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特許7228770環境制御システム、環境制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】環境制御システム、環境制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20230217BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20230217BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/165
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021534555
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2020019297
(87)【国際公開番号】W WO2021014722
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2019137203
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌史
(72)【発明者】
【氏名】豊澄 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】寺山 千尋
(72)【発明者】
【氏名】原田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 達清
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-22943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0116645(US,A1)
【文献】特開2017-41408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する関連情報取得部と、
前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する、
環境制御システム。
【請求項2】
複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する決定部と、を備え、
前記制御対象エリアには、スピーカが設けられており、
前記決定部は、前記スピーカから出力する音の有無を、前記環境パターンとして決定する、
環境制御システム。
【請求項3】
前記複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する関連情報取得部を、更に備え、
前記決定部は、前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する、
請求項2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記決定部が決定した前記環境パターンに基づいて、前記制御対象エリアの環境を制御する環境制御部を、更に備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【請求項5】
前記関連情報は、前記少なくとも2以上のユーザの交流に係る交流関連情報、及び前記少なくとも2以上のユーザの属性から得られる属性関連情報のうち少なくとも一方の情報である、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項6】
前記複数のユーザの各々について、当該ユーザが前記制御対象エリアで発した音声に係る情報を取得する音声情報取得部と、
前記少なくとも2以上のユーザの各々の音声に係る情報を基に、前記関連情報を補正する補正部と、を更に備える、
請求項1又は5に記載の環境制御システム。
【請求項7】
前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの各々の前記制御対象エリアにおける位置関係を取得する位置関係取得部を、更に備え、
前記決定部は、前記位置関係に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する、
請求項1,5及び6のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【請求項8】
前記位置関係は、前記少なくとも2以上のユーザ間の距離に係る情報を含む、
請求項7に記載の環境制御システム。
【請求項9】
前記制御対象エリアには、複数の照明機器が設けられており、
前記決定部は、前記複数の照明機器の各々の照明パターンを前記環境パターンとして決定する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【請求項10】
複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する関連情報取得ステップと、
前記複数のユーザのうち前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する、
環境制御方法。
【請求項11】
複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する決定ステップと、を含み、
前記制御対象エリアには、スピーカが設けられており、
前記決定ステップでは、前記スピーカから出力する音の有無を、前記環境パターンとして決定する、
環境制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項10又は11に記載の環境制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に環境制御システム、環境制御方法及びプログラムに関し、より詳細には制御対象エリアに存在するユーザの関連性に応じて環境を制御する環境制御システム、環境制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居室空間を複数の単位空間に仮想分割して単位空間毎に設備機器の制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、単位空間に人が存在すると判定された場合、当該単位空間に対応する設備機器に対して、人の嗜好情報を利用した制御を行う。
【0004】
単位空間(制御対象エリア)に複数の人(ユーザ)が存在する場合、一のユーザの嗜好情報を用いて設備機器を制御すると、他のユーザにとっては快適な環境とは言えないことがある。そのため、制御対象エリアに同一作業等を行う複数のユーザが存在する場合、複数のユーザのそれぞれが適切な環境で作業等が行えない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-107871号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、制御対象エリアに関連性を有する複数のユーザが存在する場合に複数のユーザに適切な環境を提供することができる環境制御システム、環境制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様に係る環境制御システムは、位置情報取得部と、関連情報取得部と、決定部と、を備える。前記位置情報取得部は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。前記関連情報取得部は、前記複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する。前記決定部は、前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの前記位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。前記決定部は、前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。
本開示の一態様に係る環境制御システムは、位置情報取得部と、決定部と、を備える。前記位置情報取得部は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。前記決定部は、前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの前記位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。前記制御対象エリアには、スピーカが設けられている。前記決定部は、前記スピーカから出力する音の有無を、前記環境パターンとして決定する。
【0008】
本開示の一態様に係る環境制御方法は、位置情報取得ステップと、関連情報取得ステップと、決定ステップと、を含む。前記位置情報取得ステップは、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。前記関連情報取得ステップは、前記複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する。前記決定ステップは、前記複数のユーザのうち前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの前記位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。前記決定ステップでは、前記関連情報に対応する前記少なくとも2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。
本開示の一態様に係る環境制御方法は、位置情報取得ステップと、決定ステップと、を含む。前記位置情報取得ステップは、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。前記決定ステップは、前記複数のユーザのうち前記複数のユーザのうち制御対象エリアに存在し、互いに関連がある2以上のユーザの前記位置情報から得られる当該2以上のユーザの前記制御対象エリアにおける位置に基づいて前記制御対象エリアの環境パターンを決定する。前記制御対象エリアには、スピーカが設けられている。前記決定ステップでは、前記スピーカから出力する音の有無を、前記環境パターンとして決定する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、前記環境制御方法を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一態様に係る環境制御装置の構成を説明する図である。
図2図2は、同上の環境制御装置を備える管理システムの構成を説明する図である。
図3図3は、同上の環境制御装置の動作を説明する図である。
図4図4は、変形例1に係る環境制御装置の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る環境制御システム1及び管理システム2について、図1図3を用いて説明する。
【0013】
(1)概要
本実施形態に係る管理システム2は、図2に示すように、環境制御システム1としての環境制御装置10と、位置情報システム3と、照明制御装置20と、複数(図示例では6台)の照明機器50と、スピーカ60と、を備える。
【0014】
位置情報システム3は、図2に示すように、複数の受信装置30と、複数(図示例では6つ)のタグ40と、を備える。
【0015】
複数の受信装置30は、施設に設けられたフロアF1に備えられる。フロアF1は、複数のゾーン(ここでは、3つのゾーンR1,R2,R3)に分割されている。さらに、各ゾーンは、少なくとも1つの制御領域(ここでは、2つの領域)を有している。ゾーンR1は、2つの制御領域R11,R12を有している。ゾーンR2は、2つの制御領域R21,R22を有している。ゾーンR3は、2つの制御領域R31,R32を有している。
【0016】
各制御領域は、1つ以上の検知領域を有している。例えば、制御領域R11は、3つの検知領域D11、D12,D13を有している。制御領域R12は、3つの検知領域D15、D16,D17を有している。なお、図2では、制御領域R21,R22,R31,R32に含まれる少なくとも1つの検知領域を省略している。
【0017】
各検知領域には、受信装置30が設けられている。つまり、検知領域が受信装置30の検知範囲となる。ここで、施設は、オフィスビル又は事務所である。
【0018】
ゾーンR1~R3のそれぞれには、1つ以上の照明機器50が設けられている。具体的には、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに含まれる検知領域ごとに1つ以上の照明機器50(図示例では、1つの照明機器)が設けられている。さらには、ゾーンR1~R3のそれぞれには、スピーカ60が設けられている。
【0019】
複数のタグ40のそれぞれは、受信装置30と無線通信が可能に構成されている。タグ40は、ユーザに所持される。タグ40は、当該タグ40を所持するユーザが検知領域内に進入すると、当該検知領域に設けられた受信装置30と通信を行う。受信装置30は、タグ40から情報(例えば、タグ40の識別子)を受信すると、自装置の識別子を含む情報であってユーザを検知したことを表す検知位置情報(以下、「位置情報」ともいう)を、環境制御装置10に送信する。
【0020】
環境制御装置10は、複数の受信装置30の各々から検知位置情報を受信する。環境制御装置10は、受信した複数の検知位置情報を用いて、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザと他のユーザとの交流関係及び属性関係のうち少なくとも一方を含む関連情報を取得する。さらには、環境制御装置10は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザと他のユーザとの位置関係に係る情報(位置関係情報)を取得する。環境制御装置10は、関連情報及び位置関係情報を用いて、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンでの照明機器50の照度及び調色を、当該ゾーンに設けられたスピーカ60からの音の出力の有無を、それぞれ決定する。
【0021】
環境制御装置10は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに対して決定された照度及び調色に従って、当該ゾーンに設けられた1つ以上の照明機器50を照明制御装置20を介して制御する。環境制御装置10は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに対して決定された音の出力の有無に従って、当該ゾーンに設けられたスピーカ60を制御する。
【0022】
(2)構成
(2-1)環境制御装置
環境制御装置10は、図1に示すように、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。
【0023】
環境制御装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部13として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0024】
通信部11は、受信装置30、照明制御装置20及びスピーカ60と通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0025】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等のいずれかのデバイスで構成される。
【0026】
記憶部12は、複数のタグ40の識別子(タグ識別子)と複数のユーザの識別子(ユーザ識別子)とを一対一に対応付けて記憶している。
【0027】
記憶部12は、複数のユーザのそれぞれに対応する属性情報を記憶している。具体的には、記憶部12は、表1に示すように、ユーザごとに、ユーザ名、ユーザ識別子、所属及び職位を記憶している。ここで、属性情報は、対応するユーザの所属及び職位を含む情報である。ユーザ識別子は、対応するユーザを識別する識別子である。所属は、対応するユーザが属する部署を表す。職位は、対応するユーザの職位を表す。表1において、職位“-”は、一般社員を表す。例えば、表1では、ユーザ“A”には、ユーザ識別子“ID01”、所属“商品部”、職位“リーダ”がそれぞれ対応付けられている。
【0028】
【表1】
【0029】
記憶部12は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応する検知位置情報に基づいた移動履歴を時系列に記憶している。
【0030】
記憶部12は、複数の照明機器50を制御するための複数の照明パターン及びスピーカ60からの音の出力の有無を表す音出力パターンを記憶している。
【0031】
例えば、記憶部12は、照明機器50について集中作業に適した照度及び調色を表す第1照明パターン、及び照明機器50についてコミュニケーションを活発化するために適した照度及び調色を表す第2照明パターンを記憶する。より詳細には、第1照明パターンには、集中作業に適した照度の値及び調色の値が含まれる。第2照明パターンには、コミュニケーションを活発化するために適した照度の値及び調色の値が含まれる。本実施形態では、調色の値は、色温度である。ここで、集中作業に適した照度の値は750luxであり、調色の値は5000Kである。コミュニケーションを活発化するために適した照度の値は750luxであり、調色の値は4000Kである。
【0032】
さらに、記憶部12は、音出力パターンを照明パターンに対応付けて記憶する。例えば、第1照明パターンには、音の出力が有ることを表す音出力パターン(第1音出力パターン)が対応付けられる。第2照明パターンには、音の出力が無いことを表す音出力パターン(第2音出力パターン)が対応付けられる。
【0033】
制御部13は、図1に示すように、位置情報取得部131、関連情報取得部132、位置関係取得部133、決定部134及び環境制御部135を有する。
【0034】
位置情報取得部131は、フロアF1に存在する複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部131は、フロアF1に設けられた複数の受信装置30のそれぞれから、当該受信装置30が設けられた検知領域に存在する複数のユーザのそれぞれのタグ40から送信されたタグ識別子、及び当該受信装置30の識別子を含む位置情報を、通信部11を介して受け取る。
【0035】
関連情報取得部132は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応するタグ識別子に対応するユーザ識別子を記憶部12から取得する。関連情報取得部132は、複数のユーザのそれぞれについて、関連情報取得部132が取得した当該ユーザのユーザ識別子に対応する属性(例えば、所属)を、記憶部12から取得する。
【0036】
関連情報取得部132は、複数のユーザのうち少なくとも2人のユーザのそれぞれの属性を基に当該少なくとも2人のユーザの関連を表す関連情報を取得する。例えば、関連情報取得部132は、各ユーザの属性を基に、複数のユーザのうち2以上のユーザに対して同一の属性(所属)を表す属性関連情報を生成し、関連情報として取得する。関連情報取得部132は、同一の属性である2以上のユーザのグループが複数存在する場合には、グループごとに、属性情報を取得する。
【0037】
位置関係取得部133は、ゾーンR1~R3ごとに、関連情報に対応する2人以上のユーザについて、当該2人以上のユーザのそれぞれに対応する位置情報から得られる当該2以上のユーザの当該ゾーンにおける位置に基づいて、当該2以上のユーザの当該ゾーンにおける位置関係を取得する。具体的には、位置関係取得部133は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、属性情報に対応するグループに含まれる各ユーザ間の当該ゾーンにおける位置関係を取得する。
【0038】
ゾーンR1に所属が商品部である2以上のユーザ(例えば、ユーザA,B,C)が存在する場合には、位置関係取得部133は、ユーザA,B,Cの位置関係を取得する。より詳細には、位置関係取得部133は、ユーザA,B,Cのそれぞれに対応するタグ識別子を送信した受信装置30の位置に基づいて、つまりユーザA,B,Cのそれぞれに対応する位置情報に含まれる受信装置30の識別子を用いて、ユーザA,B,Cの位置関係を取得する。ユーザA,B,Cのそれぞれに対応するタグ識別子が同一の受信装置30から送信されている場合には、位置関係取得部133は、各ユーザの位置が密であることを表す位置関係を取得する。ユーザA,B,Cのうち少なくとも一のユーザに対応するタグ識別子が他のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30とは異なる受信装置30から送信されている場合には、位置関係取得部133は、各ユーザの位置が疎であることを表す位置関係を取得する。
【0039】
決定部134は、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの位置関係に応じて当該ゾーンの環境パターンを決定する。具体的には、決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、関連情報取得部132が取得した関連情報に対応する2以上のユーザの当該ゾーンにおける位置に応じて当該ゾーンの環境パターンを決定する。より詳細には、決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、位置情報が表す位置が当該ゾーンに含まれ、同一属性である2以上のユーザについて位置関係取得部133が取得した当該ゾーンにおける位置関係に基づいて当該ゾーンの環境パターンを決定する。
【0040】
例えば、決定部134は、同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係に基づいて、ゾーンR1の環境パターンを決定する。具体的には、同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が疎を表す場合には、決定部134は、第1照明パターン及び第1音出力パターンを、ゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が密を表す場合には、決定部134は、第2照明パターン及び第2音出力パターンを、ゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。
【0041】
環境制御部135は、決定部134が決定した環境パターンに基づいて、対応するゾーンの環境を制御する。具体的には、環境制御部135は、決定部134が決定した照明パターンを照明制御装置20に送信し、照明制御装置20を介して各照明機器50を制御する。このとき、照明制御装置20は、決定部134が決定した第1照明パターン又は第2照明パターンに基づいて、制御対象であるゾーンに設けられた各照明機器50を制御する。さらに、環境制御部135は、決定部134が決定した第1音出力パターン又は第2音出力パターンに基づいて、制御対象であるゾーンに設けられたスピーカ60を制御する。
【0042】
(2-2)照明制御装置
照明制御装置20は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが照明制御装置20として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0043】
照明制御装置20は、環境制御装置10が取得した照明パターンを、環境制御装置10から受け取る。
【0044】
照明制御装置20は、照明パターンに従った制御対象の複数の照明機器50、言い換えると制御対象のゾーン(制御対象エリア)に設けられた複数の照明機器50を、環境制御装置10から受け取った照明パターンの制御内容に基づいて制御する。具体的には、照明制御装置20は、制御対象のゾーンに含まれる制御領域ごとに、当該制御領域に設けられた複数の照明機器50を、照明パターンの制御内容に基づいて制御する。例えば、制御対象のゾーンがゾーンR1である場合、照明制御装置20は、制御領域R11、R12のそれぞれに対して、当該制御領域に設けられた複数の照明機器50を、照明パターンの制御内容に基づいて制御する。
【0045】
(3)動作
ここでは、環境制御装置10の動作について、図3を用いて説明する。
【0046】
位置情報取得部131は、フロアF1に存在する複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する(ステップS1)。具体的には、位置情報取得部131は、複数の受信装置30のそれぞれから、フロアF1に存在する複数のユーザのそれぞれのタグ40から送信されたタグ識別子を位置情報として受け取る。
【0047】
関連情報取得部132は、複数のユーザのうち少なくとも2人のユーザの関連を表す関連情報を取得する(ステップS2)。具体的には、関連情報取得部132は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応するタグ識別子ごとに対応付けられたユーザ識別子に対応する属性(例えば、所属)を、記憶部12から取得する。関連情報取得部132は、例えば、関連情報取得部132は、各ユーザの属性を基に、複数のユーザのうち2以上のユーザに対応する属性関連情報を関連情報として取得する。
【0048】
位置関係取得部133は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、関連情報に対応する少なくとも2人のユーザの各々の当該ゾーンにおける位置関係を取得する(ステップS3)。具体的には、位置関係取得部133は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、属性情報に対応するグループに含まれる各ユーザ間の当該ゾーンにおける位置関係を取得する。
【0049】
決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザの当該ゾーンにおける位置関係に基づいて、第1決定処理を行う(ステップS4)。具体的には、決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザについて、当該ゾーンにおける2以上のユーザの位置関係に応じて当該ゾーンの照明パターンを環境パターンとして決定する。同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が疎を表す場合には、決定部134は、第1照明パターンをゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が密を表す場合には、決定部134は、第2照明パターンをゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。
【0050】
決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザの当該ゾーンにおける位置関係に基づいて、第2決定処理を行う(ステップS5)。具体的には、決定部134は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザについて、当該ゾーンにおける2以上のユーザの位置関係に応じて当該ゾーンの音出力パターンを環境パターンとして決定する。同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が疎を表す場合には、決定部134は、第1音出力パターンをゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。同一属性である2以上のユーザのゾーンR1における位置関係が密を表す場合には、決定部134は、第2音出力パターンをゾーンR1に対する環境パターンとして決定する。
【0051】
環境制御部135は、制御処理を行う(ステップS6)。具体的には、環境制御部135は、決定部134が決定した環境パターンに基づいて、対応するゾーンの環境を制御する。より詳細には、環境制御部135は、決定部134が決定した照明パターンを照明制御装置20に送信し、照明制御装置20を介して制御対象であるゾーンに設けられた各照明機器50を制御する。さらに、環境制御部135は、決定部134が決定した第1音出力パターン又は第2音出力パターンに基づいて、制御対象であるゾーンに設けられたスピーカ60を制御する。
【0052】
(4)利点
以上説明したように、本実施形態の環境制御装置10は、位置情報取得部131と、決定部134と、を備える。位置情報取得部131は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。決定部134は、複数のユーザのうち制御対象エリア(例えば、ゾーンR1~R3)に存在し、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定する。
【0053】
この構成によると、環境制御装置10は、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザは、適切な環境で作業等を行うことができる。
【0054】
例えば、互いに関連があるユーザが、制御対象エリアにおいて近くに存在する場合、各ユーザは、コミュニケーションの発生を目的として、近くに位置していると考えられる。この場合、環境制御装置10は、制御対象エリアを、コミュニケーションを活発化するために適した環境とする。具体的には、環境制御装置10は、制御対象エリア内の照明機器50の照度の値を750lux、調色の値を4000Kとすることで、制御対象エリアをコミュニケーションを活発化するために適した環境とすることができる。
【0055】
また、互いに関連があるユーザが、制御対象エリアにおいて離れた位置に存在する場合、各ユーザは、コミュニケーションの発生を抑えて作業等に集中することを目的としていると考えられる。この場合、環境制御装置10は、制御対象エリアを、集中作業に適した環境とする。具体的には、環境制御装置10は、制御対象エリア内の照明機器50の照度の値を750lux、調色の値を5000Kとすることで、制御対象エリアを集中作業に適した環境とすることができる。
【0056】
(5)変形例
以下、本実施形態に対する変形例を列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0057】
(5-1)変形例1
本変形例では、関連情報として、2以上のユーザ間の交流に係る交流関連情報を関連情報として用いる点が、実施形態1とは異なる。以下、本変形例における環境制御装置10Aについて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。本変形例では、タグ40は、マイクを備えるとする。
【0058】
タグ40は、マイクでユーザの音声を取得すると、ユーザの音声を取得した旨の音声取得情報を、タグ識別子とともに受信装置30に送信する。受信装置30は、音声取得情報を受け取ると、音声取得情報を受け取った日時を含む音声情報をユーザが発した音声に係る情報として、タグ識別子とともに環境制御装置10Aに送信する。
【0059】
本変形例の記憶部12は、実施形態1で説明した記憶内容の他、ユーザごとに他のユーザとの交流に係る情報(交流情報)を記憶する。具体的には、記憶部12は、複数のユーザのうち2人のユーザの組み合わせごとに、一のユーザと他のユーザとの交流に係る交流情報を記憶する。ここで、交流情報は、対応する一のユーザと他のユーザとの間の会話の頻度に基づく交流度合を表す。さらに、本変形例の記憶部12は、ユーザごとに、音声情報を、音声が発せられたエリア、制御領域及び検知領域に対応付けて時系列に記憶する。
【0060】
本変形例の環境制御装置10Aは、図4に示すように、通信部11、記憶部12及び制御部13Aを備える。
【0061】
環境制御装置10Aは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部13Aとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0062】
制御部13Aは、図4に示すように、位置情報取得部131、関連情報取得部132、位置関係取得部133、決定部134、環境制御部135、音声情報取得部136及び補正部137を有する。
【0063】
音声情報取得部136は、複数のユーザの各々について、当該ユーザが所持するタグ40のマイクが取得した当該ユーザが発した音声に係る音声情報を取得する。音声情報取得部136は、音声情報の送信元である受信装置30を特定し、特定した受信装置30の設置位置に基づいて、ユーザが存在するエリア、制御領域及び検知領域を特定する。音声情報取得部136は、取得した音声情報を、特定したエリア、制御領域及び検知領域に対応付けて記憶部12に記憶する。
【0064】
補正部137は、複数のユーザのうち少なくとも2人のユーザの各々の音声情報を基に、関連情報としての交流関連情報を補正する。補正部137は、複数のユーザのうち2人のユーザの組み合わせにおいて、一のユーザの音声情報と他のユーザの音声情報とが同一の日時かつ同一の場所で取得されている場合には、一のユーザと他のユーザとの間で会話が行われていると判断する。補正部137は、一のユーザと他のユーザとの間で会話が行われていると判断する場合には、一のユーザと他のユーザと組み合わせに対して会話回数をカウントする。補正部137は所定期間における会話回数が第1所定値以上である場合には、交流度合が高いと判断する。補正部137は所定期間における会話回数が第1所定値より小さい第2所定値以下である場合には、交流度合が低いと判断する。補正部137は、交流度合の判断結果を基に交流情報を補正(更新)する。
【0065】
本変形例の位置関係取得部133は、複数のユーザのうち少なくとも2人のユーザの交流度合が高いことを表す交流情報を関連情報として取得する。交流度合が高い2以上のユーザのそれぞれに対応するタグ識別子が同一の受信装置30から送信されている場合には、位置関係取得部133は、各ユーザの位置が密であることを表す位置関係を取得する。交流度合が高い2以上のユーザのうち少なくとも一のユーザに対応するタグ識別子が他のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30とは異なる受信装置30から送信されている場合には、位置関係取得部133は、各ユーザの位置が疎であることを表す位置関係を取得する。
【0066】
(5-2)変形例2
上記実施形態では、環境制御装置10は、タグ40のタグ識別子を環境制御装置10に送信した受信装置30の設置位置に基づいて、各ユーザの位置が密であるか疎であるかを表す位置関係を取得する構成としたが、この構成に限定されない。
【0067】
環境制御装置10の位置関係取得部133は、同一の属性(所属)を表す属性関連情報に対応する2以上のユーザ間の平均距離に基づいて、各ユーザの位置が密であるか疎であるかを表す位置関係を取得してもよい。
【0068】
この場合、記憶部12は、各受信装置30間の距離を予め記憶している。
【0069】
位置関係取得部133は、2以上のユーザのうち一対のユーザの組み合わせごとに、一のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30と、他のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30との距離を記憶部12から取得する。なお、一のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30と、他のユーザのタグ識別子を送信した受信装置30とが同一の装置である場合には、距離は“0”とする。位置関係取得部133は、取得した距離の平均値を求める。位置関係取得部133は、求めた平均値が所定値以下である場合は、各ユーザの位置が密であることを表す位置関係を取得する。位置関係取得部133は、求めた平均値が所定値より大きい場合は、各ユーザの位置が疎であることを表す位置関係を取得する。
【0070】
(5-3)変形例3
上記実施形態において、位置関係取得部133は、同一属性であるユーザの総数に対する、ゾーンに存在する同一属性のユーザの数の割合に基づいて、ゾーンにおける各ユーザの位置関係を取得してもよい。
【0071】
例えば、位置関係取得部133は、所属が同一であるユーザ(例えば、商品部に属するユーザ)の総数に対する、ゾーンR1に存在する商品部のユーザの割合が第1所定値(例えば70%)以上である場合には、各ユーザの位置が密であることを表す位置関係を取得する。位置関係取得部133は、所属が同一であるユーザ(例えば、商品部に属するユーザ)の総数に対する、ゾーンR1に存在する商品部のユーザの割合が第2所定値(例えば30%)以上である場合には、各ユーザの位置が疎であることを表す位置関係を取得する。
【0072】
(5-4)変形例4
上記実施形態では、環境制御装置10は、環境制御として、複数の照明機器50の制御、及び音出力の制御の双方を行う構成としたが、この構成に限定されない。
【0073】
環境制御装置10は、複数の照明機器50の制御、及び音出力の制御のうち一方の制御を行ってもよい。要は、環境制御装置10は、環境制御として、複数の照明機器50の制御、及び音出力の制御のうち少なくとも一方の制御を行う構成であればよい。
【0074】
(5-5)変形例5
上記実施形態において、記憶部12が記憶する照明パターン及び音出力パターンは、ユーザにより変更可能であってもよい。例えば、ユーザの情報端末から、照明パターン及び音出力パターンを変更してもよい。
【0075】
また、記憶部12が記憶するパターン数も2つに限定されない。記憶部12が記憶するパターンは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、記憶部12が1つのパターンを記憶する場合には、記憶部12が記憶するパターンは、照明パターンであってもよいし、音出力パターンであってもよいし、又は他のパターンであってもよい。また、記憶部12が3つ以上のパターンを記憶する場合には、記憶部12が記憶するパターンは、照明パターン、音出力パターン及び他のパターンを含む。
【0076】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、環境制御システム1と同様の機能は、環境制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る環境制御方法は、位置情報取得ステップと、決定ステップと、を含む。位置情報取得ステップは、制御対象エリア(例えば、ゾーンR1~R3)に存在する複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。決定ステップは、複数のユーザのうち互いに関連がある2以上のユーザについて、制御対象エリアにおける2以上のユーザの位置関係に応じて、制御対象エリアの環境パターンを決定する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した環境制御方法として機能させるためのプログラムである。
【0077】
本開示における環境制御システム1又は環境制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における環境制御システム1又は環境制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0078】
コンピュータシステムである環境制御システム1は、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、環境制御システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0079】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の環境制御システム(1)は、位置情報取得部(131)と、決定部(134)と、を備える。位置情報取得部(131)は、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。決定部(134)は、複数のユーザのうち制御対象エリア(例えば、ゾーンR1~R3)に存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定する。
【0080】
この構成によると、環境制御システム(1)は、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザ(複数のユーザ)は適切な環境で作業等を行うことができる。
【0081】
第2の態様の環境制御システム(1)は、第1の態様において、環境制御部(135)を、更に備える。環境制御部(135)は、決定部(134)が決定した環境パターンに基づいて、制御対象エリアの環境を制御する。
【0082】
この構成によると、環境制御システム(1)は、複数のユーザが適切な環境で作業等を行えるように、制御対象エリアの環境を制御することができる。
【0083】
第3の態様の環境制御システム(1)は、第1又は第2の態様において、関連情報取得部(132)を、更に備える。関連情報取得部(132)は、複数のユーザのうち少なくとも2以上のユーザの関連を表す関連情報を取得する。決定部(134)は、関連情報に対応する少なくとも2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定する。
【0084】
この構成によると、関連情報を用いることで、互いに関連がある複数のユーザを適切に選択することができる。
【0085】
第4の態様の環境制御システム(1)では、第3の態様において、関連情報は、上記少なくとも2以上のユーザの交流に係る交流関連情報、及び上記少なくとも2以上のユーザの属性から得られる属性関連情報のうち少なくとも一方の情報である。
【0086】
この構成によると、交流関連情報及び属性関連情報のうち少なくとも一方お情報を用いることで、互いに関連がある複数のユーザを適切に選択することができる。
【0087】
第5の態様の環境制御システム(1)は、第3又は第4の態様において、音声情報取得部(136)と、補正部(137)と、を備える。音声情報取得部(136)は、複数のユーザの各々について、当該ユーザが制御対象エリアで発した音声に係る情報を取得する。補正部(137)は、上記少なくとも2以上のユーザの各々の音声に係る情報を基に、関連情報を補正する。
【0088】
この構成によると、関連情報を補正することで、複数のユーザの関連性を適切な状態とすることができる。そのため、互いに関連がある複数のユーザを適切に選択することができる。
【0089】
第6の態様の環境制御システム(1)は、第3~第5のいずれかの態様において、位置関係取得部(133)を、更に備える。位置関係取得部(133)は、関連情報に対応する上記少なくとも2以上のユーザの各々の制御対象エリアにおける位置関係を取得する。決定部(134)は、位置関係に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定する。
【0090】
この構成によると、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザは、適切な環境で作業等を行うことができる。
【0091】
第7の態様の環境制御システム(1)では、第6の態様において、位置関係は、上記少なくとも2以上のユーザ間の距離に係る情報を含む。
【0092】
この構成によると、ユーザ間の距離に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザは適切な環境で作業等を行うことができる。
【0093】
第8の態様の環境制御システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、制御対象エリアには、複数の照明機器(50)が設けられている。決定部(134)は、複数の照明機器(50)の各々の照明パターンを環境パターンとして決定する。
【0094】
この構成によると、複数のユーザが適切な環境で作業を行えるように、照明機器(50)の各々の照明パターンを決定することができる。
【0095】
第9の態様の環境制御システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、制御対象エリアには、スピーカ(60)が設けられている。決定部(134)は、スピーカ(60)から出力する音の有無を、環境パターンとして決定する。
【0096】
この構成によると、複数のユーザが適切な環境で作業を行えるように、スピーカ(60)からの音の有無を決定することができる。
【0097】
第10の態様の環境制御方法は、位置情報取得ステップと、決定ステップと、を含む。位置情報取得ステップは、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに係る位置情報を取得する。決定ステップは、複数のユーザのうち制御対象エリア(例えば、ゾーンR1~R3)に存在し、互いに関連がある2以上のユーザの位置情報から得られる当該2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定する。
【0098】
この環境制御方法によると、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザ(複数のユーザ)は適切な環境で作業等を行うことができる。
【0099】
第11の態様のプログラムは、コンピュータに、第10の態様の環境制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0100】
このプログラムによると、互いに関連がある2以上のユーザの制御対象エリアにおける位置に基づいて制御対象エリアの環境パターンを決定するので、2以上のユーザ(複数のユーザ)は適切な環境で作業等を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1 環境制御システム
10 環境制御装置
50 照明機器
60 スピーカ
131 位置情報取得部
132 関連情報取得部
133 位置関係取得部
134 決定部
135 環境制御部
136 音声情報取得部
137 補正部
R1,R2,R3 ゾーン(制御対象エリア)
図1
図2
図3
図4