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特許7228508一般化された層の機械的適合性を有する折り畳み式ディスプレイ構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】一般化された層の機械的適合性を有する折り畳み式ディスプレイ構成
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230216BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230216BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230216BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230216BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230216BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230216BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G06F3/041 412
G06F3/041 640
G09F9/00 302
G09F9/00 366A
G09F9/30 349E
G09F9/30 365
H10K59/00
H05B33/02
H05B33/14 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019510959
(86)(22)【出願日】2017-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 IB2017054946
(87)【国際公開番号】W WO2018037311
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】15/244,146
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】エバン エル.ブリードローブ
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン エー.レザーデール
(72)【発明者】
【氏名】リュドミーラ エー.ペクロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ペイホイ チャン
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/136259(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104241316(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0132025(US,A1)
【文献】特開2015-143846(JP,A)
【文献】特開2008-026304(JP,A)
【文献】特開2009-226861(JP,A)
【文献】特開2014-240905(JP,A)
【文献】特開2015-163998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/30
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、
前記有機発光ダイオード(OLED)と前記上部モジュールとの間のタッチセンサと、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/TW)>0.001であり、式中、Lが前記下部モジュールの曲げ剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の曲げ剛性であり、Tが前記タッチセンサの曲げ剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの曲げ剛性であって
曲げ剛性がEI/(1-ν )により計算され、Eはヤング率、Iは断面二次モーメント、νはポアソン比である、
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
【請求項2】
(LS/TW)>0.07である、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記カバーウィンドウフィルムと前記タッチセンサとの間の第1結合層と、前記タッチセンサと前記有機発光ダイオード(OLED)との間の第2結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第3結合層と、を更に含む、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、
前記有機発光ダイオード(OLED)と前記上部モジュールとの間の円偏光子と、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/(CP)W)>0.004であり、式中、Lが前記下部モジュールの曲げ剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の曲げ剛性であり、CPが前記円偏光子の曲げ剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの曲げ剛性であって
曲げ剛性がEI/(1-ν )により計算され、Eはヤング率、Iは断面二次モーメント、νはポアソン比である、
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
【請求項5】
(LS/(CP)W)>0.02である、請求項4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記カバーウィンドウフィルムと前記円偏光子との間の第1結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第2結合層と、を更に含む、請求項4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/W)>4×10-6であり、式中、Lが前記下部モジュールの曲げ剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の曲げ剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの曲げ剛性であって
曲げ剛性がEI/(1-ν )により計算され、Eはヤング率、Iは断面二次モーメント、νはポアソン比である、
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
【請求項8】
(LS/W)>4×10-5である、請求項7に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記カバーウィンドウフィルムと前記有機発光ダイオード(OLED)との間の第1結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第2結合層と、を更に含む、請求項7に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ディスプレイ及び電子デバイスは進化し、湾曲され、折り曲げられ、又は折り畳まれるようになり、新たなユーザエクスペリエンスをもたらしている。これらのデバイスアーキテクチャは、例えば、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)、プラスチック液晶ディスプレイ(LCD)などを含んでもよい。
【0002】
典型的な電子的ディスプレイは、下部モジュール、ディスプレイモジュール、及び上部モジュールを含む。下部モジュールは、ヒートスプレッダと緩衝材を含むことができる。上部モジュールは、タッチセンサと、円偏光子などの周囲光阻止層と、しばしば保護フィルム又は保護カバーとを含んでもよい。これらの3つの構成要素は、接着の形態を使用して互いに結合されることが多い。この結合構造が曲げられると、構造全体にひずみが発生する。ひずみは厚さを通して均一ではなく、ディスプレイの構成に複雑な仕方で左右される。歪みがディスプレイモジュールの臨界閾値を超えた場合、ディスプレイモジュールは機械的に破損し、その結果、ディスプレイの欠陥、全般的な誤動作、又はその双方が生じる。
【0003】
いかなる曲げ構造においても、曲げ中立面として知られる、ゼロ歪みのある位置が厚さ方向に存在する。場合によっては、中立面の位置は、ディスプレイモジュール内で歪み及び応力が最小になるように調整することができる。ディスプレイの上下の層の弾性率が類似しており、ディスプレイの上下の合計厚さがほぼ等しい場合、積層体の対称性により、中立面は中央付近(即ち、ディスプレイモジュール付近)となる。また、ディスプレイモジュールに近接して配置され、このディスプレイモジュールを上部又は下部モジュールに機械的に結合する接着剤の弾性率及び厚さは、中立面の位置を調整するように選択することができる。接着剤が隣接する層よりも実質的により柔軟である場合、層は曲げの際に部分的に機械的に分離され、これにより複数の中立面が生じる可能性がある。次に、複数の中立面を脆弱なディスプレイ構成要素内又はその近くに配置して、それらが受ける応力及び歪みを最小限に抑えることができる。同じアプローチの代替案では、ディスプレイモジュールとその上の層との間の境界面で剪断分離が生じるようにコンプライアント層が選択され、ディスプレイモジュールにおける応力の状態(圧縮又は引張)は、上部モジュールにおいてそれとは反対方向に(即ち、引張又は圧縮)感知される。しかしながら、ディスプレイモジュールを保護するために中立面の位置を調整すること又は複数の中立面を導入することの戦略は技術的に困難であり、材料特性又は厚さがわずかに変動すると、中立面はその目的とする位置の上又は下にシフトしてしまう。
【0004】
したがって、例えば広範囲のひずみ率にわたって、又は他の要因を考慮して、狭い半径の周りに折り畳むか又は折り曲げることができる電子ディスプレイが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明による第1のフレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスは、カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、下部モジュールと、上部モジュールと下部モジュールとの間のディスプレイモジュールと、ディスプレイモジュールと上部モジュールとの間のタッチセンサとを備えている。全てのモジュールとタッチセンサは、異なるヤング率と厚さを有することができる。ディスプレイモジュールは、有機発光ダイオード(OLED)、及び有機発光ダイオード(OLED)と下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含む。この第1のデバイスでは、(LS/TW)>0.001であり、Lは下部モジュールの剛性、SはOLED基板の剛性、Tはタッチセンサの剛性、そしてWはカバーウィンドウフィルムの剛性である。
【0006】
本発明による第2のフレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスは、カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、下部モジュールと、上部モジュールと下部モジュールとの間のディスプレイモジュールと、ディスプレイモジュールと上部モジュールとの間の円偏光子とを含んでいる。全てのモジュールと円偏光子は、異なるヤング率と厚さを有することができる。ディスプレイモジュールは、OLED、及びOLEDと下部モジュールとの間のOLED基板を含む。この第2のデバイスでは、(LS/(CP)W)>0.004であり、Lは下部モジュールの剛性、SはOLED基板の剛性、CPは円偏光子の剛性、そしてWはカバーウィンドウフィルムの剛性である。
【0007】
本発明による第3のフレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスは、カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、下部モジュールと、上部モジュールと下部モジュールとの間のディスプレイモジュールとを含む。全てのモジュールは、異なるヤング率を有することができ、ディスプレイモジュールは、有機発光ダイオード(OLED)と、有機発光ダイオード(OLED)と下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板とを含む。この第3のデバイスでは、(LS/W)>4×10-6であり、Lは下部モジュールの剛性、SはOLED基板の剛性、及びWはカバーウィンドウフィルムの剛性である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、明細書と共に本発明の利点及び原理を説明するものである。図面において、
図1】折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造の第1の実施形態の側面図である。
図2】折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造の第2の実施形態の側面図である。
図3】折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造の第3の実施形態の側面図である。
図4】折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイで使用するためのウィンドウフィルム物品の側面図である。
図5】折り畳まれた又は折り曲げられた構成における折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイの側面図である。
図6図1の折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造体のz軸位置に対する歪みのグラフである。
図7図2の折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造体のz軸位置に対する歪みのグラフである。
図8図3の折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイ構造体のz軸位置に対する歪みのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の発明を実施するための形態において、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。これらの図面には、いくつかの具体的な実施形態が例として示されている。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想定され、実施され得ることを理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
【0010】
本明細書で用いる全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0011】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いる機構の寸法、量、及び物理的特性を表す全ての数は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されていると理解するものとする。したがって、そうではないと明記しない限り、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲において示される数値パラメータは、本明細書に開示された教示を利用して当業者が得ようとする特性に応じて変わり得る近似値である。
【0012】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が別途明示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、用語「又は」は、内容が別途明示しない限り、「及び/又は」を含む意味で通常用いられる。
【0015】
本明細書で用いる場合、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、オープンエンドの意味で用いられ、通常、「含むが、これらに限定されない」という意味である。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含む(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。
【0016】
図1に示されるような一実施形態では、フレキシブル有機発光ダイオードディスプレイ構造は、図示の順序で配置された以下の要素又は層を含む。カバーウィンドウフィルム10を有する上部モジュール、結合層12、タッチセンサパネル及び/又は円偏光子14、結合層16、有機発光ダイオード18、有機発光ダイオード基板20、結合層22、及び下部モジュール24。また、図1の構造では、下部モジュールは第1のヤング率を有し、有機発光ダイオード基板は第2のヤング率を有し、タッチセンサ/円偏光子は第3のヤング率を有し、上部モジュールは第4のヤング率を有しており、4つのヤング率は互いに全て異なる場合がある。図1のデバイスに対する曲げの耐久性を最大にするために、下部モジュールの機械的剛性(L)及び有機発光ダイオード基板の剛性(S)をタッチセンサ/円偏光子の剛性(T)及びカバーウィンドウフィルムの剛性(W)で除したものは、式(1)によって表されるように、0.001又は0.07又は1.2よりも大きい。
Z=(LS/TW)>0.001又は0.07又は1.2 (1)
【0017】
式(1)が維持される限り、比較的広範囲のディスプレイ構成及び結合層の組み合わせが許容される。図6は、図1の実施形態の基準よりも小さい値に等しいZについての、z軸位置に対する歪みのプロットを示す。図6のプロットに対する特性を表1に列挙する。有機発光ダイオード層は底面から110~115ミクロンの間に位置する。
【0018】
有限要素解析の結果、この要件によれば、インフォールディング(in-folding)中に有機発光ダイオード平面をわずかに圧縮状態に保つことによって、敏感な有機発光ダイオードドライバ層及び薄膜封入がひずみ関連損傷から保護されることが明らかになった。Zの値が1.2を超えると、Zが小さい場合と比較して、ディスプレイモジュール内の歪み比は小さく、またZの値が増加すると歪み比は安定する。この知見による利点は、他の構成変更によりZの値が変化しても、この値が十分に大きいままであれば、ディスプレイモジュールにおける歪み比は大きく変化しないということである。理論に束縛されることを望むものではないが、フレキシブルディスプレイを圧縮状態にすることによって、亀裂形成及び伝播が軽減されると考えられる。また、有機発光ダイオードの破損は、主に引張荷重に起因すると考えられているため、圧縮予荷重によって、ディスプレイが破損する前に耐え得る引張荷重は増加する。このアプローチは、ディスプレイ内の中立面の位置に焦点を当てるアプローチとは実質的に異なる。本発明の更なる利点は、比較的堅い結合層接着剤を使用することができ、それでもなお他の構成要素を変更することによって、中立面の調整が達成されることである。更に、本発明の無次元アプローチによれば、いくつかの層の厚さ、弾性率、及びポアソン比の同時最適化が可能となり、それによって所望の曲げ挙動が得られる。したがって、Zに入る別の層の弾性率又は厚さが適切に調整される場合には、層を厚くすることができる。
【0019】
図2に示す別の実施形態では、ディスプレイ構造は、図示の順序で配置された以下の要素又は層を含む。カバーウィンドウフィルム30を有する上部モジュール、結合層32、円偏光子35、有機発光ダイオード34、有機発光ダイオード基板36、結合層38、及び下部モジュール40。図2に示される構造では、タッチセンサは、任意選択的に有機発光ダイオードの一部であるか、又は有機発光ダイオードに組み込むことができ、円偏光子はカラーフィルタ層と置き換えることができる。また、図2の構造では、下部モジュールは第1のヤング率を有し、有機発光ダイオード基板は第2のヤング率を有し、タッチセンサ/円偏光子は第3のヤング率を有し、上部モジュールは第4のヤング率を有し、4つのヤング率は互いに全て異なる場合がある。図2のデバイスに対する曲げの耐久性を最大にするために、下部モジュールの機械的剛性(L)及び有機発光ダイオード基板の剛性(S)を円偏光子の剛性(CP)及びカバーウィンドウフィルムの剛性(W)で除したものは、式(2)によって表されるように、0.004又は0.02又は0.25よりも大きい。
Z’=(LS/(CP)W)>0.004又は0.02又は0.25 (2)
【0020】
図7は、図2の実施形態の基準よりも小さい値に等しいZ’についての、z軸位置に対する歪みのプロットを示す。図7のプロットに対する特性を表2に列挙する。有機発光ダイオード層は底面から130~135ミクロンの間に位置する。
【0021】
図3に示す別の実施形態では、ディスプレイ構造は、図示の順序で配置された以下の要素又は層を含む。カバーウィンドウフィルム42を有する上部モジュール、結合層44、有機発光ダイオード46、有機発光ダイオード基板48、結合層50、及び下部モジュール52。図3に示される構造では、タッチセンサは、任意選択的に有機発光ダイオードの一部であるか、又は有機発光ダイオードに組み込むことができる。また、図3の構造では、下部モジュールは第1のヤング率を有し、有機発光ダイオード基板は第2のヤング率を有し、上部モジュールは第3のヤング率を有しており、3つのヤング率は互いに全て異なる場合がある。図3のデバイスの曲げにおける耐久性を最大にするために、下部モジュールの機械的剛性(L)及び有機発光ダイオード基板の剛性(S)をカバーウィンドウフィルムの剛性(W)の2乗で除したものは、式(3)で表されるように、4×10-6より大きく、より好ましくは4×10-5より大きく、最も好ましくは0.002より大きい。
Z”=(LS/W)>4×10-6又は4×10-5又は0.002 (3)
【0022】
図8は、図3の実施形態の基準よりも小さい値に等しいZ”についての、z軸位置に対する歪みのプロットを示す。図8のプロットに対する特性を表3に列挙する。有機発光ダイオード層は底面から80~85ミクロンの間に位置する。
【0023】
式(1)~(3)を実装する際には、層の厚さはミクロンで測定され、ヤング率はメガパスカルで測定される。均質材料の場合、曲げ剛性(k)は式(4)を用いて計算することができる。
【数1】
ここで、Eはヤング率、Iは断面二次モーメント、及びνはポアソン比である。Eとνは固有の材料特性であり、Iは構造の幾何学的形状の関数である。パラメータIは、幅と、厚さの3乗に比例する。全ての層が同じ幅を有する場合、正規化された断面二次モーメントI=t/12(ここで、tは厚さである)を使用することができる。
【数2】
【0024】
本明細書に記載のモジュール又は層は、さまざまな厚さ及び弾性率のいくつかの副層を含んでもよい。いくつかの層を含む構成要素の有効曲げ剛性は、次のように計算することができ、一般に複合材料として扱うためには、最も低い弾性率の副層と最も高い弾性率の副層の材料の比は1%より大きいか、又は5%より大きいか、又は10%より大きくなければならない。
【0025】
曲げ剛性kを次式で与えられるi番目の層の剛性として定義する。
【数3】
ここで、Iは重心(つまり、構成要素が1つの中立面を持つと仮定してその構成要素が独自に曲げられた場合の中立軸の位置)に対するi番目の層の断面二次モーメントであり、E’は平面ひずみ弾性率である。
【0026】
多層構成要素の全曲げ剛性は、次式の通りである。
【数4】
【0027】
を計算するために、最下層を層1に番号付けし、上の層を全て連続的に番号付けする。各層の厚さをtとする。次に、次式のように定義する。
【数5】
よって、dは、層1の底面から層iの中心までの距離となる。層1の底面に対するi番目の層の断面二次モーメントは、次式によって与えられる。
【数6】
すると、Iは次式によって与えられる。
【数7】
ここで、重心位置yは次のように計算される。
【数8】
最後に、有効曲げ剛性は次式で与えられる。
【数9】
【0028】
この手順は、層1、2、及び3の3層構造で考えることができ、ここで層1は最下層、層3は最上層、そして層2は層1と層3の間にある。各層は、弾性率(E)、厚さ(t)、及びポアソン比(ν)を有する。層1の底面(即ちx軸)から層1の中央までの距離は、次の通りである。
【数10】
そして層1のシフトした曲げ剛性は、次の通りである。
【数11】
層2については、層1の底面から層2の中央までの距離は
【数12】
そして層2のシフトした曲げ剛性は、次の通りである。
【数13】
最後に、層1の底面から層3の中央までの距離は、次の通りである。
【数14】
そして変換された曲げ剛性は、次の通りである。
【数15】
そして、次式が得られる。
【数16】
【0029】
図4は、本明細書に記載したものなどの折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイで使用するためのウィンドウフィルム物品の側面図である。図4に示す物品は、図示の順序で配置された以下の要素又は層を含む。カバーウィンドウフィルム54、結合層56、及びライナ58。ライナは、結合層56の保護を提供する。使用時には、ライナ58は除去され、カバーウィンドウフィルム54が結合層56を介して有機発光ダイオードディスプレイに適用されて接着される。例えば、結合層56は、図1の実施形態の場合にはタッチセンサパネル14に、図2の実施形態の場合には円偏光子35に、又は図3の実施形態の場合には有機発光ダイオード46に、直接適用することができる。
【0030】
図5は、折り畳まれた又は折り曲げられた構成における、本明細書に記載されたディスプレイ構造などの折り畳み式有機発光ダイオードディスプレイの側面図である。特に、有機発光ダイオードディスプレイには、図示のように配置された、上部モジュール60、結合層65、ディスプレイモジュール62、結合層67、及び下部モジュール64が含まれる。図示されるように、有機発光ダイオードディスプレイは、上部モジュール60の上面61(観察者側)がそれ自体に面し、上部モジュール60の端部63が互いに物理的に接触するように折り畳むか又は折り曲げることができる。
【0031】
以下は、ディスプレイ構成内の層を含む、本明細書で使用される用語の定義及び説明である。
【0032】
「カバーウィンドウフィルム」は、ディスプレイフィルムの光学特性を維持しながらディスプレイに耐引掻き性、耐摩耗性、及び耐衝撃性をできる限り付与する保護ディスプレイフィルム構造である。カバーウィンドウフィルムは、薄いフレキシブルガラス、ポリマーフィルム、又はポリマーとガラスの積層体を用いて実現することができる。「薄いガラス」という用語は、10~100ミクロンの厚さ、最も好ましくは25~50ミクロンの厚さのガラスを意味する。カバーウィンドウフィルムは、複数の副層及びコーティングを含んでもよい。この副層はポリマー又はガラスとしてもよい。ウィンドウフィルム構成全体の最小有効弾性率は300MPaである。カバーウィンドウフィルムがガラスを含む場合、有効弾性率は100GPaにもなることがある。カバーウィンドウフィルムがガラスを含む場合、ガラス層の厚さは典型的には10~100ミクロン、より好ましくは25~50ミクロンである。ウィンドウフィルム全体の厚さは、材料や構造にもよるが、通常20~250ミクロンである。ウィンドウフィルム中の副層のいずれかが接着剤を含む場合、接着剤の室温剪断弾性率はそれを取り囲むフィルム層のヤング率の3.3%より大きいか、又は1.7%より大きいか、又は1%より大きい。
【0033】
「結合層」は、それを取り囲む層の1%未満の室温剪断弾性率を有する軟質接着剤又はグリース様材料である。場合によっては、この室温剪断弾性率は30MPa未満、より好ましくは1MPa未満、最も好ましくは70kPa未満であってもよい。結合層が光学的に透明な接着剤である場合、かかる結合層の剪断弾性率は室温で150kPaより大きい。フレキシブルディスプレイが曲げられても、結合層はディウェッティング(dewet)しない。結合層の典型的な厚さ範囲は25~100ミクロンである。結合層が放射光の光路内にある場合、可視域の光透過率は通常90%より大きく、ヘイズは2%より小さい。光路中の結合層は、より堅固な層間の光学的接触(即ち、エアギャップもディウェッティングもない)を維持しなければならない。光路内にない結合層は、透明(clear)又は透過性(transparent)であってもよいが、そうである必要はない。結合層の例としては、光学的に透明な接着剤(OCA)を挙げることができる。光学接着剤層としては、アクリレート、シリコーン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン又はポリイソブチレンベースの光学接着剤を挙げることができる。OCAは感圧性接着剤としてもよい。
【0034】
「上部モジュール」はカバーウィンドウフィルムを含む。上部モジュールはまた、タッチセンサパネル層、円偏光子もしくはカラーフィルタ層などの周囲光阻止層、又は別個の水分及び酸素遮断層を任意選択的に含み得る。
【0035】
「ディスプレイモジュール」は、有機発光ダイオード及び有機発光ダイオード用の基板(通常はポリイミドであるがガラスでもよい)、バッファ層、トランジスタ層、エミッタ、及び存在する場合には薄膜封入バリア層を含む。場合によっては、円偏光子又はカラーフィルタ層などの周囲光阻止層を有機発光ダイオード上に直接結合又はコーティングすることができる。ディスプレイモジュールの典型的な厚さは20~50ミクロンである。ディスプレイモジュールは、例えば、ガラス上にポリイミドをコーティングし、有機発光ダイオードの層を堆積させ、次いでガラスを除去することによって作製することができる。タッチセンサ機能を可能にするための回路もまたディスプレイモジュール内にあってもよい。ディスプレイモジュール中の副層のいずれかが接着剤を含む場合、接着剤の室温剪断弾性率はそれを取り囲む層のヤング率よりも3.3%超大きい。カバーウィンドウフィルムの副層のいずれかが接着剤を含む場合、接着剤の室温剪断弾性率はそれを取り囲むフィルム層のヤング率よりも3.3%超大きい。
【0036】
「下部モジュール」は少なくとも1つの基板を含む。下部モジュールは、銅又は黒鉛などの熱伝導層、ディスプレイモジュールと駆動回路との間の電磁干渉を最小限に抑えるための層、バリア層、及びパネルの耐衝撃性を向上させるための発泡体などの緩衝材も任意選択的に含むことができる。
【0037】
対象とする曲率半径(曲がり)は、≦10mm、≦5mm、≦3mm、≦2mm、又は≦1mmである。デバイスが閉じている場合のインフォールディングデバイスの曲率は、下部モジュール外面間の最大距離の半分に等しい。デバイスが閉じている場合のアウトフォールディングデバイスの曲率は、ウィンドウフィルム表面間の最大距離の半分に等しい。アウトフォールディングデバイスの場合には、式(1)、(2)、(3)の逆数が、これらの方程式に対応する構成を有するアウトフォールディングデバイスに適用されるように、Z、Z’、Z”に関するパラメータ方程式が逆転される。固定(折り畳み式ではないディスプレイ)の場合には、曲率は、下部モジュールの外面又はウィンドウの外面のいずれかに対する最小の曲率半径に等しい。
【0038】
ここで説明する構成は、図1図2図3に示す概略構造の有限要素モデリングに基づいている。カバーウィンドウフィルムがそれ自体に面するようにこの構造を2つに折り畳むように曲げることは、1mm、2mm、3mm、及び5mmの曲率でモデル化された。有機発光ダイオード基板、下部モジュール、カバーウィンドウフィルム、及びタッチパネルの厚さ及び弾性率は全て変化させることができた。有機発光ダイオード層全体にわたる最大引張歪み及び最大圧縮歪みを記録した。実験に基づいて、歪みが有機発光ダイオード層内で許容可能なレベルに留まるように、カバーウィンドウフィルム、下部モジュール、及び有機発光ダイオード基板の間の関係を求めた。代表的な結果は、構成パラメータと共に表1~3に記載されている。表1の結果は、図1に示した概略構造に対する有限要素モデリングに基づいている。表2は、図2に示した構成の、及び表3は、図3に示した構成の有限要素モデリングに基づいている。
【0039】
市販の有限要素解析ソフトウェア、ANSYS Mechanical APDL 14.0(Ansys Inc.,Pittsburgh PA,USA)及びDOE解析ソフトウェア、Isight 5.8(Dassault Systemes Simulia Corp.,Providence,RI,USA)を用いて、折り畳み式ディスプレイデバイスの数学モデルを作成し、さまざまな構成パラメータについて、有機発光ダイオード層内の主な引張及び圧縮歪みを計算した。曲げは、2つの剛性ヒンジが90°まで回転し、外面が双方のヒンジ上を滑ることを可能にしながら2倍の曲率で距離をあけることによって、可能となった。典型的な100mmの幅及び180mmの長さの折り畳み式デバイスは、対称性の考慮及び平面ひずみ要素を使用して、モデルを長さ90mmの固定長及び可変厚さの二次元断面に縮小することが可能となった。
【0040】
接着剤によって結合された等方性均一材料の層によって表されるディスプレイの単純化されたモデルによれば、機械的観点の詳細から非本質的なものを含む必要なしに曲げ力学の主要な局面を十分捉えることができることが分かる。ディスプレイモジュールの有機発光ダイオード構成要素は、ディスプレイ基板に接着された80GPaの弾性率を有する5ミクロン厚のフィルムとしてモデル化された。結合層は、瞬間剪断弾性率Gで特徴付けられる非圧縮性超弾性材料としてモデル化された。他の構成要素は、ヤング弾性率E、ポアソン比、及び降伏応力で特徴付けられる均一等方性熱可塑性プラスチックとしてモデル化された。
【表1】
【表2】
【表3】
【0041】
別の実施形態は、発光材料を有するモジュールがディスプレイモジュールの代わりに使用される図1図2、及び図3に示される構造を含む。特に、このモジュールは、有機発光ダイオード又は他の発光材料などの発光材料と、発光材料を支持するための基板と、本明細書で説明したように、かつ図3を参照して、異なるヤング率を有する上部モジュール及び下部モジュールを含む。この実施形態は、例えば、固体照明又は装飾照明目的に使用することができる。
【0042】
以下に、本発明の他の実施形態を更に列挙する。
【0043】
項目1は、フレキシブル発光デバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
上部モジュールと下部モジュールとの間にあり、発光材料、及び該発光材料と下部モジュールとの間の基板を含む、モジュールと、を備え、
下部モジュールは第1のヤング率を有し、上部モジュールは第2のヤング率を有し、第1のヤング率は第2のヤング率とは異なり、
(LS/W)>4×10-6であり、式中、Lが下部モジュールの剛性であり、Sが基板の剛性であり、Wがカバーウィンドウフィルムの剛性である。
【0044】
項目2は、(LS/W)>4×10-5である、項目1に記載のデバイスである。
【0045】
項目3は、(LS/W)>0.002である、項目2に記載のデバイスである。
【0046】
項目4は、カバーウィンドウフィルムと発光材料との間の第1の結合層と、基板と下部モジュールとの間の第2の結合層とを更に含む、項目1~3のいずれか1項に記載のデバイスである。
【0047】
項目5は、第1の結合層が光学的に透明な接着剤を含む、項目4に記載のデバイスである。
【0048】
項目6は、フレキシブル有機発光ダイオードディスプレイデバイスで使用するためのウィンドウフィルムであり、このウィンドウフィルムは、
カバーウィンドウフィルムと、
カバーウィンドウフィルムの主面上の結合層と、を含み、
カバーウィンドウフィルムは、カバーウィンドウフィルムと、結合層と、有機発光ダイオードと有機発光ダイオード基板(カバーウィンドウフィルムの反対の有機発光ダイオードの側にある)と含むディスプレイモジュールと、下部モジュールと、をこの順序で有する有機発光ダイオードディスプレイデバイスに機械的に結合されると、(LS/W)>0.001又は0.07又は1となる。ここで、Lは下部モジュールの剛性であり、Sは有機発光ダイオード基板の剛性であり、Wはウィンドウフィルムの剛性である。
【0049】
項目7は、カバーウィンドウフィルムとは反対側の結合層の側にライナを更に含む、項目6に記載のウィンドウフィルムである。
【0050】
項目8は、結合層が光学的に透明な接着剤を含む、項目6又は7に記載のウィンドウフィルムである。さらに別の実施形態について以下、述べる。
[1]
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、
前記有機発光ダイオード(OLED)と前記上部モジュールとの間のタッチセンサと、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/TW)>0.001であり、式中、Lが前記下部モジュールの剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の剛性であり、Tが前記タッチセンサの剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの剛性である、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
[2]
(LS/TW)>0.07である、[1]に記載のディスプレイデバイス。
[3]
(LS/TW)>1.2である、[1]に記載のディスプレイデバイス。
[4]
前記カバーウィンドウフィルムと前記タッチセンサとの間の第1結合層と、前記タッチセンサと前記有機発光ダイオード(OLED)との間の第2結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第3結合層と、を更に含む、[1]に記載のディスプレイデバイス。
[5]
前記第1結合層の剪断弾性率は、室温で150kPaより大きい、[4]に記載のディスプレイデバイス。
[6]
前記第1及び第2の結合層は各々光学的に透明な接着剤を含む、[4]に記載のディスプレイデバイス。
[7]
前記カバーウィンドウフィルムは、薄いガラスを含む、[1]に記載のディスプレイデバイス。
[8]
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、
前記有機発光ダイオード(OLED)と前記上部モジュールとの間の円偏光子と、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/(CP)W)>0.004であり、式中、Lが前記下部モジュールの剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の剛性であり、CPが前記円偏光子の剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの剛性である、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
[9]
(LS/(CP)W)>0.02である、[8]に記載のディスプレイデバイス。
[10]
(LS/(CP)W)>0.25である、[8]に記載のディスプレイデバイス。
[11]
前記有機発光ダイオード(OLED)は、タッチセンサを含む、[8]に記載のディスプレイデバイス。
[12]
前記カバーウィンドウフィルムと前記円偏光子との間の第1結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第2結合層と、を更に含む、[8]に記載のディスプレイデバイス。
[13]
前記第1結合層の剪断弾性率は、室温で150kPaより大きい、[12]に記載のディスプレイデバイス。
[14]
前記第1結合層は、光学的に透明な接着剤を含む、[12]に記載のディスプレイデバイス。
[15]
前記カバーウィンドウフィルムは薄いガラスを含む、[8]に記載のディスプレイデバイス。
[16]
フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイスであって、
カバーウィンドウフィルムを有する上部モジュールと、
下部モジュールと、
前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間にあり、有機発光ダイオード(OLED)、及び前記有機発光ダイオード(OLED)と前記下部モジュールとの間の有機発光ダイオード(OLED)基板を含むディスプレイモジュールと、を備え、
前記上部モジュールは第1のヤング率を有し、前記下部モジュールは第2のヤング率を有し、前記第1のヤング率は前記第2のヤング率とは異なり、
(LS/W2)>4×10-6であり、式中、Lが前記下部モジュールの剛性であり、Sが前記有機発光ダイオード(OLED)基板の剛性であり、Wが前記カバーウィンドウフィルムの剛性である、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイデバイス。
[17]
(LS/W2)>4×10-5である、[16]に記載のディスプレイデバイス。
[18]
(LS/W2)>0.002である、[16]に記載のディスプレイデバイス。
[19]
前記有機発光ダイオード(OLED)は、タッチセンサを含む、[16]に記載のディスプレイデバイス。
[20]
前記カバーウィンドウフィルムと前記有機発光ダイオード(OLED)との間の第1結合層と、前記有機発光ダイオード(OLED)基板と前記下部モジュールとの間の第2結合層と、を更に含む、[16]に記載のディスプレイデバイス。
[21]
前記第1結合層の剪断弾性率は、室温で150kPaより大きい、[20]に記載のディスプレイデバイス。
[22]
前記第1結合層は、光学的に透明な接着剤を含む、[20]に記載のディスプレイデバイス。
[23]
前記カバーウィンドウフィルムは、薄いガラスを含む、[16]に記載のディスプレイデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8