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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】サーバ、情報端末、システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
H04L12/28 500A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020032008
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021135788
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 勇人
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-090125(JP,A)
【文献】特開2009-230198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するユーザIDと前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれを識別する複数の家電IDとを対応付けて記憶する家電データベースと、
前記家電IDを用いて前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれの状態を示す状態情報、前記ユーザへの通知内容を示す通知情報、エラーの発生及び実運転時間を含むエラー情報のいずれか一以上を含む動作ログを取得する第1の要求処理部と、
前記第1の要求処理部が取得した前記動作ログを対応する前記ユーザIDと対応付けて記憶する第1の動作状況記憶部と、
前記ユーザIDを含む第1の要求信号を受け付け、前記第1の動作状況記憶部から前記ユーザIDに対応する前記複数の家電機器それぞれの前記動作ログを読み出し、所定のルールに基づき組み合わせた提供情報を生成する提供情報生成部と
を備えたデータ蓄積サーバ。
【請求項2】
前記ユーザを識別するユーザIDと前記ユーザの管理下にある表示デバイスを特定するデバイス情報とを対応付けて記憶するデバイスデータベースと、
前記ユーザIDを含む第の要求信号を受け付け、請求項1記載のデータ蓄積サーバに対して前記の要求信号を送出する第2の要求処理部と、
前記第の要求信号に応じて生成された前記提供情報を記憶する第2の動作状況記憶部と、
前記ユーザIDに基づいて前記第2の動作状況記憶部から読み出した前記提供情報を用いて、前記ユーザIDを用いて前記デバイスデータベースから読み出した前記ユーザIDに対応する前記表示デバイスが表示可能な画像情報を含む応答情報を生成する応答情報生成部と
を備えたデバイス制御サーバ。
【請求項3】
請求項2記載のデバイス制御サーバに対して前記ユーザを識別するユーザIDを含む前記の要求信号を送出する送信部と、
前記第の要求信号に応じて生成された前記応答情報を記憶する第3の動作状況記憶部と、
前記ユーザIDを用いて前記第3の動作状況記憶部から読み出した前記ユーザIDに対応する前記複数の家電機器それぞれの前記動作ログを用いて画像表示可能な表示情報を生成する表示情報生成部と
を備えた情報端末。
【請求項4】
(1)複数の家電機器それぞれの状態を示す状態情報、ユーザへの通知内容を示す通知情報、エラーの発生や実運転時間を含むエラー情報のいずれか一以上を含む動作ログを前記複数の家電機器それぞれを識別する家電IDと対応付けて登録し、前記家電IDを含む要求信号に応じて前記動作ログを送信する家電登録サーバと、
前記ユーザを識別するユーザIDと前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれを識別する家電IDとを対応付けて記憶する家電データベースと、
前記家電データベースに記憶された前記家電IDを用いて前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれに対応する前記動作ログを前記家電登録サーバに要求し、前記要求に応じて送られる前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれに対応する前記動作ログを取得する要求処理部と、
前記要求処理部が取得した前記動作ログを対応する前記ユーザIDと対応付けて記憶する第1の動作状況記憶部と、
前記ユーザIDを含む要求信号を受け付け、前記第1の動作状況記憶部から前記ユーザIDに対応する前記複数の家電機器それぞれの前記動作ログを読み出し、所定のルールに基づき組み合わせた提供情報を生成する提供情報生成部と
を備えたデータ蓄積サーバと、
前記要求信号を送出する送信部と、
前記要求信号に応じて生成された前記提供情報を記憶する第2の動作状況記憶部と、
前記ユーザIDに対応する前記複数の家電機器それぞれの前記動作ログを前記提供情報から読み出して画像表示可能な表示情報を生成する表示情報生成部と
を備えたデバイス
からなるシステム。
【請求項5】
ユーザに関連付けられた複数の家電機器それぞれの状態を示す状態情報、前記ユーザへの通知内容を示す通知情報、エラーの発生及び実運転時間を含むエラー情報のいずれか一以上を含む動作ログの内容を含む第1表示情報を表示処理する情報端末であって、
前記第1表示情報は、
前記ユーザに関連付けられた第1家電機器を特定する第1家電特定表示と、前記第1家電機器の動作ログの内容を含む第1動作ログ表示とを含む第2表示情報と、
前記ユーザに関連付けられ前記第1家電機器とは異なる第2家電機器を特定する第2家電特定表示と、前記第2家電機器の動作ログの内容を含む第2動作ログ表示とを含む第3表示情報とが所定のルールに基づき組み合わされてなること
を特徴とする情報端末。
【請求項6】
前記ユーザの選択に応じて、前記第1家電機器の動作ログに基づき前記第1家電機器の所定の期間の経時的な動作を示す動作情報を表示処理する請求項5記載の情報端末。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザを識別するユーザIDと前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれを識別する複数の家電IDとを対応付けて記憶する家電データベース、
前記家電IDを用いて前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれの状態を示す状態情報、前記ユーザへの通知内容を示す通知情報、エラーの発生及び実運転時間を含むエラー情報のいずれか一以上を含む動作ログを取得する要求処理部、
前記要求処理部が取得した前記動作ログを対応する前記ユーザIDと対応付けて記憶する動作状況記憶部、及び
前記ユーザIDを含む要求信号を受け付け、前記動作状況記憶部から前記ユーザIDに対応する前記複数の家電機器それぞれの前記動作ログを読み出し、所定のルールに基づき組み合わされた提供情報を生成する提供情報生成部を備えたサーバ
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続された家電機器と情報交換するサーバ、情報端末、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
主として家庭内での家事を効率良く実施するために、例えば冷蔵庫、洗濯機等の家電機器が普及している。また日常の娯楽に供するために、例えばテレビ装置、ビデオ機器等の家電機器が普及している。近年、これらの家電機器は、IoT(Internet of Thing)のコンセプトによりネットワークに接続され、当該家電機器毎の使用状況を遠隔地で確認したり、逆に遠隔地から家電機器を操作したりすることが可能になってきた。
【0003】
しかしながら、ネットワークに接続された家電機器は、家電機器の状態把握や操作を遠隔地から可能にする地理的制約の解消を実現するに留まっている。すなわち、ネットワーク化された家電機器のシステムとしての利用が十分に図られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-160060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、ネットワーク接続された家電機器と情報交換する従来のサーバ、情報端末、システムでは、ネットワーク化されたシステムとしての利用が十分に図られていないという問題がある。本発明の実施形態は、かかる課題を解決するためになされたもので、複数の家電機器の使用状況を示す情報を統合的に提供することにより、当該家電機器が配置された特定の空間内全体の状態把握を可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、実施形態に係る家電機器ネットワークシステムは、ユーザを識別するユーザIDと前記ユーザの管理下にある複数の家電機器それぞれを特定する複数の家電情報とを対応付けて記憶する家電データベースと、前記ユーザIDを含む第1の要求信号を受け付け、前記ユーザIDを用いて前記家電データベースから読み出した前記ユーザIDに対応する複数の家電情報を含む第2の要求信号を送出する要求処理部と、前記第2の要求信号に応じて送られる前記ユーザIDに対応する複数の家電情報が示す複数の家電機器それぞれの動作ログを記憶する動作状況記憶部と、前記ユーザIDに基づいて前記動作状況記憶部から読み出した前記ユーザIDに対応する複数の家電情報が示す複数の家電機器それぞれの動作ログを含む提供情報を生成する提供情報生成部とを備えたサーバを有している。また、前記第1の要求信号を送出する送信部と、前記第1の要求信号に応じて送られる前記提供情報を記憶する動作状況記憶部と、前記ユーザIDに対応する前記複数の家電情報が示す複数の家電機器それぞれの動作ログを前記提供情報から読み出して前記複数の家電機器それぞれの動作ログを用いて画像表示可能な表示情報を生成する表示情報生成部とを備えたデバイスを有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る家電機器ネットワークシステムを示す構成図である。
図2】第1の実施形態に係るシステムのブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る家電機器の動作ログ集約動作を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係るデータ蓄積サーバのデータ提供動作を示すフローチャートである。
図5A】ネットワーク化された家電機器が生成する動作ログの項目例を示す図である。
図5B】ネットワーク化された家電機器が生成する動作ログの項目例を示す図である。
図5C】ネットワーク化された家電機器が生成する動作ログの項目例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るデバイス制御サーバの応答情報提供動作を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係るデバイスの動作を示すフローチャートである。
図8A】一日における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図8B】所定期間における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図9A】所定期間における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図9B】所定期間における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図10A】一日における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図10B】所定期間における家電機器の使用状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図11A】一日における家電機器の使用状況を用いて家電機器使用者の状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図11B】一日における家電機器の使用状況を用いて家電機器使用者の状況を表示する表示情報の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係るデバイスの構成を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態に係るデバイスの動作を示すフローチャートである。
図14A】第2の実施形態における表示情報の一例を示す図である。
図14B】第2の実施形態における表示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、実施形態に係る家電機器ネットワークシステムについて説明する。図1は、家電機器ネットワークシステム1の全体構成図である。図1に示すように、家電機器ネットワークシステム1は、家電機器10、家電登録サーバ20、データ蓄積サーバ30、デバイス制御サーバ40、表示装置50を備えており、互いにネットワーク5により接続されている。家電機器10、家電登録サーバ20、データ蓄積サーバ30、デバイス制御サーバ40及び表示装置50は、その全部または一部の機能をコンピュータ及びコンピュータプログラムにより実現してもよい。
【0009】
(家電機器ネットワークシステム)
家電機器10は、家屋内など特定の空間に配設された電子機器または電気機器である。家電機器10は、例えば洗濯機11、エアコン12、冷蔵庫13、テレビ14、さらには図示しない照明器具などのように複数種類の機器を含んでおり、有線または無線によりネットワーク5と接続されている。家電機器10は、ネットワーク5を介して遠隔制御が可能であり、また、家電機器10自身の動作状況を示す動作ログを、ネットワーク5を介して送出する機能を有している。
【0010】
家電登録サーバ20は、家電機器10を遠隔制御するとともに、家電機器10から発信される動作ログを受け付ける機能を有する。家電登録サーバ20は、家電機器10から動作ログを受け取ると、自己のデータベースに登録する。動作ログは、少なくとも家電機器10の識別情報と当該家電機器10の動作状態等を示す情報(動作情報)とを含んでいる。
【0011】
データ蓄積サーバ30は、家電機器10のユーザの識別情報(ユーザID)と、当該ユーザの管理下にある家電機器10を示す識別情報(家電ID)と、当該ユーザの管理下にある家電機器10の(当該ユーザに関連付けられた家電機器10)動作状態を示す情報とを対応付けて管理する機能を有する。また、ユーザからの要求に応じて、当該ユーザと関連付けされた家電機器10およびその動作情報とを関連付けてユーザに返す機能を有している。
【0012】
家電登録サーバ20は、家電機器10の家電IDと当該家電機器10から取得した動作ログとを管理するのに対し、データ蓄積サーバ30は、ユーザIDと当該ユーザと関連付けされた家電機器10と当該家電機器10の動作ログとを管理する。家電機器10は、必ずしも同一の製造者により製造されるとは限らないが、同様に、複数の家電機器10が複数の家電登録サーバ20により管理されることがあり得る。データ蓄積サーバ30は、家電機器10が複数の異なる家電登録サーバ20により管理されている場合、ユーザIDおよび当該ユーザが保有する家電機器10の家電IDに基づいて、当該複数の異なる家電登録サーバ20から当該ユーザに関連付けされた家電機器10の動作情報すべてを取得することができる。すなわち、データ蓄積サーバ30は、家電IDと動作ログの関連付けを、ユーザIDと動作ログの関連付けに変換する機能を持っている。
【0013】
デバイス50は、ユーザの家電機器10を遠隔制御するとともに当該家電機器10の動作ログに係る情報を表示する端末装置である。デバイス50は、例えばテレビ51や携帯端末52などであり、必ずしも家電機器10が配設された空間に存在していない。家電機器10のユーザ(使用者)とデバイス50のユーザとは、同一でもよいし異なっていてもよい。
【0014】
デバイス制御サーバ40は、データ蓄積サーバ30から送られる提供情報を、デバイス50が表示可能な形態に変換するとともに、変換した情報をデバイス50に送信する機能を有する。例えば、デバイス50がテレビ51である場合、デバイス制御サーバ40は、データ蓄積サーバ30から送られる提供情報を画像データ化してテレビ51に送信する。デバイス50が携帯端末52である場合、携帯端末52は、デバイス制御サーバ40を介さずに、データ蓄積サーバ30から送られる提供情報を直接変換し表示させてもよい。すなわち、デバイス制御サーバ40の機能は、デバイス50が備えていてもよい。
【0015】
家電機器10は、所定のタイミングで自己の動作ログをネットワーク5を介して家電登録サーバ20に送り、家電登録サーバ20は送られた動作ログを家電IDと対応付けて管理する。データ蓄積サーバ30は、あらかじめユーザIDと家電IDとを管理しており、所定のタイミングで家電登録サーバ20からユーザIDに対応付けられた家電IDの動作ログを家電登録サーバ20から取得する。データ蓄積サーバ30は、デバイス制御サーバ40またはデバイス50からの要求信号に応じて、家電登録サーバ20から取得した登録ログの中から当該要求信号を発したユーザのユーザIDに関連付けされた動作ログを抽出して提供情報を生成し、要求信号の発信元に送信する。
【0016】
デバイス50がテレビ51のような受動機器の場合、デバイス50が発した要求信号はデバイス制御サーバ40に送られる。デバイス制御サーバ40は、デバイス50から要求信号を受け取ると、データ蓄積サーバ30に要求信号を転送して当該要求信号に含まれるユーザIDに対応した家電機器の動作ログをデータ蓄積サーバ30から提供情報として取得する。デバイス制御サーバ40は、取得した提供情報に含まれる動作ログに基づいて、要求信号を発したデバイス50に適した画像情報を含む応答情報を生成し、当該デバイス50に送る。デバイス50は、受け取った応答情報から表示画像を取り出して表示部に表示する。
【0017】
デバイス50が携帯端末52のようにアプリケーションを動作可能な機器の場合、デバイス50が発した要求信号はデータ蓄積サーバ30に直接送られる。その結果、デバイス50は、要求信号に含まれるユーザIDに対応した家電機器の動作ログを提供情報としてデータ蓄積サーバ30から直接受け取る。デバイス50は、受け取った提供情報に基づいて表示画像を生成し、表示部に表示する。
【0018】
この実施形態のシステムでは、データ蓄積サーバ30がユーザのユーザIDと当該ユーザの管理下にある家電機器の家電IDとを対応付けて管理するので、複数の家電機器10の動作ログが異なる家電登録サーバ20にて管理されていても、当該ユーザの管理下にある家電機器10の動作ログをすべて取得することができる。また、この実施形態のシステムでは、ユーザの管理下にある複数の家電機器10の動作ログに係る情報を一括してユーザのデバイス50に提供することができるので、単に家電機器個々の動作状況にとどまらず、当該家電機器が配設された空間(例えば家屋)にいる家電機器使用者の状況(例えば意識を失う事態にあっていないかどうか等)の把握を可能にする。
【0019】
(家電機器)
続いて、図2を参照して、実施形態に係る家電機器ネットワークシステム1の構成を説明する。家電機器10は、状態検出部100、動作ログ生成部110、動作ログ記憶部120、データ送出部130を備えている。
【0020】
状態検出部100は、家電機器10の動作状態を検知するセンサである。状態検出部100は、家電機器10の動作状態、家電機器10における故障や動作エラー、家電機器10にて発生するイベント、家電機器10を制御するコマンドなどを検出する。
【0021】
動作ログ生成部110は、状態検出部100が検知した情報に基づき、家電機器10の動作ログを生成する演算ブロックである。動作ログ生成部110が生成する動作ログは、家電機器10のデバイス情報、家電機器10の動作状態を示す状態情報、家電機器10における故障や動作エラーの内容を示すエラー情報、家電機器10から発信する通知情報、家電機器10を制御するためのコマンド情報などを含んでいる。
【0022】
デバイス情報は、例えばモデル名や機器IDなどを含んでいる。状態情報は、例えば、家電機器10の動作内容を示す機能的動作状態や、家電機器10における消耗品やメンテナンス部品の状態を示すメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を含んでいる。エラー情報は、家電機器10の故障情報や動作エラー情報などを含んでいる。通知情報は、例えば家電機器10に備えられた扉の開閉状態などユーザに通知すべき情報を含んでいる。コマンド情報は、例えば遠隔操作機能や日時設定機能などを示す情報を含んでいる。
【0023】
動作ログ記憶部120は、動作ログを記憶するメモリである。動作ログ生成部110は、状態検出部100が時々刻々検知した動作状態をもとに動作ログを生成し、動作ログ記憶部120に記憶させる。
【0024】
データ送出部130は、家電機器10をネットワーク5に接続するインタフェースである。データ送出部130は、所定のタイミングで動作ログを動作ログ記憶部120から読み出して家電登録サーバ20へ送信する。
【0025】
家電登録サーバ20は、家電機器10が送信する動作ログを登録するデータベースである。家電登録サーバ20は、家電機器10の家電ID及び当該家電IDに対応する動作ログを蓄積する。すなわち、家電登録サーバ20は、家電機器10個々のログ取得や遠隔制御を可能にする。
【0026】
(データ蓄積サーバ)
データ蓄積サーバ30は、送受信部300、ID管理部310、家電データベース(DB)320、動作状況記憶部330、要求処理部340及び提供情報生成部350を備えている。
【0027】
送受信部300は、データ蓄積サーバ30をネットワーク5と接続するインタフェースである。送受信部300は、ネットワーク5の種別により有線であっても無線であってもかまわない。
【0028】
ID管理部310は、この家電機器ネットワークシステム10のユーザを識別するユーザIDを管理する。ユーザIDは、あらかじめID管理部310に格納されていてもよいし、ユーザからの要求に応じてユーザIDを登録してもよい。さらには、ID管理部310の機能をデータ蓄積サーバ30とは異なるサーバ上に配設してもよい。
【0029】
家電DB320は、ID管理部310が管理するユーザと関連付けられた家電機器10の家電IDとを管理するデータベースである。すなわち、ID管理部310は、家電DB320に基づきユーザおよび当該ユーザに対応付けられた家電機器10を管理することができる。
【0030】
動作状況記憶部330は、家電DB320が管理する家電機器10と、当該家電機器10に対応する動作ログとを管理するデータベースである。
【0031】
要求処理部340は、デバイス制御サーバ40またはデバイス50から送られる要求信号を処理する演算ブロックである。要求処理部340は、受け付けた要求信号に基づき、要求信号に含まれるユーザID、当該ユーザIDに紐づけられた家電ID、および当該家電IDに紐づけられた動作ログを関連付ける機能を有する。
【0032】
提供情報生成部350は、要求処理部340が関連付けた情報に基づいて提供情報を生成する。提供情報は、ユーザIDに関連付けられた家電IDおよび当該家電IDの家電機器10の動作ログを含んでいる。
【0033】
(デバイス制御サーバ40)
データ蓄積サーバ30が生成する提供情報は、ユーザIDに関連付けされた家電機器10それぞれの動作ログを含んでいる。デバイス制御サーバ40は、デバイス50からの要求信号に応じて、当該要求信号に含まれたユーザIDに対応する動作ログの情報及び当該デバイス50における表示に適した画像情報を含む応答情報を生成する。デバイス制御サーバ40は、送受信部400、ID管理部410、デバイスデータベース(DB)420、動作状況記憶部430、要求処理部440及び応答情報生成部450を備えている。
【0034】
送受信部400は、デバイス制御サーバ40をネットワーク5と接続するインタフェースであり、データ蓄積サーバ30の送受信部400と対応する。送受信部300は、ネットワーク5の種別により有線であっても無線であってもかまわない。送受信部400は、デバイス50からの要求を受け付け、データ蓄積サーバ30に要求を発するとともに、デバイス制御サーバ40が生成した応答情報をデバイス50に返す機能を有する。
【0035】
ID管理部410は、この家電機器ネットワークシステム10のユーザを識別するユーザIDを管理する演算ブロックであり、ID管理部310に対応する。ユーザIDは、あらかじめID管理部410に格納されていてもよいし、ユーザからの要求に応じてユーザIDを登録してもよい。ID管理部310と同様に、ID管理部310の機能をデータ蓄積サーバ30とは異なるサーバ上に配設してもよい。
【0036】
デバイスDB420は、ID管理部410が管理するユーザと関連付けられたデバイス50を管理するデータベースである。すなわち、ID管理部410は、デバイスDB420に基づきユーザIDおよび当該ユーザIDに対応付けられたデバイス50を管理することができる。
【0037】
動作状況記憶部430は、デバイスDB420が管理するデバイス50と、当該デバイス50に表示させる家電機器10の動作ログとを対応付けて管理するデータベースである。
【0038】
要求処理部440は、デバイス50から送られる要求を処理する演算ブロックである。要求処理部440は、受け付けた要求信号に基づき、要求信号に含まれるユーザID、当該ユーザIDに紐づけられた家電機器10の家電ID、および当該家電機器に紐づけられた動作ログを関連付ける機能を有する。
【0039】
応答情報生成部450は、要求処理部440が関連付けた情報に基づいて応答情報を生成する。応答情報は、データ蓄積サーバ30が生成する提供情報をデバイス50が表示可能な形態に変換したものであり、情報の内容は提供情報と同一である。すなわち、ユーザIDに関連付けられた家電機器10および当該家電機器10それぞれの動作ログを含んでいる。
【0040】
(デバイス50)
デバイス50は、送受信部500、入力インタフェース(I/F)510、動作状況記憶部520、表示情報データベース(DB)530、表示情報生成部540及び表示部550を備えている。
【0041】
送受信部500は、デバイス50をネットワーク5と接続するインタフェースであり、データ蓄積サーバ30の送受信部400やデバイス制御サーバ40の送受信部400と対応する。送受信部500は、ネットワーク5の種別により有線であっても無線であってもかまわない。送受信部500は、データ蓄積サーバ30またはデバイス制御サーバ40に要求を発するとともに、データ蓄積サーバ30が生成した提供情報またはデバイス制御サーバ40が生成した応答情報を受ける機能を有する。
【0042】
入力I/F510は、ユーザからの指示を受け付けるインタフェースであり、タッチパネルやキーボードなどである。
【0043】
動作状況記憶部520は、データ蓄積サーバ30の動作状況記憶部330やデバイス制御サーバ40の動作状況記憶部430に対応する。動作状況記憶部520は、デバイス50と、当該デバイス50に表示させる家電機器10の動作ログとを対応付けて管理するデータベースである。
【0044】
表示情報生成部540は、デバイス制御サーバ40から送られた応答情報に基づいてデバイス50が表示する表示情報を生成する演算ブロックである。表示情報DB530は、表示情報生成部540が生成した表示情報や、デバイス制御サーバ40から送られた応答情報を表示情報として管理するデータベースである。表示部550は、液晶ディスプレイなどの出力インタフェースであり、表示情報を表示する。
【0045】
(家電機器10の動作例)
続いて、図2及び図3を参照して、家電機器10の動作を説明する。
【0046】
状態検出部100は、家電機器10の動作状況を検出する(S600)。動作状況は、例えば家電機器10の動作を示す状態情報、家電機器10の故障などを示すエラー情報、家電機器の様子を通知する通知情報、家電機器10の制御に係るコマンド情報などが含まれる。状態検出部100が検出した動作状況は、動作ログ生成部110に送られる。
【0047】
動作ログ生成部110は、家電IDなどのデバイス情報と状態検出部100が検出した動作状況に基づいて動作ログを生成する(S602)。動作ログ生成部110が生成した動作ログは、動作ログ記憶部120に記憶される。動作ログ記憶部120に記憶される動作ログは、状態検出部100が検出した動作状況に対応する家電IDが付されている。
【0048】
データ送出部130は、データ送出のタイミングを計測している。データ生成のタイミングは、所定の時間ごとでもよいし、動作ログの生成量でもよい。データ送出のタイミングに至らない場合(S604のNo)、状態検出部100は動作状況の検出を続行する(S600)。データ送出のタイミングに至った場合、データ送出部130は、所定時間分または所定量の動作ログを、ネットワーク5を介して家電登録サーバ20に送る(S606)。
【0049】
家電登録サーバ20は、家電機器10から送られた動作ログを、当該家電機器10の家電IDと対応付けて記憶する。家電登録サーバ20は、所定の家電機器10の動作ログを記録する。例えば、家電機器10の製造メーカ単位で家電登録サーバ20を設けてもよいし、家電機器10が配設された地域ごとに家電登録サーバ20を設けてもよい。この実施形態の家電登録サーバ20は、家電機器10の家電IDと当該家電IDをもつ家電機器10の動作ログとを対応付けて管理する。
【0050】
(データ蓄積サーバ30の動作例)
続いて、図2及び図3を参照して、データ蓄積サーバ30の動作を説明する。ID管理部310は、ユーザIDを用いて、当該ユーザIDと対応付けた家電機器10の家電IDを家電DB320にて管理する(S610)。すなわち、ID管理部310は、ユーザが管理対象と定めた家電機器10を家電DB320にて管理している。
【0051】
要求処理部340は、ユーザに対応する家電機器10に係る動作ログを取得するため、家電登録サーバ20に対する要求信号を生成する。送受信部300は、要求処理部340が生成した要求信号を家電登録サーバ20に送信する(S611)。ユーザに対応する家電機器10が複数の家電登録サーバ20に管理されている場合、要求処理部340は、対応する複数の家電登録サーバ20それぞれに向けた要求信号を生成し、送受信部300は、当該複数の家電登録サーバ20それぞれに要求信号を送出する。
【0052】
家電登録サーバ20は、データ蓄積サーバ30からの要求信号を受けると、管理下の家電機器10に対応する動作ログをデータ蓄積サーバ30に回答し、送受信部300は動作ログを受信する(S612)。
【0053】
動作ログを受けると、要求処理部340は、受信した動作ログを動作状況記憶部330に登録する(S613)。
【0054】
要求処理部340は、デバイス制御サーバ40またはデバイス50からの要求信号の受信を待機している(S614)。要求信号が受信されない場合(S614のNo)、家電登録サーバ20に対する動作ログの要求、動作ログの受信、動作ログの登録を継続する(S611~S613)。
【0055】
要求信号を受信すると(S614のYes)、提供情報生成部350は、要求に応じた動作ログを動作状況記憶部330から読み出し、動作状況記憶部330から要求を発したデバイス制御サーバ40またはデバイス50に対する提供情報を生成する(S615)。提供情報は、デバイス制御サーバ40またはデバイス50から送られた要求信号に含まれたユーザIDと、当該ユーザIDに対応付けられた家電機器10の動作ログを含んでいる。
【0056】
要求処理部340は、提供情報生成部350が生成した提供情報を、要求の送信元であるデバイス制御サーバ40またはデバイス50に対して送信する(S616)。
【0057】
ここで、図5Aないし5Cを参照して、この実施形態における動作ログに含まれる情報について説明する。図5Aは、家電機器10が洗濯機11である場合の動作ログの情報例、図5Bは、家電機器10がエアコン12である場合の動作ログの情報例、図5Cは、家電機器10が冷蔵庫13である場合の動作ログの情報例である。
【0058】
図5Aに示すように、実施形態の家電機器10としての洗濯機11は、デバイス情報、状態情報、およびエラー情報を動作ログの項目として有しており、家電登録サーバ20を通じて動作状況記憶部330などにおいて共有される。これらの情報は、最終的に動作状況記憶部520に記憶され、表示部550の表示情報としてユーザに提供される。図5Aに示す例では、デバイス情報としてモデル名や機器ID、設置場所などを含んでいる。また、状態情報として、洗濯乾燥・洗濯・乾燥などのモードを示すモード情報、すすぎ回数・注水洗濯・注水回数などを示す洗濯情報、洗剤残量や柔軟剤残量などを示すメンテナンス情報などを含んでいる。さらに、エラー情報として、実運転時間を示す時間情報や洗剤自動投入の使用有無を示す自動動作情報などを含んでいる。
【0059】
図5Bに示すように、実施形態の家電機器10としてのエアコン12は、デバイス情報及び状態情報を動作ログの項目として有しており、家電登録サーバ20を通じて動作状況記憶部330などにおいて共有される。これらの情報は、最終的に動作状況記憶部520に記憶され、表示部550の表示情報としてユーザに提供される。図5Bに示す例では、デバイス情報としてモデル名や機器ID、設置場所などを含んでいる。また、状態情報として、温風・冷風・自動・ドライ・スマート・ファンなどの動作モード、室内や室外の温度、洗濯乾燥・洗濯・乾燥などの運転モード、無人省エネ動作を示す省エネ情報、フィルタの交換タイミングを示すメンテナンス情報などを含んでいる。
【0060】
図5Cに示すように、実施形態の家電機器10としての冷蔵庫13は、デバイス情報、状態情報、エラー情報、通知情報及びコマンド情報を動作ログの項目として有しており、家電登録サーバ20を通じて動作状況記憶部330などにおいて共有される。これらの情報は、最終的に動作状況記憶部520に記憶され、表示部550の表示情報としてユーザに提供される。図5Cに示す例では、デバイス情報としてモデル名や機器ID、設置場所などを含んでいる。また、状態情報として、節電機能の有無、冷蔵室や冷凍室の温度、キーロックの状態、冷蔵室扉の状態、消費電力量などを含んでいる。さらに、エラー情報として故障回数や故障日時などを含んでいる。通知情報としては、冷蔵室・野菜室・製氷室の扉の状態、急冷などの完了通知などを含んでいる。そして、コマンド情報として、撮影指示や日時設定情報などを含んでいる。なお、動作ログの項目として、製氷用の給水タンクの状態などをメンテナンス情報として含んでもよい。
【0061】
この実施形態のデータ蓄積サーバ30は、ユーザIDと、当該ユーザの管理下にある家電機器10とを対応付けて管理する。従って、IoT技術により複数の家電機器が動作ログ等を生成した場合でも、当該ユーザの管理下にある家電機器の動作ログ等をユーザに提供することができる。このとき、データ蓄積サーバ30が生成する提供情報は、単にユーザの管理下にあるか否かだけではなく、特定のルールに基づいて特定の家電機器・特定の動作ログのみに基づいて構成されてもよい。例えば、図5Aないし図5Cに示すように、動作ログとしてデータ蓄積サーバ30の動作状況記憶部が管理する項目数は多岐にわたる。このような場合に、例えば状態情報の中でも洗濯時間(洗濯機)、電源のオンオフ時刻(エアコン)、扉の状態(冷蔵庫)などを組み合わせて提供情報を生成することにより、家電機器10の使用者が単に家電機器の操作を誤ったのか、或いは家電機器10の使用者に何か事故が発生し家電機器を操作できない状態にあるのか等、多目的な判断材料を提供することが可能になる。
【0062】
(デバイス制御サーバ40の動作例)
実施形態の家電機器ネットワークシステム1では、デバイス50としてテレビ51や携帯端末52などが一例として挙げられる。このうち、テレビ51は、基本的に受信した画像情報を表示する機能に特化しているから、ユーザがもつ家電機器10の動作ログに係る情報を表示するデバイス制御サーバ40を備えている。デバイス50として携帯端末52を用いる場合は、デバイス制御サーバ40の機能を携帯端末52自ら実現できる。
【0063】
図2及び図6を参照して、デバイス制御サーバ40の動作を説明する。ID管理部410は、ユーザIDを用いて、当該ユーザIDと対応付けたデバイス50をデバイスDB420にて管理する。すなわち、ID管理部410は、ユーザが家電機器10の動作ログを表示させるデバイス50をデバイスDB420にて管理している。
【0064】
要求処理部440は、ユーザに対応する家電機器10に係る動作ログを取得するための要求信号の受信を待機している。デバイス50がネットワーク5を介して要求信号を発すると、送受信部300は、デバイス50から要求信号を受け付ける(S620)。要求信号には、デバイス50の使用者たるユーザのユーザIDが含まれている。
【0065】
ID管理部410は、受け付けた要求信号からユーザIDを取り出し、当該ユーザIDに対応付けられたデバイス50をデバイスDB420から読み出す(S622)。
【0066】
続いて、要求処理部440は、デバイス50から受けた要求信号に含まれるユーザIDに基づいて、当該ユーザIDに対応付けられた家電機器10に対応する動作ログの要求信号を生成する。送受信部400は、動作ログの要求信号をデータ蓄積サーバ30へ送る。データ蓄積サーバ30は、図4のステップS614~S616の動作により、要求信号に応じて動作ログを含む提供情報を送信する。送受信部400が動作ログを含む提供情報を受信すると、要求処理部440は、受信した提供情報から動作ログを取り出して動作状況記憶部430に記憶させる(S624)。
【0067】
応答情報生成部450は、動作状況記憶部430に記憶された動作ログに基づいて、デバイス50が表示可能な画像情報をなす応答情報を生成する(S626)。応答情報は、画像データやテキストデータなど動作ログの情報を示すことができればどのような形態でもよい。応答情報が生成されると、送受信部400は、応答情報をデバイス50に送信する(S628)。
【0068】
この実施形態のデバイス制御サーバ40は、ユーザIDと、当該ユーザが用いるデバイス50とを対応付けて管理する。従って、デバイス50がテレビ51のように受動的な機器である場合でも、データ蓄積サーバ30が提供した提供情報を当該機器が表示可能な情報へと変換することができる。これにより、実施形態の家電機器ネットワークシステムを利用するデバイスを多様化することができる。
【0069】
(デバイス50の動作例)
図2及び図7を参照して、デバイス50の動作を説明する。以下に説明する動作例は、デバイス50がテレビ51であり、デバイス制御サーバ40を介して動作ログ等を取得する例である。
【0070】
入力I/F510は、ユーザからの動作ログ入手の指示操作を受け付けると(S630)、送受信部500は、ユーザの識別ID及び動作ログを求める家電機器10を含む要求信号をデバイス制御サーバ40に送信する(S632)。デバイス制御サーバ40は、図4に示す動作により、データ蓄積サーバ30からユーザの識別IDに対応する家電機器10の動作ログを含む提供情報を取得し、デバイス50に向けた応答情報を生成して応答する。
【0071】
送受信部500が応答情報を受けると、表示情報生成部540は、応答情報に基づいて表示部550に表示する表示情報を生成する(S636)。表示部550は、生成された表示情報を表示する。
【0072】
この実施形態のデバイス50は、ユーザが指示した動作ログを含む応答情報を取得し、表示部50により応答情報を表示する。すなわち、デバイス50は表示する情報を要求し、受信し、表示する機能を持つから、演算処理を抑えて動作時間を延ばすことが可能になる。
【0073】
(デバイス50の他の動作例)
デバイス50が携帯端末52である場合、デバイス50はデバイス制御サーバ40を介さず、直接データ蓄積サーバ30に要求信号を送信してもよい。すなわち、送受信部500は、要求信号をデータ蓄積サーバ30に送信し(S632)、応答情報の替わりに提供情報を受信する。提供情報は、動作状況記憶部520に記憶される。
【0074】
表示情報生成部540は、デバイス制御サーバ40の応答情報生成部450と同様に、動作状況記憶部520に記憶された動作ログに基づいて、表示部50が表示可能な表示情報(画像情報)を生成する(S636)。表示情報は、画像データやテキストデータなど動作ログの情報を示すことができればどのような形態でもよい。表示情報が生成されると、表示部550は、生成された表示情報を表示する(S638)。
【0075】
この実施形態のデバイス50は、デバイス制御サーバ40の情報変換機能を自ら具備している。すなわち、家電機器ネットワークシステム全体としてサーバの数を減らすことができる。また、ソフトウェアの変更により表示情報をデバイス50において変更することができる。
【0076】
ここで、デバイス50の表示部が表示する表示情報の例について説明する。応答情報生成部450や表示情報生成部540は、提供情報に含まれる動作ログの内容を組み合わせて視覚的に整理された表示情報を生成する。表示部550は、表示情報に基づいて以下に説明する画面構成図のような表示を実行する。以下の説明において、共通する表示項目(要素)については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0077】
(表示情報の例1)
図8Aは、各家庭において指定された単一日における家電機器10の個々の使用状況700をデバイス50の表示部で表示する場合の画面構成図70を示している。この例では、家電の使用状況700(第1表示情報)として、日時情報701、使用中の家電情報702、動作情報706が表示されている。
【0078】
図8Aに示す例では、使用中の家電情報702としてテレビ情報702a(第2表示情報)、冷蔵庫情報702b(第3表示情報)、洗濯機情報702c、エアコン情報702dがリスト表示され、それぞれの表示枠内にテレビアイコン703a(第1家電特定表示)、冷蔵庫アイコン702b(第2家電特定表示)、洗濯機アイコン702cおよびエアコンアイコン702dが表示されている。すなわちこれらの家電機器が動作ログを取得可能であることが示されている。
【0079】
使用中の家電情報702には、家電機器の名前情報704aないし704dが含まれており、名前情報には設置場所情報も含まれている。すなわち、冷蔵庫の名前情報704bには、冷蔵庫の設置場所である「キッチン」が表示され、洗濯機の名前情報704cには、洗濯機の設置場所である「サニタリー」が表示され、エアコンの名前情報704dには、エアコンの設置場所である「リビング」が表示されている。
【0080】
使用中の家電情報702には、家電機器のメンテナンス情報を含めてもよい。例えば図8Aに示す例では、冷蔵庫情報702bには、製氷用水の残量を示すアイコン705bが含まれ、洗濯機情報702cには、洗剤や柔軟剤の残量を示すアイコン705cが含まれ、エアコン情報702dには、フィルタの交換時期を示すアイコン705dが含まれている。
【0081】
動作情報706は、使用中の家電情報と対応する位置に配列されている。すなわち、テレビ情報702aには、テレビ動作情報706a(第1動作ログ表示)として、日時情報701が示す日における動作時間(3時間)が示されている。同様に、冷蔵庫情報702bには、冷蔵庫動作情報706b(第2動作ログ表示)として、日時情報701が示す日におけるドアの開閉回数(5回)が示されている。洗濯機情報702cには、洗濯機動作情報706cとして、日時情報701が示す日における動作回数(0回)が示されている。エアコン情報702dには、エアコン動作情報706dとして、日時情報701が示す日における動作時間(2時間)が示されている。
【0082】
これら動作情報は、家電機器10が生成する動作ログに基づいて生成された提供情報から抽出して得られるものである。この実施形態のデバイス50によれば、複数の家電機器10に係る動作情報を一覧に表示することができる。複数の家電機器に係る動作情報を一覧にすることで、家電機器10の単なる消し忘れや故障を示すだけでなく、家電機器10が配設された空間における家電機器使用者の状態(家電機器を操作できない緊急の状態等)をも示すことが可能になる。
【0083】
(表示情報の例2)
図8Bは、図8Aに示す画面構成図70の変形例としての画面構成図71を示している。図8Bに示す例では、日時情報701に替えて期間情報711を含んでおり、また、動作情報706に替えて積算動作情報716を含んでいる。すなわち、期間情報711が示す期間内における経時的な動作を示す家電機器10の動作情報の積算値を表示することで、家電機器使用者の状態をより正確に示すことが可能になる。
【0084】
(表示情報の例3)
図9Aは、図8Aに示す画面構成図70の変形例としての画面構成図72を示している。図9Aに示す例では、使用中の家電情報702や動作情報706に加えて、日時情報701が示す日から一週間前までの動作情報をグラフ化した週間動作情報720を含んでいる。
【0085】
図9Aに示す例では、マーク702eが表示されたテレビ情報702aの過去一週間分の動作情報に対応する週間動作情報720が示されている。週間動作情報720は、家電機器の名称721と、対象となる期間情報722が表示され、併せて日時情報701が示す日から一週間前までの期間動作グラフ723が時刻724と対応させて表示されている。なお、期間動作グラフ723は、日時情報701が示す日を含む日曜日から土曜日までの一週間分を時刻724と対応させて表示してもよい。この場合、曜日の表示がカレンダー表記と共通になるためユーザの理解が容易になる。期間動作グラフ723は、曜日ごとの動作グラフ723aないし723gが整列して表示され、現在の日時を示すマーカ725が表示されている。
【0086】
この実施形態の画面構成は、家電機器10それぞれの動作状態を網羅的に示すことができる。
【0087】
(表示情報の例4)
図9Bは、図9Aに示す画面構成図72の変形例としての画面構成図73を示している。
図9Bに示す例では、日時情報701に替えて期間情報731を含んでおり、また、動作情報706に替えて積算動作情報736(736a~736d)を含んでいる。すなわち、期間情報731が示す期間内における経時的な動作を示す家電機器10の動作情報の積算値を表示することで、家電機器使用者の状態をより正確に示すことが可能になる。
【0088】
図9Bに示す例では、期間情報731として12月4日(水)から12月10日(火)が表示され、当該期間情報731の期間内における家電機器10の個々の機器毎の使用時間・回数の合計が表示されている。
【0089】
(表示情報の例5)
図10Aは、図8Aに示す画面構成図70の変形例としての画面構成図74を示している。画面構成図74は、デバイス50がテレビ51である場合を示しており、図8Aに示す画面構成に加えて文字による動作情報746と、文字によるメンテナンス情報747を示している。
【0090】
図10Aに示す例では、日時情報701として12月9日(月)が表示され、使用中の家電情報702や動作情報706が列挙されている。使用中の家電情報702及び動作情報706と対応する位置に、使用中の家電情報702それぞれと対応する文字による動作情報746が表示され、さらに文字によるメンテナンス情報747が併記されている。
【0091】
(表示情報の例6)
図10Bは、図8Bに示す画面構成図71の変形例としての画面構成図75を示している。画面構成図74は、デバイス50がテレビ51である場合を示しており、図8Bに示す画面構成に加えて文字による積算動作情報756を示している。
【0092】
図10Bに示す例では、期間情報701として12月9日(月)から12月15日(日)が表示され、使用中の家電情報702および動作情報706と対応する位置に、使用中の家電情報702それぞれと対応する文字による積算動作情報756が表示されている。
【0093】
画面構成図74及び75は、応答情報生成部450により生成される。
【0094】
(表示情報の例7)
図11A及び図11Bは、図8A及び図8Bに示す画面構成図の変形例であり、家電機器10の使用者の状態をより分かりやすく示すべく動作状態の表示を改めたものである。図11Aに示す例では、見守りサービス情報760として、家電機器10の現時点での動作状態を示す最新動作情報766が表示されている。
【0095】
例えば、テレビ情報702aと対応させたテレビ最新動作情報766a(オン)が表示され、冷蔵庫情報702bと対応させた冷蔵庫最新動作情報766b(ドアオープン)が表示され、洗濯機情報702cと対応させた洗濯機最新動作情報766c(運転中)が表示され、エアコン情報702dと対応させたエアコン最新動作情報766d(冷房中;設定温度26.0℃)および室温情報765d(室温30.0℃)が表示されている。この実施形態では、動作情報として現時点での動作を示す最新動作情報を表示するため、家電機器10の使用者の最新動向を示すことができる。
【0096】
図11Bに示す例では、見守りサービス情報760として、日時情報701が示す日における積算動作情報776が表示されている。すなわち、テレビ情報702aと対応させたテレビ積算動作情報776a(当日延べ5時間使用)が表示され、冷蔵庫情報702bと対応させた冷蔵庫積算動作情報776b(当日7回のドア開閉)が表示され、洗濯機情報702cと対応させた洗濯機積算動作情報776c(当日延べ1回使用)が表示され、エアコン情報702dと対応させたエアコン積算動作情報776d(当日延べ8時間使用)が表示されている。
【0097】
これらの動作状態は、家電機器10の動作ログから抽出され、提供情報生成部350、応答情報生成部450または表示情報生成部540において加工された情報として生成される。
【0098】
(他の実施形態)
図2に示す実施形態は、複数の家電機器10の動作ログを一覧可能な状態で表示させることで家電機器10が配設された空間にある使用者の状態把握を可能にした。以下に説明する実施形態は、複数の家電機器10が生成する動作ログに複数の異常値が含まれたような場合に、デバイス50をもつユーザに警告を発する機能を持っている。以下、図12を参照して、この実施形態のデバイス50Aを説明する。デバイス50Aは、図2に示す実施形態のデバイス50を変形したものである。以下の説明において、第1の実施形態と共通する要素のついては共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0099】
図12に示すように、この実施形態のデバイス50Aは、図2に示すデバイス50にさらに動作監視部560及び警告判定部570を備えたものである。動作監視部560は、データ蓄積サーバ30及びデバイス制御サーバ40を経て取得した家電機器10の動作状況に基づき、家電機器10及び当該家電機器10が配設された空間にある使用者の状態を監視する演算ブロックである。警告判定部570は、動作監視部560の監視結果に基づき、家電機器10が配設された空間にある使用者の状態が正常か否か判定し、正常でない場合に警告信号を発する演算ブロックである。
【0100】
続いて、図12及び図13を参照して、この実施形態に係るデバイス50Aの動作を説明する。デバイス50Aは、図7に示すように要求信号RQをデバイス制御サーバ40またはデータ蓄積サーバ30に送り、家電機器10の動作ログを含む応答情報または提供情報を受信する(S640)。
【0101】
動作監視部560は、動作状況記憶部520に記憶された家電機器10の動作ログを監視している(S642)。その結果、複数の動作ログに異常を示すデータが含まれていた場合(S644のYes)、警告判定部570は、第1の警告として複数動作ログの異常発生を表示部550に表示する(S646)。動作ログ上の異常が一つの家電機器10に留まる場合(S644のNo)、例えば動作ログ上の異常がエアコンの電源が所定時間以上オンのままであるのみの場合、単なる消し忘れの可能性もあり警告を表示しない。
【0102】
警告判定部570が第1の警告を発すると、警告判定部570は、内部のタイマーを起動させて複数動作ログの異常状態が所定時間維持するか判定する(S648)。所定時間内に異常が解消すれば(S648のNo)、動作監視部560による監視動作に戻る。複数動作ログの異常が第1の警告を発してから異常状態が所定時間維持されると(S648のYes)、警告判定部570は第2の警告として家電機器10の配設された空間を確認すべき旨表示部550に表示する(S650)。
【0103】
この実施形態のデバイス50Aでは、家電機器10の複数の動作ログを監視し、異常の発生を二段階に分けて警告信号を発するので、家電機器10が置かれた空間にある使用者の状態をより正確にモニターすることができる。
【0104】
図14Aは、この実施形態のデバイス50Aによる画面構成図78である。この実施形態のデバイス50Aの画面構成図では、見守りサービス780のための家電機器10の動作状況を表示するため、動作情報706に替えて積算動作情報736表示する点を除き、図9Aに示す画面構成図72と同様である。図14Bは、図14Aに示す画面構成図78の変形例であり、未使用時間が長期にわたっている例である。図14Bに示す画面構成図79では、テレビ情報702aが表示され、過去一週間分の期間動作グラフ723が示されている。このうち、期間動作グラフ793dないし793gについて、テレビが連続して長期間動作していないことが示されている。第1の警告及び第2の警告は、画面構成図の要素を点滅させる等により表示してもよいし、図14Bの動作していない期間を着色する等により表示してもよい。
【0105】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1…家電機器ネットワークシステム、
5…ネットワーク、
10…家電機器、
11…洗濯機、
12…エアコン、
13…冷蔵庫、
14…テレビ
20…家電登録サーバ、
30…データ蓄積サーバ、
40…デバイス制御サーバ、
50…表示装置、
51…テレビ、
52…携帯端末、
100…状態検出部、
110…動作ログ生成部、
120…動作ログ記憶部、
130…データ送出部、
300…送受信部、
310…ID管理部、
320…家電DB、
330…動作状況記憶部、
340…要求処理部、
350…提供情報生成部、
400…送受信部、
410…ID管理部、
420…家電DB、
430…動作状況記憶部、
440…要求処理部、
450…応答情報生成部、
500…送受信部、
510…入力I/F、
520…動作状況記憶部、
530…表示情報DB、
540…表示情報生成部、
550…表示部、
560…動作監視部、
570…警告判定部。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B