(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】バッテリ管理システム、バッテリ管理方法および端末装置
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20230217BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230217BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20230217BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20230217BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20230217BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20230217BHJP
【FI】
H02J13/00 301J
H02J13/00 301A
H02J7/00 P
G06Q50/06
H01M10/42 A
B60L50/60
B60L53/80
(21)【出願番号】P 2021503455
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002186
(87)【国際公開番号】W WO2020179261
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2019040798
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹村 将志
(72)【発明者】
【氏名】財津 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】篠原 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】青砥 宏治
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 凌大
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-110517(JP,A)
【文献】特開2018-160073(JP,A)
【文献】特開2006-331405(JP,A)
【文献】特開2012-226625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 7/00
G06Q 50/06
H01M 10/42
B60L 50/60
B60L 53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、
この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、
ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、
を有するバッテリ管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、
更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、
前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示することを特徴とするバッテリ管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記バッテリステーションごとの前記稼動状況情報を蓄積し、
前記バッテリステーションの位置情報に基づいて、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの前記稼動状況情報を選択することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記バッテリステーションの開設時期と前記指定日時との差分が所定期間内である場合に、前記定型画像の表示形態を変更することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のバッテリ管理システム。
【請求項4】
前記定型画像の表示形態の変更は、表示色、点滅、文字の付加、および図形の付加の少なくともいずれかであることを特徴とする
請求項3に記載のバッテリ管理システム。
【請求項5】
サーバ装置において、ユーザがバッテリ装置の交換を行うバッテリステーションおよびバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、
ユーザが所持する端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、
更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、
前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示することを特徴とするバッテリ管理方法。
【請求項6】
ユーザが所持し、サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、
ユーザがバッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定すると、
前記サーバ装置において、指定日時に関する情報、指定エリアのマップ情報および稼動状況情報が取得され、
前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記サーバ装置から受信して表示することを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両などのユーザがバッテリステーションでバッテリ装置を交換するバッテリ交換サービスにおいて、バッテリステーションやバッテリ装置を管理するバッテリ管理システムおよびバッテリ管理方法、ならびにユーザが所持する端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、排気ガスによる大気汚染や燃料コストの問題を解消する観点から、電動バイクなどの電動車両が注目されている。このような電動車両では、バッテリ装置の性能向上により航続距離が伸びているが、バッテリ装置の充電が支障となって、長時間の連続走行ができないという不便がある。
【0003】
そこで、このような不便を解消するため、従来、電動車両に、着脱可能なバッテリ装置を搭載して、バッテリステーションにおいて、残量が少なくなったバッテリ装置と充電済みのバッテリ装置とを交換できるようにして、長時間の連続走行を実現するバッテリ交換サービスが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、従来の技術では、GPS(Global Positioning System)によりユーザの現在位置を取得し、このユーザの現在位置に基づいて、ユーザの近くにあるバッテリステーションの位置をユーザに案内するとともに、そのバッテリステーションにおけるバッテリ装置の可用性に関する情報、具体的には、そのバッテリステーションでバッテリ交換ができるか、また、何個のバッテリ装置を交換できるかという稼動状況に関する情報をユーザに提供するようにしている。
【0006】
しかしながら、従来の技術のように、ユーザの現在位置に基づいて、ユーザの近くにあるバッテリステーションの位置をユーザに案内するのみでは、バッテリステーションの案内としては不十分であった。例えば、遠くの目的地まで向かう経路の途中にあるバッテリステーションの位置を確認したいといった要望があるが、従来の技術では、このような要望に対して何ら配慮されておらず、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況をユーザが簡単に把握することができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況をユーザが簡単に把握することができるバッテリ管理システム、バッテリ管理方法および端末装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のバッテリ管理システムは、バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、を有するバッテリ管理システムであって、前記サーバ装置は、前記端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示する構成とする。
【0009】
また、本発明のバッテリ管理方法は、サーバ装置において、ユーザがバッテリ装置の交換を行うバッテリステーションおよびバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、ユーザが所持する端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示する構成とする。
【0010】
また、本発明の端末装置は、ユーザが所持し、サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、ユーザがバッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定すると、前記サーバ装置において、指定日時に関する情報、指定エリアのマップ情報および稼動状況情報が取得され、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記サーバ装置から受信して表示する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ガイドマップにより、ユーザが指定した日時を基準にして、ユーザの利用予定に応じたバッテリステーションの開設状況を案内することができる。これにより、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るバッテリ共用システムの全体構成図
【
図2】バッテリ交換機3、管理サーバ4、およびユーザ端末5の概略構成を示すブロック図
【
図3】管理サーバ4で用いられる定型マップ管理テーブルおよびバッテリステーション管理テーブルの登録内容を示す説明図
【
図4】ユーザ端末5に表示されるログイン画面を示す説明図
【
図5】ユーザ端末5に表示される検索画面を示す説明図
【
図6】ユーザ端末5に表示されるステーション案内画面を示す説明図
【
図7】ステーション案内画面におけるバッテリステーションのアイコン92の遷移状況を示す説明図
【
図8】ユーザ端末5に表示される通知一覧画面を示す説明図
【
図9】ユーザ端末5に表示される詳細通知画面を示す説明図
【
図10】バッテリステーション情報提供時のユーザ端末5および管理サーバ4の動作手順を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、を有するバッテリ管理システムであって、前記サーバ装置は、前記端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示する構成とする。
【0014】
これによると、ガイドマップにより、ユーザが指定した日時を基準にして、ユーザの利用予定に応じたバッテリステーションの開設状況を案内することができる。これにより、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況を把握することができる。
【0015】
また、第2の発明は、前記サーバ装置は、前記バッテリステーションごとの前記稼動状況情報を蓄積し、前記バッテリステーションの位置情報に基づいて、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの前記稼動状況情報を選択する構成とする。
【0016】
これによると、バッテリステーションの稼動状況を適切にユーザに案内することができる。
【0019】
また、第3の発明は、前記サーバ装置は、前記バッテリステーションの開設時期と前記指定日時との差分が所定期間内である場合に、前記定型画像の表示形態を変更する構成とする。
【0020】
これによると、最近新設されたバッテリステーションや、近日中に新設されるバッテリステーションをユーザに案内することができる。
【0021】
また、第4の発明は、前記定型画像の表示形態の変更は、表示色、点滅、文字の付加、および図形の付加の少なくともいずれかである構成とする。
【0022】
これによると、最近新設されたバッテリステーションや、近日中に新設されるバッテリステーションを、ユーザが即座に把握することができる。
【0023】
また、第5の発明は、サーバ装置において、ユーザがバッテリ装置の交換を行うバッテリステーションおよびバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、ユーザが所持する端末装置での前記バッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定するユーザの操作に応じて、指定日時に関する情報および指定エリアのマップ情報を取得し、更に、前記指定エリア内に位置する前記バッテリステーションの開設時期に関する稼動状況情報を取得し、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記端末装置に表示する構成とする。
【0024】
これによると、第1の発明と同様に、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況をユーザが簡単に把握することができる。
【0025】
また、第6の発明は、ユーザが所持し、サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、ユーザがバッテリステーションの案内を希望する日時、エリアを指定すると、前記サーバ装置において、指定日時に関する情報、指定エリアのマップ情報および稼動状況情報が取得され、前記指定日時を基準に、前記マップ情報および前記稼動状況情報に基づいて、前記バッテリステーションの開設状況に対応する表示形態を有した前記バッテリステーションの位置を示す定型画像を前記指定エリアのマップ上に重畳した当該バッテリステーションの開設時期の新旧を識別可能にしたガイドマップを、前記サーバ装置から受信して表示する構成とする。
【0026】
これによると、第1の発明と同様に、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況をユーザが簡単に把握することができる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係るバッテリ共用システムの全体構成図である。
【0029】
このバッテリ共用システムは、電動バイクなどの電動車両1に搭載するバッテリパック2(バッテリ装置)を複数のユーザで共用するサービス(バッテリ交換サービス)を提供するものであり、バッテリ交換機3(バッテリ交換装置)と、管理サーバ4(サーバ装置)と、ユーザ端末5(端末装置)と、管理端末6と、保守端末7と、を備えている。
【0030】
バッテリ交換機3、管理サーバ4、ユーザ端末5、管理端末6、および保守端末7はインターネットなどのネットワークを介して接続されている。なお、バッテリ交換機3およびユーザ端末5は、移動体通信ネットワークや無線LANなどの無線通信でネットワーク接続される。
【0031】
電動車両1は、バッテリパック2を搭載し、バッテリパック2の電力により走行する。
図1に示す例では、電動車両1を電動バイクとしたが、4輪の自動車でもよい。また、車道走行が前提となっていないモビリティ装置である電動車椅子、電動カート、テーマパークやゴルフ場等での乗用カートであってもよい。
【0032】
バッテリ交換機3は、ユーザから返却されたバッテリパック2を収容して充電すると共に、返却されたバッテリパック2と交換で充電済みのバッテリパック2をユーザに貸し出す。このバッテリ交換機3は、コンビニやガソリンスタンドなどの施設(店舗)に併設されたバッテリステーションに配置される。また、1箇所のバッテリステーションに複数のバッテリ交換機3が設置される。
【0033】
管理サーバ4は、バッテリ交換サービスに加入してバッテリパック2を使用する人物をユーザ(会員)として登録し、バッテリパック2とその貸出先のユーザとを紐付けて管理する。また、管理サーバ4は、バッテリ交換機3でのバッテリパック2の交換状況を管理する。また、管理サーバ4は、バッテリ交換機3の状態(オンラインか否か)や、このバッテリ交換機3に収容されたバッテリパック2の状態(充電済みか否か)を監視して、バッテリ交換機3やバッテリパック2の状態情報を管理端末6や保守端末7に配信する。また、管理サーバ4は、バッテリステーションの稼動状況などに関する情報をユーザ端末5に配信する。
【0034】
ユーザ端末5は、スマートフォンやタブレット端末などであり、電動車両1のユーザが所持する。このユーザ端末5では、管理サーバ4から配信される情報に基づいて各種の画面を表示し、これらの画面により、バッテリステーションの位置や稼動状況をユーザに案内し、また、バッテリ交換の予約を行うことができる。
【0035】
管理端末6は、ユーザに接客する施設や管理センタなどに設置され、管理者が操作する。この管理端末6では、管理者がユーザ登録の操作を行うことができる。また、管理者が管理サーバ4から配信される情報を閲覧することができる。
【0036】
保守端末7は、メンテナンス業務を担当する専用の施設や、バッテリステーションが設けられた店舗などの施設に設置され、メンテナンス担当者が操作する。この保守端末7では、メンテナンス担当者が管理サーバ4から配信される情報を閲覧することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、電動車両1に搭載されるバッテリパック2を例にして説明するが、バッテリパック2が搭載されるバッテリ搭載装置は電動車両1に限定されず、例えば可搬型の給電装置などでもよい。
【0038】
次に、バッテリ交換機3、管理サーバ4、およびユーザ端末5の概略構成について説明する。
図2は、バッテリ交換機3、管理サーバ4、およびユーザ端末5の概略構成を示すブロック図である。
【0039】
バッテリ交換機3は、センサ31と、駆動部32と、充電部33と、通信部34と、入出力部35と、表示部36と、記憶部37と、制御部38と、を備えている。
【0040】
センサ31は、例えば、人感センサで構成することができ、バッテリ交換に訪れた人物を検知する。
【0041】
なお、バッテリ交換に訪れたユーザを識別するユーザ認証を行うようにしてもよい。この場合、カメラの撮影画像から顔認証によりユーザを識別するようにしてもよい。また、ユーザが所持するRFID(radio frequency identifier)のタグや、非接触型ICカードや、NFC(Near field communication)の機能を備えたユーザ端末5との間の通信で、ユーザを識別するようにしてもよい。また、カメラの撮影画像から、バッテリパック2に添付された2次元コードを読み取ることで、ユーザがバッテリパック2を返却しようとしていることを検知するようにしてもよい。
【0042】
駆動部32は、制御部38からの指示に応じて、バッテリパック2の返却および貸出のタイミングで開閉扉の開閉機構を駆動し、また、返却されたバッテリパック2を格納すると共に、ユーザに貸し出すバッテリパック2を排出する格納排出機構を駆動する。
【0043】
充電部33は、スロット21(トレイ)を介してバッテリパック2を充電する。
【0044】
通信部34は、ネットワークを介して管理サーバ4と通信を行う。
【0045】
入出力部35は、バッテリパック2との間で情報の入出力を行い、例えば、バッテリパック2のシリアル番号やアラートや劣化情報などがバッテリパック2から入力される。
【0046】
表示部36は、ユーザにバッテリパック2の交換に関する案内を行う案内画面を表示する。
【0047】
記憶部37は、制御部38を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。
【0048】
制御部38は、プロセッサで構成され、バッテリ交換機3の各部を制御する。例えば、バッテリパック2の交換に関する制御、すなわち、駆動部32を制御して、ユーザが返却したバッテリパック2を収容する動作や、充電済みのバッテリパック2をユーザに貸し出す動作を行わせる。特に、センサ31によりユーザを検知すると、バッテリ交換動作を開始し、開閉扉を開いてユーザにバッテリパック2を返却させる。
【0049】
また、制御部38は、各スロットに装着されたバッテリパック2の充電状態および空き状態を監視し、その情報を管理サーバ4に報告する。これにより、管理サーバ4は、バッテリ交換機3でのバッテリパック2の充電状態および空き状態を管理することができる。
【0050】
ここで、電動車両1には、1つまたは複数のバッテリパック2が搭載される。また、バッテリ交換機3は、複数(例えば8個)のバッテリパック2を収容し、電動車両1に複数のバッテリパック2が搭載されている場合に、その複数のバッテリパック2を同時に交換する。なお、
図1,
図2に示す例では、電動車両1のバッテリパック2の搭載個数を2個としたが、搭載個数が1個の場合や3個以上の場合もある。
【0051】
管理サーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を備えている。
【0052】
通信部41は、ネットワークを介して、バッテリ交換機3、ユーザ端末5、管理端末6、および保守端末7と通信を行う。
【0053】
記憶部42は、制御部43を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部42は、ユーザ登録情報や、バッテリパック2とその貸出先のユーザとを紐付ける紐付け情報などの管理情報を記憶する。また、記憶部42は、バッテリステーションごとの開設時期、閉鎖時期および保守休止期間に関する情報を記憶する。また、記憶部42は、サービス対象エリアに含まれる複数のサブエリアごとに予め作成されたエリアマップ(定型マップ)に関する情報を記憶する。
【0054】
制御部43は、ユーザ管理部51と、ステーション管理部52と、バッテリ管理部53と、ステーション情報提示部54と、システム管理部55と、通知管理部56と、予約管理部57と、を備えている。この制御部43は、プロセッサで構成され、制御部43の各部は、記憶部42に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0055】
ユーザ管理部51は、バッテリパック2を使用するユーザを管理する。例えば、管理者が、ユーザからの新規登録の申し込みを受け付けて、管理端末6を操作することで、ユーザの情報(ユーザID、氏名、住所、使用する電動車両の車種など)を登録する(ユーザ登録)。
【0056】
ステーション管理部52は、各バッテリステーション、および各バッテリステーションに設置されたバッテリ交換機3を管理する。具体的には、管理者が入力したバッテリステーションの開設、閉鎖、および保守休止(保守作業に伴う一時休止)に関する情報を管理する。また、ステーション管理部52は、各バッテリステーションに配置されたバッテリ交換機3の状態(オンライン状態など)に関する情報をバッテリ交換機3から収集して管理する。また、ステーション管理部52は、バッテリ交換機3に収容されたバッテリパック2の状態(充電状態、空き状態など)に関する情報をバッテリ交換機3から収集して管理する。
【0057】
バッテリ管理部53は、バッテリ交換機3に収容されたバッテリパック2や、ユーザに貸出中のバッテリパック2を管理する。
【0058】
ステーション情報提示部54は、バッテリステーションの情報をユーザに提示する。例えば、ユーザにバッテリステーションを案内するステーション案内画面に関する情報を生成してユーザ端末5に配信して、ステーション案内画面をユーザ端末5に表示させる。このステーション案内画面では、バッテリステーションの位置と、バッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数とを案内する。また、本実施形態では、バッテリステーションの稼動状況、具体的には、開設、閉鎖および保守休止の状況を案内する。
【0059】
このとき、各ユーザが使用する電動車両1のバッテリ構成に関する管理情報に基づいて、ユーザごとのバッテリ構成に適合したバッテリステーションを検索して、該当するバッテリステーションを案内画面に表示する。ここで、バッテリ構成とは、電動車両1のバッテリ搭載個数であり、電動車両1のバッテリ搭載個数以上の充電済みのバッテリパック2があるバッテリステーションを抽出して案内画面に表示する。
【0060】
なお、管理情報としてのユーザ登録情報には、ユーザが使用する電動車両1の車種が登録されており、この電動車両1の車種からバッテリ構成を取得することができる。また、ログイン時に取得したユーザIDに基づいて、該当するユーザのバッテリ構成を取得すればよい。
【0061】
また、本実施形態では、バッテリ交換サービスで運用されるバッテリパック2を1種類として、電動車両1のバッテリ構成をバッテリ搭載個数としたが、複数の種類のバッテリパック2をバッテリ交換サービスで運用するようにしてもよく、この場合、バッテリ構成は、バッテリ搭載個数の他に、バッテリパック2の種類も含むものとなる。
【0062】
システム管理部55は、システムの状態を監視して、システムの状態を管理者やメンテナンス担当者に提示する。例えば、システムの状態を表示する管理画面を生成して管理端末6や保守端末7に配信して、管理画面を管理端末6や保守端末7に表示させる。これにより、管理者やメンテナンス担当者がシステムの状態を閲覧することができる。
【0063】
通知管理部56は、ユーザに対する通知(通知)を管理する。具体的には、バッテリステーションの新設や閉鎖の案内や、バッテリステーションで実施される保守作業の案内や、ネットワークの障害などによりバッテリステーションでのバッテリ交換の予約ができない旨の案内などをユーザ端末5に配信する。なお、通知内容は管理者が入力する。このとき、通知事項ごとに、ダイジェスト情報および詳細情報を管理者が入力する。
【0064】
予約管理部57は、ユーザのバッテリ交換の予約を管理する。具体的には、ユーザがユーザ端末5で予約の操作を行うことで、バッテリ交換の予約を受け付ける。また、ユーザがユーザ端末5で予約のキャンセルの操作を行うことで、バッテリ交換の予約を取り消す。また、バッテリ交換の予約を受け付けた後に所定時間経過してもバッテリ交換が行われない場合には、バッテリ交換の予約を強制的に取り消す。
【0065】
ユーザ端末5は、表示部61と、操作部62と、通信部63と、記憶部64と、制御部65と、を備えている。
【0066】
表示部61は、各種の画面、例えば、バッテリステーションを案内する画面やバッテリ交換の予約を行う画面などを表示する。操作部62は、表示部61に表示された画面に対して各種の画面操作を行う。なお、表示部61としての表示パネルと操作部62としてのタッチパネルとを一体化したタッチパネルディスプレイで構成するようにしてもよい。
【0067】
通信部63は、ネットワークを介して管理サーバ4と通信を行う。
【0068】
記憶部64は、制御部65を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。
【0069】
制御部65は、プロセッサで構成され、バッテリステーションの案内やバッテリ交換の予約に係る各種の処理を行う。すなわち、操作部62によるユーザの画面操作に応じて、管理サーバ4から配信される情報に基づいて、バッテリステーションの位置や稼動状況を案内する画面や、バッテリ交換の予約を行う画面などを表示部61に表示する制御を行う。
【0070】
次に、管理サーバ4で用いられる定型マップ管理テーブルおよびバッテリステーション管理テーブルについて説明する。
図3は、定型マップ管理テーブルおよびバッテリステーション管理テーブルの登録内容を示す説明図である。
【0071】
管理サーバ4では、
図3(A)に示すように、定型マップ管理テーブルが記憶部42に記憶されている。この定型マップ管理テーブルには、定型マップごとに、地名およびポスト番号が登録されている。この定型マップ管理テーブルを参照することで、ユーザが指定した地名またはポスト番号から、ユーザが案内を希望するエリアを含む定型マップを特定することができる。
【0072】
また、管理サーバ4では、
図3(B)に示すように、バッテリステーション管理テーブルが記憶部42に記憶されている。このバッテリステーション管理テーブルには、バッテリステーションごとに、位置(緯度、経度)、開設時期(開設日)、閉鎖時期(閉鎖日)、および保守休止期間が登録されている。このバッテリステーション管理テーブルを参照することで、ユーザが指定した基準日時(指定日時)におけるバッテリステーションの稼動状況に関する情報を取得することができる。また、バッテリステーションの位置に基づいて、ユーザが案内を希望するエリアを含む定型マップに現れるバッテリステーションを特定することができる。
【0073】
次に、ユーザ端末5に表示されるログイン画面について説明する。
図4は、ログイン画面を示す説明図である。
【0074】
このログイン画面は、ユーザ端末5が管理サーバ4にアクセスした際にユーザ端末5に表示される。なお、このログイン画面およびこれ以降の画面は、ユーザ端末5にインストールされたステーション案内のアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)により表示される。
【0075】
このログイン画面には、ユーザIDの入力部71と、パスワードの入力部72と、ログインボタン73が設けられている。ユーザがユーザIDおよびパスワードを入力してログインボタン73を操作すると、管理サーバ4において、ユーザIDおよびパスワードに基づくユーザ認証が行われる。
【0076】
ここで、ユーザ認証が成功すると、ユーザ端末5では、ログイン画面からメニュー画面(図示せず)に遷移し、このメニュー画面でバッテリステーション案内を選択する操作を行うと、検索画面(
図5参照)に遷移する。
【0077】
次に、ユーザ端末5に表示される検索画面について説明する。
図5は、検索画面を示す説明図である。
【0078】
この検索画面は、メニュー画面(図示せず)でバッテリステーション案内を選択する操作を行うことで表示される。
【0079】
この検索画面には、基準日時入力部81と、地名入力部82と、ポスト番号入力部83と、検索ボタン84とが設けられている。
【0080】
基準日時入力部81では、検索条件として、ユーザが基準日時(日付)を入力することができる。なお、カレンダー画面などにより、日時を選択できるようにしてもよい。また、初期状態で現在の日時が表示され、ユーザが基準日時を指定しない場合には現在の日時が基準日時となる。地名入力部82では、検索条件として、ユーザが地名を入力することができる。なお、プルダウンメニューなどにより、サービス対象エリア内の各地区を選択できるようにしてもよい。ポスト番号入力部83では、検索条件として、ユーザがポスト番号を入力することができる。
【0081】
ここで、ユーザが検索条件(基準日時、地名、ポスト番号)を入力して、検索ボタン84を操作すると、管理サーバ4において、入力された検索条件に基づく定型マップ検索とバッテリステーション情報取得の各処理が行われ、この処理で取得した定型マップとバッテリステーションの位置情報および稼動状況情報とがユーザ端末5に送信され、ユーザ端末5では、ステーション案内画面(
図6参照)が表示される。
【0082】
なお、本実施形態では、地名やポスト番号に基づいて定型マップを絞り込むようにしたが、サービス対象エリアの全体マップから対象エリアをユーザが選択するようにしてもよい。
【0083】
次に、ユーザ端末5に表示されるステーション案内画面について説明する。
図6は、ステーション案内画面を示す説明図である。
図7は、ステーション案内画面におけるバッテリステーションのアイコン92の遷移状況を示す説明図である。
【0084】
このステーション案内画面は、検索画面(
図5参照)で検索条件(基準日時、地名、ポスト番号)を入力して検索ボタン84を操作することで表示される。
【0085】
このステーション案内画面には、エリアマップ91上にバッテリステーションのアイコン92(定型画像)を重畳したガイドマップが表示される。バッテリステーションのアイコン92には、対応するバッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数、すなわち、充電済みで貸出可能なバッテリパック2の個数が表示される。
【0086】
なお、本実施形態では、現在の日時を基準日時としてステーション案内画面を表示させる他に、将来の任意の日時を基準日時に指定して、その基準日時におけるステーション案内画面を表示させることができるが、このように基準日時が現在の日時と異なる場合には、バッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数の表示は行われない。また、基準日時が現在の日時と異なる場合に、交換可能なバッテリパック2の個数の代わりに、1日当たりの平均利用ユーザ数や過去の所定期間のバッテリパック2の交換実績に基づく混雑度(多い、普通、少ない)などの情報を付加してもよい。
【0087】
エリアマップ91は、サービス対象エリアに含まれる複数のサブエリアごとに予め作成された定型マップであり、記憶部42に記憶されている。本実施形態では、検索条件としての地名またはポスト番号に該当するエリアの定型マップが、記憶部42に記憶された複数の定型マップから選択される。なお、管理サーバ4において、エリアマップ91(定型マップ)の情報を保持せず、地図配信システムから必要なエリアのマップ情報を取得するようにしてもよい。また、地図配信システムを利用して、記憶部42に記憶された定型マップを定期的に更新するようにしてもよい。
【0088】
また、このステーション案内画面では、バッテリステーションのアイコン92を操作(例えばタップ)すると、対応するバッテリステーションに関する詳細な情報(所在地や連絡先など)が表示される。
【0089】
また、このステーション案内画面では、ユーザが必要個数のバッテリ交換ができるか否かに応じて、バッテリステーションのアイコン92の表示形態が変化する。具体的には、貸出可能なバッテリパック2がない場合や、ユーザのバッテリ構成に適合しない場合には、バッテリ交換が可能な通常モードの色(例えば青色)と異なる色(例えばグレー)でアイコン92が表示される。
【0090】
さらに、このステーション案内画面では、ユーザが指定した基準日時におけるバッテリステーションの稼動状況、具体的には、開設、閉鎖、および保守休止の状況に応じて、バッテリステーションのアイコン92の表示形態が変化し、バッテリステーションの開設、閉鎖、および保守休止をユーザに案内する。
【0091】
図7(A)に示す例は、バッテリステーションが新規に開設される場合である。この場合、基準日時が、開設日を開始時点とした所定の告知期間(例えば1ヶ月)に入ると、バッテリステーションのアイコン92が開設告知モードで表示され、告知期間を過ぎると、アイコン92が通常モードの表示形態に遷移する。これにより、バッテリステーションの開設時期の新旧をユーザが識別することができる。
【0092】
この開設告知モードでは、例えば、最近開設されたことを表す文字(例えば「New」)がアイコン92に表示される。また、開設告知モードでは、通常モードの色(例えば青色)と異なる色(例えば赤色)でアイコン92を表示するようにしてもよい。これにより、バッテリステーションが新規に開設されたことをユーザが簡単に把握することができる。
【0093】
なお、開設前には、バッテリステーションのアイコン92は表示されないが、表示形態を変更したアイコン92を表示することで、バッテリステーションの新設の予告を行うようにしてもよい。すなわち、開設日を終了期日とした所定の告知期間(例えば1ヶ月)において、アイコン92の表示形態を変更して、近日中にバッテリステーションが開設されることをユーザに案内するようにしてもよい。
【0094】
図7(B)に示す例は、バッテリステーションが閉鎖される場合である。この場合、基準日時が、閉鎖日を開始時点とした所定の告知期間(例えば1ヶ月)に入ると、バッテリステーションのアイコン92が、通常モードから閉鎖告知モードの表示形態に変化し、告知期間を過ぎると、アイコン92は表示されない。
【0095】
この閉鎖告知モードでは、例えば、アイコン92がグレーアウトで表示され、また、ユーザが利用できないことを表すマーク、例えば×印の記号が付加される。これにより、行きつけのバッテリステーションが閉鎖されたことをユーザが即座に把握することができる。
【0096】
なお、閉鎖前には、バッテリステーションのアイコン92は通常モードで表示されるが、アイコン92の表示形態を変更して、バッテリステーションの閉鎖の予告を行うようにしてもよい。すなわち、閉鎖日を終了期日とした所定の告知期間(例えば1ヶ月)において、アイコン92の表示形態を変更して、近日中にバッテリステーションが閉鎖されることをユーザに案内するようにしてもよい。
【0097】
図7(C)に示す例は、バッテリステーションが保守休止、すなわち、保守作業(工事や点検)に伴うサービスの一時休止の場合である。この場合、基準日時が保守休止期間に入ると、バッテリステーションのアイコン92が、通常モードから保守告知モードに表示形態が変化し、保守休止期間を過ぎると、アイコン92が通常モードの表示形態に戻る。
【0098】
この保守告知モードでは、現在、保守作業で一時的に使用できないことを表すマーク、例えば工事中マーク(注意マーク)がアイコン92に付加される。
【0099】
なお、本実施形態では、バッテリステーションのアイコン92の表示形態を変更する例として、文字や記号を表示したり、表示色を変更したりしたが、アイコン92の表示形態の変更はこれらの例に限定されるものではない。例えば、アイコン92に描画された線の種類(太線や点線など)を変更したり、アイコン92の一部または全部を点滅させたりするようにしてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、バッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数や、バッテリステーションの稼動状況(開設、閉鎖、および保守休止)に関する情報に基づいて、バッテリステーションのアイコン92を生成して、そのアイコン92をエリアマップ91(定型マップ)上に重畳したガイドマップをステーション案内画面に表示するようにしたが、このガイドマップの生成は、管理サーバ4とユーザ端末5とのいずれで行うようにしてもよい。ガイドマップの生成をユーザ端末5で行う場合には、必要な情報、すなわち、エリアマップ91(定型マップ)の情報と、バッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数や、バッテリステーションの稼動状況(開設、閉鎖、および保守休止)に関する情報とを、管理サーバ4からユーザ端末5に送信すればよい。
【0101】
また、
図6に示すように、ステーション案内画面には、インフォメーションボタン93が設けられている。このインフォメーションボタン93を操作すると、通知一覧画面(
図8参照)に遷移する。
【0102】
次に、ユーザ端末5に表示される通知一覧画面について説明する。
図8は、通知一覧画面を示す説明図である。
【0103】
この通知一覧画面は、ステーション案内画面(
図6参照)でインフォメーションボタン93を操作することで表示される。
【0104】
この通知一覧画面では、通知事項ごとのダイジェスト情報が一覧表示される。この通知一覧画面において、いずれかの通知事項を選択する操作を行うと、選択した通知事項に関する詳細通知画面(
図9参照)に遷移する。
【0105】
次に、ユーザ端末5に表示される詳細通知画面について説明する。
図9は、詳細通知画面を示す説明図である。
【0106】
この詳細通知画面は、通知一覧画面(
図8参照)でいずれかの通知事項を選択する操作を行うことで表示される。
【0107】
この詳細通知画面では、通知一覧画面で選択した通知事項の詳細情報が表示される。なお、
図9に示す例は、バッテリステーションの新設に関する通知の場合であるが、バッテリステーションの閉鎖や保守休止の場合も同様である。すなわち、閉鎖の場合には、閉鎖の日時や代替となるバッテリステーションの案内などに関する詳細情報が表示され、保守休止の場合には、工事の内容(期間など)などに関する詳細情報が表示される。
【0108】
このように本実施形態では、通知一覧画面(
図8参照)に、バッテリステーションのダイジェスト情報が表示され、詳細通知画面(
図9参照)に、バッテリステーションの詳細情報が表示されるため、バッテリステーションの稼動状況に関する変更内容をユーザが確認することができる。また、ステーション案内画面(
図6参照)に、稼動状況に応じて表示形態が異なるアイコン92が表示されるため、通知一覧画面や詳細通知画面を閲覧することなく、バッテリステーションの稼動状況をユーザが迅速に確認することができる。
【0109】
次に、バッテリステーション情報提供時のユーザ端末5および管理サーバ4の動作手順について説明する。
図10は、バッテリステーション情報提供時のユーザ端末5および管理サーバ4の動作手順を示すシーケンス図である。
【0110】
まず、ユーザ端末5では、ステーション案内のアプリケーションを起動すると、ログイン画面(
図4参照)が表示される。このログイン画面において、ユーザがログインの操作を行うと、ログインのリクエストを管理サーバ4に送信する。
【0111】
管理サーバ4では、ユーザ端末5からのログインのリクエストを受信すると、そのリクエストに含まれるユーザIDおよびパスワードに基づいてユーザ認証を行い、ログインのレスポンスをユーザ端末5に送信する。
【0112】
ユーザ端末5では、ログインのレスポンスを管理サーバ4から受信すると、ユーザ認証が成功してログインが承認された場合には、メニュー画面(図示せず)を表示し、このメニュー画面において、ユーザがバッテリステーション案内を選択すると、検索画面(
図5参照)に遷移する。この検索画面において、ユーザが検索条件(基準日時、地名、ポスト番号)を入力して検索を指示する操作を行うと、バッテリステーション案内のリクエストを管理サーバ4に送信する。
【0113】
管理サーバ4では、バッテリステーション案内のリクエストをユーザ端末5から受信すると、そのリクエストに含まれる検索条件(地名、ポスト番号)に基づいて、ユーザが希望するエリア(指定エリア)の定型マップ(マップ情報)を、定型マップ管理テーブル(
図3(A)参照)を参照して検索する。
【0114】
ここで、検索条件に該当する定型マップが見つかると、次に、その定型マップ上に位置するバッテリステーションの位置情報および稼動状況情報(開設時期、閉鎖時期、保守休止期間)を、バッテリステーション管理テーブル(
図3(B)参照)を参照して取得する。このとき、リクエストに含まれる検索条件(基準日時)に基づいて、ユーザが希望する日時(指定日時)に関するバッテリステーションの稼動状況情報を取得する。
【0115】
次に、バッテリステーション案内のレスポンスをユーザ端末5に送信する。このレスポンスには、定型マップ情報と、バッテリステーションの位置情報(緯度・経度)および稼動状況情報と、バッテリパック2の充電状況に関する情報(充電済みのバッテリパック2の個数)と、が含まれる。
【0116】
ユーザ端末5では、バッテリステーション案内のレスポンスを管理サーバ4から受信すると、そのレスポンスに含まれる定型マップ情報と、バッテリステーションの位置情報および稼動状況情報と、バッテリパック2の充電状況に関する情報と、に基づいて、ステーション案内画面(
図6参照)を表示する。このとき、バッテリステーションの稼動状況情報と、バッテリパック2の充電状況に関する情報と、に基づいて、バッテリステーションのアイコン92を生成し、バッテリステーションの位置情報に基づいて、エリアマップ91(定型マップ)上に、バッテリステーションのアイコン92を重畳表示する。このステーション案内画面において、ユーザがインフォメーションボタン93を操作すると、通知一覧のリクエストを管理サーバ4に送信する。
【0117】
管理サーバ4では、通知一覧のリクエストをユーザ端末5から受信すると、バッテリステーションごとのダイジェスト情報を含む通知一覧のレスポンスをユーザ端末5に送信する。
【0118】
ユーザ端末5では、通知一覧のレスポンスを管理サーバ4から受信すると、そのレスポンスに含まれるバッテリステーションごとのダイジェスト情報に基づいて、通知一覧画面(
図8参照)を表示する。この通知一覧画面において、ユーザが通知事項を選択する操作を行うと、詳細通知のリクエストを管理サーバ4に送信する。
【0119】
管理サーバ4では、詳細通知のリクエストをユーザ端末5から受信すると、ユーザが選択した通知事項に関するバッテリステーション詳細情報を含む詳細通知のレスポンスをユーザ端末5に送信する。
【0120】
ユーザ端末5では、詳細通知のレスポンスを管理サーバ4から受信すると、そのレスポンスに含まれるバッテリステーションの詳細情報に基づいて、詳細通知画面(
図9参照)を表示する。
【0121】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明に係るバッテリ管理システム、バッテリ管理方法および端末装置は、ユーザの現在位置に関係なく、ユーザの希望するエリアでのバッテリステーションの稼動状況をユーザが簡単に把握することができる効果を有し、電動車両などのユーザがバッテリステーションでバッテリ装置を交換するバッテリ交換サービスにおいて、バッテリステーションやバッテリ装置を管理するバッテリ管理システムおよびバッテリ管理方法、ならびにユーザが所持する端末装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0123】
1 電動車両
2 バッテリパック
3 バッテリ交換機
4 管理サーバ
5 ユーザ端末
6 管理端末
7 保守端末
91 エリアマップ
92 アイコン(定型画像)