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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/30 20200101AFI20230227BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
D06F33/30
D06F39/08 311F
D06F39/08 301Q
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020001787
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021108840
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】辻 悠一
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-321262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、前記外枠内に揺動自在に弾性支持された水槽と、前記水槽に回転自在に内包された洗濯兼脱水槽と、前記水槽の上部に高水位より高い位置に設けられ、前記水槽内の水を機外へ排水する排水ホースと連通する溢水口と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽に給水する給水弁と、前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段への電力供給の制御を行う水位検知用スイッチと、前記外枠内に配設され常時通電されている制御装置と、前記制御装置に設けられ運転コース等のモードや各種機能の選択を行う操作表示手段と、前記制御装置に設けられ各種情報を記憶する記憶手段と、前記制御装置に設けられ各種時間を計測する計時手段と、交流電源を直流に変換し前記制御装置に供給する直流電源装置と、前記制御装置に設けられ前記水位検知手段、前記記憶手段、前記計時手段などの情報を基に、前記モータ、前記給水弁などを制御し、洗い、すすぎ、脱水などの各行程を逐次制御する制御手段と、を備え、前記前記制御手段は、水が前記水槽から前記溢水口を介して外部に溢水する溢水口水位を設定し、運転終了して所定時間後に給水異常検知動作を行い、この給水異常検知動作にて、前記水位検知手段により水位を検知し、水位がゼロの場合に、前記水位検知用スイッチをオフにし、前記給水異常検知動作にて、検知した水位がゼロで前記水位検知用スイッチをオフにした後、所定時間後に再度、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行い、その検知した水位が、前記記憶手段に記憶する前回検知水位より高い場合に、その水位の変化量と経過時間により前記溢水口水位に至るまでの時間を推定し、その推定時間を基に、次回に、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行う時間を決定する洗濯機。
【請求項2】
運転終了時や異常発生時の報知を行う報知手段を備え、前記制御手段は、前記給水異常検知動作にて、前記水位検知手段にて検知した水位が、前記溢水口水位に到達すると判定した場合に、前記報知手段により異常報知をする請求項に記載の洗濯機。
【請求項3】
外枠と、前記外枠内に揺動自在に弾性支持された水槽と、前記水槽に回転自在に内包された洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽に給水する給水弁と、前記水槽内の水を機外の前記水槽の上端部よりも高いところまで排水する排水ポンプと、前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段への電力供給の制
御を行う水位検知用スイッチと、前記外枠内に配設され常時通電されている制御装置と、前記制御装置に設けられ運転コース等のモードや各種機能の選択を行う操作表示手段と、前記制御装置に設けられ各種情報を記憶する記憶手段と、前記制御装置に設けられ各種時間を計測する計時手段と、交流電源を直流に変換し前記制御装置に供給する直流電源装置と、前記制御装置に設けられ前記水位検知手段、前記記憶手段、前記計時手段などの情報を基に、前記モータ、前記給水弁などを制御し、洗い、すすぎ、脱水などの各行程を逐次制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、水が前記水槽の上端部から外部に溢水する溢水水位より低く高水位より高い溢水判定水位を設定し、運転終了して所定時間後に給水異常検知動作を行い、この給水異常検知動作にて、前記水位検知手段により水位を検知し、水位がゼロの場合に、前記水位検知用スイッチをオフにし、前記給水異常検知動作にて、検知した水位がゼロで前記水位検知用スイッチをオフにした後、所定時間後に再度、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行い、その検知した水位が、前記記憶手段に記憶する前回検知水位より高い場合に、その水位の変化量と経過時間により前記溢水判定水位に至るまでの時間を推定し、その推定時間を基に、次回に、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行う時間を決定する洗濯機。
【請求項4】
運転終了時や異常発生時の報知を行う報知手段を備え、前記制御手段は、前記給水異常検知動作にて、前記水位検知手段にて検知した水位が、前記溢水判定水位に到達すると判定した場合に、前記排水ポンプを駆動させて排水動作を行い、前記報知手段により異常報知をする請求項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、負荷用電源開閉手段が開状態でも、水位検知手段により洗濯槽の水位を検知するようにし、水位が上昇したときに、洗濯槽の溢水異常、すなわち、給水弁の故障により、給水弁から水が漏れていると判断する洗濯機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-295981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、水位検知手段を常に動作させておく手段では、洗濯運転終了後の待機時電力の増加を招くという課題があった。
【0005】
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段への通電を制御して運転停止後の給水弁の異常を速やかに検知し、その対応を行い、使用者へ異常を通知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省き、家宅の床を破損させるといった拡大被害を防止する洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本開示の洗濯機は、外枠と、前記外枠内に揺動自在に弾性支持された水槽と、前記水槽に回転自在に内包された洗濯兼脱水槽と、前記水槽の上部に高水位より高い位置に設けられ、前記水槽内の水を機外へ排水する排水ホースと連通する溢水口と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽に給水する給水弁と、前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段への電力供給の制御を行う水位検知用スイッチと、前記外枠内に配設され常時通電されている制御装置と、前記制御装置に設けられ運転コース等のモードや各種機能の選択を行う操作表示手段と、前記制御装置に設けられ各種情報を記憶する記憶手段と、前記制御装置に設けられ各種時間を計測する計時手段と、交流電源を直流に変換し前記制御装置に供給する直流電源装置と、前記制御装置に設けられ前記水位検知手段、前記記憶手段、前記計時手段などの情報を基に、前記モータ、前記給水弁などを制御し、洗い、すすぎ、脱水などの各行程を逐次制御する制御手段と、を備え、前記前記制御手段は、水が前記水槽から前記溢水口を介して外部に溢水する溢水口水位を設定し、運転終了して所定時間後に給水異常検知動作を行い、この給水異常検知動作にて、前記水位検知手段により水位を検知し、水位がゼロの場合に、前記水位検知用スイッチをオフにし、前記給水異常検知動作にて、検知した水位がゼロで前記水位検知用スイッチをオフにした後、所定時間後に再度、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行い、その検知した水位が、前記記憶手段に記憶する前回検知水位より高い場合に、その水位の変化量と経過時間により前記溢水口水位に至るまでの時間を推定し、その推定時間を基に、次回に、前記水位検知用スイッチをオンにして前記水位検知手段にて水位検知を行う時間を決定するものである。
【0007】
これによって、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段への通電を制御して運転停止後の給水弁の異常を速やかに検知し、その対応を行い、使用者へ異常を通知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省き、家宅の床を破損させるといった拡大被害を防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の洗濯機は、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段への通電を制御して運転停止後の給水弁の異常を速やかに検知し、その対応を行い、使用者へ異常を通知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省き、家宅の床を破損させるといった拡大被害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における洗濯機の縦断面図
図2】同洗濯機の水位検知手段への電力供給を制御するためのブロック回路図
図3】同洗濯機の給水異常検知制御の動作フローチャート
図4】実施の形態2における洗濯機の縦断面図
図5】同洗濯機の給水異常検知制御の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における洗濯機の縦断面図、図2は、同洗濯機の水位検知手段への電力供給を制御するためのブロック回路図、図3は、同洗濯機の給水異常検知制御の動作フローチャートである。
【0012】
(1-1.構成)
図1において、洗濯兼脱水槽22には、中央底部にパルセータ30が回転自在に配されており、この洗濯兼脱水槽22は水槽21に回転自在に内包されている。そして、この水槽21は、外枠18の上部角隅より防振装置33(上部のみ図示、下部は図示せず)を介して垂下防振支持されている。
【0013】
水槽21の外底部に設けられたモータ28は、その回転力をベルト29および機構駆動部34を介してパルセータ30あるいは洗濯兼脱水槽22を回転駆動するようになっている。
【0014】
また、水槽21の底部には排水弁25が設けられ、水槽21内の水は、排水弁25の開閉により排水ホース26を通って外部へ排水される。
【0015】
また、水槽21の外周壁下部には、エアートラップ23を構成し、エアーホース24にて圧力センサなどで構成された水位検知手段5に連接し、水槽21内部に給水された洗濯水の水圧により水位を検知することが出来る。
【0016】
外枠18の上部に配設された上部枠体31の後部内方には給水弁19が設けられており、給水弁19に通電されると、給水された水道水は給水口20から洗濯兼脱水槽22内に給水される。
【0017】
外枠18の上部に設けられた上部枠体31の略中央部には、洗濯物の投入、取り出しを行うための上部枠体開口部31aが設けられ、その上部枠体開口部31aを開閉自在に覆う蓋体32が設けられている。
【0018】
上部枠体31の前方部には、運転コースの設定などを行う入力設定手段(図示せず)と、その入力設定情報などを表示する表示手段(図示せず)を有する操作表示手段7が設けられており、操作表示手段7の内方には制御手段4を有する制御装置3が設けられている。
【0019】
また、水槽21の上部には、開放端より所定寸法だけ低く、高水位より高い位置に溢水口27が設けられており、溢水ホース35を介して排水ホース26と連通している。溢水口27は、すすぎ行程における溢水すすぎ時に利用されるとともに、何らかの異常により
水位が上昇している時に、水槽21から洗濯水が床面へ溢れるのを防ぐために設けられている。
【0020】
つまり、所定の給水流量以下であれば、何らかの原因により上昇してきた水は、この溢水口27から溢水ホース35、排水ホース26を介して機外へ排水され、水槽21の開放端より床面へ溢れることは無いように構成している。
【0021】
図2において、交流電源1の両端は商用電源を整流し直流を得る直流電源装置2に接続されており、直流電源装置2より制御装置3および洗濯兼脱水槽22の水位を検知する水位検知手段5へ電力を供給している。なお、制御装置3には、常時通電されている。
【0022】
制御装置3の中には、水位検知手段5から送られてくる信号を元に現在の水位を判定し、かつ、水位検知手段5への電力供給を行う水位検知用スイッチ6へ開閉指示を出す制御手段4と、使用者が洗濯機の操作を行う操作表示手段7を備える。
【0023】
制御手段4内部には、前回の水位などの各種情報を記憶しておく記憶手段9、水位検知用スイッチ6の開閉動作を時間制御するための計時手段10、給水弁19、排水弁25、モータ28等の駆動を制御する駆動回路11、各種計算を行うCPU(Central Processing Unit)12などを内蔵している。
【0024】
また、溢水の恐れがあると制御手段4が判定した場合、使用者へ異常を通知するための報知手段8が備えられている。報知手段8は、運転終了時の報知なども行う。
【0025】
給水弁19が開き、最大水圧で給水できた場合に、溢水口27まで到達する時間をあらかじめ実験的に測定しておき、その時間を元に、溢水しない時間として最大待機時間を規定すると共に、水位を確認する最低測定回数(例えば、4回)をあらかじめ設定し、最大水圧および最大待機時間、最低測定回数を制御手段4に記憶しておく。さらに、これ以上給水が続く場合、溢水の発生が生じると判定する溢水判定水位21b、例えば、図1に示す高水位22aと溢水口27の高さである溢水口水位21aとの間に溢水判定水位21bを設定し、記憶手段9に記憶しておく。
【0026】
(1-2.動作、作用)
以上のように構成された洗濯機について、以下、その動作、作用を説明する。
【0027】
図3において、洗濯運転終了後、例えば、終了1分後に給水異常検知動作の制御が開始される(ステップS100)。例えば、給水弁19が故障していれば、運転終了にもかかわらず洗濯兼脱水槽22(水槽21)内に水が入ってくるので、これを検知するために、ステップS101にて、水位検知手段5により水位を検知し、検知結果の値を記憶手段9に記憶する。
【0028】
ステップS102にて水位の検知結果、測定値がゼロの場合(ステップS102のYes)、ステップS105にて待機時間を最大待機時間に設定し、給水弁19の故障などは無く洗濯兼脱水槽22(水槽21)内に水が入ってくる恐れは無いので、ステップS106にて、水位検知用スイッチ6により水位検知手段5の電力供給を遮断する。これにより、水位検知手段5による電力消費をゼロにすることができる。
【0029】
ステップS107にて、所定時間経過後に水位検知用スイッチ6を再びオンさせ、水位検知手段5に電力供給を行うと共に、ステップS108にて水位を検知する。そして、ステップS109にて、ステップS108の検知した水位が前回測定時の水位と同一であれば(ステップS109のNo)、次の洗濯のために別の場所で予洗いした洗濯物が吸い込
んだ水とともに洗濯兼脱水槽22内に投入されているなどの理由により、洗濯兼脱水槽22内の水位がこれ以上上昇することは無いので、ステップS110にて、直ちに水位検知用スイッチ6をオフさせ、ステップS111にて前回設定した待機時間まで水位検知用スイッチ6のオフを継続して、遮断し続ける。
【0030】
ステップS109にて、前回測定した水位と異なる場合(ステップS109のYes)は、ステップS112にて、別途設定している溢水判定水位21bに到達しているか判定し、溢水判定水位21bに到達していないので、溢水の発生がないと判定された場合(ステップS112のNo)は、ステップS113にて、前回ステップS102で検知した水位とステップS108にて測定した水位との変化量から溢水までの時間tofを算出し、ステップS114にて、この溢水までの時間を最低測定回数(例えば、4回)で除した値を待機時間として再設定すると共に、ステップS115にて、検知した水位およびステップS114の待機時間twを記憶手段9に記憶した後、ステップS116にて、水位検知用スイッチ6をオフさせ、水位検知手段5への電力供給を遮断する。
【0031】
そして、ステップS117にて、ステップS114で再設定された待機時間まで水位検知手段5への電力供給を遮断し続け(ステップS118のNo)、待機時間tw経過後(ステップS118のYes)に、ステップS107に戻り、水位検知用スイッチ6を再度オンさせ、水位を再度検知する。以降は、水位変動判定を行う動作を繰り返す。
【0032】
なお、ステップS102にて運転終了直後の水位がゼロでない場合は、ステップS103にて、検知した水位から最大水圧で給水した場合に溢水口27まで到達する時間を計算し、ステップS104にてステップS103で計算した溢水口27までの到達時間を最低測定回数で除した値を待機時間に設定した後、ステップS106にて水位検知用スイッチ6をオフさせ、その後は上記で説明したフローに従う。
【0033】
そして、ステップS112にて、溢水判定水位41bに到達しているので、溢水している判定された場合(ステップS112のYes)は、報知手段8にて使用者に給水異常を通知する(ステップS119)。
【0034】
(1-3.効果等)
本実施の形態1の洗濯機においては、外枠18と、外枠18内に揺動自在に弾性支持された水槽21と、水槽21に回転自在に内包された洗濯兼脱水槽22と、洗濯兼脱水槽22を回転駆動するモータ28と、水槽21に給水する給水弁19と、水槽21内の水位を検知する水位検知手段5と、外枠18内に配設された制御装置3と、制御装置3に設けられ運転コース等のモードや各種機能の選択を行う操作表示手段7と、制御装置3に設けられ各種情報を記憶する記憶手段9と、制御装置3に設けられ各種時間を計測する計時手段10と、交流電源1を直流に変換し制御装置3に供給する直流電源装置2と、制御装置3に設けられ水位検知手段5、記憶手段9、計時手段10などの情報を基に、モータ28、給水弁19などを制御し、洗い、すすぎ、脱水などの各行程を逐次制御する制御手段4と、を備え、制御装置3は、常時通電状態にあり、水位検知手段5へ電力供給の制御を行う水位検知用スイッチ6を有し、制御手段4は、運転終了して所定時間後に給水異常検知動作を行い、この給水異常検知動作にて、水位検知手段5により水位を検知し、水位がゼロの場合に、水位検知用スイッチ6をオフにするものである。
【0035】
これにより、待機電力の低減を図ることができる。
【0036】
また、本実施の形態1の洗濯機においては、水槽21の上部に高水位より高い位置に設けられ、水槽21内の水を機外へ排水する排水ホース26と連通する溢水口27を備え、制御手段4は、水が水槽21から溢水口27を介して外部に溢水する溢水口水位21aを
設定し、給水異常検知動作にて、検知した水位がゼロで水位検知用スイッチ6をオフにした後、所定時間後に再度、水位検知用スイッチ6をオンにして水位検知手段5にて水位検知を行い、その検知した水位が、記憶手段9に記憶する前回検知水位より高い場合に、その水位の変化量と経過時間により溢水口水位21aに至るまでの時間を推定し、その推定時間を基に、次回に、水位検知用スイッチ6をオンにして水位検知手段5にて水位検知を行う時間を決定するものである。
【0037】
これにより、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段5への通電を制御して運転停止後の給水弁19の異常を速やかに検知し、その対応を行うことで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省くことができる。
【0038】
また、本実施の形態1の洗濯機においては、運転終了時や異常発生時の報知を行う報知手段8を備え、制御手段4は、給水異常検知動作にて、水位検知手段5にて検知した水位が、溢水判定水位21bに到達すると判定した場合に、報知手段8により異常報知をするものである。
【0039】
これにより、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段5への通電を制御して運転停止後の給水弁19の異常を速やかに検知し、使用者に報知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省くことができる。
【0040】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2における洗濯機の縦断面図、図5は、同洗濯機の給水異常検知制御の動作フローチャートである。
【0041】
なお、水槽及び排水構成以外の構成については、実施の形態1と同じであり、同一符号を付して、説明を省略する。
【0042】
(2-1.構成)
図4において、水槽41の底面には、機内排水ホース42が接続されており、機内排水ホース42の先端部には、排水ポンプ43が接続されている。
【0043】
排水ポンプ43は、機外排水ホース44を介して、水槽41内の洗濯液を水槽41の上端部よりも高いところまで揚水し、排水を行う。そのため、実施の形態1に示した溢水口27を設けることは出来ない構成となっている。その他構成については、実施の形態1の洗濯機と同じ構成となっている。
【0044】
また、この構成の場合、溢水水位41aは、水槽41の上端面となっており、仮に、給水弁19の故障などが発生し、給水が止まらなくなってしまった場合、水が溢水水位41aを乗り越えて、床に落下し、水浸しになってしまうといった虞がある。
【0045】
そこで、溢水水位41aと高水位22aとの間に、溢水判定水位41bを設定する。
【0046】
(2-2.動作、作用)
図5において、ステップS212、ステップS219およびステップS220以外は、実施の形態1と同じ動作であるので、同一ステップ番号を付与し、説明を省略する。
【0047】
ステップS212にて、水位を測定し、溢水判定水位41bに達しているか否かを判定する。溢水判定水位41b以上の水位と判定された場合、ステップS219にて、排水ポンプ43を駆動させ、強制的に排水処理を行い、溢水による家屋への拡大被害を抑える。その後、報知手段8にて使用者に給水異常を通知する(ステップS220)。使用者に異
常を通知することで、拡大被害の抑制を図ることが出来る。
【0048】
(2-3.効果等)
本実施の形態1の洗濯機においては、水槽21内の水を機外の水槽21の上端部よりも高いところまで排水する排水ポンプ43を備え、制御手段4は、水が水槽21から外部に溢水する溢水水位41aより低く高水位22aより高い溢水判定水位41bを設定し、給水異常検知動作にて、検知した水位がゼロで水位検知用スイッチ6をオフにした後、所定時間後に再度、水位検知用スイッチ6をオンにして水位検知手段5にて水位検知を行い、その検知した水位が、記憶手段9に記憶する前回検知水位より高い場合に、その水位の変化量と経過時間により溢水判定水位41bに至るまでの時間を推定し、その推定時間を基に、次回に、水位検知用スイッチ6をオンにして水位検知手段5にて水位検知を行う時間を決定するものである。
【0049】
これにより、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段5への通電を制御して運転停止後の給水弁19の異常を速やかに検知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省き、家宅の床を破損させるといった拡大被害を防止することができる。
【0050】
本実施の形態1の洗濯機においては、運転終了時や異常発生時の報知を行う報知手段8を備え、制御手段4は、給水異常検知動作にて、水位検知手段5にて検知した水位が、溢水判定水位41bに到達すると判定した場合に、排水ポンプ43を駆動させて排水動作を行い、報知手段8により異常報知をする。
【0051】
これにより、機体を常時通電状態にしつつ水位検知手段5への通電を制御して運転停止後の給水弁19の異常を速やかに検知し、排水ポンプ43にて排水するとともに、使用者へ異常を通知することで、待機電力の低減を図ると共に、水資源の無駄を省き、家宅の床を破損させるといった拡大被害を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本開示に掛かる洗濯機は、給水弁故障による溢水での拡大被害を防止すると共に、機体を常時通電状態にしつつ、待機電力を低減させることが可能となるので、ドラム式など他の洗濯機の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 交流電源
2 直流電源装置
3 制御装置
4 制御手段
5 水位検知手段
6 水位検知用スイッチ
7 操作表示手段
8 報知手段
9 記憶手段
10 計時手段
18 外枠
19 給水弁
21 水槽
21a 溢水口水位
21b 溢水判定水位
22 洗濯兼脱水槽
22a 高水位
23 エアートラップ
24 エアーホース
25 排水弁
26 排水ホース
27 溢水口
28 モータ
30 パルセータ
31 上部枠体
31a 上部枠体開口部
32 蓋体
35 溢水ホース
41 水槽
41a 溢水水位
41b 溢水判定水位
42 機内排水ホース
43 排水ポンプ
44 機外排水ホース
図1
図2
図3
図4
図5