(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230227BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230227BHJP
F21V 14/00 20180101ALI20230227BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230227BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230227BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 103/33 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20230227BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230227BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S2/00 436
F21V14/00 200
F21V19/00 170
F21V23/04 500
F21Y103:10
F21Y103:33
F21Y113:13
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019027110
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石森 淳允
(72)【発明者】
【氏名】青山 央
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-004753(JP,A)
【文献】特開2017-117809(JP,A)
【文献】特開2017-208279(JP,A)
【文献】特開2014-026810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 14/00
F21V 19/00
F21V 23/04
F21Y 103/10
F21Y 103/33
F21Y 113/13
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を照明するための照明器具であって、
発光部と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて導く導光板と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて透過させる透光部材と、を備え、
前記透光部材は、光を前記空間に向けて出射する第1の出射面を有し、
前記導光板は、光を前記空間に向けて出射する第2の出射面を有し、
前記導光板
の前記第2の出射面及び前記透光部材
の前記第1の出射面は、
同一平面上に配置され、且つ、平面視で互いに重ならないように配置されている
照明器具。
【請求項2】
前記導光板は、前記透光部材を囲むように配置され、
前記発光部は、
複数の第1の発光素子と、
前記複数の第1の発光素子を囲むように配置された複数の第2の発光素子と、を有し、
前記導光板は、前記複数の第2の発光素子からの光を前記空間に向けて導き、
前記透光部材は、前記複数の第1の発光素子からの光を前記空間に向けて透過させる
請求項
1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記照明器具は、さらに、前記透光部材に対向するように配置され、前記複数の第1の発光素子からの光を前記透光部材に向けて導く補助導光板を備える
請求項
2に記載の照明器具。
【請求項4】
空間を照明するための照明器具であって、
発光部と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて導く導光板と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて透過させる透光部材と、を備え、
前記導光板は、前記透光部材を囲むように配置され、
前記発光部は、
複数の第1の発光素子と、
前記複数の第1の発光素子を囲むように配置された複数の第2の発光素子と、を有し、
前記導光板は、前記複数の第2の発光素子からの光を前記空間に向けて導き、
前記透光部材は、前記複数の第1の発光素子からの光を前記空間に向けて透過させ、
前記照明器具は、さらに、前記透光部材に対向するように配置され、前記複数の第1の発光素子からの光を前記透光部材に向けて導く補助導光板を備え、
前記補助導光板は、平面視で環状に形成され、
前記複数の第1の発光素子は、前記補助導光板の外周面に沿って配置され、前記補助導光板の前記外周面に光を入射させ
、
前記導光板及び前記透光部材は、平面視で互いに重ならないように配置されている
照明器具。
【請求項5】
前記補助導光板の前記外周面は、テーパ状に形成されている
請求項
4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記照明器具は、さらに、前記複数の第1の発光素子と前記複数の第2の発光素子との間に配置され、前記複数の第1の発光素子からの光を前記補助導光板の前記外周面に向けて反射する反射部材を備える
請求項
4又は
5に記載の照明器具。
【請求項7】
空間を照明するための照明器具であって、
発光部と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて導く導光板と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて透過させる透光部材と、を備え、
前記導光板は、前記透光部材を囲むように配置され、
前記発光部は、
複数の第1の発光素子と、
前記複数の第1の発光素子を囲むように配置された複数の第2の発光素子と、を有し、
前記導光板は、前記複数の第2の発光素子からの光を前記空間に向けて導き、
前記透光部材は、前記複数の第1の発光素子からの光を前記空間に向けて透過させ、
前記照明器具は、さらに、前記透光部材に対向するように配置され、前記複数の第1の発光素子からの光を前記透光部材に向けて導く補助導光板を備え、
前記透光部材は、前記補助導光板からの光を前記空間に向けて拡散させる拡散カバーであ
り、
前記導光板及び前記透光部材は、平面視で互いに重ならないように配置されている
照明器具。
【請求項8】
空間を照明するための照明器具であって、
発光部と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて導く導光板と、
前記発光部からの光を前記空間に向けて透過させる透光部材と、を備え、
前記導光板は、前記透光部材を囲むように配置され、
前記発光部は、
複数の第1の発光素子と、
前記複数の第1の発光素子を囲むように配置された複数の第2の発光素子と、を有し、
前記導光板は、前記複数の第2の発光素子からの光を前記空間に向けて導き、
前記透光部材は、前記複数の第1の発光素子からの光を前記空間に向けて透過させ、
前記導光板は、
一端部から他端部に向けてラッパ状に広がり、光を前記一端部から前記他端部に向けて導く湾曲部と、
前記湾曲部の前記一端部に形成され、前記複数の第2の発光素子からの光が入射する入射部と、
前記湾曲部の前記他端部から径方向外側に延びて平面視で環状に形成され、前記湾曲部からの光を前記空間に向けて出射する出射部と、を有し、
前記導光板の前記出射部及び前記透光部材は、平面視で互いに重ならないように配置されている
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内等の空間を照明するための照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空間を照明するための照明器具の一つとして、シーリングライトが知られている(例えば、特許文献1参照)。シーリングライトは、室内の天井に取り付けられる器具本体と、器具本体に支持された基板と、基板に実装された第1の発光素子及び第2の発光素子と、第1の発光素子からの光を室内の空間に向けて拡散させる拡散カバーと、第2の発光素子からの光を室内の空間に向けて導く導光板と、第1の発光素子及び第2の発光素子の各々の点消灯を制御する制御部とを備えている。
【0003】
導光板は、平面視で円環状に形成され、拡散カバーを囲むように配置されている。拡散カバーは、平面視で円形状に形成されている。拡散カバーの外周部は、平面視で導光板の一部と重なるように配置されている。
【0004】
また、上述したシーリングライトは、第1の点灯モード、第2の点灯モード及び第3の点灯モードのいずれかに切り替える機能を有している。第1の点灯モードでは、制御部により第1の発光素子及び第2の発光素子をともに点灯させることにより、拡散カバー及び導光板がともに発光する。第2の点灯モードでは、制御部により第1の発光素子のみを点灯させることにより、拡散カバーのみが発光する。第3の点灯モードでは、制御部により第2の発光素子のみを点灯させることにより、導光板のみが発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように拡散カバーの外周部が平面視で導光板の一部と重なっているため、例えば第3の点灯モードでは、導光板から出射した光の一部が拡散カバーの外周部に漏れるようになる。これにより、拡散カバーの外周部が意図せず発光してしまい、導光板と拡散カバーとの境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができないという課題が生じる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、導光板と透光部材との境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明器具は、空間を照明するための照明器具であって、発光部と、前記発光部からの光を前記空間に向けて導く導光板と、前記発光部からの光を前記空間に向けて透過させる透光部材と、を備え、前記導光板及び前記透光部材は、平面視で互いに重ならないように配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る照明器具によれば、導光板と透光部材との境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る照明器具の床面側の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る照明器具の天井側の外観を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る照明器具を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】
図1のIV-IV線による、実施の形態に係る照明器具の断面図である。
【
図5】
図1のV-V線による、実施の形態に係る照明器具の断面斜視図である。
【
図6】
図3の一部を拡大して示す、実施の形態に係る照明器具の断面図である。
【
図7】補助導光板、反射部材、化粧カバー、導光板、支持部材及び拡散カバー等を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具を示す平面図である。
【
図8】拡散カバーを支持部材から取り外した状態での、実施の形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図9】実施の形態に係る照明器具による照明方法を説明するための図である。
【
図10】比較例に係る照明器具による照明方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具について説明する。
【0014】
[1.照明器具の全体構成]
図1~
図4を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る照明器具2の床面側の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る照明器具2の天井4側の外観を示す斜視図である。
図3は、実施の形態に係る照明器具2を分解して示す分解斜視図である。
図4は、
図1のIV-IV線による、実施の形態に係る照明器具2の断面図である。
【0015】
照明器具2は、例えば室内の空間6(
図4参照)を照明するためのシーリングライトであり、室内の天井4(
図3参照)に設置される。
図1~
図4に示すように、照明器具2は、器具本体8と、アダプタ10と、回路ユニット12と、発光モジュール14(発光部の一例)と、補助導光板16と、反射部材18と、化粧カバー20と、導光板22と、支持部材24と、拡散カバー26(透光部材の一例)とを備えている。
【0016】
以下、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。なお、以下に示す各図において、Z軸のマイナス側が天井4側、Z軸のプラス側が床面(図示せず)側を表している。また、説明の都合上、
図1、
図3~
図6及び
図8では、照明器具2を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
【0017】
[2.器具本体]
まず、
図2~
図6を参照しながら、器具本体8について説明する。
図5は、
図1のV-V線による、実施の形態に係る照明器具2の断面斜視図である。
図6は、
図3の一部を拡大して示す、実施の形態に係る照明器具2の断面図である。
【0018】
器具本体8は、回路ユニット12及び発光モジュール14等を支持するための筐体である。
図2~
図6に示すように、器具本体8は、ベース28と、反射カバー30とを有している。
【0019】
ベース28は、回路ユニット12を支持するためのものである。
図4に示すように、ベース28は、XY平面視で円環状に形成され、中央部に円形状の開口部32を有している。ベース28の開口部32の径中心は、照明器具2の中心軸34(
図6参照)上に位置している。なお、中心軸34は、Z軸に平行な直線である。
図5及び
図6に示すように、ベース28の外周部には、反射カバー30を取り付けるためのフランジ部36が形成されている。ベース28は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。
【0020】
図4~
図6に示すように、ベース28の開口部32の周縁部には、器具本体8をアダプタ10に装着するためのホルダ38が固定されている。ホルダ38は、ベース28の開口部32の周縁部から床面側に延びている。ホルダ38の内部には、アダプタ10が着脱自在に嵌合される。
【0021】
また、
図4~
図6に示すように、ベース28の一方側の面(床面側の面)には、アダプタ10を保護するための保護カバー40が取り付けられている。保護カバー40は、略円筒状に形成され、ホルダ38を囲むように配置されている。保護カバー40は、例えば樹脂等の絶縁性材料で形成されている。
【0022】
さらに、
図2及び
図4に示すように、ベース28の他方側の面(天井4側の面)には、例えばウレタン等で形成されたクッション部材42が複数取り付けられている。複数のクッション部材42は、ベース28の周方向に沿って等間隔で配置されている。後述するようにして照明器具2が天井4に設置された際に、複数のクッション部材42がベース28と天井4との間に挟み込まれることにより、器具本体8のぐらつきが抑制される。
【0023】
反射カバー30は、発光モジュール14を支持し、且つ、発光モジュール14からの光を反射するためのものである。なお、反射カバー30は、発光モジュール14からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
図4~
図6に示すように、反射カバー30は円環状に形成され、中央部に略円形状の開口部44を有している。反射カバー30の外周部には、フランジ部46が形成されている。反射カバー30は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。なお、反射カバー30の一方側の面(床面側の面)には、反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、白色塗料が塗布、又は、反射性金属材料が蒸着されている。
【0024】
図4~
図6に示すように、反射カバー30は、ベース28の一方側の面を覆うように配置されている。反射カバー30のフランジ部46は、ベース28のフランジ部36にネジ(図示せず)で取り付けられている。また、反射カバー30の開口部44の周縁部は、保護カバー40の先端部に支持されている。なお、ベース28と反射カバー30との間には、回路ユニット12(後述する)を収容するための収容空間48が形成されている。
【0025】
[3.アダプタ]
次に、
図2~
図6を参照しながら、アダプタ10について説明する。アダプタ10は、室内の天井4に予め設置された引っ掛けシーリングボディ50(
図3参照)に器具本体8を着脱自在に取り付けるためのものである。
【0026】
図2及び
図4~
図6に示すように、アダプタ10は、器具本体8のホルダ38の内部に着脱自在に嵌合される。また、
図3に示すように、アダプタ10は、引っ掛けシーリングボディ50に着脱自在に取り付けられる。
【0027】
照明器具2を室内の天井4に設置する際には、ユーザは、まず、アダプタ10を引っ掛けシーリングボディ50に取り付ける。その後、ユーザは、アダプタ10が器具本体8のホルダ38の内部に挿入されるようにして、器具本体8を天井4側に押し上げることにより、ホルダ38とアダプタ10とを嵌合させる。これにより、器具本体8がアダプタ10及び引っ掛けシーリングボディ50を介して室内の天井4に取り付けられ、照明器具2が室内の天井4に設置される。
【0028】
なお、引っ掛けシーリングボディ50は、室内の天井4の裏側に配置された商用電源(図示せず)に電線(図示せず)を介して電気的に接続されている。照明器具2が室内の天井4に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディ50を介して照明器具2の回路ユニット12に供給される。
【0029】
[4.回路ユニット]
次に、
図4~
図6を参照しながら、回路ユニット12について説明する。回路ユニット12は、発光モジュール14を点灯させるための電力を生成し、且つ、発光モジュール14の点消灯を制御するためのユニットである。
【0030】
図4~
図6に示すように、回路ユニット12は、基板52と、基板52に実装された複数の回路部品54とを有している。回路ユニット12は、ベース28と反射カバー30との間に形成された収容空間48に収容されている。
【0031】
基板52は、複数の回路部品54を実装するためのプリント配線基板である。基板52は、器具本体8のベース28の一方側の面にネジ(図示せず)で取り付けられている。なお、基板52としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、基板52は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
【0032】
複数の回路部品54は、基板52の実装面(床面側の面)に実装されている。複数の回路部品54は、電源用回路部品と、制御用回路部品とを含んでいる。電源用回路部品は、発光モジュール14を点灯させるための電力を生成するための電源回路を構成する。電源回路は、上述した商用電源から電線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力を発光モジュール14に供給する。電源回路で生成された直流電力が発光モジュール14に供給されることにより、発光モジュール14が点灯する。また、制御用回路部品は、発光モジュール14の点消灯を制御するための制御回路を構成する。
【0033】
なお、複数の回路部品54は、例えば、a)電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、b)抵抗器等の抵抗素子、c)整流回路素子、d)コイル素子、e)チョークコイル(チョークトランス)、f)ノイズフィルタ、g)ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいる。
【0034】
[5.発光モジュール]
次に、
図3~
図7を参照しながら、発光モジュール14について説明する。
図7は、補助導光板16、反射部材18、化粧カバー20、導光板22、支持部材24及び拡散カバー26等を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す平面図である。
【0035】
発光モジュール14は、例えば白色光を発するための光源である。
図3~
図7に示すように、発光モジュール14は、複数の基板56と、複数の基板56の各々に実装された複数の第1の発光素子58及び複数の第2の発光素子60とを有している。すなわち、複数の第1の発光素子58及び複数の第2の発光素子60は、同一の基板56上に実装されている。
【0036】
図7に示すように、複数の基板56の各々は、複数の第1の発光素子58及び複数の第2の発光素子60を実装するためのプリント配線基板であり、略円弧状に形成されている。複数の基板56は、器具本体8の反射カバー30の開口部44を囲むように円環状に配置され、反射カバー30の一方側の面にネジ62で取り付けられている。なお、基板56としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、基板56は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
【0037】
図7に示すように、複数の第1の発光素子58は、基板56の実装面(床面側の面)の内周部側に実装されている。具体的には、複数の第1の発光素子58は、基板56の実装面の内周部側において、基板56の周方向に間隔を置いて円弧状に配置されている。これにより、発光モジュール14全体としては、複数の第1の発光素子58は、円環状に配置されている。
【0038】
図7に示すように、複数の第2の発光素子60は、基板56の実装面の外周部側に実装されている。具体的には、複数の第2の発光素子60は、基板56の実装面の外周部側において、基板56の周方向に間隔を置いて円弧状に配置されている。これにより、発光モジュール14全体としては、複数の第2の発光素子60は、複数の第1の発光素子58を囲むように、円環状に配置されている。
【0039】
第1の発光素子58及び第2の発光素子60の各々は、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED(Light Emitting Diode)素子である。すなわち、第1の発光素子58及び第2の発光素子60の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
【0040】
このように、第1の発光素子58及び第2の発光素子60の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB-Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1の発光素子58及び第2の発光素子60の各々から白色光が出射される。
【0041】
なお、本実施の形態では、第1の発光素子58及び第2の発光素子60がともに白色光を発するようにしたが、互いに異なる色(波長)の光を発するようにしてもよい。例えば、第1の発光素子58が白色光を発し、第2の発光素子60が電球色光を発するようにしてもよい。
【0042】
[6.補助導光板]
次に、
図3~
図6を参照しながら、補助導光板16について説明する。補助導光板16は、複数の第1の発光素子58からの光を、拡散カバー26を介して室内の空間6に導くための光学部材である。
【0043】
図3~
図6に示すように、補助導光板16は、XY平面視で円環状に形成されている。具体的には、補助導光板16は、入射部66と、出射部68とを有している。
図6に示すように、補助導光板16の外周側は、発光モジュール14の複数の基板56の各内周側に支持されている。また、補助導光板16の内周側は、反射カバー30の一方側の面における内周側にネジ64(後述する
図8参照)で取り付けられている。なお、補助導光板16は、透光性を有する材料、例えば透明のアクリル樹脂等で形成されている。
【0044】
図5及び
図6に示すように、入射部66は、補助導光板16の外周部に形成されている。具体的には、入射部66は、補助導光板16の外周面に形成された入射面66aを有している。入射面66aは、補助導光板16の裏面70(後述する)側から出射面68a(後述する)側に向けて拡径するテーパ状に形成され、複数の第1の発光素子58に対向且つ近接する位置に配置されている。これにより、複数の第1の発光素子58は、入射面66aの周方向に沿って配置され、入射面66aに光を入射させる。なお、補助導光板16の出射面68aに対する入射面66aの傾斜角度は、例えば40°~45°である。
【0045】
図5及び
図6に示すように、出射部68は、補助導光板16の一方側の面(拡散カバー26に対向する側の面)に形成されている。具体的には、出射部68は、補助導光板16の一方側の面に形成された出射面68aを有している。出射面68aは、拡散カバー26に対向するように、略水平な姿勢(すなわち、天井4に対して略平行な姿勢)で配置されている。補助導光板16の他方側の面(出射面68aとは反対側の面)である裏面70には、例えばドット加工により低角プリズムが形成されている。補助導光板16の入射面66aに入射した複数の第1の発光素子58からの光は、低角プリズムで反射することにより、出射面68aから拡散されて出射する。出射面68aから出射した光は、拡散カバー26に入射する。
【0046】
[7.反射部材]
次に、
図3~
図6を参照しながら、反射部材18について説明する。反射部材18は、複数の第1の発光素子58からの光を補助導光板16の入射面66aに向けて反射するためのものである。
【0047】
図3~
図6に示すように、反射部材18は、XY平面視で円環状に形成されている。具体的には、
図5及び
図6に示すように、反射部材18は、反射部72と、取付部74とを有している。なお、反射部材18は、例えば白色のポリカーボネート樹脂等で形成されている。
【0048】
反射部72は、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けて湾曲しながら縮径している。
図6に示すように、反射部72の凹面側には、反射面72aが形成されている。反射部72の反射面72aは、円環状に配置された複数の第1の発光素子58を、その全周に亘って覆うように配置されている。なお、反射部72の他端部は、補助導光板16の出射面68aの外周部を覆うように配置されている。
【0049】
取付部74は、反射部72の一端部の全周から反射部材18の径方向外側に円環状に延びている。取付部74は、発光モジュール14の複数の基板56の各々にネジ(図示せず)で取り付けられている。
【0050】
[8.化粧カバー]
次に、
図3~
図6を参照しながら、化粧カバー20について説明する。化粧カバー20は、器具本体8を側方から覆って化粧するためのカバーである。
【0051】
図3~
図6に示すように、化粧カバー20は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井4側の端部)に向けてラッパ状に広がる形状に形成されている。
図5及び
図6に示すように、化粧カバー20は、器具本体8を側方から覆うように配置され、反射カバー30のフランジ部46に支持されている。なお、化粧カバー20は、例えばポリスチレン樹脂等で形成されている。
【0052】
[9.導光板]
次に、
図1~
図6を参照しながら、導光板22について説明する。導光板22は、複数の第2の発光素子60からの光を室内の空間6に導くための光学部材である。
【0053】
図3~
図6に示すように、導光板22は、XY平面視で円環状に形成され、中央部に円形状の開口部76(
図3参照)を有している。導光板22は、補助導光板16を囲むように配置されている。導光板22は、湾曲部78と、入射部80と、出射部82と、複数の取付部84とを有している。なお、導光板22は、透光性を有する材料、例えば透明のアクリル樹脂等で形成されている。
【0054】
湾曲部78は、一端部(天井4側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に湾曲しながら拡径している。湾曲部78の凹面側は化粧カバー20の一端部に支持され、湾曲部78の凸面側は支持部材24(後述する)に支持されている。すなわち、湾曲部78は、化粧カバー20と支持部材24との間に挟持されている。湾曲部78は、入射部80に入射した光を、湾曲部78の一端部から他端部に向けて導く。
【0055】
入射部80は、湾曲部78の一端部の全周に亘って円環状に形成されている。入射部80は、複数の第2の発光素子60に対向且つ近接する位置に配置されている。これにより、複数の第2の発光素子60は、入射部80の周方向に沿って配置され、入射部80に光を入射させる。
【0056】
出射部82は、湾曲部78の他端部の全周から導光板22の径方向外側に延び、XY平面視で円環状に形成されている。
図1及び
図2に示すように、出射部82は、化粧カバー20の一端部よりも導光板22の径方向外側に張り出しており、略水平な姿勢で配置されている。
図5及び
図6に示すように、出射部82の一方側の面(床面側の面)には、光を室内の空間6に向けて出射する平面状の出射面82a(第2の出射面の一例)が形成されている。出射部82の他方側の面(天井4側の面)には、例えばドット加工により低角プリズムが形成されている。湾曲部78から出射部82に導かれた光は、低角プリズムで反射することにより、出射部82の出射面82aから拡散されて出射する。出射面82aから出射した光は、室内の空間6に向けて照射される。
【0057】
なお、
図6に示すように、出射部82と化粧カバー20との間には、例えばゴム材料等で形成された円環状のシール部材86が介在されている。シール部材86は、出射部82と化粧カバー20との間の隙間を、出射部82の周方向の全周に亘ってシールする。これにより、虫等が出射部82と化粧カバー20との間の隙間から照明器具2の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0058】
また、
図6に示すように、補助導光板16の出射面68aは、導光板22の出射面82aを含む平面とは異なる平面上に配置されている。具体的には、補助導光板16の出射面68aは、導光板22の出射面82aよりも発光モジュール14に近い側に配置されている。なお、補助導光板16の出射面68aと導光板22の出射面82aとのZ軸方向における離間距離は、例えば約30mmである。
【0059】
複数の取付部84の各々は、入射部80から導光板22の径方向内側に向けて延びている。
図3に示すように、複数の取付部84は、入射部80の周方向に間隔を置いて配置されている。複数の取付部84の各々は、発光モジュール14の基板56の所定の領域(複数の第1の発光素子58と複数の第2の発光素子60との間の領域)にネジ(図示せず)で取り付けられている。
【0060】
[10.支持部材]
次に、
図3~
図6及び
図8を参照しながら、支持部材24について説明する。
図8は、拡散カバー26を支持部材24から取り外した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す斜視図である。
【0061】
支持部材24は、拡散カバー26を支持するためのものである。
図3~
図6に示すように、支持部材24は、XY平面視で円環状に形成されている。支持部材24は、例えば遮光性を有する材料(例えば不透明の樹脂材料等)で形成されている。
図5及び
図6に示すように、支持部材24は、導光板22の湾曲部78の凸面側及び複数の取付部84を覆うように配置されている。
【0062】
図8に示すように、支持部材24の内周部には、複数の係合部88が形成されている。複数の係合部88は、支持部材24の周方向に間隔を置いて配置されている。
【0063】
なお、支持部材24は、拡散カバー26を支持する機能以外に、導光板22と補助導光板16との間を遮光する機能を有している。これにより、補助導光板16の出射面68aから出射した光は、支持部材24によって遮られ、導光板22の湾曲部78の凸面側に入射するのが抑制される。
【0064】
[11.拡散カバー]
次に、
図1、
図3~
図6及び
図8を参照しながら、拡散カバー26について説明する。拡散カバー26は、補助導光板16の出射面68aからの光を室内の空間6に向けて拡散させる(すなわち、発光モジュール14からの光を室内の空間6に向けて透過させる)ためのカバーである。
【0065】
図1、
図3~
図6に示すように、拡散カバー26は、XY平面視で円形状に形成され、導光板22の開口部76を覆うように、且つ、補助導光板16の出射面68aに対向するように配置されている。すなわち、導光板22は、拡散カバー26を囲むように配置されている。拡散カバー26は、透光性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂等)で形成されている。
【0066】
拡散カバー26には、光を室内の空間6に向けて出射する平面状の出射面90(第1の出射面の一例)が形成されている。
図6に示すように、拡散カバー26の出射面90及び導光板22の出射面82aは、同一平面上に配置され、且つ、XY平面視で互いに重ならないように配置されている。
【0067】
図8に示すように、拡散カバー26の外周部には、複数の突部92が形成されている。複数の突部92は、支持部材24の複数の係合部88に対応して、拡散カバー26の周方向に間隔を置いて配置されている。
【0068】
拡散カバー26を支持部材24に取り付ける際には、ユーザは、拡散カバー26を導光板22の開口部76に近付け、拡散カバー26を支持部材24に対して
図8中の矢印Pで示す方向に回動させる。これにより、複数の突部92がそれぞれ複数の係合部88に係合され、拡散カバー26が支持部材24に支持される。
【0069】
一方、拡散カバー26を支持部材24から取り外す際には、ユーザは、拡散カバー26を支持部材24に対して
図8中の矢印Qで示す方向に回動させる。これにより、複数の突部92がそれぞれ複数の係合部88から離脱し、拡散カバー26が支持部材24から取り外される。
【0070】
[12.照明器具による照明方法]
次に、
図6及び
図9を参照しながら、上述した照明器具2による照明方法について説明する。
図9は、実施の形態に係る照明器具2による照明方法を説明するための図である。
【0071】
回路ユニット12からの直流電力が発光モジュール14に供給されることにより、複数の第1の発光素子58及び複数の第2の発光素子60の各々が発光する。
【0072】
図6に示すように、複数の第1の発光素子58からの光の一部は、補助導光板16の入射面66aに直接入射する。また、複数の第1の発光素子58からの光の他の一部は、反射部材18の反射面72aで反射した後に、補助導光板16の入射面66aに入射する。補助導光板16の入射面66aに入射した光は、補助導光板16の内部を進み、出射面68aから出射する。補助導光板16の出射面68aから出射した光は、拡散カバー26に入射する。拡散カバー26に入射した光は、拡散カバー26の出射面90から拡散されて出射し、室内の空間6に向けて照射される。
【0073】
また、
図6に示すように、複数の第2の発光素子60からの光は、導光板22の入射部80に入射した後に、湾曲部78へと導かれる。湾曲部78に導かれた光は、出射部82に向けて導かれる。出射部82に導かれた光は、出射部82の出射面82aから出射し、室内の空間6に向けて照射される。
【0074】
さらに、
図9に示すように、上述した照明器具2は、発光モジュール14を点灯させる点灯モードとして、第1の点灯モード、第2の点灯モード及び第3の点灯モードのうちいずれかに切り替える機能を有している。例えばユーザがリモコン等を操作することにより、発光モジュール14の点灯モードを切り替えることができる。なお、
図9では、「発光」を白色で表し、「非発光」を灰色で表している。
【0075】
図9の(a)に示すように、第1の点灯モードは、複数の第1の発光素子58及び複数の第2の発光素子60をともに点灯させる点灯モードであり、拡散カバー26の出射面90及び導光板22の出射面82aがともに発光する。この第1の点灯モードは、例えば室内全体を明るくしたい場合に適している。
【0076】
図9の(b)に示すように、第2の点灯モードは、複数の第1の発光素子58のみを点灯させる点灯モードであり、拡散カバー26の出射面90のみが発光する。この第2の点灯モードは、例えばユーザが照明器具2の直下で手作業等を行う場合に適している。
【0077】
図9の(c)に示すように、第3の点灯モードは、複数の第2の発光素子60のみを点灯させる点灯モードであり、導光板22の出射面82aのみが発光する。この第3の点灯モードは、例えば室内を落ち着いた雰囲気にしたい場合に適している。
【0078】
[13.効果]
ここで、
図10を参照しながら、比較例に係る照明器具100による照明方法について説明する。
図10は、比較例に係る照明器具100による照明方法を説明するための図である。なお、
図10において、実施の形態に係る照明器具2と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、
図10では、「発光」を白色で表し、「非発光」を灰色で表している。
【0079】
図10の(a)に示すように、比較例に係る照明器具100では、拡散カバー102の構成が本実施の形態と異なっている。具体的には、拡散カバー102の外周部は、平面視で導光板22の一部(具体的には、出射部82の内周部)と重なるように配置されている。
【0080】
しかしながら、このような構成では、以下のような課題が生じる。
図10の(a)に示すように、上述した第3の点灯モードでは、導光板22の出射面82aから出射した光の一部が拡散カバー102の外周部に漏れるようになる。これにより、
図10の(b)に示すように、導光板22の出射面82aが発光するだけでなく、拡散カバー102の出射面104の外周部が意図せず発光してしまい、導光板22の出射面82aと拡散カバー102の出射面104との境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができない。
【0081】
これに対して、本実施の形態の照明器具2は、空間6を照明するための照明器具である。照明器具2は、発光モジュール14と、発光モジュール14からの光を空間6に向けて導く導光板22と、発光モジュール14からの光を空間6に向けて透過させる拡散カバー26とを備える。導光板22及び拡散カバー26は、平面視で互いに重ならないように配置されている。
【0082】
これによれば、導光板22及び拡散カバー26は、平面視で互いに重ならないように配置されているので、例えば導光板22のみを発光させたい場合に、導光板22から出射した光の一部が拡散カバー26の外周部に漏れるのを抑制することができる。その結果、拡散カバー26の外周部が意図せず発光するのを抑制することができ、導光板22と拡散カバー26との境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができる。
【0083】
さらに、拡散カバー26は、光を空間6に向けて出射する出射面90を有している。導光板22は、光を空間6に向けて出射する出射面82aを有している。出射面82a及び出射面90は、同一平面上に配置され、且つ、平面視で互いに重ならないように配置されている。
【0084】
これによれば、導光板22の出射面82aと拡散カバー26の出射面90との境界がくっきりした明確な照らし分けをすることができる。また、出射面82a及び出射面90は同一平面上に配置されているので、照明器具2の薄型化を図ることができる。
【0085】
さらに、導光板22は、拡散カバー26を囲むように配置されている。発光モジュール14は、複数の第1の発光素子58と、複数の第1の発光素子58を囲むように配置された複数の第2の発光素子60とを有している。導光板22は、複数の第2の発光素子60からの光を空間6に向けて導く。拡散カバー26は、複数の第1の発光素子58からの光を空間6に向けて透過させる。
【0086】
これによれば、拡散カバー26からの光によって空間6を直射照明し、導光板22からの光によって空間6を導光照明することができる。導光板22は拡散カバー26を囲むように配置されているので、直射照明と導光照明とを適宜切り替えることにより、照明器具2による照明の演出効果を高めることができる。
【0087】
さらに、照明器具2は、拡散カバー26に対向するように配置され、複数の第1の発光素子58からの光を拡散カバー26に向けて導く補助導光板16を備える。
【0088】
これによれば、発光モジュール14からの光が補助導光板16を介して拡散カバー26に入射するので、例えば照明器具2の薄型化を図るために、拡散カバー26を発光モジュール14に近付けた場合であっても、拡散カバー26の発光状態(いわゆる、見かかり)を改善することができる。
【0089】
さらに、補助導光板16は、平面視で環状に形成されている。複数の第1の発光素子58は、補助導光板16の外周面に沿って配置され、補助導光板16の外周面に光を入射させる。
【0090】
これによれば、照明器具2の薄型化を図ることができる。
【0091】
さらに、補助導光板16の外周面は、テーパ状に形成されている。
【0092】
これによれば、複数の第1の発光素子58を補助導光板16の外周面に沿って配置した場合であっても、複数の第1の発光素子58からの光を補助導光板16の外周面に効率良く入射させることができる。
【0093】
さらに、照明器具2は、複数の第1の発光素子58と複数の第2の発光素子60との間に配置され、複数の第1の発光素子58からの光を補助導光板16の外周面に向けて反射する反射部材18を備える。
【0094】
これによれば、複数の第1の発光素子58を補助導光板16の外周面に沿って配置した場合であっても、反射部材18を利用して、複数の第1の発光素子58からの光を補助導光板16の外周面に効率良く入射させることができる。
【0095】
さらに、透光部材は、補助導光板16からの光を空間6に向けて拡散させる拡散カバー26である。
【0096】
これによれば、拡散カバー26により、照明器具2からの照明光の均斉度を高めることができる。
【0097】
さらに、導光板22は、一端部から他端部に向けてラッパ状に広がり、光を一端部から他端部に向けて導く湾曲部78と、湾曲部78の一端部に形成され、複数の第2の発光素子60からの光が入射する入射部80と、湾曲部78の他端部から径方向外側に延びて平面視で環状に形成され、湾曲部78からの光を空間6に向けて出射する出射部82とを有している。導光板22の出射部82及び拡散カバー26は、平面視で互いに重ならないように配置されている。
【0098】
これによれば、導光板22は湾曲部78を有しているので、導光板22の径方向における大きさを小さく抑えることができる。
【0099】
(変形例等)
以上、本発明について上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0100】
上記実施の形態では、透光部材を拡散カバー26で構成したが、これに限定されず、例えば導光板又は透明カバー等の任意の光学部材で構成してもよい。
【0101】
上記実施の形態では、導光板22が拡散カバー26を囲むように配置されるようにしたが、これに限定されず、例えば導光板22及び拡散カバー26を横方向(例えばX方向)にのみ隣接するように配置してもよく、導光板22及び拡散カバー26を任意に配置することができる。
【0102】
上記実施の形態では、導光板22の出射面82a及び拡散カバー26の出射面90が同一平面上に配置されるようにしたが、これに限定されず、異なる平面上に配置されてもよい。例えば、拡散カバー26の出射面90は、導光板22の出射面82aよりも発光モジュール14に近い側に配置されていてもよい。
【0103】
上記実施の形態では、照明器具2をシーリングライトとしたが、これに限定されず、例えばシャンデリア、ペンダントライト、ブラケットライト、バスルームライト又はキッチンライト等としてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、第1の発光素子58及び第2の発光素子60の各実装構造をSMD構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップを基板56に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板56上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、第1の発光素子58及び第2の発光素子60としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
【0106】
また、照明器具2は、例えばマイナスイオンを発生させるためのイオン発生部を備えていてもよい。イオン発生部は、例えば器具本体8の内部に配置されている。イオン発生部は、針状放電極と、針状放電極に高電圧(例えば、約6000V)を印加する高電圧発生回路と、針状放電極を冷却するペルチェ素子とを有している。針状放電極は、ペルチェ素子のペルチェ効果によって冷却されることにより結露する。高電圧発生回路が針状放電極に結露した空気中の水分に高電圧を印加することにより、ナノメータサイズ(例えば、直径約5~20nm)の微粒子水で包まれたマイナスイオン(いわゆる、ナノイー(登録商標))を発生させる。イオン発生部により発生したマイナスイオンは、器具本体8の内部に配置された送風ファン等により器具本体8の外部に吹き出され、室内に拡散される。
【0107】
なお、ナノイーは、マイナスイオン単独で存在する場合よりも空気中に長時間(マイナスイオンの約6倍の寿命で)存在することが可能であり、且つ、ナノメータサイズと非常に小さいため、室内全体に万遍無く拡散し且つ長時間浮遊することができる。ナノイーは、反応性が高く、且つ、臭い成分に作用して無臭成分に分解する能力を持つことが知られている。そのため、ナノイーが室内に拡散することにより、a)室内のカーテン又は浮遊塵埃等を脱臭する効果、b)室内に浮遊又は付着しているアレルゲン、ウイルス等を不活化させる効果、c)室内に浮遊又は付着しているカビ、細菌等を除菌する効果等が得られる。
【0108】
また、照明器具2は、室内に人が存在することを検出する人感センサと、照明器具2の周囲の画像を撮像するためのカメラ機能を有する画像センサとを備えていてもよい。画像センサは、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。この場合、人感センサで室内に人を検知した際に、防犯対策として画像センサにより撮像した画像をメモリ等に記憶しておくことができる。
【0109】
また、照明器具2は、有線又は無線によって照明器具2が受信した音声を出力するスピーカを備えていてもよい。この場合、例えば発光モジュールの点灯に同期してスピーカから音声が出力されるように、スピーカが制御されてもよい。
【0110】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
2,100 照明器具
6 空間
14 発光モジュール(発光部)
16 補助導光板
18 反射部材
22 導光板
26 拡散カバー(透光部材)
58 第1の発光素子
60 第2の発光素子
78 湾曲部
80 入射部
82 出射部
82a 出射面(第2の出射面)
90 出射面(第1の出射面)