(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20230227BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230227BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B15/00 F
(21)【出願番号】P 2022053025
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2018122137の分割
【原出願日】2018-06-27
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 恭輔
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-186406(JP,A)
【文献】特開平10-042175(JP,A)
【文献】特開2003-304546(JP,A)
【文献】特開2015-090668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、
前記所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、
ユーザの指示に基づき所定のタイミングを設定する
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、
当該変更した設定情報を前記記憶部に記録させ、
前記所定のタイミングで、
前記変更した設定情報を前記ベース設定へ戻す、撮像装置。
【請求項2】
所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、
前記所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、
ユーザの指示に基づき所定のタイミングを設定する
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、
当該変更した設定情報を前記記憶部に記録させ、
前記所定のタイミングで、
前記変更した設定情報を前記ベース設定へ戻す
ことを禁止する、撮像装置。
【請求項3】
所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、
前記所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、
ユーザの指示に基づき所定のタイミング
として第1のタイミングと第2のタイミングとを設定する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、
当該変更した設定情報を前記記憶部に記録させ、
前記第1のタイミングで、前記変更した設定情報を前記ベース設定へ戻
し、
前記第2のタイミングで、前記変更した設定情報を前記ベース設定へ戻す
ことを禁止する、撮像装置。
【請求項4】
前記記憶部は、不揮発性の記録媒体である、請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記所定のタイミングは、前記撮像装置の電源スイッチが操作された時、撮像装置のスリープモードへの移行時若しくはスリープモードからの復帰時、及び、動作モードの切り換え時のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記所定機能の設定は、撮像画像の色味や画質を設定するための設定を含む、
請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記所定機能の設定は、オートフォーカスに関する設定と、撮影モードに関する設定と、表示モニタの表示設定とのうちの少なくともいずれか1つを含む、
請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、所定機能の設定についてユーザがカスタマイズできる機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、カメラのコントロール設定の制御に関する方法を開示する。具体的には、特許文献1は、電源オンの時に、電源オフからの経過時間をカメラ内で決定するステップと、経過時間が所定のしきい値よりも短いときには、少なくとも1つのコントロール設定を継続値に戻すステップと、経過時間が所定のしきい値よりも長いときには、少なくとも1つのコントロール設定をデフォルト値に戻すステップとを有するカメラのコントロール方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザが好みに応じてカスタマイズした設定をさらに一時的に変更した場合に、変更した設定をユーザが望むタイミングで、カスタマイズしたときの元の設定に戻すことができる撮像装置を提供する。
また、本開示は、ユーザが好みに応じてカスタマイズした設定をさらに一時的に変更した場合に、変更した設定をユーザが望むタイミングで、カスタマイズしたときの元の設定に戻らないようにできる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様の撮像装置は、所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、ユーザの指示に基づき所定のタイミングを設定する制御部と、を備え、制御部は、設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、変更した設定情報を記憶部に記録させ、所定のタイミングで、変更した設定情報をベース設定へ戻す、ものである。
本開示の第2の態様の撮像装置は、所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、ユーザの指示に基づき所定のタイミングを設定する制御部と、を備え、制御部は、設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、変更した設定情報を記憶部に記録させ、所定のタイミングで、変更した設定情報をベース設定へ戻すことを禁止する、ものである。
本開示の第3の態様の撮像装置は、所定機能の設定に関して、ユーザがその設定を登録可能な撮像装置であって、前記所定機能の設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含む設定情報を記憶する記憶部と、ユーザの指示に基づき所定のタイミングとして第1のタイミングと第2のタイミングとを設定する制御部と、を備え、制御部は、設定情報をユーザ指示にしたがい変更し、変更した設定情報を記憶部に記録させ、第1のタイミングで変更した設定情報を前記ベース設定へ戻し、第2のタイミングで前記変更した設定情報をベース設定へ戻すことを禁止する、ものである。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザがカスタマイズした設定をさらに一時的に変更した場合に、変更した設定を所望のタイミングでカスタマイズしたときの元の設定に戻すことができ、ユーザの利便性を向上できる。
また、本開示によれば、ユーザがカスタマイズした設定をさらに一時的に変更した場合に、変更した設定を所望のタイミングでカスタマイズしたときの元の設定に戻らないようにでき、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施の形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図
【
図4】デジタルカメラに格納されるフォトスタイル設定情報及びマイフォトスタイル設定情報を説明した図
【
図5】フォトスタイルに関する設定情報の変遷を説明した図
【
図6】変更前のマイフォトスタイル設定情報と、変更されたマイフォトスタイル設定情報との関係を説明した図
【
図7】マイフォトスタイル設定情報の登録内容へのリセットタイミングの設定画面を説明した図
【
図8】リセットタイミング設定情報の構成例を示した図
【
図9】一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報のベース設定へのリセットのためのメニュー画面を説明した図
【
図10】マイフォトスタイル機能が選択されたときにコントローラにより実行される処理を示すフローチャート
【
図11】マイフォトスタイル設定情報の登録内容へのリセット処理を示すフローチャート
【
図13】カスタム設定情報の登録内容へのリセットタイミングの設定画面を説明した図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0009】
(実施の形態1)
〔1-1.構成〕
図1は、本開示の実施の形態にかかるデジタルカメラの構成を示した図である。デジタルカメラ100は、被写体を撮像して画像データを生成する。特に、本実施の形態のデジタルカメラ100は、ユーザが種々の設定(制御パラメータ)をユーザの好みに応じてカスタマイズできる機能を有している。
【0010】
デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をイメージセンサ115で撮像し画像データを生成する。画像処理部120は、イメージセンサ115により生成された撮像データに対して各種処理を施して画像データを生成する。コントローラ135は、画像処理部120にて生成された画像データをカードスロット140に装着されたメモリカード142に記録する。また、コントローラ135は、メモリカード142に記録された画像データを、使用者による操作部150の操作にしたがい液晶モニタ130上に表示させること(再生)ができる。
【0011】
光学系110は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS)、絞り、シャッタ、等を含む。光学系110に含まれる各種レンズは、何枚から構成されるものであっても、何群から構成されるものであってもよい。
【0012】
イメージセンサ115は、光学系110を介して形成された被写体像を撮像して撮像データを生成する。イメージセンサ115は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。イメージセンサ115における、撮像データの生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ135によって制御される。なお、イメージセンサ115は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、またはNMOSイメージセンサなど、種々のイメージセンサを用いてもよい。
【0013】
画像処理部120は、イメージセンサ115から出力された撮像データに対して各種の処理を施して画像データを生成する。また、画像処理部120は、メモリカード142から読み出した画像データに各種の処理を施して、液晶モニタ130に表示するための画像を生成する。各種処理としては、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されない。画像処理部120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
【0014】
液晶モニタ130は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶モニタ130は、画像処理部120にて処理された画像データに基づく画像を表示する。なお、液晶モニタに代えて、有機ELモニタなど、他のモニタを用いてもよい。
【0015】
コントローラ135はCPUを含み、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ135は、CPUに代えて、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されるプロセッサを含んでもよい。すなわち、コントローラ135は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現できる。コントローラ135は1つまたは複数のプロセッサで構成してもよい。また、コントローラ135は、画像処理部120などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。図示していないが、コントローラ135はROMを内蔵する。また、ROMには、コントローラ135により実行されるオートフォーカス制御(AF制御)のような、様々なプログラムが記憶されている。また、コントローラ135はCPUの作業領域として機能するRAM(図示せず)を内蔵している。
【0016】
バッファメモリ125は、画像処理部120やコントローラ135のワークメモリとして機能する記録媒体である。バッファメモリ125は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより実現される。
【0017】
カードスロット140は、着脱可能なメモリカード142が挿入される手段である。カードスロット140は、メモリカード142を電気的及び機械的に接続可能である。メモリカード142は、内部にフラッシュメモリ等の記録素子を備えた外部メモリである。メモリカード142は、画像処理部120で生成される画像データなどのデータを格納できる。
【0018】
フラッシュメモリ145は不揮発性の記録媒体である。
【0019】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に設けられた操作釦や操作レバー等のハードキーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は、例えば、レリーズ釦、モードダイヤル、タッチパネルを含む。操作部150はユーザによる操作を受け付けると、ユーザ操作に対応した操作信号をコントローラ135に送信する。
【0020】
Wi-Fiモジュール155は、通信規格IEEE802.11またはWi-Fi規格に準拠した通信を行う通信モジュール(回路)である。デジタルカメラ100は、Wi-Fiモジュール155を介して、Wi-Fiモジュールを搭載した他の機器と通信することができる。デジタルカメラ100は、Wi-Fiモジュール155を介して、他の機器と直接通信を行ってもよいし、アクセスポイント経由で通信を行ってもよい。
【0021】
Bluetoothモジュール160は、通信規格802.15.1すなわちBluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行うためのモジュール(回路)である。デジタルカメラ100は、Bluetoothモジュール160を介して他の機器とBluetooth規格に準拠した通信を行うことができる。
【0022】
〔1-2.動作〕
以下、以上のような構成を有するデジタルカメラ100における動作を説明する。
【0023】
本実施の形態のデジタルカメラ100は、ユーザが好みの色調や画質で画像を簡単に撮影できるように予め用意された複数の撮影モードを有している。以下、この撮影モードを「フォトスタイル」という。例えば、
図2に示すように、「スタンダード」、「ヴィヴィッド」、「ナチュラル」、「モノクローム」等のフォトスタイルが用意されている。「スタンダード」は標準的な設定であり、「ヴィヴィッド」は、彩度及びコントラストが高めで鮮やかな効果が得られるモードである。ナチュラルは、コントラストが低めで柔らかな効果が得られるモードである。モノクロームは、色味がない単色の効果を得るモードである。
【0024】
1つのフォトスタイルが選択されると、そのフォトスタイルが示す効果を有する画像が撮像されるように種々の制御パラメータが設定される。具体的には、フォトスタイル毎に、それぞれのフォトスタイルが示す効果が得られるように、コントラスト、ハイライト、シャドウ、彩度、色相、シャープネス及びノイズリダクションの各制御パラメータの値が設定される。
【0025】
本実施の形態のデジタルカメラ100では、各フォトスタイルに対して、さらにユーザの好みに合わせて、コントラストや彩度などの制御パラメータを変更できるようになっている。このように予め用意されたフォトスタイルの制御パラメータをユーザの好みに応じて変更して得られた設定は「マイフォトスタイル」として、デジタルカメラ100内に登録できるようになっている。本実施の形態ではマイフォトスタイルは最大10個(一例であり、これに限定されるものではない)まで登録できる。
【0026】
図3は、マイフォトスタイルを説明した図である。マイフォトスタイルでは、コントラスト、ハイライト、シャドウ、彩度、色相、シャープネス及びノイズリダクションの制御パラメータに加えて、さらにISO感度及びホワイトバランス(WB)の制御パラメータについてもユーザ所望の値に設定することができるようになっている。
【0027】
デジタルカメラ100内において、フォトスタイル及びマイフォトスタイルはそれぞれフォトスタイル設定情報及びマイフォトスタイル設定情報として管理されている。これらの情報はデジタルカメラ100のフラッシュメモリ145内に格納される。
図4は、フラッシュメモリ145に格納されるフォトスタイル設定情報及びマイフォトスタイル設定情報を説明した図である。
【0028】
さらに、本実施の形態のデジタルカメラ100では、登録したマイフォトスタイルの設定をユーザの好みにより一時的に変更できるようになっている。例えば、ユーザは撮影現場の状況に応じて微妙に制御パラメータを調整したい場合がある。そのような場合に、マイフォトスタイルの設定をユーザの好みにより一時的に変更できるようになっている。マイフォトスタイルに対する一時的な変更された設定は、ユーザが指定した所定のタイミングで元の設定に戻されるようになっている。
【0029】
図5は、フォトスタイル設定情報20と、マイフォトスタイル設定情報40と、一時的に設定変更されたマイフォトスタイル設定情報40aとの間の遷移を説明するための図である。デジタルカメラ100は予め、事前に設定されたフォトスタイル設定情報20を格納している。ユーザは、フォトスタイル設定情報20の内容(すなわち、制御パラメータ)の一部を好みに応じて変更することができる。例えば、「ナチュラル」のフォトスタイルに関して、彩度やシャープネスをユーザの好みの値に変更することができる。ユーザの好みに応じて変更されたフォトスタイル設定情報20は、マイフォトスタイル設定情報40としてデジタルカメラ100に登録される。
【0030】
さらに、ユーザは、登録されているマイフォトスタイル設定情報40の設定(以下「ベース設定」という)の一部を撮影現場の状況等(晴れや曇りなどの天候の違いや撮影被写体ごとの色のバランスなど)に応じて一時的に変更(例えば、微調整)することができる。この一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報40aはデジタルカメラ100内で保持される。一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報40aは、例えば、デジタルカメラ100の電源オフ時に、元のベース設定に戻されても良いし、または、そのまま設定が維持されてもよい。デジタルカメラ100の電源オフ時等に、一時的な変更がベース設定に戻されるか、維持されるかはユーザの指定に基づく。
【0031】
図6は、フラッシュメモリ145におけるマイフォトスタイル設定情報の格納状態を説明した図である。フォトスタイル設定情報20からユーザにより生成され、登録されたマイフォトスタイル設定情報40はフラッシュメモリ145の保存領域に格納される。そして、ユーザにより1つのフォトスタイルが選択されたときに、選択されたマイフォトスタイルに関連するマイフォトスタイル設定情報40がワーク領域にコピーされる。例えば、ユーザによるモードダイヤルまたは所定のボタンの操作によりマイフォトスタイルが選択される。
【0032】
これにより、フラッシュメモリ145のワーク領域において、マイフォトスタイル設定情報40bが格納される。その後、ユーザにより、マイフォトスタイルの設定の一部が変更されると、その変更に基づき、ワーク領域に格納されたマイフォトスタイル設定情報40bが変更される。
【0033】
図6の例では、ユーザによりマイフォトスタイル2に関する設定42が変更され、この変更にしたがいワーク領域のマイフォトスタイル設定情報40bが変更されている。すなわち、マイフォトスタイル設定情報40bは、変更後のマイフォトスタイル2に関する設定42bを有している。このようにして、ワーク領域におけるマイフォトスタイル設定情報40bにおいて、ユーザによる変更が反映される。
【0034】
このようなマイフォトスタイル設定情報40bの変更は一時的な変更であると考えられ、ユーザが指定したタイミングで、マイフォトスタイル設定情報40の元の設定(ベース設定)に戻される。
【0035】
特に、本実施の形態では、マイフォトスタイル設定情報40bを元の設定(ベース設定)に戻すタイミングとして、ユーザは、例えば、下記の3つのタイミングを指定することができる。
1)デジタルカメラ100の電源オフ時
2)マイフォトスタイルの切換時
3)スリープモードへの切換時
【0036】
図7は、設定が変更されたマイフォトスタイル設定情報40bを元のベース設定(登録内容)へリセットするタイミングを指定するための設定画面を説明した図である。
【0037】
図7に示すように、設定画面132は、マイフォトスタイルの設定に関する画面であり、液晶モニタ130上にメニュー設定画面の1つとして表示される。この設定画面132上で、ユーザにより「登録内容へのリセットタイミング」の項目が選択されると、リセットタイミングを設定するための設定画面134が表示される。
【0038】
この設定画面134上における「マイフォトスタイルの切換」の項目は、例えばユーザによるモードダイヤル操作により、別のマイフォトスタイルに切り換えられたときに、変更されたマイフォトスタイル設定情報40bをベース設定に戻すか否かを設定するための項目である。「ON」が設定された場合、マイフォトスタイルの切り換えによりマイフォトスタイル設定情報40bはリセットされ、「OFF」が設定された場合、マイフォトスタイルの切り換えがあってもマイフォトスタイル設定情報40bは維持される。
【0039】
「スリープモード」の項目は、デジタルカメラ100がスリープモードになったときに、変更されたマイフォトスタイル設定情報40bをベース設定に戻すか否かを設定するための項目である。「電源スイッチ」の項目は、デジタルカメラ100の電源スイッチが操作(OFF操作またはON操作)されたときに、変更されたマイフォトスタイル設定情報40bをベース設定に戻すか否かを設定するための項目である。
【0040】
設定画面134上でユーザにより設定された内容は、リセットタイミング設定情報として、フラッシュメモリ145に格納される。
図8にリセットタイミング設定情報の例を示す。
【0041】
なお、
図7に示す設定画面134では、3つのリセットタイミングの全てについて「OFF」に設定することが可能である。しかし、その場合、変更されたマイフォトスタイル設定情報40bをベース設定に戻すことができなくなるという問題がある。
【0042】
そこで、本実施の形態のデジタルカメラ100では、3つのリセットタイミングの全てがOFFであっても、メニューから、一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報40bの変更をリセットすることができるようになっている。具体的には、コントローラ135は、デジタルカメラ100のメニューから、一時的に変更されたマイフォトスタイルの画面を呼び出し、この画面上でさらに
図9に示すような呼出/登録メニュー138を表示させる。この呼出/登録メニュー138上で「登録済みの内容を呼び出す」の項目が選択されると、一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報40bの設定がベース設定に戻される。このように、ユーザ操作によって、一時的に変更されたマイフォトスタイル設定情報40bを随時ベース設定に戻すことができる。
【0043】
図10は、ユーザによりマイフォトスタイルが選択されたときにコントローラ135が実行する処理を示すフローチャートである。
【0044】
コントローラ135は、ユーザにより新たなマイフォトスタイルが選択されたか否かを判断する(S11)。例えば、コントローラ135は、ユーザによるモードダイヤルや所定スイッチの操作に基づき新たなマイフォトスタイルが選択されたか否かを判断する。
【0045】
新たなマイフォトスタイルが選択された場合(S11でYES)、コントローラ135は、選択されたマイフォトスタイルの保存領域に保存されている設定情報40(ベース設定)をワーク領域にコピーする(S12)。コントローラ135は、マイフォトスタイルが選択された場合、画像撮影時には、保存領域ではなく、ワーク領域に保存されているマイフォトスタイル設定情報40bを参照して撮影動作に関する各種の設定を行う。
【0046】
その後、ユーザにより、撮影現場の状況に応じて、マイフォトスタイルの一時的な設定変更(微調整)がなされると(S13でYES)、コントローラ135は、ワーク領域に保存されているマイフォトスタイル設定情報40bにおいて変更に対応する設定値をユーザにより微調整(カスタマイズ)された値に変更する(S14)。コントローラ135は、ワーク領域に保持されたマイフォトスタイル設定情報40bを参照することで、一時的な変更を反映した設定に基づき画像撮像を行うことができる。
【0047】
図11は、コントローラ135が実行する、設定が変更されたマイフォトスタイル設定情報40aのリセット処理を示すフローチャートである。コントローラ135は、所定のイベントが発生したか否かを検出する(S21)。ここで、所定のイベントとは、設定が変更されたマイフォトスタイル設定情報40aのリセットに関連したイベントであり、例えば、デジタルカメラ100の電源オン、スリープモードからの復帰、及びマイフォトスタイルの切換である。コントローラ135は、リセットタイミング設定情報136を参照して所定のイベントを判断できる。
【0048】
所定のイベントの発生を検出した場合(S21でYES)、コントローラ135は、フラッシュメモリ145に格納されたリセットタイミング設定情報136を参照し、検出したイベントに基づきマイフォトスタイル設定情報40aの変更をリセットすべきか否かを確認する(S22)。
【0049】
例えば、
図8に示すリセットタイミング設定情報136を参照する場合、検出された所定のイベントが「マイフォトスタイルの切換」であれば、コントローラ135は、マイフォトスタイル設定情報40bの変更をリセットすべきであると判断する。一方、検出された所定のイベントが「スリープモードからの復帰」または「電源オン」であれば、コントローラ135は、マイフォトスタイル設定情報40aの変更をリセットすべきでないと判断する。
【0050】
リセットすべきであると判断した場合(S23でYES)、コントローラ135は、ワーク領域に格納されたマイフォトスタイル設定情報40bをベース設定に戻す(S24)。具体的には、コントローラ135は、保存領域に格納されたマイフォトスタイル設定情報40をワーク領域にコピーする。すなわち、ワーク領域に格納されたマイフォトスタイル設定情報40aを保存領域に格納されたマイフォトスタイル設定情報40で上書きする。これにより、コントローラ135により参照される、ワーク領域にあるマイフォトスタイル設定情報40bがベース設定に戻される。
【0051】
リセットすべきでないと判断した場合(S23でNO)、コントローラ135は変更されたマイフォトスタイル設定情報40aを維持する(S25)。
【0052】
以上のように、ユーザは、マイフォトスタイル設定情報40aの変更された設定をリセットすべきタイミングを指定することができる。これにより、ユーザが一時的に変更したマイフォトスタイル設定情報40aの設定を元の設定に戻すタイミングをユーザ所望のタイミングに設定でき、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0053】
例えば、ユーザが、登録済みのマイフォトスタイルの中から1つを選択し、その後、選択したマイフォトスタイルを一時的に変更(微調整)した場合、変更後に、被写体のシャッタチャンスが到来するまで、省エネのため、デジタルカメラ100の電源をオフすることがある。この場合、シャッタチャンスが到来し、デジタルカメラ100の電源をオンにしたときに、変更したマイフォトスタイルの設定が元に戻ってしまうと、ユーザは、再度、マイフォトスタイルを変更(微調整)する必要があり、ユーザの利便性が損なわれる。そこで、
図7に示すような設定画面134上で、電源スイッチの操作時にマイフォトスタイルの一時的な変更がリセットされないように設定することで、前述のようなユーザの利便性を損なうことを低減することができる。
【0054】
〔1-3.効果、等〕
以上のように本実施の形態のデジタルカメラ100(撮像装置の一例)は、マイフォトスタイル(所定機能の一例)の設定に関してユーザが登録可能な撮像装置である。デジタルカメラ100は、マイフォトスタイルの設定に関して、ユーザにより登録された設定の内容であるベース設定を含むマイフォトスタイル設定情報40を記憶するフラッシュメモリ145(記憶部の一例)と、マイフォトスタイル設定情報40をユーザ指示にしたがい変更し、その後に、所定のタイミング(電源オフ、スリープモードへの切り換え時等)で、変更したマイフォトスタイル設定情報40a、40bの内容をベース設定へ戻すコントローラ135(設定部の一例)と、を備える。コントローラ135は、ユーザの指示に基づき所定のタイミングを設定する。
【0055】
所定のタイミングは、例えば、デジタルカメラ100の電源スイッチが操作された時、デジタルカメラ100のスリープモードへの移行時若しくはスリープモードからの復帰時、及び、動作モードの切り換え時のうちの少なくとも1つを含む。
【0056】
以上の構成により、マイフォトスタイルの設定における一時的な変更を元のベース設定に戻すタイミングについてユーザが指定することができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態1では、マイフォトスタイルの設定について、ユーザが一時的に変更した設定を元のベース設定に戻すタイミングについてユーザが指定できる構成を説明した。このような制御は、マイフォトスタイルの設定に限定されず、ユーザが好みに応じてカスタマイズした他の設定に対しても適用できる。以下、これを説明する。
【0058】
例えば、デジタルカメラ100は、フォトスタイルを含む複数の設定についてカスタム登録することができるカスタムモードを有している。カスタムモードでは、ユーザは、デジタルカメラ100に設定される複数の設定をまとめて登録することができる。
【0059】
図12は、カスタムモードに関する設定情報であるカスタム設定情報を説明した図である。カスタム設定情報は、フォトスタイル設定、AF(オートフォーカス)設定、撮影モード(M/A/S/P)、シャッタ速度、絞り値、露出補正、ISO感度、WB(ホワイトバランス)、モニタの表示設定、等の各種の設定の組み合わせを含む。ユーザは、フォトスタイル設定、オートフォーカスに関する設定(オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り換え、オートフォーカスの種類の設定等)、撮影モード(M/A/S/P)等のそれぞれの設定(制御パラメータ)を好みの値に設定し、カスタム登録としてデジタルカメラ100に登録する。カスタム登録は、例えば最大10個まで登録可能であるとする。ユーザは、登録されたカスタム登録の中から所望のものを選択することで、デジタルカメラ100を所望の設定に設定することができる。
【0060】
さらに、ユーザはこのカスタム登録の設定についても、マイフォトスタイル設定と同様に一時的に変更することができる。そして、この一時的な変更を元に戻すタイミングについてもマイフォトスタイル設定と同様に、ユーザが指定することができる。
【0061】
図13は、カスタム登録の一時的な変更のリセットのタイミングを指定するための設定画面を説明した図である。設定画面133上で、ユーザにより「登録内容へのリセットタイミング」の項目が選択されると、液晶モニタ130に、リセットタイミングを設定するための設定画面137が表示される。この設定画面137における「モードダイヤル」の項目は、モードダイヤルが操作されたときに、選択されているカスタム登録について一時的に変更された設定を元の設定に戻すか否かを設定するための項目である。元のカスタム登録の設定に戻す場合、「ON」に設定し、元の設定に戻さず変更を維持する場合は「OFF」に設定する。「スリープモード」の項目は、スリープモードに切り替わったときに、カスタム登録について一時的に変更された設定を元の設定に戻すか否かを設定するための項目である。「電源スイッチ」の項目は、デジタルカメラ100の電源スイッチが操作(OFF操作またはON操作)されたときに、カスタム登録について一時的に変更された設定を元の設定に戻すか否かを設定するための項目である。設定画面137上でユーザにより設定された内容は、カスタムモードにおけるリセットタイミング設定情報として、フラッシュメモリ145に格納される。
【0062】
以上の構成により、カスタム登録の設定における一時的な変更を元に戻すタイミングについても、マイフォトスタイル設定と同様に、ユーザが指定することができる。
【0063】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0064】
マイフォトスタイル設定やカスタム登録の設定は第一の設定の一例である。第一の設定は、ユーザが好みに応じてカスタマイズできる種々のデジタルカメラの設定を含む。
【0065】
撮像装置の例としてデジタルカメラを説明したが、これに限定されない。撮像装置として、画像撮影機能と通信機能を有する電子機器(例えば、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等)であればよい。
【0066】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0067】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0068】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示は、ユーザが好みに応じて制御パラメータの設定が可能な撮像装置に有用である。
【符号の説明】
【0070】
20 フォトスタイル設定情報
40 マイフォトスタイル設定情報(保存領域領域)
40a マイフォトスタイル設定情報(一部の設定が変更)
40b マイフォトスタイル設定情報(ワーク領域)
100 デジタルカメラ
110 光学系
115 イメージセンサ
120 画像処理部
125 バッファメモリ
135 コントローラ
140 カードスロット
142 メモリカード
145 フラッシュメモリ
155 Wi-Fiモジュール
160 Bluetoothモジュール