、
(R-r) < h1 < R
となるように決定される。例えば、走行輪2の外径(直径)を10cm、ガイド輪3の外径(直径)を4cmとする場合、ガイド輪3の下面と前輪2Aの下面との段差(h1)は、3cm~5cmとして効果的に歩み板24の段差41を通過できる。
【0039】
さらに、ガイド輪3は、歩み板24に当接した後、スムーズに前輪2Aを歩み板24の上面に案内できるように、前輪2Aに対して所定の間隔(d1)を設けて配置している。ガイド輪3は、例えば、前輪2Aに対して3mm以上であって5cm以下となるように配置される。このガイド輪3をこの間隔で配置することで、歩み板24の上面にガイド輪3を導いた後、無理なく前輪2Aを歩み板24の上面に移動させることができる。
【0040】
(サブガイド輪4)
さらに、図に示す台車9は、歩み板24の段差41に対して後輪2Bをスムーズに移動できるように、後輪2Bの前方にサブガイド輪4を配置している。このサブガイド輪4は、後輪2Bの前方に配置されており、下面を後輪2Bの下面よりも高い位置に配置している。サブガイド輪4も、前述の走行輪2及びガイド輪3と同様に、ゴムロール7としている。ゴムロール7であるサブガイド輪4は、左右方向に延長して後輪2Bと平行な姿勢で配置されており、回転軸4aの両端を左右の縦枠11に対して回転自在に連結している。
【0041】
後輪2Bの前方に配置されるサブガイド輪4は、
図7の(D)~(F)に示すように、前輪2Aが歩み板24の上面に移動された台車9を走行させる状態で、後輪2Bの前方に位置する歩み板24の段差41を吸収して、後輪2Bを歩み板24の上面に移動できるように、その下面の高さを後輪2Bの下面の高さよりも高くしている。このサブガイド輪4も、下面の高さを高くすることで、進行方向に配置される歩み板24等による段差41をスムーズに吸収して歩み板24の上面に後輪9を乗り上げできる。ガイド輪3は、段差41のある歩み板24に対してスムーズに後輪2Bを乗り上げできるように、ガイド輪3の下面と後輪2Bの下面との段差(h2)を3cm以上であって8cm以下としている。
【0042】
また、図に示すサブガイド輪4は、その外径をガイド輪3の外径よりも小さくしている。このように、外径を小さくするサブガイド輪4は、後輪2Bの前方に省スペースに配置できる。とくに、図に示す台車9は、後輪2Bの上方に配置される載せ枠13の下方に配置している。これにより、サブガイド輪4を後輪2Bの前方であって所定の高さに、省スペースに配置することができる。サブガイド輪4は、例えば、その外径を3cm~10cm、より好ましくは4cm~8cmとする。このサブガイド輪4には、前述のガイド輪3と同じものを使用することができ、あるいはガイド輪3よりも外径を小さくすることもできる。
【0043】
さらに、サブガイド輪4は、歩み板24に当接した後、スムーズに前輪2Aを歩み板24の上面に案内できるように、後輪2Bに対して所定の間隔(d2)を設けて配置している。ガイド輪3は、例えば、後輪2Bに対して3mm以上であって3cm以下となるように配置される。このサブガイド輪4をこの間隔で配置することで、歩み板24の上面にサブガイド輪4を導いた後、無理なく後輪2Bを歩み板24の上面に移動させることができる。
【0044】
以上の図に示す台車9は、走行輪2、ガイド輪3、及びサブガイド輪4を、それぞれ軸方向に伸びる1本のゴムロール7で構成している。ただ、走行輪2、ガイド輪3、及びサブガイド輪4は、ゴムロール7を複数のロールに分割することもできる。この例を
図8の垂直横断面図に示す。この図は、走行輪2の前輪2Aを複数の分割ロール7Aに分割する例を示している。図示しないが、ガイド輪及びサブガイド輪についても、これと同様の構造として実現できる。
【0045】
図8に示すゴムロール7は、複数の分割ロール7Aで構成している。分割ロール7Aは、ロール状で軸方向に伸びるロール部を所定の長さにカットしたものである。各分割ロール7Aは、その幅を3~10cm、好ましくは4~6cmにカットしている。図に示す走行輪2は、6個の分割ロール7Aを回転軸2aに挿通して回転自在に配置している。さらに、複数の分割ロール7Aの間、及び外側には、スペーサー8を配置している。また、複数の分割ロール7Aの中間部には、回転軸2aを支持する支持プレート18を配置している。図に示す支持プレート18は金属プレートで、下端部には回転軸2aを挿通する挿通穴18Aを設けると共に、上端や側縁を載せ枠13である金属プレートの内面に溶接して固定している。
【0046】
以上の構造の走行輪2は、ゴムロール7を複数の分割ロール7Aで構成するので、いずれかの分割ロール7Aが損傷した際には、該当する分割ロール7Aのみを交換して修理できる。このため、修理にかかるコストを低減できる特長がある。また、製造時においては、台車9の横幅に応じて使用する分割ロール7Aの数を変更することにより、台車9のサイズ変更に容易に対応できるため、製造コストを低減できる特長もある。さらに、各分割ロール7Aの間にスペーサー8を介在させることで、分割ロール7A間の摩擦を低減してスムーズな回転が実現できる特徴もある。さらにまた、複数の分割ロール7Aで構成することで、中間部分において回転軸2aを表出させることができ、これにより回転軸2aを中間部分で支持することが可能となる。このように、回転軸2aを両端だけでなく中間部分で支持することにより、台車9に載せる自動車の重量が大きくなる場合においても安定して支持できる特徴が実現できる。
【0047】
さらに、
図8に示す台車9は、ベース台1を構成する縦枠11を、金属板を折曲加工したチャンネル材11Aとしている。図に示す縦枠11は、横断面形状をコ字状とすると共に、コ字状の開口部を下向きとする姿勢で配置して、横枠12及び載せ枠13を連結している。このように、縦枠11をチャンネル材11Aとする構造は、ベース台1の強度を高めることができると共に、回転軸2aを安定して支持できる特長がある。
【0048】
以上の実施形態にかかる台車9は、走行輪2、ガイド輪3、及びサブガイド輪4を、それぞれ1本のゴムロール7または複数に分割された分割ロール7Aで構成している。ただ、走行輪2、ガイド輪3、及びサブガイド輪4は、必ずしもゴムロール7や分割ロール7Aで構成する必要はなく、これらのいずれか又は全てを、複数の回転車輪で構成することもできる。複数の回転車輪で構成される走行輪、ガイド輪、又はサブガイド輪は、各回転車輪を独立する回転軸を介して左右の縦枠に連結することができ、あるいは、複数の回転車輪を共通の回転軸に連結し、この回転軸を左右の縦枠に連結することもできる。この構造は、走行輪、ガイド輪、及びサブガイド輪にかかる荷重を複数の回転車輪に分割して支持しながら、各回転車輪を独立して回転させて台車を走行させることができる。
【0049】
(連結部材5)
以上の台車9は、位置決め凹部14に自動車30の車輪31を載せる状態で、走行輪2を介してベース台1を移動させて車両運搬車20の荷台23に移動される。自動車30は、前輪又は後輪である2つの車輪31を2台の台車9に載せた状態で車両運搬車20に移動される。2つの車輪31を載せて移動させるために、2台の台車9は、
図2の平面図に示すように、左右に互いに平行な姿勢で所定の間隔に並べると共に、連結部材5を介して連結された状態でワイヤー26で牽引されて車両運搬車20の荷台23に移動される。
【0050】
2台の台車9は、
図2に示すように、各台車9の前方に設けた連結筒部6に連結部材5が挿通されて互いに連結される。2台の台車9の間隔は、荷台23に積載する自動車30の車輪間距離に応じてその間隔が調整される。図に示す連結部材5は角筒状の金属パイプとしている。角筒である連結部材5は、両端部を各々台車9の前方に設けた連結筒部6に挿通すると共に、連結筒部6と連結部材5を貫通する連結具16を介して2台の台車9を連結部材5の定位置に連結している。このようにして互いに連結される2台の台車9は、それぞれの進行方向が平行となるように所定の間隔で連結されると共に、連結部材5に連結されるワイヤー26が牽引されることで自動車30を車両運搬車20の荷台23に移動させる。図の連結部材5は、ワイヤー26を連結するためのフック部17を中央部の前方に突出して固定している。
【0051】
以上の台車は、
図6と
図7に示すようにして、台車9の前方に形成される段差41を乗り越えるようにして歩み板24の上面に移動される。以下の図においては、自動車の前輪を台車9に載せて車両運搬車の荷台に載せる状態を示すが、台車9は、自動車の後輪を載せて荷台に移動させることもできる。
【0052】
(1)
図6(A)で示すように、各台車9の位置決め凹部14に車輪31が載せられる。自動車30は、例えば、ジャッキアップされる状態で車輪31の下方に台車9が配置されて、車輪31を位置決め凹部9に配置する。さらに、連結部材5のフック部17にワイヤー26の先端を連結する。その後、車両運搬車20の荷台23に設けたウィンチ25でワイヤー26を巻き取って、台車9を歩み板24に接近させる。
(2)
図6(B)で示すように、前輪2Aに先だって、前輪2Aの前方に配置されたガイド輪3が歩み板24に当接する。この状態で引き上げられる台車9は、図に示すように、歩み板24の上面に沿ってガイド輪3が移動することで、前輪2Aが路面40から持ち上げられるようになって、段差41を乗り越えやすくなる。
(3)この状態で、
図6(C)で示すように、前輪2Aが歩み板24の上面に移動される。
(4)さらに、
図7(D)で示すように、ウィンチ25でワイヤー26を巻き取って、台車9の前輪2Aを歩み板24上で前進させる。
(5)
図7(E)で示すように、後輪2Bに先だって、後輪2Bの前方に配置されたサブガイド輪4が歩み板24に当接する。この状態で引き上げられる台車9は、図に示すように、歩み板24の上面に沿ってサブガイド輪4が移動することで、後輪2Bが路面40から持ち上げられるようになって、段差41を乗り越えやすくなる。
(6)その後、
図6(F)で示すように、後輪2Bが歩み板24の上面に移動される。
さらに、この状態で、ウィンチ25でワイヤー26を巻き取って、台車9を歩み板24から荷台の上に移動させる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、故障自動車、とくに事故車を車両運搬車の荷台に簡単かつ容易に載せることができる台車装置として、車両運搬車への自動車の積載に便利に使用できる。
【符号の説明】
【0054】
1…ベース台
2…走行輪
2A…前輪
2a…回転軸
2B…後輪
2b…回転軸
3…ガイド輪
3a…回転軸
4…サブガイド輪
4a…回転軸
5…連結部材
6…連結筒部
7…ゴムロール
7A…分割ロール
8…スペーサー
9…台車
10…ベースフレーム
11A…チャンネル材
11…縦枠
12…横枠
13…載せ枠
14…位置決め凹部
15…開口部
16…連結具
17…フック部
18…支持プレート
18A…挿通穴
20…車両運搬車
21…車体
22…キャビン
23…荷台
24…歩み板
24A…傾斜面
25…ウィンチ
26…ワイヤー
30…自動車
31…車輪
40…路面
41…段差
42…異物
90…事故車運搬車
91…荷台
92…支持ビーム
93…吊り上げ機構
95…故障車両